クソガキジジイと少年」
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#201 [ザセツポンジュ]
くるっと後ろを振り返り、トミーはジョウに尋ねた
『じゃあ、どうして毎日毎日エノシタと言うフレーズが出てくるんだ。正直ウザイぞ』
ジョウは立ち止まった
『…毎日は言ってないと思うんだけど。最悪ボクが間違っているのかもしれない。』
そして、トミーは、ジョウの肩を持ち、無駄に小さい声で言った
『オレはエノモトさんと付き合うから、お前はエノシタさんと付き合えよ』
バカにしたように、言ってきたトミーに少し腹を立てた
:06/06/16 23:48 :P701iD :LtWl5Ezk
#202 [ザセツポンジュ]
『トミーは、トミーの好きにすればいい。ボクは、ボクの好きなようにするよ。勝手にボクの道を作らないでくれ。だいたいボクは表面だけがすぐれている人間は嫌いだ。例えば外装だけはキレイなおうちがあったとしても、中に入ればキッチンも風呂もない。そんな家には帰れないだろう!!?多少古い外装でも、ちゃんとしたキッチンでおいしいものを作れて、あったまる風呂に入れたほうが、帰ろうと思うだろう!!?とにかくボクは、ランキングや見かけのものだけに左右されたくないんだよ。不愉快だから、バカにさたように笑うのはやめてくれないか』
:06/06/16 23:55 :P701iD :LtWl5Ezk
#203 [ザセツポンジュ]
いつになく、真剣なジョウだった。
『…どうした、お前カウンセリングうけた方がいいんじゃないのか!!?オレはホントに心配だ。そんなに真剣になるなよ。生きていけないぞ。』
『ボクは、確かにトミーみたいにモテないよ。今までもらったチョコもすべてトミーのおこぼれだった。ボクは、チョコは好きだ。女子を好きになった事なんか、ないんだ。でも、一つ言えるのは、人気者になれなくてもいい。将来好きな人ができたら、その子だけのスーパースターでいれたら、ボクはそれでいいよ。』
:06/06/17 00:03 :P701iD :10FaedBg
#204 [ザセツポンジュ]
トミーはジョウの顔を不安そうに覗きこんだ。
『…ジョウジロウちゃん、どうして今日はよくしゃべるんだ。具合悪のか!!?』
『いたって普通だ。すまないね、心配をかけて』
『頼むよ、いつものお前に戻ってくれ。魔女の宅急便の恋をしたジジの逆バージョンみたいだ。』
不思議な空気に包まれたまんま、二人は#7791へと足を運ぶのだった…
:06/06/17 00:08 :P701iD :10FaedBg
#205 [ザセツポンジュ]
きーさん(ジョウ)
エノシタさん、やっぱ絶対コンタクトの方がいいよ!!ところで、今週の土曜日カットモデルとして髪を切ってみないか!!?料金はタダなんだけど…というか勝手にもう予約入れといたから、必ず行ってね★
場所はわかんないと思うから、0×0ー△○○×に、TELしてお店の人に聞いてね(o^o^o)夜の7時で少し遅いけど、閉店後貸し切ってするみたいだからよろしく!!必ずだよ☆彡アディオス☆ ─送信
:06/06/17 01:16 :P701iD :10FaedBg
#206 [ザセツポンジュ]
──ちょっとブレイク!!
きーさんとすーさん、キャバクラへ行く──の巻
すーさんには、お気に入りの女子がいた。名前は空ちゃん。
実は空ちゃん、重度の虚言癖なのだが、まんまとだまされてしまっている哀れなジジイなのだ。
きーさんは、いつも空ちゃんのウソツキっぷりを観察していた。
空ちゃんの虚言癖ぶりを紹介しよう。
:06/06/17 01:25 :P701iD :10FaedBg
#207 [ザセツポンジュ]
『あたしぃ、実家は、東京の二子玉ってとこでぇ親は医者なんですぅ。それで、あたし今ぁ、こっち来て大学で看護科に通ってるんですぅ』
(そんな都会の子がわざわざこんな田舎に来るわけないだろ。)
『へぇ、だから空ちゃんはかわぃぃんだねぇ。頭もいいんだねぇ。いいとこ育ちなんだねぇ』
(……きーさんのバカ。ろくでなし。)
:06/06/17 01:29 :P701iD :10FaedBg
#208 [ザセツポンジュ]
きーさんは空ちゃんに質問した。
『なあ、空ちゃん。ワシ東京行った時に二子玉ら辺に行ったんだが…二子玉の次の駅は何だったか思い出せんのだ。なんだったかな!!?』
『……えーと…ねぇ』
『三軒茶屋だったか…』
『っっそぉそぉ、三茶、三茶!!!!ねぇねぇすーさんあたしね…』
(このあせりぶり尋常じゃないな…)
二子玉の次の駅は用賀である。三茶なんて四つも向こうだ。
きーさんは、事前に調べていたのである。
空ちゃんのうそを見破った瞬間、きーさんの体はエクスタシーでいっぱいだった。
:06/06/17 01:37 :P701iD :10FaedBg
#209 [ザセツポンジュ]
きーさんは、気付かないすーさんに対してではなく、それを言えない自分を責めていた。
(…きーさんのロクデナシ!!バカバカ、ここで今言うのじゃワシ!!木田シゲル!!62歳!!ぅー…よし)
『すーさん…』
『きーさん、飲めよワシがおごるから今日は』
『そうか、悪いな、うぃーっす!!』
またもや、言えないままのきーさんだった。
そしてまた自分を責めるのだ。
(……きーさんのバカバカ)
:06/06/17 01:47 :P701iD :10FaedBg
#210 [ザセツポンジュ]
『あたしのお父さんは、食品会社の社長なのぉ。コンビニとかにもだしてて、誰でも分かるから、言えないんだけどぉ。』
(…こないだ、医者と言っていたような気がしたんだが…この店、耳かきをオーダーするといくらだろう、えーっと…)
『やっぱり空ちゃんはかわいいねぇ。パパもえらい人なんだねぇ。』
(…すーさんは風呂場で脳みそまでキレイに洗った方がよさそうだな)
:06/06/17 01:53 :P701iD :10FaedBg
#211 [ザセツポンジュ]
『うちのママは、税理士なのっっ。』
(じゃあ、一体誰が医者なんだ。)
『セレブなんだね、空ちゃん、かわいいねぇ。ウヒヒ…ぅーひっく。』
『あ、あたしのママ若いんですよぉ。36歳なんです、まだ。』
『空ちゃんは、21だから、17歳の時の子ということかな!!!!?』
『そぉなのぉ。』
(…絶対15だ!!すーさんも空ちゃんも小2レベルで脳が止まっているぞ!!いいのか!!)
