【CARTAIN CALL】美しい村の醜い男
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#100 [小説案内人]
あげ
更新頑張れ

⏰:07/06/27 00:13 📱:N703iD 🆔:☆☆☆


#101 [オッズ]

小説案内人さん
ありがとおございます
頑張ります(u_u)

テスト期間中なんで
終わりしだい
更新します
すいません(;´・∧・`)

⏰:07/06/28 21:29 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#102 [オッズ]
「それはないよ」

僕は力強く言った。

キキは立ち止まったが僕に背を向けたままだ。

「……なぜそう思うの?」

理由はいくつかある。

ここはジェラルドが知らない土地だ。

昨日、キキにここの地名を聞いてみたが、全く知らなかった。

僕らが住んでいた土地とは違う次元にあるか、すごく離れているかだ。

⏰:07/06/29 12:42 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#103 [オッズ]
いくらジェラルドだって、そんな得体の知れない土地からいきなり消え去ったりはしないだろう。

それに、ジェラルドはこれから身に起こることを楽しみにしていた。

それを思えば、ジェラルドはこの町から逃げたのではない。

考えられるのは……。

「ジェラルドは逃げたんじゃなくて、その逆なんだ」

キキは振り向いた。

眉間にしわがはいり、口元を歪めている。

⏰:07/06/29 12:47 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#104 [オッズ]
「まさか……」

キキの眉間にはより一層深いしわが刻まれた。

「ジェラルドはミロに会いに行ったんだ……。
それしか考えられない」

僕の声は擦れていた。

食べたものをすべて吐き出しそうになるくらい、気分が悪い。

あいつはミロに会いに行った……。


なんて命知らずなやつなんだろう。

⏰:07/06/29 15:51 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#105 [オッズ]
――――――――――…


僕とキキは林の中を通る一本の道を歩いていた。

二人とも足取りが重い。

風が僕らが先に進むのを阻止するかのように、ねっとりと吹き付けてくる。

「……もうすぐよ」

キキは言った。

僕は恐怖と不安で声を出すことができそうになかったので、とりあえずうなずいておいた。

⏰:07/06/29 22:22 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#106 [オッズ]
僕らはミロのところに向かっている。

だが、それは『ミロ』を殺すためというわけではなかった。

偵察するためといったところだろうか。

ミロがどんなやつなのかまったく知らなかったし、もしかしたらジェラルドがいるかもしれない。

僕とキキだけになった今では、ミロに太刀打ちするのは不可能だ。

相手は不思議な力を持っているようだし、切り裂かれた人々もミロの味方であるらしい。

⏰:07/06/29 22:26 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#107 [オッズ]
「切り刻まれて一つだけ特なことがあるとしたら、なかなか死なないことよ。
寿命はないし、病気にもかからない。
ひどい怪我を負わせれば息絶えるって聞いたけど、よくわからないわ。
誰もそんなことしたことがないし」

キキはそう語った。

ミロだけでなく、切り刻まれたやつらも強敵なわけだ。
なんて最高なんだ。


その時、異臭が僕の鼻をついた。

あの匂いだ……。

⏰:07/06/29 22:34 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#108 [オッズ]
ここに来たときと同じ匂い……。

人間の血の香りだ――。

全身でミロに近づいたことを感じる。

今すぐにでも走って逃げ出したい。

生きていられれば、元居た場所に帰れなくてもいい。
ジャクリーンの頼みなんて知ったことじゃない。

そもそもこの町を救うことがジャクリーンの頼みなのか?

⏰:07/06/29 22:38 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#109 [オッズ]
違うかもしれない。

例えば……隣の町で愛犬がいなくなってしまったおばあさんがいる。

そのおばあさんはジャクリーンの友達で、ジャクリーンの頼みっていうのは、その犬を見つけだすとか。

「はぁ……」

僕はため息を吐き、馬鹿らしい考えを頭から締め出した。

たとえこれがジャクリーンの頼みと違っていたって、今更どうにもできないじゃないか。

⏰:07/06/29 22:53 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#110 [オッズ]
関わってしまった以上、キキを放ってはおけない。

「あれよ」

キキが静かにそういった。

僕は我に返り、キキが見つめる先を見る。

そこには小さな家が建っていた。

煉瓦を積み重ね、無理矢理固めたような粗末で汚らしい家だった。

「あれがミロの家よ」

⏰:07/06/29 22:59 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#111 [オッズ]
物音をたてないように家に近づいていく。

