砂糖が甘い理由
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#153 [花]
学校に着くまでの道のりで近所の人やすれ違う人にも挨拶をした。
時間が早いせいか,やっぱり生徒はまだ数えれるほどしか登校してない。でも俺はそんなことお構いなし♪
頭は城谷でいっぱいだった。
教室に入ると,オタク系の中西と美化委員の野田サンがいた。
野田サンは俺に気付くと,
[おはよう,柿山クン今日早いね]
って言ってくれた。
でも中西は俺なんかシカト。つーか寝てる。
[おはよう!!野田サンこそ毎日大変だな]
きっと野田サンは毎日この時間にきて,花に水あげたり机ふいたりしてたんだろう。
なんだか俺は野田サンと花たちを見て上機嫌に増して有頂天。
:06/07/31 07:25 :F700iS :K7/IgtS.
#154 [花]
[そういえば…柿山クンって美穂子と付き合ってるんだよね]
野田サンがいきなり俺に最も答えたくない質問をしてきた。
[あっあぁ…まぁね
なんで???]
まさか城谷とのコトが好きだってバレてるのかと思って声が裏返る。
[ううん…なんでもない!仲良くやってね]
野田サンは少し様子がおかしかったけど,明るく笑ってまた花の世話をし始めた。
とにかく俺はバレてなかったコトに一安心。
そしていつのまにか,時刻はG時半過ぎ。
クラスの奴ほとんどが登校してた。
優は…たぶん今日も寝坊で遅刻だろう。
:06/07/31 07:34 :F700iS :K7/IgtS.
#155 [花]
俺はいつもより早起きしたせいか,@限目から爆睡。話し相手の優がいないわけもある。
珍しく美穂子は俺のクラスに顔を出さなかった。
[あー暇]
あくびをしながら時間割を見る。
俺ってやっぱりバカ。
早起きして早く学校に来ても,城谷に会えるのは午後から。
今更気付いて,さらにやる気ダウン。
誰もいない隣を見る。
城谷が座ってる様子を思い浮かべながら…
そして,@限が終わる頃やっと 優が登校して来た。
:06/08/01 09:04 :F700iS :v3uyuBOs
#156 [花]
[優!!!!おっせーよ]
俺が優に叫んだ…と同時に授業終了のチャイムが鳴った。
優に対して俺だけじゃなくて先生も激怒。優は鞄を置いてすぐ職員室に連行された。
優はいつもの調子のよさで先生と無邪気に討論していた。
そして教室を出るとき俺に振返り,ウインクをした。
[気持ち悪ッ…(笑)]
きっと戻ってくるのはA限目の後だろう。
:06/08/01 09:10 :F700iS :v3uyuBOs
#157 [花]
それから寝たり聞いたりしながら過ごして,やっと午前の授業が終わった。遅刻してきたくせに,なぜか優はB限目からずっと寝てる。
[優!…優 起きろ]
俺は今から城谷に会うコトを話そうと思って,優を揺すった。
[何だよ〜]
優は機嫌悪そうに机に伏せたまま返事だけした。
[あのな,頼むから寝ぼけず聞けよ!
俺 今から城谷に会う。だから美穂…!?]
途中まで言いかけるといきなり優は起き上がり,寝ぼけず目を輝かせながら
[美穂子チャンなら俺に任せとけ]
と言って,俺をドアの方に向き直らせて俺の背中を押した。
:06/08/01 10:17 :F700iS :v3uyuBOs
#158 [花]
優に
[頼んだぞ!!!!]
と念入りに言い聞かせて美穂子が来る前に教室を出た。
天気予報は当たり,空は高く 青く 初めて城谷に会った日のように,太陽が暖かく照らしていた。
第二本館の階段は埃っぽくて汚かったけど,舞い上がる埃が日に照らされて光り,微妙に綺麗に見えた。
屋上のドアにつくと,俺は焦っているせいか,緊張しているせいか 手が震えて携帯を落としてしまった。
ストラップと鍵のぶつかるジャラッと鈍い音が館内に響いた。
:06/08/01 10:26 :F700iS :v3uyuBOs
#159 [花]
俺は携帯を拾い,ため息交じりの不器用な深呼吸をしてから 鍵をドアにさした。
ガチャンと鍵のあいた音がすると,ますます手が震えて重たい扉を開けない。もう一度深呼吸をして扉を開けようとしたとき…
向こう側から勢いよく扉が開いた。
[いてー!!!!]
俺の額と鼻に扉がぶつかって,俺は床に座り込んだ。
向こう側から扉を開けたのは…
[ごめん!達也大丈夫??]
城谷だ。
:06/08/01 10:50 :F700iS :v3uyuBOs
#160 [花]
俺はぼけっと頷いて城谷を見上げる。
城谷はゆっくりと俺に手を差しのべてくれた。
硬直して動けない…
[立たないの?]
城谷が手を引っ込めようとしたので,俺は急いで城谷の手を掴んで立ち上がった。
城谷の長く細い指先から手の甲は柔らかくて 温かかった。
[ありがとう]
そう言って 俺達は屋上に出て,城谷はドアの鍵を締めた。
:06/08/01 11:54 :F700iS :v3uyuBOs
#161 [花]
城谷は俺から手を簡単に解いて,いつもの倉庫の影に消えた。
俺はドアの前に少しの間立ち尽くしたまま手を見つめ,城谷を追った。
城谷は無表情で座って俺を待っていた。
俺もゆっくり城谷の隣に座った。甘い 心地いい匂いがする。久しぶりに城谷をしっかり感じた気がした。
[久しぶり…かな]
俺は沈黙がイヤだったので何気なく会話を始めるように試みた。
:06/08/01 12:01 :F700iS :v3uyuBOs
#162 [花]
[ん〜?そうだね]
城谷はやっぱり綺麗。
今日も顔色を乱さずに笑ったりしない。
[そういえば,何で城谷って屋上の鍵持ってんの???俺は去年の先輩からもらったんだけど!]
前から気になっていたコトを聞いてみた。
城谷は俺より先に屋上の鍵を手に入れてるはずだし…
[盗った]
城谷は短く言った。
[へぇ〜…ッて,え!?ダメじゃん。誰から盗ったんだよ]
[職員室から]
淡々と話す城谷には俺みたいに緊張している様子はまったくない。
:06/08/01 12:21 :F700iS :v3uyuBOs
#163 [花]
[ははっ!城谷以外に悪なんだな]
俺は笑って横目で城谷を見るけど,城谷は真っ直ぐ冊の先にある林を見てるだけ。
…目合わしたいな。
[だって床に落ちてたから。
サボったりするのに便利だと思って。達也だって人のこと言えないよ?]
城谷は自分の指を絡ませて,おとなしく喋る。
それから しばらく沈黙が続いた。
気まずいな〜なんて思ってたら
[あ。そうだ]
城谷が呟いた。
:06/08/01 22:25 :F700iS :v3uyuBOs
#164 [花]
[何!?どうした???]
俺は,城谷の話が聞きたくて身を城谷に近づける。城谷の匂いがする。
[…あたし…携帯買ったよ]
照れ臭そうに城谷は言った。
近づいた俺から背いて,俯く。
もしかして俺のため?
俺が連絡先聞いたから?
俺の勝手な妄想が広がる。そんなことより嬉しい!しかも照れる城谷が一層俺を嬉しくさせる。
[じゃあ…アドも番号も教えてくれるのか?]
:06/08/01 22:33 :F700iS :v3uyuBOs
#165 [花]
俺が問い掛けると,城谷はいつものように何も言わずに黙って頷いて鞄をあさりだした。
[でも…全く使い方がわかんないんだ。
だから…その,達也が…]
[俺が城谷の携帯借りて登録すればいいんだよな?]
俺は笑顔で皮肉っぽく城谷をのぞき込んで言った。
城谷は少し欝陶しそうにまた頷いて
[ついでに使い方教えてよ]
俺の返事は勿論…
[もちろん!](笑)
:06/08/01 22:40 :F700iS :v3uyuBOs
#166 [花]
鞄から取り出して渡された城谷の携帯は
今時の女の子みたいにシールやキラキラした石で埋め尽くされたりしてなくて,真っ白でコンパクトでまさにThe 大人!!!!みたいな感じ。
でも裏側に二枚だけプリクラが貼ってあった
[へぇ〜 城谷もプリクラとか撮るんだな!!]
俺も撮ったことあるけど,美穂子と優とか男友達と遊びで撮るくらいだ。
[あたしだって友達と遊ぶときくらいあるよ]
城谷は無表情で答える。
一枚は,城谷とおなじくらい可愛い子二人と一緒だ。でもうちの制服じゃないから,他校だろう。
☆ぅちら最強に仲良し☆なんて落書きしてある。
城谷は,真ん中で友達二人にしっかり挟まれて,すげぇ幸せそうな笑顔で笑ってた。
:06/08/01 22:46 :F700iS :v3uyuBOs
#167 [花]
[城谷が笑ってる!!
このプリクラ俺にちょうだい]
ただ可愛かったから欲しかったんじゃない。
城谷でも笑うってこと,友達がいるってことがなんだか俺は嬉しくて…安心もしたから。
城谷は無表情な顔を少し苦い顔に歪めて
[ヤダよ]
と言って,携帯を俺から取ろうとした。
[まだもう一枚見てないし♪登録するんだろ?]
俺は城谷の手を軽く交わした。
:06/08/01 22:47 :F700iS :v3uyuBOs
#168 [花]
:06/08/01 22:58 :F700iS :v3uyuBOs
#169 [花]
:06/08/01 23:11 :SH902i :NPKjQgds
#170 [花]
ぁ-
花サンだぁ
ァリガトぅござぃます
ょかったら
感想
さぃネ
:06/08/01 23:15 :F700iS :v3uyuBOs
#171 [寿]
お疲れ様です すごい楽しかった また頑張ってな
:06/08/01 23:16 :P901iS :eUDAVmC2
#172 [花]
寿サン
毎回ァリガトゥ
なんか何度も
感想
もらぇて
すごぃ嬉しい
ずっと読んで
くれてるんだぁ
ッて
感動します
:06/08/01 23:20 :F700iS :v3uyuBOs
#173 [寿]
これからもずっと読むよ だって俺ん中のNO.1小説だから
:06/08/01 23:26 :P901iS :eUDAVmC2
#174 [花]
:06/08/01 23:26 :SH902i :NPKjQgds
#175 [花]
花サン
わぁ- ァリガト
頑張りますネ
美穂子と達也は…
これから
楽しみにしてて
さぃ
寿サン
g@
メッチャ 嬉しぃ
です
何かやる気になった
また今から
少-しだけ
書きます
:06/08/01 23:29 :F700iS :v3uyuBOs
#176 [花]
もう一枚は結構 機械が古くて,写ってるのは…男!?
焦げ茶の髪と大きな目をした可愛いげのある男と,隣で優しく微笑む城谷が写っていた。
落書きはハートのスタンプが無造作にしてあるだけで,文字は書かれてない。
[まさか…彼氏???なんかじゃないよな!!??]
俺は城谷の目を真っ直ぐ見て聞いた。
今日初めて目が合った。
城谷は驚いたように,俺を見て
[バカ,それが裕也だよ。
可愛いでしょ]
と言って笑った。
そう,城谷が笑ったんだ。
:06/08/01 23:36 :F700iS :v3uyuBOs
#177 [花]
始めて俺の前で城谷が笑顔になった瞬間だった。
城谷の笑顔は見たいと願い続けてたこと。嬉しさで胸がいっぱいになる。
だって,すげー可愛いんだ。
ほんと,世界一ってくらい可愛いんだ。
[城谷が笑った…]
そう呟くと,それを聞いた城谷ははにかんだ様子を見せて,俯きながら顔を赤らめて言った。
[達也は…楽しい。
…達也といると,楽しい]
:06/08/01 23:40 :F700iS :v3uyuBOs
#178 [花]
それを聞いた俺は,もう城谷を抱きしめずにはいられなかった。
片手に城谷の携帯を握ったまま,隣にいる城谷を両手で力いっぱい自分の腕の中に押し込んだ。
二度目の城谷の感触…
甘い匂いと 城谷のサラサラの髪 息遣いが聞こえる。
城谷は一度目みたいに暴れたりしずに,俺の腕の中で黙っていた。
…気のせいかな。
城谷が[達也]って呟いた気がしたけど。
城谷の髪を撫でて,力をもう一度込めると,城谷も俺の背中に手を回して軽くシャツを掴んだ。
:06/08/01 23:49 :F700iS :v3uyuBOs
#179 [花]
俺達はお互い黙ったまま何秒かの間抱き合っていた。
俺が城谷を離そうとすると,城谷はほんと聞き取れないくらい小さな声で
[必ず連絡して…]
と言った。
俺は強く頷いて城谷から腕を解いた。
:06/08/01 23:54 :F700iS :v3uyuBOs
#180 [我輩は匿名である]
うはーついに笑ったww
:06/08/02 00:22 :F901iC :☆☆☆
#181 [花]
匿名サン
そ-なンですょ
これから紗弥がたくさん出ま-す
そして
つぃに弟・裕也が…
これからも
ょろしくお願いします
:06/08/02 09:05 :F700iS :x0QNdQWM
#182 [新]
この小説すごく大好きです
主さん頑張ってください
:06/08/02 14:37 :W41T :☆☆☆
#183 [花]
:06/08/02 15:58 :F700iS :x0QNdQWM
#184 [花]
俺は城谷を離して,また横に向き直して一息ついた。
そして落ち着きを取り戻そうとすると自分の顔が熱くて赤くなっているんじゃないかと思って城谷を見れなかった。
城谷を横目で見下ろすと,城谷は俯き加減で黙って指を絡め弄んでいる。
[明日からまたバイト???]俺が沈黙を破る。
城谷は頷くだけ。
[今週末に裕也クンに会いたいんだけど…
城谷空いてる?]
俺は裕也クンのプリクラを再度見つめた後,城谷の携帯を開いて勝手にボタン操作音を消す設定をしながら聞いた。
:06/08/03 22:50 :F700iS :3z8jcOXg
#185 [花]
[…午前中なら空いてる]
城谷は小さい声で言った。
俺はその返事だけで,一緒に裕也クンに会いに行ってくれるのだと確信して,城谷の頭を撫でた。
髪が指の間にするりと流れる。
城谷はそのまま俺の肩にもたれかかった。
:06/08/03 22:57 :F700iS :3z8jcOXg
#186 [かな]
:06/08/05 00:00 :P902i :wJcXJxsQ
#187 [花]
かなサン
ぁげ
ァリガトぅござぃます
最近 部活ゃバイトで更新してなくて
申し訳ナイです
これカラも
応援
お願いします
:06/08/05 13:13 :F700iS :0zSK32/g
#188 [みなみ]
:06/08/05 15:23 :SH700i :Ce647zVY
#189 [ioN]
:06/08/05 17:58 :P902i :☆☆☆
#190 [我輩は匿名である]
:06/08/05 18:18 :N901iC :☆☆☆
#191 [花]
:06/08/07 19:49 :F700iS :9FVKnRAQ
#192 [花]
少しの間俺も黙っていた。城谷の頭は軽くて,もたれているフワフワとした感触が嬉しかった。
それから俺から口を開いた。
[裕也クンが入院してるのって,町病院だったよな。
…病状ってどうなの?]
城谷は何も答えなかった。まずい…俺ヤバイこと聞いたちゃったかな。
:06/08/07 19:56 :F700iS :9FVKnRAQ
#193 [花]
俺が何も言えないでいると,しばらくして城谷が俺を覗き込んで言った。
[達也,あたしのアドと番号登録できたの?]
[あ!早くやらなきゃな]
俺は沈黙を何とかするのに集中していて,城谷の携帯を開いたまま手に握っていた。
[なぁ〜…城谷]
俺は話しながら自分の携帯を取り出して城谷の携帯と向き合わせて,赤外線を繋ぐ。
[何?]
城谷は俺の行動を不思議そうに見つめながら返事をする。
[紗弥って呼んでいい?]
:06/08/07 20:05 :F700iS :9FVKnRAQ
#194 [花]
城谷は驚いたのか,俺にもたれていた体を震わせて俺の肩から離れた。
[だ…ダメ???]
調子こいて言ってみたケド,城谷の行動に何となく不安を感じた。
でも城谷の返事は普通だった。
いつものハスキーな声と,いつものポーカーフェイスで一言
[いいよ]
そう言って また俺の肩にもたれかかった。
[じゃ…今から紗弥で☆]
落ち着いて言ったけど実際俺は心臓が弾けるほど嬉しかった。
:06/08/07 20:13 :F700iS :9FVKnRAQ
#195 [花]
紗弥のアドが俺の携帯に完璧に移ったので俺は紗弥に携帯を返した。
俺はすぐさま紗弥にメールを打った。
【達也だよ(^-^)病院行くのは日曜でいい?】
間もなく紗弥の携帯が鳴った。
着信音@ みたいなシンプルな音。買ってからまだ何も設定してなかったんだ。以外に機会音痴???
紗弥は俺を横目で見て,携帯を開いた。何も言わずに画面を凝視。
あ…メール打ってる。
:06/08/07 20:31 :F700iS :9FVKnRAQ
#196 [花]
《サーマーターイム!〜チャンチャラ…》
俺の着信音が鳴ったと同時に,紗弥はびくっと震えた。 大音量だったもんな…。
紗弥からの返信は
【うん。日曜でいい!
達也が電話帳000だよ】
可愛い…俺は紗弥からのメールを即保護した。
【決まりな。また詳しいことは連絡する。
000番 ありがと(^3^)】
【うん。携帯またわからないとこ教えて。
あたしも着信音MINMIにしようかな!】
俺らはしばらくメールで会話をした。
:06/08/07 20:42 :F700iS :9FVKnRAQ
#197 [花]
それから紗弥が口を開いたのは何分くらいたってからだろう…
俺は紗弥の言葉に硬直した。
[ねぇ達也。彼女いるのに,今みたいな時間とか,日曜とかまで潰していいの?心配しない?]
俺は紗弥から腕を離した
[知ってたのか???]
紗弥は頷く。
[小さくて可愛いよね。名前まで知らないけど]
[平気だよ。
それに,俺ら別にやましい関係じゃないじゃん]
[そうだね]
紗弥の目は笑ってない。
俺も笑えない状況。
:06/08/07 20:52 :F700iS :9FVKnRAQ
#198 [花]
それから紗弥はずっと携帯を触っていた。
俺は話し掛けなかった。
時々紗弥が,わからないと言って,携帯を俺に突き出したので一緒になって設定や待受を変えた。
紗弥が待受にしたのは,ネットワーク接続して拾った外人の画像。
俺には誰なのかわからない。何となく長い髪とか紗弥に似てる。
紗弥はご機嫌な様子で待受を眺めていた。
[ね,達也!達也の写メ撮っていい???]
紗弥はカメラを起動して俺に向けた。
:06/08/08 17:34 :F700iS :QX54pnUE
#199 [花]
[ダメだよ。恥ずかしいじゃん!
紗弥が一緒に入るならいいよ]
俺は紗弥の携帯のレンズを軽く指で弾いた。
[え…でも裏返すと,うちらの顔どんな風に写ってるか見えないじゃん]
紗弥は携帯を裏返して自分に向けたりして,レンズを覗き込んでいた。
[こうするんだよ]
俺は紗弥から携帯を取り上げ,内側カメラのボタンを押して紗弥の肩を抱いた。
:06/08/08 17:40 :F700iS :QX54pnUE
#200 [しぉり]
:06/08/08 19:27 :P900i :☆☆☆
#201 [花]
[上の端にある黒くて丸いとろこ。あれが内側カメラだよ]
紗弥は画面とカメラを交互に見た。
[へぇ,これ何だろって思ってたんだ]
[撮るよ???]
俺は俺と紗弥の顔がしっかり入るように紗弥のすぐ横に自分の顔をくっつけた。
[うん…]
:06/08/08 19:52 :F700iS :QX54pnUE
#202 [花]
―カシャッ
俺はカメラ目線だったから,写す瞬間の紗弥は見てなかった。
俺も一緒に写ったの見たいのに
[見せて見せて!]
紗弥は俺を急かして携帯を覗いた。
さっきよりもすぐ傍にある紗弥の顔。
まつ毛長いな
あ…マスカラ玉になってんじゃん。
オレが紗弥の顔に見とれていると,紗弥がいきなり俺を見上げた。
[画質いいね!]
:06/08/08 19:59 :F700iS :QX54pnUE
#203 [花]
目が合う…
[そうだな。結構いいな]
俺が目をそらそうとする
次の瞬間
―お互い言葉を失った。
俺の目と鼻の先には紗弥の目を閉じた美しい顔。
口には生暖かくて柔らかい感触。
鼻から吸い込む空気は甘い甘い紗弥の香り。
:06/08/08 20:09 :F700iS :QX54pnUE
#204 [花]
時間が一瞬止まったような気がした。
紗弥からの思わぬ行為は俺に暈を起こさせるような,そんな感じにさせた。
名残惜しく,紗弥の唇が俺から離れる。
[紗弥…]
紗弥は俺から少し距離を置いて,座り直して何も言わない。
[紗弥…???]
しばらく紗弥の横顔を見つめていると紗弥が小さい声で呟いた。
[達也は…]
[何???]
俺は紗弥の頭を撫でた。
:06/08/08 20:33 :F700iS :QX54pnUE
#205 [花]
[達也は…今日あたしを笑わせてくれたし,携帯の使い方教えてくれたから!
お礼…みたいな!!]
照れを隠すように,俯きながら強気に言う紗弥らしい姿を見て,俺はまた紗弥に愛しさを抱いた。
でも俺は…
[そっか!サンキュ]
ただこれだけ。
紗弥をもう一度抱きしめることもできず,俺の本当の気持ちも伝えることもできなかった。
まじで意気地なし。
[あ,写メ見る?]
紗弥も焦って話を変えようとしているのは,見え見えだった。
:06/08/08 21:01 :F700iS :QX54pnUE
#206 [花]
[見る!]
俺も紗弥の話を変えようとする流れに合わせた。
紗弥はとろい指の動きでボタンを押して,俺に画像を見せてくれた。
写メに写る紗弥は笑っていた。
優しくて 可愛くて…
俺は自分の顔を確認するのもしずに,紗弥を見入った。
[達也チョット眩しそうな顔してる]
[ほんとだ。カッコ悪]
俺は笑っているけど,紗弥の言うとおり目は少し細くて,口も引きつっていた。
緊張してたからな…
[カッコ悪くないよ]
紗弥は真顔で呟いた。
俺にはちゃんと聞こえた。
:06/08/08 22:12 :F700iS :QX54pnUE
#207 [花]
紗弥がそう言ってくれたし…
[その写メ,俺にもちょうだい!]
[うん]
俺は赤外線を繋ごうと自分の携帯をポケットから取り出した。
[どうやって送ればいいの?]
[送らなくていいよ。画像選択して,赤外線っての選ぶんだ]
紗弥は不器用な手つきで,携帯をいじった。
:06/08/10 18:36 :F700iS :OvK9Ul/o
#208 [花]
[ん!]
