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#801 [Mr.RabbIts!]
 

「じゃあな、孝志〜」
 
あれから四人で仲良くとはいわないが一緒に帰り、一人反対方向の孝志と別れる。
孝志は手を振ってから、直樹をちらっと見るとべっと舌を出した。
 
「あのガキ…っ!」
 
孝志はフフンと得意気に笑うと三人に背を向けて帰っていった。
 

⏰:08/12/26 13:51 📱:P906i 🆔:qZFmjpzA


#802 [Mr.RabbIts!]
 

「晴樹、あいつとだけは仲良くするなよ」
 
去っていく孝志を睨みながら晴樹にそう促す直樹。
 
「なんでだよっ。孝志はいい奴だよ」
 
そう言って頬を膨らす晴樹に直樹は信じられないといった表情をした。
 
「あのガキがいい奴なら、他の奴らは神だ!神っ」
 
「…そりゃ言い過ぎだろ」
 
ムキになる直樹を龍がそうなだめると、晴樹が呟いた。
 

⏰:08/12/26 13:58 📱:P906i 🆔:qZFmjpzA


#803 [Mr.RabbIts!]
 

「兄貴がガキガキゆうからじゃん。孝志だってムキになって言い返してるだけで…ホントはいい奴なんだって!」
 
晴樹の曇りない綺麗な瞳で見上げられて、直樹は言い淀んだ。
 
「晴樹の言う通りだと、俺は思うよ」
 
龍にもそう微笑まれ、なんだか居ずらさを感じる。
 

⏰:08/12/26 14:02 📱:P906i 🆔:qZFmjpzA


#804 [Mr.RabbIts!]
 

しかしそう言われても素直になれるほど、直樹は器用な人間ではなかった。
 
「……ふんっ。とにかく、あいつを家に呼んだりすんじゃねーぞ!あのガキと顔合わせるのなんか、もうごめんだからな」
 
そう言って直樹はさっさと帰り道を歩き始めた。
龍も呆れたように笑っている。
 
「…っ兄貴のわからずや!」
 
晴樹は後ろから思い切り直樹に突っ込んだ。
 

⏰:08/12/26 14:08 📱:P906i 🆔:qZFmjpzA


#805 [Mr.RabbIts!]
 

油断していた直樹は前のめりに転けそうになった体を、なんとか支えて振り返った。
 
「いってーな!なにすんだよ」
 
「うるさいうるさい!ばか兄貴っ」
 
「はっ…?ばっばかぁ!?」
 
よっぽどの事がないと暴言を吐かない晴樹に、暴言を浴びせられ面食らう直樹。
 

⏰:08/12/26 14:13 📱:P906i 🆔:qZFmjpzA


#806 [Mr.RabbIts!]
 

「なんと言われようと俺は孝志好きだもん!」
 
晴樹は、い゙ー〜っと直樹を威嚇して、呆然とする2人の前を歩いていった。
 
「おっ…おい、晴樹!どーゆう意味だよ?!それっ」
 
慌てて追いかける直樹に、晴樹は振り返ると直樹を睨み付けた。
 
「兄貴なんか大っ嫌いだ」
 

⏰:08/12/27 14:48 📱:P906i 🆔:gBIXPaSw


#807 [我輩は匿名である]
>>1-100

>>101-200

>>201-300

>>301-400

>>401-500

>>501-600

>>601-700

>>701-800

>>801-900

⏰:08/12/28 07:46 📱:F703i 🆔:QYOkkEE2


#808 [Mr.RabbIts!]
 

〒匿名さん▽
 
アンカー
ありがとうございます
 
いまから更新
しますね〜
 

⏰:08/12/29 04:27 📱:P906i 🆔:btK9cYJ6


#809 [Mr.RabbIts!]
 

あれからの帰り道、直樹が何回話しかけても晴樹はスルーで、龍が苦笑いを浮かべていたのは言うまでもない。
 
「龍さんバイバイっ」
「…じゃあな、龍」
 
若松家まで二人を送ると、龍は軽く手を振って帰っていった。
再び訪れる沈黙。
 

⏰:08/12/29 04:32 📱:P906i 🆔:btK9cYJ6


#810 [Mr.RabbIts!]
 

「…おい、晴樹」
 
無視。
 
晴樹は一人そのまま玄関へと歩いていく。
その後を慌てて追いかける直樹。
 
「…ただいまー」
 
そう言って晴樹が玄関から家へ入ると、なにかに驚いて固まってしまった。
直樹が後ろから覗き込むと、父親の光が玄関の扉を開いたすぐの所にいた。
 

⏰:08/12/29 04:35 📱:P906i 🆔:btK9cYJ6


#811 [Mr.RabbIts!]
 

「…晴樹」
 
「…はい……」
 
晴樹が恐る恐る返事をした瞬間、いきなり光は晴樹に抱きついた…というか飛び付いた。
 
「お父さん心配したんだぞー!入学式は昼で終わるのにレッスンの時間になっても、夕方になっても帰って来ないからー!!」
 

⏰:08/12/31 00:54 📱:P906i 🆔:DB7uTdnI


#812 [Mr.RabbIts!]
 

耳元で泣き叫ばれてキーンと耳鳴りに襲われていると、光は少し晴樹と距離をとって真剣な顔になった。
 
「なにしてたんだ?連絡も入れただろう?」
 
たしかに晴樹の携帯には尋常じゃないくらいに、父と兄と龍さんからの着信があった。
 

⏰:08/12/31 01:01 📱:P906i 🆔:DB7uTdnI


#813 [Mr.RabbIts!]
 

「…ごめんなさい」
 
謝ることはできたが、次に続く言葉が出てこない。
 
寝てました。なんて言えないだろう…この状況で。
 
そんな事を悶々と考えていると、意外とあっさり光は引き上げた。
 
「まぁ、これからはあんまり心配かけるんじゃないぞ?」
 

⏰:08/12/31 01:07 📱:P906i 🆔:DB7uTdnI


#814 [Mr.RabbIts!]
 

理由も深く問わずに引き上げた光に拍子抜けしながらも、晴樹はもう一度「ごめんなさい」と謝った。
光はそんな晴樹にやさしく微笑んで「分かればいいよ」と髪をくしゃっと撫でた。
そして直樹に視線を移した。
 
「直樹、悪かったな。忙しいのに…ホントは俺が探しに行きたかったんだが……」
 

⏰:08/12/31 01:13 📱:P906i 🆔:DB7uTdnI


#815 [Mr.RabbIts!]
 

「父さんの方が忙しいだろう。だいたい父さんが抜けてきちゃったら、会社が大変なことになるし」
 
直樹の言葉に光は「すまんすまん」と苦笑いを浮かべた。
 
ホントにこの男なら、仕事を放り投げてでも自分を探しにきそうだ。と考えて晴樹はため息を吐いた。
すると、直樹も同じことを考えていたのか、同じタイミングでため息をついたため、思わず直樹を見てしまいバッチリ視線が合ってしまった。
 

⏰:08/12/31 01:21 📱:P906i 🆔:DB7uTdnI


#816 [Mr.RabbIts!]
 

ぷいっ
 
しかし晴樹はすぐに目を反らした。直樹は何か言いたげに口をパクパクさせている。
そんな2人のぎこちない空気を察してか、光は笑顔で晴樹に話しかけた。
 

⏰:09/01/07 16:47 📱:P906i 🆔:cwsgEEHE


#817 [Mr.RabbIts!]
 

「そーだ!晴樹、友達は出来たか〜?」
 
その光の言葉にピクリと2人は肩を震わせた。
光はそんな2人の反応に、首をかしげる。
 
しかし晴樹は瞬時にニパッと笑い、光に嬉しそうに話した。
 
「出来たよ!スゲーいい奴なんだ!!孝志っていうんだけど…今度、家に連れてきてもいいかな?」
 

⏰:09/01/10 14:30 📱:P906i 🆔:Dovidj8k


#818 [Mr.RabbIts!]
 

晴樹の言葉にギョッとする直樹。
 
「おいっ晴樹…!」
 
「いいじゃないか!連れてきなさい。父さんも会って話がしたいし」
 
ハッハッハと愉快そうに笑う光とは反対に、直樹はとても嫌そうな表情を浮かべていた。
 

⏰:09/01/10 14:32 📱:P906i 🆔:Dovidj8k


#819 [Mr.RabbIts!]
 

翌朝
 
光が仕事へ行き、母親が洗濯のため席を外している兄弟2人だけの食卓には、朝から沈黙が重たく流れていた。
 
その沈黙に耐えられず、先に口を開いたのは直樹だった。
 

⏰:09/01/31 20:40 📱:P906i 🆔:Q0ZdYesg


#820 [Mr.RabbIts!]

