【コラボ企画】秋のラノベ祭り投下スレ【withイラスト板】
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#351 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
元気よく挨拶をすると、驚いたようにこちらを振り向く大好きな顔。
途端に輝くような笑顔に変わり、私の気分をより一層高揚させた。
恐らく先輩には訳がわからないだろうが、私は何の前触れもなく突然『青空』を語り始める。

「青空と雲の比率がポイントなんですっ!」

私の元気な声が早朝の冷たい空気に溶けていった。

…何か、良いことがあったような気がする。
そう、
私はこの空が好きだ。

⏰:08/11/03 23:59 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#352 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
>>347-351
イラストNo.55
『青空』です

訳のわからない話でごめんなさい!

次の方どうぞっ

⏰:08/11/04 00:00 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#353 [向日葵]
Y005のイラストを使わせて頂きます。

タイトル「時間のぬくもり」

⏰:08/11/04 00:02 📱:SO906i 🆔:1uZDS5G2


#354 [向日葵]
貼り忘れ

bbs1.ryne.jp/d.php/illust/1144/19

⏰:08/11/04 00:03 📱:SO906i 🆔:1uZDS5G2


#355 [向日葵]
ねぇ、ほんの少しでいいの。
思い出して笑ってくれれば、それだけで嬉しいわ……。

―――――――――…………

「こんの……クソ親父ぃーっ!!」

どうして!?
私にその疑問がつきまとった。

私はすぐそばにあったクッションを親父に投げつける。
親父はそんなもの痛くもかゆくもないという風に大あくびをする。そんなだから、私の憤りの炎は大きくなる。

「今日がなんの日か忘れたってどういうことよ!」

「あのなぁサキ、人っていうのはどんどん老いぼれていくんだよ。それに比例して物忘れも激しくなる。オーケー?」

⏰:08/11/04 00:04 📱:SO906i 🆔:1uZDS5G2


#356 [向日葵]
ぼりぼりと散髪に行かず伸ばしっぱなしの髪の毛をかき回す。
今日は珍しく親父の仕事が休みだし、丁度いいと思った私が馬鹿だった。
とどめとばかりに、持っていた学校鞄を親父のスネめがけて当ててやる。
これは効いたのか、親父はその場に声にならない悲鳴を上げてうずくまる。

「いってきますっ!!」

力任せに玄関の戸を閉めて、アパート階段をかけ降りる。

私のお母さんは、1年前に亡くなった。
もともと心臓が悪かったお母さんだけど、ニコニコ笑っていて大好きだった。
そんなお母さんが亡くなる前に言ったお願いがある。

⏰:08/11/04 00:04 📱:SO906i 🆔:1uZDS5G2


#357 [向日葵]
それを……あの馬鹿クソ親父はぁーっ!!

―――――――――…………

学校が終わって、夕食の材料を入れたスーパーの袋を持った私は帰宅した。

居間から入ってくる風に気づいて覗いてみれば、ベランダに続く戸の戸口に親父が夕日を眺めていた。

「……ただいま」

「んー……」

私に背を向けたまま、親父はそう言った。

親父は確かに面倒くさがりだし、のんびり屋だし、根性曲がってる部分だってある。

⏰:08/11/04 00:06 📱:SO906i 🆔:1uZDS5G2


#358 [向日葵]
それでも、お母さんが大好きだった事は知ってる。
なのに、そんなお母さんの最期の言葉すら、たった1年という短い間に忘れてしまえるのだろうか。

それが分からないから、私は憤りと共に不安にも似た気持ちを胸中につのらせる。

「親父の……馬鹿……」

気づけば涙で頬を濡らしていた。

「どうして……?本当に分からないの?お母さんの言葉は、親父にとってそんな簡単なものだったの!?」

親父は黙っている。
その背中からは、今どんな気持ちでいるのかは分からなかった。

「……分かった。もういい」

⏰:08/11/04 00:06 📱:SO906i 🆔:1uZDS5G2


#359 [向日葵]
私は自分の部屋に行こうとした。

「忘れるわけないだろう」

私は足を止める。
目を見開いて親父を見るが、さっきと体勢は変わっていなかった。
ただ、さっき見た背中よりも悲しそうに感じた。
そして私にはなった言葉も、微かに震えている気がした。

