宝物。
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#501 [みぉり]
ブォンッ…………


「ひゃっ……ッ…」


エンジン音に驚か、目を瞑っている間にバイクは走りだした


反射的に森くんにしがみつく


……あ、なんか…大丈夫だ

⏰:09/01/15 15:46 📱:N905i 🆔:oGmdxCtM


#502 [みぉり]
初めて体感する風の強さは
怖いかもしれないと思っていたけど


しがみついた森くんの背中は
ブレザー越しでも
あたたかくて


不思議と穏やかな気持ちになれた


そのおかげか
怖さはまったくなくて

目を開けた先の
広がる世界は瞬く間に
風をきるバイクの横を流れていく

⏰:09/01/16 02:05 📱:PC 🆔:gWADcupw


#503 [みぉり]
うわぁ・・・
すごい!・・・・あっという間に景色が変わってく



怖さなんてすっかり忘れて
目の前をくるくると
変わる世界に息を呑んだ



「こわくないかー??」



エンジン音に掻き消されそうになりながら
聞こえた森くんの声

⏰:09/01/19 01:11 📱:PC 🆔:9zdjWxb2


#504 [みぉり]
その声に、はっと
思わずしがみついていた手を緩くした


「だっ大丈夫だよ〜!!風〜気持ちいいね〜!!」


エンジン音に負けじと
大声で答えると

森くんが一層、
加速させていく

⏰:09/01/22 01:28 📱:PC 🆔:hFwRvnFM


#505 [みぉり]
「ひゃぁっ?!?!」


再び、がしっと
森くんにしがみつくと

その背中から
くくっと笑っている振動が伝わってきた


・・・・からかいやがったわね


むっと
思いっきり巻きついた手を
きつく締めあげてやる

⏰:09/01/22 03:22 📱:PC 🆔:hFwRvnFM


#506 [純麗]
頑張ってください

⏰:09/01/25 18:25 📱:N905i 🆔:j4oKdomw


#507 [我輩は匿名である]
>>300-500
>>501-700

⏰:09/01/25 22:30 📱:D705i 🆔:U3IHcsUw


#508 [みぉり]
>>純麗さん☆
ありがとうございます!
なかなか更新できなくてすいません。
がんばります(^^)


>>匿名さん☆
アンカーありがとうございます!

⏰:09/01/27 00:26 📱:PC 🆔:jFZWWUJQ


#509 [みぉり]
>>505から


「ぐぇっ・・・・おぃっ」


森君の少し苦しそうな声にちょっと満足
そのまま手を緩めて、移り変わる景色を楽しむことにした



・・・・・・
15分ほど走って、バイクが止まった
そこはまだ少し肌寒い海辺

⏰:09/01/27 00:29 📱:PC 🆔:jFZWWUJQ


#510 [みぉり]
「ひゃぁー!!」


ヘルメットを外し、思わず駆け出す
だって、大きな太陽と海と空の真っ青な色があまりに綺麗でじっとしていられなかったから


「おいっ!メットは置いてけよ〜!」


後ろから聞こえた森君のその声にくるりと振り向き、届くようにと力をこめてメットを投げた


「ちょっ・・・お前っ・・・!」

⏰:09/01/27 00:42 📱:PC 🆔:jFZWWUJQ


#511 [みぉり]
メットを受け取ろうと慌てつつも必死にバランスを取る森君を尻目に靴を脱いで、波際まで歩く



・・・・・あったかい


日の光を浴びた砂は、ほっこりと暖かく歩きやすかった



波打ち際の海水で色の変わった砂は冷たく、足に少し力を込めてやればずんずんと沈んでゆく

⏰:09/01/27 02:41 📱:PC 🆔:jFZWWUJQ


#512 [我輩は匿名である]
>>1-50
>>51-100
>>101-150
>>151-200
>>201-250
>>251-300
>>301-350
>>351-400
>>401-450
>>451-500
>>501-550
>>551-600

⏰:09/01/27 13:32 📱:W52SH 🆔:WQXkX6CQ


#513 [みぉり]
>>匿名さん☆
アンカーありがとうございます(^^)

⏰:09/01/28 04:22 📱:PC 🆔:Ei/Ravds


#514 [みぉり]
>>511から


本当に埋まりきってしまわないように、足を引き抜き、ゆらゆらと打ち寄せる波に少し足が触れる程度に進んでみる


「〜〜っ・・・冷たい」


一瞬、水に触れただけなのに、その冷たさに思わず足を引っ込めた


・・・・・はずなのに、次の瞬間に私の足は太ももまで水が滴っている始末

⏰:09/01/28 04:29 📱:PC 🆔:Ei/Ravds


#515 [みぉり]
慌てて足元を確認してみるも、私がいるのは打ち寄せる波がかかるはずのない所


・・・・・・ということは?



