ピンクな気分。
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#400 [のの子]
 
この場に聡美ちゃんがいなくて良かった。
今の俺、すっげぇ嫌な顔してると思う。

「竜二君?」

「あっごめん。‥彼氏の俺より先に他の男と電話するなんて傷つくなぁ。」

聡美ちゃんに気付かれないよういつもの調子で話す。

「えっごめんなさい。」

「じゃ好きって言って。」

「ふぇっ?」

「大好きって言って。」
.

⏰:09/04/24 23:00 📱:SH903i 🆔:05fM6N52


#401 [のの子]
 
「えぇ〜っ。そんな事言って‥まっまた私の事いじめて笑ってるんでしょ?」

聡美ちゃんの弱気の声。

「ふざけてるようで本気で言ってるんだけど?」

それにたいして俺は相変わらず強き。

「‥今1人?回りに誰もいない?」

「いないよ。俺1人。」

「本当にっ?」

「本当。」


「‥‥大好きだよ?」
.

⏰:09/04/26 17:17 📱:SH903i 🆔:lCa8LItU


#402 [のの子]
 
ちっっっちゃな声が微か〜に聞こえた。

クスッ

「ありがと。これでなんとか頑張れるよ。」

うん、更に彰をボコボコにしてやる力が湧いてきたよ。

「もうーっ!恥ずかしいよぉ。」

そんな事なんて知らない聡美ちゃんはブツブツ文句ばっか言ってた。

「はいはい。じゃ俺もう戻るから聡美ちゃんは寝てて。授業のノートはちゃんととっとくからね。」
.

⏰:09/04/26 17:25 📱:SH903i 🆔:lCa8LItU


#403 [のの子]
 
「ぇっありがとう。」

「うん。学校終わったらメールするから。」

「うん、待ってるね。」

聡美ちゃんの声が小さくなったのがわかった。

‥そんな寂しそうな声だされたら切りにくい。

「うん、じゃ〜
「あのっ‥!」



「何?」

.

⏰:09/04/26 20:23 📱:SH903i 🆔:lCa8LItU


#404 [のの子]
 
「あの‥名前で呼ばないのかなぁって、思ったりして。」

「聡美ちゃん。って呼んでるじゃん?」

「いやっそうではなくて〜‥ゴホッさっ‥さとっ聡美とか?」

あぁ〜なるほど。

「呼び捨てって事?」

本当聡美ちゃんと俺の悪戯な心をくすぐる。

「珍しく積極的だねぇ〜。」

クスクス笑う。

⏰:09/04/26 20:29 📱:SH903i 🆔:lCa8LItU


#405 [ト]
待ってます(m)y!

⏰:09/04/28 06:44 📱:W54SA 🆔:RtNXbzRU


#406 [のの子]
 
「だっだって!‥‥だって。」

全く本当可愛いなぁ。

「聡美、もう寝な?俺も戻らなきゃだから。ね?」

あえて自然に呼んでみた。

「ぇっ‥うんっもう寝るっ♪」

さっきとは違って明るい返事が返ってきた。

クス

聡美ちゃんは悪戯心をくすぐるけど、心を温かくしてくれる。
.

⏰:09/04/29 15:56 📱:SH903i 🆔:UilPcjSs


#407 [のの子]
 
「うん、じゃまたメールするから。おやすみ。」

「おやすみなさいっ。」

ピッ





さて、これからどうするか。あいつ‥

「チッ彰の野郎‥」
.

⏰:09/04/29 16:01 📱:SH903i 🆔:UilPcjSs


#408 [のの子]
彰side

「あれ?竜二は?」

俺がメロンパンを買っている間に竜二が消えていた。

「聡美ちゃんに電話だって。ふぁ〜。」

旬が欠伸をする。

「ふーん。」

あいつ電話した事竜二に話すかもなぁ。

そんな事を考えながらメロンパンをガブリと食いつく。

.

⏰:09/04/29 21:01 📱:SH903i 🆔:UilPcjSs


#409 [のの子]
 
「ってか彰飯も食わずに何してたの?」

旬がテーブルに頬杖をしながらかったるそうに聞いてきた。

「んー電話。」

「まさかお前も彼女?」

博也が眉間にシワを寄せて睨んできた。

「ちげーよっ。ってかお前女好きのくせになんで彼女できねぇんだよ!」

.

⏰:09/04/29 21:40 📱:SH903i 🆔:UilPcjSs


#410 [瀬奈]
>>1-200
>>201-400
>>401-600

⏰:09/04/30 12:45 📱:P906i 🆔:Y0h5SPpI


#411 [りんか]
面白いです(´ー`)シ頑張って

⏰:09/04/30 21:58 📱:W61SH 🆔:hpf6d/0E


#412 [のの子]
 
そうつっこむと博也は携帯の待受画面を見してきた。

そこには『LOVE&PEACE』と派手な待ち受け‥

「俺のモットー、LOVE&PEACEだから。一人の女の子にじゃなく全ての女の子に愛をってねぇ♪」

「それが平和に繋がるって?」

博也を横目で見る。

「いや、争いをうむだけだから。」

旬が笑いながら言う。

「ったく、君らにはわかんないんだよ。」

博也が鼻唄歌いながらまた携帯をいじりだす。
.

⏰:09/04/30 22:35 📱:SH903i 🆔:F3ZY37TE


#413 [のの子]
 
結局女好きでタラシって事だろーが‥
って思いながら博也を横にメロンパン食べる。




‥俺は1人の子を愛せれば十分。


クシャ

メロンパンを掴む右手に無意識に力が入ってビニールの潰される音が小さく聞こえた。
.

⏰:09/05/01 23:26 📱:SH903i 🆔:d5a/j6T.


#414 [のの子]
聡美side

「ゴホッ‥暇だなぁ。」

彰君からの不思議な電話の後、布団の中で私はボーッと天井を見つめていた。

ってかお姉ちゃんいないのかな?

