$ 貢ぎちゃん「ユリサ」 $
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#301 [りぃ]

萌の話によると、
ホテルを出ようとしたところへ
ちょうどメンバーが入ってきたらしく
ばったり鉢合わせて
少しだけ話をしたらしい。

『じゅん君なんか私を見るなり
 “ユリサちゃんは?”
 って真っ先に聞いてきたよー。
 部屋にいます!ってだけ
 言って去ってきたから
 突撃してくるかもね♪』

⏰:09/08/12 17:47 📱:P905i 🆔:fhGyKXEQ


#302 [りぃ]

萌はそれだけ言うと
私の返事も聞かずに
電話を切ってしまった。


(…じゅん君に遭遇しちゃうなら
 私もコンビニ行っとけばよかったー!!
 萌まじ運良すぎる…)

ひとりでそんなことを考えながら
ゆるめの巻き髪を仕上げた。

⏰:09/08/12 17:52 📱:P905i 🆔:fhGyKXEQ


#303 [りぃ]

髪も完成し、全身鏡の前に立ってみる。

服は部屋で着るために持ってきた
キャミタイプのピンクのワンピ。
ブリブリした可愛らしさとエロさが
紙一重なところが気に入っている。
足元は、ストーンがごろごろ付いた
同じくピンクのミュールで
美脚効果も忘れない。

よし。準備は完璧!

⏰:09/08/12 20:03 📱:P905i 🆔:fhGyKXEQ


#304 [我輩は匿名である]
もの凄く自分に自信持ってるんですねwww

⏰:09/08/12 20:18 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#305 [りぃ]

>>304さん
何を持ってそう思ったか謎ですが
ありがとうございます!w
あと感想板は別なので
↓こちらにお願いします

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/4461/

よかったらこれからも
覗いてくださいね

⏰:09/08/12 21:37 📱:P905i 🆔:fhGyKXEQ


#306 [りぃ]

身支度を済ませてからは、
なんだか落ち着かず
荷物を部屋の端にまとめたり
服やアクセを片付けたりしつつ
萌の帰りを待った。


コンコンッ

部屋の中であたふたしていると
不意にドアがノックされた。

──萌!やっと帰ってきた!

⏰:09/08/12 21:53 📱:P905i 🆔:fhGyKXEQ


#307 [りぃ]

ドアを少しだけ開けて
隙間から顔を出すと
そこに居たのは萌ではなかった。

「あれ?じゅん君!」

「入っていい〜?」

壁にもたれ掛かりながら
甘えたように言うじゅん君の
笑顔がいつになく可愛く見える。

⏰:09/08/14 08:17 📱:P905i 🆔:eD2uCRI2


#308 [りぃ]

でも…萌がいないときに
勝手にじゅん君を部屋に入れても
いいものかな…

そう考えていると、同じタイミングで
じゅん君が口を開いた。

「あ、萌ちゃんなら
 さっき下で会ったとき
 翔のとこに来るって話になってたよ。
 ちょうどいいじゃん♪」
「え?!いつの間に!!」

そんな話聞いてなーい!

⏰:09/08/14 09:47 📱:P905i 🆔:eD2uCRI2


#309 [りぃ]

「萌戻ってこないの?」

「うん。多分ね。」

萌が戻ってこないなら…
じゅん君が来てても別にいいか!

私は半開きだったドアを開けて
じゅん君を部屋へ迎え入れた。

⏰:09/08/14 11:14 📱:P905i 🆔:eD2uCRI2


#310 [りぃ]

「今日さ〜ステージ出てすぐ
 ユリサちゃんわかったよ。
 萌ちゃんとふたりですげー目立つね!」

笑いながら話すじゅん君の言葉を聞いて
やっぱり萌の言ってたことは
本当だったんだと実感した。

実際にじゅん君本人の口から聞くと
尚更嬉しい。

⏰:09/08/14 11:29 📱:P905i 🆔:eD2uCRI2


#311 [りぃ]

話しながら部屋の中へ入ると
じゅん君はすぐにベッドに飛び込み
枕を抱えてごろごろしながら
テレビを眺めてくつろいでいる。

まさにプライベート感満載な
じゅん君の姿に自然と顔がほころぶ。

「ユリサちゃん達明日何するの〜?」

不意にじゅん君がベッドから
私のほうを見上げて尋ねてきた。

⏰:09/08/14 13:20 📱:P905i 🆔:eD2uCRI2


#312 [りぃ]

「明日は観光するの〜♪
 じゅん君達は移動日でしょ?」

もうひとつのベッドに
腰を下ろしながら
明日の予定をお互いに話していた。


そんな中、不意に

「こっちおいでよ。」

じゅん君が寝そべったまま
自分の隣のスペースを
ポンポンッと叩きながら
私を隣に呼んだ。

⏰:09/08/19 13:24 📱:P905i 🆔:E2xvdyVQ


#313 [りぃ]

ツアーが始まる前は、
なんとしてでもじゅん君との
関係をツアー中に発展させようと
必死になっていたけど
実際にじゅん君の優しい
笑顔を見ていると
何も考えず、思うままに
じゅん君に甘えてみたい
と純粋に思えた。

計算なんかいらない。

⏰:09/08/19 13:37 📱:P905i 🆔:E2xvdyVQ


#314 [りぃ]

