クソガキジジイと少年」
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#390 [ザセツポンジュ]
「ちーちゃん。ボクはね、こんなに人を思って悩むのは久しぶり過ぎて困っているんだよ。そんな時になんだ。世界史好きのどうしようもないジョウくんはって…」
そうして再びスプーンを持った。

「…そこまで言ってないよ。ストラップ渡せるといいね」

「……トミーならできるんだろうな。トミーならかっこよくできるんだろうな。……トミーなら……こんなに悩まなくていいんだろうな」

⏰:06/09/04 04:57 📱:W41S 🆔:T2waCVaU


#391 [ザセツポンジュ]
ちーちゃんは
ジョウの肩に手を置いた。
「かっこ悪くても一生懸命の人の方があたしは好き。なんでも器用にできる人よりも、何か自分の好きなものをひとつだけ一生懸命やれる人があたしは好きよ。トミーとジョウくんは同じ人間だけど全く違う生き物でしょう?だからジョウくんなりのやり方で不器用でもかっこ悪くても一生懸命やればそれでいいと思うよ。」

⏰:06/09/04 05:05 📱:W41S 🆔:T2waCVaU


#392 [ザセツポンジュ]
「………それもそうだ。ありがとうちーちゃん。」

「……ストラップ渡せるといいね。」

ジョウは少し笑った。
窓の外を見ながら
いつも自分が考えている事を少しずつ
思い出した。

━流されない自分らしい自分でいる事。

いつだってそうしてきたじゃないか。

⏰:06/09/04 05:11 📱:W41S 🆔:T2waCVaU


#393 [ザセツポンジュ]
空も地もすっかり秋色になり
老人達も少年達も
肌寒さを感じていた。
(自動販売機のお釣りのところににゴキブリのおもちゃを詰め込むと、手を突っ込んだバカな一般人はどうなるんだろうな…)
悪巧みのスペシャリスト━。
木田シゲル62歳の考え事。

⏰:06/09/05 21:57 📱:W41S 🆔:cnUr1D/E


#394 [ザセツポンジュ]
(特殊メイクをしてもらうにはいくらかかるんだろう…ワシがあと30歳若く見せれたらジローラモばりのちょい悪お兄に変身して……イヒヒ…お姉ちゃんの大事な部分が…フフ)

その前にちゃんと勃つのだろうか。

頭の事は女子と言う女子でいっぱいおっぱい━。
鈴木ひとし62歳の考え事━。

⏰:06/09/05 22:01 📱:W41S 🆔:cnUr1D/E


#395 [ザセツポンジュ]
(俺、電話止まっちゃうからメールができなくなるね。寂しいよ、俺寂しいよ…とか言っとけば、《抱いてオーラ》プラス《金》持ってくる女ゎいないのか。)

そんな下手なホストごっこするのにはまだ少し早い、中学校限定スーパースター

木田トミオ14歳の考え事。

⏰:06/09/05 22:06 📱:W41S 🆔:cnUr1D/E


#396 [ザセツポンジュ]
(これはもう強引に渡すしかない。…ぃゃぃゃぃゃ嫌われたらどうするんだバカヤロウ。クツバコにでも手紙付きで置いておこうかな…。ボク、自分の名前書き忘れるとか言う無駄なオチがついてそうで嫌だよ。)

福岡旅行から何十日とたっているのにも関わらず全く前には進めていない。
ズボンとストラップをいい加減一緒に洗濯機で回してしまってくれた方がむしろスッキリする。


恋と言う名の覚醒剤を打たれてしまった
鈴木ジョウジロウ
14歳の考え事

⏰:06/09/05 22:11 📱:W41S 🆔:cnUr1D/E


#397 [ザセツポンジュ]
いたずらを考える
きーさん。

おっぱいを考える
すーさん。

金を考える
トミー。

恋を考える
ジョウ。


クソガキジジイと少年達は、今後何をしでかしてしまうのだろうか━。

⏰:06/09/05 22:15 📱:W41S 🆔:cnUr1D/E


#398 [ザセツポンジュ]
「それでは、次期生徒会長を立候補するこの4人の演説を聞いてもらいたいと思います。」

体育館に全校生徒は集められ
選挙の時がやってきたのだ。
司会は、恋の覚醒剤をジョウジロウちゃんに売りつけて打ってしまった生徒副会長エノシタさん。

「えぇ、それではトップバッターの…」

⏰:06/09/05 22:20 📱:W41S 🆔:cnUr1D/E


#399 [ザセツポンジュ]
エノシタさんからマイクを奪い
体育館と言うステージに立ってしまったトミー。


「待たせたな!!ニューヨークシティ!!」

『キャ━━━━━!!!!!!』
『トミ━━━!!!!』
『かっこいい━━━━!!!』

こんな黄色い声援を飛ばす物の良し悪しも分からない女子がいるから
この男、調子に乗ってしまうのである。

⏰:06/09/05 22:39 📱:W41S 🆔:cnUr1D/E


#400 [ザセツポンジュ]
「俺が今日言いたいのは、とりあえず梅昆布茶を毎朝飲めと言う事だ!」

『飲む飲む━━!』

「それと、俺は今さっき待たせたなニューヨークシティと言ったが、日本のくそ田舎で演説を行おうとしているこの俺に誰か突っ込みを入れて欲しかったと言う事を事前にわきまえて今日の演説を聞いて欲しい。」

