― 短編箱 ―
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#101 []
どれもなんとなくジーンとくるものがありました(・ω・`)最後のは自分も経験したこともあって泣いちゃいました(;д;`)
もっと読みたいです
がんばってください
:09/10/12 21:14 :SH903i :I0f8fTd2
#102 [栢]
>>100
コメントありがとうございます^^*
ほんとに文章力に欠けているので
コメントいただけると
とても嬉しいです ><
だらだらと
展開があまりない話ばかりですが
よかったらこれからも
読んでいただけたら嬉しいです◎
:09/10/13 16:17 :D905i :P2X.QV6s
#103 [栢]
>>101
コメントありがとうございます^^*
こんな駄作に
ジーンと来ていただけるなんて
嬉しすぎます(゚O゚)◎
自分と重なるものがあると
泣いてしまいますよね(´・ω・`)←
実は私も書きながら泣いてました(笑)
相変わらずな
作品ばかりになると思いますが
暖かく見守っててください *
:09/10/13 16:20 :D905i :P2X.QV6s
#104 [(^ω^)]
私もまるっきり
同じように何年か前に
祖父を亡くしました
見ていて涙が
溢れてきました
10分ぐらい
とまりませんK笑
大切なことが
思い出せた気がします。
ありがとうございますmイ
:09/10/13 20:11 :W61SH :iIy5WTlA
#105 [栢]
>>104
コメントありがとうございます^^*
涙止まりましたか?笑
もちろん悲しい涙ですが
おじいちゃんに対する思いがつまった
素敵な涙だと思います *
大切な人の死は
何かを教えてくれますから
忘れちゃいけませんよね
こちらこそ
お役に立てて嬉しいです (゚O゚)
ありがとうございました▼
:09/10/13 23:28 :D905i :P2X.QV6s
#106 [栢]
ある雨の日
_
:09/10/14 15:48 :D905i :U5TmC86c
#107 [栢]
毎日乗る電車の
同じ車両に乗ってくる子がいる
緩いパーマのかかった
可愛らしい子
わかんないけどたぶん同い年
俺の高校の近くの女子高の制服
どっちかって言うと
大人しそうなかんじかな、
:09/10/14 15:52 :D905i :U5TmC86c
#108 [栢]
いつも俺の前あたりに座る
ってか俺が
その子の前に座ってるんだけど(笑)
単語帳とか本とか読んでて
頭よさそう。
たまに眼鏡かけてたり‥
‥ちょっといくらか見すぎか?
:09/10/14 15:55 :D905i :U5TmC86c
#109 [栢]
そんなわけで、
可愛くて仕方がない。
もちろん話したことないし
名前も知らない
俺みたいなばかっぽい奴
相手にしてくれないかもなぁ‥
要は叶わぬ恋らしき一目惚れ
:09/10/14 15:57 :D905i :U5TmC86c
#110 [栢]
彼氏いんのかなー
いそうだなぁ‥。
そんなかんじで
ぼーっと眺めていると
ふと目があった
それだけで心臓やばかった、
その子はにこっと小さく笑って
また本を読み出した。
くそかわいいなこの野郎。
悶々とする思春期17才
:09/10/14 16:00 :D905i :U5TmC86c
#111 [栢]
思い切って
話しかけてみたいんだが、
なかなかタイミングがつかめずに早半年
眺めてるだけで
幸せって言えば幸せなんだけど‥
できるなら話してみたい。
できるなら‥うん。
話しかけようかと思っても
電車を降りると
友達と待ち合わせしてるらしく
ひとりでいないし‥あぁ
:09/10/14 16:04 :D905i :U5TmC86c
#112 [栢]
そんな日の帰りのこと。
いつも通り電車に乗って
駅につくと
ちょうど雨が降り出した。
「うわ‥最悪」
あいにく傘持ってきてなくて、
しかも雨のあの濡れた時の
べたべた感が苦手で
少し駅で雨宿りしていたんだ
:09/10/14 16:19 :D905i :U5TmC86c
#113 [栢]
すぐ止むかと思ったけど
なかなか止まなかった。
傘さしてる人たちを
ぼーっと見つめてるその間も
あの子のこと考えてて、
あの子いつもどこで乗るんだ?