『すいません!!ボーイさん、電卓ください!!』
たまらず、きーさんはボーイを呼んでしまった事もある。
:06/06/17 02:01 :P701iD :10FaedBg
#212 [ザセツポンジュ]
『あたし、おにいちゃんが6人いるんですよぉ。でも、みんな前の奥さんの子供なんですけどぉ。でも仲良しですっ』
『おにいちゃんだらけだな!!一番上のおにいちゃんは、いくつかな?』
『25ですっっ。』
(……おい!!どう考えてもふたりあまるぞ!!)
:06/06/17 02:06 :P701iD :10FaedBg
#213 [ザセツポンジュ]
『あたしの親戚みんな警察官なんですよぉ。』
『あたし、DJやってるんですぅ。ハウスって言うジャンルなんですけどぉ。その世界であたし知らない人はもぐりですよぉ。』
『あたし実はなでしこジャパンに在籍中なんですよぉ。たまに会長から戻れって電話かかってくるんですけどぉ。腰のガンっぽくてぇ、ボール蹴れないんですぅ』
:06/06/17 02:09 :P701iD :10FaedBg
#214 [ザセツポンジュ]
『サッカーの大久保○人とも仲良しですしぃ、奥さんとも仲良しでぇ、スペインでは家族席で見てきましたぁ。』
『あたし実は双子でぇ、男と女の双子なんですけど、陸と空って言うんですよぉ。オシャレでしょう〜』
:06/06/17 02:13 :P701iD :10FaedBg
#215 [ザセツポンジュ]
『あたしフランスとスペインのクォーターなんで、小学校あがるまで家の中は英語でした。』
そんな空ちゃんだが、カラオケで英語の部分が出てきた時は、哀れにも完全にカタカナ発音であり、音痴であった。だが
『あたしCDデビューした事あるんですよぉ。』
『うちのおばちゃんは、芸能プロダクション経営してるんですぅ。』
『あたし、降○けんじのモトカノなんです。元カレはみんな芸能人でした』
と、快調に飛ばしまくり…
:06/06/17 02:19 :P701iD :10FaedBg
#216 [ザセツポンジュ]
『来月ストリート雑誌に載るんですよぉ。あたし専属モデルなんですぅ。』
その後何ヵ月たっても空ちゃんらしき人すら出てこず
(……一年も先取りして、撮影しなくちゃならないのか…デルモとは大変だな…って、おーい!!!!)
きーさんは、証拠をつかむためコンビニでくまなく雑誌と言う雑誌を物色していた。
空ちゃんは一生あらわれはしなかった。
:06/06/17 02:25 :P701iD :10FaedBg
#217 [ザセツポンジュ]
『あたしのおばあちゃんは銀座のオーナーなんですよぉ。』
『あたしのおにいちゃんはカフェバーをいくつも経営してるんですぅ。』
『あたし幼稚園からお茶の水エスカレーター式でしたよ?』
ここで、まとめて空ちゃんの家族紹介をしよう。
:06/06/17 02:29 :P701iD :10FaedBg
#218 [ザセツポンジュ]
実家は、美容整形外科。
サッカーコートがあるくらいの豪邸が田園調布にあるらしい。
二子玉説もある。
そして、空ちゃんを15歳の時に産んだ36歳のママは、現在税理士に君臨しており、パパは超有名な食品会社の社長らしい。
おばあちゃんは銀座のオーナーをしており、
おばちゃんは芸能プロダクションの社長らしい。
そしておにいちゃん達はカフェバーを経営する。
と、言うことはだ。
残すところおじいちゃんが、美容整形外科の院長さんなのか!!?
:06/06/17 02:36 :P701iD :10FaedBg
#219 [ザセツポンジュ]
『あたしのおじいちゃんは、東京で超有名な高級車のディーラーなんですう』
一体全体どこの誰が美容整形外科を守っているのだろうか。
ちなみにそんなおじいちゃんは、ブラックカードの上のスケルトンカードを所持しているらしく、それを持っているのは世界に5人だけらしい。
:06/06/17 02:40 :P701iD :10FaedBg
#220 [ザセツポンジュ]
空ちゃんの経歴も実に素晴らしい。
スペイン人で、銀座のクラブのオーナーをするおばあちゃんと、
フランス人で、高級車のディーラーをしていてスケルトンカード所持のおじいちゃん
との、間に生まれた 超有名食品会社を経営するお父さんと、
犯罪並みに若かった、現在税理士のママとの間に、
双子として生まれてきた。
:06/06/17 02:46 :P701iD :10FaedBg
#221 [ザセツポンジュ]
そして、
御茶ノ水幼稚園、
御茶ノ水小学校、
御茶ノ水中学校、
御茶ノ水高等学校
と、空ちゃんいわくエスカレーター式できたらしく、東京のハンバーガー屋でアルバイトをしていた時、ミススマイル賞に輝き時給が1500円まで上がったらしい。
そんなお嬢様が、こんな田舎町で、現在大学の看護科に通い、なでしこジャパンに在籍中でもあり、でも腰のガンらしく、夜は有名DJもこなし、だが毎日フル出勤でキャバクラにも勤めている。
地球始まって以来の最強さだ。
:06/06/17 02:53 :P701iD :10FaedBg
#222 [ザセツポンジュ]
きーさんは、キャバクラから帰ると、ノートに向かった。
『えーつと…今日は…と。リフティング3000回の日本記録を今だ破られていない、空ちゃん…と』