僕は不恰好に取り付けられている窓の側に行き、そっと覗き込んだ。

朝だというのに、家のなかはとても暗かった。

「何か見える?」

僕は首を振ったが、段々と家のなかの様子がわかってきた。

四角い部屋のまわりは、ぐるりと柵が囲いこむようにたっている。

たぶん檻なのだろう。

⏰:07/06/30 08:52 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#112 [オッズ]
そして部屋の真ん中には人がゆったりと寝そべることができそうな、銀色に鈍く輝く台が置かれていた。

テーブルに使っているのだろうか?

それにしては椅子がない。

檻があることだって、十分すぎるほどおかしい。

「ねぇ、キキ。
ミロの姿は見えないよ。
それから、檻とか変な台があるんだけど……」

僕はそう言いながら振り向いた。

キキは落ち着かなさそうにそわそわと辺りを見回している。

⏰:07/06/30 15:46 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#113 [オッズ]
「そう……。
私、ちょっと気分が悪いの。家の周りを歩いてくることにするわ。
気晴らしにもなるし、ジェラも見つかるかも」

キキは弱々しく笑いながらそう言うと、僕が止める間もなく林の中へ行ってしまった。

キキはどうしたんだ?

一人にしたらあぶないし……。

けれどキキはこのへんの土地をよくわかっているし、僕が居たって居なくったって同じかもしれない。

僕は再び家のなかをのぞいた。

⏰:07/06/30 15:52 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#114 [オッズ]
何かいる様子はない。

部屋はこれ一つしかないようだし。

「……ミロのやつ、どこにいるんだ?」

そのとき、背後から不気味な笑い声が聞こえた。

僕はさっと振り向く。

「……ミロ?」

言葉がついて出た。

僕の前には気色の悪い男が笑みを浮かべて立っていた。

⏰:07/07/01 18:42 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#115 [エ]
ぷぎゃー!!
テスト前なのに一気に読んじゃったじゃないよおーイイ(笑)

なんかうざい子で申し訳ないけど、一応応援してますので!!!
ファイトですよっイ

⏰:07/07/01 20:34 📱:W44K 🆔:/qHswysQ


#116 [オッズ]

>>115さん
テスト前なのに
読んでくださって
ありがとおございます

全然うざくなんて
ないですよ(゚Д゚V)
むしろ嬉しいです
誰も読んでないかと
思っていたので

頑張ります(o´ω`)

うちも明日からまたテストだ

⏰:07/07/01 23:03 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#117 [小説案内人]
テストがやっと終わって
オッズさんの小説が読めます
更新いつでも楽しみにしてます

⏰:07/07/02 23:58 📱:N703iD 🆔:☆☆☆


#118 [オッズ]

小説案内人さん

テストお疲れさまでした
うちも今日で
テスト終わりです(・∀・)

そういってもらえて
すっごく嬉しいです

更新たくさんできるよおに
頑張ります(o´ω`)

⏰:07/07/03 16:38 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#119 [オッズ]
「おぉ……!」

男は両手をあげて、大げさに驚いてみせた。

鳥肌がたつ。

「私の名前をよくご存じですね……」

ミロはニカッと口を開いて笑みを浮かべる。

真っ赤な腫れぼったい唇から黄色い小さな歯たちがむき出しとなる。

魚のような目は充血しており、意地悪く爛々と輝いている。

⏰:07/07/03 16:46 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#120 [オッズ]
ミロの外見は僕が想像していたよりも、普通の人間ぽかった。

風船のように突き出たお腹から、細くて短い手足が生えている。

どことなくピエロを連想させるような小男だ。

しかし、ミロの持つ雰囲気は想像以上だった。

なんといっていいのかわからないが、側にいるだけで相手を不快にさせる。

⏰:07/07/03 16:52 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#121 [オッズ]
僕はすぐにでもこの男から走って逃げ出したくなる衝動にかられた。

実際にそうすべきだった。

けれど、僕の足は地面にくっついてるんじゃないかと思うほど重く、とても逃げだせるような状態じゃなかったんだ。

もし、僕が逃げることができていたらと、今でも後悔しているんだ―――…。


「聞いていますか?」

ミロが僕の顔を覗き込んでいた。

⏰:07/07/03 16:58 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#122 [オッズ]
思わず小さな悲鳴をあげてしまった。

