漆黒の夜に君と。[BL]
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#321 [ちか]
「良い意味って‥‥?」
そう聞き返すのとほぼ同時に唇を重ねられた。
「‥‥冥も僕の事好きって意味。」
漆黒の瞳が俺だけを映してる。
:09/02/18 23:19 :P906i :zV8Xvg6c
#322 [ちか]
ドキドキと高鳴る胸が少し苦しい。
でも、
“もっとしてほしい”
そう思った。
コイツの全部が欲しい、と。
‥‥きっと俺も同じ気持ちだから。
:09/02/18 23:26 :P906i :zV8Xvg6c
#323 [ちか]
「それでもいいの?」
俺を覗きこむようにしてそう言う恭弥に、俺は小さく頷いた。
「やった。」
その時、俺はコイツの屈託のない笑顔を見て思ったんだ。
あぁ、
この笑顔を俺だけのものにしたい。
この笑顔の理由になりたい、と。
そして、俺も完全にコイツにハマってると言う事を確信した。
:09/02/18 23:58 :P906i :zV8Xvg6c
#324 [ちか]
それから俺は口づけをされた。
何度も何度も確かめるように。
優しく甘いソレで俺はまたコイツにおちていく。
「保健室の続き…する?」
怪しく微笑むソレに全身が熱くなるのを感じた。
「――‥‥っだ、だめ!!///」
──────‥‥
───‥
それから俺がここで3度頂点を向かえたのは言うまでもないだろう。
:09/02/19 00:05 :P906i :NQ.nzypk
#325 [ちか]
こうして俺達は晴れて
“恋人”
と言う関係になった。
そしてこの日から俺は、
コイツを“恭弥”と呼ぶようになったんだ。
しかし長い漆黒の夜には
嵐が吹き荒れる事もある
:09/02/19 00:19 :P906i :NQ.nzypk
#326 [ちか]
その“嵐”は、
俺達がそう言う関係になった3日後の月曜日、突然襲ってきたのだった‥──
:09/02/19 00:22 :P906i :NQ.nzypk
#327 [ちか]
月曜の朝、教室に入ると中はやけに騒がしかった。
「なに騒いでんのー?」
俺はその群れの中にひょいっと顔を覗かせて聞いた。
「おー、日下じゃん。
うちのクラスに転校生だって!!」
目を輝かせながらそう言うクラスメイトの北川。
:09/02/19 00:34 :P906i :NQ.nzypk
#328 [ちか]
「ふうん。男?女?」
「男だったらこんな騒がねえっつーの!
ユーリって名前なんだよな?笠原っ♪」
「噂だけどな。」
「や、俺の勘が女って言ってるから間違いない!」
北川の高いテンションに、みんな若干引き気味である。
:09/02/19 00:40 :P906i :NQ.nzypk
#329 [ちか]
そんなこんなでじゃれあっている間にチャイムが鳴り、担任が勢いよく教室に入ってきた。
「さっさと席着けー。」
担任のその言葉を合図に、速やかに席に着いた俺達はさっきまでガヤガヤと騒いでいたのが嘘みたいにおとなしくなり、室内は静かになった。
転校生の事が気になってたまらなくて、担任の長ったらしい話を聞きながらみんなソワソワしている。
:09/02/19 18:57 :P906i :NQ.nzypk
#330 [ちか]
「まぁもう知ってると思うけど、ウチのクラスに転校生が来てる。
おい、入っていいぞー。」
担任が廊下の方に向かってそう言うと、扉が静かに開いた。
その瞬間室内はさっきの騒がしさを取り戻した。
…しかし、俺はあまりの驚きに声すら出なかった。
:09/02/19 19:05 :P906i :NQ.nzypk
#331 [ちか]
「こっちに来るまでカナダに住んでたそうだ。
英語ペラペラだぞー。
お前ら習っとけよ(笑)」
担任はそう言ってヘラヘラと笑う。
入ってきたのは男だった
艶やかな金髪に、
穴の開いた耳。
見る限り俺変わりなそうな身長。
:09/02/19 19:13 :P906i :NQ.nzypk
#332 [ちか]
だけど俺にはそんな事どうでも良かった。
それより、
その容姿には似合わないほどの黒い瞳が、恭弥あまりにそっくりで声が出なかったんだ。
「はじめまして、黒羽優里です。」
― 第二話 e n d ―
:09/02/19 19:18 :P906i :NQ.nzypk
#333 [ちか]
:09/02/19 19:23 :P906i :NQ.nzypk
#334 [ちか]
:09/02/19 19:24 :P906i :NQ.nzypk
#335 [ちか]
>>331訂正
見る限り俺変わりなそうな身長
└→×
見る限り俺と変わりなそうな身長
└→○
すいません><
:09/02/19 19:26 :P906i :NQ.nzypk
#336 [ちか]
>>332訂正
恭弥あまりにそっくりで
└→×
恭弥とあまりにそっくりで
└→○
誤字・脱字だらけで
ほんとすいません;;
:09/02/19 19:30 :P906i :NQ.nzypk
#337 [ちか]
`
第三話 嵐は突然に
:09/02/20 21:14 :P906i :pX9Xxznc
#338 [ちか]
黒 羽 優 里 ‥――
俺は耳を疑った。
その瞳に黒羽なんて名字、こんな偶然あっていいのだろうか…?
