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#401 [Mr.RabbIts!]
 

「おはよ、遙」
「うぃ〜」
 
笑顔で出迎える諒とテキトーにあしらう雄琉。
 
「あ〜暑い〜〜」
 
愚痴をこぼしながら、首だけ遙の方を向く俺。
 
「いや〜暑いね〜。クーラーつけないの?」
 
最もなことを言う遙に同意の声を上げようと、遙を見ると
 

⏰:08/07/06 21:26 📱:P704i 🆔:VanwrvxM


#402 [Mr.RabbIts!]
 

「おわ?!なんだソレ!!?お前っ!!」
 
あまりの興奮に言葉が変になってしまっている俺。
 
「えーなに?あっ、これー?これはね…」
 
「ちげぇよ!サングラスじゃなくて!!アイス!お前だけ何でアイス食ってんだよ?!」
 
そう。遙はアイスをうまそうに食べながら、暑いとかほざいてやがったのだ。
 

⏰:08/07/06 21:32 📱:P704i 🆔:VanwrvxM


#403 [Mr.RabbIts!]
 

「うん?あぁ、ココ来るまでの道に、アイスクリーム屋さんが屋台出してたから」
 
遙のその話を聞いて、俺と雄琉は瞳を輝かせた。
 
「よっし!思い立ったら即☆行動!だよなっ、遙」
 
そう言って立ち上がった俺に続いて雄琉も立ち上がっる。
 

⏰:08/07/06 21:37 📱:P704i 🆔:VanwrvxM


#404 [Mr.RabbIts!]
 

「そーだそーだ!暑いからってダレてちゃ駄目だもんな!!諒っ」
 
そう言って二人は遙と諒を暑苦しく見つめる。
 
見つめられた二人は互いに顔を見合わせた。
 

⏰:08/07/06 21:40 📱:P704i 🆔:VanwrvxM


#405 [Mr.RabbIts!]
 

立ち上がっる
 

 
立ち上がる
 
ですね
すいません、。
 

⏰:08/07/06 21:41 📱:P704i 🆔:VanwrvxM


#406 [Mr.RabbIts!]
 

―――
 
「アイス何処だー!!」
「あちぃぞっコノヤロー!!」
 
結局4人で仲良くアイスを求めて、外出することに。
 
俺と雄琉は嬉しくてしょうがないといった感じに、先程から叫んで暴れて好き放題だ。
 
「ちょっと、暑苦しいんだけど」
「まぁまぁ♪」
 
諒はスティンをおいてきたので、少し不満そうだ。
 

⏰:08/07/07 03:55 📱:P704i 🆔:KE/Z7kTg


#407 [Mr.RabbIts!]
 

そんな諒を見て、雄琉は鼻で笑った。
 
「俺的にはラッキーだけどな。あのヤクザ猫まで連れて来られちゃたまんねーよ」
 
それに珍しくムッとした表情を見せる諒。
 
「スティンは室内用の猫で、デリケートだから。こんな暑いとこ出したらバテちまうんだよっ」
 

⏰:08/07/07 04:01 📱:P704i 🆔:KE/Z7kTg


#408 [Mr.RabbIts!]

 
「おぉ〜。諒らしからぬ、暴言」
 
そう言った俺にも睨みをきかせる諒。
 
怖っ!
 
急いで目を反らして、再びアイスクリーム屋の屋台を探す。
 

⏰:08/07/07 04:02 📱:P704i 🆔:KE/Z7kTg


#409 [Mr.RabbIts!]
 

「…おっ?!アレじゃね?」
 
雄琉の声に全員がそちらを向く。
 
そこには、雄琉が言う通りアイスクリーム屋の屋台があった。
 
「うおー♪アイスーー!!」
 
俺は一目散に駆け寄った。
 

⏰:08/07/07 04:05 📱:P704i 🆔:KE/Z7kTg


#410 [Mr.RabbIts!]
 

「いらっしゃい」
 
屋台のお兄さんらしき人の出迎える声が聞こえたので、俺は顔を上げて注文をしようとした。
 
「どーしよっかな。お兄さん、なにがあんの………って」
 
屋台のお兄さんの顔を見て、俺は思わず固まってしまった。
 

⏰:08/07/07 04:10 📱:P704i 🆔:KE/Z7kTg


#411 [Mr.RabbIts!]

 
そんな俺に気付いたのか、屋台のお兄さんも俺を見る。
 
「ん?…え、あ!!?」
 
二人して口をパクパクしていると、雄琉たちも屋台へゾロゾロやって来た。
 
そこでようやく俺が言葉を発した。
 
「りゅ、龍さん!!何してるんすか!?」
 

⏰:08/07/07 04:12 📱:P704i 🆔:KE/Z7kTg


#412 [Mr.RabbIts!]
 

雄琉たちは不思議そうに、俺と龍さんを交互に見る。
 
「え、なに知りあ…」
「晴樹!お前こそ何こんなとこ彷徨いてんだよ!?」
 
見事、雄琉の言葉は龍さんの言葉に遮られた。
 
「いや、その〜…」
 
俺が返答に困っていると、遙が疑問を口にした。
 
「…はるき?」
 

⏰:08/07/07 04:17 📱:P704i 🆔:KE/Z7kTg


#413 [我輩は匿名である]
あげ

⏰:08/07/08 18:50 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#414 [Mr.RabbIts!]
 

〒匿名さん▽
 
あげどうもです
 
更新遅くなって
すいません〜
 

⏰:08/07/09 21:02 📱:P704i 🆔:20wfJZZw


#415 [Mr.RabbIts!]
 

それに気付いた龍さんが、俺に聞く。
 
「なに?見ない面々だな。新しいダチか?」
 
「え…あ、うん……」
 
なんとなく気まずい雰囲気。
 
龍さんは俺の、『晴樹』のことを知りすぎている。
 

⏰:08/07/09 21:06 📱:P704i 🆔:20wfJZZw


#416 [Mr.RabbIts!]
 

コイツらには、今の俺だけを見てほしかった。
 
なのにこんなに早く、『晴樹』を知られるなんて―…
 
いつのまにか俯いていた俺の頭に、大きい手がおかれた。
驚いて顔を上げると、やさしい笑顔の龍さんと目が合った。
 

⏰:08/07/09 21:10 📱:P704i 🆔:20wfJZZw


#417 [Mr.RabbIts!]
 

「お前のダチなら、ご馳走してやる。うちの店、来いよ」
 
それだけ言ってまたニコリと微笑むと、テキパキと屋台をたたみ始めた。
 
「え、龍さん!悪いっすよ!!」
 
「なーに言ってんだ。久しぶりにお前とも話したいし、店の方がいいだろ」
 
こんなとこじゃ暑くてやってらんねぇよ、と付け足して龍さんはイタズラに笑った。
 

⏰:08/07/09 21:16 📱:P704i 🆔:20wfJZZw


#418 [Mr.RabbIts!]
 

―――
 
俺たちが案内されたのは、影にひっそりとあった『準備中』の札がぶら下げてあるカフェだった。
 
龍さんは屋台をカフェの横にある倉庫にしまうと、カフェに入って俺たちを手招きした。
 
―カランカラン…
 
少しドキドキしながら店内に入ると、俺にとっては懐かしい光景が目に飛び込んできた。
 

⏰:08/07/12 09:41 📱:P704i 🆔:iKRKgrT.


#419 [Mr.RabbIts!]
 

「…全然、変わってないっすね」
 
俺は思わずそうこぼした。
 
「なんだよー。結構変えたつもりだぞ?ほら、そこのポスターとか…」
 
龍さんが拗ねたように言ったので、笑ってしまった。
 
「少なくとも、龍さんは全然変わってないっすよ」
 

⏰:08/07/12 09:46 📱:P704i 🆔:iKRKgrT.


#420 [Mr.RabbIts!]
 

「はっ?晴樹っお前ってヤツは〜」
 
龍さんはそう言いながらカウンターから抜けて、こちらに向かってきた。
 
「男前になりましたね〜、くらい言えねぇのか!このやろうっ」
 
「わあっ」
 
油断していたら龍さんに髪をグシャグシャにされた。
 

⏰:08/07/12 09:52 📱:P704i 🆔:iKRKgrT.


#421 [Mr.RabbIts!]
 

「龍さんは昔っから男前っすよ〜!」
 
そう言ってニカッと笑うと、龍さんの頬が少し赤くなった。
 
「…あっそ///」
 
「なに自分で言わせといて照れてんすか〜」
 
やっぱり龍さんは変わってないな、と実感して少し嬉しかった。
 

⏰:08/07/12 09:56 📱:P704i 🆔:iKRKgrT.


#422 [Mr.RabbIts!]
 

「〜うるさいなっ!///つか、お前のダチをおもてなししないと…」
 
龍さんはそう言うとカウンターに入って作業し始めた。
 
あぁ、そういえば…
 
龍さんと話し込んでいて忘れてしまっていた。
 
「…あ、のさっ」
 
俺から話を切り出さないと駄目だろうと思い、雄琉たちの方に向き直った。
 

⏰:08/07/12 10:00 📱:P704i 🆔:iKRKgrT.


#423 [Mr.RabbIts!]
 

「ハルキっつーんだな」
 
突然の雄琉の言葉に思わずグッと言い淀む。
 
「いい名前じゃんか」
 
そう言って遙が微笑む。
諒も静かに微笑んでいる。 
「…でも」
 
俺は口を尖らせた。
 

⏰:08/07/12 13:37 📱:P704i 🆔:iKRKgrT.


#424 [Mr.RabbIts!]
 

「でもっ俺にはヒロって名前があるから!」
 
俺はそう言って雄琉を見た。
 
「…え」
 
雄琉は眉を寄せて俺を見つめる。
 
「結構気に入ってんだぞ…ヒロって名前なら、好きになれそうなんだ。俺」
 
そこまで言うと雄琉の顔が赤くなった。
そして赤い顔のまま、ニカッと笑った。
 

⏰:08/07/12 14:02 📱:P704i 🆔:iKRKgrT.


#425 [Mr.RabbIts!]
 

「うれしいこと、言ってくれるじゃんかっ!」
 
雄琉は俺の首に腕を回してはしゃぎだした。
 
「わわっ?!アホかっ!痛いっつーの」
 
そう言いながらも、やっぱり俺だって嬉しくて頬は弛んでいた。
 

⏰:08/07/12 17:14 📱:P704i 🆔:iKRKgrT.


#426 [Mr.RabbIts!]
 

そこに不機嫌そうな龍さんの制止の声が入る。
 
「はいはーい。離れて離れてー!!」
 
俺の腕は龍さんの方へ、ぐいぐいと引っぱられた。
 

⏰:08/07/12 17:21 📱:P704i 🆔:iKRKgrT.


#427 [Mr.RabbIts!]
 