 
「………おい」
 
「…………。」
 
「おい」
 
「……………。」
 
「おい、晴「ごちそうさまでした!」…」
 

⏰:09/01/31 20:40 📱:P906i 🆔:Q0ZdYesg


#821 [Mr.RabbIts!]
 

晴樹はそれだけ言うと、席を立って自分の分の食器を洗い出した。
 
直樹はため息を吐いて眉間の皺を濃くした。
 
「…ごちそうさま」
 
そう言って直樹も席を立ち食器を持って晴樹の方へ近寄っていくと、晴樹は素早く洗い終えた食器を片付けるとさっさと自分の部屋に戻って行ってしまった。
 

⏰:09/01/31 20:49 📱:P906i 🆔:Q0ZdYesg


#822 [Mr.RabbIts!]
 

「…なんだってんだよ」
 
直樹は掴んでいたスポンジを投げつけた。
 
暫くすると晴樹が靴を履く音と、玄関の扉の開閉する音が耳に届いた。
 

⏰:09/01/31 20:52 📱:P906i 🆔:Q0ZdYesg


#823 [Mr.RabbIts!]
 

バタン。
 
晴樹は閉めた玄関の扉に寄りかかり、空を見上げてため息を溢した。
 
「…はぁ〜。またやっちゃったよ……」
 
いつまでも意地を張って、兄貴と話したくないわけじゃない。
自分だって早く仲直りして、孝志とも仲良くしてもらいたいだけなのに、気持ちとは裏腹に素直になれない自分に、晴樹自身苛立っていた。
 

⏰:09/02/09 00:12 📱:P906i 🆔:UW1ANh9.


#824 [Mr.RabbIts!]
 

晴樹は髪をクシャクシャと掻きむしった。
 
「…あー…もうっ!!」
 
ガチャ
 
「「えっ」」
 
その瞬間ちょうど家から出てきた直樹が玄関の扉を開いたため、二人共目を合わせて驚いた。
 
「…なっ何だ、お前まだ居たのか」
 
「…………っ!!うるせー!今から行くんだよ!!」
 

⏰:09/02/09 00:16 📱:P906i 🆔:UW1ANh9.


#825 [Mr.RabbIts!]
 

それだけ叫ぶように言うと晴樹は走って行ってしまった。
 
残された直樹は玄関の扉に背を預けて、空を見上げため息を吐いた。
 
「…あー…何やってんだか…
 
仲直りしたいだけなんだけどなぁ。それだけポツリと呟くと、直樹も学校へと向かい出した。
 

⏰:09/02/09 00:19 📱:P906i 🆔:UW1ANh9.


#826 [Mr.RabbIts!]
 

「…あー…何やってんだか…」←
 
この」足りなかったですね

すいません
 

⏰:09/02/09 00:23 📱:P906i 🆔:UW1ANh9.


#827 [Mr.RabbIts!]
 

その頃、晴樹は昨日歩いた道を再び歩いて学校へと向かっていた。
 
「まだ居たのかって…居ちゃ悪ぃのかよっ」
 
晴樹が膨れっ面で歩いていると、後ろからの聞き覚えのある声に呼び止められた。
 
「晴樹!おはよーっす」
 
「孝志っ!おはよう!!」
 

⏰:09/02/10 01:39 📱:P906i 🆔:0UVcSnG.


#828 [Mr.RabbIts!]
 

ニカッと笑い、あいさつを返すと孝志に顔を覗き込まれた。
 
「?なに??」
 
「いや、さっきまではしかめっ面してたのになぁと思って」
 
孝志は茶化すようにそう言った。
 

⏰:09/02/21 21:23 📱:P906i 🆔:V.jPLTfY


#829 [我輩は匿名である]
>>1-100


>>101-200


>>201-300


>>301-400


>>401-500


>>501-600


>>601-700


>>701-800


>>801-900

⏰:09/02/26 05:30 📱:F703i 🆔:9AWxhzEs


#830 [Mr.RabbIts!]
 
匿名さん
 
アンカーありがとうございます
更新遅くなりました
今から更新しますね
 

⏰:09/03/08 00:15 📱:P906i 🆔:2OXAcS6Y


#831 [Mr.RabbIts!]
 

図星を突かれた晴樹は少し口ごもった。
 
「べっ…べつに……」
 
そんな晴樹に孝志はため息を吐いた。
 
「嘘つけ。……兄貴とケンカでもしたか?」
 
事実を言い当てられた晴樹は、目を見開いて驚いた。
 

⏰:09/03/08 00:19 📱:P906i 🆔:2OXAcS6Y


#832 [Mr.RabbIts!]
 

「孝志って、実はエスパーなのかっ!?」
 
「そうそう、俺も自分の力にビックリしてんだよー…って、んなワケねぇだろ!!」
 
本気で驚いている晴樹に合わせて、思わず乗っかってしまった孝志は一人ノリツッコミをするハメになった。
 

⏰:09/03/08 00:23 📱:P906i 🆔:2OXAcS6Y


#833 [Mr.RabbIts!]
 

そんな孝志に納得がいかない、という顔をして晴樹が訊く。
 
「じゃあ、何で分かったんだよ?俺と兄貴がケンカしてるって…」
 
そんな晴樹に孝志は呆れ気味に話した。
 
「そんなん、だいたい分かるだろ。昨日のやり取り見せられたら…ま、ケンカの原因は俺ってトコだろうな」
 

⏰:09/03/08 00:26 📱:P906i 🆔:2OXAcS6Y


#834 [Mr.RabbIts!]
 

そうベラベラ説明する孝志に、晴樹は本題を忘れて目を輝かせた。
 
「すげー!やっぱ孝志って、エスパーだよ!!」
 
「そうそう、実は俺が一番、自分自身の不思議な力に驚いててさ…って、だからぁ!!」
 
そんな言い合い?の中、晴樹と孝志は学校へと向かっていった。
 

⏰:09/03/08 00:30 📱:P906i 🆔:2OXAcS6Y


#835 [Mr.RabbIts!]
 

「三組の下駄箱ってどこだよ?」
 
「え〜?あ、こっちこっち!」
 
晴樹と孝志はフラフラと慣れない足取りで玄関へと辿り着いた。
 
上履きに履き替え廊下へと一歩出たとき、校内放送が流れた。
他の生徒が反応を示す中、2人も例外ではなく放送の内容に耳を傾ける。
 

⏰:09/03/14 23:13 📱:P906i 🆔:VsfdzYyk


#836 [Mr.RabbIts!]
 

『ガタガタッ……―ゴホン…えー、連絡します。新一年生で三組の多田孝志、若松晴樹。今呼んだ二人は、今すぐに職員室の担任の所まで来なさい。』
 
「「……は…?」」
 
二人は顔を見合わせた。
 
「…今お前、呼ばれてなかった?」
 
孝志がやっと口を開いた。孝志の言葉に晴樹は素早く反応した。
 

⏰:09/03/16 00:58 📱:P906i 🆔:lqh16y/I


#837 [Mr.RabbIts!]
 

「孝志も呼ばれてたじゃんか!てか、『ただ』って名字だったの?!」
 
晴樹は不思議そうに孝志を見た。
孝志は居心地悪そうに、晴樹から視線を反らした。
 
「……まぁ、そうだけど」
 
孝志が質問の答えを肯定すると、晴樹は思わずぷっと吹き出した。
 

⏰:09/03/16 01:02 📱:P906i 🆔:lqh16y/I


#838 [Mr.RabbIts!]
 

笑い出した晴樹を見て、慌てる孝志は軽く赤面しながら怒鳴った。
 
「なっ…なにがおかしいんだよ?!///」
 
そんな孝志にごめんごめんと謝りながら、まだ少し笑いながら晴樹は言った。
 
「だって、『ただたかし』って『た』多すぎだし。名前がおっかしーい」
 
それだけ言うと、恥ずかしさで睨む孝志を無視して、晴樹は暫く笑い続けた。
 

⏰:09/03/16 01:05 📱:P906i 🆔:lqh16y/I


#839 [Mr.RabbIts!]
 

そんな晴樹に孝志が何か言いかけたとき―…
 
「晴樹っ!お前なぁ…っ」
 
「コラ、そこの2人。こんなとこで何してんだ?」
 
晴樹と孝志が辺りを見回すと、周りに生徒たちは居なかった。
2人は顔を見合わせてから、声のした方を向いた。
 

⏰:09/03/16 22:58 📱:P906i 🆔:lqh16y/I


#840 [Mr.RabbIts!]
 

