漆黒の夜に君と。[BL]
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#601 [ちか]
「ありがとうな…冥。」


その笑顔に寂しげな表情は欠片も無かった。

「お、おう!」

俺は笑顔で返す。


少しは俺らの距離も縮まったかな‥‥?

⏰:09/03/11 23:48 📱:P906i 🆔:KaqMZK1M


#602 [ちか]
「驚いたよ。」

病室を後にしたあと、恭弥に言われた。

「え?何が?」

そう言って疑問の瞳を向けると、恭弥はふふっと笑った。


「優里が人の事名前で呼ぶなんて初めてだったから。」

⏰:09/03/11 23:53 📱:P906i 🆔:KaqMZK1M


#603 [ちか]
「え‥‥」

それって‥‥――
それって‥‥‥――――

「友達って意味じゃない?」

恭弥はにっこりと笑った。

「ホントに?!」

「病院内では静かに、ね」

嬉しかった。
むかつく奴だけど、
ひねくれた奴だけど、
とにかく嬉しかった。

⏰:09/03/11 23:57 📱:P906i 🆔:KaqMZK1M


#604 [ちか]
それから2日後、優里はカナダに帰る事になった

もともとは来年行う腫瘍を取り除く手術に向けての検査中に、俺の噂を聞いて病院を抜け出してきたらしい。

やっぱブラコ…――

「誰がブラコンだコラ。」

⏰:09/03/12 00:11 📱:P906i 🆔:pF033Bmg


#605 [ちか]
「あ、また口に出てた?」

「出まくりだっつーの、馬鹿か。」

こんな生意気な口がきけるまで優里の体調も回復しましたよ、みなさん。

「誰に話してんだよ。」

「内緒。」

ちなみに今は空港まで、
優里を見送りに来てます

あ、もちろん学校は休んだ。恭弥も一緒にね。

⏰:09/03/12 00:17 📱:P906i 🆔:pF033Bmg


#606 [ちか]
「俺がカナダに居る間、特別に兄貴はお前に任せてやる。
まぁ、手術さえ終わればいつでも帰ってこれるけどな。念のためだ、念のため!」

「はいはい。」

あれから俺達の間はだいぶ近くなった。
下の名前で呼びあってるのが、その証拠。

恭弥は俺と優里の会話を聞きながら、嬉しそうに笑っていた。

⏰:09/03/12 00:24 📱:P906i 🆔:pF033Bmg


#607 [ちか]
「優里様、飛行機の準備ができました。」

「分かった。今行く。」

とうとう別れの刻らしい

ちょっとだけ名残惜しかったりする。言わないけど

「あ、そうだ。最後に一つ教えてやるよ。」

そう言って優里は俺に耳打ちした。

⏰:09/03/12 00:27 📱:P906i 🆔:pF033Bmg


#608 [ちか]
「は?お、おう…」

「じゃ、またな!兄貴も!」

笑顔でそう言うと、優里は歩いていった。


こうして長い嵐は去って行った。


え?
何て言われたかって?

『神楽(カグラ)姉には
    気をつけろよ』

だってさ。誰だよソレ。

  ― 第三話 e n d ―

⏰:09/03/12 00:34 📱:P906i 🆔:pF033Bmg


#609 [ちか]
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

第三話 嵐は突然に
>>337-608

第三話ようやく
完結しました★Д`
第一話、第二話には無かった恭弥の内面がたくさん
描けた話になりました♪

感想・ご意見などよろしくお願いします∩^ω^∩

感想板↓
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/4220/

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

⏰:09/03/12 00:43 📱:P906i 🆔:pF033Bmg


#610 [ちか]
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

★まとめ

第一話 漆黒のきみ
>>3-195

第二話 比例する気持ち
>>199-332

第三話 嵐は突然に
>>337-608

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

⏰:09/03/12 00:44 📱:P906i 🆔:pF033Bmg


#611 [ちか]
>>600
└→まなさま*

まなさま、この前も感想くれましたよね?
いつも読んでくれてありがとうございます♪
文才あるだなんて、私にはもったいない言葉、本当に嬉しいです!
何より、感動して頂けて、良かったです
第三話は感動的なシーンに気合いを入れていたので♪
よければ、ぜひ感想板にもお越しください★

⏰:09/03/12 00:49 📱:P906i 🆔:pF033Bmg


#612 [ちか]
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
第三話に説明不足な点が
あったので、補足と言う
形で書かせて頂きます*

優里が冥のお店の前に
居たのは、こっそり
別の車でついてきていた
からです><
しかも現地に着いたあと
ボディーガードの人とも
はぐれたと言う…(・ω・`)

私がぬけているばっかりに重要な部分をちゃんと説明出来ずすいませんでした
第四話も楽しんで貰える
よう、頑張ります!