「コーヒーいれたから。ま、お前はカウンターかどっかに座っとけよ」
 
龍さんは雄琉を見て(睨んで)そう言うと、諒と遙の方を振り返った。
 
「あ、待たせたね〜。旨いコーヒーいれたから、そこのカウンター席座っといてもらえる?」
 
雄琉の時とは違うにこやかな龍さんの態度に、俺は唖然としていた。
 

⏰:08/07/12 17:27 📱:P704i 🆔:iKRKgrT.


#428 [Mr.RabbIts!]
 

「ちょっ!龍さんっ」
 
俺がカウンター内に引き上げようとしている龍さんを呼び止めると、龍さんはゆっくりこっちを向いた。
 
「あぁ。晴樹はミルクだよな」
 
「んえ?あ…うん。って、そうじゃなくて!」
 
龍さんは俺の言葉を聞くと、低い声で呟いた。
 

⏰:08/07/12 17:31 📱:P704i 🆔:iKRKgrT.


#429 [Mr.RabbIts!]
 

「…あいつ、ムカツク」
 
俺は龍さんの言葉がよく聞き取れなくて、「え?」と聞き返した。
 
「…なんでもない!すぐミルクつくってやるから、待っとけ、な?」
 
結局、爽やかな笑顔で龍さんにうまく丸め込まれてしまった。
 

⏰:08/07/12 17:35 📱:P704i 🆔:iKRKgrT.


#430 [Mr.RabbIts!]
 

俺は納得がいかないまま、諒が座っている横のカウンター席に座った。
 
そして俺の横にドカッと荒々しく座る雄琉。
 
チラッと横目で見ると、
…怒ってるよ〜っ
 
「た、雄琉!龍さんはな、決して悪い人じゃないんだぞ?」
 

⏰:08/07/13 11:15 📱:P704i 🆔:d0Ux22jQ


#431 [Mr.RabbIts!]
 

「…悪いヤツじゃなくても俺、嫌いだ。アイツ」
 
ぶすーっとしている雄琉を俺は慌ててなだめる。
 
「そんなこと言うなよ!な?龍さんちょっと機嫌が…」
 
「奇遇だな。俺もお前が嫌いだぞ」
 
俺と雄琉の前にヒョイと顔を出したのは
 
「ちょっ、龍さん!!」
 

⏰:08/07/13 11:21 📱:P704i 🆔:d0Ux22jQ


#432 [Mr.RabbIts!]
 

「コーヒーいれてやったぞ。さっさと飲んでお前は帰れ」
 
も〜この人は…
 
「龍さん!!」
 
「晴樹はミルクだよな〜。ほい、うまいぞ」
 
「え、あ、うん…ありがと」
 
龍さんの笑顔に負けて、思わずお礼を言ってしまった。
 

⏰:08/07/13 11:35 📱:P704i 🆔:d0Ux22jQ


#433 [我輩は匿名である]
>>1-500

⏰:08/07/13 12:10 📱:SH904i 🆔:/TkTBB/Q


#434 [我輩は匿名である]
>>230-400

⏰:08/07/13 12:30 📱:SH904i 🆔:/TkTBB/Q


#435 [我輩は匿名である]
>>400-500

⏰:08/07/13 12:52 📱:SH904i 🆔:/TkTBB/Q


#436 [Mr.RabbIts!]
 

〒匿名さん▽
 
アンカー
ありがとうございます
 
うれしいんで
また更新しますね
 

⏰:08/07/13 14:30 📱:P704i 🆔:d0Ux22jQ


#437 [Mr.RabbIts!]
 

「ヨシヨシ」
 
その笑顔のまま俺の髪をくしゃくしゃ撫でる。
 
「もう!ガキ扱いしないでくださいよっ」
 
そう言って龍さんの手を払いのけると、龍さんは口を尖らせた。
 

⏰:08/07/13 14:37 📱:P704i 🆔:d0Ux22jQ


#438 [Mr.RabbIts!]
 

「なんだよ。昔は嬉しそーにキャハキャハ言ってたくせにー」
 
「いつの話だよ?!」
 
「んー…晴樹がしょうがくせーくらいの時かな」
 
そう言ってニコリと微笑む龍さん。
 
小学生って、ガキじゃんか!
 

⏰:08/07/13 14:41 📱:P704i 🆔:d0Ux22jQ


#439 [Mr.RabbIts!]
 

俺が龍さんを軽く睨んでいると、今まで黙っていた雄琉が口を開いた。
 
「…そんな昔っからの知り合いなのか?」
 
「え?あ、うん」
 
「…ふーん」
 
え、なに。
 
なんか物凄い不機嫌オーラが出てますけど?雄琉くーん…
 

⏰:08/07/13 14:44 📱:P704i 🆔:d0Ux22jQ


#440 [Mr.RabbIts!]
 

そんな雄琉を見てオロオロする俺とは逆に、なにやらニンマリしている龍さん。
 
「小さい頃の晴樹は俺の後ろくっついて、離れなかったもんなー」
 
なにを言い出すんだ、この人はっ!!
 
「なに、そんな昔の話して…」
 
「風呂も一緒に入ったもんなぁ〜」
 

⏰:08/07/13 14:52 📱:P704i 🆔:d0Ux22jQ


#441 [Mr.RabbIts!]
 

龍さんの言葉にハテナマークを頭の上に浮かべていると、横から激しく咳き込む音が聞こえた。
 
「ゲホッ、ゴホッ!風呂!!?」
 
いやいや雄琉、そんな反応するトコじゃないっしょ。
 
「それにー、一人じゃ寝れないっつって俺んトコまで来て、一緒に寝たことも…」
 
「一緒に寝たぁっ!!?」
 

⏰:08/07/13 14:56 📱:P704i 🆔:d0Ux22jQ


#442 [Mr.RabbIts!]
 

イスから立ち上がって叫んだ雄琉を必死になだめる。
 
「ちょ、雄琉。落ち着け…っ」
 
しかし雄琉は俺の言葉など全く聞いておらず、龍さんを指さし叫んだ。
 
「お前っなに考えてやがる!?」
 
オイオイオイオーイ。
雄琉、お前こそ何を考えてんだよっ!
 

⏰:08/07/13 15:02 📱:P704i 🆔:d0Ux22jQ


#443 [Mr.RabbIts!]
 

「なにって…」
 
そこまで言うと龍さんは俺をチラッと見た。
 
そしてニヤッと笑った。
ニヤッと…
 
「晴樹はカワイーなって、考えてるが?」
 

⏰:08/07/13 15:05 📱:P704i 🆔:d0Ux22jQ


#444 [Mr.RabbIts!]
 

「っ龍さん!!///」
 
「なにー?」
 
なにー?じゃねぇよ!!
 
「…何もしてないだろーな?」
 
ちょちょちょ、雄琉くん怖いんだけどっ
 
「あ?」
 
あ?って!
龍さんも目が怖ーい!!
 

⏰:08/07/13 15:08 📱:P704i 🆔:d0Ux22jQ


#445 [Mr.RabbIts!]
 

見るに見かねた俺は仲裁に入る。
 
「あのなぁっ!なんもあるわけねーだろ…」
 
「キス」
 
「「「「 え? 」」」」
 
龍さんの言葉にその場に居た全員が、思わず声をあげて龍さんを見る。
 

⏰:08/07/13 21:16 📱:P704i 🆔:d0Ux22jQ


#446 [Mr.RabbIts!]
 

「キスくらいは、したかな〜」
 
ま、満面の笑みでなんちゅーことを…
 
ガタッ!!
 
「てめぇ…っ!」
 
雄琉は今ので完全にキレてしまったらしく、龍さんの胸ぐらを荒々しく掴みあげた。
 

⏰:08/07/13 21:19 📱:P704i 🆔:d0Ux22jQ


#447 [Mr.RabbIts!]
 

「たっ雄琉!してないからっ!!もう!龍さんもいーかげんにしてくださいよっ」
 
俺は慌てて雄琉の手を龍さんの服から外す。
 
「だってよー…」
 
「だってじゃない!!」
 
口を尖らせ拗ねたように物を言う龍さんを一喝する。
 

⏰:08/07/13 21:23 📱:P704i 🆔:d0Ux22jQ


#448 [Mr.RabbIts!]
 

「ごめーんね?」
 
そう言って首を傾げ、謝る龍さん。
 
なぜに疑問系?
謝る気あんのかっ
 
「…なんだよ、冗談かよ」
 
雄琉くん、本気にするのなんか君くらいだよ。うん。
 

⏰:08/07/13 21:26 📱:P704i 🆔:d0Ux22jQ


#449 [Mr.RabbIts!]
 

「もう!何なんだよ、龍さんも雄琉も…今日会ったばっかなのに、何をそんなイガミ合ってんだよ?」
 
お前が原因だよ…
 
龍と雄琉の心の声はヒロには届かなかった。
 

⏰:08/07/13 22:59 📱:P704i 🆔:d0Ux22jQ


#450 [我輩は匿名である]
>>1-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400
>>401-500
>>501-600
>>601-700
>>701-800
>>801-900
>>901-1000

⏰:08/07/15 13:50 📱:SH905i 🆔:MUDRyvnA


#451 [Mr.RabbIts!]
 

〒匿名さん▽
 
ありがとうございます!
 
また読み返して
物語の構成とか
練りますね
 

⏰:08/07/16 21:59 📱:P704i 🆔:Y1dm9bUM


#452 [Mr.RabbIts!]
 

 
龍さんは俺から目をそらすと、一つため息を吐いた。
 
なっ?!失礼なっ!!
 
「…まぁ、いいや。早く飲んでくんねぇと、俺がつくったクソ美味いコーヒーが不味くなんだろーが」
 
そう言っている間も、雄琉と龍さんは睨み合ったままだ。
 

⏰:08/07/17 15:47 📱:P704i 🆔:E/aqjMAE


#453 [Mr.RabbIts!]
 

雄琉は龍さんを睨んだまま、言い返す。
 
「誰がてめぇのつくったゲロマズコーヒーなんか…ムゴッ!?」
 
俺は慌て雄琉の口を両手で塞いだ。
 
「そーだよね!早く飲もう飲もう!!雄琉、龍さんのつくるコーヒーはめっちゃウマイんだぞ!」
 
俺はそれだけ言うと雄琉の口から手を離した。
 

⏰:08/07/17 15:53 📱:P704i 🆔:E/aqjMAE


#454 [Mr.RabbIts!]
 

そして龍さんに出されたミルクを飲む。
 
―ゴク…ッ
 
「んー!ウマイっ!!」
 
龍さんを尊敬の目差しで見つめていると、横で雄琉も渋々といった感じでコーヒーを一口飲んだ。
 
口に含んだ瞬間、目を見開いて固まってしまった雄琉を、俺は嬉しそうに見つめる。
 

⏰:08/07/17 16:00 📱:P704i 🆔:E/aqjMAE


#455 [Mr.RabbIts!]
 

