― 短編箱 ―
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#101 []
どれもなんとなくジーンとくるものがありました(・ω・`)最後のは自分も経験したこともあって泣いちゃいました(;д;`)


もっと読みたいです
がんばってください

⏰:09/10/12 21:14 📱:SH903i 🆔:I0f8fTd2


#102 [栢]


>>100

コメントありがとうございます^^*

ほんとに文章力に欠けているので
コメントいただけると
とても嬉しいです ><

だらだらと
展開があまりない話ばかりですが
よかったらこれからも
読んでいただけたら嬉しいです◎

⏰:09/10/13 16:17 📱:D905i 🆔:P2X.QV6s


#103 [栢]


>>101

コメントありがとうございます^^*

こんな駄作に
ジーンと来ていただけるなんて
嬉しすぎます(゚O゚)◎

自分と重なるものがあると
泣いてしまいますよね(´・ω・`)←
実は私も書きながら泣いてました(笑)

相変わらずな
作品ばかりになると思いますが
暖かく見守っててください *

⏰:09/10/13 16:20 📱:D905i 🆔:P2X.QV6s


#104 [(^ω^)]
私もまるっきり
同じように何年か前に
祖父を亡くしました

見ていて涙が
溢れてきました

10分ぐらい
とまりませんK笑

大切なことが
思い出せた気がします。

ありがとうございますmイ

⏰:09/10/13 20:11 📱:W61SH 🆔:iIy5WTlA


#105 [栢]

>>104

コメントありがとうございます^^*

涙止まりましたか?笑
もちろん悲しい涙ですが
おじいちゃんに対する思いがつまった
素敵な涙だと思います *

大切な人の死は
何かを教えてくれますから
忘れちゃいけませんよね

こちらこそ
お役に立てて嬉しいです (゚O゚)
ありがとうございました▼

⏰:09/10/13 23:28 📱:D905i 🆔:P2X.QV6s


#106 [栢]
 
 
   ある雨の日

_

⏰:09/10/14 15:48 📱:D905i 🆔:U5TmC86c


#107 [栢]

毎日乗る電車の
同じ車両に乗ってくる子がいる

緩いパーマのかかった
可愛らしい子

わかんないけどたぶん同い年
俺の高校の近くの女子高の制服


どっちかって言うと
大人しそうなかんじかな、

⏰:09/10/14 15:52 📱:D905i 🆔:U5TmC86c


#108 [栢]

いつも俺の前あたりに座る

ってか俺が
その子の前に座ってるんだけど(笑)


単語帳とか本とか読んでて
頭よさそう。
たまに眼鏡かけてたり‥


‥ちょっといくらか見すぎか?

⏰:09/10/14 15:55 📱:D905i 🆔:U5TmC86c


#109 [栢]

そんなわけで、
可愛くて仕方がない。

もちろん話したことないし
名前も知らない

俺みたいなばかっぽい奴
相手にしてくれないかもなぁ‥



要は叶わぬ恋らしき一目惚れ

⏰:09/10/14 15:57 📱:D905i 🆔:U5TmC86c


#110 [栢]

彼氏いんのかなー
いそうだなぁ‥。

そんなかんじで
ぼーっと眺めていると

ふと目があった
それだけで心臓やばかった、


その子はにこっと小さく笑って
また本を読み出した。


くそかわいいなこの野郎。
悶々とする思春期17才

⏰:09/10/14 16:00 📱:D905i 🆔:U5TmC86c


#111 [栢]

思い切って
話しかけてみたいんだが、
なかなかタイミングがつかめずに早半年

眺めてるだけで
幸せって言えば幸せなんだけど‥
できるなら話してみたい。
できるなら‥うん。


話しかけようかと思っても
電車を降りると
友達と待ち合わせしてるらしく
ひとりでいないし‥あぁ

⏰:09/10/14 16:04 📱:D905i 🆔:U5TmC86c


#112 [栢]

そんな日の帰りのこと。


いつも通り電車に乗って
駅につくと
ちょうど雨が降り出した。


「うわ‥最悪」

あいにく傘持ってきてなくて、
しかも雨のあの濡れた時の
べたべた感が苦手で

少し駅で雨宿りしていたんだ

⏰:09/10/14 16:19 📱:D905i 🆔:U5TmC86c


#113 [栢]

すぐ止むかと思ったけど
なかなか止まなかった。


傘さしてる人たちを
ぼーっと見つめてるその間も
あの子のこと考えてて、

あの子いつもどこで乗るんだ?
俺よりも前の駅ってのは
わかってたけど‥。


まぁそれも
聞いてみなきゃわからない話で
やっぱり何一つ情報もなく

興味や勝手な妄想だけで
俺を支配してくあの子。

⏰:09/10/14 16:23 📱:D905i 🆔:U5TmC86c


#114 [栢]

とりあえず
今度いい機会があったら
絶対話しかけると誓った。

そしてそのいい機会は‥



「早くやまねぇかな‥」

ふと横に目をやると、



あれ‥?なんで ?