箇条書きにすると、
もう100行くらいしたためてしまった、空ちゃんの嘘をまたひとつ、またひとつと増やし、空ちゃんマイレージを貯めて行った。
あまりにも頭に来たら、店の中で、マイクを使い、発表してやろうと考えているのだ。
:06/06/17 02:59 :P701iD :10FaedBg
#223 [ザセツポンジュ]
『ありゃ、きーさん、今日は一番のりじゃな。貸し切りだ!!』
月曜日で雨の降る早い時間なら、どこもたいてい暇に決まっている。
『いらっしゃいませ、こちらの席へどうぞ。』
すーさん達は、ガラ空きのためか、広い席に案内された。
『ご指名の方はござ…』
『空ちゃん。』
すーさんは大好きな空ちゃんを指名した。
『…キララちゃん』
きーさんは、キララちゃんを気に入ってはいるのだが、別に誰でもいい。女の子がコロコロ変わって、何才ですか、何型ですか、何件目ですかと1から話すのがめんどくさいのだ。
:06/06/17 03:06 :P701iD :10FaedBg
#224 [ザセツポンジュ]
『ボトルの方はございましたでしょうか。』
すーさんは、うれしそうに『黒霧で、すーさんと空ちゃんの唾液。と書いてるヤツな。』
『…お前、恥ずかしくないのか、リハビリうけた方がいいんじゃないのかね。』きーさんはそう言いながらおしぼりで顔をふいた。
:06/06/17 03:11 :P701iD :10FaedBg
#225 [ザセツポンジュ]
『しつれいしまぁっす。』空ちゃんとキララちゃんが登場した。
『きーさん、おはよう』
キララちゃんは、隣へ座り、きーさん達のお酒を作っていた。
『キララちゃん、好きなもの頼んでいいからね。』
そしてきーさんは小声で
『空ちゃんには、けんちん汁でもオーダーしとけ。』キララちゃんは、笑って
『恐れおおくてできません。』
なかなか正直者である。
:06/06/17 03:17 :P701iD :10FaedBg
#226 [ザセツポンジュ]
空ちゃんは今日はおなかがすいていたらしい。
『ねぇねぇ、すーさぁん。あたしお腹すいたぁ。からあげが食べたぁい。』
と、すーさんにピトっとくっついた。
『ん、頼もう!!頼もう!!ボーイさん!!出前のチラシ、カモン!!』
すーさんは、女子にはいい顔をしたいがために多めに頼む。
女ならこんな都合のいいジジイが客ならバンバンザイだろう。すーさんは携帯を持っていないと言うのが弱点だが、あんたの顔など見たくもないわと言うほど強烈キャラなので、たまに来るくらいがちょうどいいのだ。
:06/06/17 03:23 :P701iD :10FaedBg
#227 [ザセツポンジュ]
すーさんは、何人家族だと言うほどのからあげを頼んでいた。からあげが到着しても、なお店はガラガラだったために、待機中の女子達にも、おすそわけすることにした。ただハーレム状態になりたいだけなのだろう。
キャバ嬢達を、両手に抱えみんなでからあげを食べた。すーさん達は、常連のため、店の子みんな顔見知りだった。そして店の子も、老人と思ってすーさん達には優しくしてくれた。
『じゃあ、じゃあー。この中で誰と結婚したいか、せぇので指さしゲーム!!』 『すーさん、はりきっているが二人しかいないよ。男子は。』
:06/06/17 03:31 :P701iD :10FaedBg
#228 [ザセツポンジュ]
『やかましいわ!!これは、ワシとお前の勝負じゃ!!』すーさんは眉間にシワを寄せた。
そして、8人くらいのキャバ嬢たちは、どっちと結婚したいか選択せざるをえないためすーさんときーさんの顔を交互に見ていた。
『せーのっっ。』
:06/06/17 03:35 :P701iD :10FaedBg
#229 [ザセツポンジュ]
『はい、全員撤収!!』
すーさんはそう叫んだ。空ちゃんを含む、全員きーさんを指さしたのだ。
『空ちゃん、いくらなんでも君はすーさんを指差すべきだ。気持ち悪いのはわかるが、指をさしたところで死にはいたらんよ。』
空ちゃんはあわてて
『いやぁ、ハラハラさせてくれるプレイボーイってモテるじゃないですかぁ。だからそんなすーさんと結婚したらぁ、あたし不安でたまらないなぁと思ってぇ。』
さすが、ザ水商売である。
:06/06/17 03:41 :P701iD :10FaedBg
#230 [ザセツポンジュ]
気をよくしたすーさんは、『じゃあじゃあ〜、恋人ならどっちがいいか、せぇので指さしゲーム!!』
『せーのっっ』
『はい!!全員カンチョー!!ケツだせ、オラ!!
』
『すーさんはぁ、オシャレだし、モテるから、あたしなんか相手にされなさそうでぇ。ってか、その前にかっこよすぎて近付けないなぁと思ってぇ。』
(何のために、さえないジジイがお前を指名してると思ってんだ。)
『ウッフフーン。空ちゃん今日もかわいいねぇ。はい次ー。』
:06/06/17 03:46 :P701iD :10FaedBg
#231 [ザセツポンジュ]
『顔見知りくらいがちょうどいいかなぁと思うのはどっちか、せぇので指さしゲーム』
『せーのっっ』
みんなの指がすーさんに向いているのに気をよくしたが、自分が言ったことをよく思い出してみた。
『…チェックしてくれ!!