俺よりも前の駅ってのは
わかってたけど‥。
まぁそれも
聞いてみなきゃわからない話で
やっぱり何一つ情報もなく
興味や勝手な妄想だけで
俺を支配してくあの子。
:09/10/14 16:23 :D905i :U5TmC86c
#114 [栢]
とりあえず
今度いい機会があったら
絶対話しかけると誓った。
そしてそのいい機会は‥
「早くやまねぇかな‥」
ふと横に目をやると、
あれ‥?なんで ?
:09/10/14 16:41 :D905i :U5TmC86c
#115 [栢]
あの子がいる。
俺の横にかわいいあの子
今さっき
自分に誓ってしまったことを
恨みたくなる‥
まだ心の準備できてないし、
自然と目が泳いでしまう
怪しく思われてないかなと
横目で様子をうかがう。
案の定
彼女は俺に目もくれていない
:09/10/14 16:45 :D905i :U5TmC86c
#116 [栢]
どうやらメールを打ってるようだ
やっぱり彼氏‥
あー‥なんかもう
話しかけるの怖い(笑)
やっぱり諦めようかななんて
考えていた‥
その時。
:09/10/14 16:48 :D905i :U5TmC86c
#117 [栢]
「すみません‥ちょっといいですか?」
とひとりのおばあさんが
彼女に話しかけた。
なぜか俺は息を潜め
様子をうかがっていた。
「西沼に行くバス停はどこですかね?」
:09/10/14 16:53 :D905i :U5TmC86c
#118 [栢]
彼女は困った様子だった
そりゃそうだろう
ここの人じゃないんだから、
‥これはチャンスだと思った。
「おばあちゃん、
西沼行きはあそこのバス停ですよ」
俺はうまく会話に入り込んだ
:09/10/14 16:56 :D905i :U5TmC86c
#119 []
わくわく(。・ω・。)
:09/10/14 17:42 :SH903i :/JGHqsj6
#120 [栢]
:09/10/14 23:46 :D905i :U5TmC86c
#121 [栢]
おばあさんはにっこり笑い
小さくお辞儀をして
お礼にと飴を2つくれた
雨の日に飴って‥(笑)
そんなことはどうでもよくて
さぁ、どうしようこの状況。
:09/10/14 23:48 :D905i :U5TmC86c
#122 [栢]
ちらっと様子をうかがった時に
ばちりと目が合った
「ありがとう‥ございます」
彼女は礼儀正しく深く頭を下げた
初めて聞いた
彼女の柔らかくて安心する声
尚も雨は降り続く
:09/10/14 23:53 :D905i :U5TmC86c
#123 [栢]
いえいえと笑いのける
それはもう、爽やか気取りで。
内心にやけっぱなし
口元緩んでたかも‥
「傘‥忘れたんですか?」
心配そうに彼女は言った。
「今日、天気予報見るの忘れてて(笑)」
なんだか照れくさい
:09/10/14 23:57 :D905i :U5TmC86c
#124 [栢]
すると彼女はくすっと笑って
「私もです」と言った。
なんか一気に事が進んで
運命とかロマンチックを気取りたくなる
むしろもう
雨止まないでくれ。
一瞬にして雨が好きになる俺
だけど天気は気まぐれで
そこまで味方はしてくれない
:09/10/15 00:01 :D905i :HzfhWb16
#125 [栢]
雨がだんだん弱くなる。
「飴‥!!どっちがいい?」
さっき貰った飴のことを
ふと思い出したのだ
彼女のきょとんとした顔も
初めて見た
「桃と林檎、どっち好き?」
俺の質問に
謙虚に透き通った声で答える
:09/10/15 00:39 :D905i :HzfhWb16
#126 [栢]
「じゃあ、林檎がいいです」
少し恥ずかしそうで嬉しそうな彼女
こっちまで
嬉しくさせる笑顔
雨が止んだ。
:09/10/15 00:41 :D905i :HzfhWb16
#127 [栢]
あっという間に時がすぎてしまって
彼女はまた深く頭をさげて
にこりと笑って去っていった。
夢のようだ‥。
まだあの優しい空間に包まれる
結局
名前も駅のことも彼氏のことも
何ひとつ聞けなかった
:09/10/15 00:44 :D905i :HzfhWb16
#128 [栢]
ただ一つ得た情報に頼るしかなかった俺
もう一回話したい
もう一回笑顔が見たい
ただそれだけのために‥。
あの日から行きの電車で
彼女の前に座るのが照れくさい
だけどあれから彼女とは
"知り合い"になったわけで
ぺこりと軽く頭をさげるようになった
:09/10/15 00:48 :D905i :HzfhWb16