⏰:09/10/14 16:41 📱:D905i 🆔:U5TmC86c


#115 [栢]

あの子がいる。
俺の横にかわいいあの子

今さっき
自分に誓ってしまったことを
恨みたくなる‥
まだ心の準備できてないし、


自然と目が泳いでしまう
怪しく思われてないかなと
横目で様子をうかがう。

案の定
彼女は俺に目もくれていない

⏰:09/10/14 16:45 📱:D905i 🆔:U5TmC86c


#116 [栢]

どうやらメールを打ってるようだ
やっぱり彼氏‥

あー‥なんかもう
話しかけるの怖い(笑)


やっぱり諦めようかななんて
考えていた‥

その時。

⏰:09/10/14 16:48 📱:D905i 🆔:U5TmC86c


#117 [栢]

「すみません‥ちょっといいですか?」

とひとりのおばあさんが
彼女に話しかけた。


なぜか俺は息を潜め
様子をうかがっていた。


「西沼に行くバス停はどこですかね?」

⏰:09/10/14 16:53 📱:D905i 🆔:U5TmC86c


#118 [栢]

彼女は困った様子だった

そりゃそうだろう
ここの人じゃないんだから、



‥これはチャンスだと思った。

「おばあちゃん、
西沼行きはあそこのバス停ですよ」

俺はうまく会話に入り込んだ

⏰:09/10/14 16:56 📱:D905i 🆔:U5TmC86c


#119 []
わくわく(。・ω・。)

⏰:09/10/14 17:42 📱:SH903i 🆔:/JGHqsj6


#120 [栢]


>>119

ありがとうございます ^^*

⏰:09/10/14 23:46 📱:D905i 🆔:U5TmC86c


#121 [栢]

おばあさんはにっこり笑い
小さくお辞儀をして
お礼にと飴を2つくれた

雨の日に飴って‥(笑)


そんなことはどうでもよくて
さぁ、どうしようこの状況。

⏰:09/10/14 23:48 📱:D905i 🆔:U5TmC86c


#122 [栢]

ちらっと様子をうかがった時に
ばちりと目が合った

「ありがとう‥ございます」
彼女は礼儀正しく深く頭を下げた

初めて聞いた
彼女の柔らかくて安心する声

尚も雨は降り続く

⏰:09/10/14 23:53 📱:D905i 🆔:U5TmC86c


#123 [栢]

いえいえと笑いのける
それはもう、爽やか気取りで。

内心にやけっぱなし
口元緩んでたかも‥

「傘‥忘れたんですか?」

心配そうに彼女は言った。

「今日、天気予報見るの忘れてて(笑)」

なんだか照れくさい

⏰:09/10/14 23:57 📱:D905i 🆔:U5TmC86c


#124 [栢]

すると彼女はくすっと笑って
「私もです」と言った。

なんか一気に事が進んで
運命とかロマンチックを気取りたくなる


むしろもう
雨止まないでくれ。
一瞬にして雨が好きになる俺

だけど天気は気まぐれで
そこまで味方はしてくれない

⏰:09/10/15 00:01 📱:D905i 🆔:HzfhWb16


#125 [栢]

雨がだんだん弱くなる。

「飴‥!!どっちがいい?」

さっき貰った飴のことを
ふと思い出したのだ

彼女のきょとんとした顔も
初めて見た

「桃と林檎、どっち好き?」

俺の質問に
謙虚に透き通った声で答える

⏰:09/10/15 00:39 📱:D905i 🆔:HzfhWb16


#126 [栢]

「じゃあ、林檎がいいです」

少し恥ずかしそうで嬉しそうな彼女
こっちまで
嬉しくさせる笑顔



雨が止んだ。

⏰:09/10/15 00:41 📱:D905i 🆔:HzfhWb16


#127 [栢]

あっという間に時がすぎてしまって
彼女はまた深く頭をさげて
にこりと笑って去っていった。


夢のようだ‥。
まだあの優しい空間に包まれる

結局
名前も駅のことも彼氏のことも
何ひとつ聞けなかった

⏰:09/10/15 00:44 📱:D905i 🆔:HzfhWb16


#128 [栢]