買い物にでも行ったのか、1階からは物音が聞こえない。

「つまんなぁい。」

寝返りをうって横向きになると青い空が見えた。
.

⏰:09/05/01 23:48 📱:SH903i 🆔:d5a/j6T.


#415 [のの子]
 
「梅雨も終わりかなぁ‥」

最近晴れが続いてもう夏がそこまで来ているのを感じる。

夏って言ったら夏休みかぁ。あっお祭りとか楽しみだなぁ♪

去年は桃子と行ったけど今年は竜二君と行くのかな?

‥ってかデートするのかな?

いつの間にか私の頭の中はまた竜二君の事でいっぱいになっていた。
.

⏰:09/05/02 14:02 📱:SH903i 🆔:/ycCk.hE


#416 [のの子]
 
♪〜♪〜♪

「ぅわっ!」

ビックリしたぁ‥

不意打ちの電話に驚く私。

パカ

携帯を開くとまた知らない番号だった。

「今度は誰だろ?‥出るか迷うなぁ。」

また知らない番号を見て出るか悩む私を余所に、携帯は鳴り続ける。
.

⏰:09/05/02 20:08 📱:SH903i 🆔:/ycCk.hE


#417 [我輩は匿名である]
あげっP

⏰:09/05/06 15:37 📱:W51SA 🆔:YdDU6nbE


#418 [のの子]
さっきも出たし‥出てみようかなぁ。

携帯を持ちながらうーん、っと目をつぶりながら考える。

ピッ

‥勢いで出てみたり、ね。

「ゴホッもっもしもし?」

「あっ聡美ちゃん?竜二だけど‥今大丈夫?」

ドキッ

「えっりゅ竜二君?あっうんうん、大丈夫です。」

心臓がキュウッと締め付けられる。ドキドキする。

「そっか。体調大丈夫?」
.

⏰:09/05/09 13:22 📱:SH903i 🆔:WfZJ.IgM


#419 [のの子]
 
「うーん‥微妙かなぁ。まだちょっと咳が出るんだ。」

今の心臓の音は風邪とは関係ないだろうな。

「熱は?」

「ゴホッまだ少し‥」

あれ‥

「薬は飲んだの?」

だんだん胸が温かくなる。

「うんっ。」

竜二君が傍にいるわけじゃないのに手を口に添える私。

「なに?今笑ってるでしょ?」

「えっ笑ってないよ?」
.

⏰:09/05/11 20:27 📱:SH903i 🆔:OWH6G2lk


#420 [のの子]
 
平然を装ってるつもりの私だけど内心ギクッとして焦っている。

「嘘だ。正直に言わないと‥」

ぇっいっ言わないと何?

「あっちょっとだけ笑いました!」

右手をあげて白状するとクスッと笑う声が聞こえた。

「なんで〜?」

竜二君のニヤニヤ笑う顔が頭に浮かぶ。

「だって私の体の質問ばっかだから心配してくれてるんだなぁって思って‥それに言う事お姉ちゃんにそっくり。」
.

⏰:09/05/11 20:40 📱:SH903i 🆔:OWH6G2lk


#421 [のの子]
 
‥っとか言って本当は心配してくれてるのが嬉しくて顔がニヤけてたのが本当。

もちろん私の体調について聞いてくるのが朝の桜姉の姿を思い出させたのも本当なんだけどね。

そんな事を考えながらクスクス笑う私。

「お姉ちゃん‥」

竜二君はちょっと困っちゃってるみたいだった。


その後彰君とか色々話をしてあっという間にバイバイの時間に‥
.

⏰:09/05/11 20:54 📱:SH903i 🆔:OWH6G2lk


#422 [のの子]
 
私は暇でも竜二君は授業あるもんね。

「学校終わったらメールするから。」

「うん、待ってるね。」

電話切るのってこんな寂しいんだ‥

好きな人との初めての電話でかかってきた嬉しさと、話す楽しさと、切らなきゃいけない切なさを知った。


「うん、じゃ〜
「あのっ‥!」

.

⏰:09/05/11 21:55 📱:SH903i 🆔:OWH6G2lk


#423 [のの子]
 
あっタイミング悪かったかな‥

「何?」

「あの‥‥」

さっきから竜二君と話してる時にずっと気になっている事があった。

それは 彰君の事。

別に友達だし何もやましい事なんてないけど
けど‥やっぱ気になる。
「聡美」って呼ばれた事が‥

だって竜二君にも一回呼ばれたかなぁぐらいなのに、あんなハッキリ呼ばれたら少しばかりは複雑‥なんて。

「名前で呼ばないのかなぁって、思ったりして。」
.

⏰:09/05/12 22:10 📱:SH903i 🆔:UqJB/vG6


#424 [のの子]
 
遠回しで言うつもりがストレートな言葉がでてきた。

あぁ〜もう下手っぴ!

「聡美ちゃん。って呼んでるじゃん?」

って思ってたら意外に普通の返事が返ってきた。

やっそうだけど!私が言いたいのは〜‥!
りゅっ竜二君てなにげ鈍感なのかもぉ。

「いやっそうではなくて〜‥ゴホッさっ‥さとっ聡美とか?」

自分でも聡美なんて呼ばないからなんだか恥ずかしさと別に照れてしまう。

.

⏰:09/05/12 22:17 📱:SH903i 🆔:UqJB/vG6


#425 [たーこ]
続き見たいです

⏰:09/05/16 01:31 📱:SH905i 🆔:xUFrk7qA


#426 [りン]
>>1-200
>>201-400
>>401-600
>>601-800
>>801-1000

⏰:09/05/18 12:54 📱:P906i 🆔:1u2LwXk2


#427 [のの子]
 

「呼び捨てって事?」

そんな事を知らない竜二君は間を置いてストレートに言ってきた。

ドキッ

そっそうですけど?

