〜運命のヒト〜
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#501 [りく☆]
信じられなくなるけど。
まさか美里がそんな嘘を言う訳がない
煙草を投げ捨て火を消した
相変わらず周りは暗く、オレはよりいっそう孤独に包まれた感じがした。
…やっぱりオレは優希と接する事はできない。
そんな気がした
オレはこのまま独りで過去の苦しみを抱えながら、孤独と共に生きるのだろうか
あまりにもそれは辛い…
暗闇の中オレはただ立っていた
:07/05/06 16:06 :SH903i :9zgMhFLk
#502 [りく☆]
美里『やっと終わったぁ!!』
オレの隣で追試を終えた美里が、幸せそうな微笑みを浮かべ背伸びしていた。
こうしてどうにかオレと美里は追試を終えることができた。
昨日に教えてもらったおかげでかなり解くことができ、あらためて3人に感謝した
:07/05/06 16:13 :SH903i :9zgMhFLk
#503 []
:07/05/06 16:30 :F902iS :☆☆☆
#504 [りく☆]
:07/05/06 16:38 :SH903i :9zgMhFLk
#505 [りく☆]
教室にはオレと美里しかいない……
さっきまではしゃいでいた美里が突然黙り込んだ。
美里『昨日の夜の事覚えてる?』
オレ『……覚えてるよ。』
やっぱりこの話だ
きっとこの話をするとわかっていたが、できればしたくなかった。
美里『きっと優希は待ってるよ……りくを』
オレ『さぁ?』
オレは曖昧な返事をして教室を出ようとした
:07/05/06 16:50 :SH903i :9zgMhFLk
#506 [りく☆]
美里『りく!』
大きな声で美里がオレを呼び止めた
オレ『何だよ…』
美里『一つだけはっきりさせてよ。優希のこと好きなの、嫌いなの?』
オレ『何でお前に言わなきゃいけないんだよ。』
美里『それをはっきりしないと……困る人がいっぱいいるんだよ』
美里は少し顔を赤く染めながらオレを見ていた…
オレ『困る人?』
:07/05/06 17:01 :SH903i :9zgMhFLk
#507 [りく☆]
美里『………とりあえずはっきりさせて。このままあやふやにするなんてダメだよ。優希が……可哀相だよ』
オレ『オレは……』
オレは優希が好きなのか?
もし……好きなら…結衣を好きになる事はなかったかもしれない。
けど実際オレは結衣を心から愛していた
それは……もう二度と優希と会うことはないと思ったからか?
わからない
けど今わかることは
オレが人生で愛したのはその2人だけ
:07/05/06 17:11 :SH903i :9zgMhFLk
#508 [りく☆]
美里『りくは……ずるいよ』
!!!!
そんな台詞……昔に言われたような気がした
美里『自分の気持ちはっきりしないんだもんね』
オレ『……あぁ。オレはダメなヤツだな』
誰だろう
確かに昔言われた……"りくはずるい"…"はっきりしない"と…
そんなオレのせいでいろんな人を傷つけた記憶がある
結局オレは昔と変わらないのか
そしたらオレは
また誰かを傷つけてしまうのだろうか
:07/05/06 17:19 :SH903i :9zgMhFLk
#509 [りく☆]
卓也『りく!!部活行くぞ♪』
緊迫した空気を消し去るような明るい声が響いてきた
オレ『……今行く!』
美里『りく………』
オレ『分かってるよ。』
少し苛立った口調で言ってしまった…
オレは美里を教室に置き去りにして卓也のもとに行った
:07/05/06 17:24 :SH903i :9zgMhFLk
#510 [りく☆]
滝沢『悪い……オレ先帰る。』
部活が終わると、滝沢はオレと卓也にそう言い残して帰っていった。
卓也『あいつどうしたんだ?』
オレ『さぁ…?』
いつもなら一緒に帰るのに……
美里『ねぇりく〜』
…またか
内心美里が話かけてくるのに少しうんざりしていた
また優希の話を始めそうな気がして
:07/05/06 21:08 :SH903i :9zgMhFLk
#511 [りく☆]
美里『祥子見なかったぁ?』
オレ『何で?』
美里『何か祥子慌てて帰っちゃって、カバン私の持って帰ってるの。
どぉしよ〜ケータイカバンの中だよ。』
美里はカバンよりもケータイがないことによっぽどショックを受けているらしい
卓也『祥子らしくないな、間違えるなんて』
"プルルルルルル"
オレ『美里、ケータイ鳴ってるべ。』
:07/05/06 21:15 :SH903i :9zgMhFLk
#512 [りく☆]
美里『……えっ!これ鳴ってるの祥子のケータイだよ』
美里の手に持つカバンから着信音が流れている。
オレ『そっかぁ……もしかしたら祥子がかけてるかもよ』
卓也『何で?自分のケータイに?』
オレ『それは』
!!!!
