・・万華鏡・・
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#401 [果樹]
読んでくれている方いらっしゃるのでしょうか?
もしよろしかったら感想ください

⏰:08/08/02 17:59 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#402 [ako]
こんにちわずっと読んでます
更新は大変だと思いますが頑張ってください


柴浦カッコイイです

⏰:08/08/03 15:37 📱:SH903i 🆔:T9PJiczc


#403 [我輩は匿名である]
>>1-250
>>251-500

⏰:08/08/03 17:56 📱:SH905i 🆔:olveaEGw


#404 [果樹]
akoさん、我輩さんへの
お返事は感想板で

⏰:08/08/05 19:04 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#405 [果樹]
―――――――――・・・・

「お前は無防備すぎだ!」

「はぁ?!柴浦にそんなこと言われる筋合いないし」

「あるね」

「ない」

「ある」

「ない」

⏰:08/08/05 19:05 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#406 [果樹]
私たちがこんな言い合いをする20分前―――。


教室を出てから私の手を引いたままずんずんと進んでいた柴浦の足が急に止まった。

見上げるとそこは校舎の一番端にある視聴覚室。

「入れ」

ドアを開けた柴浦は私を視聴覚室の中に促す。

⏰:08/08/05 19:05 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#407 [果樹]
私が入った後、柴浦も入り、後ろ手でドアを閉めた。

私は何で柴浦が教室に来たのかもわからないし、何でここに連れてきたのかもわからなくてとりあえず頭が混乱していた。

じっと柴浦が見つめるので私も何となく柴浦を見ていた。

気まずいはずの沈黙がこの時はなんとなく心地好く感じた。

⏰:08/08/05 19:06 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#408 [果樹]
「何にもされてないか?」

先に口を開いたのは柴浦だった。

「あ・・うん。大丈夫・・」

私は柴浦から目をそらし自分の体を見渡す。

「そうか」

柴浦がふぅっと息を吐いた気がして少し顔を上げるとどこか安心したような柴浦の顔があった。

⏰:08/08/05 19:06 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#409 [果樹]
その顔に少しドキッとしてしまったのはきっと間違いではないと思う・・・。

「お前さぁもっと警戒心持てば?」

近くにあった机に軽く腰をかけた柴浦がいきなりそんなことを口にした。

「は?」

「お前は無防備すぎる!」

こんな感じで話は冒頭に戻る訳で・・・。

⏰:08/08/05 19:07 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#410 [果樹]
「何いきなり・・・」

つい眉間に皺が寄る。

「お前に隙があるからアイツにだって襲われそうになったんだろ?」

この時、私の中で何かのスイッチが入ってしまった。
「はぁ?!柴浦にそんなこと言われる筋合いないし」

「あるね」

⏰:08/08/05 19:07 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#411 [果樹]
私の言葉に柴浦がすかさず言葉を返して来た。

「ない」

「ある」

「ない!」

あるかないかっていう下らない言い合いが続く。

どちらも意地になっていて止める気配なんてない。

⏰:08/08/05 19:08 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#412 [果樹]
バチバチバチと火花が散る中、柴浦が溜め息をついた。

「あるよ。好きな女が無防備すぎたら不安になんだろ?」

「な・・・・・・・は?」

那覇?
いやいや違う違う。

今柴浦はなんていった?

好きな女?

⏰:08/08/08 21:05 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#413 [果樹]
「誰が誰の好きな女?」

思わず思ったことが口から出てしまった。

「お前が俺の好きな女」

「冗談でしょ・・?」

“冗談”だったらよかった。

でも私を見る柴浦の目は真剣で冗談なんて言葉で誤魔化せないことがわかった。

⏰:08/08/08 21:06 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#414 [果樹]
「何・・で?いつから?どうして・・・?」

頭が混乱する。

「何でつっても人を好きになるのに理由なんかないだろ。ただ泣いてるお前を守りたいって思った。それだけだ」

顔が熱い。
鼓動が高鳴って心臓が破裂しそう。

「かっ・・・帰る!」

⏰:08/08/08 21:07 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#415 [果樹]
私は柴浦が持ってきてくれた私の鞄を掴んで逃げるように視聴覚室を出た。


―――――――――・・・・


「はぁはぁ・・・」

走って校舎を出てきたせいで息切れが激しい。

私は息を整えながら柴浦が言った事を頭の中で繰り返していた。

⏰:08/08/08 21:08 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#416 [果樹]
お前が俺の好きな女――