⏰:06/09/05 22:49 📱:W41S 🆔:cnUr1D/E


#401 [ザセツポンジュ]
そんな事は
どうでもいいだろうと突っ込むヤツがいてこそ日本のくそ田舎だ。
梅昆布茶をこよなく愛するトミーは演説を続けた。
「1、2年の女子!これからは春も夏も秋も冬も俺がこのしょうもないくそ田舎の中学校を引っ張って行く!心配することは0、5ミリもない。まぁ一つ心配なのは、俺がこの中の誰かに恋をしてしまい、恋に溺れ、生徒会長と言う立派な地位を捨ててしまうんじゃないかと言う事だ。」

⏰:06/09/05 22:58 📱:W41S 🆔:cnUr1D/E


#402 [ザセツポンジュ]
『キャ━━━━━!!!!!!トミー!!』

トミーは人差し指を立て口元へあてた。

体育館中に響き渡っていた黄色い声も
徐々に静かになっていく…。

⏰:06/09/05 23:01 📱:W41S 🆔:cnUr1D/E


#403 [ザセツポンジュ]
「そんな事あるわけないだろ!キャンキャンキャンキャンうるせーぞ!ゆみちゃんを見習えボケ!」


男子達から笑いが起きた。
女子達は、ゆみちゃんを白い目で見てバカにしたように笑った。
おとなしく演説を聞いていたゆみちゃん。
いつもひとりで漫画を描いているゆみちゃん。
物動じせず自分の道をつらぬき通すゆみちゃん。
話すのが苦手なゆみちゃん。

⏰:06/09/05 23:11 📱:W41S 🆔:cnUr1D/E


#404 [ザセツポンジュ]
「ホントに言いたかった事はここからです。今ゆみちゃんを見て笑った人。バカにしたような目で見た人。俺はそういうヤツが大嫌いだ。」


体育館は、シーンとし、緊張した空気が一気に張りつめた。

⏰:06/09/05 23:15 📱:W41S 🆔:cnUr1D/E


#405 [ザセツポンジュ]
「名指しにして悪いけどゆみちゃんだけじゃない。ちょっと人と話すのが苦手で大人しいだけのヤツを、暗いと勘違いしていて、汚い物を見るかのような目で見ていますが、絵を一生懸命描いているゆみちゃんを、俺は素敵だと思います。ゆみちゃんは文句も言いません。なのに、その辺の女子はコソコソ何か言ってバカにしながら、横を通り過ぎる。そんなのはやめにしようと俺は言いたい。」

⏰:06/09/05 23:22 📱:W41S 🆔:cnUr1D/E


#406 [ザセツポンジュ]
「団結していれば人数が多い分、強いと思ってしまうと思います。でも一人で黙って文句も言わず、自分を殺し、相手を傷つける事もできないし、はなから傷つけようとも思っていないかもしれないその人達の優しい気持ちもちゃんと考えていけるような優しい学校にしたい。」

女子達はもはや、トミーの顔を見れなくなっていた。

「と言う事で、夜は寝る前に歯を磨け、寝起きの息は誰でも臭いぜと言う名言を残し、終わりたいと思います。木田トミオ。」

⏰:06/09/05 23:29 📱:W41S 🆔:cnUr1D/E


#407 [ザセツポンジュ]
そのわけのわからない名言で少しやわらぎ
拍手喝采が
トミーを包んだ。

笑顔で体育館裏に、はけたトミーは次の演説を控えたジョウの肩を抱き抱えた。

⏰:06/09/05 23:32 📱:W41S 🆔:cnUr1D/E


#408 [ザセツポンジュ]
「俺のかっこよさ分かるか?お前。無駄な演説だとは思うが頑張れよジョウジロウちゃん」

ニヤニヤニヤニヤしながらトミーはジョウを応援した。

⏰:06/09/05 23:34 📱:W41S 🆔:cnUr1D/E


#409 [ザセツポンジュ]
「続きまして、鈴木ジョウジロウ君。」

エノシタさんのアナウンスにジョウはドキっとした。

「えぇ……。ボクは全て人並みの人間です。生徒会長になってみんなを引っ張って行けるとはとても思っていませんが、何か行き過ぎたマネをした木田トミオを止める力なら多少はあります。学校をまとめようとする木田トミオに協力する力は多いにあります。だからボクは生徒会役員となっていい学校を作りたいと言う気持ちは胸の中にたくさん詰まっています。」

