フォーエヴァー。>>BL
最新 最初 🆕
#1 [Mr.RabbIts!]
           

更新トロいかも、。
           
ァゲうれしいです!
中傷ノーサンクス!!
           
感想VAN↓↓...
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/3210/

           

⏰:08/01/10 22:38 📱:P704i 🆔:WIeE8l9o


#2 [のこ]
どもートイ
の-こ-です!!
自称BL大好きマンン
更新遅くても見てるので、
頑張ってください~

⏰:08/01/11 02:37 📱:W51H 🆔:8W4GrTUU


#3 [Mr.RabbIts!]
           

早速のァゲ
あリがとうございます!           
夜、更新できると思います

           

⏰:08/01/11 07:37 📱:P704i 🆔:EvgvyvnU


#4 [Mr.RabbIts!]
           
―――――――――――――
01/*さようなら、こんにちは
―――――――――――――

           
「バイバイ」
           
小さく小さく呟くと、
重たい音を立て扉は閉まった。
           
ふと顔を上げると、そこには
まだ夜が明けきれていないせいか、
薄い雲に覆われたグレーの空が一面に広がっていた。           
静かに一人、冷たい空気を
肺一杯に吸い込むと
心臓がギュッ、と緊張した。

           

⏰:08/01/11 21:56 📱:P704i 🆔:EvgvyvnU


#5 [Mr.RabbIts!]
           

無性に煙草が欲しくなり、
ジャケットのポケットの中を
まさぐると、銀色に鈍く光る
重いライターがあった。
           
煙草はどのポケットに入れたのか
忘れてしまい、ジャケットの
腰あたりに付いている
両サイドのポケットにも
手を突っ込んだが、
何も入っていなかった。
           

⏰:08/01/12 19:15 📱:P704i 🆔:iUqd4znA


#6 [Mr.RabbIts!]
           

軽く舌打ちしてジーパンの
ケツポケットにも手を忍ばせる。
           
―と、ある物が瞳に映った。
           
俺の瞳に映ったのは、表札。
           
「わかまつ、はるき。」
           
呟いて自分の名前を
親指で擦ってみる。
           
『若松 晴樹』
           
最期までこの名前は
しっくりこなかった、
           
「相変わらず、俺に似合わねえ名前。」
           
煙草を探すのを止め、
目の前の不愉快な代物に
手を伸ばした。

           

⏰:08/01/12 19:27 📱:P704i 🆔:iUqd4znA


#7 [Mr.RabbIts!]
           

壁に接着剤か何かで粗末に
貼り付けられていたソレは
あまりにも簡単に剥がれた。
           
手の中でじっと眺めてみる。
父の名前、母の名前、兄の名前。
           
もう振り返りたくは、無い。
この若松家で過ごしていた事は
俺にとって忘れてしまいたい物
でしか無かった。
           
右手に握ったままだった
ライター火を灯す。
           
昔の造りに合わせて
作られた表札は木製。
           

⏰:08/01/12 19:39 📱:P704i 🆔:iUqd4znA


#8 [Mr.RabbIts!]
           

ミス!
           
『ライターに火を灯す』
           
『昔の造りに〜』は
『昔の造りの家に〜』です

           

⏰:08/01/12 19:43 📱:P704i 🆔:iUqd4znA


#9 [Mr.RabbIts!]
           

―確か…、
           
あった。
昔、祖母が近所迷惑も考えずに
ゴミを燃やしていたドラム缶。
           
庭の隅に追いやられて、
祖母が死んでから使われていない
ドラム缶の前に立つ。
           
表札にライターの火を近付ける。
―チリッ、
焦げ臭い匂いが鼻を掠める。
           
それを不愉快に思い、
火が完全に燃え移った表札を
ドラム缶の中へと落とした。
           

⏰:08/01/12 19:50 📱:P704i 🆔:iUqd4znA


#10 [Mr.RabbIts!]
           

こんな事で過去が消えるとは
到底思えないが、さっきより
心が軽くなった気がするのは
気のせいでは無さそうだ。           
「…まだまだ餓鬼だな。」
           
まだ18歳の俺は早く、
大人に成りたかった。

           

⏰:08/01/12 19:55 📱:P704i 🆔:iUqd4znA


#11 [Mr.RabbIts!]
           

住宅街を抜け、ビル街へと
足を運んだ。
           
ゆっくり歩いていたせいか、
さっきまで白んでいた空には
すっかり太陽が昇っている。
           
目の前は人、ひと、ヒト。どいつもこいつも忙しなく歩いてる。
そいつらに呑み込まれないように、
俺はゆっくりゆっくり大股に歩く。
           
―そういえば、
此処に来るまで一度も
後ろを振り向かずに
歩いてきた事に気付く。
           
上出来だ。
このまま前だけ見て
進んで行けばいい。
           
そんな俺の考えを打ち砕くような
瞬間はすぐそこまで来ていた。

           

⏰:08/01/13 08:58 📱:P704i 🆔:wm6CAhHg


#12 [Mr.RabbIts!]
           
「フー…」
           
煙草も漸く見つかって
ビルとビルに挟まれて
日が全く当たらない場所で
暫し休憩+一服。
           
―これからどうするか…。
           
取り敢えずビジネスホテルでも…
と考えて煙草を靴で揉み消し
再びアノ忙しない人混みに
飛び込もうとした時、
           
「ちょっと!君っ」
           
いきなり後ろから呼び止められた。
           

⏰:08/01/13 09:07 📱:P704i 🆔:wm6CAhHg


#13 [Mr.RabbIts!]
           

…は?俺か?
まぁ、いいや。
面倒事には関わりたく無い。
           
俺は気付かないフリをして、
その場を立ち去ろうとする。
           
「ちょ、え?無視!?」
           
先程と違い、間抜けな声が
響いた。
またオッサンが説教垂れるのかと
思っていたが、声色からして
若そうだ。
           
絡まれんのかな…、とか
思いつつ振り返った。
           

⏰:08/01/13 09:13 📱:P704i 🆔:wm6CAhHg


#14 [Mr.RabbIts!]
           

そこには…
んーと、柄は悪く無さそうだけど
カナリ明るい金髪の外人っぽい
兄ちゃんが立っていた。
           
「あっ、気付いてくれた」           
そう言って子供っぽくニィッと
顔全体で笑った。
           

⏰:08/01/13 09:19 📱:P704i 🆔:wm6CAhHg


#15 [Mr.RabbIts!]
           

「…あの、何すか」
           
俺はさっさと用件を聞き出して
事を早く終わらせたい。
しかし、俺の思いとは裏腹に
目の前のハーフ?さんは、話を全く別の方へ導き出した。
           
「おぉー!君、可愛い顔なのにいい声してんだねー」           
「………。」
なんだコイツ。
世間話する為に俺を
呼び止めたのかよ?
           
イライラし出した俺にも構わず、
質問を続けるハーフさん。           
「声変わりしたの?何歳?」
           
「…声変わりはしたよ。18歳」
           
何で、んな事答えなきゃ
なんねーんだよ。
律儀に答えてる俺もアレだけど。
           
「ふーん。じゃあ未成年だよね?…煙草、ダメじゃん?」
           
…ハメられた。

           

⏰:08/01/13 09:30 📱:P704i 🆔:wm6CAhHg


#16 [Mr.RabbIts!]
           

取り敢えず、
           
「煙草?」
           
しらばっくれてみる。
           
「吸ってたでしょ?俺、この青い瞳でしっかり見てた」
           
「…何だよ。お兄さんケーサツなワケ?補導員?」
           
「そんな風に見える?」
           
全然見えません。
っつーか、どっちかって言うと
補導される側に見える。
           
「あ、君失礼な事考えてたでしょっ?」
           
何なのこの人。エスパー?

           

⏰:08/01/13 12:44 📱:P704i 🆔:wm6CAhHg


#17 [Mr.RabbIts!]
           

「…で?」
「………で??」
           
暫くの沈黙を破った
俺の言葉の意味が
理解出来ないのか金髪の
兄ちゃんはきょとんとして
俺の続く言葉を待っている。
           
俺は軽く溜め息を吐き、
言葉を続けた。
           
「で、結局お兄さんは何で俺を呼び止めたの?」
           
そこまで言うと、
間抜け面の金髪は(酷)
「あぁ!」と声を上げた。
やっと理解してくれたのか、
と安堵の息を漏らしたのも
束の間。
           
間抜け面の〜(以下省略)の
言葉でまた話は
振り出しに戻される。

           

⏰:08/01/13 12:56 📱:P704i 🆔:wm6CAhHg


#18 [Mr.RabbIts!]
           

「あ、うん。だって君、煙草吸ってたでしょ?」
           
「………はあ?」
           
俺は何度コイツに
驚かされるのだろう。
           
「いや、はあ?じゃ無くて」
           
いやいや、はあ?だろ。
何?未成年が煙草吸ってた
ごときで初対面の奴
呼び止めるか?フツー。
           
「お兄さん。まさか、それだけで俺を呼び止めた…?」
           
「え?まさか!!」
           
おっ、よかった。
喫煙ごときで
呼び止められてたんじゃ、またニコチン切れてイライラして
喫煙してー…の繰り返し
じゃねーかよ。
           
「…で、お兄さん何の用件があって俺を呼び止めたの?」
           
俺はまだ分かっていなかった。
目の前のコイツが俺の予測範囲を
完全に飛び越えている
常識外れだという事を。

           

⏰:08/01/13 13:08 📱:P704i 🆔:wm6CAhHg


#19 [Mr.RabbIts!]
           

「俺さー、君にヒビビッとキちゃったんだよねー」
           
「……………は?」
           
言ってる意味がわかんない。
ビビビッ?コイツは大丈夫か。
           
「だからー、運命っての?感じちゃったー」
           
いやいやいや、感じちゃったー、
て危ない事をサラッと
言わないでよ。
           
「な…何言ってるのか、さっぱり分かんねーんだけど?」
           
俺が怪しいモノを見るような目で
見ているのに気付いたのか、
気付いていないのか、
コイツは更に謎を深める。
           
「ま、取り敢えず俺に付いてきて?」
           

⏰:08/01/13 20:25 📱:P704i 🆔:wm6CAhHg


#20 [Mr.RabbIts!]
           

ぎゃーっ
           
『ヒビビッ』って何?!もういやー

           

⏰:08/01/13 20:28 📱:P704i 🆔:wm6CAhHg


#21 [Mr.RabbIts!]
           

行くよーとか言って歩き出した金髪だが、俺が付いてこないのを見て足を止めた。
           
「行かないの?」
           
俯いていた顔を覗き込まれ焦る。
           
「っ行くわけねーだろ!」           
「…え、何で?」
           
は?コイツの頭は正常に機能してんのか?
何が悲しくて初対面で、
しかも男相手に
『可愛い顔してる』だの
『運命感じちゃったー』だの
ぬかす奴に付いてかなきゃなんねーんだっつーの。
           
「アンタ、頭だいじょーぶ?」
           
それだけ俺が返すと
金髪は不思議そうに俺に問いかけてきた。
           
「君こそ、大丈夫?」
           

⏰:08/01/13 20:38 📱:P704i 🆔:wm6CAhHg


#22 [Mr.RabbIts!]
           

はあ?何が。と言おうとした時、金髪の大きな両手が俺の頬を包んだ。
           
「…すごく、辛そうな瞳してる。」
           
『君こそ、大丈夫?』
           
―大丈夫なワケ無い。
今までの俺の人生は散々なモノだった。
           
大丈夫じゃなかった。
だから―…
           
「大丈夫なんだよ」
           
俺は金髪の青い瞳を真っ直ぐに見た。
           
「これから、大丈夫になるんだ。…自分のチカラで」           
「……付いておいで」
           
金髪は優しく微笑み、俺の頬から手を離すと今度は俺の手を握り二人で歩き出した。

           

⏰:08/01/13 20:46 📱:P704i 🆔:wm6CAhHg


#23 [Mr.RabbIts!]
           

俺は素直に付いていく事にした。
コイツ悪い奴には見えねーし、それに…初めて『大丈夫?』なんて聞いてくれる奴に会った。
           
俺が大丈夫じゃ無い事、今にも崩れ落ちてしまいそうな事、理解してくれる奴なんか居ないって思ってた。
           
「…でもさ、」
           
「ん?」
           
急に言葉を発した俺の方を振り向く金髪。
ソイツの青い瞳に呑み込まれ無いように、キッと威嚇して素早く繋いでいた手を離した。
           
「これは絶対流されてる!」
           
自分に言い聞かせるように叫んで金髪の前をズカズカ歩く。
           
「ちょ、え?何??」
           
急に手を離された金髪はカナリ不満そうだ。

           

⏰:08/01/13 21:31 📱:P704i 🆔:wm6CAhHg


#24 [Mr.RabbIts!]
           

暫く歩いてようやく目的の場所に辿り着いたようだ。           
「…こ、こ?」
           
「うん。ココー!」
           
二人の目の前にはマンション。
…やっぱりすぐ隣に居るコイツの先程からの行動で、少し身構えている自分が居るワケで…。
           
「やっぱ、帰るわ!俺」
           
と言い、今来た道を引き返そうとしたが金髪に腕を掴まれ、ビクリと体が反応しその場から動けなくなった。
           

⏰:08/01/13 22:15 📱:P704i 🆔:wm6CAhHg


#25 [Mr.RabbIts!]
           

「帰るって、何処に?」
           
その質問がチクリ、と胸に刺さった。
俺に帰る場所など、無い。           
「別に。関係無いだろ?」
           
目を反らして答えた俺を不満に思ったのか、腕を引っ張られ奴と向かい合う形にされてしまった。
           
「帰る場所無いんでしょ?」
           
「……………。」
           
「そんな重たそうな鞄もってさ、ブラブラしてたら怖いお兄さん達に絡まれるよ?」
           
お見通しってワケか。
コイツが俺に声掛けたのは、
煙草吸ってたからでも、
ビビビッときたワケでも無くて…
           
「さっきから何を勘違いしてるか分かんないけど、俺コイビト居るからね?」
           
その言葉に不意を突かれて軽く赤面してしまった。
           
「じゃあ、行こっか」
           
そんな柔らかい笑顔で言われたら、俺はもう黙って頷く事しか出来なかった。

           

⏰:08/01/13 22:25 📱:P704i 🆔:wm6CAhHg


#26 [Mr.RabbIts!]
           

「ねえ、オレに逢わなかったらこれからどうする気だったの?」
           
エレベーターで部屋に向かっている時、ふいに問いかけられた。
           
「…何日もかけて、どっか遠くに行くつもりだった。」
「…そっか。」
           
優しく微笑んだコイツを見て少し気持ちがふっ、と軽くなった気がする。
           

⏰:08/01/19 09:35 📱:P704i 🆔:AjWvMlvQ


#27 [Mr.RabbIts!]
           

今、俺の目の前に居る男は俺にとって全く未知の生物だ。
           
ついさっき出会ったばかりなのに、今まで人に心を許した事の無い俺が少しずつだが、この男に心を許しつつある。
           
―ヤバいな。俺ってこんなに単純だったっけ?
           
また気を張り直したところで、目的の扉に辿り着いたらしい。

           

⏰:08/01/19 09:42 📱:P704i 🆔:AjWvMlvQ


#28 [Mr.RabbIts!]
           

すっと顔を上げて扉を見ると、銀色に光るアルミ製のプレートにルームナンバーと
           
AKIRA.KOHSAKA
           
「…こうさか、あきら?」           
この男の名前なのだろうと呟いたが、予想外の返事を笑顔で返された。
           
「あぁ、うん。諒の部屋にみんな集合する事になってるから」
           

⏰:08/01/19 14:48 📱:P704i 🆔:AjWvMlvQ


#29 [Mr.RabbIts!]
           

は?みんなって何??と聞く前に、目の前のは開かれた。
           
「あきらー、来たよー♪」
           
元気に入っていく金髪に続いて、戸惑いながらも部屋に足を踏み入れる。

           

⏰:08/01/19 15:11 📱:P704i 🆔:AjWvMlvQ


#30 [Mr.RabbIts!]
           

×訂正です
           
『目の前のは〜…』

『目の前の扉は〜…』
です
           

⏰:08/01/19 15:14 📱:P704i 🆔:AjWvMlvQ


#31 [スちぃス]
面白いっす
頑張って・

⏰:08/01/19 16:54 📱:W43H 🆔:l1Z3YAvE


#32 [Mr.RabbIts!]
           

あリがとウございます!!
           
今から更新します(`-ω∩)

           

⏰:08/01/19 17:32 📱:P704i 🆔:AjWvMlvQ


#33 [Mr.RabbIts!]
           

奥のリビングからは賑やかな話し声が響いてくる。
金髪が俺を置いてサッサと上がり込んでしまったため、どうしていいものか解らず暫く玄関に止まっていた。
           
…やっぱ、ホテル探そう。
うん、そうしよう。と考え直し今来た道を引き返そうと、扉のノブに手を掛けた時後ろからドタドタ、とこちらに近付いて来る足音がした。

           

⏰:08/01/19 17:45 📱:P704i 🆔:AjWvMlvQ


#34 [Mr.RabbIts!]
           

「ちょっと!なかなか来ないと思ったら〜、早くおいでよ?」
           
心の中で軽く舌打ちした、つもりが実際していたらしい。
ノブに手を掛けたまま、振り返る。
           
「行くっつの」
「じゃ、ノブから手ぇ放そっか?」
           
そう言って此処から逃げ出したいという俺の心から、掴んだままだった扉のノブから優しく手を放される。           
そのまま手を引かれ、賑やかなリビングに連れていかれた。

           

⏰:08/01/19 18:57 📱:P704i 🆔:AjWvMlvQ


#35 [Mr.RabbIts!]
           

広いリビングにはソファーやテーブル、デカい液晶テレビなど必要最低限のモノしか置かれておらず、より部屋が広々と感じられた。
           
「遙、その子?」
「うん、この子ー」
           
ソファーにゆったり座っている、大人っぽい雰囲気を纏った美形な男がゆっくり口を開いた。
           
「…はるか?」
           
コイツの名前か?と思い、俺の横で変わらずニコニコしている金髪に視線を向けた。
           
「あ!名前言ってなかったねー。オレ遙、遠藤 遙」           
あー、どーも。…て、ココは俺もよろしくーとか言って名乗るべきだよな。
でも………、
           
「なに、ソイツ。誰?」
           
リビングに繋がる奥の部屋から、また一人美形くんがのそのそと出てきた。


広いリビングにはソファーやテーブル、デカい液晶テレビなど必要最低限のモノしか置かれておらず、より部屋が広々と感じられた。
           
「遙、その子?」
「うん、この子ー」
           
ソファーにゆったり座っている、大人っぽい雰囲気を纏った美形な男がゆっくり口を開いた。
           
「…はるか?」
           
コイツの名前か?と思い、俺の横で変わらずニコニコしている金髪に視線を向けた。
           
「あ!名前言ってなかったねー。オレ遙、遠藤 遙」           
あー、どーも。…て、ココは俺もよろしくーとか言って名乗るべきだよな。
でも………、
           

⏰:08/01/19 19:31 📱:P704i 🆔:AjWvMlvQ


#36 [Mr.RabbIts!]
           

わあ-
同じ内容の文
やっちゃいましたねっ!!
           
いちおう
『のそのそと出てきた。』で終わりです!
           
読みにくいですね…
すいませんっ

           

⏰:08/01/19 19:35 📱:P704i 🆔:AjWvMlvQ


#37 [Mr.RabbIts!]
           

今読み返したら
若干読みずらいトコありますね…
           
『その子?遙』
△この台詞は
ソファーに座っている
男が言った言葉です
           
『はるか…?』
△この台詞は
「俺」の言葉です

           

⏰:08/01/19 20:05 📱:P704i 🆔:AjWvMlvQ


#38 [Mr.RabbIts!]
           

「あ〜雄琉っ居たんだぁ?」
           
たける、と呼ばれた男は遙の言葉に答えず、俺に視線を注いだままもう一度
           
「ソイツ、なに?」
           
と言った。
           
「なにって…雄琉、言い方ってモンがあるだろ。」
           
ソファーに座っていた男がそう言いながら立ち上がり、俺と遙に近寄ってきた。

           

⏰:08/01/20 13:41 📱:P704i 🆔:5VGgx1vE


#39 [Mr.RabbIts!]
           

俺の前で止まると背の低い俺への嫌味か、少し屈んで俺の目線に合わせてから話し始めた。
           
「ごめんな?アイツ口悪くて…名前、何てゆーんだ?」
           
身長差のためか、少しナメられている気がして不貞腐れていた俺はボソッ、と口を開いた。
           
「…アンタが、あきら?」           
俺の言葉を聞いて目の前の男は優しく微笑んで答えてくれた。
           
「あぁ。そうだよ、この部屋は俺ん家。」
           
俺は自分が聞いたのにも関わらず、ふーんとだけ返した。

           

⏰:08/01/20 13:51 📱:P704i 🆔:5VGgx1vE


#40 [Mr.RabbIts!]
           

「で?」
「…で??」
           
わざとしらばっくれてみる。
           
「名前、教えてー?」
           
何故か遙が会話に割り込んできた。
           
「なに、遙も聞いてないの?」
「うんー」
           
盛り上がってる(?)トコ悪いけど
           
「俺、名前無いから」
           

           

⏰:08/01/20 13:56 📱:P704i 🆔:5VGgx1vE


#41 [Mr.RabbIts!]
           

俺の発言に一番初めに反応したのは雄琉という男。
           
「…は?捨て子かよ??」
「っ雄琉!!」
           
諒が強く雄琉をたしなめた。
           
「…別に、いいよ。名前捨てたの、俺の方だし」
           
俺の言葉を最後に何故か誰も口を開かなくなってしまった。

           

⏰:08/01/20 18:59 📱:P704i 🆔:5VGgx1vE


#42 [Mr.RabbIts!]
           

…なんか、気まずい。
て、気まずくしたのは俺だけど。
この沈黙は、重いだろ…。
そう思い口を開こうとした時、遙が先に口を開いた。
           
「ジョン」
           
「………は?」
           
俺は遙が発した言葉の意味が解らなくて、間抜けな声を出してしまった。

           

⏰:08/01/20 21:29 📱:P704i 🆔:5VGgx1vE


#43 [Mr.RabbIts!]
           

「なんか君、犬っぽくてカワイーから今日から"ジョン"ね♪」
           
『ジョン』て…俺の名前かい。
つか、犬っぽいって失礼な奴だな!
そう遙に言おうとしたが、今度は諒が口を開いた。
           
「ジョンは無いだろ。だったら"ジュン"とかの方が良くない?女でも男でもいける名前だし」
           
諒まで何言って…
つか、男だから!俺!!
その心の声も雄琉の声に邪魔されて、言葉を呑み込むしかなかった。
           
「バーカ。こいつの名前は俺がもう決めた」
           
フッ、と余裕の笑みを見せ、雄琉はテーブルの上のマジックペンを手に取って、こちらに歩み寄ってきた。

           

⏰:08/01/20 21:41 📱:P704i 🆔:5VGgx1vE


#44 [Mr.RabbIts!]
           

軽く威嚇していた俺に構うこと無く、雄琉は俺の前で立ち止まったかと思うと、いきなり左手を引っ張られた。
           
「うおっ!!?―なにやって…?」
           
雄琉は俺の掌にマジックペンで何かを書いた。
一瞬にして書き終えたらしく、満足気な顔で俺を見た。
           
「オマエの名前だ」
           
掌を見てみる。
           
『大』

           

⏰:08/01/22 18:27 📱:P704i 🆔:zVM.Ltcw


#45 [Mr.RabbIts!]
           

「………だい?」
           
何だその名前。
自分で呟きながら呆れる。
…俺、国語とか苦手だし。
           
「バーカ。んな名前つけるかっ!」
           
雄琉の見下したような態度に若干イラっとした。
           
「何て読むのー?おお…?」
           
遙も俺の掌に書かれた『大』の文字を覗き込んでいた。
           
「 ヒロ。 」
           
雄琉が俺を真っ直ぐ見て、呟いた。
           

⏰:08/01/22 18:34 📱:P704i 🆔:zVM.Ltcw


#46 [Mr.RabbIts!]
           

「……ひ、ろ…?」
           
思ってたより良い名前…つーか結構、好きになれそうな名前。
           
「おー!雄琉にしては良い名前考えたねー!!」
           
遙が俺の横ではしゃぐ。
そんな遙にデコピンをくらわせて、雄琉は「寝る」と言って寝室に引き上げていった。
           

⏰:08/01/22 18:40 📱:P704i 🆔:zVM.Ltcw


#47 [我輩は匿名である]
おもしろい

⏰:08/01/22 22:23 📱:SH904i 🆔:KBiQ3XLM


#48 [Mr.RabbIts!]
           

おもしろいとか
ウレシ-ですっ:)!
           
また更新しますねっ

           

⏰:08/01/22 23:07 📱:P704i 🆔:zVM.Ltcw


#49 [Mr.RabbIts!]
           

「ヒロ、か。アイツ結構良い名前付けるんじゃん」
           
諒が寝室に向かう雄琉の背中を見つめながら呟いた。
           
俺は何も言わず、無意識にじっと雄琉が寝室に入るまで目で追っていた。
そんな俺に横から遙が話しかけてくる。
           
「ヒロ、雄琉の事見つめすぎー!ホレちゃったの?」
           
遙のその言葉に俺は猛烈に反発する。
           
「は!?ありえねーしっ!!つか、男にホレるかっ」
           
何なんだよ。コイツ…、

           

⏰:08/01/22 23:19 📱:P704i 🆔:zVM.Ltcw


#50 [Mr.RabbIts!]
           

つか、何なんだコイツら。
           
今さらながら疑問を口にしてみる事にした。
           
「なぁ、アンタらって何なの?友達…??」
           
俺の言葉に答えたのは諒。
           
「んー友達ってか、俺らバンド組んでんだ」
           
予想を遥かに越えた諒の言葉に驚く。
           

⏰:08/01/24 00:07 📱:P704i 🆔:n4iJy7ZY


#51 [Mr.RabbIts!]
           

「へぇ、すげー」
           
何故だか感動した。
あんまり俺と年離れて無さそうなのに、自分のやりたい事見つけてその道を走ってる彼らが、すごくカッコイイ。
           
「え、誰が何やってんの?」
           
「ん、俺がドラムで遙がベース。で、雄琉がギターとボーカル」
           
…へえ、アイツがボーカルかよ。
まぁ、ポイっちゃポイけど。

           

⏰:08/01/24 00:14 📱:P704i 🆔:n4iJy7ZY


#52 [Mr.RabbIts!]
           

「バンドの名前、なんてゆーんだ?」
           
「Re:BARTH(リバース)」
           
リバース…
           
「『生き返る』とか『生命は繰り返される』的なことを言いたかったらしくて、雄琉が付けた名前」
           
諒の言葉にドクン、と胸が高鳴った。
―なんだろう。
すごく俺カラダが騒いでる、…疼いてる?

           

⏰:08/01/24 00:22 📱:P704i 🆔:n4iJy7ZY


#53 [我輩は匿名である]
  ノ
 ('A`)
 (x(7
 < ヽ

⏰:08/01/24 01:30 📱:N902i 🆔:6ikKpOsg


#54 [Mr.RabbIts!]
           

アゲどーもです
           
また夜更新できると
おもいます(゚∀.)、。

           

⏰:08/01/24 20:14 📱:P704i 🆔:n4iJy7ZY


#55 [Mr.RabbIts!]
           

「えぇーーーっ!!」
           
暫くボーッとしていた俺は遙の叫び声にビクリとした。
           
「…んだよ?」
           
そう言って俺が遙に目を向けると、眉間に皺を寄せて諒をじっと見つめ、何かに対しての不満を露にしている。
           

⏰:08/01/25 23:23 📱:P704i 🆔:MBF0v/Ms


#56 [Mr.RabbIts!]
           

すると諒がやれやれといった風に口を開いた。
           
「だからーお前じゃ面倒見れないって」
           
面倒?なんの??
           
俺の疑問も他所に遙も負けじと粘る。
           
「だいじょーぶだって!だいたいヒロ連れてきたのオレだしっ」
           
は?俺がなに??
           
諒が厳しい口調になる。
           
「駄目だ。遙の部屋ぐちゃぐちゃじゃん。自分の事も出来ないのに、ヒロを任せらんないよ」
           
―ちょ、なに!?
           

⏰:08/01/25 23:28 📱:P704i 🆔:MBF0v/Ms


#57 [Mr.RabbIts!]
           

「なんだよっ!ヒロだってオレの方がいいよなっ!?」
           
遙の言葉にやっと状況が把握出来た。
そしてまだ言い合いを止めそうに無い二人に制止の言葉をかけた。
           
「ちょっと待て!」
           
二人は同時にこちらを見た。
           

⏰:08/01/25 23:32 📱:P704i 🆔:MBF0v/Ms


#58 [Mr.RabbIts!]
           

「俺、アンタらに世話になる気無いから」
           
俺はそれだけ言って、『じゃあね』と片手を挙げて玄関へと足を動かした。
           
―が、挙げた片手を何故か遙に掴まれ、強い力で元の位置に引き戻された。
           
「いって…なにすんだよ!?」
           
軽く遙を睨んだが、本人は相変わらずニコニコしたままだ。
           

⏰:08/01/26 11:32 📱:P704i 🆔:PBnl8waY


#59 [Mr.RabbIts!]
           

「何処行くのさ?」
           
遙が笑顔のまま問いかけてくる。
前もこんな会話をコイツとしなかったか?
んでコイツには誤魔化しが効かなかった。
性が無くホントの事を言う。
           
「…ビジネスホテルにでも泊まろうかとおも……」
           
「駄目」
           
俺の言葉を遮った遙は真剣な眼差しで俺を見た。
           

⏰:08/01/26 18:06 📱:P704i 🆔:PBnl8waY


#60 [Mr.RabbIts!]
           

「っはぁ!?どうしようが俺の勝手だろうが!」
           
―俺は内心焦っていたんだ。
こんなにも人に構ってもらった事が無い。
           
「…わかった」
           
諒が静かに呟いた。
…やっとわかってくれたのか、と安心したのも束の間。
諒は再び口を開いた。
           

⏰:08/01/27 11:56 📱:P704i 🆔:cWUz9w86


#61 [Mr.RabbIts!]
           

「家出少年をこのまま見過ごすワケにもいかないし、…警察に届け出るか」
           
俺が驚いて諒を見ると
「さぁ、どうする?」と言わんばかりの意地の悪い笑顔で俺を見ていた。
           
どーするもこーするも、さっきの諒の言葉を訳すと
『俺らに世話にならねーってなら、警察に突き出すぞコラ』

           

⏰:08/01/27 12:02 📱:P704i 🆔:cWUz9w86


#62 [Mr.RabbIts!]
           

俺が諒に罵声を浴びせようと口を開きかけた時、足元に何か柔らかくてあたたかいモノがぶつかってきた。
           
「…………あ?」
「ニャー」
           
………ネ、コ
           
「珍しいな、スティンから擦り寄ってくるなんて」
           
諒の言葉からするとこのグレーの毛並みのいい上品なネコの名前はスティン。
           

⏰:08/01/27 12:09 📱:P704i 🆔:cWUz9w86


#63 [Mr.RabbIts!]
           

俺はスティンを見つめながら呟く。
           
「……諒、」
           
「ん?」
           
「―ッ俺、此処でお世話になります!!」
           
そう叫ぶと俺の足に擦り寄っているスティンを抱き上げた。
           
「かわいーなっ!お前〜☆」
           
スティンと暫し戯れる。
そんな俺を見て、諒と遥は唖然としていた。
           

⏰:08/01/27 20:57 📱:P704i 🆔:cWUz9w86


#64 [Mr.RabbIts!]
           

「うりゃ〜」
「ニャーッ」
           
完全に二人(?)の世界に飛んでいってしまっている俺とスティン。
           
「…やば///」
「ん?」
           
遥の呟きに諒が遥を見る。
           
「スティンよりヒロのがカワイーし///」
           
その言葉に諒はまだ戯れている二人(?)に目を向けた。
           
「……いや、やっぱスティンが一番だな」
「猫バカめ…」

           

⏰:08/01/27 21:38 📱:P704i 🆔:cWUz9w86


#65 [Mr.RabbIts!]
           

「つか、カワイーからあの子拾ってきたわけ?」
「んー、ソレもちょっとある。けどー」
           
遥はまた元の笑顔に戻っていた。
           
「ビビビッとキちゃったんだよねー、会った時」
「…ほぉー、それはそれは」
           
二人とも黙ってスティンと戯れているヒロを優しく見守っていた。
           

⏰:08/01/27 22:04 📱:P704i 🆔:cWUz9w86


#66 [我輩は匿名である]
おもしろいです

がんばって下さい´ω`

⏰:08/01/27 22:49 📱:SH904i 🆔:eplsYDSc


#67 [Mr.RabbIts!]
           

「…ホントにいいのか?」           
スティンと充分戯れた後、諒を見つめて言った。
           
「いいも何も、警察行きたい?」
「お世話になります!!」           
そんな俺を見てクスリ、と諒は笑う。遥はジャンパーを羽織って玄関へと消えていった。
その背中をスティンを抱えたまま、俺は追った。
           

⏰:08/01/27 22:51 📱:P704i 🆔:cWUz9w86


#68 [Mr.RabbIts!]
           

「…帰んの?」
           
俺が声をかけると遥が振り返った。
           
「うん。…寂し?」
「あほか」
「ひどいなー」
           
ハハッと笑って遥はドアに手をかける。
           
「…っ遥!」
「ん?」
           
改めて言おうとすると、やっぱり恥ずかしい。
でも…
           
「…ありがと、な///」
           
恥ずかしくなって、胸に抱えているスティンに顔を埋める。
           
「うん。ありがと」
           
そう言った遥の声が聞こえた後、扉が閉まる音がした。

           

⏰:08/01/27 22:58 📱:P704i 🆔:cWUz9w86


#69 [Mr.RabbIts!]
           

「…なんか、俺が感謝され、た?」
           
やっぱよくわかんねぇヤツ、と呟いて再びリビングへと戻った。
           
「あ、ヒロ。俺もちょっと出てくるから、雄琉とスティンと留守番しててー」
           
え、アイツとかよ…と思ったが諒はサッサと用意して出ていってしまった。
           

⏰:08/01/27 23:05 📱:P704i 🆔:cWUz9w86


#70 [Mr.RabbIts!]
           

うおっ!?
           
匿名さんアゲ
ありがとーございます
           
おもしろいとか
うれしいです〜

           

⏰:08/01/27 23:08 📱:P704i 🆔:cWUz9w86


#71 [Mr.RabbIts!]
           

「今日はいろんなコトがあったな〜」
「ニャー」
           
リビングの大きな窓の下で胡座をかいて、そこにスティンを座らせる。
           
「もう夕方かー」
「ニャーーーッ」
           
沈んでいく夕日を見てしみじみしていると、スティンが何かを見つけたのか、いきなり走り出した。
           
「え、おいっスティン!」
           
俺はスティンを追いかけた。

           

⏰:08/01/27 23:54 📱:P704i 🆔:cWUz9w86


#72 [Mr.RabbIts!]
           

スティンは半開きになっていた扉をスルリと抜け、ある部屋に入っていってしまった。
           
暫く入るかどうするか迷ったが、
           
「………おじゃましますよー」
           
小さく遠慮の言葉を呟いて足を踏み入れた。
           

⏰:08/01/28 11:58 📱:P704i 🆔:tDXQi2Sg


#73 [Mr.RabbIts!]
           

「うおっ…すっげぇ……」           
その部屋は防音加工がしてあり、ドラムやギター、ベース、いろんな機具が並べられていた。
所謂スタジオ的な。
           
「このマンション見掛けはそんなにデカく無いのに、中すっげーな…」

           
一人でブツブツ呟きながら辺りを見回していると、後ろからガシャン!と大きな音がした。
           

⏰:08/01/28 21:28 📱:P704i 🆔:tDXQi2Sg


#74 [Mr.RabbIts!]
           

「なッ!?……ってスティンかよ」
           
そう、背後からの大きな音はスティンが積み上げてあったCDを崩したため。
           
「あ〜ぁ、駄目じゃん。俺が諒に怒られる〜」
           
急いでCDを元の位置に戻す。
           
「…ってか、コレって……」
           
リバースの曲なんじゃね?
           
いつの間にかCDを片付ける作業を停止して、じっとCDを手にとって見つめていた。
           

⏰:08/01/28 21:33 📱:P704i 🆔:tDXQi2Sg


#75 [Mr.RabbIts!]
           

「ニャ〜…((カリカリカリ」
           
スティンの声と何かを爪で掻く音の方を振り向くと、コンポを爪で引っ掻いているスティンがいた。
           
「…聴きたいよな?」
「ニャーー」
           
スティンの返事(?)を聞いて、ワクワクしながらコンポにCDをセットした。
           

⏰:08/01/29 01:04 📱:P704i 🆔:iSVz2rtg


#76 [Mr.RabbIts!]
           
           

…♪〜♪♪〜〜♪―…
           
           
「………なん…だ…コ、レ…」
           
スゲェ、かっこいー
           
聴き入っていると曲が終わってしまった。
           
「…もう一回……」
           
俺はコンポの『リピート』を押して、何度も何度もリバースが作り出した曲に耳を傾けた。
           

⏰:08/01/29 18:26 📱:P704i 🆔:iSVz2rtg


#77 [Mr.RabbIts!]
           

―♪〜♪♪〜♪〜…
           
「雄琉ってヤツ…歌、超うめぇ」
           
スゴく心地いい声。
           
「でも、この鼻にかけたような歌い方が気に入らねー……」
           
一人で呟いてみたら、少し可笑しくなって苦笑した。           
こんな希望に満ち溢れた歌を歌っている雄琉を、羨ましく思った。
きっとコイツは俺が持っていないモノをたくさん持っているのだろう。
           
そう思うと羨ましく、そして少し妬んでしまう自分がいた。
           

⏰:08/01/29 18:36 📱:P704i 🆔:iSVz2rtg


#78 [Mr.RabbIts!]
           

〜♪〜♪♪―…
           
「あっ、ココもう覚えた。」
           
「♪〜♪♪〜♪―、…………。」
           
さっきまで光り輝いていた歌が、俺が口ずさむと希望の歌には聴こえなくなって、この歌が嫌いになってしまいそうで、
そんな自分が嫌いになってしまいそうで…
           
歌い続けるコトが出来なかった。
           

⏰:08/01/29 18:42 📱:P704i 🆔:iSVz2rtg


#79 [Mr.RabbIts!]
           

―雄琉サイド―
           
           
「……んぁ?」
           
何か音がするんですけど。
           
せっかく気持ち良く寝てたのに…などと、ブツブツ一人呟きながら音のする方へと足を進めた。
           
寝室の扉を開くと気付いたコトがひとつ。
           
「…あれ?日暮れてね?」           

⏰:08/01/29 20:08 📱:P704i 🆔:iSVz2rtg


#80 [Mr.RabbIts!]

           
やっべー、寝過ぎた。
           
『何しに来てんだ。さっさと曲を書け』といつもの諒からの説教を予想して、キッチンを覗いてみたが、諒の姿がない。
           
其処らを見渡しても諒の姿は無く、ひと安心した時だった。
           
…♪♪〜♪―
           
「え、コレ―…」
           
俺たちの曲…
           
遙か…?そう思いながら俺たちリバースにとってのスタジオ(ショボい)の方へと足を向けた。
           

⏰:08/01/29 20:14 📱:P704i 🆔:iSVz2rtg


#81 [Mr.RabbIts!]
           

やっぱり音はスタジオからしているようだ。
近付いてみると、扉が僅かに開いている。
           
防音の意味ねーじゃん…
           
そう思いながら扉に手を掛けて、中を覗くとソコに居たのは
           
「……ヒロ?」
           

⏰:08/01/29 23:44 📱:P704i 🆔:iSVz2rtg


#82 [Mr.RabbIts!]
           

ヒロは俺が呼んだのには気付かずに、じっと動かずに曲を聴いている。
           
その姿勢が少し可愛く思えて、そのまま暫く見ている事にした。
           
すると、いきなりヒロが一人で喋り始めた。
           

⏰:08/01/29 23:48 📱:P704i 🆔:iSVz2rtg


#83 [Mr.RabbIts!]
           

「雄琉ってヤツ…歌、超うめぇ」
           
ボソリと呟かれた一言。
何故か赤面してしまった俺。
           
―アホか、らしくねー。///
           
誰に見られているワケでも無いのだが、手で自分の赤い顔を覆った。
           

⏰:08/01/30 21:47 📱:P704i 🆔:9W1suqAY


#84 [Mr.RabbIts!]

           
しかし、次のヒロの一言で俺は言葉を失う。
           
「でも、この鼻にかけたような歌い方が気に入らねー…」
           
………………。
コノヤロウ。
ちょっとビビらせてやる。
           
そう考えて部屋に足を踏み入れた。
           

⏰:08/01/30 21:55 📱:P704i 🆔:9W1suqAY


#85 [我輩は匿名である]
更新楽しみにしてます

⏰:08/01/30 21:56 📱:SH904i 🆔:uyVYt12Q


#86 [Mr.RabbIts!]
           

ありがとうございます!
           
めっちゃヤル気出ます.・           

⏰:08/01/30 23:50 📱:P704i 🆔:9W1suqAY


#87 [Mr.RabbIts!]
           

足音を立てないように、ゆっくりとヒロの背後に迫る。
           
「あっ!」
「―――ッ!?」
           
いきなりヒロが叫んだのでこっちの方がビビってしまった。
           
「ココもう覚えた」
           
……?
コイツ、独り言多いな。
           
そう思っていると、
           
「♪〜♪♪〜♪―…」
           
ヒロがCDの俺の声と重ねて歌い始めた。
           

⏰:08/01/31 23:15 📱:P704i 🆔:upioLEyc


#88 [Mr.RabbIts!]
           

俺はその歌声に圧倒されて、暫く動けなかった。
           
…この曲は希望や夢を描いた曲―だけど、こういう歌い方も出来るんだ。
           
ヒロの声は見掛けによらず、スゴくしっかりとした声。だけど高い声もキレイに出せてる…。
           
スゴい。
聴き慣れてた自分の歌に、また違う色が見えてきた。
           

⏰:08/02/01 21:38 📱:P704i 🆔:tGPnu4Ec


#89 [Mr.RabbIts!]
           

…ずっと聴いていたい。
           
そんな俺の気持ちとは裏腹に、ヒロは何故か途中で歌うのを止めてしまった。
           
…ちょ、何で止めんだよ!?
           
心の中で留めておいたハズの言葉は、俺の口から結構な大声となりヒロに届いてしまった。
           

⏰:08/02/01 21:41 📱:P704i 🆔:tGPnu4Ec


#90 [Mr.RabbIts!]
           

大サイド
           
「ちょ、なんで止めんだよ!?」
           
いきなりの背後からの大声に心臓がビクリと跳ねた。
           
「――っ!?雄琉!!?」
           
後ろで何故か驚いた顔をしている雄琉は、再び口を開いた。
           
「え、あ、いや…オマエ歌上手いなーと思って」
           
…へ?
           
雄琉の意外な言葉に何故か赤面してしまった。
           
雄琉はコッチを見ていないのに、俺は慌てて赤みが差した顔を手で覆う。           

⏰:08/02/01 23:30 📱:P704i 🆔:tGPnu4Ec


#91 [Mr.RabbIts!]
           

「な…!///つか、寝てたんじゃなかったのかよっ!?」
           
俺が恥ずかしさを誤魔化すためにそう言うと、雄琉は少し寝乱れた髪を掻きながら答えた。
           
「そーだよ。気持ち良く寝てたのに、音が聞こえたから起きちまったんだよ」
           
…う、そういえば扉開けっ放しのままだった。
           
「……ゴメン、」
           

⏰:08/02/02 09:17 📱:P704i 🆔:q53fDMng


#92 [Mr.RabbIts!]
           

俺が素直に謝ると、雄琉は驚いた表情を見せたがすぐに笑顔になってこう言った。
           
「いいよ、おもしろいモン聞けたしー」
           
おもしろいモンって、俺の歌声かよ。
失礼なヤツだな、…最初からだけど。
           
俺が不貞腐れていると、雄琉が何か言おうと口を開いた。
           
「ヒロ、おま「ただいまー」…」
           
玄関から諒の声が聞こえた。
           
「おかえりー」
           
俺は何かを言いかけた雄琉を置いて、スティンと諒を出迎えに行った。
           

⏰:08/02/02 09:25 📱:P704i 🆔:q53fDMng


#93 [Mr.RabbIts!]
           

「あぁ、ただいま」
           
諒は出迎えたスティンと俺の頭を順番に撫でて、優しく微笑んだ。
           
そこに少し不機嫌そうな面持ちの雄琉がやってきた。
           
諒はその笑顔のまま、雄琉に目を向けた。
           
「あぁ、雄琉起きたんだ」
「…おぅ」
           
更に笑顔になった諒が雄琉に問いかけた。
           

⏰:08/02/02 12:19 📱:P704i 🆔:q53fDMng


#94 [Mr.RabbIts!]
           

「で、曲は書けた?」
           
その諒の問いに雄琉は一瞬「やべ」という顔をしたが、横に居るヒロを見た途端思い出したかのように目を輝かせた。
           
「そうだ!諒、コイツ!!」
           
俺と諒は興奮気味の雄琉を不思議そうに見た。
           

⏰:08/02/02 12:23 📱:P704i 🆔:q53fDMng


#95 [Mr.RabbIts!]
           

「ちょ、スゲーんだって!取り敢えずスタジオに来て」
           
雄琉は諒にそう言うと、俺の腕を引っ張って再びスタジオに戻った。
           
「…な、なに?」
           
なんか嫌な予感しかしないんですけど…
           
俺がそんなコトを考えていると、諒も着ていた上着を脱ぎながらスタジオに入ってきた。
           

⏰:08/02/03 21:38 📱:P704i 🆔:t.gsowZA


#96 [Mr.RabbIts!]
           

まだ掛けっぱなしだったリバースの曲。
           
雄琉は俺を見るなり言った。
           
「歌って」
「…は?」
           
「歌ってよ、さっきみたく」
「嫌に決まってんだろっ!?」
           
アホか!と俺が続けようとしたら、諒が口を開いた。
           

⏰:08/02/04 23:05 📱:P704i 🆔:2gooM402


#97 [Mr.RabbIts!]
           

「俺も聴きたいな」
           
う…そんな笑顔向けんなよ
俺がでも…っと反抗しようと口を開きかけると、スティンまでも「ニャー」と鳴いて俺に歌うように促す。
           

⏰:08/02/04 23:08 📱:P704i 🆔:2gooM402


#98 [Mr.RabbIts!]
           

俺が何も言えずにいると、雄琉が勝手に指揮を取り始めた。
           
「…いち、にー、さん、ハイ!」
           
ガキかよ…と思いつつも、ちょうど覚えていたフレーズが流れたので、すぅっと息を吸い歌い始めた。
           
「〜♪〜♪♪〜♪――」
           
俺が歌い始めるとみんなシン、となってしまった。
           

⏰:08/02/04 23:13 📱:P704i 🆔:2gooM402


#99 [Mr.RabbIts!]
           

不安になりつつもサビは歌い終えた。
           
「……もう、いいだろ」
           
静まり返ったこの場にポツリと俺の言葉が響いた。
           
酷く沈んだ気持ち。
…きっと馬鹿にされんだろうな、と思っていると諒が口を開いた。
           

⏰:08/02/06 15:31 📱:P704i 🆔:1W2TWADo


#100 [Mr.RabbIts!]
           

「なるほどな」
           
…………?ナルホド??
           
諒の反応を嬉しそうに見ていた雄琉が再び興奮気味に話し出す。
           
「だろ!?イケるぜっ」
           
…何が?
そう思っていた俺は、次の諒の一言で衝撃を受ける事となる。
           

⏰:08/02/06 15:35 📱:P704i 🆔:1W2TWADo


#101 [Mr.RabbIts!]
           

「よし!リバースの新ボーカルはヒロで決定!!」
           
「…………は?」
           
ちょちょちょ、新ボーカル?ボーカルはコイツなんじゃ…
           
俺の視線に気付いたのか、雄琉が笑顔で説明しだした。
           
「俺は元々ギタリストになりたかったのに、誰もボーカルやらねーから…」
           
俺は雄琉の言葉に猛反発した。
           

⏰:08/02/06 21:38 📱:P704i 🆔:1W2TWADo


#102 [Mr.RabbIts!]
           

「何でだよ!?アンタ歌超上手いじゃん!!」
           
「…だって俺、鼻に掛けたような歌い方してるしー」
           
くっ!聞いてやがったのか…
           
まだ反発しようとしている俺に構わず、諒が話をまとめ出した。
           
「まぁまぁ。ヒロやりたくね?ボーカル」           

⏰:08/02/06 21:43 📱:P704i 🆔:1W2TWADo


#103 [Mr.RabbIts!]
           

「やりたいとかやりたくないとかの問題じゃなくて!話が急過ぎんだろっ」
           
俺がそれだけ言うと、諒はうーんと考え混んでしまった。
           
「まぁ、いきなりな話だし…別に結論を急ぐ必要も無い。」
           
暫くしてからの諒の言葉に俺は一安心した。
           

⏰:08/02/07 21:20 📱:P704i 🆔:7wh60Cv6


#104 [Mr.RabbIts!]
           

「よかったー。また脅されんのかと思った」
           
俺がへらっと笑って言うと、諒が真剣な眼差しを俺に向けた。
           
「無理強いなんかしたら、良い曲なんか出来ない。…お前が気持ち良く歌えないと、誰の心にも響かない」
           
凄く諒が格好良く見えた。
           

⏰:08/02/07 21:23 📱:P704i 🆔:7wh60Cv6


#105 [Mr.RabbIts!]
           

「でも、ヒロは手放せない人材だから別だけど」
           
…この男、表と裏の差が激し過ぎんだろ!
           
俺が心の中で毒づいていると、雄琉も帰るらしくスタジオから出てあちこちに散らばっている自分の荷物を集め始めた。
           

⏰:08/02/08 23:35 📱:P704i 🆔:ipVg9iys


#106 [Mr.RabbIts!]

           
「あれ?雄琉帰んの?てっきり泊まってくのかと思ってた」
           
諒が雄琉の背中に声を掛けると、こちらに背を向けたまま雄琉は答える。
           
「そのつもりだったんだけど、このままだと口煩いドラマーに曲書け!って急かされそうだし。今日のところは帰る」
           
「あ〜曲作りに専念するため、ね。じゃ!気を付けて帰れよ」
           
「………はい」
           
雄琉は諒には頭が上がらないらしい。そんな二人が可笑しくて俺はスティンと顔を見合わせ笑った。
           

⏰:08/02/08 23:36 📱:P704i 🆔:ipVg9iys


#107 [Mr.RabbIts!]
           

「なに笑ってんだよ」
「いっ!?」
           
いつの間にか荷物をまとめ終えた雄琉が俺の頬をつねった。
           
「な、にすんだよっ」
「ははっ馬鹿面」
           
…ムカッ
           
「このやろっ」
「いてっ」
           
油断して笑っていた雄琉の膝に、軽く蹴りを入れてやった。
           

⏰:08/02/09 22:20 📱:P704i 🆔:DhS.07go


#108 [Mr.RabbIts!]
           

