*THE GOD OF DEATH*
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#454 [ま-イ子]
-・-第5章 捜査-・-

⏰:08/01/09 23:45 📱:SH903i 🆔:JMqgoNq2


#455 [ま-イ子]

「………ふぅー…」



溜め息混じりに
息を吐き出すと
白い煙が空中を舞った

短くなった煙草を
灰皿に押し付け

逆の手に持っていた
資料に目を通す




「………妙な事件だ…」

.

⏰:08/01/09 23:52 📱:SH903i 🆔:JMqgoNq2


#456 [ま-イ子]

―――ガチャッ



「あ、警部。
此処にいらしたんですか」


声のした方に
視線を向けると

スーツに身を包んだ
後輩が扉から
顔を出していた


「………何か用か」

.

⏰:08/01/09 23:57 📱:SH903i 🆔:JMqgoNq2


#457 [ま-イ子]

直ぐに視線を戻し

吐き捨てる様に言うと

「そんな言い方しなくても
良いじゃないっスか」

男は苦笑いしながら
扉を閉め、俺の元へと
近付いて来た


「馬鹿野郎。
俺はお前の暇潰しに
構ってやる程
優しくもないし
暇でもねーんだよ」

.

⏰:08/01/10 00:05 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#458 [ま-イ子]

「暇潰しって…………
…あ、これって

"例の事件"ですか?」

言いかけた言葉を止め
俺の後ろから
資料を覗き見る


「………………ああ。
どうも、謎だらけでな」


短く刈った頭を
ガシガシ、と掻きながら
資料を見る目を細めた

.

⏰:08/01/10 00:16 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#459 [ま-イ子]

「…まあ…そうでなければ
犯人なんて

直ぐ捕まってますよ」

「そりゃそーだ。」

後輩の言葉に
納得させられた

(なんか悔しいな)

ギシ、という音を立てて
椅子から立ち上がり
扉へと向かう


「あれ、何処行くんすか?」

.

⏰:08/01/10 00:20 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#460 [ま-イ子]

「現場検証だよ。

………お前も行くか?」

のけ反る形で
後ろの奴に聞くと
「いいんスか?」なんて
顔を輝かせている


(半分冗談だったんだが)



「……着いて来い。」

上着を翻し
部屋を後にした

.

⏰:08/01/10 00:27 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#461 [ま-イ子]


俺の名前は

柳田 信司(ヤナギダ シンジ)

職業は、刑事

34歳 既婚者

(ちなみに、もうすぐ
三歳になる娘がいる)


と、自己紹介は
この辺にしておこう

.

⏰:08/01/10 00:39 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#462 [ま-イ子]

「…そういえば、警部」


ああ、こいつは
俺の後輩の峯(ミネ)だ

(覚えやすいだろう)

ハンドルを握り
シートベルトを
締めている


「現場検証って……
何処行くんですか?」

.

⏰:08/01/10 00:45 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#463 [ま-イ子]

「……そうだな。
一番最近起きた所が
いいだろう」


パラ、と資料をめくり
丸印が多々付いている
地図を見る

「北川ですね?
わかりました。」


エンジンが掛かり
車は走り出す

.

⏰:08/01/10 00:52 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#464 [ま-イ子]
‐‐‐‐‐‐‐‐※

この物語はフィクションなので
人物・場所などは
私の勝手な創りものです


※‐‐‐‐‐‐‐‐

⏰:08/01/10 00:55 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#465 [ま-イ子]

「…それにしても、

本当に謎だらけな
事件ですね。」

数分の沈黙の後
峯が口を開いた


「…………ああ。

"連続誘拐事件"


今までにも何度か
起こった事件だか…
今回のは異例だ。」

.

⏰:08/01/10 01:03 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#466 [ま-イ子]
‐‐‐‐‐‐‐‐

>>465

×起こった事件だ

〇起こった事件だ

すいません


‐‐‐‐‐‐‐‐

⏰:08/01/10 01:07 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#467 [ま-イ子]


"連続誘拐事件"



連続と言っているものの
その被害の多さは
今までの比ではない

ここ半年近くで
約90人の被害が
出ているのだ


これは尋常では、ない


.

⏰:08/01/10 01:13 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#468 [ま-イ子]

それに――――…



「数だけでなく
今までと決定的に
違う点は

"誘拐する手口"だ。」



書類に留められていた
数枚の写真を眺める

.

⏰:08/01/10 01:18 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#469 [ま-イ子]

この数カ月、俺達が
動かないわけがない

誘拐が行われる度に

辺りを捜索し
聞き込みをした


しかし、毎度毎度
見つかるのは――――

.

