*THE GOD OF DEATH*
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#581 [ま-イ子]
―――――――――
――――――

薄暗い部屋の一角で
ブラウン管から
洩れる光が、
一つの影を照らしている


『行方不明になった
峯 龍一さんの血痕が
昨夜発見されました。
しかし遺体は見付からず
現在、
警察が捜索中でーーーーー』

映し出された女性が
淡々とニュースを話す

.

⏰:08/01/12 20:24 📱:SH903i 🆔:Y5LEaB0c


#582 [ま-イ子]

それを見ていた
一つの影が

くすくす、と笑った


「…警察も、馬鹿ね。」


妖しい笑みを見せる女
‥‥‥桜井なつは、
頬杖をつきながら
光を眺めている

.

⏰:08/01/12 20:29 📱:SH903i 🆔:Y5LEaB0c


#583 [ま-イ子]

「…死体なんて、

見つかるはずがないのに」

‥くすくす、くすくす‥


笑い続けるなつは
次に聞こえて来た言葉に
口を閉ざした

『やはり今回のものも
"神隠し"だと思われ、
警察は同一犯とみて
捜査しています。
私達は早く犯人が捕まり
平和が訪れることを
祈るばかりでーーーーーー』

.

⏰:08/01/12 20:37 📱:SH903i 🆔:Y5LEaB0c


#584 [ま-イ子]

(…神隠し、ねえ…)


「大層な名だな。」


突然後から聞こえた声に
なつは振り向く事もせず
無表情のまま口を開いた


「…………いたの。」

.

⏰:08/01/12 20:42 📱:SH903i 🆔:Y5LEaB0c


#585 [ま-イ子]

‥クックッ‥と笑う死神に
なつは鼻で笑い


「まあ、間違っては
いないんじゃない?
"死神"だしね。」

と、吐き捨てた


未だ喉で
笑っている死神に
苛立ちを感じながら
なつは立ち上がる

.

⏰:08/01/12 20:46 📱:SH903i 🆔:Y5LEaB0c


#586 [ま-イ子]

「……行くんでしょう?」


「……………ああ。」


死神を軽く睨み付けると
身を翻し、
部屋から出て行ったーーーー


一人残った死神は
その残像を見ている

.

⏰:08/01/12 20:52 📱:SH903i 🆔:Y5LEaB0c


#587 []
>>574
書き込み多くてすいませんュでも、『馨』[って人ゎ知りません。すいませんュ
書き込み最後にします。今まですいませんでしたュ
主サンにも多大なご迷惑をおかけしました。

⏰:08/01/12 20:53 📱:W51S 🆔:/sP6c6k2


#588 [ま-イ子]

まあ、間違っては
いないんじゃない?

"死神"だしね―――‥









「…ああ…君が、な…」

呟いた言葉は
闇に溶けていった

.

⏰:08/01/12 20:55 📱:SH903i 🆔:Y5LEaB0c


#589 [ま-イ子]
‐‐‐‐‐‐‐‐
>>587 骸さま_

今までの応援の言葉は
本当に励みになりました
動源力でしたよ
書き込みのときなら
全然してもらって
構いません(´・ω・`)
最後だなんて言わないで
くださいっ

これからも頑張りますので
最後まで見て頂けると
嬉しいです

‐‐‐‐‐‐‐‐

⏰:08/01/12 21:01 📱:SH903i 🆔:Y5LEaB0c


#590 [我輩は匿名である]
>>586

一人残った死神は
じゃなくて
一人残ったなつは
じゃないですか??

