よすが
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#660 [○○&◆.x/9qDRof2]
>>770-800

⏰:22/10/25 18:10 📱:Android 🆔:zH8LnywQ


#661 [○○&◆.x/9qDRof2]
>>1-200
>>200-400
>>400-510

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#662 [○○&◆.x/9qDRof2]
>>510-600
>>600-700

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#663 [○○&◆.x/9qDRof2]
>>700-800
>>800-900

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#664 [○○&◆.x/9qDRof2]
>>900-930

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#665 [○○&◆.x/9qDRof2]
>>930-960

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#666 [○○&◆.x/9qDRof2]
>>960-990

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#667 [○○&◆.x/9qDRof2]
>>970-999

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#668 [○○&◆.x/9qDRof2]
『ねぇ、わたしを殺してみて』


 その日。
 ぼくは、彼女を殺した。

------------------------

『すき』

 彼女のくちびるから零れ落ちる言葉は、いつだってぼくだけの鼓膜を揺らす。

『あなたが、すき。例えあなたの気持ちがわたしになくても』

⏰:22/10/25 18:14 📱:Android 🆔:zH8LnywQ


#669 [○○&◆.x/9qDRof2]
『目も、耳も、鼻も指も、ひとつ残らず愛おしい、』

『だけど、一番愛おしいのは、その、くちびる。わたしのそれと触れたとき、わたしはきっと死んでしまうでしょうね』

 何故だい?薄く微笑み、彼女に問うた。

『幸福死。信じられないけれど、本当にあるみたいよ。夢のような、現実では有り得ないような、けれど、こころのどこかでそれを待ち望んでいる.......』

⏰:22/10/25 18:14 📱:Android 🆔:zH8LnywQ


#670 [○○&◆.x/9qDRof2]
彼女の瞳が、熱を持ち始める。

『そして。それが現実に起こったとき、わたしは死ぬの。そう例えば、あなたのくちびるの熱を、わたしのここで感じることができる、とかね』

 そう言って彼女は微笑み、人差し指で自分のくちびるに触れた。

『ねぇ、わたしを殺してみて?』

⏰:22/10/25 18:14 📱:Android 🆔:zH8LnywQ


#671 [○○&◆.x/9qDRof2]
五秒後、ぼくはきみを殺した。




 まだ息をしているきみのくちびるが、柔らかく、柔らかく微笑んだ。

fin

⏰:22/10/25 18:15 📱:Android 🆔:zH8LnywQ


#672 [○○&◆.x/9qDRof2]
愛しているんだ、
 例え誰が死んだって。

 -------------------------

 何日もかけて選んだ婚約指輪。君は気にいってくれるかな?君が琥珀色を好きだというのは知っていたけど、なかなかいい物が見つからなかった。だけどこの水色も綺麗だろう?君がよくしてる、ネックレスに似ている。

どんな顔をするだろう。

⏰:22/10/25 18:15 📱:Android 🆔:zH8LnywQ


#673 [○○&◆.x/9qDRof2]
笑って、笑って、笑うだろう。キスをして、抱きしめて。それからやっぱり、琥珀色が良かったわ、なんて言うのかな。想像の中の君は少しふてくされて、だけどとても満ち足りた笑顔で。そして僕は言うんだ。


『結婚指輪は、琥珀色にしよう。』

女性はロマンチックが好きだろう?夜景なんかどうだろう?今日のために洗車もしてきた。そんなことは、言わないけどね。

⏰:22/10/25 18:16 📱:Android 🆔:zH8LnywQ


#674 [○○&◆.x/9qDRof2]
さぁ乗って、未来の話をしよう。

予想通り君は少しふてくされて、だけど幸せそうだった。

幸せにするからね。

そういう僕の言葉に重なるように、白い光と車のブレーキ音が僕たちを包んだ。明るすぎるその光に、助手席に座る彼女の顔が白くなる。明るすぎるよ、彼女の顔が見えないじゃないか。


--- 気がつくと目の前には、見慣れた人の顔。白くはなかった、赤かった。彼女の目は閉じられていた。嘘だろう。この、赤は、なんだ。嘘だろう。ねぇ起きて。

⏰:22/10/25 18:16 📱:Android 🆔:zH8LnywQ


#675 [○○&◆.x/9qDRof2]
彼女の体を揺さぶろうにも、僕の体も動かない。いくら大声で名前を叫んでも、彼女はぴくりとも動かない。それはまるで、僕の声なんかこの世界に響いていないような、そんな気がして。


動かない、意識だけ。
動けよ僕の躯、動け。

救急車を呼ぶんだ、彼女を助けて。

⏰:22/10/25 18:16 📱:Android 🆔:zH8LnywQ


#676 [○○&◆.x/9qDRof2]
まだ生きてるかもしれない。呼吸の音が聞こえない?僕の耳がおかしいんだ。名前を呼んでも届かない?僕の声が、枯れてるんだ。どうして僕が生きてるんだ。生きるべきは、彼女だろう。お願い神様、僕はどうなってもかまわないから。

ほら左手の薬指。僕が買った指輪はそんな色じゃない

⏰:22/10/25 18:16 📱:Android 🆔:zH8LnywQ


#677 [○○&◆.x/9qDRof2]
抱きしめて、キスしたい。
指輪に関する話を聞いてほしい。結婚指輪は、きっと琥珀色にするから。


彼女の目が、開いた。
生きて、いる。


ありがとう神様、ありがとう。本当にありがとう。これから何があっても僕が彼女を幸せにする。さぁ、元気になって、未来の話をしよう。

⏰:22/10/25 18:17 📱:Android 🆔:zH8LnywQ


#678 [○○&◆.x/9qDRof2]
僕たちこれから、幸せになるんだ。彼女の目が完全に開く。ただ僕だけを映してくれる瞳は、あの日からずっと、変わらないね。良かった、もう大丈夫。体は動くかい?悪いけど、救急車を呼んでもらえる?

