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#601 [Mr.RabbIts!]
 

〒歌さん▽
 
ありがとうございます
ちょうどアンカー
ほしかったんです
テレパシー⊂( ^3^ )⊃
 
読み返してこれから
更新しまーすっ
 

⏰:08/08/07 00:07 📱:P704i 🆔:9h.Q1xG2


#602 [Mr.RabbIts!]
 

「そんなに驚かなくても…」
 
三人の叫び声のせいでキンキンする耳を押さえながら俺が言うと遙が興奮気味に言い返してきた。
 
「そりゃ驚くでしょ!!なにっ、ヒロって実は凄い人なの!?」
 
遙の言葉に少し言い淀む。
そんな俺に気付かず、直樹は疑問を口にした。
 

⏰:08/08/07 00:12 📱:P704i 🆔:9h.Q1xG2


#603 [Mr.RabbIts!]
 

「なぁさっきからヒロ、ヒロって…晴樹のこと言ってんのか?」
 
俺は焦った。
これを言うとまた口論になりそうな予感が…
 
「そーだよっ!俺が拾った時に名前つけたんだ〜♪いい名前でしょ?」
 
自慢気にそう話す遙に雄琉が突っ込む。
 
「いや、名前つけたの俺だから」
 

⏰:08/08/07 00:16 📱:P704i 🆔:9h.Q1xG2


#604 [Mr.RabbIts!]
 

しかし直樹はそんな事は聞いていない。
「ふーん…」とか言ってこっちを睨み付けてきた。
うわ、予感的中…
 
「どうゆう事だよ。なんで名前を付けてもらう必要がある?」
 
「だからっ!俺は自分の力を試してみたかったんだよ!!」
 
「ソレとコレと、どうゆう関係があんだよ!!」
 

⏰:08/08/07 00:20 📱:P704i 🆔:9h.Q1xG2


#605 [Mr.RabbIts!]
 

ブチッ
 
「…チッ。頭の回らねぇ奴だな」
 
俺は下から兄貴を睨み上げる。
イライラが積み重なると、口は悪くなり手に負えなくなるのが俺の性格だ。
さすがにマズイと感じたのか、龍さんが止めに入る。 

⏰:08/08/07 00:23 📱:P704i 🆔:9h.Q1xG2


#606 [Mr.RabbIts!]
 

「おいっ。お前ら、そこらへんで止めとけ…」
 
「龍さんは黙っててください!」
 
キッと龍さんを睨み付けると、そのままのキツい目付きで直樹を見た。
 
「嫌なんだよ!兄貴や親父のバックアップで売れるなんて!!」
 
俺は過去を思いだし、怒りや悔しさで興奮した自分が抑えられずそう叫んだ。
 

⏰:08/08/07 11:03 📱:P704i 🆔:9h.Q1xG2


#607 [Mr.RabbIts!]
 

すると、怒り出すと思っていた俺の考えとは裏腹に直樹はとても悲しそうな表情を見せた。
 
「…お前、まだ孝志の事、引きずってんのかよ」
 
タカシ…
 
「そんなんじゃねぇよ!…っそんなんじゃ…!!」
 

⏰:08/08/07 11:09 📱:P704i 🆔:9h.Q1xG2


#608 [Mr.RabbIts!]
 

黙りこくってしまった俺を龍さんは何も言わずに店の奥に引っ張っていった。
 
「…龍さん…俺……っごめん」
 
「言っただろ?もう、慣れた」
 
そう言ってニッと歯を見せて笑う龍さん。
 
乱暴な言葉を浴びせてしまったのに…やっぱり龍さんは俺にとって第二の兄貴だ。
 

⏰:08/08/07 11:13 📱:P704i 🆔:9h.Q1xG2


#609 [Mr.RabbIts!]
 

―――
 
雄琉はヒロが龍に連れて行かれたのに、追う事が出来ずにいた。
…あまりにも、分からない事が多すぎる。
 
今までは何も考えずに、ただヒロを大切に想っていた。
だが自分が大切に想う人の悩んでいる事を知らない。
 

⏰:08/08/07 11:19 📱:P704i 🆔:9h.Q1xG2


#610 [Mr.RabbIts!]
 

先程のヒロと直樹のいさかいも、何一つ掴めない。
 
『嫌なんだよ!兄貴や親父のバックアップで売れるなんて!!』
 
『…お前、まだ孝志の事、引きずってんのかよ』
 
親父、孝志…俺の知らないヒロが見えてくる。
 
俺には『晴樹』が見えない。
 

⏰:08/08/07 11:23 📱:P704i 🆔:9h.Q1xG2


#611 [Mr.RabbIts!]
 

遙や諒も浮かない顔をしているところを見ると、考えは雄琉と同じだろう。
そんな三人を見て直樹は口を開いた。
 
「…お前ら晴樹のダチか?」
 
その言葉に雄琉は頷く。
 
「バンド仲間…です」
 
雄琉の言葉に直樹は目を見開いた後、「そうか」とだけ答えた。
 

⏰:08/08/07 13:44 📱:P704i 🆔:9h.Q1xG2


#612 [Mr.RabbIts!]
 

「直樹さん…」
 
雄琉は真っ直ぐに直樹を見つめたと思ったら、いきなり頭を下げた。
 
「おいっ!?どーした…」
 
直樹は驚いた。
さっきまで年上の龍にも俺にも敬語を使うどころか、正面から突っかかっていた雄琉が、頭を下げたのだ。
 

⏰:08/08/07 15:48 📱:P704i 🆔:9h.Q1xG2


#613 [Mr.RabbIts!]
 