すぐに思い当たる節があり


ゆっくりと視線を動かした先にいたのは、してやったり顔の奴



「・・・・・・ちょっと?今、何したのかな?」

⏰:09/01/28 06:25 📱:PC 🆔:Ei/Ravds


#516 [みぉり]
引きつった笑顔で聞く私


「え?何が?(笑)」



すっとぼけた顔で笑いながら濡れた両手を振って、水を飛ばす森くん



え?何が?じゃないでしょーがっ!!!!!!

⏰:09/01/28 06:30 📱:PC 🆔:Ei/Ravds


#517 [みぉり]
「何してくれちゃってんのよっ!!」



「あ?ばれた?笑」



ばれた?じゃないっつの!!



けらけらと憎たらしく笑う姿に思いっきり水をかけてやる





バシャッ…

⏰:09/01/28 19:29 📱:N905i 🆔:iC33MXOs


#518 [みぉり]
「あ``・・・・・」



・・・・・・ほんのちょっと



ほんのちょこっとだけ、太ももあたりにかけてやろーって思ってたのよ?



水をかけた体勢のまま動けない私


頭から水を滴らせ、中腰の姿勢から動かない森くん

⏰:09/01/29 00:22 📱:PC 🆔:ryFEvhL.


#519 [みぉり]
「………………」

「………………」



水をバシャンとかけるのと同じタイミングで、これまた森くんも水に手を突っ込むために中腰になっていて



まさか、こんなタイミンクでばしゃんと水がかかっちゃうとは思わなかった


………と言ってもすでに後の祭り

⏰:09/01/30 19:46 📱:N905i 🆔:ZOPARhyc


#520 [みぉり]
「……水も滴る良い男っ!!……なんつって……」


ははは、と乾いた笑いをしてみるものの森くんは相変わらず動かない


……こりゃマズイ


そう直感し、そろりと背を向けて波際から立ち去ろうとした………が



「…………おぃ」

⏰:09/01/31 16:39 📱:N905i 🆔:gO6JOJ0I


#521 [みぉり]
背後から聞こえたその声にビクっと体が固まった


振り返るのが怖いくらいのオーラを感じずにはいられないし………



「……園田先輩、、俺、頭に水ぶっかけられちゃったみたいなんですけど?」

⏰:09/02/03 16:30 📱:N905i 🆔:vYl6Uvmw


#522 [みぉり]
゛どーしてくれんの?゛


と、聞こえたような気がするのは私の勘違いでしょうか



「あははは……はは…手元がね……狂っちゃったみたいでぇ…」



視線をビシビシ感じながらも、振り向けず


沈黙してしまった

⏰:09/02/17 17:26 📱:N905i 🆔:WcUO5jCU


#523 [みぉり]
……って、明らかに悪いのは私なのに


謝るタイミングも完全に逃した………


この沈黙がやけに長く感じられて余計に気まずい………

⏰:09/02/22 13:24 📱:N905i 🆔:WuRDaLAo


#524 [みぉり]
「………仕方ねぇなぁ」


「へ?」



つぶやきが聞こえて
振り向きかけた私の体がふわりと浮いた



え?!何?!



思わず体を硬直させて目を見開くと
すぐ近くにあったのは森くんの顔

⏰:09/02/22 13:28 📱:N905i 🆔:WuRDaLAo


#525 [みぉり]
「ななななっ!?」


何何何??!!


訳がわからずめちゃめちゃ動揺しながらも今の自分の状態を知ろうと、周りをキョロキョロしてみる


私の体は森くんに支えられて宙に浮いていて………えーと?



この態勢って……もしかしなくてもお姫さま抱っこですか!?

⏰:09/02/22 13:33 📱:N905i 🆔:WuRDaLAo


#526 [みぉり]
困惑したまま、私を抱き上げた森くんを見る


その顔はさっきのニヤリ顔と同じで、瞬間いやな予感



「・・・・やられたらやりかえす、ってな」


「・・・・・はい?」


さわやかな笑顔で口を開いた森くん


恐る恐る続きを聞き返す

⏰:09/02/22 22:57 📱:PC 🆔:DsMEKhPQ


#527 [みぉり]
「俺のモットーなの」


「は?」


どういう意味ー・・・っと言いたかったのに


バッシャン!!


という大きな水音に私の言葉はかき消されてしまった




「〜〜〜〜〜っなにすんのーーー!?!?!??!」

⏰:09/02/22 22:59 📱:PC 🆔:DsMEKhPQ


#528 [みぉり]
抱きかかえられていた温もりは消え、代わりにあるのは冷たい水


尻餅をついてしまった体勢で水に浸かっている私


当然、スカートはびしょびしょ


かろうじて濡れていないのはシャツのみ



・・・・・・確かにね、
私が水をぶっかけましたよ、えぇ、やりましたとも

⏰:09/02/22 23:07 📱:PC 🆔:DsMEKhPQ


#529 [みぉり]
それは認めましょう



でもね?
この仕打ちはないんじゃないかしら?