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

⏰:09/03/12 08:30 📱:P906i 🆔:pF033Bmg


#613 [ちか]
`


 第四話 噂の女


 

⏰:09/03/12 17:52 📱:P906i 🆔:pF033Bmg


#614 [ちか]
あれから俺達はあの嵐のような2日間が嘘のように、平和な毎日を送っていた。

好きな人と共に過ごしていく平和な毎日。

しかし、それも長くは続かないことを俺は心の何処かで気づいていた。


それはじんわりと湿気のただよう6月のこと‥――

⏰:09/03/12 18:02 📱:P906i 🆔:pF033Bmg


#615 [ちか]
「日下‥‥‥―――」

「先生‥‥――」

見つめあう俺と英語の高橋先生。




雨の音が響く教室には俺達しか居ない。

⏰:09/03/12 18:08 📱:P906i 🆔:pF033Bmg


#616 [ちか]
「日下‥‥――頼む‥」

先生の潤んだ目と掠れた声がが俺に罪悪感をもたらす

でも‥――

「先生‥‥俺‥‥―――出来ません‥」

小さく呟く。
辛くて先生の顔が見れない。

⏰:09/03/12 20:09 📱:P906i 🆔:pF033Bmg


#617 [ちか]
「なんでた…っ?!
俺はずっとお前に…っ」

「わかってます!!……それは分かってます‥‥―――でも俺には‥‥。」


先生、俺、先生の気持ちはすっごく嬉しいよ。

でもこればっかりは‥―


「だったらなんで‥―っ」

⏰:09/03/12 20:18 📱:P906i 🆔:pF033Bmg


#618 [ちか]





「答えが一つも
  合ってないんだ…?」




⏰:09/03/12 22:05 📱:P906i 🆔:pF033Bmg


#619 [ちか]
「それはやっぱり、俺の頭が悪いからじゃないですかねえ…。」

シャーペンをくるくると回しながら俺は真剣に答えた。

「自分で言うなよ…。」

「いてっ!!」

高橋先生は呆れた顔でそう言うと、俺にデコピンを喰らわせた。

⏰:09/03/12 22:11 📱:P906i 🆔:pF033Bmg


#620 [ちか]
みなさん。

紛らわしい光景を見せしてしまい、ごめんなさい

今の状況を簡単に説明すると、俺は今マンツーマンで高橋先生の居残り補習を受けてます。



高橋先生はお疲れ気味です。

⏰:09/03/12 22:15 📱:P906i 🆔:pF033Bmg


#621 [ちか]
「ここまで俺の丁寧な説明を理解出来なかったヤツはお前が初めてだ。」

「おっ!それってすごくない?」

「ある意味な。」


センセー、
ソレッテドーユーイミ?

⏰:09/03/12 22:25 📱:P906i 🆔:pF033Bmg


#622 [ちか]
「お前このまんまだと、追試と補習で夏休み潰れるぞ?」

「えぇえぇッ?!?!」

先生のその言葉は、俺の眠りかけていた頭を一気に覚ました。

「嫌ならもっと真面目にやれ。」

「やってますよー。でも雨の日ってやる気なくなりません?」

え?俺だけだって?

⏰:09/03/12 22:33 📱:P906i 🆔:pF033Bmg


#623 [ちか]
「そう言う事言える期間はとっくに過ぎてんだよ…。」

苦笑いを浮かべる先生。

「あはは!てか先生って、何せんちー?」

「ん、確か…183だったかな。」

「でかっ!!」

羨ましいそうな眼差しを先生に向けると、先生は
「お前は小っこいもんな」
と悪戯な笑みを浮かべた

⏰:09/03/12 22:41 📱:P906i 🆔:pF033Bmg


#624 [ちか]
「って、そんな事考えてる暇あったら単語でも覚えろ。」

「えー。」

「"えー"じゃない。
雨だいぶ強くなってきたな…続き明日にするか。」

窓の外に目をやると、濃いグレーの雲から大粒の雨が降りしきっていた。

梅雨ってこれだから嫌なんだよな。

「明日もあるんだ…。」

「当たり前だ。
じゃ、これ明日までに解いてこい。以上。」

⏰:09/03/12 23:27 📱:P906i 🆔:pF033Bmg


#625 [ちか]
目の前に置かれた紙の束

「これ全部?先生、鬼?」

「先生は人だ。」

爽やかな笑顔で返すのやめてくれ。

俺はその紙の束をカバンに詰め込んで椅子から腰をあげた。

「じゃ、先生ばいばい!」

「おー。気ィつけて帰れよ」

⏰:09/03/12 23:31 📱:P906i 🆔:pF033Bmg


#626 [ちか]
そんな会話を交わして、俺は玄関へと降りていった。

「すっごい雨…。」

目の前に広がる真っ白な景色がその水滴の大量さを物語っている。

あ、今日は恭弥が先に帰ってて、俺には別の車を用意されてるんだ。

⏰:09/03/12 23:35 📱:P906i 🆔:pF033Bmg


#627 [ちか]
傘をさして校門まで歩いていく。

「あれ?」


校門に近づくにつれて、ぼんやりと浮かびあがってくる人影。


女の人‥‥―――?

⏰:09/03/12 23:43 📱:P906i 🆔:pF033Bmg


#628 [ちか]
くっきりとその姿が見える距離まで来た時、その人と目が合った。


腰まで伸びた栗色の髪

真っ白の肌に綺麗な柄の
着物を纏ったその人は、
とても

「きれー‥」

だった。

思わず口にしてしまうほどに。

⏰:09/03/12 23:48 📱:P906i 🆔:pF033Bmg


#629 [ちか]
って!!!

この人、傘さしてない?!