「珍しく積極的だねぇ〜。」

カァーッ

クスクス笑う声が聞こえて、熱のせいではない熱さが感じた。


「だっだって!‥‥だって。」

彰君は呼んだんだもん。

私は..竜二君にだって呼んでほしい。

.

⏰:09/05/18 14:10 📱:SH903i 🆔:CGOfBqAc


#428 [のの子]
 
でも‥こんな風に思ってるなんて恥ずかしくて言えないもん。

自然と目線が下に俯いていく。



「聡美、もう寝な?俺も戻らなきゃだから。ね?」

ピクッ!

いっ今聡美って‥

「ぇっ‥うんっもう寝るっ♪」

自分でもわかるくらい顔が明るくなったのがわかる。っていうか、笑顔になった事が。

電話の向こうの意地悪そぉにクスッと笑う小さな声も、今の私には愛しさしか感じない。

.

⏰:09/05/18 14:17 📱:SH903i 🆔:CGOfBqAc


#429 [のの子]
 
「うん、じゃまたメールするから。おやすみ。」

「おやすみなさいっ。」

ピッ




「‥聡美って呼んだぁ〜♪♪呼ばれちゃったぁ!」

バタバタと布団の中で暴れる私。

エヘヘと笑いながらさっきまで竜二君と繋がっていた携帯をギュッと胸にだく。
.

⏰:09/05/18 22:44 📱:SH903i 🆔:CGOfBqAc


#430 [我輩は匿名である]
>>1-50
>>51-100
>>101-150
>>151-200
>>201-250
>>251-300
失礼しましたエ

⏰:09/05/19 15:46 📱:W51SA 🆔:8pHdTFUs


#431 [のの子]
 
バンッ

「バタバタうるさいっ!病人は静かにするっ。‥わかった?」

勢いよく開いたドアに眉間にシワを寄せた桜姉が私を睨んで立っている。

「‥あっあれ〜?いたのぉ?いないかと思ったぁ。」

固まる私を横目に桜姉は

「論文やってんの。本当静かにしてなさいよ?」

と言って部屋から出て行った。
.

⏰:09/05/26 00:01 📱:SH903i 🆔:gHSV6QrA


#432 [のの子]
 
きっ機嫌悪〜。

桜姉は普段は優しいけど怒るとお母さんより恐い‥

「はぁ‥ゴホッ早く学校行きたいなぁ。」

静かな部屋に一人でいると賑やかな学校のあのざわつきが懐かしい。

ふっと目をつぶる。

すると隣に竜二君がいて笑っていた。
私も嬉しくて笑ってる。

あぁ‥会いたい。

そんな事を思いながらいつの間にか私は深い眠りについていた。
.

⏰:09/05/26 09:15 📱:SH903i 🆔:gHSV6QrA


#433 [ЯТ]
>>1-200
>>201-400
>>401-600

⏰:09/05/26 12:35 📱:SO905i 🆔:fIzJeWDw


#434 [のの子]
竜二Side

学食にて―――

「彰、ちょっといい?」


「‥なに?」

満面の笑みの俺を見た途端彰は眉間にシワを寄せてげっと顔をした。

「二人だけで話があるんだけど。」

表情を変えない俺。

「動くのめんどい。」

彰もニコッと笑ってきた。

イラッ

「二人とも笑顔なのに何この空気っ!」

横にいた旬が小さな声でフクに呟く。
.

⏰:09/05/26 18:20 📱:SH903i 🆔:gHSV6QrA


#435 [のの子]
 
「さぁ。」

「二人とも笑顔とか気持ち悪いぞー。イテッ」

フクは俺らの様子を伺いながら、ちゃかす博也の頭を叩いた。


「話すだけだからめんどいとか言わずに来てよ。」

そんな三人を無視して俺は歩きだす。

「話すならここでいいじゃん。」

そう言った彰も足を止めない俺を見てため息をつきながら立ち上がった。
.

⏰:09/05/26 20:24 📱:SH903i 🆔:gHSV6QrA


#436 [のの子]
 
―――――――
キーンコーンカーンコーン‥‥

「予鈴鳴ってるけど授業でなくていいのかよ?」

彰が話し掛けてきた。

「話が終わったらちゃんと出るよ。」

「あっそー。」

学食を出た俺達は屋上に向かっていた。

カチャ

ふわっ

生温い風が流れて髪を揺らす。

⏰:09/05/26 20:31 📱:SH903i 🆔:gHSV6QrA


#437 [のの子]
 
「‥で?屋上まで連れて来て何なの話って?」

彰が風で揺れる髪を軽く押さえながらフェンスに寄り掛かる。

俺はポケットに手を入れて立ったまま彰を見つめた。

「単刀直入に言うよ。お前聡美の事好きなの?」

「はぁ?またそれかよっ。違うって言わなかったっけ?」

彰がため息をつきながら俺を睨む。
.

⏰:09/05/26 20:38 📱:SH903i 🆔:gHSV6QrA


#438 [のの子]
 
「じゃなんで隠れて電話なんかしたんだよ?」

俺は彰から目を離さない。

「あぁ〜やっぱ言っちゃったんだアイツ。言わなきゃいいのに。」

クスクス笑う彰とは逆に俺はイライラしてきていた。

「どういう事か説明しろよ。」

ポケットの中の手に力が入る。

⏰:09/05/26 20:43 📱:SH903i 🆔:gHSV6QrA


#439 [のの子]
 
「‥別に。友達の彼女と仲良くしちゃ悪いの?ってかさっそく束縛とか?」

「っ!お前のはそういうんじゃないだろっ!」

全く悪気のないような発言につい大きな声を出してしまった。



「はぁ‥ゴメン。」

クシャクシャ
冷静になろうと頭をかく。

何怒鳴ってんだよ、俺。格好悪ー‥

「ってかさー」

彰の声が沈黙を破る。

⏰:09/05/26 20:53 📱:SH903i 🆔:gHSV6QrA


#440 [のの子]
 
いつの間にか彰から外れていた目線をまた元に戻す。

彰は俺を冷静な目つきでじっと見つめていた。


「ぶっちゃけお前誰守ってんの?」


「‥は?どういう意味?」

意味がわからない俺は眉間にシワをよせる。

「だぁかぁらーお前は誰守ってんの?」


.

