漆黒の夜に君と。[BL]
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#801 [ちか]
簡単と言えば簡単だけど…そんなのが勝負なのか‥?
俺は解せない顔で神楽さんを見つめた。
「全てを決めるのは恭くんです。
恭くんには‥どれだけ冥さんを愛してるのか試させてもらいます。
もし、恭くんが最上階のこの部屋まで来ることが出来たら、冥さんの勝ち。
出来なかったら私の勝ち。
冥さんが勝ったら私は潔く身を引きます。
ですが、私が勝った時、冥さん。貴方が身を引いてください。」
神楽さんの顔は再び真剣な表情へと変わっていた
:09/03/27 15:00 :P906i :Kttm89gw
#802 [ちか]
「そ‥そんな勝負アリなんですか?!試すなんて‥、俺そんな勝負受けません!!」
俺は立ち上がり、そう声を張り上げた。
神楽さんの真剣な眼差しを見る限り、“試す”には何か危ない匂いがする
これ以上、恭弥に迷惑かけられない……っ
俺は早くここから出て行こうと襖へ歩みを進めた
:09/03/27 22:57 :P906i :Kttm89gw
#803 [ちか]
「いいんですか?」
冷静を保ったままの声に、俺は襖に手をかけた時足を止めた。
「どう言う意味ですか…?」
振り返らずに口を開いた
「冥さんがこの勝負を受けないのなら、私は身を引きません。」
余裕な口調が解せない。
:09/03/27 23:08 :P906i :Kttm89gw
#804 [ちか]
「それがなんだって言うんですか。」
そんなの俺だって同じだ
絶対恭弥を譲ったりなんか‥‥、
「分からないんですか?
身を引かないと言うことは、どんな手段を使っても貴方達を引き離すと言う意味です。
同性同士の貴方達を引き離す事なんて簡単なんですよ?」
その瞬間、心臓が一気に心拍数を上げた。
どうしようもない焦りが俺の胸を掻き鳴らす。
:09/03/27 23:15 :P906i :Kttm89gw
#805 [ちか]
思わず俺は神楽さんの方へと振り返った。
「そ‥んな…こと‥っ」
落ち着け、落ち着け俺。
“引き離す”
その言葉を聞くだけで胸が張り裂けそうになる。
そんな事されたら俺…っ
動揺を隠しきれない俺に、微笑む神楽さん。
全部予想の範囲内ってワケか…。
こんな事なら端から優里の言う通り気をつけておくべきだった…!!!
バカだ…ほんとバカだ俺…。
自分の愚かさに、涙が滲んだ。
:09/03/27 23:27 :P906i :Kttm89gw
#806 [ちか]
「どうしますか?
勝負…受けてくださいます?」
神楽さんの言葉が俺の胸に刺さる。
どっちにしろ、俺に選択肢は無いってワケだ。
「…………受け‥ます。」
俺は小さく呟いた。
恭弥‥‥‥ごめん…。
俺がバカだったから、こんなことに…
でも、俺は恭弥との仲が引き離されることの方が辛いんだ…
苦しくて‥‥‥どうしようもなく恐いんだ‥
:09/03/27 23:32 :P906i :Kttm89gw
#807 [ちか]
俺は恭弥を信じてる。
恭弥がいつだって俺を信じてくれてるように。
ここに着くまでに、どんな罠が用意されてるかは分かんないけど‥‥
でも恭弥なら大丈夫だろ?
恭弥に勝てないモノなんて無いよな…?
信じてる。
信じてるから、どうか無事にここまで来て…――
:09/03/27 23:40 :P906i :Kttm89gw
#808 [ちか]
― 恭弥side.―
僕は今、某ビルの前に立っている。
「ここに居るの?」
睨みをきかせながら松山に問う。
「手紙にはそう書いております…」
そう返事を聞いてから、
一度ため息をついた。
なんで僕がこんなとこに来なきゃ行けないの、全く。
ただでさえ今機嫌が悪いって言うのに。
あぁ、仕方ないから僕がなんでこんなに嫌がりながら此処に来ているか説明してあげる。
:09/03/28 17:43 :P906i :xsG6IXG.
#809 [ちか]
それは一時間とニ十分ほど前のこと‥‥―――
僕は自分の部屋の窓から、じっと入り口を見ていた。
冥を乗せた車がなかなか帰ってこないからだ。
ふと腕時計に目をやると、いつもの帰ってくる時間を一時間も過ぎていた
車は既に学校に着いていると連絡を受けている。
なら、なんで冥が帰ってこない?