#129 [栢]
そしてまた雨の日のこと
その日はちゃんと傘は持っていた
だけど俺の手が傘を開こうとしない
根拠もないままに
あの日と同じように
ぼーっとしながら彼女を想う
やっぱり雨好きだ
また彼女がやってきた
:09/10/15 00:51 :D905i :HzfhWb16
#130 [栢]
「こんにちは」
にこりとあの笑顔。
鼓動がじわじわと熱くなる
「あ‥飴なめる?」
とにかく話したくて
カバンの中をあさり
飴の袋を取り出した。
もちろん林檎味
彼女のために買った
俺には似合わない林檎の飴
:09/10/15 00:55 :D905i :HzfhWb16
#131 [栢]
彼女は少し驚き
そしてすぐにくすっと笑って
「ありがとう」
欲しかった笑顔を見せてくれた
「林檎‥好きなの?」
飴の袋を指差して
純粋な眼差しで見つめられる
:09/10/15 00:58 :D905i :HzfhWb16
#132 [栢]
君と話したくて‥
笑顔が見たくて‥なんて
言えたもんじゃない。
残念ながら
奥手具合は治らない(笑)
俺は一呼吸置いて
「うん、好き」
君のことがね、
:09/10/15 01:01 :D905i :HzfhWb16
#133 [栢]
雨がだんだん弱くなる
傘を広げて彼女はまた去っていく
「あの‥!」
雨が止んでうっすらと虹がかかる
滴がきらりと眩しい
もう雨には頼らない
:09/10/15 01:07 :D905i :HzfhWb16
#134 [栢]
>>106-134
まとまりがないです(´・ω・`)
全然展開を考えずに
書き始めてしまったので
わけわからんことになってしまいました
結局
名前とかいろいろと謎のままだし←
ほとんどがハッピーエンドなので
今回はもどかしい過程を書いてみました
このあとはご想像におまかせです ^^*
:09/10/15 01:10 :D905i :HzfhWb16
#135 [栢]
:09/10/15 01:18 :D905i :HzfhWb16
#136 [栢]
金木犀
_
:09/10/20 19:38 :D905i :vOnJO0u6
#137 [栢]
たくさんの金木犀の花束を
両手で抱えてくる
小さな亜季子を
橙色の花が覆う
まるで花束が歩いてるみたいだ
「ー‥虎太郎さん
具合はいかがですか?」
彼女はいつも
きっかりと5時にやってくる
花屋の看板娘であった
:09/10/20 19:46 :D905i :vOnJO0u6
#138 [栢]
三年前に彼女の店で知り合った
2人とも金木犀が好きで
仲を深め交際を初め‥
早2年と半月が過ぎる
柔らかい香りが包む
「虎太郎さん、
お元気ないですね‥」
小さな花を
細く白い指で愛でながら
ぽつりと呟く
:09/10/20 19:57 :D905i :vOnJO0u6
#139 [栢]
窓の外は
秋の世界が広がり
枯れ葉が淋しそうだった
「‥もう時が近いのでしょう。
最近、嫌な夢を見るので‥」
もう外への世界へは出れない
そう先々週に告げられた
ただ最期を待つしかないのだ
僕がそう言うと
亜季子は悔しそうに
きゅっと口を締める
:09/10/20 20:05 :D905i :vOnJO0u6
#140 [栢]
「最期などと‥
どうか、どうか
おっしゃらないで‥」
今にも溢れんばかりの雫を
こぼれぬようにと拭う彼女が愛おしい
強がりな彼女を僕は愛した
美しい黒髪に柔らかな声
おっとりしたように見えるが
どこかの親父のように頑固だ
涙をこぼしたことなどは
今までに一度もない
:09/10/20 20:14 :D905i :vOnJO0u6
#141 [栢]
「亜季子‥、
話を聞いていただけますか?」
一呼吸置いて
落ち着いた口調で言った
亜季子は改まったように
背筋をぴんと伸ばして
僕のことをじっと見つめた
:09/10/20 20:17 :D905i :vOnJO0u6
#142 [栢]
「もう‥
ここへは来なくてよいですよ」
微笑していたが
残酷すぎたか‥
今までにない表情を見せて
「どうしてです?」
僕の腕を掴む手に
ぎゅっと力が入っていくのがわかる
:09/10/20 22:15 :D905i :vOnJO0u6
#143 [栢]
「先は長くない‥。
死別はきっと
何よりも残酷でしょうから‥」
亜季子を想っての事であった
自分の最期を知ってから
何度も何度も考えたのだ
「私は‥決めたのです
死ぬまで虎太郎さんについて行くと
こころに誓ったのです‥
最期まであなたを‥」
小さく肩を震わせて
泣いているのか亜季子‥?