人を好きになるのに理由なんかない――

ただ泣いてるお前を守りたいって思った――


「なんで・・・」

何で柴浦の事ばっかり考えてるのあたし・・・。

「はぁ・・・・」

⏰:08/08/08 21:10 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#417 [果樹]
何度目かになる溜め息をついた時パッパーと車のクラクションらしき音が聞こえた。

まだ校門を出ていなかった私は、学校の中なのに・・・と不思議に思い後ろを振り向くと車のライトが目に入ってきて眩しさに目を細める。

「乗ってけば?」

いつの間にか私の横に来ていた白い車の窓からは柴浦が顔を出していた。

⏰:08/08/08 21:10 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#418 [果樹]
「っ!!!」

驚きすぎて声にならなかった。

「何世にも恐ろしいものを見たような顔してんの」

フッと笑う柴浦に不覚にもドキッとしてしまった。

「あ、歩いて帰れるから」

柴浦の顔が見れなくてつい顔が横に向いてしまう。

⏰:08/08/08 21:11 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#419 [果樹]
そんな私を咎める訳でもなく柴浦は優しく笑っている。

「危ないから乗っていけって」

「そんな柔じゃないし」

「女の一人歩きは危ないぞ?世の中狼だらけだからな」

「じゃあ柴浦も狼だね」

間発いれない会話が飛び交う。

⏰:08/08/08 21:12 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#420 [果樹]
「茶化すな。ほら乗れって」

柴浦はまるで急かすように助手席を指していう。

「いいよ」

私は柴浦をちらっと見てからまた横を向き直して断る。


「いいから乗れ」

痺を切らしたような少し不機嫌な声・・・。

⏰:08/08/08 21:12 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#421 [果樹]
「・・・・・・はい」

そう言われてしまえば逆らえるはずもなく私は素直に言うことを聞いて車に乗り込んだ。


―――――――――・・・・


車に乗り込んでから沈黙が続く。

視聴覚室の時とは違うどこか重たい沈黙。

⏰:08/08/08 21:13 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#422 [果樹]
いや、あたしがそう思っているだけかもしれないけど・・・。

「寒くない?」

いい加減苦しくなってきた頃柴浦が聞いてきた。

冷房が効いている車内で私が寒がっていないか心配してくれているみたいだ。

「大丈夫・・・です」

「何他人行儀に答えてんの?」

⏰:08/08/08 21:14 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#423 [果樹]
柴浦はハンドルを握ったまま、フッと笑う。

「もしかして緊張してんの?」

その言葉に心臓が跳ねる。

緊張しないわけがない。
さっきの今で心の整理がつくはずもなく私の心臓の音は車に乗ってからずっと煩いくらいに耳に響いている。

⏰:08/08/08 21:15 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#424 [果樹]
気まずくなって私は下を向くことしかできなかった。
「可愛い奴」

クスッと柴浦が笑ったのが横から聞こえてきて顔が赤くなる。


―キキッ

柴浦がブレーキを踏んで車が停止する。

車はいつの間にか私の家の前に着いていた。

⏰:08/08/08 22:12 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#425 [果樹]
「着きましたよお嬢様」

「ありがとうございました・・・」

カチャとドアを開けたと同時に腕を掴まれてまた車内に引き込まれた。

「俺は本気だからな」

じっと目を見つめられて言われればまた心臓がドクンと跳ねる。

それだけ言うと柴浦は私の手を放す。

⏰:08/08/08 22:12 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#426 [我輩は匿名である]
失礼します 

>>1-200 
>>201-400
>>401-600 
>>601-800 

⏰:08/08/10 00:13 📱:N905i 🆔:BbNK714E


#427 [果樹]
止まっていた私の思考が、手を放されたと同時に動き出したので、私は自分の鞄を持ち、車を降りた。


ドアを閉める瞬間、柴浦が
「また明日」

と言ったのが聞こえたが、それに答える余裕なんてなかったのでバタンとドアを閉め、急いで家の中に入った。

⏰:08/08/17 23:55 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#428 [果樹]
外で柴浦の車が走り去る音を聞いてから私は玄関のドアに持たれるようにして崩れ落ちた。

どうしよう・・・。

止まない心臓を抑えて私は天井を見上げた。


―――――――――・・・・


「柴浦に告白されたーー?!」

「ばかっ声大きい!!」

⏰:08/08/17 23:55 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#429 [果樹]
百合の声より遥かに私の声が大きかった気がするのはとりあえず無視しておこう・・・。