「じゃあ添い寝してあげるよ〜♪」

私は精一杯の勇気を出して
強がりを言いながら
じゅん君の隣にすり寄った。

うつ伏せで頬杖をついているじゅん君の隣に、
同じ体勢になってみる。

今までにない至近距離に
ひたすらドキドキしてしまう。

⏰:09/08/22 13:35 📱:P905i 🆔:./W8id3U


#315 [りぃ]

「なんかいいにおいする〜」

ただでさえ近い距離で
じゅん君は更に私の髪に
顔を近づけてくる。

私はドキドキしながらも
じゅん君の態度が嬉しかった。

しばらく喋りながら
自然な流れでお互いに
肩に寄りかかったり
相手の背中を枕にしたり
仲良くごろごろしていた。

⏰:09/08/22 14:35 📱:P905i 🆔:./W8id3U


#316 [りぃ]

なんか…
普通のカップルみたいで
すごい幸せなんだけど!!


自分の立場は相変わらず
よくわからないけど
もうそれはそれでいいや。

形式的なことをいちいち
考えるのはやめよう。


じゅん君の腕から伝わる体温を
感じながらそう思った。

⏰:09/08/22 15:15 📱:P905i 🆔:./W8id3U


#317 [りぃ]


──あれ…?


気がつくとテーブルの上で
携帯のアラームが鳴っていた。

「えっ?…は!?」

いつの間にか眠ってしまった私は、
同じく眠っているじゅん君に
寄り添っている体勢のまま我に返った。

⏰:09/08/24 13:41 📱:P905i 🆔:kgcrmQGw


#318 [りぃ]

──うそーっ?!朝?!

ベッドから降りて
アラームが鳴り続ける携帯を
見てみると、"8:00"の表示。

「……」

ベッドを振り返ると
じゅん君はうつ伏せのまま
すやすやと眠っている。

⏰:09/08/24 13:47 📱:P905i 🆔:kgcrmQGw


#319 [りぃ]

そうか…昨日だらだらしてるうちに
そのまま寝ちゃったんだ…!

昨日の記憶を辿ってみると
やっと状況を把握できた。

──せっかくじゅん君が
  部屋に来てくれたのに
  もったいないことしちゃった…

⏰:09/08/24 13:54 📱:P905i 🆔:kgcrmQGw


#320 [りぃ]

ふと目の前の鏡を見ると
アイラインが少し滲んだ
自分の顔が映っていた。

──化粧したまま寝ちゃった!!
  最悪〜…。でもじゅん君いるし
  すっぴんよりマシか…

滲んだアイラインと、
浮き気味のファンデーションを
ティッシュで軽く押さえ、
じゅん君に歩み寄って声をかけた。

⏰:09/08/24 14:02 📱:P905i 🆔:kgcrmQGw


#321 [りぃ]

「じゅん君っ。8時だよ!」

じゅん君の肩を軽く叩きながら
何度か声をかけると
じゅん君はぼんやりと目を開けた。

「ごめんね、時間大丈夫かな?
 もっと早く起こすべきだった?」

メンバーの集合時間を
昨日のうちに聞いておけばよかった
と気付きとても心配になった。

⏰:09/08/24 14:29 📱:P905i 🆔:kgcrmQGw


#322 [りぃ]

「………?」

私の突然の呼び掛けに、
じゅん君は寝ぼけ眼で
ぼんやりとしている。

「…あれ?俺いつ寝た…?」

仰向けに寝返りを打ちながら
徐々に意識がはっきりしてきた
じゅん君はそう言って
側にあった自分の携帯で
時間を確認した。

⏰:09/08/25 18:23 📱:P905i 🆔:FhWL5cMk


#323 [りぃ]

「いつ寝たか私もわからないのー。
 いつの間にか寝ちゃってた…」

私が申し訳ない気持ちでそう言うと
じゅん君は笑いながら答えた。

「あ、まじでー?
 それならよかった。
 俺だけ先に寝落ちしたかと思ったー」

こういう時でも私のことを
気にかけてくれるさりげない
優しさに相変わらず嬉しくなる。

⏰:09/08/25 20:42 📱:P905i 🆔:FhWL5cMk


#324 [りぃ]

「ねぇ、それで集合時間は?大丈夫?」

私は気になって仕方ない
メンバーの集合時間を再び尋ねる。

「時間?10時だからまだ全然大丈夫!」

すっかり目も覚めたじゅん君が
余裕で答えた返事に私もほっと安心した。

⏰:09/08/26 10:08 📱:P905i 🆔:iK5p42OQ


#325 [りぃ]

「シャワー浴びてこよー」

そう言うとじゅん君は
ボサボサになった髪を気にしながら
バスルームへ向かっていった。

「…あっ!!」

バスルームに入ったばかりのじゅん君が
声をあげ、慌てた様子で
ひょこりと顔を覗かせる。

⏰:09/08/26 11:08 📱:P905i 🆔:iK5p42OQ


#326 [りぃ]

「なに?どうしたの?」

「やべぇ。
 シャンプーとか部屋に置いてきた!
 俺ホテルのシャンプー無理なのに!」

「…なんだ〜そんなこと?」

拍子抜けすると同時に
慌てるじゅん君の様子が
なんだか可愛くて無性に可笑しくなった。

⏰:09/08/26 11:19 📱:P905i 🆔:iK5p42OQ


#327 [りぃ]

