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#501 [ゆうと]
「彩乃…」

「…だから、あたしは赤が好きだっていう話なんだけど…ごめんね…長くなった上に暗くなっちゃったね…」


俺は彩乃を抱きしめた。
「話してくれてありがとう」

そう言うと、彩乃は俺の腕の中で泣いていた…

⏰:09/11/08 03:23 📱:F902iS 🆔:wLpez8uE


#502 [ゆうと]
>>1-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400
>>401-500
>>501-600
>>601-700
>>701-800
>>801-900
>>901-1000

⏰:09/11/08 03:24 📱:F902iS 🆔:wLpez8uE


#503 [ゆうと]
そんな話を聞いて、なおさら俺は彩乃を守りたいと思うようになった。


翌日…
彩乃はいつも通り笑っていた。
昨日聞いた昔話はきっと、誰にも話せないような辛い思い出だったんだろうなって思う…
また1つふっきれたのかな?
だったら俺がなんでも聞いてやるから!

⏰:09/11/08 20:58 📱:F902iS 🆔:wLpez8uE


#504 [ゆうと]
─6月─

何があったっけ?
記憶はないけど、喧嘩が多かった気がする。
6月の記憶として、唯一覚えてるのが俺の部屋での大喧嘩…

彩乃の態度が気に入らなかった俺は、

「ふざけんな!」

って言って肩をドンと押した。

⏰:09/11/08 21:07 📱:F902iS 🆔:wLpez8uE


#505 [ゆうと]
彩乃は本気でブチギレて、バチコーンとビンタくらわしやがった…

めちゃくちゃ痛くて俺は大激怒してんのに彩乃はケータイをいじりだした。

「お前、この状況でケータイなんかいじってんじゃねーよ!」

「あんたが勝手に1人でキレてるだけジャン」

彩乃は「…ジャン」のトコを強調しやがった…
以前の「…ケド」を強調したように…

⏰:09/11/08 21:14 📱:F902iS 🆔:wLpez8uE


#506 [ゆうと]
嫌みたっぷりな表情の彩乃に、更に苛立ちが増してきた。
んで怒りはケータイに…

「いいからケータイ置けや!話になんねーだろ」

「ケータイケータイうるせーな!」

「どーせまたしょうもない用なんだろ?」

⏰:09/11/08 21:18 📱:F902iS 🆔:wLpez8uE


#507 [ゆうと]
「はぁ?勝手にそう思っとけば?(笑)」

そして、またケータイの画面に視線を戻す。

とりあえずガキだった俺は、用事が終わるまで待っとけばよかったのにケータイを取り上げようとした。

「…ってか、ケータイばっか触ってんじゃねーよ」

「待つってこと知らねーのかよ、アホ」
彩乃はいつから毒舌になったのだろう…

⏰:09/11/08 21:22 📱:F902iS 🆔:wLpez8uE


#508 [ゆうと]
取り上げようとする俺の手を取っ払った彩乃…


何を思ったのか、

「あ〜もう、ウザい!そんなにケータイが邪魔ならこんなもんいらんわ!」

バキッ…

俺は目がピヨッてなった…
仰天…

⏰:09/11/08 21:33 📱:F902iS 🆔:wLpez8uE


#509 [ゆうと]
彩乃愛用…
auの白いケータイは、真っ二つに折れた…
中の接続部分だけが虚しく繋がっている状態…


ちょっ…
そんなこと求めてない…

「何してんだよ!俺はそんなこと%#&*¢$」

「何言ってんのか分かんない!ってかこれで気ぃ済んだでしょ?」

⏰:09/11/08 21:45 📱:F902iS 🆔:wLpez8uE


#510 [ゆうと]
「そんなん求めてねーよ!ってか、どーすんだよ、ケータイぶっ壊して…何考えてんだよ!」

「ケータイなくても死なないよ。いちいちあんたは大袈裟なんだっつーの…」

「知らねーよ、俺」

「別にあんたに世話してもらおうなんて思ってないし…ほっといて」

「…このやろ」

⏰:09/11/08 21:50 📱:F902iS 🆔:wLpez8uE


#511 [ゆうと]
しばらくは取っ組み合いでバトルしてた。

隣人(ユウキ・アキヒロ)が仲裁に入ってきた。
隣までドタバタ聞こえてたらしい…

頭に来た俺は彩乃を追い払った。
彩乃はあんたの部屋とか2度と来ねーよ!とか言いながら帰っていった。

とにかくイライラがハンパなかった。

⏰:09/11/08 21:56 📱:F902iS 🆔:wLpez8uE


#512 [ゆうと]
翌日…

彩乃と俺は、仲良くK市のauショップにケータイを見に行った。

「この前白だったから今回は黒とかがいいかな♪」

「んー…俺が黒だからかぶらない?」

「ああ、そっか…どぉしよっかなぁ♪…あ、紫とか斬新♪紫とかよくない?」

「紫か…いいんじゃない?」

⏰:09/11/08 22:00 📱:F902iS 🆔:wLpez8uE


#513 [ゆうと]
「じゃあ紫で…手続きしないとね♪」


…こんな感じで喧嘩はおさまってた。
俺と彩乃のいいところ…喧嘩をいつまでもズリズリ引きずらないこと…


帰りは仲良く外食して寮に帰った。

こんな感じで6月は過ぎていった。

⏰:09/11/08 22:05 📱:F902iS 🆔:wLpez8uE


#514 [ゆうと]
─7月─

俺の誕生日が来た…
ミクさんは就活で地元に帰っていたため、男女バスの1年生で会を開いてくれた。

夜は、彩乃からプレゼントの香水をもらった。
その香水がなくなっても、しばらくはずっと同じものを買って、愛用していた。

誕生日を迎え、彩乃22歳、俺19歳…

⏰:09/11/08 22:10 📱:F902iS 🆔:wLpez8uE


#515 [ゆうと]
7月半ば…

大学のテストの時期だ…
講義中はちゃんとノート取ったし、ほとんどサボらなかったからなんとかなると思ってたけど…


最大の山場がやっぱり数学だった…
公式なんて覚えてない&計算の仕組み分かんない&xだのyだのうざい&講義内容は右から左へ受け渡すかのように耳をすっぽ抜けてたから聞いてなかった…最悪だ…

⏰:09/11/08 22:18 📱:F902iS 🆔:wLpez8uE


#516 [ゆうと]
数学のテスト前日になって追い込みを開始した。

それでも間に合うはずもないし、数学というものを一切理解してない俺は、とにかくあたふたしていた。

問題を解けることなくイライラしていると、彩乃が部屋へとやってきた。

「進んでますかぁ?(笑)アイス買ってきたから部屋おいでよ」

⏰:09/11/08 22:27 📱:F902iS 🆔:wLpez8uE


#517 [ゆうと]
んで彩乃の部屋でアイス食いながら勉強再開!

彩乃が部屋の片付けやらなんやらしてる中、俺は1人、数学とバトルしていた。
しかし、何も進まない。

公式を覚えてれば簡単に解けますよ〜♪

先生の言葉はまったくの嘘だ!
見ろ!公式と照らし合わせても何も解けないじゃねーか!

⏰:09/11/08 23:03 📱:F902iS 🆔:wLpez8uE


#518 [ゆうと]
「苦戦してるみたいね(笑)」

彩乃が隣に座った。
「数学かぁ。あたしらこんな問題やってたっけ?(笑)」

「…まったく分かんない」

俺はカッコ悪いセリフをボソリとつぶやいた。

「大丈夫!ほら、シャーペン持って♪」

⏰:09/11/08 23:07 📱:F902iS 🆔:wLpez8uE


#519 [ゆうと]
「とりあえず、公式さえ覚えとけばなんとかなるもんだよ♪」

「それ先生にも言われたけど、まったく意味が分かんない」

「やってみないと分かんないでしょうが(笑)この問1はこの公式を活用すればいいんだから…」


彩乃講座が開かれた。

⏰:09/11/08 23:11 📱:F902iS 🆔:wLpez8uE


#520 [ゆうと]
「…(あれ?なんか分かるかも♪)」

1時間もしないうちに、なんとなくだけど理解できてきた。

「ほら!やればできるんじゃん♪じゃあ、ステップあげるよ。次のページ開いて」


彩乃の説明は分かりやすかった。
イヤイヤやってた数学だったけど、いつの間にかのめり込んでいた。

⏰:09/11/08 23:15 📱:F902iS 🆔:wLpez8uE


#521 [ゆうと]
さっきまで夕方の6時過ぎだったのに、もう10時だ…
4時間も数学をやっていたなんて…
生まれて初めてだ…
しかも分かってきたし…ヤホイ♪


「ね、簡単でしょ?」

「簡単っつーか、分かってきたかも♪」

「いいぞ♪頑張れ頑張れ!」

⏰:09/11/08 23:19 📱:F902iS 🆔:wLpez8uE


#522 [ゆうと]
深夜0時過ぎ…

さすがに疲れてきた…
しかも眠い…

「疲れてきたね。もう寝る?」

「…もうちょっとやる」

「偉いぞ♪ね、ちょっと息抜きで散歩行かない?」

「散歩?」

「うん。ちょっとは気持ち的に違うかなぁって思って」

⏰:09/11/08 23:23 📱:F902iS 🆔:wLpez8uE


#523 [ゆうと]
そういうワケで、30分くらい寮周辺を歩いて、勉強を再開した。


「よし!やってやる」

深夜2時…
彩乃がうつらうつらし始めた。

「寝てていいよ。きついだろ?」

「…大丈夫!顔洗ってくる」
そう言って顔をペチペチと叩いた。
(>_<)←こんな顔で。

⏰:09/11/08 23:27 📱:F902iS 🆔:wLpez8uE


#524 [ゆうと]
明け方4時過ぎ…

俺は追い込みを続けていた。
必死にやってたから気付かなかったけど、肘を付いたまま彩乃は寝ていた。

俺は彩乃をお姫様抱っこして布団に寝かせた。

感謝の気持ちでいっぱいだった。
眠かっただろうに、こんな時間まで付き合ってくれてありがとう。

⏰:09/11/08 23:30 📱:F902iS 🆔:wLpez8uE


#525 [ゆうと]
明け方6時…

俺も限界がきて、うつらうつらレベルどころじゃない眠さが襲ってきた。
8時過ぎには寮を出ないといけない…


約2時間の仮眠をとり、彩乃にお礼の手紙を書き残して寮を出た。

テストは9時から行われる。

⏰:09/11/09 00:43 📱:F902iS 🆔:C5x3N09w


#526 [ゆうと]
眠さと緊張がマッチして、最悪のコンディションでテストに臨むことになった…

寝不足の俺に向かって、
ユウキは、
「ひでぇ顔(笑)」
アキヒロは、
「ブッサ(笑)」
リョータは、
「変な顔(笑)」
ヒロユキは、
「無理だけはすんなよ」
の言葉をくれた。

愛してるぜヒロユキ♪

⏰:09/11/09 00:48 📱:F902iS 🆔:C5x3N09w


#527 [ゆうと]
テスト用紙が配られた…
この数学で、俺の運命は決まると言っても過言ではない。
他の教科はそれなりに自信がある。
だから数学だけは…
彩乃の気持ちにも答えたい!
単位落とした成績表を親には見せたくない…
腹減った…

いろんな思いを胸に抱いて、シャーペンを握った。

⏰:09/11/09 00:54 📱:F902iS 🆔:C5x3N09w


#528 [ゆうと]
とにかく公式にあてはめればいいんだ…
難しく考える必要はないんだから…


とにかく書いて書いて書きまくった。
ギリギリまで粘った。

結果が出るのに数日かかる。
数学が終わったと同時にテストすべてが終了した。
あとか結果を待つしかない。

⏰:09/11/09 01:34 📱:F902iS 🆔:C5x3N09w


#529 [ゆうと]
寮に戻り、彩乃に報告した。

「どうだった?」

「とりあえず書くところは全部書いたよ。昨日やった公式にあてはめるヤツは自信がある♪」

「ホントに?よかった♪よく頑張ったね」

「昨日はマジ助かったよ。ありがとな」

⏰:09/11/09 01:37 📱:F902iS 🆔:C5x3N09w


#530 [ゆうと]
「いえいえ♪ちゃんと書けたならよかった!教えたかいがあったわ♪」


7月末…
帰省期間が設けられた。俺も彩乃も、それぞれの地元に帰ることになった。
帰省が終わってからは、彩乃と大量の花火を買って、近くの川辺で2人で花火をした。
ある時はミクさん・ユウキと俺と彩乃の4人、ある時は男女バス1年で…

⏰:09/11/09 01:44 📱:F902iS 🆔:C5x3N09w


#531 [ゆうと]
夏の思い出がたくさん残った。
このまま時間が止まればいいのに…
そう思えるほど、本当に今この瞬間が幸せだったんだ…





そうして、夏は終わりを迎えた。

⏰:09/11/09 01:47 📱:F902iS 🆔:C5x3N09w


#532 [ゆうと]
─9月─

彩乃に異変が起き始めた。

「彩乃、コンビニ行こうよ」

「…めんどくさい」
いつもなら、子供みたいに笑ってついて来るのに…

「休日何する?どっか行こうか?」

「…ダルい」
いつもなら彩乃の方があれこれ計画立てて遊びに行ったりするのに…

⏰:09/11/09 01:51 📱:F902iS 🆔:C5x3N09w


#533 [ゆうと]
大学バスケは、9月になるとほとんどのチームの4年生は引退する。
K大の女子も、いいところまでいったけど負けた。
だから彩乃達4年生は引退して、就活したり、やりたいことをやっていいってなってた。


別にたるんでたワケじゃない…
彩乃は引退してから、日に日に態度がおかしくなっていた。

⏰:09/11/09 01:57 📱:F902iS 🆔:C5x3N09w


#534 [ゆうと]
いつもなら取っ組み合いの喧嘩になるようなことがあっても、軽く流されたり…

前みたいに笑わなくなった彩乃に対して、別に不満はなかった。
たぶん、試合で負けて引退したっていうことで、彩乃の中で何か変化があったんだろうって…
引退したことに気持ちの整理をつける時期なんだろうって…

そう考えてたんだ…
また俺が元気づけてやろうって考えてた…

⏰:09/11/09 02:02 📱:F902iS 🆔:C5x3N09w


#535 [ゆうと]
でも、さすがに限界がきた。

何言っても聞いてんのか聞いてないのか分かんない態度…

「あのさ、言いたいことあるなら言えば?」

彩乃は振り向かない。

「俺が何かしたんなら、謝るし…」

振り向かない…

「引退して気持ちの整理つかないのは分かるけど…」

⏰:09/11/09 02:06 📱:F902iS 🆔:C5x3N09w


#536 [ゆうと]
俺のその一言に、彩乃はキッとこちらを睨みつけた。

「引退したから何?引退とか関係ないよ?」

「じゃあ、なんでそんな態度なの?ワケ教えてよ」

「…知らない」
そう言うと、また顔をそらした。
俺が元気づけないといけないのに…
でも、俺もさすがにカチンときた…

⏰:09/11/09 02:11 📱:F902iS 🆔:C5x3N09w


#537 [ゆうと]
「知らないじゃねーよ。なんかあるから、そんな態度なんだろ?言いたいことあるなら言えよ。前はもっと言ってくれてただろ?」


その言葉を聞いた彩乃は、表情を変えることなく、またこっちを向いた。

「あたし…あんたにいろんなこと言い過ぎたね…ってか、甘え過ぎてたね(笑)」

⏰:09/11/09 02:14 📱:F902iS 🆔:C5x3N09w


#538 [ゆうと]
「はぁ?」

「なんか、自分が情けないわ…なんかよく分かんないけど…そんだけ」

「何それ…」

「んー?自分でもよく分かんないや(笑)なんかめんどくさい(笑)」

「めんどくさいって何だよ…」

「しつこいなぁ…いいでしょ別に」

⏰:09/11/09 02:18 📱:F902iS 🆔:C5x3N09w


#539 [ゆうと]
「こっちは気分わりぃよ…一方的にそんなん言われて。理由言えよ」

「あーもう…ウザいウザいウザいウザいウザいウザいウザい!」

「いい加減にしろ!」

「何キレてんの(笑)ウザいから部屋帰ってよ(笑)」

「…………」

⏰:09/11/09 02:22 📱:F902iS 🆔:C5x3N09w


#540 [ゆうと]
「あ、大学のレポート書かないといけないんだった」

彩乃はテーブルに資料とレポート用紙を広げた。
俺に背を向け、作業し始めた。
そのまま振り向かずに、
「まだ立ってたの?あたしレポート書かなきゃなんないの!なんなら、あんたが書いてくれる?そしたらその間、あたしいろいろできるし(笑)」

⏰:09/11/09 02:25 📱:F902iS 🆔:C5x3N09w


#541 [ゆうと]
これ以上ここにいても、火に油を注ぐだけだ…

俺は背を向けて、部屋へと戻った。
ユウキやミクさんに話を聞いてもらうべきだろうか…
でも、ヘタに行動しても彩乃の立場が悪くなる…

イライラと不安が治まらず、その日の夜は一睡もできなかった。

⏰:09/11/09 02:28 📱:F902iS 🆔:C5x3N09w


#542 [ゆうと]
しばらくはお互いの部屋に出入りすることもなくなったし、いつものユウキやミクさん達4人で行動することもなくなっていった…

ミクさんは異変に気付いた。
そして、俺はミクさんの部屋に呼ばれた。

「ねぇ、最近変わったことなかった?」

「……………」

「アヤとなんかあったでしょ?」

⏰:09/11/09 02:33 📱:F902iS 🆔:C5x3N09w


#543 [ゆうと]
「俺自身もよく分かりません…」

「…ってことは、何かあったのね…」

「…たぶん」

「ユウトどうした?最近元気ないし、痩せたみたいだし…」

「最近あんまり食わないんすよ(笑)」

「ちゃんと食べなきゃ…」

⏰:09/11/09 02:37 📱:F902iS 🆔:C5x3N09w


#544 [ゆうと]
「…食えないって言った方が正しいかも。食欲なくて…」

「男子試合も近いんだから、食べないと力出ないよ…待ってて」

ミクさんは立ち上がるとキッチンへと入っていった。

ミクさんの部屋はお香の匂いがする…
ユウキと一緒のやつかな…?