「すいません、驚かせてしまいましたねぇ……。
何を考えていたんでしょうねぇ?」

ミロの顔中に薄気味悪い笑みが広がった。

殴りたい。

僕はミロを思いっきり睨んでやった。

これがジェラルドだったら、即殴っているか、気のきいたことを言い返すんだろうなぁ。

⏰:07/07/03 17:03 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#123 [オッズ]
「おやおや……そんなに睨まないでくださいよぉ」

ミロはあきらかに楽しんでいる口調だった。

今のところ狂暴そうなところはない……。

キキの言うとおり、昼間は安全なのだろうか?

そもそも何を根拠に安全と言ったのだろう。

「……ところで、キキと君のオトモダチはどこにいるんだい?」

ドキッとした。

⏰:07/07/03 19:00 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#124 [オッズ]
「なんで……」

なんで知っているんだ?

キキはともかく、昨日この町にやってきたばかりのジェラルドのことまで……。

キキ以外には誰もあっていないはずなのに。

「……キキ……」

僕は呟いた。

僕の中にある疑問がわいてくる。

キキ……
彼女は一体何者なんだ?

⏰:07/07/03 19:06 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#125 [オッズ]
僕らはなんの疑いもなく、今までキキを信じてきた。

だけど、キキが僕達の味方だなんて誰が言った?

ミロの仲間じゃないと証明できるか?


……できない。


「ようやく理解できたようですね……」

ミロが卑しい声で囁く。

「……嘘だ」

⏰:07/07/03 19:10 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#126 [オッズ]
僕の声は弱々しかった。

キキのことを信じ続けることはできそうになかった。

キキがミロの仲間ならば、話の筋道がつく。

僕とジェラルドが眠っているうちに、こっそりとミロのところに行って、僕らのことを教えたんだ。

だから、こいつはジェラルドのことを知っている。
もちろん僕のことも。

「嘘じゃないということは、あなたもちゃんとわかっているはずです」

⏰:07/07/03 19:14 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#127 [オッズ]
ミロの甘ったるい口調に吐き気がした。

言い返す気力もない。

キキが僕らを裏切った。

もう何が本当なのかわからない。

「あれは……本当なのか?」

ミロは首を傾げた。

「何がです?」

「町の人たちを切り刻んだこと……」

⏰:07/07/03 19:18 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#128 [オッズ]
ミロは唸った。

「それは……事実ですね。
ですが、誤解しないでいただきたいです。
彼らにいいことだと思ったから、私はああしたのですよ」

彼らにいいこと?

ミロは結局、頭のいかれた残忍な野郎で、キキもそれと大差はないわけだ。

僕は鼻で笑った。

「……狂ってる」

僕の言葉を聞いて、ミロは眉をぴくっと動かした。

⏰:07/07/03 19:22 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#129 [オッズ]
「……あまり調子にのらないほうが身のためですよ」

ミロは苦々しげに言い、突き刺さるような視線を僕に送った。

そして付け加える。

「どっちにしても、もう遅いですがね……」

その時、ようやくミロが手にしているものに気付いた。

今までに
見たこともないような大きさの包丁だった―――…。

⏰:07/07/03 19:27 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#130 [オッズ]
――――――――――…

「さぁさぁ、ここで大人しくしていてくださいよ」

僕は檻の中からミロを眺めた。

まさか捕まってしまうなんて……。

でも、牛も楽々切り殺せるような包丁見せられて、無理矢理に逃げるなんてできるはずない。

ミロは満足そうに僕を見つめ返している。

部屋の四方に広がっていた檻は、二三人が入れるくらいの広さに区切られていた。

⏰:07/07/03 19:57 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#131 [オッズ]
ミロは巨大な包丁を杖のようにして立っている。

「先程も聞きましたが、キキとジェラルド君はどこでしょうね?」

「知らない」

僕はぶっきら棒にそう答えた。

「今すぐ僕を殺す気がないならどこかに行ってよ!」
ミロをこれ以上眺めていたら目が腐る。

殺されるなら、せめてそれまでの間一人にさせてほしい。

⏰:07/07/03 20:52 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#132 [オッズ]
ミロに対する怒りが強すぎて、恐怖を感じている余裕はなかった。