今、私は百合と屋上に繋がる階段の踊り場で座りながら話をしている。

内容はもちろん昨日あったこと。

淡々と話す私に対し、百合は百面相を繰り返す。

本当に忙しい奴。

⏰:08/08/17 23:56 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#430 [果樹]
私は横目でそんな百合を見ながら冷静に思った。

「それで?!真理奈は何て答えたの??」

百合の目がキラキラしているのは私の気のせいだろうか。

「答えないで逃げてきた」

「・・・・・・・は?」

私の言葉に百合があんぐりと口を開ける。

⏰:08/08/17 23:56 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#431 [果樹]
きっと私の答えが余りにも百合の妄想の世界と欠け離れていたのだろう。

とりあえず百合に突っ込みは入れず、その後家まで送ってもらった経緯を話すと、百合の口許が今度はにんまりと笑みを浮かべる。

「何・・・?」

気味が悪くて、恐る恐る聞くとにまにまと笑いながら百合がとんでもないことを口にした。

⏰:08/08/17 23:56 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#432 [果樹]
「真理奈さぁ、柴ちゃんに惹かれてるでしょ?」

「・・・・・・は?」

「いやー柴ちゃんを呼んだのは正解だったかも」

ふふっと怪しく笑う辺りが恐ろしい。

「自分で気付いてないだけかもしれないからよく考えてみたら?」

そういって百合は私の肩をポンポンと叩いて教室の方に歩いて行ってしまった。

⏰:08/08/17 23:57 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#433 [果樹]
一人になった私は屋上に出た。

頬をかすめる風に気持ちよさを感じて私はフェンスの側まで行き、校庭を眺める。

校庭では休み時間だというのに小学生のようにはしゃぐ男子生徒が数人いた。

それを見ながら私は、さっき百合が言った言葉を繰り返し考えていた。

惹かれてる・・・?
私が・・・柴浦に・・・?

⏰:08/08/17 23:58 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#434 [果樹]
“自分では気付いてないだけかもよ”

わからない。
どうやって確かめたらいい・・・?

こんな感情は初めてだ。

今まで付き合ってきた男たちとは違う。

胸がぎゅって締め付けられたり、側にいたいのにいたくない。

自分がどうしたいのかわからない。

⏰:08/08/17 23:59 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#435 [果樹]
―カチャ・・・キィ

思いに耽っていたら不意に屋上のドアが開いた。

「真理奈ーギャハハ」

啓祐・・・。

近付いてくる啓祐と距離を取るように私はフェンスに体を押し付けた。

「お前さぁあれはまずくね?」

⏰:08/08/27 23:57 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#436 [果樹]
隣まで来た啓祐がいきなりそんなことを口にした。

私が啓祐の言葉の意図が分からなくて首を傾げると啓祐はにやっと嫌な笑いを浮かべる。

「“笹原は返してもらう”だっけか?教師と生徒の関係には見えないよなー」

横目でちらりと私を見ながら言う啓祐の目は明らかに面白がっている。

⏰:08/08/27 23:57 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#437 [果樹]
「何が言いたいの?」

私は墓穴を掘らないように啓祐の言葉の続きを促す。

「お前が俺のものになれば許してやるよ」

「え・・・?」

「いいんだぜ?学校側にチクっても。学校側に言ったら柴浦はどうなるんだろうな?謹慎・・・は当たり前か。ギャハハ」

⏰:08/08/27 23:58 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#438 [果樹]
「・・・・・・っ!」

悔しい!
足元を見られているんだ。

私は唇から血が出そうなくらい下唇をぎゅっと噛んだ。

負けちゃいけない・・・。
負けちゃ・・・。

「い・・・やだ」

⏰:08/08/27 23:58 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#439 [果樹]
「あ?」

啓祐の眉間に皺が寄る。

「いやだ・・・」

「お前自分が何言ってるかわかってんのか?」

「わかってる・・・。言いたかったらいえばいいよ。」
私は震える手をぎゅっと握り締めて自分を震いたたせる。

「生意気な奴」

⏰:08/08/27 23:59 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#440 [果樹]
低くドスの効いた声で啓祐が言った後、私の耳元でパチンと破裂音がして頬に痛みが走る。

数秒後、叩かれたという事に気付いた。

「もぉいいわ。お前いらねぇ」

それだけ言って啓祐は屋上から出ていった。

痛い・・・。

⏰:08/08/28 00:00 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#441 [果樹]
私はふらつく足で屋上を降り保健室に向かった。