そう言って俺に携帯を突き出した。
[はいはい]
俺はわざと紗弥をおちょくるように,軽く笑いながら自分の携帯を紗弥の手元に合わせた。
紗弥は赤外線の機能を見て[これ結構早いね]とか[便利だね]とか言って珍しそうに俺達の携帯を眺めた。
:06/08/10 18:46 :F700iS :OvK9Ul/o
#209 [花]
通信し終わると,紗弥はさっさと携帯を鞄にしまった。
俺は紗弥の行動を見て,時間を確認した。
もう話始めて,A時間は経ってる。
ちらほら部活を始める声がした。
[紗弥…]
[うん。そろそろバイトだし行くよ。今日は楽しかった]
紗弥は立ち上がり,俺に背を向けた。
[俺も下まで一緒に…]
[あの写メ裕也に見せとくよ。また日曜にね]
紗弥は俺が言い終わる前に,言葉を被せて言った。
:06/08/10 18:54 :F700iS :OvK9Ul/o
#210 [花]
:06/08/10 21:09 :F700iS :OvK9Ul/o
#211 [新]
ダメなとこなんか無いよ
いつも見てるから頑張ってメ
:06/08/10 21:17 :W41T :☆☆☆
#212 [花]
[お…おう。必ず連絡するよ]
俺は塞がれた言葉を続けようとはしなかった。
紗弥は背を向けたまま振り返らずに真っ直ぐ出口に向かって歩いて行った。長い髪がなびいて甘い香りが俺にさよならを告げていた。
紗弥が視界から消えたので俺も紗弥にさよならを言った。
[またな!紗弥ー!!!!]
:06/08/10 21:25 :F700iS :OvK9Ul/o
#213 [花]
:06/08/10 21:27 :F700iS :OvK9Ul/o
#214 [我輩は匿名である]
:06/08/10 21:30 :N901iC :☆☆☆
#215 [花]
紗弥が屋上から出て行ったあと,俺もすぐに戻った。
しっかり屋上の鍵をかけて,一目につかないように早歩きで教室を目指した。
教室に戻ると既にホームルームは終わっていて,生徒は少なかった。
もちろん真っ先に俺に絡んできたのは優。
[達也ぁ〜!!!!長かったじゃん!
どうだった???どうだった???]
[あぁ,まぁまぁ…]
:06/08/10 21:33 :F700iS :OvK9Ul/o
#216 [花]
:06/08/10 21:35 :F700iS :OvK9Ul/o
#217 [花]
落ち着いて優に話そうと,紗弥とのコトを思い出すと…たまらなく恥ずかしくなった。
[顔赤けぇーぞ???まさか!お前…]
ゲッ!やっぱり優は鋭い。やばい。
[なッなんだよ]
優はニヤニヤしながら俺の肩に手を乗せてきた。
[お前。それ浮気ッていうんだぜ]
痛いところを突かれて胃がキリキリと鳴った。
:06/08/10 21:39 :F700iS :OvK9Ul/o
#218 [xぁぃこx]
初めましてッ(o⊃v<*)b最初からずッと読ンでました★☆
この小説大好きです♪主サン文才あると思います(*艸U`b)きッとたくさンの人がこの小説読ンでますよ◆これからも楽しみにしてるンで主サンのペ-スで頑張ッてさいね(p*'v・*q)
:06/08/10 23:53 :W31K :☆☆☆
#219 [花]
ぁいこサン
ァリガトござぃます(●>艸<)〃
メッチャ嬉しいです-
これカラもお願いします
:06/08/11 16:29 :F700iS :NLaTb1b6
#220 [花]
[…でも,俺!]
優に言い返そうとするが言葉が詰まる。
[わかってるよ。からかっただけだろ!
で…どうだったんだ???詳しく話せよ]
優はいきなり真剣な顔付きになって,紗弥の席に座った。
[えっと…]
俺が話を始めようとしたとき,ポケットの中で携帯が鳴った。
俺は急いで取り出した。
:06/08/11 16:36 :F700iS :NLaTb1b6
#221 [花]
淡い期待を抱いた自分が恥ずかしくなった。
メールの受信の相手は美穂子だった。
【達也!今日一緒にかえろォ(ゝ∀б)b】
[美穂子チャン???]
優は苦笑いで俺の携帯を覗き込んだ。
俺は頷き,美穂子に返事を打った。
【いいよ】
送信するときの指に違和感を持ちつつ,ボタンを押した。
:06/08/11 16:45 :F700iS :NLaTb1b6
#222 [あや]
この小説1番スキです
これからも頑張ってください゛o(*・`д・)p.゜+。FIGΗΤ。+゜.
:06/08/13 21:53 :P901iS :auP5i4Xo
#223 [花]
:06/08/13 23:05 :F700iS :Kxo8EY0k
#224 [花]
優は軽くため息をついて,俺の肩を叩いてどっかに消えた。
俺も携帯を閉じてため息をついた。
それから先は早かった。
[達也ぁ〜!]
美穂子が駆け足で教室に入って来て,俺の腕を掴んだ。
[早いな…]
俺は苦笑い。
[うん!だって久しぶりじゃん???]
美穂子は無邪気に笑った。裏切っている自分が虚しく,胸を痛める。
:06/08/13 23:10 :F700iS :Kxo8EY0k
#225 [花]
[今日は真っ直ぐ帰る?]
俺は立ち上がって美穂子の手をとった。
紗弥よりちょっと小さくて,肉付きがある。
[う〜ん。どうしよう!
達也どっか行きたい???]
[俺は特に…]
(早く帰りたいんだよ!)
俺は落ち着かずに,早歩きで美穂子の手を引いて教室を出た。
[んじゃ〜。少し遠回りして帰ろ]
美穂子は繋いだ手を軽く振り上げて笑った。
:06/08/13 23:14 :F700iS :Kxo8EY0k
#226 [花]
俺達の帰り道コースの遠回りといえば,美穂子の家に向かう途中にある,広い公園の池を一周して帰ること。
[ほんと,久しぶりだね]
美穂子は呟くように言った。
[そうだな。]
俺は早く帰りたいがために,口まで早口。
[最近構ってあげれなくてゴメンネ。
浮気してないよね〜???]
美穂子は悪戯っぽく俺を上目で覗き込む。
焦って 目をそらした。
[してね〜よッ!]
:06/08/13 23:19 :F700iS :Kxo8EY0k
#227 [花]
俺の嘘つき…
俺の卑怯者…
最低だな…達也
[冗談だよ〜あはは]
美穂子の笑顔が苦しい。
好きな奴の笑顔ってこんなだっけ?
違う。
紗弥みたいに…
紗弥みたいに…
自分まで幸せになる笑顔だよ。
俺は立ち止まった。
美穂子も手を突っ張って止まった
[美穂子…俺…]
:06/08/13 23:25 :F700iS :Kxo8EY0k
#228 [花]
[なぁ〜に???]
[俺ッ…]
俺は想いを吐き出そうと,美穂子を見つめた。
[達也!キスしよっか]
美穂子はそう言うなり,俺の言いかけた言葉をなかったことのように,俺に飛び付いた。
グロスの味が口に滲む。
紗弥よりも俄然甘い香りが鼻につく。
:06/08/13 23:29 :F700iS :Kxo8EY0k
#229 [花]
俺はキスの最中紗弥を想った。
最低だという前に,俺は紗弥のことなら何も厭わないくらい,紗弥が好きだった。
美穂子は精一杯の背伸びで俺と唇を重ねる。
俺から美穂子が離れたのは,何分か後だった。
[もう半周したね…]
美穂子は池の先端を見て,また歩き出した。
:06/08/13 23:35 :F700iS :Kxo8EY0k
#230 [花]
それから何を話したかあまり覚えていない。
気がついた頃には,美穂子の家の前に来ていた。
[ばいばい。またね!]
美穂子はなぜか機嫌がよさ気だった。
俺は軽く手を降って美穂子を見送った。
美穂子の家から俺の家までは,歩いて30分ほど。
だけど今日は早く着いた…気がした。
:06/08/13 23:39 :F700iS :Kxo8EY0k
#231 [ご]
おもれー
主サン
かなりこの小説バッチグーです(*>∀<)b
頑張って書いてください☆
:06/08/13 23:49 :W21CA :zgT4mS3k
#232 [花]
:06/08/14 12:32 :F700iS :PAtKZEoE
#233 [花]
俺は部屋に入るなり,制服のままベッドに倒れ込んだ。
心のモヤモヤのせいで,どっと疲れる。
優に連絡しなくちゃ…
紗弥にも…
そうだ!紗弥にメールしなくちゃ!!!!
俺は寝そべったまま携帯を開き,紗弥のアドレスを呼び出した。
が…何て連絡しよう?
アドレスはお互い屋上で登録し合ったし,日曜の予定なんかまだ確定できない。
新規作成のまま,携帯を振り回して考えていたら,一件メールが届いた。
受信先は…紗弥!?
:06/08/14 12:39 :F700iS :PAtKZEoE
#234 [花]
俺は高鳴る胸を,拳で叩いて,深呼吸した。
ゆっくり紗弥からのメールをひらく。
【今日はほんとにありがとう。
さっき裕也のとこ行ってきたんだ。達也の写メ見て「カッコイイね」だってさ!
早く会わせてあげたいな。日曜楽しみ☆
今からバイト行ってくるね。
またね。】
顔文字なんて一つもない。紗弥らしいメールをついまた保護する。
にやけた自分がボタンに写って,カッコ悪い。
:06/08/14 12:51 :F700iS :PAtKZEoE
#235 [花]
紗弥には敵わないな…
俺は紗弥のことが好き過ぎる。
なんでだろう…?
なんでこんなに…
でも俺はわかってた。
紗弥を好きなことに理由なんかない。
好きだから,[好き]なんだ。
理由がないなんていったら,また紗弥怒るかな。
いつかこの想いをまるごと紗弥に伝えたい。
[理由なんかいらない。紗弥が好きだ]
…って。
:06/08/14 12:54 :F700iS :PAtKZEoE
#236 [枢]
すごく面白ぃです
:06/08/14 12:56 :P900i :☆☆☆
#237 [花]
返信は俺も大体シンプルだ。
【俺こそありがとな。
第一誘ったの俺じゃん。
裕也君 素直だな。紗弥と裕也君は似てないんだな(笑)
バイト頑張れよ。またな。】
冗談交じりの返信は無事紗弥に送られた。
俺達の間に裕也君の話が出てくると,紗弥は明るくなる。
紗弥は裕也君が宝物なんだよな。
:06/08/14 12:59 :F700iS :PAtKZEoE
#238 [花]
:06/08/14 13:00 :F700iS :PAtKZEoE
#239 [枢]
これからも頑張って下さぃ
:06/08/14 13:20 :P900i :☆☆☆
#240 [我輩は匿名である]
:06/08/14 14:36 :D902i :/umF9vv2
#241 [花◆AV8KevAYKk]
:06/08/14 16:56 :F700iS :PAtKZEoE
#242 [MINMI]
この小説超好き
ゆっくりでいいんで頑張ってください
楽しみに待ってます
:06/08/14 17:45 :F902iS :☆☆☆
#243 [ご]
(´ノд`)ノ゛~~∞あげ♪♪
:06/08/15 17:28 :W21CA :6.Y2MsN.
#244 [花◆AV8KevAYKk]
MINMIサン
超
だなんて。。。
すごぃ嬉しいデス
MINMIお好きなンですか???
花も小説のにMINMIの歌を出しました
それくらい花もMINMIが大好きです
ごサン
ぁげ ァリガト
今日の夜中に更新すると思います
お待たせしてゴメンなさぃ
:06/08/15 19:22 :F700iS :iwMdRwTE
#245 [我輩は匿名である]
頑張ってくださぃ
:06/08/15 19:42 :N901iC :☆☆☆
#246 [花◆AV8KevAYKk]
:06/08/15 21:48 :F700iS :iwMdRwTE
#247 [花◆AV8KevAYKk]
携帯を閉じたのと同時に,着信音が部屋に響いた。
画面を見ると,着信は優だった。
そういえば今日は優に話しないまま帰ったんだった。
[…はい]
[たッチャ-ン!なぁんて]
優は明るい声で冗談っぽく笑った。
[何だよ,その呼び方。
言いたいことはわかってるよ!]
俺は紗弥との事を話すのを覚悟した。
:06/08/15 21:52 :F700iS :iwMdRwTE
#248 [花◆AV8KevAYKk]
[あッああ…]
優はいきなり声を縮めた。唾を飲む音も聞こえた。
俺も一回だけ深呼吸をした。
[今日はA時間くらい話したんだ]
優は
[達也,俺はお前が話終わるまで一々返事はしないから,続けてな]
と,気を使ってくれた。
[ああ。
メアドも聞いた。
今週末に会う約束もしたんだ]
俺は大体の流れだけを大まかに話した。
:06/08/15 21:59 :F700iS :iwMdRwTE
#249 [花◆AV8KevAYKk]
[そっかぁ〜
いいよなぁ!城谷って以外にしゃべるんだな]
[まぁな]
優は俺がまだ話していないことがあるって事に気付いていたっぽいけど,俺に追求や詮索をしてこなかったので,俺も少し安心した。
[んじゃ,また明日な]
[おう]
簡単に電話を切るとこはいつも優の癖だ。
優しいんだよなぁ〜
:06/08/15 22:04 :F700iS :iwMdRwTE
#250 [花◆AV8KevAYKk]
そして次の日も,その次も,紗弥は学校に来る事はなかった。
俺は美穂子と適当に会って,授業も上の空で過ごした。
優も紗弥の話に触れることはなかった。
紗弥には…金曜ぐらいにメールすればいいよな。
こんな事を考えてる癖に俺は未送信にバッチリ紗弥あてのメールを保存していた。
:06/08/15 22:09 :F700iS :iwMdRwTE
#251 [花◆AV8KevAYKk]
またあとで来ます
:06/08/15 22:13 :F700iS :iwMdRwTE
#252 [我輩は匿名である]
続き楽しみにしてます
:06/08/15 22:31 :N901iC :☆☆☆
#253 [花◆AV8KevAYKk]
匿名サン
ぃっつもァリガトぅござぃます
嬉しい-です
:06/08/15 23:56 :F700iS :iwMdRwTE
#254 [花◆AV8KevAYKk]
【お〜す!
バイト頑張ってるか???
たまには体休めろよ(^O^)v
日曜だけど,大丈夫?】
最初の一通はこんな感じ。どうかな…変じゃないかな。
顔文字なんか洒落て使ったけど[顔]で変換して出てきたやつ。
でも俺が可愛い手作り顔文字なんか使ってたら逆に変じゃね???
俺は画面とにらめっこしたまま 一人で考え込む。
:06/08/16 00:00 :F700iS :m6U/cvr2
#255 [花◆AV8KevAYKk]
何分か格闘したけどやっぱりメールを変えるところはどこもなくて,そのまま保存。
俺,何回あのメール読み返したかわかんねー。
もう暗記しちゃったよ。
次は服装。
紗弥と初デート(?)だしなぁ〜
でも行き先は病院なわけだし,そんなに気合を入れるのも恥ずかしい。
俺っていつも空回りするし…
よし!でもやっぱり一様買物行っとこう。
:06/08/16 00:05 :F700iS :m6U/cvr2
#256 [花◆AV8KevAYKk]
そう考えたら直ぐさま優に報告。
買物に付き合ってもらうのは優しかいない。
いつもは美穂子だけど,今回はさすがに一緒に行けないもんな。
しかも,美穂子が選ぶ服って全部お兄系…。
正直俺,白パンとか無理っす!!!!
ごちゃごちゃ考えながら後ろの席でノートと教科書を枕にして爆睡する優を揺さ振る。
:06/08/16 00:09 :F700iS :m6U/cvr2
#257 [花◆AV8KevAYKk]
[優〜…]
もちろんこんな声と動作じゃ優はびくともしない。
何度か呼んだけど全く起きる気配なし。
だから俺は最終手段に出た。
優の隣の席。つまり,紗弥の後ろと俺の斜め後ろの席は美化委員の野田サン。
[野田サン,悪ぃ]
と言って俺は片手をあげてゴメンサインをして野田サンに相槌を打つ。
野田サンはくすくす笑って,優の机に手をのばす。
:06/08/16 00:14 :F700iS :m6U/cvr2
#258 [花◆AV8KevAYKk]
[篠田君,ゴメン!
教えてほしい問題があるんだけど]
野田サンがこうやって一言言うと…
[えッ!あ…はい…!!]
優は飛び起きて,野田サンを見た。
そして数秒してから笑う俺を不愉快そうに睨みつけた。
[達也ぁ〜!
まーた,真奈美チャン使ったな!]
そう。チャラそうに見える優だけど,実は大人しくて可愛い野田サンが好きなんだ。
:06/08/16 00:19 :F700iS :m6U/cvr2
#259 [花◆AV8KevAYKk]
[違うよ。使ったなんて人聞き悪いな
野田サンは協力してくれたんだよ!なっ!]
俺は得意げに言って野田サンに笑いかけた。
野田サンも笑って,座り直した。
優は悔しそうに俺達を見て文句を言い出すと,先生に軽く頭を叩かれた。
みんな爆笑
[で!何だよ???]
不機嫌に口を尖らせて優が小さく呟く。
[そうそう!金曜買物付き合えよ]
:06/08/16 00:24 :F700iS :m6U/cvr2
#260 [花◆AV8KevAYKk]
[え〜!]
優は投げやりに答えた。
[何だよ,付き合えよ]
俺らが討論に入ろうとすると,すかさず野田サンが
[A人は仲良しでいいね]
と,優に笑いかけた。
[達也が俺にベタボレなんだよ,真奈美チャン!
仕方ないから一緒に行ってやるよ]
と手のひら返して俺にいった。
こりゃ,優には野田サンマジックだな。(笑)
:06/08/16 00:28 :F700iS :m6U/cvr2
#261 [花◆AV8KevAYKk]
[頼むな!金曜だぞ]
と イヤミっぽく優に言い放つと,既に優は野田サンとの会話に投入していた。
まぁ…とにかくこれでひとまず日曜の準備は安心だな。
紗弥にも早く会いたいけど,裕也君にも早く会ってみたい。
病状どうなんだろう。
俺に何かできれことないかな…
紗弥の携帯のプリクラで見た裕也君は結構美形。
でも紗弥とはどっか違った。
やっぱり 親は…
って何で紗弥の親いねーんだっけ???
:06/08/16 00:33 :F700iS :m6U/cvr2
#262 [花◆AV8KevAYKk]
紗弥の事はなんでも知ったような気になっていたけど,よく考えると俺はまだ紗弥の知らない部分が沢山あることに気付いた。
でも…あれもこれも聞きにくいことばかり。
俺,不器用だし,うまく聞けるかわからない。
いや,聞いていい質問なのかも微妙。
紗弥はやっぱり完璧俺に心を開いたわけじゃないし…
こんなことを考えると少し切なくなった。
紗弥の中学時代のアルバムを見ていたとき感じたみたいに。
:06/08/16 00:38 :F700iS :m6U/cvr2
#263 [花◆AV8KevAYKk]
授業が終わると,優はさっきとはまるで違うご機嫌な態度で俺に擦り寄った。
[達也君ッ!]
[きも〜]
笑った優の顔はまさに猿。優おかげでさっきまで深刻だった俺の心も軽く流れる。
[どこまでお供しましょうか???]
[猿め。俺は,桃太郎か!
そうだな〜。学校帰りだとあまり時間ないし,一様近場の予定だよ]
:06/08/16 01:07 :F700iS :m6U/cvr2
#264 [花◆AV8KevAYKk]
[もしかして,週末に会うから???]
優はにやついてまた俺に擦り寄る。
[そうだよ…悪いか!]
優は大声を出して,教室を走り回った。
何が嬉しいんだよ,あいつは…
[とにかく!
近場な。俺,本町の花屋の前の服屋まで行きたい]
[わかったよーん]
優はまたでかい声で俺に向かって叫んだ。
:06/08/16 01:13 :F700iS :m6U/cvr2
#265 [花◆AV8KevAYKk]
:06/08/16 01:22 :F700iS :m6U/cvr2
#266 [あや]
更新お疲れさまです!!どんどん続きが気になってきちゃいます゜+(☆*O艸o*+)花さんのペースで頑張ってください!!ちょっとした小説中毒症状です 笑
:06/08/16 01:28 :P901iS :wQL24gfo
#267 [我輩は匿名である]
:06/08/16 18:09 :N901iC :☆☆☆
#268 [花◆AV8KevAYKk]
:06/08/16 21:42 :F700iS :m6U/cvr2
#269 [花◆AV8KevAYKk]
そして金曜
美穂子に一緒に帰ろうと誘われたけど「優に付き合わなきゃいけない」と,言い訳をした。
俺達はホームルームが終わると,掃除をサボってさっさと教室を出た。
校門を出る途中で,生徒指導の藤田に出会ってしまい,A人一緒に[髪色・ズボン・ネクタイ・ピアス]を注意されたけど,優の人懐っこさで軽く遇って逃げた。
俺らは中学では結構頭がよかったし,進学校が地元だったので,これまたA人一緒に推薦で今の高校に入った。
ま…今じゃ俺は赤点大王だけどさ。
:06/08/16 21:44 :F700iS :m6U/cvr2
#270 [花◆AV8KevAYKk]
学校から本町までは歩いてS分くらい。
優とたわいのない話をしながら歩いた。
花屋の前の服屋は,いつものように開いてるのか,閉まってるのかわからない。
俺らの町は小さいしド田舎。コンビニだって,町の端と端に@軒づつと,紗弥が働いてる@軒で合計B軒だし。。。
若者向けの服屋なんかここを合わせてA軒しかない。
いつも大体 町を出て都会へ行くけど,今日は紗弥のために臨時。
でもこの店,俺的にジャストな趣味なんだよな。
夏はだいたい洋服中心。雪が降る季節になると,スノーボードを売ってる。ストリートっぽいけど,どっかクールでカジュアル。
店内の雰囲気も定員サンも大好きなんだ。
:06/08/16 21:48 :F700iS :m6U/cvr2
#271 [花◆AV8KevAYKk]
優と服を物色していると,裏側の棚に小さなサイズを見つけた。
【レディース始めました☆】
カラフルな手書きで棚に張り付けてある。
女ものも,カッコ可愛くて俺好み。強めなプリントやダメージ,でも袖にはさりげなくフリルがついてるTシャツ。
頭のはしっこに紗弥を思い浮かべる。
[何ニヤけてんの???
達也きもいよ]
優は引き気味で言葉を刺してくる。
[何でもね〜よ]
俺達はおどけながら,一緒に服を何着か選んでコーディネートしたのを店員のお兄サンに見せた。
:06/08/16 21:52 :F700iS :m6U/cvr2
#272 [花◆AV8KevAYKk]
[おっ…A人ともいい感じじゃん。
俺,こうゆーの好きだよ]
と,店員のお兄サンは俺の合わせたTシャツとベルトを取った。
そしてそこに優が持ってきたキャップをのせた。
[これいいんじゃね???]
