砂糖が甘い理由
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#285 [花◆AV8KevAYKk]
[だって城谷バイトなんだろ?
今はD時半過ぎ!も〜しかしたら,返ってくるかもしれないぜ?
今来なくても,夜中過ぎか明日にはきっと返ってくるだろ]
なるほど。
そうか だってもし今日の夜や土曜の夜なんかに送ったら,日曜に間に合わないかもしれなくなるし。
[優 ナイス!]
俺はもう一度だけ紗弥へのメールを真剣に読み返し,送信するのを決めた。
…けどなかなか送信ボタンが押せない。
恋する乙女が好きなやつにメールするときこんな気持ちになるのかな。
心臓が上下して,手が震える。
大変だな,恋するって。
:06/08/17 22:33 :F700iS :vmJ21Yl6
#286 [花◆AV8KevAYKk]
それを見ていた優は,ため息まじりに鼻で笑い,送信ボタンをおさえる俺の指を押した。
[あ!!!!]
俺は驚くより,緊張が込み上げる。
どんどん送信のメーターが上がってく。
[送信〜♪]
ったく,優は…
いい奴 なんだかどうなんだか。
だけど自然出た言葉。
[…ありがとな]
優は俺の顔を見て笑って頷くだけだった。
:06/08/17 22:39 :F700iS :vmJ21Yl6
#287 [寿]
コメントはしなかったけどずっと見てたよ 最近色んな人がコメントとしてくれてるみたいだったし 俺までしたらコメント返すの大変かなって思ったからね どんなことがあっても飽きたりしないよ
:06/08/17 22:43 :P901iS :rQHctSek
#288 [花◆AV8KevAYKk]
俺は携帯の画面を見ていると落ち着かなかったので,閉じてテーブルの中心に置いた。
気を紛らわそうと優と紗弥には関係ない話をはじめるけど,どうも携帯が気になる。
俺はA分ごとくらいにやっぱり携帯に手をのばして,問い合わせをする。
[焦んなよ。
絶対返ってくるって]
優は俺の異様な行動に,その気持ちわかる。って感じに俺をなだめてくれた。
やっぱり誰でもみんな恋する乙女症候群なんだ…
紗弥
今 何してる?
:06/08/17 22:46 :F700iS :vmJ21Yl6
#289 [花◆AV8KevAYKk]
寿サン
心遣いァリガトぅござぃます(ノ⌒`。)
読者様の感想
わ
花の励みの種
デス
どんなに大変
でぁっても必ずぉ返事
しますので,またょかったらたまに感想
さぃ
飽きたりしナイ…
もぅ 充分デス
:06/08/17 22:51 :F700iS :vmJ21Yl6
#290 [花◆AV8KevAYKk]
そう考えるとまたメールを問い合わせてしまいそうだったので,氷が溶けて薄くなったミルクティーをゆっくり啜った。
結局 俺らはミルクティーをA杯目まで頼んで,紗弥からメールが返ってくるのをカフェで待ったが,俺の携帯が光ることはなかった。
優と別れてF時過ぎに家について,風呂に入ったり,飯食ったり,兄貴とじゃれたりしたけど 紗弥からメールはこない。
明日は休みだから余裕だと思って携帯をベッドの横に寄り添わせて待っていたけど,もう夜中の@時。
:06/08/17 22:59 :F700iS :vmJ21Yl6
#291 [花◆AV8KevAYKk]
[紗弥ぁ〜
まだバイトとか,体壊さねぇの???]
携帯に話し掛ける痛い自分がいるけど,もういい。
紗弥からメールが返ってこなきゃ今は何もする気になれないし。
きっとコンビニだと思うけど,メールしたのに,いちいちバイト先まで行って話そうとする勇気はない。そんなことされたら紗弥も困るだろうし。
:06/08/17 23:08 :F700iS :vmJ21Yl6
#292 [花◆AV8KevAYKk]
そんなこんな考えてたら,いつのまにか俺は眠っていた。
電気も音楽もつけっぱなしで,気がついたのは朝方のD時。
空は少しだけ明るい。
重たい体を起こして電気を消す。
音楽はそのまま。
またベッドに入ると,腰のあたりに硬いものを感じた。
携帯……
[あ!紗弥からメールきてるかも]
眠たい気持ちも吹っ飛び急いで携帯を開く。
【受信メール一件】
キタ━━━(゚∀゚)━━━!!
もうテンションはMAX。
恋する乙女どころか,気持ちは電車男。
:06/08/17 23:16 :F700iS :vmJ21Yl6
#293 [花◆AV8KevAYKk]
メールをひらくと,受信したのはB時半。
メールは期待に答えてくれた。
紗弥だ…
【返事遅れてゴメン!今バイト終わったんだ。
日曜 平気だよ。
I時に役場の玄関前で待ち合わせでいい???
きっと達也寝てると思うし,また明日もバイトあるから,返事返せないから勝手に決めちゃった…
都合悪かったらまた一応メールして☆
ほんと夜中にゴメンね。
おやすみ】
もう 全然文句ないっす。
紗弥が決めてくれた方が俺的にもよかった。
紗弥と待ち合わせ…役場か。
町病院はすぐ近くだからな。
:06/08/17 23:31 :F700iS :vmJ21Yl6
#294 [花◆AV8KevAYKk]
携帯を開いたまま俺はまた眠った。
返事は…
明日の今日でいい。
安心したからなのか,ほんとに眠かった事もあったからなのか,すぐに眠れた。
紗弥はもう帰ったよな。
バイトお疲れ様…
おやすみ。紗弥
:06/08/17 23:45 :F700iS :vmJ21Yl6
#295 [花◆AV8KevAYKk]
俺が次に目が覚めたのは,以外にも昼前。
もっと寝るかと思った。
ボケながら,顔を洗い,歯磨きをして 階段をおりてキッチンへ。
母さんがめずらしくいない。そのかわり,居間に菜々子と兄貴が一緒にテレビを見ていた。
[おはよ…母さんは???]腹減ったし。
[おッ!やっと起きたか達也〜
お袋なら,買物行ったよ]
[達兄 起きるの遅すぎだよ。
ご飯ないからね〜?洋兄♪]
菜々子は俺より兄貴(洋人)のほうが好きらしくてやっぱ生意気!
:06/08/17 23:55 :F700iS :vmJ21Yl6
#296 [我輩は匿名である]
あげあげぇ(~v∪v)ノ
:06/08/18 10:06 :W31K :9UJdGZ.A
#297 [花◆AV8KevAYKk]
:06/08/18 10:23 :F700iS :9ksKKyPQ
#298 [花◆AV8KevAYKk]
冷蔵庫から牛乳と,ハム。棚からパンを取り出して,テーブルに座って食べた。
[達也,今日どっか行くのか?]
兄貴に聞かれて,別に今日は何の予定もないことに気付いた。
[行かねえよ,兄貴と菜々子は?]
[菜々子も俺も今日は家にいるよ]
そっか。じゃあ久しぶりに兄弟B人家にいるんだ。
:06/08/18 10:28 :F700iS :9ksKKyPQ
#299 [花◆AV8KevAYKk]
俺は,紗弥と優にメールを送って,部屋に戻った。
【紗弥から夜中に返事がきた。
昨日付き合ってくれてありがとな】
優にはすぐ送信。
【おはよう紗弥。
昨日メールごめんな,バイトお疲れ!
紗弥の決めたので完璧☆役場なら俺家から近いし,病院も近いからな。
じゃあ日曜に。】
B度読み返して,恐る恐る送信。
メール一通送るのに,いちいちこんなにドキドキしてたら気が持たないな。
:06/08/18 10:34 :F700iS :9ksKKyPQ
#300 [花◆AV8KevAYKk]
[はぁ〜…]
紗弥と優に無事にメールを送って安心してまたベッドに倒れた。
昨日から音楽つけっぱなし。
そろそろ変えるか〜。
なんて思ってたらすぐ携帯が鳴った。
たぶん受信は優。
起きてたなんて以外だ。
:06/08/18 10:37 :F700iS :9ksKKyPQ
#301 [花◆AV8KevAYKk]
【よかったな!
で,日曜は決定した?】
優からのメールはいつも直球だし返事が早いから,メール嫌いの俺でも返す気が湧く。
【おう 一緒に紗弥の弟に会ってくるよ。
また月曜詳しく話すな】
さっさとお別れを告げて携帯を閉じた。
今日はすることねぇけど,明日のことを考えると落ち着かない。
ベッドの中で暴れたり,紗弥を考えて自分で自分を抱きしめたりしてみたり。
:06/08/18 23:15 :F700iS :9ksKKyPQ
#302 [花◆AV8KevAYKk]
でも,裕也君に会って俺どうすればいいんだ?