「思い出したら……失ってしまった事に耐えれないと思った。当たり前だろ……、生涯愛すると誓った相手なんだからよ……」

私は知っていた……。

お母さんが亡くなった日、泣きじゃくる私を慰める為、自分は泣くまいと頑張っていた親父を。

⏰:08/11/04 00:07 📱:SO906i 🆔:1uZDS5G2


#360 [向日葵]
通夜の後、皆が寝静まってしまった頃、もう冷たいお母さんの手を握り締めて、「ありがとう」と涙ながらに呟いていたことを。

でも、お母さんは言った。

「命日には、お母さんとの思い出を笑って話してねって約束したんだからさ、悲しむんじゃなくわらおうよ。そしたらさ、お母さんだって、きっと……」

「……そうだな」

亡くなった人の思い出は、年月と共に悲しくも薄れていく。
だからせめて1年に1度は思い出そう。

大好きな人と過ごした、愛しい時間達を……。

―fin―

⏰:08/11/04 00:08 📱:SO906i 🆔:1uZDS5G2


#361 [向日葵]
>>353-360
「時間のぬくもり」

ご協力頂いた絵師の皆様、ありがとうございました

次の方どうぞー

⏰:08/11/04 00:09 📱:SO906i 🆔:1uZDS5G2


#362 [8]
遅くなりました。
投下します(^O^)

⏰:08/11/04 00:55 📱:W52SA 🆔:xpWYpMNU


#363 [8]
画像No.54

一輪の花

⏰:08/11/04 00:56 📱:W52SA 🆔:xpWYpMNU


#364 [8]
昔、鎖国から解かれ文明の進歩した国のとある屋敷から始まるこの物語


「手は尽くしましたがお嬢さんはもう…」



真也は走った

病に伏せている揚羽(アゲハ)様のため崖に咲く一輪の花を摘む為に…

⏰:08/11/04 00:57 📱:W52SA 🆔:xpWYpMNU


#365 [8]
時はさかのぼり、屋敷より二里ほど先の海岸


「波の音が素敵ですね、真也さん。」

『そうですね、お嬢様。』
お嬢様と呼ばれた少女を乗せた車イスを押す少年がキラキラと光る波を見ながら答えた。

⏰:08/11/04 00:58 📱:W52SA 🆔:xpWYpMNU


#366 [8]
 
「この海の向こうにはこの国とは違う言葉、文化が栄えているのですよ。
その中に私の病を治す方法もあるかもしれないとお父様が言ってました。」

『そうなのですか?』

「ええ、今その文化、風習がこの海を渡って来て私達の国をさらに豊かにしているそうです。」
揚羽は目を輝かせながら言った。
 

⏰:08/11/04 00:59 📱:W52SA 🆔:xpWYpMNU


#367 [8]
 
真也は少し息を吐き、
『私は屋敷で生まれ、ずっと使用人として生きてきたので難しい事はあまりよくわかりません。

でもこの場所にお嬢様をお連れするとお嬢様が嬉しそうになさるので私も嬉しいです。』

「フフッ、ありがとう真也さ… あっ!ここで止めてください」
 

⏰:08/11/04 01:00 📱:W52SA 🆔:xpWYpMNU


#368 [8]
 
真也は崖の下で車イスを止めた。

見上げてみると数十メートルはあろうかという切り立った崖の中程には屋敷の周りには咲かない名も知らぬ一輪の花が咲いていた

海岸に散歩に出かけると二人はいつもこの場所で花を見上げるのであった。
 

⏰:08/11/04 01:01 📱:W52SA 🆔:xpWYpMNU


#369 [8]
 
「素敵…」
揚羽は花を見上げながら呟いた。
『お嬢様はあの花がとてもお好きなのですね。』

「ええ。もっと近くで見てみたい。」

『ならば私が取って参ります。』
真也は胸を張りつつ言った 

⏰:08/11/04 01:02 📱:W52SA 🆔:xpWYpMNU


#370 [8]
 
「…いいえ、あの崖を登って万が一真也さんの身に何かあったら私は…
ごめんなさい、ワガママばっかりで、」

揚羽の瞳が涙の膜でうっすらと滲んでいた

『お嬢様…』
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「アゲハって呼んでくれませんか?」

『え?…』
 

⏰:08/11/04 01:03 📱:W52SA 🆔:xpWYpMNU


#371 [8]
 
それから数日とたたぬ内に揚羽様の容体は急変し今に至る


真也はあの花を揚羽様に届ける為、崖の僅かなくぼみに指をかけ登っていた
下は真っ暗闇で地面を見ることはできない
ただ波の音だけが闇の中に響き渡っていた。
 

⏰:08/11/04 01:04 📱:W52SA 🆔:xpWYpMNU


#372 [8]
 
花まであと数メートル、
登っていくにつれ体がどんどん重くなっていく。
腕がもう吊りそうだ

だが俺は諦めない。
俺はまだ揚羽様に、いやアゲハに想いを伝えていないんだ!
例えこの身に何かあろうと花をアゲハに!!
 