下校時間なんてとっくに過ぎている。
:09/03/28 17:50 :P906i :xsG6IXG.
#810 [我輩は匿名である]
:09/03/28 17:55 :P906i :bLtR/FB2
#811 [ちか]
>>810└→我輩は匿名さま*
アンカ-ありがとうございます★^^
:09/03/28 18:20 :P906i :xsG6IXG.
#812 [ちか]
>>809一向に車が帰ってくる気配はない。
一体どうなってるんだ?
ただでさえ、ここ最近は
高橋(英語教師)が冥を居残らすものだから一緒に居られる時間が減ってつまらないのに。
僕は苛立ちをおさめる方法を考えようソファーに座り込んだ。
:09/03/28 18:24 :P906i :xsG6IXG.
#813 [ちか]
少しして、慌ただしくドアをノックする音が聞こえた。
「きょ、恭弥様っ!!!!」
この声は、
「何?松山。」
執事の松山だ。
僕が言うのもなんだけど、松山はくだらない事にもすぐ慌てる癖があるんだ。
いつもはそんな松山に構っているけれど、
「た、た、大変で御座います!!」
今日はそんな気分じゃない。
「悪いけど僕、今凄く機嫌が‥‥、」
悪いんだ、と言おうとしたその時。
:09/03/28 18:34 :P906i :xsG6IXG.
#814 [ちか]
「冥様が……っ!!!!!」
ドア越しで放たれた声に僕はピクリと反応を示した。
冥‥?
冥に何かあったのか‥?!
僕は足早にドアの前まで行き、ノブを捻った。
目の前には手紙らしきものを掴み、焦った顔の松山。
「冥がどうしたの?」
自然と眉間にシワが寄る。
:09/03/28 18:41 :P906i :xsG6IXG.
#815 [ちか]
「中庭にこんな物が錘(オモリ)と一緒に投げ込まれて…、とにかく中をご覧ください!!!」
そう言って松山は手に持っていた手紙を僕に差し出した。
開いてみると、パソコンか何かで打たれた機械的な文字で文章が書かれている。
【クサカ メイを誘拐した。返してほしければ●●ビルに来い。ただし中には1人しか入(イ)れない。】
手紙にはそう記されている。
「何これ、…脅迫状?」
「そのようです…どうしましょう、恭弥様‥っ」
:09/03/28 19:44 :P906i :xsG6IXG.
#816 [ちか]
どうしましょうって…
「行くしかないでしょ。
早く車用意してよ。僕今機嫌悪いんだから待たせないで。」
僕がそう言うと松山は返事をして急いで下へと降りていった。
再び誰も居なくなった部屋で僕はため息をつく。
「全く…誘拐なんて何が狙いなんだよ。身代金の額も書かないなんて馬鹿な連中。」
呆れながら、クローゼットの中のスーツに手を伸ばした。
着替えたあと玄関まで行くと松山が待っていた。
用意された車に乗り込み、ビルに向かって出発する。
そんな経過を経て、僕は今このビルに居るってワケ。
分かった?
:09/03/28 20:02 :P906i :xsG6IXG.
#817 [ちか]
分からないなんて言わないよね?
まぁ、言っても、もう一度説明なんてしないけど
何度も言うけど僕は今機嫌が悪いんだからね。
入り口の前で僕は足を止めた。
「どこまで付いてくる気?」
斜め後ろで心配そうな顔をする松山を振り返って睨む。
「ですが…っ、どんな輩が待っているのか分かりませんし…」
さらに曇っていく松山の顔。
「僕が負けるとでも思ってるの?」
こんな馬鹿な事する連中にこの僕が。
:09/03/28 20:42 :P906i :xsG6IXG.
#818 [ちか]
「い、いえっ…そんなことは思っていませんが…」
口をもごつかせる松山に苛立ちすら感じる。
「なら、お前達はそこで待っててよ。
すぐ片付けてくるから。」
僕はそれだけ言うと、返事も待たず中へと入っていった。
:09/03/28 20:46 :P906i :xsG6IXG.