状況が掴めず焦る直樹に、頭を下げたままの雄琉。
 
「お願いします!ヒロの事…晴樹の事、教えてください!!」
 
「……え?」
 
眉を寄せた直樹の答えがノーだと受け取った雄琉は、さらに必死に頼み込む。
 
「アイツを大事にしたいんだ!そのためにはアイツの悩んでる事が分からないと…」
 
雄琉は唇を噛み締めた。
 

⏰:08/08/07 15:58 📱:P704i 🆔:9h.Q1xG2


#614 [Mr.RabbIts!]
 

「俺は何もしてやれねぇ…そんなのは嫌なんだよ!」
 
それでも黙ったままの直樹に雄琉は再び深く頭を下げる。
 
「頼む!頼みますっ!!」
 
「…雄琉…」
 
そんな雄琉の姿を見て、遙と諒も頭を下げた。
 

⏰:08/08/07 16:02 📱:P704i 🆔:9h.Q1xG2


#615 [Mr.RabbIts!]
 

そんな三人を見て、直樹はため息を吐いた。
 
…どうりで、晴樹が意地になってコイツらと居るわけだ。
 
「…顔、上げろ」
 
直樹の言葉に雄琉たちは顔を上げて、直樹を見た。
 
「俺から言うのも何だけどな〜…ま、晴樹は言わないだろうけど」
 
そう言って直樹は苦笑した。
 

⏰:08/08/07 16:12 📱:P704i 🆔:9h.Q1xG2


#616 [Mr.RabbIts!]
 

「コホンッ…んーじゃあ、話すよ?」
 
直樹は咳払いを一つして、話し始めた。
 
「お前らが言ってるヒロの本名は『若松 晴樹』」
 
…わかまつ、はるき。
 
雄琉は頭の中でその名前を何度も繰り返し呼んだ。
 

⏰:08/08/07 20:43 📱:P704i 🆔:9h.Q1xG2


#617 [Mr.RabbIts!]
 

ヒロの本名を聞いた遙がピクリと反応して、呟いた。
 
「…若松?」
 
雄琉と諒が「どうした?」と訊くと、遙は何かをうーんと唸って考えている。
 
「話、続けてもいいか?」
 
「あ、はい。お願いします」
 
そう言って諒は話を先にと進ませた。
 

⏰:08/08/07 20:47 📱:P704i 🆔:9h.Q1xG2


#618 [Mr.RabbIts!]
 

「で、俺が兄の若松 直樹。まぁ知っての通り君たちと同じアーティストってとこだな。あと家族はオフクロと親父が居て、親父が…」
 
「あぁーーっ!!」
 
直樹の話を遮るように、遙は大きな声を上げた。
真剣に聞き入っていた雄琉は必要以上にビクッと反応した。
 

⏰:08/08/07 20:54 📱:P704i 🆔:9h.Q1xG2


#619 [我輩は匿名である]
見てます
がんばって下さい

⏰:08/08/07 20:57 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#620 [Mr.RabbIts!]
 

〒匿名さん▽
 
ありがとうございます
 
なかなか更新できず…
すいません( ;ω; )
 
今から更新しますっ
 

⏰:08/08/08 21:46 📱:P704i 🆔:U30yotDE


#621 [Mr.RabbIts!]
 

「んだよっ!ビックリすんだろっ!?」
 
雄琉の言葉も聞かず遙は続ける。
 
「若松って…あのデッカイ会社じゃないの!?」
 
雄琉も諒「は?」という顔をしていたが、直樹の次の言葉で衝撃を受ける事になる。
 
「うん。若松芸能事務所って言えば、結構知れてる名だと思うんだけど」
 

⏰:08/08/08 21:54 📱:P704i 🆔:U30yotDE


#622 [Mr.RabbIts!]
 

「若松芸能事務所…!!?」
 
雄琉は直樹の言葉を繰り返し、固まる。
雄琉と同様、驚きを隠せないながらも諒は口を開く。
 
「ヒロの父親があの若松芸能事務所の…?」
 
「トップだ」
 
直樹は淡々と答えた。
 

⏰:08/08/08 22:06 📱:P704i 🆔:U30yotDE


#623 [蘭]
 すごく楽しみにしています
 頑張ってください

⏰:08/08/08 23:16 📱:PC 🆔:1iw8gOBQ


#624 [我輩は匿名である]
面白いです!!

⏰:08/08/09 11:39 📱:PC 🆔:5GFX2SUs


#625 [Mr.RabbIts!]
 

〒蘭さん▽
 
ありがとうございます
 
すいません
なかなか更新できなくて…
 
今から更新したいと
おもいます(゚_゚)
 

⏰:08/08/10 03:48 📱:P704i 🆔:cYDrEr9I


#626 [Mr.RabbIts!]
 

〒匿名さん▽
 
うれしいです
ありがとうございます
 
今から更新しますね
 

⏰:08/08/10 03:50 📱:P704i 🆔:cYDrEr9I


#627 [Mr.RabbIts!]
 

兄貴が人気アーティストで、親父が…超がつくほど有名な芸能事務所のトップ…か。
 
雄琉は先程のヒロの言葉を思い出した。
 
『嫌なんだよ!兄貴や親父のバックアップで売れるなんて!!』
 
「…そーゆー、ことか…」 
雄琉がそう呟いたのを聞いて、直樹は新たに話し始めた。
 

⏰:08/08/10 03:58 📱:P704i 🆔:cYDrEr9I


#628 [Mr.RabbIts!]
 

「アイツと…晴樹とバンド組んでるって言ったな?」
 
直樹の問いに無言で頷く。
 
「…オマエらの前にもな、晴樹はバンド組んでた事があったんだよ」
 
直樹は遠くを見て、どこか悲しげに話を続ける。
 
「2ピースバンドでな。孝志ってガキとやってたんだ」
 

⏰:08/08/10 04:08 📱:P704i 🆔:cYDrEr9I


#629 [Mr.RabbIts!]
 