⏰:08/01/10 01:24 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#470 [ま-イ子]

「被害者の、血痕だけだ。」


一枚の写真を
運転している峯に見せる

そこに写っているのは


大量の血に染まっている
コンクリート



横目でちらっと見た峯は
僅かに眉を寄せた

.

⏰:08/01/10 01:29 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#471 [ま-イ子]

「その量では…もう…」


語尾を濁らせる峯の
言いたい事は、分かる

「手遅れだろうな」


ポケットから出した
煙草に火をつけながら
続きを代弁する


峯の顔が
明らかに曇った

.

⏰:08/01/10 01:38 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#472 [ま-イ子]

「…気にしてるのは
そこじゃねえ」


窓を開けて煙を吐き出す
少し肌寒い空気が
車内に入り込む


「分かっていますよ
………死体、ですね。」


「そうだ。
被害者はおろか、
死体さえ
見つかっていない。」

.

⏰:08/01/10 01:43 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#473 [ま-イ子]

行方不明者が出ると
必ず新しい血痕が
見つかる


「この量だ。
死んでいておかしくない」

だが、死体は
何処にもないのだ


血痕が見付かった
場所から
死体を隠せる場所は
警察が殆ど探した

.

⏰:08/01/10 01:48 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#474 [ま-イ子]

約90人もの死体なんて
隠し通せる訳がない


しかし、
見つからないのだ


こんなことは
絶対に有り得ないのに



「…故に、この事件には
別名があってな……」

.

⏰:08/01/10 01:54 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#475 [ま-イ子]


この事件の、
もう一つの名は――ーー










" 神 隠 し "


.

⏰:08/01/10 01:59 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#476 [ま-イ子]
‐‐‐‐‐‐‐‐

区切りがいいので
今日はここまでにします

キャラ作りが難しい
柳田さんがお気に入り
だったりします(・・)←

ではでは、また明日
おやすみなさい


‐‐‐‐‐‐‐‐

⏰:08/01/10 02:02 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#477 [ま-イ子]
‐‐‐‐‐‐‐‐

第1章〜第4章
>>452

第5章(執筆中)
>>454-475

‐‐‐‐‐‐‐‐

⏰:08/01/10 02:07 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#478 [☆anon☆]
めちゃめちゃおもしろぃデス
また楽しみにしてます

⏰:08/01/10 02:10 📱:SH903i 🆔:r.Ok5hC2


#479 [ま-イ子]
‐‐‐‐‐‐‐‐

>>478 ☆anon☆さま_

おもしろいだなんて、
最高の褒め言葉です(;_;)
皆様の応援に
本当に励まされて
おります
ありがとうございます


‐‐‐‐‐‐‐‐

⏰:08/01/10 11:46 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#480 [ま-イ子]
‐‐‐‐‐‐‐‐

更新しようかなっ(*¨)b


‐‐‐‐‐‐‐‐

⏰:08/01/10 12:09 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#481 [ま-イ子]
――――――‥

「着きました、警部。」


峯の言葉とほぼ同時に
車が止まり

俺はくわえていた煙草を
使われていないであろう
車内の灰皿に入れた

ドアを開け外に出ると
ひんやり、とした空気が
身体を包み込む

(もう、11月だな…)

.

⏰:08/01/10 12:18 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#482 [ま-イ子]

車から降りると

そこは住宅街

しかし人通りは少なく
遠くから聞こえてくる
車の音だけが耳に入る


足を進めると
コツ‥コツ‥とした音が
周りに響き渡った


「…あそこだな…」

.

⏰:08/01/10 12:23 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#483 [ま-イ子]

そう呟く俺の
目線の先は


黄色いテープで仕切られ
その中は、そこだけ
違う空間のように
真っ赤だった


一応手に持っている
資料と確認してみたが

間違いないようだ

.

⏰:08/01/10 12:27 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#484 [ま-イ子]

ゆっくり近付くと
その光景に
吐き気を感じた



地面にはそれこそ
大量の血が付いているが
住宅を仕切る塀にまでも
飛び散った血痕が
生々しく残っている


「……酷いっスね…」


峯がその場所を
見つめながら呟いた

.

⏰:08/01/10 12:34 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#485 [ま-イ子]

「…一昨日起こったものだ
もう血は乾いているな。」

黄色いテープを跨ぎ
現場へと入る
塀に付いてる血痕に触れ
指先を見てみたが
いつもの肌色だ


「被害者とされているのは
この近辺に住む男性だ。
一昨日から行方不明で
今だ発見されていない」

淡々と言う俺の説明を
峯は静かに聞いている

.