美里『もしも〜し♪』
オレが説明する間もなく美里がケータイにでた
:07/05/06 21:22 :SH903i :9zgMhFLk
#513 [りく☆]
オレ『勝手にでてるし…』
美里の行動力に少しあきれていた。
美里の顔から笑顔が少しずつ消えていった
美里『……えっ?』
彼女の顔から完全に笑顔が消えていった
オレ『どうした?』
美里『祥子じゃなかった……』
オレ『まぁ…他の人から電話くらいあるさ』
美里『勇貴君だった……
何か凄い…慌てて…』
:07/05/06 21:55 :SH903i :9zgMhFLk
#514 [りく☆]
オレ『滝沢?』
…まさか
美里『悪い少し遅れるけど待ってて……呼び出したのにゴメン。あと5分ぐらいで公園つくから』
オレ『は?』
美里『電話でそう言ってた……んでそのまま電話切れて』
しばらく沈黙が続いた
この電話の意味を美里はわからない……がオレと卓也は解りすぎていた。
:07/05/06 22:13 :SH903i :9zgMhFLk
#515 [我輩は匿名である]
好きです がんば
:07/05/06 22:27 :W51K :OqhMp2fI
#516 [りく☆]
卓也『……飯食べに行かないか?オレ腹減ってさ』
美里『えっ?』
意外だった
昔の卓也ならなりふりかまわず公園に行っただろう。
…アメリカで少しは成長したか
そんな事を思ったりした
しかし本当に滝沢が行動を起こすとは想像出来なかった。
オレには真似できない
:07/05/06 22:35 :SH903i :9zgMhFLk
#517 [りく☆]
美里『ちょっと……ケータイ届けないの?』
卓也『明日でいいだろ?早く飯食べようぜ♪オレがおごってやるよ。』
美里『えっまじで♪やったぁ!』
幼い子供のように美里は喜び、卓也についていった。どうやら美里の頭の中にはもうケータイの事はないらしい…
美里『りく〜早く♪』
オレは美里に急かされながら後をついていった。
…滝沢は大丈夫かな
ふと心に不安が残る。いつもオレを影で支えてくれた親友にオレは、何もしてあげられない。むしろオレは邪魔ばかりしてきた…
:07/05/07 00:12 :SH903i :vuhgSq/k
#518 [りく☆]
:07/05/07 00:13 :SH903i :vuhgSq/k
#519 [りく☆]
滝沢の恋も
卓也の恋も
オレは邪魔してしまったのだ……
"りくはズルいよ"
ふとその言葉が頭をよぎる。
確かにオレはズルいのかもしれない……いろんな人を傷つけ自分だけ助かろうとしている
…現実から1番逃げているのはオレだ
何でもない道でオレはそう思った。
:07/05/07 00:19 :SH903i :vuhgSq/k
#520 [りく☆]
美里『りく………どうしたの?』
考え込んだオレの顔を覗き込むように美里が見てきた。決して作り笑いではない、自然体のえくぼのある笑顔にオレは少し照れ臭さを覚えた。
オレ『何でもないよ。』
オレは美里から目をそらして卓也の方に目をやる。卓也は何故かオレを見るなり固まっていた
卓也『りく………お前…カバンは?』
!!!!!!!!!!!!
