【SSS】超短レス短編祭り!【飛び入り参加OK!】
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#88 [ありがとう。さようなら(3/3)]
「…ばあちゃん」

外を見たまま、言う。

「なんだい?」
「俺さ、今までみんなの事で泣けなかったんだ。泣かなかったんじゃなくて、泣けなかった。みんな唐突だったから、頭が理解してなかったんだと思う」
「知ってたさ」
「俺はそれでいいと思ってた。泣かない方がいいんだ、って」

少し外を眺めて振り返る。
「でも、さ。みんな…優しいよな」

優しい雪を後ろに、居間を見る。

こたつを囲んで。
ばあちゃんの対面にじいちゃんが。
2人の間に、父ちゃんと母ちゃんが。
俺が座ってた隣に姉ちゃんが。
みんな、穏やかに。優しく笑っていた。

「…あの電話に感謝しなきゃな。言い忘れてた事を言える事に」

俺も笑い返した。
みんなを忘れないように。
でも、ちゃんと言えるように。



「ありがとう。さようなら」



やっと泣けるな。

俺は、そう小さく呟いた。

ばあちゃんは、ずっと穏やかに笑っていた。

⏰:08/03/05 01:49 📱:P903i 🆔:/Un8CKCQ


#89 [ボン太]
ヤッホーい
飛び入り参加と聞いてこのボンタ様がやってきたぜー

「ふもっふもふも!」

ハハハなーに遠慮することはないぞ皆の諸君!!


ハーハッハッハッ
ハーハッハッハッ
ハーハッハッハッ


……………ふぅ

⏰:08/03/05 02:01 📱:N902iX 🆔:MVHHZNIk


#90 [◆vzApYZDoz6]
>>89
いいぞ参加者が増えてきた!www


ガンガン参加してくれ!

⏰:08/03/05 02:25 📱:P903i 🆔:/Un8CKCQ


#91 [Bloody Valentine(1/1)◆vzApYZDoz6]
「何ですかこれは何なんだ。今の状況を説明しろ簡潔に20字以内で説明しろ」

教室の真ん中で佇む女子生徒に、自分でもキモいと思うぐらい早口で問う。
まったく混乱していた。
朝教室に向かうと、そこは血の海。
ありきたりな比喩表現なんかじゃなく、本当に。
床は一面、どす黒く変色した赤。
壁には引き摺られたような、吹き掛けられたような、ぶちまけたような凄惨な血の跡。
真ん中でスパッと両断されてる机や椅子が、血の海に転がっている。
その中央に、クラスメイトであるその女子が立っていた。
ぶっちゃけると片想いしてる女子なんだけど。
今はそいつに説明責任を突き付けている真っ最中。

「…説明がいるのか?」
「普通に考えて当然だろ」

いや、別に説明しなくても彼女の手に握られた赤い刀身の日本刀を見れば、だいたい分かるけど。
そういや彼女は剣道部だったな、等とあまりにズレた考えが頭を過った。
まぁ1つ救いがあるとすれば、他のクラスメイトの死体が無いって事か。
全然救いにならねぇと思うだろうが、仲が良い奴の惨殺死体があるよかマシだ。

「…教室が、血の海だ」
「あー分かった俺が悪かった質問変えるわ。何で血の海だ?」

黒髪を靡かせて仁王立ちする彼女はやっぱり綺麗だ。
むしろ返り血を浴びて普段より綺麗だ。
いやいや、こんな状況で見とれてどうするんだよ。

「…私がやったんだ」

そう言うと彼女は俺との距離を一気に詰めた。

「お前も私のために紅になってくれ」

私のため、ってのは嬉しいが何の道理だそりゃ。

何でだよ、とまた説明を求めた俺の声は、首に刺さった刀身に邪魔されて喉を通らなかった。

⏰:08/03/05 02:28 📱:P903i 🆔:/Un8CKCQ


#92 [トイレ借りたいシュール(1/2)◆vzApYZDoz6]
ピンポーン

「………………」

ピンポピンポピンポピンポピンポピンポピンポピンポ
ガチャ

「インターホンを連打するんじゃねぇ!」

「いいじゃんお前んちだし」

「ほう。俺んちなら何をしても許されると」

「火を着けても許されると思ってます」

「帰r」

「お邪魔しまーす!」

「うむ。言い得て妙なり。…で何しに来た?」

「ウ○コしに来た」

「なるほど、トイレを貸してもらえるのはお前の中で決定事項か。あ、その一番奥ね」

「サンキュー!」

⏰:08/03/05 02:43 📱:P903i 🆔:/Un8CKCQ


#93 [トイレ借りたいシュール(2/2)◆vzApYZDoz6]
ガチャ

「…えっ?」

「おっと、可愛らしい子がパンツを下ろしt」

「キャー!!」

「ところで何してるの?」

「…えっ?いや、えっと…」

「大便だろどう見ても」

「ああ、どうりで」

「小です!!ていうかどうりでって何!?」

「これはいい」

「つうか鍵閉めとけよ」

「その前に早くドア閉めてよ!!」

「…………」

バタン

「と言うわけですまんがもうちょい我慢してくれ」

「あっ、満足したからもういいや」

完…?

