きみを送る
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#1 [
]
:07/03/28 02:29
:SH901iS
:☆☆☆
#2 [
]
はじめまして!
俺の名前は柏木志乃。
女みたい名前やけど
今時の男だ。
そう、今時の…
ただ、俺が他の奴と違うところは…
:07/03/28 02:31
:SH901iS
:☆☆☆
#3 [
]
「志乃おはよ〜!もう朝だぞー!!」
……
「志乃くーん!遅刻しちゃうよー?」
「志乃!!起きやがれ!」
………
「……おはよ…」
:07/03/28 02:32
:SH901iS
:☆☆☆
#4 [
]
「志乃〜!今日も寝起き、カッコイイよ。」
「…どーも」
「志乃くん、早く帰ってきてね?」
「はいはい」
「志乃てめー!いつになったらあたしの身体探してくれるんだよ!?」
「……俺も忙しいの」
:07/03/28 02:35
:SH901iS
:☆☆☆
#5 [
]
まずは、こいつらを紹介しよう。
俺にべったりくっつく女。こいつは[まみ]
一年前に恋人に殺害、
以後成仏せずに俺の周りをうろうろさ迷ってやがる。
次に[さき]
こいつは事故で亡くなってから、未だに自分の死が受け入れられずにいるバカ女。俺と話す度、顔を赤らめやがる。
:07/03/28 02:39
:SH901iS
:☆☆☆
#6 [
]
最後に…
「何ボケーとしてんだ!?いいかげんに行動しやがれ!!」
この口の悪い女は[りえ]
こいつは事故のショックから幽体離脱中。
身体の行方がわからないまま…
そう、俺が他の奴と違うのは
霊が見え、会話ができる。
今日も俺のめんどくせえ一日が始まる。
:07/03/28 02:43
:SH901iS
:☆☆☆
#7 [
]
「いってきます…」
呟くように
玄関から、リビングにいるかあちゃんに放つ。
多分聞こえてない。
うちのかあちゃんは
耳が遠い。
「いってらっしゃーい!」
聞こえてたか…。
耳、よくなったみたいだ。
:07/03/28 02:45
:SH901iS
:☆☆☆
#8 [
]
「いってらっしゃ〜い!浮気しちゃだめだぞ!」
「早く帰ってきて…。」
「学校よりも、身体探せよな!」
………
はあ……うざい……
なんで俺に憑くかなあ…
:07/03/28 02:47
:SH901iS
:☆☆☆
#9 [
]
「志乃おはよ!」
………
「志乃ー?」
「あぁ、幸子。おはよ」
「どしたん?ボーっとしてるー!」
クスクス笑う女。
幸子は俺の彼女。
学校のマドンナと呼ばれるやつ。納得。美人の自慢な彼女だ。
「…別に。」
「一緒に学校いこ〜!」
無邪気に俺の手を握り、
笑いかけてくる。
俺の至福の一時だ。
:07/03/28 02:50
:SH901iS
:☆☆☆
#10 [
]
「ね〜!今日こそ志乃の家行っていいやろ?」
……
「志乃と付き合ってもう三ヶ月やで?一回も家に連れてってくれへんやん。」
いやいや…
俺だって健全な17歳。
そりゃー幸子と
なんちゃらかんちゃら…
したいさ!
したいけど……
:07/03/28 02:53
:SH901iS
:☆☆☆
#11 [
]
「あたしを差し置いて…」
そうそう…
こいつを差し置いて…
「まみ!!??」
「えっ?どしたん!?志乃??」
「あ…なんでもない…」
なんでいる…?
俺の横には
ムスッとしたまみが…
「志乃の浮気ものー」
ぶつぶつ言うまみを睨み、《チッ》と舌打ちをする。
浮気もなにも、
幸子は俺の彼女だし。
:07/03/28 02:57
:SH901iS
:☆☆☆
#12 [
]
【第一章 まみ】
「まみ…何でついてきた」
学校に着くなり、
俺は人気のない裏庭のベンチに腰掛け、
まみに話し掛けた。
「家にいてもつまんないもーん」
……
じゃあ、とっとと成仏してくれ…。
:07/03/28 03:07
:SH901iS
:☆☆☆
#13 [
]
「お前さ、何で成仏しないわけ?」
「ひどーい!あたし、志乃と一緒にいたいんだもん」
「いや、真面目に、真面目に。」
「………」
まみの顔が一瞬曇る。
「真面目に志乃といたいんだよっ!!」
そう言ってニッコリ笑った。
:07/03/28 03:10
:SH901iS
:☆☆☆
#14 [
]
「ふーん。ま、しゃーないかー。でももう学校にはくんなよ?お前は俺にしか見えへんねんから…外で会話できひんし。」
「えー!なんでぇ?」
…こいつ……
俺がお前と話してたら