優も絶賛。
調子に乗った俺はB点全部買った。
これで日曜は完璧だ…って思ってさ
満足げに優と服屋を出て,近くのカフェに入って一息つくことにした。
:06/08/16 21:59 :F700iS :m6U/cvr2
#273 [花◆AV8KevAYKk]
席につくとA人同時に,ウエートレスに向かって
[アイスミルクティー]
ウエートレスの女の子は笑いを堪えて,相槌で俺らの席をあとにした。
[な〜達也]
[あぁ〜?]
[城谷と日曜どこ行くんだよー!]
おッ…珍しく優が真面目に直球の質問してきたな。
[紗弥の弟がいる病院。
お前も知ってるだろ?アルバム貸してくれたとき言ってたじゃん]
そういえば返そうと思ってアルバムを今日鞄に入れてきた事を思い出した。
:06/08/16 22:06 :F700iS :m6U/cvr2
#274 [花◆AV8KevAYKk]
[え!?城谷の弟入院してんの?
ん…ッてお前今城谷の事「紗弥」ッて呼んだな!]
さっきのウエートレスがミルクティーを運んできた。
優はそれを一気に半分飲んだ。
[紗弥も俺の事達也ッて呼ぶから…
それよりほら。アルバム持ってきたぜ]
俺はグラスに浮かぶ氷をもてあそびながら,アルバムを優に渡した。
:06/08/16 22:11 :F700iS :m6U/cvr2
#275 [花◆AV8KevAYKk]
優はアルバムを鞄にしまいながら愚痴みたいに呟く。
[何だよ…仲良しじゃん]
[なんだよ優君,俺にやきもちか?]
優は笑って俺を叩いた。
[城谷ッて,やっぱり謎だな〜
弟ッて何歳?病状は?]
あんまり優が興味深く聞くので,俺は紗弥から聞いた,少しの情報を細かく優に教えた。
弟は裕也って名前でAで心臓が弱いこと。
紗弥のサボりは裕也君のためだということ…
:06/08/16 22:16 :F700iS :m6U/cvr2
#276 [我輩は匿名である]
はいッ
一番この小説が好きデス(* ´艸`)
頑張ってくださぃ
:06/08/16 22:51 :N901iC :☆☆☆
#277 [あや]
あげ
:06/08/17 19:24 :P901iS :OwAC.Jzc
#278 [あや]
:06/08/17 21:43 :P901iS :OwAC.Jzc
#279 [花◆AV8KevAYKk]
匿名サン
ほんと-に ァリガト
あやサン
ぁげ
ァリガトござぃます
夜中に更新するンで
もぅ少々
お待ちさぃ
スミマセン
:06/08/17 21:47 :F700iS :vmJ21Yl6
#280 [寿]
読むたびにおもしろくなってくね 更新待ってます
:06/08/17 21:54 :P901iS :rQHctSek
#281 [我輩は匿名である]
:06/08/17 22:12 :SH901iC :8NAta68I
#282 [花◆AV8KevAYKk]
寿サン
最近
覗かれナイので
飽きられちゃったのかと思っちゃいました
毎回ァリガトぅござぃます
ほんとに励みになります
匿名サン
ァリガトぅござぃます
花ッて幸せ者デス-
これカラの展開。。。
お楽しみに
今カラ更新します
:06/08/17 22:17 :F700iS :vmJ21Yl6
#283 [花◆AV8KevAYKk]
優は黙って俺の話を聞いていた。
俺が紗弥についてわかる事を大体話終えると
[そうだったんだ…城谷ッてすげーな
達也,頑張れよ!]
と言って,一人でうんうんと頷いていた。
[ああ。
ありがとな!
今日メールするんだけど,これどう???]
俺は保存していた紗弥へのメールを優に見せた。
:06/08/17 22:21 :F700iS :vmJ21Yl6
#284 [花◆AV8KevAYKk]
[あー
別におかしくねぇよ?]
優はメールをさっさと見て俺に携帯を返した。
[よかった。いつ送ろうかな…
紗弥はバイトがあるからなぁ〜]
そうだなんだよな。
紗弥はバイトだからいつ送ろう…返事返ってこないと寂しい。
せっかちな自分…
今日はどのバイトだろう。
[え!?今送れよ!]
優は楽しそうに意外な事をいった。
[いッ今かよ???]
:06/08/17 22:26 :F700iS :vmJ21Yl6
#285 [花◆AV8KevAYKk]
[だって城谷バイトなんだろ?
今はD時半過ぎ!も〜しかしたら,返ってくるかもしれないぜ?
今来なくても,夜中過ぎか明日にはきっと返ってくるだろ]
なるほど。
そうか だってもし今日の夜や土曜の夜なんかに送ったら,日曜に間に合わないかもしれなくなるし。
[優 ナイス!]
俺はもう一度だけ紗弥へのメールを真剣に読み返し,送信するのを決めた。
…けどなかなか送信ボタンが押せない。
恋する乙女が好きなやつにメールするときこんな気持ちになるのかな。
心臓が上下して,手が震える。
大変だな,恋するって。
:06/08/17 22:33 :F700iS :vmJ21Yl6
#286 [花◆AV8KevAYKk]
それを見ていた優は,ため息まじりに鼻で笑い,送信ボタンをおさえる俺の指を押した。
[あ!!!!]
俺は驚くより,緊張が込み上げる。
どんどん送信のメーターが上がってく。
[送信〜♪]
ったく,優は…
いい奴 なんだかどうなんだか。
だけど自然出た言葉。
[…ありがとな]
優は俺の顔を見て笑って頷くだけだった。
:06/08/17 22:39 :F700iS :vmJ21Yl6
#287 [寿]
コメントはしなかったけどずっと見てたよ 最近色んな人がコメントとしてくれてるみたいだったし 俺までしたらコメント返すの大変かなって思ったからね どんなことがあっても飽きたりしないよ
:06/08/17 22:43 :P901iS :rQHctSek
#288 [花◆AV8KevAYKk]
俺は携帯の画面を見ていると落ち着かなかったので,閉じてテーブルの中心に置いた。
気を紛らわそうと優と紗弥には関係ない話をはじめるけど,どうも携帯が気になる。
俺はA分ごとくらいにやっぱり携帯に手をのばして,問い合わせをする。
[焦んなよ。
絶対返ってくるって]
優は俺の異様な行動に,その気持ちわかる。って感じに俺をなだめてくれた。
やっぱり誰でもみんな恋する乙女症候群なんだ…
紗弥
今 何してる?
:06/08/17 22:46 :F700iS :vmJ21Yl6
#289 [花◆AV8KevAYKk]
寿サン
心遣いァリガトぅござぃます(ノ⌒`。)
読者様の感想
わ
花の励みの種
デス
どんなに大変
でぁっても必ずぉ返事
しますので,またょかったらたまに感想
さぃ
飽きたりしナイ…
もぅ 充分デス
:06/08/17 22:51 :F700iS :vmJ21Yl6
#290 [花◆AV8KevAYKk]
そう考えるとまたメールを問い合わせてしまいそうだったので,氷が溶けて薄くなったミルクティーをゆっくり啜った。
結局 俺らはミルクティーをA杯目まで頼んで,紗弥からメールが返ってくるのをカフェで待ったが,俺の携帯が光ることはなかった。
優と別れてF時過ぎに家について,風呂に入ったり,飯食ったり,兄貴とじゃれたりしたけど 紗弥からメールはこない。
明日は休みだから余裕だと思って携帯をベッドの横に寄り添わせて待っていたけど,もう夜中の@時。
:06/08/17 22:59 :F700iS :vmJ21Yl6
#291 [花◆AV8KevAYKk]
[紗弥ぁ〜
まだバイトとか,体壊さねぇの???]
携帯に話し掛ける痛い自分がいるけど,もういい。
紗弥からメールが返ってこなきゃ今は何もする気になれないし。
きっとコンビニだと思うけど,メールしたのに,いちいちバイト先まで行って話そうとする勇気はない。そんなことされたら紗弥も困るだろうし。
:06/08/17 23:08 :F700iS :vmJ21Yl6
#292 [花◆AV8KevAYKk]
そんなこんな考えてたら,いつのまにか俺は眠っていた。
電気も音楽もつけっぱなしで,気がついたのは朝方のD時。
空は少しだけ明るい。
重たい体を起こして電気を消す。
音楽はそのまま。
またベッドに入ると,腰のあたりに硬いものを感じた。
携帯……
[あ!紗弥からメールきてるかも]
眠たい気持ちも吹っ飛び急いで携帯を開く。
【受信メール一件】
キタ━━━(゚∀゚)━━━!!
もうテンションはMAX。
恋する乙女どころか,気持ちは電車男。
:06/08/17 23:16 :F700iS :vmJ21Yl6
#293 [花◆AV8KevAYKk]
メールをひらくと,受信したのはB時半。
メールは期待に答えてくれた。
紗弥だ…
【返事遅れてゴメン!今バイト終わったんだ。
日曜 平気だよ。
I時に役場の玄関前で待ち合わせでいい???
きっと達也寝てると思うし,また明日もバイトあるから,返事返せないから勝手に決めちゃった…
都合悪かったらまた一応メールして☆
ほんと夜中にゴメンね。
おやすみ】
もう 全然文句ないっす。
紗弥が決めてくれた方が俺的にもよかった。
紗弥と待ち合わせ…役場か。
町病院はすぐ近くだからな。
:06/08/17 23:31 :F700iS :vmJ21Yl6
#294 [花◆AV8KevAYKk]
携帯を開いたまま俺はまた眠った。
返事は…
明日の今日でいい。
安心したからなのか,ほんとに眠かった事もあったからなのか,すぐに眠れた。
紗弥はもう帰ったよな。
バイトお疲れ様…
おやすみ。紗弥
:06/08/17 23:45 :F700iS :vmJ21Yl6
#295 [花◆AV8KevAYKk]
俺が次に目が覚めたのは,以外にも昼前。
もっと寝るかと思った。
ボケながら,顔を洗い,歯磨きをして 階段をおりてキッチンへ。
母さんがめずらしくいない。そのかわり,居間に菜々子と兄貴が一緒にテレビを見ていた。
[おはよ…母さんは???]腹減ったし。
[おッ!やっと起きたか達也〜
お袋なら,買物行ったよ]
[達兄 起きるの遅すぎだよ。
ご飯ないからね〜?洋兄♪]
菜々子は俺より兄貴(洋人)のほうが好きらしくてやっぱ生意気!
:06/08/17 23:55 :F700iS :vmJ21Yl6
#296 [我輩は匿名である]
あげあげぇ(~v∪v)ノ
:06/08/18 10:06 :W31K :9UJdGZ.A
#297 [花◆AV8KevAYKk]
:06/08/18 10:23 :F700iS :9ksKKyPQ
#298 [花◆AV8KevAYKk]
冷蔵庫から牛乳と,ハム。棚からパンを取り出して,テーブルに座って食べた。
[達也,今日どっか行くのか?]
兄貴に聞かれて,別に今日は何の予定もないことに気付いた。
[行かねえよ,兄貴と菜々子は?]
[菜々子も俺も今日は家にいるよ]
そっか。じゃあ久しぶりに兄弟B人家にいるんだ。
:06/08/18 10:28 :F700iS :9ksKKyPQ
#299 [花◆AV8KevAYKk]
俺は,紗弥と優にメールを送って,部屋に戻った。
【紗弥から夜中に返事がきた。
昨日付き合ってくれてありがとな】
優にはすぐ送信。
【おはよう紗弥。
昨日メールごめんな,バイトお疲れ!
紗弥の決めたので完璧☆役場なら俺家から近いし,病院も近いからな。
じゃあ日曜に。】
B度読み返して,恐る恐る送信。
メール一通送るのに,いちいちこんなにドキドキしてたら気が持たないな。
:06/08/18 10:34 :F700iS :9ksKKyPQ
#300 [花◆AV8KevAYKk]
[はぁ〜…]
紗弥と優に無事にメールを送って安心してまたベッドに倒れた。
昨日から音楽つけっぱなし。
そろそろ変えるか〜。
なんて思ってたらすぐ携帯が鳴った。
たぶん受信は優。
起きてたなんて以外だ。
:06/08/18 10:37 :F700iS :9ksKKyPQ
#301 [花◆AV8KevAYKk]
【よかったな!
で,日曜は決定した?】
優からのメールはいつも直球だし返事が早いから,メール嫌いの俺でも返す気が湧く。
【おう 一緒に紗弥の弟に会ってくるよ。
また月曜詳しく話すな】
さっさとお別れを告げて携帯を閉じた。
今日はすることねぇけど,明日のことを考えると落ち着かない。
ベッドの中で暴れたり,紗弥を考えて自分で自分を抱きしめたりしてみたり。
:06/08/18 23:15 :F700iS :9ksKKyPQ
#302 [花◆AV8KevAYKk]
でも,裕也君に会って俺どうすればいいんだ?
話し相手ぐらいすりゃいいのかな。
紗弥の携帯に貼ってあったプリクラを見るかぎりだと,裕也君は結構おとなしくて ひ弱そう。
俺とは全く逆のタイプ。
弟がいないと,こうゆうときに不便だ,なんてヘリクツをこぼす。
:06/08/18 23:19 :F700iS :9ksKKyPQ
#303 [花◆AV8KevAYKk]
やっぱり考えたって,明日実際に裕也君に会わなきゃ仕方ないと思った。
それから,紗弥からメールの返事はこないとわかりながらも,何度か問い合わせをする自分がいた。
諦めて,紗弥からもらった一緒に撮った写メを見返してニヤつく。
待受にしたい(笑)
:06/08/18 23:22 :F700iS :9ksKKyPQ
#304 [花◆AV8KevAYKk]
結局 土曜は家でヒマを持て余して,いつものように過ごした。
明日が楽しみだと思いながらも,時計が夜中の零時を回ると 既に緊張して心臓が動いた。
明日は,I時に集合だからF時に起きて,余裕で準備をしよう。
目覚ましをしっかり確認して,布団をかぶった。
:06/08/18 23:26 :F700iS :9ksKKyPQ
#305 [花◆AV8KevAYKk]
―ジリジリジリ…
目覚ましの耳障りな音が部屋中に響いた。
俺は嫌がる体を無理矢理起こして窓を開けた。
うん。
天気は快晴!神様っているんだな。
俺は風呂に向かって一直線。
余裕を持って完璧にしてかなきゃ…
なんてったて今日は紗弥と…初デート(?)だし。
裕也君にも俺を期待外れな男だと思わせたくない。
:06/08/18 23:30 :F700iS :9ksKKyPQ
#306 [花◆AV8KevAYKk]
風呂から上がって,短くも長くもないに髪型をセットして金曜に買ったTシャツとお気に入りのデニムにベルトを通すと,俺は力に満ち溢れた。
鏡の前に立って全身を写したら自分がヒーローみたい?に見えた。
時刻はH時前。
あとは朝飯食って,眺めの歯磨きだけだな。
居間に入ると,俺を見た母さんが嬉しそうに話し掛けてきた。
:06/08/18 23:35 :F700iS :9ksKKyPQ
#307 [唯]
:06/08/19 20:36 :N902i :zAyQOUT.
#308 [花◆AV8KevAYKk]
:06/08/19 21:33 :F700iS :y3RjzfcM
#309 [我輩は匿名である]
夜中楽しみにしてます
:06/08/19 21:35 :N901iC :☆☆☆
#310 [花◆AV8KevAYKk]
匿名サン
待っててくださってァリガトぅござぃます
ょしッ
更新するぞォ
:06/08/19 23:15 :F700iS :y3RjzfcM
#311 [花◆AV8KevAYKk]
[達也珍しく早いわね〜
どこか出掛けるの?カッコイイ格好して…]
[まーね。
それより,朝飯すぐ食える?]
早めに飯食って落ち着きたいし,歯磨きしたい。
俺は母さんを急かして,朝飯を久しぶりに兄貴と親父と食べた。
家族との会話って結構いいもんだよな。
紗弥は…こんな団らんしたことないのかな。
:06/08/19 23:19 :F700iS :y3RjzfcM
#312 [花◆AV8KevAYKk]
飯を食べ終わって,すぐ歯を磨いて部屋に戻ってお気に入りの香水をつけた。
いい匂いだけど紗弥の香りには負けるかな。
鏡に昨日買ったキャップをかぶって写ってみる。
完璧…
携帯を開くと,優からメールが入っていた。
【デート頑張れ(^^)ノシ】
自然と俺は緊張からとかれた。
:06/08/19 23:22 :F700iS :y3RjzfcM
#313 [鷹秋]
俺を友情出演させてくれ
:06/08/19 23:24 :P701iD :5dOT69Ag
#314 [花◆AV8KevAYKk]
珍しく,美穂子からはメールも電話も入ってなかった。安心と裏腹に,気になる自分がいた。
時計はH時S分…
余裕をもって歩いていけば,役場にI時ジャストか少し前にはつける。
よし…いくか!
鏡で髪型と全身を細かくチェックして,家を出た。
紗弥にメールする必要はないよな。
やっぱり先についてて,紗弥を待ってた。
みたいな設定のがかっこいいし。
:06/08/19 23:28 :F700iS :y3RjzfcM
#315 [花◆AV8KevAYKk]
鷹秋サン
申し訳ありません
この話は私自身,最後まで細かく構成させてるので,途中から人物を増やすということは話も多少変えなくてならなくなるので少し難しいです
本当に申し訳ありません
:06/08/19 23:32 :F700iS :y3RjzfcM
#316 [花◆AV8KevAYKk]
待ち合わせ場所に近づくほど,やっぱり緊張する。足が硬くなるし,心臓も痛い。
だけど,最近やっと紗弥が俺に慣れてきてくれてるんだ…
俺が積極的にいかなきゃいけない。
やっぱり紗弥を知りたいから,今日も時間があったら話したいな。
時間はI時ジャスト。
役場の玄関には人影…
紗弥は俺より先に来ていた。
:06/08/19 23:35 :F700iS :y3RjzfcM
#317 [花◆AV8KevAYKk]
紗弥の私服姿は,いつも制服を見ているせいか,ヒールを履いているせいか,一段と大人びて見えた。
ダメージデニムを履き熟し,黒いスカルのタンクトップにゴールドの大きなネックレスを纏って,髪型はいつも通り真っ直ぐなロング。
カツカツと靴を鳴らし俺に向かって歩いてきた。
[丁度だね]
そう言って紗弥に見とれている俺を抜かしてさっさと行ってしまった。
[まっ待てよ…]
いかん!つい紗弥に見とれて遅れをとった。
畜生…
紗弥より早く来るつもりだっのに。
:06/08/19 23:39 :F700iS :y3RjzfcM
#318 [花◆AV8KevAYKk]
紗弥は俺に振返り,小さくため息をついた。
[あたしさ,絶対待ち合わせには待ち合わせ時間のI分前には来るの。
だから達也が遅れたわけじゃないから気にしないで。ごめんね]
え?紗弥ってエスパー?
[えッ…ああ。
わかっちゃった???]
俺はキャップをかぶり直したりして,照れを隠した。
[達也はわかりやすい]
紗弥は一言呟くとまたカツカツといつもの早歩きで,歩き出した。
:06/08/19 23:43 :F700iS :y3RjzfcM
#319 [花◆AV8KevAYKk]
でもいくら足が長くて早歩きでも,やっぱり女の子。
俺はすぐ紗弥の横に並んだ。ちょっと優越感♪こんないい女連れて歩いてるんだ。
[何ニヤニヤしてんの?]
[なッ…なんでもないっす!]
やべー。焦った!
だけど何だかこんな会話も嬉しい。
[あっそ。…あ!]
紗弥は何かを思い出したのか,役場からきた道を少し戻った。
[紗弥???忘れ物かよ!?]
:06/08/19 23:50 :F700iS :y3RjzfcM
#320 [花◆AV8KevAYKk]
[違う!あ…そう!]
どっちだよ!?汗
紗弥は小走りで今曲がったばかりの角を戻った。
何だかいい匂いがする。甘い…けど紗弥の香水とは全く違う。
俺も紗弥を追い掛けて角を曲がると,紗弥が立っていた。
小さなケーキ屋の前で。
[裕也はここのケーキが大好きなんだ。
毎回買ってくんだ。
達也が変な顔してるから,忘れちゃってたじゃん!]
紗弥はケーキ屋を指差して笑った。
:06/08/19 23:56 :F700iS :y3RjzfcM
#321 [花◆AV8KevAYKk]
げっ。
俺ってば人のお見舞い行くのに手ぶらだったよ…
昨日服とか買ってる場合じゃなかった。
そう思って暗い顔をしてたら紗弥が俺の手を掴んで店に入った。
甘いバターの匂いが立ち込めた。
[B人で一緒に食べよ!
裕也はショートケーキと焼きプリンと…
あたしもショートケーキ。
達也は???]
紗弥はさっさと店員に注文をしてケーキを選んだ。俺は何だか呆然。
ケーキなんか久しぶりに食べるし,特に好きなケーキなんかない。
[あ…俺は紗弥と一緒でいいよ]
:06/08/20 00:02 :F700iS :hUwWG9uI
#322 [花◆AV8KevAYKk]
そう言った俺を見て,紗弥は一瞬不快そうな顔をしたが
[お姉さん,やっぱりショートケーキはBつね!
それから,ケーキスティックA本,そのままさぃ]
紗弥は嬉しそうにレジに向かって歩いてく。
[あ!紗弥,俺が出す]
そうだよ。
せめて金くらい出さなきゃ。何のためにきてんだかわかんねーし。
でも紗弥は,小さく首を横にふって,俺に向かってピースサインを出して,店員のお姉さんに
[じゃあAで割ってください]
と言った。
:06/08/20 00:07 :F700iS :hUwWG9uI
#323 [花◆AV8KevAYKk]
もうその場の雰囲気は紗弥のペース。
俺は口出しできないまま,店員のお姉さんに言われたとおりの金額を払って,俺はケーキの箱。紗弥は棒みたいなケーキ?を手に持って店を出た。
さっききたところの角を曲がると,紗弥は包みを半分まであけたケーキスティックを俺に差し出した。
[はい!
これちょ〜ウマイよ]
お金のことや俺の不安を気にさせないように,気をつかってくれているのがよくわかった。
だから俺も何も言わずに紗弥の行為に甘えた。
[うん。ちょ〜ウマい!]
そのケーキスティックはドライフルーツやクルミが入っていてほんとにおいしかった。
:06/08/20 00:22 :F700iS :hUwWG9uI
#324 [花◆AV8KevAYKk]
同時に紗弥らしいな,って思った。
[あたしも裕也も甘いもの大好きだからさ〜]
紗弥は嬉しそうに俺を見て話した。
最近,紗弥は「あの目」をしない。
[そうなんだ。
俺も結構好きだよ]
[まじで?以外〜
なんで好きなの???]
紗弥はいつも理由を気にしてなんでなんでと俺に聞くことがあった。
携帯の機能にまでも,なんで?と聞いていた。
:06/08/20 00:26 :F700iS :hUwWG9uI
#325 [花◆AV8KevAYKk]
[またなんでかよ〜!
理由なんかないよ]
…しまった。
案の定,紗弥を見ると不機嫌そうに目を細めて俺を見た。
[出たよ。
達也はいつもそればっかり!]
[う…
じゃあなんで紗弥は甘いのが好きなんだよ?]
