*THE GOD OF DEATH*
最新 最初 全
#651 [ま-イ子]
「―――これ、は…」
それを見た瞬間、
女は目を見開いた
それと同時に
抑え切れない感情が
溢れ出し
気が付くと
手帳を手に取り
走り出していた――…
.
:08/02/02 15:49 :SH903i :mP/vA1cg
#652 [ま-イ子]
―――――――…
署内から出て
少し歩いた場所にある
専用駐車場
そこに車に乗ろうとする
柳田の姿があった
「―――ッ、警部!」
見付けると同時に
女は彼を呼び止めた
.
:08/02/02 15:58 :SH903i :mP/vA1cg
#653 [ま-イ子]
車のドアを開けようと
していた手を止め
柳田は女に振り返る
「………なんだ…」
「…何処、へ……
行くつもりですか…?」
走って来たせいで
少し息切れしながら
女は問いた
.
:08/02/02 16:00 :SH903i :mP/vA1cg
#654 [ま-イ子]
「決まってんだろ、
………捜査だ。」
吐き捨てる様に答えた後
再度柳田は
ドアに手を掛けた
「…峯刑事と同様に…
捜査するおつもりですか」
凛とした声が
駐車場に響き渡る。
先程より開いた目で
女を見る柳田がいた
.
:08/02/02 16:07 :SH903i :mP/vA1cg
#655 [ま-イ子]
「なんのことだ。」
低くなった声は
突き放す様に冷たい。
女は握り締めていた
二つの手帳を前に出した
「峯刑事と、柳田警部の
ものですよね。
同じ文字が、
書かれています。」
.
:08/02/02 16:13 :SH903i :mP/vA1cg
#656 [ま-イ子]
:08/02/02 16:18 :SH903i :mP/vA1cg
#657 [ま-イ子]
「これは、事件が起こる
時間帯を表している。」
「…………………。」
黙り込み少しだけ
睨んでくる柳田を無視し
女は言葉を続けた
「峯刑事は警部より先に
これに気付き……
そして、一人で動いた
――囮捜査をする為に」
.
:08/02/02 16:26 :SH903i :mP/vA1cg
#658 [ま-イ子]
柳田の眉がぴくり、と動く
反論しないという事は
肯定している証拠
「そして、彼は
犯人らしき人に出会い
咄嗟に携帯で録音をした」
そう考えれば
都合の良い事にも
つじつまが合う
.
:08/02/02 16:31 :SH903i :mP/vA1cg
#659 [るい]
:08/02/02 16:38 :P902i :higjtWCw
#660 [ま-イ子]
「その後、彼は…殺され…」
――――ドンッ!
女の言葉を遮り
車のボンネットを叩いた
柳田は先程までとは違う
怒りに満ちた表情を
していた
「…いい加減にしろよ。
死んでるかなんて、
まだわかんねえだろ」
.
:08/02/02 16:39 :SH903i :mP/vA1cg
#661 [ま-イ子]
:08/02/02 16:41 :SH903i :mP/vA1cg
#662 [ま-イ子]
「………ですが、」
「いい加減にしろって
言ってんだ。
邪魔をするな、俺は行く」
怒りを露にした顔で
柳田は女を睨み付ける
誰もが怯む表情だが
女は一歩も引かずに
見つめていた
「……やめてください…」
.
:08/02/02 16:53 :SH903i :mP/vA1cg
#663 [ま-イ子]
「………うるせぇ…」
「やめてください……
違う方法が必ずあります
こんなのは、死にに行く
ようなものです!」
「
うるせえって
言ってんだ!」
柳田の怒声に
女は黙り下を向いた
両者の握られた拳は
震えている
.
:08/02/02 16:59 :SH903i :mP/vA1cg
#664 [ま-イ子]
‐‐‐‐‐‐‐‐
>>663
タグミスっ‐‐‐‐‐‐‐‐
:08/02/02 17:00 :SH903i :mP/vA1cg
#665 [ま-イ子]
「…俺は、犯人を
捕まえなきゃいけねえ」
先までとの怒声とは違い
唇を噛み締めながら
柳田は呟く
「誓ったんだ。
………あいつとな…」
未だ顔を上げずに
女は黙って聞いている
.