ただ一つ得た情報に頼るしかなかった俺

もう一回話したい
もう一回笑顔が見たい

ただそれだけのために‥。


あの日から行きの電車で
彼女の前に座るのが照れくさい

だけどあれから彼女とは
"知り合い"になったわけで
ぺこりと軽く頭をさげるようになった

⏰:09/10/15 00:48 📱:D905i 🆔:HzfhWb16


#129 [栢]

そしてまた雨の日のこと

その日はちゃんと傘は持っていた
だけど俺の手が傘を開こうとしない

根拠もないままに
あの日と同じように
ぼーっとしながら彼女を想う


やっぱり雨好きだ
また彼女がやってきた

⏰:09/10/15 00:51 📱:D905i 🆔:HzfhWb16


#130 [栢]

「こんにちは」

にこりとあの笑顔。
鼓動がじわじわと熱くなる


「あ‥飴なめる?」

とにかく話したくて

カバンの中をあさり
飴の袋を取り出した。
もちろん林檎味

彼女のために買った
俺には似合わない林檎の飴

⏰:09/10/15 00:55 📱:D905i 🆔:HzfhWb16


#131 [栢]

彼女は少し驚き
そしてすぐにくすっと笑って

「ありがとう」

欲しかった笑顔を見せてくれた


「林檎‥好きなの?」

飴の袋を指差して
純粋な眼差しで見つめられる

⏰:09/10/15 00:58 📱:D905i 🆔:HzfhWb16


#132 [栢]

君と話したくて‥
笑顔が見たくて‥なんて
言えたもんじゃない。

残念ながら
奥手具合は治らない(笑)


俺は一呼吸置いて

「うん、好き」

君のことがね、

⏰:09/10/15 01:01 📱:D905i 🆔:HzfhWb16


#133 [栢]


雨がだんだん弱くなる

傘を広げて彼女はまた去っていく



「あの‥!」


雨が止んでうっすらと虹がかかる
滴がきらりと眩しい

もう雨には頼らない

⏰:09/10/15 01:07 📱:D905i 🆔:HzfhWb16


#134 [栢]


>>106-134

まとまりがないです(´・ω・`)
全然展開を考えずに
書き始めてしまったので
わけわからんことになってしまいました

結局
名前とかいろいろと謎のままだし←

ほとんどがハッピーエンドなので
今回はもどかしい過程を書いてみました
このあとはご想像におまかせです ^^*

⏰:09/10/15 01:10 📱:D905i 🆔:HzfhWb16


#135 [栢]

>>2-17
君の、匂い。

>>18-40
一番じゃなくても

>>41-51
約束はしないよ。

>>52-67
あおぞら

>>69-99
ぶキよウ

>>106-134
ある雨の日

⏰:09/10/15 01:18 📱:D905i 🆔:HzfhWb16


#136 [栢]
 
 
     金木犀

_

⏰:09/10/20 19:38 📱:D905i 🆔:vOnJO0u6


#137 [栢]

たくさんの金木犀の花束を
両手で抱えてくる

小さな亜季子を
橙色の花が覆う
まるで花束が歩いてるみたいだ

「ー‥虎太郎さん
具合はいかがですか?」

彼女はいつも
きっかりと5時にやってくる
花屋の看板娘であった

⏰:09/10/20 19:46 📱:D905i 🆔:vOnJO0u6


#138 [栢]

三年前に彼女の店で知り合った
2人とも金木犀が好きで
仲を深め交際を初め‥
早2年と半月が過ぎる

柔らかい香りが包む

「虎太郎さん、
お元気ないですね‥」

小さな花を
細く白い指で愛でながら
ぽつりと呟く

⏰:09/10/20 19:57 📱:D905i 🆔:vOnJO0u6


#139 [栢]

窓の外は
秋の世界が広がり
枯れ葉が淋しそうだった

「‥もう時が近いのでしょう。
最近、嫌な夢を見るので‥」

もう外への世界へは出れない
そう先々週に告げられた

ただ最期を待つしかないのだ

僕がそう言うと
亜季子は悔しそうに
きゅっと口を締める

⏰:09/10/20 20:05 📱:D905i 🆔:vOnJO0u6


#140 [栢]

「最期などと‥
どうか、どうか
おっしゃらないで‥」

今にも溢れんばかりの雫を
こぼれぬようにと拭う彼女が愛おしい

強がりな彼女を僕は愛した

美しい黒髪に柔らかな声
おっとりしたように見えるが
どこかの親父のように頑固だ

涙をこぼしたことなどは
今までに一度もない

⏰:09/10/20 20:14 📱:D905i 🆔:vOnJO0u6


#141 [栢]