「私のやつがそこにあるから
 適当に使っていいよ。
 カラーダメージにかなり効くの♪」

バスルームを覗き込み
バスタブの脇に置いておいた
シャンプーやトリートメント一式を
指差しながら説明する。

「まじ?助かるー!!じゃ借りるね♪」

バスルームのドアを閉めながら
慌ただしいながらもじゅん君と一緒に
朝を過ごしている楽しさを実感した。

⏰:09/08/26 12:10 📱:P905i 🆔:iK5p42OQ


#328 [りぃ]

──なんか可愛いなぁ〜じゅん君♪

私は相変わらず
じゅん君のことばかり考えながら、
鏡の前に座って髪の乱れを直したり
ベースメイクを直したりして
じゅん君が戻ってくるまでの
時間を過ごした。

⏰:09/08/26 12:41 📱:P905i 🆔:iK5p42OQ


#329 [りぃ]

「すげーユリサちゃんの
 匂いに包まれてる!」

バスルームのドアが開いたかと思うと
じゅん君がそう言いながら出てきた。

じゅん君と一緒に、
使い慣れたフルーティな香りが
室内に流れ込んでくる。

「あのトリートメントかなり
 サラサラになるでしょ?」

「うん、まじ良いね!」

⏰:09/08/26 13:41 📱:P905i 🆔:iK5p42OQ


#330 [りぃ]

「ドライヤーの前にコレつけると
 もっと良いよ♪」

頭にバスタオルを被ったじゅん君に
私は別のトリートメントを差し出す。

「ドライヤーめんどくせ〜」

その言葉どおりじゅん君は
面倒そうにベッドに腰を下ろした。

⏰:09/08/26 14:01 📱:P905i 🆔:iK5p42OQ


#331 [りぃ]

「え?!だめだめ!
 濡れた髪は傷みやすいんだよ!
 ライブが続くとセットで尚更傷むでしょ?
 めんどくさいなら私がやってあげるよ。」

私はじゅん君の座るベッドの脇に立って
じゅん君の髪にトリートメントを
馴染ませドライヤーをかける。

じゅん君は大人しくテレビを眺めていた。

⏰:09/08/26 14:20 📱:P905i 🆔:iK5p42OQ


#332 [りぃ]

「なんか…俺ら子供と親みたいじゃん」

じゅん君の言葉にふたりで笑う。

このまったりした雰囲気が嬉しくて
普通のカップルのような時間を
過ごせていることが何より幸せだった。

⏰:09/08/26 14:32 📱:P905i 🆔:iK5p42OQ


#333 [りぃ]

その後ふたりで朝食代わりに
お菓子を食べながら
テレビを見てくつろいだり
髪型をアレンジして遊んだり
のんびりとした時間を過ごした。

気がつけば時間は
9時半をまわっていた。

⏰:09/08/26 14:41 📱:P905i 🆔:iK5p42OQ


#334 [りぃ]

「そろそろ行くかなー。
 一旦部屋戻って支度しないと。」

じゅん君がテレビ画面に表示された
時間を見てそう切り出すと
またライブで会えると
わかっていながらも
不意に寂しさが募る。

「名古屋でも部屋来てくれる…?」

口をついて出た言葉に
自分でもハッとした。

図々しくなっちゃいけないのに…

⏰:09/08/26 14:50 📱:P905i 🆔:iK5p42OQ


#335 [りぃ]

「当たり前じゃーん♪
 じゃ、俺行くね。また連絡する〜」

私の不安と裏腹にじゅん君は
笑顔でそう答えると部屋を出ていった。


ひとりになった途端、
急に静かになったように感じた。

じゅん君が使った
トリートメントの香りだけが
まだ部屋中に漂っている。

⏰:09/08/26 14:58 📱:P905i 🆔:iK5p42OQ


#336 [りぃ]

じゅん君が出ていってすぐに
部屋のドアがノックされ、
タイミング良く萌が戻ってきた。

「じゅん君今出てったでしょ?
 すぐそこで会ったよ。
 ユリサと同じ匂いだったけど
 一緒にお風呂入ったの〜?♪」

相変わらず萌はニヤニヤしながら
私に質問を浴びせる。

⏰:09/08/26 15:17 📱:P905i 🆔:iK5p42OQ


#337 [りぃ]

「ううん、シャンプーとか貸しただけ。
 昨日も全っ然何もなかったの〜…」

「え?!何もなかったの?!
 私すぐ翔くんとエッチしちゃった♪
 セフにしてくれるって♪
 でもユリサは本カノ候補で大切に
 されてるんだから別にいいじゃん!」

萌は明るく喋り続ける。

⏰:09/08/26 15:49 📱:P905i 🆔:iK5p42OQ


#338 [りぃ]

「あっ、それとね!見てこれ。
 写メなんだけどさ〜…」

萌は話しながら携帯を開き
なにやら操作をした後、
画像を表示させた状態で
私に差し出した。

「ほら、翔くんの寝顔〜っ♪」

見ると、そこには萌の言う通り
寝ている翔くんの顔の画像が
表示されている。

⏰:09/08/26 17:50 📱:P905i 🆔:iK5p42OQ


#339 [りぃ]

