浮き世の諸事情｡

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鼻の奥をひりひりさせて
蕎麦屋を後にした

熱い涙が止まらない
わさびなんて大嫌い

潤んだ目で見上げれば
貴方の隣に娘さん

｢香夜さん‥､
ちょいと出掛けて来やすんで｣

　
｢あた‥あたしも!
約束が‥あ､あるんです!!｣

とんでもない嘘を吐く
意地っ張りは直らない

｢ほぉう‥誰､と｣

試すような視線
艶容な口元がつり上がる

しなやかな手を袖に入れ
腕組みをした壱助さん

　
その場しのぎのはずだった
大した理由もなく‥
後から説明すれば済むと思った

とっさに通りすがりの
男性の腕をつかみ

｢こ‥この人と!!｣

　
そう言ってしまったことが

‥災難の始まりだった｡

噛み合ったはずの歯車の
歯がひとつ､欠け落ちた

第二七章【破片､散って】
>>810-827
＊｡＊｡＊｡＊｡＊｡＊
やっとこ本編です
夢で見たことをヒントに
何とか展開していけそう‥←

意地っ張りな香夜ちゃん
大人気ない色男壱助さん

素直になれば
簡単に寄り添えるのに´･ω･｀)
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/4676/

【本編アンカー/1～20】
>>699-700

【21～】
>>631-651
>>654-674
>>676-697
>>703-725
>>728-744
>>763-783
>>810-827
最終更新＊3月9日(27章)

【番外編アンカー】
>>809
最終更新＊3月8日

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だんだんと遠くなる
あたしたちの距離

｢え‥？あの‥｣

見上げれば戸惑う男性

こんな痴話喧嘩に
巻き込まれてしまっては
当然の反応

　
その男性は
年齢で言えば30才前半くらい
優しい雰囲気の‥

｢ほぉう‥｣

ぴくりと眉を上げ
品定めするように視線を送り
最後の一突きと言わんばかりに

　
｢その小娘は‥
人並み以下ですが､ね
実に自虐行為を好みます故
‥痛いのがお好きです､ぜ

見かけによらず破廉恥ですから
たっぷりと遊んで‥くだせぇ｣

にこっと怪しく微笑み
あたしの隣の男性に告げた