⏰:08/01/10 12:41 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#486 [ま-イ子]

「捜索中だが…………
まあ、見つかる可能性は
低いだろうな。」


今までと同じ手口なのだ
見付けるのは困難だろう


――――ザリッ

地面の血痕にも
触れてみるが
塀に付いたものと
変わらなかった

.

⏰:08/01/10 12:49 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#487 [ま-イ子]

「………………。」


しゃがみ込み、いきなり
無言になった俺の顔を
峯が覗き込む


「………警部?
どうかされまし…」

「妙だと思わないか」


峯の言葉を遮り
言葉を放つと
へ?と素っ頓狂な
声が聞こえた

.

⏰:08/01/10 12:54 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#488 [ま-イ子]

「この血の量からして
死んでいておかしくない
なのに死体がない
ということは、

犯人が運んだと
言うことになる。」

「でもそんな痕跡
ないですよね。」


峯はキョロキョロと
辺りを見回しながら
言葉を返して来た

.

⏰:08/01/10 12:58 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#489 [ま-イ子]

「その方法も謎だが、
1番の謎は……………

"何故そんな事をしたか"

ということだ。」

「見付かったら困るから
とかじゃないんですか?」


きょとん、とした顔で
首を傾げて聞いてきた


(やはりお前はまだ青いな)

.

⏰:08/01/10 13:04 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#490 [ま-イ子]
「そう考えるのが
普通なんだが……
ならば何故、犯人は
"わざわざ殺してから"
運んでいるのか。」

未だ頭に?を浮かべてる
峯を横目に続ける

「死体を運ぶなんて、
そう簡単な事じゃない。
それに、見付かりたく
ないのであれば
こんな人目に付く場所で
殺したりなんかせずに
隠してる場所へ連れて行き
殺した方が楽だろう?」

.

⏰:08/01/10 13:12 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#491 [ま-イ子]

ああ、と感心する峯

(おせーぞ)


「それをしない、
ということが
何を意味するのか……」


短く生えた顎髭に
触れながら考え込む

.

⏰:08/01/10 13:48 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#492 [ま-イ子]

「血痕が見つかっている
場所は、バラバラだ。
死体を一カ所に
集めているとは

考えにくいんだが…」

地図を見ると
丸印はあちこちに
付いていた


「それなら、何人かは
見付かってもいいはず…
……………ですよね?」

.

⏰:08/01/10 13:54 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#493 [ま-イ子]
自信なさ気に
聞いてきた峯に
ああ。と返事をすると
顔が明るくなった

(単純な奴)

そんなコイツに呆れる


「犯人は何を
考えているのか――…」

はぁ、と大きく溜息をつき
ガシガシ、と頭を掻いた

無意識にポケットへ
手を伸ばし煙草を取る

.

⏰:08/01/10 14:02 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#494 [ま-イ子]

「一昨日の被害者と
今までの被害者との
関係は?」


「今のところ無しだ。
今までの被害者達で
共通する所もバラバラ。
全員に共通しているのは
"この街に住んでいる"と
いう所だろうな…」


それだけ一気に言うと
煙草に火をつける

.

⏰:08/01/10 14:13 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#495 [ま-イ子]

「次の犯行の予測も
つかない…………
お手上げっスね…」



肩をすくめ峯は
溜息をついた

それにつられて俺も
息を吐き出す


「どうしたもんか…」

.

⏰:08/01/10 14:38 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#496 [ま-イ子]

重たい沈黙が流れる

峯は顎に手を添え
考え込み

俺は灰になっていく
煙草を眺めていた


少しずつ
長さを増していく灰は
重力に耐え切れなくなり

地へと
落ちていった

.

⏰:08/01/10 14:50 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#497 [ま-イ子]

あーーーー!!



突然の峯の大声が
住宅街に響き渡る


「な、なんだよ!
いきなり大声で!」


驚いた俺もすこし
声を張り上げた

当の本人は俺を指差し
口をパクパクさせている

.

⏰:08/01/10 15:36 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#498 [ま-イ子]

「なんだよじゃ
ないですよ!

何、現場に灰なんか
落としてんスか!!」

「なんだそんな事かよ」


冷静を取り戻した俺は
再度煙草に口をつける

なにやってんスか〜、と
峯は慌てた様子で
血痕の上に落ちた灰を
手で掃いていた

.