―――
 
それは晴樹が中学生になったばかりの頃、芸能学校に通うのを極端に嫌がった晴樹が、一般の中学に通えるよう必死に親父に頼んで入学した春の事だった。
 
「…ん、おはよー…」
 
入学式の日、直樹より遅く目覚めリビングに寝ぼけながら入ってきた弟に、あいさつを返すより先に出てきた言葉は『バカだよ、お前』
 

⏰:08/08/10 04:17 📱:P704i 🆔:cYDrEr9I


#630 [Mr.RabbIts!]
 

そんな直樹に「あぁ、またか」といったような表情を浮かべて、朝食が並ぶテーブルにつく晴樹を見て、直樹は朝からイライラを募らせた。
 
…俺はホントだったら今日の入学式からずっと、また晴樹と一緒に学校に行けるのだ、とこの日を待ち望んでいた。
基本この若松芸能学校はエスカレーター式で、本人や家族が望まないかぎり小、中、高、そして大学まで問題を起こさなければ、無条件で上がっていく仕組みになっている。
 

⏰:08/08/10 04:24 📱:P704i 🆔:cYDrEr9I


#631 [Mr.RabbIts!]
 

直樹は若松家の長男として、その芸能学校の高等部で生徒会長をやっている。
 
今日の入学式では直樹の指示の下、入学生の中から晴樹を壇上に上がらせ、入学の挨拶をさせる予定だった。
直樹の中では何回もその場面が想像され、実行に移すのも現実の事だと思っていた。
 

⏰:08/08/10 04:31 📱:P704i 🆔:cYDrEr9I


#632 [Mr.RabbIts!]
 

しかし、入学式の3ヶ月前晴樹が突然一般の中学に通いたいと言い出したのだ。
近い将来、兄弟そろって芸能界で活躍してもらいたいと考えている親父はもちろん、直樹も反対した。
 
晴樹は小学生の頃から人を惹き付けるような魅力を持っていて、良くも悪くも晴樹はたくさんの人に愛されていた。
…そう晴樹には変質者などをも寄せ付けるような魅力があったのだ。
 

⏰:08/08/10 04:39 📱:P704i 🆔:cYDrEr9I


#633 [Mr.RabbIts!]
 

今まで何度か危険な目に合い、そのたびに兄である直樹やボディーガードに守られて育った。
 
そんな晴樹を自分の目の届かないところに通わせるなんて、ましてや一般の中学など芸能学校に比べればセキュリティがうんと低い。
 
直樹や父親が反対するのは当然の事だった。
そんな事は幼いながらも、厳しい目に晒されて育て上げられた晴樹には、十分承知の上だった。
 

⏰:08/08/10 04:45 📱:P704i 🆔:cYDrEr9I


#634 [Mr.RabbIts!]
 

親父は晴樹が一般の中学に通いたいと言うと、顔を歪めた。
それは芸能事務所のトップの男として言うことを聞かない息子に怒り顔を歪めた訳でなく、晴樹の父親として息子の言い分をなんとか理解しようと懸命に努力して困惑している顔の歪みだった。
 
親父はそういう人だった。
いくら事務所が大きくなったって偉そぶる事はなく、何より自分の家庭を大切にしている男だ。
 

⏰:08/08/10 12:44 📱:P704i 🆔:cYDrEr9I


#635 [Mr.RabbIts!]
 

晴樹と直樹の父親、若松 光(わかまつ ひかる)は『家族が居るから仕事を頑張る。お前たち家族が居なかったら俺はここまで事務所を大きく出来なかったんだから』といつも二人に言い聞かせていた。
 
そんな親父だからこそ、晴樹は自分のわがままを素直に言えたのかもしれない。
 

⏰:08/08/10 12:52 📱:P704i 🆔:cYDrEr9I


#636 [Mr.RabbIts!]
 

そしてそんな親父が、晴樹本人の意志を押さえつけてまで、晴樹の自由を奪う事をするはずもなく、渋々普通の中学に入れる事を承諾した。
 
親父が許したのだから、兄の俺がどうこう言えるわけもなく、だけど納得のいかない俺はわざわざ親父を困らせる晴樹の事が許せずにいた。
 

⏰:08/08/13 10:26 📱:P704i 🆔:3zP/HwX6


#637 [Mr.RabbIts!]
 

「…行ってきます…」
 
目も合わさない直樹に小さい声でそう呟き、晴樹は家を出て今日から通う中学校へと向かった。
 
真新しい制服に、まだ何も入っていない鞄。
あたたかい日光に、気を引き締められるような少し冷たい風。
 
待ち望んだ『普通の生活』に晴樹は表情を明るくさせていた。
 

⏰:08/08/13 10:32 📱:P704i 🆔:3zP/HwX6


#638 [Mr.RabbIts!]
 

晴樹は正直、芸能界など興味がなかった。
小さい頃から父親の事務所に所属している俳優や女優など、たくさんの人たちに会ってきた。
みんなキラキラ輝いていて、すごくかっこよかったのを今でも覚えている。
 
だけど俺はそうなりたいか、と問われたら頷かないだろう。
 

⏰:08/08/13 10:36 📱:P704i 🆔:3zP/HwX6


#639 [Mr.RabbIts!]
 

俺には不向きだと思ったからだ。
小さな頃から兄貴といろんなレッスンを受けさせられたが、どんなに上手くなっても褒められても、これだ!というものを見つけられなかった。
 
演技も、ダンスも、モデルも…どれも本気になれなかった。
俺はこの世界ではアツくなれるものを見つけられないと考えるようになり、芸能界には自分は向いていないと思い込んでいった。
 

⏰:08/08/13 10:41 📱:P704i 🆔:3zP/HwX6


#640 [Mr.RabbIts!]
 