ミクさんは戻ってきた。

⏰:09/11/09 02:40 📱:F902iS 🆔:C5x3N09w


#545 [ゆうと]
「あまりモノだけど…あっためたから食べて」

肉じゃがだった。
箸を渡され、少しだけ食べた。
懐かしい味がした…
泣いちゃダメなのに…




「ユウト?」
「…すみません」

「この肉じゃがね。あたしが1年の頃、アヤに教えてもらったレシピで作ったんだ」

⏰:09/11/09 02:44 📱:F902iS 🆔:C5x3N09w


#546 [ゆうと]
やっぱりな…


「美味しい?」
「…旨いです」


彩乃が初めて作ってくれた料理が肉じゃがだったんだ…
この肉じゃがも彩乃の味…



頭をポンポンされた。
俺は泣きながら肉じゃがを全部食った。

⏰:09/11/09 02:47 📱:F902iS 🆔:C5x3N09w


#547 [ゆうと]
「あたしがアヤと話しよっか?」

「いや…俺が話します。もうちょいしたら話してくれると思うから…」

「そう…でも、なんかあったらあたしに言ってよ?あたしも気になる」

「ありがとうございます」

俺は立ち上がり、部屋を出ようとする。

「ユウト!」
「?」
「頑張って」

⏰:09/11/09 02:51 📱:F902iS 🆔:C5x3N09w


#548 [ゆうと]
頑張って…の一言でかなり元気づけられた!
ミクさん、泣いちゃってスミマセン…



とりあえず2・3日様子を見たけど、なんの変化もない…
もう冷めちゃったのかな?
部屋行ってみようかな…

ユウキに話してみようか…
いや、ダメだ…

俺は意を決して彩乃に話を切り出した。

⏰:09/11/09 23:28 📱:F902iS 🆔:C5x3N09w


#549 [ゆうと]
「あ、なんか久しぶりだね(笑)あんたに会うの…」

この前の適当オーラを感じさせない対応だった。しかも笑顔だし…

「うん。今何してた?」

「今からお皿片付けたり洗濯したりしないとなぁ〜って思ってた」

「そっか…今からやる?」

「いや。めんどくさいから後でやるよ。…で、どうしたん?」

⏰:09/11/09 23:32 📱:F902iS 🆔:C5x3N09w


#550 [ゆうと]
「あのさ、まぁ…なんつーか…ここ最近、彩乃の態度がさ…おかしかったじゃん?もう冷めたんかなー?とか思ってさ」

「単刀直入だね(笑)そうかもね」

え?
何笑ってんの?


「…マジで言ってんの?」

「う〜ん…自分でもよく分かんないんだけどさ。たぶんそうなんじゃないかなぁって思う」

⏰:09/11/10 00:32 📱:F902iS 🆔:C5xoJQM6


#551 [ゆうと]
俺は呆然とした…

「なんでケロッとして言えるんだよ、そんなこと」

「だから分かんないんだって(笑)」


彩乃は笑っていた。
引きつり笑いとかじゃなく、自然な笑顔だった。

「じゃあ、お前はどうしたいの?」

「え〜?とりあえず、この状況がめんどくさいから別れようよ」

⏰:09/11/10 00:37 📱:F902iS 🆔:C5xoJQM6


#552 [ゆうと]
しばらくは口論になったりした…
それからどれくらい経ってからかな?


彩乃は言った。
絶対に言われたくなかったこと…
ってか、まったく予想してなかったこと…
ってか、予想できなかったこと…

「あたし、マコと別れられて幸せだよ♪悲劇のヒロインになれたおかげでマコと切れられたワケだし(笑)そこであんたを使っちゃったこと悪いと思ってるんだけどさ(笑)」

⏰:09/11/10 00:46 📱:F902iS 🆔:C5xoJQM6


#553 [ゆうと]
ワケが分からなかった…
だから頭ん中ゴチャゴチャで、喋れなかった。

「マコがあたしを車で連れ去ろうとしたことあったでしょ?あの時はね、事前に電話でわざと挑発的な言葉言いまくったんだ。そしたら案の定、怒りまくって寮まで来たってワケ♪」

「じゃあ、マコさんは…」
「あんたが前言った通り…温和な人だよ(笑)」

⏰:09/11/10 00:54 📱:F902iS 🆔:C5xoJQM6


#554 [ゆうと]
「でも、車で連れ去られそうになったことは前もあったんだろ?」

「1回だけね(笑)あたしの浮気がバレてさ♪」

青ざめた…


「でもまぁ、よく4年間も続いたわ、マコと♪あ、地質3年間か(笑)」

「…………」

「何黙ってんの(笑)あたし前言ったよね?」

⏰:09/11/10 00:59 📱:F902iS 🆔:C5xoJQM6


#555 [ゆうと]
何を………


「マコと別れる時の電話で『あたしはこういう女だよ?』って(笑)それ聞いてたでしょ?あ・れ・は!あんたに対する最初の警告でもあったんだよ!気付かなかったの?ダメだよー(笑)女の涙に騙されちゃ(笑)」

「ふざけんな!それまで俺とは普通に仲良くしてたじゃねーか!」

「タイプだったから(笑)」

「はぁ?」

⏰:09/11/10 01:04 📱:F902iS 🆔:C5xoJQM6


#556 [ゆうと]
「タイプだったからさ♪年下てか初めてだったし、なんとなく(笑)」

意味分かんねー…


「あ、あとマコから鬼のようにメール来た時あったじゃん?あれもね、事前に『明日絶対メールするから待ってて』的なこと言ってたのよん♪だから、あんたの言う『温和なマコさん』が温和じゃなくなったワケ(笑)」


「お前…最悪だな」

⏰:09/11/10 01:10 📱:F902iS 🆔:C5xoJQM6


#557 [ゆうと]
「でも、その最悪な女とデートできて、大人のセックス味わえたでしょ?言わなかったけど、セックスの時あたし中じゃイかないんだ(笑)だから…演技しちゃってたみたいな♪外ならイったけどね。ウマいねあんた(笑)」

「俺、体目的でお前と付き合ったんじゃねーけど…」

「あたしもだよ(笑)」

「じゃあなんで…」

「マコと別れたかったから!あんたと付き合ったのはそのお礼(笑)なんなら、またセックスする?」

⏰:09/11/10 01:16 📱:F902iS 🆔:C5xoJQM6


#558 [ゆうと]
「…んなもん、いらねーよ」

「へー。そういう話したら男ってみんな飛びついてくるのに…あんた偉いわ!」

「あっそ…」

「うん♪偉い…ってかあんたさ、あたしと付き合う時、同情入ってたんでしょ?」

「…入ってねーよ」

「でも、アザがなかったら付き合ってくれなかったでしょ?」

⏰:09/11/10 01:20 📱:F902iS 🆔:C5xoJQM6


#559 [ゆうと]
何も言えなかった…


「ほらね…あたしには同情って分かってたから…もし本当に付き合ってたとしても、あたしこんな女だからすぐ…フラれてたよね…なんか…ごめんね…傷つけちゃって…」


彩乃はうつむいた…
泣いてるのか?

「彩乃…」
俺は彩乃のそばに行った。

⏰:09/11/10 01:24 📱:F902iS 🆔:C5xoJQM6


#560 [ゆうと]
バッと顔をあげた…

「ほら、また騙された♪アハハ(笑)今警告したばかりなのに(笑)ウケる」

「てめぇ…」

「騙される方が悪いんじゃん♪だから辛い思いしたワケでしょ?自業自得♪でもまぁ、いい勉強になったでしょ?世の中にはこういう女もいるってこと…」

⏰:09/11/10 01:28 📱:F902iS 🆔:C5xoJQM6


#561 [ゆうと]
「じゃあ聞くけど、お前の親父の話は?あれも同情求めてたんじゃないのか?」

「親父?いたね、そんなヤツ(笑)」

「答えろよ!」

「んー?最初話した方は実話…最後の方はちょっと美化させて話作ったって感じ(笑)」

「最後の方は美化?」

「うん♪交通事故じゃなくて借金抱えて自殺したんだ。あらあらって感じじゃない?」

⏰:09/11/10 01:32 📱:F902iS 🆔:C5xoJQM6


#562 [ゆうと]
絶句した…
こいつ腐ってる…


「もう気ぃ済んだ?あ、忘れてた…マコがね、あれから電話してきてさ。2ヶ月くらい前かな?マコのアドレスも番号も消してたから、誰か分かんなくて電話出ちゃったのよ(笑)マコあんたに会いたいってさ」

「なんで?」

「知らない♪とにかく会ってみれば?」

⏰:09/11/10 01:37 📱:F902iS 🆔:C5xoJQM6


#563 [ゆうと]
恋愛なんて儚いものなんだな…
こんなに簡単に崩れていくものだなんて知らなかったよ…
涙さえも出てこなかった…


俺から別れを切り出した。
俺から別れようと言ったのに、この気持ちはなんだ…
初めて経験した裏切り行為は、一生忘れないと思った。
笑って『あんなこともあったね♪』なんて話せる日がくるのだろうか…

⏰:09/11/10 01:42 📱:F902iS 🆔:C5xoJQM6


#564 [ゆうと]
翌日、『マコちゃん』と会う約束をした。

彩乃と別れたことは、まだ誰にも話してない。
ミクさんは、彩乃の本性を知ってるのだろうか…知らないだろうな…
じゃないと、あんなにかばうハズがない…



俺は大学の講義も上の空…練習も集中できるはずがなく、足首をグキッと捻挫する始末…

⏰:09/11/10 01:47 📱:F902iS 🆔:C5xoJQM6


#565 [ゆうと]
あいつに対しての未練とかじゃない…

でも、自分に対しての苛立ちとか、悔しさが残ったような変な気持ちが渦巻いてる感じで…
気分が悪い…




練習が終わり、K市内のカフェで待つ『マコちゃん』に会いに行った。

⏰:09/11/10 01:51 📱:F902iS 🆔:C5xoJQM6


#566 [ゆうと]
よく考えてみると、『マコちゃん』にとって、俺は彩乃を『マコちゃん』から奪った男だ…


久しぶりの『マコちゃん』を目の前にして、申し訳ない気持ちと緊張でガチガチだった。

「こんばんは。ユウトだよな?座ってよ」

『マコちゃん』は優しく笑って、席に座るように言ってくれた。

「…失礼します」

⏰:09/11/10 01:56 📱:F902iS 🆔:C5xoJQM6


#567 [ゆうと]
「足引きずってるみたいだけど、怪我したの?」

「…あ、はい…今日の練習で…」

「そんなにかしこまらなくていいよ(笑)」

「…そうっすか?」

「うん♪ってか、ごめんな。忙しいだろうに呼び出したりして…」

「いや、はい。あの…2ヶ月前くらいに電話があったって彩乃が…彩乃さんが言うもんだから…」

⏰:09/11/10 02:01 📱:F902iS 🆔:C5xoJQM6


#568 [ゆうと]
「やっぱ忘れてたんだな(笑)なんで連絡こないのかなー?とは思ってたけど…」

「…あはは」

「殴ったりして悪かったな…」

「え?」

「前、俺がバスケ部の寮に行った時さ」

「…ああ。そんなこともありましたね(笑)」

⏰:09/11/10 02:05 📱:F902iS 🆔:C5xoJQM6


#569 [ゆうと]
「日を改めて謝らなきゃ!って思ってたのに遅くなっちまった」

「いやいや、そんな…ってか、俺の方こそすみませんでした。なんか、めちゃめちゃ生意気で…」

「誰が見たって、あれはユウトが正しいよ。止めてくれなきゃ…」

「正しくなかったっす!俺…」

「え?」

⏰:09/11/10 02:09 📱:F902iS 🆔:C5xoJQM6


#570 [ゆうと]
『マコちゃん』はキョトンとしている。

「あんなことされたら、誰だって面と向かって話したくなる!そうでしょ?」

「急にどうした?(笑)」

「俺…彩乃に全部聞きました。マコさんとの今までのこと…その連れ込もうとした時だって、先に彩乃にいろいろされてたんでしょ?そりゃ、誰だって面と向かって話しないと落ち着かないもんでしょ」

⏰:09/11/10 02:14 📱:F902iS 🆔:C5xoJQM6


#571 [ゆうと]
「何を聞いたのか知らないけど、あれは俺が大人げなかったって思う…先に何を言われようが、行動を起こした時点で間違ってた」

そんな『マコちゃん』の話を聞いて、俺はすべてを話すことを決めた。

「実は…」

俺と付き合ってたこと、昨日言われたショッキングな話…
全部打ち明けた…

⏰:09/11/10 02:18 📱:F902iS 🆔:C5xoJQM6


#572 [ゆうと]
『マコちゃん』はしばらく黙り込んだ…

「俺、マコさんがあいつのことで苦しむなんて、嫌です!こんなに純粋に人を好きになったマコさんがバカにされてるみたいで…俺が言える立場じゃないことは分かってます。でも…」

「ありがとう…そういうこと言われるの初めてだ。俺もしばらくアヤのことで苦しんだよ。俺のこと嫌いなんじゃないか?って早くから思ってた」

⏰:09/11/10 02:26 📱:F902iS 🆔:C5xoJQM6


#573 [ゆうと]
『マコちゃん』は一瞬笑って、話を続けた。

「だから、そう気付いた時点でなんでもっと自分を磨く努力をしなかったんだろうって、自分を責めるようになったよ。今になってね…」

「………」

「でも、これでピリオドが打てた気がする…アヤがどういう人間であれ、もう追いかけることは止めるよ。気持ちが伝わらないのに、しつこく想い続けるのはアヤにも悪いし、ユウトにも悪いからな♪」

⏰:09/11/10 02:36 📱:F902iS 🆔:C5xoJQM6


#574 [ゆうと]
「俺にもっすか?」

「当たり前だろ(笑)そうやっていろいろ教えてくれたし、俺のことを心配してくれたんだからな。最初は生意気で仕方なかったけど、今は弟みたいな友達みたいな…なんなんだろうな(笑)」

「なんすかそれ(笑)ってか、マコさんは就職とかどうするんすか?」

「俺は地元に帰るよ。地元のT県で頑張ろうって決めたんだ!」

⏰:09/11/10 02:40 📱:F902iS 🆔:C5xoJQM6


#575 [匿名っす]
あやの最低だね
思わず書き込みして
しまった

頑張って下さい

⏰:09/11/10 13:05 📱:F01A 🆔:w2UakqP.