水も滴るいい女
と言う言葉があるが、
その人は長い間雨にうたれていたのか全身ずぶ濡れでそんな言葉を通り越していた。


「だ、大丈夫ですか?!」

俺は走ってその人に傘をかけた。

⏰:09/03/12 23:52 📱:P906i 🆔:pF033Bmg


#630 [ちか]
「あ…すいません‥私‥」

近づくとさらに綺麗だと言う事に気づいた。

「どうかしたんですか?!」

女の人の瞳は少し赤くなっていた。
泣いてたのか…?

「私‥‥人を探してて‥―――」

「人?って、ちょっと、え?!?!」

何かを言いかけて、その人は俺の胸に倒れこんだ

⏰:09/03/12 23:57 📱:P906i 🆔:pF033Bmg


#631 [ちか]
「ちょ、あのっ?!?!」

いきなりの事でパニックになる俺。
応答の無い冷たい身体。


その異様な冷たさに危機感を感じた俺は、とりあえず車に運ぼうと女の人を背中におぶって車へと足を早めた。

校門から少し離れた場所に停められた長い車。

そのすぐ傍には恭弥がよこした執事の人が傘をさして立っていた。

⏰:09/03/13 14:24 📱:P906i 🆔:wTLUQSGQ


#632 [ちか]
「冥様っ、傘はどうなされたんですか?!」

女の人をおぶるので精一杯だった俺は、傘もささないまま歩いてきたせいで全身びっしょりと濡れていたもんだから、執事の人が驚くのも無理はない。

俺は女の人が見えるように体を斜めに向けた。

「校門で倒れて‥‥」

状況を説明しようと口を開い時、女の人の顔を見え、執事の人の顔色が変わった。

⏰:09/03/13 14:37 📱:P906i 🆔:wTLUQSGQ


#633 [ちか]
「九谷様……!!?」

「え?」

この人の事知ってるの?

そう聞こうとした時、

「と、とにかく家へ急ぎましょう!!」

と執事の人は慌てたように言って、俺達を車に乗るよう促した。

⏰:09/03/13 14:41 📱:P906i 🆔:wTLUQSGQ


#634 [ちか]
家に着くと、既に大量の執事とメイドが玄関の前で立っていた。

「早く処置を…!!」

メイドの人達は女の人を抱き抱え、屋敷内へと入っていく。

「冥様もそのままでは風邪をひかれます!!」

そう言って危うく俺も抱き抱えられそうになったが、執事さんの手を振り払い走って自分の部屋に戻った。

⏰:09/03/13 14:47 📱:P906i 🆔:wTLUQSGQ


#635 [ちか]
「あっぶねえ…」

もうちょっとで恭弥だけじゃなく、執事さんにまでお姫様抱っこされるとこだった…。

この家の人はお姫様抱っこ以外の抱え方を知らないのか?

「っくしゅん!!」

雨に濡れたせいかくしゃみが。

このままじゃほんとに風邪引きかねないと思った俺は風呂に入って服を着替えた。

⏰:09/03/13 15:14 📱:P906i 🆔:wTLUQSGQ


#636 [ちか]
廊下からバタバタと人が慌ただしく走る音がする

そう言えばあの女の人、
大丈夫だったかな?

気になった俺はドアを開け廊下に出た。

「あの‥さっきの女の人どこに居ますか?」

通りかかったメイドさんに尋ねてみる。

⏰:09/03/13 15:20 📱:P906i 🆔:wTLUQSGQ


#637 [ちか]
「女の人?あぁ、九谷様の事ですね!お隣の部屋にいらっしゃいますよ。」

あの人、九谷って言うのかな‥?
て言うか案外近くに居たんだな。
そりゃ廊下が騒がしい訳だ。

「入ってもいいですか?」

「どうぞ。あ、でも静かにお願いしますね。」

メイドさんはにっこりとそう言って、廊下を歩いていった。

⏰:09/03/13 15:48 📱:P906i 🆔:wTLUQSGQ


#638 [ちか]
ドアノブをゆっくり回すと小さく音をたててドアが開いた。


目に入ってきたのはベッドに眠る色白の女の人。

改めて見ると、ほんとに綺麗な顔立ちをしているな。

そんな事を思いながら、
眠る彼女の脇で俺はちんまりと座りこんだ。

⏰:09/03/13 16:21 📱:P906i 🆔:wTLUQSGQ


#639 [ちか]
「…きょー‥くん…―」

ふいに女の人がぽつりと呟いた。

「きょーくん?‥教訓?」

寝言だろうか?
なんの夢を見てるんだろう?