:09/10/20 22:22 :D905i :vOnJO0u6
#144 [栢]
「死に際など
見られたくはないのですよ
‥格好つきませんからね」
最期くらい
格好付けたかったのだ。
このように室内にいては
格好いいことなど見せられたことがない
亜季子には幸せになってほしい
まだ若くお美しい
10も離れた僕でなく
もっと素敵な人と‥
:09/10/20 22:29 :D905i :vOnJO0u6
#145 [栢]
枯れ葉がまた一枚
ひらり、
「虎太郎さん。
私は‥覚悟してきたのです
10も離れた貴方とでは
世間からの目は冷ややかです。
―‥ ですが、恋人として
何時かは妻として‥
貴方を支えようと強くなったつもりです。
貴方に肩を貸すために
涙を流さず生きて参りました。
私は‥頼りのない女でしょうか‥?」
:09/10/20 22:36 :D905i :vOnJO0u6
#146 [栢]
ぽたぽたと雫が落ちる
強き彼女が初めて泣いた
「亜季子‥」
ふわりと優しい香りが漂う。
ぎゅっと肩を抱き寄せた
小さな亜季子の肩は
以前よりも小さくなったように思えた
「どうしてです‥?どうして‥」
布に雫が染み渡る
確かに彼女は泣いていた
:09/10/20 22:43 :D905i :vOnJO0u6
#147 [栢]
「―‥亜季子!」
彼女を突き放すように
低く冷たく言いはなってしまった
唇を血が滲むまで噛んで
赤い目を擦った。
「‥虎太郎さん、
お待ちしております。必ず‥」
枯れ葉がまた一枚、また一枚
ひらり、ひらり
秋が終わる
:09/10/20 22:51 :D905i :vOnJO0u6
#148 [栢]
亜季子が来なくなった病室には
あの日のままに
枯れたままに残されている
生気をなくした金木犀。
何より残酷だったのは
この僕だったと、
やっと悟るのだった。
亜季子が死んだ。
:09/10/20 22:54 :D905i :vOnJO0u6
#149 [栢]
不慮の事故だと聞いた。
―‥自ら絶ったことなど
聞かずともわかっていた。
そうじゃない、
僕が‥殺したも同然か
亜季子‥ごめんよ
:09/10/20 22:56 :D905i :vOnJO0u6
#150 [栢]
亜季子‥
待っていてくれてるでしょうか
今すぐ貴女の元に
今すぐに‥肩を抱き寄せて
もう一度、その温もりを。
愛しき我が君。
気高き我が君‥
―‥枯れ葉がまた 、ひらり。
:09/10/20 23:00 :D905i :vOnJO0u6
#151 [栢]
>>136-151
金木犀の花言葉?は
「気高き人」らしいです ^^*
いろいろと表現が遠まわしすぎて
伝わりにくくなってしまいました×
ちょっとシリアスに
だけど純粋な昔ながらの女性が書きたくて
なんとなく昔風な丁寧語。笑
話の内容いまいちわからなかったら
聞いてください(´・ω・`)!