#576 [ゆうと]
>>575
匿名っすさん

書きありがとうございます
俺もストーリー進めていきながらも、思い出してイライラしてました(笑)

もしよかったら、感想板立ててるんで感想等もらえたら嬉しいです(´_ゝ`)

⏰:09/11/10 20:05 📱:F902iS 🆔:C5xoJQM6


#577 [ゆうと]
(続き書きます♪)


「T県出身なんすか。就職は決まったんですか?」

「一応ね♪IT関係の会社に決まったよ」

「そうなんだ…すげぇ」

「地元帰ってまた1から出直すわ。アヤとの思い出とかは、すべてここに置いていく。じゃないと、俺自身が成長しないしな」

⏰:09/11/10 20:12 📱:F902iS 🆔:C5xoJQM6


#578 [ゆうと]
『マコちゃん』は笑った。
辛かっただろうに…


思った通り…
『マコちゃん』は、やっぱり大人で、めちゃくちゃ優しい温和な人…

こんな温和な男がマジ切れするくらい、彩乃という女に本気だったんだ…顔はちょっと……
だけど、本当にカッコいい人だなぁって思った。
歳はたった3個しか違わないのに、俺自身がめちゃくちゃガキに思えた。

⏰:09/11/10 20:22 📱:F902iS 🆔:C5xoJQM6


#579 [ゆうと]
「…もう9時過ぎか…ごめんな。遅くなったな」

「いやいや。マコさんと話ができてよかったです。正直、なんかモヤモヤしてたんで…」

気が付けば、彩乃の名前が出てこないくらい雑談してた。
仲良くなったって言ったらおかしいかもしれないけど、これからも『マコちゃん』とはいい付き合いをしていきたいと思えた。

⏰:09/11/10 20:28 📱:F902iS 🆔:C5xoJQM6


#580 [ゆうと]
「足…怪我してるだろ?寮まで送ってくよ♪」

「いえ…チャリもあるし、マコさんに迷惑っすよ」

「チャリは俺ん家にでも置いといていいからさ。怪我が治ったらいつでも勝手に取りきてくれていいし。怪我が治るまでチャリは禁止(笑)」
「…マジすか?じゃあ、お言葉に甘えて…」

赤い車に乗ったのは久しぶりだった。
もう二度と乗ることはないと思ってたけど…

⏰:09/11/10 20:33 📱:F902iS 🆔:C5xoJQM6


#581 [ゆうと]
寮に着いた…
俺は『マコちゃん』にお礼を言って、部屋に戻った。
失恋したのに、こんなに心が温かいのはなんでだろう…

『マコちゃん』といろいろ話せたことが、俺のモヤモヤを消し去ってくれたのかもしれない…




「ユウト!」

⏰:09/11/10 20:37 📱:F902iS 🆔:C5xoJQM6


#582 [ゆうと]
ユウキだ。
ズカズカと部屋にあがりこんできた。

後からはミクさんも入ってきた。


「よぉユウト君(笑)」

ユウキはニヤニヤしながら話しかけてくる。

「なんだよユウキ君」

「あれ?普通だな(笑)」

⏰:09/11/10 21:16 📱:F902iS 🆔:C5xoJQM6


#583 [ゆうと]
「まぁね(笑)」

「上田さんから全部聞いたぞ…大変だったな」

「そうだな…」

「まぁ、元気だせよ。そういうこともある(笑)」

え…?
そういうこともある…って、そんなにないことだろ?

「彩乃なんて言ってた?」無理やり笑顔を作った。

⏰:09/11/10 21:24 📱:F902iS 🆔:C5xoJQM6


#584 [ゆうと]
「上田さんに好きな人ができたんだろ?上田さん、泣きながら話してたぞ。ちゃんと和解したのか?」



は?

「ちょい待てよ。なんだよそれ…」

「え?失恋した身でこんな話聞くのは辛くないか?(笑)」

「いやいや…ワケ分かんないんだけど…」

⏰:09/11/10 21:28 📱:F902iS 🆔:C5xoJQM6


#585 [ゆうと]
「上田さん好きな人ができたからって…ユウトに対して冷めたとかじゃないけど、気になる人ができたって聞いたけど…違うのか?」


一気に怒りが上昇してきた…



「ユウト…!!」

俺は部屋を飛び出していた。

⏰:09/11/10 21:36 📱:F902iS 🆔:C5xoJQM6


#586 [ゆうと]
彩乃の部屋に着き、呼び鈴を鳴らした。

「あら。どうしたの?」

「どうしたのじゃねーよ!どういうことだよ?」

「何が?(笑)」

「分かってんだろ?」

「…分かんない(笑)」

「ユウキ達になんて話した?」

⏰:09/11/10 21:38 📱:F902iS 🆔:C5xoJQM6


#587 [ゆうと]
「別に…ありのままを…」

「あれがありのままか?あんな嘘並び立てて…」

「どっちにしても、あたしが悪者ってことに変わりはないじゃん(笑)あんたにはなんの責任もないんだよ?いいじゃん、別に♪別れた後にゴチャゴチャ言うの好きじゃないんだよね(笑)」

「自分で自分を擁護したってワケか…最低だな」

⏰:09/11/10 21:49 📱:F902iS 🆔:C5xoJQM6


#588 [ゆうと]
「いいじゃん(笑)好きな人ができたワケでもないけど、ちょっと工作してみたってことで♪最低でいいから許してよ(笑)」

愕然とした…
ここまでくると言葉も出ない…

「…じゃあな」

「うん、元気でね♪」

上田彩乃…
生まれ変わっても、二度と出会いたくない女として、俺の心に深く刻まれた。

⏰:09/11/10 21:58 📱:F902iS 🆔:C5xoJQM6


#589 [ゆうと]
部屋に戻ると、ユウキとミクさんがいない…
やっべ…
気ぃ悪くさせたかな…



2人が戻ってきた。

「ほれ♪」
ユウキが缶酎ハイを差し出す。

「なんで酎ハイ?」

「今まで流した涙を補うんだ!元気出せよ相棒♪」

⏰:09/11/11 00:40 📱:F902iS 🆔:eMCq86Qo


#590 [ゆうと]
相棒か…

俺はその言葉が嬉しかった。

「ユウト!これから少しずつ気持ち整理していけばいいんだからさ。元気だすんだよ」

ミクさんも慰めてくれる。


…彩乃を失った俺だけど、こうやって言ってくれる仲間がいる。
だから大丈夫!

⏰:09/11/11 00:46 📱:F902iS 🆔:eMCq86Qo


#591 [ゆうと]
数時間後…
次から次へと酒を開けて飲んだ。

「よし!お前らカラオケ行くぞカラオケ!早く準備しろやい!」

ミクさんのオッサン口調は初めて聞いた。
酔ってますね。


「ミクさん、大丈夫か?(笑)」

「あー、全然大丈夫(笑)俺がチャリであいつ乗せてくからさ」

⏰:09/11/11 00:51 📱:F902iS 🆔:eMCq86Qo


#592 [ゆうと]
「分かった。K市のカラオケ店だろ?ミスドの隣だっけ?」

「そうそう♪」



カラオケか…
ミクさんたちが、俺を元気付けてあげようと企画してくれた。その気持ちはめちゃくちゃ嬉しい。
ただ、カラオケ=浜崎あゆみ=彩乃っていうイメージしかなくて、少し抵抗がある。

⏰:09/11/11 00:57 📱:F902iS 🆔:eMCq86Qo


#593 [ゆうと]
俺は彩乃と最悪な結末を迎えた。

でも、浜崎あゆみを歌うあいつの姿は、鮮明に覚えてる…

『大好き』『大切な人』『愛すべき人』

こんな歌詞がモニターに映ると、その部分を歌う時俺に笑いかけてくれる…
そんな彩乃のことを、俺は本当に大好きだった。

⏰:09/11/11 01:02 📱:F902iS 🆔:eMCq86Qo


#594 [ゆうと]
あの笑顔は忘れられない…
例え、これから先あいつに会うことがなくても、きっと忘れない。


でも、忘れたい。
あんな女、記憶の中から抹消したい。

…でも、人との思い出って、ホント鮮明に残っちゃうモノなんですね…
それが自分にとって、大事な人だったらなおさら…
笑顔なんて、卑怯だ。
心に住み着いて、まったく離れようとしない…

⏰:09/11/11 01:14 📱:F902iS 🆔:eMCq86Qo


#595 [ゆうと]
モヤモヤしながらも外に出る。


「どこ行くの?」

アキナだった。

「あら、ミクさん!こんばんは♪」

「アキナちゃん♪あんたも行くよ!」

「え?どこに(笑)」

「忘年会っていったらカラオケでしょうが!カラオケで死ぬまで歌うよ!おいで小娘♪」

⏰:09/11/11 01:20 📱:F902iS 🆔:eMCq86Qo


#596 [ゆうと]
「忘年会?ミクさん酔ってますね(笑)」

「酔ってないわよ♪あんた可愛い顔して冗談きついわよ♪とにかくおいで」

今気付いたけど、なんでミクさんが酔っ払ってるんだ?


「あ、無理しなくていいよ。ミク酔ってるから」

「加藤君(ユウキの名字)……いや、あたし行きます♪」

⏰:09/11/11 01:25 📱:F902iS 🆔:eMCq86Qo


#597 [ゆうと]
「ホント?マジで無理しなくていいよ」

「無理なんてしてないよ(笑)あたし暇だし、一緒に行かせて♪」

「ありがと♪じゃあ、ユウトの後ろ乗ってもらっていいかな?この時間はチャリ置き場に置ききれないからさ。違うとこにチャリ停めてたら店長がうるさいから(笑)」


「分かった♪」

⏰:09/11/11 01:29 📱:F902iS 🆔:eMCq86Qo


#598 [ゆうと]
よく考えたら、俺チャリ『マコちゃん』の家に置いてきてる…
しかも捻挫してるし…
ガーン…


「ユウト?どうしたの?」

「アキナ…俺、今寮にチャリないわ(笑)」

「なんで?(笑)」

「別の場所に置いてきてるから…」

「おバカ(笑)じゃ、あたしのチャリで行こ♪運転はユウトだよ(笑)」

⏰:09/11/11 01:57 📱:F902iS 🆔:eMCq86Qo


#599 [ゆうと]
「…ごめん」

「ユウトにはちっちゃいかな?このチャリ…ま、いっか♪早く行こうよ、運転手さんお願いしまぁす(笑)」

アキナの笑顔は久しぶりに見た気がする。
俺はずっと彩乃と一緒にいたし、アキナとは同じクラスだけど、講義中はほとんど会話をしないから…

「(足いてぇ…)じゃ、行くぞ♪」

⏰:09/11/11 02:02 📱:F902iS 🆔:eMCq86Qo


#600 [ゆうと]
「夜遊びは久々だな♪」

「そう?アキナはいつもこの時間は寝てたりする?」

「今何時?」

「PM11:00過ぎ」

「寝てる…かなぁ?もしくはチー(チヒロ)の部屋行って話したり、先輩の部屋行ったり…コンビニ行ったりするくらい♪」

⏰:09/11/11 02:08 📱:F902iS 🆔:eMCq86Qo


#601 [ゆうと]
>>1-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400
>>401-500
>>501-600
>>601-700
>>701-800
>>801-900
>>901-1000

⏰:09/11/11 02:09 📱:F902iS 🆔:eMCq86Qo


#602 [ゆうと]
「そっか」

「ユウトは…あれでしょ?彩乃さんとどっか行ったり、ミクさん達とどっか行ったりするんでしょ?」

「…まぁな。最近は行ってないけど」

「そうなんだ。ってか彩乃さんとは今どれくらいだっけ?6ヶ月くらい?5ヶ月?」



「…別れたよ」

⏰:09/11/11 02:14 📱:F902iS 🆔:eMCq86Qo


#603 [ゆうと]
「……………」

「……………」

「…ホントに?」

「ホントに」

「なんで?いつ?」

「最近だよ。俺の努力不足(笑)」

「え?フラれたの?」

「うん(笑)」

「あら、そう…」

「そうなんですよ」

⏰:09/11/11 02:18 📱:F902iS 🆔:eMCq86Qo


#604 [ゆうと]
「あ…なんかあたし、最悪なこと質問しちゃったんだね。ごめん」

「別にいいよ(笑)もう終わったことだし」

「あら♪いつの間にそんな成長したの?(笑)」

「おかげさまで(笑)」


信号待ち…

アキナは俺の腰に手を回した。

「落っこちそうになるからさ(笑)こうさせて…」

⏰:09/11/11 02:22 📱:F902iS 🆔:eMCq86Qo


#605 [ゆうと]
K市中心部に入るまで、デコボコした坂道を駆け下りないといけない。

アキナは必死にしがみついている。

「今コチョコチョしたら、あたしら死ぬかな?(笑)」

「やってみれば?(笑)」

「やだー♪恐いもん♪」

「なんだそりゃ(笑)」

「ってか…ねぇ、股が痛いんだけど(笑)」

⏰:09/11/11 02:34 📱:F902iS 🆔:eMCq86Qo


#606 [ゆうと]
キキーッ

思わず急ブレーキをかけてしまった。

「…今何て言った?(笑)」

「え?痛いのよ。股がさ…ほら、ここ」

「指差さなくても分かるから(笑)」

「だってガタガタ揺れるから痛いんだもん。タオルかなんか敷いとけばよかったなぁ…」

⏰:09/11/11 02:38 📱:F902iS 🆔:eMCq86Qo


#607 [ゆうと]
俺は中に着ていたタンクトップを脱いだ。

「ちょっと降りて」

ちょうどいいサイズにたたんで置いた。

「いいの?これ…」

「NIKEだぞNIKE!ありがたく座れよ!」

「…やったぁ♪ありがとう♪これで股が守られる♪」

「声デカいって(笑)」

⏰:09/11/11 02:41 📱:F902iS 🆔:eMCq86Qo


#608 [ゆうと]
お姫様フェイスのアキナは、気取ることを知らない。
周りからどんなに、

「可愛いー♪」
とか
「美人♪」
とか言われても、素のままで人と接している。

そこがモテる要素なのかなぁ?って思う。


K市に入った。
相変わらずにぎやかだ。

⏰:09/11/11 02:47 📱:F902iS 🆔:eMCq86Qo


#609 [ゆー]
読み始めたらめちゃくちゃはまって一日で全部読みました続きがめちゃくちゃ気になります

頑張って下さい

⏰:09/11/11 03:45 📱:SH03A 🆔:6Ujo/EA6


#610 [ゆうと]
>>609
ゆーさん

マジすか?
ありがとうございます(^^)v
所々に誤字脱字があるんですけど、スルーしてもらえるとありがたいっす(´_ゝ`)

また更新していくんで、読んでもらえたら嬉しいっす

⏰:09/11/11 14:29 📱:F902iS 🆔:eMCq86Qo


#611 [ゆうと]
(続き書きます♪)

カラオケ店に入った。
意外に人は少ない…
部屋はすぐに開いて、歌う準備をした。

しかも、この部屋は前に彩乃達と来た部屋じゃないか…
胸が熱くなる。
あんな女…とか思ってるくせに、やっぱり思い出が強すぎる…


「ユウト!歌って元気出さなきゃ♪ね?」

⏰:09/11/11 14:45 📱:F902iS 🆔:eMCq86Qo


#612 [ゆうと]
隣に座ったアキナがマイクを差し出す。

「…ありがとう」
俺は笑ってマイクを受け取った。

「じゃあ、一番目に小林佑翔が歌いまぁす!ちょっとミクさん!聞いてますかぁ?(笑)」

アキナが場を盛り上げてくれる。

「聞いてるよ。OLなんてやってらんないよねぇ?」
酔ってますね…

⏰:09/11/11 15:00 📱:F902iS 🆔:eMCq86Qo


#613 [ゆうと]
『純恋歌』 湘南乃風

(この時は純恋歌流行ってました)

いつもは上手く歌おうとする俺だけど、今日はメロディーを忘れない程度に叫んで歌った。

叫んで辛いことは忘れようという魂胆だ。
ユウキもミクさんもアキナも盛り上げてくれた。

「OLなんてうんこようんこ〜♪」
ミクさんやっぱり酔ってますね…

⏰:09/11/11 18:53 📱:F902iS 🆔:eMCq86Qo


#614 [ゆうと]
俺が歌い終わると、ミクさんがマイクを持った。

「なぁ、ユウト」

「何?」

「ミクもさ、就活…ダメだったんだよ。何社か受けたけど、全部不採用でね」

「…そーなのか?」

「うん。だからミクもいろいろ辛いみたいでさ。普段はそんな一面見せないけどね」

⏰:09/11/11 18:59 📱:F902iS 🆔:eMCq86Qo


#615 [ゆうと]
全く気付かなかった…
ミクさんは、俺を元気付けようといろいろしてくれてたのに…
今日のこのカラオケも、俺のためだったのに…


ミクさんは、全然辛そうな顔を見せない…
それに比べて、俺はどうだ…?
恋愛でつまずいたくらいで、平気でこんな弱々しい姿見せて…

目の前のミクさんは、そんな辛さを感じさせない。
俺は自分が情けなくなった…

⏰:09/11/11 19:06 📱:F902iS 🆔:eMCq86Qo


#616 [ゆうと]
一刻も早く彩乃のことを忘れようとは思わない。
けど、彩乃のことでクヨクヨするのは止めよう!そう心に決めた。
辛いことがあったら、笑ってみよう…




そう考えると、不思議と心が軽くなった。
だから、今は笑ってみよう!