俺は紗弥に今までこんな風に聞き返したことはなかったけど,理不尽だったので意地悪そうに紗弥に聞き返した。
:06/08/20 00:29 :F700iS :hUwWG9uI
#326 [花◆AV8KevAYKk]
[え!?あたし?え〜と…]
[やっぱり紗弥だって…]
[うるさい!
裕也が好きだから好きになったんだよ]
紗弥はすごい理由をつけて,一気にケーキを口に放り込んだ。
[理由になってねーよ]
こんな感じでしばらく俺達は笑いあったまま歩いた。
でも,紗弥が何にでも理由を求めるのにもきっと何かわけがあるんだとも心の隅で考えたんだ。
それほど紗弥の「なんで」は異常だった。
:06/08/20 00:34 :F700iS :hUwWG9uI
#327 [花◆AV8KevAYKk]
病院につくと,紗弥は俺に,自分の後ろをついてくるように言った。
俺は言われたとおりに,紗弥の@メートルくらい後ろを歩いた。
エレベーターは使わずに階段を上がっていく。
途中で何人も患者さんとすれ違った。
こんな小さな町病院にも結構人がいるもんなんだな。
B階につくと,紗弥は携帯を取り出して,画面を確認していた。
俺もマナーモードになっているか確認をした。
それから,また俺の手を掴んで奥までずんずんと歩いていく。
:06/08/20 00:52 :F700iS :hUwWG9uI
#328 [我輩は匿名である]
ァケ"-
:06/08/21 21:13 :F902iS :☆☆☆
#329 [我輩は匿名である]
あげ
:06/08/21 21:14 :N901iC :☆☆☆
#330 [花◆AV8KevAYKk]
:06/08/21 21:37 :F700iS :9MSW5YGA
#331 [花◆AV8KevAYKk]
ゃっぱり今カラ更新します
俺は病室の番号を見ながら紗弥に連れられるまま,廊下を歩いた。
先端にほど近い,広そうな個室の前で紗弥は足を止めた。205号室…
名前は【城谷 裕也】
うわ…やべ。
俺なんだか緊張してる。
紗弥を横目で見ると,俺の方を見ていた。
[仲良くしてあげてね]
紗弥が裕也君のことを大切にしてる気持ちが伝わる。
[おッおう。ケーキ,一緒に食べるんだもんな]
:06/08/21 21:51 :F700iS :9MSW5YGA
#332 [花◆AV8KevAYKk]
病室の扉を開けると,柔らかい風が吹いた。
紗弥の甘いかおりが漂う…
いや,部屋中紗弥と同じ匂いがする。
[裕也ぁ〜]
紗弥は広い部屋の片隅にある白いベッドのカーテンを勢いよく開けた。
ベッドの上には水色のパジャマを着た,細くてなんとも華奢な男の子が体を半分だけ起こして,空を見上げていた。
髪は茶色くて,目が丸い。髪がもう少し長かったら女の子に間違いそうだ。
[お姉ちゃん!]
裕也君は紗弥を見て嬉しそうに言った。
:06/08/21 22:01 :F700iS :9MSW5YGA
#333 [花◆AV8KevAYKk]
しかし,その愛らしい顔は紗弥の後ろについていた俺の姿を見て,一瞬だけ顔色を曇らせた。
紗弥はそれに気付いて
[ほら,この前写メで見せた…達也だよ?]
[あッ,初めまして!柿山達也でーす…]
一応俺なりの最大の微笑みをしたつもり。
裕也君は写メを思い出したみたいに,あッという顔をして紗弥と目を合わせて笑った。
そしてすぐ俺に向き直して,白くて綺麗な歯を出して笑ってくれた。
[城谷裕也です!]
:06/08/21 22:07 :F700iS :9MSW5YGA
#334 [花◆AV8KevAYKk]
[ねぇ裕也!うちら一緒に裕也の好きなケーキ買ってきたんだよ〜?
ねッ,達也]
[え!ほんとう?]
裕也君は,可愛い笑顔をより一層にして笑い,ベッドの窓側から椅子をとって並べてくれた。
[ほらッ。俺も一緒に食っていい?]
俺は愛想よく裕也君がとってくれた椅子に座って,ケーキの箱を裕也君に渡した。紗弥もすぐ横に座った。
紗弥は学校の紗弥じゃ考えられなかったくらい,裕也君の前ではよく笑って,よく喋った。
俺もなんだかそれが嬉しかった。
:06/08/21 22:14 :F700iS :9MSW5YGA
#335 [花◆AV8KevAYKk]
紗弥は棚から小皿とフォークを出して,ケーキを取り分けた。
[裕也,今は一個ね。]
[うん!]
裕也君にはガトーショコラ。俺と紗弥は苺のショートケーキ。
だけど箱にはまだケーキが残ってる。一体裕也君に何個買ったんだよ。
B人でケーキを食べていると,なんだか俺も家族の一員みたいになれた。
裕也君はおいしいね,と俺に笑ってくれた。
可愛くていい子だな…
みんなが食べ終わると,紗弥はすぐ使った食器を洗ってくると言って,ついでに花瓶を持って病室を出て行った。
:06/08/21 22:22 :F700iS :9MSW5YGA
#336 [花◆AV8KevAYKk]
…おいおいおいおい!!
A人にされると何話したらいいのかわからねえーよ。
と思っていたら案の定沈黙…
裕也君はさっきみたいに窓の外を見て,まぶしそうにしていた。
[あ…カーテン閉めようか?]
俺が立ち上がって動こうとすると,裕也君は俺の服を掴んで,ゆっくり首を横にふった。
[ありがとう!でも僕,空が好きだからいいんだ]
そう言って笑った顔は,決して紗弥には似ていないんだけど,雰囲気や瞳の奥が紗弥にそっくりだった。
:06/08/21 22:30 :F700iS :9MSW5YGA
#337 [花◆AV8KevAYKk]
そういえば,紗弥とはじめて会ったときも,紗弥は空っていうか,太陽を見上げてたよな。
そんな部分がそっくりってわけか。
それからしばらく,俺の話や裕也君の質問攻めに答えたりして,仲良く話した。
[ねぇ,お姉ちゃんって優しいでしょ?僕,お姉ちゃん大好きなんだ〜!
お兄ちゃんは,お姉ちゃんのこと好き?]
裕也君は何とも純粋で真っ直ぐだった。
Aでこんなこと言うのはきっと裕也君くらいだろうな。
菜々子なんか絶対言わない。
でも,そんな顔されるのはすごく嬉しかったけど,少しだけまたなぜか胸が苦しくなった。
:06/08/21 22:39 :F700iS :9MSW5YGA
#338 [花◆AV8KevAYKk]
[俺も好きだよ,紗弥のこと大好きだよ。]
[ほんとー?やっぱりお姉ちゃんは人気者なんだね]
裕也君は無邪気に笑う。
うん…ほんとに,好きだよ。俺は紗弥が大好きだ。
そんな話を終えたころ,紗弥が部屋に戻ってきた。と,もう一人。
白衣を着た長身の男の人。もちろん一目で医者だとわかった。
:06/08/21 22:45 :F700iS :9MSW5YGA
#339 [花◆AV8KevAYKk]
[あッ,中林先生!こんにちは。
お兄ちゃん,僕の担当のお医者さんだよ]
裕也君は,その中林先生という人に丁寧にあいさつをして,嬉しそうに俺に紹介してくれた。
[はいこんにちは,裕也君。元気だね。
えっとお兄さん…?]
中林先生は細い目を俺に向けて,頭を少し下げた。
[あッ俺は…]
俺が自分のことをはなそうとするとすぐ紗弥が横から口を出した。
[私の同級生です。
裕也に会わせたくて,今日連れてきただけで…]
:06/08/21 22:55 :F700iS :9MSW5YGA
#340 [花◆AV8KevAYKk]
[そうかね。優しそうなお兄さんだね〜
裕也君,紗弥さん]
と言って,顔を緩めた。
[はい!
先生,今日はどうしたんですか?]
紗弥も裕也君と同様,隣で頷いてくれた。
[今日はね,大事なお話があるんだよ]
俺はなんだか中林先生の口調と,紗弥の優しそうだけど,深刻を交えた顔付きを見て,手術の話だと思って,席を外そうとした。
:06/08/21 23:00 :F700iS :9MSW5YGA
#341 [スィミー]
:06/08/22 17:50 :N901iC :☆☆☆
#342 [たけのこ山]
:06/08/22 23:26 :F901iC :Q1XPEe1I
#343 [花◆AV8KevAYKk]
:06/08/22 23:34 :F700iS :MU5SA70Y
#344 [花◆AV8KevAYKk]
でも,紗弥は部屋を出ていこうとした俺の腕を掴んだ。
[いいから…てゆーか,傍にいて]
俺は黙って紗弥に寄り添うように隣に立った。
中林先生は笑顔で話を続ける。
裕也君も紗弥も中林先生を見つめる顔は真剣。
[裕也君はそろそろ入院して長いんだ。
体も前よりは成長してきてるし,手術には耐えれるように思える。]
裕也君は不安げだけど,中林先生から視線を外さない。
心臓がどう悪いかは全く知らないけど,今はいい方向に進んでるんだよな???
:06/08/22 23:40 :F700iS :MU5SA70Y
#345 [花◆AV8KevAYKk]
そして,俺達に気を使ってくれたのか,中林先生は紗弥だけを連れてまた部屋を出ていった。
裕也君はまた空を見上げた。
[僕ね…元気になったらいっぱいやりたいことがあるんだ]
黙り込んでいるかと思ったら,また明るく話を仕出した。
[そっか〜例えば?
俺も一緒にできることある?]
[うん!例えばサッカーとか,遊園地に行くとかさ…
とにかく学校に行きたいんだ〜]
え?いつから裕也君は病気だったんだ?
なんだかだんだんわからなくなってきた。
:06/08/22 23:46 :F700iS :MU5SA70Y
#346 [花◆AV8KevAYKk]
紗弥は中学を長野から転校して来ているのに,弟の裕也君が病気だってことは優は知らなかった。
でも両親が何らかでいなくなったんだから,きっと転校したのはそれと同時ぐらいだろう。
プリクラは古かったけどどう考えても,紗弥は高校生だった…
でも学校に行きたいって?ただ名残惜しんでるだけ???
[裕也君は…いつから入院してるの?]
単刀直入。
裕也君は少しだけ暗い顔をした。紗弥が無表情のときと一緒の…あの目をして。
[小学校のC年生からだよ]
:06/08/22 23:54 :F700iS :MU5SA70Y
#347 [花◆AV8KevAYKk]
ってことは紗弥はその時中@…
たしか転校は中A。
じゃあ裕也君が入院してからしばらくは,両親はまだ亡くなってなかったてことだよな。
[紗弥とプリクラ撮った頃は,動けたんだ?]
[あ!あの時は気分転換だって,お姉ちゃんが…
あとで看護婦さんにすごく怒られたよ]
やっぱり。
あのプリクラの時期にはもうここに入院していたんだ。
紗弥は高校からバイトを始めて学校をサボってた。
両親が亡くなったのは…A,B年前ってことか。
:06/08/22 23:58 :F700iS :MU5SA70Y
#348 [花◆AV8KevAYKk]
いや。俺の馬鹿野郎!
紗弥はただ[両親はいない]としか言っていなかった。
亡くなったとか勝手に俺が決めちゃってるよ。
だけど,だけど何でかわからないけど,その時は直感でそう思ったんだ。
[紗弥の両親は死んだ]
って。
裕也君の話もそっちのけで,俺は自分の勝手な推測にイラついたりした。
何度心の中で余計なことを考えるなと思っても,どうしてもその結果にたどりつく。
どうして…
:06/08/23 00:16 :F700iS :yVQQiEVU
#349 [スィミー]
ぁげぇ
:06/08/23 22:57 :N901iC :☆☆☆
#350 [スィミー]
あげます
:06/08/26 23:49 :N901iC :☆☆☆
#351 [花◆AV8KevAYKk]
:06/08/26 23:58 :F700iS :zxtXzMJY
#352 [スィミー]
楽しみに待ってます
:06/08/27 00:15 :N901iC :☆☆☆
#353 [あちゃ]
上げたい
:06/08/28 18:48 :N901iS :ThZMpCmQ
#354 [☆MIKU☆]
:06/08/28 21:47 :N901iC :zXiwp3Gk
#355 [花◆AV8KevAYKk]
スイミーサン
ぁちゃサン
MIKUサン
ぁりがとぅござぃます
お待たせしました
また頑張ります
文化祭やテストで忙しくて
遅れがちになりますが,見守っていてさぃ
:06/08/28 22:04 :F700iS :RgcItfyE
#356 [花◆AV8KevAYKk]
[あ,お姉チャン!]
俺が驚いて後ろを振り返ると,紗弥が戻って来ていた。
中林先生とは一緒じゃないから,話は済んだみたいだ。
どうなるのか…手術の話って。
[達也,まだ時間ある???]
[余裕!]
紗弥は頷いて,裕也君の隣に座って裕也君を見て微笑みながら言った。
[あのね,裕也…
手術は結構難しくて,長い時間がかかるの。]
裕也君は黙って紗弥を見つめる。
:06/08/28 22:09 :F700iS :RgcItfyE
#357 [花◆AV8KevAYKk]
[で…裕也がいいって言ってくれるなら,中林先生は,早く手術への準備を整えて,完全な状態で望みたいんだって]
裕也君は少し涙目で,毛布をぐっと握っていた。
紗弥はゆっくり,まるで本を読み聞かせるように話し続けた。
[裕也は…平気???
お姉チャンも恐いの。でも,早く裕也とまた外へ出掛けたい。色んな事が裕也としたいの]
裕也君はためていた涙をこぼした。
:06/08/28 22:14 :F700iS :RgcItfyE
#358 [花◆AV8KevAYKk]
[裕也…]
紗弥は裕也君の頭を軽く撫でながら,俺の方を見て,微笑んだ。
あのすげぇ可愛い顔で。
それは自信に満ち溢れた顔だった。
[僕は…恐くないよ]
裕也君は涙を流しながら,真っ赤な目に顔まで真っ赤にして俺達に向かって言った。
[うん。恐くないよね]
紗弥も嬉しそうにそう繰り返した。
:06/08/28 22:19 :F700iS :RgcItfyE
#359 [花◆AV8KevAYKk]
せの二人のやり取りを見て,俺も泣きそうになった。
[でも…お金とかは???
新しい病院に行かなきゃダメなんでしょ?]
裕也君は幼いながら自分達の置かれた現実を,しっかりと紗弥に突き付ける。
[平気よ!こーみえてもあたしは働き者だよ?]
紗弥は俺の腕に自分の腕を絡ませて元気よく跳ねた。
裕也君はそれ以上詮索はしずに,涙を拭いてニコニコ俺達がはしゃぐ姿を見ていた。
:06/08/28 22:26 :F700iS :RgcItfyE
#360 [花◆AV8KevAYKk]
それから俺達は手術の話はやめて,またおしゃべりを続けた。
なんか,家族みたいですげぇ幸せだった。
[じゃあ,明日も来るからね。いい子にしててね]
[また来るね。裕也君]
俺達は裕也君の部屋を綺麗に整頓して,病院を出た。
また来るね…か。
[ねぇ達也…]
[ん〜?]
帰り道は俺の提案で,無理矢理ながらも紗弥を誘って遠回りをして帰ることにした。
:06/08/28 22:30 :F700iS :RgcItfyE
#361 [花◆AV8KevAYKk]
[手術さ…ほんとに,本当に難しいんだって]
紗弥は口を強くしているが,目は今にもこぼれそうに潤んでいる。
[成功するかなぁ…]
裕也君が泣いたときの様に一気に涙をこぼした。
さっきの強気の笑みは,裕也君を丸め込めるのに自信があっただけで,本当は紗弥自信もきっと心では涙を流していたんだろう。
[必ず成功するよ。
俺も願ってるしさ…]
俺は右手で紗弥の手を握って,左手では紗弥の目を擦った。
:06/08/28 22:36 :F700iS :RgcItfyE
#362 [花◆AV8KevAYKk]
ちょうど遠回りしてくるつもりだった公園までは,あと坂道を上るだけ。
日が落ちかけて,生暖かい風が俺達を横切った。
紗弥の目はいつものように硝子みたいで,流す涙も冷たくて,俺も少し震えた。
[ありがとう…]
俺の手を握り返した紗弥は,涙を拭った俺の手に軽くミニキスをしてくれた。
そして俺の手を引いて坂道を駆け上がり,声を出して笑った。
つられるように,紗弥に合わせて俺もわらった。
:06/08/28 22:40 :F700iS :RgcItfyE
#363 [花◆AV8KevAYKk]
俺はそんな紗弥の後ろ姿を見て,好きで好きで仕方ないってこうゆうことを言うんだと本気で思った。
[人を好きだ]
ということに理由がないのも,こうゆうことなんだと思う。
紗弥はきっと一人じゃ生きていけないだろう。
俺だってそうだ。
だから…
俺と紗弥が一生一緒にいればいい。
うん。
それがいい…
:06/08/28 22:53 :F700iS :RgcItfyE
#364 [あちゃ]
やたッ
ホントにこの話スキだから、これからも頑張ってください
:06/08/28 23:29 :N901iS :ThZMpCmQ
#365 [☆MIKU☆]
:06/08/29 00:21 :N901iC :v0MTi01I
#366 [リリー]
:06/08/29 13:11 :P701iD :☆☆☆
#367 [花◆AV8KevAYKk]
:06/08/29 23:02 :F700iS :oGI3eSwE
#368 [花◆AV8KevAYKk]
:06/08/29 23:05 :F700iS :oGI3eSwE
#369 [花◆AV8KevAYKk]
紗弥は坂の上の公園の入口までいくと,追い掛けた俺を振返り,手を出した。
もう涙は消えて,いつもの無表情な紗弥がそこにはいた。
紗弥は何も言わずに手を出したけど,俺にはわかった。
紗弥と手を繋ぎ,夕焼けに照らされたの公園を歩いた。
もうすぐ夏というのにやっぱりまだ少し肌寒い。
田舎の証拠だ。
[紗弥…]
:06/08/29 23:10 :F700iS :oGI3eSwE
#370 [花◆AV8KevAYKk]
[何?]
紗弥は一応目だけ俺のほうを向いた。
[裕也君の手術は,どこまで行かなきゃならないんだ?
あと,お前お金って…]
やっぱり心配だ。
いくらぐらいかかるのかな。やっぱり何百…何千とか!?
紗弥は今までどうり学校へ来ないかもしれないけど,こうして会えなくなるくらい忙しくなるのは決定的だ。
[ん〜…愛知病院だよ。
お金は,実は恐くて先生に詳しく聞けなかった]
紗弥は顔を歪めて頬をかきながら小さく言った。
:06/08/29 23:15 :F700iS :oGI3eSwE
#371 [花◆AV8KevAYKk]
[そっか…
でもさ,やっぱり今以上忙しくなる…よな?]
俺は言葉がギクシャクしてうまく話せない。
[まーね。
でも…テストの日は行くし,また裕也に会いに行かなきゃいけないから]
[っていう日は俺も誘ってくれる???]
つい興奮して紗弥の手を引っ張る。
[たぶんね]
紗弥は欝陶しそうに言った。
けど,軽く口を緩めて笑っていた。
:06/08/29 23:21 :F700iS :oGI3eSwE
#372 [花◆AV8KevAYKk]
やった。紗弥とまた約束交わしたぜ〜!
舞い上がった俺は大変な事情もなんだかうまくいくような気がした。
―紗弥達のこと何も知らなかったからかも知れないけど…
[だけどお金の心配は達也はいちいちしないで]
紗弥はいきなり強い口調になって,俺を黙らせた。
[親からの保険は昔おりてて貯金くらいあるし,今までも一生懸命働いてきた。
それに…]
保険?親の保険って何?
俺が固まっていると,紗弥はしまったという顔をして俯いた。
:06/08/29 23:28 :F700iS :oGI3eSwE
#373 [花◆AV8KevAYKk]
[紗弥,あの…]
さっき考えた,俺の予想がまた頭を掠めた。
[家の親は死んだから。
何か言えなくて,てゆーか言う必要ないし]
やっぱり…
俺の中で紗弥の口調と親の面影,裕也君の瞳までもが何かと重なった。
[何かの事故…?]
紗弥は頷く。
[結構お金は入ったし,あたしも裕也も納得できる年頃だった。
A人で頑張ろうって]
[うん…]
俺は紗弥の手を強く握り,話をただ聞くしかできなかった。
:06/08/29 23:35 :F700iS :oGI3eSwE
#374 [花◆AV8KevAYKk]
そこまで話したところで公園の入口まできた。
紗弥は指で,あたしはこっち とジェスチャーした。俺の家とは逆方向。
[送るよ]
[いいよ。まだ少し明るいし…]
ただ早く帰りたいだけなのかもしれない。
[またメールするから]
そう言って紗弥は俺に背を向けて既に歩き出していた。
[うん。
あ!紗弥!!さっきの「それに」の続きって…]
俺は未練がましく紗弥を止めるが紗弥は止まらない。
:06/08/29 23:41 :F700iS :oGI3eSwE
#375 [花◆AV8KevAYKk]
聞こえてないのかな。
紗弥は振返りも,手も降らずに,帰って行った。
俺も紗弥の帰った道に背を向けて,歩き出した。
結構遠回りしたけど,あの公園は以外と俺の家から近い。
家についたと同時に携帯がなった。
受信は紗弥。
…?
【それに,達也には心配かけたくなかったの!
って言いたかった。】
俺は思わず携帯を抱きしめて声を出して笑った。
紗弥の素直じゃない態度は逆に俺をまた強く紗弥に引き込む。
:06/08/29 23:46 :F700iS :oGI3eSwE
#376 [花◆AV8KevAYKk]
家に入ると,兄貴が丁度出掛けるところだったみたいで,玄関先ですれ違った。
[兄貴,どっか行くの?]
[あ〜ぁ…今日さ,夕飯彼女も一緒に食うから]
[ってことは今から迎えに行くとか?]
[正解♪じゃーな。
あと,表でおかしな声出して笑うなよな〜達也]
げっ!バレてた…ダセぇな俺ってば。
兄貴は機嫌よく家を出て行った。
つーか,一緒に夕飯って…もちろん俺もだよな。
:06/08/30 22:53 :F700iS :rYfyUQ/2
#377 [花◆AV8KevAYKk]
兄貴に彼女がいることは知っていたけど,まだ会ったことない。
少し前に菜々子とお袋は会ったと言って,騒いでたっけ…
なんか緊張する。
兄貴も菜々子も俺と違って綺麗な容姿をしてるし,なんだかイヤだな。
夕飯と聞いて,キッチンを覗くとお袋が一生懸命料理をしていた。
結構兄貴の彼女のこと気に入ってるのかな。
楽しそうに鼻歌なんか歌ったりしてさ。
:06/08/30 23:00 :F700iS :rYfyUQ/2
#378 [我輩は匿名である]
続き書かンの?