オレ『あぁっ!!!!!!!!!』
カバンを忘れるとは…美里はあきれて言葉が出ないような顔をしていた。
:07/05/07 00:35 :SH903i :vuhgSq/k
#521 [りく☆]
オレ『あっ………悪い先に行ってて……後から行くよ』
そういってオレは走って学校に向かった。
…バカだなぁ
自分にかける言葉すらなかった。カバンを忘れるとは前代未聞だ。
:07/05/07 00:38 :SH903i :vuhgSq/k
#522 [りく☆]
オレはなるべく急ぐため、来た道とは違う道を走っていった。
その道はいわば地元の人だけ知るような細い抜け道だ。
…この通路でいけば早くつく
そんな一心で走っていた。
!!!!!!
…やっべ!
オレは慌てて身を草むらに隠した。
この抜け道は……滝沢と祥子のいる公園を通らなければいけないのだ。
すでに公園には2人の姿があった。
:07/05/07 00:46 :SH903i :vuhgSq/k
#523 [りく☆]
急に周りが静かになった…
もし少しでも音をたててしまったらオレの存在がばれてしまうほどの静けさだった。
そして
二人の会話も盗み聞きしたくはないが聞こえてくる
オレはじっと草むらに隠れたまま2人を見ていた
:07/05/07 00:59 :SH903i :vuhgSq/k
#524 [りく☆]
滝沢『悪いな遅れて……』
どうやら今会ったらしい
祥子『ぃぃよ♪もとは私が呼び出したんだし』
滝沢『でも前の呼び出し断って今日にしたのオレだし…』
!!!!!
どうやら用があるのは祥子の方らしい…
:07/05/09 00:19 :SH903i :R9cnKTkM
#525 [りく☆]
…何で祥子が滝沢を?
オレはカバンの事など頭から無くなって、気がつけば2人の会話に集中していた
滝沢『んで………何で呼び出したんだ?』
祥子『相談したいことがあってね…』
滝沢『相談?』
祥子『うん……』
沈黙が続いている
:07/05/09 00:26 :SH903i :R9cnKTkM
#526 [りく☆]
祥子はしばらく黙ったまま下を向いていた。
ただ散った桜が風に舞う音だけが公園に響く
滝沢『またあの話か?』
相談の内容をさとったかのように滝沢が言った。
……あの話?
祥子はさらに黙りこんでしまった………どうやら図星らしい
:07/05/13 01:16 :SH903i :pxxTA/Zo
#527 [りく☆]
滝沢『やっぱりそうか………』
ため息混じりに滝沢がつぶやいた。その表情には、どこか寂しげな感じがする。
祥子『あの話だけど………少し違うの』
ようやく祥子が口を開いた
滝沢『違う?……何が違うんだ?』
祥子『……何か……私もわからない』
:07/05/13 01:20 :SH903i :pxxTA/Zo
#528 [りく☆]
滝沢『えっ?』
祥子の意味不明な発言に、滝沢は戸惑いを隠せていなかった。
…あの話とは何だ?
