黒蝶・蜜乙女―第2幕―
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#180 [向日葵]
オウマ「かったいこと言うなよ!宴会なんだぜ?!」
セツナ「お前は蜜が酒を飲んだらどうなるか知らないだろ!」
セツナが言い終わると同時に、ゆっくりと蜜が顔を上げる。
ラフィーユ「蜜?」
頬は紅潮し、口元には不適な笑み。
そして
蜜「セーヒュナァー!」
この甘え方。
蜜は酒に弱いのだ。
完全に酔っ払ってる。
蜜はセツナの首元に腕を巻き付けて子供の様にセツナに抱きつく。
:07/09/02 20:30 :SO903i :T7pfKsTk
#181 [向日葵]
セツナは「分かったか?」とオウマにげんなりした視線を送ってからため息をついた。
ラフィーユは一度見た事があるのでオウマほど驚きはしないものの目が点になっていた。
そんな一同にお構いなく、寧ろ眼中になく出来上がった蜜は頭をセツナに甘えるように擦りつける。
オウマ「たった……あれだこで……?」
ハハッと半笑いで誰に聞いてるのでもなくオウマが呟いた。
:07/09/02 20:40 :SO903i :T7pfKsTk
#182 [向日葵]
――――
――――
キリます
:07/09/02 20:40 :SO903i :T7pfKsTk
#183 [向日葵]
オウマが引いてるのもなんのその。
蜜は自分の服に手をかけ始めた。
それに気づいたセツナは急いで蜜の手を止める。
「なぁ〜にぃ〜セツュナァ〜。」
「馬鹿か。外だぞ。こんな所で脱ぐな!」
「暑いもぉん。いいでしょ〜?」
上目づかいで聞いてくる蜜に思わず負けそうになったセツナだが、ぐっと我慢して蜜を睨む。
「駄目ったら駄目だ!」
:07/09/07 00:37 :SO903i :gYOPUeU2
#184 [向日葵]
少しキツめに叱ると、蜜の目に涙が溜った。
それを見たセツナは「あー……。」頭を抱える。
「ひどいよセツュナ……。あたち、暑いって言っただけなのにぃー!」
子供の様に「うわぁーん」と泣き出す蜜。
その変わりように思わず固まり、凝視するオウマとラフィーユ。
どうしたものかと悩むセツナ。
「セツナ……俺悪い事……したな……。」
バカっぽい声を出しながらオウマが呟いた。
「だから嫌だったんだ……。」
:07/09/07 00:43 :SO903i :gYOPUeU2
#185 [向日葵]
ラフィーユに関してはもう無の境地なのか遠い目をしていた。
ひぐひぐとしゃっくりをしながら自分の涙を拭く蜜にセツナは聞いた。
「すまなかった。強く言い過ぎた。何でもしてやるから泣き止め。」
するとピタッと泣き止んで蜜は目を輝かせた。
「何でも?」
「あぁ。」
普通じゃあり得ないニヘェとした笑顔を見せた蜜は、更にあり得ない事を言った。
:07/09/07 00:47 :SO903i :gYOPUeU2
#186 [向日葵]
「チュー!がいい!」
これには流石のセツナも頭の機能停止。
酔っ払っらっていると言う時限じゃない。
これは最早泥酔だ。
セツナはハァー……とため息を吐いて立ち上がる。
「少し、コイツの酔いを冷ましてくる……。」
二人はコクンと頷いて、桜並木の続く奥へと消えていく蜜とセツナを見送った。
・・・・・・・・・・・・・・・
蜜は未だアハアハと笑いながらセツナに引っ張られるまま歩いている。
:07/09/07 00:52 :SO903i :gYOPUeU2
#187 [向日葵]
そしてまた言う。
「セツュナ?チューは?」
セツナは足を止める。
困ったものだ……。
酔っ払った蜜を相手にするのは苦手だ。
何せ理性が切れそうな言葉ばかり吐く。
止まって困っているセツナを蜜はトロンとした目で見上げる。
そしてまたニヘラァと笑う。
腕をキュッと掴んだと思うと、掴みながら「ねぇー!キスはぁぁ?」とせがんで来た。
:07/09/07 00:55 :SO903i :gYOPUeU2
#188 [向日葵]
このキス魔が……っ!
何か諦めがついたセツナは少々乱暴に木に蜜を押し付けた。
蜜は自分から目を瞑ってセツナを待つ。
セツナはまたため息を吐くと軽く唇を触れた。
「満足か?」
「んー!やっ!!」
グイッと首に腕を回し、セツナの顔を近づけた蜜は足りないと言う様に深く唇を押し付けた。
くそっ……。人が優しくしてやれば……!