2人が振り向いた先には藤堂がいた。
 
「あっ!昨日のボサボサ頭の…」
 
「(ムカッ)藤堂だ。」
 
孝志の言葉を遮った藤堂は2人に近づき、2人の前で歩を止めた。
 

⏰:09/03/20 15:21 📱:P906i 🆔:gH4Rmu32


#841 [Mr.RabbIts!]
 

「なにボーッと突っ立ってんだ。さっきの放送聞いてただろ?早く職員室に…」
 
呆れながら言う藤堂に2人は顔を見合わせてから、声を揃えて言った。
 
「「職員室ってドコ?」」
 
「……は…?」
 

⏰:09/03/22 11:04 📱:P906i 🆔:je0j.Rhs


#842 [Mr.RabbIts!]
 

「…ったく、何で俺はこうよくも面倒事に巻き込まれるんだ…」
 
藤堂はブツブツ言いながら2人を職員室まで引き連れて来た。
扉の上についている『職員室』と書かれたプラスチックの札を確認して、藤堂は2人に中に入るよう促した。
 

⏰:09/03/22 23:15 📱:P906i 🆔:je0j.Rhs


#843 [Mr.RabbIts!]
 

「「失礼しまーす」」
 
2人が声を揃えて職員室へ一歩入ると、机に肘をついていた若い男の先生が立ち上がって手を上げた。
 
「あれがお前らの担任だ。早く行け」
 
口悪く誘導する藤堂に急かされて2人は担任の所へ向かった。
 

⏰:09/03/24 16:57 📱:P906i 🆔:BeAwRDs.


#844 [Mr.RabbIts!]
 

「おい、遅いぞ!お前ら」
 
いかにも体育会系っといった感じの大きめの声に晴樹は少し嫌そうに顔を歪めた。
 
「多田に若松、お前ら昨日の入学式後のホームルーム出ないで何してたんだ?」
 

⏰:09/03/24 17:00 📱:P906i 🆔:BeAwRDs.


#845 [Mr.RabbIts!]
 

うわー入学早々、説教かよ…と晴樹が思っていると、隣にいた孝志がたんたんと話し出した。
 
「先生、それがですねー。教室の場所は把握してたつもりだったんですけど、どうしても辿り着けなくて…僕たち3組の教室って3階の東階段から3つ目ですよね?」
 
そう孝志が言い終わると、先生はなぜか頭を抱えた。
 

⏰:09/03/24 17:07 📱:P906i 🆔:BeAwRDs.


#846 [Mr.RabbIts!]
 

その担任の反応を見て、孝志は唇を尖らせた。
 
「なんだよ先生。なんか間違ったこと言ったか?」
 
孝志の言葉に担任は右手を挙げ、軽く首を左右に振った。
 
「いやいや、違うんだ。多田、若松お前たち体育館から出て、すぐの東階段を登ったんじゃないか?」
 

⏰:09/04/03 16:29 📱:P906i 🆔:DL.Dnh8Q


#847 [Mr.RabbIts!]
 

担任の言葉に少し考えてから2人で頷いた。
 
「いいか?ここの学校の造りはな、体育館に近い方の建物が実習室とかの特別教室棟になってて、それの一つ奥の建物が教室棟になってるんだ。」
 
あ、なるほど。
俺たちは特別教室棟をうろうろ迷ってわけだ。
 

⏰:09/04/03 16:36 📱:P906i 🆔:DL.Dnh8Q


#848 [Mr.RabbIts!]
 
×『うろうろ迷ってわけだ。』
『うろうろ迷ってたわけだ。』
 

⏰:09/04/03 16:38 📱:P906i 🆔:DL.Dnh8Q


#849 [Mr.RabbIts!]
 

「そりゃ教室にも辿り着けねぇよ」
 
孝志が気の抜いた声を出し、担任は少し笑った。
 
「まぁ、仕方がないな。俺はお前たち3組の担任、佐東 泰介(さとうたいすけ)だ。よろしくな」
 
孝志と晴樹がペコリと一礼すると、佐東が立ち上がって時計を見た。
 

⏰:09/04/03 16:46 📱:P906i 🆔:DL.Dnh8Q


#850 [Mr.RabbIts!]
 

「あと少しでホームルームだな。お前たちには自己紹介してもらわないとな。」
 
そう言ってニコリと微笑む佐東に、晴樹は身じろぎした。
 
なんか苦手だな…この人……
 
そんなことを考えている晴樹の横で、孝志は「はい!」と元気良く返事をかえしていた。
 

⏰:09/04/03 16:49 📱:P906i 🆔:DL.Dnh8Q


#851 [我輩は匿名である]
>>1-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400
>>401-500
>>501-600
>>601-700
>>701-800
>>801-900
>>901-1000

⏰:09/04/03 19:54 📱:SH704i 🆔:8hALq0p.


#852 [Mr.RabbIts!]
 
匿名さん
アンカーありがとうございます
話が長くなりそうなので
読み返すのにありがたいです
 

⏰:09/04/03 23:33 📱:P906i 🆔:DL.Dnh8Q


#853 [Mr.RabbIts!]
 

「紹介遅れました!多田孝志です!ちなみに昨日は教室に辿り着けませんでした〜」
 
朝のホームルームに教室の前に立たされ、孝志が自己紹介をした。
みんなクスクス笑って、孝志自身も照れているのか頭をかいて笑っている。
 
「じゃあ、次。自己紹介してもらおーか」
 
佐東の言葉に晴樹は緊張気味に正面を向いた。
 

⏰:09/04/07 14:15 📱:P906i 🆔:3i9F.f8Q


#854 [Mr.RabbIts!]
 

「…若松晴樹です。よろしく」
 
シーン…と静まりかえる教室をイメージしていると、女子からの黄色い声援が教室内に鳴り響いた。
 
「かわいー!」
「アイドルみたいー!!」
「照れてる〜かわいい〜!!」
 
目をパチクリさせていると、孝志からの嫉妬の目に気付きそちらを見た。
 

⏰:09/04/07 14:19 📱:P906i 🆔:3i9F.f8Q


#855 [Mr.RabbIts!]
 

「なんで晴樹だけ…」
 
拗ねている孝志に晴樹は苦笑いを返した。
 
「はい、じゃーお前たち2人も自分の席に着いて。授業始めるぞー?」
 
佐東に肩を押されてムッとしながらも、晴樹は教えられた自分の席に着いた。
 

⏰:09/04/07 14:22 📱:P906i 🆔:3i9F.f8Q


#856 [Mr.RabbIts!]
 

晴樹は名字が『若松』なので廊下側の一番後ろの席に座った。
孝志はわりと真ん中らへんの席だった。
 
いいなー。窓際の奴ら、廊下側とか寒いんだけど
 
そんな事を考えていると、隣の席から声をかけられた。
 

⏰:09/04/07 21:34 📱:P906i 🆔:3i9F.f8Q


#857 [Mr.RabbIts!]
 

「ハルキくん」
 
ん?と思いそちらを見ると結構かわいめの女子が、晴樹にニコッと笑いかけていた。
 
「私、望月彩音(もちづきあやね)っていうの。よろしくね?」
 
「え…あぁ、うん。よろしく…」
 

⏰:09/04/07 21:40 📱:P906i 🆔:3i9F.f8Q


#858 [Mr.RabbIts!]
 

人見知りが激しい晴樹が、おどおどしていると彩音はクスリと笑った。
 
「緊張してる、かわいー」
 
…かわいいって…
 
晴樹が少し眉間にシワを寄せて反論しようとした時、机を叩かれ『バンッ!』という音にビクついた。
 
恐る恐る音の理由となる人物の方に目を向ける。
どうやら晴樹の前の少年が晴樹の机を両手で叩いたらしい。
 

⏰:09/04/07 21:45 📱:P906i 🆔:3i9F.f8Q


#859 [Mr.RabbIts!]
 

「…な…なんですか…?」
 
あまりの剣幕にビビってしまい、タメなのに何故か敬語。
少年はゆっくり口を開いた。
 
「ハルキっつったな?」
 
「…え、う…うん」
 
「お前、彩音ちゃんが話しかけてくれてんのに何だよ、その態度!!」
 

⏰:09/04/07 21:49 📱:P906i 🆔:3i9F.f8Q


#860 [Mr.RabbIts!]
 