しかも、頭に水かけるつもりなんてなかったんだから!!いわばあれは事故なのに!



全身水浸しってひどすぎだよぉぉ!!!!!

⏰:09/02/22 23:15 📱:PC 🆔:DsMEKhPQ


#530 [みぉり]
「森くんのばかーっ!!」


叫びながら見上げた森くんは、悪びれる様子もなく大笑いしてお腹をかかえている始末



ひ、ひどい・・・・・めっちゃ笑ってるし!



ふつふつと怒りがこみ上げて、尻餅をついてままではあったけど


上半身動かして、森くんの右腕を掴む



森くんが一瞬、目を見開いて慌てたのがわかったけど


勢いよく、その腕をひっぱってやった



バシャーーーッン

⏰:09/02/22 23:27 📱:PC 🆔:DsMEKhPQ


#531 [みぉり]
「〜〜〜っつめてぇ」


文字通り、全身水浸しで両手をついた森くんの第一声



そんな彼を横目に、私は立ち上がって



もう一回、頭っから水をバシャンとかけてやった

⏰:09/02/23 00:16 📱:PC 🆔:3Zw2M3OI


#532 [みぉり]
「うわっ・・・・しょっぱ・・・っ」


口に海水が入ってしまったようで、眉間にしわを寄せてフルフルと頭にかかった水を振り切る森くん



「これでお互いさまでしょっ!」



そう言い放って、一人先に波打ち際から離れ


かばんと靴を置きっぱなしにしたバイクの方へと歩く




森くんが悪いんだからっ!
謝ったりなんかしない!