「てめー…」
「わっ!来んな!!」
           
膝を擦っていた雄琉がいきなり俺に覆い被さってきた。
           
そのまま雄琉は俺の首元に腕を回し、軽く首を絞めてきた。
           
「っバカ!ギブギブ!!」
「うるせっ!チビのくせに!!」
           

⏰:08/02/09 22:28 📱:P704i 🆔:DhS.07go


#109 [Mr.RabbIts!]

           
こうやってギャーギャー喚いていると、自分も普通の人間なんだと思える。
           
「早く帰って曲書けよっ」
「くっ!ヒロまで…んな事ゆーなぁっ!」
           
言い合って笑い合える、この時間がずっと続けば、どれだけ幸せなんだろう。
           
俺にもそんな未来が在るのか?
           
コイツらと居ると期待してしまう
           

⏰:08/02/09 22:33 📱:P704i 🆔:DhS.07go


#110 [Mr.RabbIts!]
           

期待なんて、するモンじゃ無い。
裏切られた時、哀しいだけだから
辛くて虚しいだけだから。
           
それは痛いくらいに、この胸に傷として刻み込まれている。
           
俺は結局誰にも心を開けない、傷をさらけ出せない人間なんだ。
           

⏰:08/02/09 22:38 📱:P704i 🆔:DhS.07go


#111 [Mr.RabbIts!]
           

でもそれは、『若松 晴樹』という人間の話。
           
俺は『ヒロ』だ。
           
俺はまた始めるんだ。此処から。
このあたたかい場所から。
           
1から、じゃない。
0から、始める。
           
じゃあな、『若松 晴樹』           

⏰:08/02/09 22:43 📱:P704i 🆔:DhS.07go


#112 [Mr.RabbIts!]
           

「また、何処かで」
なんて言ってやんない。
           
お前にはもう、二度と会う気は無い。
           
よろしくな、『ヒロ』
           
俺はコイツと向き合って生きてく
           
自分に言い聞かせる。
           
『俺に帰る場所はねえ
 前だけ見て進め。』
           

⏰:08/02/09 22:47 📱:P704i 🆔:DhS.07go


#113 [Mr.RabbIts!]
           
――――――――――――
02/*はじめの一歩!
――――――――――――
           

「んっ、………へあ?」
           
小鳥がチュンチュン鳴いてる平和な空気の漂う中で俺は目覚めた。
           
そしていつもと違う天井が俺の視界に広がっていることで、なんとも間抜けな声を発してしまった。
           

⏰:08/02/10 00:50 📱:P704i 🆔:j5tw/n0.


#114 [Mr.RabbIts!]
           

なに、此処。
           
取り敢えずベットから体を起こして、寝起きでまだ上手く機能していない頭で考える。
           
昨日は朝早く家を出て、遙って金髪が変なヤツで、コウサカ アキラは腹黒で、雄琉はギタリスト目指してて―…
           

⏰:08/02/10 00:56 📱:P704i 🆔:j5tw/n0.


#115 [Mr.RabbIts!]
           

「ニャー」
           
俺がうつらうつらしていると、ベットに軽やかに上ってきたスティンが擦り寄ってきた。
           
「…あ、そか。俺、ヒロ」           
言葉になっていないような言葉を呟いて、スティンの頭を優しく撫でる。
           
「つか、もう昼じゃん…」
           
俺の目に映った目覚まし時計は、11時を知らせていた。
           

⏰:08/02/10 01:02 📱:P704i 🆔:j5tw/n0.


#116 [Mr.RabbIts!]
           

「久しぶりだー、こんな寝たの」
           
アノ家じゃ厳しかったから、休日だって…って!だあーーっ!!
俺はもう『ヒロ』なんだっ
アノ家なんて関係無い。
           
一人でフツフツ考えを巡らせていると、グ〜と腹が鳴った。
           
いろいろ考えるのはニガテだっ
取り敢えず、諒に飯作ってもらお〜♪
           

⏰:08/02/10 03:43 📱:P704i 🆔:j5tw/n0.


#117 [Mr.RabbIts!]
           

「諒っ!腹へった……あ?」
           
リビングに入るとソファーには遙と雄琉の姿が。
           
「あっ!おはよー、ヒロっ」
「あ、おはよ」
           
遙と挨拶を交わすと、雄琉は見ている雑誌から目を離さずに俺に嫌味を吐く。
           

⏰:08/02/10 03:50 📱:P704i 🆔:j5tw/n0.


#118 [Mr.RabbIts!]

           
「人ん家でよくもこんなに寝てられるよなー。厚かましい」
           
俺は雄琉の言葉にピクリと反応すると、すぐに言い返す。
           
「ハッ!よく言うぜ。昨日、日が暮れるまで寝てたのは誰だよ!?」
           
俺の反論に雄琉は見ていた雑誌から顔を上げた。
そんな雄琉を遙が茶化す。
           
「ハハー。それ雄琉のコトでしょー?」
「っうるせ!馬鹿っ」
           
核心を突かれて面食らっている雄琉が可笑しくて、俺が笑っていると諒がリビングに入ってきた。
           

⏰:08/02/10 03:55 📱:P704i 🆔:j5tw/n0.


#119 [Mr.RabbIts!]
           

「あぁ、ヒロ起きた?」
「うん。…諒ぁ〜」
           
俺が媚びるように諒にしがみつくと、諒はどうやら解ってくれたらしい。
           
「オムライス、作ったから。おいで?皆も」
           
その諒の言葉に俺は目を輝かせ、スグにテーブルの前に座った。
           
諒はそんな俺を見て、クスリと笑うと「待ってて」と言い残し、キッチンへ消えていった。
           

⏰:08/02/10 04:24 📱:P704i 🆔:j5tw/n0.


#120 [Mr.RabbIts!]
           

遙も「やったね♪」とか言いながら俺の向かい側に座る。
           
オムライスの登場を待っていた俺に、雄琉が話しかけてきた。
           
「…おい、」
「なに?」
           
「ソコ、俺の席」
「………は?」
           
雄琉を見てみると、不満そうに俺が座っている所を指差している。
           
「退け」
「ヤだ」
           

⏰:08/02/10 04:31 📱:P704i 🆔:j5tw/n0.


#121 [Mr.RabbIts!]

           
「(ムカ)退けって!」
「(ムカ)ヤだって!!」
           
暫く言い合っていると諒とオムライスが登場した。
           
「ちょ、諒ーっ!雄琉がぁーっ」
「は!?ふざけんなっ!聞いてくれよ!!ヒロが俺の席から退かないんだっ」
           
諒は俺らの言い分を聞いて、うーんと何かを考え出した。
           
するとパッと何か閃いたようだ。
           

⏰:08/02/10 04:35 📱:P704i 🆔:j5tw/n0.


#122 [Mr.RabbIts!]

           
数分後…
元・雄琉の席ではスティンがちょこんと座って、キャットフードを黙々と食べていた。
           
「「うまぁ〜♪」」
           
俺も雄琉も諒のプロ級のオムライスに、すっかりご機嫌になっていた。
           
そんな俺らを見て、諒と遙は優しく微笑んでいた。
           

⏰:08/02/10 04:39 📱:P704i 🆔:j5tw/n0.


#123 [Mr.RabbIts!]
           

「そーいえばさぁ」
           
みんながオムライスを黙々と食べている中、遙が口を開いた。
           
「明後日のライブ、ヒロにも来てもらおーよ」
           
……ライブ?
           
俺が遙の言葉に動きを停止させていると、諒が話にのってきた。
           
「あぁ、そのつもり」
           

⏰:08/02/11 14:35 📱:P704i 🆔:fkEeSFVM


#124 [Mr.RabbIts!]
           

「え!?ライブすんのっ!!?行く行く!!」
           
俺が目を輝かせてそう言うと、諒は優しく微笑んで
           
「じゃあ、一番前取っといてあげる。って言っても俺らの出番最後らへんだけど」
と言ってくれた。
           
「サンキュー!めっちゃ楽しみ」
           
俺はご機嫌になり、再びオムライスをガツガツ食い出した。
           

⏰:08/02/11 21:29 📱:P704i 🆔:fkEeSFVM


#125 [Mr.RabbIts!]
           

「スティン〜♪」
「ンニャァ〜♪」
           
昼食後、俺は胡座をかいた膝に座ってきたスティンと遊んでいた。
           
「スティンすっかりヒロになついてるねー」
           
遙が戯れている俺とスティンを見て楽しそうに言うと、雄琉が口を挟んだ。
           
「なついたっつーか、仲間だと思われてるんじゃね?」
           
…ムカッ
           

⏰:08/02/11 22:53 📱:P704i 🆔:fkEeSFVM


#126 [Mr.RabbIts!]
           

俺が雄琉のからかいを無視して、引きつった笑顔のままスティンと遊んでいると、更に二人の会話は続いた。
           
雄琉の言葉を聞き、遙は雄琉に笑顔を向けて言った。
           
「アハハー、雄琉にはなつかないもんね。スティン」           
それを不機嫌そうに聞き返す雄琉。
           
「は?」
           
それでも変わらず笑顔で遙は雄琉を茶化す。
           

⏰:08/02/11 23:00 📱:P704i 🆔:fkEeSFVM


#127 [Mr.RabbIts!]
           

「悔しーんでしょ?雄琉って意外と小動物とかに弱いよねー」
「…プッ」
           
遙のその言葉に俺は思わず吹き出してしまった。
           
それに気付いたのか、更に不機嫌になったであろう雄琉がこちらを睨む。
           
「てめー今笑っただろ」
「フ、…え?笑っ、てねえ…ククッ、よ?」
           
駄目だ。笑える。
           

⏰:08/02/11 23:04 📱:P704i 🆔:fkEeSFVM


#128 [Mr.RabbIts!]
           

「笑ってんじゃねーか!」
「だって、アンタが小動物に弱いとか…ぶふっ、まじウケる」
           
どんどん不機嫌になっていく雄琉に構わず俺が笑い続けていると、遙が口を開いた。
           
「てコトはさ、雄琉ってヒロにも弱いんじゃない?」
           

⏰:08/02/11 23:10 📱:P704i 🆔:fkEeSFVM


#129 [Mr.RabbIts!]
           

「「…は?」」
           
俺と雄琉が同時に遙を見る。
           
「だってさ、ヒロって小動物みたいだしー」
           
馬鹿にしてんのか?
誰が小動物だって?コラ。
           
暫く遙を睨み付けていると雄琉が口を開いた。
           
「…小動物ってゆーか、ただ単にちっこいだけじゃん」
           
…ブチっ
           

⏰:08/02/11 23:15 📱:P704i 🆔:fkEeSFVM


#130 [Mr.RabbIts!]
           

「てめー今なんつった!?もういっぺん言ってみろ!」
「ちっこい、チビ、短足ー」
           
ムカーっ!!
           
―ゲシッ
           
「いって!なにすんだよっ」
           
人のことをコケにした雄琉の足を思いっきり蹴ってやった。
           

⏰:08/02/15 07:51 📱:P704i 🆔:Q/E5Xz2c


#131 [まみ]
おもしろい
頑張って下さい

⏰:08/02/15 16:57 📱:SH903i 🆔:rU4hHU8g


#132 [Mr.RabbIts!]
           

まみさん
           
ありがとです★(∨)
がんばりますっ
           

⏰:08/02/16 13:23 📱:P704i 🆔:038ccKDs


#133 [Mr.RabbIts!]
           

「うるせー!ちょっと背高いからって調子ノリやがって!!」
           
俺は自分より(ちょっと)高い位置にある雄琉の顔を睨んだ。
すると、雄琉は見下したような目で俺を見てからフッと笑う。
           
「ひがんでんじゃん」
「――――ッ!!」
           
マジむかつく!
           

⏰:08/02/16 13:37 📱:P704i 🆔:038ccKDs


#134 [Mr.RabbIts!]
           

「お前なんかライブの時、歌詞ミスれ!」
「なっ!縁起でもねーこと言うなっ!!」
           
遙は俺らの言い合いを楽しそうに見ていたが、雄琉の言葉を聞き口を挟んだ。
           
「アハハ雄琉ってテンション上がってくると、いつも歌詞まちがえるもんねー」           

⏰:08/02/16 13:49 📱:P704i 🆔:038ccKDs


#135 [Mr.RabbIts!]
           

「遙っ!余計なこと言うなっ」
           
それを聞いていた俺はニターと笑って雄琉を見た。
           
「フッ安心しろよ。アンタの歌なんか聴かないしー」
           
少し勝ち誇った気分で言ってやると、いきなり雄琉に腕を引っ張られた。
           
「のぁっ!なにすんだ…っ」
           
俺が突然のことに驚いて顔を上げると、雄琉はなぜかニヤニヤしていた。
           

⏰:08/02/16 14:01 📱:P704i 🆔:038ccKDs


#136 [Mr.RabbIts!]
           

「ふ〜ん。誰だっけ?俺の歌、超うめぇ!って言ってたの」
           
う…俺だし。
でも素直じゃないのも、俺。
           
「ふ、ふん!誰だかな!」           
そう言って思いっきりそっぽを向いてやった。
           

⏰:08/02/16 21:19 📱:P704i 🆔:038ccKDs


#137 [Mr.RabbIts!]
           

「おい、遙。コイツのドコがかわいーんだよ」
「かわいーじゃん!反応とか最高にー★」
「…変人」
           
俺が最後にボソッと呟いた言葉に遙は軽くショックを受けたらしく「うわぁ〜ん!ヒロのばか〜!!」とかなんとか叫んでソファーに置いてあるクッションに顔を埋めて動かなくなった。
           
「こんなヤツなのに、あんなにベース上手いんだ…」
           
俺が呟いた言葉に雄琉がすぐさま反応した。
           

⏰:08/02/16 21:25 📱:P704i 🆔:038ccKDs


#138 [Mr.RabbIts!]
           

「…へえ、お前わかるんだ?」
「あ、うん。まぁ、前に…ってだぁーーーーっ!!」
           
危ねぇ…今、若松 晴樹に戻りそうになった。
           
俺のいきなりの叫び声に遙もクッションから顔を上げ、俺を何事かと見ている。
当然、雄琉もビックリして俺を見ている。
           
「や、あ、うん。その…俺、諒の手伝いしてくる!!」
           
俺はそれだけ言い残すと全速力で、諒が洗い物をしているであろうキッチンへと向かった。
           

⏰:08/02/16 21:35 📱:P704i 🆔:038ccKDs


#139 [Mr.RabbIts!]
           

「諒っ」
           
キッチンで洗い物をしている諒の背中に声をかけると、ゆっくり振り向いた諒はやさしく微笑んでいた。
           
「ヒロ、どした?」
           
…なんか、諒の優しさってくすぐったい。
           
「…べつに、」
           
俺がぶっきらぼうにそれだけ呟いてそっぽを向くと、諒はまたフワッと微笑んだ。
           
「なに?雄琉にイジメられた?」
「ッんなんじゃねーし!」           

⏰:08/02/18 03:21 📱:P704i 🆔:pyBcT6fI


#140 [Mr.RabbIts!]
           

ハハッと軽く笑って、また洗い物に専念する諒の背中に俺はスススと近付いていった。
           
「なんか…」
「ん?」
「なんか手伝うこと…っ無い?」
           
俺が気恥ずかしさを精一杯抑えて言った言葉を聞いて、諒は洗剤の泡が付いたままの手で俺の頭をガシガシ掻き回した。
           

⏰:08/02/18 21:50 📱:P704i 🆔:pyBcT6fI


#141 [Mr.RabbIts!]

           
「わっ!バカ!!なにすんだっ」
「ヒロかわい〜☆」
「ッバカにすんなあっ!」
           
グーで諒の横っ腹を殴る。それでも諒は悪戯っぽい笑顔をして俺を見つめる。
           
…くそっ大人め
           
俺は何故か悔しくなって、諒の手にあったスポンジをひったくって食器をゴシゴシ擦って洗い始めた。
           

⏰:08/02/18 21:56 📱:P704i 🆔:pyBcT6fI


#142 [Mr.RabbIts!]
           

そんな穏やかな日々を過ごしていると、あっという間にリバースのライブ当日になってしまった。
           
諒たちはリハや準備があるため会場には一緒に来れなくて、俺は今一人で会場の前にいる。
           
「うお〜っ!すっげえドキドキしてきた…」
           
俺は上がりっぱなしのテンションのまま、会場の中へと足を運んだ。
           

⏰:08/02/20 23:07 📱:P704i 🆔:39qcczuE


#143 [Mr.RabbIts!]
           

一方、雄琉たち
           
待合室には、リバースの他にも出演するバンドのグループがたくさん入っていた。
           
その人たちと楽しそうに話している遙。
           
部屋の真ん中に置かれた白い長机に肘をつき、パイプ椅子に体を預けながらイヤホンから流れる今日のライブで歌う曲に、耳を傾けている雄琉。
           

⏰:08/02/24 00:31 📱:P704i 🆔:S2cr.OaE


#144 [Mr.RabbIts!]
           

そこに細かい最終打ち合わせから帰ってきた諒が部屋に入ってきた。
           
「諒、おかえりー」
「ただいま。あと二十分で始まるから」
           
はいよー。と返事をした遙に微笑んでから、諒は雄琉の元へ足を運んだ。
           
雄琉の目の前の机をコンコン、と指で軽く叩くと雄琉が諒に気付いたようで、イヤホンを片方外した。
           

⏰:08/02/24 00:37 📱:P704i 🆔:S2cr.OaE


#145 [Mr.RabbIts!]
           

「あと二十分で始まるから」
「りょーかい」
           
それだけ返して雄琉はまたイヤホンをはめ直した。
           
諒が遙の元へ戻ると、ペットボトルに入った水を口に含みながら、遙が訊ねてきた。
           
「雄琉、どーしたの?いつもライブ前は曲聴きながら寝ちゃうのに」
「…遙、アイツの眼ぇ見てきてみ」
           
諒の言葉に遙は?マークを頭に浮かべた。
           

⏰:08/02/24 00:42 📱:P704i 🆔:S2cr.OaE


#146 [Mr.RabbIts!]
           

「雄琉、カナリ気合い入ってるぞー」
           
諒の言葉を聞き、遙はパッと表情を明るくした。
           
「ヒロ・パワーだっ!」
「…ふ、ホント解りやすい奴」
           
こんな会話が繰り広げられているとは知らず、雄琉は今までに無いくらい真剣に自分の曲と向き合っていた。
           

⏰:08/02/24 00:46 📱:P704i 🆔:S2cr.OaE


#147 [Mr.RabbIts!]
           

♪〜♪♪、♪―…
           
もう既にライブが始まった会場は熱気に包まれていた。
           
みんなが叫んで腕を振り上げたり跳び跳ねたりしている中、一人浮かない顔をして一番前の列でステージを見つめているヒロ。
           
「…グッとこねぇし」
           
それどころか、今演奏しているバンドを小声で貶す始末。
           
「早くリバース出せよなー」
           
ヒロは退屈そうな呟きは、バンドのボーカルの叫びに近い歌声で掻き消された。
           

⏰:08/02/24 13:17 📱:P704i 🆔:S2cr.OaE


#148 [Mr.RabbIts!]
           

ヒロは退屈〜

ヒロの退屈〜
ですね…
           
ミスりました

           

⏰:08/02/24 13:19 📱:P704i 🆔:S2cr.OaE


#149 [Mr.RabbIts!]
           

それから約一時間近く柵に体をもたせてステージを睨んでいると、あるバンドが演奏を終えた会場はソワソワしたような変な空気に包まれた。
           
「………ん?」
           
その空気を感じ取ったヒロはステージから目を放し、客席を振り返った。
           
と、同時に客席が一気に静まり返り、みんなステージの一点を見つめていた。
           

⏰:08/02/24 15:17 📱:P704i 🆔:S2cr.OaE


#150 [Mr.RabbIts!]
           

―カツン、
           
ステージからの靴の音がやけに響くほどの静寂。
           
ヒロが急いでステージに向き直ると、すぐ近くのステージ上には
           
―…雄琉の姿が。
           
「………ッ!!」
           
すげぇ、圧迫感。
           
雄琉の登場によって会場の空気が、変わった。
           

⏰:08/02/24 15:22 📱:P704i 🆔:S2cr.OaE


#151 [Mr.RabbIts!]
           

雄琉が中央のマイクの前にたどり着いた頃になって、やっと遙と諒が登場。
           
異様なまでの静寂の中、遙が俺を見つけたらしく、目が合ったと同時に笑顔で思いっきり手を振ってきた。
           
どう反応したらいいのか迷い、苦笑いで返す。
           
遙の行動からか、あの会場に漂っていた緊張感が一気に解けた。
           
会場がまた前のように騒がしくなる。
―いや、前以上に。
           

⏰:08/02/24 15:28 📱:P704i 🆔:S2cr.OaE


#152 [Mr.RabbIts!]
           

俺が唖然としていると、ふと雄琉と視線がぶつかった。
           
すると、雄琉はいきなりマイクも使わず叫んだ。
           
「生での俺らの"音"、よく聴いとけよ!!」
           
すると客席は言葉になっていないような叫び声で返す。
           
「うっし」
           
気合い充分、といった感じの雄琉は諒に進行を促すように、後ろを振り返った。
           

⏰:08/02/24 21:48 📱:P704i 🆔:S2cr.OaE


#153 [Mr.RabbIts!]
           

諒も「了解」といった風に、両手に掴んでいるスティックを1、2、3と鳴らした。
           
いきなりの爆音。
           
三人が一気に音を掻き鳴らし始める、激しい曲。
           
「初めからとばすなー…」
           
そう言いながらも、ヒロは会場が揺れるのを感じていた。
           

⏰:08/02/24 21:53 📱:P704i 🆔:S2cr.OaE


#154 [Mr.RabbIts!]
           

―――――――――
           
「おつかれ〜」
「うぃーす」
           
全てのバンドの演奏が終了して、みんな待合室からぞろぞろ引き上げていく。
           
「諒」
           
その中で着々と帰る支度をしていた諒に、今日の演奏者の中でもリバースの次に目立っていたバンドのリーダーが話しかけてきた。
           

⏰:08/02/26 21:41 📱:P704i 🆔:tBW3qwH2


#155 [Mr.RabbIts!]
           

「おぅ、なんだ?」
           
諒は愛想の良い笑顔で、その男に返す。
           
男はそれを見て、軽くため息を吐いた。
           
「打ち上げ、誘おうと思ったんだけど―…サッサと引き上げちまうみてーだな」
           
そう言って男は雄琉と諒を交互に見た。
           

⏰:08/02/27 00:51 📱:P704i 🆔:PtNK6lt2


#156 [Mr.RabbIts!]
           

それに諒は苦笑いで返す。
           
「あぁ。ちょっと人を待たせてるからな」
           
「そっか、今日はお前らと一緒のステージ立ててよかった。…じゃあな」
           
男はそれだけ言うと、バンド仲間を引き連れて待合室を出ていった。
           
諒がその男の背中を見送っていると、身支度を終えた雄琉が話しかけてきた。
           

⏰:08/02/27 00:55 📱:P704i 🆔:PtNK6lt2


#157 [Mr.RabbIts!]
           

「遙の奴、どこ行ったんだよ?」
           
雄琉は辺りをキョロキョロ見回すが、遙の姿は無い。
           
そんな雄琉に、あぁ。といっ風に諒が説明し出した。
           
「遙なら、終わってスグにヒロを迎えに行ったよ?」
           
「………は?」
           

⏰:08/02/27 01:00 📱:P704i 🆔:PtNK6lt2


#158 [Mr.RabbIts!]
           

『あぁ。といっ風に…』
           

           
『あぁ。といった風に…』
           

です
           

⏰:08/02/27 01:03 📱:P704i 🆔:PtNK6lt2


#159 [Mr.RabbIts!]

           
           
―――――――――
           
「…あれぇ?ヒロ何処だ??」
           
遙は会場の出口でずっとヒロを待っていた。
しかし、当のヒロの姿が見当たらない。
           
「んー、まだ会場内に居るのかなぁ?」
           
そう一人呟いて、遙は再び会場内へと足を運んだ。
           

⏰:08/02/27 21:38 📱:P704i 🆔:PtNK6lt2


#160 [Mr.RabbIts!]
           

「ヒロ〜!何処ーっ?!」
           
遙は周りの目も気にせず叫びながら歩き回るが、ヒロからの返事は無い。
           
「ひぃー…ろ?」
           
遙は一度通り過ぎた扉の前にバックして戻った。
           

⏰:08/02/29 22:09 📱:P704i 🆔:MpuB/mi6


#161 [Mr.RabbIts!]
           

「……扉がちょっと開いてる…」
           
そこはさっきまでライブが行われていたホール。
           
遙はそっと開きかけの扉を開けて、中に足を踏み入れた。
           
「………あ。ヒロ発見」
           
遙の視線の先には、柵の上に座ってステージをジッと見つめているヒロが居た。
           

⏰:08/03/02 14:14 📱:P704i 🆔:fjNA/CPk


#162 [我輩は匿名である]
超おもしろいです

これからも
頑張って下さいっ

⏰:08/03/02 20:32 📱:SH903i 🆔:alE/r5Xg


#163 [Mr.RabbIts!]
           

ありがとうございます!
           
今日中にまた更新します
           

⏰:08/03/02 21:31 📱:P704i 🆔:fjNA/CPk


#164 [Mr.RabbIts!]
           
           

――ヒロサイド
           
すご…かったな……。
           
俺はライブが終わった後も、雄琉たちが居たステージの前から動けずにいた。
           
           
さっきから、
胸の高鳴りがハンパない。
           

⏰:08/03/02 23:23 📱:P704i 🆔:fjNA/CPk


#165 [Mr.RabbIts!]
           

柵に乗って、ジッとステージを見つめる。
           
           
俺も、アソコに―…
           
少しステージを見つめる両目にチカラを込めた時、
           
「ヒロはっけ〜ん★」
           
俺の背後から聞き覚えのある声がした。
           

⏰:08/03/02 23:27 📱:P704i 🆔:fjNA/CPk


#166 [Mr.RabbIts!]
           

その声に振り向くと、さっきまでステージで輝いていた一人である遙がニコニコしながら近付いてきた。
           
「なにしてんのさー。せっかく出口でヒロを待ち伏せしてたのにぃー」
           
そう言って頬を膨らませる遙を俺は真っ直ぐ見る。
           
「…遙、」
           
遙の名前を呼ぶと、また笑顔に戻る遙。
           

⏰:08/03/02 23:32 📱:P704i 🆔:fjNA/CPk


#167 [Mr.RabbIts!]
           

「決意、デキたんだ?」
           
俺は考えていた事を当てられて少し戸惑ったが、遙の笑顔につられて「おぅ。」と返事をすると共に笑った。
           
遙はそんな俺を見て優しく微笑むと、俺が座っている柵を飛び越えて俺の腕を掴んだ。
           
「ヒロが決意デキたなら、話しは早いね」
「……は?」
           

⏰:08/03/02 23:36 📱:P704i 🆔:fjNA/CPk


#168 [Mr.RabbIts!]
           

イミガワカラナイ、といった顔の俺を他所に遙は俺を引っ張るチカラを強めた。
           
「思い立ったら、即行動★コレ鉄則!」
           
なにやらまた意味不明の事を言った遙に引っ張られるがまま、俺たちはステージによじ上った。
           

⏰:08/03/02 23:39 📱:P704i 🆔:fjNA/CPk


#169 [Mr.RabbIts!]
           

「なにすんだ…、よ……」
           
俺は遙に文句を言おうと掴まれていた腕から、顔を上げた。
           
しかし、ステージからの眺めに言葉が続かず、また胸が高鳴るのが分かった。
           

⏰:08/03/03 09:54 📱:P704i 🆔:sfmcqOVk


#170 [Mr.RabbIts!]

 
ゴク…
 
思わず息を呑む。
 
さっきから胸の高鳴りがハンパない。
 
俺は無言でまだ片付けられていなかったマイクスタンドの前に立つ。
 

⏰:08/03/16 00:45 📱:D902i 🆔:D5rYpzgw


#171 [Mr.RabbIts!]
 

会場を見渡す。
 
ドクン、ドクン―…
 
この胸の高鳴りに思い知らされる。
 
 
『やっぱり』、俺には『此処』しか無いんだ。
 
もがいたって、足掻いたって、
どうやら俺は此処から逃れられ無い運命らしい。
 

⏰:08/03/16 21:33 📱:D902i 🆔:D5rYpzgw


#172 [Mr.RabbIts!]
 

それなら―…
 
俺が静かに目を閉じた時、
背後から聞き覚えのある声が2つ聞こえた。
 
「ほら、やっぱり此処にいた」
「おぉ。…つか、遙オレのギターいじんなっ!」
 
それなら、コイツらと…
 
俺は騒がしくなった背後を振り返った。
 

⏰:08/03/16 21:40 📱:D902i 🆔:D5rYpzgw


#173 [Mr.RabbIts!]
 

「いーじゃん。ヒロの決意も固まったし?」
 
そう言って遙がチラリと俺を見ると、2つの声の正体である雄琉と諒も勢いよくこっちを振り向いた。
 
「…まぁ、そーゆーこと」
 
俺がボソっと呟いた不器用に紡がれた言葉は、静かすぎるステージにいやに響いた。
 

⏰:08/03/18 22:30 📱:D902i 🆔:1bxIEgYs


#174 [Mr.RabbIts!]
 

「…へえ〜?」
 
なぜか含み笑いの雄琉がこちらに歩み寄って来る。
 
俺の前でピタリと止まると、人を見下したような視線を俺に注いで(身長差があるだけ)雄琉は冷たく言い放った。
 
「ソコ、俺の場所なんだけど?」
 

⏰:08/03/19 22:03 📱:D902i 🆔:vwRxmI..


#175 [我輩は匿名である]
おもろいっ
あーけ゛

⏰:08/03/20 08:07 📱:SH903i 🆔:GPhcIWxU


#176 [Mr.RabbIts!]
 

ありがとうございますっ
 
やる気でましたわら

⏰:08/03/20 11:26 📱:D902i 🆔:aJGUy2KA


#177 [Mr.RabbIts!]
 

「…はっ?」
 
なに言ってんだコイツ。
テメーがギタリストになりたいって…
 
と言いかけたが、急いで口を噤んだ。
 

⏰:08/03/27 21:00 📱:D902i 🆔:lSKHsEn.


#178 [Mr.RabbIts!]
 

違う違う。
 
コレは俺が決めたことなんだ。
 
俺が望んで此処に立ったんだ。
 
他の意志は関係無い。
 
俺の意志で動いたんだ。
 

⏰:08/03/27 21:03 📱:D902i 🆔:lSKHsEn.


#179 [Mr.RabbIts!]
 

俺の考えていたことを見透かしたように雄琉はフッと笑い、更に言葉を続けた。
 
「退けよ」
 
俺は雄琉のカオを見上げる。
 

⏰:08/03/27 21:06 📱:D902i 🆔:lSKHsEn.


#180 [Mr.RabbIts!]
 

今日のライブの時の雄琉を思い出す。
 
ナマで聴いた雄琉の歌声は会場中の人たち全員を惹きつけたことだろう。
 
雄琉だけじゃ無い。
 
遙のベースも諒のドラムも、
三人が奏でた“音”は予想を遥かに超えたステージになった。
 

⏰:08/03/27 21:14 📱:D902i 🆔:lSKHsEn.


#181 [Mr.RabbIts!]
 

俺がこの三人に加わって、
リバースの新ボーカルになるなんて、厚かましいのかもしれない。
 
今日のライブみたいに、
雄琉みたいに会場を湧かすことはできないのかもしれない。
 

⏰:08/03/27 21:19 📱:D902i 🆔:lSKHsEn.


#182 [Mr.RabbIts!]
 

でも…
 
それでも、
 
「ヤだ」
 
ぜってぇ引くもんか。
 
 
俺にだって、
夢くらい魅させろよ。
 

⏰:08/03/27 21:22 📱:D902i 🆔:lSKHsEn.


#183 [Mr.RabbIts!]
 

―そんでもって
 
俺はガランとした客席に目を向けた。
 
 
俺のこと、俺たちのこと
見ててくれてる奴らに
 
「すっげぇイイ夢…魅せてやる」
 
 
これがちっぽけな18歳の俺が抱いた、
唯一のでっけぇ“夢”。
 

⏰:08/03/27 21:27 📱:D902i 🆔:lSKHsEn.


#184 [Mr.RabbIts!]
 

「…フ、言ってくれるじゃん」
 
雄琉の言葉に俺は再び雄琉の方に目を向ける。
 
雄琉は俺を見て優しく微笑むと、右手で拳をつくって俺の前にノロノロと突き出した。
 

⏰:08/03/28 11:03 📱:D902i 🆔:Nhe2GgbI


#185 [Mr.RabbIts!]
 

その拳は俺の鼻先から、五センチ離れた所でピタリと止まった。
 
「よろしく、だ」
 
そう言った雄琉はキレイに微笑んでみせた。
 
若干その笑顔を見て胸が高鳴ったが、俺もスグに笑顔で返す。
 

⏰:08/03/28 11:11 📱:D902i 🆔:Nhe2GgbI


#186 [Mr.RabbIts!]
 

「おぅ。ヨロシク」
 
俺も左手で拳をつくり、雄琉のデカい拳に軽くぶつけた。
 
なんとなく嬉しさが込み上げてきて俺が笑ったら、雄琉も笑い出した。
 
 
実感した。
 
『 俺 は 今 幸 せ 』
 
 

⏰:08/03/28 11:18 📱:D902i 🆔:Nhe2GgbI


#187 []
続きってあると読みにくいな

⏰:08/03/28 11:26 📱:N703iD 🆔:G/u7mbXE


#188 [Mr.RabbIts!]
 

さん▽
 
そうですょね
すみません
 
なるべく気をつけては
いるんですが
初めてなモノで…
 
気をつけますね(∩ω^∩)
読んでくださって
ありがとうございます
 

⏰:08/03/28 11:41 📱:D902i 🆔:Nhe2GgbI


#189 [我輩は匿名である]


主さん文才
ありすぎです

超おもしろい

これからも主さんの
ペースで頑張って
くださいねっ(・ω・)

⏰:08/03/28 11:58 📱:SH903i 🆔:pe5SPuIU


#190 [Mr.RabbIts!]
 

〒我輩は匿名であるさん
 
ありがとうございますっ
 
そんなタイソウなもの
じゃないですょ?
 
でもスゴくスゴく
うれしいです
 
がんばりますね!
 

⏰:08/03/28 12:57 📱:D902i 🆔:Nhe2GgbI


#191 [るん]
失礼します
>>1-50
>>51-100
>>101-150
>>151-200

⏰:08/03/28 13:11 📱:W51SA 🆔:38CqfNMM


#192 [Mr.RabbIts!]
 

〒るんさん
 
アンカーどうもです
 
読み返しやすくなりました
 
ありがとうございます
 

⏰:08/03/28 14:19 📱:D902i 🆔:Nhe2GgbI


#193 [Mr.RabbIts!]
 

「ハーイハイ!そこ!!2人だけの世界に入らなーい」
 
そう言って遙は俺と雄琉の間に割って入ってきた。
 
「別に入ってねーし」
 
そう言いながらも雄琉は、明らかに不満げな表情で遙を睨んだ。
 

⏰:08/03/28 14:28 📱:D902i 🆔:Nhe2GgbI


#194 [Mr.RabbIts!]
 

「もぅ!雄琉ってば〜目つき悪いぞっ☆」
 
遙は茶化すように雄琉の皺が寄っている眉間を人差し指でツン、ツンと突っついた。
 
しかし、雄琉の眉間の皺は深くなるばかり。
 
「てめぇいい加減にしろよ」
「なにが〜?」
 

⏰:08/03/28 14:34 📱:D902i 🆔:Nhe2GgbI


#195 [Mr.RabbIts!]
 

遙がまだふざけた態度をやめずにへらへらしていると、雄琉は遙が手にしていたギターを素早く奪い取った。
 
「あ!」
「あ!じゃねぇよ!!なに勝手に人のギターに気安く触ってんだ!」
 
「だってオレ、ギターとか一本も持ってないし」 
「テメーにギターは必要ねぇだろが」
 

⏰:08/03/28 14:42 📱:D902i 🆔:Nhe2GgbI


#196 [Mr.RabbIts!]
 

「オレもギター弾いてみたいーーっ」
 
「はあ?なんで?」
 
雄琉が遙に訊ねると、遙はニパッと笑うと嬉しそうに言った。
 
「だってギター弾いてると雄琉カッコイーんだもん!」
 
その言葉にピクリと雄琉は反応を示す。
 

⏰:08/03/28 14:48 📱:D902i 🆔:Nhe2GgbI


#197 [Mr.RabbIts!]
 

あと一押し!といわんばかりに遙は言葉を続ける。
 
「オレも雄琉みたいにカッコよくなりたいなー」
 
すると雄琉は遙の肩をガシリと掴み、物凄い笑顔で遙にギターを差し出した。
 
「そうか、そうか。俺みたいにカッコよくなりたいのか〜」
 
コイツ完全に遙にのせられてやがる…
 

⏰:08/03/28 14:53 📱:D902i 🆔:Nhe2GgbI


#198 [Mr.RabbIts!]
 

「えっ!いいの!!?」
 
遙は目を輝かせて雄琉を見る。
 
「しょーがねぇ…ちょっとだけだからな」
 
オイオイ。さっきと明らかに態度違いますけど?
 
遙は嬉しそうにギターをいじり始めた。
 

⏰:08/03/28 14:57 📱:D902i 🆔:Nhe2GgbI


#199 [るん]
何回もごめんなさいホ
>>40-50

⏰:08/03/28 18:17 📱:W51SA 🆔:38CqfNMM


#200 [Mr.RabbIts!]
 

〒るんさん
 
いえいえ
うれしいこと
かぎリなしですっ笑.
 
ありがとうございます
 

⏰:08/03/28 23:21 📱:D902i 🆔:Nhe2GgbI


#201 [Mr.RabbIts!]
 

「ハッ…単純なヤツ」
 
俺がボソッと呟くとスグに雄琉が反応した。
 
「なんだと?」
「べつにぃ?」
 
雄琉がこっちを向いてきたから、俺はそっぽを向いた。
 

⏰:08/03/29 11:16 📱:D902i 🆔:XN38xyLE


#202 [Mr.RabbIts!]

 
雄琉が不機嫌そうに俺をジーッと睨んでいるのだろう。
俺は強烈な視線を感じ、雄琉の方を振り返った。
 
「なんだよ!?」
 
俺が睨み返すと雄琉は俺からぷいっとカオを背けて言った。
 
「べっつにぃ〜?」
 
―ムカッ
 

⏰:08/03/29 11:20 📱:D902i 🆔:XN38xyLE


#203 [Mr.RabbIts!]
 

俺はキッと雄琉を睨んで不満をぶつけた。
 
「テメー感じ悪ぃんだよっ」
 
「は?そりゃお前だろ」
 
くっ…コイツ
あーゆえばこういいやがる。
 

⏰:08/03/30 21:26 📱:D902i 🆔:itC4M/gU


#204 [Mr.RabbIts!]
 

「まぁまぁ。雄琉はヒロに意地悪しすぎ」
 
そう言って制止の声をかけた諒は俺にニコリと微笑んだ。
 
雄琉はまだ納得がいかないという表情を浮かべて諒に抗議しようと口を開いた。
 

⏰:08/03/31 11:04 📱:D902i 🆔:lfJVEPKM


#205 [Mr.RabbIts!]
 

「諒はヒロに優しす…」「あーーーっ!!!」
 
雄琉の言葉は遙の叫び声によって掻き消された。
 
「っんだよ!?」
 
雄琉が遙に訊ねると、遙はエヘヘと笑って雄琉に借りていたギターを手にして言った。
 

⏰:08/03/31 11:12 📱:D902i 🆔:lfJVEPKM


#206 [Mr.RabbIts!]
 

「なんか、取れちゃったみたい☆」
「「「…は?」」」
 
遙の突き出した両手を見てみると片手にギター、もう片方の手には…
ギターの一部だったのであろう部品が握られていた。
 
雄琉は遙からギターと取れちゃったらしい部品を受け取ると、低く呟いた。
 

⏰:08/03/31 11:21 📱:D902i 🆔:lfJVEPKM


#207 [Mr.RabbIts!]
 

「…取れちゃった?」
「うん。そうみたい」
 
遙は相変わらずの笑顔でサラッと返す。
そんな遙の態度に雄琉がキレないわけが無い。
 
「そうみたい☆じゃねーっ!
テメっ、どう扱ったらあんな短時間でギター壊せんだよ!!?」
 
雄琉は凄い剣幕でまくし立てるが、当の遙はきょとんとしている。
 

⏰:08/03/31 22:43 📱:D902i 🆔:lfJVEPKM


#208 [Mr.RabbIts!]
 

それどころか
 
「えーオレ?
普通に弄ってただけだよ。
雄琉今までの扱い方がダメだったんじゃないの?」
 
と、とんでもないことを主張し出した。
 
「なんだと!?この…っ」
「まーまーまー!」
 
今回、制止の声をかけたのはヒロだった。
 

⏰:08/03/31 22:50 📱:D902i 🆔:lfJVEPKM


#209 [Mr.RabbIts!]
 

「雄琉が遙に貸したんだから、しょーがナイんじゃないの?」
 
そう言ってやると、雄琉はグッと言い淀んだ。
 
その反応が可笑しくて思わず口元が緩む。
 
「ぶはっ!」
 
俺が突然吹き出したのを見て、雄琉は戸惑った表情を見せる。
 

⏰:08/04/01 11:20 📱:D902i 🆔:B6PVqJfU


#210 [Mr.RabbIts!]
 

それがまたツボに入って笑い続けていると、
 
「な、なんだよっ」
 
と雄琉は焦り出した。
 
それでも俺はヒーヒー言いながら笑い続ける。
 

⏰:08/04/01 11:24 📱:D902i 🆔:B6PVqJfU


#211 [Mr.RabbIts!]
 

「っだって、
ブッ…
遙にカッコイイって言われて
フハハ、
さっきまでご機嫌だったの、に…クククッ」
 
笑いながらも言ってやると
雄琉は恥ずかしさで
顔を真っ赤にした。
 

⏰:08/04/01 13:19 📱:D902i 🆔:B6PVqJfU


#212 [Mr.RabbIts!]
 

「あははっ耳まで真っ赤〜」
「っうるせえ!!///」
 
暫く雄琉をからかっていると、突然後ろから遙が覆い被さってきた。
 
「おわっ?!ちょ、遙っ」
「また二人の世界に飛んじゃってたじゃんー」
 
そう言って遙は俺の頭に顎をのせる。
 

⏰:08/04/01 13:25 📱:D902i 🆔:B6PVqJfU


#213 [Mr.RabbIts!]
 

「「入ってねぇしっ!!」」
 
何故かハモってしまった。
 
お互い怪訝そうに顔を見合わせる。
 
そしてこれもまた何故か
遙と諒は大爆笑。
 

⏰:08/04/01 22:09 📱:D902i 🆔:B6PVqJfU


#214 [Mr.RabbIts!]
 

諒は…まぁ、いいとして
人の頭の上で笑い続ける遙はどうかと思う。
 
俺は一瞬しゃがんで遙の顎めがけて頭突き(?)を一発かました。
 
ガチンと嫌な音が鳴って
口を押さえているところをみると、どうやら舌を噛んだらしい。
 

⏰:08/04/01 22:16 📱:D902i 🆔:B6PVqJfU


#215 [Mr.RabbIts!]
 

「へっ、ざまぁみろ」
「ヒロ、ナイスー」
 
雄琉とイェーイとか言って
手を合わせていると
遙は若干涙目になっていた。
 
「痛ぁっ!さっきの反動でしゃくれたらどうしてくれるの!?」
「そっちかよ…」
 

⏰:08/04/01 22:21 📱:D902i 🆔:B6PVqJfU


#216 [Mr.RabbIts!]
 

まだギャアギャア言い合っていると、諒が口を開いた。
 
「おい、ジャレ合ってんのはいいけど、そろそろ会場出ねぇと…」
 
そこまで諒が言うと、タイミング良く会場の入り口から掃除員のオジサンが入ってきた。
 

⏰:08/04/02 10:58 📱:D902i 🆔:22C9cd56


#217 [Mr.RabbIts!]
 

掃除員のオジサンは俺たちを見て少し驚いた顔を見せたが、スグに優しい笑顔を向けてくれた。
 
「すいません、スグ退散しますので…」
 
諒が帰る準備をし出したので、俺たちも慌てて荷物を纏める。
 

⏰:08/04/02 11:02 📱:D902i 🆔:22C9cd56


#218 [Mr.RabbIts!]
 

「「「「オジャマしましたぁー」」」」
 
そう言って俺たちが会場を後にした時も、オジサンはニコニコ微笑んで見送ってくれた。
 

⏰:08/04/02 22:52 📱:D902i 🆔:22C9cd56


#219 [Mr.RabbIts!]
 

―――――――
 
…バタン
 
会場の扉が閉まり、ホール内には掃除員の老人が一人。
 
軍手をしている左手で、ユニフォームの薄い緑色の帽子のツバを軽く上げると、優しい眼が覗いた。
 
その眼は“彼ら”が去っていった扉をあたたかく見守っている。
 

⏰:08/04/02 22:58 📱:D902i 🆔:22C9cd56


#220 [Mr.RabbIts!]
 

「久しく見ない…良い眼をしている、子たちだ」
 
そう誰に伝えるでも無く呟くと、立てかけてあったモップで床をひたすらに擦り出した。
 
その表情は帽子に隠れて見えない。
 
暫くするとホール内に鼻歌にしては大きすぎる鼻歌が響き出した。
 

⏰:08/04/02 23:04 📱:D902i 🆔:22C9cd56


#221 [Mr.RabbIts!]
 
――――――――――――
03/*嫌いなアイツ
――――――――――――
 
 

「あーーっ!それ俺の!!」
「ケチケチすんな」
 
パクッ
 
「!!諒っ雄琉が俺の朝飯食ったぁ〜!」
「だってヒロのだと思わなかったしぃ〜、
食われたくねぇんなら、
今度から名前書いとけよ」
 
そう言って憎らしいアイツはリビングから出ていった。
 

⏰:08/04/03 10:13 📱:D902i 🆔:82y/UBrs


#222 [Mr.RabbIts!]
 

俺はアイツが去っていった寝室の扉を睨み続けた。
 
「むかつく〜〜!」
 
俺が「将来ハゲろ!ハゲろ!」とブツブツ呪いを唱え始めると、諒がラス1を雄琉に取られた俺に新しいタコさんウィンナーを作ってきてくれた。
 
「おぉっ!諒ありがと!!」
 
礼を言うと俺はスグにがっついた。
 
それを諒はクスクス笑って嬉しそうに見ている。
 

⏰:08/04/03 10:20 📱:D902i 🆔:82y/UBrs


#223 [圭]
あげ

⏰:08/04/03 10:45 📱:913SH 🆔:JcxEpx6M


#224 [Mr.RabbIts!]
 

〒圭さん
 
アゲどうもです
 
高校野球おわってから
更新しますねわら
 

⏰:08/04/03 14:12 📱:D902i 🆔:82y/UBrs


#225 [Mr.RabbIts!]
 

今度こそラス1のタコさんウィンナーを自分の箸で摘んだところで、ふと疑問に思っていたことを諒に問う。
 
「あれ?遙は?」
 
諒が口を開きかけた時、後ろから甘ったるい匂いが鼻を掠めたと同時に、今話題に出ていたヤツの声が耳元でした。
 

⏰:08/04/04 12:17 📱:D902i 🆔:4rRsnQIQ


#226 [Mr.RabbIts!]
 

「お待たせ♪」
 
俺は勢いよく後ろを振り返った。
 
そこには満面の笑みの遙。
 
「なになに〜?オレが居なくて寂しいかった?」
 
そう言って嫌味の無い笑顔ですり寄ってくる。
 
…コイツの方が小動物みてぇ
……デカいけど。
 
そんなことを考えながらタコさんウィンナーを口に運ぶ。
 

⏰:08/04/04 12:23 📱:D902i 🆔:4rRsnQIQ


#227 [Mr.RabbIts!]
 

あわわっ
 
遙のセリフ
『寂しいかった?』

『寂しかった?』
ですねっ
 

⏰:08/04/04 12:26 📱:D902i 🆔:4rRsnQIQ


#228 [我輩は匿名である]


今更なんですけど
登場人物の名前
なんてよむんですか

更新の邪魔して
本当ごめんなさいっ

すごくおもしろいので
これからも頑張って
くださいねっ´ω`

⏰:08/04/04 12:30 📱:SH903i 🆔:NU3Xd1Fs


#229 []
たのしすぎる
バンドとかあんまり興味ないほうなのにハマった
がんばれ

⏰:08/04/04 15:59 📱:F905i 🆔:JeTTsnW6


#230 [Mr.RabbIts!]

 
〒匿名さん
 
いえいえ
こちらこそすみません
 
ついでに年齢と名字も
 

⏰:08/04/05 00:07 📱:D902i 🆔:4sGJitLQ


#231 [Mr.RabbIts!]

 
若松 晴樹(ヒロ)
わかまつ はるき
≫18
 
海堂 雄琉
かいどう たける
≫19
 
遠藤 遙
えんどう はるか
≫18
 
香坂 諒
こうさか あきら
≫19
 

⏰:08/04/05 00:11 📱:D902i 🆔:4sGJitLQ


#232 [Mr.RabbIts!]
 

さん▽
 
そうですか
ありがとうございます
 
私すごく
バンドとか好きで
 
だからうれしいです
すごく
 

⏰:08/04/05 00:15 📱:D902i 🆔:4sGJitLQ


#233 [Mr.RabbIts!]
 

「おっ?おいしそ♪」
 
パクッ
 
…パクッ?
 
俺がゆっくり手元に視線を移すと、さっきまで箸に摘まれていたタコさんウィンナーが…消えていた。
 

⏰:08/04/05 02:01 📱:D902i 🆔:4sGJitLQ


#234 [Mr.RabbIts!]
 

俺がジィッと箸の先端を見つめている中、
 
「んー、うまい!さすが諒☆」
 
と、タコさんウィンナーを食べた本人なのであろう遙は満面の笑みを浮かべている。
 
諒はというと
 
「あれマジなラス1だったのに…」
 
と言った後で、ハァーとため息を漏らした。
 

⏰:08/04/05 02:06 📱:D902i 🆔:4sGJitLQ


#235 [Mr.RabbIts!]
 

そして遙に一言。
 
「やっちゃったね…」
 
遙は不思議そうに諒を見ている。
 
「なにが…」
「やっちゃったよ、遙クン。」
 
俺は遙の言葉を遮って呟いた。
 

⏰:08/04/05 02:10 📱:D902i 🆔:4sGJitLQ


#236 [Mr.RabbIts!]
 

「へ?」
 
このままだとまた「なにが?」と言い出しそうな遙をこれでもかってくらいに睨む。
 
「なに?そんな見つめちゃってー///照れるジャン…」
 
目の前で少し頬を赤らめているコイツは完全に馬鹿だ。
 

⏰:08/04/05 12:21 📱:D902i 🆔:4sGJitLQ


#237 [Mr.RabbIts!]
 

「だ!れ!がっ!!見つめるかっ!この、あほんだらー!!」
「きゃー怖いっ!ヒロ言葉使い変になってるぅ!」
 
遙はリビング中を逃げ回る。
俺はそれを追いかける。
諒は苦笑いを浮かべ、食器をキッチンへ運びにリビングを出ていった。
 

⏰:08/04/05 12:26 📱:D902i 🆔:4sGJitLQ


#238 [Mr.RabbIts!]
 

