・・万華鏡・・
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#820 [○○&◆.x/9qDRof2]
(´∀`∩)↑age↑
:22/10/08 20:24
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#821 [○○&◆.x/9qDRof2]
:22/10/08 20:26
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#822 [○○&◆.x/9qDRof2]
:22/10/08 20:27
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#823 [○○&◆.x/9qDRof2]
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#824 [○○&◆.x/9qDRof2]
:22/10/08 21:02
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#825 [○○&◆.x/9qDRof2]
:22/10/08 21:03
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#826 [○○&◆.x/9qDRof2]
:22/10/08 21:04
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#827 [○○&◆.x/9qDRof2]
(´∀`∩)↑age
:22/10/18 00:33
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#828 [○○&◆.x/9qDRof2]
cosmic dust
夕方になり、長い勤務時間から解放されても、帰りの電車がたまたま空いていてゆったり座れても、こころにかかったモヤモヤが消えることは無かった。気だるいのは、会社に忘れていた傘を二本と、取手の小さいカバンを持っているからではない。
:22/10/18 13:58
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#829 [○○&◆.x/9qDRof2]
何ヵ月も開いていないスケジュール帳が、カバンの底で異様に重たく、自分の存在よりも大きな影として、そこに鎮座(ちんざ)しているのだった。わたしは、湖の底と同じくらい「暇」なのだ。
:22/10/18 13:59
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#830 [○○&◆.x/9qDRof2]
去年の末から春に向けて、世の中がめまぐるしく変化して行く中で、わたしの暇に歯止めがかかることは無かった。それは新しいスマートフォンを買っても解決しなかった。わたしには考えることすら見当たらなかったので命や人生について考えようとした。
:22/10/18 13:59
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#831 [○○&◆.x/9qDRof2]
しかし、わたしの生命とか存在なんていうものは、もう潰すところが無くなったプチプチのようなもの。これにすらエアークッションという、仕組みと目的が明確にされた素晴らしい名前が付いている。
:22/10/18 13:59
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#832 [○○&◆.x/9qDRof2]
わたしは大学を卒業し、なんとなくいまの会社に入り、名前を奪われたのだ。千と千尋の神隠しのように、それはとても忙しい毎日を過ごしていた。しかし、わたしは忙しいということに満足してしまい、自分という個性の存在を求められていないことに気付かなかったのだ。
:22/10/18 13:59
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#833 [○○&◆.x/9qDRof2]
そして、木から葉っぱが散るように、わたしの予定はポツポツと穴が開き、誰もいなくなった教室の扉を閉めるように、スケジュール帳は閉じられた。夕暮れ時の、小雨が降る中を電車は走っている。
:22/10/18 13:59
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#834 [○○&◆.x/9qDRof2]
天井の裏にあるパンタグラフが火花を散らす音がする。大きい駅に着いたとき、大勢の乗客が乗り込んできた。わたしは椅子の端にからだと鞄と傘を寄せ集め、ひとりでも多くの乗客が座れるようにと心がけた。車内は瞬く間に人で埋め尽くされた。
:22/10/18 14:00
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#835 [○○&◆.x/9qDRof2]
しかし、わたしが座る椅子にだけ誰も座ることは無かった。大きい駅から発車するとき、わたしの目の前に立つ乗客たちは慣性(かんせい)の法則にしたがい斜めに傾いた。それはまるでシンクロナイズドスイミングのように統率された動きだった。
:22/10/18 14:00
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#836 [○○&◆.x/9qDRof2]
そして窓の外を見ると、建物までがシンクロしているように傾いて見えた。わたしは、このまま世界に取り残されるのではないかという錯覚がした。わたし以外のすべてのものはこのまま進行方向に走り、ビルや高速道路、地球の自転、そして太陽を回る軌道からも放たれて、宇宙空間にただ座っているだけの自分になってしまうのではないか、そう思うと寒気がした。