⏰:09/02/23 01:08 📱:PC 🆔:3Zw2M3OI


#533 [みぉり]
「おぉい・・・・園田ぁ〜・・・・」


「先輩を呼び捨てにしないでくださーい」



後ろからパタパタと、近づく声にも振り向かず


むすっと言い返し自分のカバンからハンドタオルを捜索する



ブルッ


背筋に急に悪寒が走った


肌にまとわりつく海水が、体温を奪ってるのだ


さっきまで射していた陽の光も、気づけば空を真っ赤に染めながら海へと沈んでいっていた

⏰:09/02/23 01:13 📱:PC 🆔:3Zw2M3OI


#534 [みぉり]
やばっ・・・寒い


冷えた手で、なんとかタオルを取り出して濡れた制服を無言で拭く



横にはやや、バツが悪そうに立つ森くんが視界にあるけれど、無視を決め込む



「・・・・園田、あの」


「先輩、でしょ?」

⏰:09/02/23 01:19 📱:PC 🆔:3Zw2M3OI


#535 [みぉり]
完全にご立腹オーラで、話す私に森くんはやや困惑気味



・・・・・・いや、私も森くんに対して水ぶっかけてその上、謝りもしてない・・・・・けど



体温が下がるのと同時に、かっとなっていた頭も冷えてきて



自分ばかりが森くんを責められる立場ではないと、冷静に感じつつも



どうにも、タイミングを掴めない

⏰:09/02/23 01:22 📱:PC 🆔:3Zw2M3OI


#536 [みぉり]
・・・・・・意地っ張りな性格ってこんな時は、本当に困りもの


謝る口火を切れずに、無言のまま下半身の水を拭っていると




「ごめん、悪ふざけが過ぎた・・・・園田先輩」



その声に視線を移せば、頭を深深とさげた森くんがいて



「えっ・・・・あ・・・・」

⏰:09/02/23 01:26 📱:PC 🆔:3Zw2M3OI


#537 [みぉり]
「…っ…私も、…ごめんなさい」


慌ててペコリと頭を下げてしまった



………謝れちゃった


勢いとはいえ、素直に森くんに謝れた自分にびっくりしつつ顔をあげる

⏰:09/02/23 18:32 📱:N905i 🆔:6/hIe97Y


#538 [みぉり]
ドキッーーーーッ



そこにはくしゃっと笑う森くん


その顔は真っ赤な夕陽に照らされ


ぽたぽたと垂れる雫が反射して、それがまた色っぽくて




心臓が大きく跳ねた

⏰:09/02/24 23:55 📱:N905i 🆔:ElgW3RqE


#539 [みぉり]
そんな私を見て、森くんがクスっと笑って口を開く


「・・・・・なに見惚れてるんですか?園田先輩(笑)」



はっ



「みっ、見惚れてなんかいませんっ」



慌てて視線を逸らし、再びスカートの水気を拭う



・・・・・びっくりしたっ
あまりに夕陽が似合いすぎてて・・・・

⏰:09/02/25 05:19 📱:PC 🆔:t2qodPZU


#540 [みぉり]
ドキドキと、心臓が鳴ってるのを悟られないように至って平静を装い、足を拭い続けていると



「……ぷっ」


隣でいきなり吹き出した声


ん?と顔をあげれば、間近にある森くんの顔

⏰:09/02/25 15:47 📱:N905i 🆔:FdRDGqIM


#541 [みぉり]
「ッ!?!?!?」



あまりの近さに、ビクっと体を仰け反らせて驚くと


森くんは、あのいたずらっこみたいな笑顔で



「…………顔、真っ赤」



そう言って、私にバサっと何かをかけた

⏰:09/02/25 17:12 📱:N905i 🆔:FdRDGqIM


#542 [みぉり]
「ひょっ?!」



急に視界を奪われて、ワタワタと被せられたそれを取ると


それは私のより一回り以上大きなジャージの上



……なんでジャージ?

⏰:09/02/27 23:53 📱:N905i 🆔:UdJobM/I


#543 [みぉり]
疑問に思って森くんを見ると、濡れたシャツを脱いでぎゅっと絞りながら


「透けてるから」




え?






……………えっ!?

⏰:09/02/28 00:04 📱:N905i 🆔:1eYyH9cs


#544 [みぉり]
その言葉に自分のシャツを見てみれば


白シャツの下からうっすら緑色が透けていて……




「っ!!///早く言ってよ〜〜っ!!」



またまた私の叫び声が、波際に響き渡った

⏰:09/02/28 12:58 📱:N905i 🆔:1eYyH9cs


#545 [みぉり]
慌ててジャージを羽織り、チャックをしめる


その間に森くんはさっさと絞ったシャツを着直し、ブレザーを羽織りバイクに乗る用意をして




「帰んぞ」



私にヘルメットをぽんと、手渡してバイクにまたがった

⏰:09/02/28 13:42 📱:N905i 🆔:1eYyH9cs


#546 [みぉり]
「えっ……だって森くん……濡れたままじゃ」


そのままヘルメットを被ろうとするのを慌てて止めて、タオルを手渡す



「サンキュ……けど、家に帰った方が早い」



「へ……そりゃそうだけど……」

⏰:09/02/28 15:00 📱:N905i 🆔:1eYyH9cs


#547 [みぉり]
渡したタオルで、がしがしと頭を拭くとすぐに返してそのままヘルメットを被りエンジンをかける


え?乗るの?……この濡れた状態で?


…………私、家はここからちょっと遠いんですけど


そんなことを思いながら、乗るのを躊躇していると


置いてくぞと言わんばかりの表情を隙間から覗かせる森くん


ちょっ……っ!!

⏰:09/02/28 15:23 📱:N905i 🆔:1eYyH9cs


#548 [みぉり]
置いていかれては困る!!



ワタワタと、カバンを掛けて後ろに乗ると、バイクは勢い良く走りだした



「…〜〜っっ………さむいっ!!」


寒いっ!!


陽が落ちかけで、一気に気温が下がったせいか


感じる風も肌寒くなっている



「家はー?」

⏰:09/03/01 09:55 📱:N905i 🆔:BvFJOOvw


#549 [みぉり]
エンジン音に負けないようにと、声を大きく尋ねてくる



「潮見高から美術館越えた先ぃ〜〜〜っ!!」



私も負けじと声を返したけど、森くんはそのまま返事もせずにバイクを走らせて



私は私で、寒さのあまり森くんの背中にぴったりとくっついて、あと20分はこの寒さに耐えなくてはと、目を閉じた

⏰:09/03/01 10:03 📱:N905i 🆔:BvFJOOvw


#550 [みぉり]
バイクのエンジン音と、たまにすれ違う車の音


それだけが耳を掠めながら、10分程度走ったあたりで急に減速し始めた様子に


違和感を感じて、閉じていた目を開くと、ちょうどバイクが停止した



「ついたぞ」


えっ?!
もうついたの?!?!早いっ!!

⏰:09/03/02 01:21 📱:PC 🆔:YHah7QxQ


#551 [みぉり]
驚いて森くんを見ると、森くんはさっさと降りて歩き出す。


私もすぐにバイクを降りてー・・・・ふと、疑問



・・・・・待って?


私、森くんに家の住所なんていってないよね?


教えてないのにたどり着けるはずがない


・・・・っていうか、どんなに急いでも10分でたどり着ける距離じゃないし

⏰:09/03/02 01:22 📱:PC 🆔:YHah7QxQ


#552 [みぉり]
・・・・・・。


え?・・・・・ってことは?