「だからっヒロは何そんな怒ってるの〜!?」
「オマエ〜!自分がした事の重大さに気づけー!!」
 
あと少しで遙を捕まえられる、という所で寝室の扉が勢いよく開いた。
 
俺と遙がその体勢のまま振り向くと、なにやら眉間に皺を寄せた雄琉がこっちを睨んでいる。
 

⏰:08/04/05 12:31 📱:D902i 🆔:4sGJitLQ


#239 [Mr.RabbIts!]
 

「うるっせぇんだよっ!集中できねぇだろ!!」
 
俺がは?って顔してると雄琉が俺に視線を移した。
 
途端に何か企んだような笑みを浮かべる。
 
「そうだ。ヒロにも手伝って貰わないとな!」
 
とかなんとか言って、俺は雄琉に寝室に引っ張られていった。
 

⏰:08/04/05 15:30 📱:D902i 🆔:4sGJitLQ


#240 [Mr.RabbIts!]
 

「なんだよっ!?離せっ」
 
そう言うとやっと俺の腕は解放された。
 
今はカナリ不機嫌なのと、タコさんウィンナーの窃盗を犯した恨みを込めて雄琉を睨む。
 
「…んだよ。そんな見つめんなっつーのっ///」
 
なんかオカシイよねー
ココの人たち、完全にズレてる気がする。
 

⏰:08/04/06 21:55 📱:D902i 🆔:pfYAMTq.


#241 [Mr.RabbIts!]
 

「睨んでんだっつーの!!」
 
俺が威嚇してやると、雄琉は何やらボソボソ呟き出した。
 
「まぁまぁ。んな警戒しなくても、ナニもしねーから…」
 
俺は雄琉の言葉に激しく反発した。
 
「はぁ!?なんもしねぇなら俺を呼ぶなよっ!」
 
雄琉はなぜか目をパチクリさせて俺を見ている。
 

⏰:08/04/06 22:03 📱:D902i 🆔:pfYAMTq.


#242 [Mr.RabbIts!]
 

なんだ?と思っていると、雄琉は俺からパッと目をそらしながら何かモゴモゴと言い始めた。
 
「いや、ナニもしないってのは…なんもしないってゆーのとは違うくて……いや!!決して変なことスルとかで寝室呼んだんじゃなくて!!」
 
自分の顔が理解に苦しみ歪んでいくのが解る。
 
「……………??」
「コホンッ!つまり―…」
 
雄琉はどうやら結論を導き出せたようだ。
 
「曲、一緒につくろうと思ったんだけど」
 

⏰:08/04/06 22:13 📱:D902i 🆔:pfYAMTq.


#243 [Mr.RabbIts!]
 

雄琉の言葉に俺は思わず聞き返した。
 
「……曲?」
 
そんな俺に雄琉は笑顔で説明し出した。
 
「おぅ!ヒロだってメンバー入りしたんだし、それに…」
 
雄琉の言葉の続きが気になり、先を急かした。
 
「それに…?」
 

⏰:08/04/07 22:54 📱:D902i 🆔:hnmyqA3M


#244 [Mr.RabbIts!]
 

「ボーカルはお前なんだ!“自分”を歌たった方が、絶対いい!!」
 
その雄琉の言葉がなんだか嬉しくて、少し照れくさくて頬が少し熱くなっていくのがわかった。
 
ボーカルは俺…
“自分”を歌う…
 
「…うん。やってみたい」
 

⏰:08/04/07 23:00 📱:D902i 🆔:hnmyqA3M


#245 [Mr.RabbIts!]
 

――雄琉サイド
 
 
昨日はライブが終わった後
そのまま諒んトコ泊まって、
今は諒に起こされて眠気眼での朝食ターイム★(寝起きのテンション)
 
まだ完全に目が覚めていない俺の横で、元気よく朝食のタコさんウィンナーにかじりつくヒロ。
 

⏰:08/04/11 22:01 📱:D902i 🆔:xEK5Q4uw


#246 [Mr.RabbIts!]
 

なんとなく癪に障ったので、ヒロより早く食べ終わって最後の一個のタコさんウィンナーを横取りしてやった。
 
「あーーっ!それ俺の!!」
 
ぶはっ!予想通りの、いい反応…
 
「ケチケチすんな」
 
そう言って俺は意地悪く微笑んで、タコさんウィンナーを口の中に放り込んだ。
 

⏰:08/04/11 22:08 📱:D902i 🆔:xEK5Q4uw


#247 [Mr.RabbIts!]
 

ヒロは相当悔しかったのだろう、朝から大声を出して不満をぶつけた。
 
「!!諒っ雄琉が俺の朝飯食ったぁ〜!」
 
そんなヒロに俺はしれっとした態度で返す。
 
「だってヒロのだと思わなかったしぃ〜、
食われたくねぇんなら、
今度から名前書いとけよ」 
返す言葉につまっているヒロを置いてニヤニヤしながら寝室に退散した。
 

⏰:08/04/12 10:20 📱:P704i 🆔:rHEc5k5A


#248 [Mr.RabbIts!]
 

あれからずっと寝室に籠って曲づくりをしているが…
 
「…駄目だ。」
 
昨日のライブの事が頭にこびりついてて、全然曲づくりに集中出来ない。
 
…楽しかったな、
今までで一番盛り上がってたかも。
 
てゆーか、
俺が最初からテンション高かった…
 

⏰:08/04/12 13:41 📱:P704i 🆔:rHEc5k5A


#249 [Mr.RabbIts!]
 

目を閉じると、昨日のライブの映像が流れる。
 
―――
 
ステージの中央に立つと、客席から俺を見つめるヒロと目が合った。
 
その瞬間カラダ中が熱くなり、気付けばマイクも使わず叫んでいた。
 

⏰:08/04/12 13:48 📱:P704i 🆔:rHEc5k5A


#250 [Mr.RabbIts!]
 

「生での俺らの"音"、よく聴いとけよ!!」
 
俺の叫び声に客席は言葉になっていないような叫び声で返す。
 
「うっし」
 
見てろよ。
俺らのつくり上げてきた全部、見せてやるから。
 
次からはオマエが此処に立つんだぞ…ヒロ。
 
俺がステージの中心からメッセージを奏でるのは、今日で最後だと考えながら、最後の最後まで全力で突っ走った。
 

⏰:08/04/12 14:01 📱:P704i 🆔:rHEc5k5A


#251 [我輩は匿名である]
あげ☆

⏰:08/04/13 03:00 📱:F705i 🆔:☆☆☆


#252 [Mr.RabbIts!]
 

〒匿名さん
 
あげありがとうございます
 
また後で更新しますねっ
 

⏰:08/04/13 10:41 📱:P704i 🆔:zIoxnxCY


#253 [Mr.RabbIts!]
 
 

―――
 
そんなことを思い出して、口元が無意識に緩み出したとき、雑音が入り始めた。
 
雑音の正体は遙とヒロがじゃれあっている声。
それがわかったときには、先程まで緩んでいた俺の口はへの字に結ばれていた。
 

⏰:08/04/13 22:09 📱:D902i 🆔:U3ZaQRLs


#254 [Mr.RabbIts!]
 

初めは「そのうち静かになるだろう」と考え、曲づくりに専念していたが…
 
「よけーうるさくなってんじゃねーかよ」
 
暫く堪えていたがじゃれあう声に加えて、ドタドタ走り回る音までし出した。
 

⏰:08/04/13 22:14 📱:D902i 🆔:U3ZaQRLs


#255 [Mr.RabbIts!]
 

我慢の限界に達した俺は寝室の扉を勢いよく開いた。
 
「うるっせぇんだよっ!集中できねぇだろ!!」
 
俺がそう叫ぶとそのままの体勢でピタリと止まるヒロと遙。
 
不意にヒロに目を向けると、ナイスアイディアを思いついた。
 

⏰:08/04/14 22:37 📱:D902i 🆔:nQCWEnLI


#256 [Mr.RabbIts!]
 

ヒロにも曲づくり手伝わせよう!
そう考えた俺は満面の笑みを浮かべてヒロに近づいていった。
 
「そうだ。ヒロにも手伝って貰わないとな!」
 
有無を言わせずズルズル寝室へとヒロを引っ張っていった。
 

⏰:08/04/14 22:40 📱:D902i 🆔:nQCWEnLI


#257 [Mr.RabbIts!]
 

「なんだよっ!?離せっ」
 
ヒロにそう言われて初めて気づいた。
自分がヒロの腕を握っていたこと。
 
なんだか恥ずかしくなって、スグに手を放した。
 
…つか、オトコ相手になに?
恥ずかしいとか…
自分がわかんねー
 

⏰:08/04/16 23:27 📱:D902i 🆔:.TX/rmoo


#258 [Mr.RabbIts!]
 

自分の感情に戸惑いながらヒロをちらっと盗み見るつもりが、思わず見入ってしまった。
 
怒っているのか軽く頬が赤く、身長差があるため上目遣いに俺を見上げるクリクリでキラキラした瞳。
眉間に皺を寄せてみても、不機嫌に見えることは無く、なにかを強請り媚びるような色っぽさがあるヒロ。
 

⏰:08/04/16 23:34 📱:D902i 🆔:.TX/rmoo


#259 [Mr.RabbIts!]
 

思わずトキメいてしまっている俺。
 
「…んだよ。そんな見つめんなっつーのっ///」
 
やっと口をついて出てきた言葉も明らかに不自然なもの。
 
これ以上ヒロを見ていると、危ない気がしたからさりげなく視線を別の空間に泳がす。
 

⏰:08/04/16 23:39 📱:D902i 🆔:.TX/rmoo


#260 [Mr.RabbIts!]
 

「睨んでんだっつーの!!」
 
あっ睨んでたんだ〜
誘ってるようにしか見えなかったし
 
…って、オイ!!
相手はオトコだ!
しっかりしろ、俺ー!!!
 
「まぁまぁ。んな警戒しなくても、ナニもしねーから…」
 
……………。
なに言ってんだ?俺は…。
 

⏰:08/04/17 23:56 📱:D902i 🆔:5VHq4rAw


#261 [Mr.RabbIts!]

 
言った事を後悔しながら、ヒロの反応を窺う。
 
あー、やっぱ何言ってんだ?コイツ。みたいな顔して…
 
「はぁ!?なんもしねぇなら俺を呼ぶなよっ!」
 
俺はヒロの言葉に驚いた。
 
意外過ぎる返答。
 
なに、君は天然ですか…?
天然なんですかァアー
 

⏰:08/04/21 22:19 📱:P704i 🆔:.beSghlU


#262 [Mr.RabbIts!]

 
…いやいや、男同士なんだから自然な話の流れか?
うん、まあ、そうしよう。
 
つか、俺の考えが異常なだけだから〜
 
「いや、ナニもしないってのは…なんもしないってゆーのとは違うくて……いや!!決して変なことスルとかで寝室呼んだんじゃなくて!!」
 
駄目だ。
完全に変な奴見るよーな目で見られてるし、俺。
 

⏰:08/04/21 22:25 📱:P704i 🆔:.beSghlU


#263 [Mr.RabbIts!]

 
つか、んな見つめんなっ! 
ヒロは俺の言葉の意味がわかんないのか、軽く首を傾げて眉がハの字に下がってる。
そして長い睫毛の奥の瞳が俺を見上げている。
 
…あーもう!
誘ってんのかって
 

⏰:08/04/21 22:28 📱:P704i 🆔:.beSghlU


#264 [Mr.RabbIts!]

 
「コホンッ!」
 
危ねぇ、そうじゃなくって…
 
「つまり―…」
 
ヒロがこちらを不思議そうに見つめる。
 
「曲、一緒につくろうと思ったんだけど」
 
「…………」
 
え、無反応ですか?
ぜってぇ食い付いてくると思ったのにな…
 

⏰:08/04/22 23:00 📱:P704i 🆔:Osph5EjE


#265 [Mr.RabbIts!]

 
そう心の内で呟いて軽くショックを受けていると、ヒロが小さくぼやいた。
 
「……曲?」
 
キタァ!!
 
「おぅ!ヒロだってメンバー入りしたんだし、それに…」
 
俺はヒロが興味を示してくれた事に喜び、早口に続ける。
 
「それに…?」
 
そう聞き返してきたヒロの表情は明るくなってきていた。
 

⏰:08/04/22 23:05 📱:P704i 🆔:Osph5EjE


#266 [Mr.RabbIts!]
 

「ボーカルはお前なんだ!“自分”を歌たった方が、絶対いい!!」
 
そう言ってフフンと笑ってやると、ヒロの眼が輝き出した。
 
その後に頬を軽くピンク色に染めて遠慮がちに呟いたヒロの言葉に、俺は心の中でガッツポーズをした。
 
「…うん。やってみたい」
 
っき…キタアァッ!!!
 

⏰:08/04/28 23:25 📱:D902i 🆔:6J/YgfUY


#267 [Mr.RabbIts!]
 

取り敢えずヒロをベット…の横の椅子に座らせる。
 
ヒロが座っている椅子の、前にある机に紙とペンを置く。
 
「んー…まずは、どういう歌にしたいか、だよな」
 
そうは言ってみるが、ヒロは目の前に置かれた紙とペンをジィっと見ている。
 

⏰:08/05/05 12:08 📱:P704i 🆔:9yUn0mUc


#268 [Mr.RabbIts!]
 

「ラブソングとか、書いてみるか〜?」
 
そうやって冗談めかして聞いてみると、予想外の返事が返ってきた。
 
「俺、恋愛経験…無い」
 
そう言って俯くヒロが可愛かった。
抱き締めたい衝動を必死に抑えていると、ヒロがこちらを向いて苦笑した。
 
「俺さ…人のこと好きになったことねーんだ。だからラブソングは勘弁、な?」
 
そう言ってへへ、と笑うヒロ。
気付けば俺とヒロの距離は無に等しくなっていた。
 
俺はヒロを抱き締めた。
 

⏰:08/05/06 11:02 📱:P704i 🆔:dhwTakj2


#269 [Mr.RabbIts!]
 

抱き締めてわかった事が一つ。
 
「…オマエ、見かけ以上にちっせぇのな……」
 
そうヒロの頭の上で呟くと、ヒロがぴくりと反応した。
 
「なんだって…?」
 
そう文句を言おうとヒロが顔を上げた。
俺もヒロを見ていたので、二人の視線がカナリの至近距離でかち合う。
 

⏰:08/05/09 21:46 📱:P704i 🆔:AYf36kPY


#270 [我輩は匿名である]
この小説やばいおもしろい

⏰:08/05/09 22:01 📱:D705i 🆔:JnZVxjhc


#271 [Mr.RabbIts!]
 

〒匿名さん▽
 
ありがとうございます
 
更新しますねー(=ω=)
 

⏰:08/05/10 14:37 📱:P704i 🆔:.cZeimww


#272 [Mr.RabbIts!]
 

鼻と鼻がくっつきそうなくらいの距離。
俺の身体が熱くなったのがわかった。
 
「………っ!!///」
「あ、わりぃ…///」
 
そう言って俯き、視線を外したヒロの耳は真っ赤だった。
 
また愛しさが込み上げてくる。
俺はそっとヒロの、赤みがさした頬に手を添えた。
 

⏰:08/05/10 14:45 📱:P704i 🆔:.cZeimww


#273 [Mr.RabbIts!]
 

ヒロは驚いたようにパッと顔を上げた。
 
再び視線が絡む。
 
俺の突然の行動に、ヒロの瞳は不安気に揺れている。
困惑した表情で俺を見つめ返してくる。
 

⏰:08/05/10 14:55 📱:P704i 🆔:.cZeimww


#274 [Mr.RabbIts!]
 

 
共に顔は真っ赤。
 
「…ヒロ、」
 
俺はすがるように見つめるヒロの瞳に吸い込まれるように、目を閉じた。
 
縮む二人の距離。
 
「…た、ける……?」
 
ヒロの戸惑った声が俺の耳を突く。
 
そのすぐ後に耳に飛び込んできたのは、寝室の扉が勢い良く開いた音だった。
 

⏰:08/05/10 15:01 📱:P704i 🆔:.cZeimww


#275 [Mr.RabbIts!]
 

バターン!
 
「ヒロー!スティンがぁっ!!……って、あれ?」
 
今の状況。
 
寝室に飛び込んできた遙。
咄嗟に雄琉を突き飛ばしたヒロ。
ヒロに突き飛ばされてベットに突っ込んだ雄琉。
 
「雄琉、ナニおもしろい格好してるの?」
 
そう言った遙には全く悪気は無いが、雄琉の機嫌は最悪なものになった。
 

⏰:08/05/11 21:12 📱:P704i 🆔:o2Ntve1U


#276 [Mr.RabbIts!]
 

「てめぇ…」
 
そう言って遙を睨む雄琉。
遙は不思議そうに首を傾げる。
 
「は、遙!スティンがどうしたって!?」
 
気まずい空気を変えるためにか、ヒロはわざとらしく大きな声を出したように聞こえた。
 

⏰:08/05/18 01:00 📱:P704i 🆔:d6StmDrg


#277 [Mr.RabbIts!]
 

ヒロの言葉で思い出したのか、遙は一気に話始めた。
 
「そうだ!そうだよ!!
スティンがね、ヒロが雄琉に連れてかれてから、ずっと可笑しいんだー」
 
俺もヒロも遙の言葉に
首を傾げる。
 
「…変って?」
 
ヒロが訊ねると、遙はうーんと唸って再び口を開いた。
 

⏰:08/05/18 01:04 📱:P704i 🆔:d6StmDrg


#278 [Mr.RabbIts!]
 

ヒロの最後の台詞
 
「…変って?」
 

 
「…可笑しいって?」
 
ですね(;ω;)
 
すんません
 

⏰:08/05/18 01:07 📱:P704i 🆔:d6StmDrg


#279 [Mr.RabbIts!]
 

「何かね、ピリピリしてるってゆーか…
クッション引っ掻いたり
コップ倒したり、とにかく
いつものお利口なスティンじゃ
無いんだよー!」
 
「へぇ…スティンがねぇ」
 
いつも猫の割には利口というか、キチンと躾られているスティンが暴れるとは。
 
俺が少し驚いていると、
開けたままの寝室の扉から
当のスティンが入ってきた。
 

⏰:08/05/18 01:12 📱:P704i 🆔:d6StmDrg


#280 [Mr.RabbIts!]
 

ふとスティンと目が合うと、スティンは尻尾をぴんと立てて、歯をギリギリと噛み合わせ始めた。
 
…なんか、怒ってる?
 
ほんの少しだけ俺がビビっていると、ヒロが横でスティンを呼んだ。
 
「スティン!」
 
すると、尻尾は垂れ下がりゆるりと左右に振られる。
ニャーとご機嫌そうに一回鳴くと、座っているヒロの膝の上に上った。
 

⏰:08/05/18 03:29 📱:P704i 🆔:d6StmDrg


#281 [Mr.RabbIts!]
 

「なんなんだ、一体…」
 
俺と遙は目を丸くして、ヒロに擦り寄るスティンを見つめる。
 
「雄琉そうとう嫌われてんね」
 
遙がそう言うと、言葉が解るハズもないのにスティンはちらりとこちらを見た。
 
そして鼻を鳴らして俺を小馬鹿にしたように笑った。ように見えた。
 

⏰:08/05/18 11:35 📱:P704i 🆔:d6StmDrg


#282 [Mr.RabbIts!]
 

「なっ!今、俺のこと見て鼻で笑ったぞ、コイツ!!」
 
そう叫んでスティンを指さすが、当のスティンは甘えるような鳴き声を出してヒロを見つめている。
 
そんな俺とスティンを見比べて、ヒロは頬を膨らませた。
 
「雄琉っ、なんかスティンに悪いことしたんだろ!?」
 
「ち、ちげーし!コイツが…」
 
「コイツじゃない!スティン!!」
 
ヒロにたしなめられて、俺は少したじろいた。
 

⏰:08/05/18 11:40 📱:P704i 🆔:d6StmDrg


#283 [Mr.RabbIts!]
 

「う、スティンが勝手に…」
 
そこまで言うと、鋭い視線を感じそちらに目を向けると、スティンが俺を睨んでいる。
「気安く呼ぶな」とでも言いたげに。
 
俺も負けじと睨み返す。
 
「くっそ。なんだこの猫、感じ悪ぃな」
 
そう呟くとスティンにぷいっと顔を背けられた。
 
カッチーン
 

⏰:08/05/18 11:45 📱:P704i 🆔:d6StmDrg


#284 [Mr.RabbIts!]
 

「なんだコイツ!喧嘩売ってんのか!!」
 
そう叫んでスティンを引っ捕まえようとしたが、その前にヒロがスティンを抱き締めてそれを阻止した。
 
「なにやってんだよ!動物虐待とか信じらんねぇ!!」
 
そう言ってヒロに睨まれると、なにもできなくなる。
 
「…だってよ、コイツが…」
 
「スティン!!」
 
「……………この猫がよ、俺のこと馬鹿にしやがるし、なにより―…」
 
そこまで俺が言うと、ヒロが「あっ」と声をあげた。俺が隙を狙ってスティンを引っ掴んでヒロから引き剥がしたためだ。
 

⏰:08/05/18 11:54 📱:P704i 🆔:d6StmDrg


#285 [Mr.RabbIts!]
 

「お前はヒロにべたべたしすぎなんだよ!」
 
猫掴みしたスティンを自分の顔の前まで上げ、そう言ってやるとスティンは不満気に俺を睨む。
 
睨み方がヤクザのようだ。
下から睨み上げる感じ。
 
「ヒロにべたべたしていーのは、俺だ・け・な・の!!わかったか、ヤクザ猫」
 
「なに言って…!///」
 
ヒロが照れてるのを横目で見て、かわいーとか思って油断していると…
 
―ガリッ!!
 
「いって!」
 

⏰:08/05/18 12:03 📱:P704i 🆔:d6StmDrg


#286 [我輩は匿名である]
>>1-1000

⏰:08/05/18 14:28 📱:SH904i 🆔:Yc3bd0RU


#287 [我輩は匿名である]
>>225-500

⏰:08/05/18 15:07 📱:SH904i 🆔:Yc3bd0RU


#288 [Mr.RabbIts!]
 

〒匿名さん▽
 
アンカー
あリがとうございます
(^Д^)
 

⏰:08/05/18 22:44 📱:P704i 🆔:d6StmDrg


#289 [Mr.RabbIts!]
 

なにが起こったのかは、左頬に感じた痛みで、だいたい把握できた。
 
その痛みで、反射的に掴んでいたヤクザ猫を放してしまった。
 
「大丈夫か!?雄琉!」

 
再び擦り寄ってきたスティンを完全にスルーして、俺のもとへ来てくれるヒロ。
 
フン。勝ったぜ
 

⏰:08/05/20 21:37 📱:P704i 🆔:UuLdB8kE


#290 [Mr.RabbIts!]
 

そう眼で挑発してやると、ヤクザ猫は意外とあっさり負けを認めたのか、尻尾を垂れ下げて寝室から退散していった。
 
それを見て優越感に浸っていると、下から「おい!」と言う不満そうな声が聞こえてきた。
 
顔をその方向に向けると、眉間に皺を寄せていたヒロの膨れっ面が、一気に青ざめる。
 
「…おっお前、血……!!」
 

⏰:08/05/20 21:42 📱:P704i 🆔:UuLdB8kE


#291 [Mr.RabbIts!]
 

「え?」
 
疑問に思いながら痛みを感じる自分の左頬に触れて見ると、ヌメっとした液体が指に付いた。
 
その指を見てみると、やはり血、だった。
 
俺が顔色一つ変えずに、「あ〜血だね」とか言っていると、いきなりヒロに手を掴まれた。
 
え、なに。
 

⏰:08/05/20 21:45 📱:P704i 🆔:UuLdB8kE


#292 [Mr.RabbIts!]
 

「とっとにかく、バンソーコ?…の前に!消毒!!」
 
一人でブツブツ言いながら、俺を凄いチカラで引っ張っていくヒロ。
 
つか、慌てすぎじゃね?
 
「…なー。んな慌てなくても、ほっときゃ治るぞ。こんなもん」
 
そう言った瞬間に、ヒロがすんごい速さでこちらを振り向いたので、軽くビクってなった俺。
 

⏰:08/05/20 21:49 📱:P704i 🆔:UuLdB8kE


#293 [Mr.RabbIts!]
 

そして振り向き様に、罵声を浴びせられた。
 
「なに言ってんだよっバカ!」
 
…ば、バカ!?
 
「ちゃんと消毒しないとっ!大変なことになっても知らねーぞ!!」
 
いや、だから…んな大した傷じゃ……
 
と言おうとして口を開きかけたが、すぐ閉じた。
 

⏰:08/05/21 23:27 📱:P704i 🆔:uw6EZ/0E


#294 [Mr.RabbIts!]
 

俺の腕を掴むヒロの手が微かに震えている。
 
「…ヒロ?」
 
名前を呼ぶと更にカタカタと体を震わせ始めた。
 
さすがに心配になった俺は「どうした?」と言おうとしたが、先にヒロが口を開いた。
 

⏰:08/05/23 21:22 📱:P704i 🆔:4JpmkUgc


#295 [Mr.RabbIts!]
 

「…お、俺もう…無理……」
 
そう力無く呟くとヒロはペタンとその場に座り込んでしまった。
びっくりして俺は手を差し伸べる。
 
「だ大丈夫かよ!?つかなん…」
 
「ぎゃあぁっ!触んなっ!!」
 
差し伸べた手を思い切り振り払われてしまった俺は、ただただ呆然とする。
 

⏰:08/05/23 21:26 📱:P704i 🆔:4JpmkUgc


#296 [Mr.RabbIts!]
 

…あれ、俺ってこんな嫌われてたのか?
 
「ぎゃあぁっ!」ってアンタ。
「触んなっ!!」ってアンタ。
 
ガーンと効果音が付きそうなくらい、自分の差し出した手を見つめ続けていると、ヒロがなにかを言った。
 
聞き取れなくて「え?」と聞き返すとヒロは拗ねたように、だけどなぜか涙目で半ばヤケクソのような言い方で話し始めた。
 

⏰:08/05/23 21:30 📱:P704i 🆔:4JpmkUgc


#297 [Mr.RabbIts!]
 

「だから!俺、血とか無理なんだって!!」
 
「……ち?」
 
「…怖ぇーんだよ!なんか文句あんのかっ」
 
そう叫ぶだけ叫んでヒロはそっぽを向いてしまった。
 
こんな可愛くない態度をとられても、可愛いと思ってしまう俺は相当な重症のようだ。
 

⏰:08/05/23 21:35 📱:P704i 🆔:4JpmkUgc


#298 [Mr.RabbIts!]
 

さっき差し伸べた血が付いていた手を引っ込めて、もう片方の手を差し伸べる。
 
「ほら」
 
「へ?」
 
「…こっちの手なら、血付いてねぇし。」
 
「…………。」
 
なかなか手をとらないヒロの腕を掴んで、リビングへと向かう。
 

⏰:08/05/25 12:41 📱:P704i 🆔:mHUiyxVE


#299 [Mr.RabbIts!]
 

「諒〜マキロンとバンソーコ」
 
俺がキッチンに向かってそう言うと、諒が薬箱を片手にいそいそとリビングに入ってきた。
 
「なに?どーした」
 
「さーんきゅっ」
 
礼だけ言って薬箱を受けとり、消毒しようと試みるが上手く傷口を見つけられない。
苦戦していると、マキロンをふんだくられた。
 
「貸せっ」
 
声の方向を見ると、もう落ち着いた表情をしているヒロがいた。
 

⏰:08/05/25 13:35 📱:P704i 🆔:mHUiyxVE


#300 [Mr.RabbIts!]
 

「え、おまえ…」
 
「いーから、あっち向け」
 
言葉を遮られた上に、顔を無理やり右に向けられた。
 
「…いって!」
 
油断していた俺に容赦無く消毒を施すヒロ。
 
「ちょ、お前もーちょいソフトに出来ねぇのか?!」
 
「うるせーな。男がピーピー泣き言ゆうなっ」
 
そう言ってまたマキロンを傷口に吹き掛けられた。
 

⏰:08/05/25 13:40 📱:P704i 🆔:mHUiyxVE


#301 [Mr.RabbIts!]
 

「〜いっつ!しみる!しみる!!」
 
「ほい、出来た〜」
 
そう言って絆創膏をペタリと左頬に貼られた。
 
「…なんつー乱暴な消毒の仕方だよ」
 
そう言って文句をたれる俺に、ヒロはふんっと鼻を鳴らす。
 
「ありがたく思いやがれ」
 
くっそ
さっきまで可愛いかったのに
 

⏰:08/05/25 13:45 📱:P704i 🆔:mHUiyxVE


#302 [Mr.RabbIts!]
 

まぁ、でも…
 
「…ありがと、な」
 
あんなに血を見てビビっていたのに、消毒をしてくれたヒロを見たらいつになく素直にお礼の言葉が出てきた。
 
そんな俺をヒロは気持ち悪いものを見る目でしばらく見つめるが、俺がニカっと笑うと突然顔を赤らめた。
 
かわいー…とか思っていると、ヒロは耳まで赤くして言った。
 
「なんだよ!〜っんな見んな!!///」
 

⏰:08/05/25 22:21 📱:P704i 🆔:mHUiyxVE


#303 [Mr.RabbIts!]
 

「いや、可愛いーなと思って」
 
また素直な気持ちが言えた。
そんな俺の言葉に、さらに顔を赤くさせるヒロ。
 
「はっ?!かわい…?///ふっふざけんなっ!!」
 
「ふざけてねーし、真剣だし。だって血が怖くて腰抜かすとか、可愛いすぎだろ…」
 
「な!腰なんか抜かしてねーし!!///」
 
そう言って俺を睨み付ける。
でもどうしても上目使いになり、見つめているようにしか見えない。
 

⏰:08/05/25 22:27 📱:P704i 🆔:mHUiyxVE


#304 [Mr.RabbIts!]
 

「…ソレ、やめろ///」
 
そう言ってヒロの頭の上に手をのせて、視線を遮る。
まだギャアギャア言っているヒロの耳元に、俺はそっと唇を寄せて囁いた。
 
 
「ラブソングなら、俺が書かせてやるよ」
 
耳から唇を離し、ヒロの顔を見ると…見事に真っ赤。
 
なんだか可愛くて、笑ってしまった。
 
するとヒロが不満そうに叫ぶ。
 

⏰:08/05/25 22:33 📱:P704i 🆔:mHUiyxVE


#305 [Mr.RabbIts!]
 

「か、からかうなぁ!!///」
 
「マジだよ、マジ」
 
「じゃあ、何で半笑いなんだよっ!?」
 
「それは、ヒロが可愛いすぎて…」
 
「だあぁーっ!もういい!!」
 
俺の言葉を遮ると、ヒロは俺に背を向けてズンズン歩いていく。
 
「おい、ドコ行くんだよ?」
 
「寝室!ちゃんと歌考える!」
 
俺に背を向けたままそう答えると、ヒロの姿はバタン!と音を立てて寝室の扉の向こうに隠れて見えなくなってしまった。
 

⏰:08/05/25 22:39 📱:P704i 🆔:mHUiyxVE


#306 [Mr.RabbIts!]
 

「んじゃ、俺も歌つくるの手伝って…うお!?」
 
俺がそう言って、ヒロが入っていった寝室に向かおうとしたら、後ろからすごい勢いで引っ張られた。
 
急いで後ろを確認すると、諒が俺の服の首元を掴んでいる。
 
「なんだよ?いてぇだろ!?」
 
「詞はヒロに任せて、雄琉は曲、頼むな?」
 
そう言って微笑む諒に、俺は不満そうに口を尖らせてみせた。
 

⏰:08/05/31 18:53 📱:P704i 🆔:eDX2J.Sc


#307 [Mr.RabbIts!]
 

「じゃあ、寝室で考えるから…」
 
「駄目」
 
諒は俺の言葉に間髪入れずに否定した。
 
「なんでだよ?!」
 
「…ヒロと居たら雄琉、曲どころじゃ無いでしょ?」 
あぁ。俺の魂胆は見え見えってわけね。
 
俺は無言でスタジオにこもることにした。
 

⏰:08/05/31 21:59 📱:P704i 🆔:eDX2J.Sc


#308 [Mr.RabbIts!]
 

ヒロ サイド――
 
 
寝室に入ってから一時間。
 
何を書けばいいのか分からず、ベットに寝転がった。
 
…リバースでの曲なんだから、今までのイメージとかもあるだろうし。
 
「んあーっ!難しい!!」
 
頭が混乱してきた。
だいたいいきなり紙とペン渡されても…
 

⏰:08/06/01 10:22 📱:P704i 🆔:LQvRxPnY


#309 [Mr.RabbIts!]
 

「あ!いいこと思いついたっ」
 
そう叫ぶとベットから勢いよく起き上がって、寝室から出た。
 
寝室から出ると遙と、その膝の上ですっかりご機嫌になったスティンがソファーに腰かけていた。
 
そこに諒もリビングに入ってきた。
 
「どうした?」
 
諒の問い掛けに、ヒロは満面の笑みで返す。
 

⏰:08/06/01 10:27 📱:P704i 🆔:LQvRxPnY


#310 [Mr.RabbIts!]
 

「歌つくるの、やっぱリバースの曲になるわけだし、今までのリバースの曲聴いてみて考えようかなーと思って」
 
一気に用件だけ伝えると、急いでリバースの今までのCDがあるスタジオまで駆けていった。
 
スタジオの扉に手をかけてから、クルリと諒たちの方を振り返って「じゃ、借りるからねー」とだけ言い残してスタジオに入った。
 

⏰:08/06/01 10:32 📱:P704i 🆔:LQvRxPnY


#311 [Mr.RabbIts!]
 

―バタン
 
スタジオの扉が音をたてて閉まって数秒後、遙が「あっ」と短く叫んだ。
 
「なんだ?」
 
諒がそう言って遙の方を向くと、遙は眉を寄せてスタジオの閉まった扉を見つめていた。
 

⏰:08/06/01 21:54 📱:P704i 🆔:LQvRxPnY


#312 [Mr.RabbIts!]
 

「…いや、雄琉もスタジオ入ってるよなーって思って」
 
「あ。」
 
諒も口を開いてスタジオの扉に目を向けた。
 
「…あーぁっ」
 
遙がつまらなそうにそう呟いてスティンをちらっと見ると、またしても不機嫌そうに毛を逆立ててスタジオの方向を睨んでいた。
 

⏰:08/06/01 21:55 📱:P704i 🆔:LQvRxPnY


#313 [Mr.RabbIts!]
 

「「あ。」」
 
スタジオに足を踏み入れて扉が閉まるのと同時に、スタジオ内に視線を配ると、さっき見たばかりの顔があった。
 
「なんだよ♪結局、俺が恋しくなっ…」
 
「お邪魔しましたー」
 
そう言ってスタジオを出ようと扉に手をかけるが、素早く後ろからその手を掴まれる。
 

⏰:08/06/05 00:08 📱:P704i 🆔:lQ7hnIrU


#314 [Mr.RabbIts!]
 

ヒロの頭の中で、寝室で抱き締められたことがフラッシュバックする。
 
「は…///っはんなせっ!(離せっ!)」
 
「いーじゃん。別に」
 
腕を振って抵抗を試みるが、後ろから腕が伸びてきて丸め込まれてしまった。
 
後ろから抱き締められた姿勢に、ヒロの耳は真っ赤に染まっていった。
 

⏰:08/06/05 00:12 📱:P704i 🆔:lQ7hnIrU


#315 []
>>100ー200

⏰:08/06/06 22:28 📱:D904i 🆔:W67FFnvc


#316 []
>>100-200

⏰:08/06/06 22:28 📱:D904i 🆔:W67FFnvc


#317 [Mr.RabbIts!]
 

さん▽
 
アンカ−
あリがとうごさいます!
 
更新遅くなリました
 

⏰:08/06/08 12:04 📱:P704i 🆔:/20noD3s


#318 [Mr.RabbIts!]
 

頭の上から雄琉の低く、甘い声が降ってくる。
 
「…何しに来たんだよ?ヒロ」
 
その声で名前を呼ばれ、ゾクリとする。
 
「////」
 
耳まで真っ赤に染まった俺の反応を見て、クスリと笑うとさらに質問を続ける雄琉。
 
「俺がここに居るって、知ってて来たのかよ?」
 

⏰:08/06/08 12:10 📱:P704i 🆔:/20noD3s


#319 [Mr.RabbIts!]

 
「しっ知らねぇよ!///お前が居るのわかってたら、来るわけな…!」
 
そこまで一気にしゃべると、首筋に違和感が。
 
状況が掴めた時には、雄琉がじゃれるように俺の首筋に顔を埋めていた。
 
「っふぁ、ちょ…っ///」
 
変な感覚にとらわれ、体を懸命にくねらせて、逃れようともがく。
 

⏰:08/06/08 12:16 📱:P704i 🆔:/20noD3s


#320 [Mr.RabbIts!]
 

「…ヒロ」
 
「っん…!ちょっ、いい加減にしっろ!!///」
 
ダンッ!
 
左足のかかとで、思い切り雄琉の足を踏んでやった。 
雄琉は小さくうめくと、俺から少し離れた。
 
「いってぇー…ったく、凶暴なヤツだな」
 
「ううううるせー!!///俺に今後一切近づくなっ!いいな!?」
 

⏰:08/06/08 12:23 📱:P704i 🆔:/20noD3s


#321 [Mr.RabbIts!]

 
「えー」
 
「えーじゃねぇよ!近づいたら噛みつくからなっ」
 
「プッ…犬か、お前は」
 
「〜〜〜〜っ///」
 
ぐあーっ!腹立つ!!
 
「…っか、ホントなにしにきたわけ?此処に。」
 
ふん。
むかつくからシカトしてやろ
 
「……。別にシカトしてもいいけど、襲うよ?」
 
「なっ、はぁっ?!///なんでそーなるんだよっ」
 

⏰:08/06/08 12:29 📱:P704i 🆔:/20noD3s


#322 [Mr.RabbIts!]
 

「んな照れんなって。俺に会いに来たんなら素直になればいいのに…」
 
「だあぁーっ!違ぇよ!!あほかっ///リバースの曲、聴きにきただけだっつーの!」
 
……………。
え?無反応??
 
自然にそらしていた視線を雄琉に向けると…なんだか、あからさまに傷ついた顔してるんですが。
 

⏰:08/06/08 20:58 📱:P704i 🆔:/20noD3s


#323 [Mr.RabbIts!]
 

「…なに。ホントに俺がお前に会いにきたと、思ってたわけ?」
 
俺が軽くバカにしながら聞くと、雄琉は拗ねたように口を尖らせた。
 
「…だってあんな可愛いー反応されたら、そう思うだろ。フツー」
 
っホントにコイツって奴は…
 
「あのなぁ!フツーは男相手に可愛いーなんて感情は抱かねぇの!!」
 
「だってよー…」
 
「だってじゃない!!つか俺ココ使うからお前、出てけ」
 

⏰:08/06/08 21:09 📱:P704i 🆔:/20noD3s


#324 [Mr.RabbIts!]
 

「えー。俺だって作曲…」
 
「つかリバースの曲かけたいから、横でギター弾かれちゃ困る…」
 
二人の意見が噛み合わず、うー…と唸っているとスタジオの扉が勢いよく開いた。
 
二人してそちらに顔を向けると、遙がいつになく真剣な表情でスタジオに駆け込んできた。
 

⏰:08/06/09 23:22 📱:P704i 🆔:xrGfE4cc


#325 [Mr.RabbIts!]
 

その遙の様子を見ると、雄琉は何も言わずヒロの手を取ってスタジオを出ようとした。
しかし、ヒロがその場に踏み止まる。
 
「…なに、なんで出てこうとしてんの?」
 
そう雄琉に問いかけると同時に、後ろでベースが鳴り始めた。
 

⏰:08/06/09 23:25 📱:P704i 🆔:xrGfE4cc


#326 [Mr.RabbIts!]
 

その音の方を振り返ると、遙が夢中になってベースを掻き鳴らしていた。
 
俺が遙に釘付けになっていると、雄琉が再び手を引いてきた。
今度は逆らわずに、スタジオを出た。
 

⏰:08/06/09 23:29 📱:P704i 🆔:xrGfE4cc


#327 [Mr.RabbIts!]
 

「………スゲェ」
 
知らず知らずのうちに呟いた俺の言葉に、雄琉も深く頷いた。
 
「なんか良いフレーズ思い付いたら、いつもあぁだ。…暫くスタジオは遙に占領されたも、同然だな」
 
「なに。ずっとこもる気か?アイツ」
 
「作曲途中で邪魔なんかしよーモンなら、えらいことになるぞ」
 
え、遙ってそんな怖い奴だったわけ…?
 

⏰:08/06/09 23:33 📱:P704i 🆔:xrGfE4cc


#328 [Mr.RabbIts!]
 

雄琉はリビングのソファーにどっかりと腰を下ろした。
 
「さーて。どうすっかなー」
 
いきなり暇になってしまった。
 
…コイツと居るのも嫌だし、てか危険だし。
諒の家事の手伝いでもしてこよーっと。
 
そう考えて諒を探したが、…どこにも居ない。
 
「……なんで…?」
 

⏰:08/06/09 23:38 📱:P704i 🆔:xrGfE4cc


#329 [Mr.RabbIts!]
 

リビングに戻って、呑気にテレビを見ている雄琉に訊ねてみる。
 
「…なぁ、諒は?」
 
すると雄琉は俺をチラっと見ると、ソファーの前にあるテーブルを無言で指さした。
 

⏰:08/06/14 23:45 📱:P704i 🆔:GeGEuw9g


#330 [Mr.RabbIts!]
 

「…………?」
 
テーブルの上には紙切れが。
 
そこには、
 
『コインランドリー行って乾燥かけてくるついでに、買い物もしてくる 諒』
 
と書かれていた。
 

⏰:08/06/14 23:47 📱:P704i 🆔:GeGEuw9g


#331 [Mr.RabbIts!]
 

急いで窓の外を見てみると、ひどい嵐。
 
「諒、大丈夫なのかよ?」
 
荒れ狂う天候を見て不安になり問いかけると、雄琉も少し眉をしかめた。
 
「車だし安全だろーけど。…まぁ、帰りは遅いだろうな」
 

⏰:08/06/14 23:53 📱:P704i 🆔:GeGEuw9g


#332 [Mr.RabbIts!]

 
ちょっと待てよ?
 
遙はずっとスタジオこもってるだろうし。
 
諒は買い物もしてくるっつーし、この嵐だし…
 
ってことは、俺コイツと暫く二人きり…?
 
マジで…?
 

⏰:08/06/14 23:54 📱:P704i 🆔:GeGEuw9g


#333 [ハル]
続ききになる
頑張って下さい

⏰:08/06/15 11:27 📱:911T 🆔:it/aKFyY


#334 [我輩は匿名である]
>>01-50
>>51-100
>>101-150
>>151-200
>>201-250
>>251-300
>>301-350
>>351-400
>>401-450
>>451-500
>>501-550
>>551-600
>>601-650
>>651-700
>>701-750
>>751-800

⏰:08/06/15 13:12 📱:W44K 🆔:TOq/A1Zo


#335 [Mr.RabbIts!]
 

〒ハルさん▽
 
あリがと−ございますっ
 
今から更新しますね.
 
〒匿名さん▽
 
アンカ−どうもです
 
また読んでくださいね
(^Д∩)
 

⏰:08/06/15 20:25 📱:P704i 🆔:jamywmH2


#336 [Mr.RabbIts!]
 

あっ!まだ居るじゃんか!!
俺の味方が…!
 
「そうだよ!!スティン…」
 
「なら、そこで寝てんぞ」
 
雄琉が顎でしゃくった方向に目を向けると、スヤスヤ気持ちよさそうに体を丸めて眠っているスティンの姿が。
 
「ちょ!起きろよ〜スティン〜〜!!」
 
そう言って体を揺さぶってみるが、あいかわらず眠ったままのスティン。
 

⏰:08/06/15 20:31 📱:P704i 🆔:jamywmH2


#337 [Mr.RabbIts!]
 

「そのバカ猫、一度寝るとちょっとやそっとじゃ起きねーぞ」
 
そう言って何故かニヤリとする雄琉に、なんとなく悪寒が走った。
 
「…お、俺寝室で歌詞考えてこよ〜っと……」
 
誰に言うでもなく弱々しく一人呟いて、さっさと寝室に退散しようとした時―… 

⏰:08/06/15 20:36 📱:P704i 🆔:jamywmH2


#338 [Mr.RabbIts!]
 

ピカッ…!!
 
カーテンを開け放してある大きな窓から、一瞬の明るすぎる閃光が部屋に影のみをつくった。
 
「え。なにな…」
 
―ガバッ!
 
状況を把握しようとキョロキョロしていると、後ろから雄琉が覆い被さってきた。
 

⏰:08/06/16 23:42 📱:P704i 🆔:zDWShJ96


#339 [Mr.RabbIts!]
 

「…ちょっ///はなせ…!!」
 
バリバリバリ―!!
 
「うぎゃあぁぁっ!!」
 
雷がどこかに落ちたな〜。
 
てか、あれ?
なにさ『うぎゃあぁぁっ!!』って…
 
イマイチ状況が掴めなかった俺だが、背中の方でカタカタ震えているところをみると、どうやらさっきの叫び声は……雄琉のようだ。
 

⏰:08/06/16 23:47 📱:P704i 🆔:zDWShJ96


#340 [Mr.RabbIts!]
 

「…何、おまえ雷ダメなの?」
 
首だけ振り向いて訊ねると、さらに震えが酷くなる始末。
 
かなりの重症だな…
 
なんてノンキに考えていると、雄琉は俺を見てハッとしたような表情を見せ、俺を突き飛ばした。
 

⏰:08/06/16 23:51 📱:P704i 🆔:zDWShJ96


#341 [Mr.RabbIts!]
 

いきなりだったのでバランスをくずし、少しよろけてしまった。
 
てか、
 
「なんなんだよ?!いきなり突き飛ばしやがって!!」
 
無意識の内に雄琉に掴みかかろうと、手を伸ばしたら雄琉が叫んだ。
 
「ば!バカ!!近寄んなっ!」
 

⏰:08/06/16 23:54 📱:P704i 🆔:zDWShJ96


#342 [Mr.RabbIts!]
 

思わず、手を差し出したままの姿勢で固まる俺。
 
え…触んなって……
今まであんなにベトベトしてきたくせに。
 
なんとなくモヤモヤしていると、雄琉が気付いたのか説明し出した。
 

⏰:08/06/16 23:57 📱:P704i 🆔:zDWShJ96


#343 [Mr.RabbIts!]
 

「…だって、ヒロ。おまえのさ、ソレとそれ。危ないんだって〜」
 
雄琉は『ソレとそれ』と言った時に、中指にしていたゴッツイ感じの指輪と、シルバーのシンプルなピアスを指さした。
 

⏰:08/06/17 00:01 📱:P704i 🆔:Vb..fUz2


#344 [Mr.RabbIts!]
 

俺がなにも言わずに雄琉を見ていると、雄琉は「う〜」とか唸ってモジモジし出した。
 
たぶん恥ずかしさを隠すためだろうと思われるその行動に、自然と口元が緩み堪えきれず吹いてしまった。
 
そんな俺を、拗ねた子供のように唇を尖らせて恐怖で軽く潤んだ瞳で睨む雄琉。
 

⏰:08/06/19 22:39 📱:P704i 🆔:3Tj7q8jg


#345 [Mr.RabbIts!]
 

「…バカにしてんだろ」
 
そう悔しそうに呟く雄琉。
 
「してないよー?」
 
最高にバカにした笑顔を向けてやると、雄琉がなにか言おうと口を開いた。
 
…ピカッ!
 
「ぎゃぁぁあっ!」
 
また稲妻が光り、その場にしゃがみこむ雄琉。
 

⏰:08/06/20 00:15 📱:P704i 🆔:wrN8t1Pg


#346 [Mr.RabbIts!]
 

暫くすると、さっきより激しく雷が落ちる音が響いた。
 
雄琉は顔を青ざめて、言葉さえ発さなくなってしまった。
 
自分より広い肩が小刻みに震えているのを見て、なんとも言えない気持ちになった。
 

⏰:08/06/20 00:18 📱:P704i 🆔:wrN8t1Pg


#347 [Mr.RabbIts!]
 

一つ息を吐くと、先ほど雄琉に指摘された金物の指輪とピアスをそっと外し、机に置いた。
 
雄琉はしゃがみ込んだまま固く目を閉じ、耳を塞いで必死に耐えている。
 
その前に立ち、雄琉の前に静かに膝立ちになった。
 

⏰:08/06/20 00:22 📱:P704i 🆔:wrN8t1Pg


#348 [Mr.RabbIts!]
 

「雄琉」
 
名前を呼ぶとピクリと反応を示した。
どうやら耳を塞いでいる意味は無さそうだ。
 
「…なに」
 
怨めしげに俺を見上げる雄琉の目の前に、先ほどまで指輪をしていた中指を立ててやる。
 

⏰:08/06/20 00:24 📱:P704i 🆔:wrN8t1Pg


#349 [Mr.RabbIts!]
 

「外した…から」
 
「…は?」
 
今度は俺がう〜と唸る。
軽く睨んでみるが、雄琉は意味がわからないらしく、きょとんとしている。
 
「…もう金物付けてないし、だいじょーぶ……だからっ///」
 
なぜこんなに照れているのか、自分自身が一番不思議だ。
 

⏰:08/06/21 13:58 📱:P704i 🆔:lW.mYIec


#350 [Mr.RabbIts!]
 

なんだか不思議な気分になってきた。
 
胸の奥がむずかゆいというか、変に体が芯から火照る感じ。
 
目の前の雄琉と目線がかち合った時、さらにフワフワした感覚に囚われる。
 

⏰:08/06/21 14:01 📱:P704i 🆔:lW.mYIec


#351 [Mr.RabbIts!]
 

衝動的に雄琉に手を伸ばし、そのまま雄琉の頭と背中に腕を回し抱き締めた。
 
「…っヒロ?///」
 
雄琉が戸惑った声をあげる。
 
そりゃそうだ。俺だってなんでこんなコト、してるのかわからない。
 

⏰:08/06/21 14:05 📱:P704i 🆔:lW.mYIec


#352 [Mr.RabbIts!]
 

だけど…
 
「大丈夫だから」
 
それだけ言うと、雄琉は大人しくなった。
 
もっと心がぎゅっと締め付けられた。
 
さらに雄琉を抱き寄せて、ワックスで立たせているフワフワした髪を撫でた。
 

⏰:08/06/21 14:10 📱:P704i 🆔:lW.mYIec


#353 [Mr.RabbIts!]
 

暫くそうしていると、雄琉の耳が赤く染まっていることに気付いた。
 
思わず吹き出すと、俯いていた雄琉はさらに俯いて、低く唸るように呟いた。
 
「…っ笑うなよ〜///」
 
「ふははっ、だって〜」
 
「ヒロのせいじゃんか///」
 
「俺?」
 

⏰:08/06/21 14:15 📱:P704i 🆔:lW.mYIec


#354 [Mr.RabbIts!]
 

「だってヒロがかわい…」
 
バリバリバリバリー!!
 
「ぎゃぁぁあっ!!」
 
言葉を遮った雷鳴を聞いて、雄琉は俺を強く抱き締めた。
 
「ぷぷぷ…ビビり過ぎ」
 
そう言いながら丸まった背中を擦ってやる。
 

⏰:08/06/21 17:22 📱:P704i 🆔:lW.mYIec


#355 [Mr.RabbIts!]
 