セツナは半分ヤケになりながら蜜に唇を押し付ける。
:07/09/07 01:00 :SO903i :gYOPUeU2
#189 [向日葵]
行為はエスカレートして、蜜の口内をセツナの舌が荒らしていた。
何度も角度を変える度、蜜の切なそうな息遣いが聞こえた。
するといきなり蜜の体がカクンと崩れた。
やり過ぎたと思ったセツナは急いで唇を離して蜜を支える。
しかし心配は無用だった。
「スー…スー…。」
なんと…………寝た。
あぁこのパターンかとセツナはぐったりと疲労。
:07/09/07 01:04 :SO903i :gYOPUeU2
#190 [向日葵]
「馬鹿もんが……。」
セツナは前の様に少し蜜の服のボタンを開けると、首に二ヶ所、鎖骨に三ヶ所赤い印を残した。
「俺を振り回した罰だ。軽いものだろ。」
蜜の寝顔に意地悪な笑顔を向けながらセツナは呟いた。
そんな事とは知らずに蜜は穏やかな顔をして気持ち良さそうに寝息をたてている。
また起きたら怒鳴られるんだろうなとククッと笑いながらセツナは蜜を抱き上げ、オウマ達の元へと向かった。
:07/09/07 01:09 :SO903i :gYOPUeU2
#191 [向日葵]
・・・・・・・・・・・・・・
「おーセツナァ……ってえぇ?寝ちゃった訳?」
セツナの腕で寝ている蜜を見ながらオウマは言った。セツナはそのまま座り、蜜を寝かせたままにする。
「まだこの方が都合がいい。脱がれたら厄介だ。」
「まぁな……見た所でセツナにボコボコにされそうだし……。」
そう言いながらオウマは酒の花を一口飲んだ。
そこでラフィーユはセツナに質問をした。
「セツナ。将来蜜、どうする?」
「あぁ……そうだな……。」
:07/09/07 01:16 :SO903i :gYOPUeU2
#192 [向日葵]
あっちの世界で暮らすには蜜には不便だろうとセツナは考えていた。
ならば自分がこちらに来て、たまにあちらへ帰ったらどうだろうと考えてる。
出来れば蜜を一人にはしたくない。
随分と長い間あの家で、自分達がいるものの一人ぼっちを味わっている。
両親には未だに会った事は無い。
祖父母は一年にニ、三度帰ってくるらしい。
「まぁ、どうにかなるだろう。」
「じゃあ挙式は?」
:07/09/07 01:20 :SO903i :gYOPUeU2
#193 [向日葵]
「まぁその内。」
「こっち?あっち?」
「多分こちらだろうな。」
するとオウマはすくっと立った。
「大体プロポーズとかした訳?」
何故か威張りながら見下ろすオウマにセツナは眉を寄せた。
「必要か?これだけ一緒にいるのに。」
ここにはラフィーユが突っ込んだ。
「蜜、気持ち伝えてくれるの、好き。ならば言う、当たり前。」
:07/09/07 01:24 :SO903i :gYOPUeU2
#194 [向日葵]
――――
――――
今日はここまでにします
:07/09/07 01:24 :SO903i :gYOPUeU2
#195 [向日葵]
二人からの口攻撃に眉を更に寄せるセツナ。
二人はじーっとセツナを見てくる。
「ってか何でお前らに応援されてんだ俺は。」
「セツナって器用そうで不器用だし。」
オウマの言葉にラフィーユも頷く。
まだくっついてもないコイツらに言われるのはなんだか違う気がするとセツナは納得いかない気がした。
:07/09/15 17:37 :SO903i :5.lsk.LE
#196 [向日葵]
「くしゅっ。」
その時、セツナの腕の中で眠っている蜜がくしゃみをした。
「春、言えど夕方、寒い。そろそろ、帰る。」
気づけば空が茜色になり始めていた。
蜜は暖を求めているのかセツナにすり寄る。
そんな蜜を見てそっとセツナは微笑んだ。
適当にオウマとラフィーユで周りを片づけて、桜が咲き誇る山を四人は後にした。
―――――……
「ん……んー?」
あれ?いつの間に寝てたの私。
:07/09/15 17:42 :SO903i :5.lsk.LE
#197 [向日葵]
ってか山じゃない。
完璧コレは家の中だよね。
「何が……どうなって?」
「起きたか。」
近くで声がするので首を動かすと、椅子にセツナが座ってこちらを見ていた。
体を起こして時計を見る。
「七時……?」
お花見は……。
あの桜だらけの山々は……。
「なぁーんでぇぇ?!」
:07/09/15 17:50 :SO903i :5.lsk.LE
#198 [向日葵]
頭を抱えて記憶を辿るもオウマ君に酒の花を飲まされた所までしか分からない。
どうやって帰って来たとか、何で眠ったとか全然分からない。
「ねぇセツナ。なん―――――っ。」
言葉を失う。
何故ならセツナの顔がすぐそこにあって、私を囲うみたいに手をベッドについてるからだ。
いつになく真剣なセツナの目に、思わずポーッと頭が働かなくなる。
「セツ……ナ……?」
:07/09/15 17:56 :SO903i :5.lsk.LE
#199 [向日葵]
名前を呼ぶと、セツナの顔が更に近くになる。
もう鼻が当たりそう……。
「なぁ蜜よ……。」
「……何、ですか……?」
セツナの片手が、私の片手を掴んでセツナの頬に触れる。
「俺はお前が好きだ。ずっと……これからも……。」
ドキドキ胸が高鳴る。
いつも言われる事だけど、やっぱり言われると嬉しい。
私は黙ってセツナの言葉の続きを待つ。
:07/09/15 18:03 :SO903i :5.lsk.LE
#200 [向日葵]
セツナは私の目を見て私を伺っている。
私が待っていると分かったのか、セツナが次の言葉を発した。
「結婚して欲しいんだ……。俺と……。」
周りの音が無くなった。
まるで私とセツナ二人だけみたい。
今なんて?結婚?