その疑問が頭に残る
滝沢『わからないって………どうしたらぃぃかわからないってことか?』
祥子『ぃゃ………ぅん』
珍しく祥子がはっきりしない
:07/05/13 01:24 :SH903i :pxxTA/Zo
#529 [りく☆]
滝沢『………どうしたらいいかなんて……オレにはわからないって言っただろ?』
少し呆れたように滝沢が言った。
祥子『そんな冷たく言わなくても……』
祥子はただ下を向いて、地面に散っていった桜の花びらをけっていた。
:07/05/20 00:18 :SH903i :LNr3MEuA
#530 [りく☆]
気まずい空気が滝沢と祥子を包む……
今までこの二人にこんな事があっただろうか。
オレはただ見守ることしかできなかった。
滝沢『あきらめられないんだろ?』
祥子『……』
滝沢『だったら……仕方ないんじゃないか?』
祥子『仕方ないって………そんな軽くいわないでよ』
滝沢『悪い悪い………軽く言った訳じゃないんだけどな。』
怒りそうな祥子をなだめるかのように滝沢は言った………
:07/05/20 00:28 :SH903i :LNr3MEuA
#531 [トムトム]
:07/05/21 15:31 :SH901iS :PssyB/c2
#532 [りく☆]
:07/05/22 10:58 :SH903i :X7e9tA1Q
#533 [りく☆]
昔から、滝沢と祥子は仲がよかった。喧嘩なんてしたことがない2人。
喧嘩になりそうな時はいつも滝沢がなだめていた。
祥子が悩んでいるとき、いつも手を貸してあげていたのは滝沢だった。
そんな2人…
だからオレは2人がこうして話し合っているのにあまり違和感は感じていなかった。
ただ
今はいつもと違う空気だと直感的に感じた……
滝沢が笑っていない
:07/05/22 11:03 :SH903i :X7e9tA1Q
#534 [りく☆]
滝沢『オレにどうしろって言うんだよ!』
!!!!!!!!!!!
滝沢が突然怒鳴った。今まで何かためていた感情をはきだすかのように…
祥子は驚きを隠せず黙りこんでいる
:07/05/22 11:07 :SH903i :X7e9tA1Q
#535 [りく☆]
滝沢『結衣に悪いかなんてオレにはわからねぇよ…』
??????
…結衣に悪い?
…何が?
祥子『……わかってるけど………相談しないて私……』
祥子は今にも泣き出しそうな顔をしていた
:07/05/22 11:10 :SH903i :X7e9tA1Q
#536 [りく☆]
滝沢『りくが好きってのは変わらないんだろ?
祥子の気持ちが変わらないんなら仕方ないとしか言えんやん?
そんな……無理な相談だよ』
…えっ?
祥子はまだあきらめてないのか?
そんな相談を滝沢は何回もうけていたのか?
オレは反射的に姿をより草村に隠した。
オレがここにいることがバレたらいけない気がしたからだ
:07/05/22 11:15 :SH903i :X7e9tA1Q
#537 [りく☆]
祥子『結衣は親友だよ…
親友の彼氏を好きになるなんて………最悪だよ』
滝沢『じゃぁあきらめるのか?』
祥子『………どうしたらいいかわからない』
滝沢『結衣なら………祥子を許してくれるんじゃないのかな…』
祥子『………うん。けど……』
祥子の言葉が止まった。
:07/05/22 11:21 :SH903i :X7e9tA1Q
#538 [りく☆]
滝沢『けど?』
祥子『違うの……』
祥子はずっと下を向いたままだ…
滝沢『何が?』
祥子『………何かわからないけど………何て言ったらいいか』
滝沢は困り果てていた。
…滝沢はこんな相談嫌じゃないのか?
オレはふと思った
好きな女の恋愛相談なんて……
こんな相談を滝沢は長年うけていたのだろう。
なのにあいつはまだ祥子が好きと言う
滝沢のやり遂げたことをオレにはできないだろう………そぉ思った
:07/05/22 11:33 :SH903i :X7e9tA1Q
#539 [りく☆]
:07/05/29 01:21 :SH903i :2mqjC0p2
#540 [やゆ]
頑張って下さレ1
:07/05/30 09:20 :SH902i :PAUNLUqs
#541 [コンキチ]
:07/06/01 04:09 :SH902iS :OBcM3vvM
#542 [ュぃちごュ]
がんばってoG
:07/06/03 11:08 :W51P :7gyronzM
#543 [りく☆]
:07/06/09 01:14 :SH903i :lmHa5tOM
#544 [りく☆]
しばらく沈黙が続いた…
人気の全くない公園…
静けさがよりいっそう増していた。
祥子『……あのね』
!!!!プルルルルルルル!!!!