ビクビク震えている今の雄琉には、いつものあの堂々とした姿の面影はどこにも見当たらない。
 
「ふは、雄琉かわいー」
 
そう言ってやると、雄琉が顔をあげた。
明らかに不満そうな顔をしている。
 
「涙目になってるし。かーわーいーいー」
 
ふざけた言い方をしてみたら、雄琉は眉間に皺を寄せた。
 

⏰:08/06/21 17:27 📱:P704i 🆔:lW.mYIec


#356 [Mr.RabbIts!]
 

「おかしい。なんで俺がヒロにからかわれてるんだ」
 
「だって雄琉が…うわっ!」
 
俺の言葉を遮るように、雄琉が俺を抱き寄せた。
 
「なっにすんだよ?!」
 
「俺をからかうなんて、百年早ぇーんだよ。それに…」
 
そこまで言うと、雄琉は俺の耳元に唇を寄せて囁いた。
 

⏰:08/06/21 17:31 📱:P704i 🆔:lW.mYIec


#357 [Mr.RabbIts!]
 

『先に仕掛けてきたのは、そっちだろ?』
 
「っ////」
 
俺の反応を、目を細めて楽しそうに見る雄琉。
 
「なぁ、ヒロ」
 
雄琉の手が俺の頬に伝う。
 
恥ずかしさを誤魔化すために、必死で言葉を探す。
 

⏰:08/06/21 17:36 📱:P704i 🆔:lW.mYIec


#358 [Mr.RabbIts!]
 

「さっ、先に手ぇ出したのはお前だろ?!///」
 
「そーだっけ?忘れた」
 
そう言って何の悪気もなく、ニコリと微笑む雄琉を睨む。
 
「テメーなぁ…」
 
「俺を本気(マジ)にしたのは、ヒロのせいだかんな」
 
雄琉は捨て台詞のようにそう呟くと、ずいっと俺に近づいてきた。
 

⏰:08/06/21 17:41 📱:P704i 🆔:lW.mYIec


#359 [Mr.RabbIts!]
 

近づいてくる雄琉に対して、俺は精一杯カラダをのけ反らせる。
 
そんな俺を雄琉はつまらなそうに見て、口を尖らせた。
 
「逃げんな、よっ!」
 
「うぁっ?!」
 
いきなり腕を引っ張られて情けない声をあげ、勢いあまって雄琉の胸に飛び込む形になってしまった。
 

⏰:08/06/22 11:01 📱:P704i 🆔:1Yom32ls


#360 [Mr.RabbIts!]
 

なんか俺、今日はこんなんばっかだな…とか考えて、絶対カオを上げずにいようと心に決めた。
 
「ヒロ〜」
 
無視無視。
 
よし、この調子だ。
 
何があってもカオあげたら負けだ!
 

⏰:08/06/22 11:04 📱:P704i 🆔:1Yom32ls


#361 [Mr.RabbIts!]
 

「おーい。ヒロってばー」
 
俺は固く目を閉じて俯いたままだった。
 
無視し続けていると雄琉が急に大人しくなった。
 
変だな?とは思ったが、そのままの姿勢をキープしていた俺のおでこに、なにか柔らかいものが当たった。
 
…チュッ。
 

⏰:08/06/22 11:08 📱:P704i 🆔:1Yom32ls


#362 [Mr.RabbIts!]
 

「…んなっ!///」
 
俺はおでこを手で覆って雄琉を見た。
 
雄琉はニヤリと笑っている。
 
「だって、ヒロが無視するんだもーん」
 
「だもーんじゃねぇよ!関係ねぇだろ!!///」
 
「んな照れなくてもいーじゃん。おでこなんだし」
 

⏰:08/06/22 11:12 📱:P704i 🆔:1Yom32ls


#363 [Mr.RabbIts!]
 

「てっ///照れてねぇよ!!バカじゃねぇのっ!?」
 
それだけ叫ぶと、必死におでこを擦る。
 
「ひっでぇ。さすがに傷つくぞー、その反応」
 
勝手に傷ついている雄琉を無視して、おでこを擦り続ける。
 
その腕を雄琉がいきなり掴んで止めさせた。
 

⏰:08/06/22 11:16 📱:P704i 🆔:1Yom32ls


#364 [Mr.RabbIts!]
 

「なっ!放せ…っ」
 
「そんな嫌だった?」
 
雄琉はなぜかとても哀しげな目をしていた。
 
俺は少し胸が痛んだ。
なにも言えずにいると、さらに傷ついた表情になる雄琉。
 
「…ごめん。こんなつもりじゃなかっ…」
 
「ち、違うから!!」
 
いきなり大きい声を出した俺を、雄琉は目を丸くして見ている。
 

⏰:08/06/22 11:21 📱:P704i 🆔:1Yom32ls


#365 [Mr.RabbIts!]
 

だけど、この気持ちはちゃんと伝えておかなきゃいけない気がするから…
 
「嫌とかじゃなくてっ、その…ビックリした?だけで……うん、それだけ、だから」
 
何だか言ってるうちに、とんでもないことを言っている気がして、どんどん声が小さくなっていった。
 
言い終えてちらっと雄琉の反応を窺うと、眩しいくらいにニコニコしている。
 
…ハメられた。
 

⏰:08/06/22 11:26 📱:P704i 🆔:1Yom32ls


#366 [Mr.RabbIts!]
 

「そーか、そーか!じゃあ今度から不意討ちは止めるから」
 
「っお前なぁ!つか『今度から』ってまたする気かよ?!ふざけんなっ///」
 
「ヒロが俺を受け入れてくれたわけだし…」
 
「受け入れてねぇよ!!」 
あ…またコイツはあからさまに傷ついた顔しやがって。
でも、もう騙されないかんな。
 
そんなことを考えながら雄琉を睨んでいると、急に雄琉の表情がパッと明るくなった。
 

⏰:08/06/22 11:32 📱:P704i 🆔:1Yom32ls


#367 [Mr.RabbIts!]
 

「不意討ちは止める」
 
「…当たり前だっ///」
 
「じゃあ、今からチューするな」
 
目の前で目を輝かせているこの男は、アホ以外の何者でもない。
 
「はぁ〜?!もうお前、黙っとけよ」
 
めんどくさい、まで呟いて雄琉を見たら…捨てられた子犬のような目で俺を見ている。
 

⏰:08/06/23 07:10 📱:P704i 🆔:Xi6s26lo


#368 [Mr.RabbIts!]
 

「………」
 
「…………」
 
「……………」
 
「だぁあぁっ!そんな目で見んなっ!!」
 
「チュー…」
 
「誰がするかっ!つか、お前キャラ違うから!!」
 
俺がそう突っ込むと、雄琉は「そうだよな」とか言って頷き出した。
 
…激しく嫌な予感。
 

⏰:08/06/23 07:13 📱:P704i 🆔:Xi6s26lo


#369 [Mr.RabbIts!]
 

俺の予感はどうやら的中したらしく、雄琉は笑顔でとんでもないことを言い出した。
 
「強引に攻めてこそ、俺!ってことで…」
 
「ぅおわっ!?」
 
油断している俺の腕を引っ張って、自分の方に引き寄せる雄琉。
 
「なにす…」
 
「いただきます☆」
 

⏰:08/06/23 07:17 📱:P704i 🆔:Xi6s26lo


#370 [我輩は匿名である]
おもしろい!!!

⏰:08/06/23 07:55 📱:D705i 🆔:ywz2U7kY


#371 [Mr.RabbIts!]
 

〒匿名さん▽
 
うれしいお言葉
あリがとうございます
 
今夜また更新したいと
思ってますんで
また見に来てくださると
うれしいです(⊃ω`)
 

⏰:08/06/23 16:37 📱:P704i 🆔:Xi6s26lo


#372 [Mr.RabbIts!]
 

「おまっ…不意討ちは止めるって…!」
 
勢いよく顔をあげたら、素早く頬に手を滑らされ、雄琉を見上げるような姿勢に固定されてしまった。
 
「だってこうでもしなきゃ、ヒロがチューさせてくんないし」
 
「っふざけ…!!///」
 
そうこう言っている内に、どんどん雄琉の顔が近づいてくる。
 

⏰:08/06/24 06:35 📱:P704i 🆔:ci/gGTrU


#373 [Mr.RabbIts!]
 

「ちょ///雄琉っ!まっ…」
 
「いいだろ?」
 
雄琉の真剣な表情に、必死に肩を押しやっていた腕の力が抜け、顔が熱くなるのがわかった。
 
「…ヒロ」
 
「////っ」
 
近づく二人の距離に堪らなく恥ずかしくなって、俺は固く目を瞑った。
 

⏰:08/06/24 06:41 📱:P704i 🆔:ci/gGTrU


#374 [Mr.RabbIts!]
 

そんなヒロを見て、雄琉はやさしく微笑むと再び二人の距離を近づけた。
 
「〜〜〜っ////」
 
どどどどーしよー!
 
ちらっと目を開けると、目を閉じた雄琉のドアップ。
 
整った顔立ちに、さらに体は強張る。
 

⏰:08/06/25 22:22 📱:P704i 🆔:O9cD8Gn.


#375 [Mr.RabbIts!]
 

「…っやっぱ、むり…だって……!///」
 
必死に雄琉を押し返そうとするも、全く効果無し。
 
「ヒロ、目瞑って」
 
「無理っ///」
 
「ヒロ…な?」
 
「………ん。///」
 
もうヤケだっ!
 
そう思ってゆっくり瞼を落とした。
 

⏰:08/06/28 13:04 📱:P704i 🆔:mkzEJyv.


#376 [魅-汰]
気になるあげ♪(>艸<)
主サンのペースで頑張って
ください★★

⏰:08/06/29 09:30 📱:SH903i 🆔:RyjdJDSg


#377 [Mr.RabbIts!]
 

〒魅-汰さん▽
 
ありがとうございます
 
また今日更新できるか
わかりませんが(^^;
 
自分のペースで
がんばらせてもらいます
 

⏰:08/06/30 11:19 📱:P704i 🆔:HTUVwuWg


#378 [Mr.RabbIts!]
 

ヒロが目を閉じたのを見て、雄琉は今までにないやさしい表情を浮かべ、自分も目を閉じた。
 
どくん、どくんっ、
 
う〜///うるせぇ!俺の心臓っ
 
自然と顎を引こうとするが、雄琉の手がしっかりと固定しているため、どうすることもできない。
 

⏰:08/06/30 22:36 📱:P704i 🆔:HTUVwuWg


#379 [Mr.RabbIts!]
 

どくん、どくん
どくん、

 
「ただいま〜」
 
ドン!ダンッ!!バサバサバサーッッ!
 
「おっ///おおおかえり!」
 
あと数ミリというところで、なにも知らない諒が帰宅。
 
雄琉はまた派手に突き飛ばされ本棚で背中を打ち、落ちてきたたくさんの本をモロにかぶった。
 

⏰:08/06/30 22:42 📱:P704i 🆔:HTUVwuWg


#380 [Mr.RabbIts!]
 

ヒロがちらっと雄琉を見ると、こちらを恨めしげに睨んでいる。
 
慌てて雄琉から目をそらし、諒の出迎えに行こうと立ち上がった。
 
しかし雄琉に腕を掴まれ、引っ張られた。
 

⏰:08/07/04 13:41 📱:P704i 🆔:w.KFQUxc


#381 [Mr.RabbIts!]
 

…チュッ
 
え。
 
呆然としているヒロに、雄琉はニカッと笑いかける。
 
「ホントは、唇にしたかったんだけど…」
 
そこまで雄琉が呟くと、ヒロはやっと状況が把握できたらしく、顔を真っ赤に染めた。
 

⏰:08/07/04 13:46 📱:P704i 🆔:w.KFQUxc


#382 [Mr.RabbIts!]
 

そして鼻がもげるんじゃないかというくらいに、鼻を擦りだした。
 
―そう、雄琉がヒロの鼻にキスをしたのだ。
 
「んな照れなくても…」
 
「黙れっ!!////」
 

⏰:08/07/04 13:49 📱:P704i 🆔:w.KFQUxc


#383 [我輩は匿名である]
大好きですがんばって

⏰:08/07/04 13:51 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#384 [Mr.RabbIts!]
 

〒匿名さん▽
 
ありがとうございます
 
マイペース更新で
申し訳ないですが
がんばります
 

⏰:08/07/05 13:22 📱:P704i 🆔:dORbxgTI


#385 [Mr.RabbIts!]
 

「なんだよ。ツレねーなぁ」
 
ちぇっとか言いながら口を尖らせている雄琉をキッと睨んでいると、諒がリビングに入ってきた。
 
「ただいま〜…ってなにコレ?」
 
諒は雄琉の周りに散らばっている本を見て、俺と雄琉を交互に見やる。
 

⏰:08/07/05 13:48 📱:P704i 🆔:dORbxgTI


#386 [Mr.RabbIts!]
 

「それがさぁ、俺がちょーっとだけヒロにチュ…」
 
「だぁあぁぁっ!!なにを言おーとしてんだ!てめぇはっ///」
 
とんでもないことを言おうとした雄琉の口を両手で慌ててふさいだ。
 
そんな俺と雄琉を諒はクスクス笑いながら見ている。
 

⏰:08/07/05 13:53 📱:P704i 🆔:dORbxgTI


#387 [Mr.RabbIts!]
 

「そっかそっか、ヒロ大変だったね。」
 
諒の言葉に思わず赤面していると
 
…ペロッ
 
「っうわ?!///」
 
「いい加減、苦しいんですけど」
 
な…っコイツ手ぇ舐めやがった。
 
ヒロは急いで手を引っ込めた。
 

⏰:08/07/05 13:56 📱:P704i 🆔:dORbxgTI


#388 [Mr.RabbIts!]
 

「顔、真っ赤。かわいー」
 
「うううるさいっ///変態っ!」
 
俺の言葉にニヤリとする雄琉。
 
「変態ついでに口も舐めてやろーか?」
 
「っ調子のんなっ!!///」
 
そう言って近くにあったソファーのクッションを、思い切り雄琉に向かって投げつけた。
 

⏰:08/07/05 14:01 📱:P704i 🆔:dORbxgTI


#389 [Mr.RabbIts!]
 

俺が投げたクッションは見事、雄琉の顔面直撃。
 
「へっ、ざまーみろ!」
 
そう言ってニカッと笑ってやると、雄琉は急に真剣な顔になった。
 
「…ヒロ」
 
「な、なんだ…っぶ!!」
 
油断していた俺に、雄琉がクッションを投げ返してきた。
隙を突かれた俺も、見事に顔面直撃。
 

⏰:08/07/05 16:36 📱:P704i 🆔:dORbxgTI


#390 [Mr.RabbIts!]
 

「このやろ…って、わ?!」
 
また反発してやろうとクッションを拾っている間に、雄琉に目の前まで詰め寄られてしまった。
 
「ち、近づくなっ!///」
 
「もう、マジかわいー…」
 
「はっ!!?///」
 
俺が激しく驚いて目を丸くしていると、雄琉がまたニヤリと笑った。
 
「やっぱ、口舐めとくわ」
 
そう言って、近づいてくる雄琉の顔。
 
「ちょっ、待って…っ!!///」
 

⏰:08/07/05 16:42 📱:P704i 🆔:dORbxgTI


#391 [Mr.RabbIts!]
 

「ストーップ!!」
 
いきなり大きな声がしたと思ったら、グイッと後ろに引っ張られた。
 
「え、あっ…遙!?」
 
後ろを見るとニコニコした遙が俺に覆い被さっている。
 
「もー、ヒロ危ないじゃん。野獣に喰われるトコだったよ?」
 
「誰が野獣だ」
 
雄琉は不機嫌そうに立ち上がり、遙を俺からひっぺがした。
 

⏰:08/07/05 16:48 📱:P704i 🆔:dORbxgTI


#392 [Mr.RabbIts!]
 

「野蛮なケモノと書いて、野獣。うん、雄琉にピッタリ〜」
 
ケラケラ笑う遙を雄琉は睨む。
 
「ぴったり〜♪」
 
俺も遙の口マネをして、雄琉をからかう。
 
「は?!ヒロまで、んなこと思ってたのかよ!?」
 
なんだか焦っている雄琉が可笑しくて、みんなで笑った。
 

⏰:08/07/05 16:52 📱:P704i 🆔:dORbxgTI


#393 [Mr.RabbIts!]
 

この時は忘れられてたんだ、俺の過去を。
 
そして、まだ知らなかったんだ。
 
過去ってのは消せないだけじゃなくて、どんなに振り払っても、切り捨てても
纏わりついてくるってことを。
 
 

⏰:08/07/05 20:55 📱:P704i 🆔:dORbxgTI


#394 [Mr.RabbIts!]
 
――――――――――――
04/*剥がれ落ちる
―――――――――――― 
 

「っだぁあぁぁ!暑い!!離れろっ!」
 
あれから雄琉は、俺にやたらとベタベタ張り付いてくるようになった。
 
「いーじゃん。照れちゃって、かわいーな」
 
「うっとーしいんだ、よっ!」
 
巻き付いてくる雄琉の腕を無理やり引き剥がす。
 

⏰:08/07/06 12:57 📱:P704i 🆔:VanwrvxM


#395 [Mr.RabbIts!]
 

「ん゛あ゛〜…あっちぃー」
 
そう言ってうちわでバタバタと乱暴に扇ぐ。
 
もうすっかり夏となって、外では太陽がギラギラしてる。
 
「なぁ〜っ、クーラーつけようぜ〜〜」
 
暑さに弱い俺にはもう限界で、情けない声で諒に頼む。
 

⏰:08/07/06 13:03 📱:P704i 🆔:VanwrvxM


#396 [Mr.RabbIts!]
 

しかし、諒は淡々といつもの決まった答えを返す。
 
「クーラーは体がダレるし、環境にも悪いから駄目」
 
うわぁ〜、何なんだこのデキタ大人の答えは…
 
「そんなん!クーラーついてる意味無いじゃんかー」
 
と負けじと反発するも、諒に勝てるハズもなく、
「クーラーは元から付いてたんだよ?」と言いくるめられてしまった。
 




⏰:08/07/06 13:09 📱:P704i 🆔:VanwrvxM


#397 [Mr.RabbIts!]
 

仕方なく扇風機で我慢しようと扇風機を探すと、スティンが独占しているのを見つけた。
 
「スティン〜!…駄目だ。完全に寝てるし」
 
気持ち良さそうに寝ているスティンから、扇風機を取り上げるのはあまりに可哀想に思えたので諦めて、またうちわで自分を扇ぎ始めた。
 

⏰:08/07/06 13:39 📱:P704i 🆔:VanwrvxM


#398 [Mr.RabbIts!]
 

そこに、朝からまだ姿を現していない男がやって来た。
 
「おはよー!」
 
遅い朝のあいさつが聞こえたと思ったら、ドタドタと暑苦しい足音が玄関からリビングに近づいてきた。
 

⏰:08/07/06 13:42 📱:P704i 🆔:VanwrvxM


#399 [( ・∀・)つ]
>>1-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400

⏰:08/07/06 14:25 📱:D704i 🆔:iCw0apsw


#400 [Mr.RabbIts!]
 

〒( ・∀・)つさん▽
 
アンカー
ありがとうございます
 
すごく読み返しやすく
なりました(^O^)、。
 

⏰:08/07/06 14:45 📱:P704i 🆔:VanwrvxM


#401 [Mr.RabbIts!]
 

「おはよ、遙」
「うぃ〜」
 
笑顔で出迎える諒とテキトーにあしらう雄琉。
 
「あ〜暑い〜〜」
 
愚痴をこぼしながら、首だけ遙の方を向く俺。
 
「いや〜暑いね〜。クーラーつけないの?」
 
最もなことを言う遙に同意の声を上げようと、遙を見ると
 

⏰:08/07/06 21:26 📱:P704i 🆔:VanwrvxM


#402 [Mr.RabbIts!]
 

「おわ?!なんだソレ!!?お前っ!!」
 
あまりの興奮に言葉が変になってしまっている俺。
 
「えーなに?あっ、これー?これはね…」
 
「ちげぇよ!サングラスじゃなくて!!アイス!お前だけ何でアイス食ってんだよ?!」
 
そう。遙はアイスをうまそうに食べながら、暑いとかほざいてやがったのだ。
 

⏰:08/07/06 21:32 📱:P704i 🆔:VanwrvxM


#403 [Mr.RabbIts!]
 

「うん?あぁ、ココ来るまでの道に、アイスクリーム屋さんが屋台出してたから」
 
遙のその話を聞いて、俺と雄琉は瞳を輝かせた。
 
「よっし!思い立ったら即☆行動!だよなっ、遙」
 
そう言って立ち上がった俺に続いて雄琉も立ち上がっる。
 

⏰:08/07/06 21:37 📱:P704i 🆔:VanwrvxM


#404 [Mr.RabbIts!]
 

「そーだそーだ!暑いからってダレてちゃ駄目だもんな!!諒っ」
 
そう言って二人は遙と諒を暑苦しく見つめる。
 
見つめられた二人は互いに顔を見合わせた。
 

⏰:08/07/06 21:40 📱:P704i 🆔:VanwrvxM


#405 [Mr.RabbIts!]
 

立ち上がっる
 

 
立ち上がる
 
ですね
すいません、。
 

⏰:08/07/06 21:41 📱:P704i 🆔:VanwrvxM


#406 [Mr.RabbIts!]
 

―――
 
「アイス何処だー!!」
「あちぃぞっコノヤロー!!」
 
結局4人で仲良くアイスを求めて、外出することに。
 
俺と雄琉は嬉しくてしょうがないといった感じに、先程から叫んで暴れて好き放題だ。
 
「ちょっと、暑苦しいんだけど」
「まぁまぁ♪」
 
諒はスティンをおいてきたので、少し不満そうだ。
 

⏰:08/07/07 03:55 📱:P704i 🆔:KE/Z7kTg


#407 [Mr.RabbIts!]
 

そんな諒を見て、雄琉は鼻で笑った。
 
「俺的にはラッキーだけどな。あのヤクザ猫まで連れて来られちゃたまんねーよ」
 
それに珍しくムッとした表情を見せる諒。
 
「スティンは室内用の猫で、デリケートだから。こんな暑いとこ出したらバテちまうんだよっ」
 

⏰:08/07/07 04:01 📱:P704i 🆔:KE/Z7kTg


#408 [Mr.RabbIts!]

 
「おぉ〜。諒らしからぬ、暴言」
 
そう言った俺にも睨みをきかせる諒。
 
怖っ!
 
急いで目を反らして、再びアイスクリーム屋の屋台を探す。
 

⏰:08/07/07 04:02 📱:P704i 🆔:KE/Z7kTg


#409 [Mr.RabbIts!]
 

「…おっ?!アレじゃね?」
 
雄琉の声に全員がそちらを向く。
 
そこには、雄琉が言う通りアイスクリーム屋の屋台があった。
 
「うおー♪アイスーー!!」
 
俺は一目散に駆け寄った。
 

⏰:08/07/07 04:05 📱:P704i 🆔:KE/Z7kTg


#410 [Mr.RabbIts!]
 

「いらっしゃい」
 
屋台のお兄さんらしき人の出迎える声が聞こえたので、俺は顔を上げて注文をしようとした。
 
「どーしよっかな。お兄さん、なにがあんの………って」
 
屋台のお兄さんの顔を見て、俺は思わず固まってしまった。
 

⏰:08/07/07 04:10 📱:P704i 🆔:KE/Z7kTg


#411 [Mr.RabbIts!]

 
そんな俺に気付いたのか、屋台のお兄さんも俺を見る。
 
「ん?…え、あ!!?」
 
二人して口をパクパクしていると、雄琉たちも屋台へゾロゾロやって来た。
 
そこでようやく俺が言葉を発した。
 
「りゅ、龍さん!!何してるんすか!?」
 

⏰:08/07/07 04:12 📱:P704i 🆔:KE/Z7kTg


#412 [Mr.RabbIts!]
 

雄琉たちは不思議そうに、俺と龍さんを交互に見る。
 
「え、なに知りあ…」
「晴樹!お前こそ何こんなとこ彷徨いてんだよ!?」
 
見事、雄琉の言葉は龍さんの言葉に遮られた。
 
「いや、その〜…」
 
俺が返答に困っていると、遙が疑問を口にした。
 
「…はるき?」
 

⏰:08/07/07 04:17 📱:P704i 🆔:KE/Z7kTg


#413 [我輩は匿名である]
あげ

⏰:08/07/08 18:50 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#414 [Mr.RabbIts!]
 

〒匿名さん▽
 
あげどうもです
 
更新遅くなって
すいません〜
 

⏰:08/07/09 21:02 📱:P704i 🆔:20wfJZZw


#415 [Mr.RabbIts!]
 

それに気付いた龍さんが、俺に聞く。
 
「なに?見ない面々だな。新しいダチか?」
 
「え…あ、うん……」
 
なんとなく気まずい雰囲気。
 
龍さんは俺の、『晴樹』のことを知りすぎている。
 

⏰:08/07/09 21:06 📱:P704i 🆔:20wfJZZw


#416 [Mr.RabbIts!]
 

コイツらには、今の俺だけを見てほしかった。
 
なのにこんなに早く、『晴樹』を知られるなんて―…
 
いつのまにか俯いていた俺の頭に、大きい手がおかれた。
驚いて顔を上げると、やさしい笑顔の龍さんと目が合った。
 

⏰:08/07/09 21:10 📱:P704i 🆔:20wfJZZw


#417 [Mr.RabbIts!]
 

「お前のダチなら、ご馳走してやる。うちの店、来いよ」
 
それだけ言ってまたニコリと微笑むと、テキパキと屋台をたたみ始めた。
 
「え、龍さん!悪いっすよ!!」
 
「なーに言ってんだ。久しぶりにお前とも話したいし、店の方がいいだろ」
 
こんなとこじゃ暑くてやってらんねぇよ、と付け足して龍さんはイタズラに笑った。
 

⏰:08/07/09 21:16 📱:P704i 🆔:20wfJZZw


#418 [Mr.RabbIts!]
 

―――
 
俺たちが案内されたのは、影にひっそりとあった『準備中』の札がぶら下げてあるカフェだった。
 
龍さんは屋台をカフェの横にある倉庫にしまうと、カフェに入って俺たちを手招きした。
 
―カランカラン…
 
少しドキドキしながら店内に入ると、俺にとっては懐かしい光景が目に飛び込んできた。
 

⏰:08/07/12 09:41 📱:P704i 🆔:iKRKgrT.


#419 [Mr.RabbIts!]
 

「…全然、変わってないっすね」
 
俺は思わずそうこぼした。
 
「なんだよー。結構変えたつもりだぞ?ほら、そこのポスターとか…」
 
龍さんが拗ねたように言ったので、笑ってしまった。
 
「少なくとも、龍さんは全然変わってないっすよ」
 

⏰:08/07/12 09:46 📱:P704i 🆔:iKRKgrT.


#420 [Mr.RabbIts!]
 

「はっ?晴樹っお前ってヤツは〜」
 
龍さんはそう言いながらカウンターから抜けて、こちらに向かってきた。
 
「男前になりましたね〜、くらい言えねぇのか!このやろうっ」
 
「わあっ」
 
油断していたら龍さんに髪をグシャグシャにされた。
 

⏰:08/07/12 09:52 📱:P704i 🆔:iKRKgrT.


#421 [Mr.RabbIts!]
 

「龍さんは昔っから男前っすよ〜!」
 
そう言ってニカッと笑うと、龍さんの頬が少し赤くなった。
 
「…あっそ///」
 
「なに自分で言わせといて照れてんすか〜」
 
やっぱり龍さんは変わってないな、と実感して少し嬉しかった。
 

⏰:08/07/12 09:56 📱:P704i 🆔:iKRKgrT.


#422 [Mr.RabbIts!]
 

「〜うるさいなっ!///つか、お前のダチをおもてなししないと…」
 
龍さんはそう言うとカウンターに入って作業し始めた。
 
あぁ、そういえば…
 
龍さんと話し込んでいて忘れてしまっていた。
 
「…あ、のさっ」
 
俺から話を切り出さないと駄目だろうと思い、雄琉たちの方に向き直った。
 

⏰:08/07/12 10:00 📱:P704i 🆔:iKRKgrT.


#423 [Mr.RabbIts!]
 

「ハルキっつーんだな」
 
突然の雄琉の言葉に思わずグッと言い淀む。
 
「いい名前じゃんか」
 
そう言って遙が微笑む。
諒も静かに微笑んでいる。 
「…でも」
 
俺は口を尖らせた。
 

⏰:08/07/12 13:37 📱:P704i 🆔:iKRKgrT.


#424 [Mr.RabbIts!]
 

「でもっ俺にはヒロって名前があるから!」
 
俺はそう言って雄琉を見た。
 
「…え」
 
雄琉は眉を寄せて俺を見つめる。
 
「結構気に入ってんだぞ…ヒロって名前なら、好きになれそうなんだ。俺」
 
そこまで言うと雄琉の顔が赤くなった。
そして赤い顔のまま、ニカッと笑った。
 

⏰:08/07/12 14:02 📱:P704i 🆔:iKRKgrT.


#425 [Mr.RabbIts!]
 

「うれしいこと、言ってくれるじゃんかっ!」
 
雄琉は俺の首に腕を回してはしゃぎだした。
 
「わわっ?!アホかっ!痛いっつーの」
 
そう言いながらも、やっぱり俺だって嬉しくて頬は弛んでいた。
 

⏰:08/07/12 17:14 📱:P704i 🆔:iKRKgrT.


#426 [Mr.RabbIts!]
 

そこに不機嫌そうな龍さんの制止の声が入る。
 
「はいはーい。離れて離れてー!!」
 
俺の腕は龍さんの方へ、ぐいぐいと引っぱられた。
 

⏰:08/07/12 17:21 📱:P704i 🆔:iKRKgrT.


#427 [Mr.RabbIts!]
 

「コーヒーいれたから。ま、お前はカウンターかどっかに座っとけよ」
 
龍さんは雄琉を見て(睨んで)そう言うと、諒と遙の方を振り返った。
 
「あ、待たせたね〜。旨いコーヒーいれたから、そこのカウンター席座っといてもらえる?」
 
雄琉の時とは違うにこやかな龍さんの態度に、俺は唖然としていた。
 

⏰:08/07/12 17:27 📱:P704i 🆔:iKRKgrT.


#428 [Mr.RabbIts!]
 

「ちょっ!龍さんっ」
 
俺がカウンター内に引き上げようとしている龍さんを呼び止めると、龍さんはゆっくりこっちを向いた。
 
「あぁ。晴樹はミルクだよな」
 
「んえ?あ…うん。って、そうじゃなくて!」
 
龍さんは俺の言葉を聞くと、低い声で呟いた。
 

⏰:08/07/12 17:31 📱:P704i 🆔:iKRKgrT.


#429 [Mr.RabbIts!]
 

「…あいつ、ムカツク」
 
俺は龍さんの言葉がよく聞き取れなくて、「え?」と聞き返した。
 
「…なんでもない!すぐミルクつくってやるから、待っとけ、な?」
 
結局、爽やかな笑顔で龍さんにうまく丸め込まれてしまった。
 

⏰:08/07/12 17:35 📱:P704i 🆔:iKRKgrT.


#430 [Mr.RabbIts!]
 

俺は納得がいかないまま、諒が座っている横のカウンター席に座った。
 
そして俺の横にドカッと荒々しく座る雄琉。
 
チラッと横目で見ると、
…怒ってるよ〜っ
 
「た、雄琉!龍さんはな、決して悪い人じゃないんだぞ?」
 

⏰:08/07/13 11:15 📱:P704i 🆔:d0Ux22jQ


#431 [Mr.RabbIts!]
 

「…悪いヤツじゃなくても俺、嫌いだ。アイツ」
 
ぶすーっとしている雄琉を俺は慌ててなだめる。
 
「そんなこと言うなよ!な?龍さんちょっと機嫌が…」
 
「奇遇だな。俺もお前が嫌いだぞ」
 
俺と雄琉の前にヒョイと顔を出したのは
 
「ちょっ、龍さん!!」
 

⏰:08/07/13 11:21 📱:P704i 🆔:d0Ux22jQ


#432 [Mr.RabbIts!]
 

「コーヒーいれてやったぞ。さっさと飲んでお前は帰れ」
 
も〜この人は…
 
「龍さん!!」
 
「晴樹はミルクだよな〜。ほい、うまいぞ」
 
「え、あ、うん…ありがと」
 
龍さんの笑顔に負けて、思わずお礼を言ってしまった。
 

⏰:08/07/13 11:35 📱:P704i 🆔:d0Ux22jQ


#433 [我輩は匿名である]
>>1-500

⏰:08/07/13 12:10 📱:SH904i 🆔:/TkTBB/Q


#434 [我輩は匿名である]
>>230-400

⏰:08/07/13 12:30 📱:SH904i 🆔:/TkTBB/Q


#435 [我輩は匿名である]
>>400-500

⏰:08/07/13 12:52 📱:SH904i 🆔:/TkTBB/Q


#436 [Mr.RabbIts!]
 

〒匿名さん▽
 
アンカー
ありがとうございます
 
うれしいんで
また更新しますね
 

⏰:08/07/13 14:30 📱:P704i 🆔:d0Ux22jQ


#437 [Mr.RabbIts!]
 

「ヨシヨシ」
 
その笑顔のまま俺の髪をくしゃくしゃ撫でる。
 
「もう!ガキ扱いしないでくださいよっ」
 
そう言って龍さんの手を払いのけると、龍さんは口を尖らせた。
 

⏰:08/07/13 14:37 📱:P704i 🆔:d0Ux22jQ


#438 [Mr.RabbIts!]
 

「なんだよ。昔は嬉しそーにキャハキャハ言ってたくせにー」
 
「いつの話だよ?!」
 
「んー…晴樹がしょうがくせーくらいの時かな」
 
そう言ってニコリと微笑む龍さん。
 
小学生って、ガキじゃんか!
 

⏰:08/07/13 14:41 📱:P704i 🆔:d0Ux22jQ


#439 [Mr.RabbIts!]
 

俺が龍さんを軽く睨んでいると、今まで黙っていた雄琉が口を開いた。
 
「…そんな昔っからの知り合いなのか?」
 
「え?あ、うん」
 
「…ふーん」
 
え、なに。
 
なんか物凄い不機嫌オーラが出てますけど?雄琉くーん…
 

⏰:08/07/13 14:44 📱:P704i 🆔:d0Ux22jQ


#440 [Mr.RabbIts!]
 

そんな雄琉を見てオロオロする俺とは逆に、なにやらニンマリしている龍さん。
 
「小さい頃の晴樹は俺の後ろくっついて、離れなかったもんなー」
 
なにを言い出すんだ、この人はっ!!
 
「なに、そんな昔の話して…」
 
「風呂も一緒に入ったもんなぁ〜」
 

⏰:08/07/13 14:52 📱:P704i 🆔:d0Ux22jQ


#441 [Mr.RabbIts!]
 

龍さんの言葉にハテナマークを頭の上に浮かべていると、横から激しく咳き込む音が聞こえた。
 
「ゲホッ、ゴホッ!風呂!!?」
 
いやいや雄琉、そんな反応するトコじゃないっしょ。
 
「それにー、一人じゃ寝れないっつって俺んトコまで来て、一緒に寝たことも…」
 
「一緒に寝たぁっ!!?」
 

⏰:08/07/13 14:56 📱:P704i 🆔:d0Ux22jQ


#442 [Mr.RabbIts!]
 

イスから立ち上がって叫んだ雄琉を必死になだめる。
 
「ちょ、雄琉。落ち着け…っ」
 
しかし雄琉は俺の言葉など全く聞いておらず、龍さんを指さし叫んだ。
 
「お前っなに考えてやがる!?」
 
オイオイオイオーイ。
雄琉、お前こそ何を考えてんだよっ!
 

⏰:08/07/13 15:02 📱:P704i 🆔:d0Ux22jQ


#443 [Mr.RabbIts!]
 

「なにって…」
 
そこまで言うと龍さんは俺をチラッと見た。
 
そしてニヤッと笑った。
ニヤッと…
 
「晴樹はカワイーなって、考えてるが?」
 

⏰:08/07/13 15:05 📱:P704i 🆔:d0Ux22jQ


#444 [Mr.RabbIts!]
 

「っ龍さん!!///」
 
「なにー?」
 
なにー?じゃねぇよ!!
 
「…何もしてないだろーな?」
 
ちょちょちょ、雄琉くん怖いんだけどっ
 
「あ?」
 
あ?って!
龍さんも目が怖ーい!!
 

⏰:08/07/13 15:08 📱:P704i 🆔:d0Ux22jQ


#445 [Mr.RabbIts!]
 

見るに見かねた俺は仲裁に入る。
 
「あのなぁっ!なんもあるわけねーだろ…」
 
「キス」
 
「「「「 え? 」」」」
 
龍さんの言葉にその場に居た全員が、思わず声をあげて龍さんを見る。
 

⏰:08/07/13 21:16 📱:P704i 🆔:d0Ux22jQ


#446 [Mr.RabbIts!]
 

「キスくらいは、したかな〜」
 
ま、満面の笑みでなんちゅーことを…
 
ガタッ!!
 
「てめぇ…っ!」
 
雄琉は今ので完全にキレてしまったらしく、龍さんの胸ぐらを荒々しく掴みあげた。
 

⏰:08/07/13 21:19 📱:P704i 🆔:d0Ux22jQ


#447 [Mr.RabbIts!]
 

「たっ雄琉!してないからっ!!もう!龍さんもいーかげんにしてくださいよっ」
 
俺は慌てて雄琉の手を龍さんの服から外す。
 
「だってよー…」
 
「だってじゃない!!」
 
口を尖らせ拗ねたように物を言う龍さんを一喝する。
 

⏰:08/07/13 21:23 📱:P704i 🆔:d0Ux22jQ


#448 [Mr.RabbIts!]
 

「ごめーんね?」
 
そう言って首を傾げ、謝る龍さん。
 
なぜに疑問系?
謝る気あんのかっ
 
「…なんだよ、冗談かよ」
 
雄琉くん、本気にするのなんか君くらいだよ。うん。
 

⏰:08/07/13 21:26 📱:P704i 🆔:d0Ux22jQ


#449 [Mr.RabbIts!]
 

「もう!何なんだよ、龍さんも雄琉も…今日会ったばっかなのに、何をそんなイガミ合ってんだよ?」
 
お前が原因だよ…
 
龍と雄琉の心の声はヒロには届かなかった。
 

⏰:08/07/13 22:59 📱:P704i 🆔:d0Ux22jQ


#450 [我輩は匿名である]
>>1-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400
>>401-500
>>501-600
>>601-700
>>701-800
>>801-900
>>901-1000

⏰:08/07/15 13:50 📱:SH905i 🆔:MUDRyvnA


#451 [Mr.RabbIts!]
 

〒匿名さん▽
 
ありがとうございます!
 
また読み返して
物語の構成とか
練りますね
 

⏰:08/07/16 21:59 📱:P704i 🆔:Y1dm9bUM


#452 [Mr.RabbIts!]
 

 
龍さんは俺から目をそらすと、一つため息を吐いた。
 
なっ?!失礼なっ!!
 
「…まぁ、いいや。早く飲んでくんねぇと、俺がつくったクソ美味いコーヒーが不味くなんだろーが」
 
そう言っている間も、雄琉と龍さんは睨み合ったままだ。
 

⏰:08/07/17 15:47 📱:P704i 🆔:E/aqjMAE


#453 [Mr.RabbIts!]
 

雄琉は龍さんを睨んだまま、言い返す。
 
「誰がてめぇのつくったゲロマズコーヒーなんか…ムゴッ!?」
 
俺は慌て雄琉の口を両手で塞いだ。
 
「そーだよね!早く飲もう飲もう!!雄琉、龍さんのつくるコーヒーはめっちゃウマイんだぞ!」
 
俺はそれだけ言うと雄琉の口から手を離した。
 

⏰:08/07/17 15:53 📱:P704i 🆔:E/aqjMAE


#454 [Mr.RabbIts!]
 

そして龍さんに出されたミルクを飲む。
 
―ゴク…ッ
 
「んー!ウマイっ!!」
 
龍さんを尊敬の目差しで見つめていると、横で雄琉も渋々といった感じでコーヒーを一口飲んだ。
 
口に含んだ瞬間、目を見開いて固まってしまった雄琉を、俺は嬉しそうに見つめる。
 

⏰:08/07/17 16:00 📱:P704i 🆔:E/aqjMAE


#455 [Mr.RabbIts!]
 

「なぁ!ウマイだろ!?」
 
満面の笑みで問いかける俺を怪訝そうに見る雄琉。
 
「……つか、お前が飲んでんのミルクじゃんか」
 
話をそらされた俺はふくれて見せる。
 
「なんだよっ!素直じゃねぇの!!てかミルクもウマイんだよ!」
 

⏰:08/07/17 16:06 📱:P704i 🆔:E/aqjMAE


#456 [Mr.RabbIts!]
 

「ただ単にコーヒーが飲めねぇんだろ?」
 
雄琉に鼻で笑われ、しかも図星を突かれて俺は顔が熱くなった。
 
「…うっうるさいなぁ!///」
 
「クッ…顔まっ赤だし」
 
そう言って俺の赤くなった耳に触れる雄琉。
 

⏰:08/07/17 16:20 📱:P704i 🆔:E/aqjMAE


#457 [Mr.RabbIts!]
 

そして雄琉はやさしく笑うと、口を開いた。
 
「お前はホントに、かわい…」
 
―バシィッ!!
 
「いってぇっ」
 
俺は目の前で起きた光景をポケーっと見ていた。
 

⏰:08/07/18 15:39 📱:P704i 🆔:h/ztpkeA


#458 [Mr.RabbIts!]
 

しかし、また二人が口論を始めたことで俺は意識を取り戻した。
 
「この野郎!晴樹に触れるんじゃねぇ!!」
 
「はぁ?!触ろうが何しようが俺の勝手だろうがよ!」
 
雄琉はそう言い返しながら、さっき龍さんに叩かれた手を擦る。
 

⏰:08/07/18 15:43 📱:P704i 🆔:h/ztpkeA


#459 [Mr.RabbIts!]
 

「お前みたいなガキが晴樹の周り彷徨いてるだけでも、虫酸が走るんだよ!」
 
「ハッ!お前がどう思おうと、俺とヒロは離れねーからなっ!!」
 
雄琉がそう叫んだ瞬間、今度は龍さんがキレたらしく、雄琉の胸ぐらを掴んだ。
 

⏰:08/07/18 15:49 📱:P704i 🆔:h/ztpkeA


#460 [Mr.RabbIts!]

 
「りゅ、龍さん!雄琉も!!落ち着いて…っ」
 
急いで止めにかかった俺を二人して、睨み付ける。
 
「「お前は黙ってろ!!!」」
 
「…え?あ、はい………」
 
俺が縮こまって席に座り直すと、二人ともまた睨み合いを始めた。
 
こ、怖い…
 

⏰:08/07/18 15:52 📱:P704i 🆔:h/ztpkeA


#461 [Mr.RabbIts!]
 

言い争いを止めない二人を結局、諒が上手いこと宥めてくれた。
 
…ホッ。
つか、マジでなんなんだよ〜!
龍さんも雄琉も!!
 
「晴樹、ケーキ食べるか?ケーキ。好きだったろ?」
 
機嫌が良くなった龍さんはやたらとかまってくるし…
 

⏰:08/07/19 09:12 📱:P704i 🆔:pEs8ztZc


#462 [Mr.RabbIts!]

 
「なぁ、もう夕方だぜ?早く帰ろーぜ」
 
雄琉はさっきから、こんなことしか言わないし。
 
「俺はケーキいいよ。腹減ってないし…。龍さん、ちょっとトイレ借りるよー」
 
俺はそれだけ言うと、席から立って入り口側にあるトイレへと向かった。
 
…まぁ、ただ単に逃げたわけだけどっ
 

⏰:08/07/19 09:16 📱:P704i 🆔:pEs8ztZc


#463 [Mr.RabbIts!]
 

トイレに入る前に、また二人の言い争う声が聞こえた。
 
「…勘弁してくれよ」
 
俺は手洗い場にしゃがみ込んだ。
 
自分の髪をくしゃくしゃと弄んでみる。
 

⏰:08/07/19 09:19 📱:P704i 🆔:pEs8ztZc


#464 [Mr.RabbIts!]
 

正直、悩む。
 
自分の…晴樹のことを雄琉たちに、さらけ出せるのか。
 
雄琉たちは晴樹の事を知った上で、自分を受け入れてくれるのか…。
 
「…はー…」
 
暫く俺は、その場から動けなかった。
 

⏰:08/07/19 09:21 📱:P704i 🆔:pEs8ztZc


#465 [Mr.RabbIts!]
 

「…どうしよー…」
 
独り言を呟き俯くと、背後から声がした。
 
「どーもしなくてイイんじゃない?」
 
「…!!?遙っ!?」
 
驚いて声のした方を振り返ると、遙が笑顔で立っていた。
 

⏰:08/07/19 11:51 📱:P704i 🆔:pEs8ztZc


#466 [Mr.RabbIts!]
 

「なかなかヒロが出て来ないからさ〜」
 
そう言われて俺は無意識に俯く。
 
「…何をそんなに気にしてるねか、わかんないけどさ」
 
遙のやさしい声に顔を上げると、遙はニカッと笑った。
 
「ヒロに変わりはないさっ!」
 
そう言って俺の前にピースをつくって、遙はイタズラに笑った。
 

⏰:08/07/19 11:56 📱:P704i 🆔:pEs8ztZc


#467 [Mr.RabbIts!]
 

遙のセリフで
 
「何をそんなに気にしてるねか……」
 

 
「何をそんなに気にしてるのか……」
 
に直してください
 
すいませーん( ;д; )
 

⏰:08/07/19 11:58 📱:P704i 🆔:pEs8ztZc


#468 [Mr.RabbIts!]
 

俺はそんな遙を見た後、遙から目を反らしてスクッと立ち上がった。
 
「…ヒロ?」
 
遙の心配した声が聞こえる。
 
「…最初はみんな、そう言ってくれるんだよ…」
 
「え?」
 
今の俺は過去に完全に押し潰されてて、「晴樹」の頃の俺に戻っていた。
 

⏰:08/07/21 11:28 📱:P704i 🆔:8nQz1EBI


#469 [Mr.RabbIts!]
 

呆然としている遙に俺は目もくれずに、出口へ向かった。
 
「ヒロ?!」
 
扉に手をかけたところで、遙にその手を掴まれた。
 
「どうした?何か、いつもとちが…」
 
「これが俺だよ」
 
俺はゆっくり遙と目を合わせた。
 

⏰:08/07/21 11:33 📱:P704i 🆔:8nQz1EBI


#470 [Mr.RabbIts!]
 

遙の瞳が揺れる。
 
「え…何言って……」
 
「お前らが見てた俺なんか、俺のほんの一部分だったんだよ」
 
こんなことを、言いたかったんじゃない…
 
でも、もう止まらない。
 
「ホントの俺を知ったら、離れるよ。俺から」
 

⏰:08/07/21 11:38 📱:P704i 🆔:8nQz1EBI


#471 [Mr.RabbIts!]
 

『遙たちなら、尚更。』
 
それだけ言い残すと、俺の手を掴んでいる遙の手をそっと外し、遙を残しトイレを出た。
 
 

⏰:08/07/21 11:42 📱:P704i 🆔:8nQz1EBI


#472 [Mr.RabbIts!]
 

―パタン…
 
トイレの扉を閉めてカフェ内に戻ると、雄琉が声をかけてきた。
 
「おっ!ヒロおせーぞっ」
 
「…………ごめん」
 
俺は俯いて謝ることしか、出来なかった。
そんな俺の異変に気付いたのか、諒が席を立って俺の元へと歩み寄ってきた。
 

⏰:08/07/22 23:44 📱:P704i 🆔:8qUaQwr2


#473 [Mr.RabbIts!]
 

「どうした…ヒロ?」
 
諒の優しさに引きずられそうになる自分を叱咤して、勢いよく諒から離れた。
 
「ごめん!でも、俺お前たちだけは迷惑かけたくないから…っ!!」
 
諒や雄琉と目も合わせる事なく、一方的にそう叫ぶと龍さんのカフェから飛び出した。
 

⏰:08/07/22 23:48 📱:P704i 🆔:8qUaQwr2


#474 [Mr.RabbIts!]
 

「っおい!ヒロ!!?」
 
後ろから雄琉の呼ぶ声が聞こえたけど、俺は振り返らずにひたすら走り続けた。
 
雄琉たちから出来るだけ離れられるように、無我夢中で足を動かし続けた。
 
…苦しむのは、俺だけでいいのだから…
 

⏰:08/07/22 23:52 📱:P704i 🆔:8qUaQwr2


#475 [Mr.RabbIts!]
 

――雄琉サイド
 
 
「っおい!ヒロ!!?」
 
俺の呼び止めた声に振り向きもせず、ヒロは走って行ってしまった。
突然のことに何がなんだかわからない俺は、どうしていいのか分からなかった。
 
「…そうだ!遙…っ」
 
俺よりいくらか冷静な諒がそう呟いてトイレへ向かったのを見て、俺も急いで後に続く。
 

⏰:08/07/23 10:43 📱:P704i 🆔:959b.DzY


#476 [Mr.RabbIts!]
 

―バタン!!
 
トイレの扉を勢いよく開けると、しゃがみ込んでいる背中が目に入った。
俺は足早にその背中に駆け寄って乱暴に揺する。
 
「おい!ヒロどーした…」
 
俺の呼び掛けに俯けていた顔を上げた遙は、泣いていた。
 

⏰:08/07/23 10:48 📱:P704i 🆔:959b.DzY


#477 [Mr.RabbIts!]
 

遙が泣いているのを見て、さらに焦る。
 
「なに、泣いて…」
 
「ぐや゙じい゙ぃ〜!!」
 
「…は?」
 
思わず眉間に皺が寄る。
悔しい?ますます話が分からなくなる。
困った顔で遙を見つめるも、本人は泣きじゃくっていてとてもじゃないが話せるような状態ではなかった。
 

⏰:08/07/23 10:54 📱:P704i 🆔:959b.DzY


#478 [Mr.RabbIts!]
 

遙をなだめている諒を見ながら、俺は焦燥感にかられていた。
…こうやっている間にも、ヒロは俺たちから離れて行ってる…。
そう思うとどうしようもなく焦り、冷静さをかく。
 
「っそうだ!アイツ…!!」
 
あることを思い付いた俺は、遙を諒に任せてトイレから出た。
 

⏰:08/07/23 10:59 📱:P704i 🆔:959b.DzY


#479 [Mr.RabbIts!]
 

あの状況の中で一人だけ妙に冷静だったヤツ。
 
カフェに戻った俺はカウンターに駆け寄った。
カウンターでは何事もなかったかのように、グラスを磨いている龍の姿があった。
 
「…おい、アンタ」
 
「アンタ?…まったく、口の聞き方がなってないんじゃないか」
 

⏰:08/07/23 11:03 📱:P704i 🆔:959b.DzY


#480 [Mr.RabbIts!]
 

―バン…ッ!!
 
興奮や焦りで支配されていた俺は荒ぶる感情のままに、カウンターテーブルを両手で叩いた。
そして身を乗り出して龍に掴みかかる。
 
「んなコト言ってる場合かよ!言え!!ヒロは何処に行った!?なんであんな、いきなり…っ!」
 
そこまで言うと雄琉は黙り込んでしまった。
 

⏰:08/07/26 23:19 📱:P704i 🆔:VwD0xOCE


#481 [Mr.RabbIts!]
 