からあげも、お前ら返せ、はけ!!!!コラ!!』
空ちゃんは、意気奮闘する、すーさんをなだめた。
:06/06/17 03:52 :P701iD :10FaedBg
#232 [ザセツポンジュ]
『すーさん、顔見知りの度合いがわかんないよぉ。質問が難しすぎたんだよ。だってぇ、すーさん有名だからぁ、あたしも知ってるあたしも知ってるぅって言いたいのかもしんないしぃ。』
………苦しすぎるが、すーさんは気をよくした。
そして、
『じゃあ、じゃあ次はー、どっちのDNAが欲しいか、せぇ…』
『すーさん!!頼むからDNAの領域に手を出すくらいにまで人間落とさないでくれ!!』 さすがにきーさんも、この男にアセりが出てきたんだと感じた。
:06/06/17 03:58 :P701iD :10FaedBg
#233 [ザセツポンジュ]
帰りのタクシーで、酔っ払ったすーさんはいつも語っていた。
『ワシはなぁ、きーさんよりうんとモテたぞ、昔はワシの方に女の子がうじゃうじゃ寄ってきていた…』
『あぁ、知ってるよ。すーさんは人気者だった。よくモテたなぁ。月、水、金の彼女と、火、木、土の彼女と、日曜日専門の彼女、祝日専門の彼女、と、まぁわんさかいたもんだ。』
:06/06/17 04:05 :P701iD :10FaedBg
#234 [ザセツポンジュ]
『そうだったなあ、月曜日は、サトちゃんを自転車で向かえに行って海を散歩して、それから火曜日はユリちゃんがウチへ来てハレンチ極まりないことを、楽しくして…へへ…へへへ…そいで水曜日はサトちゃ…』
『あ、ここで止まってください、じゃあなすーさん。気をつけてな。』
『はいはい。おやすみよ。』
きーさんは、タクシーのおじさんに、すーさんと家が隣ですよとは決して言わない。
すーさんも酔っ払っているためか、久々に会った友達と飲んでいたと言うことに設定してしまっている。
:06/06/17 04:12 :P701iD :10FaedBg
#235 [ザセツポンジュ]
そしてすーさんは、タクシーの運転手に右だ左だと言いつつ、散々、昔の女自慢をして、きーさんをおろした場所にしばらくしてから再び止まる
『ヒック……ぅん、ココだよ。ソープ、ストーーップ、(そこストップ)ランパーーブ』
そして多めに払い、
『パイパイ、おやすみよ。』
きーさんはすでに、眠った後にすーさんは帰宅するのであった…。
:06/06/17 04:19 :P701iD :10FaedBg
#236 [ザセツポンジュ]
:06/06/17 04:22 :P701iD :10FaedBg
#237 [ザセツポンジュ]
──決戦の土曜日がやって来た。
きーさんとすーさんは美容室の控え室で待機をしていた。仕事を終えたピーマンもかけつけた。
美容室の店長がピーマンの知り合いと言う事もあり、無理に無理を言ってインカム(無線)とカメラを設置する事に成功した。
ちょっとした番組のコーナー気分を味わいたいだけなのだろう。
7時、店は閉店した。
片付け係が3人ほど残り、他はみな帰って行った。
『まだか、きーさん。』
すーさんは貧乏ゆすりが止まらなかった。
:06/06/17 04:53 :P701iD :10FaedBg
#238 [ザセツポンジュ]
きーさんは、エノシタさんを改造してくれる美容師、吉田(オス)にインカムを装着させた。
そして裏方に回った。
『マイクテスッッマイクテスッッ。ヨッシー聞こえるかね!!』
『OKーっす。』
おもむろに、すーさんが、マイクのついたきーさんの胸のあたりに、ケツを突き出した。
『プ〜〜〜…』
そして、すーさんはマイクを掴み
『今のオナラの音階が、わかるか!!?ヨッシー!!』
『………み、ミ!!?』
『ファ#だ。』
:06/06/17 05:01 :P701iD :10FaedBg
#239 [ザセツポンジュ]
ゴツン。
きーさんは62年分の思いを込めて、すーさんにゲンコツをかました。
すーさんから映る映像はマンガの用にヒヨコがピヨピヨとかけまわっていた。
『お前にとっちゃ、ファのシャープかもしれんがな!!ワシにとっちゃ、ブチくさの汚い屁でしかないのだ!!全部吸ってしまった、ワシの事も考えろ!!罪だぞ!!吉田!!クイズに答えたお前も罪だ!!バカたれ!!』
きーさんは久々に切れた。
──カランカラン
切れている場合ではなくなった。エノシタさんが無事到着した姿がモニターに映っている。
:06/06/17 05:08 :P701iD :10FaedBg
#240 [ザセツポンジュ]
『あ、エノシタさんですか!!?』
『は、はい。よろしくお願いします。』
服が、冴えないエノシタさんが店へ入ってきた。
そこでピーマンはモニターを見ながら
『あぁ…サマーセール1980円でした、みたいな服やけんが、ダサすぎる。あの子には黄色とか、はっきりした色がいい…』
『ピーマン、終わったら服をコーディネートしてやってくれないか。』
『了解なまこん』
ダサいヤツを見るとピーマンは意欲を発揮したくなる。速答でOKを出した。
:06/06/17 05:15 :P701iD :10FaedBg
#241 [ザセツポンジュ]
すーさんを起こし、エノシタさんの髪型をモニターで見させた。
ヨッシーは、とりあえず、エノシタさんを座らせた。『えーと、今日は、僕のしたいようにさせてもらうって事なんだけど、いいかな!!?絶対よくするからね。』
『あ、はい。おまかせします。』
エノシタさんは緊張しているようだ。
すーさんはエノシタさんのゴワゴワの髪の毛を見てイライラし、そして指示をだした。
『吉田。とりあえずすけ。とにかくすけ。』
『はい。』
『???』
エノシタさんはいきなり返事をした、美容師を不思議に思った。
:06/06/17 05:22 :P701iD :10FaedBg
#242 [ザセツポンジュ]
『お前は、アホか。ワシの声に返事してどうする!!』『ハイ、すません。』
エノシタさんは、いきなりあやまる吉田を見て、少し不信感を抱いた。
『きーさん、吉田はブッ殺決定だな。』
『あぁ、ぶっころ決定だ。』
吉田はマズイと言う顔をしたが、平然を装いハサミを持った。
『じゃあとりあえず、軽くすいていきますね。』
『は、はい。』
『バッサバサすいていけよ、吉田。』
『は………歯医者いいとこ知ってる!!?』
いきなりの質問にエノシタさんは戸惑った。
:06/06/17 05:29 :P701iD :10FaedBg
#243 [ザセツポンジュ]
『え、あの、あたし虫歯になったことないんです。』手強い髪の毛をすきながら、ホッとした表情をうかべた吉田。
うまく切り抜けたと安心していた。
『今のは歌うべきだったよな。』
と、すーさん。
『は…………ぁなが咲いたはーなが咲いた、真っ赤なばぁらぁがぁー♪』
すーさんは歌い出してしまった。
『真面目にやってくれないか。』
『あ、はい。』 きーさんは真剣だった。
:06/06/17 05:33 :P701iD :10FaedBg
#244 [ザセツポンジュ]
髪の毛をすくのに時間がかかりそうだったため、すーさんは吉田に質問をさせた。
《ヨッシー。エノシタさんは中3だが一応、年を聞け。》
『……エノシタさんは何才かな!!?』
『15です』
《あなたホント、ブッサイクな15歳ですね。》
『…………あ、そうなの。じゃあ中3か。若いねぇ。』
《おい吉田!!お前もそう思ってるんだろ!!》
『……受験大変なんじゃないの?』
《おい、きさまワシを無視する気か!!》
『あぁ、大変です…って、あんま興味ないのに質問してるでしょう!!?』
《ヒャッヒャッヒャッ。中3に図星つかれてどうする吉田》
:06/06/17 05:43 :P701iD :10FaedBg
#245 [ザセツポンジュ]
『……いやいや、そんな事ないよ。僕も中3の今頃奮闘してたよ。』
《オナニーにな。》
『アッハハ。まぁそれもあるけどな。』
『え、誰としゃべってるんですか!!?大丈夫ですか。』 《吉田。気持ち悪がられているぞ。しっかりしろ》 『あっ、あぁ、いやそんなことないでしょ。大丈夫。』
『……言ってることめちゃくちゃですけど。フフッッ、変な人』
『ごめんね、ちょっと、待っててね。』
─ガチャン
─パタン
:06/06/17 05:50 :P701iD :10FaedBg
#246 [ザセツポンジュ]
『あの!!