俺は首を傾げたあと、彼女の顔を覗き込もうとした。


その時。

⏰:09/03/13 16:25 📱:P906i 🆔:wTLUQSGQ


#640 [ちか]
ぱっちりと大きな瞳が開いた。

「おわっ?!?!」

俺は突然の事に思わず変な声をあげ、退けそった。

上体を起こし、キョロキョロと部屋を見渡す女の人。

「あの〜…」

暫くそんな彼女を眺めたあと、恐る恐る声をかけてみた。

彼女の小さな顔がこちらへと向く。

⏰:09/03/13 16:30 📱:P906i 🆔:wTLUQSGQ


#641 [ちか]
「あなたは!」

大きな瞳をさらに大きくして女の人は言った。

「俺の事、分かります‥?」

そう尋ねると、にっこりと柔らかく微笑んで、
「もちろんです!」
と、声を大きくした。

「あなたが私をここに?」

辺りをキョロキョロと見ながら言うその人に、俺はコクリと顔を縦に振った。

⏰:09/03/13 16:34 📱:P906i 🆔:wTLUQSGQ


#642 [ちか]
「ありがとうございます。
道に迷っていたら雨が降ってきてしまって…止むのを待っていたら、いつの間にかこんな事に…」

恥ずかしげに頬を染める彼女。

そこら辺で雨宿りすればよかったのに。
この人天然?
なんて事を思いながらも、その美貌に目を奪われる。

「あ、そう言えば人を探してるって‥‥」

確かそう言ってたような

⏰:09/03/13 16:38 📱:P906i 🆔:wTLUQSGQ


#643 [ちか]
その人はほんわりと微笑んでいた目をぱっちりと見開いた。

「あっ、そうなんです!!
私、その…人を探してて道に迷ってしまって…」

仕草が女の子らしく、
その困った表情が可愛いく思えた。

「あの、俺で良かったら一緒に探しますよ?」

「いえ、そんなお世話になってばかりでは申し訳ないです…っ」

⏰:09/03/13 21:40 📱:P906i 🆔:wTLUQSGQ


#644 [ちか]
「全然ですよ、もしかしたら俺の知ってる人かも知れないし!
あ、俺、日下冥って言います。」

「私の方こそ申し遅れてすいませんっ!!
私は‥‥―――、」

そう言いかけた時、
ドアをノックする音が鳴った。

きっとこれは、

「冥?居るの?松山に聞いたらここだって‥――」

ほら、やっぱり恭弥だ


ガチャッと言う音とともに、恭弥が部屋に入ってきた。

⏰:09/03/13 21:50 📱:P906i 🆔:wTLUQSGQ


#645 [ちか]
「「‥‥‥‥‥‥‥。」」

ん?

俺を間に挟んで、言葉を無くす2人。

俺は交互に2人の顔をキョロキョロと見る。


恭弥の顔が青ざめていくように見えるのは気のせい?

しかし長く続いた沈黙を破る声は相当大きかった。

⏰:09/03/13 21:59 📱:P906i 🆔:wTLUQSGQ


#646 [ちか]
「恭くんっ!!!!!」


その瞬間、恭弥の顔から血の気が引いていくのが分かった。

正確には、抱き締められた瞬間、血の気が引いていった。


そう。
抱き締められて‥‥――

抱き締められて?!?!

⏰:09/03/13 22:08 📱:P906i 🆔:wTLUQSGQ


#647 [ちか]
いつの間にっ!!!!!

女の人はベッドを出て、
いつの間にか恭弥に抱きついていた。


硬直する恭弥。


硬直する俺。


さらにきつく抱きつく謎の女の人。

⏰:09/03/13 22:24 📱:P906i 🆔:wTLUQSGQ


#648 [ちか]
謎の修羅場。

ん?修羅場なのか?


もうなんなのか解らない


俺の思考は停止したも同然だ。


だって、こんなの…
優里ぶりで‥‥―――

⏰:09/03/13 22:33 📱:P906i 🆔:wTLUQSGQ


#649 [ちか]
「く、苦し‥‥っ」

絞り出すような声を出し、ますます青ざめていく恭弥。

「私の愛の証です!」

そう言ってさらにぎゅうぎゅうと締め付ける女の人。

え、愛?
LOVEって意味の?
あ、俺英語強くなった?

って、そう言う話じゃないっ!!

俺は目の前に浮かぶ光景に困惑し、一人ツッコミまでしてしまう始末。

⏰:09/03/13 22:41 📱:P906i 🆔:wTLUQSGQ


#650 [ちか]
「そんな愛は要らない!!
て言うか、なんでお前がここに?!」

もはや恭弥の顔は青を通り越して、白くなっていた。

「クスッ、相変わらず恭くんは照れ屋さんですね。
でも、婚約者が婚約者に会いに来るのに理由なんて要らないでしょう?」


そして俺の頭も今さっき
真っ白になった。


 

⏰:09/03/13 22:47 📱:P906i 🆔:wTLUQSGQ


#651 [ちか]
「こ…んやく…しゃ…?」

耳に入ってきた言葉を
おうむ返しのように
口にする。


だけど意味は一向に理解出来なかった。

いや、きっと理解することを頭が、身体が拒否したんだろう。

だってそんなの…

⏰:09/03/14 16:53 📱:P906i 🆔:tb7s0gDM


#652 [ちか]
俺の間抜けな声に女の人は俺の存在を思い出して、恭弥から体を離した。


「あ、お恥ずかしいところをお見せして申し訳ありませんっ!!」

そう言って顔を赤くして、頭をペコリと下げる。


しかし何を言われても
今の俺の頭は回転せず、
ただ恭弥とその人を交互に見るだけだった。

⏰:09/03/14 16:58 📱:P906i 🆔:tb7s0gDM


#653 [ちか]
頭をあげると同時に栗色の長い髪がふわりと宙を描いた。



「私、九谷神楽(クタニ カグラ)と申します。」



九谷 神楽 ‥―――

その聞き覚えのある名前が何度も何度も頭の中でエコーした。

⏰:09/03/14 17:03 📱:P906i 🆔:tb7s0gDM


#654 [ちか]
神楽‥‥―――


もしかして、この人が優里の言ってた『神楽姉』って人‥‥?