⏰:22/10/25 18:17 📱:Android 🆔:zH8LnywQ


#679 [○○&◆.x/9qDRof2]
僕はさっきから、何故だか体が動かない。彼女の目に涙がたまる。嗚呼、心配しないで。意識ははっきりしてるから。君のことずっと、考えられるくらいには。彼女は何か叫びながら、僕の体を揺さぶった。揺れる視界に、君の泣き顔だけが映る。

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#680 [○○&◆.x/9qDRof2]
綺麗な瞳だ、泣かないで。覗きこんだその瞳に映るは、僕。真っ赤な色をした、僕。


ああ、死んだのは僕か。

どうりでさっきから、呼吸をしていないと思った。良かった。死んだのが僕で良かった。さぁ降りて、僕という船から。未来の話をしよう。君が幸せになるための話だ。指輪は捨ててくれ。君はやっぱり、琥珀色が似合うと思う。

⏰:22/10/25 18:17 📱:Android 🆔:zH8LnywQ


#681 [○○&◆.x/9qDRof2]
いつか誰かに貰ってくれ。僕以外の、誰かに。神様、神様、ありがとう。


嗚呼、死んだのは僕か。


- end -

⏰:22/10/25 18:17 📱:Android 🆔:zH8LnywQ


#682 [○○&◆.x/9qDRof2]
>>640-680

⏰:22/10/25 18:18 📱:Android 🆔:zH8LnywQ


#683 [○○&◆.x/9qDRof2]
>>650-690

⏰:22/10/25 18:18 📱:Android 🆔:zH8LnywQ


#684 [○○&◆.x/9qDRof2]
>>680-710

⏰:22/10/25 18:19 📱:Android 🆔:zH8LnywQ


#685 [○○&◆.x/9qDRof2]
Bluebird

 わたしは。なぜ本を買いに行ったのか?

 わたしの通う樫ノ宮(かしのみや)中学校では毎朝、読書時間というものが十五分間設けられている。その時に読む本を買いに行ったのだ。なぜ、この本を選んだのか?これといって欲しい本があったわけではない。

⏰:22/10/25 18:27 📱:Android 🆔:zH8LnywQ


#686 [○○&◆.x/9qDRof2]
わたしは漫画は読んでも、小説のように文字だけで紡がれた物語を読むのは苦手だった。文字の列だけが数百頁にもわたり延々と続いてるだけだなんて考えただけでも瞼が重くなってくる。.......正直、本ならなんでも良かった。

⏰:22/10/25 18:27 📱:Android 🆔:zH8LnywQ


#687 [○○&◆.x/9qDRof2]
そしてこの本に出会ったのは単なる偶然である。店に入るとすぐ、レジの横に新作の本が何種類か並べられていて、なかでも、一際目を引く一冊があった。綺麗なコバルトブルーのカバーには金色の文字で【bluebird】と書かれており、真ん中には翼を広げて今にも飛び立ちそうな鳥の絵が描かれていた。

⏰:22/10/25 18:27 📱:Android 🆔:zH8LnywQ


#688 [○○&◆.x/9qDRof2]
いわば、一目惚れだった。本当は適当に安い文庫本なんかを買って、お釣りで漫画本を買おうなどと考えていたのだがそんなことはもう頭になかった。母は小学校の教師をしている。わたしが買ってきた本をみせると「梨菜が漫画以外の本を買うなんて!」と、びっくりしていた。

⏰:22/10/25 18:27 📱:Android 🆔:zH8LnywQ


#689 [○○&◆.x/9qDRof2]
「に、さん、ページよんで飽きたなんてことにならないといいけどね」と、母は笑ったけれど、そんなことにはならなかった。読みはじめると、止まらなかった。続きが気になって仕方がなかったのだ。朝の読書時間だけにとどまらず、休み時間にも読み、授業中にも読み、放課後も残って読んだ。

⏰:22/10/25 18:28 📱:Android 🆔:zH8LnywQ


#690 [○○&◆.x/9qDRof2]
わたしはどの部活動にも属しておらず、いつもなら真っ直ぐ家に帰っている時間だったが、その日は誰もいない教室で一人静かに読書に耽(ふけ)った。グラウンドで活動するサッカー部と野球部、陸上部の声が教室にまで届いている。同じ階にある音楽室からは吹奏楽部による演奏がきこえてきた。

⏰:22/10/25 18:28 📱:Android 🆔:zH8LnywQ


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