「亜季子‥、
話を聞いていただけますか?」

一呼吸置いて
落ち着いた口調で言った


亜季子は改まったように
背筋をぴんと伸ばして
僕のことをじっと見つめた

⏰:09/10/20 20:17 📱:D905i 🆔:vOnJO0u6


#142 [栢]

「もう‥
ここへは来なくてよいですよ」

微笑していたが
残酷すぎたか‥

今までにない表情を見せて
「どうしてです?」

僕の腕を掴む手に
ぎゅっと力が入っていくのがわかる

⏰:09/10/20 22:15 📱:D905i 🆔:vOnJO0u6


#143 [栢]

「先は長くない‥。
死別はきっと
何よりも残酷でしょうから‥」

亜季子を想っての事であった
自分の最期を知ってから
何度も何度も考えたのだ

「私は‥決めたのです
死ぬまで虎太郎さんについて行くと
こころに誓ったのです‥
最期まであなたを‥」

小さく肩を震わせて
泣いているのか亜季子‥?

⏰:09/10/20 22:22 📱:D905i 🆔:vOnJO0u6


#144 [栢]

「死に際など
見られたくはないのですよ
‥格好つきませんからね」

最期くらい
格好付けたかったのだ。
このように室内にいては
格好いいことなど見せられたことがない

亜季子には幸せになってほしい
まだ若くお美しい
10も離れた僕でなく
もっと素敵な人と‥

⏰:09/10/20 22:29 📱:D905i 🆔:vOnJO0u6


#145 [栢]

枯れ葉がまた一枚
ひらり、

「虎太郎さん。
私は‥覚悟してきたのです
10も離れた貴方とでは
世間からの目は冷ややかです。

―‥ ですが、恋人として
何時かは妻として‥
貴方を支えようと強くなったつもりです。

貴方に肩を貸すために
涙を流さず生きて参りました。

私は‥頼りのない女でしょうか‥?」

⏰:09/10/20 22:36 📱:D905i 🆔:vOnJO0u6


#146 [栢]

ぽたぽたと雫が落ちる
強き彼女が初めて泣いた

「亜季子‥」

ふわりと優しい香りが漂う。

ぎゅっと肩を抱き寄せた
小さな亜季子の肩は
以前よりも小さくなったように思えた

「どうしてです‥?どうして‥」

布に雫が染み渡る
確かに彼女は泣いていた

⏰:09/10/20 22:43 📱:D905i 🆔:vOnJO0u6


#147 [栢]

「―‥亜季子!」

彼女を突き放すように
低く冷たく言いはなってしまった

唇を血が滲むまで噛んで
赤い目を擦った。


「‥虎太郎さん、
お待ちしております。必ず‥」

枯れ葉がまた一枚、また一枚
ひらり、ひらり
秋が終わる

⏰:09/10/20 22:51 📱:D905i 🆔:vOnJO0u6


#148 [栢]

亜季子が来なくなった病室には
あの日のままに
枯れたままに残されている
生気をなくした金木犀。


何より残酷だったのは
この僕だったと、
やっと悟るのだった。


亜季子が死んだ。

⏰:09/10/20 22:54 📱:D905i 🆔:vOnJO0u6


#149 [栢]

不慮の事故だと聞いた。


―‥自ら絶ったことなど
聞かずともわかっていた。

そうじゃない、
僕が‥殺したも同然か


亜季子‥ごめんよ

⏰:09/10/20 22:56 📱:D905i 🆔:vOnJO0u6


#150 [栢]

亜季子‥
待っていてくれてるでしょうか

今すぐ貴女の元に
今すぐに‥肩を抱き寄せて
もう一度、その温もりを。


愛しき我が君。
気高き我が君‥


―‥枯れ葉がまた 、ひらり。

⏰:09/10/20 23:00 📱:D905i 🆔:vOnJO0u6


#151 [栢]

>>136-151

金木犀の花言葉?は
「気高き人」らしいです ^^*
いろいろと表現が遠まわしすぎて
伝わりにくくなってしまいました×

ちょっとシリアスに
だけど純粋な昔ながらの女性が書きたくて
なんとなく昔風な丁寧語。笑

話の内容いまいちわからなかったら
聞いてください(´・ω・`)!

