【SSS】超短レス短編祭り!【飛び入り参加OK!】
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#220 [紫陽花[とある動物の話(2/3)]]
当時はエサもたっぷり貰って散歩も飼い主様が連れて行ってくれた。その時間がたまらなく大好きでついつい吠えちゃったり、噛みついちゃったりして、飼い主様を困らせることもしばしば……。
そんな散歩の途中、僕は道に変な丸いのが落ちてるのに気付いた。初めて見るものでその丸い物の正体が物凄く気になった僕は飼い主様に見せようと、何も考えずに口の中に入れた……。
次の瞬間
何でか分からないけど、それを僕は飲み込んでしまった。
(くる……ッしい……!!ぃ……ッいき……ができ……なッ………………!!)
あぁ……、僕はここで死ぬんだァ。もっと散歩したかったァ……。遊びたかったなァ――…。
死を受け入れ今にも涙があふれ出しそうな目を閉じようとした時、急に体が宙に浮いた。
「待ってろ!スグに病院に連れて行ってやるからなッッッ!!」
:08/03/19 17:29 :F905i :☆☆☆
#221 [紫陽花[とある動物の話(3/3)]]
…………飼い主様だァ。でも病院って「ちゅうしゃ」って痛いのする所でしょ?行きたくないな―。でも飼い主様が一緒なら痛くないのかな?
―――――………
そこで僕の意識は途切れた。
後から聞いたんだけど僕は「ぺっとぼとるのきゃっぷ」って言うのを飲み込んだらしい。
「なんでも飲み込んじゃ駄目だろ!!!」おもいっきり僕を叱った飼い主様の目はウサギみたいに真っ赤だった。ごめんなさいを言わなきゃと口を開いた瞬間暖かい手が僕を抱きしめた。
「生きてて良かった――…」
飼い主様は誰にも聞こえないように小さな声で言ったみたいだけど僕は耳がいいから聞こえちゃったんだ。
これが飼い主様の事が大好きになった理由の一つ。いつも「めんどくせ」って言ってる飼い主様。でも僕の大切な飼い主様。
これからも大好きだよ!!
あっ!でも……。
エサと散歩は
忘れてほしくないなァ――…。
ーーーendーーー
:08/03/19 17:29 :F905i :☆☆☆
#222 [ビリヤード(1/2)◆vzApYZDoz6]
ビリヤードが好きだった。
百円二百円のジュースを賭けて勝負するのが好きだった。
ゲーセンの地下のビリヤード場は、俺たちの戦場だった。
今では、百円二百円じゃ満足できなくなっていた。
「……今日の勝負は?」
「ナインボールでどうだい?」
「シンプルだな、いいぜ」
学生時代よりもゼロの数が4つか5つは多い。
下手をすれば人1人の命とすら釣り合うような金額を賭けて、俺は今日も勝負する。
VIPしか入れない裏のカジノで、学生時代の連中とは腕も気構えも違う、裏のハスラー達と。
「バンクショットはどうにも苦手でね」
先攻を取られた負け惜しみのセリフを聞き流し、俺はふっと鼻で笑った。
ブレイクショットには自信がある。
どうすれば、たった1発でナインの黄色い球を落とせるか。
俺は、そればかりを研究してきたからだ。
「悪いな。この勝負、俺の勝ちだ…!」
ボロい商売に笑いそうになるのを堪えながら、静かにキューを構える。
一気に撞きだしたその瞬間に、俺の携帯に着信が入った。
:08/03/19 21:58 :P903i :/loXYyno
#223 [ビリヤード(2/2)◆vzApYZDoz6]
「!?」
ポケットからの振動で、前に置いた指が上ずる。
同時にキューも上を向き、手玉が10センチも進まないうちに止まった。
痛恨のミスだ。
「奇妙なこともあるのだな。ブレイクショットには……なんと言っていたかな?」
「…ブレイクショットはどうにも苦手でな」
勝負の結果は、まぁ言いたくないと言えば察しがつくだろう。
家財道具から当面の生活費まで、根こそぎ持っていかれた。