話し相手ぐらいすりゃいいのかな。
紗弥の携帯に貼ってあったプリクラを見るかぎりだと,裕也君は結構おとなしくて ひ弱そう。
俺とは全く逆のタイプ。
弟がいないと,こうゆうときに不便だ,なんてヘリクツをこぼす。
:06/08/18 23:19 :F700iS :9ksKKyPQ
#303 [花◆AV8KevAYKk]
やっぱり考えたって,明日実際に裕也君に会わなきゃ仕方ないと思った。
それから,紗弥からメールの返事はこないとわかりながらも,何度か問い合わせをする自分がいた。
諦めて,紗弥からもらった一緒に撮った写メを見返してニヤつく。
待受にしたい(笑)
:06/08/18 23:22 :F700iS :9ksKKyPQ
#304 [花◆AV8KevAYKk]
結局 土曜は家でヒマを持て余して,いつものように過ごした。
明日が楽しみだと思いながらも,時計が夜中の零時を回ると 既に緊張して心臓が動いた。
明日は,I時に集合だからF時に起きて,余裕で準備をしよう。
目覚ましをしっかり確認して,布団をかぶった。
:06/08/18 23:26 :F700iS :9ksKKyPQ
#305 [花◆AV8KevAYKk]
―ジリジリジリ…
目覚ましの耳障りな音が部屋中に響いた。
俺は嫌がる体を無理矢理起こして窓を開けた。
うん。
天気は快晴!神様っているんだな。
俺は風呂に向かって一直線。
余裕を持って完璧にしてかなきゃ…
なんてったて今日は紗弥と…初デート(?)だし。
裕也君にも俺を期待外れな男だと思わせたくない。
:06/08/18 23:30 :F700iS :9ksKKyPQ
#306 [花◆AV8KevAYKk]
風呂から上がって,短くも長くもないに髪型をセットして金曜に買ったTシャツとお気に入りのデニムにベルトを通すと,俺は力に満ち溢れた。
鏡の前に立って全身を写したら自分がヒーローみたい?に見えた。
時刻はH時前。
あとは朝飯食って,眺めの歯磨きだけだな。
居間に入ると,俺を見た母さんが嬉しそうに話し掛けてきた。
:06/08/18 23:35 :F700iS :9ksKKyPQ
#307 [唯]
:06/08/19 20:36 :N902i :zAyQOUT.
#308 [花◆AV8KevAYKk]
:06/08/19 21:33 :F700iS :y3RjzfcM
#309 [我輩は匿名である]
夜中楽しみにしてます
:06/08/19 21:35 :N901iC :☆☆☆
#310 [花◆AV8KevAYKk]
匿名サン
待っててくださってァリガトぅござぃます
ょしッ
更新するぞォ
:06/08/19 23:15 :F700iS :y3RjzfcM
#311 [花◆AV8KevAYKk]
[達也珍しく早いわね〜
どこか出掛けるの?カッコイイ格好して…]
[まーね。
それより,朝飯すぐ食える?]
早めに飯食って落ち着きたいし,歯磨きしたい。
俺は母さんを急かして,朝飯を久しぶりに兄貴と親父と食べた。
家族との会話って結構いいもんだよな。
紗弥は…こんな団らんしたことないのかな。
:06/08/19 23:19 :F700iS :y3RjzfcM
#312 [花◆AV8KevAYKk]
飯を食べ終わって,すぐ歯を磨いて部屋に戻ってお気に入りの香水をつけた。
いい匂いだけど紗弥の香りには負けるかな。
鏡に昨日買ったキャップをかぶって写ってみる。
完璧…
携帯を開くと,優からメールが入っていた。
【デート頑張れ(^^)ノシ】
自然と俺は緊張からとかれた。
:06/08/19 23:22 :F700iS :y3RjzfcM
#313 [鷹秋]
俺を友情出演させてくれ
:06/08/19 23:24 :P701iD :5dOT69Ag
#314 [花◆AV8KevAYKk]
珍しく,美穂子からはメールも電話も入ってなかった。安心と裏腹に,気になる自分がいた。
時計はH時S分…
余裕をもって歩いていけば,役場にI時ジャストか少し前にはつける。
よし…いくか!
鏡で髪型と全身を細かくチェックして,家を出た。
紗弥にメールする必要はないよな。
やっぱり先についてて,紗弥を待ってた。
みたいな設定のがかっこいいし。
:06/08/19 23:28 :F700iS :y3RjzfcM
#315 [花◆AV8KevAYKk]
鷹秋サン
申し訳ありません
この話は私自身,最後まで細かく構成させてるので,途中から人物を増やすということは話も多少変えなくてならなくなるので少し難しいです
本当に申し訳ありません
:06/08/19 23:32 :F700iS :y3RjzfcM
#316 [花◆AV8KevAYKk]
待ち合わせ場所に近づくほど,やっぱり緊張する。足が硬くなるし,心臓も痛い。
だけど,最近やっと紗弥が俺に慣れてきてくれてるんだ…
俺が積極的にいかなきゃいけない。
やっぱり紗弥を知りたいから,今日も時間があったら話したいな。
時間はI時ジャスト。
役場の玄関には人影…
紗弥は俺より先に来ていた。
:06/08/19 23:35 :F700iS :y3RjzfcM
#317 [花◆AV8KevAYKk]
紗弥の私服姿は,いつも制服を見ているせいか,ヒールを履いているせいか,一段と大人びて見えた。
ダメージデニムを履き熟し,黒いスカルのタンクトップにゴールドの大きなネックレスを纏って,髪型はいつも通り真っ直ぐなロング。
カツカツと靴を鳴らし俺に向かって歩いてきた。
[丁度だね]
そう言って紗弥に見とれている俺を抜かしてさっさと行ってしまった。
[まっ待てよ…]
いかん!つい紗弥に見とれて遅れをとった。
畜生…
紗弥より早く来るつもりだっのに。
:06/08/19 23:39 :F700iS :y3RjzfcM
#318 [花◆AV8KevAYKk]
紗弥は俺に振返り,小さくため息をついた。
[あたしさ,絶対待ち合わせには待ち合わせ時間のI分前には来るの。
だから達也が遅れたわけじゃないから気にしないで。ごめんね]
え?紗弥ってエスパー?
[えッ…ああ。
わかっちゃった???]
俺はキャップをかぶり直したりして,照れを隠した。
[達也はわかりやすい]
紗弥は一言呟くとまたカツカツといつもの早歩きで,歩き出した。
:06/08/19 23:43 :F700iS :y3RjzfcM
#319 [花◆AV8KevAYKk]
でもいくら足が長くて早歩きでも,やっぱり女の子。
俺はすぐ紗弥の横に並んだ。ちょっと優越感♪こんないい女連れて歩いてるんだ。
[何ニヤニヤしてんの?]
[なッ…なんでもないっす!]
やべー。焦った!
だけど何だかこんな会話も嬉しい。
[あっそ。…あ!]
紗弥は何かを思い出したのか,役場からきた道を少し戻った。
[紗弥???忘れ物かよ!?]
:06/08/19 23:50 :F700iS :y3RjzfcM
#320 [花◆AV8KevAYKk]
[違う!あ…そう!]
どっちだよ!?汗
紗弥は小走りで今曲がったばかりの角を戻った。
何だかいい匂いがする。甘い…けど紗弥の香水とは全く違う。
俺も紗弥を追い掛けて角を曲がると,紗弥が立っていた。
小さなケーキ屋の前で。
[裕也はここのケーキが大好きなんだ。
毎回買ってくんだ。
達也が変な顔してるから,忘れちゃってたじゃん!]
紗弥はケーキ屋を指差して笑った。
:06/08/19 23:56 :F700iS :y3RjzfcM
#321 [花◆AV8KevAYKk]
げっ。
俺ってば人のお見舞い行くのに手ぶらだったよ…
昨日服とか買ってる場合じゃなかった。
そう思って暗い顔をしてたら紗弥が俺の手を掴んで店に入った。
甘いバターの匂いが立ち込めた。
[B人で一緒に食べよ!
裕也はショートケーキと焼きプリンと…
あたしもショートケーキ。
達也は???]
紗弥はさっさと店員に注文をしてケーキを選んだ。俺は何だか呆然。
ケーキなんか久しぶりに食べるし,特に好きなケーキなんかない。
[あ…俺は紗弥と一緒でいいよ]
:06/08/20 00:02 :F700iS :hUwWG9uI
#322 [花◆AV8KevAYKk]
そう言った俺を見て,紗弥は一瞬不快そうな顔をしたが
[お姉さん,やっぱりショートケーキはBつね!
それから,ケーキスティックA本,そのままさぃ]
紗弥は嬉しそうにレジに向かって歩いてく。
[あ!紗弥,俺が出す]
そうだよ。
せめて金くらい出さなきゃ。何のためにきてんだかわかんねーし。
でも紗弥は,小さく首を横にふって,俺に向かってピースサインを出して,店員のお姉さんに
[じゃあAで割ってください]
と言った。
:06/08/20 00:07 :F700iS :hUwWG9uI
#323 [花◆AV8KevAYKk]
もうその場の雰囲気は紗弥のペース。
俺は口出しできないまま,店員のお姉さんに言われたとおりの金額を払って,俺はケーキの箱。紗弥は棒みたいなケーキ?を手に持って店を出た。
さっききたところの角を曲がると,紗弥は包みを半分まであけたケーキスティックを俺に差し出した。
[はい!
これちょ〜ウマイよ]
お金のことや俺の不安を気にさせないように,気をつかってくれているのがよくわかった。
だから俺も何も言わずに紗弥の行為に甘えた。
[うん。ちょ〜ウマい!]