―――――――――・・・・

「ちゃんと冷やしておきなさいよー」

保健の先生が出ていった後、私は座っていた長椅子に寝転び目を閉じた。

頬には腫れを抑えるための濡れタオル。

⏰:08/08/30 18:56 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#442 [果樹]
―ガラガラガラ・・

誰かが保健室のドアを開けた音がしたが、きっと生徒だろうと気にも留めずに寝転んだままいると

「起ーきーろ!」

という声と共にパチンと額を弾かれた。

「〜〜〜っなんなんですか?!」

⏰:08/08/30 18:57 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#443 [果樹]
ガバリと起き上がり額を弾いた張本人の柴浦を見ると何処か不機嫌そうな顔をしていた。

「柴浦・・・?」

私が呼び掛けるとスッと柴浦の手が延びてきて私のまだ腫れている頬に触れる。

「あんまり無茶するな・・・」

呟くように言ったその顔は悲し気で何故か胸が痛くなった。

⏰:08/08/30 18:58 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#444 [果樹]
胸が痛い・・・なんで?

「まだ痛むか?」

「大丈夫・・・。私強いし」

そう言うと今度は腫れていない方の頬をむにっとつねられた。

「馬鹿野郎」

「なっ・・!」

「強がってないでいい加減素直になれ」

⏰:08/08/30 18:59 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#445 [果樹]
柴浦の言葉が胸に大きくのしかかる。

“強がり”

それは自分が一番よく分かっていることだ。

弱音を吐かない。
吐きたくない。

昔からそれが弱い自分を見せないための唯一の方法だった。

「別に強がってなんか・・・っ!」

⏰:08/08/30 18:59 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#446 [果樹]
「意地っ張り」

言葉とは裏腹に柴浦が私の頭を撫でる。

「全部受け止めてやるから。弱いお前も泣き虫なお前も。だからいい加減素直になれ」

そんなこと今まで誰も言ってはくれなかった。

いつだって“真理奈は強いな”“真理奈のそういう強いところが好きだ”って言われて来たから・・・。

⏰:08/08/31 00:01 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#447 [果樹]
本当に素直になってもいいの・・?

泣いてもいい・・・?

優しく頭を撫でる手に促されるように私は静かに涙を流した。

―――――――――・・・・

「柴浦と付き合うことになったーーーぁ?!」

「だから声が大きいってば!」

⏰:08/08/31 00:30 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#448 [果樹]
屋上へと続く階段の踊り場に百合の声と私の声が響く。

でも百合が驚くのも無理はない。

昨日の今日でいきなり“私たち付き合います”なんて報告をされたら誰だって驚くはずだ。

だって柴浦と付き合う決心をしたのは、昨日私が泣いたあの保健室でなのだから・・・。

⏰:08/08/31 00:31 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#449 [果樹]
―――――――――・・・・

「落ち着いたか?」

「ん・・・」

柴浦は私が泣き止むまでずっと頭を撫でてくれていた。

「ほら」と言って渡されたのは濡れタオル。

泣いて目が腫れた私のために柴浦が用意してくれたのだ。

⏰:08/09/08 02:00 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#450 [果樹]
「ありがと・・・」

それを受け取り、私は泣いて熱った目元に濡れタオルを当てがう。

♪〜・・・♪〜・・・

そんな時室内に携帯の着信が鳴り響いた。
鳴ったのは柴浦の携帯。

ゴソッとポケットを探り携帯を取り出して着信画面を見る柴浦の顔が少し歪む。

⏰:08/09/08 02:01 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#451 [果樹]
「出ないの?」

いつまでも鳴り響く着信音。
なかなか出ようとしない柴浦。

「ああ・・・悪い」

私が聞くとまるで覚醒したかのようにハッとして、バツが悪そうに柴浦は私に背中を向けて電話に出る。

「・・・もしもし?」

⏰:08/09/08 02:02 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#452 [果樹]
私はタオルを少しずらして電話中の柴浦の背中を見る。

「わかってるよ。用件は何だ?」

あ・・・ちょっと不機嫌。

『・・・・・でよ。あの時・・・・謝る・・・・・』

女の人・・・?