⏰:09/11/11 22:19 📱:F902iS 🆔:eMCq86Qo


#617 [ゆうと]
今、目の前で歌っているミクさんの『倖田來未』を盛り上げることに専念した。

ユウキも俺も、ミクさんもアキナも、バカみたいに盛り上がった。


あいつの笑顔がすべてじゃない…
今こうやって、分かち合った笑顔が溢れてるんだから…

あ…
俺今めちゃくちゃ臭いセリフ言ってる…

⏰:09/11/11 22:25 📱:F902iS 🆔:eMCq86Qo


#618 [ゆうと]
アキナが歌う…

大塚愛がくそ上手い!

『甘えんぼ』『大好きだよ』『金魚花火』定番の『さくらんぼ』

鳥肌が立つくらい上手かった!
ユウキが「西川可愛い〜♪」
なんて言うと、ミクさんは「お前帰れ!」とか言って嫉妬して喧嘩して…

10分後には2人でデュエットしてたけど…

⏰:09/11/11 23:57 📱:F902iS 🆔:eMCq86Qo


#619 [ゆうと]
しばらくすると、音楽がかかってミクさんにマイクを渡された。

『大事MANブラザーズ』

…誰?

「ユウト、一緒歌うよ!」
「え?俺知らないっすよ(笑)」

「聞いとけば分かる!ほら、始まるよ♪」

♪♪♪♪♪♪♪♪

⏰:09/11/12 00:00 📱:F902iS 🆔:px5/szTQ


#620 [ゆうと]
「負けないこと投げ出さないこと逃げ出さないこと信じ抜くこと♪ダメになりそうな時、それが一番大事」


分かった!

「ね?分かったでしょ?」
「分っかりました♪」

これは、今の俺とミクさんの応援歌だ!
ちょっと前に流行った歌だけど、これは知ってる。
高校の試合の時、よそのチームが応援歌として歌ってたから!!

⏰:09/11/12 00:04 📱:F902iS 🆔:px5/szTQ


#621 [ゆうと]
歌詞を胸に刻むように、マイクを回して全員で歌った。

こんな単純なことだけど、俺は吹っ切れた。
もう笑える!
過去は振り返らない!
あいつに何を言われたって、せせら笑ってやる!

ミクさんも笑ってる。
笑うってホントに大事なことなんだな…
気持ちが全然違う。

少し強くなれたかな?

⏰:09/11/12 00:10 📱:F902iS 🆔:px5/szTQ


#622 [ゆうと]
どんちゃん騒ぎで、気が付けば明け方だった…

「今日学校じゃん…」

うつろな目をしたユウキがボソッと呟いた。

「一気に現実に戻ったわ…だりぃ…」

うつろな目をしたアキナが呟いた。

とりあえず寮に帰らないと…
行きと同様に、アキナを後ろに乗せてチャリをこいだ。
捻挫した足は地味に良くなってた♪

⏰:09/11/12 00:15 📱:F902iS 🆔:px5/szTQ


#623 [ゆうと]
大学の講義が始まった。

俺…
なんか肝心なこと忘れてる気がする…
なんだろう…?

でも眠くて、講義内容も頭ん中に入ってこない…眠っ…
隣を見ると、アキヒロもうつらうつらしてる。
しかも白目むいてやがる!
笑いと眠さをこらえるなんて最悪だ…
アキヒロ…
頼むから、鼻に刺さってるボールペンなんとかしてくれ…

⏰:09/11/12 00:26 📱:F902iS 🆔:px5/szTQ


#624 [ゆうと]
講義が終わる。
ノートを見るけど、何書いてるのか読めない…

後でアキナにでも見せてもらおう。

アキヒロと学食に向かった。
アキナとチヒロが向かい合って座ってる。


アキヒロの様子がおかしい…
アキナとチヒロを見るなり、ニヤニヤしだした…

⏰:09/11/12 00:31 📱:F902iS 🆔:px5/szTQ


#625 [ゆうと]
そっか。
こいつアキナのことが好きだったんだな…




「あ、アッキー♪」

アッキー?
え?え?誰に言ってんの?

「よ♪チーズ♪」

チーズ?
え?何これ(笑)

キョドってる俺はアキナに呼ばれた。

⏰:09/11/12 00:35 📱:F902iS 🆔:px5/szTQ


#626 [ゆうと]
「あんたキョドりすぎ(笑)」

「だって…何今のアッキーとチーズって…(笑)」

「聞いてないの?土井とチー(チヒロ)最近付き合い始めたんだよ(笑)」

「そんなん聞いてねーよ(笑)え?マジで?なんかウケる(笑)」

「土井とかあたしに告ってきた次の日にチーと付き合いだしたからね(笑)」

⏰:09/11/12 00:39 📱:F902iS 🆔:px5/szTQ


#627 [ゆうと]
「お前告られたの?(笑)」

「うん。けどフッちゃった(笑)土井は友達以上には見れなくてさ」

「そうなんだ。なんかウケるな(笑)アキヒロがね〜…へぇ〜…」

「あ、そうだ!ねぇ、今さっきの講義のノート見せて♪」

「え?眠すぎて何書いてるか分かんねーよ(笑)俺アキナに見せてもらおうと思ったんだけど」

⏰:09/11/12 00:44 📱:F902iS 🆔:px5/szTQ


#628 [ゆうと]
「残念!あたしさっきの講義はずっと寝てました♪」

「うそ?!でも顔伏せてなかったじゃん」

「肘ついてペン持ったまま寝てた(笑)」

「マジ?珍しいことがあるんだな(笑)」

「そう?オールはさすがにきつかったわ。でも楽しかった♪」

「またみんなで行こうな」

⏰:09/11/12 00:49 📱:F902iS 🆔:px5/szTQ


#629 [ゆうと]
「うん♪あ、ねぇ!ユウトさ、どうだった?テストの結果」

「テスト?」

「前期のテストよ♪1号館の渡り廊下の掲示板見てないの?」

「…見てない。もう結果出てんの?」

「だいぶ前にね(笑)ちなみに、あたしは赤点0♪」

そうだ!
思い出した!
肝心なこと…テストだ!

⏰:09/11/12 00:57 📱:F902iS 🆔:px5/szTQ


#630 [ゆうと]
「アキナ!俺、掲示板見てくる!」

「今から?昼どうすんの?」

「後で食う!」

…なんて肝心なことを忘れてたんだ…
あんだけ気にかけてたのに…


1号館は事務室の前だ!掲示板とか入学式以来見てねぇ…

ダッシュで走った!
…見えてきた!

⏰:09/11/12 01:03 📱:F902iS 🆔:px5/szTQ


#631 [ゆうと]
『3ーA 環境』
『2ーC 情報』
『1ーB 国際』

いろいろ貼られてる…
多すぎて見つかんねー…

俺は『1ーA 経済』

…あった!

一番に目がいったのは数学…
字が小さすぎて目ぇチカチカする…



あった!俺の番号…
合格…だ!

⏰:09/11/12 01:09 📱:F902iS 🆔:px5/szTQ


#632 [ゆうと]
マジ?
数学合格?
今まで算数・数学60点以下の俺が…
60点以上取って合格だ!
俺は忌々しいxとyに勝ったんだ!
公式バンザイ!


信じられない
生きててよかった!
辛いことばかりじゃなかった!

他の教科全部見たけど、赤点0だ!

⏰:09/11/12 01:16 📱:F902iS 🆔:px5/szTQ


#633 [ゆうと]
めちゃくちゃ嬉しい♪
サイコーだ♪
合格…なんていい響きなんだ!




…でも!
数学を教えてくれたのは先生じゃない…
彩乃だ…
寝ないでずっと付き合ってくれてた…
一瞬心がズキンと痛んだ…

「…お礼だけでも言っとかないとな」

⏰:09/11/12 01:26 📱:F902iS 🆔:px5/szTQ


#634 [ゆうと]
練習終了後…

俺は彩乃の部屋に行った。

ピンポーン…






しーん…

え?いないの?


「ユウト君、今日から彩乃さんいないよ」

⏰:09/11/12 01:30 📱:F902iS 🆔:px5/szTQ


#635 [ゆうと]
後ろを見ると、チヒロが立ってた。

「え?今日からいないって…どういうこと?」

一瞬ドキッとした。

「就活で地元に帰ってるんだって…たぶん2週間くらいは帰ってこないはず」

「地元って…A県まで帰ったってこと?」

「らしいよ。今日の練習前に先輩達がそうやって言ってた」

⏰:09/11/12 01:33 📱:F902iS 🆔:px5/szTQ


#636 [ゆうと]
知らなかった…

俺は部屋に戻った。
2週間か…長いな。
今すぐにでも伝えたい…

電話しよっかな?
でもあいつ、俺の番号とか消してるだろうな…



とにかくお礼を言いたい…
ちょっと電話してみよっかな?
よし…

⏰:09/11/12 01:39 📱:F902iS 🆔:px5/szTQ


#637 [ゆうと]
プルルルルル…
プルルルルル…
プルルルルル…
プルルルルル…

出ない…?
ガチャッ

「…もしもしぃ?」

「もしもし?俺だけど」

「ああ、あんたか…どうしたの?」

あんた…か。
この前から思ってたけど、もう名前で呼んでくれないんだな…

⏰:09/11/12 01:42 📱:F902iS 🆔:px5/szTQ


#638 [ゆうと]
「いや、大した用はないんだけどさ」

「何?」

「数学のテスト合格したよ!」

…ザワザワザワザワ

電話の向こうはざわついてる。

「…聞こえない。何?」

「だからテスト!数学合格したよ」

「何?聞こえな…ん?電話!元カレから(笑)」

⏰:09/11/12 01:45 📱:F902iS 🆔:px5/szTQ


#639 [ゆうと]
向こうで誰かと話をしてるようだ。

「もしもし?彩乃…」
「…………」

聞こえてないのか?

「もしもし?お〜い」


「…ああ、もしもし?」
彩乃の声じゃない…
知らない男の声だ…

「え?誰ですか?」
「なんでお前に名乗らなきゃなんねーんだよ、オレが!」

⏰:09/11/12 01:48 📱:F902iS 🆔:px5/szTQ


#640 [ゆうと]
は?
意味分かんねー…

「いや…じゃなくて、彩乃は?」

「アヤに未練があって電話してきたんか?」

「じゃなくて、お礼言いたくて…」

「…ハハ(笑)未練ありありのようだな(笑)そういう言い訳してアヤに近づくつもりか?」


ミクさんが部屋に入ってきた。
この状況なのに…ヤバい…

⏰:09/11/12 01:53 📱:F902iS 🆔:px5/szTQ


#641 [ゆうと]
「…ユウト?電話誰…?どうしたの?」

ミクさんは俺の表情から何かを察したように聞いてきた。

「アヤに電話かけるんだけど、通話中みたいで…もしかして、その電話アヤ?」

俺は小さくうなずいた。向こうからは、知らない男が口うるさく怒鳴っている。
ミクさんが俺のケータイを取り上げた。

⏰:09/11/12 01:56 📱:F902iS 🆔:px5/szTQ


#642 [ゆうと]
「もしもし?あたし、アヤの友達だけど…」

「さっきのガキは?俺が怖くて逃げたのか?(笑)」

「勘違いも程々にしときな。アヤに用事あるから、変わってよ」

「あのガキとお前つるんでんだろ?アヤは変わりたくないってさ♪」

「いいから変われやジジイ」

「んだとコラ!女だから優しくしときゃ、てめ…」

⏰:09/11/12 02:01 📱:F902iS 🆔:px5/szTQ


#643 [ゆうと]
「誰が優しくしろって頼んだ?ビビってんのそっちじゃん(笑)いいからアヤ出せやコラ」


「出せねーって言ってんだろ、このクソ女!」

「だから何ビビってんのってば(笑)何あんた、誘拐犯かなんか?アヤ取られるのが怖いんでしょ?ごめんだけど、こっちはその気全然ないんで(笑)ただのヤボ用ですよ♪」

「調子に乗りやがって…」

⏰:09/11/12 02:06 📱:F902iS 🆔:px5/szTQ


#644 [ゆうと]
「言う言葉がなくてそれ?(笑)あたし、おれおれ詐欺取り締まるみたいな電話したくないんだけど…(笑)」

「何がおれおれ詐欺だ!バカにしてんじゃねーぞ、死にてーのか?今から殺しに行こうか?(笑)」

「ガキ丸出し発言止めたら?(笑)脅迫されたってことで警察にでも行こうか?この電話録音中だからさ♪」

ミクさんはペロッと舌を出して笑っている。

⏰:09/11/12 02:12 📱:F902iS 🆔:px5/szTQ


#645 [ゆうと]
しばらく沈黙が続く…

ミクさんの表情が変わった…
ミクさんは俺を呼んで、受話器に耳を近づけるように指示した。



「…もしもし?」

「…ねぇ、あんた何してんの?誰?今の男…」

「…あたしの彼氏になりたいって言ってるヤツ」

「付き合ってんの?」

⏰:09/11/12 02:17 📱:F902iS 🆔:px5/szTQ


#646 [ゆうと]
「…付き合ってない」

「ってか、何考えてんのあんた…自分が何したか分かってんの?」

「ちょっとしたイタズラ…(笑)」

「付き合ってもない男出して、ユウトを傷つけようとでもしたワケ?」

「いや、そんなんじゃないよ(笑)」

「じゃあ何?説明しなさいよ」

⏰:09/11/12 02:21 📱:F902iS 🆔:px5/szTQ


#647 [ゆうと]
「地元の仲良しグループと飲んでんのよ、今♪」

「で?酔った勢いとか言い訳するんじゃないでしょうね…」

「酔ってるけど、そんなんじゃないよ(笑)」

「とにかく外出てよ。ザワザワしてて聞きづらいから」

「わかった」

⏰:09/11/12 02:25 📱:F902iS 🆔:px5/szTQ


#648 [ゆうと]
向こうのざわつきは聞こえなくなった。

「ってか、要件だけ話してよ。あたしも暇じゃないし」

「その前に答えなよ。なんであんなことしたの?」

「元カレから電話って言ったら、そいつキレちゃってさ(笑)お酒も入ってるし」

「そいつ何歳?随分常識のない人みたいだけど…33歳?」

⏰:09/11/12 02:32 📱:F902iS 🆔:px5/szTQ


#649 [ゆうと]
「友達の彼氏の友達なんだって♪友達があたしを駅まで迎えにきた時、そいつも一緒にいたんだけど、あたしに一目惚れしたんだって(笑)」

「あっそ。そいつとあんたが付き合うのか知らないけど、これだけは伝えときな。いい歳こいたオッサンがそんな言葉遣いじゃ、社会じゃ通用しませんよって…」

「余計なお世話!とか言ってキレられそう(笑)…で、あたしに用事って何?」

⏰:09/11/12 02:38 📱:F902iS 🆔:px5/szTQ


#650 [ゆうと]
「就活で地元に帰るっていう報告がなかったって、監督がキレてたよ。あんたキャプテンなんだから、その辺しっかりしないと後輩に示しがつかないじゃん」