祥子が口を開くと同時に、滝沢のケータイがなった。
滝沢『もしもし……』
何事もなかったのかのように電話にでた…
祥子はただ黙っている
:07/06/09 01:21 :SH903i :lmHa5tOM
#545 [りく☆]
オレは驚きを隠せずにいた。
昔の滝沢なら、祥子と話している時に電話をするようなやつではなかった……
何事よりも祥子を優先していたのに
滝沢『悪いな』
電話を終えた滝沢が言った……
この電話が
たった一回の電話が
2人の糸を絡ませるとは
オレは思ってもいなかった
:07/06/09 01:25 :SH903i :lmHa5tOM
#546 [りく☆]
滝沢『もぉ……いいだろ?』
祥子が何かを言いかけた瞬間だった……
滝沢『これ以上オレに相談されても……何もかわらない』
そう言って滝沢は、歩きはじめた
:07/06/09 10:47 :SH903i :lmHa5tOM
#547 [みぃ]
:07/06/09 12:29 :SH902i :DIE2f2hA
#548 [みぃ]
:07/06/09 12:37 :SH902i :DIE2f2hA
#549 [りく☆]
祥子『待って!!…………まだ話終わってないよ』
滝沢『終わったようなもんだろ?』
寂しいげに言う祥子に、滝沢は冷たく言い放った。
そこには昔のような優しい滝沢はいない
そんな感じがした
:07/06/13 00:06 :SH903i :UFSfll72
#550 [りく☆]
祥子『そんな……ひどいよ』
滝沢『オレに話したって変わらないだろうが!!
どぉせオレに話しても気持ちは変わらない……りくを想う気持ちは変わらない。
オレに相談する意味なんてないんだよ!』
きつく…
冷たく…
滝沢は祥子に言った。
祥子『ち……ちがう』
祥子の言葉に耳を傾けることなく、滝沢は去って行く。
:07/06/13 00:14 :SH903i :UFSfll72
#551 [りく☆]
滝沢がだんだんと見えなくなって言った……
祥子『ちがうのに…』
誰もいない公園
ただ
祥子の泣く声だけが、風の音と共に聞こえてくる。
祥子はその場に座りこんでいた
:07/06/13 00:17 :SH903i :UFSfll72
#552 [りく☆]
…何で?
オレはこの状況が理解できなかった
確かに滝沢はオレ達の前で"祥子が好きだ"と言っていた
なのに何で?
…もぉ耐え切れなくなったのか?
…好きな人のあんな相談に耐え切れなくなったのか?
そう思うと、少しだけ滝沢の気持ちがわかる
:07/06/13 00:25 :SH903i :UFSfll72
#553 [りく☆]
祥子『ちがうのに………………何で……………うまく言えないの』
?????????
祥子のこの発言が、もっとも理解しがたかった
…何が違うんだ?
:07/06/13 00:27 :SH903i :UFSfll72
#554 [拓モ]
:07/06/14 02:58 :SH703i :mLYZW5bE
#555 [りく☆]
>拓モさん
ありがとうございます
ペースが遅いかもしれませんが、どうか読んで下さい
:07/06/15 00:12 :SH903i :RcoX.WgE
#556 [りく☆]
オレは
祥子に近づくことも
慰めることもできず
ただ草むらから見ていることしかできなかった。
…オレの責任だ
オレは自分を責め立てた。2人の関係を壊した1番の原因はオレにあるからだ。
そんな自分が
いやだった
:07/06/15 00:22 :SH903i :RcoX.WgE
#557 [りく☆]
しばらくして、祥子は1人で去って行った。その姿は悲しみに満ちていて、オレはただ、そんな彼女を見つめていた。
公園には誰もいなくなった
オレは草むらから姿を表した。
いまだにさっきまでの出来事が信じられないでいる。
:07/06/15 00:27 :SH903i :RcoX.WgE
#558 [りく☆]
…オレはどうしたらぃぃのだろうか。
答えの見つからない疑問を自分にぶつける
今のオレは
あまりに無力でいた。
そして
数多くのかけがえのない人達を
傷つけている。
滝沢が…
祥子が…
一人で去って行った道を
オレも歩きはじめた
:07/06/15 00:32 :SH903i :RcoX.WgE
#559 [りく☆]
美里『ねぇ!!りく聞いてる?』
卓也と別れて、美里と帰っている時、美里が少し頬を膨らませながら怒って言ってきた。その姿はかわいらしく、オレはそんな無邪気な彼女に癒されていた………公園での出来事で落ち込んでいるオレを
