*- エロチュウ -*
最新 最初 全 
#365 [亜夢]
-
「今彼氏は?」
すぐさま返事をしようとするとメールが受信した。
送信者:龍紀
《別れよう。》
今彼氏はの答えは、現在別れ話をしてる感じと答えたほうがいいの?
「ちょっとごめんっ……」
あたしは少し離れてから電話をかけた。 もちろん龍紀にだ。
-
:10/07/14 06:05
:F02B
:u5edCtoU
#366 [亜夢]
-
「もしもし龍紀?」
「…うん。」
かすれて聞こえにくい声。 この間まであたしの誕生日やマナブさんに相談するといってた元気のある雰囲気はもちろんない。
「…どういうこと?」
「やっぱマナブは裏切ることができない…別れて欲しい…」
華さんはあたしと別れてもらいたい。 当然、あたしが現れなかったら目を覚ました華さんと結ばれるのは必然的に龍紀だもの。
-
:10/07/14 06:25
:F02B
:u5edCtoU
#367 [亜夢]
-
でも思った。
じゃあ、あたしはあのとき手を取る人間を間違ったということ?
「…で責任とるために華さんと付き合うの?」
「それもしない…俺は天涯孤独だよ。」
龍紀のマイナス面をこれほどみれる機会なんてない。
「あたしを幸せにしないの?」
……と沈黙が続く。
-
:10/07/14 06:28
:F02B
:u5edCtoU
#368 [亜夢]
:10/07/14 06:30
:F02B
:u5edCtoU
#369 [亜夢]
-
あたしはその後なにを話したかなんて覚えない。 ごめん、としか言わない龍紀に泣きじゃくってあたしはもういい、と確か電話を切ったはず…
内容なんて覚えない…
たぶんただのこじつけ。
「亜夢…」
後ろから夏川くんが手を肩に置いた。
今あたし多分ひどい顔してる。 あたしは両手で顔を押さえた。 みられたくない。 やだ、やだ、やだ…
-
:10/07/14 22:33
:F02B
:u5edCtoU
#370 [亜夢]
-
「亜夢は笑顔のほうが素敵だよ?」
夏川くんは昔と変わらない綺麗な笑顔であたしに言った。 急に涙が止まる。 満面の笑みがあたしのなかであふれてくる。
「ふ…ふふっ……」
あたしはなぜか笑えた。
「ちょ…/// カッコつけて言ったんだから笑うなよ〜!!!!」
夏川くんがアタフタしながら言った。
その挙動不審な彼にまた笑えてきてあたしは涙を拭きながら笑い続けた。
-
:10/07/14 22:37
:F02B
:u5edCtoU
#371 [亜夢]
-
夏川くんの友達は気づけば帰ってた。 ふたりでコンビニの前でだらだらしながらしょうもないことを話した。
夏川くんは電話の内容とか、あたしが泣いてた理由とか聞かなかった。
安心する―…この空気…
「はあ、笑い疲れてきちゃったあ…」
あたしは貸してもらったうちわでパタパタさせながら言った。 涙はとっくの前に蒸発して消えてってた。
-
:10/07/14 22:41
:F02B
:u5edCtoU
#372 [亜夢]
-
「純江いく?」
懐かしい名前。 純江(すみえ)とはあたしたちの地元にある海の場所を言う。
「…行きたい…!!!!」
夏川くんはわかった、と言うと止めてあったバイクにまたがってエンジンをかけた。
「しっかり掴まって。」
後ろからぎゅっと夏川くんの腰から腹に手を回すと何故だか涙がでた。
人の温もりは時に悲しくもさせる……
-
:10/07/15 03:35
:F02B
:rTWU1lSc
#373 [亜夢]
-
龍紀が来ていたあの席。
龍紀がカラカラと指で氷をまわす夏っぽい音。
龍紀がくるくると鍵を回す仕草。
龍紀が寝ぼけてあたしを離してくれない時。
龍紀が嬉しそうにあたしの髪の毛をなでる顔。
龍紀と飲んだあのシャンパンの味。
龍紀としたこの恋……
-
:10/07/15 03:38
:F02B
:rTWU1lSc
#374 [亜夢]
-
バイクにのって数十分あたしは思い出のなかを駆けめぐった。 楽しかったことや悲しかったこと…
エンジンの音が消えたときには、あたしの涙は消え去っていた。
「懐かしの純江だぞ〜…て俺はよく来るけどなっ…」
ヘルメットをはずして片手に持つとあたしたちは波際まで足を進める。
ふわふわの白い砂。
月の光でほんのりきらきらしている深い色の海。
-
:10/07/15 03:41
:F02B
:rTWU1lSc
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194