「引退してるのに?うざっ(笑)」

「引退してても、そういうやり取りは必要でしょ」

「すいませんって伝えてて(笑)んで、後は?」

ミクさんは俺にケータイを渡した。

⏰:09/11/12 02:41 📱:F902iS 🆔:px5/szTQ


#651 [ゆうと]
「もしもし?俺だけど…」

「ってか、あんたまだあたしの番号消してなかったんだ(笑)そりゃ、あの人も怒るわけだよね(笑)」

「数学のテスト合格したよ。ありがとう。それ伝えたかっただけだから…」
「おめでとう。よかったね」

棒読みの会話…

ミクさんは、またケータイを渡せと手を出した。

⏰:09/11/12 02:46 📱:F902iS 🆔:px5/szTQ


#652 [ゆうと]
「アヤ…」

「あ、ミク〜?あたし2週間くらいしたら帰るからさぁ♪監督に…」

「…友達止めようね。今のあんたは人としてありえないことしてるって気付いた方がいいみたいだよ。ユウトと別れた原因も、なんとなく分かったから…残念だけど、今日限りで友達は卒業しようね…就活頑張ってね。バイバイ」


電話を切った…
無言で俺にケータイを渡す…

⏰:09/11/12 02:52 📱:F902iS 🆔:px5/szTQ


#653 [ゆうと]
ミクさんは困った顔で俺を見た。

「ごめんね…全部あたしの責任だ…」

「何言ってんすか?俺、今もめちゃくちゃ助けられて…俺めっちゃカッコ悪いっすね(笑)」

ミクさんは首を横に振った。

「…ミクさん?どうしたんすか?」

ミクさんは表情が強張っていた…

⏰:09/11/12 03:15 📱:F902iS 🆔:px5/szTQ


#654 [ゆうと]
「あたしさ…前、アヤがまだマコちゃんと付き合ってる時にさ…ユウトにいろいろ言ったじゃん…なんか偉そうにさ」


「……………」

「『アヤは本気であんたのことが好きなんだよ!』とかさ…すごい無責任なこと言ってたんだね…ユウトのこと傷つけてばっかりだ」


笑ってるけど、困った表情のままミクさんは話した。

⏰:09/11/12 03:23 📱:F902iS 🆔:px5/szTQ


#655 [ゆうと]
「そんなことないっすよ。彩乃と付き合うって、最終的に俺が決めたことなんだし…それに…」


言葉が詰まった。
4年間も一緒にやってきた彩乃とミクさんの仲を、本当に壊しかねないと思ったから…

「…言いたいこと、分かるよ。アヤの本性は…的なことでしょ?」

「…………」

なんて言っていいのか分からない…

⏰:09/11/12 17:10 📱:F902iS 🆔:px5/szTQ


#656 [ゆうと]
「う〜ん…あたしもね、前々からちょっとは気付いてたよ。なんか、アヤめちゃくちゃ楽しそうにしてるな〜って思いきや、しばらくしたらきつい表情になってたり…早い話、喜怒哀楽が激しいんじゃない?ああ見えて寂しがり屋みたいだし」


「寂しがり屋なのかなぁ…」

「寂しがり屋+表現が下手っていうか…もういいや、めんどくさい(笑)ユウトも未練があるワケじゃないんでしょ?」

⏰:09/11/12 17:18 📱:F902iS 🆔:px5/szTQ


#657 [ゆうと]
「…もうないっすね。今の電話でもよく分かりました。もう、名前すら呼んでくれないから…名前も忘れられるくらいの存在だったってことで(笑)」

「あたしもさっきは、アヤに電話であんなこと言ったけど、友情と恋愛は別物だからさ。アヤを信じて待ってみる。それでアヤが何も言ってこないのなら、あたしらの仲は所詮そこまでだったんだなぁって割り切れるしね(笑)」

⏰:09/11/12 17:22 📱:F902iS 🆔:px5/szTQ


#658 [ゆうと]
数日後…
彩乃からメールがきた。もちろん絵文字など一切なしで!

「この前はごめんね。あんたには迷惑ばっかかけちゃったね。許してもらえたらいいなぁ…なんてね(笑)就活はあと2社受ける予定!そんだけ…ホントにごめん。あと、あの男とはあの電話以来切ったから…」

返信はしたくなかった…けど、彩乃の精一杯の気持ちなんだろうと思って、返信した。

⏰:09/11/12 17:34 📱:F902iS 🆔:px5/szTQ


#659 [ゆうと]
「就活頑張れよ!俺もいろいろ頑張るから」

それ以外、何も浮かんでこなかった。


その後のミクさんの話では、あの後彩乃から電話がきたらしい…

ちゃんと和解したから!って言われて、ホッとした。

⏰:09/11/12 17:39 📱:F902iS 🆔:px5/szTQ


#660 [ゆうと]
─11月─

何事もなく過ぎていった。
肌寒くなる季節だから、ユウキと冬物の服買いに行ったり、仲良しメンバーでカラオケ行ったり、大学の講義が難しくなったり、バスケの試合があったり、変わり映えしない日常が続いた。

拍子抜けするくらい平凡だけど、今はこの生活が楽しいのかもしれない…

⏰:09/11/12 17:49 📱:F902iS 🆔:px5/szTQ


#661 [ゆうと]
─12月─

クリスマスの季節♪

夏の頃から、ものすごく楽しみにしてた季節だ。あれもしたい!これもしたい!っていう計画がたくさんあった。


だから、ウハウハな自分を多少は許してやろうと思ってた。

だけど…
12月に入ってすぐ、自分の気持ちに変化が現れ始めた。

⏰:09/11/12 17:54 📱:F902iS 🆔:px5/szTQ


#662 [ゆうと]
モヤモヤする…


前みたいな恋愛に関してのモヤモヤとかじゃない。
友達関係で、もめたワケじゃない。
大学の勉強について行けないワケじゃない。
バスケの調子が悪いワケでもない。今の成績は全勝中だ。


じゃあ、一体なんなんだ?って考えた時に浮かび上がってきたのが、
『このままじゃいけない』っていう気持ち…

⏰:09/11/12 18:00 📱:F902iS 🆔:px5/szTQ


#663 [ゆうと]
最初はそんな気持ち、押し殺して生活してた。

みんなとバカやって盛り上がるのとか最高に楽しいし、大学行って→部活行って→帰って→誰かと雑談して→寝る…の平凡な生活に幸せを感じてた。

これ以上の欲なんてない。
こんな生活ができるなら贅沢もいらない!

⏰:09/11/12 19:13 📱:F902iS 🆔:px5/szTQ


#664 [ゆうと]
だけど…
やっぱりモヤモヤする。

…と同時に、自分に対する苛立ちが出てきた。

ガキで、弱くて、情けない自分は一体何をしてるんだ?

ってか、俺今何考えてんだ?


ユウキの部屋に行くことにした。

⏰:09/11/12 19:20 📱:F902iS 🆔:px5/szTQ


#665 [ゆうと]
「よぉユウト。座れよ♪」

ユウキはコーラを振る舞ってくれた。

「ってか、クリスマスのことなんだけど、どうする?西川とかチヒロ達も呼んでワイワイやりたいよな♪」

「いや…そのことなんだけど…」

「どした〜?(笑)」

「俺さ、クリスマス前に大学…辞めるかも」

⏰:09/11/12 19:25 📱:F902iS 🆔:px5/szTQ


#666 [ゆうと]
「なんやて?(笑)」
なんで関西弁なんだ…?


「いろいろ考えたんだけど、俺このままじゃダメになる気がする…」

「上田さんのことか?もう解決したんだろ?」

「彩乃のこともだけど…それ以前に、俺自身が弱すぎて…」

「何言ってんだよ(笑)考え過ぎだって(笑)」

⏰:09/11/12 19:28 📱:F902iS 🆔:px5/szTQ


#667 [ゆうと]
「いや、マジでさ…甘ったれた部分見つけることができたし、違う道に進もうと思って…このままここにいたら、甘ったれたままの俺でしかいれないから…」


「そうでもないじゃん(笑)俺が言うのもなんだけど、成長したと思うぞ」

「いや、それじゃ俺が納得いかないんだ」

⏰:09/11/12 19:39 📱:F902iS 🆔:px5/szTQ


#668 [ゆうと]
「いつになく真面目だな小林君(笑)なんかあったのか?」

「早い話、自分に愛想が尽きた(笑)K大は学校もバスケも、もちろん寮生活も楽しいよ。けど、自分の弱い部分がどんどん出てきて、情けない自分に腹が立つようになってさ…」

「へぇ〜。ちゃんと考えてんだ!で、大学辞めたとして、どうすんの?これから」

「まだ分からないけど、社会に出て自分を磨きたいって思う」

⏰:09/11/13 00:15 📱:F902iS 🆔:/NJm.dew


#669 [ゆうと]
「つまり、就職するってこと?」

「うん」

「…ん〜?俺からは何も言えないなぁ(笑)ユウトと一緒のチームでまだまだバスケやりたいって思うけど、お前の考えを尊重したいからさ」

「そっか…」

「ま、でももうちょっと考えてみ!これからを左右する大事なことだからな。一生モンだから、慎重に決めな」

⏰:09/11/13 00:22 📱:F902iS 🆔:/NJm.dew


#670 [ゆうと]
「分かってる。とりあえずユウキには話しとかないと!って思ってさ」

「あら♪俺のこと好きなの?(笑)」

「アホか(笑)」



ユウキはいつもヘラヘラしてるけど、親身になって聞いてくれる。
あとは俺がしっかり考えをまとめるだけだ。

⏰:09/11/13 00:25 📱:F902iS 🆔:/NJm.dew


#671 [(∀)]
>>1-200
>>201-400
>>401-600
>>601-800
>>801-1000

⏰:09/11/13 00:29 📱:SH03A 🆔:arGzIk/U


#672 [ゆうと]
部屋に戻って、親に電話をかけた。

最初…親は、ビックリしたような、キョドってるような感じで、説教タイムに入った。

…なんで辞めるの?
…自分に負けるな!
…決めた道を簡単にあきらめるな!
…辞めるなんて許さない!


もちろん、簡単に認めてくれるはずがない。
金の問題じゃなくて、『俺自身』の心配をしていた。

⏰:09/11/13 00:30 📱:F902iS 🆔:/NJm.dew


#673 [ゆうと]
心配と言っても、

…ユウトはそれで後悔しないか?
…もしも心残りがあるなら死ぬ気でやってみろ!

という、後のことの心配だった。

大学を辞めることは簡単だ。
けど、その後のことを考えると…

親は、なかなか首を縦に振ってくれなかった…

⏰:09/11/13 00:36 📱:F902iS 🆔:/NJm.dew


#674 [ゆうと]
大学を辞めたい理由が『自分磨き』…

誰が聞いたって、納得がいかないだろうよ…
一種の逃げにも聞こえるんだから…


しばらくは様子を見てみることにした。

…やっぱりこのままじゃダメだ!

その考えは揺れることなく、真っ直ぐな俺自身の答えなんだってことに気付いた。

⏰:09/11/13 00:42 📱:F902iS 🆔:/NJm.dew


#675 [ゆうと]
親からの返事はまだもらってない…

姉ちゃんみたいに、俺のことを考えてくれてるミクさんに話をすることを決めた。



「大学辞めるの?」

「そう考えてます」

「なんで?」

「自分の弱さを克服したいから」

⏰:09/11/13 00:47 📱:F902iS 🆔:/NJm.dew


#676 [ゆうと]
「それは大学にいるうちでも、できることじゃない?」

「それも考えました。でも、ここにいると自分がダメになる気がするんです」

「ダメになるってどういうこと?」

「K大みたいな、いろんな面で恵まれた環境に、俺は甘えてしまってるから…生活にも人間にも…」

⏰:09/11/13 00:52 📱:F902iS 🆔:/NJm.dew


#677 [ゆうと]
「ありがたい!って思ってさ、それを自分の力にすることはできない?」

「力っていうか…もちろん、『頑張ろう』って思いました。でも、『頑張ろう』って思う反面、ガキみたいに甘えてる自分が出てくるんです…うまく説明できないけど…」

「アヤとのことが関係して、K大辞めたいって思うなら辞める資格もないし、ここにいる資格もないよ」

⏰:09/11/13 00:58 📱:F902iS 🆔:/NJm.dew


#678 [ゆうと]
「分かってます。あいつはなんの関係もない。ただ、このままの自分に自信が持てないだけです」

「親には話したの?」

「話しました。でも、まだOKもらってません…」

「ユウキ達には?」

「ユウキだけには話してます」

「そっか…でも、辞めるにしても、それなりの覚悟は必要だよ?」

⏰:09/11/13 01:04 📱:F902iS 🆔:/NJm.dew


#679 [ゆうと]
「分かってます」

「これから先、何が起こるか分かんないけど、辛いことはいっぱいあるんだよ?社会って、今以上に厳しい世界だよ?その中で、ちゃんと生きていける?」

「そんな世界で通用する男になるために、今のこの生活に終止符を打ちたいんです。泣いて許されるワケじゃないっていうのは分かってます!だからこそ…」

⏰:09/11/13 01:09 📱:F902iS 🆔:/NJm.dew


#680 [ゆうと]
「…あははははは♪」

ミクさんは笑った。

「??」

「そっかぁ…そうなんだ♪」

「え?なんすか…?(笑)」

「それで辞めるなら、あたしは文句はないよ!」

「え?本気で言ってますか?」

⏰:09/11/13 01:13 📱:F902iS 🆔:/NJm.dew


#681 [ゆうと]
「本気だよ♪あんたがちゃんと考えて決めたことなら、なんも言わないよ!あたしはユウトを信じてるからさ」


「…ミクさん」


「でもね、これだけは言っとくけど…社会は本当に厳しいよ?あんたが思ってる以上に過酷だよ?」

ミクさんの言葉は重みがある…

⏰:09/11/13 01:16 📱:F902iS 🆔:/NJm.dew


#682 [ゆうと]
「やってみないと分かんないっす…ってか、俺が心配してること……言っていいすか?」

「あれ?早速心配?(笑)」

「…7人…」

「7人?」

「バスケ部の…アキヒロ、コウイチ、ケンタロウ、シュン、ヒロユキ、リョータ…ユウキ…」

「辞めるなら、ちゃんと話しないとね。みんな応援してくれると思うよ」

⏰:09/11/13 01:24 📱:F902iS 🆔:/NJm.dew


#683 [ゆうと]
「そうかな…」

「人数少なくなるけどさ。ちゃんとみんなが納得いく答えを話しなよ。とりあえず、お父さん・お母さんに話しな♪」

「はい」



俺は部屋に戻って、もう一度考えた。
辞めて後悔はしないか…?
…しない!

ケータイを握りしめ、電話をかけた。

⏰:09/11/13 01:29 📱:F902iS 🆔:/NJm.dew


#684 [ゆうと]
約1時間後…
電話を切った。


「後悔しないなら辞めてもいい」

答えが出た。

両親に散々迷惑をかけてしまった…
こんな俺のためにありがとう…
俺は頑張るから…


そして、俺はそのことをユウキに伝えた。

⏰:09/11/13 01:32 📱:F902iS 🆔:/NJm.dew


#685 [ゆうと]
正式に退学届を提出した。

その前に、男バス全員に話をした。
みんなビックリした表情を見せたけど、最後は笑って俺を送り出してくれることになった。


もう泣かない!