卓也には言えなかった
何も相談できなかった
美里『りくっ!!!!』
待ちくたびれた美里が大声でオレを呼ぶ
:07/06/15 00:39 :SH903i :RcoX.WgE
#560 [りく☆]
オレ『ゴメンゴメン……ちゃんと聞いてるよ』
美里『聞いてなかったでしょ………』
呆れながら言う
美里『さっきからケータイ鳴ってるって言ってるのに………無視するんだから。何をさっきから考え込んでるの?』
オレ『何も考えてないさ。ただ……ぼぉっとしとるだけ
てかケータイ鳴ってるん?!』
美里『ずっとね!!!』
オレは慌ててケータイを取り出した
:07/06/15 00:45 :SH903i :RcoX.WgE
#561 [りく☆]
オレ『もしもし』
卓也『オレだ』
少し慌ただしく卓也が電話にでた
オレ『どうした?』
卓也『猛志先輩が帰ってきた』
相葉 猛志(アイバタケシ)オレ達の2つ年上のバスケ部の先輩だ。
ただの先輩ではない
オレは"猛志先輩"という言葉にしばらく戸惑いを隠せずにいた
…やばぃ
:07/06/15 00:53 :SH903i :RcoX.WgE
#562 [りく☆]
卓也『さっき猛志先輩がバイクに乗っているのを見たんだ……』
オレ『……そうか
話しかけられたか??』
卓也『ぃゃ……大丈夫だった』
その言葉に安堵のため息をつく。
:07/06/15 00:56 :SH903i :RcoX.WgE
#563 [りく☆]
相葉 猛志
オレ達の先輩であり
県内最強と言われる暴走族の総長でもある。
オレ達が1年の時
彼は高校を退学になった
:07/06/15 01:03 :SH903i :RcoX.WgE
#564 [りく☆]
いろいろな問題を起こしていた
その重なりで退学となったのだ
そして
彼の巻き添いになって退学になった人も
少なくない
誰も彼には逆らえないため、言われた事は必ず実行しなくてはならない
そうしないと
バスケができない体になる
そんな人だ
:07/06/15 01:06 :SH903i :RcoX.WgE
#565 [りく☆]
オレ達はできるだけ猛志先輩と関わらないようにしてきた。
しかし同じ部活なだけあって
お互い知っている
:07/06/15 01:09 :SH903i :RcoX.WgE
#566 [りく☆]
猛志先輩は上京したと聞いていたが………帰ってきたらしい
卓也『猛志先輩のバイトの後ろに…………勇貴が』
!!!!!!!
オレ『…………滝沢が?』
美里『りく………どうしたの?』
滝沢が?
何で?
:07/06/15 01:12 :SH903i :RcoX.WgE
#567 [我輩は匿名である]
何回読んでも面白いですテ これからも頑張ってください
:07/06/15 01:46 :W51K :wUqWjY6M
#568 [拓モ]
:07/06/15 02:08 :SH703i :1wH1gnSw
#569 [りく☆]
>匿名さん
そんな風に言ってもらえるのが、何よりも嬉しいです
>拓モさん
何回も読んでいただいてありがとうございます
感想や指摘がありましたらドン
言ってください。
:07/06/16 01:07 :SH903i :IQkcD.Nk
#570 [りく☆]
オレ『何で………滝沢がバイクに!?』
卓也『オレにもわからない』
オレも、卓也も不安を隠せずにいた。
オレ達3人の中で1番猛志先輩と仲がよかったのは滝沢だが……一緒にバイクに乗るなんて考えられない
:07/06/16 14:56 :SH903i :IQkcD.Nk
#571 [りく☆]
卓也『とりあえずオレは勇貴を探してみる』
そぉ言って電話が切れた…
美里『りく………どうしたの?』
不安げな顔で美里が見つめている。よほどオレの顔が強張っていたのだろうか…
オレ『ぃや……ちょっとな……
とりあえず先帰っててくれ』
そう言い残して
オレは走りだした………後ろで美里が何か言っていたが、オレは振り返らずに走り続けた。
:07/06/16 15:03 :SH903i :IQkcD.Nk
#572 [りく☆]
オレ『どこにいるんだ…』
1時間以上走り続けただろうか……手掛かりも何もなくただ滝沢を探していた。
しかし見つかるわけもなく、オレはただ額を流れる汗を拭いていた
:07/06/17 22:19 :SH903i :z4JtUlhA
#573 [りく☆]
普通ならこんなに大袈裟には探さないだろう
しかし相手は猛志先輩だ……オレの不安はそこだった
……そもそも何故滝沢はそんなことを?