そのケーキスティックはドライフルーツやクルミが入っていてほんとにおいしかった。
:06/08/20 00:22 :F700iS :hUwWG9uI
#324 [花◆AV8KevAYKk]
同時に紗弥らしいな,って思った。
[あたしも裕也も甘いもの大好きだからさ〜]
紗弥は嬉しそうに俺を見て話した。
最近,紗弥は「あの目」をしない。
[そうなんだ。
俺も結構好きだよ]
[まじで?以外〜
なんで好きなの???]
紗弥はいつも理由を気にしてなんでなんでと俺に聞くことがあった。
携帯の機能にまでも,なんで?と聞いていた。
:06/08/20 00:26 :F700iS :hUwWG9uI
#325 [花◆AV8KevAYKk]
[またなんでかよ〜!
理由なんかないよ]
…しまった。
案の定,紗弥を見ると不機嫌そうに目を細めて俺を見た。
[出たよ。
達也はいつもそればっかり!]
[う…
じゃあなんで紗弥は甘いのが好きなんだよ?]
俺は紗弥に今までこんな風に聞き返したことはなかったけど,理不尽だったので意地悪そうに紗弥に聞き返した。
:06/08/20 00:29 :F700iS :hUwWG9uI
#326 [花◆AV8KevAYKk]
[え!?あたし?え〜と…]
[やっぱり紗弥だって…]
[うるさい!
裕也が好きだから好きになったんだよ]
紗弥はすごい理由をつけて,一気にケーキを口に放り込んだ。
[理由になってねーよ]
こんな感じでしばらく俺達は笑いあったまま歩いた。
でも,紗弥が何にでも理由を求めるのにもきっと何かわけがあるんだとも心の隅で考えたんだ。
それほど紗弥の「なんで」は異常だった。
:06/08/20 00:34 :F700iS :hUwWG9uI
#327 [花◆AV8KevAYKk]
病院につくと,紗弥は俺に,自分の後ろをついてくるように言った。
俺は言われたとおりに,紗弥の@メートルくらい後ろを歩いた。
エレベーターは使わずに階段を上がっていく。
途中で何人も患者さんとすれ違った。
こんな小さな町病院にも結構人がいるもんなんだな。
B階につくと,紗弥は携帯を取り出して,画面を確認していた。
俺もマナーモードになっているか確認をした。
それから,また俺の手を掴んで奥までずんずんと歩いていく。
:06/08/20 00:52 :F700iS :hUwWG9uI
#328 [我輩は匿名である]
ァケ"-
:06/08/21 21:13 :F902iS :☆☆☆
#329 [我輩は匿名である]
あげ
:06/08/21 21:14 :N901iC :☆☆☆
#330 [花◆AV8KevAYKk]
:06/08/21 21:37 :F700iS :9MSW5YGA
#331 [花◆AV8KevAYKk]
ゃっぱり今カラ更新します
俺は病室の番号を見ながら紗弥に連れられるまま,廊下を歩いた。
先端にほど近い,広そうな個室の前で紗弥は足を止めた。205号室…
名前は【城谷 裕也】
うわ…やべ。
俺なんだか緊張してる。
紗弥を横目で見ると,俺の方を見ていた。
[仲良くしてあげてね]
紗弥が裕也君のことを大切にしてる気持ちが伝わる。
[おッおう。ケーキ,一緒に食べるんだもんな]
:06/08/21 21:51 :F700iS :9MSW5YGA
#332 [花◆AV8KevAYKk]
病室の扉を開けると,柔らかい風が吹いた。
紗弥の甘いかおりが漂う…
いや,部屋中紗弥と同じ匂いがする。
[裕也ぁ〜]
紗弥は広い部屋の片隅にある白いベッドのカーテンを勢いよく開けた。
ベッドの上には水色のパジャマを着た,細くてなんとも華奢な男の子が体を半分だけ起こして,空を見上げていた。
髪は茶色くて,目が丸い。髪がもう少し長かったら女の子に間違いそうだ。
[お姉ちゃん!]
裕也君は紗弥を見て嬉しそうに言った。
:06/08/21 22:01 :F700iS :9MSW5YGA
#333 [花◆AV8KevAYKk]
しかし,その愛らしい顔は紗弥の後ろについていた俺の姿を見て,一瞬だけ顔色を曇らせた。
紗弥はそれに気付いて
[ほら,この前写メで見せた…達也だよ?]
[あッ,初めまして!柿山達也でーす…]
一応俺なりの最大の微笑みをしたつもり。
裕也君は写メを思い出したみたいに,あッという顔をして紗弥と目を合わせて笑った。
そしてすぐ俺に向き直して,白くて綺麗な歯を出して笑ってくれた。
[城谷裕也です!]
:06/08/21 22:07 :F700iS :9MSW5YGA
#334 [花◆AV8KevAYKk]
[ねぇ裕也!うちら一緒に裕也の好きなケーキ買ってきたんだよ〜?
ねッ,達也]
[え!ほんとう?]
裕也君は,可愛い笑顔をより一層にして笑い,ベッドの窓側から椅子をとって並べてくれた。
[ほらッ。俺も一緒に食っていい?]
俺は愛想よく裕也君がとってくれた椅子に座って,ケーキの箱を裕也君に渡した。紗弥もすぐ横に座った。
紗弥は学校の紗弥じゃ考えられなかったくらい,裕也君の前ではよく笑って,よく喋った。
俺もなんだかそれが嬉しかった。
:06/08/21 22:14 :F700iS :9MSW5YGA
#335 [花◆AV8KevAYKk]
紗弥は棚から小皿とフォークを出して,ケーキを取り分けた。
[裕也,今は一個ね。]
[うん!]
裕也君にはガトーショコラ。俺と紗弥は苺のショートケーキ。
だけど箱にはまだケーキが残ってる。一体裕也君に何個買ったんだよ。
B人でケーキを食べていると,なんだか俺も家族の一員みたいになれた。
裕也君はおいしいね,と俺に笑ってくれた。
可愛くていい子だな…
みんなが食べ終わると,紗弥はすぐ使った食器を洗ってくると言って,ついでに花瓶を持って病室を出て行った。
:06/08/21 22:22 :F700iS :9MSW5YGA
#336 [花◆AV8KevAYKk]
…おいおいおいおい!!
A人にされると何話したらいいのかわからねえーよ。
と思っていたら案の定沈黙…
裕也君はさっきみたいに窓の外を見て,まぶしそうにしていた。
[あ…カーテン閉めようか?]
俺が立ち上がって動こうとすると,裕也君は俺の服を掴んで,ゆっくり首を横にふった。
[ありがとう!でも僕,空が好きだからいいんだ]
そう言って笑った顔は,決して紗弥には似ていないんだけど,雰囲気や瞳の奥が紗弥にそっくりだった。
:06/08/21 22:30 :F700iS :9MSW5YGA
#337 [花◆AV8KevAYKk]
そういえば,紗弥とはじめて会ったときも,紗弥は空っていうか,太陽を見上げてたよな。
そんな部分がそっくりってわけか。
それからしばらく,俺の話や裕也君の質問攻めに答えたりして,仲良く話した。
[ねぇ,お姉ちゃんって優しいでしょ?僕,お姉ちゃん大好きなんだ〜!
お兄ちゃんは,お姉ちゃんのこと好き?]
裕也君は何とも純粋で真っ直ぐだった。
Aでこんなこと言うのはきっと裕也君くらいだろうな。
菜々子なんか絶対言わない。
でも,そんな顔されるのはすごく嬉しかったけど,少しだけまたなぜか胸が苦しくなった。
:06/08/21 22:39 :F700iS :9MSW5YGA
#338 [花◆AV8KevAYKk]
[俺も好きだよ,紗弥のこと大好きだよ。]
[ほんとー?やっぱりお姉ちゃんは人気者なんだね]
裕也君は無邪気に笑う。
うん…ほんとに,好きだよ。俺は紗弥が大好きだ。
そんな話を終えたころ,紗弥が部屋に戻ってきた。と,もう一人。
白衣を着た長身の男の人。もちろん一目で医者だとわかった。
:06/08/21 22:45 :F700iS :9MSW5YGA
#339 [花◆AV8KevAYKk]
[あッ,中林先生!こんにちは。
お兄ちゃん,僕の担当のお医者さんだよ]
裕也君は,その中林先生という人に丁寧にあいさつをして,嬉しそうに俺に紹介してくれた。
[はいこんにちは,裕也君。元気だね。
えっとお兄さん…?]
中林先生は細い目を俺に向けて,頭を少し下げた。
[あッ俺は…]
俺が自分のことをはなそうとするとすぐ紗弥が横から口を出した。
[私の同級生です。
裕也に会わせたくて,今日連れてきただけで…]
:06/08/21 22:55 :F700iS :9MSW5YGA
#340 [花◆AV8KevAYKk]
[そうかね。優しそうなお兄さんだね〜
裕也君,紗弥さん]
と言って,顔を緩めた。
[はい!
先生,今日はどうしたんですか?]