そう決めた俺は、みんなの温かい言葉に涙が出そうになったけど、グッとこらえて笑った。

⏰:09/11/13 01:36 📱:F902iS 🆔:/NJm.dew


#686 [ゆうと]
監督も温かく送り出してくれた。

「お前が抜けちまったら、来年の選手に期待するしかねーな(笑)」

最後に、お前はうちのエースとして頑張ってくれた!と、ボソッと言われた。

初めての監督からの褒め言葉が嬉しくてたまらなかった。



ついに、その日がきた…

⏰:09/11/13 01:39 📱:F902iS 🆔:/NJm.dew


#687 [ゆうと]
両親が、大きめのレンタカーに乗って迎えにきた。
引っ越しで荷物を全部持って帰るからだ。

男バス全員が手伝ってくれた。




…ものすごい勢いでチャリをこいで寮に向かってくるヤツが見えた…

「ユウト!」

⏰:09/11/13 01:42 📱:F902iS 🆔:/NJm.dew


#688 [ゆうと]
アキナ…


「あんた…学校…辞めるの?」
息切れ切れだ…


「うん」

「本当に?」

「本当に(笑)」

「なんで教えてくれなかったんだよ!」

「ごめん…急に決まったから」

⏰:09/11/13 01:44 📱:F902iS 🆔:/NJm.dew


#689 [ゆうと]
「そんなの…ひどいよ」

「ごめんな…」

「あたし、ユウトに何もしてあげれなかった…」

「また、いつか遊びにでも来るからさ♪」

「バカバカバカ!展開早すぎてワケ分かんないよ!」

アキナは泣いた…

⏰:09/11/13 01:47 📱:F902iS 🆔:/NJm.dew


#690 [ゆうと]
引っ越しが終了した…

「皆さん、本当にお世話になりました。うちの佑翔が…」

親が挨拶を始めると、女バス全員が寮から出てきた…

寮まで会いにきてくれた学校の友達もいる。


母さんはその光景を見て、涙を流した。

俺なんかのために、こんなに人が集まってくれた…
1名を除いて…

⏰:09/11/13 01:52 📱:F902iS 🆔:/NJm.dew


#691 [ゆうと]
母さんの挨拶が終わり、俺も最後の挨拶をした。

「じゃあ、そろそろ…」

親が先に車に乗る。

「みんな、ありがとうございました!また会いにきます!」

俺は笑って深々と頭を下げた。

コノヤロー!とか頑張れよ!とかまた会おうぜ!って言われてもみくちゃにされた…

⏰:09/11/13 01:56 📱:F902iS 🆔:/NJm.dew


#692 [ゆうと]
頭があげられない…
みっともないとこ見せたくない…
もう泣かないって決めたのに…


「ユウト!こういう時は思いっきり泣いていいんだよ!」

ミクさんだ…
ミクさんも泣いていた…

すみませんミクさん…
俺、もう泣かないって決めたけど、今日だけは泣かせてください…

⏰:09/11/13 01:58 📱:F902iS 🆔:/NJm.dew


#693 [ゆうと]
顔を上げると、目の前でアキヒロが号泣していた。

試合で勝った時に、嬉し泣きしようって約束したのがアキヒロだった…
ごめんなアキヒロ…


1人1人と握手をして、最後はユウキとハグした…
みんな泣いてくれた。
俺は車に乗り込んだ…

アキナが黒いマジックを持ってきた。

「手出して」

⏰:09/11/13 02:03 📱:F902iS 🆔:/NJm.dew


#694 [ゆうと]
インクの先が涙で濡れながらも、アキナは俺の手に何かを書いた…



『絆』



「アキナ…」

「いつか分かる日がくるといいなぁ…」

そう言うと、アキナは笑った。

⏰:09/11/13 02:07 📱:F902iS 🆔:/NJm.dew


#695 [ゆうと]
俺はよく分からなかった。

「絆…か。ありがとう」

「バカユウト!頑張れよ(笑)」


そう言うと、車は動き出した。
父さんはクラクションを鳴らし、寮を出た。
クラクションに反応したのは、隣の家のバカ犬だった…
ばいばいバカ犬…

⏰:09/11/13 02:11 📱:F902iS 🆔:/NJm.dew


#696 [ゆうと]
みんな一斉に叫びだした…
「ユウトー!絶対また会おうなー!

「頑張れよー!」

「死ぬなよー!」

「元気でねー!」

「またここに来るんだよー!」

みっともなく号泣しながら、俺は窓からずっと手を振り続けた。
みんなは、車が見えなくなるまで手を振り続けてくれた。

⏰:09/11/13 02:15 📱:F902iS 🆔:/NJm.dew


#697 [ゆうと]
「落ち着いたか?」

久しぶりの父さんは、運転しながら笑って話しかけてくれた。

「あんなに大勢お見送りにきてくれるなんてね」

久しぶりの母さんは、涙を拭いながら笑って話しかけてくれた。


「あー…」

俺は上を向いて、タオルを顔にあてた。

⏰:09/11/13 02:17 📱:F902iS 🆔:/NJm.dew


#698 [ゆうと]
K大前の信号に引っかかって止まった。

最後のK大を目に焼き付けようと、ジッと眺めた…




チリンチリン…!

チャリの音だ。


目を疑った…

彩乃だ…

⏰:09/11/13 02:21 📱:F902iS 🆔:/NJm.dew


#699 [ゆうと]
さっきのあの場にいなかった1名…彩乃…

しばらく見つめ合った…

「今講義終わったよー!」
「彩乃…」

「ユウト!最後は笑ってお別れしようねー!今までありがとー!」

少し離れた場所から彩乃は叫ぶ…

「…ありがとう彩乃ー!お前も頑張れよー!ありがとー!」

⏰:09/11/13 02:25 📱:F902iS 🆔:/NJm.dew


#700 [ゆうと]
彩乃は泣いていた…

俺と最悪な結末を迎えた彩乃…
もう二度と名前を呼んでくれないって思ってたけど、最後に呼んでくれた…

このまま時間が止まれば…



青信号…
車は進み始めた…

「彩乃ありがとー!」

「ユウト頑張れよー!」

⏰:09/11/13 02:29 📱:F902iS 🆔:/NJm.dew


#701 [ゆうと]
>>1-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400
>>401-500
>>501-600
>>601-700
>>701-800
>>801-900
>>901-1000

⏰:09/11/13 02:30 📱:F902iS 🆔:/NJm.dew


#702 [ゆうと]
家に着いたのは、もう夜が遅かった。

何十年も家にいなかったワケじゃない…
なのに、なんでこんなに懐かしく感じるんだろう…

ここの柱って、こんなに傷があったっけ?
風呂場ってこんなに狭かったっけ?

ウロウロしてると、

「お兄ちゃんお帰り♪」

妹がリビングにいた。

⏰:09/11/13 02:36 📱:F902iS 🆔:/NJm.dew


#703 [ゆうと]
「お前、また背ぇ伸びた?」

「伸びてないよ(笑)気のせいじゃない?」

俺の中の感覚が違うのか…?

「里菜(妹)ね、ユウトが帰ってくるの楽しみにしてたんだよ♪」

母さんに言われた。

「寂しかったんだな(笑)」
「んなワケない(笑)」
里菜…強くなったな…

⏰:09/11/13 02:40 📱:F902iS 🆔:/NJm.dew


#704 [ゆうと]
実家に帰ってきても、ユウキやミクさん達とは普通にメールや電話をしてた。

「家着きました♪」

「長旅だったね。お疲れ様♪」

ミクさん達に、家に着いたという報告メールを送った。


左手に書かれだ絆"を見た…
アキナ…どういう意味でこれを書いたのだろう…

⏰:09/11/13 02:45 📱:F902iS 🆔:/NJm.dew


#705 [ゆうと]
翌日からは就活に入った。
ダラダラしている暇はない…

けど、仕事なんて簡単に見つかるもんじゃない。

根っからの体育会系の俺には、座りっぱなしの事務業なんて向いてないし、接客業なんて作り笑いすらできない…

アルバイトより、正社員を優先して探した。

⏰:09/11/13 10:35 📱:F902iS 🆔:/NJm.dew


#706 [ゆうと]
しばらくは就活に専念していた。

けど、なかなか見つからない…

「来年の公務員試験でも受けてみれば?」

親はそう言うけど、俺の頭じゃ無理な話だ。
だって数学とかうんこだし…

大学辞めたはいいけど、仕事とかまったく決めてないじゃん…

何やってんだ俺…

⏰:09/11/13 10:40 📱:F902iS 🆔:/NJm.dew


#707 [ゆうと]
就活して半年…


ついに仕事が決まった。しかも正社員!

俺みたいなうんこ野郎でも、半年頑張った甲斐があった。


ただ、地元じゃなくて県外だけど…


早速引っ越しやらなんやら終わらせて、入社に向けて準備をした。

⏰:09/11/13 10:44 📱:F902iS 🆔:/NJm.dew


#708 [ゆうと]
そういえば、K大の卒業式を終えたミクさんから写メが届いてたな…

「おめでとうございます」
しか送ってないし、写メとかちゃんと見てないや…

とりあえず保存はしておいた。



んで、入社して間もない頃にユウキから電話が入った。

⏰:09/11/13 10:48 📱:F902iS 🆔:/NJm.dew


#709 [ゆうと]
入社おめでとう!の電話でもしてくれたのかな♪


「もしもーし♪」

「…ユウト。元気だった?」

「全然元気だけど♪久しぶりだな!」

「…まぁな…」


ユウキと連絡を取ったのは久しぶりだった。
…でも、いつものユウキじゃないことはすぐに分かった。

⏰:09/11/13 10:52 📱:F902iS 🆔:/NJm.dew


#710 [ゆうと]
「どした?なんか元気ないじゃん。ミクさんと喧嘩でもしたか?(笑)」

「…ユウト」

「なんだよ(笑)」


電話の向こうはザワザワしていた。
忙しそうな感じ…


グスンッ…



「ユウキどうした?なんかあったのか?」

⏰:09/11/13 10:55 📱:F902iS 🆔:/NJm.dew


#711 [ゆうと]
「……………」

ユウキは何もしゃべらなくなった。

俺は間を置いて待ってみた。


「……………」

鼻をすする音しか聞こえない。

「ユウキ…どうした?」




「ユウト…落ち着いて聞いてな…上田さんな…昨日亡くなったんだ…」

⏰:09/11/13 10:59 📱:F902iS 🆔:/NJm.dew


#712 [ゆうと]
「え?何言ってんの…?」


胸がジワッと熱くなった…
何を言ってるか理解できない…
ユウキは「…亡くなった」と言った後、鼻をかみながら号泣しだした…

「ユウキ…今、言ったこと…嘘だよな?」

嘘だと言って笑ってくれ…
冗談きついぞ(笑)って言わせてくれ…

⏰:09/11/13 23:19 📱:F902iS 🆔:/NJm.dew


#713 [ゆうと]
電話の向こうでゴソゴソ聞こえる。

「ユウト?あたしだけど…」

「ミクさん…」

「ごめんね、いきなり…」

「ミクさん、ユウキが今言ったことって…嘘ですよね?」

「いや…嘘じゃないよ」

胸をかきむしられた気持ちになった…

⏰:09/11/13 23:22 📱:F902iS 🆔:/NJm.dew


#714 [ゆうと]
「昨日、仕事帰りにガードレールにね…車で突っ込んで…フロントガラス原型とどめてなくて…即死…」


「……嘘だ!あいつがそんな事故なんて起こすはずがない!絶対に嘘だ!」

「ユウト!嘘だったら、もっとまともな嘘ついてるわよ!頼むから落ち着いて聞いて…」

「絶対に嘘だ!ミクさん!嘘って言えよ!頼むから嘘だって言ってよ!」

⏰:09/11/13 23:30 📱:F902iS 🆔:/NJm.dew


#715 [ゆうと]
「ユウト!お願いだから…落ち着いてよ…」

ミクさんも泣いている。

「…ミクさん…ミクさんは今…どこにいるんですか?」

「アヤの実家」

「…A県?ってこと?」

「そうだよ…監督と、あたしらの代の女バスと、男バスの代表だけ来たんだ…」

⏰:09/11/13 23:36 📱:F902iS 🆔:/NJm.dew


#716 [ゆうと]
「……………」

彩乃…
もうこの世にいないってこと…?
もう二度と会えないってこと…?

でも、まだ半信半疑だ…自分の目で確かめてもいないのに、そんなこと認められるわけないだろ!

「ミクさん…1回…電話切っていいすか?」

「なんで?」

「行きます、A県…」

⏰:09/11/13 23:40 📱:F902iS 🆔:/NJm.dew


#717 [ゆうと]
A県とか、まったく知らない地だ…
遠征とかで行ったくらいだ。
土地勘もないし、地理力0の俺だけど…


でも、今は行かなきゃ…

嘘だってこと証明しなきゃ…


俺は会社の休みをとって、仕事に行く時と逆の電車に乗った…

⏰:09/11/14 00:41 📱:F902iS 🆔:SsIHbRfA


#718 [ゆうと]
財布とケータイだけを持って、飛び出してきた…

駅に着くたびに、ミクさんにメールして場所を聞く。
ホームに着いたら、乗り換えで新幹線に乗る…
到着したら、また乗り換えで電車に乗る…

半日はかかった…
俺んとこが田舎だから、交通の便が不便なんだ…
でも、放心状態だったのかな…?
あっという間にA県に着いた気がする…

⏰:09/11/14 00:48 📱:F902iS 🆔:SsIHbRfA


#719 [ゆうと]
でも、あいつの家がどこか分からない…

ミクさんが目印の店を教えてくれた。
猛ダッシュで向かった…
気が狂ったかのように足が動く…
涙は出ない…
なんで…?
俺の中のあいつは、まだ生きてるから…



もうすぐだ…

黒いスーツ姿のミクさんが見えた…

⏰:09/11/14 00:52 📱:F902iS 🆔:SsIHbRfA


#720 [ゆうと]
「ユウト!」

無表情のミクさんが手を振る。
ガクガクの足でミクさんに近づいた。

「あんた…よくここが分かったね」

「なんとなく…勘で…」
息が苦しい…

「彩乃は?」

「…………こっち」

ミクさんについて行く。約10分間、無言…
そして、俺は足が止まった…

⏰:09/11/14 00:57 📱:F902iS 🆔:SsIHbRfA


#721 [ゆうと]
葬祭場…

黒い喪服に身を包んだ人間が出入りしていた。


目線の先には、



『故・上田 彩乃』



の文字…

その文字を何度も読み返した…
何度も何度も…

⏰:09/11/14 01:01 📱:F902iS 🆔:SsIHbRfA


#722 [ゆうと]
ミクさんが俺の腕を掴んだ。
ビクッとした…


「行くよ…ユウキ達が中にいる」


足を前に進めた。

中に入る…
お通夜…

入り口の右側には、あいつの遺品…
左にはモニターがある。

⏰:09/11/14 01:06 📱:F902iS 🆔:SsIHbRfA


#723 [ゆうと]
モニターには、白い箱をメインとして映し出されていた。
すぐに目をそらした…


それが棺って分かってたから…
ただ認めたくなかったんだ…

遺品を見ようとする…

ミクさん達元4年生、ユウキ、アキヒロが出てきた。

「あ、ユウト…」

アキヒロが呟いた。
うつろな目つきだった…

⏰:09/11/14 01:11 📱:F902iS 🆔:SsIHbRfA


#724 [ゆうと]
「バカ!遅ぇよ!」

ユウキに怒鳴られた。

「…………」

言葉が出なかった。


それを見ていた小柄な女性、2人の男が近付いてきた。

「ミクのお知り合いの方々でしょうか?私、上田彩乃の母親です」

小柄な女性は、彩乃のお母さんだった…

⏰:09/11/14 01:17 📱:F902iS 🆔:SsIHbRfA


#725 [ゆうと]
そういえば、さっきミクさんと、この『お母さん』は入り口で話をしていた…
ミクって呼んだってことは、家族ぐるみで仲良しだったっていうのが読み取れる。

俺は頭を下げた。

「彩乃の兄の弘樹、弟の健太です」

彩乃のお母さんが名前を言った後、後ろに立っていた2人が頭を下げた。
お母さんの目は腫れていた…

⏰:09/11/14 01:22 📱:F902iS 🆔:SsIHbRfA


#726 [ゆうと]
すぐに思い出した…

前、彩乃が『お父さん』の話をした時に、兄弟がいるって言ってたな…


そう思いながら、遺品や写真を見た。
久しぶりに見る彩乃の笑顔、小さい頃の写真…


「あ!これ…」

俺は叫んだ。

「何?どうしたの?」

ミクさんが俺の横に並んだ。

⏰:09/11/14 01:27 📱:F902iS 🆔:SsIHbRfA


#727 [ゆうと]
遺品として置かれていたのは、薄いピンク色の指輪…

あの時、俺があげた『ペアリング』…

なんでここにあるんだ…?