⏰:08/01/10 15:40 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#499 [ま-イ子]

俺はその様子を
見下ろしながら

再度煙草を口にくわえる


煙を肺に入れた瞬間
冷たい風が頬を掠めた


はらはら、と灰が舞う


流れ落ちてゆく粒子を
目で追い掛けた

.

⏰:08/01/10 20:51 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#500 [ま-イ子]

(―――――――ん?)


目を細め
見ていた場所を確認し
そこに近付いた

しゃがみ込み、
"そこ"に触れる


―――やっぱり、だ

.

⏰:08/01/10 21:26 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#501 [ま-イ子]

そこにあったのは


細い、割れ目


(まるで、何かが
刺さっていたかのような)


じ、と見ていると
後ろから話し掛けられた


「…………警部……
ちょっとコレ、
見て頂けますか?」

.

⏰:08/01/10 21:30 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#502 [ま-イ子]

「…………あ?」


不思議に思いながら
峯に近づき
指を指している部分に
視線をやる

そこにあったのは


「‥‥‥これは‥」



不自然に途切れた血痕

.

⏰:08/01/10 21:32 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#503 [yえりちぁンy]
>>01-50
>>51-100

⏰:08/01/10 21:37 📱:W53T 🆔:K.XYEPw6


#504 [ま-イ子]

「………ね?不自然に
途切れていませんか?」


ほんの、小さな
目を凝らさないと
わからないような
そんな、途切れ


まるでそこに

何かがあったかのような

.

⏰:08/01/10 21:37 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#505 [yえりちぁンy]
>>101-150
>>151-200

⏰:08/01/10 21:38 📱:W53T 🆔:K.XYEPw6


#506 [ま-イ子]
‐‐‐‐‐‐‐‐
>>503 えりちぁン様_

アンカーありがとう
ございます(*¨)b


‐‐‐‐‐‐‐‐

⏰:08/01/10 21:39 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#507 [yえりちぁンy]
>>201-250
>>251-300
>>301-350
>>351-400

⏰:08/01/10 21:40 📱:W53T 🆔:K.XYEPw6


#508 [yえりちぁンy]
>>401-450
>>451-500
>>501-550
>>551-600

⏰:08/01/10 21:42 📱:W53T 🆔:K.XYEPw6


#509 [ま-イ子]

「確かに…不自然だ」


まじまじとそれを
見ていると、
近くに他にも数箇所
途切れてる部分があった


「……ここに、
何かがあったのか…?」


調べてみる価値は
ありそうだ

.

⏰:08/01/10 21:43 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#510 [yえりちぁンy]
アンカ連貼りスイマセンホO
この 小説まぢすぅきですニ~
これからも頑張ってさぁい

⏰:08/01/10 21:44 📱:W53T 🆔:K.XYEPw6


#511 [ま-イ子]
‐‐‐‐‐‐‐‐

>>505
>>507-508
>>510 えりちぁン様_

いえいえ!
アンカー助かります
やっぱりあった方が
見やすいですよね
自分でも努力します!

好きと言ってくださって
凄くやる気でます(^ω^)
ありがとうございました


‐‐‐‐‐‐‐‐

⏰:08/01/10 21:49 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#512 [ま-イ子]

車から白いチョーク
(以前、交通課の奴から
奪っ………頂いた。)

を持って来て、
途切れている部分を
繋いでみる


「なんですか?コレ…」


峯には、白い
曲線で描かれた"何か"
にしか見えてないようだ

だが、俺には――ーーー

.

⏰:08/01/10 21:58 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#513 [ま-イ子]

「こ、これは―――…













人 の 、 手 ?


.

⏰:08/01/10 22:00 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#514 [ま-イ子]

そう、俺にはどう見ても
人の手の形にしか
見えなかった



「ひ、人の手…?
そんな馬鹿な………」


口元を引き攣らせながら
峯は身を乗り出して
もう一度曲線を見る



「………………あ。」

.

⏰:08/01/10 22:04 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#515 [ま-イ子]

どうやら峯にも
見えたらしい。

阿呆面をしながら
固まっている


「………なんで
こんな所に手の跡が?」


困惑した表情で
俺に聞いてくる峯


(俺が知りてーよ)

.

⏰:08/01/10 23:18 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#516 [ま-イ子]

人が殺されたのだから
当たり前と言えば
当たり前なのだが、


「この場所にあるなんて
明らかにおかしい。」


この通りは少しだけ
傾いており、血痕は
その坂のお陰で
流れる形となっている

.