そんな俺を見て、龍は自分の襟を握っている俺の手をやさしく外して言った。
 
「落ち着けよ。俺だって晴樹の行き先はわからない。ただ…」
 
龍の言葉の続きが気になり、ジッと龍の目を見る。
そんな俺から目をそらすことなく、龍は口を開いた。
 
「晴樹が悩んでることは、だいたい解る」
 

⏰:08/07/27 11:41 📱:P704i 🆔:5mmjKfTY


#482 [Mr.RabbIts!]
 

俺が目を見開いて龍を見ると、龍は煙草を取りだし火をつけた。
煙を吐き出しながら、龍は俺に質問を投げかけた。
 
「お前、仕事なにやってる?」
 
「?…ミュージシャン」
 
俺の答えに今度は龍が目を見開いた。
 
「アイツらも、か?」
 
そう言ってトイレを指差したってことは、遙と諒を言っているのだろう。
 

⏰:08/07/27 11:47 📱:P704i 🆔:5mmjKfTY


#483 [Mr.RabbIts!]
 

「あぁ。遙も諒もバンド仲間だ。ヒロも入ったし…」
 
俺の言葉に何故かため息を吐いて頭を抱える龍。
 
「…そうか、なるほどな」
 
「なに、一人で納得してんだよ!?ってか、ヒロが悩んでることって…」
 
そこまで言うと、龍が俺の胸ぐらを掴んだ。
 

⏰:08/07/27 11:52 📱:P704i 🆔:5mmjKfTY


#484 [Mr.RabbIts!]
 

「…っにすんだよ!」
 
胸ぐらを掴まれたまま、ぐいっと龍の方へ引っ張られた。
 
「甘ったれんな。テメーでどうにかしろ」
 
そこまで言ってから、龍は急に低い声で「行け」と呟いたと思ったら、俺を突き放した。
その衝動で一瞬よろけたが、すぐに両足で踏ん張って龍を見た。
 

⏰:08/07/27 11:58 📱:P704i 🆔:5mmjKfTY


#485 [Mr.RabbIts!]
 

龍は何事も無かったかのように、再びグラスを磨き始めた。
 
「…クッソ!」
 
俺は不満をぶつけるかのように、カフェの扉に体当たりするような形で外に出た。
行き先はわからないが、ヒロを想うと焦燥感だけに支配され、その気持ちだけが俺の足を動かした。
 
俺は人混みの中へ飛び込み、走り出した。
 

⏰:08/07/27 21:27 📱:P704i 🆔:5mmjKfTY


#486 [Mr.RabbIts!]
 
 

――ヒロサイド
 
…飛び出して、来ちまった…
 
行き先も決めずにフラフラ歩いて辿り着いたのは、どこかもわからない公園だった。
ブランコに腰かけて、空を見上げてみる。
 

⏰:08/07/31 14:15 📱:P704i 🆔:PzblelME


#487 [Mr.RabbIts!]
 

荷物は諒んトコに置きっぱなしだし、金だって…
 
「…どうしよう、何も考えてなかった…」
 
それはそうだ。
だってあの場所から飛び出す気はなかったのだから。
だけど、今日の出来事でその決意は崩れかけていた。
それは、俺が意気地無しとか意思薄弱だからとか、そんなもんじゃ無くて…
 

⏰:08/07/31 14:20 📱:P704i 🆔:PzblelME


#488 [Mr.RabbIts!]

 
「…龍さん、話したかな」 
俺のことを、アイツらに。
だとしたら、もう俺の事を追いかけては来ないだろう。
そう思うと胸がチクチクした。
 
「…何がしたいんだよ、俺は…」
 

⏰:08/07/31 14:23 📱:P704i 🆔:PzblelME


#489 [Mr.RabbIts!]
 

『ヒロ』になったと思えば『晴樹』に戻って、
バンド組んだと思えばすぐに抜けて来て、
 
自分で飛び出してきたくせに、やっぱりまだアイツらと一緒に居たいと思って…
 
素直になれない自分に、素直になれよって言ったら、やっと涙が出てきた。
 

⏰:08/07/31 14:27 📱:P704i 🆔:PzblelME


#490 [Mr.RabbIts!]
 

「なに、泣いてんだよ…」
 
背後から突然聞こえてきた声に、驚いて振り向く。
そこには心配そうな表情を浮かべる…
 
「こんな所まで…何やってるんだよ、晴樹」
 
「…龍さん…」
 
龍さんはため息を一つ吐くと、俺の座っている隣のブランコに腰を下ろした。
 

⏰:08/07/31 21:08 📱:P704i 🆔:PzblelME


#491 [Mr.RabbIts!]
 

沈黙の中で龍さんは取り出した煙草に火をつける。
ふぅーっと煙を吐き出すのを横目に見て、俺から質問を投げ掛けた。
 
「…どうして、俺の居場所がわかったんですか?」
 
龍さんは俺を一度見ると、前を向きまた煙を吐き出し、俺の質問に短く答えた。
 

⏰:08/07/31 21:13 📱:P704i 🆔:PzblelME


#492 [Mr.RabbIts!]
 

「勘。」
 
「え!?」
 
俺が驚いて龍さんを見ると、舌をペロッと出して「冗談だよ」と言われてしまった。
 
「…じゃあ、何で?」
 
頬を膨らまして尋ねると、「そんな怒んなよ」と言って頭をわしゃわしゃと乱暴に撫でられた。
 

⏰:08/07/31 21:17 📱:P704i 🆔:PzblelME


#493 [Mr.RabbIts!]
 

「もう、龍さん!!」
 
「津村って覚えてるか?」
 
いきなり話を戻され、納得がいかないが小さく頷いた。
津村さんっていえば、龍さんのカフェの常連客で、俺も良くしてもらった人だ。
 
「お前が飛び出して行った後、津村が来てな。さっき晴樹とすれ違ったんだ、って」
 
全く気が付かなかった。
無我夢中で走って来たからな、此処まで。
 

⏰:08/07/31 21:21 📱:P704i 🆔:PzblelME


#494 [Mr.RabbIts!]
 

「そしたらこっち方面に走ってった、って津村が言うから…」
 
「店の事ほっぽって、俺を探しに来てくれたの?」
 
俺がそう言って龍さんを見ると、龍さんは言葉を濁した。
 
「…まぁ、な。…心配するだろーが、フツー」
 
そう言って龍さんは俺から目をそらし、煙草をくわえようとしたがその煙草を地面に落としてしまった。
 

⏰:08/07/31 21:26 📱:P704i 🆔:PzblelME


#495 [Mr.RabbIts!]
 

「ふっ…あはは!」
 
そんな龍さんがとても可愛らしく思えて、大声で笑った。
すると、龍さんは顔を赤くして俺を睨む。
その反応が更に俺の笑いを誘う。
 
「笑うんじゃねーっつの!!」
 
龍さんはそう言って真っ赤な顔で俺を軽くこついた。
 

⏰:08/07/31 21:31 📱:P704i 🆔:PzblelME


#496 [Mr.RabbIts!]
 

ひとしきり笑い終えた後、雄琉たちのことが頭をよぎった。
 
「…龍さん」
 
「ん?」
 
「俺の事、アイツらに言った?」
 
俺の質問に龍さんは静かに首を横に振った。
 
「…そっか」
 

⏰:08/07/31 21:34 📱:P704i 🆔:PzblelME


#497 [Mr.RabbIts!]
 

隣で座っていた龍さんがいきなり立ち上がった。
 
「気に食わねえけどよ、」
 
龍さんの強い眼差しを感じる。
逆光で龍さんの表情がよく見えず、目を細める。
 
「アイツらとちゃんと向き合ってみろ、晴樹」
 
向き合う…雄琉たちと。
 

⏰:08/07/31 21:37 📱:P704i 🆔:PzblelME


#498 [Mr.RabbIts!]
 

「…俺、正直…」
 
『怖いんだ』この一言が言えなかった。
顔の筋肉が強ばって、口がうまく動かない。
黙りこくってしまった俺に龍さんは呆れる様子もなく、ただやさしく頭を撫でてくれた。
その手のひらのあたたかさに安心して、緊張がほどける。
 

⏰:08/08/01 08:13 📱:P704i 🆔:mRKOS9rM


#499 [Mr.RabbIts!]
 

「…龍さん、ありがと」
 
そう言って力無く微笑むと龍さんは一瞬、切羽詰まったような表情を見せたが、またやさしい笑顔で「おう」と短く返してくれた。
 
なんだか嬉しくなって、へへへっと笑っていると後ろで足音がした。
それに続いて俺を呼ぶ声が聞こえた。
 

⏰:08/08/01 08:16 📱:P704i 🆔:mRKOS9rM


#500 [Mr.RabbIts!]
 

「…っはぁ…ヒロ…!」
 
聞き覚えのあるその声に、勢いよく振り向くと息を切らせた雄琉が立っていた。
 
「たっ、雄琉!」
 
俺が急いで駆け寄ると、雄琉は俺の方にもたれるようにして崩れ落ちた。
 
「雄琉!?大丈夫…」
 
「…よかった」
 
そう言って雄琉はニカッと笑うと俺を抱き寄せた。
 

⏰:08/08/01 08:21 📱:P704i 🆔:mRKOS9rM


#501 [Mr.RabbIts!]
 

「雄琉…」
 
「もー…頼むから、居なくなんないで」
 
耳元でそうせがまれて、胸の奥がジンと熱を持ったのがわかる。
 
雄琉の背中を擦ってやると、汗でシャツが背中にへばり着いている。
 
…こんな暑い中、俺を探して走り回ってくれてたんだ…
 

⏰:08/08/01 08:26 📱:P704i 🆔:mRKOS9rM


#502 [Mr.RabbIts!]
 

そう思うと、目の前で自分に持たれかかっている一人の男がとても愛しく思えて、撫でようとしたその頭がいきなりガバッと上げられた事にかなりビクついた。
 
そんな俺をよそに、雄琉はいつの間にやら俺の後ろに腕組みをして立っている龍さんを睨み付ける。
 
「なんでアンタが此処にいるんだよ?」
 
雄琉の挑発的な問い方に、方眉をぴくりと反応させる龍さん。
 

⏰:08/08/01 08:32 📱:P704i 🆔:mRKOS9rM


#503 [Mr.RabbIts!]
 

上の投稿のラストらへん
ですね( ;」.)ノ
 
方眉→片眉((訂正))
 
失礼しました〜.
 

⏰:08/08/01 08:39 📱:P704i 🆔:mRKOS9rM


#504 [我輩は匿名である]
>>1-50
>>51-100
>>101-150
>>151-200
>>201-250
>>251-300
>>301-350
>>351-400
>>401-450
>>451-500

⏰:08/08/01 09:00 📱:W51SH 🆔:fpZZleWo


#505 [Mr.RabbIts!]
 

〒匿名さん▽
 
アンカー
ありがとうございます*
 
また更新できると
おもいますっ( ・∀・ )
 

⏰:08/08/01 11:39 📱:P704i 🆔:mRKOS9rM


#506 [Mr.RabbIts!]
 

「理由はお前も同じハズだが?」
 
なんだか居ずらさを感じて雄琉から離れようとするが、雄琉の腕が俺の体をしっかり固定していて身動きがとれない。
雄琉の腕の中でもがいていると、龍さんが近づいてきた。
 
「お前…」
 
そう言って雄琉を見ると、俺たちの近くにしゃがんだ。
 

⏰:08/08/01 13:39 📱:P704i 🆔:mRKOS9rM


#507 [Mr.RabbIts!]
 

龍さんの手が雄琉に伸びる。
乱暴な事をするのかと思い龍さんを見ると、穏やかな表情をしていたので少し安心した。
龍さんの手は雄琉の汗ばんだ頭にのせられた。
雄琉は不満そうに龍さんを見る。
 

⏰:08/08/01 13:45 📱:P704i 🆔:mRKOS9rM


#508 [Mr.RabbIts!]
 

「なにすん…っ」
 
「どうして此処って分かった?」
 
龍さんの質問に雄琉は一瞬目を丸くしたが、すぐにニカッと笑って答えた。
 
「勘!」
 
雄琉の答えに今度は龍さんが目を丸くする。
しかし龍さんもすぐに、やさしい笑顔になって「そうか」と呟いて立ち上がった。
 

⏰:08/08/01 13:50 📱:P704i 🆔:mRKOS9rM


#509 [Mr.RabbIts!]
 

「勘って…」
 
俺が呆れたように雄琉を見ると、雄琉はケロッとした顔をして言い張った。
 
「俺の土壇場の勘は、命中率高いんだぞ?」
 
そんなことを言う雄琉が可笑しくて、笑っていると龍さんに腕を引っ張られて立ち上がらされた。
 

⏰:08/08/01 13:53 📱:P704i 🆔:mRKOS9rM


#510 [Mr.RabbIts!]
 

「帰るぞ」
 
そう言って俺の手を引く龍さんに、あわててその場に止まろうと奮闘する俺。
そんな俺を見て龍さんは呆れたように一つため息を吐き、雄琉の方を振り返る。
 
「おい。そこのアホ」
 
「アッ…アホ?!それ俺のこと言ってんのか!コラ!!」
 
「お前以外に誰が居るんだ。このドアホ」
 
「てめぇ…!!」
 

⏰:08/08/01 13:59 📱:P704i 🆔:mRKOS9rM


#511 [Mr.RabbIts!]
 

「ちょっと!龍さん!?何でそんな喧嘩腰なんですかっ」
 
「ふん。アイツは気に食わねぇ」
 
そう言ってまた睨み合いを始める二人。
まだまだ続くかと思いきや、珍しく龍さんが睨むのを止めて口を開いた。
 
「早く立てよ」
 

⏰:08/08/01 14:03 📱:P704i 🆔:mRKOS9rM


#512 [Mr.RabbIts!]
 

その龍さんの言葉をどう勘違いしたのか、雄琉は肩を回しながら立ち上がった。
 
「なんだ?宣戦布告か?上等だ」
 
そんな雄琉を見て、龍さんは馬鹿にしたようなため息を吐いた。
 
「だからお前はアホだってんだよ。」
 
「あぁ!?またアホって…!」
 
「帰るんだよ!!」
 
龍さんは面倒臭そうに言うと、止めてある車を指さした。
 

⏰:08/08/01 14:07 📱:P704i 🆔:mRKOS9rM


#513 [Mr.RabbIts!]
 

「………は?」
 
これには俺もビックリ。
龍さんは俺たち二人の反応を見て気恥ずかしそうに、言い訳じみたことを呟き始めた。
 
「ホントはお前みたいなアホ、ぜっっったいに乗せてやりたくないけどよ…お前乗せてかなきゃ、晴樹が動かねぇし……ありがたく乗れっつってんだよ!!」
 
最後は自棄になったのか叫ぶようにそれだけ言うと、龍さんはプイッとそっぽを向いて車まで歩き出してしまった。
 

⏰:08/08/01 14:13 📱:P704i 🆔:mRKOS9rM


#514 [Mr.RabbIts!]
 

「…なんだ?アイツ」
 
そう呟いて呆然としている雄琉の腕を引っ張る。
 
「まぁまぁ!龍さんもちょっとは気を許したってことだって」
 
俺がニコニコ微笑んで雄琉を宥めると、雄琉は不思議そうに俺を見た。
 

⏰:08/08/02 10:11 📱:P704i 🆔:3jLF106M


#515 [Mr.RabbIts!]

 
「…お前はなんがそんなにうれしいんだよ」
 
「えー。べつに?」
 
そうは言うものも、フフフッと口元が弛むのが自分でも分かった。
そんな俺たちを見かねて、龍さんが運転席から急かす。
 
「早くしねぇと置いてくぞ!…アホだけ」
 
「なんだと!?」
 

⏰:08/08/02 10:14 📱:P704i 🆔:3jLF106M


#516 [Mr.RabbIts!]
 

「誰が気を許したってんだ…」
 
雄琉はぶつくさ言いながらも、後部座席に座った。
俺も雄琉の後に続いて後部座席に座ろうとしたら、龍さんに助手席に座るよう促された。
 

⏰:08/08/02 16:55 📱:P704i 🆔:3jLF106M


#517 [Mr.RabbIts!]
 

「晴樹は俺のとなり」
 
「えー?マジっすかー」
 
俺はすでに後部座席に座ろうと車の後ろにまわっていたので、軽く不満を口にした。
 
「嫌がられてやんのー」
 
雄琉のバカにしたような言葉に素早く反応する龍さん。
 
「あ?」
 

⏰:08/08/02 16:59 📱:P704i 🆔:3jLF106M


#518 [Mr.RabbIts!]
 

もー…この人たちは隙があると、すぐ喧嘩するなっ! 
「ヒロは俺のとなりがいいんだよっ」
 
「はっ。大した妄想力だな」
 
俺は二人が言い合っている間に車の前にまわり、助手席に入り込んでため息を吐いた。
 

⏰:08/08/02 17:03 📱:P704i 🆔:3jLF106M


#519 [Mr.RabbIts!]
 

「ほーら見ろ!俺のとなりに来たもんねー」
 
…ガキじゃないんだから、龍さん…大人げないその物言い、やめてください。
 
「くっ!でもヒロ今でっかくため息吐いたし!!仕方なーく座ったんだよっ」
 
…雄琉もさ…大人になれよ…
 

⏰:08/08/02 17:07 📱:P704i 🆔:3jLF106M


#520 [Mr.RabbIts!]
 

まだまだ続きそうな二人の低レベルな(酷)言い争いを止めるため、俺は大声で二人を制した。
 
「もー!いい加減にしてくださいっ!!早く帰りましょうよ!ほらっ」
 
そう言って龍さんと雄琉を睨む。
二人とも「…はい」とか言って大人しくなった車内に、龍さんがエンジンをかける音だけがうるさく響いた。
 

⏰:08/08/02 17:11 📱:P704i 🆔:3jLF106M


#521 [Mr.RabbIts!]
 

………
 
「じゃあ、ココだから。ありがとねっ龍さん」
 
諒のマンションの前に車を止めてもらい、お礼を言って車から出た。
辺りはすっかり暗くなってすごく涼しい。
 
「…ここ、誰んとこだ?まさかこのアホの部屋に行くんじゃ…」
 
龍さんは眠そうに目を擦っている雄琉を指さして、怖い顔で俺を問いただした。 

⏰:08/08/03 17:53 📱:P704i 🆔:PE2UEujU


#522 [Mr.RabbIts!]

 
「違うよ!ほら、昼間一緒にいた優しそーな…」
 
「あぁ、黒髪の」
 
どうやら諒のことと分かってくれたらしく、龍さんの表情が穏やかになる。
 
「なら、いい。てか、むしろ安心だからそうしてくれ」
 
龍さんはニコッと笑って俺を見ている。
そんな俺と龍さんの間に雄琉が割って入る。
 

⏰:08/08/03 17:57 📱:P704i 🆔:PE2UEujU


#523 [Mr.RabbIts!]
 

「おいコラ『なら、いい。』ってなんだよ?俺の部屋じゃご不満ってか??」
 
「不満どころの騒ぎじゃないな。お前みたいな野蛮な犬と晴樹を一緒の部屋に…なんて考えられないね」
 
「やっ野蛮な犬!!?このやろう…っ!」
 
はぁーっ…どうしてこうなるんだよっ!!
 

⏰:08/08/03 18:05 📱:P704i 🆔:PE2UEujU


#524 [Mr.RabbIts!]
 

「雄琉!早く行くぞっ!!龍さん、ありがとーございましたっ!気をつけて帰ってくださいね!!」
 
そう言って雄琉の背中をぐいぐい押しながら、マンションの中へと入った。
エレベーターの中で雄琉に説教する。
 
「…もう!すーぐ喧嘩すんだからっ!!」
 
「だって、アイツが…」
 
「だってじゃない!!」
 
「…はい」
 

⏰:08/08/03 18:09 📱:P704i 🆔:PE2UEujU


#525 [Mr.RabbIts!]
 

…チーン
 
諒の部屋がある階に着き、エレベーターから降りる。
しばらく歩くと諒の部屋の前までたどり着いた。
 
…いやに緊張する。
さっきは突然、飛び出して行ったわけだし…ホントに戻って来てよかったのだろうか。
 

⏰:08/08/03 20:07 📱:P704i 🆔:PE2UEujU


#526 [Mr.RabbIts!]
 

俺がマイナスな思考に支配されて部屋の前から動けずにいると、雄琉が俺の手をそっと握ってくれた。
驚いて横に居る雄琉を見ると、雄琉も俺を見ていた。
 
「…心配すんな。アイツらはお前のこと、すげー大事に想ってるから」
 
雄琉の言葉に俺は涙が出そうになった。
だけど、必死に堪えて返事の代わりに一心に頷いた。
 

⏰:08/08/03 20:12 📱:P704i 🆔:PE2UEujU


#527 [Mr.RabbIts!]
 

雄琉はやさしく笑って「よし、帰るか!」と一際明るい声を出した。
少し落ち着いた俺は雄琉に笑顔を向けた。
 
「おう!」
 
俺の返事を聞いてから、雄琉は諒の部屋の扉を開いて中に入った。
 

⏰:08/08/03 20:15 📱:P704i 🆔:PE2UEujU


#528 [Mr.RabbIts!]
 

「「ただいまー」」
 
二人で元気よく入ると、リビングからドタドタと駆けてくる音が聞こえた。
俺の視界に遙が映った次の瞬間には、目の前が真っ暗になった。
 
「ヒロォオーーッ!!」
 
「んぎゃあっ!!?」
 

⏰:08/08/03 20:20 📱:P704i 🆔:PE2UEujU


#529 [Mr.RabbIts!]
 

勢いよく遙に抱きつかれた俺は、今や遙の腕の中にすっぽり。
 
「は、はなせ…っ!」
 
ちょっ、苦しいんですけど…!!
 
「いーやーだぁーっ!!」 
「なに言って…!!?」
 
そろそろ本気で抵抗しようかと思った時、頭の上に冷たい何かが落ちてきた。
 

⏰:08/08/03 20:24 📱:P704i 🆔:PE2UEujU


#530 [Mr.RabbIts!]
 

やんわりと遙の腕をほどいて、遙の顔を覗き込んだ。
 
「…遙?なに泣いてんだよ…?」
 
遙は目を赤くして涙をボロボロとこぼしていた。
 
「…離したら、またヒロがどっか行っちゃうぅ…」
 
そう言って小さい子供のように俺の服を掴んで、いやいやと頭を振る遙。
 

⏰:08/08/03 20:29 📱:P704i 🆔:PE2UEujU


#531 [歌]
>>401-500
>>501-600

⏰:08/08/04 08:34 📱:D704i 🆔:TcowZR8s


#532 [Mr.RabbIts!]
 

〒歌さん▽
 
アンカーありがとうです
 
うれしいので
また少し更新します
 

⏰:08/08/04 10:06 📱:P704i 🆔:37WDk.86


#533 [Mr.RabbIts!]
 

遙の言葉に、公園で雄琉に抱き締められた時に言われた言葉がフラッシュバックする。
 
『もー…頼むから、居なくなんないで』
 
「…遙、」
 
名前を呼ぶと遙は真っ赤な目で俺を見た。
 
「居なくなんないから、俺ここに居るから…」
 

⏰:08/08/04 10:21 📱:P704i 🆔:37WDk.86


#534 [Mr.RabbIts!]
 

俺がそう言うと遙は真っ赤な目で微笑み、何回もコクコクと頷いた。
そんな遙の手を引いて、俺と雄琉はリビングに向かった。
 
リビングに入るとスティンを膝にのせ、ソファーに座っている諒が居た。
俺たちに気付いた諒はやさしく微笑んで一言。
 
「おかえり」
 
その一言がすごくあたたかくて、泣きそうになったけど堪えて笑った。
 
「ただいま」
 

⏰:08/08/04 10:27 📱:P704i 🆔:37WDk.86


#535 [Mr.RabbIts!]
 

「ンニャァー」
 
足元を見るとスティンが擦り寄って来ていた。
俺はスティンを抱き上げてギューッと抱き寄せた。
 
「ありがとなっ!スティン〜」
 
「ニャーアッ///」
 
スティンは照れたように喉をゴロゴロと鳴らした。
 

⏰:08/08/04 12:52 📱:P704i 🆔:37WDk.86


#536 [Mr.RabbIts!]
 

そんなスティンをいったん床にそっと下ろす。
俺の真剣な表情にスティンは不思議そうに俺を見上げて首を傾げる。
 
「…あのさ、話があるんだ」
 
その真剣な表情のまま、雄琉たちを見た。
雄琉たちも何の話か、分かっているらしく表情が曇る。
 

⏰:08/08/04 12:56 📱:P704i 🆔:37WDk.86


#537 [Mr.RabbIts!]
 

そう、俺の…晴樹の話。
 
俺が話を切り出そうと口を開いた時、諒がやさしい口調で言った。
 
「今日は疲れてるでしょ。明日、みんなで聞こうか」
 
諒を見るとそれ以上何も言わず、ただ一度頷いて微笑んでくれた。
 

⏰:08/08/04 13:04 📱:P704i 🆔:37WDk.86


#538 [Mr.RabbIts!]
 

すると諒に続くように遙も口を開いた。
 
「そうだね〜。今日は俺もぐっすり寝たいし、明日は寝坊しないように来るから〜」
 
そう言っていつものようにニコニコしてくれる遙。
 
「ヒロも疲れたろ?あんな遠くまで走ってったんだから、今日はちゃんと寝ろ。な?」
 
そう言って頭をワシャワシャと撫でてくれる雄琉。
 

⏰:08/08/04 13:11 📱:P704i 🆔:37WDk.86


#539 [Mr.RabbIts!]
 

「…っありがと、う…」
 
今まで我慢してきたツケがまわったのか、一気に涙が溢れ出た。
 
「おいおい!なに泣いてんだよっ!?」
 
雄琉の心配した声が聞こえる。
また嬉しくなって泣き続ける俺をどう勘違いしたのか、遙が雄琉を指さして罵り出した。
 

⏰:08/08/04 13:15 📱:P704i 🆔:37WDk.86


#540 [Mr.RabbIts!]
 

「うわー!雄琉がヒロ泣かしたー!!サイテー」
 
「はっ!?どう考えても違ぇだろっ!」
 
「うぇっ、ちがっ、…おっ俺うれし、くてぇ…っ」
 
泣きながらの言葉は酷く情けなくて、泣き止もうとすればするほど涙は溢れてくる。
 

⏰:08/08/04 13:19 📱:P704i 🆔:37WDk.86


#541 [Mr.RabbIts!]
 

―――
 
「……っん…んぅ?」
 
いつの間にか閉じていた瞼を開けると、白い天井が見えた。
横では扇風機がカタカタと音を立てて回っている。
むくり、と起き上がるとどうやらリビングのソファーで寝てしまっていたみたいだ。
 

⏰:08/08/04 22:01 📱:P704i 🆔:37WDk.86


#542 [Mr.RabbIts!]
 

「…いー匂い…」
 
旨そうな匂いに誘われ、キッチンまでモタモタ歩いて行くと、諒が炒飯を炒めていた。
 
「チャーハン!!」
 
寝ぼけている俺は大声を出して目を輝かせた。
 
「わっ!ビックリした…。起きたんだ。おはよ、ヒロ」
 
諒はニコリと俺に微笑むと、再び作業を始めた。
 

⏰:08/08/04 22:06 📱:P704i 🆔:37WDk.86


#543 [Mr.RabbIts!]
 

「おはよーう…」
 
眠い目を擦りながら諒の横につくように立った。
諒は俺をチラリと見ると笑った。
 
「目、赤い…昨日泣き疲れて寝ちゃったからな」
 
「えっ!?」
 
諒の言葉に驚き急いで洗面所まで駆けて行く。
覗き込んだ鏡には目を真っ赤に腫らした俺の情けない顔が映っていた。
 

⏰:08/08/04 22:10 📱:P704i 🆔:37WDk.86


#544 [Mr.RabbIts!]
 

「う〜…どうしよう〜」
 
俺がリビングに戻って唸っていると、諒が冷えピタを手渡してくれた。
 
「これでちょっとは腫れが引くといいけど…」
 
「諒ぁ〜!ありがとうぅ〜!!お前はホントにイイヤツだなぁっ」
 
そんな俺を見てクスリと笑うと、諒は「どーいたしまして」と言ってキッチンに戻って行った。
 

⏰:08/08/04 22:15 📱:P704i 🆔:37WDk.86


#545 [Mr.RabbIts!]
 

「お〜♪冷たくて気持ちいー!」
 
ソファーに座って一人で足をバタつかせてはしゃいでいると、スティンが膝に乗ってきた。
 
「スティン気持ちいーぞっコレ!…両目ともに貼ろーっと」
 
俺は目を閉じて冷えピタを両目に貼った。
 

⏰:08/08/04 22:19 📱:P704i 🆔:37WDk.86


#546 [Mr.RabbIts!]
 

「〜♪」
 
しばらく鼻歌を歌っていると、玄関のドアが開く音がした。
その後に真っ直ぐリビングに向かってくる、一人分の足音が耳に届く。
リビングに誰かが入って来た気配を感じて、俺は話しかけた。
 
「…誰ー?あっ待て!俺が当てるから」
 
「………………」
 
相手はそれを了承してくれたらしく、無言を返してきた。
 

⏰:08/08/04 22:23 📱:P704i 🆔:37WDk.86


#547 [Mr.RabbIts!]
 

んー…遙か雄琉どっちだろう?
でもどっちが来ても、おかしくない時間だしな…。
 
その時スティンが一度「ニャア」と鳴いた。
 
「………!!わかった!遙だっ」
 
そこに立っているであろう人物が雄琉なら、スティンがこんなに機嫌良さそうに鳴くハズがない。
 

⏰:08/08/04 22:27 📱:P704i 🆔:37WDk.86


#548 [Mr.RabbIts!]
 

俺は『正解』の返事が返ってくるのを待ったが、返ってきた答えも声も俺の予想していたものではなかった。
 
「残念。“ハルカ”じゃないよ」
 
え…っ
 
だっ誰だ誰だダーレーだぁ!?
雄琉でも遙でも諒でもない声…
 

⏰:08/08/04 22:37 📱:P704i 🆔:37WDk.86


#549 [Mr.RabbIts!]
 

俺の視界を遮っている冷えピタを取ろうとした手を掴まれた俺は、もはやパニック状態。
 
「えっ!なななっなに!?何ですかっ!!?」
 
相手が分からない状態に何故か敬語を使ってしまう始末。
 

⏰:08/08/04 22:44 📱:P704i 🆔:37WDk.86


#550 [Mr.RabbIts!]
 

「いーから、付いて来な」
 
そう言って誰か分からない奴は、掴んでいた俺の腕をいきなり引っ張った。
 
「痛っ!放せ…っぅわあ!?」
 
なっなに!?どーなってんの?
俺、今、宙に浮いてる!!?
 
そう、俺は誰かも分からない奴に担ぎ上げられたのだ。
 

⏰:08/08/04 22:57 📱:P704i 🆔:37WDk.86


#551 [Mr.RabbIts!]
 

俺はギャアギャア騒いだが相手は全く動じないようで、玄関へと連れて行かれてる気が…
 
「ちょっとヒロ?なに暴れて…っ貴方、誰ですか!!?」
 
諒の声だ!!
気付いてくれたのかっ!
 
「諒っ!たすけ…」
 
「ちょっとコイツ借りてくよ」
 

⏰:08/08/05 09:59 📱:P704i 🆔:1XLHe2RM


#552 [Mr.RabbIts!]
 

…はあっ!!?
 
誰だか分かんない奴の声が聞こえてから、バタンと扉が閉まる音がした。
…扉が閉まる、音がした。 
「えぇ!?ちょっマジで下ろせよ!てか、諒ーっ!!」
 
手足をバタつかせてみるも、簡単に丸め込まれてしまった。
 

⏰:08/08/05 10:05 📱:P704i 🆔:1XLHe2RM


#553 [Mr.RabbIts!]
 

「お前は悪い子だから下ろさないし、アキラって奴は調理中だったのかな?俺たち追っかける前に火止めたりいろいろしてたから、もう俺には追いつけない」
 
くっ…コイツよくもベラベラと
 
「つか諒!火の元とかいーから!早く助けに来ーい!!むぐう…っ」
 
「ちょっと黙ってよーか」
 

⏰:08/08/05 10:10 📱:P704i 🆔:1XLHe2RM


#554 [Mr.RabbIts!]
 

叫んでたら何かに座らされたぞ?
俺は状況を確認しようと、辺りを手で探ってみる。
その時、音が聞こえた。
…エンジン音?
 
「ほら、コレかぶって、ちゃんと捕まれ」
 
そう言った声が前からしたと思ったら、頭にスッポリと何かをかぶらされ、両腕を前に引っ張られた。
 

⏰:08/08/05 10:15 📱:P704i 🆔:1XLHe2RM


#555 [Mr.RabbIts!]
 

「なっなに!?」
 
「ちゃんと捕まってないと、振り落とされんぞ」
 
何に捕まれと?
俺はワタワタしていると腕を再び捕まれ、前にあったあたたかいものにしがみつく姿勢にされた。
 
「…俺に捕まってろ。バカ晴樹」
 
え…っ!?
今、コイツ俺のこと晴樹って…
 
そう思っていると、エンジン音がさらに激しくなり、バイクと思われる乗り物は走り出してしまったようだ。
 

⏰:08/08/05 10:19 📱:P704i 🆔:1XLHe2RM


#556 [Mr.RabbIts!]
 

―――
 
「…はっ…はぁ、はあ…っ!」
 
諒はあの後マンションの駐車場まで追いかけて行ったが、完全にヒロたちを見失ってしまった。
 
「…誰だったんだ…」
 
そう呟いた時、背後からにぎやかな話し声が聞こえてきた。
 

⏰:08/08/05 13:38 📱:P704i 🆔:1XLHe2RM


#557 [Mr.RabbIts!]
 

「お前またアイス食ってんのかよ!腹こわすぞ」
 
「一日一個って決めてるから、大丈夫だもーん!」
 
聞き覚えのある声に振り返ると、やはり雄琉と遙だ。
 
「雄琉!遙!!」
 
諒が二人の元に駆け寄ると、二人とも驚いた顔をして諒を見た。
 

⏰:08/08/05 13:42 📱:P704i 🆔:1XLHe2RM


#558 [Mr.RabbIts!]
 

「え、諒?どうした?」
 
「俺たちのお出迎えでしょ?ヒロはー?」
 
諒の様子に異変を感じたのか、雄琉は真剣な表情だ。
天然な遙は放っておいて(酷)、諒は神妙な顔つきで状況を説明した。
 
「ヒロが…さっき、誰かに連れて行かれた」
 
「「はぁっ!!?」」
 

⏰:08/08/05 13:47 📱:P704i 🆔:1XLHe2RM


#559 [Mr.RabbIts!]
 

「えっ!?なに?なんで!?ヒロー!!」
 
「諒!お前っなにしてんだよ!!連れて行かれたって…」
 
パニック状態に陥る遙と、激怒する雄琉。
 
「ちょっ、待って!!」
 
諒の制止の言葉に静まる二人。
 

⏰:08/08/05 13:51 📱:P704i 🆔:1XLHe2RM


#560 [Mr.RabbIts!]
 

「…ヒロを連れて行った奴が、誰かは分からない……けど」
 
諒の言葉に雄琉と遙は息をのんで次の言葉を待つ。
 
「「けど…?」」
 
「…何処かで、見たことあるんだよな…思い出せないけど」
 
諒の言葉に雄琉は項垂れる。
 
「そこが大事なんじゃねぇかよ。マジで誰なんだよ…」
 
三人は駐車場で暑いことも忘れ、途方に暮れた。
 

⏰:08/08/05 13:56 📱:P704i 🆔:1XLHe2RM


#561 [Mr.RabbIts!]
 

―――
 
「…なぁ!」
 
あれから一言もしゃべらずにバイクを走らせ俺を無理やり連れ回している男に話しかけると、案外普通に返事が返ってきた。
 
「なに?」
 
「なにって!…んーと」
 
何から訊こう。
まぁ一番気になるのは…
 

⏰:08/08/05 23:00 📱:P704i 🆔:1XLHe2RM


#562 [Mr.RabbIts!]
 

「アンタ、誰だ?」
 
真っ暗な視界の中、思いきって訊ねるとクスリと一笑された。
 
「気になるか?」
 
「なるだろ!そりゃ!!」
 
男は「ふーん」とだけ言うと黙ってしまった。
 

⏰:08/08/05 23:03 📱:P704i 🆔:1XLHe2RM


#563 [Mr.RabbIts!]
 

「…え?えっ??教えてくんねーのかよっ」
 
「…分かんないのかよ」
 
―キキィ…ッ
 
信号のせいだろうか、バイクがブレーキをかけて止まった。
 
「…え?」
 
男のひどく悲しそうな声に俺は記憶を必死に辿ってみる。
 

⏰:08/08/05 23:06 📱:P704i 🆔:1XLHe2RM


#564 [Mr.RabbIts!]
 

「ずっと、思ってたんだけど…」
 
俺の思考を遮るように男は話しかけてきた。
 
「なんだよ?」
 
「いつまで冷えピタ貼ってんの?いくらでも取るチャンスはあっただろ?」
 
あ…言われてみれば。
この男に担ぎ上げられた時も手足は自由だったのに、下ろしてもらおうと必死でバタつかせる事しかしなかった。
 

⏰:08/08/05 23:10 📱:P704i 🆔:1XLHe2RM


#565 [Mr.RabbIts!]
 

「…俺としたことが…」
 
そう言って冷えピタを今すぐ取り払って、男の顔を見てやろうと思い、捕まっていた男の腰から手を離した。
 
ヘルメット脱がねぇと…
 
「晴樹」
 
「はい!!?」
 
いきなり名前を呼ばれて大きな声で返事をしてしまった。恥ずかし…///
 

⏰:08/08/05 23:14 📱:P704i 🆔:1XLHe2RM


#566 [Mr.RabbIts!]
 

「もう信号変わるけど?」
 
「え゙っ」
 
―ドルルルルッ…
 
再びエンジンを吹かした音がしてあわててヘルメットをかぶり直して、男にしがみついた。
 
「くそ!次の信号では必ず…!」
 
「今はポリが居たから止まったけど、信号なんて基本的無視だろ」
 
「…………くそうっ!!」
 

⏰:08/08/05 23:19 📱:P704i 🆔:1XLHe2RM


#567 [Mr.RabbIts!]
 

あれから何度も質問を繰り返したが、どれ一つまともに答えてもらえないまま目的地に着いたようだ。
 
―ガシャン…
 
バイクが止まったのを確認してから、俺はヘルメットを脱ぎ冷えピタを剥いだ。
やっと視界が開け、久しぶりの光に目が眩む。
―と、また目の前が暗くなった。
 

⏰:08/08/06 09:53 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#568 [Mr.RabbIts!]
 

どうやら俺の視界は今だに誰だか分からない男の手によって再び遮られたようだ。
 
「…はっ!?なにすんだよっ」
 
そう叫んで手を退かそうとするが後ろから抱き締められる形で体の自由を奪われた。
 
「うるさい奴だな。入れば分かるから」
 

⏰:08/08/06 09:57 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#569 [Mr.RabbIts!]
 

それだけ言うと男は俺を抱えたまま歩き、どこかの建物に入ったようだ。
 
―カランカラン…
 
「なっ、何処!?てか、いい加減は・な・せ・よっ!!」
 
―ダンッ!
 
「いっつ…!!」
 
相手が油断している隙にかかとで思い切り足を踏んでやった。
 
…やっと視界が開ける。
 

⏰:08/08/06 10:04 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#570 [Mr.RabbIts!]
 

「…って、えっ!!?」
 
「よう」
 
俺の目に一番最初に飛び込んできたのは、あろうことかカウンターで仕事をしている龍さん。
つまり俺が連れて来られた場所は昨日も訪れた龍さんのカフェ。
 
てか、ここのカフェに俺を連れて来るって…
 
俺はそっと後ろを振り向いた。
 

⏰:08/08/06 10:10 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#571 [Mr.RabbIts!]
 

そこには、しゃがみ込んで痛そうに俺に踏まれた足を擦っている―…
 
「っ兄貴!!?」
 
俺が目を丸くして叫ぶと、俺の兄、若松 直樹(わかまつ なおき)は立ち上がって平然とした表情で、俺をカウンター席まで引っ張って行った。
 

⏰:08/08/06 10:20 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#572 [Mr.RabbIts!]
 

「龍、コーヒー淹れて。あっ晴樹はミルク…」
 
「ぅおいっ!んな事はどーでもいいんだよっ!!お前なにして…っ」
 
俺が声を荒げると、龍さんが聞き捨てならないとばかりに間に入ってきた。
 
「なに?俺が淹れるコーヒーは、どーでもいいってか?あ?晴樹」
 
「ちっ違う違う!そうゆう意味でなくて!!」
 

⏰:08/08/06 10:26 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#573 [Mr.RabbIts!]
 

「ハハハッ!やっぱ龍と晴樹のコンビはおもしろいな〜」
 
凄んでみせる龍さんとあわてる俺を見て、呑気に笑う直樹を睨み付ける。
 
「笑うな!お前のせいだろうが!…ってか、ホントに何しに来たんだよ?!」
 
俺がそう怒鳴ると、しゅんとしてみせる直樹。
 
「酷いな。せっかく迎えに来たってのに…」
 

⏰:08/08/06 10:30 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#574 [Mr.RabbIts!]
 

俺は自分の耳を疑った。
 
「む、迎えに来たぁ!?」
 
「だから、そう言ってんじゃん」
 
取り乱す俺に対して物凄く冷静に返す直樹。
 
「ちょ、ちょっと待て。…俺は戻る気はねえぞ」
 
俺の返事に直樹は真剣な表情で、しばらく言葉を発さなくなった。
 

⏰:08/08/06 10:34 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#575 [Mr.RabbIts!]
 

龍さんは気をきかせてくれたのかコーヒーとミルクを淹れてくれると、「何かあったら、呼べ」とだけ言い残して奥へ入って行ってしまった。
 
重い沈黙の中、直樹が口を開く。
 
「…親父、心配してんぞ」
 
その言葉に俺は親父を思い出し、ふっと頬が弛んだ。
 

⏰:08/08/06 10:39 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#576 [Mr.RabbIts!]
 

「…だろうな」
 
俺はそれだけ返すと、ミルクを飲んだ。…甘くて旨い。
 
俺たちの親父はすげえ俺たちや、オフクロを大事にしてくれてた。いい親父だ。それは俺だって、分かってる。
 
「だったら何で…!」
 
直樹の顔が理解に苦しむように歪む。
 

⏰:08/08/06 10:42 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#577 [Mr.RabbIts!]
 

俺はミルクの入ったグラスをそっと置いた。
 
「過保護すぎんだよ」
 
そう言って笑ってみせる。
直樹はまだ納得がいかない、という顔をしている。
 
「…だからって、何も言わずに家出るかよフツー」
 
俺は昔から兄貴と仲が良かった。
だから、兄貴には腹割って話してもいい気がしたんだ。
 

⏰:08/08/06 10:50 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#578 [Mr.RabbIts!]
 

―――
 
「とにかく、手分けして探そう」
 
諒の言葉に雄琉も遙も頷いた時、若い女の子たちがキャハキャハ嬉しそうに向こうから歩いてくるのが見えた。
特に気にも止めず、ヒロを探しに行こうとした諒の耳に、女の子たちの話し声が届く。
 

⏰:08/08/06 11:57 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#579 [Mr.RabbIts!]
 

「さっきのって絶対NAOだよね〜!生で見ちゃった〜!!」
 
「やっぱ生はテレビで見るよりカッコイイよね〜!!」
 
…NAO…
諒は何故か立ち止まり、必死に何かを考えている。
 
「おい…諒?」
 
それに気付き雄琉が声をかけると諒はハッとしたように、その女の子たちに近づいて行った。
 

⏰:08/08/06 12:00 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#580 [Mr.RabbIts!]
 

「ちょっ、おい!諒!?」
 
諒の行動に戸惑いながらも、雄琉と遙も諒を追いかける。
 
「…ねぇ、ちょっといいかな?」
 
諒は人の良さそうな笑顔を浮かべ女の子たちに話しかけた。
 
「…え///はいっ!何ですか?」
 
女の子たちは諒を見て顔を赤くし、何人かはキャーキャーと小さく叫んでいる。
 

⏰:08/08/06 12:05 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#581 [Mr.RabbIts!]
 

「NAOってさ、あの歌手の?」
 
「はっはい!さっきバイクで走ってるの見て…ヘルメットかぶってたけど、あれは絶対NAOでしたっ」
 
女の子は興奮気味にそう言った。
 
「やっぱり…バイクの後ろに、ちっちゃい子乗ってなかった?」
 
俺がそう女の子に聞くと、雄琉が身を乗り出してきた。
 

⏰:08/08/06 12:10 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#582 [Mr.RabbIts!]
 

「ちっちゃい子って、ヒロか!?でも、なんで…」
 
そう言った雄琉の言葉を遮るほどの女の子のハッキリした声がした。
 
「はい!確かに乗ってました」
 
「!!っホントか!?」
 
雄琉が答えた女の子にぐっと詰め寄る。
 
「え、あっハイっ///」
 

⏰:08/08/06 12:14 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#583 [Mr.RabbIts!]
 

「で!?何処行ったんだ!?」
 
雄琉があまりにもすごい勢いで詰め寄るので、女の子は顔を真っ赤にして口をパクパクさせてしまった。
 
「もーう、雄琉っ怖ーい!女の子にはやさしく接しなきゃ〜」
 
遙の言葉に少し冷静になる雄琉。
諒は一つため息を吐いて、もう一度女の子たちに訊いた。
 

⏰:08/08/06 12:19 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#584 [Mr.RabbIts!]
 

「二人が何処行ったかは、知らないかな?」
 
すると一人の女の子が戸惑いがちに、前の道を指さした。
 
「何処かは分からないけど…この道の信号を真っ直ぐ行きました」
 
「そっか、ありがとう」
 
笑顔でお礼を言うと顔を赤くさせて何度も頷いてくれた。
 

⏰:08/08/06 12:24 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#585 [Mr.RabbIts!]
 

「真っ直ぐっていや…龍さんの店があるよな」
 
諒がそう言うと雄琉はあからさまに嫌そうな顔をした。
 
「まさか…行かねえよな?関係無いし…」
 
「いや、何か見てるかもしれないし。情報は多い方がいい」
 
諒の言葉にガックリと肩を落とす雄琉。
 

⏰:08/08/06 12:27 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#586 [Mr.RabbIts!]
 

ここで不思議そうに遙が疑問を口にした。
 
「なんでNAOがヒロを…?」
 
遙の言葉に諒も雄琉も考え込む。
 
「でも確かにヒロを連れて行ったのは、NAOだよ。目撃証言もあるし、…俺も見たし」
 
最後の諒の言葉に雄琉が眉をしかめる。
 

⏰:08/08/06 12:30 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#587 [Mr.RabbIts!]
 

「見たことあるってそーゆー事かよっ!てか、芸能人だぞ?同じ歌手だぞ!?何でスッと思い出せないんだよっ」
 
雄琉の責め立てに珍しく拗ねたような表情で言い返す諒。
 
「しょうがないだろ!サングラスしてたし…それに芸能人とか、俺そうゆうのウトいんだよ!」
 

⏰:08/08/06 12:34 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#588 [Mr.RabbIts!]
 

「まぁまぁ!早くヒロを探しに行こうよ」
 
これまた珍しく遙が雄琉と諒に制止の声をかける。
 
「…だな。アイツのとこ行くのは気にくわねえけど…ヒロのためだ」
 
「よし、行くか」
 
三人は疑問を抱きながらも、龍のカフェへと急いだ。
 

⏰:08/08/06 12:37 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#589 [Mr.RabbIts!]
 

―――
 
「…俺はさ、自分の力で頑張ってみたいんだよ」
 
俺はゆっくり口を開いた。兄貴の視線を感じる。
 
「なんだよ…それ。それじゃ親父や俺の事、邪魔だって言ってんのかよ!」
 
―ガタン…ッ!
 
直樹が勢いよく席を立ったため、椅子が床とぶつかる大きな音がした。
 

⏰:08/08/06 13:34 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#590 [Mr.RabbIts!]
 

「そうじゃない!そうじゃなくて…っ!!」
 
もどかしい…自分が思ってる事なのに、言葉が見つからない。
 
「どうした?…って、あ〜ぁ」
 
さっきの物音を聞いた龍さんが奥から出てきた。
龍さんは怖い顔をした直樹と困った顔をした俺を見て、ため息を吐いて、直樹が倒した椅子を直した。
 

⏰:08/08/06 13:40 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#591 [Mr.RabbIts!]
 

「…すいません。龍さん…」
 
俺が軽く頭を下げると、龍さんは笑って頭を撫でてくれた。
 
「お前たち兄弟には迷惑かけられっぱなしだからな。もう慣れたよ」
 
そう言った龍さんにもう一度頭を下げる。
 

⏰:08/08/06 13:44 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#592 [Mr.RabbIts!]
 

龍さんは直樹の幼い頃からの親友で、小さい頃から兄貴に引っ付いていた俺にとって、龍さんは第二の兄貴だ。
直樹と喧嘩して泣いていた時も、いつも龍さんが慰めてくれて仲直りまで面倒をみてくれた。
 
「まったく…直樹!晴樹を虐めたらタダじゃおかないからな」
 
「…悪かったよ」
 
何故か直樹は昔から龍さんには頭が上がらないようだった。
 

⏰:08/08/06 13:49 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#593 [Mr.RabbIts!]
 

昔の事を懐かしんでいると、店の扉が開く音がした。
直樹は急いでしまってあったサングラスをかける。
 
「すいません。まだ開店してな…ってお前らか」
 
龍さんの言葉に振り向くと、雄琉たち三人が立っていた。
 
「ヒロ!?とNAO!!?」
 
直樹を見ると「バレたか」といった顔でサングラスを外していた。
 

⏰:08/08/06 13:55 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#594 [Mr.RabbIts!]
 

「龍!てめぇかっ!!」
 
雄琉はすごい剣幕でこちらにズカズカとやってくる。
 
「待て待て。龍は情報を提供してくれただけだ」
 
そう言って直樹は雄琉の肩を掴んで止めさせる。
今の言葉でやっと分かった。
 
「おかしいと思ってたんだよ。俺の居場所知ってるなんて」
 
そう言って軽く龍さんを睨むと、龍さんは顔の前で手を合わせた。
 

⏰:08/08/06 14:00 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#595 [Mr.RabbIts!]
 

「悪い悪い。まさか無理やり連れ去って来るとは思わなかったからな…」
 
龍さんが申し訳なさそうに言うといつの間にやら直樹を遙は見入っていた。
 
「わあ〜っ!すっげぇ!ホンモノ〜!!」
 
そんな遙に営業スマイルを向ける直樹。
 

⏰:08/08/06 14:05 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#596 [Mr.RabbIts!]
 

「うぉ!笑った笑った!!やっぱ生で見るとカッコイ〜!…っぐえっ」
 
はしゃぐ遙の襟を後ろから掴む雄琉の顔は、恐ろしく歪んでいた。
 
「アンタどーゆーつもりなんだよっ!犯罪だぞ!!」
 
そんな雄琉とは裏腹にニコニコと冷静な直樹。
 

⏰:08/08/06 14:13 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#597 [Mr.RabbIts!]
 