視界を狭くしていたヘルメットを外して、見回す景色は全く知らないものばかり


ただ、すぐ近くの電柱に張られた住所の看板から


ここがどの辺りなのかは見当がついた


・・・・・・なんで?
学校までも、まだ少し距離あるのに・・・・

⏰:09/03/02 01:25 📱:PC 🆔:YHah7QxQ


#553 [みぉり]
家まで送ってくれとまでは言わないけれど、


せめて学校の前くらいまでは連れて行って欲しかったのに・・・・


ここから歩くと結構時間かかるなぁ〜うぅ・・・・


単純に計算しても30分はかかるであろう道のりを思うと


「はぁ・・・・。」


思わずため息が出てしまった

⏰:09/03/02 01:28 📱:PC 🆔:YHah7QxQ


#554 [みぉり]
と、ため息ついた所で歩いて帰らなきゃならない事実は変わらないか・・・・・。


やれやれ、とカバンを肩にかけ直す


とりあえず、このヘルメットを返さないことには帰れないし



「森くん、これ、ありがー・・・・・あれ?」



森くんに声をかけようと、振り返った先には一軒の大きな家があるのみ

⏰:09/03/02 01:32 📱:PC 🆔:YHah7QxQ


#555 [みぉり]
・・・・・またどっかに行っちゃったよ。もぅ!



辺りをキョロキョロしてみても、その姿はどこにもない



・・・・・ってことは・・・・この家の中に・・・・入ったってこと?



普通に考えるとそうだよね?


純和風で、立派な瓦屋根の大きな家
・・・・・なのにそのまん前には、大きなバイク



・・・・・・・・・・・変な組み合わせ(笑)

⏰:09/03/02 01:35 📱:PC 🆔:YHah7QxQ


#556 [みぉり]
バイクと家との並びがなんだかおかしくて、ぷっと吹き出してしまうと



「・・・・・頭、大丈夫か?」



まさに私が笑った瞬間に、森くんの声が聞こえた。


声に視線を動かせば、家の扉から呆れ顔の森くんがこちらを見ていた



はっ



笑ってる場合じゃなかった!ヘルメット返さなきゃ

⏰:09/03/02 01:40 📱:PC 🆔:YHah7QxQ


#557 [みぉり]
「森くんっ!ヘルメット!忘れてる!!」


たたっと駆け寄り、ヘルメットを渡す



「あぁ。」


「どうもありがとうございましたっ!」


森くんが受け取ったのを確認して、ぺこりと頭を下げて帰宅しようと向きを変えた


外はすっかり陽も落ちてるし、濡れたままじゃ体もどんどん冷えちゃう

⏰:09/03/02 01:43 📱:PC 🆔:YHah7QxQ


#558 [みぉり]
軽くタオルで拭っただけじゃ、やっぱり寒いし

走って帰ったほうが案外、体もあったまっていいのかも



そんなことを考えつつ、歩き出そうとした瞬間



がしっ


「へ?」


森くんが私の腕を掴んだ

⏰:09/03/02 01:46 📱:PC 🆔:YHah7QxQ


#559 [みぉり]
「え?なに?」


足を止められたことに、キョトンとしながら尋ねる


「なに帰ろうとしてんの?」


眉間にシワを寄せて、難しい顔をする森くん


その表情の意味がわからず”?”が頭を回る私


「え?だって、ここ森くん家でしょ?私の家はここから歩いてー・・・・」

⏰:09/03/02 01:50 📱:PC 🆔:YHah7QxQ


#560 [みぉり]
「このまま帰ったら風邪ひくだろ、服貸すからあがってけ」


「えっ!!いいよ!そんなの、悪いからっ!!」



ヘルメットも返したしさっさと帰るよ、まで言いたかった私の言葉を遮り、森くんは私の肩からカバンを取ってさっさと家の中に入ってしまった



「ちょっ・・・・っ・・・大丈夫だってばっ!ねぇ!森くん〜!!」

⏰:09/03/02 01:54 📱:PC 🆔:YHah7QxQ


#561 [みぉり]
もうっ!勝手なんだから〜!!


「はぁ〜・・・・」


再び、ため息をつくと早急な帰宅は諦めて


森くんの家にお邪魔することにした


「お邪魔しま〜す・・・・・」



・・・・・なにこの家

⏰:09/03/02 03:03 📱:PC 🆔:YHah7QxQ


#562 [みぉり]
外から見ても広かったけど、中はもっとすごい


ザ・日本とでもいいましょうか



「…………ボンボンなの?」



森くんの後ろをくっついて歩きながら、思わず呟く




「は?………あぁ…まぁ……普通の家とはちょっと違うか」

⏰:09/03/03 17:20 📱:N905i 🆔:L4tmRltQ


#563 [みぉり]
振り向きもせず、答えたその声に、それ以上聞くことはいけないような気がして


スタスタと歩く森くんの後をついて静かに歩いた




・・・・・・廊下長いっ!!
っていうか、中庭すごいんですけど



純和風すぎるその造りに驚きつつ、ある洋風な扉の前で森くんが足を止めた

⏰:09/03/03 21:58 📱:PC 🆔:16i80ETU


#564 [みぉり]
ガチャ・・・・


「ここ、入って」


それに合わせて立ち止まった私を横目に、扉をあけた森くんは中に入るように促す


「?・・・・失礼します・・・・。」



入った部屋の壁には、バスタオルと洗濯物を入れると思われるかごが置いてあるのが見えた


・・・・・脱衣所?