「ツーショットとか〜、
 いっぱい撮っちゃった♪」

萌に何枚か画像を見せられながら
私は純粋に思い出のための
写メだとばかり思っていた。


「この寝顔写メとか、どう使うかわかる?」

萌にこう聞かれるまでは──。

⏰:09/08/26 17:54 📱:P905i 🆔:iK5p42OQ


#340 [りぃ]

「"使う"…?」

当然、私は意味などわからなかった。

「知りたい?♪」

萌はニヤリと笑って続ける。

「この写メはね〜、
 もしいずれ翔くんから
 一方的に切られたら
 掲示板に晒すの〜っ♪
 暴露ブログとかもいいよね〜」

萌は楽しそうに高笑いした。

⏰:09/08/26 18:03 📱:P905i 🆔:iK5p42OQ


#341 [りぃ]

「…なにそれ、怖〜っ!!」

私は驚くしかなかった。

「え?なんで?別に普通だよ?
 だって切られた挙げ句、
 肉便器とか言われたくないじゃん。
 切る方にもそれなりの
 リスクが無いとね♪
 実際そうやって復讐する人多いんだよ。」

萌は大真面目に復讐劇を語った。

⏰:09/08/26 18:21 📱:P905i 🆔:iK5p42OQ


#342 [りぃ]

──次の日──

ホテルをチェックアウトすると、すぐに
次なるライブ地である名古屋へ向かった。

じゅん君と離れてまだ
1日しか経っていないのに
1秒でも早く会いたくてたまらない。

そんな気持ちでワクワクしながら
移動時間を過ごした。



その頃じゅん君に起こっている
出来事なんて私は知る由もない。

⏰:09/08/29 14:12 📱:P905i 🆔:AUe0Ewnc


#343 [りぃ]

名古屋で空港に降り立つと、
私は真っ先にじゅん君にメールで
名古屋に着いたことを知らせた。

今日はライブは空き日のため
メンバーの予定がわからない。

オフかもしれないし、
それなりに予定があるのかもしれない。

──いつ会えるんだろう
  どこで会えるんだろう
  もしオフだったら一緒に
  どこかに行けるかな?

⏰:09/08/29 14:25 📱:P905i 🆔:AUe0Ewnc


#344 [りぃ]

空港からひとまず
今日のホテルへ向かいながら
考えるのはじゅん君のことばかり。

ただ、いつもはすぐに返ってくる
メールがなかなか返ってこない。

──やっぱり何かお仕事か…

残念に思いながらも、夜には会えると思い
特に深くは考えていなかった。

⏰:09/08/29 14:29 📱:P905i 🆔:AUe0Ewnc


#345 [りぃ]

「じゅん君から連絡ないの?」

ホテルで部屋に入るなり、
携帯ばかり気にする私の様子を
察した萌が問い掛けてきた。

「うん…。なんか仕事なのかも。」

「じゃあとりあえずどっか出かける?」

萌はさりげなく気を遣い
私を気分転換に誘ってくれた。

⏰:09/09/01 11:59 📱:P905i 🆔:SKf2jji6


#346 [りぃ]

食事をしても、買い物をしても
何をしていても、どこを歩いていても
頭はぼんやりしていて
心のどこかでじゅん君のことを
常に考えてしまっていた。

せっかく気を遣ってくれる萌をよそに、
私は何一つ楽しめないまま
夕方を迎えてしまった。

⏰:09/09/04 16:40 📱:P905i 🆔:ljPHVbQ.


#347 [りぃ]

「あ。電話だ。…あれ?」

携帯に目線を落とした萌が
意外そうに声をあげた。

「翔君だよ!仕事終わったんじゃない?」

「うそ!」

萌にかかってきた翔君からの電話で、
私にもじゅん君からの連絡が
あるかもしれないと、
必然的に期待が高まった。

⏰:09/09/04 16:48 📱:P905i 🆔:ljPHVbQ.


#348 [りぃ]

「もしもし〜?仕事終わった?」

萌が電話で話す隣で様子を伺う。
じゅん君は今どこで何をしてるの?
ただそれだけが知りたかった。

「え?!うそ…」

萌は、電話口の翔君の言葉に
なにやら驚いたらしく、
驚愕の声をあげると混乱した様子で
隣に居る私に背を向けた。

⏰:09/09/04 16:59 📱:P905i 🆔:ljPHVbQ.


#349 [りぃ]

「いや、でも…」

萌は話しながら私から数歩離れ、
心なしか私に電話の内容を
聞かれたくないかのようにも
見受けられた。

──なんとなく嫌な予感がする…。

⏰:09/09/04 17:01 📱:P905i 🆔:ljPHVbQ.


#350 [りぃ]

「うん、じゃあ一旦ホテル戻るわー。
 じゃあねー。」

私には様子がよくわからないまま
萌は電話を終え、私たちは
一度ホテルへ戻ることになった。

「翔君なんて言ってた?」

「……」

萌の気まずそうな表情が、
尚更私の不安を煽る。

⏰:09/09/04 17:06 📱:P905i 🆔:ljPHVbQ.