⏰:08/01/12 21:16 📱:D903i 🆔:OzZil/QY


#591 [ま-イ子]
‐‐‐‐‐‐‐‐

>>590 匿名さま_

いえ、出て行ったのは
なつの方なので、
残っているのは
死神なんです
わかりにくくて
すみません(´・・)


‐‐‐‐‐‐‐‐

⏰:08/01/12 21:39 📱:SH903i 🆔:Y5LEaB0c


#592 [ま-イ子]
‐‐‐‐‐‐‐‐

第1章〜第4章
>>452

第5章(執筆中)
>>454-543
>>555-571
>>581-588


‐‐‐‐‐‐‐‐

⏰:08/01/12 21:42 📱:SH903i 🆔:Y5LEaB0c


#593 [yえりちぁンy]
あげ゙
頑張ッてさぁいニシ~

⏰:08/01/13 19:10 📱:W53T 🆔:icGrIhaA


#594 [yえりちぁンy]
更新待ッてマスホジ

⏰:08/01/13 22:55 📱:W53T 🆔:icGrIhaA


#595 [ま-イ子]
‐‐‐‐‐‐‐‐
>>593-594 えりちぁンさま_

あげと応援感謝します
いつもありがとうございます


みなさまへ_


19日までテストの為に
勉強モードに入ります
なので本格的な更新は
19日の夜からになるので
ご理解頂けると嬉しいです

‐‐‐‐‐‐‐‐

⏰:08/01/14 03:22 📱:SH903i 🆔:VUAwXpE6


#596 [yえりちぁンy]
↑そぉなンですかト
今まで勝手に【頑張れ】とかゆッててスイマセンホK
テスト頑張ッてさいネイ

⏰:08/01/14 08:13 📱:W53T 🆔:L06fENp.


#597 [ま-イ子]
‐‐‐‐‐‐‐‐
>>596 えりちぁンさま_

いえいえ!
全然気にしてないですよ
私の方こそ、私用で
更新できなくてすみません…
勉強頑張りますね
ありがとうございます(・⌒・)b`
テスト終わったら
更新しまくります!

‐‐‐‐‐‐‐‐

⏰:08/01/15 01:41 📱:SH903i 🆔:HOXmUJ.M


#598 [ま-イ子]
‐‐‐‐‐‐‐‐

第1章〜第4章
>>452

第5章(執筆中)
>>454-543
>>555-571
>>581-588


‐‐‐‐‐‐‐‐

⏰:08/01/15 01:41 📱:SH903i 🆔:HOXmUJ.M


#599 [yえりちぁンy]
あげス

⏰:08/01/18 22:15 📱:W53T 🆔:huQ4TJUw


#600 [yえりちぁンy]
あげ印~

⏰:08/01/19 18:22 📱:W53T 🆔:9IZTYcPI


#601 [ま-イ子]
‐‐‐‐‐‐‐‐
>>599-600 えりちぁンさま_

あげありがとう
ございます(^ω^)
お待たせしてしまい
申し訳ありません

テスト終わりまして
少しダウンしてました
今から更新します!

‐‐‐‐‐‐‐‐

⏰:08/01/20 11:55 📱:SH903i 🆔:WFKhFZ2I


#602 [ま-イ子]
―――――――…

数時間前:某警察署内


「……間違いない…」


独り言を呟いた男
‐柳田 信人‐は

目の前のデスクに広がる
膨大な資料に
あちらこちらと
目を配らせていた

.

⏰:08/01/20 23:49 📱:SH903i 🆔:WFKhFZ2I


#603 [ま-イ子]

パラパラ、と紙をめくる
乾いた音が室内を
占領する中で


柳田は汗を額に
浮かべながら
ボールペンを走らせる


資料と手帳を
行き来していた筆先は

――ザッ、という
音と共に
一つの筆跡を丸で囲んだ

.

⏰:08/01/20 23:59 📱:SH903i 🆔:WFKhFZ2I


#604 [ま-イ子]

「……ふぅ………」



一段落した後に
溜め息を吐き出し
音を立てて椅子に座った

――――この場合は
倒れ込んだ、と言った方が
しっくりくると思うが。


柳田は天井を仰ぐ様に
背もたれに寄り掛かる

.