だけどそんな事、誰にも相談出来なかった。
レッスンを必死にこなして、芸能学校でも群を抜いて輝いている兄貴にも、口では言わないものの、兄貴と同じくらい俺に期待している両親にも。
言えるはずがなかった。
 
そんな時だった。
龍さんが俺に新しい世界へと手招きしてくれたのは。
 

⏰:08/08/13 10:46 📱:P704i 🆔:3zP/HwX6


#641 [Mr.RabbIts!]
 

それは家に龍さんが遊びに来ていた時の事だった。
俺がレッスンから帰ると、入れ違いに直樹がレッスンに行く所だった。
直樹は俺を見るとリビングに顔を突っ込んで、龍さんに声をかけた。
 
「おい。晴樹来たけど」
 
「あー?じゃあ俺まだ居よっと」
 
どうやら龍さんは帰るしたくをしていたようだが、俺が帰ってきたのを見てまだ若松家に居座る気のようだ。
 

⏰:08/08/13 13:58 📱:P704i 🆔:3zP/HwX6


#642 [Mr.RabbIts!]
 

俺は龍さんが遊んでくれるのだと思い、急いで家に上がった。
 
―ドタドタドタ…ッ
 
そんな俺に直樹は「騒がしいヤツだな…」と呟き、家から出ていった。
 
「りゅーさんっ!」
 
リビングに飛び込んだ俺に、笑顔で迎えてくれる龍さん。
 
「おー、お疲れさん。ゲームでもするか」
 

⏰:08/08/13 14:03 📱:P704i 🆔:3zP/HwX6


#643 [Mr.RabbIts!]
 

俺は瞳をキラキラさせて、大きく頷いた。
 
「うんっ!」
 
そんな俺を見てクスリと笑う龍さんの手元を見ると、シャーペンとノートと、さんこーしょ…??
 
嫌な予感がしてちらっと龍さんを見ると、案の定ニヤッとした顔の龍さんが…
 
「ゲームするか、…って言いたい所なんだけど。俺ベンキョーで忙しいんだよね」
 

⏰:08/08/13 14:11 📱:P704i 🆔:3zP/HwX6


#644 [Mr.RabbIts!]
 

「……へえー…。じ、じゃあいいや!俺は一人でテレビでも見て…」
 
そう言ってその場から逃げようとした俺の腕をガシッと掴む龍さんの笑顔はまるで悪魔…。
 
「そーいえば直樹に聞いたんだけど、晴樹ってもうすぐテストじゃなかったか?」
 
龍さんの言葉にビクッと肩を振るわし反応する俺。
 

⏰:08/08/13 16:51 📱:P704i 🆔:3zP/HwX6


#645 [Mr.RabbIts!]
 

俺の反応を見て笑顔を見せる龍さん。
 
「ほら、教えてやるからお前も教科書持ってこい」
 
クソ兄貴…と直樹を罵りながら俺は教科書が入った鞄を持って、龍さんの隣に座った。
 
「晴樹って以外とバカだよなー」
 
何の悪びれも見せず俺を侮辱する龍さんを、睨んで唇を尖らせる。
 

⏰:08/08/13 16:56 📱:P704i 🆔:3zP/HwX6


#646 [Mr.RabbIts!]
 

「どーせっ俺は、兄貴と違って出来損ないですよーだっ!」
 
そう言って拗ねる俺の頭を龍さんはポンポンと撫でる。
 
「冗談だろ?」
 
ちっくしょ…っ
 
俺は悔しくて唇を噛み締めた。
なかなか顔を上げない俺を心配したのか、龍さんが覗き込んでくる。
 

⏰:08/08/13 17:01 📱:P704i 🆔:3zP/HwX6


#647 [Mr.RabbIts!]
 

「…晴樹?」
 
「……………なに」
 
まだ膨れている俺の頬を指でツンツンし出す龍さんの手を振り払う。
 
「っりゅーさん!!」
 
「なにー?」
 
う……はあっ。
この人としゃべってると、なんかどうでもよくなってきた。
 
そんな事を考えていた俺にしつこく「なに?なに?」と訊いてくる龍さんに、「何でもないです」と素っ気なく答えて、大嫌いな勉強に取りかかった。
 

⏰:08/08/13 17:07 📱:P704i 🆔:3zP/HwX6


#648 [Mr.RabbIts!]
 

「なんか晴樹が冷たいぞー」
 
しつこいな…この人。
 
「誰のせいだと思ってんですか!てか、ベンキョーしてくださいよっ」
 
自分が言い出したくせに…とか俺がぶつぶつ言いながら、ノートに漢字を写していると、龍さんが口を開いた。
 
「俺のせいなの?」
 

⏰:08/08/13 17:12 📱:P704i 🆔:3zP/HwX6


#649 [Mr.RabbIts!]
 

そうに決まって…!!
って、アレ?龍さんのせいなのか…??
 
「……ちがう、かも…」
 
言い淀む俺に、龍さんは分厚い参考書をパタンと閉じた。
 
「何をそんなに焦ってるんだ?」
 
焦ってる…?俺が??
 
龍さんの言っている意味が分からなくて、困ったような顔で龍さんを見つめたら苦笑された。
 

⏰:08/08/13 17:15 📱:P704i 🆔:3zP/HwX6


#650 [Mr.RabbIts!]
 

「なんてゆーか…晴樹らしくないぞ?元気ないし」
 
俺らしくない…?
 
「俺らしいって、どんなの?」
 
思った事をそのまま口にしたら、龍さんが驚いた顔をした。
 
「…龍さん、俺ね、何やっても楽しくないんだ…」
 
俺の話を龍さんが黙って聞いてくれている事に安心して、俺は思っている事を全て吐き出した。
 

⏰:08/08/13 17:19 📱:P704i 🆔:3zP/HwX6


#651 [歌]
>>600-650
>>651-700

いつも見てます。頑張って下さい

⏰:08/08/13 19:45 📱:D704i 🆔:IbETH8Tc


#652 [Mr.RabbIts!]
 