:06/09/01 19:43 :SH702iD :K/fh4pr2
#379 [花◆AV8KevAYKk]
匿名サン
前レス見ていただければわかる通り,今大変忙しくて申し訳ないのですが,遅れがちな更新になっています。
でも必ず,最後まで書くので,見守っていただけることをお願いしたいです。
今日の夜更新します。
:06/09/01 20:33 :F700iS :PTuWyS9k
#380 [花◆AV8KevAYKk]
俺はお袋に声はかけずに,二階に上がった。
さっきの兄貴の言葉を思い出して,携帯を開いて紗弥にメールを打った。
【案の定,心配してるよ。口は出さないけど(^^)
でもあまり無理するなよ!また一緒に裕也君とこ行こうな。
じゃあバイト頑張れ!
またな〜】
こんな感じで。
うん,いいかな…
送信ボタンを押した俺はなぜか前みたいに緊張とかしてなくて,すんなりとメールを送れた。
紗弥が心を開いてきてる気がしたからかな。
:06/09/01 22:22 :F700iS :PTuWyS9k
#381 [花◆AV8KevAYKk]
それから適当にスエットに着替えて,ベッドに倒れた。
ゆっくりまぶたが重く閉じる…
眠たいな。
[達也〜!]
あ…誰か呼んでる。
紗弥???
違う 美穂子???
[達也!!!!]
俺の背後から騒がしい音が聞こえて,俺は目を覚ました。
:06/09/01 22:27 :F700iS :PTuWyS9k
#382 [花◆AV8KevAYKk]
誰かが部屋のドアを叩いていた。
[達也!ご飯よ〜]
なんだ…お袋か。
[ああ母さん,今行くよ]
重たくて硬い体を起こして,のろのろと階段をおりた。
リビングからいい匂いが伝わる。
食卓は親父以外そろっていた。
あ…兄貴の隣…
:06/09/01 22:31 :F700iS :PTuWyS9k
#383 [花◆AV8KevAYKk]
[お兄チャン遅いよ!
沙耶華サン待っててくれたんだよ〜]
隣にきた菜々子が俺を軽く抓った。
え?紗弥???
[こんばんは,達也君。
あと…初めましてかな?木村 沙耶華です]
何だ…沙耶華か。
この人が兄貴の彼女なんだ。
セミロングの髪は綺麗なブラウンでパーマをかけたゆるいウェーブ。
花柄のワンピースのうえから白いカーディガンをきて,愛らしい顔をしている。
まさに お嬢様系大学生。
真面目そうで顔立ちのいい兄貴とはよく似合っていた。
:06/09/01 22:39 :F700iS :PTuWyS9k
#384 [花◆AV8KevAYKk]
[初めまして…]
大きな瞳に見つめられて,俺は少し恥ずかしくなった。
こんな格好してるし。
沙耶華サンは,菜々子やお袋と楽しそうに話しながら夕飯を食べて,片付けまでしていってくれた。
兄貴も手伝っていて,流しに立った二人の後ろ姿はまるで新婚夫婦みたいだった。
夕飯の途中に菜々子が
[達兄も美穂子サン呼べばよかったのに]
と,余計なことを言った以外は順調に夕飯を済ませれた。
:06/09/01 22:45 :F700iS :PTuWyS9k
#385 [花◆AV8KevAYKk]
あと,沙耶華サンは俺に
[洋人と似てるね]
って言ってくれた。
俺はその場では迷惑そうな顔をして見せたが,内心はまじ嬉しかった。
兄貴はほんとに器量もいいし,頭もいいから。
お世辞だとしてもなんだか沙耶華サンは信じれた。
ただの自己満かな…
:06/09/01 22:49 :F700iS :PTuWyS9k
#386 [花◆AV8KevAYKk]
お知らせがあります
明日の夜カラ
をSO902iに変更します
ので,混乱
を招かないようにお知らせさせていただきました
今までどうり,花
なので
変わっても疑わないでくださぃ
また明日カラ頑張ります
:06/09/02 18:49 :F700iS :shPU6PsM
#387 [寿]
更新楽しみに待ってます。。。頑張ってな
:06/09/03 00:51 :P901iS :VSZINido
#388 [リリー]
:06/09/03 09:24 :P701iD :☆☆☆
#389 [スィミー]
:06/09/03 19:48 :N901iC :☆☆☆
#390 [花◆AV8KevAYKk]
:06/09/03 22:01 :SO902i :gV7v2V6o
#391 [☆MIKU☆]
:06/09/04 18:45 :N901iC :g0v7pmxs
#392 [リリー]
:06/09/04 20:18 :P701iD :☆☆☆
#393 [スィミー]
あげ(
ゝω・)
花サンのペースでがんばってクダサイ
:06/09/04 20:45 :N901iC :☆☆☆
#394 [花◆AV8KevAYKk]
:06/09/04 21:27 :SO902i :1WReuBEw
#395 [花◆AV8KevAYKk]
兄貴は沙耶華サンを送って行くと言って,家を出ていった。
沙耶華サンは深々とお袋にお礼を言って,菜々子には可愛い花みたいなのがついたキーホルダーを渡していた。
俺も一応玄関さきまで送った。
沙耶華サンは俺にも優しい顔をして笑いかけてくれた。
兄貴と俺はヤッパリ似てないかも。
顔だけじゃなくて,性格なんか,全く違う。
俺は兄貴みたいに沙耶華サンに優しくしてる姿を家族に見せるなんてできないし,素直に笑いあったり出来ない。
紗弥のことは好きだけど。
:06/09/04 21:36 :SO902i :1WReuBEw
#396 [花◆AV8KevAYKk]
沙耶華サンと兄貴を送り出し,自分の部屋に戻った。
携帯を見ると,メールがA件入っていた。
美穂子…
【明日会いたい】
月曜は特に予定がなかったから【いいよ】とだけ返事をした。
もう@件はメルマガ。
紗弥からの返事はなかった。少し寂しかったが,何となく気にならなかった。
:06/09/04 21:43 :SO902i :1WReuBEw
#397 [我輩は匿名である]
:06/09/05 18:00 :SH902i :☆☆☆
#398 [スィミー]
:06/09/06 17:38 :N901iC :☆☆☆
#399 [☆MIKU☆]
:06/09/06 18:50 :N901iC :ZZ4rSLKg
#400 [新]
早く続きが読みたいですZZ
:06/09/10 08:09 :W41T :☆☆☆
#401 [寿]
学校始まっていろいろ大変だと思うから、花さんのペースで頑張ってな
:06/09/10 09:32 :P901iS :vDZSAqTs
#402 [花◆AV8KevAYKk]
:06/09/10 15:16 :SO902i :iguysbck
#403 [リリー]
:06/09/10 16:26 :P701iD :☆☆☆
#404 [我輩は匿名である]
:06/09/10 16:33 :N900i :☆☆☆
#405 [花◆AV8KevAYKk]
リリーサン
匿名サン
お待ちありがとうございます
更新します
:06/09/10 20:45 :SO902i :iguysbck
#406 [スィミー]
花サンがんばれぇ
:06/09/10 20:47 :N901iC :☆☆☆
#407 [花◆AV8KevAYKk]
次の日,いつもどうり学校へ向おうと家を出ると誰かが車庫の前に立っていた。
[おっす!達也〜]
優か。
少しだけ紗弥だと期待をしたけど,紗弥は俺のうち知らないし。
当たり前なことにほっとため息をついて優に返事がわりに手を振った。
[おーす。
お迎えありがと〜優くん]
優より数センチ高い背を下げて優にすりよった。
[気持悪いな。
日曜のことが気になって]
だと思った…
いかにも行動が優らしい。
[だと思った]
俺は笑った。
:06/09/10 20:52 :SO902i :iguysbck
#408 [花◆AV8KevAYKk]
:06/09/10 20:53 :SO902i :iguysbck
#409 [花◆AV8KevAYKk]
俺達は並んで歩き出した。それから,ゆっくり日曜の話を始めた。
予め,優には最後まで黙っていろと言ってから。
[紗弥とは役場で待ち合わせて一緒に病院まで行ったんだ]
俺はだいたいのあらすじを長々と優に聞かせた。
[裕也くんはもうすぐ手術があるから,紗弥は今までどうり学校には来ないってさ。
それから…]
やっぱり,紗弥の両親の話やお金の話はしたらいけないよな。
途中で話をやめた俺を優は問いただしたりはしなかった。
そのかわり…
[つーか,お前気持伝えたわけ???]
出た〜。
直球な質問。
:06/09/10 21:04 :SO902i :iguysbck
#410 [花◆AV8KevAYKk]
紗弥が好きだということは,屋上でそれとなく伝えた。紗弥も俺に心を許してくれてたし…
[裕也くんは…言った]
[お前バカだろ]
優は俺の背中を思いきり叩いて笑った。
だけど,しっかり思いを伝えるのは美穂子と別れてからじゃないと。
[早めにケリつけろ]
優は俺の心を読んで,先に言葉を出した。
何でみんなエスパーの力持ってんだろ。
俺が唖然としていると
[達也はわかりやすいからだよ]
また気持ちを読まれた。
そういえば,紗弥にもおなじこと言われたな…
:06/09/10 21:12 :SO902i :iguysbck
#411 [花◆AV8KevAYKk]
そんなこんな話をしながら歩いていると,何だか早く学校についた。
そういえば今日は美穂子に会わなくちゃいけない。
少し憂鬱な気持ちが漂う。
優は俺を玄関に置き去り,さっさっと階段を上って教室に入った。
教室には結構みんな登校していて,ざわついていた。
[真奈美チャンおはよう♪]
優は本を読んでいた野田さんだけにあいさつをして席についた。
俺も後から一応あいさつをした。
もちろん隣の紗弥の席には誰もいない。
G時過ぎ…そろそろ来るはずなんだけど…
[達也ぁ〜]
キタ………
:06/09/10 21:21 :SO902i :iguysbck
#412 [花◆AV8KevAYKk]
美穂子はいつもの明るい声で俺に走り寄った。
それを見ていた優は軽く鼻で笑った。畜生…
[おはよ〜]
[おす…]
美穂子はやっぱりいつもみたいに紗弥の席に座った。
[もうすぐ夏休みだね。一緒に海行こ〜]
そうだ。もうF月の初旬。夏休みなんかあっという間に来る。
それまでに何とか美穂子とケリをつけなくちゃ…
目の前で笑う美穂子を優しく見つめながら,俺はそんなことを考えた。
最低だな。
:06/09/10 21:28 :SO902i :iguysbck
#413 [花◆AV8KevAYKk]
適当に美穂子の相手をして,早めに自分のクラスに帰らせた。
だって放課後も会わなくちゃいけないんだ。辛すぎる。
ショートを終らせ,ダラダラとする授業が始まった。
俺はもう憂鬱を乗り越えて鬱病状態。
やっとあと@限で昼休みになる…という,B限目終了の休み時間にポケットの中の携帯が震えた。
どうせメルマガ…
違う。
一瞬光った水色のイルミネーションは…
メルマガでもなければ,友達でも家族でもない。そして美穂子でもない。
紗弥だ…
:06/09/10 21:35 :SO902i :iguysbck
#414 [花◆AV8KevAYKk]
まさかと思い,持っていたジュースを優に押し付け,携帯を開いた。
題名:バイト休み
【屋上来ちゃった。達也は今何してる???】
時計を見ると,授業開始A分前。
俺はメールを開いたまま携帯を閉じ,ポケットに突っ込んで教室を飛び出した。
一応振り替えると,優のとぼけた顔と世界史の青山のハゲ頭が目に入った。
[柿山!!!!どこいくんだ!授業始まるぞ]
うるせぇハゲ。
[腹痛でトイレにいます!]
俺は夢中になって第2本館の屋上に向かって走った。
:06/09/10 21:46 :SO902i :iguysbck
#415 [花◆AV8KevAYKk]
階段を一気に駆け上がり,息切れしながらもとにかく屋上を目指した。
紗弥…!!!!
ガシャン。
丁度あと一段で屋上の扉にたどり着くところで,携帯を踊り場に落とした。
[くそっ!]
舌打をして階段を降りると,携帯についたの屋上の鍵だけを見つめていた俺の視界からいきなりそれが消えた。
驚いて顔を上げると,窓からの日が当たって眩しくて目がくらんだ。
[そんなに急いでどこいくの???]
逆光と埃の粒まみれの中に綺麗な白い歯が輝いた。
[紗弥…]
:06/09/10 21:54 :SO902i :iguysbck
#416 [花◆AV8KevAYKk]
[来るとは思ったけど,まさかこんなに早く来るとは思わなかったよ]
紗弥はまだ息切れと目がやられて,フラフラの俺を抜かして階段を上がった。
俺の携帯から屋上の鍵をとり,簡単にドアを開けて屋上に消えた。
俺も呼吸を整えて,紗弥を追った。
先週来たばかりだというのに,屋上の日差しが何故かすごく久しぶりに感じてしまった。
[達也ー]
紗弥は倉庫の裏に姿を隠し,俺を呼んだ。
紗弥の甘い匂いと声に誘われて,俺は倉庫に惹き付けられるみたいに歩いた。
:06/09/10 22:01 :SO902i :iguysbck
#417 [スィミー]
あげ(
・艸・
)
:06/09/11 22:55 :N901iC :☆☆☆
#418 [み〜]
:06/09/12 00:04 :D902i :kgxnEmxk
#419 [花◆AV8KevAYKk]
スイミーサン
あげ
ぁりがどぉござぃます
お待たせしました
み〜
サン
ぁりがとぉござぃます
ガンバります
:06/09/12 19:03 :SO902i :JU5/B/aw
#420 [花◆AV8KevAYKk]
紗弥はいつもの場所に座って空を見上げていた。
無表情で凛々しくて…綺麗な顔。
いつもと何も変わらない。
[バイトなかったんだ]
俺は何となく話をきりだした。
紗弥は頷くだけでまた空を見た。
[裕也にあまり無理しないでって言われたし]
[そっか…
今日来る気だったんなら遅刻してくるなよ]
俺は紗弥を茶化したけど,まるっきり紗弥は無視。
[俺に会いたかった???]
ダメ元の冗談。
…紗弥は空を見つめていた目を少しそらした。
:06/09/12 19:11 :SO902i :JU5/B/aw
#421 [花◆AV8KevAYKk]
[まぁね]
少し間があったが,紗弥は鼻で笑うように俺に小さく言葉を返した。
もう紗弥の虜。
俺は紗弥のすげぇ綺麗で透き通るような頬に軽くキスをした。
それでも紗弥は無視。
ただ空ばっかりみている。
だけど少しだけ紗弥の頬が赤らむのがわかった。
素直じゃないけど紗弥は紗弥だな。
沈黙にそろそろ飽きたような顔で紗弥がいきなり話をし始めたのは,E限目も終ろうとしている頃だった。
:06/09/12 19:20 :SO902i :JU5/B/aw
#422 [新]
続きが……読みたぁいxx
\(≧▽≦)丿
でも主タソのヘペェスヘでガンバってツツ
:06/09/14 07:11 :W41T :☆☆☆
#423 [スィミー]
あげ(●^д^人^д^●)
:06/09/14 16:24 :N901iC :☆☆☆
#424 [花◆AV8KevAYKk]
:06/09/14 18:39 :SO902i :jboDgGIs
#425 [花◆AV8KevAYKk]
そういえば,今日の放課後は美穂子と約束をしていたのを思い出した。
…と思った途端に,携帯が震えた。
嫌な予感がする…
その予感は当たり前のように当たった。
相手はもちろん美穂子だ。
鬱陶しく手の上で震え続ける携帯を見て,深いため息をついた。
紗弥に[出ないの???]と促されて,俺は仕方なく渋々と携帯の受話ボタンを押した。
[はい…]
:06/09/14 22:57 :SO902i :jboDgGIs
#426 [リリー]
:06/09/14 23:15 :P701iD :☆☆☆
#427 [みなみ]
:06/09/16 10:02 :SH700i :uWXoh9YU
#428 [ゅぃ]
:06/09/16 13:26 :N902i :Ibq.v0f.
#429 [我輩は匿名である]
:06/09/16 13:53 :N902i :Ibq.v0f.
#430 [千鶴]
あげます
:06/09/19 00:47 :N901iC :Pb1RuKxs
#431 [我輩は匿名である]
:06/09/19 06:02 :P901iS :gTkkCQUc
#432 [リリー]
:06/09/19 20:39 :P701iD :☆☆☆
#433 [☆MIKU☆]
:06/09/19 21:09 :N901iC :OYQYezQ2
#434 [我輩は匿名である]
:06/09/22 18:43 :P902iS :☆☆☆
#435 []
頑張って
:06/09/26 00:11 :N901iS :rn6sF/UU
#436 [花◆AV8KevAYKk]
みなさま…
本当にご感想や励まし
ぁりがとうございます
今 テスト期間でそのあと修学旅行や短期留学…
と,花は小説を毎日更新できない状態がまた何週間か続いてしまいます
ですが妥協
はしません
少しづつでも力を注ぎますので
大変申し訳ありませんが,今暫くお待ち願います
そして,励ましをくれたみなさま
愛しています
:06/09/26 03:45 :SO902i :AiEKBtO6
#437 [☆MIKU☆]
:06/09/26 17:41 :N901iC :yAENoY6A
#438 [リリー]
:06/09/29 12:35 :P701iD :☆☆☆
#439 [☆MIKU☆]
:06/09/29 13:33 :N901iC :KLMSqNFc
#440 [我輩は匿名である]
:06/09/30 00:58 :N902i :sROxTpF.
#441 [花◆AV8KevAYKk]
本当にみなさまぁりがとうござぃます
:06/09/30 11:41 :SO902i :AOYu/.f.
#442 [花◆AV8KevAYKk]
[達也〜??
どこにいんの…???]
[悪い。
今日はやっぱり会えなくなったから…]
一瞬にして携帯の向こうの空気が凍りついたように静かになった。
その時,紗弥は俺たちの会話を聞いたらしく,立ち上がった。
そのまま何も言わずに出口に向かって歩く。
[…紗弥!!!!]
呼び止めた俺の声。
もちろん通話はしたまま…
紗弥は止まったが同時に電話も切れた。
:06/09/30 11:48 :SO902i :AOYu/.f.
#443 [花◆AV8KevAYKk]
しまった…
明らかに俺は[紗弥]と叫んだ。
聞こえていた証拠に美穂子は電話を切ったんだ。
どうしよう…
俺って最低。
[バカだね…]
紗弥はいつのまにかまた俺の横に座って悲しそうな顔をした。
その顔は今にも泣き出しそうで,ほんのり顔が赤い。
[だって俺…紗弥っ]
紗弥の香りが一層濃くなって目の前が霞んだ。
口が熱く,心臓が高鳴る。
俺は一心に紗弥を抱き締めて唇を求めた。
唇が一瞬離れるたびに何でも呟いた。
[好きだ]
:06/09/30 11:56 :SO902i :AOYu/.f.
#444 [花◆AV8KevAYKk]
もう後悔なんかなかった。
美穂子を考えている余裕なんかない。
紗弥への想いはもう抑え切れないくらいになって俺を狂わせた。
紗弥も何も言わずに,俺を抱きかえしてキスをする。
何もいらない…
今はもう,紗弥とこうしていられればいいから。
紗弥の長い髪に触れながら,俺は何度も思ったんだ。
もっと早く…
紗弥に出会っていたかったって。
:06/09/30 12:02 :SO902i :AOYu/.f.
#445 [あ〜ちァん]
:06/09/30 14:11 :F702iD :HobFmHEA
#446 [姉]
楽しみに読んでます
紗弥と達也結ばれてほしぃな
そしてラブ
になって欲しいなぁ
:06/09/30 14:23 :N902i :1eFAMt8s
#447 [☆MIKU☆]
:06/09/30 18:18 :N901iC :tzpWMZCY
#448 [我輩は匿名である]
:06/09/30 19:15 :P902i :Wzo5bN5E
#449 [リリー]
花さん
更新ありがとうございます
なんか…良いですね
笑
読んでてすごく感情移入しちゃいました
本当この小説好きです
頑張ってください
:06/09/30 23:03 :P701iD :☆☆☆
#450 [☆MIKU☆]
:06/10/02 17:08 :N901iC :r8mzWo6Y
#451 [☆MIKU☆]
:06/10/04 00:58 :N901iC :bXrYZxx.
#452 [☆MIKU☆]
:06/10/04 20:48 :N901iC :bXrYZxx.
#453 [ゅりん]
:06/10/04 21:38 :P901iS :d7ehk8mI
#454 [リリー]
:06/10/05 01:12 :P701iD :☆☆☆
#455 [リリー]
:06/10/05 14:56 :P701iD :☆☆☆
#456 [リリー]
またまた,あげぇ
:06/10/05 21:20 :P701iD :☆☆☆
#457 [☆MIKU☆]
:06/10/06 01:17 :N901iC :d2ZMrJfE
#458 [リリー]
寝れないから深夜にのぞいちゃいました* ̄0 ̄)ノ
あげますぅ
:06/10/08 02:42 :P701iD :☆☆☆
#459 [花◆AV8KevAYKk]
いつもぁげ
てくださる皆様
とても感謝しています
頑張ります
:06/10/08 09:54 :SO902i :upLnr4jE
#460 [花◆AV8KevAYKk]
日も暮れはじめて,校舎は静かになっていた。
微かに聞こえる笑い声や部活の声…
俺達は黙って夕日を見ていた。
紗邪はまだガラスみたいな目をしていたけど,俺は夕日の暖かさにまかせて,何も話しかけなかった。
何分か座ったままでいたけど,紗邪はいきなり立ち上がって俺の手をとっ出口へとて歩き出した。
:06/10/08 09:58 :SO902i :upLnr4jE
#461 [花◆AV8KevAYKk]
[紗…邪…?]
[…見たい]
呟くように紗邪が何かを言った。
あまりに小さい声を俺は上手く聞き取れなくて,紗邪の顔を見つめた。
紗邪は屋上から一点を見つめてもう一度小さく呟いた。
[教室が見たい]
紗邪の視線の先には,第一本館の俺等の教室があった。
[行こう]
俺は紗邪の頭をなでて,早歩きで屋上を出た。
:06/10/08 10:03 :SO902i :upLnr4jE
#462 [花◆AV8KevAYKk]
階段を一段づつ降りるたび,二人の足音が響いた。
途中,何人かの生徒とすれ違ったけど,俺は紗弥の手をはなさなかった。
紗弥も気に止めていないようで,目がちらちら合うたびに小さく微笑んでくれた。
[何か…急に学校での自分の存在を確かめたくなったの]
並んで渡り廊下を歩きながら紗弥は独り言みたいにはなした。
[紗弥の席はまだ俺のとなりだよ]
:06/10/08 10:08 :SO902i :upLnr4jE
#463 [花◆AV8KevAYKk]
また階段を上がって俺たちは教室を目指した。
何人かまだ生徒は残っていて,他のクラスからも声が聞こえる。
C組の前を通った時,中を少しだけ横目でのぞいたけど,誰もいなくて電気もついていなかった。
美穂子は…帰っただろう。
安心なのか,不安なのかわからない,おかしな気持ちが俺の心を煩わせた。
:06/10/08 10:12 :SO902i :upLnr4jE
#464 [花◆AV8KevAYKk]
俺達の教室に着くと,教室から声が聞こえた。
高い大きな声。女子???
