浮 き 世 の 諸 事 情 。
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#702 [笹]
【番外編アンカー】
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>>366-393
>>450-470
>>537-557

最後のタイトル
笹の感想部は
流れを重視したいため
省きました(´・ω・`)ノ

⏰:10/02/18 00:34 📱:D905i 🆔:4LI2ZH.E


#703 []


目の前で繋がった手と手

真っ赤な着物が背を向けて
貴方に詰め寄る

見たくもない光景
だけど目が離せない

今すぐ追い払いたい
だけど今のあたしは無能

もどかしさと悔しさに
涙を浮かべても
貴方は気付いてくれなくて‥

⏰:10/02/18 20:11 📱:D905i 🆔:4LI2ZH.E


#704 []
 
「彼女は、首筋に
黒子がありました‥」

「‥やめとくれよ
もうあの子は居ないじゃないの」


頬を這った赤い爪
それに手を添えて微笑した

⏰:10/02/18 20:12 📱:D905i 🆔:4LI2ZH.E


#705 []
 
壱助さん‥やだよ
あたしが子供だから?
あたしじゃ満たされないから?


あたしは‥貴方がいいのに

⏰:10/02/18 20:12 📱:D905i 🆔:4LI2ZH.E


#706 []
 
「まぁ、まぁ」

そう言うと壱助さんは
赤い爪を優しく払いのけ
睫を伏せた


「‥壱助さん、抱いとくれよ」

甘ったるい声が響く


暴れすぎて食い込む縄
じりじりと痛みが熱さに変わる

⏰:10/02/18 20:13 📱:D905i 🆔:4LI2ZH.E


#707 []
 
悔しくて悔しくてたまらない

思いきり噛み締めると
布に滲んだ鉄分が
舌に流れ込んだ


「あの子と同じだろう?
あの子と何一つ変わらない‥
それとも何だい‥
あんな小娘を慕ってるとでも?」

挑発的に腕を首に絡ませて
紅に染まった唇を
壱助さんの首筋に寄せた

⏰:10/02/18 20:14 📱:D905i 🆔:4LI2ZH.E


#708 []
 
あの子って誰だろう‥
壱助さんの恋仲だった人?

あたしとは
恋仲でも何でもないのに
どうしてこんなに
気になっちゃうんだろう‥


壱助さんには
あたしなんか釣り合わない
わかってるのに

⏰:10/02/18 20:14 📱:D905i 🆔:4LI2ZH.E


#709 []
 
「香夜さんを‥ご存知で?」

微動だにせず唇だけ動かした

「まだまだ子供じゃないか‥
あんなのよりも‥ねぇ?」


そうだ‥
誰から見ても
あたしはまだ子供

壱助さんも
あたしのことなんて
相手にしてないかもしれない

⏰:10/02/18 20:14 📱:D905i 🆔:4LI2ZH.E


#710 []
 
蛇のように絡みつき
舌を頬に這わせた


「そうです、ね
確かに‥子供だ」


ほらやっぱり
期待して盛り上がってるのは
あたしだけなんだ

⏰:10/02/18 20:15 📱:D905i 🆔:4LI2ZH.E


#711 []
 
納得しようと
自らに語りかけても
溢れ出す涙は止まらない


今にも重なりそうな唇
思わず息をひそめた

「しかし‥」


―‥目の前で重なった

⏰:10/02/18 20:15 📱:D905i 🆔:4LI2ZH.E


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