「…は?」
 
晴樹が目を見開いていると、もう一度少年が机をバンッ!と叩いた。
 
「は?じゃねぇんだよ!」
 
何だよコイツ…
話がつかめない……
 
「ちょっと、シュンくん!晴樹くんは緊張してるんだってば」
 
「彩音ちゃん…それにしたって…素っ気なすぎるじゃんか!」
 

⏰:09/04/07 21:54 📱:P906i 🆔:3i9F.f8Q


#861 [Mr.RabbIts!]
 

何で俺こんな怒られてんの?
晴樹の頭上にハテナマークが浮かんだ時、いつからいたのか孝志がいきなり現れた。
 
「はは〜ん。さてはシュンくん、彩音ちゃんにホレてるな?」
 
孝志が俺とシュンくんにしか聞こえないくらいの声でそう言うと、ひとり満足気に頷いた。
 

⏰:09/04/11 08:39 📱:P906i 🆔:ndSAbLaM


#862 [Mr.RabbIts!]
 

はぁ?と晴樹が溢す前に、シュンが孝志の言葉に過剰に反応した。
 
「っはぁ!?そ、そんなわけねぇし!!///」
 
あらー…わかりやすい。
晴樹は心の中で納得し、シュンに自己紹介を求めた。
 

⏰:09/04/18 20:56 📱:P906i 🆔:4omQvYMw


#863 [Mr.RabbIts!]
 

「俺か?俺は山岡旬(やまおかしゅん)だ」
 
よろしくな、とは言ってくれないところを見ると、やはり晴樹の事を良くは思っていないらしい。
 
「…よろしくね?」
 
自分から言ってみたが、旬はふんっと鼻をならし呟くように吐き捨てた。
 
「俺はライバルとはよろしくしないんだよ」
 

⏰:09/04/18 21:02 📱:P906i 🆔:4omQvYMw


#864 [Mr.RabbIts!]
 

晴樹は意味が理解できず、はー?と首をかしげていると、孝志が間を割って入ってきた。
 
「じゃあ俺とはよろしくだな!」
 
旬はおう!と返事をすると、不機嫌そうな晴樹をよそに孝志と握手を交わした。
 

⏰:09/04/18 21:05 📱:P906i 🆔:4omQvYMw


#865 [Mr.RabbIts!]
 

「俺とはー?」
 
そう言って晴樹は旬に手を差し伸べたが、あっさり無視されてしまった。
 
「なんだよー!旬くんーってば!!」
 
少し大きめの声を出して、肩を掴み体を揺すってみたが、まったくのシカト。
 
「こら、授業始めるってのに。多田、早く席に戻れー」
 
佐東に指摘され孝志は、はーいと返事をかえすと、自分の席へ戻っていった。
 
晴樹は旬の後ろ姿を軽く睨んだ。
 
なんだってんだよ…
 

⏰:09/04/18 21:11 📱:P906i 🆔:4omQvYMw


#866 [Mr.RabbIts!]
 

見た目によらず、晴樹は根っからの負けず嫌いだ。
なにか壁にぶち当たったらその壁が壊れて無くなるまで、何度も壁に体当たりするような性格だ。
 
「旬くん!」
 
そう、それは人と人との間に出来る壁でもだ。
 

⏰:09/04/19 21:37 📱:P906i 🆔:WFBr4G.M


#867 [Mr.RabbIts!]
 

晴樹は隙を狙っては、旬に話しかけた。
 
「旬くん」
 
「旬く〜ん?」
 
「シュ・ン・く・んってば!!」
 
しかし旬はうんざりした顔でシカトを続ける。
晴樹はむ〜っと頬を膨らました。
 

⏰:09/04/19 21:40 📱:P906i 🆔:WFBr4G.M


#868 [Mr.RabbIts!]
 

「どうすれば仲良くなれるんだよー!!」
 
晴樹は屋上からグラウンドに向かって叫んだ。
それを孝志は呆れた顔で見ている。
今は昼休みで屋上で二人は昼食をとっている。
 
「落ち着けよ。つか、いーじゃん別に。旬くんにこだわらなくても」
 
孝志はそう言ってパンをかじる。
 

⏰:09/04/26 11:03 📱:P906i 🆔:/HPS8pn.


#869 [Mr.RabbIts!]
 

「やだよ!なんか悔しいじゃんか!!」
 
ムキになる晴樹に何だそれ…と孝志は呆れた。
 
「それに、おまえなら他にも友達できそーじゃんか。……とくに女の子は」
 
眉間にシワを寄せて孝志は呟いた。
晴樹はその反応をみて、首をかしげる。
 

⏰:09/04/26 11:06 📱:P906i 🆔:/HPS8pn.


#870 [Mr.RabbIts!]
 

「せっかく昼一緒に食べよって誘ってくれたのに…頑なすぎんだよ!晴樹は!!」
 
孝志はそう言うとぷいっとそっぽを向いてしまった。
 
「だって旬くん誘いたかったんだもん…」
 
晴樹は女の子からの誘いを全て断り、教室から出ていった旬を追いかけて行ったのだ。
 

⏰:09/04/26 11:09 📱:P906i 🆔:/HPS8pn.


#871 [Mr.RabbIts!]
 

しかし、いつものごとくシカトを決め込まれ今に至る。
 
「なんで俺をそこまで避けるんだよ…なんか悪いことしたのかなぁ?」
 
そう呟いて落ち込む晴樹に孝志は励ますように言葉をかける。
 
「旬くんはな?なにもおまえが嫌いだからとかじゃなくて…」
 
「あっ!!」
 
しかしその励ましの言葉は晴樹の叫び声によって、かき消されてしまった。
 

⏰:09/07/04 02:02 📱:P906i 🆔:LyxB6FMs


#872 [くー]
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⏰:09/07/04 10:07 📱:SH906i 🆔:NEVGyWK6


#873 [Mr.RabbIts!]
 
くーさん
アンカーありがとうございます
 

⏰:09/07/04 13:28 📱:P906i 🆔:LyxB6FMs


#874 [Mr.RabbIts!]
 

今度はなんだよ…と孝志が訊く前に、晴樹はどこかを目指して物凄い勢いで走り去ってしまった。
 
「ぅおい!俺ほったらかしかい!!」
 
孝志は残ったパンと飲み物をまとめると、晴樹の後を追った。
 

⏰:09/07/04 13:32 📱:P906i 🆔:LyxB6FMs


#875 [Mr.RabbIts!]
 

「なぁ!晴樹っ何処まで行くんだよ!!」
 
そう叫ぶ孝志に見向きもせず走り続けながら答える晴樹。
 
「中庭に旬くんがいた!」
 
その答えに「また旬くんかよ…」と孝志がぼやいている間に、目的地の中庭に着いた。
 
ふと中庭を見渡すと、大きな木を見つめている旬がいた。
 

⏰:09/07/25 11:14 📱:P906i 🆔:64/4j5GQ


#876 [Mr.RabbIts!]
 

なにをしているのかと見ていると、突然さっきまで見つめていた大木に登り出した。
しかし2、3歩登るとずり落ちてしまい、もう一度と大木に飛び付いてはずり落ちと繰り返していた。
 
「…クッソ」
 
飛び付くのを止め、改めて大木を見上げている旬に二人は近付いていった。
 

⏰:09/07/25 11:21 📱:P906i 🆔:64/4j5GQ


#877 [Mr.RabbIts!]
 

「旬くん、なにしてるの?」
 
背後から話しかけられた旬は「おわっ!」と叫んで、後ろを振り返った。
 
「んだよ…。またオマエかよ」
 
その言葉を聞いてむーっとしている晴樹の横から、孝志が改めて訊く。
 

⏰:09/07/25 11:26 📱:P906i 🆔:64/4j5GQ


#878 [Mr.RabbIts!]
 

「さっきから何してんの?」
 
「あー…」
 
孝志の質問に首に手をやり、言いずらそうに口ごもる旬に二人は首をかしげる。
 
「木登りの練習でもしてたの?」
 
晴樹がにこにこと旬に訊いてみるものの、「バカッちげーよ!」と乱暴な答えが返ってきた。
 

⏰:09/07/25 11:32 📱:P906i 🆔:64/4j5GQ


#879 [Mr.RabbIts!]
 

「じゃあ、なんで木に登ろうとしてたの?」
 
「だから…」
 
旬が面倒くさそうにしていると、三人の頭上からニャーと弱々しい声が聴こえた。
 
孝志と晴樹は声のした方を見上げると、目の前の大木のかなり上の方に猫が登ってしまったまま動けずにいる。
 

⏰:09/07/25 11:36 📱:P906i 🆔:64/4j5GQ


#880 [我輩は匿名である]
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⏰:09/07/25 23:36 📱:W53T 🆔:jbaBtvVo


#881 [Mr.RabbIts!]
 