:09/10/20 23:05 :D905i :vOnJO0u6
#152 [栢]
:09/10/20 23:19 :D905i :vOnJO0u6
#153 [栢]
たった一度の反抗期
_
:09/10/23 19:57 :D905i :YKgWBHmg
#154 [栢]
高校に入って半年がすぎたころ
毎日が退屈で刺激がなくて
誰でもよかった。
ただなんとなく、
強引に連れ回してくれる
そんな人がほしくて
ただ周りより少し
大人ぶってみたかった‥
それだけ
:09/10/23 20:00 :D905i :YKgWBHmg
#155 [栢]
誰でもいい
このぽっかりと開いた穴
塞いでほしいの。
そしてサイトで知り合った人と
付き合うことになった。
サイトの人だなんて
友達にも、もちろん親にも
言ったりしなかった
:09/10/23 20:03 :D905i :YKgWBHmg
#156 [栢]
案の定
初めて会ってヤられてしまった。
あたしの"初めて"
簡単に奪われた
ただただ
激痛が走る下半身。
久しぶりに泣きわめいた
それでも無理やりする彼に
呆れて微笑した。
心が麻痺してしまったの
もう何でもいいや‥って。
:09/10/23 20:06 :D905i :YKgWBHmg
#157 [栢]
終わったあとぎゅっと抱きしめてくれた
なんだか嬉しくて
はまってしまったの
もしかしたら
あたしは浮気相手かもしれない
ただのセフレかもしれない‥
何度もそんなことを考えた
だけど周りより
一歩先に進めた気がして
そんな自分に自惚れたのね、私
:09/10/23 20:09 :D905i :YKgWBHmg
#158 [栢]
会うたびにやって
獣みたいでしょう?
ただ腰を振るだけ
白い液体が喉に絡まる
なんて、不快感
快感なんて一度も‥
演技してる自分に自惚れた
それに興奮してる彼がバカみたいで
おかしかった
:09/10/23 20:11 :D905i :YKgWBHmg
#159 [栢]
ある日
ゴミ箱の"使い捨て"を
お母さんに見つけられてしまった
どこか少し
過保護な気がしていた
過剰に心配して
嫌味のようにしつこく注意される
あたし思春期よ。
嫌気がさすじゃない
:09/10/23 20:14 :D905i :YKgWBHmg
#160 [栢]
「お母さんに
心配かけるようなことしないで!!」
そう怒鳴られたけど
あえて黙って部屋にこもった
むかつく。
勝手に心配してるだけでしょう
放っておいて
もう子供じゃない。
:09/10/23 20:16 :D905i :YKgWBHmg
#161 [栢]
小さいころから
お母さんが大好きだった。
優しくておもしろくて、
ほかの子のお母さんなんかとは
どこか違う独特の魅力‥
お姉ちゃんの
反抗期を知っているあたしは
「あたしは絶対反抗なんてしないよ!」
そう言ったのは
つい最近だった気がする、
:09/10/23 20:19 :D905i :YKgWBHmg
#162 [栢]
だけどやってきてしまった
思春期に負けた
あたしの反抗期。
それからなんとなくだけど
壁を感じるようになった
お母さんはいつも
不機嫌そうな顔をしていた
そんな顔を見るたびに
彼のもとへ行くあたし。
履き違えた"大人"の意味
:09/10/23 20:21 :D905i :YKgWBHmg
#163 [栢]
ふとカレンダーに目をやる
月末‥
生理がこない。
いや、まさか
あたしに限ってそんなこと‥ね
鼓動は正直に‥
周りの音をかき消した。
お願いだから‥
愚かなあたし無知なあたし
命の芽をつんでしまいたい。
:09/10/23 20:26 :D905i :YKgWBHmg
#164 [栢]
「生理こない‥」
彼に電話で告げた。
産んでと言われたらどうしよう‥
そんな心配は無駄だった
「どうするの!?
俺、育てられないよ‥
病院行ってこいよ」
心配とは裏腹に、
この言葉を受け入れる準備を
まだ整えていなかったの
孤独が襲う
:09/10/23 20:29 :D905i :YKgWBHmg
#165 [栢]
あたし‥死のうか
ねぇ、一緒にあたしも消えるよ
すぐにあたし追いかけるから
ママと一緒に天国で暮らそうか
何度自らの腹を殴っただろう
1人になると
無意識に泣きながら
力を込めて殴る
鈍い音が響く
:09/10/23 20:32 :D905i :YKgWBHmg
#166 [栢]
「あんた‥生理は?」
張り詰めた空間
冷たい痛いお母さんの声
「そろそろ来る」
根拠なんてないの
あたしの願いよ
愚かなあたし。
:09/10/23 20:35 :D905i :YKgWBHmg
#167 [栢]
1人孤独を抱えたまま
長い長い時間を過ごす
あれから彼とは
連絡もまめにしなくなった。
また無意識に自らを殴る
もはや軽い習慣‥
:09/10/23 20:39 :D905i :YKgWBHmg
#168 [栢]
「‥ねぇ、何してるの?」
後ろを向くと
青ざめたお母さんの姿
「これ、
お母さんを安心させて‥!」
渡された"現実"
逃げられない受け入れなきゃいけない
ママ‥なんてまだなりたくないよ
:09/10/23 20:42 :D905i :YKgWBHmg
#169 [栢]
「うるさいなあ!!