でも、何よりも気掛かりなのはキキのことだ……。

キキ……。

「さっさと出ていけ!」

僕は叫んだ。

ミロは渋い顔をして、どうするべきか迷っている。

その時、僕の視界にあるものが飛び込んできた。

⏰:07/07/03 20:55 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#133 [オッズ]
ついにミロは部屋から出るために、僕に背を向けようとした。

「待って!」

ミロは動きを止めると、驚いたと言わんばかりに目を真ん丸くした。

「……何か?」

僕はこっそりと深呼吸をする。

「ぼ、僕を……僕を殺さないでっ!」

⏰:07/07/03 21:00 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#134 [オッズ]
ミロは更に目を丸くした。
目玉が飛び出しそうだ。

「……ほぅ、いきなりどうしたんです」

ミロは興味深そうに、顎を擦った。

僕は泣き声をあげ、切実に訴える。

「やっぱり死にたくないんだ!
キキとジェラルドの居場所なら教える!」

ミロがにんまりと微笑んだ。

⏰:07/07/03 21:12 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#135 [オッズ]
僕はミロの返事を待たずに、わめき散らした。

「キキとはここにくる途中ではぐれたんだ!
でも、必ずこの近くにいるはずだよ!信じてよっ!」

ミロは顔を檻に近付けてきた。

「信じますよ。
それでは……ジェラルド君は……?」

「ジェラルド……?」

僕は思わず笑みを零した。

⏰:07/07/03 21:18 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#136 [オッズ]
「俺ならここだ!」

ジェラルドの咆哮が狭い部屋に轟く。

ミロはギョッとし、振り返ろうとしたが、ジェラルドの素早さにはかなわなかった。

ジェラルドは飛び掛かり、首を絞めるような態勢でミロに抱きついた。

ジェラルドの手にはキキの家で調達したナイフが握られている。

「ジェラルド!」

⏰:07/07/03 22:16 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#137 [オッズ]
僕は喜びの声をあげた。

ジェラルドは僕の方をちらりと見て、かすかに笑った。

「ハンス、なかなかやるじゃねぇか」

嬉しさを隠し切れずに、僕はにっこりと笑う。

ジェラルドに誉められた!

ミロを追い出そうとしたときに、ジェラルドが窓からこちらを覗いているのが見えたのだ。

⏰:07/07/03 22:21 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#138 [オッズ]
そこで僕がミロの気を引いて、ジェラルドに気付かないようにしたのだ。

ミロの顔は、ジェラルドに首を絞められているため、土気色に変わっている。

「残念だったな……。
死ぬのは俺たちじゃなくてお前だ!」

ジェラルドは不気味に笑いながら、ナイフを振りかざす。

ミロの口から涎とともに悲痛な音がもれた。

「ま、待て……待ってくれ!!お前ら、俺が死んだら困ったことになるぞ……」

⏰:07/07/04 18:11 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#139 [オッズ]
ミロは泣き叫んだ。

目は涙で潤み、鼻水が上向きについた不恰好な鼻から流れ出ている。

その姿は醜悪で、とても惨めだった。

ジェラルドは目を細めた。

獲物を狙う鷹のような目である。

そして、ナイフをそっとミロの頬にあてる。

一筋の血が垂れた。

「困んねぇな……」

⏰:07/07/04 20:13 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#140 [オッズ]
「ひぃ!」

ミロはこの世の終わりでもやってくるかのような悲鳴をあげた。

「や、やめ……やめて!」

頬から流れる血。

赤い……。

ミロも一応人間なんだ。

僕がボーッとそんなことを考えていると、ミロがいきなりこちらを見た。

「ハンス君!
お願いだ……助けて!」

⏰:07/07/04 20:22 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#141 [オッズ]
僕はこの醜い男から目をそらした。

「僕も困らないよ。
それに檻に入れられてるんだ。何もできない」

ミロは歯を食い縛った。
物凄い形相だ。

「いいや!困るはずだ!
ハンス君、よく考え……」

声はそこでとまった。

ジェラルドが更に力をこめて、ミロの首を締め付けたらしい。

「黙れ」

⏰:07/07/04 20:27 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#142 [オッズ]
ミロはそれでも口をパクパクと動かし、必死で僕に喋りかけてくる。

しかし、何を言っているのかちっともわからない。

ミロが死んで困る?