⏰:09/05/26 20:58 📱:SH903i 🆔:gHSV6QrA


#441 [のの子]
 
「ちょっ意味わかんないんだけど?」

見つめ合う俺達。

「だからさぁ、お前は『俺から聡美を守りたい』の?それとも『聡美から俺を守りたい』の?」


‥‥‥‥ドクン

「どういう
「お前ずっと俺から聡美遠ざけてただろ?」

ドクン
.

⏰:09/05/26 23:08 📱:SH903i 🆔:gHSV6QrA


#442 [のの子]
 
「周りも気付かないぐらい上手い具合にやってたけどさ、お前をよく知ってる幼なじみの俺ならすぐ違和感に気付く。」

相変わらず冷静な彰の目を見つめながら、にぎりしめた手に力が入る。

「最初は俺自身別に気にしてなかったし、聡美の事そんだけ好きなのか、とか特に深くは考えなかった。けど俺にだけって事がひっかかってさ‥」

ドクン

「それからお前を観察したよ。聡美に近づくとどうなるかとか?まっその結果がさっきの質問に繋がんだけど。」

⏰:09/05/26 23:54 📱:SH903i 🆔:gHSV6QrA


#443 [のの子]
 
「お前は俺と聡美両方から遠ざけてた。それは近づきすぎたら困る、何かあるって事だろ?」

「違うっ。お前の勘違いだよ。」

やっと俺から出た言葉は微かに焦りを感じる。


「そうとは思えない。聡美には何かあんの?俺に知られたら困る事が?」

ドクン

あの事を思い出す。
思い出したくないあの映像が‥‥

⏰:09/05/27 14:15 📱:SH903i 🆔:xac194ac


#444 [のの子]
 
――――――



『アンタが‥‥‥のに』


『全部俺のせいだ‥』


違う、俺のせいで


―――――――――

カシャン

っ!

「顔色悪いけど大丈夫か?」

顔をあげると彰がフェンスから俺の前にまで歩いて来ていた。

⏰:09/05/27 20:26 📱:SH903i 🆔:xac194ac


#445 [のの子]
 
「あぁ。」

彰の目を見れず、それしか言えなかった。

ポケットから手を出すと、手に汗がビッショリで生温い風が心地良く感じた。

「ふーん‥まぁとりあえず、俺は好きなように動くよ。お前の言う事は聞かないから。じゃっ。」

ポンッ

軽く俺の肩を叩いて彰は横を通り過ぎていく。

⏰:09/05/27 20:33 📱:SH903i 🆔:xac194ac


#446 [のの子]
 
「ちょっと待てっ。そんなの

「お前が納得のいく答えを言わないなら、自分で答えをみつける。‥文句は言わせねぇー。」


振り返りもせず彰は屋上から出ていった。


一人残った俺は呆然と立ちすくむ。

.

⏰:09/05/27 20:38 📱:SH903i 🆔:xac194ac


#447 [のの子]
 
『誰を守りたい』かだって?

「なにも知らないくせに‥なにも‥」


ドサッ
勢い良く床にねっころがる。

なんか気持ち悪い‥
ってか思い出さないようにしてたのに。彰のヤロー。



「二人とも守りたいんだよ、バーカ‥」

.

⏰:09/05/27 20:44 📱:SH903i 🆔:xac194ac


#448 [のの子]
彰Side

竜二のあの顔
やっぱ何か隠してるな‥

「ったく、幼なじみもクソもねーよ。」



竜二とは小学校からずっと一緒でいつも一緒に遊んでた。

中学では一緒につるんで喧嘩したり、その辺の幼なじみよりもお互いをわかってると思ってた。


今でもその気持ちは変わらない。


だからこそ俺はアイツのいつもと違う違和感に気付けたんだ。
.

⏰:09/05/27 20:53 📱:SH903i 🆔:xac194ac


#449 [のの子]
少しつっつけば案外話すと思ったんだけどな〜。

こんなんまで隠すなんて‥

「『あの事』が関係してるって事か‥」

階段を降りていた足を止める。

もしそうなら、聡美はあの事になんか関係してる?

聡美の笑った顔を思い出す。

.

⏰:09/05/27 21:01 📱:SH903i 🆔:xac194ac


#450 [のの子]
 
手っ取り早く全部聡美に話してみたらなんかわかるかも。

全部‥か。


「ははっ‥知られたくなかったんだけどなぁ。」


彼女の笑った顔は純粋そうで、あの事を知った時どんな顔をするんだろう‥

ズキッ

胸に走る痛みを気付いてないように俺はまた歩きだす。
.

⏰:09/05/27 22:39 📱:SH903i 🆔:xac194ac


#451 [のの子]
聡美Side

―――――――

放課後、静かな図書室に私と竜二君は向かい合わせに座っている。

「ん〜‥これでいいのかな?」

「‥うん、あってる。」

「良かったぁ。じゃ数学はもう大丈夫かな♪」

結局2日も休んでしまった私は、約1週間後にある期末テストに向け竜二君に休んでいた分の勉強を教えてもらっていた。

.

⏰:09/05/28 11:39 📱:SH903i 🆔:uqhCEFnI


#452 [のの子]
 
やっと竜二君に会えて嬉しいけど、デートもせずに勉強だなんて‥

それに


「‥聡美?疲れた?」

「ぇっ大丈夫大丈夫っ!ボーッとしちゃっただけ〜。」

ははっと笑うと竜二君はそっか、と微笑んでまたノートに目を写しだした。

そんな彼を見つめる私。


やっぱ元気ないかも‥
.