紗弥も裕也君と同様,隣で頷いてくれた。
[今日はね,大事なお話があるんだよ]
俺はなんだか中林先生の口調と,紗弥の優しそうだけど,深刻を交えた顔付きを見て,手術の話だと思って,席を外そうとした。
:06/08/21 23:00 :F700iS :9MSW5YGA
#341 [スィミー]
:06/08/22 17:50 :N901iC :☆☆☆
#342 [たけのこ山]
:06/08/22 23:26 :F901iC :Q1XPEe1I
#343 [花◆AV8KevAYKk]
:06/08/22 23:34 :F700iS :MU5SA70Y
#344 [花◆AV8KevAYKk]
でも,紗弥は部屋を出ていこうとした俺の腕を掴んだ。
[いいから…てゆーか,傍にいて]
俺は黙って紗弥に寄り添うように隣に立った。
中林先生は笑顔で話を続ける。
裕也君も紗弥も中林先生を見つめる顔は真剣。
[裕也君はそろそろ入院して長いんだ。
体も前よりは成長してきてるし,手術には耐えれるように思える。]
裕也君は不安げだけど,中林先生から視線を外さない。
心臓がどう悪いかは全く知らないけど,今はいい方向に進んでるんだよな???
:06/08/22 23:40 :F700iS :MU5SA70Y
#345 [花◆AV8KevAYKk]
そして,俺達に気を使ってくれたのか,中林先生は紗弥だけを連れてまた部屋を出ていった。
裕也君はまた空を見上げた。
[僕ね…元気になったらいっぱいやりたいことがあるんだ]
黙り込んでいるかと思ったら,また明るく話を仕出した。
[そっか〜例えば?
俺も一緒にできることある?]
[うん!例えばサッカーとか,遊園地に行くとかさ…
とにかく学校に行きたいんだ〜]
え?いつから裕也君は病気だったんだ?
なんだかだんだんわからなくなってきた。
:06/08/22 23:46 :F700iS :MU5SA70Y
#346 [花◆AV8KevAYKk]
紗弥は中学を長野から転校して来ているのに,弟の裕也君が病気だってことは優は知らなかった。
でも両親が何らかでいなくなったんだから,きっと転校したのはそれと同時ぐらいだろう。
プリクラは古かったけどどう考えても,紗弥は高校生だった…
でも学校に行きたいって?ただ名残惜しんでるだけ???
[裕也君は…いつから入院してるの?]
単刀直入。
裕也君は少しだけ暗い顔をした。紗弥が無表情のときと一緒の…あの目をして。
[小学校のC年生からだよ]
:06/08/22 23:54 :F700iS :MU5SA70Y
#347 [花◆AV8KevAYKk]
ってことは紗弥はその時中@…
たしか転校は中A。
じゃあ裕也君が入院してからしばらくは,両親はまだ亡くなってなかったてことだよな。
[紗弥とプリクラ撮った頃は,動けたんだ?]
[あ!あの時は気分転換だって,お姉ちゃんが…
あとで看護婦さんにすごく怒られたよ]
やっぱり。
あのプリクラの時期にはもうここに入院していたんだ。
紗弥は高校からバイトを始めて学校をサボってた。
両親が亡くなったのは…A,B年前ってことか。
:06/08/22 23:58 :F700iS :MU5SA70Y
#348 [花◆AV8KevAYKk]
いや。俺の馬鹿野郎!
紗弥はただ[両親はいない]としか言っていなかった。
亡くなったとか勝手に俺が決めちゃってるよ。
だけど,だけど何でかわからないけど,その時は直感でそう思ったんだ。
[紗弥の両親は死んだ]
って。
裕也君の話もそっちのけで,俺は自分の勝手な推測にイラついたりした。
何度心の中で余計なことを考えるなと思っても,どうしてもその結果にたどりつく。
どうして…
:06/08/23 00:16 :F700iS :yVQQiEVU
#349 [スィミー]
ぁげぇ
:06/08/23 22:57 :N901iC :☆☆☆
#350 [スィミー]
あげます
:06/08/26 23:49 :N901iC :☆☆☆
#351 [花◆AV8KevAYKk]
:06/08/26 23:58 :F700iS :zxtXzMJY
#352 [スィミー]
楽しみに待ってます
:06/08/27 00:15 :N901iC :☆☆☆
#353 [あちゃ]
上げたい
:06/08/28 18:48 :N901iS :ThZMpCmQ
#354 [☆MIKU☆]
:06/08/28 21:47 :N901iC :zXiwp3Gk
#355 [花◆AV8KevAYKk]
スイミーサン
ぁちゃサン
MIKUサン
ぁりがとぅござぃます
お待たせしました
また頑張ります
文化祭やテストで忙しくて
遅れがちになりますが,見守っていてさぃ
:06/08/28 22:04 :F700iS :RgcItfyE
#356 [花◆AV8KevAYKk]
[あ,お姉チャン!]
俺が驚いて後ろを振り返ると,紗弥が戻って来ていた。
中林先生とは一緒じゃないから,話は済んだみたいだ。
どうなるのか…手術の話って。
[達也,まだ時間ある???]
[余裕!]
紗弥は頷いて,裕也君の隣に座って裕也君を見て微笑みながら言った。
[あのね,裕也…
手術は結構難しくて,長い時間がかかるの。]
裕也君は黙って紗弥を見つめる。
:06/08/28 22:09 :F700iS :RgcItfyE
#357 [花◆AV8KevAYKk]
[で…裕也がいいって言ってくれるなら,中林先生は,早く手術への準備を整えて,完全な状態で望みたいんだって]
裕也君は少し涙目で,毛布をぐっと握っていた。
紗弥はゆっくり,まるで本を読み聞かせるように話し続けた。
[裕也は…平気???
お姉チャンも恐いの。でも,早く裕也とまた外へ出掛けたい。色んな事が裕也としたいの]
裕也君はためていた涙をこぼした。
:06/08/28 22:14 :F700iS :RgcItfyE
#358 [花◆AV8KevAYKk]
[裕也…]
紗弥は裕也君の頭を軽く撫でながら,俺の方を見て,微笑んだ。
あのすげぇ可愛い顔で。
それは自信に満ち溢れた顔だった。
[僕は…恐くないよ]
裕也君は涙を流しながら,真っ赤な目に顔まで真っ赤にして俺達に向かって言った。
[うん。恐くないよね]
紗弥も嬉しそうにそう繰り返した。
:06/08/28 22:19 :F700iS :RgcItfyE
#359 [花◆AV8KevAYKk]
せの二人のやり取りを見て,俺も泣きそうになった。
[でも…お金とかは???
新しい病院に行かなきゃダメなんでしょ?]
裕也君は幼いながら自分達の置かれた現実を,しっかりと紗弥に突き付ける。
[平気よ!こーみえてもあたしは働き者だよ?]
紗弥は俺の腕に自分の腕を絡ませて元気よく跳ねた。
裕也君はそれ以上詮索はしずに,涙を拭いてニコニコ俺達がはしゃぐ姿を見ていた。
:06/08/28 22:26 :F700iS :RgcItfyE
#360 [花◆AV8KevAYKk]
それから俺達は手術の話はやめて,またおしゃべりを続けた。
なんか,家族みたいですげぇ幸せだった。
[じゃあ,明日も来るからね。いい子にしててね]
[また来るね。裕也君]
俺達は裕也君の部屋を綺麗に整頓して,病院を出た。
また来るね…か。
[ねぇ達也…]
[ん〜?]
帰り道は俺の提案で,無理矢理ながらも紗弥を誘って遠回りをして帰ることにした。
:06/08/28 22:30 :F700iS :RgcItfyE
#361 [花◆AV8KevAYKk]
[手術さ…ほんとに,本当に難しいんだって]
紗弥は口を強くしているが,目は今にもこぼれそうに潤んでいる。
[成功するかなぁ…]
裕也君が泣いたときの様に一気に涙をこぼした。
さっきの強気の笑みは,裕也君を丸め込めるのに自信があっただけで,本当は紗弥自信もきっと心では涙を流していたんだろう。
[必ず成功するよ。
俺も願ってるしさ…]
俺は右手で紗弥の手を握って,左手では紗弥の目を擦った。
:06/08/28 22:36 :F700iS :RgcItfyE
#362 [花◆AV8KevAYKk]
ちょうど遠回りしてくるつもりだった公園までは,あと坂道を上るだけ。
日が落ちかけて,生暖かい風が俺達を横切った。
紗弥の目はいつものように硝子みたいで,流す涙も冷たくて,俺も少し震えた。
[ありがとう…]
俺の手を握り返した紗弥は,涙を拭った俺の手に軽くミニキスをしてくれた。
そして俺の手を引いて坂道を駆け上がり,声を出して笑った。
つられるように,紗弥に合わせて俺もわらった。
:06/08/28 22:40 :F700iS :RgcItfyE
#363 [花◆AV8KevAYKk]
俺はそんな紗弥の後ろ姿を見て,好きで好きで仕方ないってこうゆうことを言うんだと本気で思った。
[人を好きだ]
ということに理由がないのも,こうゆうことなんだと思う。
紗弥はきっと一人じゃ生きていけないだろう。
俺だってそうだ。
だから…
俺と紗弥が一生一緒にいればいい。
うん。
それがいい…
:06/08/28 22:53 :F700iS :RgcItfyE
#364 [あちゃ]
やたッ
ホントにこの話スキだから、これからも頑張ってください
:06/08/28 23:29 :N901iS :ThZMpCmQ
#365 [☆MIKU☆]
:06/08/29 00:21 :N901iC :v0MTi01I
#366 [リリー]
:06/08/29 13:11 :P701iD :☆☆☆
#367 [花◆AV8KevAYKk]
:06/08/29 23:02 :F700iS :oGI3eSwE
#368 [花◆AV8KevAYKk]
:06/08/29 23:05 :F700iS :oGI3eSwE
#369 [花◆AV8KevAYKk]
紗弥は坂の上の公園の入口までいくと,追い掛けた俺を振返り,手を出した。
もう涙は消えて,いつもの無表情な紗弥がそこにはいた。
紗弥は何も言わずに手を出したけど,俺にはわかった。
紗弥と手を繋ぎ,夕焼けに照らされたの公園を歩いた。
もうすぐ夏というのにやっぱりまだ少し肌寒い。
田舎の証拠だ。
[紗弥…]
:06/08/29 23:10 :F700iS :oGI3eSwE
#370 [花◆AV8KevAYKk]
[何?]
