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#63 [今から(1/1)◆vzApYZDoz6]
時刻は0:49。

パジャマに着替えてベッドで携帯をいじっていたら、急に着信がきた。
掛けてきたのは友達だ。

「今から行くわw」

いきなりかい。
とりあえず家はみんな寝てるから駄目だが。

「じゃあコンビニの前おってw」

一方的に電話を切られた。
まったく、車の免許を取ってからずっとこれだ。
春休みに入って回数は減ったが、たまにこうして夜中に電話がかかってくる。

まぁ、いいか。

明後日になれば卒業だ、思い出は多い方がいいだろう。

俺は着替えて、家を出た。

今、コンビニの前にいます(実話)

⏰:08/03/04 01:03 📱:P903i 🆔:KmOF1cpQ


#64 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
《まとめ》

◆vzApYZDoz6さんの作品
往年のライバル(1/1)
>>5
奇怪な電話(2/2)
>>6
>>9
あの頃の思い出(2/2)
>>10-11
ギャグカオスなシュール(1/1)
>>12
賭け(3/3)
>>19-21
ゆびきりげんまん(2/2)
>>23-24
雪(2/2)
>>26-27
親御さん(1/1)
>>37
河上彦斎(3/3)
>>43
>>45-46
雨のち晴れ(2/2)
>>51-52
あだ名で呼んでほしいシュール(2/2)
>>53-54
今から(1/1)
>>63

梓さんの作品
真夜中の着信(2/2)
>>14-15

⏰:08/03/04 01:29 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#65 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
《まとめ続き》

ふむさんの作品
最期の花(1/1)
>>8
世界の真実(3/3)
>>13
>>16-17
天の邪鬼(3/3)
>>25
>>28-29
延長戦(1/1)
>>42
人斬り(1/1)
>>47
空(2/2)
>>55-56

紫陽花さんの作品
werewolf(2/2)
>>30-31
生きる理由(1/1)
>>41
私の宝物(1/1)
>>50

向日葵さんの作品
旅立ち(1/1)
>>57
春への想い(3/3)
>>58-60

⏰:08/03/04 01:30 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#66 [家族ドライブ(1/2)に]
一台の車が走る。
「久しぶりのドライブだね、おかあさん!」

そうね。三人なんて本当に久しぶり。

「あのね、おかあさん。おとうさんがへんなの。はなしかけても、おへんじをしてくれないの。ふりむいてくれないの。ねえおかあさん。おとうさんはびょうきなの?くるしいの?」

いいえ。病気でも、苦しくもないのよ。

暗い夜道を、一台の車が走る。
「おかあさんおかあさん。おとうさんはぼくのことがきらいなの?きらいだから、おこってるから、おとうさんはへんなの?」

いいえ、あなたのことをとても愛しているわ。

何かに追われるように、必死で走る。
「おとうさん…」

運転中だから、集中してるのよ。

「おかあさんおかあさん、きょうはどこへいくの?」

多分。

「たぶん?」

⏰:08/03/04 03:10 📱:PC 🆔:gM1Jl6UY


#67 [家族ドライブ(2/2)に]
橋の上で車が止まった。エンジンを切る音がし、息の荒い男が運転席から出てくる。
後部座席のドアを開け大きな黒い袋を引っ張り出し、その重さによろけながらも力任せに、下流に向けて投げた。
重力に逆らうことなく黒い袋はあっと言う間に暗闇に溶け込んで。
激流に呑まれたのか、落ちた音は確認出来なかった。

車に戻った男は声を荒げ後部座席に向かって怒鳴る。

「お前も五月蠅いとなあ、こうしてやるからな!!」

「あのね」


「おかあさんが、ずっと一緒に居たいって。」

穏やかに笑う少年の手にはバタフライナイフ。
その刃先は男の眼球目掛けて迷うことなく振り下ろされた。

そうして。

⏰:08/03/04 03:11 📱:PC 🆔:gM1Jl6UY


#68 [「大好きな赤」向日葵(1/2)]
赤が好き。

私の夢は世界中を赤で染める事。

家の中も全て赤。
赤一色。他の色なんていらない。
赤だけでいい。

だからキョロキョロも、赤で飾ってあげるの……。

「アハハハハハ!!」

楽しいなー。
みーんな真っ赤になってゆくんだもの。

この子も真っ赤になってさぞ喜んでいるのでしょうね……。
とーっても綺麗よ。

⏰:08/03/04 03:30 📱:SO903i 🆔:MhC0f226


#69 [向日葵]
間違えました……キョロキョロじゃなく今日です。

予測変換ミスしました……。(泣)