⏰:09/05/28 23:09 📱:SH903i 🆔:uqhCEFnI


#453 [我輩は匿名である]
すいません

>>1-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400
>>401-500

⏰:09/05/28 23:29 📱:D704i 🆔:2v9lmz0g


#454 [のの子]
 
桃子から聞いたけど、私がいない間に竜二君と彰君が喧嘩?したらしい‥

理由は誰も知らないみたいだし、お互い普通にしてるけど‥竜二君はどことなく元気がない。

それなのに勉強教えてもらってる私ってダメな彼女?

でもでもっ!フクには何も触れずにいた方が良いって言われたし。

.

⏰:09/05/29 20:14 📱:SH903i 🆔:lrlVPJJo


#455 [のの子]
 
どうすれば良いんだろう。

心の中にあるモヤモヤをどうにかしたい気持ちはあるけどー‥

グリグリグリ

無意識にシャーペンでノートの端に黒い塊を書いていた。


「勉強飽きちゃった?」

竜二君が頬杖をしながら私を見る。

微笑んでるけど、無理してるんじゃないかって思って逆に切なくなる。

「んー違うよぉ。」
.

⏰:09/05/29 20:22 📱:SH903i 🆔:lrlVPJJo


#456 [のの子]
 
「そう?‥じゃ休憩しよっか。」

ノートや教科書を閉じ始める竜二君。それにつられて私もノートを閉じる。

「あっお菓子食べる?」

私は今朝買ったチョコやクッキーを鞄から出す。

「あーこれ美味しいよね。俺これ好きなんだぁ。」

そう言って竜二君はチョコを口に入れた。

キュン

「わっ私も好き!」

.

⏰:09/05/29 20:28 📱:SH903i 🆔:lrlVPJJo


#457 [のの子]
 
あっ‥大きな声だしちゃった。

「ぷっ‥図書室は静かにしてくださーい。」

クスクス笑う竜二君はいつもの竜二君に感じた。

やっぱいつもの竜二君に戻ってほしいなぁ‥


「彰君と喧嘩したの?」

「ゴホッ何急に?」

.

⏰:09/05/29 20:38 📱:SH903i 🆔:lrlVPJJo


#458 [のの子]
 
「なんか見ててそう感じたから‥」

クッキーをかじりながら竜二君を見ると明らかに焦ってる顔をしていた。

「喧嘩なんかしてないよ。気のせいじゃない?」

そう言うと、チョコを口に入れながらチラッと私の方を見た。

「でも元気ない。」

見つめ返す私。

「そんな事ない。」

「じゃ彰君に聞いちゃうよ?」

「ダメッ!」
.

⏰:09/05/29 20:45 📱:SH903i 🆔:lrlVPJJo


#459 [のの子]
 
「じゃ正直に話して?」

「正直もなにも本当気のせいだから。」

うーっ!
だんだん意地になってきた私。

「じゃ彰君に聞くー!」

「だからダメだって!」

「聞くもん!」

「ダメッ!」

「っ‥なんでダメなの?」

「ダメなもんはダメなのッ!アイツ変な事言うかもだから信用すんな。」

⏰:09/05/29 20:51 📱:SH903i 🆔:lrlVPJJo


#460 [のの子]
 
「あーっそんな事
「二人とも図書室は静かに使いなさいっ!!」


いつの間にか二人して大きな声になっていた私達は、先生に更に大きな声で怒られた。


――――――――

「さっきはゴメンね。」

帰り道、竜二君の横を歩きながら私は謝った。

「あぁ、俺こそゴメンね。」
.

⏰:09/05/29 20:58 📱:SH903i 🆔:lrlVPJJo


#461 [のの子]
 
彼を見つめると赤く染まり出した空を見つめていた。

黒い髪がうっすらと赤く染まって輝いているように見える。

でも、やっぱりその瞳はどこか寂しそう‥

「テスト終わったら夏休みだねっ。」

私も彼が見つめる赤い空を見上げてみる。

キレイ‥

「そうだね。梅雨ももう終わって夏ももうすぐそこだしね。」

ゆっくり二人で歩く。
.

⏰:09/05/31 20:40 📱:SH903i 🆔:1W7Y1T.M


#462 [のの子]
 
「夏休みたくさん遊ぼうね。海とかお祭りとか!あっ花火もしよう?」

無邪気に話す私に竜二君は優しく笑ってくれた。

「そうだね。」

ニコッ
私も笑う。


彰君と何かあったのかもしれない。でもどうしてそうなったかを知りたかったわけじゃない。

笑ってほしかった。

どこか寂しそうで、元気がないなら私がその溝を埋めてあげる。
.

⏰:09/06/01 00:36 📱:SH903i 🆔:9LPBm0VM


#463 [のの子]
 
話したくないなら聞かないようにする。

寂しいなら隣にいるよ。

不安ならたくさん励ましてあげる。

いつもみたく笑えないなら笑えるまで待つよ。

だって私は竜二君の彼女だから。


「あっ一番星だよ!」

薄暗くなりだした向こうの空に小さな星が輝いていた。

⏰:09/06/01 22:37 📱:SH903i 🆔:9LPBm0VM


#464 [のの子]
 
「本当だ。一番星なんて久しぶりに見たかも。」

小さく光る星を見つめながら竜二君が笑った。



「なんか時間がゆっくり感じるね。こういうの好き。」

「そう?」

「うん、ゆっくりな時間て幸せを長く感じれるから好き‥」


フッ
‥?

私の左手に温かい手が触れる。

⏰:09/06/02 19:13 📱:SH903i 🆔:3bzfntWc


#465 [のの子]
 
カァーッ

目をつぶって空を見上げる彼の右手は、私の左手を優しく握っていた。

彼を横目で見ながらも私はまた空に視線を戻す。

ってかはっ恥ずかしく見てられない‥


「はぁ〜っ」



大きなため息をついたのは隣にいる彼から聞こえてきた。

⏰:09/06/02 19:22 📱:SH903i 🆔:3bzfntWc


#466 [のの子]
 
ギュッ
それと同時に繋がっている手に何かの合図みたく力が入ったのがわかった。

「ア゛ァーーーー!!!!!!」
ビクッ!!