#351 [りぃ]

「…萌??」

「いやぁ…なんかね、
 …今日オフらしいよ?」

萌は申し訳なさそうに口を開いた。

「…え?」

「仕事終わった?って聞いたら
 今日はオフだったって…」

──どうゆうこと…?!

⏰:09/09/04 17:15 📱:P905i 🆔:ljPHVbQ.


#352 [りぃ]

「…もちろんじゅん君もだよね…?」

「うん、多分…」

「……」

ふたりの間に不穏な空気が流れる。

「まあ、とりあえずホテル戻って
 翔君に聞いてみよう!ね?」

萌に促され、真実を知りたいような
知りたくないような複雑な
心境でホテルへと歩き出した。

⏰:09/09/04 17:19 📱:P905i 🆔:ljPHVbQ.


#353 [りぃ]

じゃあ今何をしてるの?
放置なんかされたことないのに…

何だろう、この悲しさ…
なんか虚しい…


ホテルへ到着しても尚、
頭の中をぐるぐると
いろんな思いが巡る。

萌も私にかける言葉が見つからないのか、
ふたりで黙り込んだまま
ホテルのエントランスへと入った。

⏰:09/09/04 17:24 📱:P905i 🆔:ljPHVbQ.


#354 [りぃ]

「とりあえず翔君の部屋行くけど
 ユリサも一緒に行く?」

「……」

正直、この状況で事実を知るのは怖い。

でもこのままじゃ気になって仕方ないし
じゅん君にも連絡つかないから
とにかく翔君から話を
聞いてみるしかない。

「…私も行く!」

⏰:09/09/04 17:30 📱:P905i 🆔:ljPHVbQ.


#355 [りぃ]

「あれ?確かじゅんの…」

「ユリサです。」

ドアを開けて部屋の中から
出てきた翔君は
萌と一緒にやって来た
私を見て少し驚いた顔をした。

私が名乗るや否や、
萌は翔君を質問攻めにする。

「今日オフだったの?!
 今1人?じゅん君は?どうしてるの?」

⏰:09/09/04 17:39 📱:P905i 🆔:ljPHVbQ.


#356 [りぃ]

「いや、まぁ落ち着けって。
 とりあえず中入れよ。」

翔君は萌をなだめながら
私たちを部屋へ迎え入れてくれた。

「で?どうしたって?」

あまり状況が飲み込めていない
翔君が不思議そうに尋ねる。

⏰:09/09/04 17:50 📱:P905i 🆔:ljPHVbQ.


#357 [りぃ]

「いつもマメなじゅん君から
 今日は全然連絡が返ってこないから
 勝手に仕事なんだろうと
 思ってたんですけど
 オフだって聞いて驚いちゃって…。
 何かあったんですか…?」

一気に話す私の言葉を
翔君は真剣に聞いてくれた。

⏰:09/09/04 17:54 📱:P905i 🆔:ljPHVbQ.


#358 [りぃ]

「てゆうか俺はユリサちゃんと
 一緒なんだとばかり思ってたけど
 違ったのか。」

そう言って翔君はしばらく
回想するように何かを考えると
何かを思い出し再び口を開いた。

「てことは、あれだな」

⏰:09/09/04 17:58 📱:P905i 🆔:ljPHVbQ.


#359 [りぃ]

──やっぱり何かあったんだ…!

「あれってなんですか?!」
「なんかあったの?!」

私と萌はほぼ同時に食い付いた。

「昨日さぁー、あいつ珍しく
 酔い潰れて財布をね…
 どっかで落としたらしく
 朝からかなりヘコんでたんだよね。」


──え!!なにそれ…!

⏰:09/09/04 18:08 📱:P905i 🆔:ljPHVbQ.


#360 [りぃ]

「で、なんか電話かけまくって
 どっか出てったから
 相手がユリサちゃんじゃないなら
 多分貢ぎの女呼び出して
 現金調達中かもな〜」

最後は軽いノリで笑って
翔君はそう説明してくれた。


──そんな事があったんだ…。

⏰:09/09/04 18:20 📱:P905i 🆔:ljPHVbQ.


#361 [りぃ]

そんな重大なアクシデントを
知らなかったということより、
そんな時に何の頼りにも
ならない自分が悲しかった。

いざと言うときにじゅん君が
頼るのは、やっぱり貢ぎの女の子なんだ…。

きっと今は私の存在なんか
完全に忘れられてる…。

⏰:09/09/04 18:24 📱:P905i 🆔:ljPHVbQ.


#362 [りぃ]

私には何できるのか

前向きに考えてみると
答えはすぐに見つかった。

じゅん君の財布…
どんなだったっけ…


翔君と萌を残して部屋を出た私は
いつもじゅん君のポケットから
姿を覗かせていた財布の全体像を
必死に思い出しながら
ブランドショップが立ち並ぶ
通りへと向かった。

⏰:09/09/20 15:13 📱:P905i 🆔:88cGLt0k


#363 [りぃ]

ひたすらチャンスを待ちながら
地味に貯めてきた給料が
やっと日の目を見る時が来たのだ。

せっかくのタイミングを
うっかり見落として
しまうところだった。


どんな財布だったかは
結局思い出せなかったものの、
確かBVLGARIが好きって
言っていたような…

あれこれ考えているうちに
なんだか楽しくなってきて
私は意気揚々とBVLGARIの
ショップへと向かった。

⏰:09/09/20 15:47 📱:P905i 🆔:88cGLt0k


#364 [りぃ]