A,B人いるみたいで,みんなで騒いでる。
俺は紗弥と繋ぐ手を思わず離し,ドアを開けるのをためらっていると,紗弥は首を傾げて,教室のドアを開けようとした。
―その時
[あーもう別れよっかな]
今の美穂子…?
いつもの美穂子の声だけど,どこか違い,憎たらしい声をしている。
でも確かに…この声は美穂子。
:06/10/08 10:25 :SO902i :upLnr4jE
#465 [花◆AV8KevAYKk]
紗弥はドアを開けようとした手を止めて,ガラス張りから教室の中を背伸びで静かに覗いた。
美穂子を確認したのか,離していた俺の手を握り返し,ドアの向こう側を見透かすように見つめていた。
[え〜?
だって真奈美から盗ったばっかなんでしょ???
早いよくねー!?]
友達らしい誰かが言った。真奈美…?とった???
紗弥は黙って美穂子達の話を聞いている。
:06/10/08 10:29 :SO902i :upLnr4jE
#466 [花◆AV8KevAYKk]
[だって,何か城谷だっけ?あいつの事気になっるらしくて〜うざい。
あんたなんかただの遊びだっての!!
真奈美が好きだって言ってたし,まぁまぁ顔がいいと思って盗ったんだけど。
この前なんて,あたしのことフろうとしてんの!何様だよ!!!!]
全員が吹き出して笑っている。
俺は頭の中真っ白。
美穂子達はしゃべるのをやめない。
:06/10/08 10:32 :SO902i :upLnr4jE
#467 [花◆AV8KevAYKk]
[ね,ね!誰かD組の山田春香の好きな奴知らない???
あいつ気に入らないんだよね〜!
自分ぜってー可愛いとか思ってるってし]
美穂子は意地悪そうに笑う。
[また好きな奴盗るの???
美穂子も飽きないね!
まぁ美穂子ならイケると思うけどさ〜]
教室が大爆笑の中,俺は廊下に立ち尽くしていた。
でも…
―ガラッ
いきなり教室のドアが開いて,美穂子達の視線が一挙に俺達に集中した。
:06/10/08 10:36 :SO902i :upLnr4jE
#468 [花◆AV8KevAYKk]
開けたのは紗弥…
紗弥は黙ったまま俺の手を引いて美穂子達にどんどん近づく。
美穂子達は呆然として黙り込んでいる。
[紗弥…!]
俺は早くこの場から消えたいのに,紗弥はそれを許さない。
紗弥の手から汗を感じる。俺なのか,紗弥なのかはっきりしないけど,わかることは お互い緊張しているということ。
俺らを見て,まずいと思ったのか,美穂子の友達は美穂子を残してさっさっと教室から逃げ出した。
:06/10/08 10:39 :SO902i :upLnr4jE
#469 [花◆AV8KevAYKk]
[ちょっと!!]
美穂子は言葉を投げ掛けるけど,それも届かない。
紗弥は美穂子の友達を嫌そうに見送り,美穂子の前にに向き直した。
[あんた…どうゆうつもり???]
[違う。違うの達也…]
美穂子は紗弥の質問を無視して紗弥を避けるように俺に擦り寄った。
紗弥はため息をついて,俺と美穂子の間に割込み,強い口調で一言言うと,思い切り平手を振り上げた。
[人を馬鹿にしないで]
:06/10/08 10:43 :SO902i :upLnr4jE
#470 [花◆AV8KevAYKk]
―バシッと鋭くて痛々しい音が教室に響く。
紗弥の平手は俺の頬にクリーンヒット。
俺は美穂子の前に反射的に立っていた。
[[達也…]]
紗弥と美穂子は声を重ねて俺を呼んだ。
:06/10/08 11:31 :SO902i :upLnr4jE
#471 [☆MIKU☆]
:06/10/08 16:50 :N901iC :ogfMUjIg
#472 [我輩は匿名である]
:06/10/08 18:04 :N902i :TjUBc.ig
#473 [タコ焼き~(笑)]
気になるやん♪♭ほな頑張ってなぁxx
:06/10/08 18:05 :W31K :MzH1cZrs
#474 [我輩は匿名である]
:06/10/08 19:08 :P902i :2RL0pvBY
#475 [美穂]
:06/10/08 19:17 :N901iC :☆☆☆
#476 [花◆AV8KevAYKk]
皆様〜
こんなに読者の方が沢山ぃてくださるなんて
花ゎ幸せ
です
:06/10/08 19:52 :SO902i :upLnr4jE
#477 [花◆AV8KevAYKk]
[達也…やっぱりあたしは達也じゃないと…]
美穂子は俺に抱き付いて泣き始めた。
紗弥は俺達の様子を見て,手を拳にして震えていた。
[勘違いするな。
俺はお前を守りたかったんじゃない。
紗弥を汚したくなかったんだ。
帰れよ…]
俺は美穂子の腕を振払い,震える紗弥の拳を両手で覆った。
美穂子はぴたりと泣くのを止めて,悔しそうに舌打ちをして教室を走って出て行った。
:06/10/08 19:54 :SO902i :upLnr4jE
#478 [花◆AV8KevAYKk]
[達也…]
紗弥は泣き出してしまって,俺はもう慌てるだけ。
[泣くなよ,紗弥〜]
[だって…
痛かったでしょ?
ごめん…ごめんなさい]
紗弥の目からはとめどなく涙が溢れる。
俺はそれを一粒も無駄にすることのないように,一生懸命綺麗にシャツの裾で拭った。
そんなことをしながら,今幸せで仕方ない気持ちを紗弥に伝えたかったと思ったし,キスもしたかった。
でも…やっぱり紗弥はエスパーなのかな。
甘い香りを漂わせて俺の頬に何度もキスしてくれた。
:06/10/08 20:04 :SO902i :upLnr4jE
#479 [たけのこ山]
:06/10/08 20:06 :F902iS :/B2z.EyI
#480 [☆MIKU☆]
:06/10/10 03:00 :N901iC :pahdHDbQ
#481 [リリー]
すごくたくさん更新されてて嬉しかったです
やっぱこの小説大好きです(
*'v'*q)
これからが楽しみです
頑張ってください
:06/10/11 14:26 :P701iD :☆☆☆
#482 [我輩は匿名である]
:06/10/11 19:17 :SH700i :guLLWuUg
#483 [ゆい]
:06/10/12 00:55 :W32H :Rp24GIx.
#484 [ぷりん]
マジすごぃイィぉ話ですね
初めて読んだのですが、ハマりました
続き楽しみにしてます
:06/10/12 02:46 :N901iS :c9n.ok7o
#485 [ゆリこ]
:06/10/13 13:09 :SH902iS :sCWfkNmY
#486 [リリー]
:06/10/13 20:28 :P701iD :☆☆☆
#487 [パンダ]
今全部読み終えました
すごいおもしろい
花さんがんばってください
:06/10/14 05:45 :N901iS :vV32IcSs
#488 [我輩は匿名である]
:06/10/14 14:53 :P902i :DXKCmGpc
#489 [花◆AV8KevAYKk]
:06/10/14 18:04 :SO902i :ivV99JMo
#490 [花◆AV8KevAYKk]
学校からの帰り道,紗弥と一緒に俺の携帯を開いて美穂子のアドレスを消した。
[嫌な奴だったね]
紗弥は軽く横目で俺を流し見て呟いた。
俺は無言で少しだけ頷いて見せた。
正直…
美穂子にあんな風に思われて今まで付き合っていたなんてショックだったし,別れた実感も薄い。
あんな事を言われてるのに,ムカつくっていうより悲しいと思ったりしてしまう。
:06/10/14 18:11 :SO902i :ivV99JMo
#491 [花◆AV8KevAYKk]
確かに,美穂子と付き合いながらも紗弥に惹かれていたのは事実だし,キスだってした。
明らかにこれは浮気。
だけど仕方なかったんだ…
俺は紗弥が好きだったし,紗弥も俺の行為を拒む様子もなかった。
だけど別に紗弥のせいにしている訳じゃない。
俺と紗弥は運命なんだ…
[達也,平気???]
帰りの別れ道,紗弥が優しく俺の頬を掴んで真っ直ぐ俺に問掛けた。
:06/10/14 18:16 :SO902i :ivV99JMo
#492 [花◆AV8KevAYKk]
[全然平気!]
俺は笑って右手をあげた。
そうだよ。
俺と紗弥は結ばれたんだし,美穂子の正体にだって気付けた。
幸せじゃん。
あれ,でも俺………
紗弥に告白とかしてねーし。結ばれたって言っても,付き合えてるのか?
コレ…
紗弥は安心したように手を振りかえして帰ろうとした。
[あ!紗弥〜]
情けない声で俺は紗弥を呼び止めた。
:06/10/14 18:20 :SO902i :ivV99JMo
#493 [我輩は匿名である]
:06/10/14 18:32 :N902i :xd8vwMc.
#494 [優]
久々にこんな
いい小説読みました。
アタシもこんな恋
したいと思った。
すごい純粋で綺麗だしなんかあったかくなります!
これからもずっと
読んでいきます☆
:06/10/15 01:56 :W32S :c/xqtAzI
#495 [けんじ]
:06/10/15 17:20 :N900iS :8Q1orn.o
#496 [優]
まだかなあ〜x
戻ッてくるまで
上げて待ッてますツ
続きが
気になります。
:06/10/16 00:54 :W32S :5kIVpgMw
#497 [リリー]
:06/10/16 02:23 :P701iD :☆☆☆
#498 [あい]
:06/10/16 19:35 :SH902iS :pg8nJrGg
#499 [リリー]
あげます($
'U`人)
+゚
:06/10/17 19:17 :P701iD :☆☆☆
#500 [悠]
あげえ〜
:06/10/18 10:34 :F902i :vEibpCvk
#501 [花◆AV8KevAYKk]
:06/10/18 19:33 :SO902i :SfQoRp/c
#502 [花◆AV8KevAYKk]
[何???]
紗弥は軽く足を止めて俺を振り返った。
[え〜っと
なんつーかな…
ほら,アレだよ。アレ]
やっぱりなかなか言えない。
優柔不断な俺を紗弥はどんな風に思うかな。
情けなくてごめん。
言わなきゃな。
しっかり言わなきゃいけない。
[好きだ。
付き合ってくれ]
:06/10/18 19:38 :SO902i :SfQoRp/c
#503 [花◆AV8KevAYKk]
あれ…今,もしかして俺口に出しちゃった???
恐る恐る紗弥を見ると,紗弥はぼーっと俺の方を見つめている。
[だ…だめ?]
紗弥のかおを覗きこむように聞いた。
[あっ…
なんていうか。ゴメン]
え?
紗弥今ゴメンって言った。
[達也のことは好きだけど…
付き合えない。]
:06/10/18 19:43 :SO902i :SfQoRp/c
#504 [花◆AV8KevAYKk]
なんで…
俺のこと本当に好きなのかよ。
[わかった!
悪かったな,いきなり。
また誘うからメール位させろよ!
じゃーな。]
[違う。
達也が悪いんじゃなくて…あたし…あたしね…]
俺は紗弥を残してその場から立ち去った。
紗弥の言いかけた言葉なんか聞きたくない。
怖くて聞けない。
顔が熱い。
目が霞む。
今きっと俺泣いてるんだ…。
:06/10/18 19:48 :SO902i :SfQoRp/c
#505 [悠]
:06/10/20 16:30 :F902i :.enh3O72
#506 [悠]
:06/10/21 00:15 :F902i :tQdTs16Q
#507 [寿]
頑張ってな 更新待ってます
:06/10/22 13:52 :P901iS :eTixM.r2
#508 [花◆AV8KevAYKk]
悠サン
ぁげ ぁりがとうござぃます
寿サン
お久しぶりです
ぁりがとうござぃます
みなさま
最近更新少なくて申し訳ありません
しかも今日から@週間
短期留学研修のため,更新できません
心からお詫びします
お待ち願います
:06/10/22 18:28 :SO902i :MZytvfE6
#509 [リリー]
花さん
大変そうだけど体を壊さず頑張ってきてください
あげながら待ってます
:06/10/22 18:39 :P701iD :☆☆☆
#510 [リリー]
久々にあげぇ
:06/10/26 01:17 :P701iD :☆☆☆
#511 [悠]
ちョッと淋しいけど
帰ッてくるまで
待ッてます
:06/10/26 22:43 :F902i :IywwB7yM
#512 [悠]
あげえ〜
:06/10/27 19:03 :F902i :mhtBLvNQ
#513 [ナナ]
:06/10/27 19:33 :N900iS :ixm.dovA
#514 [ゲイ]
チンポ〜ポ〜♪
片玉男はゲイにな〜りたっがる〜♪ って意味わっから〜ん♪
っていう歌出します!
今週のランキング1位、ゲイで、「アナル」で〜す♪
ミュージックステーション制覇♪
でも所詮俺はゲイ…
うっそっやっね〜ん…
アナルがばっこ〜ん!
屁が出まくる!
肛門筋ゆるみまくりすてぃ〜… さ
:06/10/27 19:35 :W41S :☆☆☆
#515 [悠]
:06/10/28 16:45 :F902i :jJjD.m42
#516 [唯+゚]
早く更新されナィかなッ
:06/10/29 22:06 :N702iD :zodReFmU
#517 [悠]
:06/10/30 18:27 :F902i :kcLiTO6k
#518 [花◆AV8KevAYKk]
皆様
お待たせいたしました〜
帰ってきました
これからバリバリ更新…
とぃきたいところなんですが。。。。。
今日はまだ更新できそうにないです
本当に申し訳ない
明日から出来る限り更新するので
またお願いします
:06/10/30 19:57 :SO902i :HmPuIGeU
#519 [リリー]
:06/10/30 21:27 :P701iD :☆☆☆
#520 [たけのこ山]
:06/10/30 22:58 :F902iS :EhSogEvE
#521 [唯+゚]
主サン頑張ってッ
ぅちらゎぃつでも待ってるかンねッ(
>▽<)
:06/10/31 07:08 :N702iD :VNxUvZGA
#522 [(-.-)]
死ねゃ
:06/10/31 10:27 :W41CA :fuXh4ulM
#523 [リリー]
:06/10/31 18:04 :P701iD :☆☆☆
#524 [花◆AV8KevAYKk]
:06/10/31 18:43 :SO902i :1HpubQ4o
#525 [花◆AV8KevAYKk]
家に着くまではほんの僅かな時間だった。
玄関に倒れ込んだ俺は,息は切らして汗を頬がつたった。
[畜生…]
小さく呟いて床を思いきり殴りつけた。
と 同時に兄貴が階段から降りてきて,俺に近寄り手を引いて顔をあげさせられた。
俺は兄貴と目が合うなり,すぐ反らした。
[おかえり。達也]
兄貴は一言言って微笑むと,事情なんか聞く様子もなくその場を去った。
:06/10/31 18:47 :SO902i :1HpubQ4o
#526 [花◆AV8KevAYKk]
俺は兄貴の後ろ姿を見るなり,また涙を流した。
汗と混じり,ぼろぼろと雫が床に流れ落ちる。
兄貴はずるい…
兄貴のこうゆうとこが嫌いなんだ。
何でも出来て顔もよくて…何より優しくて
気がつかえる。
こんな兄貴が
俺は本当は大好きだ。
涙を拭って立ち上がると,制服のポケットから携帯が落ちて震えだした。
:06/10/31 18:51 :SO902i :1HpubQ4o
#527 [花◆AV8KevAYKk]
メール着信のイルミネーションを見ると,胸が打たれ,呼吸が乱れた。
…紗弥
俺は携帯を拾いあげて,無我夢中でたった今フラレた相手からのメールに目を落とした。
【なんだか今日はゴメン
だけど楽しかったし,あたしの悩みの種も一つ消えたんだ。
達也の話びっくりした。
あの時はゴメンね】
まさに見たくなかった内容どうり。
馬鹿馬鹿しいフォローなんかいらない。
俺は返信しずにまた携帯をポケットに突っ込んだ。
:06/10/31 18:56 :SO902i :1HpubQ4o
#528 [花◆AV8KevAYKk]
だけど どうしても飯の時や風呂の時でも携帯が気になってしまう。
部屋に戻り制服をかけたハンガーを何度も見る。
結局妥協だ。
ベッドから跳ね起き,携帯に手をかけた。
その時。
:06/10/31 18:59 :SO902i :1HpubQ4o
#529 [花◆AV8KevAYKk]
また手のうえで携帯が震えはじめた。
びっくりして体が揺れる。
もちろん…
期待なんかしてないのに。
なんで
なんで
なんで紗弥からメールが届くんだよ…
俺が今送ろうとしたのに。
また失敗。
いつも紗弥のが一枚上手だし,紗弥の方が俺より断然素直。
悔しいのにさ…
顔は緩むんだ。
紗弥からのメールが凄く嬉しくて予想外で。
もっと紗弥が好きになってしまう。
フラレてんにさ。
:06/10/31 19:09 :SO902i :1HpubQ4o
#530 [悠]
:06/11/01 00:11 :F902i :VCMgBweQ
#531 [ぱこ]
始めヵラずッと読ませてもらッてマス(
′`p
q))。+
主さンのペースで頑張ッて下さイ
:06/11/01 21:21 :D902i :tVXb/rgM
#532 [花◆AV8KevAYKk]
:06/11/01 21:35 :SO902i :3HoEWrtI
#533 [花◆AV8KevAYKk]
【達也,怒ってる???】
紗弥のメールはこれだけ。
切なくて,愛しくてまた顔が熱くなって目が霞む。
いつからこんな風になったんだ俺は…
全部
紗弥のせいだよ。
馬鹿やろう…
俺は目を擦り,ゆっくりと返信を打った。
【怒ってね〜よ!寝てただけ
心配させて悪いな】
無器用で単純な嘘。
強がった文章…
もう紗弥には負けたよ。
俺,諦めない。
:06/11/01 21:39 :SO902i :3HoEWrtI
#534 [花◆AV8KevAYKk]
メールを送ると一分も経たない内に携帯が震え,紗弥から返事か届いた。
【よかった。
あのさ,今度また裕也に会いに来て】
紗弥らしい我儘で少しだけ俺みたいに無器用な内容。
俺は
【もちろん!おやすみ】
とだけ打って携帯を閉じてすぐに寝た。
悔しかったけど今はこうするしかない。
そしてまたしても悔しいことにそれから紗弥からの返信はこなかった。
:06/11/01 21:44 :SO902i :3HoEWrtI
#535 [花◆AV8KevAYKk]
次の日俺が起きたのは朝方のD時。
結局携帯が気になって眠れなかったんだ。
仕方ないよな…
俺は今恋する乙女???
なんだから。
なんだか二度寝をする気にもなれず,だらだらと洗面所に向かって鏡をみた。
驚いた…
目が腫れて一重になっている。
とにかくすげー不細工。
:06/11/01 21:52 :SO902i :3HoEWrtI
#536 [花◆AV8KevAYKk]
俺の機嫌は最悪…
そこにいつもやたら早起きな菜々子が入ってきて俺の顔をみて一言。
[うわッ
達兄の顔きっも〜]
だってさ…
俺は菜々子の顔を睨みつけて洗面所を出た。
今日学校休もうかな。
美穂子には気まずくて会いたくないし,紗弥だってこないだろうし…
:06/11/01 22:01 :SO902i :3HoEWrtI
#537 [花◆AV8KevAYKk]
そう思ってまたベッドに潜ろうとした。
けど…
なんかわかんねぇけど,今日は休んじゃ駄目な気がする。
胸が騒いだ。
スエットの端から滑り落ちた携帯を見つめて,とゆうか睨みつけて…
俺はまた洗面所に足早に向かった。
:06/11/01 22:08 :SO902i :3HoEWrtI
#538 [悠]
:06/11/02 17:19 :F902i :APS0ePWo
#539 [愛]
今日はじめて読みました!!
なんか本当にはまっちゃって1日ずっと読んでましたょお
がんばってくださぃねぇ
:06/11/02 18:26 :W44T :F.Irfjhk
#540 [ぴほ]
:06/11/03 08:53 :SH700iS :ktyr3f1c
#541 [リリー]
:06/11/04 01:24 :P701iD :☆☆☆
#542 [リリー]
あげぇ(
´3`)ノ⌒
:06/11/06 22:25 :P701iD :☆☆☆
#543 [花◆AV8KevAYKk]
ぁげ
ゃら 感想
ゃら
カキコミぁりがとぅござぃます〜
遅いながらも
更新頑張ります
夜から書き始めます
:06/11/07 18:31 :SO902i :5qrWgCPs
#544 [悠]
久々にあげえ〜
:06/11/07 19:37 :F902i :90ExuwcM
#545 [花◆AV8KevAYKk]
顔を何度も擦り,自分なりに瞼をマッサージもしたつもり。
だけど俺の二重は戻ってこなかった。
もし優にこの目の理由を聞かれたとき…
[紗弥にフラレて泣いた]
なんて口が避けても言えない。
俺は乙女か!!!!
そうだよ。誰だって失恋は辛い。
だから 乙女かて!!!!
なんて頭のなかでツッコんだりしているうちに,お袋が朝飯の支度を始めたのか,いいかおりが漂った。
俺は諦め,一重のままで居間に向かった。
:06/11/07 23:11 :SO902i :5qrWgCPs
#546 [花◆AV8KevAYKk]
[達也 早いわね〜]
お袋はご機嫌。
俺が早起きだといつもなぜか機嫌がいいんだよな。
俺は適当に挨拶して食卓の席についた。
[あら,あんたその目どうしたの???]
お袋はトーストを出したついでにまじまじと俺の顔を覗き込んだ。
[なんか…起きたら腫れてたんだよ]
俺はわざとぶっきらぼうにトーストに手を伸ばしながら答えると,お袋はなにも言わずにまたキッチンに戻っていった…
と思ったらまたすぐ俺のそばに駆け寄った。
:06/11/07 23:16 :SO902i :5qrWgCPs
#547 [花◆AV8KevAYKk]
[昨日夜更かしでもしたの???]
と言うと,お袋は薄いビニールに氷をいれたものを俺に渡した。
[あ〜でもそれだとこんなに早く起きないわよね…
もしかして泣いたとか?]