……何か滝沢にあったのか?
…何か…
!!!!!!!
…あの電話!!
…猛志先輩からだったのか?
:07/06/17 22:24 :SH903i :z4JtUlhA
#574 [りく☆]
……祥子と話し合っていたときにかかってきた電話、あの相手が猛志先輩だったのか?
でも電話なら……断れるはずなのに
オレは公園のベンチにすわり考え込んだ
:07/06/17 22:28 :SH903i :z4JtUlhA
#575 [りく☆]
滝沢が何故あんな事をした理由を探しても、オレにはみつけることはできなかった。
…せめて滝沢に会ってはなしたい
その一心で、滝沢が居そうな場所を予想していた。
?『あのぉ……すいません』
!!!!!
突然見知らぬ人に話しかけられた
:07/06/17 22:33 :SH903i :z4JtUlhA
#576 [りく☆]
…だれだ?
見知らぬ男性だった。
綺麗なスーツを着こなした上品な感じの人で、年は間違いなくオレより上だ。おそらく22〜25歳くらいだろう。
そんな男性が何故オレに?
:07/06/18 00:28 :SH903i :p1IwmC6o
#577 [りく☆]
?『別に怪しい者じゃないから…大丈夫ですよ』
オレの顔色をみて、男性が言った。オレは固まったまましばし男性を見ていた。
オレ『ぼ……僕に何か…?』
ようやく口から言葉がでてきた。
男性はオレの鞄に視線をうつす。
:07/06/18 00:32 :SH903i :p1IwmC6o
#578 [りく☆]
?『君はこの鞄の高校の子だよね?』
落ち着いた口調でオレに尋ねてきた。
オレ『はい…』
?『3年生?』
オレ『そうですけど………何か?』
怪しい感じの人ではないとわかるが、何故そんな事を聞いてくるかがわからなかった
:07/06/18 00:39 :SH903i :p1IwmC6o
#579 [りく☆]
男性はニコリと笑みを浮かべた。その微笑みには何も疑う要素がなく、オレはただ聞かれた質問に答えればいい………そんな気持ちにおちいっていた。
?『荒井 優希って知ってるかな?』
カジュアルなネクタイを軽く締め直しながら男性がいう。何気ない仕草に品があった。
!!!!!
オレ『えっ?』
オレは質問の意味にようやく気がついた。
:07/06/18 01:06 :SH903i :p1IwmC6o
#580 [りく☆]
オレはまるで時を止められたかのように固まっていた。
…優希
?『知ってる?』
男性はあらためて尋ねてきた。スーツに見え隠れする腕時計は、高級感が漂っていた。
…こんな男性と一体優希はなんの関係なんだ?
:07/06/18 01:10 :SH903i :p1IwmC6o
#581 [りく☆]
まったく関係がわからない…
そして男性の目的も完全に把握できずにいた。
とりあえず今わかる情報は、この人は悪い人ではないということだけ。
オレは重い唇をゆっくり開いた
:07/06/18 01:13 :SH903i :p1IwmC6o
#582 [りく☆]
オレ『……知ってます』
その言葉に男性はにんまりと笑う。目的は定かではないが余程彼女を捜し求めていたのだろう。
しかし何故?