「今更だな。別れたいって言ったのはそっちだろ?」

⏰:08/09/08 16:36 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#453 [果樹]
『・・・もう一回・・・・まだ・・きなの・・・忘れ・・・・』

「無理だ。俺はもう忘れた。用件がそれだけなら切るぞ」

『・・・待って・・・要!』

プツッ・・ツーツー

女の人の叫び声は携帯の無機質な音によって遮られた。

「大丈夫なの・・・?」

「ん?あぁ、悪かったな」

⏰:08/09/08 16:38 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#454 [果樹]
私の声に気付き柴浦がこちらを向く。
その手に携帯はもう握られてなかった。

「昔の・・・彼女さん?」

「え?」

「話声が聞こえたから・・・」

気まずそうな顔をする柴浦。

言ってはいけないと思いつつも、私の口が止まることはなく何故か次から次へと言葉が出てくる。

⏰:08/09/08 16:38 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#455 [果樹]
「よかったじゃん。ヨリ戻したいって話なんでしょ?戻してあげなよ。元カノさん必死だったし。柴浦もいい年なんだからいい加減身を固めたり・・・」

バンッ!

私の止まることのなかった口は柴浦が私の横の壁をおもいっきり叩いた音によってようやく止まる。

「俺はお前が好きなんだよ。俺の気持ちが迷惑だったらそう言え。こんな遠回しにいってんじゃねぇ・・・」

⏰:08/09/08 16:39 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#456 [果樹]
最後の方は聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声が私の耳に届いた。

「ちゃんと冷やせよ」

それだけ言うと柴浦は私の頭をぽんぽんと軽く叩いて保健室を出ていった。

「・・・・・・・」

残された私は暫く放心状態のまま固まっていたがハッとして私はすぐ柴浦の後を追い掛けたがもう姿はなかった。

⏰:08/09/08 16:40 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#457 [果樹]
傷付けた。

その言葉だけが私の頭の中に響いた。

最後に見せたあの切なそうな今にも泣きそうな顔が頭から離れない。

好きだって言ってくれたのにそれを信じられなかった。

自分の中でブレーキかけて柴浦に惹かれている自分を無視し続けた。

⏰:08/09/08 16:40 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#458 [果樹]
恋シテハイケナイ相手。

自分の中でそう決めつけて自分の心と向き合おうともしなかった。

本当ハイツノ間ニカ好キニナッテイタ癖ニ。

臆病な私がそこにいた。

もう傷付きたくない。
これ以上苦しい思いはしたくない。

そんな風に思っていたから柴浦をあんな形で傷付けてしまった。

⏰:08/09/08 16:41 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#459 [果樹]
私は再び保健室に入り放課後がくるのを待った。

―――――――――・・・・・

キーンコーンカーンコーン

『校舎内に残っている生徒は速やかに下校して下さい』


「・・・・寝過ぎた」

起きたら空は茜色に染まっていてもう薄暗くなる手前だった。

⏰:08/09/08 16:42 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#460 [果樹]
私はベッドから降りて鞄を取りに教室に向かう。

渡り廊下を歩けば、校庭から部活動をする生徒の活気ある声と下校し始めた生徒が校門をくぐっていくのが見えた。

私はそれを横目で見ながら教室へと歩みを進めた。


―――――――――・・・・・

「やっと起きたか」

⏰:08/09/08 16:43 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#461 [果樹]
声がして振り向けば、教室のドアにもたれかかるようにして柴浦が立っていた。

「さっき起きたの」

私は柴浦と話ながら鞄に荷物を詰める。

「気を付けて帰れよ」

その言葉に振り向けば、柴浦はもうそこにはいなかった。

⏰:08/09/08 16:46 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#462 [果樹]
伝えなきゃ・・・っ!

私は鞄を机に投げ捨てて、走った。

柴浦の足跡を辿るように階段を降りて廊下を走って、やっと柴浦の背中が見えたのは昇降口の前。

「柴浦!!」

私の大声に肩を震わせて柴浦が振り返る。

「ビックリさせんなよ。ったく・・・」

⏰:08/09/08 16:47 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#463 [果樹]
頭をガシガシとかきながら苦笑いをする柴浦。

私はゆっくりと柴浦に近付く。

「さっきは・・・ごめんなさい」

少し震える声。
柴浦の顔が見れなくて、うつ向いていると頭に少し重みを感じる。

そろりと顔を上げると柴浦が笑って私の頭を撫でていた。

⏰:08/09/08 16:47 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#464 [果樹]
「しょーがねぇから許してやるよ」

はにかんだような照れたような柴浦のその笑いに、私はなんだか無償に泣きたくなった。

「柴・・・浦・・・」

「ん?」

小さな声で呼んだにも関わらず柴浦は気付いてくれて、小首を傾げる。

⏰:08/09/08 16:48 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#465 [果樹]
.


「あたし・・・柴浦のことが・・・す・・・き・・・みたい」


.