いちいち心配しすぎなの!
そうやってストレス溜めさせるから
来なくなるんでしょう?!」
今まで溜めてた
‥怒りじゃない
溢れ出したこの感情は
不安。
:09/10/23 20:45 :D905i :YKgWBHmg
#170 [栢]
睫が濡れる
息をするのを忘れる
「お願いだから‥!早く」
‥、結果はあたしの思い込み
あたしはまだひとりの少女。
:09/10/23 20:48 :D905i :YKgWBHmg
#171 [栢]
それを見て
お母さんが泣き崩れた。
今までの怒ったような顔が
一気に崩れた。
大きな雫をこぼして
「‥よかった‥よかった」
ただそう呟くの
:09/10/23 20:50 :D905i :YKgWBHmg
#172 [栢]
「お母さん‥
どうしようかと思った‥
毎日不安で、寝れなくて‥、」
久しぶりに視線を向ける
白髪が増えちゃったね‥
痩せこけちゃったね‥
だけど、"ごめんね"が
言えないあたし
:09/10/23 20:52 :D905i :YKgWBHmg
#173 [栢]
「自分の体は自分で守りなさい‥
自分をしっかり持ちなさい‥」
震えた声で力強く言うお母さんに
「わかってるよ!!
‥いちいちうるさいの!!」
泣きながら枕を投げつけた。
不安がほどけて
すべてが崩壊したように
泣き狂った
:09/10/23 20:55 :D905i :YKgWBHmg
#174 [栢]
あのときの
お母さんの寂しそうな後ろ姿
こんな姿にしてしまったのは
こんなに不安にさせてしまったのは
誰でもなくあたしなんだ。
大好きなのに、
:09/10/23 20:57 :D905i :YKgWBHmg
#175 [栢]
結局
ごめんねと言えなかった。
あの人と別れてから
お母さんを安心させようと
男の人と関わるのをやめた。
それでも
「どこ行くの?」
「生理は来たの?」
一年くらいはずっと
耳にべたりとへばりつくように
しつこく言われたものだ
:09/10/23 21:00 :D905i :YKgWBHmg
#176 [栢]
だけどもう反抗なんてしない
お母さんを追いつめたくないから、
誰よりも明るい人だけど
すごく心配性で傷つきやすい
大事にしなきゃいけない
初めてお母さんの弱いところに
真っ正面から向き合った。
強い人だ
:09/10/23 21:02 :D905i :YKgWBHmg
#177 [栢]
今となってはもう
そんなに心配はしなくなったけど、
親の気持ちを知ったから
今では考えられない反抗期。
そのしつこさもうるささも
全部があたしのためだなんて
気づくのは難しい
だけど、
お腹を痛めて産んでくれたんだもの
そんな風に言いたくなるのは
当たり前なのかな‥
なんて‥、
:09/10/23 21:06 :D905i :YKgWBHmg
#178 [栢]
恥ずかしくて
"いつもありがとう"なんて
言えやしないから
今日は肩でも揉んであげようか
お皿洗いでもしてあげようか
あたしに何ができるだろう
今でもあの涙が
忘れられないでいるの
あたし、たくさん愛されて育ったんだね。
ありがとうお母さん、
:09/10/23 21:09 :D905i :YKgWBHmg
#179 [栢]
>>153-179
過去のお話(´・ω・`)
またノンフィクションです←
最近ここでも
「妊娠したかもどうしよう」
「生理がこない‥」
なんて書き込みをよく見ます
あたしもそんな経験があったから
どうしてもそんな人たちに
後悔する前に伝えたくて、
ほんとに自分の体は自分でしか守れない
その場の雰囲気、快楽だけに
自分を安売りしないでください
両親が待ち望んだ人生です。
悲しむのは自分だけじゃない
もしもの命を
悲しい命にしないでください
無知なままに動かないでください
何か感じていただけたら
うれしいです^^
:09/10/23 21:16 :D905i :YKgWBHmg