⏰:08/03/04 03:31 📱:SO903i 🆔:MhC0f226


#70 [「大好きな赤」向日葵(2/2)]
ホラ見て?
頭も、胸も、口も……全部赤じゃない。

赤にしたてるための道具のナイフも赤。
この子から出てきた液体も赤。
そして……それに触れた私の手も……赤。

でもね、周りのほとんどが、赤になっちゃったの。
他に赤くするのが無いわ……。

その時、ふと鏡を見た。

やだ……私赤くないじゃない……。

赤く……赤く……真っ赤にしなくちゃ……。

赤く染まったナイフを、胸の中で脈を打つ場所めがけて突き立てる。

これで私も……





……――――アカ

⏰:08/03/04 03:36 📱:SO903i 🆔:MhC0f226


#71 [夢見て、常日頃(1/2)◆vzApYZDoz6]
静かに寝息をたてる男。
その顔が、徐々に歪んでいく。

「……うわああっ!」

叫びに近い唸りと共に、男がベッドから跳ね起きた。
額に滲む汗を拭いながら、今の状況を確認する。
床に乱雑に置かれた雑誌や漫画。テーブルに置かれた、ぬるくなったお茶が淹れられたコップ。主電源を切り忘れているテレビ。
そこは、男の部屋だった。

「…何かアレな夢だったな」

上半身を起こしたまま目をこすり、もそもそとベッドから出る。
よく分からない夢だったが、なぜか頭に焼き付いている。
ボーッと夢の事を考えながら、とりあえずテレビの主電源を切る。
壁に掛けられた時計を見ると同時に、階下から母親の声が聞こえてきた。

「あんた、早く起きなさい!遅刻するよ!」

時刻は8:05。
別に間に合わない訳でもないが、朝飯は食えないだろう。

いつもの朝と同じ風景。

まだ夢が頭から離れず、考えながら割かし急いで制服に着替える。
その途中で、母親とは違う声が外から聞こえてきた。

「ちょっと早くしてよ!私も遅刻するじゃない!」

2階の窓に向かって叫ぶ幼馴染み。
俺はいつも彼女と一緒に学校へ行っている。

いつもの朝と同じ風景。

今日はあの夢の話を幼馴染みにしようかな。
そう考えながら階段を下りていく。

⏰:08/03/04 04:19 📱:P903i 🆔:KmOF1cpQ


#72 [夢見て、常日頃(2/2)◆vzApYZDoz6]
1階の食卓の上には、おそらく俺のために作られたであろう朝飯が並んでいる。
味噌汁にご飯、納豆、サンマの塩焼き。なんとも伝統的な日本食だ。
いつの間にか家に上がっていた幼馴染みが、その朝飯に手を出していた。
途中で俺に気付き、慌てて味噌汁を啜る。

「行ってきます」
「行ってらっしゃい。気を付けてね」

食べかけの朝飯を名残惜しげに見つめる幼馴染みの腕を引っ張り、玄関を出る。

いつもの朝と同じ風景。

通学路で、早速今朝見た夢の話をしてみる事にした。

「あのさ、今日変な夢を見たんだけど」
「あんたの夢なんか知らないわよ」

あっさりと切り捨てられた。
まぁ彼女はこういう性格だ。無駄にツンデレだから仕方がない。

「できれば聞いてほしいなー、なんて」
「………話しなさい」

幼馴染みの顔が少し優しくなる。
じゃあ、と切り出して夢の話をし始めた。
もちろん夢の話なんて最初だけで、5分も経てば話題は変わるんだが。要するに夢の話は、会話を始めるきっかけだ。

いつもの朝と同じ風景。


でも、いつもより幼馴染みの肩が近かった。

⏰:08/03/04 04:20 📱:P903i 🆔:KmOF1cpQ


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