⏰:08/09/08 16:49 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#466 [果樹]
うつ向いた顔から火が出そうなほど自分の顔が熱いのがわかる。

「・・・みたいって何だよ」

ハハッと笑った声がして顔を上げれば眩しいくらいに柴浦が笑っていた。

「〜〜っ!」

⏰:08/09/08 16:53 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#467 [果樹]
いつも直球な言葉。
行動はいい加減且つ、子供。

それなのに生徒思いで優しい。


私が好きになった柴浦要はそういう人。

⏰:08/09/08 16:54 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#468 [果樹]
「あ!遊園地のチケット貰ったんだけど行くか?」

私たちが付き合って1週間後、柴浦からのいきなりのデートの誘い。

誘ってもらったのは嬉しい。

でも私の返事は・・・。

「行かない」

無表情で言う私に柴浦はクスクスと笑いながら、

「素直じゃねぇなぁ」

と私の頭をぽんぽんと叩いた。

私が素直になるのはもうちょっと先の事になりそうだ。

⏰:08/09/08 16:55 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#469 [果樹]
.


【恋患い】

―END―


.

⏰:08/09/08 16:56 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#470 [果樹]
storyアンカー

>>4-85
桜咲クミライ恋ユメ

>>86-199
レンズ越しの恋

>>200-326
自由に憧れた鳥

>>327-469
恋患い

⏰:08/09/08 17:08 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#471 [果樹]
.

「好きです!俺と付き合ってください!!」

「・・・ごめんなさい」


story 5

【成功率0パーセント】

.

⏰:08/09/08 19:01 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#472 [果樹]
「あ、小鶴さんだ」

仲間の一人が廊下を見ながら言うと全員が同じ方を向いたので、俺も例に習って向いた。

すると廊下では背の小さい女生徒とあれは確か・・・Ε組の大杉だ!

その大杉と背の小さい女生徒は何やら固い顔で話をしていた。

なんか大杉はすげーテンパってる感じに見える。

⏰:08/09/08 19:04 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#473 [果樹]
「いつ見ても可愛いよなー。あれって告られてんだよなー絶対!」

「まぁ小鶴さんだし」

「小鶴さん・・?」

さっきから聞こえるその小鶴さんとやらのことが分からず、俺は頭にはてなを浮かべる。

すると全員がばっと俺の方を向いて、まるで幽霊でもみたような顔をしている。

⏰:08/09/08 19:05 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#474 [果樹]
「倉、お前まさか小鶴さんを知らない・・・とか?」

「うん」

素直に頷く俺に何故かみんなは脱力。

「お前・・・。まぁ倉だしな。それでいいと思う。うん」

仲間の一人、哲が俺の肩をぽんぽんと叩くので俺は何だか除け者にされた気分だ。

⏰:08/09/10 03:27 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#475 [果樹]
「なんだよそれー!」


それからしつこく聞いたところ、哲は最初は面倒臭そうにしていたが、途中から興奮しだして、最後には吠えるように説明してくれた。

まぁ哲の話を要約するとつまりこうだ。

大杉と話していたあの小さい女生徒は、小鶴めぐみといって入学当初から美少女と騒がれて有名だったらしい。

⏰:08/09/10 03:28 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#476 [果樹]
3年から1年までの何人もの男が告白をしたが、全員玉砕。

彼女の断り文句は決まって
「ごめんなさい。」

の一言。

一見冷たそうに見える彼女だが、笑うと実は可愛いとか、誰にもこびないところが逆に好かれて、人気はさらに鰻のぼりらしい。

⏰:08/09/10 03:29 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#477 [果樹]
美少女か・・・
俺には無縁の話かな。

――――――――・・・・

「つる子ー!!」

名前を呼ばれて振り向くと、走りながらこっちに向かってくる人影がいた。

あ、ちなみにつる子は私の愛称。

「麻衣」

⏰:08/09/11 06:52 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#478 [果樹]
走ってきたのは友達の麻衣。

「まぁた告られてたでしょー」

にやにやと笑いながら麻衣は脇腹をこずく。

「覗き魔」

ぼそりと呟くと麻衣は「酷い!」と言ってよろめき三文芝居を始めた。

⏰:08/09/11 06:53 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#479 [果樹]
「覗きなんて・・・!あたしは純粋につる子が心配で」

「はいはい」

いい加減このやりとりにも飽きた私は、麻衣を適当にあしらう。

「それで?それで?なんて返事したの?」

さっきの三文芝居はもうやめたらしく、麻衣はまたにやにやと笑いながら私の顔を覗きこんできた。

⏰:08/09/11 06:53 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#480 [果樹]
「別に?いつも通りだよ。」