まっまさかの発狂っ?

まるで気合いを入れるかのように竜二君は急に大声を出した。

「りゅっ竜二くん?」

完全にビビッちゃった私は違う意味で手に力が入る。

.

⏰:09/06/02 19:28 📱:SH903i 🆔:3bzfntWc


#467 [のの子]
 
「ぷっはははっゴメン‥!」

と思ったら今度は笑い出す竜二君。

なっなんなの〜?

呆然と見つめる私だったけど、竜二君が笑う顔はさっきまでとは違ういつもの顔に戻ってた。

「ははっ‥あぁ〜スッキリしたかも。もう大丈夫だよ。」

そう言って私を見つめる彼の瞳は、何か吹っ切れたのか真っ直ぐと私に向けられていた。
.

⏰:09/06/02 19:35 📱:SH903i 🆔:3bzfntWc


#468 [のの子]
 
「‥うん。」

それしか言えなかった。

でも彼の手から、私の手からお互いの気持ちは伝わったと思う。


もう大丈夫、って。


――――

「ってか聡美の手フニフニして気持ちいいね。」

いつもの妖しい笑顔でニコニコしながら私の手をニギニギと握る彼に、私は顔を真っ赤にする。

全く大丈夫じゃなーいっ!

そう思いながら私達はゆっくり並んで帰って行った。
.

⏰:09/06/02 19:44 📱:SH903i 🆔:3bzfntWc


#469 [のの子]
 
――――――

「最近帰り遅くない?」

お風呂から出て水を飲もうとしてる私に桜姉が話しかけてきた。

「放課後テスト勉強してて‥」

「お母さん言ってたよ〜。隣のおばさんに娘さん彼氏できたんですねって言われたって。」

「えっ!!」

いっいつ見られたんだろ。

静かにソファーに座っている桜姉の隣に座る。

⏰:09/06/03 17:38 📱:SH903i 🆔:85f4pLSM


#470 [のの子]
 
桜姉は雑誌をペラペラめくってこっちを見ない。

私に言わす気か‥

「あのねっ実は私、彼氏ができました。」

「‥へぇ。いつ?」

「この前から。」

「前話してた子?」

「うんっ。」

「遊ばれてない?」

「うん。優しい人っ♪」

エヘヘと笑うとチラッと桜姉が横目でみてきた。

⏰:09/06/03 17:44 📱:SH903i 🆔:85f4pLSM


#471 [のの子]
 
「隠しててゴメンね。初めてだから話すの恥ずかしくて‥」

もちろん本当の気持ち。
なんて言えばいいのかとか、タイミングがわからなかったのだ。

「‥‥もぅーっ早く言いなさいよねぇ!」

ガバッ

「ぅわっ!」

急に飛び付いてきた桜姉。

「で、何っ?どっちから告ったのよ?」
.

⏰:09/06/03 17:49 📱:SH903i 🆔:85f4pLSM


#472 [のの子]
 
「えぇ〜っ!恥ずかしいから言わないっ!」

さっ桜姉さっきまでと違って目がキラキラ輝いている‥

「あーっ相談にのってあげた姉にその態度は何よ〜!あっお母さーん!聡美やっぱ彼氏できたんだってぇ!!」

2階にいるお母さんに聞こえるよう大きな声で、ってかわざとらしく桜姉がお母さんを呼んだ。

「ちょっと〜‥」

バタバタ階段を降りてくる音。

はぁ〜‥2対1じゃ勝てそうにないな。

⏰:09/06/03 17:54 📱:SH903i 🆔:85f4pLSM


#473 [のの子]
 
その後二人に質問攻めにされた私。

全く‥っとか言いつつちょっと嬉しかったり。


――――――

「おはよ。」

家からそんな遠くない小さな公園が、いつの間にか竜二君との待ち合わせ場所になっていた。

「おはよう。今日は雨降るらしいよ?」

小さな折りたたみ傘を見せながら二人並んで歩きだす。
.

⏰:09/06/03 20:13 📱:SH903i 🆔:85f4pLSM


#474 [のの子]
 
「傘持ってきた?」

「んーん、持ってきてない。」

やっぱり。明らか竜二君の手には軽そう鞄しかないもんね。

「だって聡美の傘一緒に入ればいいし。こうやって‥」

グイッ

ドキッ

手を引っ張られ引き寄せらると竜二君の顔が目の前に‥

「ねっ?」

カァーッ
「ちっ近すぎないかな?」

⏰:09/06/03 20:18 📱:SH903i 🆔:85f4pLSM


#475 [のの子]
 
ぅわわーっ無理無理っ!

「だって濡れちゃうじゃん。」

妖しく笑う竜二君の手が私の手に絡み付く。

「でもまだ雨降ってないし‥」

顔を真っ赤にした私は俯くしかなかった。


「ぷっじゃ今はこれくらい?」

そういって私の手をキュッと握る。
.

⏰:09/06/03 20:24 📱:SH903i 🆔:85f4pLSM


#476 [のの子]
 
ドキッ

「うっうん。」

「じゃ行きますか。」

ゆっくり歩き出した私達。

手を繋いで登校なんて一年の頃の私からしてみれば夢みたい。

この前まで一人で歩いていたのだと思うと、少し不思議な感じ。今は全く違う道に感じる。

‥あっこんなとこにも幸せ感じるんだ。

そう思うと口元がニヤける。

⏰:09/06/03 20:30 📱:SH903i 🆔:85f4pLSM


#477 [のの子]
 
あっという間に他の生徒達の姿がチラホラ見える。

だいたいの子はチラッとこっちを見てくる。

ここ何日かで私と竜二君が付き合う事になった話はあっという間に皆に知れ渡っていた。

でも実際見ると意外なカップルだからか一瞬驚いた顔をするのを私は見逃さなかった。

なんでかわからないけど、すみませんって気分。


「りゅーじっ。」

.