⏰:09/10/20 23:05 📱:D905i 🆔:vOnJO0u6


#152 [栢]


>>136-151
金木犀

>>135
前作

⏰:09/10/20 23:19 📱:D905i 🆔:vOnJO0u6


#153 [栢]
 
 
  たった一度の反抗期

_

⏰:09/10/23 19:57 📱:D905i 🆔:YKgWBHmg


#154 [栢]

高校に入って半年がすぎたころ

毎日が退屈で刺激がなくて
誰でもよかった。


ただなんとなく、
強引に連れ回してくれる
そんな人がほしくて

ただ周りより少し
大人ぶってみたかった‥

それだけ

⏰:09/10/23 20:00 📱:D905i 🆔:YKgWBHmg


#155 [栢]

誰でもいい
このぽっかりと開いた穴
塞いでほしいの。



そしてサイトで知り合った人と
付き合うことになった。


サイトの人だなんて
友達にも、もちろん親にも
言ったりしなかった

⏰:09/10/23 20:03 📱:D905i 🆔:YKgWBHmg


#156 [栢]

案の定
初めて会ってヤられてしまった。

あたしの"初めて"
簡単に奪われた

ただただ
激痛が走る下半身。
久しぶりに泣きわめいた

それでも無理やりする彼に
呆れて微笑した。

心が麻痺してしまったの
もう何でもいいや‥って。

⏰:09/10/23 20:06 📱:D905i 🆔:YKgWBHmg


#157 [栢]

終わったあとぎゅっと抱きしめてくれた

なんだか嬉しくて
はまってしまったの


もしかしたら
あたしは浮気相手かもしれない
ただのセフレかもしれない‥

何度もそんなことを考えた

だけど周りより
一歩先に進めた気がして
そんな自分に自惚れたのね、私

⏰:09/10/23 20:09 📱:D905i 🆔:YKgWBHmg


#158 [栢]

会うたびにやって
獣みたいでしょう?

ただ腰を振るだけ
白い液体が喉に絡まる
なんて、不快感


快感なんて一度も‥
演技してる自分に自惚れた

それに興奮してる彼がバカみたいで
おかしかった

⏰:09/10/23 20:11 📱:D905i 🆔:YKgWBHmg


#159 [栢]

ある日
ゴミ箱の"使い捨て"を
お母さんに見つけられてしまった

どこか少し
過保護な気がしていた

過剰に心配して
嫌味のようにしつこく注意される


あたし思春期よ。
嫌気がさすじゃない

⏰:09/10/23 20:14 📱:D905i 🆔:YKgWBHmg


#160 [栢]

「お母さんに
心配かけるようなことしないで!!」


そう怒鳴られたけど
あえて黙って部屋にこもった



むかつく。
勝手に心配してるだけでしょう
放っておいて
もう子供じゃない。

⏰:09/10/23 20:16 📱:D905i 🆔:YKgWBHmg


#161 [栢]

小さいころから
お母さんが大好きだった。
優しくておもしろくて、
ほかの子のお母さんなんかとは
どこか違う独特の魅力‥



お姉ちゃんの
反抗期を知っているあたしは

「あたしは絶対反抗なんてしないよ!」

そう言ったのは
つい最近だった気がする、

⏰:09/10/23 20:19 📱:D905i 🆔:YKgWBHmg


#162 [栢]

だけどやってきてしまった
思春期に負けた
あたしの反抗期。


それからなんとなくだけど
壁を感じるようになった


お母さんはいつも
不機嫌そうな顔をしていた

そんな顔を見るたびに
彼のもとへ行くあたし。

履き違えた"大人"の意味

⏰:09/10/23 20:21 📱:D905i 🆔:YKgWBHmg


#163 [栢]

ふとカレンダーに目をやる
月末‥

生理がこない。
いや、まさか
あたしに限ってそんなこと‥ね

鼓動は正直に‥
周りの音をかき消した。


お願いだから‥
愚かなあたし無知なあたし
命の芽をつんでしまいたい。

⏰:09/10/23 20:26 📱:D905i 🆔:YKgWBHmg


#164 [栢]

「生理こない‥」

彼に電話で告げた。
産んでと言われたらどうしよう‥


そんな心配は無駄だった

「どうするの!?
俺、育てられないよ‥
病院行ってこいよ」

心配とは裏腹に、
この言葉を受け入れる準備を
まだ整えていなかったの

孤独が襲う

⏰:09/10/23 20:29 📱:D905i 🆔:YKgWBHmg


#165 [栢]

あたし‥死のうか
ねぇ、一緒にあたしも消えるよ

すぐにあたし追いかけるから

ママと一緒に天国で暮らそうか


何度自らの腹を殴っただろう
1人になると
無意識に泣きながら
力を込めて殴る

鈍い音が響く

⏰:09/10/23 20:32 📱:D905i 🆔:YKgWBHmg


#166 [栢]