紗弥は一応目だけ俺のほうを向いた。
[裕也君の手術は,どこまで行かなきゃならないんだ?
あと,お前お金って…]
やっぱり心配だ。
いくらぐらいかかるのかな。やっぱり何百…何千とか!?
紗弥は今までどうり学校へ来ないかもしれないけど,こうして会えなくなるくらい忙しくなるのは決定的だ。
[ん〜…愛知病院だよ。
お金は,実は恐くて先生に詳しく聞けなかった]
紗弥は顔を歪めて頬をかきながら小さく言った。
:06/08/29 23:15 :F700iS :oGI3eSwE
#371 [花◆AV8KevAYKk]
[そっか…
でもさ,やっぱり今以上忙しくなる…よな?]
俺は言葉がギクシャクしてうまく話せない。
[まーね。
でも…テストの日は行くし,また裕也に会いに行かなきゃいけないから]
[っていう日は俺も誘ってくれる???]
つい興奮して紗弥の手を引っ張る。
[たぶんね]
紗弥は欝陶しそうに言った。
けど,軽く口を緩めて笑っていた。
:06/08/29 23:21 :F700iS :oGI3eSwE
#372 [花◆AV8KevAYKk]
やった。紗弥とまた約束交わしたぜ〜!
舞い上がった俺は大変な事情もなんだかうまくいくような気がした。
―紗弥達のこと何も知らなかったからかも知れないけど…
[だけどお金の心配は達也はいちいちしないで]
紗弥はいきなり強い口調になって,俺を黙らせた。
[親からの保険は昔おりてて貯金くらいあるし,今までも一生懸命働いてきた。
それに…]
保険?親の保険って何?
俺が固まっていると,紗弥はしまったという顔をして俯いた。
:06/08/29 23:28 :F700iS :oGI3eSwE
#373 [花◆AV8KevAYKk]
[紗弥,あの…]
さっき考えた,俺の予想がまた頭を掠めた。
[家の親は死んだから。
何か言えなくて,てゆーか言う必要ないし]
やっぱり…
俺の中で紗弥の口調と親の面影,裕也君の瞳までもが何かと重なった。
[何かの事故…?]
紗弥は頷く。
[結構お金は入ったし,あたしも裕也も納得できる年頃だった。
A人で頑張ろうって]
[うん…]
俺は紗弥の手を強く握り,話をただ聞くしかできなかった。
:06/08/29 23:35 :F700iS :oGI3eSwE
#374 [花◆AV8KevAYKk]
そこまで話したところで公園の入口まできた。
紗弥は指で,あたしはこっち とジェスチャーした。俺の家とは逆方向。
[送るよ]
[いいよ。まだ少し明るいし…]
ただ早く帰りたいだけなのかもしれない。
[またメールするから]
そう言って紗弥は俺に背を向けて既に歩き出していた。
[うん。
あ!紗弥!!さっきの「それに」の続きって…]
俺は未練がましく紗弥を止めるが紗弥は止まらない。
:06/08/29 23:41 :F700iS :oGI3eSwE
#375 [花◆AV8KevAYKk]
聞こえてないのかな。
紗弥は振返りも,手も降らずに,帰って行った。
俺も紗弥の帰った道に背を向けて,歩き出した。
結構遠回りしたけど,あの公園は以外と俺の家から近い。
家についたと同時に携帯がなった。
受信は紗弥。
…?
【それに,達也には心配かけたくなかったの!
って言いたかった。】
俺は思わず携帯を抱きしめて声を出して笑った。
紗弥の素直じゃない態度は逆に俺をまた強く紗弥に引き込む。
:06/08/29 23:46 :F700iS :oGI3eSwE
#376 [花◆AV8KevAYKk]
家に入ると,兄貴が丁度出掛けるところだったみたいで,玄関先ですれ違った。
[兄貴,どっか行くの?]
[あ〜ぁ…今日さ,夕飯彼女も一緒に食うから]
[ってことは今から迎えに行くとか?]
[正解♪じゃーな。
あと,表でおかしな声出して笑うなよな〜達也]
げっ!バレてた…ダセぇな俺ってば。
兄貴は機嫌よく家を出て行った。
つーか,一緒に夕飯って…もちろん俺もだよな。
:06/08/30 22:53 :F700iS :rYfyUQ/2
#377 [花◆AV8KevAYKk]
兄貴に彼女がいることは知っていたけど,まだ会ったことない。
少し前に菜々子とお袋は会ったと言って,騒いでたっけ…
なんか緊張する。
兄貴も菜々子も俺と違って綺麗な容姿をしてるし,なんだかイヤだな。
夕飯と聞いて,キッチンを覗くとお袋が一生懸命料理をしていた。
結構兄貴の彼女のこと気に入ってるのかな。
楽しそうに鼻歌なんか歌ったりしてさ。
:06/08/30 23:00 :F700iS :rYfyUQ/2
#378 [我輩は匿名である]
続き書かンの?
:06/09/01 19:43 :SH702iD :K/fh4pr2
#379 [花◆AV8KevAYKk]
匿名サン
前レス見ていただければわかる通り,今大変忙しくて申し訳ないのですが,遅れがちな更新になっています。
でも必ず,最後まで書くので,見守っていただけることをお願いしたいです。
今日の夜更新します。
:06/09/01 20:33 :F700iS :PTuWyS9k
#380 [花◆AV8KevAYKk]
俺はお袋に声はかけずに,二階に上がった。
さっきの兄貴の言葉を思い出して,携帯を開いて紗弥にメールを打った。
【案の定,心配してるよ。口は出さないけど(^^)
でもあまり無理するなよ!また一緒に裕也君とこ行こうな。
じゃあバイト頑張れ!
またな〜】
こんな感じで。
うん,いいかな…
送信ボタンを押した俺はなぜか前みたいに緊張とかしてなくて,すんなりとメールを送れた。
紗弥が心を開いてきてる気がしたからかな。
:06/09/01 22:22 :F700iS :PTuWyS9k
#381 [花◆AV8KevAYKk]
それから適当にスエットに着替えて,ベッドに倒れた。
ゆっくりまぶたが重く閉じる…
眠たいな。
[達也〜!]
あ…誰か呼んでる。
紗弥???
違う 美穂子???
[達也!!!!]
俺の背後から騒がしい音が聞こえて,俺は目を覚ました。
:06/09/01 22:27 :F700iS :PTuWyS9k
#382 [花◆AV8KevAYKk]
誰かが部屋のドアを叩いていた。
[達也!ご飯よ〜]
なんだ…お袋か。
[ああ母さん,今行くよ]
重たくて硬い体を起こして,のろのろと階段をおりた。
リビングからいい匂いが伝わる。
食卓は親父以外そろっていた。
あ…兄貴の隣…
:06/09/01 22:31 :F700iS :PTuWyS9k
#383 [花◆AV8KevAYKk]
[お兄チャン遅いよ!
沙耶華サン待っててくれたんだよ〜]
隣にきた菜々子が俺を軽く抓った。
え?紗弥???