⏰:09/03/04 02:00 📱:PC 🆔:q2ezTJfk


#565 [みぉり]
「ここってー・・・」


バサッ


森くんに話しかけようと振り向いて、またまた何かを掛けられて慌ててそれを外す


・・・・今度はバスタオル??なぜに?


訳が分からず森くんを見ると、外でドアを閉めようとしているし


「風呂。冷えたままじゃ着替えたって意味ないしな、」



「へっ?!いくらなんでもそれは悪いよっ!」

⏰:09/03/04 02:07 📱:PC 🆔:q2ezTJfk


#566 [みぉり]
バタンッ



「…………まだ話してんのに」



問答無用とばかりに、閉められた扉をしばし見つめてため息をつく


………せっかくのご好意だし、有り難く受け取ろう

⏰:09/03/05 08:40 📱:N905i 🆔:x6CSSMIY


#567 [みぉり]
「……っていうか、入らなかったら怒られそうだもん」



呟きながら制服を脱いだものの、どこに置いたらいいのかな


……かごに入れるのはさすがになぁ


一先ず、全体的に湿ってるのをキレイにたたんで浴室と思われる扉を開けた



ガチャ………

⏰:09/03/05 08:45 📱:N905i 🆔:x6CSSMIY


#568 [みぉり]
「…………。」



思わず、扉を開けたまま固まってしまった



………一般家庭の風呂の5倍はあるんじゃないかって広さ


シャワー3つとか要らないんじゃないかとか、突っ込みたいコトはたくさんだけど


とにかく、体を温めなきゃ

⏰:09/03/05 08:49 📱:N905i 🆔:x6CSSMIY


#569 [みぉり]
そう思い直して、いつのまにかすっかり冷えきってしまった体にシャワーをかける



「あつッ……」



かなりぬるめに、設定したのにそれすらも肌にあたると熱いと感じずにはいられなくて



足元からゆっくりとシャワーを浴びつつ、置いてあるボディソープを拝借した


泡立てながら洗うと、実は体中に細かい砂が大量に付着していたことに気付く

⏰:09/03/05 09:05 📱:N905i 🆔:x6CSSMIY


#570 [みぉり]
ふと、髪に触れてみると海の匂いがしてるし


………すいません。徹底的に洗います



心の中で断りを入れ、全身をくまなく洗うとたっぷり湯の張られた湯槽に浸った



チャプン…

⏰:09/03/05 09:24 📱:N905i 🆔:x6CSSMIY


#571 [みぉり]
「あ〜…気持ちいい〜……んーっ」



肩まで浸かって、体を思いっきり伸ばす


ほぅっと一息ついて



「園田、着替え置いとくから」



扉越しの声に、慌てて我にかえった

⏰:09/03/05 15:07 📱:N905i 🆔:x6CSSMIY


#572 [みぉり]
のんびり入ってる場合じゃないんだった!!


反射的に立ち上がり、人影に向かって


「ああありがとうっ!」


と声をかけると、ゆらりと影になって見えた森くんは、手をあげてそのまま出ていった



………早くあがろ

⏰:09/03/05 15:54 📱:N905i 🆔:x6CSSMIY


#573 [みぉり]
バシャン・・・・ガチャ



すぐに脱衣所へと出て、バスタオルを手に取る


気持ちよかった〜湯冷めしないうちに、貸してもらった服きなきゃ



体中の水を拭い、着替えに手を伸ばそうとした瞬間


ガチャリ


「!!!!!!!!!!」

⏰:09/03/09 02:14 📱:PC 🆔:KaP.G9lc


#574 [みぉり]
間違いなく、扉の開く音が聞こえ反射的に見ると


驚いた表情の森くんがそこには居て・・・・・



・・・・とりあえず、叫びます




「いやぁぁ〜〜〜っ!!!!!!////」


「わわわわっ悪かった!!!////」

⏰:09/03/10 05:11 📱:PC 🆔:WVNKKkDA


#575 [みぉり]
バタンッ


勢いよく扉の閉まった音に、思わずその場にへたりこんだ


・・・・・・・裸・・・・見られたよね、絶対



どうしてバスタオルを胸に当てるとか、
体に巻きつけるとかしてなかったの私っ(涙)