真面目にやってもらってもいいですか!!?』
『まぁまぁ、下ネタに反応したヨッシーも悪い。』 かばったのは以外にもきーさんだった。
深呼吸をし、目をつぶり、意識を集中させ、つばをゴクリと飲み込んだ吉田。
(なぜ俺が緊張しなくてはならない…。)
『ごめんね、エノシタさん。美容室とかあんまり行かないの!!?』
とにかく吉田は、すーさんの声が入る前に自ら質問をした。
『あ…はい…行かないですね。』
:06/06/17 06:01 :P701iD :10FaedBg
#247 [ザセツポンジュ]
《どうりで、すずめが出てきそうな頭をしているわけだな。》
『たしかに、そうですね。すずめが…』
『すずめ!!?』
『ぃや、や、するめ、そぅ、学校の給食のスルメおいしかったなぁって』
《いいわけが苦しすぎるぞ。吉田》
『………ああ、あたしも好きですね、スルメ。』
『ってかエノシタさん、美容室は行った方がいいよ。ウチならクーポン使えは学生は安いしさ。』
吉田は、これ以上流されまいと奮い立たせた。
:06/06/17 06:05 :P701iD :10FaedBg
#248 [ザセツポンジュ]
『そうなんですか…あたし、いい美容室とか知らなくって…今まで適当にしてきちゃいました。』
《ハッハッハ。ただ、ブスはクーポンが効かないのだがな。》
『じゃあ、ウチ来なね。女の子は手入れしなきゃだからね。好きな子とかいないの!!?』
すーさんは、完全にスルーされてしまった。
『あ…あの…い…』
『いるんだ!!いいね青春。どんな子なの!!?』
:06/06/17 06:11 :P701iD :10FaedBg
#249 [ザセツポンジュ]
『すごく、よくモテるんです。人気者ですし…。』
《その子の出席番号は5番でしょ!!?と言ってみろ》
『もしかしてその子の出席番号5番!!?』
『ぃや、そこまで知りません、ひとつ下の学年なので。』
《こんの、ブサイクめ!!調べろそれくらい!!》
『年下なんだ。』
《吉田、次は、その子の名前は木田トミオだろと言え。》
『木田トミオくん?』
『え!!何でトミーの事知ってるんですか!!?』
:06/06/17 06:18 :P701iD :10FaedBg
#250 [ザセツポンジュ]
『えぇ!!こん子が好きな子って、きーさんの孫!!?』
ピーマンは驚いていた。
『説明不十分だったが、そうらしいぞ。』
きーさんは、冷静に言った。
《ナンパされちゃってー。》
『ナ…んでって、たまに来るからね、カレ』
《チッ》
『え、そぉなんですか!!』吉田が奮闘するなか、髪の毛もだいぶ軽くなってきた。
:06/06/17 06:28 :P701iD :10FaedBg
#251 [ザセツポンジュ]
《おいおい、吉田。もうハゲてしまうからハサミを止めろ。そんで……うーん、次は一番軽いストパーをあてろ。》
イタズラのすぎるすーさんだが、指示は的確だった。ピーマンも少し関心した。
《中学生や高校生はやたらストパーをきつくあてすぎなんだよ。どいつもこいつも下敷きがブラさがってるみたいでダメだ。エノシタさんは下敷きみたいにするなよ。》
:06/06/17 06:33 :P701iD :10FaedBg
#252 [ザセツポンジュ]
時間が長引きそうなため、すーさんときーさんは、たけのこニョッキを開始した。ピーマンは、頭で、エノシタさんのコーディネートをイメージし、いらない紙に意欲をはきちらしていた。 『たけのこたけのこニョッキッキいち!!!!!!』
すーさんは出遅れた。
バチン!!
ビンタをくらう。
『たけのこたけのこニョッキッキいち!!!!!!』
またすーさんは出遅れた。バチン!!
ビンタをくらう。
すーさんは、自分が不利だと言う事に気付いた時には、左のホッペがモッコリ腫れ上がった後だった。
:06/06/17 06:42 :P701iD :10FaedBg
#253 [ザセツポンジュ]
──1時間半後
もう夜の9時になっていた。
散々ゲームをしたジジイ二人。すーさんは負けまくりボコスコに殴られ顔が変形して少し男前になっていた。
ピーマンは50体ものデザイン画ができていた。
ドライヤーでかわかした後のエノシタさんをモニターから見たすーさんは、固まった。そして真剣なまなざし…
剥製すーさんの登場だ。
『ゴワゴワではなくなった。サラサラにもなった。軽くなった。何かが足りない。うーん。』
真剣になりすぎ、呼吸もあまりしなくなったその時──
《吉田!!前髪を切るんだ!!パッツンにしろ!!!!》
:06/06/17 06:51 :P701iD :10FaedBg
#254 [ザセツポンジュ]
モニターをズームアップさせた。
きーさん、すーさん、ピーマンの3人は息を止め、静かに見つめた。
(ここで吉田が失敗したら、ただのブスでおわってしまう……)
吉田は、前髪に手をかけた……
──チョキン
─チョキ
─チョキ………
:06/06/17 06:57 :P701iD :10FaedBg
#255 [ザセツポンジュ]
『うぉ────!!!!』
きーさんとすーさんは抱き合った。
吉田の腕は確かだった。すーさんの指示も的確だった。
まるいおめめのとびきりかわいくなったエノシタさんが誕生した。
《かわいくなったねと言ってやれ吉田!!》
『エノシタさん、ほんっっとうにかわいくなりましたね。』
『ホントですか!!?』
『ホントだよ。……ホントにホントだよ。』
ピーマンは裏から階段をおりてミッシェルに急いで戻った。
:06/06/17 07:02 :P701iD :10FaedBg
#256 [ザセツポンジュ]
そして鍵を開けて、興奮しつつ、あわてて服を探した。
イメージはもう完璧にできていた。
あとは、頭の中と同じ服を探せばいいだけだった。
黄色をベースに黒を足す…スカートにパンプスに…
ピーマンはエノシタさんにミツバチをイメージし、形をつくっていった。
強さ、甘さ、激しさ。
生まれ変わった強い自分、恋をしてしまった甘い自分、これからたたかう激しい自分。
そんな願いをピーマンは洋服にたくした。
:06/06/17 07:10 :P701iD :10FaedBg
#257 [ザセツポンジュ]
『これと…これ……ベルト、ベルト……と。…そいで、あれと……よし、これだ!!!!』
ピーマンは2分半で衣裳を探しだし、服をかかえ、二階へかけあがった。
美容室には、カメラマンが来ていた。
『エノシタさん、次の月のクーポンに載せる写真を撮らせてもらうよ。』
『え、あ、あたしいいです、あたしなんかが…』
クーポンマガジンに載せるためのカットモデルだったのだ。だからエノシタさんにはかわいくなってもらわないと困るのだった。
:06/06/17 07:17 :P701iD :10FaedBg
#258 [ザセツポンジュ]
ピーマンは到着して、一分という驚異的な早さで全て服をたたんだ。
《吉田さん、すいません、ちょっと来てください。》ピーマン自らマイクを手にとり、吉田にお願いした。
『どうした!!?』
『あの、これエノシタさんに着せてください。あ、でも内緒で持ってきたけんが、トップシークレットってことで。』
『了解。』
ピーマンは、あせって吉田になにやら耳打ちをした。
『了解なまこん!!』
