【CARTAIN CALL】美しい村の醜い男
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#160 [オッズ]
こんなことが世の中にはあるのだ。

町の人たちは戸惑い、その場に立ち尽くしていた。

よく見ると、彼らは槍のような武器を手にしている。

「さぁ、あなたの望みは叶えました。
中央の台にお乗りなさい」

キキは町の人たちを眺めて涙をこぼした。

「わかった……」

ゆっくりとした足取りで、キキは部屋の真ん中にある台の上まで歩いた。

⏰:07/07/05 21:23 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#161 [オッズ]
「キキ!」

僕とジェラルドは同時に叫んだ。

キキはほほ笑み、手を振った。

「あなたたちに出会えて本当によかった。
私は死ぬけど、町の人たちは元に戻るわ!
幸せよ……。
ジェラルド、そしてハンス……ありがとう。
あなたたちは立派な救世主だったわ……」

僕の目から涙がとめどなく流れた。

ジェラルドもうなだれている。

ミロはキキの言葉を聞いてせせら笑った。

⏰:07/07/05 21:28 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#162 [オッズ]
「自分は死ぬというのに幸せなんて馬鹿らしい!
私は、お前のそういうところが大嫌いだ!虫酸がはしる!」

キキは……僕らを裏切っていなかったのだ。

僕はミロの言ったことをまんまと信じてしまった。

キキはあんなに親切だったというのに……。

結局僕らはキキを助けることなどできないのだ。

それどころか、僕らのせいでキキは命を縮める。

僕は檻にしがみ付き、必死で揺らした。

⏰:07/07/05 21:33 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#163 [オッズ]
キキ―――…!!!

僕は意味のわからぬことを口走り、絶叫した。

ジェラルドは僕の横にそっと立ち、震える声で“ありがとう”と呟いた。



そこから先はスローモーションのようだった。

忘れたくても忘れられない光景……。

ミロが巨大な包丁を振りかざし、キキの腕を切り落とす。

⏰:07/07/05 21:37 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#164 [オッズ]
キキの顔は苦痛で歪んだが、唇を噛み締め、声をあげないようにしているのが見えた。

ミロは急所をはずしてキキを痛め付けていく。

僕の顔にまで血しぶきが飛んでくる。

ついにキキは耐えられなくなり、耳をつんざくような悲鳴をあげた。

それが永遠に続くように思われたが、悲鳴は段々と小さくなり、聞こえなくなった。

台の上には、肉の塊が横たわっている。

真っ赤な血のなかに見える青い髪がだけが、その肉がキキであると語っていた。

⏰:07/07/05 21:45 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#165 [オッズ]
ミロはそれを見て、狂ったように笑いだした。

僕は憎悪で気がおかしくなりそうだった。

その時、ミロの笑い声が不意に止まった。

そして、僕の顔に何か飛んできた。


血だった―――…。


虹色の髪をした女の子が、もっていた槍でミロを突き刺していたのだ。

⏰:07/07/05 21:51 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#166 [オッズ]
ダコタだ、と、思った。

キキが一度だけ口にした妹のこと。

僕は彼女のように、ダコタは美しいのだろうかと想像した。

実際に見るダコタは、可愛らしかった。

しかし、顔は憎しみで歪み、キキに感じたような美しさは感じられなかった。

それは他の町人も同じだった。

ダコタの行動を見た人たちは、次々と槍でミロを刺していく。

⏰:07/07/05 21:57 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#167 [オッズ]
ミロはうめきもがいた。

槍はミロの体を貫通し、無数の穴をあけていく。



部屋は
血潮で真っ赤だった。


僕はキキの肉片たちを眺めた。

憎しみに突き動かされた町の人たちよりも、みんなの幸せを喜び、肉片になっていったキキの方がよほど美しいと思った。

⏰:07/07/05 22:01 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#168 [オッズ]
――――――――――…

僕は気を失った。

次に目が覚めたとき、僕はジャクリーンの家の床に転がっていた。

隣には今起きた様子のジェラルドがいる。

ジェラルドの体には点々と血の染みがついていた。

ジャクリーンが僕らの前に立ち、疲れたような笑みを見せた。

⏰:07/07/05 22:05 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#169 [オッズ]
「キキはあの町でとても重要な存在だった。
キキこそが優しさの源だったのさ。
憎しみなんてものはキキの前ではありえなかった。
だが、彼女が死んだ今、あの町の人間たちに憎しみがうまれた。
もう、やつらは私らと同じ普通の人間になっちまったのさ」