馬鹿らしい。

生きている方が困るというのに。

町の人々を無残な姿に
変えて……

無残な姿に……?

そうか!

⏰:07/07/04 20:55 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#143 [オッズ]
僕はハッとし、

「ジェラルド!」

と、大声を出した。

ジェラルドは驚き、ナイフをミロから遠ざけた。

「ジェラルド、ミロを離してやれ」

ジェラルドは不愉快そうにした。

「なぜだ?」

僕は肩をすくめる。

ミロは苦痛に顔を歪めながらも、声をあげて笑った。

「困ったことになるんだ」

⏰:07/07/04 20:59 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#144 [オッズ]
「どういうことだ?」

「ミロを殺したら、町の人たちの姿はあのままだ」

僕は呟いた。

「その通りです!」

ミロが口をはさんだ。
絶望の表情は消え、生き生きとしている。

「ハンス君の言ったとおり、私を殺したって町の人々はもとの姿には戻れませんよ。
ですが……」

ミロは
えげつない顔で話す。

⏰:07/07/04 21:26 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#145 [オッズ]
「私は彼らをもとの姿に戻すことができます。
ただし、生きていれば……ですがね」

ジェラルドは眉間にしわを寄せ、ミロを睨み付けた。

「関係ねぇな。
俺はこの町のやつがどんな姿だろうと、どうでもいいし」

僕はため息をついた。

「……だめなんだよ。
おそらく僕達がこの町に連れてこられたのは、町の人たちを元に戻すためのはずだ。
だから、ミロを殺してしまったら町の人々を元に戻せないことになる。
そしたら、僕らは家に帰れないんだ!」

⏰:07/07/04 21:33 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#146 [オッズ]
僕はヒステリックにそう言った。

二度と家に帰れないなんてごめんだ。

ミロはわけがわからないと言う顔をしていた。

僕らがジャクリーンに無理矢理ここに連れてこられたのを知らないからだろう。

僕の話を聞いて、ジェラルドはミロを殺すのをやめるかと思ったが、そうではなかった。

彼の目は殺気でみなぎっている。

⏰:07/07/04 21:36 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#147 [オッズ]
「俺はかまわねぇ……」

ジェラルドは以前から人を殺したくてうずうずしていたんだろう。

いつも普通じゃない目をしていた。

そこら変にいる悪なんかとは違う。

もっと恐ろしい何かを隠し持っていた。

「ジェラルド……!」

どうしよう?

⏰:07/07/05 17:14 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#148 [オッズ]
どうすればジェラルドを止められるんだ?!

ミロの顔は汗でテカテカと光っている。

ジェラルド――…

……そうだ!

僕は、ジャクリーンがジェラルドにした約束を思い出した。

「やっぱりそいつを殺すべきじゃないと思うけど?」

僕の声は不安でうわずっていた。

果たして、ジェラルドは食い付いてくれるだろうか?

⏰:07/07/05 17:19 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#149 [オッズ]
「ジャクリーンから……銃をもらえなくなるぞ。
人なんていつでも殺せるけど、ここにいたら銃は手に入らないかもしれないし……」

祈るような目でジェラルドを見つめる。

「……しょーがねぇな」

ジェラルドは渋々ではあったが、ミロを離した。

その途端、ミロのおぞましい高笑いが響き渡った。

僕とジェラルドはぞっとした。

⏰:07/07/05 20:20 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#150 [オッズ]
次の瞬間、ミロは物凄い勢いでジェラルドに飛び掛かった。

あの体であんなに素早く動けるとは驚きだ。

さっきとは逆に、今度はジェラルドに包丁が突き付けられる。

「……クソッ」

ジェラルドは舌打ちをした。

「おい、ハンス。
こうなることは想定内だったんだろうなぁ?」

⏰:07/07/05 20:24 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#151 [オッズ]
僕は怖ず怖ずと首を振った。

少し考えればこうなることはわかったはずなのに。

このままじゃ二人とも殺される……。

「……ごめん」

僕はその場に座り込んだ。

ジェラルドは思いっきり悪態をつく。

「喧嘩はおよしなさい。
ジェラルド君……君の美しい体を切り裂けるなんて光栄だ……」

⏰:07/07/05 20:30 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#152 [オッズ]
巨大な包丁がギラギラと輝き、ジェラルドに迫る。

“やめろ!”