〒歌さん▽
 
うれしいです
ありがとうございます
 
また更新しまーすね
 

⏰:08/08/14 10:45 📱:P704i 🆔:iW39CxFw


#653 [Mr.RabbIts!]
 

「なんかね、いっぱいレッスンとかしてるけど、どれも楽しくないってゆーか…」
 
そう言って俯く俺を、龍さんは覗き込んでやさしく微笑む。
 
「でも、晴樹はよく頑張ってると思うよ?もっと上達したら、きっと好きになれるモンが出てくるんじゃないか?」
 
龍さんの言葉に静かに首を左右に振る。
 

⏰:08/08/14 10:51 📱:P704i 🆔:iW39CxFw


#654 [Mr.RabbIts!]
 

「全然がんばってないよ…。俺、ホントは芸能界なんて行きたくない」
 
俺の言葉に龍さんは驚いた表情を見せる。
 
「レッスンだって、学校だって、兄貴の背中追って入っただけだし…。だけど親父は俺にも期待してるし…」
 
俺の親父は親バカだ。
ホントにあのドデカイ事務所のトップなのか、と疑うくらいの。
 

⏰:08/08/14 10:57 📱:P704i 🆔:iW39CxFw


#655 [Mr.RabbIts!]
 

レッスンがあった日はその担当してくれた先生に、今日も元気そうだったかとか、なにか変わった所はなかったか…なんて電話をいちいちしているらしい。
 
仕事が忙いからといって、俺や兄貴の普段の事を、微妙な変化を見落としたくはない。と親父が言っていた。
 
それにどんなに仕事が忙しくても家には必ず帰ってくる。
 

⏰:08/08/14 11:03 📱:P704i 🆔:iW39CxFw


#656 [Mr.RabbIts!]
 

俺はそんな親父が大好きだったから、その親父の期待を裏切るような事はしたくないと心に決め、レッスンだって学校だってつまらなくても通い続けた。
 
だけど最近思い始めた。
兄貴は一つ一つのレッスンを、一日一日の学校生活を、全力で奮闘している。
なのに俺は全部、中途半端。
 

⏰:08/08/14 11:11 📱:P704i 🆔:iW39CxFw


#657 [Mr.RabbIts!]
 

「そんなの、楽しいわけないよね」
 
そう言って力無く微笑むと、龍さんは真剣な眼差しを俺に向けていた。
 
「晴樹、無理しなくてもいいんだぞ」
 
「…え…?」
 
不思議そうに龍さんを見つめる俺の頭に、大きい龍さんの手がかぶさる。
 

⏰:08/08/14 11:16 📱:P704i 🆔:iW39CxFw


#658 [Mr.RabbIts!]
 

「なにも芸能界に入るだけがお前の人生じゃない」
 
龍さんの強い眼差しに、俺は口ごもる。
 
「…でも、親父をガッカリさせたくないよ…」
 
そう呟く俺に龍さんは笑う。
 
「なっ!何がおかしいの!?」
 
俺は真剣に…!とまで言うと龍さんは一言、晴樹はやっぱりバカだ。と言った。
 

⏰:08/08/14 11:25 📱:P704i 🆔:iW39CxFw


#659 [Mr.RabbIts!]
 

「お前の親父が、光さんがそんな事で晴樹にガッカリするかよ」
 
俺は龍さんの言葉に目を見開いて、龍さんを見た。
そんな俺を見て龍さんはクスリと笑う。
 
「たぶん晴樹がこのまま、自分を押し殺して生活してく方が、光さんは悲しむと思うんだけど」
 
俺がなにも言えずにいると、もう一度龍さんはやさしく微笑んでくれた。
 
「光さんは、そういう人だ」
 

⏰:08/08/14 11:35 📱:P704i 🆔:iW39CxFw


#660 [Mr.RabbIts!]
 

なんか…龍さんのやさしさがうれしくて、悩みが解決したのに安心して、俺の視界が歪む。
 
「…りゅっ…さん゙ー!」
 
大泣きし出した俺に困ったように笑う龍さんにしがみつくと、やさしく頭を撫でてくれて、さらにうれしくなった俺の目から、涙は暫く止まる事がなかった。
 

⏰:08/08/14 11:41 📱:P704i 🆔:iW39CxFw


#661 [Mr.RabbIts!]
 

泣き続ける俺に龍さんはただただ黙って胸を貸してくれる。
 
「…ん、ありがと。もう大丈夫だから…」
 
そう言って顔を上げたら、龍さんの頬が心なしか少し赤い気がする。
 
「龍さん…?顔赤いよ?」
 
そう言ってピンク色の頬に手を伸ばすと、触れた瞬間龍さんの体がピクリと反応した。
 

⏰:08/08/15 17:09 📱:P704i 🆔:Wnri6ayU


#662 [Mr.RabbIts!]
 

「??」
 
俺が心配そうに龍さんを見上げていると、龍さんも俺を見つめ返してきた。
自分の頬にある俺の手に手を添えて、龍さんは呟いた。
 
「…晴樹の手って、あったかいのな」
 
「そうかなぁ?」
 
俺がそう首を傾げると、うん、安心する。と言って龍さんはすごくキレイに微笑んだ。
 

⏰:08/08/15 17:14 📱:P704i 🆔:Wnri6ayU


#663 [Mr.RabbIts!]
 

なんだか俺までうれしくなって、へへへっと笑っていると、龍さんが急に真剣な表情で俺を呼んだ。
 
「晴樹。」
 
「ん?なに?」
 
龍さんは一呼吸おいてから、言った。
 
「俺が通ってた中学に入らないか?」
 

⏰:08/08/15 17:20 📱:P704i 🆔:Wnri6ayU


#664 [Mr.RabbIts!]
 