が、カツカツと音をたてながら記されていく黒板の文字を見て、それが聞き間違えじゃない事を知った。
:09/02/20 21:52 :P906i :pX9Xxznc
#339 [ちか]
よく見れば、仕草や笑顔も少し似てる気がする…
俺はそいつから目が離せなくなった。
その美形にクラス中がざわめく中、ふいに目が合った。
一瞬かなりの形相で睨まれて背筋が凍るようだった。
:09/02/20 22:07 :P906i :pX9Xxznc
#340 [ちか]
「ちなみにー、3年の黒羽の弟だ。」
その言葉を聞いて俺はハッとした。
そうか、それなら全ての辻褄(ツジツマ)が合う。
俺はそう納得しながらも、恭弥に弟が居た事にかなりの衝撃を受けていた。
「よろしく。」
そいつはさっきの形相が嘘のような爽やかな笑顔をキメて、クラス中の女子を一瞬で虜にした。
:09/02/20 22:22 :P906i :pX9Xxznc
#341 [ちか]
HRが終わるなり、そいつの周りには大きな人だかりが出来た。
カナダってどんな感じ?
とか、
黒羽先輩と似てないね!
とか、
まぁとりあえず周りを取り囲んでいる奴らの大半は女子だ。
俺と透はその遠くから、他愛の話をしてケラケラと笑っていた。
:09/02/20 22:40 :P906i :pX9Xxznc
#342 [ちか]
そのいけてるルックスに
魅力的な笑顔。
おまけに黒羽恭弥の弟で帰国子女とくれば、ソイツの噂は瞬く間に広がり、休み時間には他のクラス、さらには他の学年からまでソイツを見に来る生徒でいっぱいになった。
そんな調子で昼休みを迎えて、俺と透は食堂に行こうと立ち上がり扉の方へと歩いていった。
:09/02/20 22:50 :P906i :pX9Xxznc
#343 [ちか]
「なに食べよっかなー♪」
なんて呑気な事を呟きながら教室を出ようとした瞬間、俺はグイッ肩を掴まれた。
振り返るとそこには噂の人気者。
:09/02/20 22:52 :P906i :pX9Xxznc
#344 [ちか]
>>343訂正
俺はグイッ肩を
└→×
俺はグイッと肩を
└→○
すいません
:09/02/21 00:12 :P906i :6WmKMalw
#345 [我輩は匿名である]
:09/02/21 10:06 :F703i :XNIzL8Pw
#346 [ちか]
:09/02/21 17:59 :P906i :6WmKMalw
#347 [ちか]
>>343「な、なんか用…?」
肩を掴むだけで、全くものを言わないソレに俺は警戒するように言った。
暫く続く無意味な沈黙。
なんなのコイツ‥。
「あの、用ないんだったら…「飯(メシ)一緒に食っていい?」
そう言って向けられたのはとびきりのスマイル。
:09/02/21 18:14 :P906i :6WmKMalw
#348 [ちか]
HRの時の恐ろしい形相は勘違い?と思わせるほどの眩しい笑顔に、俺は少しの間思考停止。
「だめ?」
覗きこまれ呆然としていた俺は我に返った。
「は?‥え、うん。俺はいいけど…、透は?」
「冥がいいなら俺は別に構わないよ。」
そんな俺達のやり取りを聞いて、
「やった♪」
とさらに笑顔を溢した。
:09/02/21 18:23 :P906i :6WmKMalw
#349 [ちか]
食堂に着いた俺達は、いつにも増して人の多い食堂に空いてる席を必死に探した。
「あ、あそこ空いてる。」
透が指差す方に目をやると、ちょうど3席空いていた。
「場所とられたら困るし、俺頼んでくるからお前らそこ居て。」
「え、じゃあ俺も行く!