商品を選び、支払いを済ませ
店員さんにラッピングを
お願いしている間に
バッグの中で携帯が鳴った。

「萌?何?どうしたのー?」

『あれ?思ったより元気じゃん』

萌が私を心配してくれている
様子がうかがえた。

⏰:09/09/20 16:06 📱:P905i 🆔:88cGLt0k


#365 [りぃ]

『今どこ?何してんの?』

「いや…ちょっとお買い物。」

『ひとりで?買い物ねぇ…ふ〜ん♪』

電話の向こうで全てを察して
ニヤける萌が目に浮かぶ。

『まぁ、終わったら早く
 帰ってきなよ!じゃあね〜』

さすがに萌には隠しても仕方ない。
でもなんとなく濁してしまったのは
誰よりも早く真っ先にじゅん君に
サプライズしたかったから。

⏰:09/09/20 16:19 📱:P905i 🆔:88cGLt0k


#366 [りぃ]

そんなこだわりを持ったまま、
プレゼント用にラッピング
してもらった商品を受け取ると
数分前の虚しさが嘘のように
清々しい気分で店を出た。


凛子さんが前に言っていた、
──相手から求められる前に
自分で考えて先を行くべき──
という言葉が改めて心に響く。

ただの自己満足でもいい。
虚しさだけが残るより
少しでも満足できるなら
それでいいと心底思えた。

⏰:09/09/20 16:36 📱:P905i 🆔:88cGLt0k


#367 [りぃ]

「あら〜?このBVLGARIの
 袋はなぁに〜?♪」

ホテルの部屋に戻るなり、
1人で退屈そうに待っていた
萌に早速からかわれる。

「…翔君は?」

「部屋で寝てるー。
 それにここの鍵私が持ってたから
 ユリサが入れないと思って
 待っといたんだよ。
 じゅん君が帰ってきたら
 出ていくから心配しないで♪」

⏰:09/09/20 17:35 📱:P905i 🆔:88cGLt0k


#368 [りぃ]

部屋の中へ入ると、
テーブルの上に無造作に
積まれたお菓子の山が
ふと目についた。

「なにこれ。」

私が尋ねると、萌は
食べかけのお菓子を
頬張りながら答える。

「ん?翔君にもらったのー。
 なんかライブの差し入れで
 ファンの子達からもらったけど
 食べないし荷物増えるから
 お前ら食ってーって。」

⏰:09/09/20 17:49 📱:P905i 🆔:88cGLt0k


#369 [りぃ]

「へぇー…なんかファンの人
 かわいそうな気もするけど…」

新たにバンドの裏側を知り
複雑な気持ちになりながらも、
すっかり仲良しになっている
2人がなんだか微笑ましかった。

そうやって色々と話していると
傍らに置いていた携帯が
不意に鳴り始めた。

「じゅん君?!じゅん君?!」

萌に捲し立てられ画面を確認すると
そこには待ち望んだ名前が表示されている。

⏰:09/09/20 18:02 📱:P905i 🆔:88cGLt0k


#370 [りぃ]

第一声は何て言われるんだろう…

「もしもし…?」

『あ、ユリサちゃん?
 今から行っていいー?』

いつもと違う緊張を感じながら
電話に出ると、聞こえてきたのは
いつもと変わらないじゅん君の声だった。
いろんな思いが混ざって胸が詰まる。

「うん、来て!」

手短に部屋番号を伝えると
そそくさと電話を切って
じゅん君の訪問を待った。

⏰:09/09/20 18:35 📱:P905i 🆔:88cGLt0k


#371 [りぃ]

「じゃあ私も行くね!」

萌は数種類のお菓子を適当に
掴んでバッグの中へ放り込むと、
手荷物を持って部屋を出ていった。


部屋にひとりになると、
私は大急ぎで化粧を直し
じゅん君へのプレゼントを
ひとまず目につかない位置へ隠した。

──じゅん君、財布のこと
  私に話してくれるかな…

⏰:09/09/21 16:28 📱:P905i 🆔:fc7lWhx.


#372 [りぃ]

「電話もメールもできなくてごめんね」

すぐに部屋へやってきたじゅん君は
真っ先に私にそう告げた。

「あ…うん、忙しかった?
 こっちこそ何度もごめんね」

そんなじゅん君に対し、
事情を知りながらも
なんとなく必要以上に
気を遣ってしまう自分が居る。

⏰:09/09/23 00:41 📱:P905i 🆔:OCvz9NHI


#373 [りぃ]

「いや、昨日財布無くしちゃってさ
 どうしようもないから
 とりあえず助けてもらいにね」

じゅん君は誤魔化すように
笑いながらそう言った。

「あ、そういえばさっき翔さんから
 その話チラッと聞いたんだよね。
 これ良かったら使って。」

じゅん君の口から他の女の子の
話はやっぱり聞きたくない。

私は遮るように口を挟み、
プレゼントの袋を掴むと
じゅん君の目の前に差し出した。

⏰:09/09/23 01:28 📱:P905i 🆔:OCvz9NHI


#374 [りぃ]