「あんた‥生理は?」

張り詰めた空間
冷たい痛いお母さんの声

「そろそろ来る」

根拠なんてないの
あたしの願いよ


愚かなあたし。

⏰:09/10/23 20:35 📱:D905i 🆔:YKgWBHmg


#167 [栢]

1人孤独を抱えたまま
長い長い時間を過ごす

あれから彼とは
連絡もまめにしなくなった。


また無意識に自らを殴る
もはや軽い習慣‥

⏰:09/10/23 20:39 📱:D905i 🆔:YKgWBHmg


#168 [栢]

「‥ねぇ、何してるの?」


後ろを向くと
青ざめたお母さんの姿

「これ、
お母さんを安心させて‥!」


渡された"現実"
逃げられない受け入れなきゃいけない

ママ‥なんてまだなりたくないよ

⏰:09/10/23 20:42 📱:D905i 🆔:YKgWBHmg


#169 [栢]

「うるさいなあ!!
いちいち心配しすぎなの!
そうやってストレス溜めさせるから
来なくなるんでしょう?!」


今まで溜めてた
‥怒りじゃない
溢れ出したこの感情は


不安。

⏰:09/10/23 20:45 📱:D905i 🆔:YKgWBHmg


#170 [栢]

睫が濡れる
息をするのを忘れる

「お願いだから‥!早く」




‥、結果はあたしの思い込み
あたしはまだひとりの少女。

⏰:09/10/23 20:48 📱:D905i 🆔:YKgWBHmg


#171 [栢]

それを見て
お母さんが泣き崩れた。

今までの怒ったような顔が
一気に崩れた。

大きな雫をこぼして
「‥よかった‥よかった」

ただそう呟くの

⏰:09/10/23 20:50 📱:D905i 🆔:YKgWBHmg


#172 [栢]

「お母さん‥
どうしようかと思った‥
毎日不安で、寝れなくて‥、」


久しぶりに視線を向ける


白髪が増えちゃったね‥
痩せこけちゃったね‥


だけど、"ごめんね"が
言えないあたし

⏰:09/10/23 20:52 📱:D905i 🆔:YKgWBHmg


#173 [栢]

「自分の体は自分で守りなさい‥
自分をしっかり持ちなさい‥」

震えた声で力強く言うお母さんに


「わかってるよ!!
‥いちいちうるさいの!!」


泣きながら枕を投げつけた。
不安がほどけて
すべてが崩壊したように
泣き狂った

⏰:09/10/23 20:55 📱:D905i 🆔:YKgWBHmg


#174 [栢]

あのときの
お母さんの寂しそうな後ろ姿


こんな姿にしてしまったのは
こんなに不安にさせてしまったのは

誰でもなくあたしなんだ。


大好きなのに、

⏰:09/10/23 20:57 📱:D905i 🆔:YKgWBHmg


#175 [栢]

結局
ごめんねと言えなかった。


あの人と別れてから
お母さんを安心させようと
男の人と関わるのをやめた。


それでも
「どこ行くの?」
「生理は来たの?」
一年くらいはずっと
耳にべたりとへばりつくように
しつこく言われたものだ

⏰:09/10/23 21:00 📱:D905i 🆔:YKgWBHmg


#176 [栢]

だけどもう反抗なんてしない

お母さんを追いつめたくないから、


誰よりも明るい人だけど
すごく心配性で傷つきやすい
大事にしなきゃいけない

初めてお母さんの弱いところに
真っ正面から向き合った。



強い人だ

⏰:09/10/23 21:02 📱:D905i 🆔:YKgWBHmg


#177 [栢]

今となってはもう
そんなに心配はしなくなったけど、


親の気持ちを知ったから
今では考えられない反抗期。

そのしつこさもうるささも
全部があたしのためだなんて
気づくのは難しい

だけど、
お腹を痛めて産んでくれたんだもの
そんな風に言いたくなるのは
当たり前なのかな‥

なんて‥、

⏰:09/10/23 21:06 📱:D905i 🆔:YKgWBHmg


#178 [栢]

恥ずかしくて
"いつもありがとう"なんて
言えやしないから


今日は肩でも揉んであげようか
お皿洗いでもしてあげようか


あたしに何ができるだろう


今でもあの涙が
忘れられないでいるの

あたし、たくさん愛されて育ったんだね。
ありがとうお母さん、

⏰:09/10/23 21:09 📱:D905i 🆔:YKgWBHmg


#179 [栢]

