危ナイ兄弟愛ノカタチ:)BL
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#789 [東脂ヤ転
:08/09/20 18:34
:W52P
:☆☆☆
#790 [東脂ヤ転
携帯に映し出しされていたのは携帯で撮影された画像だった。
目を凝らして見るとそこには、二人の男がトイレの手洗い場でキスしている画像だというのが分かった。
"二人の男"、それがまさしく俺と静兄だ。
俺は自分の目を疑った。だが良く撮れている写真にはハッキリと俺達が写っている。
「これ…参観日…の」
「そうだよ、あの日に俺が隠し撮った写メ。
ただ鳴の後を追ってトイレに入ろうとしただけだったのに、まさかこんな写メが撮れるなんてな」
北原の声は何故か愉し気に聞こえる。
俺が今まで見たことの無い程妖しく笑う北原。
:08/09/21 12:35
:W52P
:hUTP8CHk
#791 [東脂ヤ転
「…何が目的だよ?」
胸の焦りを抑え俺は静かに訊く。
そんな俺を横目に北原は携帯を仕舞うと、俺の方に向き直った。
「だから目的はお前だよ、鳴。この写メが回されたくなかったら、俺と付き合うしか選択肢は無いよ」
至って淡々と話を続ける北原が、俺には未だ理解出来ずに居る。
幼なじみで1番の友達だと思っていた北原が、俺と付き合いたい?
絶対…何かの間違いだ。
「鳴…お前は俺を買いかぶり過ぎなんだよ」
その時まるで俺の考えを読んだかのように、北原は首を振りながらそう言った。
:08/09/22 08:36
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#792 [東脂ヤ転
「俺はお前を友達だと思ったことなんて一度も無かった。ずっとお前が好きだったんだ」
そこまで言うと北原は初めて辛そうに目を細めた。
北原が俺に見せるどの一面も、今までに見たことの無い部分ばかりで、俺は正直戸惑いを隠せずに居る。
「自分がおかしいんじゃないかって…すっげー悩んで、こんなにもお前のことだけを好きでいたのに…なのに…」
北原はそこで顔を上げると真っ直ぐ俺を見つめた。その瞳は一瞬身の毛もよだつ程怒りの込められた瞳だ。
ゆっくりと口を開く北原。
「お前は俺を裏切った」
:08/09/22 21:37
:W52P
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#793 [東脂ヤ転
けして大きな声では無いが北原はハッキリとそう言った。
「…裏切る…?」
その言葉の意味が判らず俺は北原の言葉をオウム返ししてしまう。
すると北原はそんな俺を見ながら呆れたように笑った。
「お前はずっと俺に"女が好きだ"と言ってたよな?今までも普通に林みたいな女と付き合って来ただろ?」
徐々に北原の声の強さが増していく。
「だから俺は諦めてたんだよ。"鳴は普通の男だなんだからしょうがない"ってな。
ずっと好きだって気持ちを押し殺してきた…!」
次々に明かされる北原の想いを、俺はただただ聞くことしか出来ない。
:08/09/23 21:26
:W52P
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#794 [東脂ヤ転
「それなのにお前はある日突然、あっさり"普通"じゃなくなった…!!
突然現れた"静人"とかいう義兄にヤられてな!」
北原は吐き出すように声を上げた。
その言葉に俺は様々な意味で衝撃を受ける。
「…ッ!?…何で名前…」
何とか絞り出すように北原にそう訊くと、北原は鼻で笑って俺に言った。
「お前の義父がどれだけ有名人か知ってるだろ?その息子の名前なんか、簡単に調べられるよ。
ましてやあんな美形なら尚更な」
その言い方は全てを知り尽くしたかのような口振りで、俺は益々逃げ出したい程の焦燥感に襲われる。
:08/09/23 21:38
:W52P
:rkWU9ISw
#795 [東脂ヤ転
[静兄……ッ!!]
俺は思わず心の中で静兄の名を叫ぶ。
今の俺には北原に反論出来る程の余裕さえ無い。
これは今まで静兄の優しさに甘えて来た罰だろうか?
彩華を傷付け、自分が躊躇いも無く静兄の側に居る方法を選んだ報い?
考えれば考える程、俺には選択の余地がないことを思い知らされる。
「鳴…」
途方に暮れて足元から崩れ落ちそうになったその時、俺は名を呼ばれ突然抱き締められた。
静兄ではなく、俺が友達だと思っていた北原に。
:08/09/23 21:48
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:rkWU9ISw
#796 [東脂ヤ転
「もし俺と付き合うなら、この写真だって悪いようには使わねぇよ…?」
北原は耳元で小さくそう呟いた。
その言葉を聞き、初めて俺は北原に脅されているのだと解る。
俺は何も言えず立ち尽くし、北原はそんな俺を更に強く抱きしめ囁いた。
「よく考えてみろよ…この写真が公になった時、静人の仕事には支障が出るんじゃないか?」
そう大きくは無い北原の声が俺の胸には大音量で響き渡る。
"静兄の仕事に支障が出る"
今まで考えもしなかった話だ。
:08/09/27 16:56
:W52P
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#797 [東脂ヤ転
こんな写真が、例えばインターネット上等に流出したりしたら…静兄の店はどうなる?
考えなくても答えは明らかだ。
写真のせいで自分が何か言われるのは仕方ない、自業自得なんだから。
でも、そのせいで静兄に迷惑をかけることは…絶対に出来ない。
俺に残された選択肢はたった一つ。
「俺が…俺がお前と付き合えば、静兄には迷惑かけないんだよな…?」
ゆっくりと身体を離しながら俺は確かめるように北原に訊く。
「当たり前だろ。俺はお前さえ手に入れば、それで十分なんだから」
そう言って北原は笑った。
こんな時でさえ北原は、いつもと変わらない笑顔を俺に向ける。
:08/09/27 21:40
:W52P
:XQyDmcc2
#798 [東脂ヤ転
――――――――
「…ただいま」
ようやくたどり着いた我が家に入ると俺は、消え入りそうな声でそう言った。
しかしいつもはすぐに返って来るはずの応えが、いくら待ってみても返って来ない。
[あ…そっか…]
玄関に並べられている靴の数を見て思い出した。
今は夜の7時前、静兄はとっくに仕事へ行っている時間だ。
平日の夜に静兄が居ないのはいつものことなのに何故か今日に限って、静兄に凄く早く会いたい自分が居る。
:08/09/28 19:02
:W52P
:O7XJlKTs
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