「え?!BVLGARI?!
 翔から聞いたって何を?」

じゅん君は突然差し出された
紙袋を見て心底驚いた様子で
何度も紙袋と私の顔に
視線を往復させた。

「じゅん君がお財布無くしたみたい
 って言ってたから」

私が言うが早いか、じゅん君は
リボンの掛かった箱を取り出し
待ちきれない様子で開封し始める。

⏰:09/09/23 20:51 📱:P905i 🆔:OCvz9NHI


#375 [りぃ]

箱の中の長財布と対面した
じゅん君は、一瞬の沈黙の後
財布を握りしめ私へ向き直った。

「やべぇまじ嬉しい…!
 ほんっとありがとう!」

無邪気に喜ぶじゅん君の笑顔に、
これまで感じたことのない
充実感で満たされる。

じゅん君はおもむろに
デニムのポケットから
数枚の1万円札を取り出し
長財布の中へ仕舞い始めた。

⏰:09/09/23 20:58 📱:P905i 🆔:OCvz9NHI


#376 [りぃ]

貢ぎさんにもらった1万円札の束…

気にならないといえば嘘になる。

でも私にもじゅん君のために
やってあげられることはあった。

そしてそれをこんなに喜んでくれた。

私の存在も少しは意味があるのかな。
これからもじゅん君を
支えていきたい…!

思い切って
切り出してみてもいいかな…

⏰:09/09/23 21:06 📱:P905i 🆔:OCvz9NHI


#377 [りぃ]

「ねぇ、じゅん君…?」

私が切り出した瞬間、

「…俺他の繋がり切るわ」

じゅん君も同時に口を開いた。

──繋がり切る?!

急な展開に驚きつつ、
まさかの言葉に心のどこかで
喜んでる自分も居る。

⏰:09/09/23 21:37 📱:P905i 🆔:OCvz9NHI


#378 [りぃ]

「え、いきなり何で…?」

自分で自分を落ち着かせながら
私は恐る恐る問い掛ける。

「ユリサちゃんだけでいいから。
 最近ずっと考えてたんだけど



 付き合おっか俺ら。」




⏰:09/09/23 22:18 📱:P905i 🆔:OCvz9NHI


#379 [りぃ]

「…うん。」

私は何の疑いもなく
自分でも驚くくらいあっさりと
じゅん君の言葉を受け入れた。

これは夢?

嬉しくて幸せで胸が苦しい。
自然と涙が溢れて言葉にならない私を
じゅん君は笑いながら抱き締める。

絵に書いたような幸せに
私は思う存分酔いしれていた。

⏰:09/09/23 22:28 📱:P905i 🆔:OCvz9NHI


#380 [りぃ]


─────────

この頃から
私が思っている以上に
私たちの関係は大きく
変わり始めていた。

今考えると、
なんてわかりやすいんだろう。

それすら察することのできない
自分の愚かさや浅はかさ…

ただただじゅん君を
追いかけることに必死だった私は
ホストの営業トークのような
ベッタベタな言葉にすら
気づけずに居た。

⏰:09/09/23 22:35 📱:P905i 🆔:OCvz9NHI


#381 [りぃ]

      
作者のりぃです。
海外赴任中はパソコンから更新しようと思っていたのですが、板にオーダー設定していたせいで書き込みができませんでした
楽しみに待っていてくれた皆様、本当にすみませんでした。
また書き進めていこうと思いますのでよかったら覗いてくださいね
      

⏰:10/06/10 10:39 📱:P905i 🆔:9jl/NkJI


#382 [おりょう♪]
渡辺と申します
私は6年前に1歳の子供を亡くし、その後離婚、バツイチです。

私の小説(切ない感動物語〜メッセージ〜)は大手出版社・文藝社から作家デビュー作として熱烈なオファーを受けています♪.

こんな私ですが、よろしくお願いします<(_​ _)​>

スレッドを作りました
私の小説でみんな感動すること受け合いなのでみんなの力で私を応援してください♪

⏰:10/06/10 10:46 📱:PC 🆔:KEY0IwQU


#383 [我輩は匿名である]
たのしみですがんばれ!

⏰:10/06/11 00:30 📱:SH02A 🆔:wk9GcYqE


#384 [ピメ]
続き楽しみですァゲ

⏰:10/06/12 18:57 📱:P906i 🆔:A9SyOisg


#385 [我輩は匿名である]
楽しみにしてます

>>1-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400

⏰:10/06/12 20:01 📱:SH06B 🆔:stUDDtwc


#386 [我輩は匿名である]
>>80-100
>>101-150
>>151-200
>>201-250
>>251-300
>>301-350
>>351-400

⏰:10/06/13 21:56 📱:W53H 🆔:QJ1Ng0CU


#387 [我輩は匿名である]
一気に読みました

頑張って下さい

⏰:10/06/14 13:37 📱:SH01B 🆔:j3bqa7qM


#388 [我輩は匿名である]
続き気になります!

⏰:10/06/15 22:56 📱:SH905i 🆔:HpFuU9ns


#389 [りぃ]

     
携帯変わりました。作者です。

みなさん、早速のコメント
ありがとうございます
これからもよろしくおねがいします。
     

⏰:10/06/17 00:32 📱:SH03B 🆔:MV0UNhyE


#390 [りぃ]

名古屋公演の朝。

目を覚ました私の視界に真っ先に入ってきたのは、
すぐ隣で寝ているじゅん君の寝顔だった。

―――やっぱり夢じゃない!!