なんて無駄口言い,軽く笑ってまたキッチンに戻った。
つまり…この氷で目を冷やせという意味らしい。
俺はトーストの暖かい食感と氷のヒンヤリとした感触にぎこちなさを感じながらも,朝飯を進めた。
でも母さんの行為を容易くあしらったわりにはその優しさに感謝していた。
:06/11/07 23:23 :SO902i :5qrWgCPs
#548 [花◆AV8KevAYKk]
朝飯を終えて,着替えようと自分の部屋にもどる,親父が起きたのか,向かいの部屋から物音が聞こえた。
いくら昨日 俺に辛い出来事があったからといっても,いつもと変わらない朝だ。
いつもと同じ空間に俺はいるんだ。
そう考えると脳裏には紗弥の笑顔。
やっぱり好きだ。
だらけながらも制服に手をとおし,軽く髪をいじると目が二重になりかけているのが鏡をよく見てわかった。
うっすらと線が浮き上がる。
きっと学校につく頃にはいつもの俺だな。
:06/11/07 23:28 :SO902i :5qrWgCPs
#549 [花◆AV8KevAYKk]
いつもより少し早いけど学校に向かおう。
それと昨日起きたことを優に全部話そう。
美穂子とは…気まずいけど仕方ない。
あんな奴はほっておくのが一番だしな。
…紗弥は働いてんのかな。
[いってきます]
少し溜め息混じりにいってきますを言い,玄関開けると,空が真っ青で目がチカチカと痛んだ。
と 同時にこのシチュエーションに慣れた,懐かしくて落ち着く香りが俺の体を包んだ気がした。
まさか…
まさかだよ。
:06/11/07 23:39 :SO902i :5qrWgCPs
#550 [花◆AV8KevAYKk]
俺の目の前…
玄関の柵をはさんで真っ正面にそれはいた。
反則だよ。
また一重に戻っちゃうじゃん。
[おはよう]
[紗弥…]
彼女はスエット姿。
学校にはやっぱり来ないみたい格好で顔はいつもに増して凛々しくて逞しくて綺麗。
そして一言挨拶したきり口を開かない。
[何で…紗弥。俺の家…]
俺は紗弥の顔に見とれながらも,イマイチ状況が把握できないでいる。
紗弥はニコリともしずに,相変わらずな無表情で俺を見つめる。
とゆうか,睨んでいる。
:06/11/07 23:46 :SO902i :5qrWgCPs
#551 [花◆AV8KevAYKk]
:06/11/08 12:00 :SO902i :AnOdHaeI
#552 [花◆AV8KevAYKk]
しばらく沈黙が続いた。
太陽がじりじりと照り付ける音まで聞こえてくるぐらい静かに俺達は向き合った。
我慢できない…
俺は空気を大袈裟に吸い込んだ。
[紗弥…なにか用でもあったのか??
俺学校行かなきゃ…]
[何で…]
[え?]
紗弥は俺を睨みつけながら瞳の奥まで見透かすみたいな目で小さく呟いた。
いつもみたいに上手く聞き取れない。
[どうしたんだよ]
再度勇気を出して紗弥に問掛けた。
:06/11/08 12:06 :SO902i :AnOdHaeI
#553 [花◆AV8KevAYKk]
[何で…
何でメールかえしてくれないの]
紗弥は言いたかったことを全て言い終えたみたいに,それだけを小さく言うとまた黙って俺を見つめた。
[ごめん…寝てた]
ふてぶてしい言い訳。
しかも何で俺 言い訳してんだろ。
でも 紗弥の真っ直ぐな瞳にたじたじ。
更に好きだという実感を思い知らされる。
:06/11/08 12:11 :SO902i :AnOdHaeI
#554 [花◆AV8KevAYKk]
[うそ]
紗弥は簡単に俺の言葉を二文字で片付け,眉をあげて口のはしで笑った。
[ごめん。うそ]
俺は玄関の柵を開けて紗弥の目の前に立った。
紗弥からの【なんで?理由は???】という言葉が飛んでくる前に口を出したかったから。
[ちょっと…かっこわりぃじゃん。
フラレた俺がフッた紗弥に気つかわせるなんて。
だからだよ]
:06/11/08 12:18 :SO902i :AnOdHaeI
#555 [花◆AV8KevAYKk]
[達也のことが好きだから]
全く予想していない,俺への返答。
何いってんのこいつ。
思わず紗弥から目を反らすと,思いきり紗弥の手が伸びてきて俺の頬を掴んだ。
[聞こえた???]
[…ふぁ,ふぁい]
【はい】と言ったつもりが,紗弥のせいで情けなく濁って静かな路地に響いた。
:06/11/08 12:22 :SO902i :AnOdHaeI
#556 [我輩は匿名である]
あげます
:06/11/09 02:46 :SH903i :XoAX28oU
#557 [新]
アゲA
主サンがんばって~~~
:06/11/09 07:25 :W41T :iV2pQyf.
#558 [悠]
:06/11/09 15:54 :F902i :iVWuCy9E
#559 [我輩は匿名である]
:06/11/09 17:26 :V904SH :l9gE7f..
#560 [唯+゚]
:06/11/09 19:54 :N702iD :b9S7Jtyk
#561 [゙]
:06/11/09 21:57 :W42H :2/JdfabI
#562 [新]
あげまぁすト
:06/11/12 09:29 :W41T :BgBgooyQ
#563 [ぴほ]
頑張ってくださいー
楽しみにしてます
主さん愛してるぅ
:06/11/12 15:45 :SH700iS :Rhm2lX1Q
#564 [花◆AV8KevAYKk]
:06/11/12 17:37 :SO902i :pJUgnrwY
#565 [スィミー]
:06/11/12 17:37 :D902i :☆☆☆
#566 [花◆AV8KevAYKk]
紗弥は顔が真っ赤。
長いストレートの髪が風になびいて甘い甘い香りが漂う。
[学校…遅刻するよ]
紗弥は俺の頬から手を放し,うつ向きながら言った。
[あぁ…
え?紗弥〜…]
紗弥の顔を覗きこむ。
長い髪が邪魔してなかなか目が見付からない。
紗弥の髪に手をかざすとスルスルと音を立てて,手の中を流れた。
[紗弥…もう一回聞きたい]
:06/11/12 17:41 :SO902i :pJUgnrwY
#567 [花◆AV8KevAYKk]
:06/11/12 17:42 :SO902i :pJUgnrwY
#568 [花◆AV8KevAYKk]
ゴツッ…
[痛え!何すんだよ]
いきなり額を殴られて驚いた俺は声を張り上げた。
[あれ。紗弥…]
紗弥は目に一杯涙をためて顔をますます赤くして拳を震わせていた。
[達也の馬鹿!!!!]
[ごごごめん…紗弥ッ]
焦ってしまい,紗弥に上手く触れることが出来ない。
額も痛むし…
何で泣くんだよ???
[ごめんってば…]
一呼吸ついて紗弥の背中に手を回す。
やっぱ背が高くたって女の子。俺の胸の中にすっぽり収まった。
:06/11/12 17:48 :SO902i :pJUgnrwY
#569 [花◆AV8KevAYKk]
[…ッだよ]
鼻をすすりながら紗弥が呟く。
[えッ?何???]
[好きだよ…]
聞き間違いじゃないよな。
紗弥は確かに言った。
俺が待ち望んでいた二文字。甘い甘い小さな単語。
【好き】
[まじで???]
思わず紗弥にキスをした。
紗弥の口元についた滴がしょっぱい。
だけどこんな幸せなキス二度と味わえない。
俺も好きだ…
:06/11/12 17:54 :SO902i :pJUgnrwY
#570 [(゚∀。)ノシポワン]
素直な紗弥かわぇ―ね
:06/11/12 17:56 :SH901iS :2BJvtLNs
#571 [花◆AV8KevAYKk]
キスを何度かしてからまた紗弥を思いきり抱き締める。
[苦しいよ…]
苦しいくらい抱き締めてやる。
俺だって昨日フラレて苦しかったんだ。
馬鹿。
[付き合って]
甘いキスの酔いから覚めて一言付け加える。
紗弥は腕の中で身震いをして,もう一度鼻をすすった。
[うん…]
夢じゃないよな。
この世界最高。
:06/11/12 17:58 :SO902i :pJUgnrwY
#572 [花◆AV8KevAYKk]
:06/11/12 18:00 :SO902i :pJUgnrwY
#573 [花◆AV8KevAYKk]
[おい]
俺が紗弥をまだ放さずに抱き締めていると,横から聞き慣れた声が聞こえた。
顔を上げると…
[…ゆ…優???]
優は照れ臭そうな顔をして片手をあげておす。と言った。
[何でお前…あっ!]
紗弥から俺は慌てて手を放した。
優はそれを見て苦笑い。
眉をひそめて紗弥を見た。
[篠田には達也の家まで案内してもらったんだ]
:06/11/12 18:05 :SO902i :pJUgnrwY
#574 [花◆AV8KevAYKk]
さっきとはうって変わって冷静な紗弥。
なんだよ。
幸せ絶頂は俺だけかい。
[そうだったんだ]
[新聞配達の帰りにいきなり城谷に後ろから自転車つかまれて]
[だって呼んでもとまらなかったじゃん]
紗弥は平然とはなしを続けた。
[…に,しても
おめでと♪お二人さん]
[優!!!!聞いてたのかよ]
全くこいつは…
[あれ…城谷〜]
:06/11/12 18:09 :SO902i :pJUgnrwY
#575 [花◆AV8KevAYKk]
[ぎゃははは!
城谷顔真っ赤じゃん]
そう。
優が言う通り,紗弥の顔はまた真っ赤。
その顔がまた愛しい。
[篠田うるさい…]
紗弥は俺達に背を向けて縮こまって自分の顔を叩いた。
[紗弥…これからは俺と一緒に病院通いだからな]
後ろ様に声をかけると紗弥は大振りにうなずいた。
:06/11/12 18:13 :SO902i :pJUgnrwY
#576 [たけのこ山]
:06/11/12 23:32 :F902iS :.Jr5Hd0M
#577 [悠]
あげ
:06/11/14 00:12 :F902i :fRvrJ5D.
#578 [ココ]
全部よみました
すっごくおもしろぃです
花サンのペースでがんばってくださぃ
又見に来ますネッ
:06/11/14 13:09 :N702iD :ZkVIYhOg
#579 [新]
アゲます
:06/11/16 20:51 :W41T :OhQLgvV2
#580 [さぁ]
:06/11/16 21:39 :SO902i :qX2DszZ2
#581 [花◆AV8KevAYKk]
それから,紗弥はバイトだから学校には行かないと言ったので,俺は優と一緒に学校に向かった。
優はまだ新配の格好。
優の家まで行かされて待たされて…
まぁ 許してやるか。
[なぁ〜お前城谷と付き合ったりして平気なの???]
[何で]
[美穂子チャン…]
あ〜 そうか。
優は昨日の出来事をなにも知らないんだった。
俺は美穂子から受けた仕打を話し,紗弥との経緯も全て話した。
:06/11/16 21:45 :SO902i :qX2DszZ2
#582 [花◆AV8KevAYKk]
[…ってわけなんだよ。
美穂子ってこんな奴だったんだよ。
騙されたな〜優!]
[え。俺知ってたよ]
は…???
今なんて言ったこいつ。
[達也,口開いてるぜ〜]
[お前!!!!
知ってたんなら何で付き合わせようとなんかしたんだよ]
そもそも俺たちのキューピットは優だった。
[だって。
美奈子チャン達也が好きって言ってたからさ♪]
優は軽く笑った。
:06/11/16 21:52 :SO902i :qX2DszZ2
#583 [花◆AV8KevAYKk]
美奈子…
たしか美穂子も言ってた名前だ。
誰だっけ…………
[あ!野田さんだ!!!!]
[正解〜]
そうか。
優は野田さんが好きだったんだ。
でもまさか野田さんが俺を好きなんて…
優 やるな〜…
くっそ!!!!
なんて思いながら笑った。
馬鹿な奴。
[お前,最高だな]
:06/11/16 21:54 :SO902i :qX2DszZ2
#584 [花◆AV8KevAYKk]
あぁ。
これでツジツマがあった。
俺たちの姿を見てコソコソ話す女子たち…
学校での野田さんの言葉。
すべて繋がった気がした。
何で今まで気付かなかったんだろう。
俺やっぱり鈍感だな〜
[達也が鈍感なんだよ
周りはみんな気付いてたし…]
あれ。
またエスパーですか…
:06/11/16 22:01 :SO902i :qX2DszZ2
#585 [花◆AV8KevAYKk]
学校着くと,なんだか息なり足が重くなった。
美穂子に会いたくないし。
紗弥のいない席なんか…
[おい。何してんだよ]
優が促す。
早く野田さんに会いたいんだな。畜生!!!!
[っしゃ〜!]
俺は校門で叫ぶ。
登校して来た生徒たちの視線がいたい。
でも 今の俺は無敵。
紗弥が手にはいったなんて幸せがついてるんだ。
あいつ…
今度俺の家に来ないかな。
:06/11/16 22:08 :SO902i :qX2DszZ2
#586 [花◆AV8KevAYKk]
:06/11/16 22:13 :SO902i :qX2DszZ2
#587 [ぁぉぃ]
花さん頑張れ!!
私絵かくの好きで将来まんが家とかなりたいなと思ってるんですけどぜひA花さんの作品をまんがにしたいなと思ってます♪だめですかねぇ??
:06/11/19 18:24 :V902T :☆☆☆
#588 [花◆AV8KevAYKk]
:06/11/19 19:27 :SO902i :aWQdxg9w
#589 []
ずっと読んでて
初かきやけど〜
主〜ッ
!!
待ってんで
笑
:06/11/21 23:32 :N902i :doXaqxa.
#590 [ぁぉぃ]
花さんありがとうございます!!
まだA未熟者だしまんが家になれないかもだし…でも趣味ででもいいから絶対一度は書きたいと思うので、花さんも小説つくる?の頑張って下さい(*^_^*)
応援します♪゙
:06/11/23 10:26 :V902T :nKF1pxvM
#591 []
:06/11/23 11:18 :N901iC :X4NsltCY
#592 []
:06/11/23 12:28 :N902iS :rAOAR1nc
#593 [大阪ゃ]
めっちゃぇぇ話ゃンッ!
ぉれもこれ読んでたら、恋愛ガンバらなァカンと思ってん。
せゃから、主さんもガンバりィ‐(^^)/▽☆▽\(^^)みんな応援しとるでッ!
ぁんたの小説にゎパヮーがぁんねゃッ!
気長に続けてゃァ‐ッ!
ほなッ!
:06/11/24 17:46 :N702iD :y0gGwSSo
#594 [大阪ゃ]
主のためにも、みんなが元気にぁげな!
ほなッ。
ぉれゎこっからバィトゃねんッ☆彡
:06/11/25 16:30 :N702iD :vEjAVN1I
#595 [花◆AV8KevAYKk]
:06/11/25 20:02 :SO902i :wB7jDSUY
#596 [大阪ゃ]
気にせんとッ
テスト頑張り‐!!!
主さんのペースで書ぃたらぇぇねんッ☆彡
文句言ぅャツゎぉらんて。ぃたとしたら、そぃつゎぇらぃぁんたの小説気にとる人ゃなッ
はょ、読みたくてしょぅがぁらへんのょ!
頑張り
:06/11/25 21:18 :N702iD :vEjAVN1I
#597 [スィミー]
花サンがんばってネ
いつも見てるよ
。*
私もテスト前なんだよ
がんばろぉね(*`・勍)
:06/11/26 11:05 :D902i :☆☆☆
#598 [大阪ゃ]
毎日ここ開ぃとるでッ!
テストもガンバってなッ!
:06/11/26 20:44 :N702iD :zivHLNAk
#599 [大阪ゃ]
ここの感想板トカなぃンッ
:06/11/27 20:28 :N702iD :cZahqdbA
#600 [スィミー]
感想板は無いみたぃデスね
私もテスト前なのに…
あげちゃいます
:06/11/27 22:25 :D902i :☆☆☆
#601 [花◆AV8KevAYKk]
スイミーサン
大阪ゃサン
ゴメンなさい
こんなにコメントをいただける小説になると思っていなくて。。。
感想板は作ってません
機会があったら作ります
:06/11/28 15:11 :SO902i :AHAim2UU
#602 [花◆AV8KevAYKk]
優と教室に入ると,少し教室がザワついた。
優は気付いているけど気付いてません。みたいな態度で真っ直ぐ野田サンに挨拶をした。
俺も知らん顔で席につく。
きっと俺と美穂子が別れたって噂が回ったんだろう。
あの場にいた女子はこのクラスの奴もいたし。
紗弥の顔を見て脅えてた石原。
あいつも不安そうに俺をみながらコソコソ話してる。
うぜぇ…
:06/11/28 15:16 :SO902i :AHAim2UU
#603 [花◆AV8KevAYKk]
休み時間なんだか教室に居ずらくて,優を誘って廊下にでた。
ほかのクラスの奴らが廊下の端にいる何かを見てまた小声で話すのを見た。
[達也…あれ]
優が目を凝らしてその先を指差す。
[あれ???]
俺達と回りの人間の目を注ぐ先には,美穂子。
…と,隣に誰か。
[あの人って三年の長谷川さんじゃん]
そう。
美穂子と親しげに話している背が高い男子は学校1のモテ男。
長谷川先輩だった。
:06/11/28 15:22 :SO902i :AHAim2UU
#604 [花◆AV8KevAYKk]
[付き合ってるんだって〜]
[まじで〜もう???
美穂子もよくやるよね]
女子のコソコソはこうゆうことだったのか…
俺って一体。
でもそこは男らしくシカト。別に気にしてねぇよ。
だって
俺には…
[達也には城谷がいるからな]
優が俺を軽く叩く。
それを聞いていた友達も話に食い付く。
[まじか〜達也!!!!]
[俺も付き合いて〜]
これで幸せなんだ。
[紗弥は俺のだよ!]
:06/11/28 15:26 :SO902i :AHAim2UU
#605 [花◆AV8KevAYKk]
俺達は美穂子と長谷川先輩のよこをすり抜け,移動教室に向かった。
それから数分の出来事だったらしい。
山田春香が泣きながら美穂子を叩き,二人が先輩の前で喧嘩になったのは。
その話を野田さんから聞いて俺達は呆れて笑った。
[でも,よかった]
野田さんは笑いながら俺に言う。
[え?何が]
[柿山くんが美穂子の本性に気付いてくれて]
げっ。
なんか意味ありな言葉…
まだ野田さん 俺が好きなのか?
:06/11/28 15:35 :SO902i :AHAim2UU
#606 [大阪ゃ]
ぉぉッ
更新されとるでッ!
スィミーさん見たかァ?
メチャィィゎァ‐ッ!
ゃっぱ、この小説好きゃゎァ‐!
:06/11/28 21:39 :N702iD :RqNItxdw
#607 [スィミー]
昨日は来れなかった
大阪ゃ
サン
今読んだ
やっぱぃぃね
花サン
勉強もがんばってください(*`0ω0b)b-☆
:06/11/29 11:35 :D902i :☆☆☆
#608 [大阪ゃ]
ほんまにぇぇッ!
これカラも頑張ってなッ!
スィミーさんもテストなんゃろッ?大変ゃケド、一緒に応援しょなッ
:06/11/29 16:22 :N702iD :rN0Tgs22
#609 [スィミー]
:06/11/29 16:51 :D902i :☆☆☆
#610 [大阪ゃ]
主さン・スィミーさン
テスト頑張ってなッ
終ゎったら、またみンなで絡もぅなッ
ほなッ
:06/11/29 22:21 :N702iD :rN0Tgs22
#611 [新]
アゲアゲです!!
主さんがんばりぇ〜〜
:06/11/30 02:14 :W41T :lw/xxLjo
#612 [けんじ]
:06/11/30 03:12 :SH903i :MTfp8pUo
#613 [スィミー]
あげ
:06/12/02 20:53 :D902i :☆☆☆
#614 [(-.-)]
みんなの好意に甘えすぎ
:06/12/04 12:54 :W41CA :EzYpxhoE
#615 [たけのこ]
:06/12/04 22:50 :F902iS :1/z8IePM
#616 [我輩は匿名である]
:06/12/05 13:34 :N901iC :GOXRPiXk
#617 [(-.-)]
テストってそんな長いもんなゎけ?ァホくさ
:06/12/06 20:05 :W41CA :5h/DIlf2
#618 [も]
悪口書くんなら、来んかったらええがタ
:06/12/06 20:13 :W41T :u.5.fd0w
#619 [我輩は匿名である]
テストは4日くらいだけど
勉強しなきゃだから
長いに決まってるじゃん
:06/12/06 20:42 :D902i :☆☆☆
#620 [(-.-)]
4日なんてとっくにすぎてるだろぉが
:06/12/06 20:58 :W41CA :5h/DIlf2
#621 [我輩は匿名である]
まだテストは始まってないかもじゃん。
テストのために勉強しなくちゃいけないから
小説書けないんじゃないの
:06/12/06 22:03 :D902i :☆☆☆
#622 [我輩は匿名である]
読者はあくまでも読ませてもらってる側なんだから文句があるなら見なければいいだけの事。更新が遅いだのなんだの言う奴はただの子供、作者の事情も考えずに自分の主張ばかり通すなよ。
:06/12/07 01:01 :F901iC :☆☆☆
#623 [花◆AV8KevAYKk]
ゴメンなさい。。。
ゃっと今日,テストが終りました。
本当に皆様の意見に甘えていたの花です。
だから,悪いのは私です。
本当にごめんなさい。
そして感想をくれた皆様や花の事情を理解してくれてる方々,本当にありがとうございます
:06/12/07 01:54 :SO902i :G5nkrVIg
#624 [花◆AV8KevAYKk]
すかさず優が軽いノリで俺たちの話しに割り込む。
[でも達也にはもう大切な奴出来たもんな]
わざとだ。。。
苦笑いする俺を見て,優も苦笑い。
野田さんは…
すげー嬉しそうな顔して
[ほんとに???よかった〜]
なんだかわかんねぇけど野田さんは一心に喜んでくれたみたいだった。
:06/12/07 01:58 :SO902i :G5nkrVIg
#625 [花◆AV8KevAYKk]
まぁよかったのかな…
このまま優と野田さんが付き合えばいいのに。
なんてな。
俺らはうるさいと生物の片山先生に怒鳴られ,やっと話をやめて,しぶしぶノートを取り始めた。
横目で見る紗弥の席は少し背景よりも色が濃く見えた。
:06/12/07 02:02 :SO902i :G5nkrVIg
#626 [花◆AV8KevAYKk]
やっと午前の授業が終り,飲み物を優と買いに購買に並んでいる暇に,紗弥にメールを打った。
久しぶりに送るような気がして少し戸惑う。
【彼女】というあまりにも簡単で薄い肩書きにも喜びを感じた。
【う〜す
バイトどうすか???
やっぱり紗弥が隣いねぇとやだよ。
今度いつ来る???】
こんな感じかな。
【彼氏】っつーのも大変だな。
:06/12/07 02:06 :SO902i :G5nkrVIg
#627 [花◆AV8KevAYKk]
牛乳を買い終え,階段を上る途中にメールを送ってすぐさまポケットにしまった携帯が震えた。
【う〜す
バイトは順調。
今あたしも昼休み】
まさかの返信のはやさに自然と顔が緩んだ。
この時間が送信ポイントだな〜
なんてチェック。
続きは…
【明日は学校行けるよ】
目に飛込んだ一文と階段を上る行為は俺の体温を上げた。
:06/12/07 02:14 :SO902i :G5nkrVIg
#628 [花◆AV8KevAYKk]
優とうっすら目が合い,茶化す。
[達也のバカっ!浮気者!!]
[オカマかお前は]
笑いながら返信を打った
【まじで?