「なぁ!ウマイだろ!?」
 
満面の笑みで問いかける俺を怪訝そうに見る雄琉。
 
「……つか、お前が飲んでんのミルクじゃんか」
 
話をそらされた俺はふくれて見せる。
 
「なんだよっ!素直じゃねぇの!!てかミルクもウマイんだよ!」
 

⏰:08/07/17 16:06 📱:P704i 🆔:E/aqjMAE


#456 [Mr.RabbIts!]
 

「ただ単にコーヒーが飲めねぇんだろ?」
 
雄琉に鼻で笑われ、しかも図星を突かれて俺は顔が熱くなった。
 
「…うっうるさいなぁ!///」
 
「クッ…顔まっ赤だし」
 
そう言って俺の赤くなった耳に触れる雄琉。
 

⏰:08/07/17 16:20 📱:P704i 🆔:E/aqjMAE


#457 [Mr.RabbIts!]
 

そして雄琉はやさしく笑うと、口を開いた。
 
「お前はホントに、かわい…」
 
―バシィッ!!
 
「いってぇっ」
 
俺は目の前で起きた光景をポケーっと見ていた。
 

⏰:08/07/18 15:39 📱:P704i 🆔:h/ztpkeA


#458 [Mr.RabbIts!]
 

しかし、また二人が口論を始めたことで俺は意識を取り戻した。
 
「この野郎!晴樹に触れるんじゃねぇ!!」
 
「はぁ?!触ろうが何しようが俺の勝手だろうがよ!」
 
雄琉はそう言い返しながら、さっき龍さんに叩かれた手を擦る。
 

⏰:08/07/18 15:43 📱:P704i 🆔:h/ztpkeA


#459 [Mr.RabbIts!]
 

「お前みたいなガキが晴樹の周り彷徨いてるだけでも、虫酸が走るんだよ!」
 
「ハッ!お前がどう思おうと、俺とヒロは離れねーからなっ!!」
 
雄琉がそう叫んだ瞬間、今度は龍さんがキレたらしく、雄琉の胸ぐらを掴んだ。
 

⏰:08/07/18 15:49 📱:P704i 🆔:h/ztpkeA


#460 [Mr.RabbIts!]

 
「りゅ、龍さん!雄琉も!!落ち着いて…っ」
 
急いで止めにかかった俺を二人して、睨み付ける。
 
「「お前は黙ってろ!!!」」
 
「…え?あ、はい………」
 
俺が縮こまって席に座り直すと、二人ともまた睨み合いを始めた。
 
こ、怖い…
 

⏰:08/07/18 15:52 📱:P704i 🆔:h/ztpkeA


#461 [Mr.RabbIts!]
 

言い争いを止めない二人を結局、諒が上手いこと宥めてくれた。
 
…ホッ。
つか、マジでなんなんだよ〜!
龍さんも雄琉も!!
 
「晴樹、ケーキ食べるか?ケーキ。好きだったろ?」
 
機嫌が良くなった龍さんはやたらとかまってくるし…
 

⏰:08/07/19 09:12 📱:P704i 🆔:pEs8ztZc


#462 [Mr.RabbIts!]

 
「なぁ、もう夕方だぜ?早く帰ろーぜ」
 
雄琉はさっきから、こんなことしか言わないし。
 
「俺はケーキいいよ。腹減ってないし…。龍さん、ちょっとトイレ借りるよー」
 
俺はそれだけ言うと、席から立って入り口側にあるトイレへと向かった。
 
…まぁ、ただ単に逃げたわけだけどっ
 

⏰:08/07/19 09:16 📱:P704i 🆔:pEs8ztZc


#463 [Mr.RabbIts!]
 

トイレに入る前に、また二人の言い争う声が聞こえた。
 
「…勘弁してくれよ」
 
俺は手洗い場にしゃがみ込んだ。
 
自分の髪をくしゃくしゃと弄んでみる。
 

⏰:08/07/19 09:19 📱:P704i 🆔:pEs8ztZc


#464 [Mr.RabbIts!]
 

正直、悩む。
 
自分の…晴樹のことを雄琉たちに、さらけ出せるのか。
 
雄琉たちは晴樹の事を知った上で、自分を受け入れてくれるのか…。
 
「…はー…」
 
暫く俺は、その場から動けなかった。
 

⏰:08/07/19 09:21 📱:P704i 🆔:pEs8ztZc


#465 [Mr.RabbIts!]
 

「…どうしよー…」
 
独り言を呟き俯くと、背後から声がした。
 
「どーもしなくてイイんじゃない?」
 
「…!!?遙っ!?」
 
驚いて声のした方を振り返ると、遙が笑顔で立っていた。
 

⏰:08/07/19 11:51 📱:P704i 🆔:pEs8ztZc


#466 [Mr.RabbIts!]
 

「なかなかヒロが出て来ないからさ〜」
 
そう言われて俺は無意識に俯く。
 
「…何をそんなに気にしてるねか、わかんないけどさ」
 
遙のやさしい声に顔を上げると、遙はニカッと笑った。
 
「ヒロに変わりはないさっ!」
 
そう言って俺の前にピースをつくって、遙はイタズラに笑った。
 

⏰:08/07/19 11:56 📱:P704i 🆔:pEs8ztZc


#467 [Mr.RabbIts!]
 

遙のセリフで
 
「何をそんなに気にしてるねか……」
 

 
「何をそんなに気にしてるのか……」
 
に直してください
 
すいませーん( ;д; )
 

⏰:08/07/19 11:58 📱:P704i 🆔:pEs8ztZc


#468 [Mr.RabbIts!]
 

俺はそんな遙を見た後、遙から目を反らしてスクッと立ち上がった。
 
「…ヒロ?」
 
遙の心配した声が聞こえる。
 
「…最初はみんな、そう言ってくれるんだよ…」
 
「え?」
 
今の俺は過去に完全に押し潰されてて、「晴樹」の頃の俺に戻っていた。
 

⏰:08/07/21 11:28 📱:P704i 🆔:8nQz1EBI


#469 [Mr.RabbIts!]
 

呆然としている遙に俺は目もくれずに、出口へ向かった。
 
「ヒロ?!」
 
扉に手をかけたところで、遙にその手を掴まれた。
 
「どうした?何か、いつもとちが…」
 
「これが俺だよ」
 
俺はゆっくり遙と目を合わせた。
 

⏰:08/07/21 11:33 📱:P704i 🆔:8nQz1EBI


#470 [Mr.RabbIts!]
 

遙の瞳が揺れる。
 
「え…何言って……」
 
「お前らが見てた俺なんか、俺のほんの一部分だったんだよ」
 
こんなことを、言いたかったんじゃない…
 
でも、もう止まらない。
 
「ホントの俺を知ったら、離れるよ。俺から」
 

⏰:08/07/21 11:38 📱:P704i 🆔:8nQz1EBI


#471 [Mr.RabbIts!]
 

『遙たちなら、尚更。』
 
それだけ言い残すと、俺の手を掴んでいる遙の手をそっと外し、遙を残しトイレを出た。
 
 

⏰:08/07/21 11:42 📱:P704i 🆔:8nQz1EBI


#472 [Mr.RabbIts!]
 

―パタン…
 
トイレの扉を閉めてカフェ内に戻ると、雄琉が声をかけてきた。
 
「おっ!ヒロおせーぞっ」
 
「…………ごめん」
 
俺は俯いて謝ることしか、出来なかった。
そんな俺の異変に気付いたのか、諒が席を立って俺の元へと歩み寄ってきた。
 

⏰:08/07/22 23:44 📱:P704i 🆔:8qUaQwr2


#473 [Mr.RabbIts!]
 

「どうした…ヒロ?」
 
諒の優しさに引きずられそうになる自分を叱咤して、勢いよく諒から離れた。
 
「ごめん!でも、俺お前たちだけは迷惑かけたくないから…っ!!」
 
諒や雄琉と目も合わせる事なく、一方的にそう叫ぶと龍さんのカフェから飛び出した。
 

⏰:08/07/22 23:48 📱:P704i 🆔:8qUaQwr2


#474 [Mr.RabbIts!]
 

「っおい!ヒロ!!?」
 
後ろから雄琉の呼ぶ声が聞こえたけど、俺は振り返らずにひたすら走り続けた。
 
雄琉たちから出来るだけ離れられるように、無我夢中で足を動かし続けた。
 
…苦しむのは、俺だけでいいのだから…
 

⏰:08/07/22 23:52 📱:P704i 🆔:8qUaQwr2


#475 [Mr.RabbIts!]
 

――雄琉サイド
 
 
「っおい!ヒロ!!?」
 
俺の呼び止めた声に振り向きもせず、ヒロは走って行ってしまった。
突然のことに何がなんだかわからない俺は、どうしていいのか分からなかった。
 
「…そうだ!遙…っ」
 
俺よりいくらか冷静な諒がそう呟いてトイレへ向かったのを見て、俺も急いで後に続く。
 

⏰:08/07/23 10:43 📱:P704i 🆔:959b.DzY


#476 [Mr.RabbIts!]
 

―バタン!!
 
トイレの扉を勢いよく開けると、しゃがみ込んでいる背中が目に入った。
俺は足早にその背中に駆け寄って乱暴に揺する。
 
「おい!ヒロどーした…」
 
俺の呼び掛けに俯けていた顔を上げた遙は、泣いていた。
 

⏰:08/07/23 10:48 📱:P704i 🆔:959b.DzY


#477 [Mr.RabbIts!]
 

遙が泣いているのを見て、さらに焦る。
 
「なに、泣いて…」
 
「ぐや゙じい゙ぃ〜!!」
 
「…は?」
 
思わず眉間に皺が寄る。
悔しい?ますます話が分からなくなる。
困った顔で遙を見つめるも、本人は泣きじゃくっていてとてもじゃないが話せるような状態ではなかった。
 

⏰:08/07/23 10:54 📱:P704i 🆔:959b.DzY


#478 [Mr.RabbIts!]
 

遙をなだめている諒を見ながら、俺は焦燥感にかられていた。
…こうやっている間にも、ヒロは俺たちから離れて行ってる…。
そう思うとどうしようもなく焦り、冷静さをかく。
 
「っそうだ!アイツ…!!」
 
あることを思い付いた俺は、遙を諒に任せてトイレから出た。
 

⏰:08/07/23 10:59 📱:P704i 🆔:959b.DzY


#479 [Mr.RabbIts!]
 

あの状況の中で一人だけ妙に冷静だったヤツ。
 
カフェに戻った俺はカウンターに駆け寄った。
カウンターでは何事もなかったかのように、グラスを磨いている龍の姿があった。
 
「…おい、アンタ」
 
「アンタ?…まったく、口の聞き方がなってないんじゃないか」
 

⏰:08/07/23 11:03 📱:P704i 🆔:959b.DzY


#480 [Mr.RabbIts!]
 

―バン…ッ!!
 