私は昨日、晴れてじゅん君の本カノになった。
それも、かなりあっけなく。

でも私の夢は間違いなく叶った。
もう、じゅん君の中に
私より上位の女の子は存在しないのだ。

じゅん君の枕元に置かれた携帯には
もう繋がりの女の子の連絡先は無く、
じゅん君のアドレスも昨夜変わった。
俗に言う“バンギャ切り”と呼ばれる行為だ。
もう必要の無くなった女の子たちは、
こうしてある日突然
連絡を断ち切られてしまうのだ。

⏰:10/06/17 01:01 📱:SH03B 🆔:MV0UNhyE


#391 [我輩は匿名である]
>>50ー100

⏰:10/06/17 05:23 📱:W61SH 🆔:V7mcmulM


#392 [我輩は匿名である]
>>50-100

⏰:10/06/17 05:40 📱:W61SH 🆔:V7mcmulM


#393 [りぃ]

その日の午後、
私と萌はじゅん君達の楽屋に居た。

ライブハウスの楽屋は、
思っていたよりもだいぶ狭く、
壁は、これまでそこを使ってきた
バンドマン達による落書きで
ごちゃごちゃと埋め尽くされていた。

大きな鏡の前では、メンバーが順番に
メイクさんによって
顔と髪を仕上げてもらっている。

⏰:10/06/17 12:50 📱:SH03B 🆔:MV0UNhyE


#394 [りぃ]

「あ、また見っけ〜♪」

楽屋の真ん中にあるテーブルの脇に置かれた
パイプ椅子に座った翔君の膝の上に
いつのまにかちょこんと乗っかった萌が
翔君へ届いたファンレターを
勝手に開封しながら声をあげた。

その左手には、開封したばかりの封筒と
右手には一万円札が握られている。

⏰:10/06/17 12:57 📱:SH03B 🆔:MV0UNhyE


#395 [りぃ]

「マミ、19歳のフリーターさんから
 1万円ゲットでーす♪
 “翔さんを支えたいです。”だって〜」

萌は翔君の膝の上で
キャハハと楽しそうに笑いながら
その手紙の内容を読み上げ
一万円札を翔君の目の前にひらつかせた。

「お、ラッキー♪」

別のファンレターに目を通してた翔君は
手紙から視線を外し、萌の手から受け取った
一万円札を嬉しそうに財布へしまった。

⏰:10/06/17 13:06 📱:SH03B 🆔:MV0UNhyE


#396 [りぃ]

「はい、こっちは全部“普通の”手紙ね。」

萌が選別した貢ぎレターだけを別にして
手紙の束を翔君のほうへどっさり差し出した。

翔君はその手紙の束をちらりとも見ず
自身でも別の手紙に手早く目を通しながら
ぼそりと言った。


「じゃあ捨てといて。」

⏰:10/06/17 13:15 📱:SH03B 🆔:MV0UNhyE


#397 [りぃ]

「うん、おっけー♪」

何のためらいも無く手紙の束を
ごみ袋へ運ぼうと立ち上がった萌は、
ふと何かを思い出したように
小さく呟いて翔君を振り返った。

「あ、でも待って翔君。」

「んー?」

「これさ、捨てる前に写メ撮らなきゃ。
 一応ブログにお礼書いたほうが
 翔君の印象が良いでしょ?」

萌はいつもの何かを企むような笑顔で
翔君にそう言った。

⏰:10/06/17 13:24 📱:SH03B 🆔:MV0UNhyE


#398 [りぃ]

「うっわ、お前計算高けぇ〜。
 こえーよ。」

翔君は笑いながらそう言うと、
さりげなくポケットから携帯を取り出し
萌に言われたとおり無造作に積まれた
手紙の束を手早く写真に納めた。

それにしても萌の順応能力はすごい。
楽屋の中で極力目立たないように
端っこでじーっとしている私と違い、
萌は翔君に差し入れられたお菓子を
次から次へと開けては食べ、
翔君へ届いたファンレターも
自分のもののように全部開封し、あげくにスタッフさんとまで
仲良くなってしまっている。

⏰:10/06/17 13:37 📱:SH03B 🆔:MV0UNhyE


#399 [りぃ]

なのに、誰もそんな萌を煙たがることは無く、
むしろみんなで盛り上がり、
みんなに可愛がられている印象だった。

さらに萌は楽屋内やメンバーの様子を
遠慮なしにデジカメや携帯で撮りまくっては
楽しそうにはしゃいでいる。

無邪気に過ごす萌を見て、
私まで嬉しくなってしまうのだ。

⏰:10/06/17 13:43 📱:SH03B 🆔:MV0UNhyE


#400 [匿名]
400(^o^)/

⏰:10/06/18 16:58 📱:W63H 🆔:vUKAhuM6


#401 [りぃ]

     

スレ内を見やすくするため
主以外の書き込みを不可に
設定させてもらいます。

何かご意見などありましたら
感想板のほうへお願いします。

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/4461/

     

⏰:10/06/18 20:38 📱:SH03B 🆔:o9qB9nqk


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