「わっ!ネコ!!」
 
びっくりして叫ぶ晴樹に、旬はため息を吐く。
 
「…あの猫、どっから登ったのか降りれなくなっててよ」
 
その言葉を聞き、孝志も慌てて木に登ろうとするが結果は旬と同様、元の位置までずり落ちてしまった。
 

⏰:09/07/29 14:28 📱:P906i 🆔:YseIHQwY


#882 [Mr.RabbIts!]
 

孝志と旬が頭を抱えていると、晴樹は平然と言った。
 
「なにやってんの?登ればいーんじゃん」
 
そんな晴樹に旬が呆れたように言い返す。
 

⏰:09/07/31 21:47 📱:P906i 🆔:JTi8ox7M


#883 [Mr.RabbIts!]
 

「だから、それが無理くさいから悩んでんだよ!」
 
ばか!とまで言われた晴樹は口をとがらせる。
 
「登れるもん」
 
「嘘言えっ」
 
「嘘じゃないよ!」
 
晴樹はそう叫ぶと、大木にしがみついた。
 

⏰:09/07/31 21:52 📱:P906i 🆔:JTi8ox7M


#884 [Mr.RabbIts!]
 

「おいっ…」
 
旬が制止の声をかける間に晴樹はどんどん大木に足をかけ、登っていく。
孝志が「おぉ。」と感心していると、4分の1程度まで登った晴樹は2人と同様にずり落ちてしまった。
 
「あー…」
 
2人が残念そうに見つめる中、晴樹は唇を噛みしめていた。
 

⏰:09/07/31 22:04 📱:P906i 🆔:JTi8ox7M


#885 [Mr.RabbIts!]
 

「くっ…悔しい〜〜!」
 
晴樹はそう叫ぶと、辺りを見回し出した。
 
「登るよりいい方法ねぇのかな…」
 
旬がそう呟いていると、晴樹が何かを見つめ「あっ」と叫んだ。
 

⏰:09/08/01 14:48 📱:P906i 🆔:Y6Xrr.qg


#886 [Mr.RabbIts!]
 

「今度はなんだよ…」
 
半ば呆れながら旬が晴樹を見ると、晴樹はどこかを目掛けて走り出した。
 
「お、おい!…なんだアイツ??」
 
不思議そうに孝志を見てみるが、孝志もポカンとしている。
 
「ねえー!ここからなら登れるよ!?」
 
そんな二人に晴樹は少し離れた所から手をふる。
 

⏰:09/08/25 13:55 📱:P906i 🆔:/ZJJ42kg


#887 [Mr.RabbIts!]
 

その晴樹の声に反応してそちらを向くと、晴樹は焼却炉の前に立っていた。
 
「?なにする気だよ」
 
孝志が晴樹にきくと、見てて!と言った晴樹は焼却炉に上り始めた。
 
「おいおい!危な…っ」
 
旬の制止の言葉も届かず、焼却炉に上った晴樹は更に焼却炉のすぐ奥にある、この学校全体を囲んでいるフェンスに上り出した。
 

⏰:09/08/25 14:01 📱:P906i 🆔:/ZJJ42kg


#888 [Mr.RabbIts!]
 

ガシャガシャと音をたてながら、一番上までスイスイ上った晴樹は一息ついた。
 
「フゥ。これでいけるでしょー?」
 
たしかにフェンスづたいにそのまま進めば、大木まで辿り着く。
 
「おー!晴樹ナイス」
 
キャイキャイ喜ぶ孝志の隣では、心配そうに見つめる旬がいた。
しかし晴樹はそんな心配をよそに、フェンスの上を進み大木まで辿り着いた。
 

⏰:09/08/25 14:06 📱:P906i 🆔:/ZJJ42kg


#889 [Mr.RabbIts!]
 

そして何の躊躇もなく、晴樹は大木に足をかけ、フェンスから大木に体を移した。
 
「おー!!」
 
孝志が喜ぶ中、旬は思わず声をかけた。
 
「お…おい!気を付けろよ!」
 
旬に声をかけてもらえた晴樹は、一瞬驚いた顔をみせたが、すぐにフワッとやさしく微笑んだ。
 

⏰:09/08/25 14:09 📱:P906i 🆔:/ZJJ42kg


#890 [Mr.RabbIts!]
 

笑顔の晴樹に少しときめいた旬は、戸惑いながら晴樹から視線を外した。
 
晴樹はそれを不満に思いながらも、子猫救出に集中することにした。
 
「猫ちゃん〜助けに来たよ〜」
 
晴樹が子猫に話しかけると、子猫は小さくニャアと鳴き立ち上がった。
 

⏰:09/08/29 23:57 📱:P906i 🆔:0.vDzpGU


#891 []
あげ

⏰:09/09/07 09:33 📱:SH904i 🆔:wxB5hqds


#892 [Mr.RabbIts!]
 
さん
 
ありがとうございます
また更新しますね
 

⏰:09/09/08 18:21 📱:P906i 🆔:VLxjM162


#893 [我輩は匿名である]
>>1-200
>>201-400
>>401-600
>>601-800
>>801-1000

⏰:09/09/09 11:59 📱:N02A 🆔:6S9WJ1tQ


#894 [Mr.RabbIts!]
 
匿名さん
アンカーありがとうございます
 

⏰:09/09/19 20:35 📱:P906i 🆔:ghmM8uVI


#895 [Mr.RabbIts!]
 

そのままトコトコと枝の上を歩いて晴樹のもとへやってくる子猫を、晴樹は両手を伸ばして待っていた。
 
「もう少し…」
 
あと少しで手が触れる距離にまで子猫がきたその時、強めの風が木の葉や枝を揺らした。
 

⏰:09/10/21 06:46 📱:P906i 🆔:EkDUvlB6


#896 [Mr.RabbIts!]
 

「ニャッ…!」
 
子猫は短く鳴き声をあげると、突風にうたれよろめいた。
それに気づいた晴樹の体はすでに動いていた。
 
「あぶない!」
 
不安定な足場から無理に子猫に手を伸ばした晴樹は、落ちそうになった子猫をしっかりと抱きかかえることはできたが、自らがバランスを崩した。
 

⏰:09/10/30 12:02 📱:P906i 🆔:b4VnH4tU


#897 [Mr.RabbIts!]
 

ガサガサガサ…ドサッ!
 
子猫を守るように胸の中に抱えた晴樹の体は、木の枝や葉っぱにぶつかりながら地面へと落下していく。
痛みを予想していた晴樹は固く目をつぶっていた。
しかし予想していたより痛みは軽く、不思議に思いながら目を開けた。
 

⏰:09/11/22 09:55 📱:P906i 🆔:F3fCTp.A


#898 [Mr.RabbIts!]
 

「いってー…」
 
目を開けると自分の下に旬がいた。
 
「え、わ!旬くん、何で下に!?」
 
「お前がおれの上に落ちてきたんだよ!」
 
ギャーギャー言っている内に晴樹の腕の中から子猫はするりと抜け出した。
 

⏰:09/11/22 10:03 📱:P906i 🆔:F3fCTp.A


#899 [Mr.RabbIts!]
 

「はっ!猫ちゃん…」
 
晴樹があわてて子猫を目で追うと、草むらの中で親猫が心配そうに待っていた。
 
「ニャー」
 
その親猫に子猫はスリ寄り、嬉しそうに鳴き声をあげた。
 

⏰:09/12/08 13:38 📱:P906i 🆔:YTmVjTFE


#900 [Mr.RabbIts!]

 
晴樹はそれをにこにこしながら眺めていたが、下から旬の怒鳴り声が飛んだ。
 
「なに微笑んでんだよ!早く退けよ、バカ!!」
 
「だって可愛いんだよ〜。見て見て旬くん!他にも子猫いっぱい出てきた!!」
 
旬の申し立てを無視し、今もなお自分の上ではしゃいでいる晴樹を旬は無理やりに退かせた。
 

⏰:09/12/08 13:42 📱:P906i 🆔:YTmVjTFE


#901 [Mr.RabbIts!]
 

「…痛あ〜!ひどいよ旬くん、いきなり押し退けるなんて!!」
 
しりもちをついたまま、文句を言う晴樹に旬はさっきと変わらぬ勢いで怒鳴った。
 
「ひどいのはどっちだよ!人の上でノホホンとしやがって!!」
 
アホだのバカだの怒鳴り散らしている旬に後ろからゆっくり近寄った孝志が、旬の肩に手を置いた。
 

⏰:09/12/10 14:05 📱:P906i 🆔:MVeDFR1o


#902 [Mr.RabbIts!]
 