「また?もうちょっとは告白してくる人の身になって返事してあげたら?」

またいつものお説教か。

麻衣は私がいつも通りの“ごめんなさい”という言葉で、告白してきた相手を振ると必ずお説教をしてくる。

「わかったって。ほら行こう!授業始まっちゃう」

⏰:08/09/11 06:54 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#481 [果樹]
始まると長いので、私は麻衣のお説教が始まる前に麻衣を急かし、教室へと急いだ。

――――――――・・・・・

昼休み

飯を食う為に、弁当を持ちみんなのところへ、ルンルン気分で行こうとした時、放送が流れた。

ピンポンパンポーン

『1年С組、倉橋空。至急職員室まで来なさい』

⏰:08/09/11 06:54 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#482 [果樹]
・・・・は?俺?

「なんだ倉〜?なんかやらかしたのかぁ?」

哲がからかってきた。

「し、してねぇ!」

と思うがわかんねぇ・・・。
「とりあえず俺行ってくるわ!」

⏰:08/09/12 01:08 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#483 [果樹]
弁当を机の上に置き、俺は職員室へ急いだ。

・・・・・・・・・・・・・・・

「失礼しましったー」

ガラガラガラ・・・パタン

はー何だよ。
焦って損したぁ。

俺が職員室へ呼ばれた理由。

それは、母ちゃんからの土産の礼だった。

⏰:08/09/12 01:09 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#484 [果樹]
俺の母ちゃんと父ちゃんは、世界中飛び回ってる翻訳家とカメラマンで、結構名前は知れてんだ。

けど何故か、行った先の外国の土産を学校に送りつけてくるっていうちょっと変わった人たち。

いつもは学校側から礼の電話をしてるらしいんだけど、前に母ちゃんが

「たまには空の声も聞きたい!」

⏰:08/09/12 01:09 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#485 [果樹]
とか愚痴ったお陰で、担任に

「今日はお前から電話してやれ!」

とか頼まれた。

はー母ちゃんと話すと長くなるから極力電話は避けてたのに最悪だ。

案の定休み時間を20分も削られた。

元気そうで何よりだったけど、貴重な休み時間を削られたのは痛い。

⏰:08/09/12 01:09 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#486 [果樹]
昼飯をゆっくり食う時間がなくなったことに、俺は肩を落とし、一人とぼとぼと廊下を歩いていると、向こうから本を読みながら歩いてくる子が視界に入った。

あのままじゃ壁に激突するんじゃないかなーと思った矢先、彼女は壁に一直線に進む。

「うわっ前!前ー!」

――――――――・・・・

「うわっ前!前ー!」

⏰:08/09/12 01:10 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#487 [果樹]
え・・・・?
ゴンッ

「―――っっ!」

頭部に鈍い痛みが走り目の前には星が飛ぶ。

ああ・・・またやってしまった。

「あ、あの・・・大丈夫?」
横からスッと手が延びてきて見上げると、オレンジ色に近い髪の色の可愛い男の子が心配そうな顔で手を差し出してくれていた。

⏰:08/09/14 22:56 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#488 [果樹]
「はい。なんとか・・・。すみません。いつものことなんで大丈夫です。」

あたしはその手を借りて立ち上がると、スカート裾をパッパッと手で払った。

「あの・・・本読みながら歩いたら危ないよ?」

「そうですね。気を付けます」

心配そうに見てくるオレンジ頭の男の子に無表情で返す。

「あ!」

いきなり大声を出したオレンジ頭の男の子にちょっとびっくりしてしまう。

「これあげる!」

「え・・・?」

「ほら手ぇ出して!」

「え?あ、はい」

とっさに出した右の手の平に、ちょんと可愛らしい赤い包みが乗せられた。

⏰:08/09/14 22:57 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#489 [果樹]
「うーんとどっか外国のお菓子だから美味しいと思うよ。じゃあね」

それだけ言ってオレンジ頭の男の子は走って行ってしまった。

残された私は、ぼんやりとその後ろ姿を見続けた。

――――――――――・・・・
「倉ー遅かったなぁ」

⏰:08/09/14 22:58 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#490 [果樹]
教室に入るなり哲が声をかけてきた。