興奮や焦りで支配されていた俺は荒ぶる感情のままに、カウンターテーブルを両手で叩いた。
そして身を乗り出して龍に掴みかかる。
 
「んなコト言ってる場合かよ!言え!!ヒロは何処に行った!?なんであんな、いきなり…っ!」
 
そこまで言うと雄琉は黙り込んでしまった。
 

⏰:08/07/26 23:19 📱:P704i 🆔:VwD0xOCE


#481 [Mr.RabbIts!]
 

そんな俺を見て、龍は自分の襟を握っている俺の手をやさしく外して言った。
 
「落ち着けよ。俺だって晴樹の行き先はわからない。ただ…」
 
龍の言葉の続きが気になり、ジッと龍の目を見る。
そんな俺から目をそらすことなく、龍は口を開いた。
 
「晴樹が悩んでることは、だいたい解る」
 

⏰:08/07/27 11:41 📱:P704i 🆔:5mmjKfTY


#482 [Mr.RabbIts!]
 

俺が目を見開いて龍を見ると、龍は煙草を取りだし火をつけた。
煙を吐き出しながら、龍は俺に質問を投げかけた。
 
「お前、仕事なにやってる?」
 
「?…ミュージシャン」
 
俺の答えに今度は龍が目を見開いた。
 
「アイツらも、か?」
 
そう言ってトイレを指差したってことは、遙と諒を言っているのだろう。
 

⏰:08/07/27 11:47 📱:P704i 🆔:5mmjKfTY


#483 [Mr.RabbIts!]
 

「あぁ。遙も諒もバンド仲間だ。ヒロも入ったし…」
 
俺の言葉に何故かため息を吐いて頭を抱える龍。
 
「…そうか、なるほどな」
 
「なに、一人で納得してんだよ!?ってか、ヒロが悩んでることって…」
 
そこまで言うと、龍が俺の胸ぐらを掴んだ。
 

⏰:08/07/27 11:52 📱:P704i 🆔:5mmjKfTY


#484 [Mr.RabbIts!]
 

「…っにすんだよ!」
 
胸ぐらを掴まれたまま、ぐいっと龍の方へ引っ張られた。
 
「甘ったれんな。テメーでどうにかしろ」
 
そこまで言ってから、龍は急に低い声で「行け」と呟いたと思ったら、俺を突き放した。
その衝動で一瞬よろけたが、すぐに両足で踏ん張って龍を見た。
 

⏰:08/07/27 11:58 📱:P704i 🆔:5mmjKfTY


#485 [Mr.RabbIts!]
 

龍は何事も無かったかのように、再びグラスを磨き始めた。
 
「…クッソ!」
 
俺は不満をぶつけるかのように、カフェの扉に体当たりするような形で外に出た。
行き先はわからないが、ヒロを想うと焦燥感だけに支配され、その気持ちだけが俺の足を動かした。
 
俺は人混みの中へ飛び込み、走り出した。
 

⏰:08/07/27 21:27 📱:P704i 🆔:5mmjKfTY


#486 [Mr.RabbIts!]
 
 

――ヒロサイド
 
…飛び出して、来ちまった…
 
行き先も決めずにフラフラ歩いて辿り着いたのは、どこかもわからない公園だった。
ブランコに腰かけて、空を見上げてみる。
 

⏰:08/07/31 14:15 📱:P704i 🆔:PzblelME


#487 [Mr.RabbIts!]
 

荷物は諒んトコに置きっぱなしだし、金だって…
 
「…どうしよう、何も考えてなかった…」
 
それはそうだ。
だってあの場所から飛び出す気はなかったのだから。
だけど、今日の出来事でその決意は崩れかけていた。
それは、俺が意気地無しとか意思薄弱だからとか、そんなもんじゃ無くて…
 

⏰:08/07/31 14:20 📱:P704i 🆔:PzblelME


#488 [Mr.RabbIts!]

 
「…龍さん、話したかな」 
俺のことを、アイツらに。
だとしたら、もう俺の事を追いかけては来ないだろう。
そう思うと胸がチクチクした。
 
「…何がしたいんだよ、俺は…」
 

⏰:08/07/31 14:23 📱:P704i 🆔:PzblelME


#489 [Mr.RabbIts!]
 

『ヒロ』になったと思えば『晴樹』に戻って、
バンド組んだと思えばすぐに抜けて来て、
 
自分で飛び出してきたくせに、やっぱりまだアイツらと一緒に居たいと思って…
 
素直になれない自分に、素直になれよって言ったら、やっと涙が出てきた。
 

⏰:08/07/31 14:27 📱:P704i 🆔:PzblelME


#490 [Mr.RabbIts!]
 

「なに、泣いてんだよ…」
 
背後から突然聞こえてきた声に、驚いて振り向く。
そこには心配そうな表情を浮かべる…
 
「こんな所まで…何やってるんだよ、晴樹」
 
「…龍さん…」
 
龍さんはため息を一つ吐くと、俺の座っている隣のブランコに腰を下ろした。
 

⏰:08/07/31 21:08 📱:P704i 🆔:PzblelME


#491 [Mr.RabbIts!]
 

沈黙の中で龍さんは取り出した煙草に火をつける。
ふぅーっと煙を吐き出すのを横目に見て、俺から質問を投げ掛けた。
 
「…どうして、俺の居場所がわかったんですか?」
 
龍さんは俺を一度見ると、前を向きまた煙を吐き出し、俺の質問に短く答えた。
 

⏰:08/07/31 21:13 📱:P704i 🆔:PzblelME


#492 [Mr.RabbIts!]
 

「勘。」
 
「え!?」
 
俺が驚いて龍さんを見ると、舌をペロッと出して「冗談だよ」と言われてしまった。
 
「…じゃあ、何で?」
 
頬を膨らまして尋ねると、「そんな怒んなよ」と言って頭をわしゃわしゃと乱暴に撫でられた。
 

⏰:08/07/31 21:17 📱:P704i 🆔:PzblelME


#493 [Mr.RabbIts!]
 

「もう、龍さん!!」
 
「津村って覚えてるか?」
 
いきなり話を戻され、納得がいかないが小さく頷いた。
津村さんっていえば、龍さんのカフェの常連客で、俺も良くしてもらった人だ。
 
「お前が飛び出して行った後、津村が来てな。さっき晴樹とすれ違ったんだ、って」
 
全く気が付かなかった。
無我夢中で走って来たからな、此処まで。
 

⏰:08/07/31 21:21 📱:P704i 🆔:PzblelME


#494 [Mr.RabbIts!]
 

「そしたらこっち方面に走ってった、って津村が言うから…」
 
「店の事ほっぽって、俺を探しに来てくれたの?」
 
俺がそう言って龍さんを見ると、龍さんは言葉を濁した。
 
「…まぁ、な。…心配するだろーが、フツー」
 
そう言って龍さんは俺から目をそらし、煙草をくわえようとしたがその煙草を地面に落としてしまった。
 

⏰:08/07/31 21:26 📱:P704i 🆔:PzblelME


#495 [Mr.RabbIts!]
 

「ふっ…あはは!」
 
そんな龍さんがとても可愛らしく思えて、大声で笑った。
すると、龍さんは顔を赤くして俺を睨む。
その反応が更に俺の笑いを誘う。
 
「笑うんじゃねーっつの!!」
 
龍さんはそう言って真っ赤な顔で俺を軽くこついた。
 

⏰:08/07/31 21:31 📱:P704i 🆔:PzblelME


#496 [Mr.RabbIts!]
 

ひとしきり笑い終えた後、雄琉たちのことが頭をよぎった。
 
「…龍さん」
 
「ん?」
 
「俺の事、アイツらに言った?」
 
俺の質問に龍さんは静かに首を横に振った。
 
「…そっか」
 

⏰:08/07/31 21:34 📱:P704i 🆔:PzblelME


#497 [Mr.RabbIts!]
 

隣で座っていた龍さんがいきなり立ち上がった。
 
「気に食わねえけどよ、」
 
龍さんの強い眼差しを感じる。
逆光で龍さんの表情がよく見えず、目を細める。
 
「アイツらとちゃんと向き合ってみろ、晴樹」
 
向き合う…雄琉たちと。
 

⏰:08/07/31 21:37 📱:P704i 🆔:PzblelME


#498 [Mr.RabbIts!]
 

「…俺、正直…」
 
『怖いんだ』この一言が言えなかった。
顔の筋肉が強ばって、口がうまく動かない。
黙りこくってしまった俺に龍さんは呆れる様子もなく、ただやさしく頭を撫でてくれた。
その手のひらのあたたかさに安心して、緊張がほどける。
 

⏰:08/08/01 08:13 📱:P704i 🆔:mRKOS9rM


#499 [Mr.RabbIts!]
 

「…龍さん、ありがと」
 
そう言って力無く微笑むと龍さんは一瞬、切羽詰まったような表情を見せたが、またやさしい笑顔で「おう」と短く返してくれた。
 
なんだか嬉しくなって、へへへっと笑っていると後ろで足音がした。
それに続いて俺を呼ぶ声が聞こえた。
 

⏰:08/08/01 08:16 📱:P704i 🆔:mRKOS9rM


#500 [Mr.RabbIts!]
 

「…っはぁ…ヒロ…!」
 
聞き覚えのあるその声に、勢いよく振り向くと息を切らせた雄琉が立っていた。
 
「たっ、雄琉!」
 
俺が急いで駆け寄ると、雄琉は俺の方にもたれるようにして崩れ落ちた。
 
「雄琉!?大丈夫…」
 
「…よかった」
 
そう言って雄琉はニカッと笑うと俺を抱き寄せた。
 

⏰:08/08/01 08:21 📱:P704i 🆔:mRKOS9rM


#501 [Mr.RabbIts!]
 

「雄琉…」
 
「もー…頼むから、居なくなんないで」
 
耳元でそうせがまれて、胸の奥がジンと熱を持ったのがわかる。
 
雄琉の背中を擦ってやると、汗でシャツが背中にへばり着いている。
 
…こんな暑い中、俺を探して走り回ってくれてたんだ…
 

⏰:08/08/01 08:26 📱:P704i 🆔:mRKOS9rM


#502 [Mr.RabbIts!]
 

そう思うと、目の前で自分に持たれかかっている一人の男がとても愛しく思えて、撫でようとしたその頭がいきなりガバッと上げられた事にかなりビクついた。
 
そんな俺をよそに、雄琉はいつの間にやら俺の後ろに腕組みをして立っている龍さんを睨み付ける。
 
「なんでアンタが此処にいるんだよ?」
 
雄琉の挑発的な問い方に、方眉をぴくりと反応させる龍さん。
 

⏰:08/08/01 08:32 📱:P704i 🆔:mRKOS9rM


#503 [Mr.RabbIts!]
 

上の投稿のラストらへん
ですね( ;」.)ノ
 
方眉→片眉((訂正))
 
失礼しました〜.
 