だけど気をつけろ

って何を?
どう言う意味?

婚約者だから、バレないしろって意味…?

⏰:09/03/14 17:40 📱:P906i 🆔:tb7s0gDM


#655 [ちか]
考えれば考えるほど、
思考は悪い方へと進んでいくばかり。


ついには涙まで浮かんできた。
胸がズキズキと痛い。


なんで?ねぇ、恭弥‥

青ざめたのは、婚約者って言う関係がバレてしまうと思ったから‥?
そうなの‥――?

⏰:09/03/14 17:50 📱:P906i 🆔:tb7s0gDM


#656 [ちか]
黙りこむ俺に、暫くして
女の人は口を開いた。


「あ、私はもうお気づきかも知れませんが、私は恭くんの、」

聞きたくない…
聞きたくない…っ
改めて言われたら俺…ッ

「婚約‥‥―――、」

そこまで口にしたところで、今まで生気が抜けたように黙っていた恭弥が突然声を張りあげた。



「婚約者になった覚えは微塵も無い!」

⏰:09/03/14 18:01 📱:P906i 🆔:tb7s0gDM


#657 [アリス]
続き楽しみ

⏰:09/03/15 22:35 📱:N702iD 🆔:klDjXBQY


#658 [ちか]
>>657
└→アリスさま*

ありがとうございます★
更新頑張りますねっ

⏰:09/03/16 15:17 📱:P906i 🆔:NYN2yzBA


#659 [ちか]
「え‥‥?」


何、どう言うこと?


「もう恭くんったら♪
照れなくてもいいんですよ?」


どっちなんだよ…
答えてよ…恭弥…――

⏰:09/03/16 15:40 📱:P906i 🆔:NYN2yzBA


#660 [ちか]
「端から照れてなんかない。神楽、誤解を招くようなことばっかり言ってると、いい加減怒るよ?」


いつになく刺々しい口調の恭弥。

黙りこんでしまった神楽さん。



てことは‥‥―――っ

⏰:09/03/16 15:42 📱:P906i 🆔:NYN2yzBA


#661 [ちか]
「冥、誤解しないで。
神楽は僕の幼馴染みだ。」


幼ななじみ‥‥?


「まぁ、簡単に言えばそうなりますが‥‥」

「簡単に言わなくてもそうだ。会うのは久しぶりだけど。」

どう言うこと?

⏰:09/03/16 15:56 📱:P906i 🆔:NYN2yzBA


#662 [ちか]
「だいたい、お前が来るなんて僕は一言も聞いてないよ。」

ため息混じりにそう言って恭弥は目線を神楽さんに落とした。


「‥‥‥‥‥‥‥‥私、
家を出てきたんです。」


俯いたまま、そう言った声はか細かった。

⏰:09/03/16 17:58 📱:P906i 🆔:NYN2yzBA


#663 [ちか]
「‥‥だと思った。今度はなんで?」

恭弥のなんでと言う問いに神楽さんの肩が急に震えだした。
泣いてるのか‥‥?

「だっ、だって…―――
お父様が‥‥っ!!!!」

声まで震えてる。

俺は小刻みに震える神楽さんを見ながら、酷く心配な気持ちになった。

「また始まった‥‥。」

「え?」

ぼそりと呟かれたその声同様、恭弥の顔は鬱陶しそうな表情で曇っていた

「お父様が…――っ!!!」

⏰:09/03/16 18:12 📱:P906i 🆔:NYN2yzBA


#664 [ちか]
勢いよく上げられた顔は
泣いているどころか、
怒り狂っているように見えた。

「私は恭くん以外の方と結婚する気など無いと何度も申していますのに!!!!」

「冥…出来るだけ守るけど、気を付けてね…。」

「え、何それどう言う…―ひっ?!?!」

何かが勢いよく俺の顔のすぐ隣をかすめた。

フォ、フォーク?!?!

これさっきメイドの人が運んできたご飯の‥‥?!
でもテーブルの上の皿に乗ってたはずじゃ‥‥
あれ、無い?!

⏰:09/03/16 18:26 📱:P906i 🆔:NYN2yzBA


#665 [ちか]
「懲りもせずに自分の部下を連れてきては婿にしろ婿にしろ、と‥‥―――っ!!!!」

神楽さんが喋る度に、部屋の中にあるものが潰れていく。

正しくは、神楽さんが喋ると同時に身の周りにある物を片っ端から掴んでは、素手で潰している……。

「私はそんな野蛮な輩は嫌だと申してますのに!!」

「ひゃ…っ!!!?」

飛んでくる物達。
恭弥が引っ張ってくれたおかげで今助かった。

⏰:09/03/16 18:32 📱:P906i 🆔:NYN2yzBA


#666 [ちか]
「あまりにしつこいので、家を出てきたんです!!!!」

荒々しく放たれたその言葉を最後に、飛んでくる物は終わった。

いや、もう投げれるほどの物が部屋に残っていなかっただけなのかも知れない。

もうこの部屋に原型をとどめている物はなかった。

⏰:09/03/16 18:41 📱:P906i 🆔:NYN2yzBA


#667 [ちか]
疲れたのか、神楽さんは言い終わったあとペタンとその場に座り込んだ。


「あー…また派手にやったね。」

苦笑いを浮かべる恭弥。

また、って‥‥
これよくある事なの…?!

