よすが
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#480 [蜜月◆oycAM.aIfI]
ハナがあたしの腕を抜けたのを感じた後に、チャリ、と言う音がした。
「これ……ちゃんと着けてくれてるんだね」
あたしは目を閉じたまま頷く。
ハナが手に取ったであろう物体は、あたしの首から提げられたリングだ。
チェーンを通して肌身離さず着けている。
「ずっと着けててね……あたしとユキはあの人を忘れないでいてあげないと……ダメだから……」
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:08/06/12 05:31
:SH903i
:80/PBkxE
#481 [蜜月◆oycAM.aIfI]
トン、と胸に重さを感じて瞼を上げると、ハナの体がもたれかかっていた。
顔を覗き込むと、目を閉じて穏やかな顔をしている。
眠ってしまったようだ。
「寝ちゃったね」
サトルが小声で囁きクスリと笑う。
あたしの顔にも自然と笑みが零れた。
静かに寝息を立てるハナを起こさないようにベッドに寝かせながら、あたしは自分の胸が温かくなるのを感じていた。
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:08/06/12 05:31
:SH903i
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#482 [蜜月◆oycAM.aIfI]
ハナとこうして普通の、ありふれた楽しい時間を過ごせることがあたしには奇跡みたいに思えていた。
毎日この部屋に来ては尽きることのない思い出を語り合う。
それだけなのに、あたしはそれまで感じたことのない幸福感に包まれていた。
記憶に穴があったせいか、無意識にハナを求めていたせいかはわからない。
けれど今になって思えば、あたしには何かが足りない、何か欠けているという喪失感があったような気がする。
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:08/06/12 05:32
:SH903i
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#483 [蜜月◆oycAM.aIfI]
けして不幸せだったとは思わない、むしろ両親やサトルに温かく守られてあたしはぬくぬくと生きてきた。
それでも、あたしは心のどこかでこれを――今のこの満ち足りた状態を、欲していたのだと思う。
ハナがいなかった世界と、今ハナが近くにいる世界とは、同じに見えて同じじゃない。
ただハナがこの街に帰ってきたというだけなのにその違いは、あたしの内部に大きな変化をもたらした。
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:08/06/12 05:33
:SH903i
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#484 [蜜月◆oycAM.aIfI]
これが、この状態こそがあたしにとって、そしてハナにとってあるべき状態だと。そう感じている。
心には余裕が溢れ、些細なことにも心を動かされるようになった。目に映る全てのものに感謝の気持ちを持てるようになった。
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:08/06/12 05:33
:SH903i
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#485 [蜜月◆oycAM.aIfI]
ハナが側にいてくれることで、あたしは生きる意味を見出だせたような気がする。
あの時の誓い――この先の全てをハナに捧げるという誓いを、あたしは胸に刻んで過ぎ行く一瞬一瞬を消費してゆくのだ。
それが、あたしの生きるよすがだ。
―了―
:08/06/12 05:34
:SH903i
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#486 [蜜月◆oycAM.aIfI]
:08/06/12 05:39
:SH903i
:80/PBkxE
#487 [蜜月◆oycAM.aIfI]
:08/06/12 05:40
:SH903i
:80/PBkxE
#488 [蜜月◆oycAM.aIfI]
:08/06/12 05:59
:SH903i
:80/PBkxE
#489 [ぁぃチャン]
:08/06/12 23:48
:D902i
:6dAmU67k
#490 [蜜月◆oycAM.aIfI]
>>489 ぁぃチャンさん
コメントありがとうございます!(´;ω;`)
以前から読んでいて下さったようで…すごく嬉しいです!
そこまで褒めていただくと何だか照れ臭いですがw
でも本当に嬉しいですっ。
私にはもったいないほどのお言葉と、最後までお付き合いくださったことに感謝します。
次はまだいつになるかわかりませんが、また読んでいただければ光栄です(´∀`)
:08/06/13 03:49
:SH903i
:cTmdYFDc
#491 [りり]
:09/11/16 20:33
:SH904i
:6aLktzZI
#492 [
]
あげます


:10/02/07 21:33
:SH01B
:axv19xeU
#493 [我輩は匿名である]
最高だ
:11/03/06 01:25
:SH02C
:SNAb5Tjg
#494 [○○&◆.x/9qDRof2]
(´∀`∩)↑age↑
:22/10/07 11:58
:Android
:GR1soPvw
#495 [○○&◆.x/9qDRof2]
:22/10/07 12:13
:Android
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#496 [○○&◆.x/9qDRof2]
yosuga
:22/10/07 12:32
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#497 [○○&◆.x/9qDRof2]
:22/10/07 12:36
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#498 [○○&◆.x/9qDRof2]
:22/10/07 12:36
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#499 [○○&◆.x/9qDRof2]
:22/10/07 12:53
:Android
:GR1soPvw
#500 [○○&◆.x/9qDRof2]
:22/10/07 12:55
:Android
:GR1soPvw
#501 [○○&◆.x/9qDRof2]
↑(*゚∀゚*)↑
:22/10/17 14:58
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:We5gljpk
#502 [○○&◆.x/9qDRof2]
:22/10/23 17:22
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:Oa43ZxSI
#503 [○○&◆.x/9qDRof2]
:22/10/25 15:44
:Android
:zH8LnywQ
#504 [○○&◆.x/9qDRof2]
:22/10/25 15:45
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:zH8LnywQ
#505 [○○&◆.x/9qDRof2]
:22/10/25 15:45
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:zH8LnywQ
#506 [○○&◆.x/9qDRof2]
:22/10/25 15:45
:Android
:zH8LnywQ
#507 [○○&◆.x/9qDRof2]
1
しんでからきづく、大切なひと
僅かな音すらない静けさの中、ゆっくりと意識が戻ってくる。ふわふわと宙に浮いているような奇妙な感覚に包まれて、私は目を覚ました。たった今、生まれ落ちたばかりのように頭がうまく働かず、無心でぼーっと天井を見つめる。
:22/10/25 15:48
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:zH8LnywQ
#508 [○○&◆.x/9qDRof2]
天井とはこんなに低かっただろうか。ちょっと手を伸ばせば触れてしまいそうなほどに近く感じる。いや、実際近いのではないか?と考えが頭を過ぎったりもしたが、正直どうでもよく感じ、あっさりと思考を停止させた。そんなことを考えながら天井を見つめていると、次第に世界に音が戻ってきた。
:22/10/25 15:48
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:zH8LnywQ
#509 [○○&◆.x/9qDRof2]
何の音だろう。聞き覚えのある一定のリズムが耳に届く。ぽくぽくぽく。嗚呼、これは確か。木魚(もくぎょ)の音か。そういえば、さっきからお経のような声も聞こえるし、これは夢だろうか。そうでないとするなら、私は葬式中に寝ていることになる。
:22/10/25 15:49
:Android
:zH8LnywQ
#510 [○○&◆.x/9qDRof2]
頭が少しずつ機能してきた時、聞き覚えのある母の啜り泣く声が聞こえてきた。.......お母さん?
「うっ、うぅっ.......」
「良枝、」
母の泣き声に次いで、父のなだめるような声が母の名前を呼んだ。お母さん?どうして泣いてるの?お父さん?何があったの?
:22/10/25 15:49
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