いや、元々持ち合わせが賭け金に足りていなかったんだ。この程度で済んだのは運がいいほうだ。
「にしても……」
一体、誰があのタイミングで電話なんかしてきたのか。
アレさえなければ、と多少恨みがましく思いながら携帯を見ると、1通のメールが届いていた。
どうやら電話ではなくメールだったらしい。
「ちっ、あの野郎…」
メールの送り主は、学生時代によく勝負していたビリヤード仲間の1人だった。
『元気かー。久しぶりにビリヤードやらねぇか?最近俺もリッチになってきたし、晩飯でも賭けて勝負しようぜ!』
「……まったく……」
誰のせうで、今の俺が素寒貧になったと思ってるんだか。
だが、たまには昔の勝負を思い出すのもいいかもしれない。
丁度ヒヤヒヤしっぱなしの勝負にも、飽きがきてた頃だ。いや、言い訳じゃなく本心から。
俺は携帯のメモリーからそいつの番号を選んで、受話口を耳に当てた。
とりあえず今日のところは、晩飯代でも稼がせてもらうとするか。
:08/03/19 21:59 :P903i :/loXYyno
#224 [「仲直り」向日葵(3/3)]
私は何をしたんだろう。
自分の手を見つめる。
その後、階段から落ちた友人を見つめた。
きっかけは些細な言い合いだった。
言葉では彼女に勝てない私は、カッとなって彼女を突き落とした。
彼女はピクリとも動かない。
しばらくして、彼女は病院に運ばれた。
私はその場から動けずに、自分がやった事に後悔していた。
しかしその後悔も、数日すれば薄れていった。
幸い突き落とした現場を誰1人として見てなかった為、告げ口する人もいなかったし、自分から真実を言う事もなかった。
あれは彼女が悪い。
当然の結果だ。
そうとさえ思ってくるようになってしまったのだ。
:08/03/19 22:35 :SO903i :kP27/un.
#225 [「仲直り」向日葵(2/3)]
だから彼女が退院して登校して来た時、私の背筋に冷たいものが駆け上がったのだ。
もう駄目だ。
バラされるんだ。
言ってしまうんだ……っ!
しかさそんな私とは裏腹に、彼女は元気そうな顔をして私に近づいてきた。
そして笑顔で話かけてくる。
「おはよ!久しぶり!」
私はあれ?と思いながらも挨拶を返す。
すると彼女は私を廊下に呼び出す。
開いている窓から爽やかな風が入り、冷や汗をかいた私の体をすり抜けていく。
「この間は……ゴメン」
突然の彼女の謝罪。
どう考えたって私の方が悪いのに。
「だからね、仲直りしよ……?………………同じ目にあって」
彼女の目の色が変わる。
:08/03/19 22:41 :SO903i :kP27/un.
#226 [「仲直り」向日葵(3/3)]
それを見たと思った瞬間、私は軽々と持ち上げられ開いていた窓から投げ出された。
3階と言う高さから、まっ逆さまに落下。
浮遊感と恐怖に耐えきれず、気が狂ったように叫び声を上げた。
―――――数日後。
私は下にある植え込みのおかげで重症を負ったものの命に別状は無かった。
次に登校してきた時は、彼女の姿は警察に捕まって無かった。
彼女に会う事は、もうないかもしれない。
そして私は風の噂にこんな事を聞いた。
私の命に別状が無い事を知った警察から聞いた彼女はこう呟いたらしい。
「じゃあ、仲直り出来ないね」
:08/03/19 22:46 :SO903i :kP27/un.
#227 [向日葵]
>>224(3/3)になってますが正しくは(1/3)です
:08/03/19 22:48 :SO903i :kP27/un.
#228 [◆vzApYZDoz6]
:08/03/19 23:04 :P903i :/loXYyno
#229 [◆vzApYZDoz6]
:08/03/19 23:18 :P903i :/loXYyno
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