:08/02/02 17:06 :SH903i :mP/vA1cg
#666 [ま-イ子]
「…わかってくれ、とは
言わねえよ………
理解できねえだろうから」
ふ、と自嘲気味に笑った
彼は何処か切なげで
今にも消えて
しまいそうだった
ゆっくりと上げられた
女の顔は、目に涙を溜め
悔しそうに
唇を噛んでいた
.
:08/02/02 17:12 :SH903i :mP/vA1cg
#667 [ま-イ子]
「…本当に、馬鹿…」
掠れた声で
紡がれた言葉に
柳田は眉を下げて微笑む
「悪いな、馬鹿で。
……死ぬ気はねえよ。
心配すんな……」
「心配するに
決まってるでしょ…
…絶対に帰って来て」
.
:08/02/02 17:17 :SH903i :mP/vA1cg
#668 [ま-イ子]
涙目で自分を見つめる
彼女の元へ歩み寄り、
頭を自分の胸へ
押し付けた
「今日犯人に会えるとは
限らねーだろーが。
…終わったら家に帰る」
「絶対よ。約束だから」
女は柳田の皺になった
コートを力強く握り締め
自分の方へ引き寄せた
.
:08/02/02 17:24 :SH903i :mP/vA1cg
#669 [ま-イ子]
数秒だけ、互いを
確かめ合った後
ゆっくり体を離し
見つめ合ってから
触れるだけのキスをした
ぽん、と女の頭に
ゴツゴツした手が乗る
「…咲智(サチ)のこと、
頼んだぞ。」
女は黙って微笑み頷いた
.
:08/02/02 17:30 :SH903i :mP/vA1cg
#670 [ま-イ子]
名残惜し気に手を離し
柳田は車に乗り込んだ
エンジンが掛かり
動き出す
駐車場から出ていく
車の後ろ姿が
次第に小さくなり
やがて―――消えた
ぺたり。
黙って見ていた女は
その場に座り込み
静かに、涙を流し続けた
.
:08/02/02 17:40 :SH903i :mP/vA1cg
#671 [ま-イ子]
:08/02/02 17:43 :SH903i :mP/vA1cg
#672 [ま-イ子]
:08/02/02 17:54 :SH903i :mP/vA1cg
#673 [yえりちぁンy]
久しぶりに見たら
メチャ更新されてるx
すごいぉもしろいですシイ|
主サン 頑張ッてさい+゚。
:08/02/02 17:55 :W53T :SfQ5n63s
#674 [るい]
先程は執筆中にアンカーしてしまい
申し訳ありませんでした
あ、、
ここに収まらなかったら
次を作るのもいいと思います
それにま-イ子さんの伝えたいことは
ちゃんと
伝わってますよ★
無理せず自分のペースで
更新してください(^ー^)♪
長文すみません:08/02/02 18:27 :P902i :higjtWCw
#675 [ま-イ子]
:08/02/02 21:36 :SH903i :mP/vA1cg
#676 [ま-イ子]
:08/02/02 21:39 :SH903i :mP/vA1cg
#677 [ま-イ子]
:08/02/02 21:40 :SH903i :mP/vA1cg
#678 [ま-イ子]
:08/02/03 00:43 :SH903i :nrn85Xk2
#679 [我輩は匿名である]
更新してぇx
:08/02/03 00:43 :W51S :MxcF/sY6
#680 [ま-イ子]
:08/02/03 09:35 :SH903i :nrn85Xk2
#681 [ま-イ子]
――――――――
―――――
…ザッ…ザッ…
闇に紛れた足音は
規則的に響き渡る
周りにある、古い
コンクリート製のビルに
反響しながらそれは
尚も止まない
足音は一つ
しかし揺れる影は二つ
.
:08/02/03 09:45 :SH903i :nrn85Xk2
#682 [ま-イ子]
(………チッ、…)
心の中で舌打ちをし、
一つの影は肩まである
髪を揺らしながら
もう一つの影に
振り返った
「…ねえ、駄目だよ。
最近は警戒して
外に出てこない。」
あからさまに不機嫌な
顔を晒しながら
桜井なつは言った
.
:08/02/03 09:53 :SH903i :nrn85Xk2
#683 [ま-イ子]
「…クックッ…君は、
まだこの街に何人の
人がいると思ってる?
