【SSS】超短レス短編祭り!【飛び入り参加OK!】
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#289 [◆vzApYZDoz6]
おっと、名無しさんの参加キタコレw
過疎ぎみなんで、よければもっとお願いしますw
:08/04/10 03:13 :P903i :I5eSL1Vk
#290 [気まぐれ(1/1)◆vzApYZDoz6]
「いったいどういうつもりよ!?」
「それはこっちの台詞さ。僕は、君とあの男がホテルに入るところをちゃんと見ていた」
激昂する女とは対称的に、男はただひたすらに淡々と話していた。
だが声質のせいだろうか、淡々としているわりにどこか柔らかい感じがした。
「それは…その…」
「気まぐれ?」
「そう! なんていうか、ちょっとした気の迷いというか…」
「へぇ。僕の告白を受けたのも、気まぐれ? 何年も付き合ったのも、プレゼントをくれたのも、気まぐれ?」
「ち、違う…気まぐれなんかじゃないわ!」
女の表情はどんどん潮らしくなっていき、今にも泣きそうなほど。
それでも男は眉ひとつ動かさず、淡々と喋り続けていた。
それでも声の柔らかさは変わらない。
「いいんだよ、別に。僕はそんなに本気で怒っちゃいないさ」
「なんで…? どういうことよ…?」
「それは、だから──」
男の淡々としてまったく動かなかった表情が、少し緩む。
代わりに女の顔がひきつり、青ざめた。
「──気まぐれさ」
そう言って男は、何か言おうとした女の喉を切り裂いた。
:08/04/11 04:04 :P903i :zCCoSRx2
#291 [◆vzApYZDoz6]
:08/04/13 00:53 :P903i :I.m48lNc
#292 [◆vzApYZDoz6]
:08/04/13 00:53 :P903i :I.m48lNc
#293 [◆vzApYZDoz6]
現在の作品数集計
1レス短編:27
2レス短編:34
3レス短編:31
総作品数:92
現在のお題
@雨
Aあの頃の思い出
B電話
C卒業
D電車
Eささやかな幸せ
F手紙
G都会
H未来
Iアルバイト
J忘れられない
K空
L窓
M指輪
N怒り
O葬式
>>291-292まとめ
:08/04/13 00:54 :P903i :I.m48lNc
#294 [紫陽花]
>>291ー293
まとめ
ありがとうございます!!(・∀・)
:08/04/13 00:57 :F905i :☆☆☆
#295 [紫陽花]
:08/04/13 01:01 :F905i :☆☆☆
#296 [[ひとつの願い(1/3)]蜜月◆oycAM.aIfI]
ある日の午後、私は暖かい陽射しに眠気を覚えながら、オフィスでパソコンに向かっていたんです。
私の周囲は、他の社員たちの相談だったり会議だったりでガヤガヤとしていました。
私は明日の会議の資料を今日中に仕上げなくてはいけなかったので、キーボードを打つのに集中していたのです。
が、オフィス全体が急に静かになって、私は何事かと思い、ディスプレイから周りに目を移しました。
けれど、みんなの様子はさっきまでと変わりなく、いそいそと動き回っています。
私がキョロキョロしているのにも、誰ひとり気付いた様子はありません。
私は訳が分からずデスクに視線を戻すと、キーボードの横にちっさいオッサンがいました。
ちっさいオッサンがいたのです。
私は目が飛び出るんじゃないかと思うくらい驚いて、椅子の背もたれにしたたか背中を打ち付けてしまいました。
:08/04/13 02:00 :SH903i :HMtueqDg
#297 [[ひとつの願い(2/3)]蜜月◆oycAM.aIfI]
ちっさいオッサンは、キーボードの右側で体育座りをして、私を見つめています。
私は驚きの余り、ちっさいオッサンを凝視したまま固まってしまいました。
「あんたの願い、なんか一個だけ聞いたるで」
ちっさいオッサンはわざとらしい関西弁でそう言いました。
私はもう一度周りをぐるりと見回しました。
けれど、やはり声や物音が聞こえないだけで、みんなはいつも通り仕事をしているようです。
私は意を決して、というか開き直って、望みを口にしました。
「この……貧乳が悩みの私の願いは、……大金持ちになること!」
「巨乳ちゃうんかい!」
ちっさいオッサンは爆笑しながら私にツッコミました。
「だって、お金があれば整形できるじゃない」
私が冷静に反論すると、ちっさいオッサンは困った顔をしてこう言いました。
「あんな、姉ちゃん。整形って失敗することもあんねんで? 乳は何年かたったらしぼんでまうらしいしなぁ。ワシに頼んだら、ナチュラルな巨乳になれるのになぁ」
:08/04/13 02:01 :SH903i :HMtueqDg
#298 [[ひとつの願い(3/3)]蜜月◆oycAM.aIfI]
私はそれを聞いて、整形よりオッサンに頼みたいと思ったのです。
そこで、こうお願いしました。
「じゃ、じゃあ、大金持ちは取り消し! 私を巨乳にしてください!」
すると、ちっさいオッサンは残念そうに手を振りました。
「アカンアカン、願いは一個だけや。あんたは大金持ちってゆう願いで使い切った。取り消ししてもそれは戻らん。じゃあな」
ちっさいオッサンは私のデスクから隣のデスク、そのまた隣のデスクへと歩いて行きました。
ちっさいオッサンの姿が見えなくなると同時に、いつもの騒がしい話し声が私の耳に入ってきました。
その後何年か、私はちっさいオッサンにもう一度会いたいと願って生きてきましたが、その願いはいまだ叶っていません。
今、願いを一つ聞いてやると言われたら、私は迷わず「ちっさいオッサンに会わせて下さい」と言うでしょう。
:08/04/13 02:02 :SH903i :HMtueqDg
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