⏰:08/01/21 00:04 📱:SH903i 🆔:D6ybPsa6


#605 [ま-イ子]

その体勢のままで

ちらり、と時計を見る


(――---21時32分…)


眉を寄せ暫く針を睨んだ



それは、等間隔に
カチ‥カチと音を立てて

確実に 時を 刻む

.

⏰:08/01/21 22:02 📱:SH903i 🆔:D6ybPsa6


#606 [ま-イ子]

(……………いくか…)


目を閉じ
小さく深呼吸した後

ギシ、と音を立てて
椅子から立ち上がった

デスクに広がる資料に
もう一度目を配る


―――――ガチャ、

.

⏰:08/01/21 22:08 📱:SH903i 🆔:D6ybPsa6


#607 [ま-イ子]

突然開いた扉に驚き
後ろを振り返る



「…柳田警部……」


「…………お前か」


そこに居たのは
艶のある黒髪と
大きめの目が特徴的な

女刑事でもある
柳田の部下だった

.

⏰:08/01/21 22:19 📱:SH903i 🆔:D6ybPsa6


#608 [ま-イ子]
‐‐‐‐‐‐‐‐

訂正

>>607
女刑事でもある
柳田の部下だった

↓ ↓ ↓ ↓ ↓

柳田の部下でもある
女刑事だった

あんまり変わんないんですが、
なんかおかしいので
すいません


‐‐‐‐‐‐‐‐

⏰:08/01/21 22:33 📱:SH903i 🆔:D6ybPsa6


#609 [ま-イ子]

一言呟くとデスクに戻る
柳田に女刑事は僅かに
顔を歪ませた



「………警部。
最近家にも帰ってない
じゃないですか。
一度お帰りになって
休まれた方が………」

「駄目だ。
そんな時間はない。」


女刑事の言葉を遮り
柳田はコートを羽織る

.

⏰:08/01/21 22:51 📱:SH903i 🆔:D6ybPsa6


#610 [ま-イ子]

「…そんな事を言う為に
来たのか?」



眉を寄せながら言う
目の前の男に
女は溜め息を付いてから
持っていた資料を見せた


「―――これは?」

「以前、警部が
鑑識に頼んだモノの
結果ですよ。
それと……………」

.

⏰:08/01/21 22:58 📱:SH903i 🆔:D6ybPsa6


#611 [yえりちぁンy]
あげますウ~

⏰:08/01/22 21:00 📱:W53T 🆔:Fn.OWNh6


#612 [ま-イ子]
‐‐‐‐‐‐‐‐

>>611 えりちぁンさま_

毎回あげてもらって
申し訳ないです
感謝いたします(・・)

中々更新できなくて
すみません(。_`)


‐‐‐‐‐‐‐‐

⏰:08/01/22 22:58 📱:SH903i 🆔:FJWknSBs


#613 [ま-イ子]

語尾を濁す女に

更に皺を深くし
目線で先を促した

赤い唇が、
ゆっくりと動かされる


「峯刑事の、所持品です。」


ぴくり、と僅かに
柳田が反応したのを
女は見逃していなかった

.

⏰:08/01/22 23:00 📱:SH903i 🆔:FJWknSBs


#614 [ま-イ子]

「…まず、鑑識の結果から
報告させて頂きます。
警部の発見した亀裂は
やはり鋭い物が

突き刺さった跡の様です」


気を使っているのか
女刑事は話を逸らす為に
持っている紙の束から
目を離さずに
坦々と述べていく


「しかし、その跡から
凶器を特定することは
出来ませんでした。」

.

⏰:08/01/23 23:06 📱:SH903i 🆔:8t1gglI.


#615 [ま-イ子]

「………………。」

柳田は口を閉ざしたまま
動こうとしない

女が目線を紙から
少し上げると

瞳に映ったのは
柳田の、震える背中

拳を握り、堪えている


(――無理も、ない)

.

⏰:08/01/23 23:22 📱:SH903i 🆔:8t1gglI.


