記憶を売る本屋さん
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#475 [我輩は匿名である]
これならきっと、飛鳥は晶に自分を重ね、のめり込んでいったと、十分考えられる。
だから、要と晶が会わなくなった頃から、飛鳥は休みがちになったのかもしれない。
精神的に不安定になるのも、無理はない。
2人が仲が良かった頃は、怜奈に目を付けられた薫を気遣う余裕もあった。
しかし、5月5日以降、ずっと元気がなかった。
『人間不信になった』といい話も、要に裏切られたと思っていたと考えれば、全て辻褄が合う。
「(…やっぱりそうだ…。多分、あいつが…神崎が晶だ…!)」
直人はうつむいたまま、両手で顔を覆う。
:10/04/10 09:43
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#476 [我輩は匿名である]
どうして今まで、ここまで深く考えなかったのか。
こうやって考えれば、すぐに飛鳥が晶だと気付けたのに。
直人は後悔した。
しばらく、そのままの体勢でうなだれる。
そして、何かを決意し、本を開いた。
「……あー…こっちの本じゃなかったのか…」
直人は本を閉じてベッドの枕元に放り投げ、代わりに携帯電話を手に取る。
こんな朝から電話するのも悪いと思ったが、それどころではない。
:10/04/10 09:44
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#477 [我輩は匿名である]
「(…薫…出てくれよ…)」
直人は携帯電話を耳に当て、祈るように目を閉じる。
しかし、何度呼び出し音が鳴っても出ない。
「(…晶が死ぬのは…今日か明日か…どっちかだったよな…)」
直人は諦めて電話を切る。
本当に同じ事を繰り返すなら、晶は…飛鳥はきっと、再びビルから飛び降りる。
しかし、それがどのビルだったのかわからない。
しかも今の時代、高い建物はあちこちにある。
:10/04/10 09:44
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#478 [我輩は匿名である]
直人はいてもたってもあられなくなって、部屋を出ようとノブに手を当てる。
が、直人はドアを開ける前に、制服姿の自分を見つめた。
「…制服でうろうろして、警察とかに見つかったりしたらめんどくせぇな…」
直人はぶつぶつ言いながら、タンスを開け、適当に服を出す。
Tシャツに薄い上着を羽織り、ジーンズに履きかえる。
仕上げに、適当に鞄をぶら下げる。
「…これで大丈夫だな」
直人は今度こそ部屋を出て、玄関に向かう。
:10/04/10 09:45
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#479 [我輩は匿名である]
「あっ、ちょっと直人!どこ行くのよ!?学校は!?」
家を出ようと思ったら、玄関先で母親に捕まった。
直人はどうしようかと目を泳がせる。
「ちょ、ちょっと熱っぽいから、病院行って来る」
驚く事に、口が勝手に動いた。
「あら、大丈夫?」
「あ、あぁ、まぁ、一応行っとこうと思って。じゃ」
直人はそう言って、そそくさと家を出た。
靴をちゃんと履きながら、直人はホッと一息つく。
:10/04/10 09:46
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#480 [我輩は匿名である]
行くあてはない。どこに行けばいいのか、見当もつかない。
この広い町の中で捜し回ると考えると、早くも気が引けてくる。
「…とりあえず、ビルが多いとこでも行ってみるか。あいつも学校なんか行ってないだろうし」
直人は立ち上がり、走りだした。
直人の考えは当たっていた。
:10/04/10 09:46
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#481 [我輩は匿名である]
飛鳥はジャージ姿のまま、フラフラと歩いている。
彼女も行くあてはなかった。
「…どうしようかな…」
暗い小さな声で呟く。
「飛び降りは…ダメだよな…。また誰かにぶつかったら…」
飛鳥はそう言いながら、ゆっくりと足を進める。
ポケットの中に、カッターナイフを隠して…。
:10/04/10 09:47
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#482 [我輩は匿名である]
うあああぁあぁぁぁあ
:10/04/10 12:39
:SH904i
:AO.1JJ2w
#483 [我輩は匿名である]
:10/04/10 13:58
:N08A3
:4t4VPhl2
#484 [(´_ゝ`)]
すごい!
尊敬します(´・ω・`)
:10/04/10 14:28
:T003
:rXLHAmgI
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