#819 [ちか]
― 冥side.―
勝負を受けることを余儀無くされ俺は部屋の隅っこに座り込んでいた。
一方の神楽さんは俺から少し離れたところで本を読んでいる。
そんな体勢でどれくらい居ただろうか、襖がゆっくりと開いた。
さっき来た男の人だ。
「神楽様。到着した模様です。」
(本当に来たんだ恭弥…)
徐々に鼓動が速くなる。
神楽さんは男の人の言葉を聞くと、読んでいた本をとじて部屋の真ん中に設置かれたモニターの前に歩いて行った。
:09/03/28 20:58 :P906i :xsG6IXG.
#820 [ちか]
>>819訂正
設置かれた ×
設置された ○
すいません;Д;
:09/03/28 21:29 :P906i :xsG6IXG.
#821 [ちか]
膝を抱え、身を小さくして座りこむ俺に神楽さんは目を向けた。
「冥さんもこちらでモニターを見ませんか?
恭くんが1階のロビーまでいらしてますよ。」
相変わらずの笑顔で神楽さんはそう言うと俺を手招きする。
そして俺も少し悩んだあと、モニターの見える位置までちょこちょこ小走りで駆け寄った。
:09/03/28 21:40 :P906i :xsG6IXG.
#822 [ちか]
モニターに写っているのは、まさしく恭弥だった
一目見るだけでこんなにも気持ちが落ち着くなんて、俺相当恭弥に依存してるな‥
そんな事を考えながら、ふと思った。
見る限り、恭弥以外誰も居ないし物も少なくてガランとしてるけど…
“試す”って何をするんだろう?
俺はモニターから目を離し、神楽さんに聞こうと顔を右に向けた。
「あの、神楽さ…「始まりました。」
「え?」
最後まで言う前に神楽さんは俺の言葉を遮った。
モニターを見つめたまま
それと同時に大きな鈍い音が俺の耳を突き抜けた
:09/03/28 22:48 :P906i :xsG6IXG.
#823 [ちか]
慌ててモニターに目線を戻す。
「…っ!!!?!?!!」
目の前に飛び込んできたのは、大柄な男を蹴り上げる恭弥の姿だった。
「やっぱりこの程度では、恭くんの余裕勝ちですねぇ…。」
神楽さんの悠長な口振りに俺の頭はさらに混乱する。
「こ、こ、これどう言うことですかッッ?!!?!?」
目を丸くさせながら、モニターを指指して神楽さんの着物の袖を掴んだ。
:09/03/28 23:20 :P906i :xsG6IXG.
#824 [ちか]
着物の袖を掴まれて俺に目を向ける神楽さん。
「見て分かりませんか?」
分かるワケないだろ!!!!
と、叫びたい気持ちを我慢して、首を横に大きく振った。
「では説明致しますね。」
神楽さんはそう言って手をモニターの方にやり、説明を始めた。
:09/03/29 18:24 :P906i :T1ep0SO.
#825 [ちか]
「此処は60階建てのビルの最上階です。
今恭くんは此処の1階に居ます。
私が武道家や格闘家の方を雇い、各階に1人ずつ配置させて頂きましたので、恭くんには此処に上がってくるまでに60人程の方と手合わせして頂く事になります。無事に此処まで上がり、冥さんを助ける事が出来れば冥さんの勝ちと言う訳です。御理解頂けたでしょうか?」
テキパキと説明をしてのける神楽さん。
御理解頂けたでしょうかって‥‥
:09/03/29 18:36 :P906i :T1ep0SO.
#826 [ちか]
「理解の前に納得いきませんよ、こんなのっ!!!」
俺は怒鳴り、きつく神楽さんを睨んだ。
そんな俺に顔色一つ変えない神楽さん。
「あら、説明が不十分だったでしょうか…」
「そんな意味で言ったんじゃありません!!!!!」
なんなんだ、この人!!
天然通り越して感覚おかしいんじゃないの?!?!
プロの格闘家を、しかも60人を恭弥1人に戦わせるなんてそんなっ……!!!
:09/03/29 20:02 :P906i :T1ep0SO.
#827 [ちか]
「もしも…っ!!もしも恭弥が取り返しのつかない怪我でもしたらどうするんですか?!!?」
そんな事になったら…
俺のせいで恭弥がそんな目にあったら……っ
俺は力の限り声を張り上げ、神楽さんの袖を握りしめる。
そんな俺にさすがの神楽さんもびっくりしているようだ。
しかし、すぐにその大きな瞳を細めて口元を緩めるとこう呟いた。
「では、冥さんは恭くんを信じていないのですね。」
:09/03/29 20:09 :P906i :T1ep0SO.