:22/10/18 14:00
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#837 [○○&◆.x/9qDRof2]
しかしわたしの運命は、火の鳥に罰せられて無限の彼方を放浪(ほうろう)させられる訳でもなく、ただ電車の時刻通りに進行方向に運ばれて行くだけだった。きっとわたしは、からだが緊張していて慣性の法則を辛うじて防いだだけなのだ。
:22/10/18 14:00
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#838 [○○&◆.x/9qDRof2]
わたしは何も特別では無いのだ。ただ楽しそうに音楽を聞いていたり、スマートフォンを指で擦って楽しんでいる人が目の前に立っていたせいで緊張していただけなのだ。鉄道や道路は、都市という巨体を動かすための血管のような物だ。
:22/10/18 14:00
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#839 [○○&◆.x/9qDRof2]
血液である乗客は、それぞれの役割を果たすために毎日運ばれ、同じところをグルグル廻ることでしか生きられないのだ。しかしわたしは、鞄の底に眠っているスケジュール帳の重みを感じれば感じるほど、まるで耳栓をしているように、血液の流れる音が遠くに消えていく気がするのだ。
:22/10/18 14:01
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#840 [○○&◆.x/9qDRof2]
わたしは乗客を見渡し、彼らが蝋人形(ろうにんぎょう)のように見えることに気が付いた。他人の表情を読み取れないなんて、自分の感性が錆びてしまったのでは無いかと思い、一瞬ヒヤリとしたのだが、やはり彼らの顔はのっぺらぼうのようになっていた。
:22/10/18 14:01
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#841 [○○&◆.x/9qDRof2]
わたしの椅子の横に、ひとりの男が腰掛けた。静止したように思える車内で、わたしと彼だけが鮮明にそこに存在しているような気がした。彼は声を掛けては来ないが、明確な目的を持ってわたしの横に座ったことに間違いはない。
:22/10/18 14:01
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#842 [○○&◆.x/9qDRof2]
そして彼は、首をくるっと廻してわたしの方を見た。男はまんまるとした眼球をこちらに見やり言った。
「あなたは宇宙に必要とされていません」
意味が分からなかった。
:22/10/18 14:01
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#843 [○○&◆.x/9qDRof2]
「次の駅で降りるか、このまま消えて無くなるのかを選ばせてあげます」
頭のおかしい奴もいるものだと思った。わたしは元々次の駅で降りるつもりだったので、電車が止まると黙ってそこから離れたのだ。
:22/10/18 14:01
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#844 [○○&◆.x/9qDRof2]
ホームに降りると、背後で扉のしまる音が聞こえた。いつもは乗り降りのたくさんある駅だが、いま、ホームにいるのはわたしだけだった。電車が発進し、走り去る姿をなんとなく見ていた。
:22/10/18 14:02
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#845 [○○&◆.x/9qDRof2]
すると、進行方向の空が、曇り空を割って急に光輝いた。電車はそのまま光に向かい、大蛇が鎌首を持ち上げるように、線路から離れ、雲の向こうに走って行った。未知なる存在によって、人々が誘拐されている。
:22/10/18 14:02
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#846 [○○&◆.x/9qDRof2]
しかし世間は、誰もそのことに触れようとしなかった。わたしの会社でも、毎日のように従業員が減っていったのだが、居なくなった者のことは、一切話題にならなかった。いつもと変わらない毎日の中で、ただ周りからひとが消えて行ったのだ。
:22/10/18 14:02
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#847 [○○&◆.x/9qDRof2]
ある晩、両親と妹とわたしの四人で晩御飯を食べていた。テレビのニュースキャスターは毎日のようにひとが変わっているが、無論、そんなことは話題にならなかった。わたしは家族に話しかけることはほとんどしないのだが、自然と涙がポツポツとこぼれて来て、自分が体験したこと、世の中が異常なことを話し始めた。
:22/10/18 14:02
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#848 [○○&◆.x/9qDRof2]
一通り話し終えてから三人の顔を見ると、蝋人形のようなのっぺらぼうになっていた。わたしは思わず叫び声を上げ、自分の部屋に逃げ込む。部屋の扉に鍵をかけ、ベッドに飛び込んだ。そして扉のほうを見ると、あの丸い目をした男が立っていた。
:22/10/18 14:02