⏰:08/01/10 23:21 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#517 [ま-イ子]

手の跡があるのは

流れている血痕の
先の方にあるのだ


「もし、此処で
被害者がやられた
のであれば、
手があそこにあるのは
おかしいんだが…」


血痕の始まりである
場所に立ちながら
うーん、と唸る

.

⏰:08/01/10 23:30 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#518 [ま-イ子]

ふ、と下を見てみると
先程見付けた亀裂が
足元にあった



(―――――そうか)


「なんでこんな場所に…
他に誰か居たんスかね?」

「いや、もっと単純な
問題だ。」

.

⏰:08/01/10 23:35 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#519 [ま-イ子]

俺の方を向き

驚いた表情を見せる峯

「えー!
もう解ったんですか?」

「………此処見ろ」


足元を指差し
見るように促すと
峯は前屈みになり
そこをじぃ、と見た

.

⏰:08/01/10 23:42 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#520 [ま-イ子]

「亀裂が入ってんだろ」


「え……ああ、
…………それが…?」


全く意味の通じない峯に
厭味を込めて大きく
溜息をつく


「…あれは被害者の
切断された手だ。」

.

⏰:08/01/10 23:49 📱:SH903i 🆔:zb3FNp4s


#521 [ま-イ子]

「…え、……ええっ!?」


峯は目を丸くし
驚愕している


「この亀裂は、
凶器の刃物
刺さった跡だな。」

「は、刃物…ですか…?」

.

⏰:08/01/11 00:13 📱:SH903i 🆔:eC0pJ16w


#522 [ま-イ子]

「ああ。此処で
腕を切られたんだろう
勢いが良すぎて
地面に刺さったって
ところか?」


成る程、と感心する
峯に呆れるばかりだ


「…峯、鑑識に
連絡してくれないか」

唐突に名前を呼ばれ
素早く顔を上げた

.

⏰:08/01/11 00:30 📱:SH903i 🆔:eC0pJ16w


#523 [ま-イ子]

「この亀裂から、
凶器を絞れないか
聞いてみてくれ」


それだけ言うと
黄色いテープを跨ぎ
車へと向かう

「わかりました。」

後ろから聞こえた声に
足を止める事なく

コツ‥コツ‥という
足音を響かせた

.

⏰:08/01/11 00:36 📱:SH903i 🆔:eC0pJ16w


#524 [ま-イ子]

車の横に寄り掛かり
煙草を吹かす


携帯電話で話しを
している峯の声を
耳に入れながら

事件について
思考を巡らした



(わからねぇ………

犯人の、目的が。)

.

⏰:08/01/11 00:45 📱:SH903i 🆔:eC0pJ16w


#525 [ま-イ子]

理由もなく

只、無差別に、誘拐を
繰り返しているのか


それとも―――

何 か が 必 要 な の か


どちらにしても
放ってはおけない

(せめて、被害者の
生死だけでも
確認したいものだ…)

.

⏰:08/01/11 00:52 📱:SH903i 🆔:eC0pJ16w


#526 [ま-イ子]

行方不明になった
被害者の家族に

その生死だけでも
伝えてやりたい


今でも、生きている
と信じて帰りを待つ者や

もう、死んでしまったのか
と絶望を感じている者に


せめてそれだけ――…

.

⏰:08/01/11 00:55 📱:SH903i 🆔:eC0pJ16w


#527 [ま-イ子]

「………警部!」


少し離れた場所から
呼ばれるのが聞こえた

声がした方へ顔を向ける


「早急に数名が
調べに来るそうですよ。
‥‥どうします?」

こちらに向かいながら
峯は俺に問い掛けた

.

⏰:08/01/11 01:00 📱:SH903i 🆔:eC0pJ16w


#528 [ま-イ子]

「俺等が居ても
役に立たねーだろ。
行くぞ。」


「そうっスね。」


お互い同意しながら
車へと乗り込む


「…何か解りますかね」

シートベルトを
締めながら
峯が俺に尋ねる

.

⏰:08/01/11 01:05 📱:SH903i 🆔:eC0pJ16w


#529 [ま-イ子]

「あまり期待は
出来ねーな。

見落としてた奴らが
調べんだから。」


「またそう言う事を…
仕方ないっスよ、
全部似たような
現場なんですから。
見落としの一つや二つ
ありますって。」


苦笑いしながら言う峯に
ふん、と鼻で笑う

.