「…犯罪?それってどんな罪に問われるの?」
 
「は?えっ…誘拐…とか?」
 
雄琉の答えを聞いてフフッと愉しそうに笑う直樹に、雄琉はさらに怖い表情をみせた。
 
「なにが可笑しいんだよ!」
 
「可笑しいでしょ?ねぇ、晴樹」
 

⏰:08/08/06 14:16 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#598 [Mr.RabbIts!]
 

俺に振るなよ…とか思いながらも頷く。
 
「まぁ、犯罪ではない…かな」
 
「はっ!?」
 
俺の言葉に雄琉も諒も驚いた顔をみせる。
しかしただ一人遙だけは納得したように、しきりに頷いている。
 
「だってNAOだよ!国民的アイドルは罪に問われないんだよ〜」
 

⏰:08/08/06 14:20 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#599 [Mr.RabbIts!]
 

…まぁ、アホは放っておいて(酷)
 
「コイツ、一応俺の兄貴だから」
 
そう言って直樹を指さして紹介すると、まぁ当然驚かれるわけで。
 
「「「っえぇえぇぇー!?」」」
 
雄琉も遙も諒も、俺と直樹を交互に見て叫びながら存分に驚いていた。
 

⏰:08/08/06 14:24 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#600 [歌]
>>400-500
>>501-600
>>601-700

⏰:08/08/06 14:54 📱:D704i 🆔:9317W4pQ


#601 [Mr.RabbIts!]
 

〒歌さん▽
 
ありがとうございます
ちょうどアンカー
ほしかったんです
テレパシー⊂( ^3^ )⊃
 
読み返してこれから
更新しまーすっ
 

⏰:08/08/07 00:07 📱:P704i 🆔:9h.Q1xG2


#602 [Mr.RabbIts!]
 

「そんなに驚かなくても…」
 
三人の叫び声のせいでキンキンする耳を押さえながら俺が言うと遙が興奮気味に言い返してきた。
 
「そりゃ驚くでしょ!!なにっ、ヒロって実は凄い人なの!?」
 
遙の言葉に少し言い淀む。
そんな俺に気付かず、直樹は疑問を口にした。
 

⏰:08/08/07 00:12 📱:P704i 🆔:9h.Q1xG2


#603 [Mr.RabbIts!]
 

「なぁさっきからヒロ、ヒロって…晴樹のこと言ってんのか?」
 
俺は焦った。
これを言うとまた口論になりそうな予感が…
 
「そーだよっ!俺が拾った時に名前つけたんだ〜♪いい名前でしょ?」
 
自慢気にそう話す遙に雄琉が突っ込む。
 
「いや、名前つけたの俺だから」
 

⏰:08/08/07 00:16 📱:P704i 🆔:9h.Q1xG2


#604 [Mr.RabbIts!]
 

しかし直樹はそんな事は聞いていない。
「ふーん…」とか言ってこっちを睨み付けてきた。
うわ、予感的中…
 
「どうゆう事だよ。なんで名前を付けてもらう必要がある?」
 
「だからっ!俺は自分の力を試してみたかったんだよ!!」
 
「ソレとコレと、どうゆう関係があんだよ!!」
 

⏰:08/08/07 00:20 📱:P704i 🆔:9h.Q1xG2


#605 [Mr.RabbIts!]
 

ブチッ
 
「…チッ。頭の回らねぇ奴だな」
 
俺は下から兄貴を睨み上げる。
イライラが積み重なると、口は悪くなり手に負えなくなるのが俺の性格だ。
さすがにマズイと感じたのか、龍さんが止めに入る。 

⏰:08/08/07 00:23 📱:P704i 🆔:9h.Q1xG2


#606 [Mr.RabbIts!]
 

「おいっ。お前ら、そこらへんで止めとけ…」
 
「龍さんは黙っててください!」
 
キッと龍さんを睨み付けると、そのままのキツい目付きで直樹を見た。
 
「嫌なんだよ!兄貴や親父のバックアップで売れるなんて!!」
 
俺は過去を思いだし、怒りや悔しさで興奮した自分が抑えられずそう叫んだ。
 

⏰:08/08/07 11:03 📱:P704i 🆔:9h.Q1xG2


#607 [Mr.RabbIts!]
 

すると、怒り出すと思っていた俺の考えとは裏腹に直樹はとても悲しそうな表情を見せた。
 
「…お前、まだ孝志の事、引きずってんのかよ」
 
タカシ…
 
「そんなんじゃねぇよ!…っそんなんじゃ…!!」
 

⏰:08/08/07 11:09 📱:P704i 🆔:9h.Q1xG2


#608 [Mr.RabbIts!]
 

黙りこくってしまった俺を龍さんは何も言わずに店の奥に引っ張っていった。
 
「…龍さん…俺……っごめん」
 
「言っただろ?もう、慣れた」
 
そう言ってニッと歯を見せて笑う龍さん。
 
乱暴な言葉を浴びせてしまったのに…やっぱり龍さんは俺にとって第二の兄貴だ。
 

⏰:08/08/07 11:13 📱:P704i 🆔:9h.Q1xG2


#609 [Mr.RabbIts!]
 

―――
 
雄琉はヒロが龍に連れて行かれたのに、追う事が出来ずにいた。
…あまりにも、分からない事が多すぎる。
 
今までは何も考えずに、ただヒロを大切に想っていた。
だが自分が大切に想う人の悩んでいる事を知らない。
 

⏰:08/08/07 11:19 📱:P704i 🆔:9h.Q1xG2


#610 [Mr.RabbIts!]
 

先程のヒロと直樹のいさかいも、何一つ掴めない。
 
『嫌なんだよ!兄貴や親父のバックアップで売れるなんて!!』
 
『…お前、まだ孝志の事、引きずってんのかよ』
 
親父、孝志…俺の知らないヒロが見えてくる。
 
俺には『晴樹』が見えない。
 

⏰:08/08/07 11:23 📱:P704i 🆔:9h.Q1xG2


#611 [Mr.RabbIts!]
 

遙や諒も浮かない顔をしているところを見ると、考えは雄琉と同じだろう。
そんな三人を見て直樹は口を開いた。
 
「…お前ら晴樹のダチか?」
 
その言葉に雄琉は頷く。
 
「バンド仲間…です」
 
雄琉の言葉に直樹は目を見開いた後、「そうか」とだけ答えた。
 

⏰:08/08/07 13:44 📱:P704i 🆔:9h.Q1xG2


#612 [Mr.RabbIts!]
 

「直樹さん…」
 
雄琉は真っ直ぐに直樹を見つめたと思ったら、いきなり頭を下げた。
 
「おいっ!?どーした…」
 
直樹は驚いた。
さっきまで年上の龍にも俺にも敬語を使うどころか、正面から突っかかっていた雄琉が、頭を下げたのだ。
 

⏰:08/08/07 15:48 📱:P704i 🆔:9h.Q1xG2


#613 [Mr.RabbIts!]
 

状況が掴めず焦る直樹に、頭を下げたままの雄琉。
 
「お願いします!ヒロの事…晴樹の事、教えてください!!」
 
「……え?」
 
眉を寄せた直樹の答えがノーだと受け取った雄琉は、さらに必死に頼み込む。
 
「アイツを大事にしたいんだ!そのためにはアイツの悩んでる事が分からないと…」
 
雄琉は唇を噛み締めた。
 

⏰:08/08/07 15:58 📱:P704i 🆔:9h.Q1xG2


#614 [Mr.RabbIts!]
 

「俺は何もしてやれねぇ…そんなのは嫌なんだよ!」
 
それでも黙ったままの直樹に雄琉は再び深く頭を下げる。
 
「頼む!頼みますっ!!」
 
「…雄琉…」
 
そんな雄琉の姿を見て、遙と諒も頭を下げた。
 

⏰:08/08/07 16:02 📱:P704i 🆔:9h.Q1xG2


#615 [Mr.RabbIts!]
 

そんな三人を見て、直樹はため息を吐いた。
 
…どうりで、晴樹が意地になってコイツらと居るわけだ。
 
「…顔、上げろ」
 
直樹の言葉に雄琉たちは顔を上げて、直樹を見た。
 
「俺から言うのも何だけどな〜…ま、晴樹は言わないだろうけど」
 
そう言って直樹は苦笑した。
 

⏰:08/08/07 16:12 📱:P704i 🆔:9h.Q1xG2


#616 [Mr.RabbIts!]
 

「コホンッ…んーじゃあ、話すよ?」
 
直樹は咳払いを一つして、話し始めた。
 
「お前らが言ってるヒロの本名は『若松 晴樹』」
 
…わかまつ、はるき。
 
雄琉は頭の中でその名前を何度も繰り返し呼んだ。
 

⏰:08/08/07 20:43 📱:P704i 🆔:9h.Q1xG2


#617 [Mr.RabbIts!]
 

ヒロの本名を聞いた遙がピクリと反応して、呟いた。
 
「…若松?」
 
雄琉と諒が「どうした?」と訊くと、遙は何かをうーんと唸って考えている。
 
「話、続けてもいいか?」
 
「あ、はい。お願いします」
 
そう言って諒は話を先にと進ませた。
 

⏰:08/08/07 20:47 📱:P704i 🆔:9h.Q1xG2


#618 [Mr.RabbIts!]
 

「で、俺が兄の若松 直樹。まぁ知っての通り君たちと同じアーティストってとこだな。あと家族はオフクロと親父が居て、親父が…」
 
「あぁーーっ!!」
 
直樹の話を遮るように、遙は大きな声を上げた。
真剣に聞き入っていた雄琉は必要以上にビクッと反応した。
 

⏰:08/08/07 20:54 📱:P704i 🆔:9h.Q1xG2


#619 [我輩は匿名である]
見てます
がんばって下さい

⏰:08/08/07 20:57 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#620 [Mr.RabbIts!]
 

〒匿名さん▽
 
ありがとうございます
 
なかなか更新できず…
すいません( ;ω; )
 
今から更新しますっ
 

⏰:08/08/08 21:46 📱:P704i 🆔:U30yotDE


#621 [Mr.RabbIts!]
 

「んだよっ!ビックリすんだろっ!?」
 
雄琉の言葉も聞かず遙は続ける。
 
「若松って…あのデッカイ会社じゃないの!?」
 
雄琉も諒「は?」という顔をしていたが、直樹の次の言葉で衝撃を受ける事になる。
 
「うん。若松芸能事務所って言えば、結構知れてる名だと思うんだけど」
 

⏰:08/08/08 21:54 📱:P704i 🆔:U30yotDE


#622 [Mr.RabbIts!]
 

「若松芸能事務所…!!?」
 
雄琉は直樹の言葉を繰り返し、固まる。
雄琉と同様、驚きを隠せないながらも諒は口を開く。
 
「ヒロの父親があの若松芸能事務所の…?」
 
「トップだ」
 
直樹は淡々と答えた。
 

⏰:08/08/08 22:06 📱:P704i 🆔:U30yotDE


#623 [蘭]
 すごく楽しみにしています
 頑張ってください

⏰:08/08/08 23:16 📱:PC 🆔:1iw8gOBQ


#624 [我輩は匿名である]
面白いです!!

⏰:08/08/09 11:39 📱:PC 🆔:5GFX2SUs


#625 [Mr.RabbIts!]
 

〒蘭さん▽
 
ありがとうございます
 
すいません
なかなか更新できなくて…
 
今から更新したいと
おもいます(゚_゚)
 

⏰:08/08/10 03:48 📱:P704i 🆔:cYDrEr9I


#626 [Mr.RabbIts!]
 

〒匿名さん▽
 
うれしいです
ありがとうございます
 
今から更新しますね
 

⏰:08/08/10 03:50 📱:P704i 🆔:cYDrEr9I


#627 [Mr.RabbIts!]
 

兄貴が人気アーティストで、親父が…超がつくほど有名な芸能事務所のトップ…か。
 
雄琉は先程のヒロの言葉を思い出した。
 
『嫌なんだよ!兄貴や親父のバックアップで売れるなんて!!』
 
「…そーゆー、ことか…」 
雄琉がそう呟いたのを聞いて、直樹は新たに話し始めた。
 

⏰:08/08/10 03:58 📱:P704i 🆔:cYDrEr9I


#628 [Mr.RabbIts!]
 

「アイツと…晴樹とバンド組んでるって言ったな?」
 
直樹の問いに無言で頷く。
 
「…オマエらの前にもな、晴樹はバンド組んでた事があったんだよ」
 
直樹は遠くを見て、どこか悲しげに話を続ける。
 
「2ピースバンドでな。孝志ってガキとやってたんだ」
 

⏰:08/08/10 04:08 📱:P704i 🆔:cYDrEr9I


#629 [Mr.RabbIts!]
 

―――
 
それは晴樹が中学生になったばかりの頃、芸能学校に通うのを極端に嫌がった晴樹が、一般の中学に通えるよう必死に親父に頼んで入学した春の事だった。
 
「…ん、おはよー…」
 
入学式の日、直樹より遅く目覚めリビングに寝ぼけながら入ってきた弟に、あいさつを返すより先に出てきた言葉は『バカだよ、お前』
 

⏰:08/08/10 04:17 📱:P704i 🆔:cYDrEr9I


#630 [Mr.RabbIts!]
 

そんな直樹に「あぁ、またか」といったような表情を浮かべて、朝食が並ぶテーブルにつく晴樹を見て、直樹は朝からイライラを募らせた。
 
…俺はホントだったら今日の入学式からずっと、また晴樹と一緒に学校に行けるのだ、とこの日を待ち望んでいた。
基本この若松芸能学校はエスカレーター式で、本人や家族が望まないかぎり小、中、高、そして大学まで問題を起こさなければ、無条件で上がっていく仕組みになっている。
 

⏰:08/08/10 04:24 📱:P704i 🆔:cYDrEr9I


#631 [Mr.RabbIts!]
 

直樹は若松家の長男として、その芸能学校の高等部で生徒会長をやっている。
 
今日の入学式では直樹の指示の下、入学生の中から晴樹を壇上に上がらせ、入学の挨拶をさせる予定だった。
直樹の中では何回もその場面が想像され、実行に移すのも現実の事だと思っていた。
 

⏰:08/08/10 04:31 📱:P704i 🆔:cYDrEr9I


#632 [Mr.RabbIts!]
 

しかし、入学式の3ヶ月前晴樹が突然一般の中学に通いたいと言い出したのだ。
近い将来、兄弟そろって芸能界で活躍してもらいたいと考えている親父はもちろん、直樹も反対した。
 
晴樹は小学生の頃から人を惹き付けるような魅力を持っていて、良くも悪くも晴樹はたくさんの人に愛されていた。
…そう晴樹には変質者などをも寄せ付けるような魅力があったのだ。
 

⏰:08/08/10 04:39 📱:P704i 🆔:cYDrEr9I


#633 [Mr.RabbIts!]
 

今まで何度か危険な目に合い、そのたびに兄である直樹やボディーガードに守られて育った。
 
そんな晴樹を自分の目の届かないところに通わせるなんて、ましてや一般の中学など芸能学校に比べればセキュリティがうんと低い。
 
直樹や父親が反対するのは当然の事だった。
そんな事は幼いながらも、厳しい目に晒されて育て上げられた晴樹には、十分承知の上だった。
 

⏰:08/08/10 04:45 📱:P704i 🆔:cYDrEr9I


#634 [Mr.RabbIts!]
 

親父は晴樹が一般の中学に通いたいと言うと、顔を歪めた。
それは芸能事務所のトップの男として言うことを聞かない息子に怒り顔を歪めた訳でなく、晴樹の父親として息子の言い分をなんとか理解しようと懸命に努力して困惑している顔の歪みだった。
 
親父はそういう人だった。
いくら事務所が大きくなったって偉そぶる事はなく、何より自分の家庭を大切にしている男だ。
 

⏰:08/08/10 12:44 📱:P704i 🆔:cYDrEr9I


#635 [Mr.RabbIts!]
 

晴樹と直樹の父親、若松 光(わかまつ ひかる)は『家族が居るから仕事を頑張る。お前たち家族が居なかったら俺はここまで事務所を大きく出来なかったんだから』といつも二人に言い聞かせていた。
 
そんな親父だからこそ、晴樹は自分のわがままを素直に言えたのかもしれない。
 

⏰:08/08/10 12:52 📱:P704i 🆔:cYDrEr9I


#636 [Mr.RabbIts!]
 

そしてそんな親父が、晴樹本人の意志を押さえつけてまで、晴樹の自由を奪う事をするはずもなく、渋々普通の中学に入れる事を承諾した。
 
親父が許したのだから、兄の俺がどうこう言えるわけもなく、だけど納得のいかない俺はわざわざ親父を困らせる晴樹の事が許せずにいた。
 

⏰:08/08/13 10:26 📱:P704i 🆔:3zP/HwX6


#637 [Mr.RabbIts!]
 

「…行ってきます…」
 
目も合わさない直樹に小さい声でそう呟き、晴樹は家を出て今日から通う中学校へと向かった。
 
真新しい制服に、まだ何も入っていない鞄。
あたたかい日光に、気を引き締められるような少し冷たい風。
 
待ち望んだ『普通の生活』に晴樹は表情を明るくさせていた。
 

⏰:08/08/13 10:32 📱:P704i 🆔:3zP/HwX6


#638 [Mr.RabbIts!]
 

晴樹は正直、芸能界など興味がなかった。
小さい頃から父親の事務所に所属している俳優や女優など、たくさんの人たちに会ってきた。
みんなキラキラ輝いていて、すごくかっこよかったのを今でも覚えている。
 
だけど俺はそうなりたいか、と問われたら頷かないだろう。
 

⏰:08/08/13 10:36 📱:P704i 🆔:3zP/HwX6


#639 [Mr.RabbIts!]
 

俺には不向きだと思ったからだ。
小さな頃から兄貴といろんなレッスンを受けさせられたが、どんなに上手くなっても褒められても、これだ!というものを見つけられなかった。
 
演技も、ダンスも、モデルも…どれも本気になれなかった。
俺はこの世界ではアツくなれるものを見つけられないと考えるようになり、芸能界には自分は向いていないと思い込んでいった。
 

⏰:08/08/13 10:41 📱:P704i 🆔:3zP/HwX6


#640 [Mr.RabbIts!]
 

だけどそんな事、誰にも相談出来なかった。
レッスンを必死にこなして、芸能学校でも群を抜いて輝いている兄貴にも、口では言わないものの、兄貴と同じくらい俺に期待している両親にも。
言えるはずがなかった。
 
そんな時だった。
龍さんが俺に新しい世界へと手招きしてくれたのは。
 

⏰:08/08/13 10:46 📱:P704i 🆔:3zP/HwX6


#641 [Mr.RabbIts!]
 

それは家に龍さんが遊びに来ていた時の事だった。
俺がレッスンから帰ると、入れ違いに直樹がレッスンに行く所だった。
直樹は俺を見るとリビングに顔を突っ込んで、龍さんに声をかけた。
 
「おい。晴樹来たけど」
 
「あー?じゃあ俺まだ居よっと」
 
どうやら龍さんは帰るしたくをしていたようだが、俺が帰ってきたのを見てまだ若松家に居座る気のようだ。
 

⏰:08/08/13 13:58 📱:P704i 🆔:3zP/HwX6


#642 [Mr.RabbIts!]
 

俺は龍さんが遊んでくれるのだと思い、急いで家に上がった。
 
―ドタドタドタ…ッ
 
そんな俺に直樹は「騒がしいヤツだな…」と呟き、家から出ていった。
 
「りゅーさんっ!」
 
リビングに飛び込んだ俺に、笑顔で迎えてくれる龍さん。
 
「おー、お疲れさん。ゲームでもするか」
 

⏰:08/08/13 14:03 📱:P704i 🆔:3zP/HwX6


#643 [Mr.RabbIts!]
 

俺は瞳をキラキラさせて、大きく頷いた。
 
「うんっ!」
 
そんな俺を見てクスリと笑う龍さんの手元を見ると、シャーペンとノートと、さんこーしょ…??
 
嫌な予感がしてちらっと龍さんを見ると、案の定ニヤッとした顔の龍さんが…
 
「ゲームするか、…って言いたい所なんだけど。俺ベンキョーで忙しいんだよね」
 

⏰:08/08/13 14:11 📱:P704i 🆔:3zP/HwX6


#644 [Mr.RabbIts!]
 

「……へえー…。じ、じゃあいいや!俺は一人でテレビでも見て…」
 
そう言ってその場から逃げようとした俺の腕をガシッと掴む龍さんの笑顔はまるで悪魔…。
 
「そーいえば直樹に聞いたんだけど、晴樹ってもうすぐテストじゃなかったか?」
 
龍さんの言葉にビクッと肩を振るわし反応する俺。
 

⏰:08/08/13 16:51 📱:P704i 🆔:3zP/HwX6


#645 [Mr.RabbIts!]
 

俺の反応を見て笑顔を見せる龍さん。
 
「ほら、教えてやるからお前も教科書持ってこい」
 
クソ兄貴…と直樹を罵りながら俺は教科書が入った鞄を持って、龍さんの隣に座った。
 
「晴樹って以外とバカだよなー」
 
何の悪びれも見せず俺を侮辱する龍さんを、睨んで唇を尖らせる。
 

⏰:08/08/13 16:56 📱:P704i 🆔:3zP/HwX6


#646 [Mr.RabbIts!]
 

「どーせっ俺は、兄貴と違って出来損ないですよーだっ!」
 
そう言って拗ねる俺の頭を龍さんはポンポンと撫でる。
 
「冗談だろ?」
 
ちっくしょ…っ
 
俺は悔しくて唇を噛み締めた。
なかなか顔を上げない俺を心配したのか、龍さんが覗き込んでくる。
 

⏰:08/08/13 17:01 📱:P704i 🆔:3zP/HwX6


#647 [Mr.RabbIts!]
 

「…晴樹?」
 
「……………なに」
 
まだ膨れている俺の頬を指でツンツンし出す龍さんの手を振り払う。
 
「っりゅーさん!!」
 
「なにー?」
 
う……はあっ。
この人としゃべってると、なんかどうでもよくなってきた。
 
そんな事を考えていた俺にしつこく「なに?なに?」と訊いてくる龍さんに、「何でもないです」と素っ気なく答えて、大嫌いな勉強に取りかかった。
 

⏰:08/08/13 17:07 📱:P704i 🆔:3zP/HwX6


#648 [Mr.RabbIts!]
 

「なんか晴樹が冷たいぞー」
 
しつこいな…この人。
 
「誰のせいだと思ってんですか!てか、ベンキョーしてくださいよっ」
 
自分が言い出したくせに…とか俺がぶつぶつ言いながら、ノートに漢字を写していると、龍さんが口を開いた。
 
「俺のせいなの?」
 

⏰:08/08/13 17:12 📱:P704i 🆔:3zP/HwX6


#649 [Mr.RabbIts!]
 

そうに決まって…!!
って、アレ?龍さんのせいなのか…??
 
「……ちがう、かも…」
 
言い淀む俺に、龍さんは分厚い参考書をパタンと閉じた。
 
「何をそんなに焦ってるんだ?」
 
焦ってる…?俺が??
 
龍さんの言っている意味が分からなくて、困ったような顔で龍さんを見つめたら苦笑された。
 

⏰:08/08/13 17:15 📱:P704i 🆔:3zP/HwX6


#650 [Mr.RabbIts!]
 

「なんてゆーか…晴樹らしくないぞ?元気ないし」
 
俺らしくない…?
 
「俺らしいって、どんなの?」
 
思った事をそのまま口にしたら、龍さんが驚いた顔をした。
 
「…龍さん、俺ね、何やっても楽しくないんだ…」
 
俺の話を龍さんが黙って聞いてくれている事に安心して、俺は思っている事を全て吐き出した。
 

⏰:08/08/13 17:19 📱:P704i 🆔:3zP/HwX6


#651 [歌]
>>600-650
>>651-700

いつも見てます。頑張って下さい

⏰:08/08/13 19:45 📱:D704i 🆔:IbETH8Tc


#652 [Mr.RabbIts!]
 

〒歌さん▽
 
うれしいです
ありがとうございます
 
また更新しまーすね
 

⏰:08/08/14 10:45 📱:P704i 🆔:iW39CxFw


#653 [Mr.RabbIts!]
 

「なんかね、いっぱいレッスンとかしてるけど、どれも楽しくないってゆーか…」
 
そう言って俯く俺を、龍さんは覗き込んでやさしく微笑む。
 
「でも、晴樹はよく頑張ってると思うよ?もっと上達したら、きっと好きになれるモンが出てくるんじゃないか?」
 
龍さんの言葉に静かに首を左右に振る。
 

⏰:08/08/14 10:51 📱:P704i 🆔:iW39CxFw


#654 [Mr.RabbIts!]
 

「全然がんばってないよ…。俺、ホントは芸能界なんて行きたくない」
 
俺の言葉に龍さんは驚いた表情を見せる。
 
「レッスンだって、学校だって、兄貴の背中追って入っただけだし…。だけど親父は俺にも期待してるし…」
 
俺の親父は親バカだ。
ホントにあのドデカイ事務所のトップなのか、と疑うくらいの。
 

⏰:08/08/14 10:57 📱:P704i 🆔:iW39CxFw


#655 [Mr.RabbIts!]
 

レッスンがあった日はその担当してくれた先生に、今日も元気そうだったかとか、なにか変わった所はなかったか…なんて電話をいちいちしているらしい。
 
仕事が忙いからといって、俺や兄貴の普段の事を、微妙な変化を見落としたくはない。と親父が言っていた。
 
それにどんなに仕事が忙しくても家には必ず帰ってくる。
 

⏰:08/08/14 11:03 📱:P704i 🆔:iW39CxFw


#656 [Mr.RabbIts!]
 

俺はそんな親父が大好きだったから、その親父の期待を裏切るような事はしたくないと心に決め、レッスンだって学校だってつまらなくても通い続けた。
 
だけど最近思い始めた。
兄貴は一つ一つのレッスンを、一日一日の学校生活を、全力で奮闘している。
なのに俺は全部、中途半端。
 

⏰:08/08/14 11:11 📱:P704i 🆔:iW39CxFw


#657 [Mr.RabbIts!]
 

「そんなの、楽しいわけないよね」
 
そう言って力無く微笑むと、龍さんは真剣な眼差しを俺に向けていた。
 
「晴樹、無理しなくてもいいんだぞ」
 
「…え…?」
 
不思議そうに龍さんを見つめる俺の頭に、大きい龍さんの手がかぶさる。
 

⏰:08/08/14 11:16 📱:P704i 🆔:iW39CxFw


#658 [Mr.RabbIts!]
 

「なにも芸能界に入るだけがお前の人生じゃない」
 
龍さんの強い眼差しに、俺は口ごもる。
 
「…でも、親父をガッカリさせたくないよ…」
 
そう呟く俺に龍さんは笑う。
 
「なっ!何がおかしいの!?」
 
俺は真剣に…!とまで言うと龍さんは一言、晴樹はやっぱりバカだ。と言った。
 

⏰:08/08/14 11:25 📱:P704i 🆔:iW39CxFw


#659 [Mr.RabbIts!]
 

「お前の親父が、光さんがそんな事で晴樹にガッカリするかよ」
 
俺は龍さんの言葉に目を見開いて、龍さんを見た。
そんな俺を見て龍さんはクスリと笑う。
 
「たぶん晴樹がこのまま、自分を押し殺して生活してく方が、光さんは悲しむと思うんだけど」
 
俺がなにも言えずにいると、もう一度龍さんはやさしく微笑んでくれた。
 
「光さんは、そういう人だ」
 

⏰:08/08/14 11:35 📱:P704i 🆔:iW39CxFw


#660 [Mr.RabbIts!]
 

なんか…龍さんのやさしさがうれしくて、悩みが解決したのに安心して、俺の視界が歪む。
 
「…りゅっ…さん゙ー!」
 
大泣きし出した俺に困ったように笑う龍さんにしがみつくと、やさしく頭を撫でてくれて、さらにうれしくなった俺の目から、涙は暫く止まる事がなかった。
 

⏰:08/08/14 11:41 📱:P704i 🆔:iW39CxFw


#661 [Mr.RabbIts!]
 

泣き続ける俺に龍さんはただただ黙って胸を貸してくれる。
 
「…ん、ありがと。もう大丈夫だから…」
 
そう言って顔を上げたら、龍さんの頬が心なしか少し赤い気がする。
 
「龍さん…?顔赤いよ?」
 
そう言ってピンク色の頬に手を伸ばすと、触れた瞬間龍さんの体がピクリと反応した。
 

⏰:08/08/15 17:09 📱:P704i 🆔:Wnri6ayU


#662 [Mr.RabbIts!]
 

「??」
 
俺が心配そうに龍さんを見上げていると、龍さんも俺を見つめ返してきた。
自分の頬にある俺の手に手を添えて、龍さんは呟いた。
 
「…晴樹の手って、あったかいのな」
 
「そうかなぁ?」
 
俺がそう首を傾げると、うん、安心する。と言って龍さんはすごくキレイに微笑んだ。
 

⏰:08/08/15 17:14 📱:P704i 🆔:Wnri6ayU


#663 [Mr.RabbIts!]
 

なんだか俺までうれしくなって、へへへっと笑っていると、龍さんが急に真剣な表情で俺を呼んだ。
 
「晴樹。」
 
「ん?なに?」
 
龍さんは一呼吸おいてから、言った。
 
「俺が通ってた中学に入らないか?」
 

⏰:08/08/15 17:20 📱:P704i 🆔:Wnri6ayU


#664 [Mr.RabbIts!]
 

「…龍さんが通ってた中学って、あの坂の上の?」
 
「あぁ。芸能界に興味ないんなら普通の中学通って、何か好きなモン見つける方がいいと思って」
 
どう?と付け足す龍さんに俺の心は決まった。
 
「行く!!俺ホントはあそこ通いたかったんだ!すごいキレイな所だし、龍さん学校の事楽しそうに話してたし!」
 
そう言った俺に龍さんはうれしそうに笑いかけてくれた。
 

⏰:08/08/15 17:27 📱:P704i 🆔:Wnri6ayU


#665 [Mr.RabbIts!]
 

「よし!じゃあ決まりだなっ」
 
そう言って龍さんと二人で笑い合っていたら、玄関の扉が開く音がした。
 
「ただーいまー」
 
「あ、親父だ!おかえりー」
 
俺がリビングから叫んで玄関まで迎えに行こうと立ち上がると、ドタドタと玄関から走ってくる足音が聞こえた。
 

⏰:08/08/15 17:35 📱:P704i 🆔:Wnri6ayU


#666 [Mr.RabbIts!]
 

―バタンッ!
 
「晴樹っ!父さん今、帰ったぞー!!」
 
「え、あ、うおっ?!」
 
リビングの扉を勢いよく開けて入ってきた光は、俺の姿を発見したとたんに思い切り抱きついてきた。
 
「はっ…離せー!!糞親父っ!」
 
べりっと引き剥がすと光は30代とは思えない童顔が、悲しみに歪む。
 

⏰:08/08/15 18:17 📱:P704i 🆔:Wnri6ayU


#667 [Mr.RabbIts!]
 

『光は30代とは…』
 

 
『光の30代とは…』
 
訂正です(;_;)
 

⏰:08/08/15 18:19 📱:P704i 🆔:Wnri6ayU


#668 [Mr.RabbIts!]
 

「晴樹が冷たい…」
 
「親父が暑苦しいんだろ!」
 
まったく…と俺がぶつぶつ文句を言っていると、龍さんが突然スクッと立ち上がった。
 
「光さん、おじゃましてます」
 
「おー龍くんか。…晴樹に変な事してないだろうね?」
 
そう言って黒い笑みを浮かべる光に龍さんは後ずさる。
 

⏰:08/08/15 18:23 📱:P704i 🆔:Wnri6ayU


#669 [Mr.RabbIts!]
 

「もうっ親父!!龍さんは俺に勉強教えてくれてたの!」
 
そう叱りつける俺に、そうか。と唇を尖らせる親父に、苦笑いの龍さん。
 
「……!そうだ。晴樹、光さんに話があるんだったよな?」
 
いきなり話を振られた俺は焦って龍さんに不安気な視線を送る。
でも龍さんは大丈夫といった感じにしきりに頷くだけだった。
 

⏰:08/08/15 18:29 📱:P704i 🆔:Wnri6ayU


#670 [Mr.RabbIts!]
 

「ん?なんだ?」
 
そう言ってやさしく問いかけてくる親父を見て、俺は意を決して口を開いた。
 
「あのさ、親父!俺…普通の中学に通いたいんだ!!」
 
親父の顔色を伺うように、上目遣いに光を見る。
 
「…どうして…?」
 
そう言った光の表情からは、怒りも悲しみも読み取れない。
 

⏰:08/08/15 20:29 📱:P704i 🆔:Wnri6ayU


#671 [Mr.RabbIts!]
 

「俺今まで言えなかったけど、芸能界に入る気はないんだ…」
 
光の顔が驚きに変わる。
 
「え…っ?」
 
「ごめん!!親父をガッカリさせたくなくて…」
 
そこまで言って俯き、唇を噛み締める。
 
…やっぱり、親父は芸能界入ってほしいんだよな…。
 

⏰:08/08/15 20:33 📱:P704i 🆔:Wnri6ayU


#672 [Mr.RabbIts!]
 

「…すまない…晴樹。」
 
え…っ?
 
俺は驚いて顔を上げる。
そこには顔を悲しみに歪める光が居た。
 
「すまないな…。今まで気付いてやれなくて……お前はずっと我慢してきたんだな?」
 
「……親父…」
 
俺が状況が把握できずに、ぼうっとしていると、光はニコッと笑った。
 

⏰:08/08/15 20:36 📱:P704i 🆔:Wnri6ayU


#673 [Mr.RabbIts!]
 

「ガッカリなんか、するもんか!お前も直樹も、俺の自慢の息子なんだから」
 
「それじゃあ…」
 
俺が瞳を輝かせて親父を見つめると、親父は少し表情を曇らせた。
 
「んー…普通の中学に通わせるのは問題無いんだが…普通の中学となると、セキュリティ面がどうしても不安でな〜…」
 

⏰:08/08/15 20:40 📱:P704i 🆔:Wnri6ayU


#674 [Mr.RabbIts!]
 

うっ…きたよ。親バカ
 
こうなると光は頑固になる。
俺本人が大丈夫って言ったところで、絶対に引かないくらいに。
俺が頭を抱えていると、龍さんが助け船を出してくれた。
 
「光さん、俺の去年卒業した坂の上の中学校はどうですか?俺はもう卒業しましたけど、先生も後輩もいい奴らばっかだし、家からも近いですし。あそこなら安心じゃないですか?」
 

⏰:08/08/15 20:49 📱:P704i 🆔:Wnri6ayU


#675 [Mr.RabbIts!]
 

おー!さすが龍さん!!
頼りになるっ!とか思っていたら光も龍さんの言葉に頷いた。
 
「そうか。…まぁ、晴樹が望むなら、そうしようか。安全らしいし」
 
やったー!と叫びたい所だが、今後のことを考えて龍さんにも親父にも、今のうちに訂正しておく事がある。
 
「安心、安全って…俺もう中学生になるんだぜ!?何かあっても、自分でなんとか出来るし!!」
 

⏰:08/08/15 20:53 📱:P704i 🆔:Wnri6ayU


#676 [Mr.RabbIts!]
 

そう言って膨れる俺に龍さんも光も疲れた顔をする。
 
「お前は自覚が足りないんだよ」
 
「そうそう。晴樹今まで俺と直樹がどれだけ裏から潰してきた事か…」
 
自覚?潰す??
光と龍さんの言っている事が掴めず、困った顔で二人を見ると、なぜか二人は頬をピンク色に染めた。
 

⏰:08/08/19 13:56 📱:P704i 🆔:Q9hudZ/Q


#677 [Mr.RabbIts!]
 

しばらくすると光がハッとしたように咳払いをする。それにつられるように、龍さんが口を開いた。
 
「///っとにかく!よかったな晴樹。光さんが承諾してくれて」
 
俺は龍さんの言葉に大きく頷く。
 
「うんっ!親父も龍さんも、ありがとー!!」
 
そう言ってニコニコと笑う晴樹を見て、二人がまた頬を赤くしたのは言うまでもない。
 

⏰:08/08/19 23:33 📱:P704i 🆔:Q9hudZ/Q


#678 [Mr.RabbIts!]
 

「俺は絶対に反対だね」
 
快く承諾してくれた親父とは違い眉間に皺を寄せたまま、断固として折れてくれない兄貴に俺は戸惑った。
 
「………なんで?」
 
俺が恐る恐る訊いてみると、キッとこちらを睨む兄貴にビクリと肩を震わせた。
そんな俺たちのやりとりを見て、親父は宥めるように間に入ってきた。
 

⏰:08/08/22 11:40 📱:P704i 🆔:iGtotXCk


#679 [Mr.RabbIts!]
 

「晴樹、直樹は心配してくれてるんだよ。直樹、な?そうだろう?」
 
親父の言葉にゆっくり、でも深く頷く兄貴。
 
「…一般の学校なんか、危ないに決まってる」
 
「…でも、行きたいもん」
 
唇を尖らせる俺に親父はクスクスと笑う。
 
「晴樹本人の意思だ。俺は聞いてあげたいんだけど」
 

⏰:08/08/22 11:48 📱:P704i 🆔:iGtotXCk


#680 [Mr.RabbIts!]
 

「……それでも、俺は嫌だ!」
 
あの日のその言葉を最後に、直樹はまともに口をきいてくれなくなった。
何度話しかけても「あぁ」とか「ふーん」とかばかりで、目も合わせてくれない。
 
そうこうしているうちに入学式を迎え、やっと口を開いてくれたと思ったら『バカだよ、お前』。
 
―――
 
「…ハァー…何をあんなに怒ってるんだろ」
 
俺は肩を下げたまま、中学校への道を歩いて行った。
 

⏰:08/08/22 12:20 📱:P704i 🆔:iGtotXCk


#681 [我輩は匿名である]
遥達に会う前の話ですか

⏰:08/08/22 23:54 📱:F703i 🆔:.G.Z.jh.


#682 [我輩は匿名である]
頑張ってください

⏰:08/08/24 09:19 📱:F703i 🆔:CZcE4jAw


#683 [Mr.RabbIts!]
 

〒匿名さん▽
 
はいっ そうです
中学生の頃の話です。
 
分かりにくかったですかね
すいません
 

⏰:08/08/24 13:05 📱:P704i 🆔:OSfMMA/g


#684 [Mr.RabbIts!]
 

〒匿名さん▽
 
はいっ
がんばりますね
 
更新遅くなります
 

⏰:08/08/24 13:08 📱:P704i 🆔:OSfMMA/g


#685 [Mr.RabbIts!]
 

グレーのコンクリートでできた地面ばかりを見つめていた俺の視界に、ふわりとピンク色のものが綺麗に映った。
思わず俯かせていた顔を上げると道の横に咲いていた桜が満開に花を咲かせていた。
 
「っうわ…綺麗……」
 
晴樹は立ち止まって満開の桜に見惚れていた。
 
「ぶぇっくしゅんっ!!」
 
ビクー!!
 
ひとり黄昏ていた晴樹は後ろからのクシャミのせいで一気に現実へと引き戻された。
 

⏰:08/08/24 13:40 📱:P704i 🆔:OSfMMA/g


#686 [Mr.RabbIts!]
 

ったく…誰だよ。
俺の感動を返せ!!
 
そんな事を考えながら後ろを振り向くと、さっきクシャミをしたと思われる同じ制服を着た少年が鼻をしきりにこすっていた。
 
「っうー…目ぇカユイし鼻もムズムズするし……最悪だーー!!」
 
その少年がいきなり叫びだしたので、晴樹はまたビクッと反応してしまった。
そんな晴樹に気付いたのか、赤く充血した目を丸くして少年は晴樹に近付いてきた。
 

⏰:08/08/24 13:46 📱:P704i 🆔:OSfMMA/g


#687 [Mr.RabbIts!]
 

「あーごめんごめん。花粉飛びまくりでさー、イライラしちゃった。」
 
そう言ってニコリと微笑む少年には、まだあどけなさが残っているように見えた。
晴樹が何も言えずにボーッとその少年を見ていると、少年は首を傾げた。
 
「なに?…あ、もしかして鼻水飛ばしちゃったとか?いやーだって、しょーがなくない?春だから花粉が…」
 
すごい勢いでしゃべる目の前の少年に、最初晴樹は圧倒されていたが、だんだんおかしくなってきて感情のままに大声をあげて笑った。
 

⏰:08/08/24 13:52 📱:P704i 🆔:OSfMMA/g


#688 [Mr.RabbIts!]
 

そんな晴樹を初めはポカンと見ていた少年だったが、やがて晴樹につられて笑いだした。
 
「お前、おもしろいヤツだな」
 
目を細めてうれしそうに言う少年に晴樹も笑顔のまま答えた。
 
「それはお前だろ?」
 
そう言ってフフッと笑うと名前を訊かれた。
なんとなく名字を言うのをためらった晴樹が名前だけ教えると、相手も『孝志』と名乗ってくれた。
 

⏰:08/08/24 13:57 📱:P704i 🆔:OSfMMA/g


#689 [Mr.RabbIts!]
 

聞くと孝志も同じ中学の入学生ということで、晴樹と孝志は一緒に学校までの道を歩いた。
 
「孝志、花粉症なんだ?」
 
「おう、俺の家族はみんな。春になるとティッシュがすぐに足りなくなって大変なんだぜ?」
 
そう言っておどけてみせる孝志に晴樹は腹を抱えて笑った。
 
晴樹は早くもこの中学校に変更してよかった、と心から感じていた。
 

⏰:08/08/24 14:02 📱:P704i 🆔:OSfMMA/g


#690 [Mr.RabbIts!]
 

中学校に着くと校門に立っていた教員たちに誘導されて体育館に入った。
体育館に入ると多くの生徒たちがすでに座っていた。
 
「式って何時からだっけ?」
 
「…9時?だと思うけど」
 
まだ式が始まるには30分ほどの余裕がある。
晴樹と孝志は体育館の後ろの壁にもたれて座り込んだ。
 
「入学式って長いんだよなー…俺あの静かな雰囲気とか無理だし」
 
そう言ってうなだれる孝志に晴樹はクスクス笑う。
 
「孝志、途中でクシャミしないでよ」
 

⏰:08/08/24 14:08 📱:P704i 🆔:OSfMMA/g


#691 [Mr.RabbIts!]
 

そう言ってニヤリと意地悪く笑ってやると、孝志は俺を横目で見てため息を吐いた。
 
「それはー…花粉が俺の鼻ん中に入らんだら、の話。そんなの奇跡に近くね?」
 
孝志の言葉にまた笑っていると、教員たちに席へ誘導された。
孝志は結構前の方で、“若松”である晴樹は一番後ろの列の一番端っこに座らされた。
 

⏰:08/08/25 00:58 📱:P704i 🆔:Mq9qFtg6


#692 [Mr.RabbIts!]
 

気付くと十分前になっていて、さっきまでザワザワしていた会場が静まり始めた。
なんだかソワソワしてきた。
俺にとっては見渡すかぎり知らない顔ばかりだ。
ふと孝志の方を見ると、地毛が茶色っぽいため一際目立っている。
 
俺と違って、じっと前を見つめて動かない孝志に暫く目を奪われていると、式が始まるらしく教頭と思われる中年の男がマイクを持った。
 

⏰:08/08/25 15:04 📱:P704i 🆔:Mq9qFtg6


#693 [Mr.RabbIts!]
 

「コホンッ…えーそれでは、ただ今から式を始めたいと思います。皆様、ご起立ください」
 
周りのみんなが立ち始めたのを見て晴樹もその場に立つ。
一礼だけすると、また着席するよう指示された。
 
…なんのために立ったんだよ。
 
軽く不満に思いながら、また始まった教頭の話に耳を傾ける。
 

⏰:08/08/27 00:17 📱:P704i 🆔:CGYe3kz6


#694 [我輩は匿名である]
頑張ってください

⏰:08/08/27 20:49 📱:F703i 🆔:KFJhbFdw


#695 [我輩は匿名である]
>>1-50
>>51-100
>>101-150
>>151-200
>>201-250
>>251-300
>>301-350
>>351-400
>>401-450
>>451-500
>>501-550

⏰:08/08/28 09:48 📱:F703i 🆔:XpGVpuro


#696 [Mr.RabbIts!]
 

〒匿名さん▽
 
ありがとうございます!
 
今から更新します
遅くなりました〜
 

⏰:08/08/29 00:05 📱:P704i 🆔:.I2aIV46


#697 [Mr.RabbIts!]
 

〒匿名さん▽
 
アンカー
どうもですっ
 
更新遅くなって
すいません
 

⏰:08/08/29 00:06 📱:P704i 🆔:.I2aIV46


#698 [Mr.RabbIts!]
 

最初はその教頭の司会を聞いていた晴樹だったが、あまりにも出てくる人出てくる人が同じような低く、ゆっくり喋るので、眠気をかき立てられていた。
 
…早く終わんないかな。
 
ハァと小さくため息を漏らすと、まだ教頭は話を続けるらしく、しきりにマイクの前で額の脂汗を拭っている。
 

⏰:08/08/29 00:11 📱:P704i 🆔:.I2aIV46


#699 [Mr.RabbIts!]
 

*訂正*
 
出てくる人が同じような
 

 
出てくる人が同じように
 

⏰:08/08/29 00:14 📱:P704i 🆔:.I2aIV46


#700 [Mr.RabbIts!]
 

アクビを噛み殺しながら、必死に耐えていても容赦なく襲ってくる強烈な眠気。
瞼が重くてだんだん視界が閉じていく。それに抵抗しなくなった俺は、そのまま夢の中へ―…
 
「ぶぇっくしゅんっ!!」
 
今の馬鹿デカいクシャミで完全に瞼が開けた。
周りの連中がクスクス笑い出す。
クシャミをした本人はしきりに鼻をこすって、何を勘違いしたのか照れ笑いを浮かべている。
 

⏰:08/08/29 13:04 📱:P704i 🆔:.I2aIV46


#701 [Mr.RabbIts!]
 

孝志のクシャミによって、緊張の糸がほぐれた生徒たちがザワザワし出したのを、教頭が慌てて制す。
 
「静かにしなさい!式中ですよ」
 
その声で少し落ち着きを取り戻す生徒たち。
それから式は予定通りに終わり、生徒たちは各自の教室に入るように指示された。
 

⏰:08/08/29 13:11 📱:P704i 🆔:.I2aIV46


#702 [Mr.RabbIts!]
 

ワラワラと体育館から引き上げて行く生徒たちを眺めながら、長時間座っていたパイプ椅子から立ち上がる。
 
…俺は確か、3組だっけか。
 
「晴樹ー!」
 
パッと声のした方を見ると、孝志が満面の笑みでこちらに小走りでやって来た。
 
「なーに、寝ぼけた顔してんだよっ」
 
あんな長時間話聞かされたら、こうなるのがフツーだろ。
 

⏰:08/08/29 13:21 📱:P704i 🆔:.I2aIV46


#703 [Mr.RabbIts!]
 

「…誰かさんのクシャミのおかげで、居眠りし損ねたからなんじゃない?」
 
そう嫌味を込めて言ってみたが、孝志はまた照れ笑いを浮かべる。
 
「ハハハー。入学式から目立っちゃったぜ!」
 
孝志はそう言って俺の前にブイサインをつくる。
 
「…お前、実はバカだろ」
 
「バレた?…って、バカじゃねーし!!」
 
孝志のノリ突っ込みで一通り笑った後、周りを見渡すともうほとんど体育館には残っていないことに気付いた。
 

⏰:08/08/29 13:26 📱:P704i 🆔:.I2aIV46


#704 [Mr.RabbIts!]
 

「そーいえば、晴樹って何組?」
 
「俺は3組ー」
 
「まじで?俺も3組ー!!じゃあ早く教室行こーぜ」
 
孝志の言葉に頷きながら、同じクラスだった事が嬉しくて教室に着くまで、孝志としょうもない事で笑い合った。
 

⏰:08/08/29 13:31 📱:P704i 🆔:.I2aIV46


#705 [Mr.RabbIts!]
 

晴樹たち3組の教室は三階建て校舎の最上階の東階段を上がって3つ目の教室。と、案内図には書いてある。
 
「……教室、どこだぁーー!!」
 
孝志が横で叫ぶのも無理はない。
体育館を出てから真っ直ぐ東階段に向かい、3階まで上がってきたのだが辿り着いた場所はどう見ても教室ではない。
 

⏰:08/08/29 13:45 📱:P704i 🆔:.I2aIV46


#706 [Mr.RabbIts!]
 

「ヤバイって!もう教室に担任とか、入ってる時間じゃんか!!」
 
二人して慌てていると、晴樹の後ろにあった部屋の扉が勢いよく開いた。
 
―バァン!!
 
…ガツンッ!!!
 
その扉のすぐそばに居た晴樹は開いた扉にはね除けられ、頭と背中を強打した。
 

⏰:08/08/31 21:42 📱:P704i 🆔:jR198klg


#707 [Mr.RabbIts!]
 

「うるさいなぁ!ギャーギャーギャアギャア…って、ん?」
 
扉を開けた本人は白衣を纏い、度の高そうな眼鏡をかけたボサボサ頭の男だった。
扉を開けて孝志を見るなり説教を始めたが、孝志の視線が自分に向けられていないことを不思議に思い、その視線を辿ると扉のすぐそばで、うずくまって頭を押さえている晴樹が居た。
 

⏰:08/08/31 21:47 📱:P704i 🆔:jR198klg


#708 [Mr.RabbIts!]
 

白衣を纏った男は、固まったままの孝志とうずくまったままの晴樹を交互に見て呟いた。
 
「………なんだ?お前たち、ダルマさんが転んだでもやってたのか?」
 
「っんなワケねーだろ!!」
 
白衣の男の寝ぼけた発言に、晴樹は背中の痛みも忘れて勢いよく立ち上がる。
しかしまた背中の痛みが押し寄せてきて、その場に跪く。
 

⏰:08/08/31 21:54 📱:P704i 🆔:jR198klg


#709 [Mr.RabbIts!]
 

「……い…いってぇ…!」
 
「おい、大丈夫か?」
 
男は纏った白衣をなびかせ晴樹に近寄り、晴樹の前にしゃがみ込んだ。
 
「だいじょーぶか、って…そもそもはテメーのせいで…っっ!!」
 
声を張り上げると背中に響き、思わず顔をしかめる。
 

⏰:08/08/31 21:57 📱:P704i 🆔:jR198klg


#710 [Mr.RabbIts!]
 

「…大丈夫じゃなさそうだな…」
 
そう呟くと白衣を纏った男は晴樹の肩と足に手を回した。
 
「なにすん…っ」
「黙ってろ」
 
男は晴樹の抵抗をもろともせず、軽々と晴樹の体を持ち上げると呆然とする孝志を置いて、どこかへスタスタ歩き始めた。
 
「ちょ、俺も行くし!!」
 
孝志は焦って二人を走って追いかけた。
 

⏰:08/08/31 22:05 📱:P704i 🆔:jR198klg


#711 [舞]
気になります頑張ってください

⏰:08/09/02 18:43 📱:F703i 🆔:FK3tZWfE


#712 [我輩は匿名である]
応援していますから頑張ってくださいね

⏰:08/09/04 21:47 📱:F703i 🆔:ld826ZgI


#713 [Mr.RabbIts!]
 

〒舞さん▽
 
ありがとうございます
 
なかなか更新できなくて
すいません(´;ω;`)
 

⏰:08/09/04 22:47 📱:P704i 🆔:VUTax/1c


#714 [Mr.RabbIts!]
 