「ご、ごめんなさい…。」

神楽さんからは、さっきの怒った表情がすっかり消えてもとのおっとりとした雰囲気に戻っていた。

⏰:09/03/16 19:43 📱:P906i 🆔:NYN2yzBA


#668 [ちか]
「あ、あのー‥」

ちんまりと座りしゅんとしている神楽さんと腕を組んで眉を寄せる恭弥。


俺の声はそんな2人の間を割るように小さく声を出した。


それに反応した2人から俺は一気に視線を浴びる

⏰:09/03/16 21:56 📱:P906i 🆔:NYN2yzBA


#669 [ちか]
>>668訂正
俺の声は…×
俺は…  ○
すいませんД`

⏰:09/03/16 22:07 📱:P906i 🆔:NYN2yzBA


#670 [ちか]
「あ、改めてちゃんと説明するね。
この人は九谷神楽。
僕の幼馴染みで神楽のお母さんは日本で5本の指に入る茶道家なんだ。」

「へえー‥」

それで喋り方とかも丁寧なのかな?
そう言えば着物姿きれかったなあ。
だいぶ濡れてたから今は着替えたのかワンピース姿だけど。

けど茶道してる人って、
こう…もっと大人しい感じのイメージが‥‥‥、

「それから、」

⏰:09/03/16 22:23 📱:P906i 🆔:NYN2yzBA


#671 [ちか]
「神楽のお父さんは、日本で5本の指に入るマフィアで、まぁ、簡単に言えばヤクザなんだけど。
神楽の破壊力はそう言う家業からの遺伝からなんだと思う。また神楽のお父さんは大柄な人でね‥‥。」

「えぇ?!?!」

「普段は気をつけてるつもりなんですけれど、頭に血が上ると力をコントロールしきれなくて‥‥‥。
驚かせてしまってすいません…。」


いやいや!!!!
そりゃその破壊力にも十分驚いたけどっ!!!

俺が今驚いてんのは、
神楽さんがヤクザの人だって事で!!!!

⏰:09/03/16 22:37 📱:P906i 🆔:NYN2yzBA


#672 [ちか]
言いたいことがありすぎて言葉に出来ず俺は口をパクパクさせた。

「神楽、たぶん冥はそっちに驚いてるんじゃなくて…」

「はい?」

「いや…なんでもない。
とりあえず僕達は部屋に戻るから。
神楽はメイドに他の部屋用意してもらうよう頼んどくからそれまでここに居て。(部屋から出て家中を壊されたら困るし、僕達もこれ以上被害受けたくないしね。)」

「はい…。お世話になってばかりですいません…。」

恭弥は神楽さんの返事を聞いてにっこり微笑むと、俺の手を掴んで、部屋を出た。

⏰:09/03/17 00:01 📱:P906i 🆔:7cJZ1/ng


#673 [ちか]
「ごめんね。ほんといろいろと…。」

ドアを閉めたあと、申し訳なさそうな顔で恭弥は言った。

「あ、いや、謝らなくていいって。別に恭弥が悪いワケじゃないし…。」

元を辿れば、連れてきたのは俺だし‥‥。

「ありがと…。それで、お願いがあるんだけど…」

「え、なに?」

恭弥が俺にお願いなんて、珍し…

「‥‥今日、冥の部屋で寝かせてくれない?」

⏰:09/03/17 00:29 📱:P906i 🆔:7cJZ1/ng


#674 [ちか]
「ふえっ?!?!///」

「ごめん、やっぱりダメだよね…。」

いや、別にいっつも急に入ってくるし!
たまに寝ていくし‥‥//
別にいいんだけど!

ただ改めて了承を得られるとなんか…照れる…//

「じゃあ、僕部屋戻るね。」

で、でも…――っ

⏰:09/03/17 01:00 📱:P906i 🆔:7cJZ1/ng


#675 [ちか]
「‥‥‥‥‥いっ、いいよ?入れ‥ば?//」

ただ傍に居たくて、
去ろうとする恭弥の服の裾を掴み、俯き加減でそう小さく呟いた。


あー。
俺ってマジで可愛げないよな…。

いや、16にもなって可愛げを求めるのもアレだけど!!!!///

って別にそう言う問題じゃなくて…〜っ!!

あーもうっ!!//
俺、何やってるんだろ…

⏰:09/03/17 01:08 📱:P906i 🆔:7cJZ1/ng


#676 [ちか]
俯く俺の頭に大きな手がそっと置かれた。

「ありがとう。」

見上げると、悩殺されそうになるくらい愛しい笑顔。


俺は赤らんでいく顔を気づかれないようにそらしながら、自分の部屋のドアノブを捻(ヒネ)った。

「入らないの‥?//」

そんな俺を見て恭弥はふふっと笑い、中に入った

⏰:09/03/17 14:17 📱:P906i 🆔:7cJZ1/ng


#677 [ちか]
ドアを閉める音がひっそりとした部屋に響いた。

「でも、なんで急に?」

そう言って少し前に立っている恭弥を見た。

「あぁ、神楽がね…。」

「神楽さん?」

「うん。昔から親と喧嘩してはウチに来てたんだけど…、夜になると寝ぼけてるのか僕の部屋に絶対入ってくるんだよ。ついでに僕の部屋を破壊するし…。安心して寝れなくてね…。」