⏰:08/08/01 08:39 📱:P704i 🆔:mRKOS9rM


#504 [我輩は匿名である]
>>1-50
>>51-100
>>101-150
>>151-200
>>201-250
>>251-300
>>301-350
>>351-400
>>401-450
>>451-500

⏰:08/08/01 09:00 📱:W51SH 🆔:fpZZleWo


#505 [Mr.RabbIts!]
 

〒匿名さん▽
 
アンカー
ありがとうございます*
 
また更新できると
おもいますっ( ・∀・ )
 

⏰:08/08/01 11:39 📱:P704i 🆔:mRKOS9rM


#506 [Mr.RabbIts!]
 

「理由はお前も同じハズだが?」
 
なんだか居ずらさを感じて雄琉から離れようとするが、雄琉の腕が俺の体をしっかり固定していて身動きがとれない。
雄琉の腕の中でもがいていると、龍さんが近づいてきた。
 
「お前…」
 
そう言って雄琉を見ると、俺たちの近くにしゃがんだ。
 

⏰:08/08/01 13:39 📱:P704i 🆔:mRKOS9rM


#507 [Mr.RabbIts!]
 

龍さんの手が雄琉に伸びる。
乱暴な事をするのかと思い龍さんを見ると、穏やかな表情をしていたので少し安心した。
龍さんの手は雄琉の汗ばんだ頭にのせられた。
雄琉は不満そうに龍さんを見る。
 

⏰:08/08/01 13:45 📱:P704i 🆔:mRKOS9rM


#508 [Mr.RabbIts!]
 

「なにすん…っ」
 
「どうして此処って分かった?」
 
龍さんの質問に雄琉は一瞬目を丸くしたが、すぐにニカッと笑って答えた。
 
「勘!」
 
雄琉の答えに今度は龍さんが目を丸くする。
しかし龍さんもすぐに、やさしい笑顔になって「そうか」と呟いて立ち上がった。
 

⏰:08/08/01 13:50 📱:P704i 🆔:mRKOS9rM


#509 [Mr.RabbIts!]
 

「勘って…」
 
俺が呆れたように雄琉を見ると、雄琉はケロッとした顔をして言い張った。
 
「俺の土壇場の勘は、命中率高いんだぞ?」
 
そんなことを言う雄琉が可笑しくて、笑っていると龍さんに腕を引っ張られて立ち上がらされた。
 

⏰:08/08/01 13:53 📱:P704i 🆔:mRKOS9rM


#510 [Mr.RabbIts!]
 

「帰るぞ」
 
そう言って俺の手を引く龍さんに、あわててその場に止まろうと奮闘する俺。
そんな俺を見て龍さんは呆れたように一つため息を吐き、雄琉の方を振り返る。
 
「おい。そこのアホ」
 
「アッ…アホ?!それ俺のこと言ってんのか!コラ!!」
 
「お前以外に誰が居るんだ。このドアホ」
 
「てめぇ…!!」
 

⏰:08/08/01 13:59 📱:P704i 🆔:mRKOS9rM


#511 [Mr.RabbIts!]
 

「ちょっと!龍さん!?何でそんな喧嘩腰なんですかっ」
 
「ふん。アイツは気に食わねぇ」
 
そう言ってまた睨み合いを始める二人。
まだまだ続くかと思いきや、珍しく龍さんが睨むのを止めて口を開いた。
 
「早く立てよ」
 

⏰:08/08/01 14:03 📱:P704i 🆔:mRKOS9rM


#512 [Mr.RabbIts!]
 

その龍さんの言葉をどう勘違いしたのか、雄琉は肩を回しながら立ち上がった。
 
「なんだ?宣戦布告か?上等だ」
 
そんな雄琉を見て、龍さんは馬鹿にしたようなため息を吐いた。
 
「だからお前はアホだってんだよ。」
 
「あぁ!?またアホって…!」
 
「帰るんだよ!!」
 
龍さんは面倒臭そうに言うと、止めてある車を指さした。
 

⏰:08/08/01 14:07 📱:P704i 🆔:mRKOS9rM


#513 [Mr.RabbIts!]
 

「………は?」
 
これには俺もビックリ。
龍さんは俺たち二人の反応を見て気恥ずかしそうに、言い訳じみたことを呟き始めた。
 
「ホントはお前みたいなアホ、ぜっっったいに乗せてやりたくないけどよ…お前乗せてかなきゃ、晴樹が動かねぇし……ありがたく乗れっつってんだよ!!」
 
最後は自棄になったのか叫ぶようにそれだけ言うと、龍さんはプイッとそっぽを向いて車まで歩き出してしまった。
 

⏰:08/08/01 14:13 📱:P704i 🆔:mRKOS9rM


#514 [Mr.RabbIts!]
 

「…なんだ?アイツ」
 
そう呟いて呆然としている雄琉の腕を引っ張る。
 
「まぁまぁ!龍さんもちょっとは気を許したってことだって」
 
俺がニコニコ微笑んで雄琉を宥めると、雄琉は不思議そうに俺を見た。
 

⏰:08/08/02 10:11 📱:P704i 🆔:3jLF106M


#515 [Mr.RabbIts!]

 
「…お前はなんがそんなにうれしいんだよ」
 
「えー。べつに?」
 
そうは言うものも、フフフッと口元が弛むのが自分でも分かった。
そんな俺たちを見かねて、龍さんが運転席から急かす。
 
「早くしねぇと置いてくぞ!…アホだけ」
 
「なんだと!?」
 

⏰:08/08/02 10:14 📱:P704i 🆔:3jLF106M


#516 [Mr.RabbIts!]
 

「誰が気を許したってんだ…」
 
雄琉はぶつくさ言いながらも、後部座席に座った。
俺も雄琉の後に続いて後部座席に座ろうとしたら、龍さんに助手席に座るよう促された。
 

⏰:08/08/02 16:55 📱:P704i 🆔:3jLF106M


#517 [Mr.RabbIts!]
 

「晴樹は俺のとなり」
 
「えー?マジっすかー」
 
俺はすでに後部座席に座ろうと車の後ろにまわっていたので、軽く不満を口にした。
 
「嫌がられてやんのー」
 
雄琉のバカにしたような言葉に素早く反応する龍さん。
 
「あ?」
 

⏰:08/08/02 16:59 📱:P704i 🆔:3jLF106M


#518 [Mr.RabbIts!]
 

もー…この人たちは隙があると、すぐ喧嘩するなっ! 
「ヒロは俺のとなりがいいんだよっ」
 
「はっ。大した妄想力だな」
 
俺は二人が言い合っている間に車の前にまわり、助手席に入り込んでため息を吐いた。
 

⏰:08/08/02 17:03 📱:P704i 🆔:3jLF106M


#519 [Mr.RabbIts!]
 

「ほーら見ろ!俺のとなりに来たもんねー」
 
…ガキじゃないんだから、龍さん…大人げないその物言い、やめてください。
 
「くっ!でもヒロ今でっかくため息吐いたし!!仕方なーく座ったんだよっ」
 
…雄琉もさ…大人になれよ…
 

⏰:08/08/02 17:07 📱:P704i 🆔:3jLF106M


#520 [Mr.RabbIts!]
 

まだまだ続きそうな二人の低レベルな(酷)言い争いを止めるため、俺は大声で二人を制した。
 
「もー!いい加減にしてくださいっ!!早く帰りましょうよ!ほらっ」
 
そう言って龍さんと雄琉を睨む。
二人とも「…はい」とか言って大人しくなった車内に、龍さんがエンジンをかける音だけがうるさく響いた。
 

⏰:08/08/02 17:11 📱:P704i 🆔:3jLF106M


#521 [Mr.RabbIts!]
 

………
 
「じゃあ、ココだから。ありがとねっ龍さん」
 
諒のマンションの前に車を止めてもらい、お礼を言って車から出た。
辺りはすっかり暗くなってすごく涼しい。
 
「…ここ、誰んとこだ?まさかこのアホの部屋に行くんじゃ…」
 
龍さんは眠そうに目を擦っている雄琉を指さして、怖い顔で俺を問いただした。 

⏰:08/08/03 17:53 📱:P704i 🆔:PE2UEujU


#522 [Mr.RabbIts!]

 
「違うよ!ほら、昼間一緒にいた優しそーな…」
 
「あぁ、黒髪の」
 
どうやら諒のことと分かってくれたらしく、龍さんの表情が穏やかになる。
 
「なら、いい。てか、むしろ安心だからそうしてくれ」
 
龍さんはニコッと笑って俺を見ている。
そんな俺と龍さんの間に雄琉が割って入る。
 

⏰:08/08/03 17:57 📱:P704i 🆔:PE2UEujU


#523 [Mr.RabbIts!]
 

「おいコラ『なら、いい。』ってなんだよ?俺の部屋じゃご不満ってか??」
 
「不満どころの騒ぎじゃないな。お前みたいな野蛮な犬と晴樹を一緒の部屋に…なんて考えられないね」
 
「やっ野蛮な犬!!?このやろう…っ!」
 
はぁーっ…どうしてこうなるんだよっ!!
 

⏰:08/08/03 18:05 📱:P704i 🆔:PE2UEujU


#524 [Mr.RabbIts!]
 

「雄琉!早く行くぞっ!!龍さん、ありがとーございましたっ!気をつけて帰ってくださいね!!」
 
そう言って雄琉の背中をぐいぐい押しながら、マンションの中へと入った。
エレベーターの中で雄琉に説教する。
 
「…もう!すーぐ喧嘩すんだからっ!!」
 
「だって、アイツが…」
 
「だってじゃない!!」
 
「…はい」
 

⏰:08/08/03 18:09 📱:P704i 🆔:PE2UEujU


#525 [Mr.RabbIts!]
 

…チーン
 
諒の部屋がある階に着き、エレベーターから降りる。
しばらく歩くと諒の部屋の前までたどり着いた。
 
…いやに緊張する。
さっきは突然、飛び出して行ったわけだし…ホントに戻って来てよかったのだろうか。
 

⏰:08/08/03 20:07 📱:P704i 🆔:PE2UEujU


#526 [Mr.RabbIts!]
 

俺がマイナスな思考に支配されて部屋の前から動けずにいると、雄琉が俺の手をそっと握ってくれた。
驚いて横に居る雄琉を見ると、雄琉も俺を見ていた。
 
「…心配すんな。アイツらはお前のこと、すげー大事に想ってるから」
 
雄琉の言葉に俺は涙が出そうになった。
だけど、必死に堪えて返事の代わりに一心に頷いた。
 

⏰:08/08/03 20:12 📱:P704i 🆔:PE2UEujU


#527 [Mr.RabbIts!]
 