#828 [ちか]
落ち着いた口調がどこか冷ややかで、俺は唖然とした。
俺が恭弥を信じてない…?
そんなワケないだろ…っ
抑えようのない怒りが込み上がってくる。
「神楽さんに俺の何が分かるんですか…ッ!!!!」
俺は今までに無いほどにきつく睨み付けてそう言い放った。
それでも俺を見る神楽さんの瞳は冷たいまま。
:09/03/29 21:28 :P906i :T1ep0SO.
#829 [ちか]
「お言葉ですが、冥さん。
貴方は恭くんが怪我をなさったらどうするんだと仰(オッシャ)いましたが、それは恭くんを信じていないからこそ思う事でしょう?」
そう言い返された瞬間、言葉が出なかった。
「私は取り返しのつかないような怪我をする程、恭くんは柔じゃないと思っていますが、違いますか?」
返す言葉が無かった…
納得してしまった自分が悔しくてぎゅっと下唇を噛んだ。
:09/03/29 21:41 :P906i :T1ep0SO.
#830 [ちか]
確かにそうだ…
俺に、俺の心の何処かに恭弥を疑う気持ちがあったから、怪我をしたらどうするんだなんて言葉が出たんだ…
そう思うと自分が腹立たしくて仕方なかった。
黙って俯く俺に、神楽さんは再びモニターへと目を戻した。
そして俯きながら俺は強く願った。
“頑張って”と。
:09/03/29 22:00 :P906i :T1ep0SO.
#831 []
:09/03/30 19:57 :SO905iCS :7m2VKqGw
#832 [ちか]
>>831└→
さま*
アンカありがとうございます
★
今から更新するので、よかったらまた読んでください♪^^*
:09/03/30 22:37 :P906i :PLDMpyds
#833 [ちか]
>>830―神楽side.―
やはり冥さんはまだ気づいていないのですね。
‥‥‥私がこの勝負内容を選んだ本当の目的を。
私だって恭くんに、もしもの事が無いよう配慮はしております。
つまり、この内容を選んだのは力でお二人の気持ちを引き離す為じゃないのですよ、冥さん。
私が本当に知りたいのはあくまで恭くんが『本気』なのかどうか。
:09/03/30 22:45 :P906i :PLDMpyds
#834 [ちか]
面倒な事を何よりも嫌がるあの恭くんが、たかが男の子一人のためにご自分の体力を削るとは到底考えられません。
途中で投げ出さず、本当に60人全員を倒して此処までいらしたとしたら、それは冥さんが恭くんにとって、『たかが一人の男の子』でなく、『大切な人』と言う証。
私は恭くんの気持ちの量を計っているのです。
:09/03/30 23:14 :P906i :PLDMpyds
#835 [ちか]
最も恭くんが本気だなんて私は信じていませんが…。
しかし着々と格闘家達を倒し、階を上げていく恭くん。
まさか…そんなはず…
:09/03/30 23:22 :P906i :PLDMpyds
#836 [ちか]
―冥side.―
俯きながらも、時々恭弥が気になってチラチラとモニターに目をやってしまう。
その度に恭弥は相手に圧勝で、階を上げていく。
それに安堵の息を漏らす反面、音の生々しさに少し恐くなった。
階が上がればモニターの画面もすぐに次の階へと変わる。
しかし、神楽さんの笑みも次第に消えていくように見えるのは気のせい…?
:09/03/30 23:39 :P906i :PLDMpyds
#837 [ちか]
―恭弥side.―
‥‥‥‥今、僕の機嫌は最低最悪。
何故かって?
説明するのも面倒だけど…手短に話す。
此処は完全に僕を馬鹿にしているからだ。
:09/03/31 00:15 :P906i :otdL5Ofc
#838 [ちか]
なんなんだ、このふざけたビルは。
誰が仕掛けたのか知らないけどエレベーターはどのボタンを押しても一階ずつしか止まらないし、一度開いたらボタンを押しても中々閉まらないし。
おまけにエレベーターの扉が開けば、格闘馬鹿が飛びかかってくる。
‥‥‥階段?
僕に階段を登れって言うの?