#616 [ま-イ子]


大切な後輩の死


依然進まない捜査



それらが彼を
闇へと追い込んで行く



少し痩せて細くなった
柳田の背中を
見つめながら
女刑事も拳を握り絞めた

.

⏰:08/01/23 23:27 📱:SH903i 🆔:8t1gglI.


#617 [我輩は匿名である]
とりあえず上に上げときます

主サンの書き方好きィです
これからも頑張ってくださいね←何様ぁ?(笑)

⏰:08/01/25 09:32 📱:P902iS 🆔:nHtjv25.


#618 [yえりちぁンy]
↑ですねhyx
アタシも
主さンの書き方_y
メチャすぅきですシ
頑張ッてさぁい咽~

⏰:08/01/25 20:43 📱:W53T 🆔:csQpi3AA


#619 [ま-イ子]
‐‐‐‐‐‐‐‐
>>617 匿名さま_
>>618 えりちぁンさま_

あげありがとうございます
書き方好きと言って頂けて
本当に嬉しいです!
まだまだ未熟な部分が
沢山ありますが、
これからもよろしく
お願いします(・・)

‐‐‐‐‐‐‐‐

⏰:08/01/26 06:21 📱:SH903i 🆔:SSbLjEUc


#620 [ま-イ子]

暫く流れる沈黙

重たい空気が漂う中
最初に口を開いたのは
柳田だった


「…………峯の……」

ぼそり、と呟いた声に
女刑事は目を見開く

「峯の所持品を、
見せてくれ。」


そう言った背中が
大きく見えた

.

⏰:08/01/26 06:32 📱:SH903i 🆔:SSbLjEUc


#621 [ま-イ子]

「――――はい。」


女刑事は手に下げていた
紙袋の中から
二つの透明な袋に
包まれた物を取り出した

一つは携帯電話

もう一つは
古びた手帳だ


「どちらも現場に
落ちていた物です。
携帯電話は電源が
入った状態でした。」

.

⏰:08/01/26 06:42 📱:SH903i 🆔:SSbLjEUc


#622 [ま-イ子]

説明を耳に入れながら
柳田はガサガサ、と
袋から携帯を取り出した

かち、と音を立てて
それを開くと
きっと初めに設定されて
いたのだろうと思える
画面が映し出された


暫く操作してみたが
機械は苦手な物で、
電話しか出来ない俺は
仕方なくそれを閉じる

.

⏰:08/01/27 00:19 📱:SH903i 🆔:ro4UssTE


#623 [ま-イ子]

携帯を机に置き

次は手帳を取り出した
女はそれを
只黙って見ている

パラパラ、と
流し目で中身を見るが
これといって
気になる部分はない

以前共に捜査した
事件のメモだとか、
犯人の似顔絵
(ちなみにこんな人は
きっと実在しないだろう)
が、殆どのページを
埋め尽くしていた

.

⏰:08/01/27 00:26 📱:SH903i 🆔:ro4UssTE


#624 [ま-イ子]

ぴたり、と柳田の手が
止まった。


不思議に思った女刑事が
"警部?"と口を開くが
応答はなく、柳田は
ある1ページを見たまま
固まっている


(その手帳は、
もう調査済みなのに)


頭に"?"を浮かべながら
上司の動きを待つ

.

⏰:08/01/27 00:34 📱:SH903i 🆔:ro4UssTE


#625 [ま-イ子]

「…………ま、さか…」


掠れた声が柳田の口から
発せられた。
それは僅かに震えていて
彼の瞳も先程より
大きく開かれている


「…警部?
どうかいたしまし…」

―――――バンッ!

.