己の行動が悔やまれるけれど、今となっちゃ後の祭り

⏰:09/03/11 05:51 📱:PC 🆔:ErV5EzZ6


#576 [みぉり]
がっくりと肩を落としつつ、ブルッと悪寒が走り抜けたので慌てて着替えようと下着を探す



「・・・・あれ?」


畳んで置いた服を手にとって出ようとしたが


そこに置いたはずの服がない

⏰:09/03/11 05:59 📱:PC 🆔:ErV5EzZ6


#577 [みぉり]
「はっ?!ないってなんで?!」


驚いてあたりをワタワタと手探りするも見当たらず


「〜っ・・・さむっ・・・・も〜仕方ないっ」


下着を探すことを諦めて、森くんの用意してくれた着替えのシャツを手に取る



「・・・・へ・・・これは・・・」

⏰:09/03/11 06:04 📱:PC 🆔:ErV5EzZ6


#578 [みぉり]
シャツの下に置かれていたのは、真新しい下着のセット


「・・・・・・これも・・・用意してくれたってこと・・・・?・・・」



いくらなんでもっ!!ここまでされたら申し訳なさすぎるわっ!


っていうか、女として恥ずかしすぎるっ(涙)

⏰:09/03/11 06:15 📱:PC 🆔:ErV5EzZ6


#579 [みぉり]
「……………うぅ」



恥ずかしいけど、下着をつけずに服を着るほうが堪え難い


………大人しく借りよう



ササッと着替えて、外に出る



ガチャ…

⏰:09/03/12 00:38 📱:N905i 🆔:rgsCUUfY


#580 [みぉり]
バタン……


「ふぅ……」


閉めた扉に寄り掛かり、一息をつくと


「………園田」



右隣から声をかけられ慌てて振り向く

⏰:09/03/12 00:46 📱:N905i 🆔:rgsCUUfY


#581 [みぉり]
「森くんっ」


そこにはバツが悪そうな顔の森くん


「………わりぃ…いや、ごめん」

その言葉はもちろん、さっきいきなり扉を開けたことを指しているだとすぐに察知した

⏰:09/03/12 00:55 📱:N905i 🆔:rgsCUUfY


#582 [みぉり]
思わず、カーッと顔が赤くなってしまったのが自分でもよくわかる



「えっ!あ、うん///・・・いや、こちらこそ・・・・申し訳なくて」


「は?」


「いやっ!見苦しい体を見せちゃったし!・・・っていや、そうじゃなくて!!えーと・・・下着まで用意してもらっちゃって・・・そのっ」

⏰:09/03/12 06:47 📱:PC 🆔:U..c1DqA


#583 [みぉり]
パニック過ぎだよ自分!!何を言ってるんだかわからないって〜〜っ!!


支離滅裂な言葉すぎて、思わずうつむくと


「ぶっ・・・くくくっ・・・おまえ、自分の体を見苦しいって(笑)」


頭上から笑いをこらえきれずに、話す声が振ってきて、顔をあげた

⏰:09/03/12 06:58 📱:PC 🆔:U..c1DqA


#584 [みぉり]
お腹を抱えて笑う森くん


それが余計に私の恥ずかしさを助長して・・・・



「〜〜〜っ////そっそんなに笑うことないでしょぉ!!///」


更に真っ赤になりながらも必死に言い返すと、森くんは『悪りぃ』と言いつつ笑いを堪えきれないまま、くるりと向きを変えて歩き出す

⏰:09/03/12 07:03 📱:PC 🆔:U..c1DqA


#585 [みぉり]
「あ・・・ま、待ってっ」


慌ててその後をついて歩き出すと同時に



「はる〜〜っ!!!なにこの廊下っ!!砂だらけじゃない!!」


後ろから、どこかで聞いた声が聞こえて振り向いた



え、うそ・・・・なんで・・・?



そこに立っていた人物を見て、驚いて言葉をなくしてしまった

⏰:09/03/12 07:10 📱:PC 🆔:U..c1DqA


#586 [みぉり]
「あれ・・・?・・・えと・・・凪の・・・?」


高く結われた髪、くるんと大きな瞳で不思議そうに私を見つめているのはー・・・・




「楓・・・・・・何だよ」



いつのまにか、私の真横に立った森くんが不機嫌そうに楓ちゃんに声を掛ける

⏰:09/03/12 07:16 📱:PC 🆔:U..c1DqA


#587 [みぉり]
楓ちゃん・・・・・・


私なんてすっかり楓ちゃんのことを忘れていたのに、楓ちゃんは私のこと覚えてたんだ

いや、知ってるんだ・・・・凪から聞いて



「何って・・・・まぁ、特に用はなかったんだけど・・・お邪魔だった?」


笑顔で尋ねる楓ちゃんとは対照的なトーンで応える森くん



「は?・・・・・あぁ・・・・こいつか」

⏰:09/03/12 07:33 📱:PC 🆔:U..c1DqA


#588 [みぉり]
森くんと楓ちゃんが、会話していたけど


私の耳からその声はすぅっと遠のいていった



・・・・凪、私の話してるのかな?