「ハ……ハハハッ。」
現実に戻ってこれたかと思ったら、なんだか笑えてしまった。
笑う私にセツナは怒った顔をする。
:07/09/15 18:07 :SO903i :5.lsk.LE
#201 [向日葵]
「真剣に言ってるのに何故笑う。」
「フフフフ。だって、勝手になったら夫婦とかって言ってるのに……今更プロポーズですかっ。」
まだ笑う私に、セツナはムッと唸った。
それでも……。
私はセツナの顔を両手で包んだ。
セツナのムッとした顔が消える。
「もちろんお受けしますよ。……セツナ。」
と言って微笑んだと思ったら、セツナが力強く抱き締めた。
:07/09/15 18:17 :SO903i :5.lsk.LE
#202 [向日葵]
「焦るだろ!断るかと思ったじゃないか!」
この人でも焦る事があるんだと思いながら耳元で響く声を聞く。
そこでピン!と頭に浮かんだ文字を言わなければ良かった。
「なら今夜はある意味初夜ですね!」
そこで何故かセツナの体がピクリとした。
「なんだ蜜…。そのつもりだったのか……。」
「は?」
何故そんな怪しげな声を出して……?
:07/09/15 18:24 :SO903i :5.lsk.LE
#203 [向日葵]
次の瞬間、司会が一変。
天井が見える……。
え……?まさか。
まさかだよね……?
「お望みとあらば花嫁殿。早速初夜を向かえようではないか……。」
うそ―――――!!!!
そんな意味だったの初夜って!!!
セツナは私の上に覆い被さってくる。
さっきまで真剣だったセツナの顔が怪笑を浮かべて色っぽくなってる。
「セツナ待って!私そんなつもり、―――――っ!!」
「問答無用。」
:07/09/15 18:29 :SO903i :5.lsk.LE
#204 [向日葵]
そう言ってセツナは私の口を塞ぐ。
深いくちづけは息が出来ないくらい激しくて、角度を変えられる度にセツナの息が口に入ってくる。
「―――っ。……は、ぁ……。」
やっと離れたと思うと、セツナの私を見る顔がとても優しくなっていた。
キュンと高鳴る胸……。
少しセツナの手が私の頬を包む。
服に手がかかって、一つ、二つとボタンが外されていく……。
目をギュッと瞑って恥ずかしさに堪えていると。瞼にセツナの唇が触れた。
:07/09/15 18:41 :SO903i :5.lsk.LE
#205 [向日葵]
目を開けると、優しく微笑むセツナがいた。
力がふっと抜ける。
「大丈夫だから……。」
うん……。大丈夫……。
そう言ってセツナの唇が首筋をなぞる。
ビクッと反応する自分の体が何だか恥ずかしくて体温が一気に上がる。
そしてセツナの片手が服の中に入ってきた。
「……ひぅ……っ!」
いよいよ!!と思った。
その時だった。
ガチャ
「セツナー!蜜起きたかぁぁ……。?!」
:07/09/15 18:47 :SO903i :5.lsk.LE
#206 [向日葵]
またもやだった……。
オウマ君登場。
一緒に来たラフィーユは後ろでオウマ君に呆れて頭をいる。
「オォォウゥゥマァァァ……。」
ベッドから降りて、オウマ君に歩みよるセツナ。
その間に服を整える私。
なんとなく予感してた。こうなるだろうと……。
「オウマ、学ばない……。」
「フフ……。そうね。」
:07/09/15 18:56 :SO903i :5.lsk.LE
#207 [向日葵]
オウマ君はセツナに首を絞められて青い顔をしていた。
そんな姿をラフィーユと二人で笑いながら見ている。
そんな風に微笑みながら、私はいづれか迎えるかもしれない自分のウェディングドレス姿を夢見ていた。
私は貴方とならどこまでも、いつまでも、一緒だから……。
――――ね?セツナ……。
:07/09/15 19:01 :SO903i :5.lsk.LE
#208 [向日葵]
―スペシャルチャプター―
――――Fin――――
:07/09/15 19:02 :SO903i :5.lsk.LE
#209 [向日葵]
:07/09/15 19:21 :SO903i :5.lsk.LE
#210 [ひな]
続き、書かないんですか?楽しみにしています。
:07/10/06 09:39 :P904i :y9KBXz1I
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