⏰:08/01/11 01:13 📱:SH903i 🆔:eC0pJ16w


#530 [ま-イ子]

「それが90箇所も
あっちゃ、たまんねーな」


皮肉を言った俺は
苛々を治める為に
煙草を取り出した

最後の一本だ


「警部……最近、
量増えてますよ?」

.

⏰:08/01/11 01:21 📱:SH903i 🆔:eC0pJ16w


#531 [ま-イ子]

峯が横目で俺を見ながら
心配そうな顔をしている


「家で吸えねーんだから
仕方ねえだろ。」

「娘さんですか?」

「嫁もだ」

「それキツイっスね」


はは、と笑う奴を無視し
最後の一本に火を付ける

.

⏰:08/01/11 01:27 📱:SH903i 🆔:eC0pJ16w


#532 [ま-イ子]

「……この事件、」

ぼそり、と俺が
口を開くと
峯は無言で先を待つ


「いつまで、

続くんだろうな」


ふ、と自嘲気味に
笑ってみる

.

⏰:08/01/11 01:35 📱:SH903i 🆔:eC0pJ16w


#533 [ま-イ子]

この事件が

公表されてから、
人々を襲ったのは


次に誰が狙われるか
わからない、恐怖感


.

⏰:08/01/11 01:41 📱:SH903i 🆔:eC0pJ16w


#534 [ま-イ子]


もしかしたら、
自分かもしれない


自分の、
大切な人かもしれない



そんな不安を胸に

今の人々は
生きているのだ

.

⏰:08/01/11 01:43 📱:SH903i 🆔:eC0pJ16w


#535 [ま-イ子]

それは警察と言えど
関係なくて、


俺にも家族がいるのだ


不安に駆られるのは
当然の事。


早く、事件が解決し
この不安から逃れたい
という気持ちは
日々、増してゆく

.

⏰:08/01/11 01:47 📱:SH903i 🆔:eC0pJ16w


#536 [ま-イ子]

俯いた俺は

両手をぐ、と握り締めた

どうしようもない不安に
胸が一杯になる

重い空気が流れる車内


沈黙を破ったのは
峯だった



「何言ってんスか。
俺達が、これを
止めるんでしょう」

.

⏰:08/01/11 01:52 📱:SH903i 🆔:eC0pJ16w


#537 [ま-イ子]

その言葉に呆気に取られ
身体中の力が抜けた


「何他人事みたいに
言ってるんですか。
俺達が1日でも早く
犯人を見つけて、
皆を安心させるんですよ」


そうでしょう?と
笑いながら聞く峯に
つられて俺も
笑みを零した

.

⏰:08/01/11 01:57 📱:SH903i 🆔:eC0pJ16w


#538 [ま-イ子]

「――――そうだな。」


(その通りだ。
俺が弱気になって
どうする)


肩の力を抜き
くわえてた煙草を見ると
半分ほど灰になっている

慌てて灰皿に詰め込み
落下を防いだ

.

⏰:08/01/11 02:00 📱:SH903i 🆔:eC0pJ16w


#539 [ま-イ子]

ふぅ、と息を吐き
運転席に視線を移す


(後輩に
喝を入れられるなんて
俺もまだまだだな…)



「ありがとう、峯」


不安を取り除いてくれた
後輩に素直に礼を言った

.

⏰:08/01/11 02:05 📱:SH903i 🆔:eC0pJ16w


#540 [ま-イ子]

峯はというと


「え、何がっスか?」

と、言いながら
きょとんとした顔を
していた


(…………こいつ…)

あまりの阿呆さに
怒りを覚えたが
今日だけは見逃して
やることにした

(次はないと思え)

.

⏰:08/01/11 02:12 📱:SH903i 🆔:eC0pJ16w


#541 [ま-イ子]

未だに?を浮かべてる
峯に溜息をつく。

目線を前に戻し
"馬鹿野郎"
と吐き捨てた後


「絶対、犯人捕まえるぞ」


決意を新たに


「ーーーー!……はいっ!」


俺は動き出す

.

⏰:08/01/11 02:19 📱:SH903i 🆔:eC0pJ16w


#542 [ま-イ子]


しかし―――――






 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
20XX年11月06日
峯 龍一 (24)
職業:警察官

行 方 不 明
(現在捜索中)
_______


.

⏰:08/01/11 02:31 📱:SH903i 🆔:eC0pJ16w


#543 [ま-イ子]



峯が行方不明に

なったのは、



それから数日後の

出来事だった―――――



.

⏰:08/01/11 02:33 📱:SH903i 🆔:eC0pJ16w


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