俺は明日から
《きちがい》と呼ばれるだろう。
周りから見たら独り言を話してると思われるから。
「とにかくくるな。」
:07/03/28 03:13
:SH901iS
:☆☆☆
#15 [
]
「わかったよー。でも今日はもう来ちゃったから、志乃に着いてていいよね?」
「…今日だけな」
「やったー!!」
跳びはねてクルクル周りながら手を叩いて喜ぶまみを見て、俺も笑った。
「あほか…」
:07/03/28 03:15
:SH901iS
:☆☆☆
#16 [
]
チャイムが鳴り、
俺はまみと一緒に教室に向かった。
「いいか?絶対話し掛けるなや。話し掛けても、俺は何も答えへんから。」
「がってんだい!!」
…お前はどこぞのおっさんや。
:07/03/28 03:17
:SH901iS
:☆☆☆
#17 [
]
教室に入ると
「志乃おっす!」
かたまりになった男子グループの中の一人、
【恵司】が俺に声をかけた
「よぉ。」
「志乃お前どこおったん?朝、幸子と一緒やったやろー?仲がよろしいことで」
ニヤニヤしながら恵司が俺の脇腹をつつく。
:07/03/28 03:20
:SH901iS
:☆☆☆
#18 [
]
「うるせーよ。万年女日照り野郎」
「それは禁句やで〜」
泣き真似をする恵司をよそに俺は席についた。
「あたし…」
「はーい!席つけー!」
…………?
まみが何か言ったが、
担任の声で遮られ聞き取れなかった。
:07/03/28 03:23
:SH901iS
:☆☆☆
#19 [
]
まみ……?
俺はちらりとまみを見た。
……どうした?
まみは真っ青な顔で
とは言っても死人だから
顔色は元々悪いが
真っ青な顔で
「先に帰る」
と言ってふわふわと窓に向かった。
:07/03/28 03:25
:SH901iS
:☆☆☆
#20 [
]
へんなやつ…
俺はたいして気にせず、
机に俯せた。
これから俺は夢の中にいき、妄想タイムが始まる。
第二の至福の時間。
見るべき夢は
もちろん幸子との…
おやすみ!
:07/03/28 03:28
:SH901iS
:☆☆☆
#21 [
]
「志乃…愛してる…」
「俺も……」
「志乃……」
「……………」
俺の指が
彼女のサラサラした髪に絡まる。
「愛してる…」
彼女の顔は………
:07/03/28 03:31
:SH901iS
:☆☆☆
#22 [
]
《バッコーン!!》
「いてぇ…」
いつもより早く夢から覚めた。
俺の前には
鬼の形相をした担任。
腕には丸められた教科書。
「…痛いです」
「俺の授業…そんなにつまらんか?」
「……すんません」
:07/03/28 03:34
:SH901iS
:☆☆☆
#23 [
]
俺は担任に謝り、
教科書を開いた。
担任は満足そうにニヤリと笑い、教壇に歩いた。
俺は窓を眺めた。
「まみ!!!」
:07/03/28 03:36
:SH901iS
:☆☆☆
#24 [
]
思わず叫んでしまった。
まみが
窓の外から何か
ある一点を見ている。
俺の叫びにも気付かないようだ。
さみしげな表情で…
「柏木?どしたんや?」
急に叫んだ俺を
担任とクラスのやつらが
怪訝な顔で見ている。
「いえ…寝ぼけました」
:07/03/28 03:39
:SH901iS
:☆☆☆
#25 [
]
俺は再度まみを見る。
何を見ている…?
良雄か…?
いや、咲穂か…?
恵司か……?
誰を見ている?
俺の視線にも気付かず、
泣きだしそうな表情で
微動だにせずに
何かを
誰かを見ている…
:07/03/28 03:54
:SH901iS
:☆☆☆
#26 [
]
しばらく見ていると
まみはさみしげな表情から
フッと微笑み、
俺に気付いた。
俺と視線が合うと
まみは軽く手を振り、
ふわりと消えた。
不覚にも俺は
まみのその表情が
すごくキレイだと思ってしまった。
:07/03/28 03:56
:SH901iS
:☆☆☆
#27 [
]
「志乃くん」
ボケーっと窓を見ている俺に、隣の席の男が話し掛けて来た。
「顔、しまりないですよ」
飄々と言い放ち、
教科書に目を戻す
こいつの名前は
【神谷コウ】
コウとか片仮名でおしゃれ(俺の勝手なイメージ)
な名前のくせに
こいつはダサい。
いわゆるがり勉。
「余計なお世話や」
:07/03/28 09:28
:SH901iS
:☆☆☆
#28 [
]
「せっかくキレイな顔立ちなんですから、もう少ししまった顔されたらどうですか?」
目線だけ俺によこし、
横目で俺を見ながら