そう言ってどこか遠くを見ながら苦笑いを浮かべる恭弥。


胸中お察しします‥‥。

⏰:09/03/17 14:33 📱:P906i 🆔:7cJZ1/ng


#678 [ちか]
「大変なんだな…。(いろいろと)」

「まぁね。」


「「‥‥‥‥‥‥‥。」」


沈黙の中に何か会話のネタは無いかと俺は必死に思考を巡らせた。

なんで緊張してんだよ、俺っ!!//
なんか無いか?!なんか‥

⏰:09/03/17 14:38 📱:P906i 🆔:7cJZ1/ng


#679 [ちか]
「あっ!」

俺は胸の前で思い出したように軽く手を叩くと、ソファーの上に無造作に置かれたカバンへと手を伸ばした。

恭弥に背を向け、ゴソゴソと鞄の中をあさる俺。

それを不思議そうに見つめる恭弥。

暫くして、探していた物を掴むと俺は振り返りそれを見せた。

「これ、教えて?」

恭弥に見せたのは、居残りの時先生から渡された太い紙の束。

⏰:09/03/17 14:51 📱:P906i 🆔:7cJZ1/ng


#680 [ちか]
「随分いっぱい渡されたんだね。」

恭弥は目を丸くして紙の束を見つめた。

「高橋先生鬼だから…。」

見るだけでやる気なくすよな、この量‥‥。

居残りのことを思い出すだけで気が滅入ってくる

そんな俺を見かねて恭弥は口を開いた。


「じゃ、やろっか。」

⏰:09/03/17 15:00 📱:P906i 🆔:7cJZ1/ng


#681 [ちか]
―――‥‥それから何時間経っただろうか。


「‥‥冥。」

「は、ハイ‥?」

「僕の説明聞いてた?」

「聞いてたつもり‥デス」

「‥‥‥‥。」


改めて言うのもなんだけど、俺ほんとに勉強に向いてないみたい…

⏰:09/03/17 18:01 📱:P906i 🆔:7cJZ1/ng


#682 [ちか]
四角い透明なテーブルに
隣同士で座る俺達。
この体勢でどれくらい居た事だろう。

恭弥にも呆れられるぐらい重症なのか、俺‥‥

俺はどうにかこの問題くらい解こうと頭をフル回転させた。
ついでにシャーペンも。

しかし、
「‥‥‥‥やっぱ無理‥」

俺には解けません…。

自分の不甲斐なさに涙が浮かんできた。

「冥さぁ‥‥、」

「へ?」

潤む目を右側に向けると
頬杖をつく恭弥がぼんやりと滲んで見えた。

⏰:09/03/17 18:15 📱:P906i 🆔:7cJZ1/ng


#683 [ちか]
「よくウチの高校に入れたね。」

真面目な顔で言われて
内心傷ついていたのは
言うまでもないだろう

だけど本人の顔を見る限り悪気は無いんだろう…

「受験生の頃は、毎日透に教えてもらってたから…。」

懐かしいなあ。

あの頃も透に呆れられたり、馬鹿にされたりしたっけ…

でもいっつも初めから教えてくれて、おかげでこの学校にも受かったんだよな。

それから半年しか経ってないのに、何故かすごく懐かしく感じた。

⏰:09/03/17 18:21 📱:P906i 🆔:7cJZ1/ng


#684 [ちか]
― 恭弥side.―


「あの頃は毎日透に教えてもらってたから…。」


教え疲れて多少ぼんやりしていた頭がその言葉でふと醒めた。


冥のその口から、
“透”と言う名前を聞くだけで、少しだけ腹立たしかった。

⏰:09/03/17 18:25 📱:P906i 🆔:7cJZ1/ng


#685 [ちか]
懐かしそうな瞳で何かを考えているところを見ると、考えている事なんてだいたい想像がついた。


その考えの中にやっぱり
“透”と言う存在が居ることも。


そう思うと急に胸が苦しくなった。
奥から湧いてくる小さな怒りと独占欲。

僕以外の奴の事なんて考えるな。
僕以外の奴をその瞳で見るな。
その手で触れるな。

そんな子供染みた気持ちが僕の胸を掻き鳴らした

⏰:09/03/17 18:31 📱:P906i 🆔:7cJZ1/ng


#686 [ちか]
>>684訂正

あの頃は×
受験生の頃は○
すいません

⏰:09/03/17 18:33 📱:P906i 🆔:7cJZ1/ng


#687 [ちか]
きっとこれが、
嫉妬ってヤツなんだろうな。

「恭弥?どうかした?」

「ん、いやなんでもないよ。」

まさか自分が誰かにこんな感情を抱く日が来るなんて思ってもなかったから、今の自分が少し微笑ましかった。

目の前には不思議そうな顔で僕を覗きこむ愛しい人。

そして、止めどなく溢れてくる欲望。

⏰:09/03/17 18:46 📱:P906i 🆔:7cJZ1/ng


#688 [ちか]
こんな感情が初めてなだけに、止め方も他へのやり方も僕には解らなかった。



‥‥‥‥今は、思いのまま動いてみようか。




僕なりに。

⏰:09/03/17 18:50 📱:P906i 🆔:7cJZ1/ng


#689 [ちか]
「ねえ、冥。」

プリントと睨み合う横顔を見つめながら愛しいその名前を呼ぶ。

「なに?」