「…龍さんが通ってた中学って、あの坂の上の?」
 
「あぁ。芸能界に興味ないんなら普通の中学通って、何か好きなモン見つける方がいいと思って」
 
どう?と付け足す龍さんに俺の心は決まった。
 
「行く!!俺ホントはあそこ通いたかったんだ!すごいキレイな所だし、龍さん学校の事楽しそうに話してたし!」
 
そう言った俺に龍さんはうれしそうに笑いかけてくれた。
 

⏰:08/08/15 17:27 📱:P704i 🆔:Wnri6ayU


#665 [Mr.RabbIts!]
 

「よし!じゃあ決まりだなっ」
 
そう言って龍さんと二人で笑い合っていたら、玄関の扉が開く音がした。
 
「ただーいまー」
 
「あ、親父だ!おかえりー」
 
俺がリビングから叫んで玄関まで迎えに行こうと立ち上がると、ドタドタと玄関から走ってくる足音が聞こえた。
 

⏰:08/08/15 17:35 📱:P704i 🆔:Wnri6ayU


#666 [Mr.RabbIts!]
 

―バタンッ!
 
「晴樹っ!父さん今、帰ったぞー!!」
 
「え、あ、うおっ?!」
 
リビングの扉を勢いよく開けて入ってきた光は、俺の姿を発見したとたんに思い切り抱きついてきた。
 
「はっ…離せー!!糞親父っ!」
 
べりっと引き剥がすと光は30代とは思えない童顔が、悲しみに歪む。
 

⏰:08/08/15 18:17 📱:P704i 🆔:Wnri6ayU


#667 [Mr.RabbIts!]
 

『光は30代とは…』
 

 
『光の30代とは…』
 
訂正です(;_;)
 

⏰:08/08/15 18:19 📱:P704i 🆔:Wnri6ayU


#668 [Mr.RabbIts!]
 

「晴樹が冷たい…」
 
「親父が暑苦しいんだろ!」
 
まったく…と俺がぶつぶつ文句を言っていると、龍さんが突然スクッと立ち上がった。
 
「光さん、おじゃましてます」
 
「おー龍くんか。…晴樹に変な事してないだろうね?」
 
そう言って黒い笑みを浮かべる光に龍さんは後ずさる。
 

⏰:08/08/15 18:23 📱:P704i 🆔:Wnri6ayU


#669 [Mr.RabbIts!]
 

「もうっ親父!!龍さんは俺に勉強教えてくれてたの!」
 
そう叱りつける俺に、そうか。と唇を尖らせる親父に、苦笑いの龍さん。
 
「……!そうだ。晴樹、光さんに話があるんだったよな?」
 
いきなり話を振られた俺は焦って龍さんに不安気な視線を送る。
でも龍さんは大丈夫といった感じにしきりに頷くだけだった。
 

⏰:08/08/15 18:29 📱:P704i 🆔:Wnri6ayU


#670 [Mr.RabbIts!]
 

「ん?なんだ?」
 
そう言ってやさしく問いかけてくる親父を見て、俺は意を決して口を開いた。
 
「あのさ、親父!俺…普通の中学に通いたいんだ!!」
 
親父の顔色を伺うように、上目遣いに光を見る。
 
「…どうして…?」
 
そう言った光の表情からは、怒りも悲しみも読み取れない。
 

⏰:08/08/15 20:29 📱:P704i 🆔:Wnri6ayU


#671 [Mr.RabbIts!]
 

「俺今まで言えなかったけど、芸能界に入る気はないんだ…」
 
光の顔が驚きに変わる。
 
「え…っ?」
 
「ごめん!!親父をガッカリさせたくなくて…」
 
そこまで言って俯き、唇を噛み締める。
 
…やっぱり、親父は芸能界入ってほしいんだよな…。
 

⏰:08/08/15 20:33 📱:P704i 🆔:Wnri6ayU


#672 [Mr.RabbIts!]
 

「…すまない…晴樹。」
 
え…っ?
 
俺は驚いて顔を上げる。
そこには顔を悲しみに歪める光が居た。
 
「すまないな…。今まで気付いてやれなくて……お前はずっと我慢してきたんだな?」
 
「……親父…」
 
俺が状況が把握できずに、ぼうっとしていると、光はニコッと笑った。
 

⏰:08/08/15 20:36 📱:P704i 🆔:Wnri6ayU


#673 [Mr.RabbIts!]
 

「ガッカリなんか、するもんか!お前も直樹も、俺の自慢の息子なんだから」
 
「それじゃあ…」
 
俺が瞳を輝かせて親父を見つめると、親父は少し表情を曇らせた。
 
「んー…普通の中学に通わせるのは問題無いんだが…普通の中学となると、セキュリティ面がどうしても不安でな〜…」
 

⏰:08/08/15 20:40 📱:P704i 🆔:Wnri6ayU


#674 [Mr.RabbIts!]
 

うっ…きたよ。親バカ
 
こうなると光は頑固になる。
俺本人が大丈夫って言ったところで、絶対に引かないくらいに。
俺が頭を抱えていると、龍さんが助け船を出してくれた。
 
「光さん、俺の去年卒業した坂の上の中学校はどうですか?俺はもう卒業しましたけど、先生も後輩もいい奴らばっかだし、家からも近いですし。あそこなら安心じゃないですか?」
 

⏰:08/08/15 20:49 📱:P704i 🆔:Wnri6ayU


#675 [Mr.RabbIts!]
 