彩乃のお母さんが話しだした…

「家で料理を作る時以外は、ずっとこの指輪をしてましたよ。一番のお気に入りだったみたいで、今日、ここに置かせていただきました」

⏰:09/11/14 01:31 📱:F902iS 🆔:SsIHbRfA


#728 [ゆうと]
泣き崩れた…


俺と別れてから、絶対に捨てただろうって思ってたから…

そういえば、いつかあいつは言ってた…

『あたし指輪もらうの初めてだよ♪』って…

あの時の彩乃の笑顔は最上級だった。
あの笑顔をすっかり忘れてた…

俺、ホントにバカだ…

⏰:09/11/14 01:38 📱:F902iS 🆔:SsIHbRfA


#729 [ゆうと]
あいつの顔には、白い布がかけられていた。

事故の衝撃で、見れないくらいの顔になってたからって…

もう、あの可愛い笑顔は二度と見られないんだ…

彩乃…
頼むから、また笑ってくれ…
また喧嘩しようや…
俺にビンタしてくれよ…また「腕枕♪」って言ってよ…
頼むから…

⏰:09/11/14 01:45 📱:F902iS 🆔:SsIHbRfA


#730 [ゆうと]
明日が葬式だという…
俺達は葬儀場を出た。


泊まる所は、大川監督が用意していたから困らなかった。
俺…黒いスーツなんて持ってきてない…

そう言うと、彩乃のお兄さん・弘樹さんが貸してくれた。

本当はこんなスーツ着たくないよ…

⏰:09/11/14 01:50 📱:F902iS 🆔:SsIHbRfA


#731 [ゆうと]
翌日…
俺は一睡もすることなく、準備をした。
眠れるワケがない…

ただボーっとしてる状態…

葬儀場に着いた…



葬儀開始…

お経…お焼香…
それだけは覚えてる。
後はなんも記憶にない…

⏰:09/11/14 01:54 📱:F902iS 🆔:SsIHbRfA


#732 [ゆうと]
「皆様…外の方で…」

式が終了して、こんなアナウンスが流れたかなぁ…

ミクさんは俺の肩を抱いて、外に連れていってくれたみたいだ…

棺が運ばれて、黒い車に乗せられ、最後に長いクラクション…

これって、ドラマやニュースの世界だけじゃないのかよ!
こんなのおかしい!

⏰:09/11/14 01:58 📱:F902iS 🆔:SsIHbRfA


#733 [ゆうと]
黒い車が見えなくなった…

俺は泣き叫んだ。

「彩乃ー!」

その場に泣き崩れた。
弘樹さん…スーツ汚しちゃってすみません…

もう二度と会えない…
あの笑顔…
ペアリング…

ダメだ…
考えれば考えるほど、涙しか出てこない…

⏰:09/11/14 02:01 📱:F902iS 🆔:SsIHbRfA


#734 [ゆうと]
泣きまくった後は放心状態だった…
だって本当に記憶がないんだ…

唯一覚えてるのは、

「次にユウトと会うのはいつかなーって思ってたけど、こんな辛い場所での再開は果たしたくなかったよ…」

っていうアキヒロの言葉…

K大組は式が終わってから、しばらくして帰っていった。

⏰:09/11/14 02:07 📱:F902iS 🆔:SsIHbRfA


#735 [ゆうと]
スーツ返さなきゃ…
親戚だと言うおばさんにスーツを渡した…
あとクリーニング代。

俺も帰らなきゃ…

フラフラで駅まで向かった…
道分かんない…
まぁ、いいや…



家に着くまで半日以上かかった。
行きよりも時間がかかったのは、乗り間違いが多かったから…

⏰:09/11/14 02:12 📱:F902iS 🆔:SsIHbRfA


#736 [ゆうと]
ボーっとしてたんだな…
よく帰ってこれたもんだ…



ちなみに、俺はもう子供じゃない…
社会人として働いてる身だ…
だから気持ち切り替えて仕事しないと…
2日間休みもらってた分、しっかり仕事しないと…

そう思うけど、すぐボーっとしてしまう自分がいる…

⏰:09/11/14 02:17 📱:F902iS 🆔:SsIHbRfA


#737 [ゆうと]
翌日から仕事に励んだ。

思いっきり集中しないと辛さが襲ってくるから、何も考えずにひたすら仕事した。


夜は同僚の家行って酒飲んだり、くだらない雑談して1日を終えた。
そんなこんなしてるうちに、1日1日過ぎていく…

⏰:09/11/15 00:09 📱:F902iS 🆔:JA4Rjr/w


#738 [ゆうと]
あれから約2ヶ月…

彩乃の死を忘れたワケじゃないけど、なんとなく吹っ切れたような気がしてきた…

思い返してしまうと、辛くて泣いてた…
けど今は、思い出しても涙は出なくなった。

薄い水色の指輪を見ても、泣かなくなった。

強くなったとかじゃなくて、ちゃんと受け止められるようになったんだと思う。

⏰:09/11/15 00:15 📱:F902iS 🆔:JA4Rjr/w


#739 [ゆうと]
また2ヶ月が過ぎた…

ミクさんから電話がきて、K大の寮に来るように言われた…

「土日利用して来てほしい」




土曜日…

俺はK大に向かって、また電車に揺られてた。
駅に着いて、出口に向かった。

⏰:09/11/15 00:19 📱:F902iS 🆔:JA4Rjr/w


#740 [ゆうと]
逆のホームを見ると、めちゃくちゃ可愛い女の子を見つけた。

「おっ!」

思わず目を奪われてしまった…


目が合った…


俺は目をそらした…


瞬間…

「ん?!」

⏰:09/11/15 00:22 📱:F902iS 🆔:JA4Rjr/w


#741 [ゆうと]
向こうはずっとこっちを見ている…


「(可愛いなぁ…でも、どっかで見たことある気が…)」

逆のホームに電車が来た…
それで女の子が見えなくなった…


「(ま、いっか!)」

出口を出て、K大行きのバスに乗った。

⏰:09/11/15 00:25 📱:F902iS 🆔:JA4Rjr/w


#742 [ゆうと]
久しぶりに見るK市の光景…


あそこのTSUTAYAから始まったんだなぁ…
あの吉野家はユウキと行ったところだ…
auのケータイショップは、彩乃と喧嘩した次の日に行ったな…

K市にいた期間は短かったけど、思い出はたくさんある。
あの時は笑ってこの道を歩いてたけど、今はもう歩けない…

⏰:09/11/15 00:30 📱:F902iS 🆔:JA4Rjr/w


#743 [ゆうと]
K大前で信号にひっかかった…

最後に彩乃を見た場所だ…
あの時の彩乃は笑ってた…
最悪な別れ方して、もう二度と名前呼んでくれないって思ってたのに、笑って「ユウト!」って呼んでくれた…

その笑顔は、モノクロの世界へと消えていった…彩乃…
そっちでも笑っていますか?
…とか問いかけしたっけ?

⏰:09/11/15 00:37 📱:F902iS 🆔:JA4Rjr/w


#744 [ゆうと]
寮に着いた…

何も変わってないけど、なんだか懐かしい匂いがする。
隣の家のバカ犬まで吠えだした。

あの頃は「うぜぇ」とか思ってたけど、懐かしくて笑えた。


「ユウト〜♪」

ベランダ側からミクさんが出てきた。
俺はなぜかホッとして、寮の中に入った。

⏰:09/11/15 00:41 📱:F902iS 🆔:JA4Rjr/w


#745 [ゆうと]
「お久しぶりですね。ミクさんパーマかけました?」

「さすがユウト!誰も突っ込んでくれなくて寂しかったのよ〜…あ、ユウキ達ももうすぐ帰ってくるみたい♪」


一瞬、

「ミクさんって留年したっけ?」

とか思ったけど、よく考えたら、ここはユウキの部屋だ。
その隣が俺の部屋だった…

⏰:09/11/15 00:44 📱:F902iS 🆔:JA4Rjr/w


#746 [ゆうと]
「ミクさん、今何してるんでしたっけ?」

「エステの受付(笑)」

「へぇ〜」


A県での出来事がなかったって言えるくらい、ミクさんは普通だった。

俺も笑って話ができた。


…それから30分もしないうちに、ユウキが帰ってきた。

⏰:09/11/15 00:48 📱:F902iS 🆔:JA4Rjr/w


#747 [ゆうと]
ユウトは鞄を投げ捨て、ニヤニヤしながら近づいてきた。

「ユウト!久しぶりだな。生きてたか?(笑)」

「バリバリな(笑)お前こそ調子に乗って金髪かよ(笑)」

「あは(笑)たまにはいいじゃん!」

ユウキも普通だった。

その後はアキヒロを始め、男バス女バス数人が俺に会いにきてくれた。

⏰:09/11/15 00:51 📱:F902iS 🆔:JA4Rjr/w


#748 [ゆうと]
「みんな久しぶりだな〜♪なぁチヒロ、アキナは?」

笑ってたチヒロは表情を曇らせた…

「アキナね…学校辞めたんだ」


「…え?いつ?」

「先月にね…いきなり」

「……そうなんだ」

⏰:09/11/15 00:55 📱:F902iS 🆔:JA4Rjr/w


#749 [ゆうと]
そういえば、俺が大学辞めてから1、2回くらいしか連絡とってなかったな…

「今年からエースでバリバリやってたから、アキナが抜けたダメージは大きいよ」

「そうなんだ…あ、男バスも新入生いるんだろ?」

ユウキはニヤニヤしながら、
「今年は10人入ってきたぞ!イケメンは1人もいないけどな(笑)」

「んなこと誰も聞いてない(笑)」

⏰:09/11/15 00:59 📱:F902iS 🆔:JA4Rjr/w


#750 [ゆうと]
このままK大にいても、楽しくやれてたんだろうな…

なんてしみじみ思いながら、話をした。

夜はユウキ、ミクさん、俺の3人で、よく行ってた居酒屋へ行った。

昔話をしながら盛り上がる中で、彩乃の話がでた。

「今日ここにユウトを呼んだのはね…アヤのことで、まだ気持ちの整理ができてないんじゃないかって思ってさ…」

⏰:09/11/15 01:03 📱:F902iS 🆔:JA4Rjr/w


#751 [ゆうと]
ミクさんは心配してくれてた…

「うーん…そりゃ、最初は放心状態っつーか…寂しいやら悲しいやら、なんかよく分かんない感情でした…でも、時が経つにつれて受け止めようって思えるようにはなりました。前みたいにウジウジしてたって何も始まらないし、彩乃だってそんな姿見たくないだろうし…」

笑顔で答えたつもりだったけど、そんな話をすると、やっぱり胸が熱くなって涙が出そうになる…

⏰:09/11/15 01:09 📱:F902iS 🆔:JA4Rjr/w


#752 [ゆうと]
グッとこらえた…


「強くなったね…あんたが大学辞めるって言った時は『はぁ?』とか思ったけど、なんか安心した(笑)」

ミクさんは笑った。

「そうっすかねー(笑)人に頼りすぎてた分、これからもっと自分を磨いていかないと…」


ユウキも笑顔で、今のK大について話をしてくれた…

⏰:09/11/15 01:14 📱:F902iS 🆔:JA4Rjr/w


#753 [ゆうと]
酒で出来上がった頃に居酒屋を出た…

K大にいる時よく来てたカラオケ店へ入った。


あの部屋とまったく逆方向の部屋だったことが救われた…

俺は最初に、湘南乃風をチョイスした。
とりあえず叫んだ。
ユウキも(曲名分かんないけど変な歌)叫んで歌ってた。
ミクさんの倖田來未も久しぶりだった。

⏰:09/11/15 01:20 📱:F902iS 🆔:JA4Rjr/w


#754 [ゆうと]
俺が次に入れた曲は、浜崎あゆみ…

酒が入ってたっていうのもあったけど、なんか歌いたくなったから…

「いつも強い子だねって言われ続けた 泣かないね偉いねって褒められたりしていたよ」

…から始まって、曲名分かんないけど『君がいるから〜』みたいなやつ、『恋人達はとても幸せそうに歩いているからね』の歌、『M』、『You』を歌った。
これは彩乃がカラオケにきた時に歌う一連の流れ…

⏰:09/11/15 01:27 📱:F902iS 🆔:JA4Rjr/w


#755 [ゆうと]
俺以外の人が浜崎あゆみを歌ったら確実に泣いてた…

だから俺が歌った。
涙は出なかった。


ユウキは相変わらず「何それ?」っていう、変な歌しか歌わなかった。

ミクさんは大塚愛の「プラレタリウム」を歌ってた。
彩乃にフラれた後、俺を元気づけようと、「フラレタリウム〜(笑)」とか言って歌ってたな…

⏰:09/11/15 01:31 📱:F902iS 🆔:JA4Rjr/w


#756 [ゆうと]
いつもならフリータイムだけど、今回は時間を決めてたから夜中には店を出た。



ユウキの部屋に3人で寝た。
久しぶりだったからオールで語ろう♪ってことになってたけど、気付いたらみんな寝てた。

俺もミクさんも、昼過ぎには寮を出ることになった。

⏰:09/11/15 01:34 📱:F902iS 🆔:JA4Rjr/w


#757 [ゆうと]
みんなに見送られ、2人で駅に向かった。
その間にも、いろんな話をした。

「ユウキ最近モテるらしいよ!」

とか、

「アキヒロとチヒロ別れたよ!」

とか、仕事の話とか…

話し出したらキリがないくらい、ミクさんと語るのが楽しかった。

⏰:09/11/15 01:38 📱:F902iS 🆔:JA4Rjr/w


#758 [ゆうと]
ミクさんとはまったく逆の電車だった。


「また会おうね♪今度はみんなで旅行でも行こうよ♪あんたも頑張るんだよ!」

「了解です!ミクさんも体には気をつけてくださいよ〜♪」


途中で分かれて、電車を待った。
寂しいけど、また会えるっていう楽しみができた。

⏰:09/11/15 01:41 📱:F902iS 🆔:JA4Rjr/w


#759 [ゆうと]
ホームで電車を待つ…

逆のホームに昨日の女の子らしき人が…

「(あれ?昨日の人だ…)」

また目が合った…


俺は目をそらせなかった…

向こうもそらさなかった…


向こうのホームに電車がきた…
女の子は見えなくなった。

⏰:09/11/15 01:45 📱:F902iS 🆔:JA4Rjr/w


#760 [ゆうと]
電車が出ていく…

俺は呆然とそれを眺めてた。


…女の子は電車に乗ってなかった…


女の子は俺を見ながら、笑顔になった…
お姫様みたいな笑顔…


俺はビックリしながらも、視線は女の子へ…
あれ?
あいつもしかして…

⏰:09/11/15 01:49 📱:F902iS 🆔:JA4Rjr/w


#761 [ゆうと]
女の子は笑いながら叫んだ。


「ユウト!!」


ビクッとした。
一瞬時が止まったかと思った…
その間に、いろんなことが頭ん中を渦巻きながら思い出された…





「……アキナ?」

⏰:09/11/15 01:53 📱:F902iS 🆔:JA4Rjr/w


#762 [ゆうと]
俺が待つホームに電車が来た…
…ことさえ忘れて呆然としてた。


電車が発車したと同時に女の子はいなくなってた…

「え?あれ?」

なんで俺電車乗らなかったんだ?