⏰:08/11/04 01:05 📱:W52SA 🆔:xpWYpMNU


#373 [8]
 
腕に力を込め再び登りだした真也
先程までの体の痛みは気にはならなくなっていた。

そして遂に花に手を伸ばし、真也は花を手に入れたのだ。

『やった…やったぞ!!』

歓喜にわく真也
と、その刹那!

⏰:08/11/04 01:06 📱:W52SA 🆔:xpWYpMNU


#374 [8]
 
ガラッ…

『う、うわぁぁぁぁぁ!!』
突如手を掛けていたくぼみが崩れ、真也は闇の中に落ちていく…


この高さから落ちれば間違いなく待っているのは死、
真也はその現実に身をゆだねる事しか出来なかった。

だがその時、
真也の周りを白い光が包んだ

「シン…ヤ…サン」
 

⏰:08/11/04 01:08 📱:W52SA 🆔:xpWYpMNU


#375 [8]
 
 
 
 
「午前1時24分…
 ご臨終です…」

『そ、そんな…揚羽、
 アゲハァァァァ!!』

揚羽の両親はその夜まだほのかに暖かい娘を抱きしめ泣き続けた。
 

⏰:08/11/04 01:09 📱:W52SA 🆔:xpWYpMNU


#376 [8]
 
夜が明け水平線から太陽が出てきた

『ん、ここは…』
真也は崖の下に倒れていた。

『そうか、俺は崖から落ちて…しかも助かったどころか怪我ひとつしていない。
それにあの光は…』

そう考えてる時に真也は手元にある花に触れた。

『! 急がなくては!!』
 

⏰:08/11/04 01:10 📱:W52SA 🆔:xpWYpMNU


#377 [8]
 
真也は屋敷への道をひた走った。

その途中真也は一匹の蝶が花の周りを飛んでいるのに気付いた。




  ―揚羽蝶―

bbs1.ryne.jp/d.php/illust/1144/129
真也は走るのを止めこの蝶に見入っていた。
 

⏰:08/11/04 01:12 📱:W52SA 🆔:xpWYpMNU


#378 [8]
 
鮮やかな極彩色の羽が今日はなぜか狂おしい程に愛しかった。



真也の瞳から流れる一筋の涙

全てを悟ったかのように、真也は道の脇に花を挿し、一言
『ありがとう』と言い屋敷へと去っていった。



「アリガトウ…シンヤサン」
 

⏰:08/11/04 01:14 📱:W52SA 🆔:xpWYpMNU


#379 [8]
>>363-378
ありがとうございました!
短編初挑戦でダメダメかもしんないけど今を出しきりました。

次の方どうぞo(*´∀`*)o

⏰:08/11/04 01:18 📱:W52SA 🆔:xpWYpMNU


#380 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
こっちも久々あげ

⏰:09/02/02 14:27 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#381 []
>>1-50
>>51-100
>>101-150
>>151-200
>>201-250
>>251-300
>>301-350
>>351-400
>>401-450

⏰:09/09/04 23:14 📱:SH904i 🆔:nVJyS6uk


#382 [○○&◆.x/9qDRof2]
(´∀`∩)↑age↑

⏰:22/10/04 08:39 📱:Android 🆔:nH.OoPsQ


#383 [○○&◆.x/9qDRof2]
>>330-360

⏰:22/10/07 21:01 📱:Android 🆔:GR1soPvw


#384 [○○&◆.x/9qDRof2]
>>1-30

⏰:22/10/07 21:02 📱:Android 🆔:GR1soPvw


#385 [○○&◆.x/9qDRof2]
↑(*゚∀゚*)↑

⏰:22/10/17 22:01 📱:Android 🆔:We5gljpk


#386 [○○&◆.x/9qDRof2]
>>340-380

⏰:22/10/17 22:02 📱:Android 🆔:We5gljpk


#387 [わをん◇◇]
>>9-100

⏰:23/01/02 13:18 📱:Android 🆔:jK5SBgKM


#388 [わをん◇◇]
>>100-200

⏰:23/01/02 13:19 📱:Android 🆔:jK5SBgKM


#389 [わをん◇◇]
>>140-240

⏰:23/01/02 13:21 📱:Android 🆔:jK5SBgKM


#390 [わをん◇◇]
>>240-340

⏰:23/01/02 13:21 📱:Android 🆔:jK5SBgKM


#391 [わをん◇◇]
>>340-360

⏰:23/01/02 13:24 📱:Android 🆔:jK5SBgKM


#392 [わをん◇◇]
>>360-380

⏰:23/01/02 13:25 📱:Android 🆔:jK5SBgKM


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