「まぁまぁ、旬くん」
 
旬が孝志をふり返ると何故かニヤニヤとしている。
 
「な、なんだよ」
 
「自ら助けに行ったんだから、そんな言うほど怒ってな…ムガッ!」
 
孝志の話している途中で旬は孝志の口を両手でふさぎ、あわてた様子で晴樹の様子をうかがう。
 

⏰:09/12/10 18:34 📱:P906i 🆔:MVeDFR1o


#903 [Mr.RabbIts!]
 

「それ、ほんとう!?」
 
驚いた顔で答えを求める晴樹に、旬の手から無理やり逃れた孝志がまた話し出した。
 
「あぁ。俺がバッチリ見てたぜ!」
 
「おい!余計なこと言うな…っ」
 
再び話し出した孝志に、嫌な予感がする旬は制止するよう声をかけた。
 

⏰:09/12/10 18:37 📱:P906i 🆔:MVeDFR1o


#904 [Mr.RabbIts!]
 

しかし、そんな旬に取り合うでもなく孝志は話し続ける。
 
「いいじゃん。かっこよかったんだぜ?晴樹が落ちてきた瞬間に走り出してさ、すっ転びながらも晴樹の体を受け止めてさー!」
 
興奮気味に話す孝志に旬は恥ずかしそうにうつむいた。
 

⏰:09/12/10 18:42 📱:P906i 🆔:MVeDFR1o


#905 [Mr.RabbIts!]
 

「……しゅ、旬くん!!!」
 
この晴樹の声と共に旬は体に衝撃をうけ、草むらに勢いよく倒れ込んだ。
 
「…いってー」
 
うつむいていたため、瞬時には何が起きたか把握できず、上体を起こしながら顔をあげていくと晴樹が自分の胸に顔をうずめていた。
 

⏰:09/12/10 18:46 📱:P906i 🆔:MVeDFR1o


#906 [Mr.RabbIts!]
 

「ちょっ!なに、おま…っ」
 
「ありがとう〜!俺やっぱ旬くん好きだ!!」
 
ニコッと可愛らしく笑う晴樹にそんなことを言われ、味わったことの無い感覚にクラクラしていたが旬だったが、晴樹の右腕に目が止まった。
 

⏰:09/12/13 23:33 📱:P906i 🆔:25QPApus


#907 [Mr.RabbIts!]
 

「おいっ…お前」
 
旬はそこで言葉を区切ると晴樹の右腕を掴んだ。
 
「い゛…っ!?」
 
チクリと何かに刺されたような鋭い痛みに、晴樹は顔をしかめた。
 
「けがしてんじゃねーか」
 
そう言った旬の言葉通り、晴樹は腕や足に細かい切り傷を負っていた。
 

⏰:09/12/15 07:13 📱:P906i 🆔:1bo7Hstw


#908 []
保険医=医療保険に入ってる人を診療する医師

⏰:09/12/19 15:45 📱:N705i 🆔:BWoWhLkE


#909 [Mr.RabbIts!]
 
さん
すいません
田辺くんのくだりのミスですね
訂正出来て無かったです
 
保険医でなく
保健医です
 

⏰:09/12/19 20:44 📱:P906i 🆔:EhR9drzM


#910 [Mr.RabbIts!]
 

旬の言葉に晴樹は傷口から流れる血をみると、体を固くしてしまった。
 
「…ん…っじゃ…」
 
なにか呟いた晴樹に、え?と旬がきき返すと目を潤ませた晴樹と目が合った。
 

⏰:09/12/24 00:10 📱:P906i 🆔:LwpoyhqA


#911 [Mr.RabbIts!]
 

どくりと心臓が大きく脈打つのを感じながら、その瞳に吸い込まれそうになる。
 
「…し、死んじゃうぅうぅぅ〜〜〜!!」
 
次の瞬間晴樹のその魅力的な瞳から、涙がブワッとこぼれた。
その様子に呆然としていたが、晴樹は目の前で泣き続ける。
 

⏰:09/12/24 00:16 📱:P906i 🆔:LwpoyhqA


#912 [Mr.RabbIts!]
 

切り傷を発見し心配したのは確かに旬だったが、こんなに大泣きするほどでも無い傷だ。
いまだ泣き続ける晴樹に、旬はあきれたように口を開いた。
 
「…こんなもんじゃ、死なねーよ」
 
そう言葉をかけるが、晴樹は嗚咽混じりに言い返してくる。
 

⏰:09/12/24 00:19 📱:P906i 🆔:LwpoyhqA


#913 [Mr.RabbIts!]
 

「だっ、て…血いっぱ、出てるし…きっ、傷だっていっぱいあるっ、もん〜…ぅえっ」
 
涙をふくこともなく、肩を震わせ泣く晴樹に胸が痛んだ。
 
「泣くなよ…」
 
無意識に晴樹にむかって腕が伸びる。
指先で晴樹の頬にふれると、体がびくんっとはねた。 

⏰:09/12/24 00:23 📱:P906i 🆔:LwpoyhqA


#914 [Mr.RabbIts!]
 

それにもかまわず、旬は親指で晴樹の頬を流れる涙をぬぐった。
 
「死なせねーから、安心しろ…保健室行くぞ」
 
行っている途中で我にかえり恥ずかしくなった旬は、語尾を濁しながら立ち上がった。
 

⏰:09/12/24 00:27 📱:P906i 🆔:LwpoyhqA


#915 [Mr.RabbIts!]
 

それでも立ち上がった旬をみつめたまま、晴樹は動かない。
 
「…おい」
 
あきれながらもどうした?と声をかけると、晴樹はうつむいてしまった。
 
「…た、立てない」
「………は?」
 

⏰:10/01/03 17:18 📱:P906i 🆔:iUsBjV0s


#916 [Mr.RabbIts!]
 

短く聞き返すと恥ずかしそうに目をそらし、晴樹は答える。
 
「だっ、だから!腰が抜けて立てないって!!」
「…………プッ」
 
ムキになって返す晴樹も、その言った内容もどうしようもなく可愛いと感じ、思わずふきだしてしまった。
 

⏰:10/01/03 17:22 📱:P906i 🆔:iUsBjV0s


#917 [Mr.RabbIts!]
 

「うっ…笑うことないじゃんかぁ!」
「いや、笑ってない。ククッ」
「笑ってるー!!」
 
すねてまた泣き出しそうな晴樹に、旬ははいはいと言いながらなだめると手を差し伸べた。
 

⏰:10/02/06 16:56 📱:P906i 🆔:Ju6Lzueg


#918 [Mr.RabbIts!]
 

「?」
 
まだ涙を目に浮かべたまま、差し出された手をじっと見て不思議そうに首をかしげる晴樹に、旬は空いている方の手で頭をかいた。
 
「はっ…早く掴めよ!」
「えっ、あ…う、うん」
 
晴樹は旬の強い口調にビクビクしながら差し出された手を掴むと、強い力で体を引き上げられた。
 

⏰:10/02/07 15:50 📱:P906i 🆔:e55Kqklo


#919 [Mr.RabbIts!]
 

「う、わあっ?!」
 
勢いあまって旬の胸に飛び込んだが、旬によってすぐに引き剥がされた。
 
「っほ、保健室行くぞ!」
「あ、ありがと…」
 
旬の優しさが嬉しくてトロンとした目で旬を見つめると、旬は晴樹の手を握ったまま耳を赤く染め保健室へと導いてくれた。
 

⏰:10/02/07 15:55 📱:P906i 🆔:e55Kqklo


#920 [Mr.RabbIts!]
 

「旬くん!」
「…なんだよ」
 
何となくばつが悪そうにふり向く旬に、晴樹はニコニコと微笑む。
 
「なに…」
「俺たち、もう友達だよね!」
「…はっ?」
 
思ってもいなかったことを問いかけられ、思わず聞き返す。
 
「違うの…?」
 
そう言って悲しそうに表情を曇らせる晴樹に、旬はハッとする。
 

⏰:10/02/07 15:59 📱:P906i 🆔:e55Kqklo


#921 [Mr.RabbIts!]
 

「そ、そうだ…な」
 
小さい声で呟いた言葉は晴樹に届いたらしく、みるみる内に笑顔になっていく晴樹をみて旬はまた耳を赤くさせた。
 
「やったー!!じゃあよろしくだよね?」
 
そう言って晴樹が差し出した小さな手を握り返そうと、手を差しのべると…
 

⏰:10/02/07 16:03 📱:P906i 🆔:e55Kqklo


#922 [Mr.RabbIts!]
 