⏰:06/09/05 23:41 📱:W41S 🆔:cnUr1D/E


#410 [ザセツポンジュ]
「僕には友達がいます。大切です。木田トミオくんのおじいちゃんが昔言っていた言葉を紹介したいと思います。

《ワシは友達よりも確実に先に死ぬだろう。だから親や、ましてやこんなジジイの事よりも友達を一番に大切にしなさい。友達を大切にしていれば一生一緒にいて支えてくれる。》」

⏰:06/09/05 23:48 📱:W41S 🆔:cnUr1D/E


#411 [みぃ]
いい言葉やぁ

⏰:06/09/05 23:54 📱:W41SA 🆔:yezqlFqo


#412 [我輩は匿名である]
>>1-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400
>>401-500

⏰:06/09/06 00:04 📱:P902iS 🆔:r6JdMDAY


#413 [ザセツポンジュ]
「親を邪気に扱えとは僕は言いません。見かけで判断するのではなくて一生一緒にいてくれる友達を大事に思い大切にしていこうと言う気持ちを持っていい学校にして行きたいと思います。終わります。」

⏰:06/09/06 17:08 📱:W41S 🆔:MSsJL6VA


#414 [ザセツポンジュ]
こうして
二人の演説は終わった。

言う間でもないが
生徒会長は
ニューヨークシティに向けて演説をした
木田トミオに決まった。

⏰:06/09/06 17:11 📱:W41S 🆔:MSsJL6VA


#415 [ザセツポンジュ]
「今日さぁ〜ぁ〜就任祝いに〜#7791エリアカフェ行かない?ジョージ〜」
イタリアの娼婦気分でトミーは嬉しさのあまり放課後ジョウに抱きついた。
「ジョージって誰だよ!気持ちが悪いよ。」ニタニタニタニタしたトミーの気持ち悪さったらこれ以上はなかった。

「おごれ。ジョウジロウちゃん。強制だ。行くぞ。」

無理矢理かりだされて、ジョウジロウちゃんとトミーはエリアカフェへと向かうのでした━。

⏰:06/09/06 18:37 📱:W41S 🆔:MSsJL6VA


#416 [ザセツポンジュ]
そんな選挙で追われていた中、老人二人はまた妙な事を考えていた。
「すーさん、ワシは思うんだよ。ホームランを打った野球選手が一周走る必要性はどこら辺にあるのかいっぺん説明して欲しいと切に願っているのはワシだけか?」

こちら、階段の急な、老人心臓破りの鈴木家リビング━。

⏰:06/09/06 18:42 📱:W41S 🆔:MSsJL6VA


#417 [ザセツポンジュ]
「え?空ちゃんがワシを好きになって他の席を回るのも忘れてワシのところへずっと座ったまんまだと店長に怒られてクビになってワシと結婚とならないか切に願うって?そりゃそうだな。…ウヒヒヒ…ヒヒ。」

すーさんは梅昆布茶片手に右ななめ上をぼんやり眺めながらスケベな事を考えていた。

「ちょっと電話をかけるが静かにしていてくれすーさん。」

「お?あぁ。どうぞ。」

⏰:06/09/06 18:46 📱:W41S 🆔:MSsJL6VA


#418 [ザセツポンジュ]
きーさんは、胸のポッケから最新機種だと思い込んでいる老人用の携帯電話を取り出して3つの数字をプッシュした。

「あっ。こんな昼間からすいません。わたくし木田と申します。…ええ、あんの〜ウチの隣に生息しております鈴木さんと言う、まぁ〜ざっと62歳くらいかと思われますが、えぇ、えぇ。はい、そうですそうです。とんでもないスケベの。」

⏰:06/09/06 18:51 📱:W41S 🆔:MSsJL6VA


#419 [ザセツポンジュ]
「その鈴木さんが、ちょっと今流行りの認知症と言いますか。わけのわからない事をワーワーキャーキャーわめいちゃあ、梅昆布茶をふきだしていますので、はい、ちょっとわたくし近所の住人も大変迷惑しておりましてですね。」

すーさんはスケベスイッチを止め、我に返った。
「きーさんどこへダイヤルまわしたんじゃ。」

⏰:06/09/06 18:55 📱:W41S 🆔:MSsJL6VA


#420 [ザセツポンジュ]
そんなすーさんの質問はフルスルーしてきーさんは電話を続けた。

「あ、はい。そうですねぇ。じゃあお願いできますか。救急車。えーっと住所は…郵便番号から言います791の…」

「ちょちょちょちょちょ、ちょい待てよ!」

すーさんはきーさんの携帯電話を奪いとり通話を切断した。

⏰:06/09/06 18:58 📱:W41S 🆔:MSsJL6VA


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