きーさんはニッコリとほほえみ右手を高くあげた。
:06/06/17 07:23 :P701iD :10FaedBg
#259 [ザセツポンジュ]
エノシタさんは、言われるがままにトイレで着替え、撮影に挑んだ。
モニターを眺める3人は目を輝かせた
『うん、うん。かわいくなったな。』
梅昆布茶を垂れ流し否定していたすーさんも、絶妙な衣裳をまとったエノシタさんを見て納得をした。
『やっぱり輝いた。あの子はダイアモンドだったんだよ。』
きーさんは磨く側に立っている自分を幸せに思った。『大成功だ……』
ピーマンは、頭の中でのイメージ通りにうまくいったエノシタさんの姿を見て嬉しくなった。
:06/06/17 07:31 :P701iD :10FaedBg
#260 [ザセツポンジュ]
きーさんは嬉しさついでにピーマンが選んで来た服を買いとることにした。
《おい、吉田。もうその服をエノシタさんにプレゼントしてくれ。》
きーさんは満足気に言った。
『エノシタさん、今日はどうもありがとう。その衣裳はプレゼントです。』
『え、あ、あたし髪もキレイにしてもらったうえに、そんな、もらえません!!!!あたしの方がありがとうございました!!!!』
『ずっと、エノシタさんがかわいくいられるように、来月また、エノシタさんの映ったクーポンを持って、ウチに来てよ。いい恋をしていってね。』
:06/06/17 07:41 :P701iD :10FaedBg
#261 [ザセツポンジュ]
『は、はい…。』
エノシタさんは泣きそうだった。少し頬を染め嬉しそうにしていた。
そして笑顔で帰って行った。 その姿を見たきーさん達も、嬉しくなり
吉田の片付けを待って、男四人でキャバクラへ行った。提案したのも自らおごると言ったのもすーさんだ。
『空ちゃ〜ん
』 …こりないジジイである。
:06/06/17 07:47 :P701iD :10FaedBg
#262 [我輩は匿名である]
:06/06/17 07:52 :P701iD :10FaedBg
#263 [ザセツポンジュ]
:06/06/17 08:43 :P701iD :10FaedBg
#264 [ザセツポンジュ]
きーさん(ジョウ)
エノシタさん!!かわいくなったみたいだね!!学校楽しみにしてるからね☆彡
ボクはこれくらいしかできないから後は、エノシタさんが、自分のチカラで頑張るんだよ☆応援してるね!! ─送信
ピルピルピル
エノシタさん
ジョウくんありがとう☆勇気をたくさんもらうことができました(o^o^o)これから頑張ります!!
:06/06/17 16:26 :P701iD :10FaedBg
#265 [ザセツポンジュ]
きーさん達は後日、#7791にて反省会を開いていた。
ただ、すーさんがみーちゃんに会いたいだけという理由も見逃してはいけない。『小夜子ストロベリーをふたつ』
『みーちゃんっっ。今日も小さいねぇ、かわいいねぇ。』
と、いつもと何ら変わりのない朝だった。
:06/06/17 16:30 :P701iD :10FaedBg
#266 [ザセツポンジュ]
エノシタさんが通らないかなと、チラチラ横目で外を見ながらきーさんは口を開いた。
『エノシタさん大改造の件だが…』
『大成功に終わってよかったではないか。』
『いや、もちろんそうだ。』
『…でも、その辺のブスでも簡単にできそうな気がするけどな。』
『すーさん、それは間違っているぞ。』
:06/06/17 16:34 :P701iD :10FaedBg
#267 [ザセツポンジュ]
きーさんは行き交う女子中学生を指差しながら語った『あの子は細すぎだ。栄養失調並み、あの子は、がっちりしている。将来レスリングにでもなるのだろう。そしてあの子は、スタイルはいいのに顔はめっぽう味気ない。あの子は姿勢が悪い。わかるか!!?女なんてみんなダメなところはあるものだ。生まれもって完璧なルックスを持つ人の方が、極めて少ない。』
:06/06/17 16:38 :P701iD :10FaedBg
#268 [ザセツポンジュ]
『なぜ、女は変わりたいのか。それは、好きな男ができたから。ただ雑誌をペラペラめくり、痩せたい痩せたいというやつは世間の波に流されている。まわりの女と見栄のはりあいをしているだけだ。変わりたい、勇気が欲しい、キレイになりたい、ふりむいてほしい…これら全ては甘い恋心を抱いた相手がいたからだ。何が言いたいかって、自分一人のためだけに、痩せたりかわいくなろうとしたりするのは、とっても難しいものだ。恋をしたエノシタさんだからこそできた話なのだ』
:06/06/17 16:45 :P701iD :10FaedBg
#269 [Й]
:06/06/18 00:37 :SH900i :CG7Twt86
#270 [我輩は匿名である]
:06/06/18 00:38 :SH900i :CG7Twt86
#271 [Й]
:06/06/18 00:39 :SH900i :CG7Twt86
#272 [ザセツポンジュ]
『おまたせしました。小夜子ストロベリーです。』
きーさん達の前に甘い甘い苺が顔をだした。
すーさんは窓にはりつき、女子中学生を物色していた。
『あ!!エノシタさんじゃ!!かわいいのう。』
『すーさんそれはエノモト……いや、エノシタさんだな!!今日は笑っているな』
いつもうつむき加減で登校するエノシタさんだったが今日は違った。友達と一緒に登校する姿に笑顔がみられた。
:06/06/18 00:48 :P701iD :JAs9bvV6
#273 [ザセツポンジュ]
『天狗にならなければいいのだが…』
『後のことはどうでもいいよ。きーさん、ワシは満足だ。』
エノシタさんを見送った後、きーさんはスプーンを持った。
そして一口、小夜子を口へ運んだ。
『甘い。ワシはこんなにも甘い恋心を何度抱いたことがあるのだろうか…』
:06/06/18 01:06 :P701iD :JAs9bvV6
#274 [ザセツポンジュ]
きーさんとすーさんは次なるターゲットを探すのであった。
:06/06/18 01:07 :P701iD :JAs9bvV6
#275 [ザセツポンジュ]
Й
サン、ぶっちゃけ正直心底嬉しいです
これからもよろしくお願いします
いつもありがとう
:06/06/18 01:10 :P701iD :JAs9bvV6
#276 [ザセツポンジュ]
***
ジョウが日直にあたってしまったある朝、一人で少し早く登校した。
『あ、ジョウくんおはよう。』
ジョウは単独で行動していて挨拶をされた事がなかったため、少しおどろいた。
『…………!!?』
オレンジ色のバッチには
“榎下”と刻まれていた。
でも、ジョウは知らない人のように見えた。そのまま見つめ続け、10秒後、その知らない人に丁寧に挨拶した。
『おはようございます。』その人はニッコリ笑った。朝早く起きたからだろうか。ジョウの脳みそはまだ起きていなかった。
:06/06/18 03:46 :P701iD :JAs9bvV6
#277 [ザセツポンジュ]
うわぐつにはきかえジョウは職員室に行きながら考えた。ニッコリ笑ったかわいい笑顔のオレンジ色のバッチの“榎下”を浮かべて。
(榎下、榎下……エノシタ…え!!?エノシタさん!!?)