ただの幼馴染だって・・・


・・・きっと、聞いてるよね


だって凪のバイト先を知ってるくらい、仲良しなんだもん

⏰:09/03/12 07:39 📱:PC 🆔:U..c1DqA


#589 [みぉり]
━━――─・・・・・
陽臣side

「はる〜〜っ!!!なにこの廊下っ!!砂だらけじゃない!!」


まさか、と思って振り向いた先に最も会いたくないやつがいた。


イライラする。


なんで楓が家にいんだよ


ここ最近、来てなかったから安心してたのに・・・・

⏰:09/03/12 07:50 📱:PC 🆔:U..c1DqA


#590 [みぉり]
━━――─・・・・・
陽臣side

「はる〜〜っ!!!なにこの廊下っ!!砂だらけじゃない!!」


まさか、と思って振り向いた先に最も会いたくないやつがいた。


イライラする。


なんで楓が家にいんだよ


ここんとこ、来てなかったから安心してたのに・・・・

⏰:09/03/12 07:53 📱:PC 🆔:U..c1DqA


#591 [みぉり]
【訂正】
二重投稿してしまって申し訳ありません

× 589


お付き合い、よろしくお願いいたします。


みぉり

⏰:09/03/12 09:49 📱:N905i 🆔:rgsCUUfY


#592 [みぉり]
>>590から


「楓……何だよ」


イライラしながら、尋ねた俺に楓は悪怯れた様子もない笑顔


あげく、どうやら園田を俺の彼女かなんかと勘違いしたらしい

⏰:09/03/12 19:12 📱:N905i 🆔:rgsCUUfY


#593 [みぉり]
その発言に『は?』と答えながら、隣に視線を移すと


園田は今にも泣きだしそうな顔で、楓を見つめていた



ー……なんだ?



“二人を離さなきゃならない”


なぜか、直観的にそう思った

⏰:09/03/12 19:21 📱:N905i 🆔:rgsCUUfY


#594 [みぉり]
「楓に関係ねぇよ・・・・見ての通りだから・・・・おい、園田」


「へ?・・・・あ、うん?・・・・・・・」


俺の声で『はっ』と、我に返ったみたいだ


けれども、その目は不安げに揺れている


さっきまではギャアギャアと元気だったのに


・・・・やっぱり、楓か?

⏰:09/03/13 01:12 📱:PC 🆔:2RyXq.Hg


#595 [みぉり]
園田の様子が明らかにおかしい


楓は園田のことを知っているみたいだが……


それが、知人程度らしいことは、二人の空気からもわかる



「」

⏰:09/03/13 04:48 📱:N905i 🆔:2RH2EdPE


#596 [みぉり]
「こっち…………じゃぁな、楓」 


園田の背を押しながら、俺自身も楓に背を向け、そう言った



「…??」



園田はどうやら俺と楓の会話を聞いていなかったらしく、首を傾げてはいたが俺に促されて歩く

⏰:09/03/15 04:42 📱:N905i 🆔:Fhxk5dG6


#597 [みぉり]
「はいはい、お邪魔しました〜」

後ろから聞こえた呑気な楓の声に苛立ちながらも、手を挙げてそれに応えた



………くそッ…



久しぶりに波立った心

⏰:09/03/15 04:48 📱:N905i 🆔:Fhxk5dG6


#598 [みぉり]
俺はまだー………



“楓”を消化しきれていないのだと



確認してしまった

⏰:09/03/15 04:51 📱:N905i 🆔:Fhxk5dG6


#599 [みぉり]
ガチャ………



自室の扉を開け、園田を入れるとすぐに内線をかけた



『…ーはい。三内です。』

「三内さん?…俺、ちょっと砂で廊下汚しちゃって……申し訳ないんですが……」

『あら…陽さま?お久しぶりですね…承知いたしました。すぐに清掃いたします』

⏰:09/03/15 04:57 📱:N905i 🆔:Fhxk5dG6


#600 [みぉり]
「ありがとうございます。おねがいします」


ー…ピッ


家に数人いる使用人を仕切っている三内(ミナイ)さんへの電話を切り、ふぅっとため息をつく


頭によぎるのは楓の笑顔

⏰:09/03/15 05:01 📱:N905i 🆔:Fhxk5dG6


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