⏰:08/03/05 02:44 📱:P903i 🆔:/Un8CKCQ


#94 [選ばれた男(1/2)に]
ああなんだ、気付かなかったよ。私はなんて愚か者だったんだ。
いつも見上げていた空はこんなにも青く清々しく広がっていて。
春の匂いを漂わせた風が私の鼻をすり抜けていて。

あたたかい。
あたたかい。

ああなんでこんな素晴らしいことに気付かなかったのだろう。
私は真の愚か者か。


でもどうだい、つまらない人生を送っていた私でも
毎日は素晴らしいと気付けた!

私は覚醒した!

なんてことだろう。
これに気付けただけで周りの風景はこんなにも変わるものなのだろうか。

どうして今まで気付けなかったのだろう。
私はてっきり、自分が普通のつまらない人間だと勘違いして、普通に生きてきてしまったのだ。

それが、だ。
自分にこんな力があったなんて。
春の朝、仕事の準備をしていた僕の目の前に、突然君が舞い降りて
貴男は
選ばれた戦士だ
なんて言うものだから、戸惑うのが当たり前じゃないか。

だが今なら信じれる。
だから思えるんだ。
これほど生きていて良かったと思う日は、無い。ってね。

⏰:08/03/05 17:16 📱:N904i 🆔:CoKvvlsU


#95 [選ばれた男(2/2)に]
私はもう年を取りすぎたからと、断ろうとしたのに
今からでも遅くはないと君は言ってくれたから。

ああなんて素晴らしいのだろう。この沸き上がる喜びはなんだろう。
そう、これはチャンスだ。レールの上に敷かれた人生から、飛び出すチャンスだ!
私は素晴らしい世界を知らない。虹色に輝く毎日を知らない。味わったことがない。煌めいた景色を。素晴らしい人達を。まだ見ぬ敵を。

見てみたい。
見てみたい。

見たいんだ。
旅立ちは、今だ。

少しの金と食料があれば充分だ。仲間は、旅先で増えていくさ。

親には、伝説になった時にまた顔を見せに行けばいい。家庭を持っていない私には持ってこいの条件ではないか。


―準備は、できた。
心臓が高鳴っている。体中を暴れる様に強く血液が波打っている。重い腰を上げた私の膝が、震えている。

でも私はもう逃げない。振り返らない。
強くなりたいなら前へ進めと君が教えてくれたから。

額に流れる汗を吹く。もう大丈夫、大丈夫だ。怖くないと言えば嘘になるが、それ以上の希望が私にはあるんだ。


私を待っているのは、輝く未来だ!!!!!!






そうして私は、君に教えて貰った通り
ビルの屋上から飛び降りた。

⏰:08/03/05 17:23 📱:N904i 🆔:CoKvvlsU


#96 [◆vzApYZDoz6]
《現在のまとめ》

◆vzApYZDoz6さんの作品
往年のライバル(1/1)
>>5
奇怪な電話(2/2)
>>6
>>9
あの頃の思い出(2/2)
>>10-11
ギャグカオスなシュール(1/1)
>>12
賭け(3/3)
>>19-21
ゆびきりげんまん(2/2)
>>23-24
雪(2/2)
>>26-27
親御さん(1/1)
>>37
河上彦斎(3/3)
>>43
>>45-46
雨のち晴れ(2/2)
>>51-52
あだ名で呼んでほしいシュール(2/2)
>>53-54
今から(1/1)
>>63

⏰:08/03/05 21:38 📱:P903i 🆔:/Un8CKCQ


#97 [◆vzApYZDoz6]
◆vzApYZDoz6さんの作品
夢見て、常日頃
>>71-72
始まりは白紙から
>>73
ありがとう。さようなら
>>86-88
Bloody Valentine
>>91
トイレ借りたいシュール
>>92-93

梓さんの作品
真夜中の着信(2/2)
>>14-15

⏰:08/03/05 21:39 📱:P903i 🆔:/Un8CKCQ


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