ジョウは振り返り、走り、まだくつばこにいるエノシタさんの前へ立ってじっくりと見つめた。
『………エノシタさんどうしたの?かわいくなったね。』
『!!?ジョウくんホンッッットにありがとうね。』
と言ってエノシタさんは去って行った。
:06/06/18 03:53 :P701iD :JAs9bvV6
#278 [ザセツポンジュ]
その瞬間だった。
ジョウの心の中に、カルピスが潤った。
すーさんが作るよりも、もっともっと甘いカルピスだった。
ジョウはきーさんの言ったことばを思い出した。
(きーさん。やっとボクにも分かったよ。……でもなんで面識ないのに挨拶してきたんだろう……しかもなんで、あんなに心からお礼を言われたんだ。)
:06/06/18 03:57 :P701iD :JAs9bvV6
#279 [ザセツポンジュ]
その日からだった。
ジョウは、歴史の時間以外はもっぱら外を眺め、3年生が行き交う姿を目で追っていた。
遠くから見つめる先には、いつもいつもエノシタさんがいた。
以外と、友達がしたわれているところ。
陰キャラとも笑って話せるところ。
誰も気付かなかったゴミを拾ったところ。
体育の時間キツそうに、でもあきらめず一生懸命走っているところ…
ジョウはもうトミーには話さなかった。
かわいくなったエノシタさんを狙うんじゃないかと心配だったからだ。
:06/06/18 04:04 :P701iD :JAs9bvV6
#280 [ザセツポンジュ]
****
きーさんは、旅行を計画していた。
『すーさん。』
季節は、わけもなく心がしめつけられて切なくなる秋中だった。
すーさんは、窓を開けた。
『どうしたんだ、いいネタでも見つかったか!!?』
『いいや。エノシタさん祝いに旅行でもいかないか。』
『……エジプト。』
『行きすぎだ。福岡あたりにしてくれ。』
『福岡かぁ。いつ行くんだ。』
『明日から三泊四日だ。』『きーさんちょっと長くないか。そんなに長いと変な気をおこしかねんよ。』
『……おおいに困るな。孫達も連れて行こう。』
:06/06/18 04:11 :P701iD :JAs9bvV6
#281 [ザセツポンジュ]
夕方、トミーとジョウはほぼ同時に家の玄関を開けた。
『ただいま。』
──木田家
『トミオ!!!!トミオちゃん!!』
『なんだ!!!!ゆっくりさせてくれ!!』
『明日から福岡旅行に連れていってやる。』
『………。いや、学校だ。』
『強制だ。休め。命令だ。』
『すーさんもいるなら行くぜ。』
『あんたの顔なんて見たくもないわと思うほど、一緒にいられるぞ3泊4日だ。』
『……長すぎだが、まぁいい。』
:06/06/18 04:18 :P701iD :JAs9bvV6
#282 [ザセツポンジュ]
──鈴木家
『ジョウジロウ、福岡へ引っ越すぞ』
『…ありえないよ。家建てたばっかだし』
『お母さんがくびになったんだよ。ローンを先々月から払っていないし、ホストにはまってしまって、ウチはもうテンテコマイだ。』
トゥルルル
トゥルルル
《はい。》
『お母さんクビになったの!!?ホスト行ってるの!!?』《あんた、お母さんを何だと思ってるの。あるわけないでしょ!!プツッ…ツーツー》
『じーちゃん、それでどうしたの。何で福岡行くの。』
『旅行だ。きーさんとトミオちゃんとだ。三泊四日だ。学校は休みなさい』
『わーい!!』
:06/06/18 04:25 :P701iD :JAs9bvV6
#283 [ザセツポンジュ]
『シンイチロウ。福岡に…』
『行かない。』
速答で誘いを断った。
『なんでだ。お前、一体毎日こんなとこで何やってんだ。じーちゃんもたまには混ぜてくれよぉ』
俺は、屋根裏部屋に生息している。いろんなことを見渡せ窓もついている。
言っておくが別にひきこもりではない。
服を作ったり、油絵を描いたり、なにかせいつも何かを制作し、フリーマーケットで売ったりしている。
:06/06/18 04:32 :P701iD :JAs9bvV6
#284 [ザセツポンジュ]
『じーちゃん、福岡楽しんできてよ。』
『お前、淋しくないのか。ワシならたえられんよ。置いてきぼりをくらうのは。』
めんどくさいジジイ二人と、なまいきなガキ二人と旅行にいきたいヤツがいるなら、ゲリラオーディションでも開催してほしい。
優勝者には俺が自腹で賞金を払ってやる。
『用事もあるしさ。』
『そうか…了解なまこん。』
『そんな淋しそうにするなよじーちゃん。おみやげ楽しみにして待ってるからな。』
:06/06/18 04:42 :P701iD :JAs9bvV6
#285 [ザセツポンジュ]
じーちゃんは、きゅうな階段をちょこちょこと降りて行った。
次はジョウが入ってきた。
『にいちゃんおみやげ何がいい!!?』
『通りもん。』
『なんだ!!?ドラえもんの新キャラ!!?ボクてっきり明太子って言うと思ったけどな!!』
『お菓子だよ。金賞だからかなりうまいらしいぞ』
『…何サーチで金賞とったの!!?にいちゃん、ボクはねぇ、ホントに楽しみだよ。』
『ガラにもなく嬉しそうだな。楽しんでみやげ話でも聞かせてくれ。』
『了解なまこん!!』
:06/06/18 04:57 :P701iD :JAs9bvV6
#286 [りな]
:06/06/18 23:13 :P901i :HLv3YCrc
#287 [ザセツポンジュ]