おー!さすが龍さん!!
頼りになるっ!とか思っていたら光も龍さんの言葉に頷いた。
 
「そうか。…まぁ、晴樹が望むなら、そうしようか。安全らしいし」
 
やったー!と叫びたい所だが、今後のことを考えて龍さんにも親父にも、今のうちに訂正しておく事がある。
 
「安心、安全って…俺もう中学生になるんだぜ!?何かあっても、自分でなんとか出来るし!!」
 

⏰:08/08/15 20:53 📱:P704i 🆔:Wnri6ayU


#676 [Mr.RabbIts!]
 

そう言って膨れる俺に龍さんも光も疲れた顔をする。
 
「お前は自覚が足りないんだよ」
 
「そうそう。晴樹今まで俺と直樹がどれだけ裏から潰してきた事か…」
 
自覚?潰す??
光と龍さんの言っている事が掴めず、困った顔で二人を見ると、なぜか二人は頬をピンク色に染めた。
 

⏰:08/08/19 13:56 📱:P704i 🆔:Q9hudZ/Q


#677 [Mr.RabbIts!]
 

しばらくすると光がハッとしたように咳払いをする。それにつられるように、龍さんが口を開いた。
 
「///っとにかく!よかったな晴樹。光さんが承諾してくれて」
 
俺は龍さんの言葉に大きく頷く。
 
「うんっ!親父も龍さんも、ありがとー!!」
 
そう言ってニコニコと笑う晴樹を見て、二人がまた頬を赤くしたのは言うまでもない。
 

⏰:08/08/19 23:33 📱:P704i 🆔:Q9hudZ/Q


#678 [Mr.RabbIts!]
 

「俺は絶対に反対だね」
 
快く承諾してくれた親父とは違い眉間に皺を寄せたまま、断固として折れてくれない兄貴に俺は戸惑った。
 
「………なんで?」
 
俺が恐る恐る訊いてみると、キッとこちらを睨む兄貴にビクリと肩を震わせた。
そんな俺たちのやりとりを見て、親父は宥めるように間に入ってきた。
 

⏰:08/08/22 11:40 📱:P704i 🆔:iGtotXCk


#679 [Mr.RabbIts!]
 

「晴樹、直樹は心配してくれてるんだよ。直樹、な?そうだろう?」
 
親父の言葉にゆっくり、でも深く頷く兄貴。
 
「…一般の学校なんか、危ないに決まってる」
 
「…でも、行きたいもん」
 
唇を尖らせる俺に親父はクスクスと笑う。
 
「晴樹本人の意思だ。俺は聞いてあげたいんだけど」
 

⏰:08/08/22 11:48 📱:P704i 🆔:iGtotXCk


#680 [Mr.RabbIts!]
 

「……それでも、俺は嫌だ!」
 
あの日のその言葉を最後に、直樹はまともに口をきいてくれなくなった。
何度話しかけても「あぁ」とか「ふーん」とかばかりで、目も合わせてくれない。
 
そうこうしているうちに入学式を迎え、やっと口を開いてくれたと思ったら『バカだよ、お前』。
 
―――
 
「…ハァー…何をあんなに怒ってるんだろ」
 
俺は肩を下げたまま、中学校への道を歩いて行った。
 

⏰:08/08/22 12:20 📱:P704i 🆔:iGtotXCk


#681 [我輩は匿名である]
遥達に会う前の話ですか

⏰:08/08/22 23:54 📱:F703i 🆔:.G.Z.jh.


#682 [我輩は匿名である]
頑張ってください

⏰:08/08/24 09:19 📱:F703i 🆔:CZcE4jAw


#683 [Mr.RabbIts!]
 

〒匿名さん▽
 
はいっ そうです
中学生の頃の話です。
 
分かりにくかったですかね
すいません
 

⏰:08/08/24 13:05 📱:P704i 🆔:OSfMMA/g


#684 [Mr.RabbIts!]
 

〒匿名さん▽
 
はいっ
がんばりますね
 
更新遅くなります
 

⏰:08/08/24 13:08 📱:P704i 🆔:OSfMMA/g


#685 [Mr.RabbIts!]
 

グレーのコンクリートでできた地面ばかりを見つめていた俺の視界に、ふわりとピンク色のものが綺麗に映った。
思わず俯かせていた顔を上げると道の横に咲いていた桜が満開に花を咲かせていた。
 
「っうわ…綺麗……」
 
晴樹は立ち止まって満開の桜に見惚れていた。
 
「ぶぇっくしゅんっ!!」
 
ビクー!!
 
ひとり黄昏ていた晴樹は後ろからのクシャミのせいで一気に現実へと引き戻された。
 

⏰:08/08/24 13:40 📱:P704i 🆔:OSfMMA/g


#686 [Mr.RabbIts!]
 

ったく…誰だよ。
俺の感動を返せ!!
 
そんな事を考えながら後ろを振り向くと、さっきクシャミをしたと思われる同じ制服を着た少年が鼻をしきりにこすっていた。
 
「っうー…目ぇカユイし鼻もムズムズするし……最悪だーー!!」
 
その少年がいきなり叫びだしたので、晴樹はまたビクッと反応してしまった。
そんな晴樹に気付いたのか、赤く充血した目を丸くして少年は晴樹に近付いてきた。
 

⏰:08/08/24 13:46 📱:P704i 🆔:OSfMMA/g


#687 [Mr.RabbIts!]
 

「あーごめんごめん。花粉飛びまくりでさー、イライラしちゃった。」
 
そう言ってニコリと微笑む少年には、まだあどけなさが残っているように見えた。
晴樹が何も言えずにボーッとその少年を見ていると、少年は首を傾げた。
 
「なに?…あ、もしかして鼻水飛ばしちゃったとか?いやーだって、しょーがなくない?春だから花粉が…」
 
すごい勢いでしゃべる目の前の少年に、最初晴樹は圧倒されていたが、だんだんおかしくなってきて感情のままに大声をあげて笑った。
 

⏰:08/08/24 13:52 📱:P704i 🆔:OSfMMA/g


#688 [Mr.RabbIts!]
 