僕が叫ぼうとしたときだった。

「やめてっ!!」

甲高い叫び声がした。

もちろん僕の声ではない。

ミロの口元がほころんだ。

「おや……、ようこそいらっしゃい。
我が友キキよ……」

⏰:07/07/05 20:41 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#153 [オッズ]
キキは息を切らせ、肩を震わせながらドアのところに立っていた。

「私は……あなたの友達なんかじゃないわ」

キキは冷たく言い放った。

僕は複雑な表情でキキを眺める。

キキは僕の視線に気付くと申し訳なさそうにした。

「ハンス!
ごめんなさい。私、昼間は安全だと思ってたの……」

僕はポカーンとした。

キキは何を言ってるの?

ミロの仲間じゃないのか?

⏰:07/07/05 20:50 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#154 [オッズ]
キキはミロの方に向き直った。

「ジェラを離して」

厳しい口調だ。

キキの顔は不安と怒りが入り交じり、今にも泣きだしそうになっている。

「……ダメです」

ミロは細い目を限界までぱっちりと開いた。

キキは唇を噛み締めた。

僕は混乱のなか、美しい彼女がどうするつもりなのかをうかがった。

⏰:07/07/05 20:55 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#155 [オッズ]
わずかな間、沈黙が続く。

そして、ついにキキが意を決したらしく、口を開いた。

「……だったら、
私がジェラの代わりになるわ―――…」

僕は固まった。

ジェラルドも呆然とキキを見つめている。

頭の整理がつかないうちにミロが話を進めた。

「……わかりました。
それでしたら、ジェラルド君を離しましょう」

満面の笑みだ。

⏰:07/07/05 20:59 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#156 [オッズ]
キキは慎重にうなずく。

「あともう一つ……条件があるの」

「なんでしょう?」

ミロはそう言いながら、ジェラルドを僕の隣の檻に閉じ込めた。

「あなたが
醜くしてしまった町の人たちを元に戻して」

いくらなんでもその条件はのまないだろうと思った。

しかし、ミロは簡単に“わかった”と、返事をした。

「私を殺す前に元に戻して。いますぐに、ここで」

⏰:07/07/05 21:06 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#157 [オッズ]
ミロがパチンと指をならした。

すると、どこからともなく布を引きずる無数な音が聞こえてきた。

そして、数分の間に部屋は切り裂かれた町の人々でいっぱいになった。

僕は息を呑んだ。

初めて切り裂かれた人たちを見た。

体中が紫や赤黒い色をしており、継ぎ接ぎだらけで縫い目からはぬるぬるとしたものがはみ出ている。

顔がまったく顔らしくないものや、体の一部がなくなっているものもいた。

⏰:07/07/05 21:10 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#158 [オッズ]
性別はさっぱりわからず、腐敗臭がひどい。

服の代わりにボロ布を体に巻き付けている。

僕は気分が更に悪くなった。

切り裂かれた人がこんなにひどい姿をしていたなんて……。

「いきますよ」

ミロはそう呟くと、懐から小瓶をとりだした。

その中には液体が並々と入っている。

⏰:07/07/05 21:14 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#159 [オッズ]
ジャクリーンに飲まされたものが頭を過る。

ミロは小瓶の蓋を開け、液体を人々に振り掛けた。

振り掛けながら呪文のようなものを唱える。

その途端、醜かった人たちが変わった。

もう醜くくなどなかった。

皆美しい、本来の姿に戻ったのだ。

僕は呆気にとられた。

⏰:07/07/05 21:18 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#160 [オッズ]
こんなことが世の中にはあるのだ。

町の人たちは戸惑い、その場に立ち尽くしていた。

よく見ると、彼らは槍のような武器を手にしている。

「さぁ、あなたの望みは叶えました。
中央の台にお乗りなさい」

キキは町の人たちを眺めて涙をこぼした。

「わかった……」

ゆっくりとした足取りで、キキは部屋の真ん中にある台の上まで歩いた。

⏰:07/07/05 21:23 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#161 [オッズ]
「キキ!」