:06/06/18 23:21 :P701iD :JAs9bvV6
#288 [ザセツポンジュ]
──朝8時前
観光港へ到着した男四人。
最初に口を開いたのは、次期生徒会長を狙う、中学校限定スーパースター2年2組5番、木田トミオだった。
『ぅえ──!!船かよ!!俺、かっこよく飛行機が良かったよぉ。誰だよ船にしたの。』
そして申し訳なさそうに、女がいれば生きていける62歳のエロジジイ鈴木ひとしが頭を下げた。
『…トミオちゃん。すまない。飛行機は、坂本九が墜落事故で亡くなっている…スーパースターでも飛行機の墜落には勝てん!!!!』
トミーはゴクリとツバを飲み込んだ。
:06/06/19 01:06 :P701iD :pe2kktV2
#289 [ザセツポンジュ]
(スーパースターですらわけなく殺されるのか…もしもオレが死んだら誰が生徒会長に…)
『すーさん、君の選択は正しかったようだ。』
トミーは落ち着きを取り戻した。
『きーさん、福岡にはどんくらいでつくんだい!!?』学校を四日も休める喜びをひしひしと感じている学級委員長、2年2組9番鈴木ジョウジロウ。
『2年と3ヵ月くらいだ。』
平然な顔で、朝から冴えたことを言う悪巧みのプロ、木田シゲル62歳。ただ現実人助けをしてしまっているのがかわいいところだ。
:06/06/19 01:13 :P701iD :pe2kktV2
#290 [Й]
:06/06/19 01:13 :SH900i :S5Eb1R/I
#291 [ザセツポンジュ]
了解なまこん
ありがとう
:06/06/19 03:00 :P701iD :pe2kktV2
#292 [ザセツポンジュ]
高速船に乗る男4人の姿はすがすがしかった。
しかし、波の関係で激しく船は揺れ、すがすがしさはカケラもなくなった状態で福岡へたどりついた。
:06/06/19 03:03 :P701iD :pe2kktV2
#293 [ザセツポンジュ]
『なんだよぉ、オレらの地元と変わらないじゃないかよ!!』
レトロな町並みを見たトミーは、船酔いで気分が悪いついでに文句を言った。
『トミオ、ここは門司港だよ。博多まではもう少しある。博多駅について失神するなよ。恥ずかしいぞ。』
今回3回目の福岡旅行のきーさんは得意気だった。
:06/06/19 03:07 :P701iD :pe2kktV2
#294 [ザセツポンジュ]
小倉へと渡り、新幹線の切符を買った。
『うわ!!これが新幹線!!?すげぇ!!なげぇ!!』
ジョウは素直に驚いた。我々の地元周辺全て新幹線なんてないのだ!!
『ワシは新大阪まで拉致されないかだけが心配だよ。』
無駄な心配をするすーさん。
新幹線に乗り込んでから、悪夢が待っていた。
:06/06/19 03:10 :P701iD :pe2kktV2
#295 [ザセツポンジュ]
すーさんときーさん、トミーとジョウは、向かい合わせで仲良く4人で座った。
すーさんと向かい合わせのトミー。このツートップが向かい合わせれば口からでる話は、女の話だろう。
きーさんとジョウは甘く見ていた。
『トミオちゃん、歌をうたわないか。』
:06/06/19 03:14 :P701iD :pe2kktV2
#296 [ザセツポンジュ]
『すーさん、提案が素晴らしいね。』
チョイスした歌がなんとも言えない
『君の〜ゆくぅ〜道わぁ』『はてしなく遠い〜』
『だのにぃ!!』
ハモってしまったところで、ジョウはきーさんの腕をつかみ、移動し、このバカ二人を赤の他人と認定した。
:06/06/19 03:17 :P701iD :pe2kktV2
#297 [ザセツポンジュ]
20分そこそこで博多に到着した。
『えぇ!!これ駅なの!!?デパートじゃんか!!』
『ジョウジロウちゃん、お前東京行ったら、後ろ向いてひっくり帰るんじゃないのかね』
『なんだこの郵便局!!!!どんだけ手紙をしたためればいいのだ!!』
『ジ、ジョウジロウちゃん…』
『カメラ専門店!!?どんだけカメラ置けば気がすむんだ、福岡県民は!!』
『ジョウジロウちゃん、ヨドバシカメラはカメラ屋じゃない。電気屋だ。心配するな。』
:06/06/19 03:23 :P701iD :pe2kktV2
#298 [ザセツポンジュ]
博多駅到着時点で興奮してしまったジョウジロウちゃん。
すーさんは孫を心配した。
『ウチの孫は、いつもある程度冷静なんですよ。どっか具合でも悪いんじゃないかと思うんです…あぁ神様仏様…』
念仏まで唱えだしてしまった。
:06/06/19 03:26 :P701iD :pe2kktV2
#299 [梅昆布]
夜更かしはよくないぞ
:06/06/19 03:28 :D702i :cIMLnbJo
#300 [ザセツポンジュ]
ジョウの心搏数が下がったところで、クソガキジジイ共々行動を開始した。
博多駅内を探索し、次はバスでキャナルシティーへ…
『なぁ、ジョウ。博多弁聞きたいよなぁ。』
トミーは地元より遥かにレベルの高い九州の女を品定めしていた。
『すっげ!!でっけ!!ひっろ!!噴水だぜトミー!!』
キャナルシティーと言うショッピングモールに感激し、またもや興奮してしまうジョウ。トミーはこんなにも興奮する親友を心配した。
:06/06/19 03:33 :P701iD :pe2kktV2
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