〒匿名さん▽
 
わあっ( ^ω^ )
心強いです
ありがとうございますっ
 
がんばりますね
 

⏰:08/09/04 22:50 📱:P704i 🆔:VUTax/1c


#715 [我輩は匿名である]
主さんのペースでいいですよ

⏰:08/09/07 19:12 📱:F703i 🆔:wPcp7NNs


#716 [Mr.RabbIts!]
 

〒匿名さん▽
 
ありがとうございます
 
亀更新すいません
今日は更新できると
おもいます(´`)
 

⏰:08/09/11 13:53 📱:P704i 🆔:tpiss7F2


#717 [Mr.RabbIts!]
 

―――
 
「…よし」
 
理科室に籠っていた白衣を纏った男は、一人満足気な声をもらした。
 
男の名前は藤堂 朱鳥(とうどう あすか)。
この中学の理科担当教師である。
 
藤堂は不思議な色の液体が入った試験管を見つめて、整った顔を怪しく微笑ませた。
 

⏰:08/09/11 21:26 📱:P704i 🆔:tpiss7F2


#718 [Mr.RabbIts!]
 

藤堂は今日は入学式が体育館で行われているというのに、朝からずっとこの理科室に一人籠っている。
そしてやっと授業で使いたかった実験の下準備が整ったという所だった。
 
「よし、これは明日の三年生の授業に使えるな」
 
一人そう呟くように言うと、各教室に備え付けてある時計を見上げた。
 

⏰:08/09/11 21:30 📱:P704i 🆔:tpiss7F2


#719 [Mr.RabbIts!]
 

「…あ、式終わっちまったな…。ま、いいか。どうせ出ても出なくても一緒だし」
 
藤堂は授業を受け持つこと以外は入学生とは関わりを持たない。
担任に選ばれたわけでもないし
 
一人そう考えて、今までの下準備で固くなっていた体をおもいきり伸ばし、解放した。
 

⏰:08/09/11 21:34 📱:P704i 🆔:tpiss7F2


#720 [Mr.RabbIts!]
 

「んー…」
 
長身を伸ばしていると、ふと窓に目がとまった。
実験中だったので窓を閉め切っていたことを思い出し、窓までゆっくりと歩を進める。
 
窓を開けると春特有のあたたかい日差しの中の涼しい風が教室を吹き抜けた。
 
…気持ちい。
しばらくの間外を眺め、黄昏ることにした。
 

⏰:08/09/13 13:54 📱:P704i 🆔:31kBC2nw


#721 [Mr.RabbIts!]
 

窓際の椅子に座ってうとうとと眠りに落ちようとしていた藤堂の耳に、廊下から騒がしい声が飛び込んできた。
 
「っんだよ。うっせー…」
 
パッと再び時計を見ると、もうホームルームが始まっている時間になっていた。
 
「なにやってんだよ…。」
 
そう呟きながら、生徒だったら面倒くさいが引っ掴んで教室に届けなくては。
 

⏰:08/09/13 15:50 📱:P704i 🆔:31kBC2nw


#722 [Mr.RabbIts!]
 

藤堂はそんなことを考えながら、不機嫌に扉を威嚇の意も込めて思い切り開けた。
 
―バァン!!
 
…ガツンッ!!!
 
ん…?何か変な音が聞こえたような…。ま、気のせいか。
 
そんなことを考えながら、俺は騒がしかった原因であろう少年を怒鳴りつけた。 

⏰:08/09/13 15:56 📱:P704i 🆔:31kBC2nw


#723 [Mr.RabbIts!]
 

「うるさいなぁ!ギャーギャーギャアギャア…って、ん?」
 
俺はそこで言葉を切った。
俺が結構な剣幕で怒鳴っているにも関わらず、なぜか怒鳴られている少年はジッと開けられた扉のあたりを見ている。
 
不思議に思い、彼の視線を辿っていくと…頭を押さえて蹲っている少年がいた。
 

⏰:08/09/13 16:01 📱:P704i 🆔:31kBC2nw


#724 [Mr.RabbIts!]
 

藤堂は二人の少年を交互に見て考えた。
 
…なにやってんだ?コイツら。
まあ、少なくとも蹲ってるヤツはこの開けた扉に跳ね飛ばされでもしたんだろうけど…。
 
そこで今度は固まったままの少年に目を向ける。
 
…コイツなんで固まったままなんだよ。微動だにしねえ。
あっ!待てよ…。
一人が扉に近づいてて、もう一人が固まったままって、ことは…
 

⏰:08/09/14 09:31 📱:P704i 🆔:9uWkPZMM


#725 [Mr.RabbIts!]
 

 
「………なんだ?お前たち、ダルマさんが転んだでもやってたのか?」
 
ったく、ホームルームも始まってるってのに。最近の中坊は…
 
「っんなワケねーだろ!!」
 
そう叫んで蹲っていた少年が勢いよく立ち上がった。
が、今度は背中を押さえて跪いてしまった。
 

⏰:08/09/14 09:34 📱:P704i 🆔:9uWkPZMM


#726 [Mr.RabbIts!]
 

「……い…いってぇ…!」
 
跪いたまま少年は苦痛に顔を歪めていた。
 
「おい、大丈夫か?」
 
藤堂は急いでその少年の前にしゃがみ込み、様子を窺った。
 
「だいじょーぶか、って…そもそもはテメーのせいで…っっ!!」
 
あーあ…怪我してんなら、大人しくしてりゃいいのに。
ほら、言わんこっちゃない。
少年は再び背中を押さえ、痛みに耐え始めた。
 

⏰:08/09/21 14:51 📱:P704i 🆔:rwmDRVv2


#727 [Mr.RabbIts!]
 

俺は一つため息を吐いた。
面倒くさい事に巻き込まれちまったなぁ、オイ。
そんなことを考えながら、少年を横目で見ながら呟いた。
 
「…大丈夫じゃなさそうだな…」
 
まぁ面倒くさいとはいえ、このまま放っておくわけにもいかず、藤堂は少年を抱え上げた。
 
「なにすん…っ」
「黙ってろ」
 
抵抗をみせる少年を黙らせて、ホームルーム中の静まりかえった廊下を藤堂は歩いていった。
 

⏰:08/09/21 15:00 📱:P704i 🆔:rwmDRVv2


#728 [我輩は匿名である]
わぁっ書かれてるうれしい頑張って、完結してくださいね

⏰:08/09/21 16:01 📱:F703i 🆔:FDXXR/C6


#729 [我輩は匿名である]
失礼します

>>1-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400
>>401-500
>>501-600
>>601-700
>>701-800
>>801-900
>>901-1000

⏰:08/09/21 19:52 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#730 [Mr.RabbIts!]
 

〒匿名さん▽
 
やっと更新できました
ありがとうございます 
また更新できると
おもいまーすっ(´3`)
 

⏰:08/09/23 12:27 📱:P704i 🆔:XsPlb1Ps


#731 [Mr.RabbIts!]
 

〒匿名さん▽
 
アンカー
ありがとうございます
 
また更新しますね
 

⏰:08/09/23 12:30 📱:P704i 🆔:XsPlb1Ps


#732 [Mr.RabbIts!]
 

一階まで下りた三人が着いたのは保健室だった。
 
―ガララ…ッ
 
「田辺くーん」
 
藤堂が呼ぶタベくんとやらはどうやら不在らしく、保健室には誰も居なかった。 
「ちっ。まーたどっかフラフラしてんなアイツ」
 
教師とは思えない言葉遣いで文句を言った後、抱えていた晴樹を近くの椅子に座らせた。
 

⏰:08/09/23 20:25 📱:P704i 🆔:XsPlb1Ps


#733 [Mr.RabbIts!]
 

すぐそばの椅子に自分も座ると、晴樹の顔を覗き込む。
 
「どこが痛む?」
 
「…は…?」
 
初めの印象とはうってかわって優しい藤堂の態度に、晴樹は戸惑った声を上げた。
 
「保険医が居ねーんだ。めんどくせーけど俺が手当てしてやるから、さっさと痛む所があるか答えろ」
 

⏰:08/09/23 20:35 📱:P704i 🆔:XsPlb1Ps


#734 [Mr.RabbIts!]
 

前言撤回。
藤堂のやる気がない上に、なぜかかなりの上から目線の物言いに晴樹はムッとした。
 
「…おい、訊いてんだけど」
 
「…痛むトコなんてねーよ。オマエが勝手に連れてきた…」
 
バシッ
 
「いってぇ!?」
 
憎まれ口をきく晴樹の背中を藤堂は容赦なく叩いた。
 

⏰:08/09/23 20:41 📱:P704i 🆔:XsPlb1Ps


#735 [Mr.RabbIts!]
 

「しょーもねぇ事言ってねーで、さっさと背中みせろ」
 
「〜〜〜っ!」
 
痛みで目にうっすら涙をためて睨み付てくる晴樹の表情に、目を見開く藤堂。
 
なんだ、コイツ…
ほんとうに男かよ。
 
藤堂は少し高鳴った鼓動に戸惑いながら、晴樹に背中をみせるように促す。
 

⏰:08/09/23 20:49 📱:P704i 🆔:XsPlb1Ps


#736 [Mr.RabbIts!]
 

そんな藤堂に渋々といった感じだが、晴樹は背中を向けて服をめくった。
 
晴樹が服をめくった瞬間、藤堂の鼻をあまい匂いがかすめた。
晴樹の体臭だろうか、藤堂は思わず頭を抱える。
 
…おいおい、コイツどこまで…
 
「……おい?」
 
一向にさらした背中みてくれない藤堂に、晴樹から不満そうな声が届く。
藤堂はハッとして「あぁ」とかテキトウに返すと、晴樹の背中に直に触れた。
 

⏰:08/09/25 23:50 📱:P704i 🆔:aG7.vU.c


#737 [Mr.RabbIts!]
 

「……っ!」
 
晴樹は藤堂のヒヤリとした手のひらの感覚に、ぶるりと震えた。
 
「痛むか?」
 
その様子を見て心配そうに藤堂が晴樹を覗き込む。
 
「だ、いじょーぶだし。」
 
なんだか急に恥ずかしくなって、ぷいっと藤堂から目を反らして言うと藤堂に椅子を反転させられた。
 

⏰:08/09/25 23:54 📱:P704i 🆔:aG7.vU.c


#738 [Mr.RabbIts!]
 

「っうあ?!」
 
クルクル回るようにできている丸椅子は、ギシッと大袈裟に音を立てて藤堂と晴樹が向き合うカタチにさせた。
 
「なっ、なんだ…っ」
 
「大丈夫じゃねーよ。ずっと…」
 
藤堂はそこで言葉を切ると、晴樹に向かって手をのばした。
顔に向かってのびてくる藤堂の手に戸惑い、晴樹はギュッと目を瞑った。
 

⏰:08/09/25 23:59 📱:P704i 🆔:aG7.vU.c


#739 [Mr.RabbIts!]
 

「ずっと、ココに皺寄ってんぞ」
 
その藤堂の言葉に瞑っていた目を開くと、藤堂の指が晴樹の眉間をツンツンとつついていた。
 
晴樹がなにか言おうと口を開いた時、保健室の扉が勢いよく開いた。
 
―ガラララッ
 
「はぁー。入学式ってなんであんなに疲れるんだろ……って、ん?」
 
今入ってきた男は、晴樹と藤堂を交互に見比べて固まっている。
 

⏰:08/09/26 00:05 📱:P704i 🆔:HUfH7UfI


#740 [Mr.RabbIts!]
 

「げっ…た、田辺くん……」
 
晴樹に触れていた手をすばやく引っ込めながら、藤堂は何やら怯えた表情を見せた。
藤堂に呼ばれた田辺らしき彼は、俯いていて上手く表情が見れない。
 
「…僕の保健室で、なにやってんのかな?」
 
そう言って顔を上げた田辺はすこぶる笑顔だったが、後ろのオーラになにかどす黒いものを感じた。
 

⏰:08/09/26 00:09 📱:P704i 🆔:HUfH7UfI


#741 [我輩は匿名である]
1-50
51-100
101-151
152-200
201-250

⏰:08/09/26 06:04 📱:F703i 🆔:lG3gWd0c


#742 [我輩は匿名である]
1-50

51-100

101-151

152-200

201-250

⏰:08/09/26 06:05 📱:F703i 🆔:lG3gWd0c


#743 [Mr.RabbIts!]
 

〒匿名さん▽
 
更新のほう.
遅くなりました
すいません
 
また読んでくださいね
 

⏰:08/09/28 22:08 📱:P704i 🆔:GgHh.ThI


#744 [Mr.RabbIts!]
 

「いや、待て。あのな?これは…」
 
さっきまでとは違いオロオロしている藤堂に、孝志はなにやら企んだ顔つきで晴樹の手を掴んだ。
 
「え、なに…?」
 
状況が掴めない晴樹に孝志は「いいから」と言い聞かせて、保健室の扉まで引っ張って行った。
 

⏰:08/09/28 22:15 📱:P704i 🆔:GgHh.ThI


#745 [Mr.RabbIts!]
 

そこで改めて保健室内を振り返り藤堂と田辺を見て、ニヤリと笑った。
 
「じゃあ俺たちオジャマみたいなんで。失礼しまーす」
 
そう言って孝志は晴樹と共に廊下へ出た。
すると、背後から藤堂の焦ったような声が聞こえた。 
「えっ…ちょ、待て……!!」
 
そんな藤堂に孝志はもう一度、意味深に微笑んだ。
 
「あとは二人で、ごゆっくり♪」
 

⏰:08/09/28 22:20 📱:P704i 🆔:GgHh.ThI


#746 [Mr.RabbIts!]
 

―パタン…
 
「「………………」」
 
扉が閉められた途端、しーんと静まり返る保健室内。
しかし藤堂は隣からの刺さるような視線に身を強張らせていた。
その無言のままのチクチクする視線に耐えられず、藤堂はぎこちなく立ち上がっると自分も保健室から出ようと扉に向かった。
 

⏰:08/10/13 09:51 📱:P704i 🆔:EWlPSpi2


#747 [Mr.RabbIts!]
 

「じ、じゃあ俺も戻るわ。実験の準備の途中だったか…っぅあ?!!」
 
言葉の途中で藤堂は腕を引っ張られ、情けない声を上げながら田部の方に引き寄せられた。
 
「…なに、僕から逃げようとしてるの?」
 
「そ、そそそんなわけじゃ…」
 
耳元で囁かれて一気に顔を赤くさせてテンパる藤堂。
田辺はそんな藤堂を楽しげに見た後、急に声を低くした。
 

⏰:08/10/13 09:57 📱:P704i 🆔:EWlPSpi2


#748 [Mr.RabbIts!]
 

「あの子、だれ?」
 
田辺の声色が変わったのに気付いた藤堂はビクリと体を震わせる。
 
「…ケガしたみたいだったから、ここまで連れて来たんだけど……」
 
「僕が居なかった」
 
田辺の付け足しの言葉に藤堂は頷く。
 
「…僕が居ない内に、あーんなことしてたの?」
 
やばい…
 

⏰:08/10/13 10:01 📱:P704i 🆔:EWlPSpi2


#749 [Mr.RabbIts!]
 

知らず知らずの内に俯かせていた顔を上げると、笑顔の田辺と目が合った。
その笑顔のまま田辺は藤堂を問い詰め出した。
 
「あの子、可愛いかったもんね。藤堂先生はあーゆうのがタイプだったんですか?」
 
敬語なんか使ってるけど、完全に怒ってるよ…この人。
 
「ち…ちがっ…」

 
否定の言葉を慌てて口にするも、言い淀んでしまう。
 

⏰:08/10/13 10:07 📱:P704i 🆔:EWlPSpi2


#750 [Mr.RabbIts!]
 

それは一瞬でも晴樹にときめいてしまったからではなくて、目の前の田辺がグッと近づいてきたからだ。
 
「はっ///離れろよ…っ!」
 
「嫌です」
 
そう言った田辺の表情は真剣なもので、その真剣な田辺の顔は藤堂から数センチ離れているほどの距離にあった。
その真剣な表情を少し悲しげに崩すと、田辺は吐き捨てるように呟いた。
 
「…ちょっと、妬きました」
 

⏰:08/10/13 10:13 📱:P704i 🆔:EWlPSpi2


#751 [我輩は匿名である]
頑張ってください

⏰:08/10/17 14:23 📱:F703i 🆔:D/YGsgnI


#752 [ひば☆]
とってもぉもしろいです
次が楽しみです

頑張ってください

⏰:08/10/17 19:38 📱:SH905i 🆔:gr7HI2kg


#753 [Mr.RabbIts!]
 

〒匿名さん▽
 
ありがとうございます
 
がんばりますね
 

⏰:08/10/19 21:44 📱:P704i 🆔:JG6yObSk


#754 [Mr.RabbIts!]
 

〒ひば☆さん▽
 
そう言っていただけると
うれしいです
 
また更新しますねっ
 

⏰:08/10/19 21:46 📱:P704i 🆔:JG6yObSk


#755 [Mr.RabbIts!]
 

「……は…?」
 
藤堂は目を丸くして田辺を見た。
田辺は綺麗な色白の頬を少し赤く染め、藤堂から目を反らした。
 
「…貴方って人は、もう少し自覚をもってください。でないと、僕が困る」
 
一人でぶつぶつ言い出した田辺をじっと見つめる藤堂。
その視線は答えがわからない子供のようで、田辺は口もとをやさしく弛めた。
 

⏰:08/10/19 23:45 📱:P704i 🆔:JG6yObSk


#756 [Mr.RabbIts!]
 

「クスッ。ですから―…」
 
田辺は途中で言葉を切り、藤堂の頬に手を滑らせた。
 
「なに…っ///」
 
「そうやって誘うのは、僕だけにして下さいね」
 
にこり、と微笑む田辺にただ顔を真っ赤に染める藤堂。
このやりとりの直後、小さな藤堂の悲鳴が聞こえたのは、田辺によってベッドに押し倒されたからだった。
 

⏰:08/10/20 08:05 📱:P704i 🆔:bOSwJ.lk


#757 [英人也]
>>001-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400
>>401-500
>>501-600
>>601-700
>>701-800
>>801-900
>>901-1000

⏰:08/10/20 11:20 📱:L705iX 🆔:yNlKyDQI


#758 [Mr.RabbIts!]
 

〒英人也さん▽
 
アンカー
ありがとうございます
 
更新おそくなりました
 

⏰:08/10/22 23:47 📱:P704i 🆔:5Pax.Ue6


#759 [まり]

一気に読みました

めーちゃ楽しいです!

これからも頑張ってください(^ω^)

⏰:08/10/23 00:33 📱:D705i 🆔:☆☆☆


#760 [Mr.RabbIts!]
 

〒まりさん▽
 
ありがとう
ございます
 
いまから
更新しますね
 

⏰:08/10/23 21:33 📱:P704i 🆔:rmMfYrw.


#761 [Mr.RabbIts!]
 

「ふあ〜あっ、気持ちいー!」
 
そう言ってめいいっぱい背伸びをする孝志の背中を、晴樹は不満そうに睨み低い声で呼び掛ける。
 
「…おい」
 
「やっぱ屋上っていいなー。」
 
「おい」
 
「俺一回は来てみたかったんだよな、屋上。いやー、やっぱ開放的で…」
 
「おい!!」
 

⏰:08/10/23 21:37 📱:P704i 🆔:rmMfYrw.


#762 [Mr.RabbIts!]
 

怒鳴りつけるような声を出すと、やっと孝志は気付いたようで晴樹を振り返った。
 
「なんだよー?そんな眉間にシワ寄せちゃって〜」
 
半笑いの孝志の表情からわかるのは、先程のセンセイのマネでもして、晴樹をばかにしているのだろう。
 
「っせぇよ!つか、なんで屋上に連れて来たんだよ!?もう完全にホームルーム出れないじゃんか…」
 
そう言って唇を尖らせる晴樹に対して、孝志は不思議そうに首を傾げた。
 

⏰:08/10/23 21:42 📱:P704i 🆔:rmMfYrw.


#763 [Mr.RabbIts!]
 

「晴樹お前、この中途半端な時間からホームルーム出る気あったのかよ?」
 
「そっ…それは〜……」
 
言い淀む晴樹の様子を見て、孝志は満足気に頷いた。
 
「ほらなっ!皆がせまい教室に閉じ込められてる間に、俺たちだけこんな開放的なトコに居るんだぜ?なんか得したキブン〜♪」
 
能天気なことを言って、晴樹が座っている隣に寝転がる孝志。
 

⏰:08/10/23 21:48 📱:P704i 🆔:rmMfYrw.


#764 [Mr.RabbIts!]
 

「…まぁな。確かに、そーかも」
 
そんな孝志に同意して、晴樹も同じようにその場に寝転がる。
 
「やべー。気持ちいー…」
 
「だろー?今日はあったかいからな。もう俺、寝ちゃい…そ………」
 
隣が静かになったと感じ、晴樹が孝志を見てみると…
 
「……爆睡かよ。」
 
孝志は鼻をふがふがいわせながら、気持ち良さそうに眠ってしまった。
 

⏰:08/11/09 00:58 📱:P704i 🆔:HbgQGy5w


#765 [Mr.RabbIts!]
 

「つか、眠りにおちるの早すぎだろ…」
 
そんなことを言っていた晴樹も、だんだんウトウトしてきた。
瞼が重い。隣で気持ち良さそうに眠っている孝志を見て、さらに瞼が下がっていく。
 
晴樹は特に抵抗する理由もなかったため、そのままズルズルと眠りにおちた。
 

⏰:08/11/09 01:02 📱:P704i 🆔:HbgQGy5w


#766 [我輩は匿名である]
頑張れ

⏰:08/11/09 01:06 📱:SH905i 🆔:mEyXbUuI


#767 [Mr.RabbIts!]
 

〒匿名さん▽
 
ありがとうございます
 
がんばりますね
 

⏰:08/11/09 22:31 📱:P704i 🆔:HbgQGy5w


#768 [美咲]
支援あげ

⏰:08/11/17 20:19 📱:SH903i 🆔:/VCwmNNk


#769 [Mr.RabbIts!]
 

〒美咲さん▽
 
すいません
かなり更新おそくなりました
 
携帯こわれちゃって.・
前の携帯から更新します
(´・ω・`)
 

⏰:08/11/24 14:26 📱:N702iD 🆔:enV6AKIA


#770 [Mr.RabbIts!]
 

――――
 
「……ん…っ」
 
あれから眠りにおちてしまった晴樹は、ふと目を覚ました。
むくりとカラダを起こしてとなりを見ると、孝志はまだ鼻をふがふがいわせながら眠っていた。
そんな孝志を見て、ふふっと笑っていると冷たい風が晴樹のカラダに吹きつけた。
 

⏰:08/11/24 14:36 📱:N702iD 🆔:enV6AKIA


#771 [Mr.RabbIts!]
 

「寒ぃー…って、ぎゃあ?!!」
 
晴樹が空を見て叫ぶと、孝志がノソノソと起きだした。
 
「…んだよーっ。うるせんだよ、寝かせろよ……」
 
そう言ってまた寝ようとする孝志を晴樹は叩き起こした。
 

⏰:08/11/24 14:42 📱:N702iD 🆔:enV6AKIA


#772 [Mr.RabbIts!]
 

「ぅおい!起きろよ!!ばか孝志っ」
 
「だれが馬鹿だ!この天才にむかって、なんちゅーことを…っ」
 
まだ寝呆けている孝志に、晴樹はため息を吐くと空を指さした。
 
「おい、テンサイくん。日暮れてるんだけど」
 
「………わぉ」
 

⏰:08/11/24 14:46 📱:N702iD 🆔:enV6AKIA


#773 [Mr.RabbIts!]
 

「『わぉ』じゃねーよ!!学校閉められんぞ!」
 
「なんだよ!じゃあなんて反応して欲しかったんだよ!?『ギャオ』か?『ギャオ』なら満足なんか!!?」
 
わけの分からない言い合いをしながら、二人は急いで屋上から階段を一気に掛け下りる。
 

⏰:08/11/24 14:52 📱:N702iD 🆔:enV6AKIA


#774 [舞]
最新待ってました

⏰:08/11/24 15:00 📱:F703i 🆔:rmweZ.IQ


#775 [Mr.RabbIts!]
 

〒舞さん▽
 
そう言っていただけると
うれしいです
 
携帯あたらしいのに
かえましたので
また更新してきますね
 

⏰:08/11/30 23:47 📱:P906i 🆔:5zo/Yo2M


#776 [Mr.RabbIts!]
 

生徒用玄関へ続く廊下を走りながら、孝志はキョロキョロと静まり返った学校内を見渡していた。
 
「いま何時だよ!?」
 
孝志の問い掛けに、晴樹は靴を履きながらポケットから取り出した携帯に視線を走らせた。すると画面に映し出された数字に、視線を外せなくなった。
 

⏰:08/11/30 23:54 📱:P906i 🆔:5zo/Yo2M


#777 [Mr.RabbIts!]
 

固まってしまったままの晴樹に痺れをきらしたのか、孝志は乱暴に携帯を晴樹から奪い取った。
 
「…なんだよ。まだ5時半じゃんか。てっきり6時とか7時かと……」
 
時刻を確認して安堵した孝志が携帯を返そうと、晴樹の方を振り向くと。
 
「え、なんでそんな顔してんの」
 
晴樹の顔は真っ青だった。
 

⏰:08/12/06 16:53 📱:P906i 🆔:xBN3wsB6


#778 [Mr.RabbIts!]
 

「…こっ、殺される……」
 
尋常じゃない程に怯えている晴樹に、孝志が困惑しながらも声を掛けようとした時―…
 
「晴樹っ!!」
 
廊下の方から晴樹の名前を呼ぶ声がした。
その声に晴樹は目を見開き声のした方を見た。
 

⏰:08/12/06 17:01 📱:P906i 🆔:xBN3wsB6


#779 [Mr.RabbIts!]
 

孝志もそちらを見てみると、長身で美形な高校生くらいの男が2人と…
 
「うわっ、昼間のボサボサ頭のエラソーな教師とアブナイ保険医…」
 
孝志がそう言って指さすと、説明された2人は順番に顔を歪めた。
 
「…エラソーで悪かったな。ってか、ほんとにまだ居るとはな…」
 
ボサボサ頭の(以外省略)の言葉に孝志が首を傾げていると、2人の美形が晴樹の元に駆け寄った。
 

⏰:08/12/06 17:11 📱:P906i 🆔:xBN3wsB6


#780 [Mr.RabbIts!]
 

晴樹の知り合いかな…などと孝志がノンキに考えていると、2人のうち髪をツンツンに立たせている方が拳を振り上げた。
 
ゴチンッ!
 
「い゙っ…てぇ゙〜〜!!」
 
晴樹はその男にいきなりどつかれた。
どつかれた頭のてっぺんを押さえながら、晴樹は涙目になっていた。
 

⏰:08/12/06 17:17 📱:P906i 🆔:xBN3wsB6


#781 [Mr.RabbIts!]
 

「お前こんな時間まで、何してたんだよ!!?」
 
すごい剣幕でまくし立てるツンツンの男を、横にいた優しそうな男がたしなめる。
 
「直樹っ!やりすぎだバカ」
 
「…だってコイツが心配かけるから」
 
2人のやりとりを上目遣いに見ながら、晴樹は「ごめんなさい」と小さく謝った。
 

⏰:08/12/06 18:39 📱:P906i 🆔:xBN3wsB6


#782 [Mr.RabbIts!]
 

「…で、こんな時間まで何してたんだよ」
 
不機嫌そうに直樹と呼ばれた男が口を開いた。
晴樹はちらっと孝志を見た。
その視線に気づいたのか、2人の美形も孝志を見る。
 
「…アイツと屋上で寝てた」
 
晴樹の言葉に晴樹と孝志以外の全員が固まった。
 

⏰:08/12/06 18:43 📱:P906i 🆔:xBN3wsB6


#783 [Mr.RabbIts!]
 

一気に集まる孝志への視線。
また何を勘違いしたのか、嬉しそうにへらっと笑い頭をかく孝志。
 
「え?なに、なんで俺こんなに注目されてんの?」
 
そう言って晴樹を見るが、晴樹も不思議そうにみんなを見ている。
再び視線を他の4人に移すと、バカな孝志でも気づいたことが一つ。
 
「…あれー?俺ってば、そこの美形のお二人さんに何か睨まれてね?」
 

⏰:08/12/06 18:48 📱:P906i 🆔:xBN3wsB6


#784 [Mr.RabbIts!]
 

孝志のその言葉でハッとする2人。
 
「…あ、眠ってたって意味だよな?晴樹」
 
優しそうな男が晴樹に問いかけると、当然のように「そうだよ」と返ってきたことにその場にいた4人は胸を撫で下ろした。
 
「どこまで心臓に悪いやつなんだよ…お前は」
 
そう言う直樹に意味がわからないといった顔を向ける晴樹。
 

⏰:08/12/06 18:52 📱:P906i 🆔:xBN3wsB6


#785 [Mr.RabbIts!]
 

「っていうか、なんで龍さんと兄貴がここに居るの?」
 
あぁ…兄貴だったんだ。と孝志が思っていると、晴樹の兄貴はまた怒鳴り出した。
 
「なんで居るのってな…お前が入学式終わっても帰って来ねぇし!携帯にかけても出ねぇから心配して来たに決まってんだろーが!!」
 
キレ気味の兄貴を龍さんとやらが「まぁまぁ」とか言って抑えてる。
 
「………ごめんなさい」
 
晴樹は唇を尖らせて拗ねたように謝った。
 

⏰:08/12/06 18:58 📱:P906i 🆔:xBN3wsB6


#786 [Mr.RabbIts!]
 

「…おーい、森下くん。まう僕たちの役目は終わったことだし、早く帰りなさい」
 
アブナイ保険医がそう言うと、龍さんが苦笑いした。
 
「すいません。ご迷惑をおかけして」
 
「まったくだよ。せっかくノってきたって時に邪魔するんだもん。」
 
龍さんが謝ると、保険医はプクーっと膨れて、まるでオモチャを取られた子供の様な仕草を見せた。
そんな保険医を見て、孝志が龍さんと直樹を見た。
 
「ダメじゃん。邪魔しちゃ〜!せっかく俺が気ィ効かしたのに」
 

⏰:08/12/07 04:32 📱:P906i 🆔:AdEwAsHg


#787 [Mr.RabbIts!]
 

訂正
 
『森下くん、まう…』

『森下くん、もう…』
ですっ!!!
 
あと森下ってのは
龍さんの名字です
 
森下 龍(もりした りゅう)
初公開ですねっ
 

⏰:08/12/07 04:36 📱:P906i 🆔:AdEwAsHg


#788 [Mr.RabbIts!]
 

孝志のその言葉を聞いた直樹は顔をしかめ、龍さんはクスクス笑っている。
 
「なんちゅーガキだよ。マセすぎだろ…」
 
「ガキゆーな!!あんたがニブイだけじゃねーのっ!?」
 
直樹の言葉にムキになって返す孝志は、最後にフンっと鼻を鳴らしてそっぽを向いて見せた。
 

⏰:08/12/07 04:43 📱:P906i 🆔:AdEwAsHg


#789 [Mr.RabbIts!]
 

その孝志の言動にカチンときたのか、直樹もムキになって言い返す。
 
「は…?俺がニブイだと?俺はソッチの世界に対しての興味と理解が無いだけで…!!」
 
「じゃあウトイんだ」
 
そう言ってのける孝志に直樹の反論はまだまだ続きそうだ。
そんな2人を置いて、龍さんは微笑まし気に母校の教師と話していた。
 

⏰:08/12/07 04:44 📱:P906i 🆔:AdEwAsHg


#790 [Mr.RabbIts!]
 

「よかったじゃないですか田辺先生。理解のある生徒が出来て」
 
「そうですね。彼はなかなか空気の読める少年ですよ。森下くん以来かな」
 
「俺にはそんな趣味は無いですけどね。」
 
そう言って微笑み合っている2人に晴樹は駆け寄る。
 
「りゅっ龍さん!兄貴たちが…」
 
どうにかしてよ…とせがみ腕に抱きつく晴樹に龍が苦笑いしていると、田辺がふふっと笑った。
 

⏰:08/12/07 04:50 📱:P906i 🆔:AdEwAsHg


#791 [我輩は匿名である]
面白いので頑張ってください

⏰:08/12/07 08:30 📱:F703i 🆔:vtVTqWVM


#792 [Mr.RabbIts!]
 

〒匿名さん▽
 
ありがとうございます
すごくうれしいです
 
また合間ぬって
更新してきますねっ
 

⏰:08/12/07 21:14 📱:P906i 🆔:AdEwAsHg


#793 [ルナ]
>>1-100
>>100-200
>>200-300
>>300-400
>>400-500
>>500-600
>>600-700
>>700-800
>>800-900
>>900-1000


頑張ってください

⏰:08/12/08 21:06 📱:P903i 🆔:EpQDo842


#794 [Mr.RabbIts!]
 

〒ルナさん▽
 
アンカーどうもです
 
すごくうれしいです
ありがとうございます
 

⏰:08/12/11 01:50 📱:P906i 🆔:M4Bd3pUc


#795 [Mr.RabbIts!]
 

「マセガキ!!」
 
「ガキゆーなっつーの!この、鈍感ヤロー!!!」
 
二人の口喧嘩がヒートアップしている所に、龍さんはなだめに入った。
 
「まぁまぁ。そんなにアツくなる事じゃないだろう?二人共」
 
龍さんの言葉に直樹は少し冷静になったようだった。しかし孝志はまだ納得いかないような表情を浮かべている。
 

⏰:08/12/25 22:25 📱:P906i 🆔:xxWKLt0k


#796 [Mr.RabbIts!]

 
「俺はガキじゃねーのに、ソイツが何回言ってもわかんねーから…」
 
孝志が頬を膨らませてそう言うとまた直樹にも火がついたようだ。
 
「…そいつ?目上の人に対しての言葉遣いがなってないんじゃないのか?」
 
「目上の人?弟に暴力振るうような人、目上のヒトとは認めないね。このボーリョク、オトコ」
 
二人の言い合いに晴樹は龍さんの後ろで怯えていた。
そんな晴樹を見て、龍さんは苦笑いを溢した。
 

⏰:08/12/25 22:30 📱:P906i 🆔:xxWKLt0k


#797 [Mr.RabbIts!]
 

「んだとっ!?もういっぺん言ってみろ!」
 
「ボーリョクオトコの鈍感ヤロー」
 
「このガキ…っ!悪口増やしてんじゃねーよ!!」
 
「だから俺はガキじゃねーっつってんだろ?!」
 
玄関でギャーギャー言い合っている二人に呆れて、すでに藤堂と田辺は学校内に引き上げていってしまった。
 

⏰:08/12/25 22:36 📱:P906i 🆔:xxWKLt0k


#798 [Mr.RabbIts!]
 

龍もさすがに呆れていると、晴樹がキュッと龍の服の裾を掴んだ。
あわてて晴樹を振り向くと潤んだ瞳と目が合い、思わず体が硬直する。
 
「…りゅーさん、二人共怖いよ……」
 
ズキューン。
 
龍はすぐさま言い合いを止めない二人の元に歩み寄った。
 

⏰:08/12/25 22:40 📱:P906i 🆔:xxWKLt0k


#799 [Mr.RabbIts!]
 

「んなこと言ってる時点でガキなんだよっ」
 
「うるせー!テメェなんかハゲろ!!」
 
そんなくだらない言い合いをしている二人に龍は声をかける。
 
「おい」
 
二人は龍に目を向けると固まってしまった。
さらに二人に近づくと龍は二人に低い声で呟いた。
 
「それぐらいにしとけや」
 

⏰:08/12/25 22:44 📱:P906i 🆔:xxWKLt0k


#800 [Mr.RabbIts!]

 
それからおもしろいくらいに二人の口喧嘩はピタッと止み、晴樹は龍さんに「ありがとっ」と言って抱きついた。
龍さんはあいかわらず優しく晴樹を撫でてくれた。…少し頬が上気していたが。
 
それから晴樹の中では龍さんはヒーローとなったのであった。
 

⏰:08/12/25 22:47 📱:P906i 🆔:xxWKLt0k


#801 [Mr.RabbIts!]
 

「じゃあな、孝志〜」
 
あれから四人で仲良くとはいわないが一緒に帰り、一人反対方向の孝志と別れる。
孝志は手を振ってから、直樹をちらっと見るとべっと舌を出した。
 
「あのガキ…っ!」
 
孝志はフフンと得意気に笑うと三人に背を向けて帰っていった。
 

⏰:08/12/26 13:51 📱:P906i 🆔:qZFmjpzA


#802 [Mr.RabbIts!]
 

「晴樹、あいつとだけは仲良くするなよ」
 
去っていく孝志を睨みながら晴樹にそう促す直樹。
 
「なんでだよっ。孝志はいい奴だよ」
 
そう言って頬を膨らす晴樹に直樹は信じられないといった表情をした。
 
「あのガキがいい奴なら、他の奴らは神だ!神っ」
 
「…そりゃ言い過ぎだろ」
 
ムキになる直樹を龍がそうなだめると、晴樹が呟いた。
 

⏰:08/12/26 13:58 📱:P906i 🆔:qZFmjpzA


#803 [Mr.RabbIts!]
 

「兄貴がガキガキゆうからじゃん。孝志だってムキになって言い返してるだけで…ホントはいい奴なんだって!」
 
晴樹の曇りない綺麗な瞳で見上げられて、直樹は言い淀んだ。
 
「晴樹の言う通りだと、俺は思うよ」
 
龍にもそう微笑まれ、なんだか居ずらさを感じる。
 

⏰:08/12/26 14:02 📱:P906i 🆔:qZFmjpzA


#804 [Mr.RabbIts!]
 

しかしそう言われても素直になれるほど、直樹は器用な人間ではなかった。
 
「……ふんっ。とにかく、あいつを家に呼んだりすんじゃねーぞ!あのガキと顔合わせるのなんか、もうごめんだからな」
 
そう言って直樹はさっさと帰り道を歩き始めた。
龍も呆れたように笑っている。
 
「…っ兄貴のわからずや!」
 
晴樹は後ろから思い切り直樹に突っ込んだ。
 

⏰:08/12/26 14:08 📱:P906i 🆔:qZFmjpzA


#805 [Mr.RabbIts!]
 

油断していた直樹は前のめりに転けそうになった体を、なんとか支えて振り返った。
 
「いってーな!なにすんだよ」
 
「うるさいうるさい!ばか兄貴っ」
 
「はっ…?ばっばかぁ!?」
 
よっぽどの事がないと暴言を吐かない晴樹に、暴言を浴びせられ面食らう直樹。
 

⏰:08/12/26 14:13 📱:P906i 🆔:qZFmjpzA


#806 [Mr.RabbIts!]
 

「なんと言われようと俺は孝志好きだもん!」
 
晴樹は、い゙ー〜っと直樹を威嚇して、呆然とする2人の前を歩いていった。
 
「おっ…おい、晴樹!どーゆう意味だよ?!それっ」
 
慌てて追いかける直樹に、晴樹は振り返ると直樹を睨み付けた。
 
「兄貴なんか大っ嫌いだ」
 

⏰:08/12/27 14:48 📱:P906i 🆔:gBIXPaSw


#807 [我輩は匿名である]
>>1-100

>>101-200

>>201-300

>>301-400

>>401-500

>>501-600

>>601-700

>>701-800

>>801-900

⏰:08/12/28 07:46 📱:F703i 🆔:QYOkkEE2


#808 [Mr.RabbIts!]
 

〒匿名さん▽
 
アンカー
ありがとうございます
 
いまから更新
しますね〜
 

⏰:08/12/29 04:27 📱:P906i 🆔:btK9cYJ6


#809 [Mr.RabbIts!]
 

あれからの帰り道、直樹が何回話しかけても晴樹はスルーで、龍が苦笑いを浮かべていたのは言うまでもない。
 
「龍さんバイバイっ」
「…じゃあな、龍」
 
若松家まで二人を送ると、龍は軽く手を振って帰っていった。
再び訪れる沈黙。
 

⏰:08/12/29 04:32 📱:P906i 🆔:btK9cYJ6


#810 [Mr.RabbIts!]
 

「…おい、晴樹」
 
無視。
 
晴樹は一人そのまま玄関へと歩いていく。
その後を慌てて追いかける直樹。
 
「…ただいまー」
 
そう言って晴樹が玄関から家へ入ると、なにかに驚いて固まってしまった。
直樹が後ろから覗き込むと、父親の光が玄関の扉を開いたすぐの所にいた。
 

⏰:08/12/29 04:35 📱:P906i 🆔:btK9cYJ6


#811 [Mr.RabbIts!]
 

「…晴樹」
 
「…はい……」
 
晴樹が恐る恐る返事をした瞬間、いきなり光は晴樹に抱きついた…というか飛び付いた。
 
「お父さん心配したんだぞー!入学式は昼で終わるのにレッスンの時間になっても、夕方になっても帰って来ないからー!!」
 

⏰:08/12/31 00:54 📱:P906i 🆔:DB7uTdnI


#812 [Mr.RabbIts!]
 

耳元で泣き叫ばれてキーンと耳鳴りに襲われていると、光は少し晴樹と距離をとって真剣な顔になった。
 
「なにしてたんだ?連絡も入れただろう?」
 
たしかに晴樹の携帯には尋常じゃないくらいに、父と兄と龍さんからの着信があった。
 

⏰:08/12/31 01:01 📱:P906i 🆔:DB7uTdnI


#813 [Mr.RabbIts!]
 

「…ごめんなさい」
 
謝ることはできたが、次に続く言葉が出てこない。
 
寝てました。なんて言えないだろう…この状況で。
 
そんな事を悶々と考えていると、意外とあっさり光は引き上げた。
 
「まぁ、これからはあんまり心配かけるんじゃないぞ?」
 

⏰:08/12/31 01:07 📱:P906i 🆔:DB7uTdnI


#814 [Mr.RabbIts!]
 

理由も深く問わずに引き上げた光に拍子抜けしながらも、晴樹はもう一度「ごめんなさい」と謝った。
光はそんな晴樹にやさしく微笑んで「分かればいいよ」と髪をくしゃっと撫でた。
そして直樹に視線を移した。
 
「直樹、悪かったな。忙しいのに…ホントは俺が探しに行きたかったんだが……」
 

⏰:08/12/31 01:13 📱:P906i 🆔:DB7uTdnI


#815 [Mr.RabbIts!]
 

「父さんの方が忙しいだろう。だいたい父さんが抜けてきちゃったら、会社が大変なことになるし」
 
直樹の言葉に光は「すまんすまん」と苦笑いを浮かべた。
 
ホントにこの男なら、仕事を放り投げてでも自分を探しにきそうだ。と考えて晴樹はため息を吐いた。
すると、直樹も同じことを考えていたのか、同じタイミングでため息をついたため、思わず直樹を見てしまいバッチリ視線が合ってしまった。
 

⏰:08/12/31 01:21 📱:P906i 🆔:DB7uTdnI


#816 [Mr.RabbIts!]
 

ぷいっ
 
しかし晴樹はすぐに目を反らした。直樹は何か言いたげに口をパクパクさせている。
そんな2人のぎこちない空気を察してか、光は笑顔で晴樹に話しかけた。
 

⏰:09/01/07 16:47 📱:P906i 🆔:cwsgEEHE


#817 [Mr.RabbIts!]
 

「そーだ!晴樹、友達は出来たか〜?」
 
その光の言葉にピクリと2人は肩を震わせた。
光はそんな2人の反応に、首をかしげる。
 
しかし晴樹は瞬時にニパッと笑い、光に嬉しそうに話した。
 
「出来たよ!スゲーいい奴なんだ!!孝志っていうんだけど…今度、家に連れてきてもいいかな?」
 

⏰:09/01/10 14:30 📱:P906i 🆔:Dovidj8k


#818 [Mr.RabbIts!]
 

晴樹の言葉にギョッとする直樹。
 
「おいっ晴樹…!」
 
「いいじゃないか!連れてきなさい。父さんも会って話がしたいし」
 
ハッハッハと愉快そうに笑う光とは反対に、直樹はとても嫌そうな表情を浮かべていた。
 

⏰:09/01/10 14:32 📱:P906i 🆔:Dovidj8k


#819 [Mr.RabbIts!]
 

翌朝
 
光が仕事へ行き、母親が洗濯のため席を外している兄弟2人だけの食卓には、朝から沈黙が重たく流れていた。
 
その沈黙に耐えられず、先に口を開いたのは直樹だった。
 

⏰:09/01/31 20:40 📱:P906i 🆔:Q0ZdYesg


#820 [Mr.RabbIts!]

 
「………おい」
 
「…………。」
 
「おい」
 
「……………。」
 
「おい、晴「ごちそうさまでした!」…」
 

⏰:09/01/31 20:40 📱:P906i 🆔:Q0ZdYesg


#821 [Mr.RabbIts!]
 

晴樹はそれだけ言うと、席を立って自分の分の食器を洗い出した。
 
直樹はため息を吐いて眉間の皺を濃くした。
 
「…ごちそうさま」
 
そう言って直樹も席を立ち食器を持って晴樹の方へ近寄っていくと、晴樹は素早く洗い終えた食器を片付けるとさっさと自分の部屋に戻って行ってしまった。
 

⏰:09/01/31 20:49 📱:P906i 🆔:Q0ZdYesg


#822 [Mr.RabbIts!]
 

「…なんだってんだよ」
 
直樹は掴んでいたスポンジを投げつけた。
 
暫くすると晴樹が靴を履く音と、玄関の扉の開閉する音が耳に届いた。
 

⏰:09/01/31 20:52 📱:P906i 🆔:Q0ZdYesg


#823 [Mr.RabbIts!]
 

バタン。
 
晴樹は閉めた玄関の扉に寄りかかり、空を見上げてため息を溢した。
 
「…はぁ〜。またやっちゃったよ……」
 
いつまでも意地を張って、兄貴と話したくないわけじゃない。
自分だって早く仲直りして、孝志とも仲良くしてもらいたいだけなのに、気持ちとは裏腹に素直になれない自分に、晴樹自身苛立っていた。
 

⏰:09/02/09 00:12 📱:P906i 🆔:UW1ANh9.


#824 [Mr.RabbIts!]
 

晴樹は髪をクシャクシャと掻きむしった。
 
「…あー…もうっ!!」
 
ガチャ
 
「「えっ」」
 
その瞬間ちょうど家から出てきた直樹が玄関の扉を開いたため、二人共目を合わせて驚いた。
 
「…なっ何だ、お前まだ居たのか」
 
「…………っ!!うるせー!今から行くんだよ!!」
 

⏰:09/02/09 00:16 📱:P906i 🆔:UW1ANh9.


#825 [Mr.RabbIts!]
 

それだけ叫ぶように言うと晴樹は走って行ってしまった。
 
残された直樹は玄関の扉に背を預けて、空を見上げため息を吐いた。
 
「…あー…何やってんだか…
 
仲直りしたいだけなんだけどなぁ。それだけポツリと呟くと、直樹も学校へと向かい出した。
 

⏰:09/02/09 00:19 📱:P906i 🆔:UW1ANh9.


#826 [Mr.RabbIts!]
 

「…あー…何やってんだか…」←
 
この」足りなかったですね

すいません
 

⏰:09/02/09 00:23 📱:P906i 🆔:UW1ANh9.


#827 [Mr.RabbIts!]
 

その頃、晴樹は昨日歩いた道を再び歩いて学校へと向かっていた。
 
「まだ居たのかって…居ちゃ悪ぃのかよっ」
 
晴樹が膨れっ面で歩いていると、後ろからの聞き覚えのある声に呼び止められた。
 
「晴樹!おはよーっす」
 
「孝志っ!おはよう!!」
 

⏰:09/02/10 01:39 📱:P906i 🆔:0UVcSnG.


#828 [Mr.RabbIts!]
 

ニカッと笑い、あいさつを返すと孝志に顔を覗き込まれた。
 
「?なに??」
 
「いや、さっきまではしかめっ面してたのになぁと思って」
 
孝志は茶化すようにそう言った。
 

⏰:09/02/21 21:23 📱:P906i 🆔:V.jPLTfY


#829 [我輩は匿名である]
>>1-100


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⏰:09/02/26 05:30 📱:F703i 🆔:9AWxhzEs


#830 [Mr.RabbIts!]
 
匿名さん
 
アンカーありがとうございます
更新遅くなりました
今から更新しますね
 

⏰:09/03/08 00:15 📱:P906i 🆔:2OXAcS6Y


#831 [Mr.RabbIts!]
 

図星を突かれた晴樹は少し口ごもった。
 
「べっ…べつに……」
 
そんな晴樹に孝志はため息を吐いた。
 
「嘘つけ。……兄貴とケンカでもしたか?」
 
事実を言い当てられた晴樹は、目を見開いて驚いた。
 

⏰:09/03/08 00:19 📱:P906i 🆔:2OXAcS6Y


#832 [Mr.RabbIts!]
 

「孝志って、実はエスパーなのかっ!?」
 
「そうそう、俺も自分の力にビックリしてんだよー…って、んなワケねぇだろ!!」
 
本気で驚いている晴樹に合わせて、思わず乗っかってしまった孝志は一人ノリツッコミをするハメになった。
 

⏰:09/03/08 00:23 📱:P906i 🆔:2OXAcS6Y


#833 [Mr.RabbIts!]
 

そんな孝志に納得がいかない、という顔をして晴樹が訊く。
 
「じゃあ、何で分かったんだよ?俺と兄貴がケンカしてるって…」
 
そんな晴樹に孝志は呆れ気味に話した。
 
「そんなん、だいたい分かるだろ。昨日のやり取り見せられたら…ま、ケンカの原因は俺ってトコだろうな」
 

⏰:09/03/08 00:26 📱:P906i 🆔:2OXAcS6Y


#834 [Mr.RabbIts!]
 

そうベラベラ説明する孝志に、晴樹は本題を忘れて目を輝かせた。
 
「すげー!やっぱ孝志って、エスパーだよ!!」
 
「そうそう、実は俺が一番、自分自身の不思議な力に驚いててさ…って、だからぁ!!」
 
そんな言い合い?の中、晴樹と孝志は学校へと向かっていった。
 

⏰:09/03/08 00:30 📱:P906i 🆔:2OXAcS6Y


#835 [Mr.RabbIts!]
 

「三組の下駄箱ってどこだよ?」
 
「え〜?あ、こっちこっち!」
 
晴樹と孝志はフラフラと慣れない足取りで玄関へと辿り着いた。
 
上履きに履き替え廊下へと一歩出たとき、校内放送が流れた。
他の生徒が反応を示す中、2人も例外ではなく放送の内容に耳を傾ける。
 

⏰:09/03/14 23:13 📱:P906i 🆔:VsfdzYyk


#836 [Mr.RabbIts!]
 

『ガタガタッ……―ゴホン…えー、連絡します。新一年生で三組の多田孝志、若松晴樹。今呼んだ二人は、今すぐに職員室の担任の所まで来なさい。』
 
「「……は…?」」
 
二人は顔を見合わせた。
 
「…今お前、呼ばれてなかった?」
 
孝志がやっと口を開いた。孝志の言葉に晴樹は素早く反応した。
 

⏰:09/03/16 00:58 📱:P906i 🆔:lqh16y/I


#837 [Mr.RabbIts!]
 