どいつもこいつも、僕を虚仮(コケ)にするなんていい度胸じゃないか。
:09/03/31 00:22 :P906i :otdL5Ofc
#839 [ちか]
僕は冥を取り返しに来ただけ。
こんな奴らの相手をする気なんて微塵も無かったのに。
おかげで予想以上に時間を喰ってしまったじゃないか。
そんな事を思いながら大きくため息を吐(ツ)くと、僕の拳を受けて気を失っている床の奴を軽く足で蹴った。
「手加減したつもりだったんだけど…」
やりすぎたかな?
…まぁ、僕の邪魔をした君が悪い。
そう自分で納得して、またエレベーターに乗り込んだ。
ボタンを押さなくても動き出すエレベーター。
どうなってるだ此処は‥
:09/03/31 00:47 :P906i :otdL5Ofc
#840 [ちか]
>>839訂正
どうなってるだ此処は×
どうなってるんだ此処は○
脱字すいません‥><
自分が不甲斐ないです;;
:09/03/31 00:52 :P906i :otdL5Ofc
#841 [我輩は匿名である]
:09/03/31 01:03 :W51SH :4CiuutXE
#842 [我輩は匿名である]
:09/03/31 01:06 :W51SH :4CiuutXE
#843 [ちか]
>>841-842└→我輩は匿名さま*
アンカありがとうございます♪おかげで見やすくなりました^^*
良かったら続きも読んでくださいね★
:09/03/31 21:48 :P906i :otdL5Ofc
#844 [ちか]
>>839―冥side.―
いつの間にかモニターに釘付けだった俺は、隣に居るこの時神楽さんが何を企んでいたかなんて知る由もなかった。
一方の恭弥は襲ってくる相手を楽々倒していき、ついには58階目まで辿り着いた。
あと少しで恭弥が来てくれる。
恭弥に会える。
そう思うと、少し安心出来た。
そんな安心感に包まれていたその時。
:09/03/31 21:57 :P906i :otdL5Ofc
#845 [ちか]
>>844訂正
隣に居るこの時神楽さんが×
隣に居る神楽さんがこの時○
すいません;;
:09/03/31 21:58 :P906i :otdL5Ofc
#846 [ちか]
「このままでは‥‥―――仕方ありませんね。」
急にぼそりと呟いた神楽さん。
どうしたんだろうと顔を右に向けると、目がばっちりあってしまった。
………また嫌な予感が‥
「冥さん。」
「は、はい…?」
にっこりと微笑むその笑顔が今はちょっと怖い。
そんな笑顔にぎこちなく返事をする俺。
神楽さんは俺の返事を聞くとパチンと指を鳴らした。
:09/03/31 22:29 :P906i :otdL5Ofc
#847 [ちか]
指を鳴らすと、すぐに襖が開いた。
「お呼びでしょうか。」
あ、さっきの人‥‥。
いつから居たんだ?
指を鳴らすだけで出てくるなんて漫画みたい‥
そんな事をぼんやり考えているうちに神楽さんはスーツの人と何かコソコソと話をしていた。
:09/03/31 22:43 :P906i :otdL5Ofc
#848 [ちか]
そんな2人の姿を不思議そうに見つめていると、やがて神楽さんの視線が俺へと戻った
企んだ笑顔が俺の方静かに歩み寄ってくる。
「大人しくしていてくださいね。」
「は?!えっ、ちょっと…ッ!!」
神楽さんがそう言うとスーツ姿の人が俺をがっちりと掴んだ。
「それから‥これから先、一言でも喋ったら冥さんの負けですから、ね?」
口元に細い人差し指を当てる神楽さん。
…俺、どーなんの?!!?!
:09/03/31 23:34 :P906i :otdL5Ofc
#849 [ちか]
―恭弥side.―
何処からこいつらは沸いて出てくるの?
と、言いたくなるほどの数。
僕の下で気を失っている大柄の男で何人目だっけ
とにかく鬱陶しい。
早く終わらせて僕は帰りたいんだよ。
「犯人見つけたらただじゃおかないから。」
そんな独り言を呟いてまたエレベーターに乗った。
:09/04/01 13:20 :P906i :5FE0IVk.
#850 [ちか]
エレベーターの中から外を見ると、自分が今けっこうな高さに居ることが分かった。
そろそろ最上階に着いてもいい頃なのに。
そんなことを思っていると、小さくベルの音が鳴って扉が開いた。
その度に訳の分からない奴が飛びかかってくるもんだから、自然と身体が構えてしまう。
が、扉が完全に開いてもかかってくる奴は居なかった。
:09/04/01 13:50 :P906i :5FE0IVk.
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