[こんばんは,達也君。
あと…初めましてかな?木村 沙耶華です]
何だ…沙耶華か。
この人が兄貴の彼女なんだ。
セミロングの髪は綺麗なブラウンでパーマをかけたゆるいウェーブ。
花柄のワンピースのうえから白いカーディガンをきて,愛らしい顔をしている。
まさに お嬢様系大学生。
真面目そうで顔立ちのいい兄貴とはよく似合っていた。
:06/09/01 22:39 :F700iS :PTuWyS9k
#384 [花◆AV8KevAYKk]
[初めまして…]
大きな瞳に見つめられて,俺は少し恥ずかしくなった。
こんな格好してるし。
沙耶華サンは,菜々子やお袋と楽しそうに話しながら夕飯を食べて,片付けまでしていってくれた。
兄貴も手伝っていて,流しに立った二人の後ろ姿はまるで新婚夫婦みたいだった。
夕飯の途中に菜々子が
[達兄も美穂子サン呼べばよかったのに]
と,余計なことを言った以外は順調に夕飯を済ませれた。
:06/09/01 22:45 :F700iS :PTuWyS9k
#385 [花◆AV8KevAYKk]
あと,沙耶華サンは俺に
[洋人と似てるね]
って言ってくれた。
俺はその場では迷惑そうな顔をして見せたが,内心はまじ嬉しかった。
兄貴はほんとに器量もいいし,頭もいいから。
お世辞だとしてもなんだか沙耶華サンは信じれた。
ただの自己満かな…
:06/09/01 22:49 :F700iS :PTuWyS9k
#386 [花◆AV8KevAYKk]
お知らせがあります
明日の夜カラ
をSO902iに変更します
ので,混乱
を招かないようにお知らせさせていただきました
今までどうり,花
なので
変わっても疑わないでくださぃ
また明日カラ頑張ります
:06/09/02 18:49 :F700iS :shPU6PsM
#387 [寿]
更新楽しみに待ってます。。。頑張ってな
:06/09/03 00:51 :P901iS :VSZINido
#388 [リリー]
:06/09/03 09:24 :P701iD :☆☆☆
#389 [スィミー]
:06/09/03 19:48 :N901iC :☆☆☆
#390 [花◆AV8KevAYKk]
:06/09/03 22:01 :SO902i :gV7v2V6o
#391 [☆MIKU☆]
:06/09/04 18:45 :N901iC :g0v7pmxs
#392 [リリー]
:06/09/04 20:18 :P701iD :☆☆☆
#393 [スィミー]
あげ(
ゝω・)
花サンのペースでがんばってクダサイ
:06/09/04 20:45 :N901iC :☆☆☆
#394 [花◆AV8KevAYKk]
:06/09/04 21:27 :SO902i :1WReuBEw
#395 [花◆AV8KevAYKk]
兄貴は沙耶華サンを送って行くと言って,家を出ていった。
沙耶華サンは深々とお袋にお礼を言って,菜々子には可愛い花みたいなのがついたキーホルダーを渡していた。
俺も一応玄関さきまで送った。
沙耶華サンは俺にも優しい顔をして笑いかけてくれた。
兄貴と俺はヤッパリ似てないかも。
顔だけじゃなくて,性格なんか,全く違う。
俺は兄貴みたいに沙耶華サンに優しくしてる姿を家族に見せるなんてできないし,素直に笑いあったり出来ない。
紗弥のことは好きだけど。
:06/09/04 21:36 :SO902i :1WReuBEw
#396 [花◆AV8KevAYKk]
沙耶華サンと兄貴を送り出し,自分の部屋に戻った。
携帯を見ると,メールがA件入っていた。
美穂子…
【明日会いたい】
月曜は特に予定がなかったから【いいよ】とだけ返事をした。
もう@件はメルマガ。
紗弥からの返事はなかった。少し寂しかったが,何となく気にならなかった。
:06/09/04 21:43 :SO902i :1WReuBEw
#397 [我輩は匿名である]
:06/09/05 18:00 :SH902i :☆☆☆
#398 [スィミー]
:06/09/06 17:38 :N901iC :☆☆☆
#399 [☆MIKU☆]
:06/09/06 18:50 :N901iC :ZZ4rSLKg
#400 [新]
早く続きが読みたいですZZ
:06/09/10 08:09 :W41T :☆☆☆
#401 [寿]
学校始まっていろいろ大変だと思うから、花さんのペースで頑張ってな
:06/09/10 09:32 :P901iS :vDZSAqTs
#402 [花◆AV8KevAYKk]
:06/09/10 15:16 :SO902i :iguysbck
#403 [リリー]
:06/09/10 16:26 :P701iD :☆☆☆
#404 [我輩は匿名である]
:06/09/10 16:33 :N900i :☆☆☆
#405 [花◆AV8KevAYKk]
リリーサン
匿名サン
お待ちありがとうございます
更新します
:06/09/10 20:45 :SO902i :iguysbck
#406 [スィミー]
花サンがんばれぇ
:06/09/10 20:47 :N901iC :☆☆☆
#407 [花◆AV8KevAYKk]
次の日,いつもどうり学校へ向おうと家を出ると誰かが車庫の前に立っていた。
[おっす!達也〜]
優か。
少しだけ紗弥だと期待をしたけど,紗弥は俺のうち知らないし。
当たり前なことにほっとため息をついて優に返事がわりに手を振った。
[おーす。
お迎えありがと〜優くん]
優より数センチ高い背を下げて優にすりよった。
[気持悪いな。
日曜のことが気になって]
だと思った…
いかにも行動が優らしい。
[だと思った]
俺は笑った。
:06/09/10 20:52 :SO902i :iguysbck
#408 [花◆AV8KevAYKk]
:06/09/10 20:53 :SO902i :iguysbck
#409 [花◆AV8KevAYKk]
俺達は並んで歩き出した。それから,ゆっくり日曜の話を始めた。
予め,優には最後まで黙っていろと言ってから。
[紗弥とは役場で待ち合わせて一緒に病院まで行ったんだ]
俺はだいたいのあらすじを長々と優に聞かせた。
[裕也くんはもうすぐ手術があるから,紗弥は今までどうり学校には来ないってさ。
それから…]
やっぱり,紗弥の両親の話やお金の話はしたらいけないよな。
途中で話をやめた俺を優は問いただしたりはしなかった。
そのかわり…
[つーか,お前気持伝えたわけ???]
出た〜。
直球な質問。
:06/09/10 21:04 :SO902i :iguysbck
#410 [花◆AV8KevAYKk]
紗弥が好きだということは,屋上でそれとなく伝えた。紗弥も俺に心を許してくれてたし…
[裕也くんは…言った]
[お前バカだろ]
優は俺の背中を思いきり叩いて笑った。
だけど,しっかり思いを伝えるのは美穂子と別れてからじゃないと。
[早めにケリつけろ]
優は俺の心を読んで,先に言葉を出した。
何でみんなエスパーの力持ってんだろ。
俺が唖然としていると
[達也はわかりやすいからだよ]
また気持ちを読まれた。
そういえば,紗弥にもおなじこと言われたな…
:06/09/10 21:12 :SO902i :iguysbck
#411 [花◆AV8KevAYKk]
そんなこんな話をしながら歩いていると,何だか早く学校についた。
そういえば今日は美穂子に会わなくちゃいけない。
少し憂鬱な気持ちが漂う。
優は俺を玄関に置き去り,さっさっと階段を上って教室に入った。
教室には結構みんな登校していて,ざわついていた。
[真奈美チャンおはよう♪]
優は本を読んでいた野田さんだけにあいさつをして席についた。
俺も後から一応あいさつをした。
もちろん隣の紗弥の席には誰もいない。
G時過ぎ…そろそろ来るはずなんだけど…
[達也ぁ〜]
キタ………
:06/09/10 21:21 :SO902i :iguysbck
#412 [花◆AV8KevAYKk]
美穂子はいつもの明るい声で俺に走り寄った。
それを見ていた優は軽く鼻で笑った。畜生…
[おはよ〜]
[おす…]
美穂子はやっぱりいつもみたいに紗弥の席に座った。
[もうすぐ夏休みだね。一緒に海行こ〜]
そうだ。もうF月の初旬。夏休みなんかあっという間に来る。
それまでに何とか美穂子とケリをつけなくちゃ…
目の前で笑う美穂子を優しく見つめながら,俺はそんなことを考えた。
最低だな。
:06/09/10 21:28 :SO902i :iguysbck
#413 [花◆AV8KevAYKk]
適当に美穂子の相手をして,早めに自分のクラスに帰らせた。
だって放課後も会わなくちゃいけないんだ。辛すぎる。
ショートを終らせ,ダラダラとする授業が始まった。
俺はもう憂鬱を乗り越えて鬱病状態。
やっとあと@限で昼休みになる…という,B限目終了の休み時間にポケットの中の携帯が震えた。
どうせメルマガ…
違う。
一瞬光った水色のイルミネーションは…
メルマガでもなければ,友達でも家族でもない。そして美穂子でもない。
紗弥だ…
:06/09/10 21:35 :SO902i :iguysbck
#414 [花◆AV8KevAYKk]
まさかと思い,持っていたジュースを優に押し付け,携帯を開いた。
題名:バイト休み
【屋上来ちゃった。達也は今何してる???】
時計を見ると,授業開始A分前。
俺はメールを開いたまま携帯を閉じ,ポケットに突っ込んで教室を飛び出した。
一応振り替えると,優のとぼけた顔と世界史の青山のハゲ頭が目に入った。
[柿山!!!!どこいくんだ!授業始まるぞ]
うるせぇハゲ。
[腹痛でトイレにいます!]
俺は夢中になって第2本館の屋上に向かって走った。
:06/09/10 21:46 :SO902i :iguysbck
#415 [花◆AV8KevAYKk]
階段を一気に駆け上がり,息切れしながらもとにかく屋上を目指した。
紗弥…!!!!
ガシャン。
丁度あと一段で屋上の扉にたどり着くところで,携帯を踊り場に落とした。
[くそっ!]