僕とジェラルドは同時に叫んだ。

キキはほほ笑み、手を振った。

「あなたたちに出会えて本当によかった。
私は死ぬけど、町の人たちは元に戻るわ!
幸せよ……。
ジェラルド、そしてハンス……ありがとう。
あなたたちは立派な救世主だったわ……」

僕の目から涙がとめどなく流れた。

ジェラルドもうなだれている。

ミロはキキの言葉を聞いてせせら笑った。

⏰:07/07/05 21:28 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#162 [オッズ]
「自分は死ぬというのに幸せなんて馬鹿らしい!
私は、お前のそういうところが大嫌いだ!虫酸がはしる!」

キキは……僕らを裏切っていなかったのだ。

僕はミロの言ったことをまんまと信じてしまった。

キキはあんなに親切だったというのに……。

結局僕らはキキを助けることなどできないのだ。

それどころか、僕らのせいでキキは命を縮める。

僕は檻にしがみ付き、必死で揺らした。

⏰:07/07/05 21:33 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#163 [オッズ]
キキ―――…!!!

僕は意味のわからぬことを口走り、絶叫した。

ジェラルドは僕の横にそっと立ち、震える声で“ありがとう”と呟いた。



そこから先はスローモーションのようだった。

忘れたくても忘れられない光景……。

ミロが巨大な包丁を振りかざし、キキの腕を切り落とす。

⏰:07/07/05 21:37 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#164 [オッズ]
キキの顔は苦痛で歪んだが、唇を噛み締め、声をあげないようにしているのが見えた。

ミロは急所をはずしてキキを痛め付けていく。

僕の顔にまで血しぶきが飛んでくる。

ついにキキは耐えられなくなり、耳をつんざくような悲鳴をあげた。

それが永遠に続くように思われたが、悲鳴は段々と小さくなり、聞こえなくなった。

台の上には、肉の塊が横たわっている。

真っ赤な血のなかに見える青い髪がだけが、その肉がキキであると語っていた。

⏰:07/07/05 21:45 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#165 [オッズ]
ミロはそれを見て、狂ったように笑いだした。

僕は憎悪で気がおかしくなりそうだった。

その時、ミロの笑い声が不意に止まった。

そして、僕の顔に何か飛んできた。


血だった―――…。


虹色の髪をした女の子が、もっていた槍でミロを突き刺していたのだ。

⏰:07/07/05 21:51 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#166 [オッズ]
ダコタだ、と、思った。

キキが一度だけ口にした妹のこと。

僕は彼女のように、ダコタは美しいのだろうかと想像した。

実際に見るダコタは、可愛らしかった。

しかし、顔は憎しみで歪み、キキに感じたような美しさは感じられなかった。

それは他の町人も同じだった。

ダコタの行動を見た人たちは、次々と槍でミロを刺していく。

⏰:07/07/05 21:57 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#167 [オッズ]
ミロはうめきもがいた。

槍はミロの体を貫通し、無数の穴をあけていく。



部屋は
血潮で真っ赤だった。


僕はキキの肉片たちを眺めた。

憎しみに突き動かされた町の人たちよりも、みんなの幸せを喜び、肉片になっていったキキの方がよほど美しいと思った。

⏰:07/07/05 22:01 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#168 [オッズ]
――――――――――…

僕は気を失った。

次に目が覚めたとき、僕はジャクリーンの家の床に転がっていた。

隣には今起きた様子のジェラルドがいる。

ジェラルドの体には点々と血の染みがついていた。

ジャクリーンが僕らの前に立ち、疲れたような笑みを見せた。

⏰:07/07/05 22:05 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#169 [オッズ]
「キキはあの町でとても重要な存在だった。
キキこそが優しさの源だったのさ。
憎しみなんてものはキキの前ではありえなかった。
だが、彼女が死んだ今、あの町の人間たちに憎しみがうまれた。
もう、やつらは私らと同じ普通の人間になっちまったのさ」

ジャクリーンはそれだけ言うと、ジェラルドに銃を渡した。

ジェラルドは銃を受け取り、無言のままそれを眺めていた。


ジェラルドの目には涙が光っていた―――…。

⏰:07/07/05 22:12 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#170 [オッズ]

【CARTAIN CALL】美しい村の醜い男わ
これで終わりです
読んでくださっていた方、
感想くれた方、
本当にありがとお
ございました(o´ω`)