じゃあ一緒に学校行こ】
送信。
もう断られる理由はないはず。
俺と紗弥は一緒に登校しても,恥ずかしくない,疑わしくない関係になれたんだから。
これで晴れて俺らは確なカップルだ。
:06/12/07 02:19 :SO902i :G5nkrVIg
#629 [花◆AV8KevAYKk]
【いいよ。
何時???達也の家まで行くから】
俺は携帯を握り締め熱くなった顔を叩いた。
幸せすぎてヤバい。
【眠いから八時な(~_~)】
顔文字入れてみたり…
明日紗弥が学校にくる。
しかも一緒に登校だ。
恥ずかしいけど絶対,俺等の存在アピれるし。
なんてくだらなくも幸せな理由を考えた。
:06/12/09 17:06 :SO902i :o02FmmYA
#630 [花◆AV8KevAYKk]
気付くと五限目が始まるチャイムが鳴っていた。
紗弥の席をすり抜けて自分の席につく。
きっと…
明日は一限もサボれねぇ。
でも紗弥を見てばっかで集中できねぇんだろうな…
[達也,顔キモイよ]
優の突っ込みで目が覚め,現実に戻った。
紗弥からの返信はない。
きっと仕事に戻ったんだろう。
:06/12/09 17:10 :SO902i :o02FmmYA
#631 [スィミー]
あげ
:06/12/09 19:05 :D902i :☆☆☆
#632 [新]
アゲアゲで♪♪
主サン頑張ってヘ~~
:06/12/10 17:35 :W41T :ibx6OnOM
#633 [花◆AV8KevAYKk]
:06/12/10 19:09 :SO902i :1HC3Ofyo
#634 [花◆AV8KevAYKk]
帰りのショートが終ると,俺はさっさと家路につこうと鞄を片付けた。
[達也今日何かあんの???
もしかしてデート?浮気者!!!!]
優が絡む。
いつからオカマキャラになったんだ。
[別に〜ねぇけど。
何と無く早く帰りてぇ]
だって学校じゃあ紗弥からの返信そわそわ待てない。
バイト先まで迎えに行こうかな〜
なんて考えてもいた。
:06/12/10 19:15 :SO902i :1HC3Ofyo
#635 [花◆AV8KevAYKk]
[[ちょっと待て〜…]]
いきなり何人かに背後から首を捕まれて絞められた。
[やれやれ〜]
[ゆっ…優!!!!
笑ってないで…苦しっ]
暴れて腕たちを振り払い,奴らを睨みつけた。
[達也〜
帰らせねぇぜ!!!!]
にかっと俺に笑ったこいつらは…
俺と優を含め,仲良しメンバーみたいな感じの三人。
いつも一緒に馬鹿してる仲間みたいな。
:06/12/10 19:20 :SO902i :1HC3Ofyo
#636 [花◆AV8KevAYKk]
茶髪ツイストの田中翼。
黒渕眼鏡の青木名津。
剃り込み坊頭の藤村豪。
みんな超いい奴ら!!!!
[何だよお前ら〜…]
[あ?聞いてねぇけど俺ら…し・ろ・た・にの話]
翼がまた俺の首を絞める。
[寂しいよな〜親友なのに]
豪が優の真似してオカマ口調。
名津と優は五人分の椅子を用意して,語る気満々だ。
:06/12/10 19:26 :SO902i :1HC3Ofyo
#637 [花◆AV8KevAYKk]
[で〜!!!!
何が聞きたいんだよ]
無理矢理椅子に座らせられ,質問攻め大会と勝手に優が決めた。
[まずお前さ〜いつから???関係持っちゃったのは〜]
[結構…前]
[まぁ,前々から達也の城谷を見る目が怪しいとは思ったけどな]
名津は眼鏡を外しておとなしく言った。
[俺も〜!!!!
最近屋上呼んでくれねぇし,よくサボるし]
翼が頷く。
:06/12/10 19:33 :SO902i :1HC3Ofyo
#638 [花◆AV8KevAYKk]
何だよ…
みんなエスパーじゃん。馬鹿みてぇ。
早く言えばよかった。
[なんか…悪かったな]
ちょっと俺情けなかった。
こいつらすげーいい奴で一番に言うべきだったのにさ。ごめん。
[[何謝ってんだよ〜馬鹿かお前!!!!]]
俺の肩を抱いてみんなは笑った。
最高の仲間。
紗弥にもみんな紹介してやるからな。
仲良くなってくれよ…紗弥
:06/12/10 19:38 :SO902i :1HC3Ofyo
#639 [花◆AV8KevAYKk]
その後は,優と野田さんの恋話や,下ネタとか馬鹿みてぇな話をして,学校の施錠まで残った。
騒ぎながら校門まで歩いていると,誰かの携帯が鳴った。
[おい。誰か携帯なっ…]
[おい…校門誰か立ってんぞ〜出待ち???]
豪が俺の言葉に被さって叫んだ。
暗闇の中の人影を目を凝らしてみると,たしかに誰かいるみたいだ…
背は高いけど細いし,女かな。
:06/12/10 19:47 :SO902i :1HC3Ofyo
#640 [花◆AV8KevAYKk]
鳴り止んだ携帯につられて五人が静まった。
[さ…紗弥???]
そう。
校門に立っているのは紛れもなく,紗弥だ。
[[えっっっ!!!!]]
小声でみんなが荒びる。
紗弥は真っ直ぐ俺に向かって歩いてきた。
だんだん暗がりからはっきりと紗弥の姿が浮かび上がる。
[まだいてよかった。
メール見てないでしょ]
紗弥は俺の真っ正面まで来て笑った。
:06/12/10 19:53 :SO902i :1HC3Ofyo
#641 [花◆AV8KevAYKk]
[えっ…]
俺は慌てて携帯を開いた。
メールが二件。
一件はついさっき。あの着信は俺か…
もう一件は一時間前…
騒いでて気付かなかった。
[悪い…気付かなくて]
[いいよ。いたなら]
淡々と紗弥は話した。
ヒュ〜
誰かが横で口笛を吹いた。
それに最初に反応したのは紗弥だった。
[あれ,篠田…と,誰???]
:06/12/10 19:59 :SO902i :1HC3Ofyo
#642 [花◆AV8KevAYKk]
紗弥は周りに気付いて,最初に優の顔だけを判断して名前を呼んだ。
[[たっ達也〜]]
優以外の三人が小声で俺を促した。
紹介しろってことだろう。
[あっ…
右端が藤村で,真ん中が田中〜んで,こいつが青木]
[あぁ…なんだ知ってる。
みんな三組じゃん]
[えっ!!!!俺のこと知ってるの??紗弥ちゃーん]
翼が調子こいた。
:06/12/10 20:07 :SO902i :1HC3Ofyo
#643 [花◆AV8KevAYKk]
[いつも生徒指導に捕まってるツイスト茶髪。
授業中もうるさいしね]
紗弥は無表情で翼に強く言い放った。
みんな爆笑!!!!
[城谷…毒舌だな]
翼は苦く笑った。
[俺らのことも知っててくれたんだな〜]
名津が豪に笑いかけて,紗弥にも愛想よく笑った。
名津はいつも優しい顔してるんだよな。
[青木はいつも帰りに机の亀裂整えてくれるよね]
:06/12/11 18:58 :SO902i :pfsGKaFo
#644 [花◆AV8KevAYKk]
[藤村はギャグセンスないからもっと磨きなよ]
紗弥は二人の様子を語ると俺の脇に回って小さく笑っていた。
[[えっ…]]
なんかみんな驚く。
だって紗弥がこんなに知ってるなんて。
いっつも学校来てないのにさ。
ちゃんと見ててくれてんだな…
そうゆうところが好きだ。
紗弥はきっと本当はまじで学校好きなんだろう。
:06/12/11 19:03 :SO902i :pfsGKaFo
#645 [新]
アゲ~
楽しみにしてまヘす
主サンガンバ~@c
:06/12/13 22:42 :W41T :☆☆☆
#646 [スィミー]
あげ
:06/12/14 20:36 :D902i :☆☆☆
#647 [我輩は匿名である]
:06/12/16 04:22 :N901iC :b7EQ8Oz6
#648 [花◆AV8KevAYKk]
:06/12/16 20:02 :SO902i :HZB4qYPE
#649 [花◆AV8KevAYKk]
翼,豪,名津と別れて優と紗弥と俺でゆっくりと帰り道を歩いた。
優は俺らの姿を和やかに見て
[なんだか達也は変わった]と言った。
俺には全くわけがわからかった。
別に自分では性格変わったと思わないし…
でも,紗弥の前では何と無く素直になれているような気がしたのは,優にそう言われたから。
:06/12/16 20:08 :SO902i :HZB4qYPE
#650 [花◆AV8KevAYKk]
紗弥は優に対して軽く笑って
[達也は前からこんな感じだよ]
って言って,優を叩いた。
優はそれを鼻で笑って,また優しげな目をして俺たちを見ていた。
:06/12/16 20:10 :SO902i :HZB4qYPE
#651 [ゆん]
:06/12/16 23:44 :P701iD :1IbY/xlw
#652 [我輩は匿名である]
あげ
:06/12/17 06:11 :D902i :gI6XpukA
#653 [花◆AV8KevAYKk]
俺達は四都路で優と別れて,二人並んで歩いた。
街灯何かない俺の家へと続く,細くて長い一本道。
でも月が出ていて前はうっすら明るかった。
まるで俺たちの向かう未来への道が明るいみたいに見えた。
紗弥は何も言わずにいたけど,穏やかな顔も月に照らされて一層輝いて見えた。
俺も黙って紗弥の手を握った。
こんなに幸せだった。
未来は…
明るいはずだった。
:06/12/20 20:29 :SO902i :RG2WcBjo
#654 [花◆AV8KevAYKk]
[あたしね…]
手を繋いだ瞬間に紗弥が口を開いた。
[ん〜何???]
[こんな幸せな気持ちになったの初めて]
空気が一気に膨張して,俺の全身の血が波打った。
[うん…]
[達也は凄いね]
[何が…???]
[【幸せ】な理由はなんだと思う???]
紗弥の悪い癖。
俺は少し時間をくれと言って,またお互いの口を閉じた。
:06/12/20 20:36 :SO902i :RG2WcBjo
#655 [花◆AV8KevAYKk]
俺達は暫く静かに歩いて,お互いの呼吸だけを聞いた。相変わらず紗弥の呼吸は一定で規則正しい。
俺は家が見えかけた頃,立ち止まって紗弥を抱き締めた。
[出たよ。答え〜]
[うん…教えて…]
紗弥は俺の胸の中で深呼吸をするみたいに大きく空気を吸い込んで吐いた。
[…理由なんかない]
紗弥は黙って俺の次の言葉を待った。
:06/12/20 20:40 :SO902i :RG2WcBjo
#656 [花◆AV8KevAYKk]
[理由なんかないんだよ。
つーか,いらね〜よ
俺は紗弥が好きで,紗弥も俺が好き!!それだけ。
それだけでいいんだよ]
力を入れて紗弥を抱き締める。
紗弥は腕を小さくして俺に重なった。
[わかんない]
紗弥が答えたのはただこれだけだった。
だけど,ここは譲らない。
【理由】なんて俺達には必要ない。
気持ちを理解するのに理由はいらない。
:06/12/20 20:45 :SO902i :RG2WcBjo
#657 [花◆AV8KevAYKk]
[数学の公式についてよく[何でそうなるの???]って質問する馬鹿な奴がいるだろ。
公式は既に決まり事だから何故かは通用しないんだ。
理由はつかないんだよ。
紗弥は頭イイからわかるだろ?]
俺は数学を例えばなしにして紗弥に砕いて説明をした。
[数学とこの話は全く関係ないじゃん]
紗弥は俺の腕を解いて,風船みたいに軽く俺から離れた。
:06/12/20 20:56 :SO902i :RG2WcBjo
#658 [新]
どぉなるの〜
続きめちゃ楽しみ
:06/12/22 13:00 :W41T :☆☆☆
#659 [花◆AV8KevAYKk]
:06/12/23 17:51 :SO902i :HO1flS9M
#660 [花◆AV8KevAYKk]
[紗弥…]
[別にイイよ
達也の言ってる意味が全くわかんないわけじゃない]
俺は紗弥の目を見れなかった。
一瞬見えた紗弥の目の奥は最近見せなかった,あの冷めきった鋭い目をしてた。
[紗弥…
明日,学校一緒に行くよな。帰り…俺ん家来いよ]
紗弥の機嫌を直すためか,意識的に土壇場に対応して発した言葉かわからい。
:06/12/23 17:56 :SO902i :HO1flS9M
#661 [花◆AV8KevAYKk]
紗弥は顔を歪めた。
[えっ???達也の家?]
[うん]
下を向いていた俺の顔の前にぱっと明るいものが見えた。
携帯…紗弥のだ。
眩しくて最初はっきり画面が見えなかった。
目が慣れて画面を覗くと
【い〜よ。行く行く】
と,メールに書かれていた。
[決まりね〜]
しゃがみこんで携帯を額に当てた紗弥の顔は俺の目の前だった。
:06/12/23 18:03 :SO902i :HO1flS9M
#662 [花◆AV8KevAYKk]
唇が暖かくなった。
紗弥は背が高くて,いつもはかるく俺が屈んで紗弥もかるく背伸びするくらい。
新鮮なキスだった。
紗弥の甘い香りは年中無休で漂う。
幸せに包まれてると実感できる,そんな気持ちになれた。
:06/12/23 18:07 :SO902i :HO1flS9M
#663 [花◆AV8KevAYKk]
お互いを離した。
紗弥とバッチリ目があったけど,もうあの目はしてなかった。
綺麗な切長の目に,長い長い睫毛,深くて濃い茶目。
初めて笑顔を見た日はいまでも忘れない。
その時の紗夜も可愛かった。照れたように口を緩ませて,俺の髪をもてあそんだ。
俺は,紗弥に家まで送ると言ったけど,紗弥は軽く拒否した言葉を言った。
まだ紗弥の家は見てない。
:06/12/25 09:14 :SO902i :fcLPCN.o
#664 [花◆AV8KevAYKk]
俺はもう一回だけ紗弥にただ触れることだけをして,家に入った。
[ただいま。。。]
乾いた油と調味料の臭いが充満した玄関で靴を揃えて,居間を過ぎようとした。
[あら,達也。
今日遅かったわね〜すぐご飯よ!!]
[はいはい]
明日のこと…言わなきゃ。
母さんに言わなきゃ紗弥の分の飯も必要だし。
でもなぁ〜…
部屋に入ってさっさっと着替え,階段を降りた。
:06/12/25 09:20 :SO902i :fcLPCN.o
#665 [花◆AV8KevAYKk]
食卓には兄貴と菜々子が座ってじゃれてた。
俺の席は兄貴と菜々子の間なのに,いつも入れね〜
母さんはまだせかせかと箸や茶碗を並べてる。
[おい。菜々子
お前母さんの手伝いしろよ邪魔だし]
[うざ〜]
菜々子は嫌々席を退いた。
洋兄は笑って菜々子の頭をなでた。
実はこの二人の関係がうらやましかったり。
昔みたいに今日だいB人で出かけたい。
:06/12/25 09:25 :SO902i :fcLPCN.o
#666 [花◆AV8KevAYKk]
親父はまだ帰ってきてないな。
[[いただきます]]
口を揃えてから,箸をとる。
これしないと母さんは怒るからな。
紗弥のこといつ言おう…
菜々子の前で言いたくねぇし。
けど今言わなきゃ,母さんに話しかけれねぇ。
洋兄も彼女さん呼ばないかな。
着々と時間が過ぎて,飯の両も半分を過ぎた。
どうしよう…
でも,俺もう紗弥誘っちゃったし…
:06/12/25 09:30 :SO902i :fcLPCN.o
#667 [花◆AV8KevAYKk]
よし。言うぞ…!!!!
[あのっ…][あ。明日沙耶華来るから]
俺の声を打ち消すように,兄貴が予想外なことを言った。
[ほんとに〜???やったぁ]
[あらあら。母さんお料理頑張らなきゃね]
菜々子と母さんは嬉しそうに兄貴に笑いかけた。
…そうか!!この話に便乗して俺も何気無く言ってみよう!!!!
[あのさ…
お,俺の彼女もつれてきてイイ???]
:06/12/25 09:41 :SO902i :fcLPCN.o
#668 [スィミー]
あげ
:06/12/25 18:15 :D902i :☆☆☆
#669 [たけのこ]
:06/12/26 12:11 :F902iS :2L9rdxpE
#670 [みィか]
あげます
:06/12/26 13:53 :N902i :Fyyn.VJY
#671 [けんじ]
アゲェ
:06/12/28 08:41 :SH903i :NItAqdUY
#672 [新]
アゲますねト
主サン楽しみにしてまぁす。
ガンバってくださいね@c
:06/12/29 20:43 :W41T :☆☆☆
#673 [あっ]
あま〜い
:06/12/29 21:10 :D902i :XCjAyDxI
#674 [我輩は匿名である]
甘いのに理由なんてないんだ
続き気になる〜
:06/12/29 21:21 :D901i :☆☆☆
#675 [花◆AV8KevAYKk]
:06/12/29 23:26 :SO902i :cm3b9Pnk
#676 [花◆AV8KevAYKk]
言った…
俺,今言えたよな…
箸を置いて,みんなの返事を待つ。
でも…
何で。誰もはなさないんだよ。
[だ…だめ???]
初めに口を開いたのはうつ向いたままの俺だった。
:06/12/29 23:29 :SO902i :cm3b9Pnk
#677 [花◆AV8KevAYKk]
[えっと,夕飯に呼ぶってことよねぇ?]
[てか,お兄ちゃんがそんなこと言うなんて,まじ信じらんない]
[いいんじゃね???
俺まだ達の彼女見たことねーし]
母妹兄の順に返事が返ってきた。
[お…おう夕飯頼む。
あと…菜々子。
美穂子じゃないからな]
[[え!!!!]]
母さんと妹が箸を置いた。
:06/12/29 23:35 :SO902i :cm3b9Pnk
#678 [花◆AV8KevAYKk]
[何だよ…]
[母さんは,何も気にしないわよ。
さすが我が子ね。モテるわねぇ〜]
母さんは動揺したようすで変なことを言いながらまた飯に戻った。
[ありえない。
美穂子さんマジ好きだったのに。馬鹿じゃないの???
どうせフラレたんでしょ]
菜々子の言ったことはシカト。聞こえなかったふりしてやる。
兄貴は横でにこにこ笑ってた。
:06/12/29 23:39 :SO902i :cm3b9Pnk
#679 [花◆AV8KevAYKk]
[早く会いてぇな〜
達の彼女〜何て名前???]
[さ…紗弥
城谷紗弥だよ]
兄貴に聞こえるか分からないような小さな声で紗弥の名前を口にした。
飯に戻った口の中がなんだか緩んだ。
[紗弥か〜【沙耶華】と似てんな!!!!
明日は早く帰ってくるよ,母さん]
[あたしも〜]
菜々子と兄貴が少しだけ俺の椅子に寄った気がした。
:06/12/29 23:43 :SO902i :cm3b9Pnk
#680 [我輩は匿名である]
更新希望
:06/12/30 00:02 :W42K :vcvM5YMY
#681 [花◆AV8KevAYKk]
匿名サン
ぁりがとうございます
バイトの休み時間に更新
:06/12/30 12:15 :SO902i :Eqw7Ri0k
#682 [花◆AV8KevAYKk]
俺は早々夕飯を終えて,部屋に戻った。
心臓が上下してキツい。
うつ伏せにベッドに倒れ込んでから深く溜め息をついた。
紗弥とも約束したし,家族にも言えた。
あとは明日になるだけ。
紗弥は沙耶華さんに負けないくらい可愛いし,美穂子よりも礼儀ありそうだし。
母さんも菜々子も気に入るだろう。
:06/12/30 12:19 :SO902i :Eqw7Ri0k
#683 [明]
>>285-700
:06/12/30 15:02 :N903i :okiDDUeA
#684 [明]
〉〉285-700
:06/12/30 15:03 :N903i :okiDDUeA
#685 [明]
:06/12/30 15:05 :N903i :okiDDUeA
#686 [我輩は匿名である]
:06/12/30 16:49 :D901iS :wDE6sMpY
#687 [けんじ]
:06/12/30 19:02 :SH903i :jVWzXLK2
#688 [あゆ]
:06/12/30 19:52 :SH902i :☆☆☆
#689 [スィミー]
あげ
:06/12/30 21:06 :D902i :☆☆☆
#690 [あゆ]
ぁげます
早く続きよみたい
:07/01/02 19:03 :SH902i :☆☆☆
#691 [ゅ-ひ]
今一気に読みました
初めてこういう掲示板にコメント入れました
とてもとても素敵な作品です
すごいです
高校生がこんなにすごいお話がかけるなんて
頑張ってください
:07/01/03 02:19 :SH901iS :j4SUMEjI
#692 [花◆AV8KevAYKk]
みなさま
遅くながら
明けましておめでとうございます
けんじサン
あゆサン
スイミーサン
ゅ-ひサン
ぁりがとぅござぃます
今日夜更新します
:07/01/03 18:43 :SO902i :kWE/ecZU
#693 [マキリー]
ファンです('A`)
楽しみにしてます
頑張って下さいね
:07/01/03 19:02 :SH900i :sEAmhAOc
#694 [ゆぃ]
:07/01/03 20:50 :SH902i :☆☆☆
#695 [花◆AV8KevAYKk]
:07/01/03 21:54 :SO902i :kWE/ecZU
#696 [花◆AV8KevAYKk]
次の日,俺はぼんやりとした朝に起きた。
外は曇り…
今にも雨が降りそうだ。
顔を洗い,のろのろと支度を始めた。
[達也〜朝御飯よ]
母さんが階段からよぶ声に促され,下に降りる。
その時,携帯を踏みつけてしまった。
ストラップの鍵が足に刺さり,いって〜
[あ!!!!今日紗弥が迎えに来るんだった]
:07/01/03 21:58 :SO902i :kWE/ecZU
#697 [花◆AV8KevAYKk]
急いで飯を済ませ,携帯を開くと同時にメールがきた。
紗弥からの受信だろう…
【おはよ〜
外にいるから。
あと,雨降りそうだから傘持ってきなよ】
な〜んて冷たいようで優しいメール。
俺はニヤつきながら返信はしずにカバンを取りにいき,香水を軽くつけて玄関に走った。
:07/01/03 22:03 :SO902i :kWE/ecZU
#698 [我輩は匿名である]
玄関を開けると,真っ直ぐ前に紗弥が塀にもたれて俺を見た。
[う…うす]
[おはよ]
紗弥に引き寄せられるように,紗弥の顔の前に自分の顔を下ろした。
紗弥はそれを軽く交し,さっさと歩き出した。
[おい〜
おはようの…]
[気持わる〜]
紗弥は舌を出して振り替えって笑った。
:07/01/03 22:10 :SO902i :kWE/ecZU
#699 [花◆AV8KevAYKk]
なんだよ〜バカ紗弥…
可愛い顔しやがって畜生。
[早く〜行こ???]
紗弥が手を差し出した。
俺は躊躇いを隠し,紗弥の手を掴んだ。
甘くて柔かい…
マシュマロを思い出した。
空は,暗くて重いけど俺らの周りだけは晴れ。
勝手な自分がおかしくて,紗弥の頬に軽く唇をつくた。
[好きだ]
:07/01/03 22:15 :SO902i :kWE/ecZU
#700 [まぉ]
:07/01/04 06:40 :N702iD :☆☆☆
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