「あー・・・母ちゃんの話が長くてさ」

苦笑い気味に言うと哲も苦笑いで「あーね」と返してきた。

哲は家が近いせいか何度か俺ん家に来ていて、母ちゃんのことも何度か見ている。

そのため母ちゃんが俺を溺愛してんのも知ってんだ。

⏰:08/09/20 09:39 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#491 [果樹]
「相変わらずなのな。お前の母ちゃん」

「ハハッまーな」

哲と話しながら俺は弁当を口の中にかきこんだ。

「あ、ほーだ!ふぁっきはぁひゃんからのみひゃげもはった」

「何言ってっかわかんねーから食ってから話せよ」

哲が呆れながら言うので俺は急いで口の中の物を飲み込む。

⏰:08/09/20 09:40 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#492 [果樹]
「だからぁさっき母ちゃんからの土産もらってきたつってんの!」

「おっマジで?!」

食い物の話に釣られて哲が前のめりで聞いてきた。

「ほら」

「やりぃ!サンキュー倉!ほれみんな食い物だぞー」

哲はニカッと笑ってから、俺が渡した土産を配りにみんなのとこへ行った。

⏰:08/09/26 03:33 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#493 [果樹]
あれ、そういえばさっきの子どっかで・・・。

えーっと・・・。

俺はふと、さっき土産をあげた子のことを思い出したが、結局誰かわからなかったので、諦めて弁当の残りをかきこんだ。

――――――――――・・・・

「あ、いたいた。おーいつる子ー」

⏰:08/09/26 03:33 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#494 [果樹]
後ろから麻衣の声が聞こえたと思い振り向けば、案の定麻衣がこちらへと走ってきていた。

「帰ってくるのが遅いと思って探しに来てみれば。やっぱりこんなところにいた」

ぷくーっと頬に膨らませて麻衣は、冗談めかしく怒る。

「あれ?何それ?」

麻衣が私の掌を指差しながら首を傾げる。

⏰:08/09/26 03:34 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#495 [果樹]
私の手にはさっきオレンジ頭の男の子からもらった赤い包み。

「どっかの国のお菓子だって」

「は?」

更に首を傾げる麻衣を横目に、私は赤い包み紙を開けて中のお菓子をポイッと口の中に放り込む。

口の中にはほのかな甘さが広がり、クッキーの様な歯応えがあってとてもおいしい。

⏰:08/09/26 03:35 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#496 [果樹]
「あ゙!ずるい!」

「あーはいはい。ごめんね」

私はすねる麻衣の口に残りのお菓子を放り込む。

「あ!おいしい」

頬に手を当てて、嬉しそうな顔をする麻衣に笑いかけ私は教室に足を進める。

「ねっねっ!あのお菓子誰に貰ったの?」

⏰:08/09/26 03:35 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#497 [果樹]
廊下を歩きながら麻衣が興味津々といった顔で、聞いてきた。

「えーっと・・・」

私はあの菓子をくれた男の子のことを思い出す。

「アレンジ頭」

「は?」

私の返答に、麻衣の頭にはてながいくつも浮かんだ。

⏰:08/10/05 00:15 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#498 [果樹]
あ。
お礼言い忘れちゃった・・・。

――――――――――・・・・

「くそーたなっちめぇ。長々と世間話なんかしやがって。おかげでもう真っ暗じゃんかー!」

担任に話があると呼ばれた俺は、結局担任の世間話につき合わされた挙句、下校時間もとっくに過ぎてしまった。

⏰:08/10/05 00:16 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#499 [果樹]
「あ。くっそーっ負けたぁ!あ・・・?うわーーっ!」

ズダダダダダダダァン!

「いってーーぇ・・・」

凄い音と共に俺は階段から盛大に落っこちてしまった。

はぁ・・・人がいなくてよかった。

こんなださい姿見られたら俺は国外に逃亡するしかない。

⏰:08/10/05 00:18 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#500 [果樹]
「あれ?」

「あ?あれ?君は・・・」

上から声が聞こえたと思い見れば、階段の踊場に少女が立っていた。

「大丈夫ですか?」

タンタンと軽やかに少女は階段を下りてくる。

「はい。落し物」

俺の側まで来た少女の手には、ゲーム機。

⏰:08/10/05 00:18 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#501 [果樹]
それもそのはず、俺はこのゲーム機に熱くなりすぎて階段から転げ落ちてしまったのだから。

「ごめんね。ありがと」

俺は苦笑いで少女からゲーム機を受け取る。

「ゲームしながら歩いていたら危ないですよ?」

受け取る瞬間にクスッと笑われて昼休みにあったことを思い出す。

⏰:08/10/05 00:19 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


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