⏰:08/01/27 00:38 📱:SH903i 🆔:ro4UssTE


#626 [yえりちぁンy]
続き気になるホ
いつも 楽しませて
もらッてマスニシ
頑張ッてさぁいx|イ

⏰:08/01/27 08:10 📱:W53T 🆔:g3RhV0Co


#627 [ま-イ子]
.‐‐‐‐‐‐‐‐

>>626 えりちぁンさま_

私もいつも励まして
もらってます(・・)
感謝感謝です..
最近更新出来なくて
ほんとすみません


‐‐‐‐‐‐‐‐

⏰:08/01/27 09:33 📱:SH903i 🆔:ro4UssTE


#628 [我輩は匿名である]
えりちぁンて奴、骸なみにうざい

⏰:08/01/27 10:53 📱:SH902iS 🆔:gXT3HA5s


#629 [ま-イ子]

言葉を遮った大きな音に
女は身を強張らせた

その音を出した張本人は
叩いた机に両手を置き
震わせている


「――――おい!」


音の次は声だ。
それにまた身を縮こませ
"はいっ!"と裏返った
声で返事をした

.

⏰:08/01/27 11:09 📱:SH903i 🆔:ro4UssTE


#630 [ま-イ子]

「携帯電話には…
録音機能っつーのが
付いてんのか?」


「ろ…録音機能…?
付いている物も
あると思いますが…」

「この携帯に付いてるか
調べろ、今すぐだ!」


ぽい、と投げられたのは
峯刑事の携帯電話。
意味がわからない、と
顔をしかめながら
女刑事は調べ始める

.

⏰:08/01/27 11:39 📱:SH903i 🆔:ro4UssTE


#631 [ま-イ子]

(私だって、機械は
得意じゃないのに…)

心の中で悪態を
付きながら、画面と戦う


暫くボタンを押し続け
ようやく目当ての画面に
行き着いた


「……………えっ…」

.

⏰:08/01/28 17:04 📱:SH903i 🆔:Lf1zrpYA


#632 [ま-イ子]

"録音件数:1件"


画面に表示された文字は
柳田の期待を裏切らず
待ち構えていた


「…けっ、警部…、
ありました!
1件録音されてます!」

「流せ!」


急かす様に怒鳴る
柳田の言葉に女は慌てて
"再生"と表示された
部分を押す

.

⏰:08/01/28 17:13 📱:SH903i 🆔:Lf1zrpYA


#633 [ロズ]
続き気になります

主サンのペースでいいので、頑張ってくださいね

⏰:08/01/29 21:51 📱:P902iS 🆔:Ty.zBk.A


#634 [ま-イ子]
‐‐‐‐‐‐‐‐
>>633 ロズさま_

はじめまして
書き込みありがとう
ございます
続きを気にして
くれる人がいる事は
とても励みになります!

最近更新停滞気味で
すみません
完結はさせるので
よければ最後まで
よろしくです+゚

‐‐‐‐‐‐‐‐

⏰:08/01/30 00:22 📱:SH903i 🆔:SW9mzfzQ


#635 [ゆり]
みてますっ
楽しいですっ
がんばって下さいねっ

⏰:08/01/30 00:26 📱:SH704i 🆔:wbF5eIe.


#636 [ま-イ子]
‐‐‐‐‐‐‐‐

>>635 ゆりさま_

書き込みありがとう
ございます(∵)!
見てくださっていて
とても嬉しいです
これからも、こんな
小説をよろしくお願
いします(^ω^)..

‐‐‐‐‐‐‐‐

⏰:08/01/30 00:52 📱:SH903i 🆔:SW9mzfzQ


#637 [ま-イ子]


“――――……ザザ―――――――――――――――……………ジジ、―――――――――――――、ザ――――――――――……”



携帯電話からは
機械独特のノイズ音が
発せられている

音の発信源を
睨み付けながら
柳田は耳を傾けた

.