「おい!俺の存在かんぺきに無視か!!」
「あ…孝志」
 
今気づきました。オーラ全開のふたりに孝志はすね始めた。
 
「いいよいいよ…俺はどーせこんな役回りさ」
「ごめんて!孝志〜。おれ旬くんと仲良くなれたのが嬉しくて、つい…」
 

⏰:10/02/07 16:08 📱:P906i 🆔:e55Kqklo


#923 [Mr.RabbIts!]
 

「つい!?つい何だよ!忘れちゃいましたか?!」
「そんな興奮すんなって」
 
なだめる晴樹だが、孝志はまだすね足りないらしい。
 
「興奮じゃねーよ!悲しみだよ、そう孤独感!!」
「どうしたんだろ、孝志」
「さぁ?」
 
他人事のようにそう答えた旬に孝志は厳しい視線を送りつける。
 

⏰:10/02/07 16:11 📱:P906i 🆔:e55Kqklo


#924 [Mr.RabbIts!]
 

「さぁ?じゃねぇし!元々は旬くんのせいだよ!」
「あー…うんうん。そーだな」
 
そう嘆く孝志に相手をするのが面倒になったのか、旬は適当に返事をしながら晴樹の手を再び握った。
晴樹はその握られた手から旬へと視線をあげる。
 
「…保健室、傷の手当てしてもらわねぇと」
「…うん!」
 

⏰:10/02/07 16:15 📱:P906i 🆔:e55Kqklo


#925 [Mr.RabbIts!]
 

「いっ、痛い痛い痛い〜!!」
「騒ぐなよ。つーか暴れんな!」
 
保健室にやってきて田辺に消毒をしてもらっている晴樹だが、あまりの痛さに悲鳴をあげて暴れる。
それを旬と孝志でおさえるが晴樹は必死にもがき、2人の拘束から逃れた。
 
「もう嫌だ!」
「困ったねぇ」
 
嫌だ嫌だとダダをこねる晴樹に田辺も苦笑いだ。
 

⏰:10/02/07 22:19 📱:P906i 🆔:e55Kqklo


#926 [Mr.RabbIts!]
 

「晴樹、消毒しねーと治んないぞ」
 
孝志もあきれ気味に声をかけるが、晴樹は痛みで潤んだ瞳で睨み返すだけだった。
そんな晴樹に旬はジリジリと近寄って行った。
 
「…晴樹」
「いっ、嫌だからね!旬くんが何と言おうと…!!」
 

⏰:10/02/07 22:22 📱:P906i 🆔:e55Kqklo


#927 [Mr.RabbIts!]
 

「晴樹」
「だって痛いんだもん!」
 
泣き言を言う晴樹の頭をポンポンと叩く。
その行動に晴樹は旬を見上げる。
 
「消毒してもらわねーと」
 
何となく兄貴のことを思い出した。
そういえば、おれまだ兄貴と仲直りしてない…
 

⏰:10/02/07 22:25 📱:P906i 🆔:e55Kqklo


#928 [Mr.RabbIts!]
 

少し胸の奥があたたかくなり出した晴樹は、黙ってうつむいた。
 
なんかわかんないけど、すげぇ今、直樹に会いたいかも…
 
ぼうっとしている晴樹に痺れを切らしたのか、旬は怒鳴った。
 

⏰:10/02/07 22:28 📱:P906i 🆔:e55Kqklo


#929 [Mr.RabbIts!]
 

「消毒ぐらいでグズグズしてたら、また血ぃ見ることになるぞ!コラァ!!」
「しゅ、旬くんコワ…」
「黙って消毒してもらえ!!」
「は、はい」
 
びっくりしてしまったからなのか、すんなり消毒を終わらせ傷口に絆創膏をはってもらい保健室を後にした。
 

⏰:10/02/07 22:32 📱:P906i 🆔:e55Kqklo


#930 [Mr.RabbIts!]
 

「…ったく、お前がぐずるせいで昼休み全部使っちまったじゃねーか」
 
ブツブツと文句を言いながら前を歩く旬に、晴樹は嬉しそうに話しかける。
 
「ねー!旬くん、旬くん」
「…なんだよ」
 
面倒臭そうにふり返る旬に晴樹はニコニコしたまま、答える。
 

⏰:10/02/07 22:39 📱:P906i 🆔:e55Kqklo


#931 [Mr.RabbIts!]
 

「旬くんってねー、なんかおれの兄貴に似てる」
「「はぁ?」」
 
これには晴樹の隣を歩いていた孝志も、疑問の声をあげた。
 
「別に嬉しくねぇんだけど…」
「旬くん!否定しといた方がいいよ!!こいつの兄貴はロクな奴じゃねぇから!」
 

⏰:10/02/07 22:44 📱:P906i 🆔:e55Kqklo


#932 [Mr.RabbIts!]
 

「そうなのか?」
「そうだよ!昨日会ったばっかの俺に失礼なことばっか言いやがるし、それに弟の晴樹を平気でどつくんだぜ!?」
 
好き勝手な事を言う孝志に晴樹は少し眉を寄せる。
 
「…そんなことないよ!あれはおれのこと心配してくれてたからで…」
 

⏰:10/02/07 22:49 📱:P906i 🆔:e55Kqklo


#933 [Mr.RabbIts!]
 

うー…と悔しそうにうなる晴樹に旬は苦笑する。
 
「お前兄貴と仲いいんだな」
 
旬の言葉に少し言葉がつまる。
 
「…そうでもないよ。昨日もけんかしたし」
「でも、羨ましいぜ?俺には兄弟いないし」
 
そう言った旬の表情はとても穏やかなものだった。
 

⏰:10/02/07 22:55 📱:P906i 🆔:e55Kqklo


#934 [Mr.RabbIts!]
 

旬の言葉や表情で晴樹は少し落ち着きを取り戻せた。
そして思ったことが、ひとつ。
 
「ありがと」
「うん?」
 
旬を見上げてお礼を言うと旬はきょとんとした表情をみせた。
 

⏰:10/02/07 22:58 📱:P906i 🆔:e55Kqklo


#935 [Mr.RabbIts!]
 

そんな旬を見て、ふふっと込み上げてくる笑いをそのままに、晴樹はもう一度感謝をのべた。
 
「ありがとう。旬くんのおかげで兄貴と仲直り出来そうだ」
 
そう告げると旬は、あぁ…と呟き、どういたしましてと微笑んだ。
 

⏰:10/02/07 23:01 📱:P906i 🆔:e55Kqklo


#936 [Mr.RabbIts!]
 

そうは言ったものの、どうやって仲直りのきっかけを見つけるかを考えていた晴樹には、放課後が来るのなんてあっという間で。
結局いい案が出ないまま、晴樹は孝志と帰路についていた。
 
「あー…どうしよう。なんか緊張する…」
「お前さっきからそれしか言ってねぇぞ」
 

⏰:10/02/09 01:35 📱:P906i 🆔:5N6pl2Lo


#937 [Mr.RabbIts!]
 

冷たい孝志の言葉に晴樹は唇を尖らせる。
 
「だって…」
「またウジウジ言ってると旬くんに嫌われちまうぞ」
 
そう言ってスタスタと歩いて行ってしまう孝志に、思わずヤダー!と叫ぶと笑われてしまった。
 

⏰:10/02/09 01:38 📱:P906i 🆔:5N6pl2Lo


#938 [Mr.RabbIts!]
 

晴樹の方をふり返って、フフフッと笑っている孝志が前を向き直すと、小さくあっと叫んだ。
道の先を見つめる孝志にどうしたの?と晴樹が駆け寄る。
 
「お前の兄貴の連れだろ?あの人」
 
『お前の兄貴』の所だけ顔をしかめて言う孝志に苦笑しながらも、前方に目を向けると
 
「龍さん?」
 

⏰:10/02/09 01:46 📱:P906i 🆔:5N6pl2Lo


#939 [Mr.RabbIts!]
 

小さく呟いたつもりだったが、前方から手をふり歩いてくる龍をみると、充分声が届いたらしい。
 
「龍さん…どうしたんですか?こんなとこに居るなんて」
 
晴樹がそう尋ねると、龍はうーんと間を取りながらもゆっくりと答えた。
 

⏰:10/02/09 18:01 📱:P906i 🆔:5N6pl2Lo


#940 [Mr.RabbIts!]
 

「直樹には困ったもんだよ。素直なんだか、素直じゃないんだか」
「?」
 
なにがおかしいのか龍は首をかしげる晴樹を見て、軽い笑い声をあげた。
 
「俺が家に遊びに行ったら直樹のやつ、ずっと自分の家の玄関でうろうろしててさ」
 

⏰:10/02/10 13:54 📱:P906i 🆔:SvGD6TpQ


#941 [Mr.RabbIts!]
 