⏰:07/07/05 22:14 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#171 [エ]
お疲れ様ですわっイイ

次もこのような非現実的なものを楽しみにしてますっエイイ

⏰:07/07/06 01:35 📱:W44K 🆔:zPpL.Ufc


#172 [小説案内人]
オッズさんお疲れ様ですやっぱり最高出来たらこれの続編を見てみたいです。

⏰:07/07/06 02:34 📱:N703iD 🆔:☆☆☆


#173 [オッズ]

>>171さん
すいません
絵文字が見えません

読んでくださって
本当に
ありがとおございました

かきもしてくれて
とっても嬉しいです(・∀・)

はいまた書きたいと
思ってます
話が思いつくまで、
恋愛系のものを書こうと
思います(o´ω`)

⏰:07/07/06 20:29 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#174 [オッズ]

小説案内人さん
今まで読んでくださって
ありがとおございました

かきしてくれて
すごく励みになりました

最高なんて言っていただけて
光栄です(´;ω;`)

またこういう話を思いついたら
ハンスとジェラを
登場させたいと思います

⏰:07/07/06 20:32 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#175 []
>>1-100
>>100-200

⏰:07/07/06 20:53 📱:SH904i 🆔:xQL4qma6


#176 [オッズ]

さん
アンカありがとお
ございます(*´∪`*)

⏰:07/07/06 22:21 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#177 []
失礼しますフ
<<1ー40
<<41ー80
<<81ー120
<<121ー160
<<161ー200

⏰:07/07/08 12:45 📱:W43H 🆔:BrBxje26


#178 []
失敗ホホホ
>>1ー40
>>41ー80
>>81ー120
>>121ー160
>>161ー200

⏰:07/07/08 12:47 📱:W43H 🆔:BrBxje26


#179 []
何度もすみませんKKK
>>1-40
>>41-80
>>81-120
>>121-160
>>161-200

⏰:07/07/08 12:50 📱:W43H 🆔:BrBxje26


#180 [オッズ]

>>177-179さん
大丈夫ですよ
アンカありがとお
ございます(*・∀・)

⏰:07/07/08 16:36 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#181 [我輩は匿名である]
おもしろかったですっ

次回作期待してますっ(*^・ω・)ノ

⏰:07/07/08 18:23 📱:N902i 🆔:☆☆☆


#182 [オッズ]

匿名さん
読んでくれて
ありがとおございます

おもしろいって
言っていただけて
すごく嬉しいです(*ノωノ)

また新しいの
書きはじめました
この小説とわちょっと
タイプが違うんですが
よかったら
読んでください(w>∪<w)
bbs1.ryne.jp/r.php/novel-f/4942/

⏰:07/07/08 19:18 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#183 [我輩は匿名である]
あげーる

⏰:07/09/21 18:05 📱:P902i 🆔:☆☆☆


#184 [オッズ]

>>183
あげてくれて
ありがとうございます

⏰:07/09/24 18:49 📱:SH703i 🆔:☆☆☆


#185 [我輩は匿名である]
久しぶりにあげ☆

⏰:08/04/12 23:09 📱:F705i 🆔:☆☆☆


#186 [オッズ]

>>185匿名さん

あげてくださって
ありがとうございます

⏰:08/04/28 23:21 📱:SH703i 🆔:☆☆☆


#187 [りな]
あげ

⏰:09/09/22 02:41 📱:F08A3 🆔:☆☆☆


#188 [みぃ]
>>1-200
おもしろかった∩^ω^∩

⏰:09/09/23 09:15 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#189 []

⏰:10/08/01 14:40 📱:F08A3 🆔:☆☆☆


#190 [我輩は匿名である]
あげ

⏰:11/02/19 22:28 📱:F08A3 🆔:☆☆☆


#191 [○○&◆.x/9qDRof2]
(´∀`∩)↑age↑

⏰:22/10/18 20:03 📱:Android 🆔:h3l12Mig


#192 [○○&◆.x/9qDRof2]
>>1-30

⏰:22/10/18 20:04 📱:Android 🆔:h3l12Mig


#193 [○○&◆.x/9qDRof2]
>>160-190

⏰:22/10/18 20:04 📱:Android 🆔:h3l12Mig


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