雄琉はやさしく笑って「よし、帰るか!」と一際明るい声を出した。
少し落ち着いた俺は雄琉に笑顔を向けた。
 
「おう!」
 
俺の返事を聞いてから、雄琉は諒の部屋の扉を開いて中に入った。
 

⏰:08/08/03 20:15 📱:P704i 🆔:PE2UEujU


#528 [Mr.RabbIts!]
 

「「ただいまー」」
 
二人で元気よく入ると、リビングからドタドタと駆けてくる音が聞こえた。
俺の視界に遙が映った次の瞬間には、目の前が真っ暗になった。
 
「ヒロォオーーッ!!」
 
「んぎゃあっ!!?」
 

⏰:08/08/03 20:20 📱:P704i 🆔:PE2UEujU


#529 [Mr.RabbIts!]
 

勢いよく遙に抱きつかれた俺は、今や遙の腕の中にすっぽり。
 
「は、はなせ…っ!」
 
ちょっ、苦しいんですけど…!!
 
「いーやーだぁーっ!!」 
「なに言って…!!?」
 
そろそろ本気で抵抗しようかと思った時、頭の上に冷たい何かが落ちてきた。
 

⏰:08/08/03 20:24 📱:P704i 🆔:PE2UEujU


#530 [Mr.RabbIts!]
 

やんわりと遙の腕をほどいて、遙の顔を覗き込んだ。
 
「…遙?なに泣いてんだよ…?」
 
遙は目を赤くして涙をボロボロとこぼしていた。
 
「…離したら、またヒロがどっか行っちゃうぅ…」
 
そう言って小さい子供のように俺の服を掴んで、いやいやと頭を振る遙。
 

⏰:08/08/03 20:29 📱:P704i 🆔:PE2UEujU


#531 [歌]
>>401-500
>>501-600

⏰:08/08/04 08:34 📱:D704i 🆔:TcowZR8s


#532 [Mr.RabbIts!]
 

〒歌さん▽
 
アンカーありがとうです
 
うれしいので
また少し更新します
 

⏰:08/08/04 10:06 📱:P704i 🆔:37WDk.86


#533 [Mr.RabbIts!]
 

遙の言葉に、公園で雄琉に抱き締められた時に言われた言葉がフラッシュバックする。
 
『もー…頼むから、居なくなんないで』
 
「…遙、」
 
名前を呼ぶと遙は真っ赤な目で俺を見た。
 
「居なくなんないから、俺ここに居るから…」
 

⏰:08/08/04 10:21 📱:P704i 🆔:37WDk.86


#534 [Mr.RabbIts!]
 

俺がそう言うと遙は真っ赤な目で微笑み、何回もコクコクと頷いた。
そんな遙の手を引いて、俺と雄琉はリビングに向かった。
 
リビングに入るとスティンを膝にのせ、ソファーに座っている諒が居た。
俺たちに気付いた諒はやさしく微笑んで一言。
 
「おかえり」
 
その一言がすごくあたたかくて、泣きそうになったけど堪えて笑った。
 
「ただいま」
 

⏰:08/08/04 10:27 📱:P704i 🆔:37WDk.86


#535 [Mr.RabbIts!]
 

「ンニャァー」
 
足元を見るとスティンが擦り寄って来ていた。
俺はスティンを抱き上げてギューッと抱き寄せた。
 
「ありがとなっ!スティン〜」
 
「ニャーアッ///」
 
スティンは照れたように喉をゴロゴロと鳴らした。
 

⏰:08/08/04 12:52 📱:P704i 🆔:37WDk.86


#536 [Mr.RabbIts!]
 

そんなスティンをいったん床にそっと下ろす。
俺の真剣な表情にスティンは不思議そうに俺を見上げて首を傾げる。
 
「…あのさ、話があるんだ」
 
その真剣な表情のまま、雄琉たちを見た。
雄琉たちも何の話か、分かっているらしく表情が曇る。
 

⏰:08/08/04 12:56 📱:P704i 🆔:37WDk.86


#537 [Mr.RabbIts!]
 

そう、俺の…晴樹の話。
 
俺が話を切り出そうと口を開いた時、諒がやさしい口調で言った。
 
「今日は疲れてるでしょ。明日、みんなで聞こうか」
 
諒を見るとそれ以上何も言わず、ただ一度頷いて微笑んでくれた。
 

⏰:08/08/04 13:04 📱:P704i 🆔:37WDk.86


#538 [Mr.RabbIts!]
 

すると諒に続くように遙も口を開いた。
 
「そうだね〜。今日は俺もぐっすり寝たいし、明日は寝坊しないように来るから〜」
 
そう言っていつものようにニコニコしてくれる遙。
 
「ヒロも疲れたろ?あんな遠くまで走ってったんだから、今日はちゃんと寝ろ。な?」
 
そう言って頭をワシャワシャと撫でてくれる雄琉。
 

⏰:08/08/04 13:11 📱:P704i 🆔:37WDk.86


#539 [Mr.RabbIts!]
 

「…っありがと、う…」
 
今まで我慢してきたツケがまわったのか、一気に涙が溢れ出た。
 
「おいおい!なに泣いてんだよっ!?」
 
雄琉の心配した声が聞こえる。
また嬉しくなって泣き続ける俺をどう勘違いしたのか、遙が雄琉を指さして罵り出した。
 

⏰:08/08/04 13:15 📱:P704i 🆔:37WDk.86


#540 [Mr.RabbIts!]
 

「うわー!雄琉がヒロ泣かしたー!!サイテー」
 
「はっ!?どう考えても違ぇだろっ!」
 
「うぇっ、ちがっ、…おっ俺うれし、くてぇ…っ」
 
泣きながらの言葉は酷く情けなくて、泣き止もうとすればするほど涙は溢れてくる。
 

⏰:08/08/04 13:19 📱:P704i 🆔:37WDk.86


#541 [Mr.RabbIts!]
 

―――
 
「……っん…んぅ?」
 
いつの間にか閉じていた瞼を開けると、白い天井が見えた。
横では扇風機がカタカタと音を立てて回っている。
むくり、と起き上がるとどうやらリビングのソファーで寝てしまっていたみたいだ。
 

⏰:08/08/04 22:01 📱:P704i 🆔:37WDk.86


#542 [Mr.RabbIts!]
 

「…いー匂い…」
 
旨そうな匂いに誘われ、キッチンまでモタモタ歩いて行くと、諒が炒飯を炒めていた。
 
「チャーハン!!」
 
寝ぼけている俺は大声を出して目を輝かせた。
 
「わっ!ビックリした…。起きたんだ。おはよ、ヒロ」
 
諒はニコリと俺に微笑むと、再び作業を始めた。
 

⏰:08/08/04 22:06 📱:P704i 🆔:37WDk.86


#543 [Mr.RabbIts!]
 

「おはよーう…」
 
眠い目を擦りながら諒の横につくように立った。
諒は俺をチラリと見ると笑った。
 
「目、赤い…昨日泣き疲れて寝ちゃったからな」
 
「えっ!?」
 
諒の言葉に驚き急いで洗面所まで駆けて行く。
覗き込んだ鏡には目を真っ赤に腫らした俺の情けない顔が映っていた。
 

⏰:08/08/04 22:10 📱:P704i 🆔:37WDk.86


#544 [Mr.RabbIts!]
 

「う〜…どうしよう〜」
 
俺がリビングに戻って唸っていると、諒が冷えピタを手渡してくれた。
 
「これでちょっとは腫れが引くといいけど…」
 
「諒ぁ〜!ありがとうぅ〜!!お前はホントにイイヤツだなぁっ」
 
そんな俺を見てクスリと笑うと、諒は「どーいたしまして」と言ってキッチンに戻って行った。
 

⏰:08/08/04 22:15 📱:P704i 🆔:37WDk.86


#545 [Mr.RabbIts!]
 

「お〜♪冷たくて気持ちいー!」
 
ソファーに座って一人で足をバタつかせてはしゃいでいると、スティンが膝に乗ってきた。
 
「スティン気持ちいーぞっコレ!…両目ともに貼ろーっと」
 
俺は目を閉じて冷えピタを両目に貼った。
 

⏰:08/08/04 22:19 📱:P704i 🆔:37WDk.86


#546 [Mr.RabbIts!]
 

「〜♪」
 
しばらく鼻歌を歌っていると、玄関のドアが開く音がした。
その後に真っ直ぐリビングに向かってくる、一人分の足音が耳に届く。
リビングに誰かが入って来た気配を感じて、俺は話しかけた。
 
「…誰ー?あっ待て!俺が当てるから」
 
「………………」
 
相手はそれを了承してくれたらしく、無言を返してきた。
 

⏰:08/08/04 22:23 📱:P704i 🆔:37WDk.86


#547 [Mr.RabbIts!]
 

んー…遙か雄琉どっちだろう?
でもどっちが来ても、おかしくない時間だしな…。
 
その時スティンが一度「ニャア」と鳴いた。
 
「………!!わかった!遙だっ」
 
そこに立っているであろう人物が雄琉なら、スティンがこんなに機嫌良さそうに鳴くハズがない。
 

⏰:08/08/04 22:27 📱:P704i 🆔:37WDk.86


#548 [Mr.RabbIts!]
 

俺は『正解』の返事が返ってくるのを待ったが、返ってきた答えも声も俺の予想していたものではなかった。
 
「残念。“ハルカ”じゃないよ」
 
え…っ
 
だっ誰だ誰だダーレーだぁ!?
雄琉でも遙でも諒でもない声…
 

⏰:08/08/04 22:37 📱:P704i 🆔:37WDk.86


#549 [Mr.RabbIts!]
 

俺の視界を遮っている冷えピタを取ろうとした手を掴まれた俺は、もはやパニック状態。
 
「えっ!なななっなに!?何ですかっ!!?」
 
相手が分からない状態に何故か敬語を使ってしまう始末。
 

⏰:08/08/04 22:44 📱:P704i 🆔:37WDk.86


#550 [Mr.RabbIts!]
 

「いーから、付いて来な」
 
そう言って誰か分からない奴は、掴んでいた俺の腕をいきなり引っ張った。
 
「痛っ!放せ…っぅわあ!?」
 
なっなに!?どーなってんの?
俺、今、宙に浮いてる!!?
 
そう、俺は誰かも分からない奴に担ぎ上げられたのだ。
 

⏰:08/08/04 22:57 📱:P704i 🆔:37WDk.86


#551 [Mr.RabbIts!]
 

俺はギャアギャア騒いだが相手は全く動じないようで、玄関へと連れて行かれてる気が…
 
「ちょっとヒロ?なに暴れて…っ貴方、誰ですか!!?」
 
諒の声だ!!
気付いてくれたのかっ!
 
「諒っ!たすけ…」
 
「ちょっとコイツ借りてくよ」
 

⏰:08/08/05 09:59 📱:P704i 🆔:1XLHe2RM


#552 [Mr.RabbIts!]
 

…はあっ!!?
 