#180 [栢]
春の青い芽
_
:09/10/24 15:50 :D905i :NjgA4wYU
#181 [栢]
「メイ!!明日頼みがある!!」
いきなり電話。
いきなりの依頼。
そんなことをするのは
ハルトくらいしかいない
「お金なら貸さないよ?」
ハルトの頼みごとと言えば
大概、お金
って言っても、
最高でも500円なんだけど(笑)
:09/10/24 15:55 :D905i :NjgA4wYU
#182 [栢]
「金じゃねーのよ今回は
ちょっと手伝ってー」
にこにこしながら
手を合わせて頭を下げる
なんとなく、犬を思わせる奴
ハルトは家が隣で幼なじみ。
一緒に遊んだりお泊まりしたり、
お風呂とかも‥入ったかも
お互いのことなんて
意識してるわけがない
普通に技かけられるし
下着姿で会えるし(笑)
:09/10/24 15:59 :D905i :NjgA4wYU
#183 [栢]
そんな感じの緩い関係も
もう何年立つのかな。
ってかいつから仲良くなったんだろ
「引っ越し手伝って!」
「は?」
そんなことかとか思ったけど
よくよく考えたら
力仕事な気がしてきて
やっぱりあたしは
女として見られてないと実感。
なんだか最近はそれが
あたしを締め付けるように痛い
:09/10/24 16:04 :D905i :NjgA4wYU
#184 [栢]
今日から大学生になるわけで、
ハルトは地元を離れることになった
もう、お隣さんも終わり。
「引っ越しって‥
まだ終わってなかったの!?
もう4月じゃん(笑)」
「荷物はあっちに届いてる
だから、整理手伝って(笑)」
雑用ねー‥はいはい
どことなく清々しい顔をしてる
そんな風に見えた
:09/10/25 18:03 :D905i :Bcm9GRAE
#185 [栢]
やっぱりあたしと隣って
やだったのかなぁ 、
ずしりとした物がのしかかる
もう会えないのかななんて
珍しく恋しく思う
「ちゃんと電車賃払うし!
帰りも送るからっ
俺の新しい部屋、見たいだろ?」
にこにこ嬉しそうだ
離れちゃうのを寂しがってるのは
あたしだけなんだなぁ‥
:09/10/25 18:06 :D905i :Bcm9GRAE
#186 [栢]
結局行くことになって
ハルトの新しい部屋は
すごくきれいで
周りの風景もいいとこだった
「隣の部屋、女なんだぜ♪」
なんでそんな嬉しそうなのよ‥
今までが嫌だったみたいに
笑わないでよばか、
隠れていた気持ち
:09/10/25 18:13 :D905i :Bcm9GRAE
#187 [栢]
やきもち‥?
―‥まさかね。
今まで彼氏できたって
妬いたことないし、
つまれた荷物の山
募る切なさ
気付いちゃいけない想い
あぁ、目眩がする。
:09/10/25 18:18 :D905i :Bcm9GRAE
#188 [栢]
あたりはもう暗かった。
なんだか早く帰りたい
「適当に箱開けて荷物出してー‥
服はそこのタンスでー‥」
ハルトの声が耳の奥で渦を巻く
鼻がつんとする。
服に染み付いた匂い
もう懐かしくなってる
:09/10/25 18:22 :D905i :Bcm9GRAE
#189 [栢]
「もうあれだなー、」
時計の音があたしを突き刺す
沈黙なんて‥似合わないのに
「なんかやっと解放されたって感じ
窮屈な生活も終わりだ(笑)」
ぐっと伸びをして
幸せそうな顔してるの?
それすら見たくない
あたしどうしちゃったんだろう
:09/10/25 18:25 :D905i :Bcm9GRAE
#190 [栢]
「全く、いちいちメイは煩いからなぁ
隣の子は
おしとやかな子であってほしいわ」
この場から消えたい
だめだ‥来る。
「もうおさらばだしなぁ、
案外呆気ないな(笑)」
悔しい‥弱い自分、
急に息が苦しくなる
この雫がこぼれたら
ハルトは馬鹿にして笑う?