舌打をして階段を降りると,携帯についたの屋上の鍵だけを見つめていた俺の視界からいきなりそれが消えた。
驚いて顔を上げると,窓からの日が当たって眩しくて目がくらんだ。
[そんなに急いでどこいくの???]
逆光と埃の粒まみれの中に綺麗な白い歯が輝いた。
[紗弥…]
:06/09/10 21:54 :SO902i :iguysbck
#416 [花◆AV8KevAYKk]
[来るとは思ったけど,まさかこんなに早く来るとは思わなかったよ]
紗弥はまだ息切れと目がやられて,フラフラの俺を抜かして階段を上がった。
俺の携帯から屋上の鍵をとり,簡単にドアを開けて屋上に消えた。
俺も呼吸を整えて,紗弥を追った。
先週来たばかりだというのに,屋上の日差しが何故かすごく久しぶりに感じてしまった。
[達也ー]
紗弥は倉庫の裏に姿を隠し,俺を呼んだ。
紗弥の甘い匂いと声に誘われて,俺は倉庫に惹き付けられるみたいに歩いた。
:06/09/10 22:01 :SO902i :iguysbck
#417 [スィミー]
あげ(
・艸・
)
:06/09/11 22:55 :N901iC :☆☆☆
#418 [み〜]
:06/09/12 00:04 :D902i :kgxnEmxk
#419 [花◆AV8KevAYKk]
スイミーサン
あげ
ぁりがどぉござぃます
お待たせしました
み〜
サン
ぁりがとぉござぃます
ガンバります
:06/09/12 19:03 :SO902i :JU5/B/aw
#420 [花◆AV8KevAYKk]
紗弥はいつもの場所に座って空を見上げていた。
無表情で凛々しくて…綺麗な顔。
いつもと何も変わらない。
[バイトなかったんだ]
俺は何となく話をきりだした。
紗弥は頷くだけでまた空を見た。
[裕也にあまり無理しないでって言われたし]
[そっか…
今日来る気だったんなら遅刻してくるなよ]
俺は紗弥を茶化したけど,まるっきり紗弥は無視。
[俺に会いたかった???]
ダメ元の冗談。
…紗弥は空を見つめていた目を少しそらした。
:06/09/12 19:11 :SO902i :JU5/B/aw
#421 [花◆AV8KevAYKk]
[まぁね]
少し間があったが,紗弥は鼻で笑うように俺に小さく言葉を返した。
もう紗弥の虜。
俺は紗弥のすげぇ綺麗で透き通るような頬に軽くキスをした。
それでも紗弥は無視。
ただ空ばっかりみている。
だけど少しだけ紗弥の頬が赤らむのがわかった。
素直じゃないけど紗弥は紗弥だな。
沈黙にそろそろ飽きたような顔で紗弥がいきなり話をし始めたのは,E限目も終ろうとしている頃だった。
:06/09/12 19:20 :SO902i :JU5/B/aw
#422 [新]
続きが……読みたぁいxx
\(≧▽≦)丿
でも主タソのヘペェスヘでガンバってツツ
:06/09/14 07:11 :W41T :☆☆☆
#423 [スィミー]
あげ(●^д^人^д^●)
:06/09/14 16:24 :N901iC :☆☆☆
#424 [花◆AV8KevAYKk]
:06/09/14 18:39 :SO902i :jboDgGIs
#425 [花◆AV8KevAYKk]
そういえば,今日の放課後は美穂子と約束をしていたのを思い出した。
…と思った途端に,携帯が震えた。
嫌な予感がする…
その予感は当たり前のように当たった。
相手はもちろん美穂子だ。
鬱陶しく手の上で震え続ける携帯を見て,深いため息をついた。
紗弥に[出ないの???]と促されて,俺は仕方なく渋々と携帯の受話ボタンを押した。
[はい…]
:06/09/14 22:57 :SO902i :jboDgGIs
#426 [リリー]
:06/09/14 23:15 :P701iD :☆☆☆
#427 [みなみ]
:06/09/16 10:02 :SH700i :uWXoh9YU
#428 [ゅぃ]
:06/09/16 13:26 :N902i :Ibq.v0f.
#429 [我輩は匿名である]
:06/09/16 13:53 :N902i :Ibq.v0f.
#430 [千鶴]
あげます
:06/09/19 00:47 :N901iC :Pb1RuKxs
#431 [我輩は匿名である]
:06/09/19 06:02 :P901iS :gTkkCQUc
#432 [リリー]
:06/09/19 20:39 :P701iD :☆☆☆
#433 [☆MIKU☆]
:06/09/19 21:09 :N901iC :OYQYezQ2
#434 [我輩は匿名である]
:06/09/22 18:43 :P902iS :☆☆☆
#435 []
頑張って
:06/09/26 00:11 :N901iS :rn6sF/UU
#436 [花◆AV8KevAYKk]
みなさま…
本当にご感想や励まし
ぁりがとうございます
今 テスト期間でそのあと修学旅行や短期留学…
と,花は小説を毎日更新できない状態がまた何週間か続いてしまいます
ですが妥協
はしません
少しづつでも力を注ぎますので
大変申し訳ありませんが,今暫くお待ち願います
そして,励ましをくれたみなさま
愛しています
:06/09/26 03:45 :SO902i :AiEKBtO6
#437 [☆MIKU☆]
:06/09/26 17:41 :N901iC :yAENoY6A
#438 [リリー]
:06/09/29 12:35 :P701iD :☆☆☆
#439 [☆MIKU☆]
:06/09/29 13:33 :N901iC :KLMSqNFc
#440 [我輩は匿名である]
:06/09/30 00:58 :N902i :sROxTpF.
#441 [花◆AV8KevAYKk]
本当にみなさまぁりがとうござぃます
:06/09/30 11:41 :SO902i :AOYu/.f.
#442 [花◆AV8KevAYKk]
[達也〜??
どこにいんの…???]
[悪い。
今日はやっぱり会えなくなったから…]
一瞬にして携帯の向こうの空気が凍りついたように静かになった。
その時,紗弥は俺たちの会話を聞いたらしく,立ち上がった。
そのまま何も言わずに出口に向かって歩く。
[…紗弥!!!!]
呼び止めた俺の声。
もちろん通話はしたまま…
紗弥は止まったが同時に電話も切れた。
:06/09/30 11:48 :SO902i :AOYu/.f.
#443 [花◆AV8KevAYKk]
しまった…
明らかに俺は[紗弥]と叫んだ。
聞こえていた証拠に美穂子は電話を切ったんだ。
どうしよう…
俺って最低。
[バカだね…]
紗弥はいつのまにかまた俺の横に座って悲しそうな顔をした。
その顔は今にも泣き出しそうで,ほんのり顔が赤い。
[だって俺…紗弥っ]
紗弥の香りが一層濃くなって目の前が霞んだ。
口が熱く,心臓が高鳴る。
俺は一心に紗弥を抱き締めて唇を求めた。
唇が一瞬離れるたびに何でも呟いた。
[好きだ]
:06/09/30 11:56 :SO902i :AOYu/.f.
#444 [花◆AV8KevAYKk]
もう後悔なんかなかった。
美穂子を考えている余裕なんかない。
紗弥への想いはもう抑え切れないくらいになって俺を狂わせた。
紗弥も何も言わずに,俺を抱きかえしてキスをする。
何もいらない…
今はもう,紗弥とこうしていられればいいから。
紗弥の長い髪に触れながら,俺は何度も思ったんだ。
もっと早く…
紗弥に出会っていたかったって。
:06/09/30 12:02 :SO902i :AOYu/.f.
#445 [あ〜ちァん]
:06/09/30 14:11 :F702iD :HobFmHEA
#446 [姉]
楽しみに読んでます
紗弥と達也結ばれてほしぃな
そしてラブ
になって欲しいなぁ
:06/09/30 14:23 :N902i :1eFAMt8s
#447 [☆MIKU☆]
:06/09/30 18:18 :N901iC :tzpWMZCY
#448 [我輩は匿名である]
:06/09/30 19:15 :P902i :Wzo5bN5E
#449 [リリー]
花さん
更新ありがとうございます
なんか…良いですね
笑
読んでてすごく感情移入しちゃいました
本当この小説好きです
頑張ってください
:06/09/30 23:03 :P701iD :☆☆☆
#450 [☆MIKU☆]
:06/10/02 17:08 :N901iC :r8mzWo6Y
#451 [☆MIKU☆]
:06/10/04 00:58 :N901iC :bXrYZxx.
#452 [☆MIKU☆]
:06/10/04 20:48 :N901iC :bXrYZxx.