鼻先でフッと笑った。
…むかつく……。
敬語なのが
さらにむかつかせやがる。
俺はコウが嫌い。
「忠告どーも。」
「お礼はいいです」
:07/03/28 09:32
:SH901iS
:☆☆☆
#29 [
]
おもいっきりイヤミに言ったのに
こいつは気付かないのか…
コウは教科書を片手に
もう片方の手でノートをとりだす。
「がり勉…」
俺がボソッと言ったのを
コウは聞こえたのか
聞こえなかったのか
ゴホンと咳ばらいをし、
ノートをとる手を動かした
:07/03/28 09:35
:SH901iS
:☆☆☆
#30 [
]
は〜授業中ひまやな〜。
なーんもやる事ない。
俺は妄想タイムに
再度突入しようと考えた。
が…
「志乃くん志乃くん!」
後ろの席の女が俺の背中をつついてきた。
「…なに」
振り向くと女は一枚の紙切れを俺に渡してきた。
:07/03/28 09:39
:SH901iS
:☆☆☆
#31 [
]
ご丁寧に
その紙切れはハート型に折られている。
ははーん。
ラブレターか。
いやいや…俺彼女いるしな〜
「わりーけど…」
「神谷くんに渡して?」
俺の言葉を遮り、
その女は顔を赤らめながら言った。
神谷くん…て……
「え?コウ!?」
:07/03/28 09:42
:SH901iS
:☆☆☆
#32 [
]
思わずでけー声がでた。
名前を呼ばれたコウは
俺をチラリと見、
いつものポーカーフェイスで
「なんですか?」
と聞いてきた。
後ろの席の女は顔を真っ赤にして俯いた。
俺はコウに向かって
ぶっきらぼうに手紙を投げ付けた。
「お前に手紙らしいで」
:07/03/28 09:45
:SH901iS
:☆☆☆
#33 [
]
「ありがとうございます」
驚いた様子もなく
受け取った手紙を手にとる
…驚けよ!!
ラブレターなんぞ
もらいなれてねーだろ!
俺はイライラしながら
くだらない数式を黒板に書いている担任を見ていた。
「…志乃くん」
:07/03/28 09:48
:SH901iS
:☆☆☆
#34 [
]
またコウが話し掛けてくる
うぜー
うぜー
「志乃くん」
「なんやねん」
「この手紙、どうやって開いたらいいんですか?」
うぜー
うぜーよ
「志乃くん」
ええい!
「貸せよ」
俺はコウから手紙を奪い、ハート型に折られた紙を開いてやった。
:07/03/28 09:50
:SH901iS
:☆☆☆
#35 [
]
「ありがとうございます」
コウは飄々とした口ぶりで礼を言うと
俺の手から手紙を奪い取った。
「…なるほど」
ボソッとコウが呟き、
斜め後ろ(俺の後ろの席)に顔を向けた。
「付き合って、と書いてありますが、そういう事は手紙ではなく直接言ってきてください。誠意が伝わりません」
:07/03/28 09:55
:SH901iS
:☆☆☆
#36 [
]
こいつ……
何が誠意やねん!
がり勉のくせに…
後ろの女は泣き出してしまった。
コウは平然と教科書に目を向けている。
だんだんむかついてきた
「おい!コウ!」
「なんですか?」
「お前なー」
「あぁ、またまみさんが戻ってきたみたいですよ」
窓の外に目を向けながら
顔色ひとつ変えずに
コウが言った。
:07/03/28 10:00
:SH901iS
:☆☆☆
#37 [
]
…今なんて?
「お前…見えるのか?」
「はい」
「え…なんで…」
「それは愚問です。志乃くんもなぜ見えるか、わからないでしょう?」
…確かにそうだけど…
「彼女、この世に未練がありますね。厄介な事にならなければいいのですが…」
:07/03/28 10:03
:SH901iS
:☆☆☆
#38 [)A゚+)ま(%。A(]
楽しい(^△^)

てか志乃が
おもしろい

わら
がんばて下さい

:07/03/28 12:34
:SH700iS
:xxmkxjmo
#39 [
]
まサン

読んでくれてる方がいて嬉しいです

また夜書きますね

:07/03/28 15:43
:SH901iS
:☆☆☆
#40 [
]
「未練ねえ…」
俺はまみを見ながら
まみの視線の先を追う。
恵司を…見ている…?
「まみさん」
コウが急に窓の外のまみに向かって声をかけた。
こいつ…あほか?
「まみさん、話しましょうか」
おいおい…
クラスのやつらが
まぬけな顔をして
コウを見る。
:07/03/29 00:26
:SH901iS
:☆☆☆
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