:09/10/25 18:30 :D905i :Bcm9GRAE
#191 [栢]
―だめ‥、ばれる‥!
すべてを放り投げて駆け出した
体が動くままに。
ただ 訳の分からぬ気持ちが
あたしを狂わせた
「‥メイ!?
おい!どこ行くんだよ‥!」
すぐさまあたしの腕を掴んだ
止めて‥見られたくない
思い切り振り払って
真っ暗な夜に出た
:09/10/25 18:35 :D905i :Bcm9GRAE
#192 [栢]
ハルトごときに泣くなんて‥
どうかしてる
見知らぬ道を歩く
街灯が寂しそうに消えかかってる
何しに来たんだろう、あたし
「も‥、わけわかんない」
目の奥が火傷しそうに熱い
まだひんやりした空気が包む
:09/10/25 18:39 :D905i :Bcm9GRAE
#193 [栢]
月がぼんやりしてる
切ない、ばか
気付いていたのに
気付いちゃいけない気がするんだ
だってそうでしょ?
ただ辛いだけよ、こんなの
普通に学校とかで知り合ってたかった
幼なじみなんて、嫌。
:09/10/25 18:42 :D905i :Bcm9GRAE
#194 [栢]
もやもやする胸を抑えて
投げやりに目を擦った
―‥ここどこだろう。
真っ暗な空間が不安にさせる
「メイ!!」
つい、振り向いてしまった
嬉しいのに何かが引き止める
かっこ悪いの。あたし
:09/10/25 18:46 :D905i :Bcm9GRAE
#195 [栢]
「ばかかお前、
普通に寒みーから‥
それに、迷子になるだろ」
暗かったけど確かに見えた
ハルトの真剣な顔
「ごめ‥、」
言い終わる前に
暖かい手に包まれるあたしの冷たい手
「帰るぞ」
緩く笑ったのが見える
ハルトを近くに感じた
:09/10/25 18:50 :D905i :Bcm9GRAE
#196 [栢]
小さい頃にも
一度こんなことがあったっけ
何でだか忘れたけど
こうして手を引かれて夜道を歩いた
過去の自分が羨ましい
もっと一緒にいたかった‥
ハルトの背中はいつのまにか
大きくなっていた
気づかなかったな‥
あたしより、小さかったのに
:09/10/25 18:53 :D905i :Bcm9GRAE
#197 [栢]
玄関には
乱暴に脱ぎ捨てたスリッパ
部屋の灯りに目を細めた
「止めたのによー‥
何で振り払うんだよ、ばか」
少しふてくされてた
愛おしく想っちゃうよ‥もう
「止めが足りないのよ
もっとちゃんと止めなきゃ‥」
冗談よ冗談。
強がり‥わかってたの?
:09/10/25 18:57 :D905i :Bcm9GRAE
#198 [栢]
「これならもう‥
何処にも、行かない?」
ぎゅっと優しく包まれた
つま先立ちで戸惑う
ハルトはもう、こんなに成長したんだ
鼓動が速まる
ばれてしまわぬように
そっと息を吐く
こくり、と小さく小さく
頷いたの
:09/10/26 00:33 :D905i :0HxquaIU
#199 [栢]
どうしよう‥
もう、抑えられない
溢れ出す気持ちを
はっきりと感じた。
「‥何の日だったか、知ってる?」
その低い声が
体の奥底まで響く
「‥わかん ない、」
途切れる言葉をやっと繋げた
:09/10/26 00:37 :D905i :0HxquaIU
#200 [栢]
「嘘‥ついでもいい日。」
4月1日‥あぁそうか、
こんなにうまく行くはずないもんね
一気に涙が溢れ出す
いくら何でも
一番つらい嘘 つくなんて‥
「あたし‥バカなんだから、
期待しちゃう‥やめてよ」
そっと離れようとする体を
また優しく包む大きな手
:09/10/26 00:41 :D905i :0HxquaIU
#201 [栢]
「もう、終わった‥」
ふと時計を見る
―‥0時2分
「嘘‥」
嘘なんかじゃない、
この温もりが事実
「メイがいいや、やっぱり
ってか‥じゃなきゃ駄目っぽい」
耳元で囁く声が春を告げた
:09/10/26 00:46 :D905i :0HxquaIU
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