ジャクリーンはそれだけ言うと、ジェラルドに銃を渡した。

ジェラルドは銃を受け取り、無言のままそれを眺めていた。


ジェラルドの目には涙が光っていた―――…。

⏰:07/07/05 22:12 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#170 [オッズ]

【CARTAIN CALL】美しい村の醜い男わ
これで終わりです
読んでくださっていた方、
感想くれた方、
本当にありがとお
ございました(o´ω`)

⏰:07/07/05 22:14 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#171 [エ]
お疲れ様ですわっイイ

次もこのような非現実的なものを楽しみにしてますっエイイ

⏰:07/07/06 01:35 📱:W44K 🆔:zPpL.Ufc


#172 [小説案内人]
オッズさんお疲れ様ですやっぱり最高出来たらこれの続編を見てみたいです。

⏰:07/07/06 02:34 📱:N703iD 🆔:☆☆☆


#173 [オッズ]

>>171さん
すいません
絵文字が見えません

読んでくださって
本当に
ありがとおございました

かきもしてくれて
とっても嬉しいです(・∀・)

はいまた書きたいと
思ってます
話が思いつくまで、
恋愛系のものを書こうと
思います(o´ω`)

⏰:07/07/06 20:29 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#174 [オッズ]

小説案内人さん
今まで読んでくださって
ありがとおございました

かきしてくれて
すごく励みになりました

最高なんて言っていただけて
光栄です(´;ω;`)

またこういう話を思いついたら
ハンスとジェラを
登場させたいと思います

⏰:07/07/06 20:32 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#175 []
>>1-100
>>100-200

⏰:07/07/06 20:53 📱:SH904i 🆔:xQL4qma6


#176 [オッズ]

さん
アンカありがとお
ございます(*´∪`*)

⏰:07/07/06 22:21 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#177 []
失礼しますフ
<<1ー40
<<41ー80
<<81ー120
<<121ー160
<<161ー200

⏰:07/07/08 12:45 📱:W43H 🆔:BrBxje26


#178 []
失敗ホホホ
>>1ー40
>>41ー80
>>81ー120
>>121ー160
>>161ー200

⏰:07/07/08 12:47 📱:W43H 🆔:BrBxje26


#179 []
何度もすみませんKKK
>>1-40
>>41-80
>>81-120
>>121-160
>>161-200

⏰:07/07/08 12:50 📱:W43H 🆔:BrBxje26


#180 [オッズ]

>>177-179さん
大丈夫ですよ
アンカありがとお
ございます(*・∀・)

⏰:07/07/08 16:36 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#181 [我輩は匿名である]
おもしろかったですっ

次回作期待してますっ(*^・ω・)ノ

⏰:07/07/08 18:23 📱:N902i 🆔:☆☆☆


#182 [オッズ]

匿名さん
読んでくれて
ありがとおございます

おもしろいって
言っていただけて
すごく嬉しいです(*ノωノ)

また新しいの
書きはじめました
この小説とわちょっと
タイプが違うんですが
よかったら
読んでください(w>∪<w)
bbs1.ryne.jp/r.php/novel-f/4942/

⏰:07/07/08 19:18 📱:N700i 🆔:☆☆☆


#183 [我輩は匿名である]
あげーる

⏰:07/09/21 18:05 📱:P902i 🆔:☆☆☆


#184 [オッズ]

>>183
あげてくれて
ありがとうございます

⏰:07/09/24 18:49 📱:SH703i 🆔:☆☆☆


#185 [我輩は匿名である]
久しぶりにあげ☆

⏰:08/04/12 23:09 📱:F705i 🆔:☆☆☆


#186 [オッズ]

>>185匿名さん

あげてくださって
ありがとうございます

⏰:08/04/28 23:21 📱:SH703i 🆔:☆☆☆


#187 [りな]
あげ

⏰:09/09/22 02:41 📱:F08A3 🆔:☆☆☆


#188 [みぃ]
>>1-200
おもしろかった∩^ω^∩

⏰:09/09/23 09:15 📱:SH05A3 🆔:☆☆☆


#189 []

⏰:10/08/01 14:40 📱:F08A3 🆔:☆☆☆


#190 [我輩は匿名である]
あげ

⏰:11/02/19 22:28 📱:F08A3 🆔:☆☆☆


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