3人分も持てないだろ?」
「転校生1人にさせるのもアレだろ。」
「でも‥‥っ」
そんな言い合いも透に押しきられて、結局俺は転校生とお留守番になった。
:09/02/21 22:10 :P906i :6WmKMalw
#350 [ちか]
「‥‥‥‥‥。」
「‥‥‥‥‥。」
なんだ、この気まずい雰囲気は。
よく考えれば、目の前に居るのは恋人の弟。
なんか緊張してきた…
:09/02/21 22:51 :P906i :6WmKMalw
#351 [ちか]
時間が経つにつれて緊張は増していき、俺は俯いたままひたすら透の帰りを待っていた。
(透〜早く帰って来いよ〜…)
周りはガヤガヤしてるのに俺達2人の間には静かな沈黙。
異様な雰囲気だ。
「なぁ。」
そんな沈黙を破ったのは優里だった。
:09/02/21 22:57 :P906i :6WmKMalw
#352 [ちか]
「今さらだけど、あんたが日下冥だよな?」
向かいで頬杖つきながら言うその顔はやっぱりHRの時のように冷たかった。
「う、うん…。」
「へえ‥」
俺は上から下へ、下から上へとジロジロ見られて変な汗をかいていた。
(なんなんだよコイツ…)
:09/02/22 00:05 :P906i :qGF02hmg
#353 [ちか]
「……………こんな奴のどこがいいんだか。」
「え?」
今なんて…?
「お待ちどーさま。」
「あ、おかえり!」
テーブルにトレーがゴトンと言う音を鳴らして置かれ、見上げると透が居た。
「ありがと!持ってきてもらって悪いな。」
その声を辿って目線を元に戻すと、冷ややかな表情はまたもや爽やかな笑顔に変わっていた。
:09/02/22 00:14 :P906i :qGF02hmg
#354 [ちか]
さっきのは聞き違い…?
考えれば考えるほど
分からなくなっていった
「冥?」
「ほへ?!」
「クスッ何が“ほへ”だよ、ばーか。早く食え。」
「っな、馬鹿って言った方が…「はいはい、いいから食えっつーの。」
パクっ
言葉を遮られて、唐揚げを口に放り込まれた。
:09/02/22 00:21 :P906i :qGF02hmg
#355 [ちか]
「っ〜〜%☆※¥$ッッ!!」
「食ってから喋れ。」
むーかーつーくーっ!!!!
馬鹿にすんな馬鹿っ!!!
この透の余裕そうな顔!!
まじむかつくっ!!
俺は透の脇腹を思いっきり殴った。
:09/02/22 00:29 :P906i :qGF02hmg
#356 [ちか]
「い゙ってーっ!!暴力反対ー。」
「ふんっ」
脇腹を擦りながら睨んでくる透に俺はプイッと顔を背けた。
「仲いいんだなー。」
ぼそりと呟いた優里の顔がやけに寂しそうだった
:09/02/23 00:06 :P906i :P7nfAI8c
#357 [ちか]
「俺も早くみんなと仲良くなりてーな!」
寂しい表情はまたも一瞬で爽やかな笑顔に戻る。
俺はそんな優里が解せなくて黙ってしまった。
「もうだいぶ馴染んでるじゃん。」
「や、そんな事ねーよ。
まだこっち(日本)にも馴染めてねーし(笑)」
「そう言えばカナダだっけ、前住んでたとこはどんなだった?」
:09/02/23 00:18 :P906i :P7nfAI8c
#358 [ちか]
「良いところだったよ。
空気も綺麗だし、いい奴ばっかだし!」
「へえ、一回行ってみてーなー!」
弾む2人の会話もあまり耳に入らず俺はぼけーっと優里を見ていた。
「な?冥!」
「‥‥え、あ、ごめん聞いてなかった!(笑)」
:09/02/23 00:27 :P906i :P7nfAI8c
#359 [ちか]
「だからー…、まぁいいわ。お前は飯食っとけ!」
「なんだよそれーっ!
気になんじゃん!」
「また唐揚げ食わされてーの?」
不敵笑みで唐揚げを箸でつまむ透。
「え、遠慮しときまーす…」
ちぇっ、俺だけのけもんかよー。
:09/02/23 17:17 :P906i :P7nfAI8c
#360 [ちか]
そんなくだらない会話と笑い声で昼休みも終わり午後の授業。
………つっても寝てたから全然記憶ないんだよな。
だって毎日毎日、恭弥に規則正しい時間に清く正しくない方法で起こされて、ゆっくり寝れる時間授業中ぐらいしかねえんだもん。
:09/02/23 17:28 :P906i :P7nfAI8c
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