⏰:08/01/30 00:59 📱:SH903i 🆔:SW9mzfzQ


#638 [ロズ]
>>634

主サン、自分のペースでいいんです(笑)
あと、初めましてではないんですねぇ2回ほど匿名で感想書かせていただきました(笑)それでは、頑張ってください応援してます

⏰:08/01/30 06:31 📱:P902iS 🆔:oK3An6QQ


#639 [ま-イ子]
‐‐‐‐‐‐‐‐
>>638 ロズさま_

もう十分マイペース
でしたね(∵`)
2回も書き込みして
頂いていたなんて!
かかか感激です
気付かなくて、本当
すみません(;ω;)
応援感謝しますっ
頑張ります!

‐‐‐‐‐‐‐‐

⏰:08/01/30 22:06 📱:SH903i 🆔:SW9mzfzQ


#640 [ま-イ子]


“―――――……ザ――――――――………………………――――――……”


何か事件の手掛かりがと
期待した女刑事だったが
一向にノイズ以外の音が
流れる気配はない

少しずつ諦めの色が
伺える中で、柳田は
絶対に聞き逃すまいと
必死に注意を払っていた

.

⏰:08/01/30 22:17 📱:SH903i 🆔:SW9mzfzQ


#641 [ま-イ子]

ちらり、と携帯画面を
見ると再生時間が

あと僅かな事に気付いた

(…駄目…かな………)

女は肩を落とし
心の中で溜息をついた



“――――ザ、……………………ジ――――――――――――ぉ…、ぇ……”

.

⏰:08/01/30 22:24 📱:SH903i 🆔:SW9mzfzQ


#642 [ま-イ子]

「――――――!」


「! 警部っ!」

声だ!声が聞こえた!
柳田は更に身を乗り出し
携帯に耳を近付けた


“――――――………………な…………だ…ザザ―――………―――…や……る…ジジ、…だザ――――――…や、…ろ…――”

.

⏰:08/01/30 22:32 📱:SH903i 🆔:SW9mzfzQ


#643 [ま-イ子]

(何を言っているの?)

ノイズが邪魔で
殆ど聞き取れない声に
女刑事は苛立ちを覚えた

あと、10秒―――…


“―――――……ぁ……―――……やめ…―――ぅ………
うあああああああ!!!…ザ―――――……、”

.

⏰:08/01/30 22:45 📱:SH903i 🆔:SW9mzfzQ


#644 [あーちぁ]
>>1-200
>>201-400
>>401-600
>>601-800
>>801-1000
頑張ってください

⏰:08/01/31 01:19 📱:F903i 🆔:y.ER7WpE


#645 [ま-イ子]
‐‐‐‐‐‐‐‐

>>644 あ-ちぁさま_

アンカーと応援
感謝します!
これからも、
頑張りますので
よろしくお願い
致します(^ω^)


‐‐‐‐‐‐‐‐

⏰:08/02/01 08:05 📱:SH903i 🆔:/sqjnrBk


#646 [ま-イ子]

しん、と急に

静まり返った室内で
女は驚愕を隠せない顔で
携帯電話を見つめている


(…い、今のは……?)


最後に聞こえた叫び声

あれは間違いなく
峯刑事のものだった

.

⏰:08/02/01 09:45 📱:SH903i 🆔:/sqjnrBk


#647 [ま-イ子]

ドクドク、と心臓が
脈打つのが聞こえる


――つまり、これは…

事件時に録音された
ものだというの?


(まさか…そんな都合の
良いものが、)


実際此処にあるのだが
女刑事はそれを
信じられずにいた

.

⏰:08/02/02 15:26 📱:SH903i 🆔:mP/vA1cg


#648 [ま-イ子]

「………やはり、な…」


ぼそり、と呟かれた
声の主を見やると
悔しげに顔を歪めている

状況を理解出来ない女は
その顔が意味するものを
諭すことが出来ずに

只、呆然と眺めた

.

⏰:08/02/02 15:34 📱:SH903i 🆔:mP/vA1cg


#649 [ま-イ子]

――――――チッ、


投げ出された舌打ちは
静かな室内に木霊する

同時に女の横を
風が横切り
扉が荒々しく開かれた


「……今日は、戻らない」


それだけ告げた柳田は
振り向かずに
部屋を後にした

.