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#849 [○○&◆.x/9qDRof2]
わたしは男に、一体なんのつもりなのかを聞いた。男が両手を翼のように広げると、部屋の天井がなくなり、大きな映像が映し出される。そこには、空中に浮かぶ大きな都市が写し出されていた。画面は拡大され、巨大なビル群の間を、スーツを着た人々や、作業着を着た人々が規則正しく、碁盤の目のように整備された道を往来していた。
:22/10/18 14:03
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#850 [○○&◆.x/9qDRof2]
みんな顔は無表情だったが、ただ働くことだけに集中しているようだった。男は語り始めた。
「ある一定の水準まで文化を成長させた種族を、我々は迎えに来たのだ。この星に住む生物の種は元々は我々が蒔いたのだよ。我々は天に住まうもの、あなた方は労働力なのです。特にこの日本という島に生息するホモサピエンスは、よく働いてくれるのです」
:22/10/18 14:03
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#851 [○○&◆.x/9qDRof2]
「あなたはなぜ、宇宙に必要とされていないのか解りますか?」
わたしは、カバンの底に眠るスケジュール帳の存在を思い出した。わたしがどうしても暇だから、そして何も努力をしないからだろうか。
:22/10/18 14:03
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#852 [○○&◆.x/9qDRof2]
周りの友人や家族や、いろんなひとがあの空中に浮かぶ都市に連れて行かれているのに、自分はそんなにも必要とされていないなんて。
「あなたは、地球人ではないのです」
わたしは宇宙人だったのだ。
:22/10/18 14:03
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#853 [○○&◆.x/9qDRof2]
わたしのまわりはそのことに気付いていたのかも知れない。だからみんな、自分に仕事をさせなかったのだ。わたしは、自分の両親が橋の下で拾ってきた子だと言われて育てられてきた。冗談だと思っていたが、わたしは地球人に拾われた宇宙人だったのだ。
:22/10/18 14:03
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#854 [○○&◆.x/9qDRof2]
「二十年前、この星を調べに来たあなたの本当の両親は、あなたを実験台に使ったのです。地球人に育てられた者は、一体どう育つのか。そして、あなたの目を通して地球人の暮らしや、文明の水準を探ろうとしたのだ。しかしあなたは、我々にも、地球人にも成れなかったのです。あなたは明らかに、パワーがありませんから」
:22/10/18 14:04
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#855 [○○&◆.x/9qDRof2]
会社や学校に、何を考えているのか、やる気があるのか無いのか分からない、宇宙人のような若者はいないだろうか。どうか彼らを、温かく見守ってあげてほしい。
:22/10/18 14:04
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#856 [○○&◆.x/9qDRof2]
:22/10/18 14:04
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#857 [○○&◆.x/9qDRof2]
躊躇いも嘘も、
おれの彼女は、とんでもない猫かぶりだった。
容姿はこれといって秀でていたわけではない。ただ、コミュニケーション能力は抜群にあったし、声と笑顔はめちゃくちゃかわいかったもので、おれはすぐさま虜になった。
:22/10/18 17:54
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#858 [○○&◆.x/9qDRof2]
「ねえね、きみ、頭いいの?」
それがおれと彼女の、初めての接触だった。猫みたいなふうに首を傾げながら、それでもすこし高慢な雰囲気を漂わせながら、彼女はおれに話しかけてきた。
「え、ああ、まあ、うん」
「ふうん、勉強すき?」
「う、うん」
「じゃ、今度教えて?」
:22/10/18 17:54
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#859 [○○&◆.x/9qDRof2]
おれは言葉もなく頷くほかなかった。きらきらした瞳に見つめられると、言葉が恥ずかしがって喉元から出てこなくなってしまうのだ。
⏰:11/12/28 00:54 📱:H001 🆔:☆☆☆
#3 [我輩は匿名である]
しかしそれきり、彼女と会話を交わすことはなかった。おれは至極ふつうな男子生徒だったし、彼女はクラスメイトとのコミュニケーションで、毎日駆け回っていた。
すこし、寂しい。いや、かなり寂しい。
:22/10/18 17:54
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#860 [○○&◆.x/9qDRof2]
彼女がほかの誰かに笑いかけるたびに、おれのなかの焦燥感が鎌首をもたげた。どうしようもなく愛しいその姿に、ただ一度でも触れてみたいと思った。いけないと知りながらも、情欲の炎は燃え上がるばかり。
そしておれは、見てしまった。
:22/10/18 17:55
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