「孝志も呼ばれてたじゃんか!てか、『ただ』って名字だったの?!」
 
晴樹は不思議そうに孝志を見た。
孝志は居心地悪そうに、晴樹から視線を反らした。
 
「……まぁ、そうだけど」
 
孝志が質問の答えを肯定すると、晴樹は思わずぷっと吹き出した。
 

⏰:09/03/16 01:02 📱:P906i 🆔:lqh16y/I


#838 [Mr.RabbIts!]
 

笑い出した晴樹を見て、慌てる孝志は軽く赤面しながら怒鳴った。
 
「なっ…なにがおかしいんだよ?!///」
 
そんな孝志にごめんごめんと謝りながら、まだ少し笑いながら晴樹は言った。
 
「だって、『ただたかし』って『た』多すぎだし。名前がおっかしーい」
 
それだけ言うと、恥ずかしさで睨む孝志を無視して、晴樹は暫く笑い続けた。
 

⏰:09/03/16 01:05 📱:P906i 🆔:lqh16y/I


#839 [Mr.RabbIts!]
 

そんな晴樹に孝志が何か言いかけたとき―…
 
「晴樹っ!お前なぁ…っ」
 
「コラ、そこの2人。こんなとこで何してんだ?」
 
晴樹と孝志が辺りを見回すと、周りに生徒たちは居なかった。
2人は顔を見合わせてから、声のした方を向いた。
 

⏰:09/03/16 22:58 📱:P906i 🆔:lqh16y/I


#840 [Mr.RabbIts!]
 

2人が振り向いた先には藤堂がいた。
 
「あっ!昨日のボサボサ頭の…」
 
「(ムカッ)藤堂だ。」
 
孝志の言葉を遮った藤堂は2人に近づき、2人の前で歩を止めた。
 

⏰:09/03/20 15:21 📱:P906i 🆔:gH4Rmu32


#841 [Mr.RabbIts!]
 

「なにボーッと突っ立ってんだ。さっきの放送聞いてただろ?早く職員室に…」
 
呆れながら言う藤堂に2人は顔を見合わせてから、声を揃えて言った。
 
「「職員室ってドコ?」」
 
「……は…?」
 

⏰:09/03/22 11:04 📱:P906i 🆔:je0j.Rhs


#842 [Mr.RabbIts!]
 

「…ったく、何で俺はこうよくも面倒事に巻き込まれるんだ…」
 
藤堂はブツブツ言いながら2人を職員室まで引き連れて来た。
扉の上についている『職員室』と書かれたプラスチックの札を確認して、藤堂は2人に中に入るよう促した。
 

⏰:09/03/22 23:15 📱:P906i 🆔:je0j.Rhs


#843 [Mr.RabbIts!]
 

「「失礼しまーす」」
 
2人が声を揃えて職員室へ一歩入ると、机に肘をついていた若い男の先生が立ち上がって手を上げた。
 
「あれがお前らの担任だ。早く行け」
 
口悪く誘導する藤堂に急かされて2人は担任の所へ向かった。
 

⏰:09/03/24 16:57 📱:P906i 🆔:BeAwRDs.


#844 [Mr.RabbIts!]
 

「おい、遅いぞ!お前ら」
 
いかにも体育会系っといった感じの大きめの声に晴樹は少し嫌そうに顔を歪めた。
 
「多田に若松、お前ら昨日の入学式後のホームルーム出ないで何してたんだ?」
 

⏰:09/03/24 17:00 📱:P906i 🆔:BeAwRDs.


#845 [Mr.RabbIts!]
 

うわー入学早々、説教かよ…と晴樹が思っていると、隣にいた孝志がたんたんと話し出した。
 
「先生、それがですねー。教室の場所は把握してたつもりだったんですけど、どうしても辿り着けなくて…僕たち3組の教室って3階の東階段から3つ目ですよね?」
 
そう孝志が言い終わると、先生はなぜか頭を抱えた。
 

⏰:09/03/24 17:07 📱:P906i 🆔:BeAwRDs.


#846 [Mr.RabbIts!]
 

その担任の反応を見て、孝志は唇を尖らせた。
 
「なんだよ先生。なんか間違ったこと言ったか?」
 
孝志の言葉に担任は右手を挙げ、軽く首を左右に振った。
 
「いやいや、違うんだ。多田、若松お前たち体育館から出て、すぐの東階段を登ったんじゃないか?」
 

⏰:09/04/03 16:29 📱:P906i 🆔:DL.Dnh8Q


#847 [Mr.RabbIts!]
 

担任の言葉に少し考えてから2人で頷いた。
 
「いいか?ここの学校の造りはな、体育館に近い方の建物が実習室とかの特別教室棟になってて、それの一つ奥の建物が教室棟になってるんだ。」
 
あ、なるほど。
俺たちは特別教室棟をうろうろ迷ってわけだ。
 

⏰:09/04/03 16:36 📱:P906i 🆔:DL.Dnh8Q


#848 [Mr.RabbIts!]
 
×『うろうろ迷ってわけだ。』
『うろうろ迷ってたわけだ。』
 

⏰:09/04/03 16:38 📱:P906i 🆔:DL.Dnh8Q


#849 [Mr.RabbIts!]
 

「そりゃ教室にも辿り着けねぇよ」
 
孝志が気の抜いた声を出し、担任は少し笑った。
 
「まぁ、仕方がないな。俺はお前たち3組の担任、佐東 泰介(さとうたいすけ)だ。よろしくな」
 
孝志と晴樹がペコリと一礼すると、佐東が立ち上がって時計を見た。
 

⏰:09/04/03 16:46 📱:P906i 🆔:DL.Dnh8Q


#850 [Mr.RabbIts!]
 

「あと少しでホームルームだな。お前たちには自己紹介してもらわないとな。」
 
そう言ってニコリと微笑む佐東に、晴樹は身じろぎした。
 
なんか苦手だな…この人……
 
そんなことを考えている晴樹の横で、孝志は「はい!」と元気良く返事をかえしていた。
 

⏰:09/04/03 16:49 📱:P906i 🆔:DL.Dnh8Q


#851 [我輩は匿名である]
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⏰:09/04/03 19:54 📱:SH704i 🆔:8hALq0p.


#852 [Mr.RabbIts!]
 
匿名さん
アンカーありがとうございます
話が長くなりそうなので
読み返すのにありがたいです
 

⏰:09/04/03 23:33 📱:P906i 🆔:DL.Dnh8Q


#853 [Mr.RabbIts!]
 

「紹介遅れました!多田孝志です!ちなみに昨日は教室に辿り着けませんでした〜」
 
朝のホームルームに教室の前に立たされ、孝志が自己紹介をした。
みんなクスクス笑って、孝志自身も照れているのか頭をかいて笑っている。
 
「じゃあ、次。自己紹介してもらおーか」
 
佐東の言葉に晴樹は緊張気味に正面を向いた。
 

⏰:09/04/07 14:15 📱:P906i 🆔:3i9F.f8Q


#854 [Mr.RabbIts!]
 

「…若松晴樹です。よろしく」
 
シーン…と静まりかえる教室をイメージしていると、女子からの黄色い声援が教室内に鳴り響いた。
 
「かわいー!」
「アイドルみたいー!!」
「照れてる〜かわいい〜!!」
 
目をパチクリさせていると、孝志からの嫉妬の目に気付きそちらを見た。
 

⏰:09/04/07 14:19 📱:P906i 🆔:3i9F.f8Q


#855 [Mr.RabbIts!]
 

「なんで晴樹だけ…」
 
拗ねている孝志に晴樹は苦笑いを返した。
 
「はい、じゃーお前たち2人も自分の席に着いて。授業始めるぞー?」
 
佐東に肩を押されてムッとしながらも、晴樹は教えられた自分の席に着いた。
 

⏰:09/04/07 14:22 📱:P906i 🆔:3i9F.f8Q


#856 [Mr.RabbIts!]
 

晴樹は名字が『若松』なので廊下側の一番後ろの席に座った。
孝志はわりと真ん中らへんの席だった。
 
いいなー。窓際の奴ら、廊下側とか寒いんだけど
 
そんな事を考えていると、隣の席から声をかけられた。
 

⏰:09/04/07 21:34 📱:P906i 🆔:3i9F.f8Q


#857 [Mr.RabbIts!]
 

「ハルキくん」
 
ん?と思いそちらを見ると結構かわいめの女子が、晴樹にニコッと笑いかけていた。
 
「私、望月彩音(もちづきあやね)っていうの。よろしくね?」
 
「え…あぁ、うん。よろしく…」
 

⏰:09/04/07 21:40 📱:P906i 🆔:3i9F.f8Q


#858 [Mr.RabbIts!]
 

人見知りが激しい晴樹が、おどおどしていると彩音はクスリと笑った。
 
「緊張してる、かわいー」
 
…かわいいって…
 
晴樹が少し眉間にシワを寄せて反論しようとした時、机を叩かれ『バンッ!』という音にビクついた。
 
恐る恐る音の理由となる人物の方に目を向ける。
どうやら晴樹の前の少年が晴樹の机を両手で叩いたらしい。
 

⏰:09/04/07 21:45 📱:P906i 🆔:3i9F.f8Q


#859 [Mr.RabbIts!]
 

「…な…なんですか…?」
 
あまりの剣幕にビビってしまい、タメなのに何故か敬語。
少年はゆっくり口を開いた。
 
「ハルキっつったな?」
 
「…え、う…うん」
 
「お前、彩音ちゃんが話しかけてくれてんのに何だよ、その態度!!」
 

⏰:09/04/07 21:49 📱:P906i 🆔:3i9F.f8Q


#860 [Mr.RabbIts!]
 

「…は?」
 
晴樹が目を見開いていると、もう一度少年が机をバンッ!と叩いた。
 
「は?じゃねぇんだよ!」
 
何だよコイツ…
話がつかめない……
 
「ちょっと、シュンくん!晴樹くんは緊張してるんだってば」
 
「彩音ちゃん…それにしたって…素っ気なすぎるじゃんか!」
 

⏰:09/04/07 21:54 📱:P906i 🆔:3i9F.f8Q


#861 [Mr.RabbIts!]
 

何で俺こんな怒られてんの?
晴樹の頭上にハテナマークが浮かんだ時、いつからいたのか孝志がいきなり現れた。
 
「はは〜ん。さてはシュンくん、彩音ちゃんにホレてるな?」
 
孝志が俺とシュンくんにしか聞こえないくらいの声でそう言うと、ひとり満足気に頷いた。
 

⏰:09/04/11 08:39 📱:P906i 🆔:ndSAbLaM


#862 [Mr.RabbIts!]
 

はぁ?と晴樹が溢す前に、シュンが孝志の言葉に過剰に反応した。
 
「っはぁ!?そ、そんなわけねぇし!!///」
 
あらー…わかりやすい。
晴樹は心の中で納得し、シュンに自己紹介を求めた。
 

⏰:09/04/18 20:56 📱:P906i 🆔:4omQvYMw


#863 [Mr.RabbIts!]
 

「俺か?俺は山岡旬(やまおかしゅん)だ」
 
よろしくな、とは言ってくれないところを見ると、やはり晴樹の事を良くは思っていないらしい。
 
「…よろしくね?」
 
自分から言ってみたが、旬はふんっと鼻をならし呟くように吐き捨てた。
 
「俺はライバルとはよろしくしないんだよ」
 

⏰:09/04/18 21:02 📱:P906i 🆔:4omQvYMw


#864 [Mr.RabbIts!]
 

晴樹は意味が理解できず、はー?と首をかしげていると、孝志が間を割って入ってきた。
 
「じゃあ俺とはよろしくだな!」
 
旬はおう!と返事をすると、不機嫌そうな晴樹をよそに孝志と握手を交わした。
 

⏰:09/04/18 21:05 📱:P906i 🆔:4omQvYMw


#865 [Mr.RabbIts!]
 

「俺とはー?」
 
そう言って晴樹は旬に手を差し伸べたが、あっさり無視されてしまった。
 
「なんだよー!旬くんーってば!!」
 
少し大きめの声を出して、肩を掴み体を揺すってみたが、まったくのシカト。
 
「こら、授業始めるってのに。多田、早く席に戻れー」
 
佐東に指摘され孝志は、はーいと返事をかえすと、自分の席へ戻っていった。
 
晴樹は旬の後ろ姿を軽く睨んだ。
 
なんだってんだよ…
 

⏰:09/04/18 21:11 📱:P906i 🆔:4omQvYMw


#866 [Mr.RabbIts!]
 

見た目によらず、晴樹は根っからの負けず嫌いだ。
なにか壁にぶち当たったらその壁が壊れて無くなるまで、何度も壁に体当たりするような性格だ。
 
「旬くん!」
 
そう、それは人と人との間に出来る壁でもだ。
 

⏰:09/04/19 21:37 📱:P906i 🆔:WFBr4G.M


#867 [Mr.RabbIts!]
 

晴樹は隙を狙っては、旬に話しかけた。
 
「旬くん」
 
「旬く〜ん?」
 
「シュ・ン・く・んってば!!」
 
しかし旬はうんざりした顔でシカトを続ける。
晴樹はむ〜っと頬を膨らました。
 

⏰:09/04/19 21:40 📱:P906i 🆔:WFBr4G.M


#868 [Mr.RabbIts!]
 

「どうすれば仲良くなれるんだよー!!」
 
晴樹は屋上からグラウンドに向かって叫んだ。
それを孝志は呆れた顔で見ている。
今は昼休みで屋上で二人は昼食をとっている。
 
「落ち着けよ。つか、いーじゃん別に。旬くんにこだわらなくても」
 
孝志はそう言ってパンをかじる。
 

⏰:09/04/26 11:03 📱:P906i 🆔:/HPS8pn.


#869 [Mr.RabbIts!]
 

「やだよ!なんか悔しいじゃんか!!」
 
ムキになる晴樹に何だそれ…と孝志は呆れた。
 
「それに、おまえなら他にも友達できそーじゃんか。……とくに女の子は」
 
眉間にシワを寄せて孝志は呟いた。
晴樹はその反応をみて、首をかしげる。
 

⏰:09/04/26 11:06 📱:P906i 🆔:/HPS8pn.


#870 [Mr.RabbIts!]
 

「せっかく昼一緒に食べよって誘ってくれたのに…頑なすぎんだよ!晴樹は!!」
 
孝志はそう言うとぷいっとそっぽを向いてしまった。
 
「だって旬くん誘いたかったんだもん…」
 
晴樹は女の子からの誘いを全て断り、教室から出ていった旬を追いかけて行ったのだ。
 

⏰:09/04/26 11:09 📱:P906i 🆔:/HPS8pn.


#871 [Mr.RabbIts!]
 

しかし、いつものごとくシカトを決め込まれ今に至る。
 
「なんで俺をそこまで避けるんだよ…なんか悪いことしたのかなぁ?」
 
そう呟いて落ち込む晴樹に孝志は励ますように言葉をかける。
 
「旬くんはな?なにもおまえが嫌いだからとかじゃなくて…」
 
「あっ!!」
 
しかしその励ましの言葉は晴樹の叫び声によって、かき消されてしまった。
 

⏰:09/07/04 02:02 📱:P906i 🆔:LyxB6FMs


#872 [くー]
>>1-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400
>>401-500
>>501-600
>>601-700
>>701-800
>>801-900
>>901-1000

⏰:09/07/04 10:07 📱:SH906i 🆔:NEVGyWK6


#873 [Mr.RabbIts!]
 
くーさん
アンカーありがとうございます
 

⏰:09/07/04 13:28 📱:P906i 🆔:LyxB6FMs


#874 [Mr.RabbIts!]
 

今度はなんだよ…と孝志が訊く前に、晴樹はどこかを目指して物凄い勢いで走り去ってしまった。
 
「ぅおい!俺ほったらかしかい!!」
 
孝志は残ったパンと飲み物をまとめると、晴樹の後を追った。
 

⏰:09/07/04 13:32 📱:P906i 🆔:LyxB6FMs


#875 [Mr.RabbIts!]
 

「なぁ!晴樹っ何処まで行くんだよ!!」
 
そう叫ぶ孝志に見向きもせず走り続けながら答える晴樹。
 
「中庭に旬くんがいた!」
 
その答えに「また旬くんかよ…」と孝志がぼやいている間に、目的地の中庭に着いた。
 
ふと中庭を見渡すと、大きな木を見つめている旬がいた。
 

⏰:09/07/25 11:14 📱:P906i 🆔:64/4j5GQ


#876 [Mr.RabbIts!]
 

なにをしているのかと見ていると、突然さっきまで見つめていた大木に登り出した。
しかし2、3歩登るとずり落ちてしまい、もう一度と大木に飛び付いてはずり落ちと繰り返していた。
 
「…クッソ」
 
飛び付くのを止め、改めて大木を見上げている旬に二人は近付いていった。
 

⏰:09/07/25 11:21 📱:P906i 🆔:64/4j5GQ


#877 [Mr.RabbIts!]
 

「旬くん、なにしてるの?」
 
背後から話しかけられた旬は「おわっ!」と叫んで、後ろを振り返った。
 
「んだよ…。またオマエかよ」
 
その言葉を聞いてむーっとしている晴樹の横から、孝志が改めて訊く。
 

⏰:09/07/25 11:26 📱:P906i 🆔:64/4j5GQ


#878 [Mr.RabbIts!]
 

「さっきから何してんの?」
 
「あー…」
 
孝志の質問に首に手をやり、言いずらそうに口ごもる旬に二人は首をかしげる。
 
「木登りの練習でもしてたの?」
 
晴樹がにこにこと旬に訊いてみるものの、「バカッちげーよ!」と乱暴な答えが返ってきた。
 

⏰:09/07/25 11:32 📱:P906i 🆔:64/4j5GQ


#879 [Mr.RabbIts!]
 

「じゃあ、なんで木に登ろうとしてたの?」
 
「だから…」
 
旬が面倒くさそうにしていると、三人の頭上からニャーと弱々しい声が聴こえた。
 
孝志と晴樹は声のした方を見上げると、目の前の大木のかなり上の方に猫が登ってしまったまま動けずにいる。
 

⏰:09/07/25 11:36 📱:P906i 🆔:64/4j5GQ


#880 [我輩は匿名である]
>>1-50
>>51-100
>>101-150
>>151-200
>>201-250
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>>801-850
>>851-900

⏰:09/07/25 23:36 📱:W53T 🆔:jbaBtvVo


#881 [Mr.RabbIts!]
 

「わっ!ネコ!!」
 
びっくりして叫ぶ晴樹に、旬はため息を吐く。
 
「…あの猫、どっから登ったのか降りれなくなっててよ」
 
その言葉を聞き、孝志も慌てて木に登ろうとするが結果は旬と同様、元の位置までずり落ちてしまった。
 

⏰:09/07/29 14:28 📱:P906i 🆔:YseIHQwY


#882 [Mr.RabbIts!]
 

孝志と旬が頭を抱えていると、晴樹は平然と言った。
 
「なにやってんの?登ればいーんじゃん」
 
そんな晴樹に旬が呆れたように言い返す。
 

⏰:09/07/31 21:47 📱:P906i 🆔:JTi8ox7M


#883 [Mr.RabbIts!]
 

「だから、それが無理くさいから悩んでんだよ!」
 
ばか!とまで言われた晴樹は口をとがらせる。
 
「登れるもん」
 
「嘘言えっ」
 
「嘘じゃないよ!」
 
晴樹はそう叫ぶと、大木にしがみついた。
 

⏰:09/07/31 21:52 📱:P906i 🆔:JTi8ox7M


#884 [Mr.RabbIts!]
 

「おいっ…」
 
旬が制止の声をかける間に晴樹はどんどん大木に足をかけ、登っていく。
孝志が「おぉ。」と感心していると、4分の1程度まで登った晴樹は2人と同様にずり落ちてしまった。
 
「あー…」
 
2人が残念そうに見つめる中、晴樹は唇を噛みしめていた。
 

⏰:09/07/31 22:04 📱:P906i 🆔:JTi8ox7M


#885 [Mr.RabbIts!]
 

「くっ…悔しい〜〜!」
 
晴樹はそう叫ぶと、辺りを見回し出した。
 
「登るよりいい方法ねぇのかな…」
 
旬がそう呟いていると、晴樹が何かを見つめ「あっ」と叫んだ。
 

⏰:09/08/01 14:48 📱:P906i 🆔:Y6Xrr.qg


#886 [Mr.RabbIts!]
 

「今度はなんだよ…」
 
半ば呆れながら旬が晴樹を見ると、晴樹はどこかを目掛けて走り出した。
 
「お、おい!…なんだアイツ??」
 
不思議そうに孝志を見てみるが、孝志もポカンとしている。
 
「ねえー!ここからなら登れるよ!?」
 
そんな二人に晴樹は少し離れた所から手をふる。
 

⏰:09/08/25 13:55 📱:P906i 🆔:/ZJJ42kg


#887 [Mr.RabbIts!]
 

その晴樹の声に反応してそちらを向くと、晴樹は焼却炉の前に立っていた。
 
「?なにする気だよ」
 
孝志が晴樹にきくと、見てて!と言った晴樹は焼却炉に上り始めた。
 
「おいおい!危な…っ」
 
旬の制止の言葉も届かず、焼却炉に上った晴樹は更に焼却炉のすぐ奥にある、この学校全体を囲んでいるフェンスに上り出した。
 

⏰:09/08/25 14:01 📱:P906i 🆔:/ZJJ42kg


#888 [Mr.RabbIts!]
 

ガシャガシャと音をたてながら、一番上までスイスイ上った晴樹は一息ついた。
 
「フゥ。これでいけるでしょー?」
 
たしかにフェンスづたいにそのまま進めば、大木まで辿り着く。
 
「おー!晴樹ナイス」
 
キャイキャイ喜ぶ孝志の隣では、心配そうに見つめる旬がいた。
しかし晴樹はそんな心配をよそに、フェンスの上を進み大木まで辿り着いた。
 

⏰:09/08/25 14:06 📱:P906i 🆔:/ZJJ42kg


#889 [Mr.RabbIts!]
 

そして何の躊躇もなく、晴樹は大木に足をかけ、フェンスから大木に体を移した。
 
「おー!!」
 
孝志が喜ぶ中、旬は思わず声をかけた。
 
「お…おい!気を付けろよ!」
 
旬に声をかけてもらえた晴樹は、一瞬驚いた顔をみせたが、すぐにフワッとやさしく微笑んだ。
 

⏰:09/08/25 14:09 📱:P906i 🆔:/ZJJ42kg


#890 [Mr.RabbIts!]
 

笑顔の晴樹に少しときめいた旬は、戸惑いながら晴樹から視線を外した。
 
晴樹はそれを不満に思いながらも、子猫救出に集中することにした。
 
「猫ちゃん〜助けに来たよ〜」
 
晴樹が子猫に話しかけると、子猫は小さくニャアと鳴き立ち上がった。
 

⏰:09/08/29 23:57 📱:P906i 🆔:0.vDzpGU


#891 []
あげ

⏰:09/09/07 09:33 📱:SH904i 🆔:wxB5hqds


#892 [Mr.RabbIts!]
 
さん
 
ありがとうございます
また更新しますね
 

⏰:09/09/08 18:21 📱:P906i 🆔:VLxjM162


#893 [我輩は匿名である]
>>1-200
>>201-400
>>401-600
>>601-800
>>801-1000

⏰:09/09/09 11:59 📱:N02A 🆔:6S9WJ1tQ


#894 [Mr.RabbIts!]
 
匿名さん
アンカーありがとうございます
 

⏰:09/09/19 20:35 📱:P906i 🆔:ghmM8uVI


#895 [Mr.RabbIts!]
 

そのままトコトコと枝の上を歩いて晴樹のもとへやってくる子猫を、晴樹は両手を伸ばして待っていた。
 
「もう少し…」
 
あと少しで手が触れる距離にまで子猫がきたその時、強めの風が木の葉や枝を揺らした。
 

⏰:09/10/21 06:46 📱:P906i 🆔:EkDUvlB6


#896 [Mr.RabbIts!]
 

「ニャッ…!」
 
子猫は短く鳴き声をあげると、突風にうたれよろめいた。
それに気づいた晴樹の体はすでに動いていた。
 
「あぶない!」
 
不安定な足場から無理に子猫に手を伸ばした晴樹は、落ちそうになった子猫をしっかりと抱きかかえることはできたが、自らがバランスを崩した。
 

⏰:09/10/30 12:02 📱:P906i 🆔:b4VnH4tU


#897 [Mr.RabbIts!]
 

ガサガサガサ…ドサッ!
 
子猫を守るように胸の中に抱えた晴樹の体は、木の枝や葉っぱにぶつかりながら地面へと落下していく。
痛みを予想していた晴樹は固く目をつぶっていた。
しかし予想していたより痛みは軽く、不思議に思いながら目を開けた。
 

⏰:09/11/22 09:55 📱:P906i 🆔:F3fCTp.A


#898 [Mr.RabbIts!]
 

「いってー…」
 
目を開けると自分の下に旬がいた。
 
「え、わ!旬くん、何で下に!?」
 
「お前がおれの上に落ちてきたんだよ!」
 
ギャーギャー言っている内に晴樹の腕の中から子猫はするりと抜け出した。
 

⏰:09/11/22 10:03 📱:P906i 🆔:F3fCTp.A


#899 [Mr.RabbIts!]
 

「はっ!猫ちゃん…」
 
晴樹があわてて子猫を目で追うと、草むらの中で親猫が心配そうに待っていた。
 
「ニャー」
 
その親猫に子猫はスリ寄り、嬉しそうに鳴き声をあげた。
 

⏰:09/12/08 13:38 📱:P906i 🆔:YTmVjTFE


#900 [Mr.RabbIts!]

 
晴樹はそれをにこにこしながら眺めていたが、下から旬の怒鳴り声が飛んだ。
 
「なに微笑んでんだよ!早く退けよ、バカ!!」
 
「だって可愛いんだよ〜。見て見て旬くん!他にも子猫いっぱい出てきた!!」
 
旬の申し立てを無視し、今もなお自分の上ではしゃいでいる晴樹を旬は無理やりに退かせた。
 

⏰:09/12/08 13:42 📱:P906i 🆔:YTmVjTFE


#901 [Mr.RabbIts!]
 

「…痛あ〜!ひどいよ旬くん、いきなり押し退けるなんて!!」
 
しりもちをついたまま、文句を言う晴樹に旬はさっきと変わらぬ勢いで怒鳴った。
 
「ひどいのはどっちだよ!人の上でノホホンとしやがって!!」
 
アホだのバカだの怒鳴り散らしている旬に後ろからゆっくり近寄った孝志が、旬の肩に手を置いた。
 

⏰:09/12/10 14:05 📱:P906i 🆔:MVeDFR1o


#902 [Mr.RabbIts!]
 

「まぁまぁ、旬くん」
 
旬が孝志をふり返ると何故かニヤニヤとしている。
 
「な、なんだよ」
 
「自ら助けに行ったんだから、そんな言うほど怒ってな…ムガッ!」
 
孝志の話している途中で旬は孝志の口を両手でふさぎ、あわてた様子で晴樹の様子をうかがう。
 

⏰:09/12/10 18:34 📱:P906i 🆔:MVeDFR1o


#903 [Mr.RabbIts!]
 

「それ、ほんとう!?」
 
驚いた顔で答えを求める晴樹に、旬の手から無理やり逃れた孝志がまた話し出した。
 
「あぁ。俺がバッチリ見てたぜ!」
 
「おい!余計なこと言うな…っ」
 
再び話し出した孝志に、嫌な予感がする旬は制止するよう声をかけた。
 

⏰:09/12/10 18:37 📱:P906i 🆔:MVeDFR1o


#904 [Mr.RabbIts!]
 

しかし、そんな旬に取り合うでもなく孝志は話し続ける。
 
「いいじゃん。かっこよかったんだぜ?晴樹が落ちてきた瞬間に走り出してさ、すっ転びながらも晴樹の体を受け止めてさー!」
 
興奮気味に話す孝志に旬は恥ずかしそうにうつむいた。
 

⏰:09/12/10 18:42 📱:P906i 🆔:MVeDFR1o


#905 [Mr.RabbIts!]
 

「……しゅ、旬くん!!!」
 
この晴樹の声と共に旬は体に衝撃をうけ、草むらに勢いよく倒れ込んだ。
 
「…いってー」
 
うつむいていたため、瞬時には何が起きたか把握できず、上体を起こしながら顔をあげていくと晴樹が自分の胸に顔をうずめていた。
 

⏰:09/12/10 18:46 📱:P906i 🆔:MVeDFR1o


#906 [Mr.RabbIts!]
 

「ちょっ!なに、おま…っ」
 
「ありがとう〜!俺やっぱ旬くん好きだ!!」
 
ニコッと可愛らしく笑う晴樹にそんなことを言われ、味わったことの無い感覚にクラクラしていたが旬だったが、晴樹の右腕に目が止まった。
 

⏰:09/12/13 23:33 📱:P906i 🆔:25QPApus


#907 [Mr.RabbIts!]
 

「おいっ…お前」
 
旬はそこで言葉を区切ると晴樹の右腕を掴んだ。
 
「い゛…っ!?」
 
チクリと何かに刺されたような鋭い痛みに、晴樹は顔をしかめた。
 
「けがしてんじゃねーか」
 
そう言った旬の言葉通り、晴樹は腕や足に細かい切り傷を負っていた。
 

⏰:09/12/15 07:13 📱:P906i 🆔:1bo7Hstw


#908 []
保険医=医療保険に入ってる人を診療する医師

⏰:09/12/19 15:45 📱:N705i 🆔:BWoWhLkE


#909 [Mr.RabbIts!]
 
さん
すいません
田辺くんのくだりのミスですね
訂正出来て無かったです
 
保険医でなく
保健医です
 

⏰:09/12/19 20:44 📱:P906i 🆔:EhR9drzM


#910 [Mr.RabbIts!]
 

旬の言葉に晴樹は傷口から流れる血をみると、体を固くしてしまった。
 
「…ん…っじゃ…」
 
なにか呟いた晴樹に、え?と旬がきき返すと目を潤ませた晴樹と目が合った。
 

⏰:09/12/24 00:10 📱:P906i 🆔:LwpoyhqA


#911 [Mr.RabbIts!]
 

どくりと心臓が大きく脈打つのを感じながら、その瞳に吸い込まれそうになる。
 
「…し、死んじゃうぅうぅぅ〜〜〜!!」
 
次の瞬間晴樹のその魅力的な瞳から、涙がブワッとこぼれた。
その様子に呆然としていたが、晴樹は目の前で泣き続ける。
 

⏰:09/12/24 00:16 📱:P906i 🆔:LwpoyhqA


#912 [Mr.RabbIts!]
 

切り傷を発見し心配したのは確かに旬だったが、こんなに大泣きするほどでも無い傷だ。
いまだ泣き続ける晴樹に、旬はあきれたように口を開いた。
 
「…こんなもんじゃ、死なねーよ」
 
そう言葉をかけるが、晴樹は嗚咽混じりに言い返してくる。
 

⏰:09/12/24 00:19 📱:P906i 🆔:LwpoyhqA


#913 [Mr.RabbIts!]
 

「だっ、て…血いっぱ、出てるし…きっ、傷だっていっぱいあるっ、もん〜…ぅえっ」
 
涙をふくこともなく、肩を震わせ泣く晴樹に胸が痛んだ。
 
「泣くなよ…」
 
無意識に晴樹にむかって腕が伸びる。
指先で晴樹の頬にふれると、体がびくんっとはねた。 

⏰:09/12/24 00:23 📱:P906i 🆔:LwpoyhqA


#914 [Mr.RabbIts!]
 

それにもかまわず、旬は親指で晴樹の頬を流れる涙をぬぐった。
 
「死なせねーから、安心しろ…保健室行くぞ」
 
行っている途中で我にかえり恥ずかしくなった旬は、語尾を濁しながら立ち上がった。
 

⏰:09/12/24 00:27 📱:P906i 🆔:LwpoyhqA


#915 [Mr.RabbIts!]
 

それでも立ち上がった旬をみつめたまま、晴樹は動かない。
 
「…おい」
 
あきれながらもどうした?と声をかけると、晴樹はうつむいてしまった。
 
「…た、立てない」
「………は?」
 

⏰:10/01/03 17:18 📱:P906i 🆔:iUsBjV0s


#916 [Mr.RabbIts!]
 

短く聞き返すと恥ずかしそうに目をそらし、晴樹は答える。
 
「だっ、だから!腰が抜けて立てないって!!」
「…………プッ」
 
ムキになって返す晴樹も、その言った内容もどうしようもなく可愛いと感じ、思わずふきだしてしまった。
 

⏰:10/01/03 17:22 📱:P906i 🆔:iUsBjV0s


#917 [Mr.RabbIts!]
 

「うっ…笑うことないじゃんかぁ!」
「いや、笑ってない。ククッ」
「笑ってるー!!」
 
すねてまた泣き出しそうな晴樹に、旬ははいはいと言いながらなだめると手を差し伸べた。
 

⏰:10/02/06 16:56 📱:P906i 🆔:Ju6Lzueg


#918 [Mr.RabbIts!]
 

「?」
 
まだ涙を目に浮かべたまま、差し出された手をじっと見て不思議そうに首をかしげる晴樹に、旬は空いている方の手で頭をかいた。
 
「はっ…早く掴めよ!」
「えっ、あ…う、うん」
 
晴樹は旬の強い口調にビクビクしながら差し出された手を掴むと、強い力で体を引き上げられた。
 

⏰:10/02/07 15:50 📱:P906i 🆔:e55Kqklo


#919 [Mr.RabbIts!]
 

「う、わあっ?!」
 
勢いあまって旬の胸に飛び込んだが、旬によってすぐに引き剥がされた。
 
「っほ、保健室行くぞ!」
「あ、ありがと…」
 
旬の優しさが嬉しくてトロンとした目で旬を見つめると、旬は晴樹の手を握ったまま耳を赤く染め保健室へと導いてくれた。
 

⏰:10/02/07 15:55 📱:P906i 🆔:e55Kqklo


#920 [Mr.RabbIts!]
 

「旬くん!」
「…なんだよ」
 
何となくばつが悪そうにふり向く旬に、晴樹はニコニコと微笑む。
 
「なに…」
「俺たち、もう友達だよね!」
「…はっ?」
 
思ってもいなかったことを問いかけられ、思わず聞き返す。
 
「違うの…?」
 
そう言って悲しそうに表情を曇らせる晴樹に、旬はハッとする。
 

⏰:10/02/07 15:59 📱:P906i 🆔:e55Kqklo


#921 [Mr.RabbIts!]
 

「そ、そうだ…な」
 
小さい声で呟いた言葉は晴樹に届いたらしく、みるみる内に笑顔になっていく晴樹をみて旬はまた耳を赤くさせた。
 
「やったー!!じゃあよろしくだよね?」
 
そう言って晴樹が差し出した小さな手を握り返そうと、手を差しのべると…
 

⏰:10/02/07 16:03 📱:P906i 🆔:e55Kqklo


#922 [Mr.RabbIts!]
 

「おい!俺の存在かんぺきに無視か!!」
「あ…孝志」
 
今気づきました。オーラ全開のふたりに孝志はすね始めた。
 
「いいよいいよ…俺はどーせこんな役回りさ」
「ごめんて!孝志〜。おれ旬くんと仲良くなれたのが嬉しくて、つい…」
 

⏰:10/02/07 16:08 📱:P906i 🆔:e55Kqklo


#923 [Mr.RabbIts!]
 

「つい!?つい何だよ!忘れちゃいましたか?!」
「そんな興奮すんなって」
 
なだめる晴樹だが、孝志はまだすね足りないらしい。
 
「興奮じゃねーよ!悲しみだよ、そう孤独感!!」
「どうしたんだろ、孝志」
「さぁ?」
 
他人事のようにそう答えた旬に孝志は厳しい視線を送りつける。
 

⏰:10/02/07 16:11 📱:P906i 🆔:e55Kqklo


#924 [Mr.RabbIts!]
 

「さぁ?じゃねぇし!元々は旬くんのせいだよ!」
「あー…うんうん。そーだな」
 
そう嘆く孝志に相手をするのが面倒になったのか、旬は適当に返事をしながら晴樹の手を再び握った。
晴樹はその握られた手から旬へと視線をあげる。
 
「…保健室、傷の手当てしてもらわねぇと」
「…うん!」
 

⏰:10/02/07 16:15 📱:P906i 🆔:e55Kqklo


#925 [Mr.RabbIts!]
 

「いっ、痛い痛い痛い〜!!」
「騒ぐなよ。つーか暴れんな!」
 
保健室にやってきて田辺に消毒をしてもらっている晴樹だが、あまりの痛さに悲鳴をあげて暴れる。
それを旬と孝志でおさえるが晴樹は必死にもがき、2人の拘束から逃れた。
 
「もう嫌だ!」
「困ったねぇ」
 
嫌だ嫌だとダダをこねる晴樹に田辺も苦笑いだ。
 

⏰:10/02/07 22:19 📱:P906i 🆔:e55Kqklo


#926 [Mr.RabbIts!]
 

「晴樹、消毒しねーと治んないぞ」
 
孝志もあきれ気味に声をかけるが、晴樹は痛みで潤んだ瞳で睨み返すだけだった。
そんな晴樹に旬はジリジリと近寄って行った。
 
「…晴樹」
「いっ、嫌だからね!旬くんが何と言おうと…!!」
 

⏰:10/02/07 22:22 📱:P906i 🆔:e55Kqklo


#927 [Mr.RabbIts!]
 

「晴樹」
「だって痛いんだもん!」
 
泣き言を言う晴樹の頭をポンポンと叩く。
その行動に晴樹は旬を見上げる。
 
「消毒してもらわねーと」
 
何となく兄貴のことを思い出した。
そういえば、おれまだ兄貴と仲直りしてない…
 

⏰:10/02/07 22:25 📱:P906i 🆔:e55Kqklo


#928 [Mr.RabbIts!]
 

少し胸の奥があたたかくなり出した晴樹は、黙ってうつむいた。
 
なんかわかんないけど、すげぇ今、直樹に会いたいかも…
 
ぼうっとしている晴樹に痺れを切らしたのか、旬は怒鳴った。
 

⏰:10/02/07 22:28 📱:P906i 🆔:e55Kqklo


#929 [Mr.RabbIts!]
 

「消毒ぐらいでグズグズしてたら、また血ぃ見ることになるぞ!コラァ!!」
「しゅ、旬くんコワ…」
「黙って消毒してもらえ!!」
「は、はい」
 
びっくりしてしまったからなのか、すんなり消毒を終わらせ傷口に絆創膏をはってもらい保健室を後にした。
 

⏰:10/02/07 22:32 📱:P906i 🆔:e55Kqklo


#930 [Mr.RabbIts!]
 

「…ったく、お前がぐずるせいで昼休み全部使っちまったじゃねーか」
 
ブツブツと文句を言いながら前を歩く旬に、晴樹は嬉しそうに話しかける。
 
「ねー!旬くん、旬くん」
「…なんだよ」
 
面倒臭そうにふり返る旬に晴樹はニコニコしたまま、答える。
 

⏰:10/02/07 22:39 📱:P906i 🆔:e55Kqklo


#931 [Mr.RabbIts!]
 

「旬くんってねー、なんかおれの兄貴に似てる」
「「はぁ?」」
 
これには晴樹の隣を歩いていた孝志も、疑問の声をあげた。
 
「別に嬉しくねぇんだけど…」
「旬くん!否定しといた方がいいよ!!こいつの兄貴はロクな奴じゃねぇから!」
 

⏰:10/02/07 22:44 📱:P906i 🆔:e55Kqklo


#932 [Mr.RabbIts!]
 

「そうなのか?」
「そうだよ!昨日会ったばっかの俺に失礼なことばっか言いやがるし、それに弟の晴樹を平気でどつくんだぜ!?」
 
好き勝手な事を言う孝志に晴樹は少し眉を寄せる。
 
「…そんなことないよ!あれはおれのこと心配してくれてたからで…」
 

⏰:10/02/07 22:49 📱:P906i 🆔:e55Kqklo


#933 [Mr.RabbIts!]
 

うー…と悔しそうにうなる晴樹に旬は苦笑する。
 
「お前兄貴と仲いいんだな」
 
旬の言葉に少し言葉がつまる。
 
「…そうでもないよ。昨日もけんかしたし」
「でも、羨ましいぜ?俺には兄弟いないし」
 
そう言った旬の表情はとても穏やかなものだった。
 

⏰:10/02/07 22:55 📱:P906i 🆔:e55Kqklo


#934 [Mr.RabbIts!]
 

旬の言葉や表情で晴樹は少し落ち着きを取り戻せた。
そして思ったことが、ひとつ。
 
「ありがと」
「うん?」
 
旬を見上げてお礼を言うと旬はきょとんとした表情をみせた。
 

⏰:10/02/07 22:58 📱:P906i 🆔:e55Kqklo


#935 [Mr.RabbIts!]
 

そんな旬を見て、ふふっと込み上げてくる笑いをそのままに、晴樹はもう一度感謝をのべた。
 
「ありがとう。旬くんのおかげで兄貴と仲直り出来そうだ」
 
そう告げると旬は、あぁ…と呟き、どういたしましてと微笑んだ。
 

⏰:10/02/07 23:01 📱:P906i 🆔:e55Kqklo


#936 [Mr.RabbIts!]
 

そうは言ったものの、どうやって仲直りのきっかけを見つけるかを考えていた晴樹には、放課後が来るのなんてあっという間で。
結局いい案が出ないまま、晴樹は孝志と帰路についていた。
 
「あー…どうしよう。なんか緊張する…」
「お前さっきからそれしか言ってねぇぞ」
 

⏰:10/02/09 01:35 📱:P906i 🆔:5N6pl2Lo


#937 [Mr.RabbIts!]
 

冷たい孝志の言葉に晴樹は唇を尖らせる。
 
「だって…」
「またウジウジ言ってると旬くんに嫌われちまうぞ」
 
そう言ってスタスタと歩いて行ってしまう孝志に、思わずヤダー!と叫ぶと笑われてしまった。
 

⏰:10/02/09 01:38 📱:P906i 🆔:5N6pl2Lo


#938 [Mr.RabbIts!]
 

晴樹の方をふり返って、フフフッと笑っている孝志が前を向き直すと、小さくあっと叫んだ。
道の先を見つめる孝志にどうしたの?と晴樹が駆け寄る。
 
「お前の兄貴の連れだろ?あの人」
 
『お前の兄貴』の所だけ顔をしかめて言う孝志に苦笑しながらも、前方に目を向けると
 
「龍さん?」
 

⏰:10/02/09 01:46 📱:P906i 🆔:5N6pl2Lo


#939 [Mr.RabbIts!]
 

小さく呟いたつもりだったが、前方から手をふり歩いてくる龍をみると、充分声が届いたらしい。
 
「龍さん…どうしたんですか?こんなとこに居るなんて」
 
晴樹がそう尋ねると、龍はうーんと間を取りながらもゆっくりと答えた。
 

⏰:10/02/09 18:01 📱:P906i 🆔:5N6pl2Lo


#940 [Mr.RabbIts!]
 

「直樹には困ったもんだよ。素直なんだか、素直じゃないんだか」
「?」
 
なにがおかしいのか龍は首をかしげる晴樹を見て、軽い笑い声をあげた。
 
「俺が家に遊びに行ったら直樹のやつ、ずっと自分の家の玄関でうろうろしててさ」
 

⏰:10/02/10 13:54 📱:P906i 🆔:SvGD6TpQ


#941 [Mr.RabbIts!]
 

「えっ鍵忘れたの?」
「違う違う」
 
そこでまた愉快そうにふふふっと笑う龍に、晴樹はますますわからなくなる。
 
「俺も最初そう思って声かけたんだけど…」
 
その場面を思い出しているのか、龍はかなり間をとって話す。
 

⏰:10/02/10 13:57 📱:P906i 🆔:SvGD6TpQ


#942 [Mr.RabbIts!]
 

『なんだよ。鍵忘れたのか?』
 
そう玄関でうろついている直樹の背中に声をかけると、仏頂面がこちらを向いた。
 
『…ちげぇよ』
『は?じゃ、なにしてんの』
 
龍の問いかけに直樹は言いずらそうに口をもごもごと動かすだけだった。
 

⏰:10/02/10 14:01 📱:P906i 🆔:SvGD6TpQ


#943 [Mr.RabbIts!]
 

『…なに』
 
龍がもう一度呆れながらも訊くと、直樹は小さい声でぽつりぽつりと話し出した。
 
『晴樹が、まだ帰って来てない』
『…まぁ、今日は普通に授業があるだろうからな』
 
平然とした答えを龍は返すが、直樹は納得していないらしかった。
 

⏰:10/02/10 14:04 📱:P906i 🆔:SvGD6TpQ


#944 [Mr.RabbIts!]
 

『またあの孝志ってやつと一緒なのか?』
『いや、それは知らないけど』
 
『『…………』』
 
沈黙の間も直樹は落ち着きが無く、塀の向こうを覗いたりしきりに携帯を開いたり閉じたりを繰り返している。
 

⏰:10/02/10 14:14 📱:P906i 🆔:SvGD6TpQ


#945 [Mr.RabbIts!]
 

そんな直樹のあからさまな態度に龍はふき出した。
 
『なんだよ?』
 
いきなり笑い出した龍を直樹は怪訝そうに見た。
 
『そんなに心配なら迎えに行けば?』
『………………。』
 
龍は返ってくる微妙な反応に思わず眉を寄せる。
 

⏰:10/02/13 23:43 📱:P906i 🆔:77UtS9cA


#946 [Mr.RabbIts!]
 

『まさか…まだ仲直りしてないのか?』
『…………。』
 
無言の肯定とみなしていいほど、直樹はしゅんとしょげてしまった。
 
『はぁー…お前たち兄弟はほんとに世話がやける』
『龍、頼む!』
 
自分の顔の前で龍を拝むように両手を合わせる直樹が、何を言いたいかなんて龍には察しがついていた。
 

⏰:10/02/14 23:37 📱:P906i 🆔:mzMASib2


#947 [Mr.RabbIts!]
 

「…ってわけで今、俺は直樹に頼まれた通り晴樹を迎えに来たわけ」
「…なんだ、それ…」
 
晴樹は龍が説明してくれた内容で、直樹がまだ孝志のことを良く思っていないということがわかり、眉間のシワを深くした。
 
「何だよ。せっかく旬くんのおかげで仲直り出来そうだったのに…」
 
そう呟く晴樹に龍は苦笑した。
 

⏰:10/02/14 23:42 📱:P906i 🆔:mzMASib2


#948 [Mr.RabbIts!]
 

「まぁ、直樹の気持ちもわかってやってくれないか?あいつはお前が大事だからこそ、心配してるんだぞ?」
「…わかってるよ」
 
そんなこと、知ってる。
だけど素直になれないのは、直樹も晴樹も同じで。
 
そんな晴樹の頭を龍はやさしく撫でる。
 

⏰:10/02/20 15:35 📱:P906i 🆔:GR3rUl/U


#949 [Mr.RabbIts!]
 

「直樹だって意地張ってるだけなんだって。友だちのこと悪く言われて腹立つのはしょうがないけど、あいつだってわかってくれるよ」
 
龍にそう微笑みかけられ、晴樹はちらりと孝志をみた。
 
「お前の兄貴が過保護だってことはわかったよ。俺だってガキじゃねーし、もう突っ掛かったりしないぜ?」
 
無表情にたんたんと言ってのけた後、孝志はにひっと笑った。
 

⏰:10/02/27 15:48 📱:P906i 🆔:i.lHtAQA


#950 [Mr.RabbIts!]
 

「孝志ぃー…」
 
晴樹が孝志の言葉に感嘆していると、龍も孝志を優しい目差しでみていた。
 
「いい友だちが出来たな。晴樹」
「龍さん…うん!」
 
友だちを、孝志をほめられたのがうれしくて自然と笑顔になる。
 

⏰:10/02/27 15:52 📱:P906i 🆔:i.lHtAQA


#951 [Mr.RabbIts!]
 

「じゃあ…帰るか」
 
龍さんの言葉に顎をひいて頷く。
それから3人で並んで歩き出した。
 
しばらく歩くと「じゃ、俺こっちだから」と孝志が手をあげる。
 
「また明日な!」
「おう」
 
そう挨拶を交わすと孝志は背中を向けて歩いていった。
 

⏰:10/05/22 15:28 📱:P906i 🆔:FlpsJ9wg


#952 [Mr.RabbIts!]
 
それから龍さんと他愛もない話をしているとすぐに我が家がみえてきた。
少し緊張しながら庭へ入ると玄関に座っていた直樹が、はっとした表情で立ち上がった。
 
「………た、ただいま」
 
何も言わず俺の顔をじっと見る直樹から視線をうつ向けて呟く。
 

⏰:10/08/13 11:53 📱:P906i 🆔:IrfcrqQY


#953 [Mr.RabbIts!]
 
「おっ…おう!おかえり」
 
焦ったように口を開いた直樹は笑顔を浮かべていた。
 
「あの…さ」
 
“心配かけてゴメン”
そう言おうとした晴樹より先に、直樹が頭を下げた。
 
「ゴメン」
「……へっ…?」
 

⏰:10/08/13 11:56 📱:P906i 🆔:IrfcrqQY


#954 [Mr.RabbIts!]
 
突然のことに驚いている晴樹をよそに、直樹は一気にしゃべる。
 
「いや、俺、過保護になってたなっていうか、ムキになりすぎたし…悪かったよ。おまえにも、その、孝志ってやつにも」
 
そう言ってもう一度頭を下げる直樹に、晴樹はだんだん笑顔になっていく。
 

⏰:10/08/13 12:00 📱:P906i 🆔:IrfcrqQY


#955 [Mr.RabbIts!]
 
「俺もごめんなさい。心配してくれてたのに、反省出来なかった…」
 
「ああ。…これで仲直りな?」
 
ニカッと笑う直樹につられ、晴樹も笑顔を滲ませる。
 

⏰:11/06/07 08:28 📱:P906i 🆔:G0jqiNZE


#956 [Mr.RabbIts!]
 
それを微笑ましい様子で眺めていた龍を晴樹は見上げる。
 
「龍さんも、迷惑かけてごめんなさい。ありがとねっ」
「…ああ。良かったな」
「悪かったな。龍」
「直樹がそんな素直だと、何だか落ち着かないよ」
 
なんだと?!と躍起になる直樹を龍と晴樹は笑った。
とても暖かい優しい時間が流れていた。
 

⏰:11/09/11 17:20 📱:P906i 🆔:w2oUCtjE


#957 [○○&◆.x/9qDRof2]
(´∀`∩)↑a

⏰:22/10/07 16:25 📱:Android 🆔:GR1soPvw


#958 [○○&◆.x/9qDRof2]
↑(*゚∀゚*)

⏰:22/10/18 19:56 📱:Android 🆔:h3l12Mig


#959 [○○&◆.x/9qDRof2]
(´∀`∩)↑age↑

⏰:22/10/18 21:55 📱:Android 🆔:h3l12Mig


#960 [○○&◆.x/9qDRof2]
↑(*゚∀゚*)

⏰:22/10/19 19:14 📱:Android 🆔:A4ZzuHng


#961 [○○&◆.x/9qDRof2]
↑(*゚∀゚*)↑

⏰:22/10/20 09:29 📱:Android 🆔:nvDpRiyU


#962 [わをん◇◇]
私が振り向くより早く亮が私を突き飛ばした。

何が起きたのかわからなかった。

部屋に響く鈍い音と亮のうめき声。


男の持っていた警棒のようなものが、亮の足を直撃したらしかった。

『亮!』

⏰:22/11/03 19:05 📱:Android 🆔:DPKzmpdw


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