声はそう言ってるけど、紙切れとの睨み合いは続き、一向に僕に目線を寄越そうとはしない。



しかし、そうされると余計にこっちを見させたくなるもの。

⏰:09/03/17 21:30 📱:P906i 🆔:7cJZ1/ng


#690 [ちか]
「僕、思うんだけど、」

「なに‥おわっ?!?!」

男にしては偉く細い肩を乱暴に引き寄せみた。

そのまま無理矢理こっちへ向かせて顎を軽く掴み、顔を寄せる。

「きょっ、きょおや?!///」

みるみるうちに赤くなっていく顔。
上擦る声。

すべてが愛しくてたまらない。

⏰:09/03/17 21:52 📱:P906i 🆔:7cJZ1/ng


#691 [ちか]
「冥はこう言う勉強より」

「んっ…ふ‥ぁ///」


冥の全てを僕のものに。


「こっちの勉強の方が向いてるんじゃない?」


僕だけのものに。

⏰:09/03/17 22:03 📱:P906i 🆔:7cJZ1/ng


#692 [ちか]
― 冥side.―

いきなり首筋に唇を落とされて、そのなんとも言えない感覚といきなりの事に頭がパニックになった。

「こっちの勉強の方が向いてるんじゃない?」

なに言ってんの‥?

「あ…っんふ‥ぁっ///」

唐突に重ねられた熱いものが俺の神経を奪っていく。

⏰:09/03/17 22:15 📱:P906i 🆔:7cJZ1/ng


#693 [ちか]
優しいけど、いつもよりどこか乱暴な口づけ。

「んンっ//ふ‥ぅ//」

そんな口づけにも感じてしまう俺はやっぱり淫らなのかも知れない…。

離された唇から糸が引いていて、それがどれだけ濃厚だったのか伺えた。

⏰:09/03/17 23:19 📱:P906i 🆔:7cJZ1/ng


#694 [ちか]
引き寄せられた拍子に、
俺は恭弥を押し倒し覆い被さるような体勢になった。

がっちりと服を掴まれているせいで、動こうにも動けない。

「下から見るのも悪くないね。」

そう言って怪しく微笑む恭弥。

「なっ何言ってんの!!//」

甘い声が耳を犯す。

⏰:09/03/17 23:28 📱:P906i 🆔:7cJZ1/ng


#695 [ちか]
「ちょ‥っまだプリント残って…るからっ///」

「頭で覚えるより身体で覚えた方が早いよきっと。」

「な‥に言って…あっ//」


もがけばもがくほど、
服ははだけていく。

徐々に露になる胸元に、
恭弥が喋る度に吐息がかかって声が出てしまう。

⏰:09/03/18 00:00 📱:P906i 🆔:.uF.NUH2


#696 [ちか]
「どうしたの?」

俺の反応を愉しむようにわざと近くに寄って話す恭弥。

「んッ…///しゃ‥べんない‥でっ!!!//」

「クスッ、なんで?」

なんでって‥‥―――

言うか言うまいか悩んでいると、シャツ越しから急に突起を甘噛みされた

「はぁッん…っ//やめ…っ//」

快感に背筋がゾクゾクして下が疼く。

⏰:09/03/18 00:09 📱:P906i 🆔:.uF.NUH2


#697 [ちか]
「やめてって言ってるわりには、さらに僕に被さってきてる気がするんだけど?」

その余裕の笑みが頭にくる。

そんなの…―っ
勝手に力抜けてくんだから仕方ないだろっ!!!?

俺だって‥‥―――っ

⏰:09/03/18 01:10 📱:P906i 🆔:.uF.NUH2


#698 [ちか]
下で微笑む恭弥を見て、俺は思い付いた。



俺だってヤられてばっかりじゃ納得がいかない。

ここはこの体勢を利用して、この余裕の笑みを消してやろう。

覚悟しろよなっ!!!


そう思って俺はニコッとした笑顔を恭弥に向けた

⏰:09/03/18 01:14 📱:P906i 🆔:.uF.NUH2


#699 [アルマゲドン]
>>1-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400
>>401-500
>>501-600
>>601-700
>>701-800
>>801-900
>>901-1000

⏰:09/03/18 05:06 📱:D904i 🆔:.IGkiuUE


#700 [ちか]
>>699
└→アルマゲドンさま*
アンカーありがとう
ございます★(^ω^)

⏰:09/03/18 12:21 📱:P906i 🆔:.uF.NUH2


#701 [ちか]
>>698
―恭弥side.―

さっきまで真っ赤にしていた顔が急ににっこりと微笑むもんだから、僕はどうしたのかと一瞬舌の動きを止めた。

何か企んでる‥‥?

「め‥いッ?!」

名前を呼ぼうとしたその時、突然舌を絡められた

慣れてないのが伝わってくるほどにぎこちないけど、僕にとってはそれすらも愛しかった。

⏰:09/03/18 14:00 📱:P906i 🆔:.uF.NUH2


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