⏰:09/06/03 20:36 📱:SH903i 🆔:85f4pLSM


#478 [のの子]
 
二人して振り向くとそこには彰君が

「お前‥」

「聡美もおはよ。」

「ぇっ彰君?どうしたのその髪?」

彰君の赤っぽくて少し長めの髪の毛が、短くなって綺麗な明るい茶色になっていた。

うん、カッコイイ。ってか雰囲気変わるなぁ。

「ちょっと気合いいれてみた。」



「へーっテスト頑張るんだぁ。そりゃ楽しみだね。」

竜二君がニッコリ笑う。
.

⏰:09/06/03 20:53 📱:SH903i 🆔:85f4pLSM


#479 [のの子]
 
「お前はバカか。お前が素直に話さないから答えみつけるためになぁ
「はいはい、朝からぐちぐちやめくんないバーカ。」
「てンめぇ〜‥」

二人が小さな声でニコニコ笑いながら話してるのを見て私も

「テスト頑張ろうねぇ。」

なんてニコニコ笑う。


「‥ったく、バカばっかだな。」

ポンポン
そう言って彰君が笑いながら優しく私の頭を撫でた。
.

⏰:09/06/03 21:08 📱:SH903i 🆔:85f4pLSM


#480 [のの子]
 
ドキッ

不覚にも私の心臓がときめいてしまった。

「触んないでくんない?」

竜二君が彰君の手を掴んで私から引き離す。

「触りたいって思ったから触っただけだし。そんな怒るなよ?」

ムスッとする竜二君とは逆に彰君は笑っていて何か余裕を感じられた。

「‥? ねぇ、学校遅刻しちゃうし行こう?」

よくわからないけど、とにかくその場の空気を変えようと思った。

⏰:09/06/03 21:18 📱:SH903i 🆔:85f4pLSM


#481 [のの子]
 
それから二人は私を間に挟みながら、よくわからない事でいちいちムスッとしたりグチグチ言ってた。

竜二君もだけど彰君のクールなイメージがどんどん変わってくなぁ‥

チラッと彰君を見ると目が合った。

「‥なに?」

「ぇっあっ彰君何かいっぱい話すようになったね!前はちょっとだけ無口だったから。」
.

⏰:09/06/05 17:22 📱:SH903i 🆔:5g4C1Fz.


#482 [のの子]
 
「ぷっ無口だって‥」

竜二君が小さく笑ったのを無視する彰君。

「ってか俺そんな無口じゃないから。中学の時とかは普通に話してたんだけど‥今女苦手になってさ、あんま女の前じゃ話さないようにしてんだよね。」

へぇ‥

「でもなんで急に話すようになったの?」

首をかしげる私を見て彰君がふっと笑った。


「気になる奴見つけたんだよ、俺。」

.

⏰:09/06/05 20:41 📱:SH903i 🆔:5g4C1Fz.


#483 [のの子]
 
ははっと笑った彰君の笑顔は16歳の男の子の顔だった。

あっ‥こんな顔もするんだ。

「気になる子って
「聡美、遅刻するからおいでっ。」

グイッ

「きゃっ」

竜二君が急に肩をひっぱるもんだから足がよろけて前のめりに

こっこける!

⏰:09/06/05 21:13 📱:SH903i 🆔:5g4C1Fz.


#484 [のの子]
 
「‥っと。」
「危ねっ。」

こけそうになった私を二人が片手でキャッチしてくれた。

カァーッ

「「おっちょこちょい」」

「すっすみません‥」

その時二人のニヤッと笑った顔はそっくりだった。


――――――

「朝からアツアツの登校ご苦労様〜♪」

なんとか学校にギリギリ間に合った私達を旬君達が笑顔で待っていた。
.

⏰:09/06/05 22:05 📱:SH903i 🆔:5g4C1Fz.


#485 [のの子]
 
「まっ間に合わないかと思った〜!」

息を切らしながらガタンッと椅子に座る。

「彰のせいだからね。」

竜二君も椅子に座りながらフーッと息を整える。

「あれ、彰君も一緒だったんだぁ?」

桃が私のふとももに座ってきた。

「ちょっ暑いよ〜。」

うっすら汗をかく私の上で桃はノートで自分を扇いでいた。

ズルッ‥!

「幸せ絶頂なんだからこれぐらいでグダグダ言わないのぉ♪」

.

⏰:09/06/06 20:18 📱:SH903i 🆔:8kxa1Po6


#486 [我輩は匿名である]
あげx

⏰:09/06/08 23:55 📱:W51SA 🆔:5BIv/CUo


#487 [のの子]
 
「そうそう〜恋人のいない俺らから見たら二人羨ましくてたまんねーし。」

旬君まで竜二君の机に座ってノートで顔を扇ぎだす。

「「ねーっ!」」

そろってニッコリ笑う二人。

きっ気まずい‥!

苦笑いする私とは逆に、竜二君は

「ぢゃー恋人つくれば?」

そう笑顔で言った。

.

⏰:09/06/10 22:08 📱:SH903i 🆔:ZqzVEfy6


#488 [のの子]
 
し〜〜ん


‥‥‥‥


「うっうぜー!!コイツ前よりうざくなってるー!」
「ちょっ聡美なんか今のひどくない?ひどいよねっ?もう桃泣くー!!」

桃に肩を揺さ振られガクンガクン揺れる私。

竜二君は一気にギャーギャー騒ぎだした二人を見てクスクス笑ってる。

また人からかって楽しんでんだからー!

.

⏰:09/06/10 22:19 📱:SH903i 🆔:ZqzVEfy6


#489 [のの子]
 
桃に肩を揺さ振られ気が遠くなる私に救いの手が‥

「お前ら席つけー。」

先生の登場によってその場どうにかおさまった。

―――――――


「恋人なんてそう簡単に作れないよねぇ?」

「うーん‥まず桃が好きな人いなきゃ無理じゃないかなぁ?」

体育の授業中ちゃんとやってるふりをして話す私達。

ちなみに授業内容はハードル。

他の生徒が走るのを見ながらつったてるだけ‥

先生ゴメンね。
.