誰だか分かんない奴の声が聞こえてから、バタンと扉が閉まる音がした。
…扉が閉まる、音がした。 
「えぇ!?ちょっマジで下ろせよ!てか、諒ーっ!!」
 
手足をバタつかせてみるも、簡単に丸め込まれてしまった。
 

⏰:08/08/05 10:05 📱:P704i 🆔:1XLHe2RM


#553 [Mr.RabbIts!]
 

「お前は悪い子だから下ろさないし、アキラって奴は調理中だったのかな?俺たち追っかける前に火止めたりいろいろしてたから、もう俺には追いつけない」
 
くっ…コイツよくもベラベラと
 
「つか諒!火の元とかいーから!早く助けに来ーい!!むぐう…っ」
 
「ちょっと黙ってよーか」
 

⏰:08/08/05 10:10 📱:P704i 🆔:1XLHe2RM


#554 [Mr.RabbIts!]
 

叫んでたら何かに座らされたぞ?
俺は状況を確認しようと、辺りを手で探ってみる。
その時、音が聞こえた。
…エンジン音?
 
「ほら、コレかぶって、ちゃんと捕まれ」
 
そう言った声が前からしたと思ったら、頭にスッポリと何かをかぶらされ、両腕を前に引っ張られた。
 

⏰:08/08/05 10:15 📱:P704i 🆔:1XLHe2RM


#555 [Mr.RabbIts!]
 

「なっなに!?」
 
「ちゃんと捕まってないと、振り落とされんぞ」
 
何に捕まれと?
俺はワタワタしていると腕を再び捕まれ、前にあったあたたかいものにしがみつく姿勢にされた。
 
「…俺に捕まってろ。バカ晴樹」
 
え…っ!?
今、コイツ俺のこと晴樹って…
 
そう思っていると、エンジン音がさらに激しくなり、バイクと思われる乗り物は走り出してしまったようだ。
 

⏰:08/08/05 10:19 📱:P704i 🆔:1XLHe2RM


#556 [Mr.RabbIts!]
 

―――
 
「…はっ…はぁ、はあ…っ!」
 
諒はあの後マンションの駐車場まで追いかけて行ったが、完全にヒロたちを見失ってしまった。
 
「…誰だったんだ…」
 
そう呟いた時、背後からにぎやかな話し声が聞こえてきた。
 

⏰:08/08/05 13:38 📱:P704i 🆔:1XLHe2RM


#557 [Mr.RabbIts!]
 

「お前またアイス食ってんのかよ!腹こわすぞ」
 
「一日一個って決めてるから、大丈夫だもーん!」
 
聞き覚えのある声に振り返ると、やはり雄琉と遙だ。
 
「雄琉!遙!!」
 
諒が二人の元に駆け寄ると、二人とも驚いた顔をして諒を見た。
 

⏰:08/08/05 13:42 📱:P704i 🆔:1XLHe2RM


#558 [Mr.RabbIts!]
 

「え、諒?どうした?」
 
「俺たちのお出迎えでしょ?ヒロはー?」
 
諒の様子に異変を感じたのか、雄琉は真剣な表情だ。
天然な遙は放っておいて(酷)、諒は神妙な顔つきで状況を説明した。
 
「ヒロが…さっき、誰かに連れて行かれた」
 
「「はぁっ!!?」」
 

⏰:08/08/05 13:47 📱:P704i 🆔:1XLHe2RM


#559 [Mr.RabbIts!]
 

「えっ!?なに?なんで!?ヒロー!!」
 
「諒!お前っなにしてんだよ!!連れて行かれたって…」
 
パニック状態に陥る遙と、激怒する雄琉。
 
「ちょっ、待って!!」
 
諒の制止の言葉に静まる二人。
 

⏰:08/08/05 13:51 📱:P704i 🆔:1XLHe2RM


#560 [Mr.RabbIts!]
 

「…ヒロを連れて行った奴が、誰かは分からない……けど」
 
諒の言葉に雄琉と遙は息をのんで次の言葉を待つ。
 
「「けど…?」」
 
「…何処かで、見たことあるんだよな…思い出せないけど」
 
諒の言葉に雄琉は項垂れる。
 
「そこが大事なんじゃねぇかよ。マジで誰なんだよ…」
 
三人は駐車場で暑いことも忘れ、途方に暮れた。
 

⏰:08/08/05 13:56 📱:P704i 🆔:1XLHe2RM


#561 [Mr.RabbIts!]
 

―――
 
「…なぁ!」
 
あれから一言もしゃべらずにバイクを走らせ俺を無理やり連れ回している男に話しかけると、案外普通に返事が返ってきた。
 
「なに?」
 
「なにって!…んーと」
 
何から訊こう。
まぁ一番気になるのは…
 

⏰:08/08/05 23:00 📱:P704i 🆔:1XLHe2RM


#562 [Mr.RabbIts!]
 

「アンタ、誰だ?」
 
真っ暗な視界の中、思いきって訊ねるとクスリと一笑された。
 
「気になるか?」
 
「なるだろ!そりゃ!!」
 
男は「ふーん」とだけ言うと黙ってしまった。
 

⏰:08/08/05 23:03 📱:P704i 🆔:1XLHe2RM


#563 [Mr.RabbIts!]
 

「…え?えっ??教えてくんねーのかよっ」
 
「…分かんないのかよ」
 
―キキィ…ッ
 
信号のせいだろうか、バイクがブレーキをかけて止まった。
 
「…え?」
 
男のひどく悲しそうな声に俺は記憶を必死に辿ってみる。
 

⏰:08/08/05 23:06 📱:P704i 🆔:1XLHe2RM


#564 [Mr.RabbIts!]
 

「ずっと、思ってたんだけど…」
 
俺の思考を遮るように男は話しかけてきた。
 
「なんだよ?」
 
「いつまで冷えピタ貼ってんの?いくらでも取るチャンスはあっただろ?」
 
あ…言われてみれば。
この男に担ぎ上げられた時も手足は自由だったのに、下ろしてもらおうと必死でバタつかせる事しかしなかった。
 

⏰:08/08/05 23:10 📱:P704i 🆔:1XLHe2RM


#565 [Mr.RabbIts!]
 

「…俺としたことが…」
 
そう言って冷えピタを今すぐ取り払って、男の顔を見てやろうと思い、捕まっていた男の腰から手を離した。
 
ヘルメット脱がねぇと…
 
「晴樹」
 
「はい!!?」
 
いきなり名前を呼ばれて大きな声で返事をしてしまった。恥ずかし…///
 

⏰:08/08/05 23:14 📱:P704i 🆔:1XLHe2RM


#566 [Mr.RabbIts!]
 

「もう信号変わるけど?」
 
「え゙っ」
 
―ドルルルルッ…
 
再びエンジンを吹かした音がしてあわててヘルメットをかぶり直して、男にしがみついた。
 
「くそ!次の信号では必ず…!」
 
「今はポリが居たから止まったけど、信号なんて基本的無視だろ」
 
「…………くそうっ!!」
 

⏰:08/08/05 23:19 📱:P704i 🆔:1XLHe2RM


#567 [Mr.RabbIts!]
 

あれから何度も質問を繰り返したが、どれ一つまともに答えてもらえないまま目的地に着いたようだ。
 
―ガシャン…
 
バイクが止まったのを確認してから、俺はヘルメットを脱ぎ冷えピタを剥いだ。
やっと視界が開け、久しぶりの光に目が眩む。
―と、また目の前が暗くなった。
 

⏰:08/08/06 09:53 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#568 [Mr.RabbIts!]
 

どうやら俺の視界は今だに誰だか分からない男の手によって再び遮られたようだ。
 
「…はっ!?なにすんだよっ」
 
そう叫んで手を退かそうとするが後ろから抱き締められる形で体の自由を奪われた。
 
「うるさい奴だな。入れば分かるから」
 

⏰:08/08/06 09:57 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#569 [Mr.RabbIts!]
 

それだけ言うと男は俺を抱えたまま歩き、どこかの建物に入ったようだ。
 
―カランカラン…
 
「なっ、何処!?てか、いい加減は・な・せ・よっ!!」
 
―ダンッ!
 
「いっつ…!!」
 
相手が油断している隙にかかとで思い切り足を踏んでやった。
 
…やっと視界が開ける。
 

⏰:08/08/06 10:04 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#570 [Mr.RabbIts!]
 

「…って、えっ!!?」
 
「よう」
 
俺の目に一番最初に飛び込んできたのは、あろうことかカウンターで仕事をしている龍さん。
つまり俺が連れて来られた場所は昨日も訪れた龍さんのカフェ。
 
てか、ここのカフェに俺を連れて来るって…
 
俺はそっと後ろを振り向いた。
 

⏰:08/08/06 10:10 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#571 [Mr.RabbIts!]
 

そこには、しゃがみ込んで痛そうに俺に踏まれた足を擦っている―…
 
「っ兄貴!!?」
 
俺が目を丸くして叫ぶと、俺の兄、若松 直樹(わかまつ なおき)は立ち上がって平然とした表情で、俺をカウンター席まで引っ張って行った。
 

⏰:08/08/06 10:20 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#572 [Mr.RabbIts!]
 

「龍、コーヒー淹れて。あっ晴樹はミルク…」
 
「ぅおいっ!んな事はどーでもいいんだよっ!!お前なにして…っ」
 
俺が声を荒げると、龍さんが聞き捨てならないとばかりに間に入ってきた。
 
「なに?俺が淹れるコーヒーは、どーでもいいってか?あ?晴樹」
 
「ちっ違う違う!そうゆう意味でなくて!!」
 

⏰:08/08/06 10:26 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#573 [Mr.RabbIts!]
 

「ハハハッ!やっぱ龍と晴樹のコンビはおもしろいな〜」
 
凄んでみせる龍さんとあわてる俺を見て、呑気に笑う直樹を睨み付ける。
 
「笑うな!お前のせいだろうが!…ってか、ホントに何しに来たんだよ?!」
 
俺がそう怒鳴ると、しゅんとしてみせる直樹。
 
「酷いな。せっかく迎えに来たってのに…」
 

⏰:08/08/06 10:30 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#574 [Mr.RabbIts!]
 

俺は自分の耳を疑った。
 
「む、迎えに来たぁ!?」
 
「だから、そう言ってんじゃん」
 
取り乱す俺に対して物凄く冷静に返す直樹。
 
「ちょ、ちょっと待て。…俺は戻る気はねえぞ」
 
俺の返事に直樹は真剣な表情で、しばらく言葉を発さなくなった。
 

⏰:08/08/06 10:34 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#575 [Mr.RabbIts!]
 

龍さんは気をきかせてくれたのかコーヒーとミルクを淹れてくれると、「何かあったら、呼べ」とだけ言い残して奥へ入って行ってしまった。
 
重い沈黙の中、直樹が口を開く。
 
「…親父、心配してんぞ」
 
その言葉に俺は親父を思い出し、ふっと頬が弛んだ。
 

⏰:08/08/06 10:39 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#576 [Mr.RabbIts!]
 