そんな晴樹を初めはポカンと見ていた少年だったが、やがて晴樹につられて笑いだした。
 
「お前、おもしろいヤツだな」
 
目を細めてうれしそうに言う少年に晴樹も笑顔のまま答えた。
 
「それはお前だろ?」
 
そう言ってフフッと笑うと名前を訊かれた。
なんとなく名字を言うのをためらった晴樹が名前だけ教えると、相手も『孝志』と名乗ってくれた。
 

⏰:08/08/24 13:57 📱:P704i 🆔:OSfMMA/g


#689 [Mr.RabbIts!]
 

聞くと孝志も同じ中学の入学生ということで、晴樹と孝志は一緒に学校までの道を歩いた。
 
「孝志、花粉症なんだ?」
 
「おう、俺の家族はみんな。春になるとティッシュがすぐに足りなくなって大変なんだぜ?」
 
そう言っておどけてみせる孝志に晴樹は腹を抱えて笑った。
 
晴樹は早くもこの中学校に変更してよかった、と心から感じていた。
 

⏰:08/08/24 14:02 📱:P704i 🆔:OSfMMA/g


#690 [Mr.RabbIts!]
 

中学校に着くと校門に立っていた教員たちに誘導されて体育館に入った。
体育館に入ると多くの生徒たちがすでに座っていた。
 
「式って何時からだっけ?」
 
「…9時?だと思うけど」
 
まだ式が始まるには30分ほどの余裕がある。
晴樹と孝志は体育館の後ろの壁にもたれて座り込んだ。
 
「入学式って長いんだよなー…俺あの静かな雰囲気とか無理だし」
 
そう言ってうなだれる孝志に晴樹はクスクス笑う。
 
「孝志、途中でクシャミしないでよ」
 

⏰:08/08/24 14:08 📱:P704i 🆔:OSfMMA/g


#691 [Mr.RabbIts!]
 

そう言ってニヤリと意地悪く笑ってやると、孝志は俺を横目で見てため息を吐いた。
 
「それはー…花粉が俺の鼻ん中に入らんだら、の話。そんなの奇跡に近くね?」
 
孝志の言葉にまた笑っていると、教員たちに席へ誘導された。
孝志は結構前の方で、“若松”である晴樹は一番後ろの列の一番端っこに座らされた。
 

⏰:08/08/25 00:58 📱:P704i 🆔:Mq9qFtg6


#692 [Mr.RabbIts!]
 

気付くと十分前になっていて、さっきまでザワザワしていた会場が静まり始めた。
なんだかソワソワしてきた。
俺にとっては見渡すかぎり知らない顔ばかりだ。
ふと孝志の方を見ると、地毛が茶色っぽいため一際目立っている。
 
俺と違って、じっと前を見つめて動かない孝志に暫く目を奪われていると、式が始まるらしく教頭と思われる中年の男がマイクを持った。
 

⏰:08/08/25 15:04 📱:P704i 🆔:Mq9qFtg6


#693 [Mr.RabbIts!]
 

「コホンッ…えーそれでは、ただ今から式を始めたいと思います。皆様、ご起立ください」
 
周りのみんなが立ち始めたのを見て晴樹もその場に立つ。
一礼だけすると、また着席するよう指示された。
 
…なんのために立ったんだよ。
 
軽く不満に思いながら、また始まった教頭の話に耳を傾ける。
 

⏰:08/08/27 00:17 📱:P704i 🆔:CGYe3kz6


#694 [我輩は匿名である]
頑張ってください

⏰:08/08/27 20:49 📱:F703i 🆔:KFJhbFdw


#695 [我輩は匿名である]
>>1-50
>>51-100
>>101-150
>>151-200
>>201-250
>>251-300
>>301-350
>>351-400
>>401-450
>>451-500
>>501-550

⏰:08/08/28 09:48 📱:F703i 🆔:XpGVpuro


#696 [Mr.RabbIts!]
 

〒匿名さん▽
 
ありがとうございます!
 
今から更新します
遅くなりました〜
 

⏰:08/08/29 00:05 📱:P704i 🆔:.I2aIV46


#697 [Mr.RabbIts!]
 

〒匿名さん▽
 
アンカー
どうもですっ
 
更新遅くなって
すいません
 

⏰:08/08/29 00:06 📱:P704i 🆔:.I2aIV46


#698 [Mr.RabbIts!]
 

最初はその教頭の司会を聞いていた晴樹だったが、あまりにも出てくる人出てくる人が同じような低く、ゆっくり喋るので、眠気をかき立てられていた。
 
…早く終わんないかな。
 
ハァと小さくため息を漏らすと、まだ教頭は話を続けるらしく、しきりにマイクの前で額の脂汗を拭っている。
 

⏰:08/08/29 00:11 📱:P704i 🆔:.I2aIV46


#699 [Mr.RabbIts!]
 

*訂正*
 
出てくる人が同じような
 

 
出てくる人が同じように
 

⏰:08/08/29 00:14 📱:P704i 🆔:.I2aIV46


#700 [Mr.RabbIts!]
 

アクビを噛み殺しながら、必死に耐えていても容赦なく襲ってくる強烈な眠気。
瞼が重くてだんだん視界が閉じていく。それに抵抗しなくなった俺は、そのまま夢の中へ―…
 
「ぶぇっくしゅんっ!!」
 
今の馬鹿デカいクシャミで完全に瞼が開けた。
周りの連中がクスクス笑い出す。
クシャミをした本人はしきりに鼻をこすって、何を勘違いしたのか照れ笑いを浮かべている。
 

⏰:08/08/29 13:04 📱:P704i 🆔:.I2aIV46


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