足音が響いた…
走ってる音…

「こらぁ!小林佑翔!」

⏰:09/11/15 01:57 📱:F902iS 🆔:JA4Rjr/w


#763 [ゆうと]
後ろから思いっきり飛びついてきた。

「え?ちょっ…うわ肇

ホームで2人して倒れた。


「やっぱりユウトだ!なんで昨日シカトしたんだよ、ボケ!」

この地味なヤンキー口調…


「いってぇ…やっぱアキナだ」

⏰:09/11/15 02:01 📱:F902iS 🆔:JA4Rjr/w


#764 [ゆうと]
「なんでそんなに普通でいられるのよ(笑)めちゃくちゃ久しぶりじゃん!元気だった?」


「いや、元気だけど…お前何してんの?」

「あたし?就活(笑)」

「し、就活?」

「うん♪大学辞めたからさ(笑)あんた何してんの?」

「K大行ってた」

⏰:09/11/15 02:06 📱:F902iS 🆔:JA4Rjr/w


#765 [ゆうと]
「え〜?K大行ったの?何しに?」

「ユウキとかミクさんに会ってきたんだ。久しぶりだったからな…」

「そうなんだ…みんな元気だった?」

「うん。何人かは会えなかったけどな」

「ふーん…ね、ユウト今仕事してるの?」

「してるよ」

⏰:09/11/15 02:09 📱:F902iS 🆔:JA4Rjr/w


#766 [ゆうと]
「じゃあ、明日とか普通に仕事?」

「そりゃあね(笑)一応社会人っすから!」

「え〜?もっと話したかったのに…」

「なら今からうち来るか?(笑)」

「いいの?行く行く♪」


「え〜?」とか「はぁ?行かないし(笑)」みたいな答えかと思ってたのに。

⏰:09/11/15 02:12 📱:F902iS 🆔:JA4Rjr/w


#767 [ゆうと]
「本気で言ってる?うちまで結構あるぞ」

「平気だよ♪あたし暇人だし(笑)1人暮らし?」

「今はね」

「彼女とかいるの?」

「いないよ」

「よかった♪あ、あたし切符買い直してくる!ちょっと待ってて…ってか一緒に行こうよ♪」

⏰:09/11/15 02:15 📱:F902iS 🆔:JA4Rjr/w


#768 [ゆうと]
アキナの明るさは相変わらずだった。
なんとなく気持ちが和らいだ感じがした。


電車の中でいろいろ話した。

「お前なんで大学辞めたの?」

「自分磨きしたかったから(笑)」

「はいはい(笑)本当の理由は?」

「ホントだよ♪」

⏰:09/11/15 02:19 📱:F902iS 🆔:JA4Rjr/w


#769 [ゆうと]
「お前それ…まったく俺と…」

「一緒だよ♪悪い?(笑)」

「悪いってワケじゃないけど…」

「じゃあいいじゃん♪自分磨き…大事だよ(笑)全然磨けてないけどね(笑)あはは〜」

相変わらずアキナペースに持っていかれてしまう…

⏰:09/11/15 02:26 📱:F902iS 🆔:JA4Rjr/w


#770 [ゆうと]
「で…お前今日はどこ行ってたの?」

「彼氏のとこ(笑)」

「……そうなんだ」


「嘘だよ(笑)彼氏とかいるワケないじゃん♪今ちょっと間が開いたよね(笑)心配したんでしょ?分かりやすいねあんた(笑)」

「してねーから(笑)」

「はいはい(笑)も〜、素直じゃないところは相変わらずだわ♪」

⏰:09/11/15 02:30 📱:F902iS 🆔:JA4Rjr/w


#771 [ゆうと]
くだらない雑談をしてる間に駅に着いた。

駅から俺の家まではすぐだ。
7、8分も歩けば着く。


「へぇ〜。結構いいとこ住んでんじゃん♪なんかK大の寮みたいな造りだね、この建物」

「そうそう♪寮と似てるからさ。そこだけ気に入って借りちゃったってワケ」

「家賃とかいくらくらいすんの?」

⏰:09/11/15 02:38 📱:F902iS 🆔:JA4Rjr/w


#772 [ゆうと]
「そんなに高くないよ。仕事場も近いし、文句なしだよ」

「へぇ〜」

俺はアキナにお茶を出した。
緑茶…

「もう烏龍茶じゃないんだね…」

アキナはハッとした表情になり、

「あ…ごめん」
と言った。

⏰:09/11/15 02:41 📱:F902iS 🆔:JA4Rjr/w


#773 [ゆうと]
「…ああ、烏龍茶な。懐かしいな」

「ごめん!」

「いいよ、別に(笑)」

「…あのね。あたし今日、本当はA県に行ってきたんだ…」

「A県に?そうなんだ」

「お線香あげに…」

「彩乃の?」

「…うん」

⏰:09/11/15 02:44 📱:F902iS 🆔:JA4Rjr/w


#774 [ゆうと]
「そっか…」

「怒らないの?」

「なんで怒らないといけないんだよ(笑)」

「だって、彩乃さんのこと話しちゃったから…」

「別にいいよ(笑)彩乃ね…いろいろあったなぁ」

「事故って聞いたんだけど…」

「らしいね」

⏰:09/11/15 02:47 📱:F902iS 🆔:JA4Rjr/w


#775 [ゆうと]
「そっか…嘘みたい」

「うん。俺も最初は気が気じゃなかったよ」

「またさ、ユウトに時間が出来たらA県一緒に行こうよ」

「そうだな…」




アキナが左手で髪をかきあげた。
うつむいてた俺だったけど、なんとなくアキナの方を見た…

「ん?!」

⏰:09/11/16 00:31 📱:F902iS 🆔:O.gB36H6


#776 [ゆうと]
「…え?何?」

「アキナのこれ…」



アキナは左手に指輪をしていた。
2つ一緒に…

「これ?まだ大学にいる時に、K市の雑貨屋さんで買ったんだ♪」

「これは白?透明?」

「どっちかと言うと透明かなー?綺麗だよね」

「俺は水色と…」

⏰:09/11/16 00:35 📱:F902iS 🆔:O.gB36H6


#777 [ゆうと]
「ピンクでしょ?ペアで買ってたの知ってるよ。彩乃さん、毎日つけてたもん。ユウトが大学辞めてから、ユウトとお揃いなんだよって彩乃さんに聞いた」

「そうなんだ…ってかお前同じヤツ、2つもつけてるんだ」

アキナは笑った。

「まぁね(笑)あの『ペアリング』の水色の指輪の意味知ってる?」


「なんだったっけ?忘れた…健康?」

⏰:09/11/16 00:42 📱:F902iS 🆔:O.gB36H6


#778 [ゆうと]
「『勉強・知力』だよ♪」


「そうだっけ?ピンクは?」


「『恋愛・縁結び』」


「白?透明は…?」


「…『絆』だよ」



「絆?」

⏰:09/11/16 00:46 📱:F902iS 🆔:O.gB36H6


#779 [ゆうと]
「うん。絆♪」

「絆って…」

「覚えてるかな?ユウトが地元に帰る日、あたしがあんたの手に書いたじゃん」

「…覚えてる。ずっとワケが分かんないままで…今も…あんまり…」


「あんまりってか分かってないでしょ(笑)あたしね…賭け事は好きじゃないんだけど…賭けてみたんだ♪ってか、普段信じない占いを信じてみたんだ」

⏰:09/11/16 00:52 📱:F902iS 🆔:O.gB36H6


#780 [ゆうと]
「どういう意味?」


「あたし本当は、この指輪買うつもりなかったんだ…しかも、ユウトと彩乃さんがペアっていうの聞いて、なんか嫌で…」


うつむきながらも笑顔で話を続けた…

「でもね…その日に大学行く前にTVで占いやってたんだ。いつもなら見ないで消すんだけどさ。血液型別のヤツなんだけど…」

⏰:09/11/16 00:58 📱:F902iS 🆔:O.gB36H6


#781 [ゆうと]
「そういう日に限って、O型が一番最悪だったのね(笑)『今日は気分が沈みます』とか『しゃしゃりすぎ注意』みたいな(笑)」


「うん」


「その解消方のアイテムみたいなのが…『天然石の指輪』だったんだ。リラックス効果って書かれてる後に、『同じ血液型の人といい出会いに導いてくれますよ』みたいなこと書かれててさ」

⏰:09/11/16 01:05 📱:F902iS 🆔:O.gB36H6


#782 [ゆうと]
「へぇ〜」

「はぁ?嘘くせぇ…とか思ってたくせに、なんか気になり始めてさ(笑)練習終わってソッコー買いに行ったんだ(笑)マジ単純だわ、あたし♪」

「単純なところは相変わらずだったってワケか(笑)」

「うるさい!(笑)それで、K市の雑貨屋さんに行きました♪そしたら、『ペアリング』って書かれてるじゃありませんか…」

⏰:09/11/16 01:10 📱:F902iS 🆔:O.gB36H6


#783 [ゆうと]
「1人モンのお前には、残酷な言葉だったってワケだな(笑)」

「ちょっと黙ってて(笑)まぁ、そうなんだけどさ…彩乃さんはピンクだったし、ユウトは水色…あたしはピンクが欲しかったんだけど、さすがに一緒は嫌だなぁって思って…水色もね…う〜ん?って感じだったし」


「別にピンク買ってもよかったんじゃないか?」

「ピンク買おうかって、最後まで悩んだんだよ!でも、゙絆"っていう意味を持つ指輪を信じたくて、透明買ったんだ」

⏰:09/11/16 01:16 📱:F902iS 🆔:O.gB36H6


#784 [ゆうと]
「2つも?」


「そうだよ。じゃないと、『ペアリング』になんないじゃん(笑)」


「なるほどね」


「だから、1つは自分のもの…もう1つは、心から好き!って思える相手に渡そうって思ってさ♪それが本当に゙絆"として結ばれたら素敵じゃん(笑)」

⏰:09/11/16 01:21 📱:F902iS 🆔:O.gB36H6


#785 [ゆうと]
「元ヤンのお前が、そういう占いとか信じるなんてな(笑)」

「誰が元ヤンよ(笑)普通の一般ピーポーの優しい女の子よ、アキナちゃんは(笑)」

「あっそ(笑)」


「それでさ…もし、この瞬間が指輪の力だとしたら、ユウトはこの指輪もらってくれる?」

⏰:09/11/16 01:28 📱:F902iS 🆔:O.gB36H6


#786 [ゆうと]
「え…?」

アキナは俺の目をジッと見つめた。
笑顔で…


「不謹慎かな?あたし…でも…今までずっと言えなかった…彩乃さんと付き合う前から、あたしユウトのことが好きだった!」



「…アキナ」

「だからあの時も占いとか信じてみた!ユウトはもうK市にいなかったから…」

⏰:09/11/16 01:34 📱:F902iS 🆔:O.gB36H6


#787 [ゆうと]
言葉が出なかった…


「だから、次に自然に再会できた時は、本当に運命なのかも!とか、思っちゃったワケ(笑)昨日は話せなかったけど、実際ユウトに会えたワケだし…」

「……………」


「今日もこうやって会えたから…なんか…絆なのかなぁって思っちゃったんだ♪…ごめん(笑)バカバカしいよね(笑)」

⏰:09/11/16 01:40 📱:F902iS 🆔:O.gB36H6


#788 [ゆうと]
「…全然バカバカしくなんかないよ…なんか、俺なんかのこと、そこまで考えててくれたっていうのが…嬉しいな」


「…この指輪…もらってくれますか?」

「もらうよ。ありがたく」

「彩乃さんの代わりみたいになっちゃうけど…」

「代わりなんかじゃないよ…彩乃は彩乃、アキナはアキナだから」

⏰:09/11/16 01:45 📱:F902iS 🆔:O.gB36H6


#789 [ゆうと]
「…あたしと付き合ってくれますか?」


「うん。俺なんかでいいなら…長い間、想い続けてくれてありがとう」




「…いきなり真面目になんないでよぉ(笑)」
とか言いながら泣いてるし…

「それはお前だろ(笑)いきなり真顔になるなよ(笑)」

⏰:09/11/16 01:49 📱:F902iS 🆔:O.gB36H6


#790 [ゆうと]
「あたしから人に告るとか初だし!レアなんだからね!大事にしてよ(笑)」

「大事にしますよ、ちゃんと…ありがとう」


彩乃は指輪を1つ外した…

「今日までずっと外さなかったんだ♪だから就活も上手くいかなかったのかな(笑)こいつ指輪なんかつけてるし…とか思われて面接落ちたのかな(笑)あんた責任取ってよね」

⏰:09/11/16 01:54 📱:F902iS 🆔:O.gB36H6


#791 [ゆうと]
「はいはい(笑)」


付き合うことになった俺とアキナ…
付き合うことになったからって、むやみやたら体を求めたりしない…
俺もアキナも…
本当に大事にしたいって思える相手だから…



さっきまでの愛の告白ムードはどこに行ったの?って言わんばかりに、俺もアキナもくだらない雑談で盛り上がった。

⏰:09/11/16 02:05 📱:F902iS 🆔:O.gB36H6


#792 [ゆうと]
俺がK大を辞めた後の話、アキナがK大を辞めてからの話、今現在の話…


そんなこんなしてるうちに、外はすっかり夜になってた。

「ありゃ、長居しすぎたかな(笑)」

「今日は泊まれよ。夜に女1人でウロウロするのは物騒だぞ」

「社会人になってから親父くさくなったね(笑)」

⏰:09/11/16 02:10 📱:F902iS 🆔:O.gB36H6


#793 [ゆうと]
「心配してるだけだよ!俺まだ二十歳だし(笑)」

「あはは〜♪…じゃあ、泊まろっかな♪ユウトはあたしの恋人だもんね」

「恋人だよ」

「…きゃー♪なんか顔がにやけてしまう(笑)あ〜もう…キャハハ〜♪」

「K大辞めてから、なんかお前女の子っぽくなったな(笑)なんだよ『キャハハ〜』って(笑)」

「いいじゃん、まだ二十歳なんだし(笑)」

⏰:09/11/16 02:16 📱:F902iS 🆔:O.gB36H6


#794 [ゆうと]
>>790
『彩乃は指輪を…』
じゃなくて
『アキナは指輪を…』
です…
変換ミスすみません…

⏰:09/11/16 02:17 📱:F902iS 🆔:O.gB36H6


#795 [ゆうと]
(続き書きます)


「はいはい(笑)ってかもう7時過ぎてるけど、腹減ってない?まだ大丈夫?」

「お腹空いたかも。なんか作るよ♪」

「嬉しいけど、材料がないわ…買い物行ってなかった」

「マジで?じゃあ買い物行こ♪」

「今から?」

⏰:09/11/16 02:21 📱:F902iS 🆔:O.gB36H6


#796 [ゆうと]
「当たり前じゃん(笑)ほら、立って♪」


アキナは先に靴を履きに行った。
俺は、部屋を出る前に収納棚と上に置いてある、水色の指輪に目がいった。
今、自分の左手にはめているのは透明の指輪…

アキナはここに置いてある指輪に気付いていたのに、何も言わずに笑ってこの゙絆"の指輪をくれたんだ…

俺は水色の指輪を、クローゼットの中の小物入れの中にそっと入れた。

⏰:09/11/16 02:27 📱:F902iS 🆔:O.gB36H6


#797 [ゆうと]
「車持ってんの?いつの間に免許とったの?」

「今年に入ってから♪一応社会人っすからね。持ってないと不便だから…」

「いいなぁ〜。あたし免許すら持ってない(笑)」

「すぐ取れるよ。慣れれば簡単…乗りなよ」

「新車の匂いだ♪助手席はあたしのモノだね♪わーい♪」

ドライブがてら、少し遠くのスーパーへ向かった。

⏰:09/11/16 02:33 📱:F902iS 🆔:O.gB36H6


#798 [ゆうと]
閉店前の安売りをしていた(肉半額とかの)スーパーには、主婦的な人達で賑わっていた。

「これ半額になりますか?」

店員に自ら催促する主婦までも現れた。


アキナは野菜や肉類を手に取り、何を作るか考えていた。

「今日何食べたい?何でも作るよ♪」

「俺最近、肉食ってないなぁ…肉料理食いたい」

⏰:09/11/16 21:18 📱:F902iS 🆔:O.gB36H6


#799 [ゆうと]
「肉〜?肉だったらチキンステーキとか…あ、ハンバーグ作ろうかな♪」

「ハンバーグいいね♪」

「じゃあ食パンも買わないと♪」

「食パン使うの?ハンバーグに?」

「うん♪お母さんに教えてもらったんだ。まぁ見てて♪」

ミンチやジュース、その他諸々をカゴに入れ、レジへと向かった。

⏰:09/11/16 21:24 📱:F902iS 🆔:O.gB36H6


#800 [ゆうと]
家に着くなり、アキナはキッチンへ立った。

「ねぇ、エプロンないの?」

「ないよ。基本的にエプロンとか使わないし」

「料理作る時はエプロンでしょ、普通は!まぁ、いいや♪」

アキナは食材を取り出し、準備をした。

「ユウト、ちょいと手伝って♪」

「何〜?」

⏰:09/11/16 21:32 📱:F902iS 🆔:O.gB36H6


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