「…だろうな」
 
俺はそれだけ返すと、ミルクを飲んだ。…甘くて旨い。
 
俺たちの親父はすげえ俺たちや、オフクロを大事にしてくれてた。いい親父だ。それは俺だって、分かってる。
 
「だったら何で…!」
 
直樹の顔が理解に苦しむように歪む。
 

⏰:08/08/06 10:42 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#577 [Mr.RabbIts!]
 

俺はミルクの入ったグラスをそっと置いた。
 
「過保護すぎんだよ」
 
そう言って笑ってみせる。
直樹はまだ納得がいかない、という顔をしている。
 
「…だからって、何も言わずに家出るかよフツー」
 
俺は昔から兄貴と仲が良かった。
だから、兄貴には腹割って話してもいい気がしたんだ。
 

⏰:08/08/06 10:50 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#578 [Mr.RabbIts!]
 

―――
 
「とにかく、手分けして探そう」
 
諒の言葉に雄琉も遙も頷いた時、若い女の子たちがキャハキャハ嬉しそうに向こうから歩いてくるのが見えた。
特に気にも止めず、ヒロを探しに行こうとした諒の耳に、女の子たちの話し声が届く。
 

⏰:08/08/06 11:57 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#579 [Mr.RabbIts!]
 

「さっきのって絶対NAOだよね〜!生で見ちゃった〜!!」
 
「やっぱ生はテレビで見るよりカッコイイよね〜!!」
 
…NAO…
諒は何故か立ち止まり、必死に何かを考えている。
 
「おい…諒?」
 
それに気付き雄琉が声をかけると諒はハッとしたように、その女の子たちに近づいて行った。
 

⏰:08/08/06 12:00 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#580 [Mr.RabbIts!]
 

「ちょっ、おい!諒!?」
 
諒の行動に戸惑いながらも、雄琉と遙も諒を追いかける。
 
「…ねぇ、ちょっといいかな?」
 
諒は人の良さそうな笑顔を浮かべ女の子たちに話しかけた。
 
「…え///はいっ!何ですか?」
 
女の子たちは諒を見て顔を赤くし、何人かはキャーキャーと小さく叫んでいる。
 

⏰:08/08/06 12:05 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#581 [Mr.RabbIts!]
 

「NAOってさ、あの歌手の?」
 
「はっはい!さっきバイクで走ってるの見て…ヘルメットかぶってたけど、あれは絶対NAOでしたっ」
 
女の子は興奮気味にそう言った。
 
「やっぱり…バイクの後ろに、ちっちゃい子乗ってなかった?」
 
俺がそう女の子に聞くと、雄琉が身を乗り出してきた。
 

⏰:08/08/06 12:10 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#582 [Mr.RabbIts!]
 

「ちっちゃい子って、ヒロか!?でも、なんで…」
 
そう言った雄琉の言葉を遮るほどの女の子のハッキリした声がした。
 
「はい!確かに乗ってました」
 
「!!っホントか!?」
 
雄琉が答えた女の子にぐっと詰め寄る。
 
「え、あっハイっ///」
 

⏰:08/08/06 12:14 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#583 [Mr.RabbIts!]
 

「で!?何処行ったんだ!?」
 
雄琉があまりにもすごい勢いで詰め寄るので、女の子は顔を真っ赤にして口をパクパクさせてしまった。
 
「もーう、雄琉っ怖ーい!女の子にはやさしく接しなきゃ〜」
 
遙の言葉に少し冷静になる雄琉。
諒は一つため息を吐いて、もう一度女の子たちに訊いた。
 

⏰:08/08/06 12:19 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#584 [Mr.RabbIts!]
 

「二人が何処行ったかは、知らないかな?」
 
すると一人の女の子が戸惑いがちに、前の道を指さした。
 
「何処かは分からないけど…この道の信号を真っ直ぐ行きました」
 
「そっか、ありがとう」
 
笑顔でお礼を言うと顔を赤くさせて何度も頷いてくれた。
 

⏰:08/08/06 12:24 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#585 [Mr.RabbIts!]
 

「真っ直ぐっていや…龍さんの店があるよな」
 
諒がそう言うと雄琉はあからさまに嫌そうな顔をした。
 
「まさか…行かねえよな?関係無いし…」
 
「いや、何か見てるかもしれないし。情報は多い方がいい」
 
諒の言葉にガックリと肩を落とす雄琉。
 

⏰:08/08/06 12:27 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#586 [Mr.RabbIts!]
 

ここで不思議そうに遙が疑問を口にした。
 
「なんでNAOがヒロを…?」
 
遙の言葉に諒も雄琉も考え込む。
 
「でも確かにヒロを連れて行ったのは、NAOだよ。目撃証言もあるし、…俺も見たし」
 
最後の諒の言葉に雄琉が眉をしかめる。
 

⏰:08/08/06 12:30 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#587 [Mr.RabbIts!]
 

「見たことあるってそーゆー事かよっ!てか、芸能人だぞ?同じ歌手だぞ!?何でスッと思い出せないんだよっ」
 
雄琉の責め立てに珍しく拗ねたような表情で言い返す諒。
 
「しょうがないだろ!サングラスしてたし…それに芸能人とか、俺そうゆうのウトいんだよ!」
 

⏰:08/08/06 12:34 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#588 [Mr.RabbIts!]
 

「まぁまぁ!早くヒロを探しに行こうよ」
 
これまた珍しく遙が雄琉と諒に制止の声をかける。
 
「…だな。アイツのとこ行くのは気にくわねえけど…ヒロのためだ」
 
「よし、行くか」
 
三人は疑問を抱きながらも、龍のカフェへと急いだ。
 

⏰:08/08/06 12:37 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#589 [Mr.RabbIts!]
 

―――
 
「…俺はさ、自分の力で頑張ってみたいんだよ」
 
俺はゆっくり口を開いた。兄貴の視線を感じる。
 
「なんだよ…それ。それじゃ親父や俺の事、邪魔だって言ってんのかよ!」
 
―ガタン…ッ!
 
直樹が勢いよく席を立ったため、椅子が床とぶつかる大きな音がした。
 

⏰:08/08/06 13:34 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#590 [Mr.RabbIts!]
 

「そうじゃない!そうじゃなくて…っ!!」
 
もどかしい…自分が思ってる事なのに、言葉が見つからない。
 
「どうした?…って、あ〜ぁ」
 
さっきの物音を聞いた龍さんが奥から出てきた。
龍さんは怖い顔をした直樹と困った顔をした俺を見て、ため息を吐いて、直樹が倒した椅子を直した。
 

⏰:08/08/06 13:40 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#591 [Mr.RabbIts!]
 

「…すいません。龍さん…」
 
俺が軽く頭を下げると、龍さんは笑って頭を撫でてくれた。
 
「お前たち兄弟には迷惑かけられっぱなしだからな。もう慣れたよ」
 
そう言った龍さんにもう一度頭を下げる。
 

⏰:08/08/06 13:44 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#592 [Mr.RabbIts!]
 

龍さんは直樹の幼い頃からの親友で、小さい頃から兄貴に引っ付いていた俺にとって、龍さんは第二の兄貴だ。
直樹と喧嘩して泣いていた時も、いつも龍さんが慰めてくれて仲直りまで面倒をみてくれた。
 
「まったく…直樹!晴樹を虐めたらタダじゃおかないからな」
 
「…悪かったよ」
 
何故か直樹は昔から龍さんには頭が上がらないようだった。
 

⏰:08/08/06 13:49 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#593 [Mr.RabbIts!]
 

昔の事を懐かしんでいると、店の扉が開く音がした。
直樹は急いでしまってあったサングラスをかける。
 
「すいません。まだ開店してな…ってお前らか」
 
龍さんの言葉に振り向くと、雄琉たち三人が立っていた。
 
「ヒロ!?とNAO!!?」
 
直樹を見ると「バレたか」といった顔でサングラスを外していた。
 

⏰:08/08/06 13:55 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#594 [Mr.RabbIts!]
 

「龍!てめぇかっ!!」
 
雄琉はすごい剣幕でこちらにズカズカとやってくる。
 
「待て待て。龍は情報を提供してくれただけだ」
 
そう言って直樹は雄琉の肩を掴んで止めさせる。
今の言葉でやっと分かった。
 
「おかしいと思ってたんだよ。俺の居場所知ってるなんて」
 
そう言って軽く龍さんを睨むと、龍さんは顔の前で手を合わせた。
 

⏰:08/08/06 14:00 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#595 [Mr.RabbIts!]
 

「悪い悪い。まさか無理やり連れ去って来るとは思わなかったからな…」
 
龍さんが申し訳なさそうに言うといつの間にやら直樹を遙は見入っていた。
 
「わあ〜っ!すっげぇ!ホンモノ〜!!」
 
そんな遙に営業スマイルを向ける直樹。
 

⏰:08/08/06 14:05 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#596 [Mr.RabbIts!]
 

「うぉ!笑った笑った!!やっぱ生で見るとカッコイ〜!…っぐえっ」
 
はしゃぐ遙の襟を後ろから掴む雄琉の顔は、恐ろしく歪んでいた。
 
「アンタどーゆーつもりなんだよっ!犯罪だぞ!!」
 
そんな雄琉とは裏腹にニコニコと冷静な直樹。
 

⏰:08/08/06 14:13 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#597 [Mr.RabbIts!]
 

「…犯罪?それってどんな罪に問われるの?」
 
「は?えっ…誘拐…とか?」
 
雄琉の答えを聞いてフフッと愉しそうに笑う直樹に、雄琉はさらに怖い表情をみせた。
 
「なにが可笑しいんだよ!」
 
「可笑しいでしょ?ねぇ、晴樹」
 

⏰:08/08/06 14:16 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#598 [Mr.RabbIts!]
 

俺に振るなよ…とか思いながらも頷く。
 
「まぁ、犯罪ではない…かな」
 
「はっ!?」
 
俺の言葉に雄琉も諒も驚いた顔をみせる。
しかしただ一人遙だけは納得したように、しきりに頷いている。
 
「だってNAOだよ!国民的アイドルは罪に問われないんだよ〜」
 

⏰:08/08/06 14:20 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#599 [Mr.RabbIts!]
 

…まぁ、アホは放っておいて(酷)
 
「コイツ、一応俺の兄貴だから」
 
そう言って直樹を指さして紹介すると、まぁ当然驚かれるわけで。
 
「「「っえぇえぇぇー!?」」」
 
雄琉も遙も諒も、俺と直樹を交互に見て叫びながら存分に驚いていた。
 

⏰:08/08/06 14:24 📱:P704i 🆔:z4OXmqqs


#600 [歌]
>>400-500
>>501-600
>>601-700

⏰:08/08/06 14:54 📱:D704i 🆔:9317W4pQ


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