「えっ鍵忘れたの?」
「違う違う」
 
そこでまた愉快そうにふふふっと笑う龍に、晴樹はますますわからなくなる。
 
「俺も最初そう思って声かけたんだけど…」
 
その場面を思い出しているのか、龍はかなり間をとって話す。
 

⏰:10/02/10 13:57 📱:P906i 🆔:SvGD6TpQ


#942 [Mr.RabbIts!]
 

『なんだよ。鍵忘れたのか?』
 
そう玄関でうろついている直樹の背中に声をかけると、仏頂面がこちらを向いた。
 
『…ちげぇよ』
『は?じゃ、なにしてんの』
 
龍の問いかけに直樹は言いずらそうに口をもごもごと動かすだけだった。
 

⏰:10/02/10 14:01 📱:P906i 🆔:SvGD6TpQ


#943 [Mr.RabbIts!]
 

『…なに』
 
龍がもう一度呆れながらも訊くと、直樹は小さい声でぽつりぽつりと話し出した。
 
『晴樹が、まだ帰って来てない』
『…まぁ、今日は普通に授業があるだろうからな』
 
平然とした答えを龍は返すが、直樹は納得していないらしかった。
 

⏰:10/02/10 14:04 📱:P906i 🆔:SvGD6TpQ


#944 [Mr.RabbIts!]
 

『またあの孝志ってやつと一緒なのか?』
『いや、それは知らないけど』
 
『『…………』』
 
沈黙の間も直樹は落ち着きが無く、塀の向こうを覗いたりしきりに携帯を開いたり閉じたりを繰り返している。
 

⏰:10/02/10 14:14 📱:P906i 🆔:SvGD6TpQ


#945 [Mr.RabbIts!]
 

そんな直樹のあからさまな態度に龍はふき出した。
 
『なんだよ?』
 
いきなり笑い出した龍を直樹は怪訝そうに見た。
 
『そんなに心配なら迎えに行けば?』
『………………。』
 
龍は返ってくる微妙な反応に思わず眉を寄せる。
 

⏰:10/02/13 23:43 📱:P906i 🆔:77UtS9cA


#946 [Mr.RabbIts!]
 

『まさか…まだ仲直りしてないのか?』
『…………。』
 
無言の肯定とみなしていいほど、直樹はしゅんとしょげてしまった。
 
『はぁー…お前たち兄弟はほんとに世話がやける』
『龍、頼む!』
 
自分の顔の前で龍を拝むように両手を合わせる直樹が、何を言いたいかなんて龍には察しがついていた。
 

⏰:10/02/14 23:37 📱:P906i 🆔:mzMASib2


#947 [Mr.RabbIts!]
 

「…ってわけで今、俺は直樹に頼まれた通り晴樹を迎えに来たわけ」
「…なんだ、それ…」
 
晴樹は龍が説明してくれた内容で、直樹がまだ孝志のことを良く思っていないということがわかり、眉間のシワを深くした。
 
「何だよ。せっかく旬くんのおかげで仲直り出来そうだったのに…」
 
そう呟く晴樹に龍は苦笑した。
 

⏰:10/02/14 23:42 📱:P906i 🆔:mzMASib2


#948 [Mr.RabbIts!]
 

「まぁ、直樹の気持ちもわかってやってくれないか?あいつはお前が大事だからこそ、心配してるんだぞ?」
「…わかってるよ」
 
そんなこと、知ってる。
だけど素直になれないのは、直樹も晴樹も同じで。
 
そんな晴樹の頭を龍はやさしく撫でる。
 

⏰:10/02/20 15:35 📱:P906i 🆔:GR3rUl/U


#949 [Mr.RabbIts!]
 

「直樹だって意地張ってるだけなんだって。友だちのこと悪く言われて腹立つのはしょうがないけど、あいつだってわかってくれるよ」
 
龍にそう微笑みかけられ、晴樹はちらりと孝志をみた。
 
「お前の兄貴が過保護だってことはわかったよ。俺だってガキじゃねーし、もう突っ掛かったりしないぜ?」
 
無表情にたんたんと言ってのけた後、孝志はにひっと笑った。
 

⏰:10/02/27 15:48 📱:P906i 🆔:i.lHtAQA


#950 [Mr.RabbIts!]
 

「孝志ぃー…」
 
晴樹が孝志の言葉に感嘆していると、龍も孝志を優しい目差しでみていた。
 
「いい友だちが出来たな。晴樹」
「龍さん…うん!」
 
友だちを、孝志をほめられたのがうれしくて自然と笑顔になる。
 

⏰:10/02/27 15:52 📱:P906i 🆔:i.lHtAQA


#951 [Mr.RabbIts!]
 

「じゃあ…帰るか」
 
龍さんの言葉に顎をひいて頷く。
それから3人で並んで歩き出した。
 
しばらく歩くと「じゃ、俺こっちだから」と孝志が手をあげる。
 
「また明日な!」
「おう」
 
そう挨拶を交わすと孝志は背中を向けて歩いていった。
 

⏰:10/05/22 15:28 📱:P906i 🆔:FlpsJ9wg


#952 [Mr.RabbIts!]
 
それから龍さんと他愛もない話をしているとすぐに我が家がみえてきた。
少し緊張しながら庭へ入ると玄関に座っていた直樹が、はっとした表情で立ち上がった。
 
「………た、ただいま」
 
何も言わず俺の顔をじっと見る直樹から視線をうつ向けて呟く。
 

⏰:10/08/13 11:53 📱:P906i 🆔:IrfcrqQY


#953 [Mr.RabbIts!]
 
「おっ…おう!おかえり」
 
焦ったように口を開いた直樹は笑顔を浮かべていた。
 
「あの…さ」
 
“心配かけてゴメン”
そう言おうとした晴樹より先に、直樹が頭を下げた。
 
「ゴメン」
「……へっ…?」
 

⏰:10/08/13 11:56 📱:P906i 🆔:IrfcrqQY


#954 [Mr.RabbIts!]
 
突然のことに驚いている晴樹をよそに、直樹は一気にしゃべる。
 
「いや、俺、過保護になってたなっていうか、ムキになりすぎたし…悪かったよ。おまえにも、その、孝志ってやつにも」
 
そう言ってもう一度頭を下げる直樹に、晴樹はだんだん笑顔になっていく。
 

⏰:10/08/13 12:00 📱:P906i 🆔:IrfcrqQY


#955 [Mr.RabbIts!]
 
「俺もごめんなさい。心配してくれてたのに、反省出来なかった…」
 
「ああ。…これで仲直りな?」
 
ニカッと笑う直樹につられ、晴樹も笑顔を滲ませる。
 

⏰:11/06/07 08:28 📱:P906i 🆔:G0jqiNZE


#956 [Mr.RabbIts!]
 
それを微笑ましい様子で眺めていた龍を晴樹は見上げる。
 
「龍さんも、迷惑かけてごめんなさい。ありがとねっ」
「…ああ。良かったな」
「悪かったな。龍」
「直樹がそんな素直だと、何だか落ち着かないよ」
 
なんだと?!と躍起になる直樹を龍と晴樹は笑った。
とても暖かい優しい時間が流れていた。
 

⏰:11/09/11 17:20 📱:P906i 🆔:w2oUCtjE


#957 [○○&◆.x/9qDRof2]
(´∀`∩)↑a

⏰:22/10/07 16:25 📱:Android 🆔:GR1soPvw


#958 [○○&◆.x/9qDRof2]
↑(*゚∀゚*)

⏰:22/10/18 19:56 📱:Android 🆔:h3l12Mig


#959 [○○&◆.x/9qDRof2]
(´∀`∩)↑age↑

⏰:22/10/18 21:55 📱:Android 🆔:h3l12Mig


#960 [○○&◆.x/9qDRof2]
↑(*゚∀゚*)

⏰:22/10/19 19:14 📱:Android 🆔:A4ZzuHng


#961 [○○&◆.x/9qDRof2]
↑(*゚∀゚*)↑

⏰:22/10/20 09:29 📱:Android 🆔:nvDpRiyU


#962 [わをん◇◇]
私が振り向くより早く亮が私を突き飛ばした。

何が起きたのかわからなかった。

部屋に響く鈍い音と亮のうめき声。


男の持っていた警棒のようなものが、亮の足を直撃したらしかった。

『亮!』

⏰:22/11/03 19:05 📱:Android 🆔:DPKzmpdw


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