⏰:09/06/10 22:28 📱:SH903i 🆔:ZqzVEfy6


#490 [のの子]
 
「好きな人かぁ‥」

はぁっとため息をつくと桃は座り込んで地面を見つめる。
その姿は女の私から見ても可愛く見えた。

「でっでもさ!あのー恋愛初心者の私が言うのも変なんだけど、桃ならモテるし好きな人できてもすぐ付き合えるよ!まずはゆっくり相手をみつければいいんだって。ね?」

落ち込んでる桃に慌ててフォローをいれる私。

「んー‥桃好きな人ならいるよぉ?」
.

⏰:09/06/10 22:39 📱:SH903i 🆔:ZqzVEfy6


#491 [のの子]
 

えっ‥?

「えっ?いるの?好きな人‥」

「うん。あれぇ言ってなかったっけぇ?」

桃が首を傾げて私を見上げる。

いやいやっ!そんな可愛い顔されても好きな人のすの字も聞いた事ないからっ!

「聞いてなーいっ!誰誰?私の知ってる人?」

私もすかさず桃の隣に座り込む。

「えぇー‥うん。まぁ知ってる人ぉ。」

.

⏰:09/06/10 22:45 📱:SH903i 🆔:ZqzVEfy6


#492 [のの子]
 
だっ誰ー!!
桃が好きになる人なんて想像つかないっ。

「誰‥?」

さっきより小さな声で聞く。

「んっとねぇー」

遠くを見つめる桃の目線の先には



「フク。」



.

⏰:09/06/10 22:48 📱:SH903i 🆔:ZqzVEfy6


#493 [のの子]
 
校庭のはじでハードルをやる女子だけど、男子は校庭の真ん中サッカーをやっていた。


「フッフクかぁ〜!」

驚いた。
驚いたけど、納得できた。

確かに桃はフクと一緒にいる率が高いし、フクは桃の世話役みたく二人は仲が良い。

そっか‥桃はフクが好きだったんだね。
.

⏰:09/06/10 22:56 📱:SH903i 🆔:ZqzVEfy6


#494 [のの子]
 
クラスの男子達とふざけあいながらサッカーをするフクを見つめる私達。

「ははっビックリしたぁ?」

「え〜っ。そりゃ驚いたけど、言われてみたらなんか納得できるかも。ってかいつから?」

「一年生の最後ぐらいから。」

「へぇ〜長いじゃん。ねぇフクのどこが好き?」

ニヤつく私を見て笑う桃。

「優しいとこ。フクって他の男とは違うんだよねぇ。」
.

⏰:09/06/11 14:30 📱:SH903i 🆔:NtUxQ0tY


#495 [のの子]
 
「桃に近づいてくる男の子ってみんな下心あんの。そんな桃を守ってくれてるのがフク。」

ふふっと笑う桃の横顔は恋をしてる女の子で、可愛かった。

私も竜二君の事を想う時、こんな顔してるのかな?

「‥告白とか考えてないの?」

私から見たらフクも桃の事好きそうだけど。

「考えた事あるけどぉ‥フク好きな人いるんだってぇ。」

「えっ!うそ!」

そんな話聞いた事ない。
.

⏰:09/06/11 19:56 📱:SH903i 🆔:NtUxQ0tY


#496 [のの子]
 
「本当ぉ。ずっと見てたら気付いちゃったぁ♪」

微笑む桃の顔はさっきとは違ってどことなく寂しそうだった。

「‥誰か聞いてもいい?」

「ダメーッ♪秘密なの。桃がフクを好きな事も、フクが誰を好きなのかも‥秘密っ♪」

秘密‥

好きな人と両想いになれた私。
好きな人と結ばれない桃。

なんだかキュッと胸が痛んだ。

⏰:09/06/11 20:03 📱:SH903i 🆔:NtUxQ0tY


#497 [のの子]
 
「だから正直聡美が羨ましい〜!‥けど桃も今幸せだからいいの♪フクの隣にいられればいいんだぁ♪」

スッと立ち上がる桃。

「桃‥」
「フクーッ♪シュートきめてぇ!」

ピョンピョンとジャンプしながら手を振る桃の先にはフクが笑っていた。

「お前はちゃんとやれーっ!」

そう言うとフクはボールをとりに走り出す。


桃の意外な一面を知って切ないけど、桃が笑っているなら大丈夫だって思った。

⏰:09/06/11 20:14 📱:SH903i 🆔:NtUxQ0tY


#498 [のの子]
 
私も立ち上がると桃に抱き着く。

「なんかあったら言ってね?私は桃大好きだから!」

「‥ぷっありがとぉ♪」

桃もギューッと抱きしめてくれた。


「あっコラッ!お前らちゃんとやれっ!」

ビクッ!

先生に怒られた私達は慌ててハードルの列に並ぶ。

手を繋いで‥

.

⏰:09/06/11 20:19 📱:SH903i 🆔:NtUxQ0tY


#499 [のの子]
 
「いっ痛〜い。」

膝をさする私。

運動音痴な私はハードルに膝をぶつけて大きな痣が出来た。

「おっきー痣とかウケる〜♪」

そんな私を見て笑う桃。

「ちょっと休憩〜。」

もう少しで授業も終わるし端っこで座り込む。

桃は他の女の子達とハードルを片付け出していた。

そういえば竜二君どこだろ?

男子の方をジッと見ているとすぐに竜二君を見つけた。

旬君と話しながら腕をのばしながら笑っていた。

‥カッコイイ

.

⏰:09/06/11 20:29 📱:SH903i 🆔:NtUxQ0tY


#500 [我輩は匿名である]
>>460-500

⏰:09/06/11 23:38 📱:SH902i 🆔:eUKVkPtg


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