―温―
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#641 [向日葵]
肯定と否定の気持ち、二つが胸の中で渦巻く。
早く旅館へ逃げ込まないとと思う前に、静流の指が、私の腕に絡んだ。
その表紙に私達は転んでしまって、波打ち際へダイブした。
おかげでビショビショ……。
「ハァ……ハァ……。」
「待てっ……て、言って……んだ、ろ……。」
二人とも息切れで、まともに喋れない。
それでも私は静流から早く離れたかった。
:07/10/11 12:38
:SO903i
:fYkeSG8s
#642 [向日葵]
一見端から見ればじゃれあってる様に見えるかもしれないけど、本人達にはそんなつもりはさらさらなかった。
静流から逃げようと試みるが、そんな事静流が許す訳なかった。
静流は私の腕を引っ張り、私を包みこんだ。
もちろん私は暴れた。
「や……っ!やだっ!静流やだぁっ!!」
「絶対もう離さないからな。」
「私じゃ……静流を……。」
:07/10/12 15:06
:SO903i
:a0mS0CVM
#643 [向日葵]
幸せになんか出来ない。
恐いの。
幸せに出来ない自分が。
愛されてしまう自分が……。
「お願い……双葉さんの元に」
「帰らないぞ!!」
いきなり大声を出されて、私はビクッとした。
静流は私の肩を掴んで自分から離し、至近距離で私を見つめた。
静流の目に、綺麗に小さな私が映っていて、思わず吸い込まれそうになる。
「俺はもう、紅葉じゃなきゃ嫌なんだ!何回好きって言わなきゃ気づいてくるないんだよっ!」
:07/10/12 15:10
:SO903i
:a0mS0CVM
#644 [向日葵]
「そ……な……。」
喉が乾ききってしまって上手く言葉が出ない。
「お前がそういう事に関して臆病になってんのは知ってる!でも俺は……お前が側にいないと……嫌なんだよ……っ!」
私は目を見開いた。
静流が私の頬を濡れた両手で包む。
「紅葉。好きだ……。誓うよ。お前を手放さないって……。ずっと側にいて?」
私の目からボロボロ涙が溢れる。
あぁ……ずっと求めてた。
温度がある、その言葉を。
:07/10/12 15:15
:SO903i
:a0mS0CVM
#645 [向日葵]
静流なら、信じられる。
もう迷う事はしたくない。
気づいた。私は幸せにすることを端から諦めていて、もう一度踏み出す事を恐れ、逃げていたんだ。
静流はいつでも、私に一歩踏み出す勇気をくれる……。
「ごめ……なさ……。勝手ばっかりして、ごめんなさい……。」
「紅葉……。」
静流の唇が、優しく私の唇に触れた。
今度は驚きでも何でもない。
:07/10/12 15:18
:SO903i
:a0mS0CVM
#646 [向日葵]
やっと通じ合えた、その喜びが、私の胸を一杯にする。
「私も静流が……好き。」
幸せに出来るかどうかなんて、誰しもが悩み、自信のないこと。
だけど幸せに「したい。」じゃなく、「する。」と言う断定をすれば、必ずしも言葉は胸に響いていく。
それこそが、皆が求める温かい温度なのだ……。
:07/10/12 15:22
:SO903i
:a0mS0CVM
#647 [向日葵]
―温―
*Fin*
:07/10/12 15:23
:SO903i
:a0mS0CVM
#648 [向日葵]
:07/10/12 15:32
:SO903i
:a0mS0CVM
#649 [ゆか]
:07/12/16 15:18
:W52SH
:zcvKz1SI
#650 [向日葵]
ゆかさん

アンカーありがとうございました

:07/12/19 18:59
:SO903i
:e3ZSxgWs
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