#453 [ゅりん]
:06/10/04 21:38 :P901iS :d7ehk8mI
#454 [リリー]
:06/10/05 01:12 :P701iD :☆☆☆
#455 [リリー]
:06/10/05 14:56 :P701iD :☆☆☆
#456 [リリー]
またまた,あげぇ
:06/10/05 21:20 :P701iD :☆☆☆
#457 [☆MIKU☆]
:06/10/06 01:17 :N901iC :d2ZMrJfE
#458 [リリー]
寝れないから深夜にのぞいちゃいました* ̄0 ̄)ノ
あげますぅ
:06/10/08 02:42 :P701iD :☆☆☆
#459 [花◆AV8KevAYKk]
いつもぁげ
てくださる皆様
とても感謝しています
頑張ります
:06/10/08 09:54 :SO902i :upLnr4jE
#460 [花◆AV8KevAYKk]
日も暮れはじめて,校舎は静かになっていた。
微かに聞こえる笑い声や部活の声…
俺達は黙って夕日を見ていた。
紗邪はまだガラスみたいな目をしていたけど,俺は夕日の暖かさにまかせて,何も話しかけなかった。
何分か座ったままでいたけど,紗邪はいきなり立ち上がって俺の手をとっ出口へとて歩き出した。
:06/10/08 09:58 :SO902i :upLnr4jE
#461 [花◆AV8KevAYKk]
[紗…邪…?]
[…見たい]
呟くように紗邪が何かを言った。
あまりに小さい声を俺は上手く聞き取れなくて,紗邪の顔を見つめた。
紗邪は屋上から一点を見つめてもう一度小さく呟いた。
[教室が見たい]
紗邪の視線の先には,第一本館の俺等の教室があった。
[行こう]
俺は紗邪の頭をなでて,早歩きで屋上を出た。
:06/10/08 10:03 :SO902i :upLnr4jE
#462 [花◆AV8KevAYKk]
階段を一段づつ降りるたび,二人の足音が響いた。
途中,何人かの生徒とすれ違ったけど,俺は紗弥の手をはなさなかった。
紗弥も気に止めていないようで,目がちらちら合うたびに小さく微笑んでくれた。
[何か…急に学校での自分の存在を確かめたくなったの]
並んで渡り廊下を歩きながら紗弥は独り言みたいにはなした。
[紗弥の席はまだ俺のとなりだよ]
:06/10/08 10:08 :SO902i :upLnr4jE
#463 [花◆AV8KevAYKk]
また階段を上がって俺たちは教室を目指した。
何人かまだ生徒は残っていて,他のクラスからも声が聞こえる。
C組の前を通った時,中を少しだけ横目でのぞいたけど,誰もいなくて電気もついていなかった。
美穂子は…帰っただろう。
安心なのか,不安なのかわからない,おかしな気持ちが俺の心を煩わせた。
:06/10/08 10:12 :SO902i :upLnr4jE
#464 [花◆AV8KevAYKk]
俺達の教室に着くと,教室から声が聞こえた。
高い大きな声。女子???
A,B人いるみたいで,みんなで騒いでる。
俺は紗弥と繋ぐ手を思わず離し,ドアを開けるのをためらっていると,紗弥は首を傾げて,教室のドアを開けようとした。
―その時
[あーもう別れよっかな]
今の美穂子…?
いつもの美穂子の声だけど,どこか違い,憎たらしい声をしている。
でも確かに…この声は美穂子。
:06/10/08 10:25 :SO902i :upLnr4jE
#465 [花◆AV8KevAYKk]
紗弥はドアを開けようとした手を止めて,ガラス張りから教室の中を背伸びで静かに覗いた。
美穂子を確認したのか,離していた俺の手を握り返し,ドアの向こう側を見透かすように見つめていた。
[え〜?
だって真奈美から盗ったばっかなんでしょ???
早いよくねー!?]
友達らしい誰かが言った。真奈美…?とった???
紗弥は黙って美穂子達の話を聞いている。
:06/10/08 10:29 :SO902i :upLnr4jE
#466 [花◆AV8KevAYKk]
[だって,何か城谷だっけ?あいつの事気になっるらしくて〜うざい。
あんたなんかただの遊びだっての!!
真奈美が好きだって言ってたし,まぁまぁ顔がいいと思って盗ったんだけど。
この前なんて,あたしのことフろうとしてんの!何様だよ!!!!]
全員が吹き出して笑っている。
俺は頭の中真っ白。
美穂子達はしゃべるのをやめない。
:06/10/08 10:32 :SO902i :upLnr4jE
#467 [花◆AV8KevAYKk]
[ね,ね!誰かD組の山田春香の好きな奴知らない???
あいつ気に入らないんだよね〜!
自分ぜってー可愛いとか思ってるってし]
美穂子は意地悪そうに笑う。
[また好きな奴盗るの???
美穂子も飽きないね!
まぁ美穂子ならイケると思うけどさ〜]
教室が大爆笑の中,俺は廊下に立ち尽くしていた。
でも…
―ガラッ
いきなり教室のドアが開いて,美穂子達の視線が一挙に俺達に集中した。
:06/10/08 10:36 :SO902i :upLnr4jE
#468 [花◆AV8KevAYKk]
開けたのは紗弥…
紗弥は黙ったまま俺の手を引いて美穂子達にどんどん近づく。
美穂子達は呆然として黙り込んでいる。
[紗弥…!]
俺は早くこの場から消えたいのに,紗弥はそれを許さない。
紗弥の手から汗を感じる。俺なのか,紗弥なのかはっきりしないけど,わかることは お互い緊張しているということ。
俺らを見て,まずいと思ったのか,美穂子の友達は美穂子を残してさっさっと教室から逃げ出した。
:06/10/08 10:39 :SO902i :upLnr4jE
#469 [花◆AV8KevAYKk]
[ちょっと!!]
美穂子は言葉を投げ掛けるけど,それも届かない。
紗弥は美穂子の友達を嫌そうに見送り,美穂子の前にに向き直した。
[あんた…どうゆうつもり???]
[違う。違うの達也…]
美穂子は紗弥の質問を無視して紗弥を避けるように俺に擦り寄った。
紗弥はため息をついて,俺と美穂子の間に割込み,強い口調で一言言うと,思い切り平手を振り上げた。
[人を馬鹿にしないで]
:06/10/08 10:43 :SO902i :upLnr4jE
#470 [花◆AV8KevAYKk]
―バシッと鋭くて痛々しい音が教室に響く。
紗弥の平手は俺の頬にクリーンヒット。
俺は美穂子の前に反射的に立っていた。
[[達也…]]
紗弥と美穂子は声を重ねて俺を呼んだ。
:06/10/08 11:31 :SO902i :upLnr4jE
#471 [☆MIKU☆]
:06/10/08 16:50 :N901iC :ogfMUjIg
#472 [我輩は匿名である]
:06/10/08 18:04 :N902i :TjUBc.ig
#473 [タコ焼き~(笑)]
気になるやん♪♭ほな頑張ってなぁxx
:06/10/08 18:05 :W31K :MzH1cZrs
#474 [我輩は匿名である]
:06/10/08 19:08 :P902i :2RL0pvBY
#475 [美穂]
:06/10/08 19:17 :N901iC :☆☆☆
#476 [花◆AV8KevAYKk]
皆様〜
こんなに読者の方が沢山ぃてくださるなんて
花ゎ幸せ
です
:06/10/08 19:52 :SO902i :upLnr4jE
#477 [花◆AV8KevAYKk]
[達也…やっぱりあたしは達也じゃないと…]
美穂子は俺に抱き付いて泣き始めた。
紗弥は俺達の様子を見て,手を拳にして震えていた。
[勘違いするな。
俺はお前を守りたかったんじゃない。
紗弥を汚したくなかったんだ。
帰れよ…]
俺は美穂子の腕を振払い,震える紗弥の拳を両手で覆った。
美穂子はぴたりと泣くのを止めて,悔しそうに舌打ちをして教室を走って出て行った。
:06/10/08 19:54 :SO902i :upLnr4jE
#478 [花◆AV8KevAYKk]
[達也…]
紗弥は泣き出してしまって,俺はもう慌てるだけ。
[泣くなよ,紗弥〜]
[だって…
痛かったでしょ?
ごめん…ごめんなさい]
紗弥の目からはとめどなく涙が溢れる。
俺はそれを一粒も無駄にすることのないように,一生懸命綺麗にシャツの裾で拭った。
そんなことをしながら,今幸せで仕方ない気持ちを紗弥に伝えたかったと思ったし,キスもしたかった。
でも…やっぱり紗弥はエスパーなのかな。
甘い香りを漂わせて俺の頬に何度もキスしてくれた。
:06/10/08 20:04 :SO902i :upLnr4jE
#479 [たけのこ山]
:06/10/08 20:06 :F902iS :/B2z.EyI
#480 [☆MIKU☆]
:06/10/10 03:00 :N901iC :pahdHDbQ
#481 [リリー]
すごくたくさん更新されてて嬉しかったです
やっぱこの小説大好きです(
*'v'*q)
これからが楽しみです
頑張ってください
:06/10/11 14:26 :P701iD :☆☆☆
#482 [我輩は匿名である]
:06/10/11 19:17 :SH700i :guLLWuUg
#483 [ゆい]
:06/10/12 00:55 :W32H :Rp24GIx.
#484 [ぷりん]
マジすごぃイィぉ話ですね
初めて読んだのですが、ハマりました
続き楽しみにしてます
:06/10/12 02:46 :N901iS :c9n.ok7o
#485 [ゆリこ]
:06/10/13 13:09 :SH902iS :sCWfkNmY
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