⏰:08/02/02 15:40 📱:SH903i 🆔:mP/vA1cg


#650 [ま-イ子]

取り残された女は

扉の外に消えた
柳田の残像を見ていた

ふ、と机に目を移すと
そこには二つの手帳が
あるページを開いたまま
置かれている


(…峯刑事の、と……
……警部……の…?)


一歩ずつそれに近付き
書かれた筆跡を確認する

.

⏰:08/02/02 15:45 📱:SH903i 🆔:mP/vA1cg


#651 [ま-イ子]

「―――これ、は…」


それを見た瞬間、
女は目を見開いた

それと同時に
抑え切れない感情が
溢れ出し


気が付くと
手帳を手に取り
走り出していた――…

.

⏰:08/02/02 15:49 📱:SH903i 🆔:mP/vA1cg


#652 [ま-イ子]
―――――――…

署内から出て
少し歩いた場所にある
専用駐車場

そこに車に乗ろうとする
柳田の姿があった


「―――ッ、警部!」


見付けると同時に
女は彼を呼び止めた

.

⏰:08/02/02 15:58 📱:SH903i 🆔:mP/vA1cg


#653 [ま-イ子]

車のドアを開けようと
していた手を止め

柳田は女に振り返る


「………なんだ…」

「…何処、へ……
行くつもりですか…?」


走って来たせいで
少し息切れしながら
女は問いた

.

⏰:08/02/02 16:00 📱:SH903i 🆔:mP/vA1cg


#654 [ま-イ子]

「決まってんだろ、
………捜査だ。」



吐き捨てる様に答えた後
再度柳田は
ドアに手を掛けた


「…峯刑事と同様に…
捜査するおつもりですか」


凛とした声が
駐車場に響き渡る。
先程より開いた目で
女を見る柳田がいた

.

⏰:08/02/02 16:07 📱:SH903i 🆔:mP/vA1cg


#655 [ま-イ子]

「なんのことだ。」



低くなった声は
突き放す様に冷たい。

女は握り締めていた
二つの手帳を前に出した


「峯刑事と、柳田警部の
ものですよね。

同じ文字が、
書かれています。」

.

⏰:08/02/02 16:13 📱:SH903i 🆔:mP/vA1cg


#656 [ま-イ子]




00:00〜02:56
――――――




.

⏰:08/02/02 16:18 📱:SH903i 🆔:mP/vA1cg


#657 [ま-イ子]

「これは、事件が起こる
時間帯を表している。」

「…………………。」


黙り込み少しだけ
睨んでくる柳田を無視し
女は言葉を続けた


「峯刑事は警部より先に
これに気付き……
そして、一人で動いた

――囮捜査をする為に」

.

⏰:08/02/02 16:26 📱:SH903i 🆔:mP/vA1cg


#658 [ま-イ子]

柳田の眉がぴくり、と動く

反論しないという事は
肯定している証拠


「そして、彼は
犯人らしき人に出会い
咄嗟に携帯で録音をした」


そう考えれば
都合の良い事にも
つじつまが合う

.

⏰:08/02/02 16:31 📱:SH903i 🆔:mP/vA1cg


#659 [るい]
>>1-50
>>51-100
>>101-150
>>151-200
>>201-250
>>251-300
>>301-350
>>351-400
>>401-450
>>451-500
>>501-550
>>551-600
>>601-650
>>651-700
>>701-750
>>751-800
>>801-850
>>851-900
>>901-950
>>951-1000

アンカすみません…(´;ー;`)

⏰:08/02/02 16:38 📱:P902i 🆔:higjtWCw


#660 [ま-イ子]

「その後、彼は…殺され…」

――――ドンッ!


女の言葉を遮り
車のボンネットを叩いた
柳田は先程までとは違う
怒りに満ちた表情を
していた


「…いい加減にしろよ。
死んでるかなんて、
まだわかんねえだろ」

.