>>153-179

過去のお話(´・ω・`)
またノンフィクションです←

最近ここでも
「妊娠したかもどうしよう」
「生理がこない‥」
なんて書き込みをよく見ます

あたしもそんな経験があったから
どうしてもそんな人たちに
後悔する前に伝えたくて、

ほんとに自分の体は自分でしか守れない
その場の雰囲気、快楽だけに
自分を安売りしないでください

両親が待ち望んだ人生です。
悲しむのは自分だけじゃない
もしもの命を
悲しい命にしないでください
無知なままに動かないでください

何か感じていただけたら
うれしいです^^

⏰:09/10/23 21:16 📱:D905i 🆔:YKgWBHmg


#180 [栢]
   春の青い芽

_

⏰:09/10/24 15:50 📱:D905i 🆔:NjgA4wYU


#181 [栢]

「メイ!!明日頼みがある!!」


いきなり電話。
いきなりの依頼。
そんなことをするのは
ハルトくらいしかいない

「お金なら貸さないよ?」


ハルトの頼みごとと言えば
大概、お金

って言っても、
最高でも500円なんだけど(笑)

⏰:09/10/24 15:55 📱:D905i 🆔:NjgA4wYU


#182 [栢]

「金じゃねーのよ今回は
ちょっと手伝ってー」

にこにこしながら
手を合わせて頭を下げる
なんとなく、犬を思わせる奴


ハルトは家が隣で幼なじみ。
一緒に遊んだりお泊まりしたり、
お風呂とかも‥入ったかも

お互いのことなんて
意識してるわけがない

普通に技かけられるし
下着姿で会えるし(笑)

⏰:09/10/24 15:59 📱:D905i 🆔:NjgA4wYU


#183 [栢]

そんな感じの緩い関係も
もう何年立つのかな。
ってかいつから仲良くなったんだろ

「引っ越し手伝って!」

「は?」

そんなことかとか思ったけど
よくよく考えたら
力仕事な気がしてきて

やっぱりあたしは
女として見られてないと実感。
なんだか最近はそれが
あたしを締め付けるように痛い

⏰:09/10/24 16:04 📱:D905i 🆔:NjgA4wYU


#184 [栢]

今日から大学生になるわけで、
ハルトは地元を離れることになった
もう、お隣さんも終わり。

「引っ越しって‥
まだ終わってなかったの!?
もう4月じゃん(笑)」

「荷物はあっちに届いてる
だから、整理手伝って(笑)」


雑用ねー‥はいはい
どことなく清々しい顔をしてる
そんな風に見えた

⏰:09/10/25 18:03 📱:D905i 🆔:Bcm9GRAE


#185 [栢]

やっぱりあたしと隣って
やだったのかなぁ 、

ずしりとした物がのしかかる
もう会えないのかななんて
珍しく恋しく思う

「ちゃんと電車賃払うし!
帰りも送るからっ
俺の新しい部屋、見たいだろ?」

にこにこ嬉しそうだ
離れちゃうのを寂しがってるのは
あたしだけなんだなぁ‥

⏰:09/10/25 18:06 📱:D905i 🆔:Bcm9GRAE


#186 [栢]

結局行くことになって

ハルトの新しい部屋は
すごくきれいで
周りの風景もいいとこだった

「隣の部屋、女なんだぜ♪」

なんでそんな嬉しそうなのよ‥
今までが嫌だったみたいに
笑わないでよばか、

隠れていた気持ち

⏰:09/10/25 18:13 📱:D905i 🆔:Bcm9GRAE


#187 [栢]

やきもち‥?
―‥まさかね。

今まで彼氏できたって
妬いたことないし、


つまれた荷物の山
募る切なさ
気付いちゃいけない想い


あぁ、目眩がする。

⏰:09/10/25 18:18 📱:D905i 🆔:Bcm9GRAE


#188 [栢]

あたりはもう暗かった。
なんだか早く帰りたい


「適当に箱開けて荷物出してー‥
服はそこのタンスでー‥」

ハルトの声が耳の奥で渦を巻く
鼻がつんとする。


服に染み付いた匂い
もう懐かしくなってる

⏰:09/10/25 18:22 📱:D905i 🆔:Bcm9GRAE


#189 [栢]

「もうあれだなー、」

時計の音があたしを突き刺す
沈黙なんて‥似合わないのに

「なんかやっと解放されたって感じ
窮屈な生活も終わりだ(笑)」

ぐっと伸びをして
幸せそうな顔してるの?
それすら見たくない


あたしどうしちゃったんだろう

⏰:09/10/25 18:25 📱:D905i 🆔:Bcm9GRAE


#190 [栢]

「全く、いちいちメイは煩いからなぁ
隣の子は
おしとやかな子であってほしいわ」

この場から消えたい
だめだ‥来る。

「もうおさらばだしなぁ、
案外呆気ないな(笑)」

悔しい‥弱い自分、
急に息が苦しくなる
この雫がこぼれたら
ハルトは馬鹿にして笑う?