大丈夫、見付かるさ。」
言葉を返しながら
勝ち誇った顔で
笑う奴‐死神‐に
なつは溜息を吐いた
「…………あ、そう。
なんでもいい……
"獲物"が見付かるなら。」
.
:08/02/03 09:59 :SH903i :nrn85Xk2
#684 [ま-イ子]
言葉を吐き捨てた後
なつは構わず進み続ける
「…でも、便利よね。」
数分歩き続け
なつは唐突に一言呟いた
「何の事かな?」
「あんたよ。
正確にはその、チカラ」
.
:08/02/03 10:12 :SH903i :nrn85Xk2
#685 [ま-イ子]
なつは横にいる奴を
細めた目で見つめた
「そのチカラがあれば
絶対警察なんかに
捕まらない。」
口角を上げた彼女に
死神も笑い出す
「……クックックックッ、…
そう言ってもらえて
光栄、さ。」
.
:08/02/03 10:19 :SH903i :nrn85Xk2
#686 [yえりちぁンy]
あげます~
:08/02/05 21:58 :W53T :usGpQxf.
#687 [我輩は匿名である]
あーげー
:08/02/06 15:34 :SH704i :cJn9ZsrQ
#688 [yえりちぁンy]
主さンx応援してマス~
頑張ッてさいニ
:08/02/09 15:44 :W53T :iIWvFrhg
#689 [我輩は匿名である]
読みたいゆ〜
:08/02/11 02:47 :SH704i :/VZEFtNg
#690 [ま-イ子]
:08/02/11 23:47 :SH903i :hh9VTvjM
#691 [ま-イ子]
――――――そう、
あたし‐桜井なつ‐は
今世間で騒がれている
"連続誘拐事件"
別名:神隠し
の、犯 人 だ 。
.
:08/02/11 23:55 :SH903i :hh9VTvjM
#692 [ま-イ子]
犯人、と一概に
言ってもいいものか
まあ、あたしが
殺していることに
変わりはないのだけど
しかし、こんな事件は
日本の法律……否、
"人間の決まり"で
裁かれるものではない
何故なら、
この事件は――――…
.
:08/02/12 00:59 :SH903i :aSHgGwjY
#693 [ま-イ子]
「…クックッ…ほぅら、」
突然言葉を発した
奴に目を向けると
汚い骨だけの指で
前を示している
その先に視線をやると
死神の言わんとする事が
わかった
そこには、人の影。
.
:08/02/12 01:13 :SH903i :aSHgGwjY
#694 [ま-イ子]
ゆるいカーブに
なっているこの道は
所々にある青白い電灯が
光っているだけだ
その光りに
照らされた影は
こっちに近付いて来る
あたしも歩を進めた
二つの足音が交互に、
又は同時に、響き
近 く な る
.
:08/02/12 01:20 :SH903i :aSHgGwjY
#695 [ま-イ子]
見えた。男だ。
ポケットに手を突っ込み
コートに顔を埋めている
こんな時間に
一人で歩くなんて。
しかも、こんな時に。
(――――馬鹿、ね)
呆れ半分に男を見ながら
あたしは歩き続けた
.
:08/02/12 01:40 :SH903i :aSHgGwjY
#696 [ま-イ子]
コツ、コツ、と
音を立てながら
男の横を 擦り抜ける
一瞬、目が合ったような
気がしたが、何事も
なかったように
男の背中は遠退いて行く
あたしは歩を止めた
後ろから聞こえる足音に
耳を傾ける
.
:08/02/16 11:48 :SH903i :BHwyR6k.
#697 [ま-イ子]
手に固い感触。
あたしは"それ"を
力強く握り締めた
一歩、また一歩
遠くなる足音
口から冷たい空気を
吸い込み深呼吸をする
.
:08/02/16 11:54 :SH903i :BHwyR6k.
#698 [ま-イ子]
地を蹴り、
男の元へ走りだし
手に持っていたモノを
思い切り振り下ろした
.
:08/02/16 11:57 :SH903i :BHwyR6k.
#699 [yえりちぁンy]
あげます~ト
:08/02/18 22:52 :W53T :opmaMbFY
#700 [yえりちぁンy]
続き気になりますテ
:08/02/22 23:30 :W53T :g2CJCgLM
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194