⏰:08/02/02 16:39 📱:SH903i 🆔:mP/vA1cg


#661 [ま-イ子]
‐‐‐‐‐‐‐‐
>>659 るいさま_

いえいえっ!
とんでもない
です(*''*)
アンカー
ありがとうご
ざいます

‐‐‐‐‐‐‐‐

⏰:08/02/02 16:41 📱:SH903i 🆔:mP/vA1cg


#662 [ま-イ子]

「………ですが、」


「いい加減にしろって
言ってんだ。
邪魔をするな、俺は行く」


怒りを露にした顔で
柳田は女を睨み付ける

誰もが怯む表情だが
女は一歩も引かずに
見つめていた


「……やめてください…」

.

⏰:08/02/02 16:53 📱:SH903i 🆔:mP/vA1cg


#663 [ま-イ子]

「………うるせぇ…」

「やめてください……
違う方法が必ずあります
こんなのは、死にに行く
ようなものです!」


うるせえって
言ってんだ!



柳田の怒声に
女は黙り下を向いた

両者の握られた拳は
震えている

.

⏰:08/02/02 16:59 📱:SH903i 🆔:mP/vA1cg


#664 [ま-イ子]
‐‐‐‐‐‐‐‐

>>663

タグミスっ


‐‐‐‐‐‐‐‐

⏰:08/02/02 17:00 📱:SH903i 🆔:mP/vA1cg


#665 [ま-イ子]

「…俺は、犯人を
捕まえなきゃいけねえ」


先までとの怒声とは違い
唇を噛み締めながら
柳田は呟く


「誓ったんだ。
………あいつとな…」


未だ顔を上げずに
女は黙って聞いている

.

⏰:08/02/02 17:06 📱:SH903i 🆔:mP/vA1cg


#666 [ま-イ子]

「…わかってくれ、とは
言わねえよ………
理解できねえだろうから」


ふ、と自嘲気味に笑った
彼は何処か切なげで

今にも消えて
しまいそうだった

ゆっくりと上げられた
女の顔は、目に涙を溜め
悔しそうに
唇を噛んでいた

.

⏰:08/02/02 17:12 📱:SH903i 🆔:mP/vA1cg


#667 [ま-イ子]

「…本当に、馬鹿…」


掠れた声で
紡がれた言葉に
柳田は眉を下げて微笑む


「悪いな、馬鹿で。
……死ぬ気はねえよ。
心配すんな……」

「心配するに
決まってるでしょ…
…絶対に帰って来て」

.

⏰:08/02/02 17:17 📱:SH903i 🆔:mP/vA1cg


#668 [ま-イ子]

涙目で自分を見つめる
彼女の元へ歩み寄り、
頭を自分の胸へ
押し付けた


「今日犯人に会えるとは
限らねーだろーが。
…終わったら家に帰る」

「絶対よ。約束だから」


女は柳田の皺になった
コートを力強く握り締め
自分の方へ引き寄せた

.

⏰:08/02/02 17:24 📱:SH903i 🆔:mP/vA1cg


#669 [ま-イ子]

数秒だけ、互いを
確かめ合った後

ゆっくり体を離し
見つめ合ってから
触れるだけのキスをした


ぽん、と女の頭に
ゴツゴツした手が乗る


「…咲智(サチ)のこと、
頼んだぞ。」


女は黙って微笑み頷いた

.

⏰:08/02/02 17:30 📱:SH903i 🆔:mP/vA1cg


#670 [ま-イ子]

名残惜し気に手を離し
柳田は車に乗り込んだ

エンジンが掛かり
動き出す

駐車場から出ていく
車の後ろ姿が
次第に小さくなり
やがて―――消えた


ぺたり。


黙って見ていた女は
その場に座り込み
静かに、涙を流し続けた

.

⏰:08/02/02 17:40 📱:SH903i 🆔:mP/vA1cg


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