⏰:09/10/25 18:30 📱:D905i 🆔:Bcm9GRAE


#191 [栢]

―だめ‥、ばれる‥!

すべてを放り投げて駆け出した
体が動くままに。
ただ 訳の分からぬ気持ちが
あたしを狂わせた

「‥メイ!?
おい!どこ行くんだよ‥!」

すぐさまあたしの腕を掴んだ
止めて‥見られたくない

思い切り振り払って
真っ暗な夜に出た

⏰:09/10/25 18:35 📱:D905i 🆔:Bcm9GRAE


#192 [栢]

ハルトごときに泣くなんて‥
どうかしてる

見知らぬ道を歩く
街灯が寂しそうに消えかかってる
何しに来たんだろう、あたし

「も‥、わけわかんない」

目の奥が火傷しそうに熱い
まだひんやりした空気が包む

⏰:09/10/25 18:39 📱:D905i 🆔:Bcm9GRAE


#193 [栢]

月がぼんやりしてる
切ない、ばか

気付いていたのに
気付いちゃいけない気がするんだ
だってそうでしょ?
ただ辛いだけよ、こんなの


普通に学校とかで知り合ってたかった
幼なじみなんて、嫌。

⏰:09/10/25 18:42 📱:D905i 🆔:Bcm9GRAE


#194 [栢]

もやもやする胸を抑えて
投げやりに目を擦った

―‥ここどこだろう。
真っ暗な空間が不安にさせる


「メイ!!」

つい、振り向いてしまった

嬉しいのに何かが引き止める
かっこ悪いの。あたし

⏰:09/10/25 18:46 📱:D905i 🆔:Bcm9GRAE


#195 [栢]

「ばかかお前、
普通に寒みーから‥
それに、迷子になるだろ」

暗かったけど確かに見えた
ハルトの真剣な顔

「ごめ‥、」

言い終わる前に
暖かい手に包まれるあたしの冷たい手

「帰るぞ」
緩く笑ったのが見える
ハルトを近くに感じた

⏰:09/10/25 18:50 📱:D905i 🆔:Bcm9GRAE


#196 [栢]

小さい頃にも
一度こんなことがあったっけ

何でだか忘れたけど
こうして手を引かれて夜道を歩いた


過去の自分が羨ましい
もっと一緒にいたかった‥

ハルトの背中はいつのまにか
大きくなっていた
気づかなかったな‥
あたしより、小さかったのに

⏰:09/10/25 18:53 📱:D905i 🆔:Bcm9GRAE


#197 [栢]

玄関には
乱暴に脱ぎ捨てたスリッパ

部屋の灯りに目を細めた

「止めたのによー‥
何で振り払うんだよ、ばか」

少しふてくされてた
愛おしく想っちゃうよ‥もう

「止めが足りないのよ
もっとちゃんと止めなきゃ‥」

冗談よ冗談。
強がり‥わかってたの?

⏰:09/10/25 18:57 📱:D905i 🆔:Bcm9GRAE


#198 [栢]

「これならもう‥
何処にも、行かない?」

ぎゅっと優しく包まれた

つま先立ちで戸惑う
ハルトはもう、こんなに成長したんだ

鼓動が速まる
ばれてしまわぬように
そっと息を吐く

こくり、と小さく小さく
頷いたの

⏰:09/10/26 00:33 📱:D905i 🆔:0HxquaIU


#199 [栢]

どうしよう‥
もう、抑えられない

溢れ出す気持ちを
はっきりと感じた。

「‥何の日だったか、知ってる?」

その低い声が
体の奥底まで響く

「‥わかん ない、」

途切れる言葉をやっと繋げた

⏰:09/10/26 00:37 📱:D905i 🆔:0HxquaIU


#200 [栢]

「嘘‥ついでもいい日。」

4月1日‥あぁそうか、
こんなにうまく行くはずないもんね

一気に涙が溢れ出す
いくら何でも
一番つらい嘘 つくなんて‥

「あたし‥バカなんだから、
期待しちゃう‥やめてよ」

そっと離れようとする体を
また優しく包む大きな手

⏰:09/10/26 00:41 📱:D905i 🆔:0HxquaIU


#201 [栢]

「もう、終わった‥」

ふと時計を見る
―‥0時2分

「嘘‥」

嘘なんかじゃない、
この温もりが事実

「メイがいいや、やっぱり
ってか‥じゃなきゃ駄目っぽい」

耳元で囁く声が春を告げた

⏰:09/10/26 00:46 📱:D905i 🆔:0HxquaIU


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