?『よかった……知ってたか。』
オレ『はぃ……』
?『じゃぁ彼女の居場所わかるかな?』
:07/06/18 01:18 :SH903i :p1IwmC6o
#583 [りく☆]
!!!!!!
オレ『えっ?!』
思わず驚きの言葉がでてきた。
…優希の居場所?
そんな事……オレがわかるわけがない。むしろオレはそのような事は知ってはならない人間なのだ。
オレ『すいません…知りません…』
目線を少し下に落としながらオレは答えた。知らない事は事実であり、オレの口からはこの言葉しかでてこない。
:07/06/18 01:23 :SH903i :p1IwmC6o
#584 [りく☆]
?『そこまでは知らないか……』
顔を下に向け男性は落ち込み気味に言った。
余程優希に会わなければならない理由があるのだろうか…
…何故そこまで知りたがるのだろうか?
不思議でならなかった
:07/06/19 01:10 :SH903i :ZVpUDzLc
#585 [りく☆]
そもそも仮に優希の居場所を知っていたとしても、オレは素直に男性に教えていただろうか。
きっと隠し通しただろう
悪い人ではない…
それは直感的に感じるのだが……
オレの心の中の何かがきっと邪魔をするだろう
何故か抵抗を感じる
:07/06/19 01:12 :SH903i :ZVpUDzLc
#586 [りく☆]
それはまだ優希が好きだということを意味しているのか?この男性に優希をとられる……そんな錯覚に陥っていたのか?
オレはその答えに辿り着けずにいた。
理由はどうであれオレと優希はもぉ"無関係"なのだ。
ふとその事実に気がついたとき……オレはどこと無く寂しさを覚えた。
:07/06/19 01:14 :SH903i :ZVpUDzLc
#587 [りく☆]
?『……大丈夫?』
!!!!!!!!!
オレがあまりにも長く黙って考え込んでいたため、男性がオレを心配そうに見つめていた。その瞳は偽りのない純粋なものだった。
オレ『あっ……すいません。考え事してて』
オレはとっさに言葉を出した
:07/06/19 01:22 :SH903i :ZVpUDzLc
#588 [りく☆]
?『なら僕が言ったことも聞いてないね♪』
その言い方に怒ったような気配はなく、笑いかけるようにオレに言った。
オレ『すいません…』
?『大丈夫♪僕が捜してる"荒井優希"って女の子もよくそんな事があったから、慣れてるんだよ。』
:07/06/20 00:48 :SH903i :YKRvc0uE
#589 [りく☆]
この男性と
優希との関係は
少し深いように思えた。
:07/06/20 00:49 :SH903i :YKRvc0uE
#590 [りく☆]
そぉ思ったとき
オレは男性に少しだけ……嫉妬していた。
?『君にお願いがあるんだ』
突然男性が話を切り出した。おそらく先程オレが放心状態のときに言った台詞だろう
:07/06/20 00:53 :SH903i :YKRvc0uE
#591 [りく☆]
オレ『何ですか?』
男性は身嗜みを整え始めた。さりげない仕草に品がある。
?『その女の子を連れて来てくれないかい?』
オレ『っえ!?!?!?』
オレは思わず大声を上げた
…連れて来いって?
…オレが?
:07/06/20 00:57 :SH903i :YKRvc0uE
#592 [りく☆]
話かける事さえ困難なオレに、そんな事できる見込みがなかった。
オレ『あっ……オレがですか?』
…オレ以外だれがいるんだよ!
心の中で自分にツッコミんだ。気が動転しているオレにはそんな言葉しかでてこないらしい。
?『そうだよ。駄目かな?』
穏やかな表情でオレの返事を待っている
:07/06/20 01:02 :SH903i :YKRvc0uE
#593 [りく☆]
オレ『あ……ぃゃ……』
言葉が
何処を探しても全く出てこない
…やばい
?『もしかして仲良くないのかな?それとも彼女が嫌い?』
しどろもどろなオレをゆっくり誘導するかのように、男性が尋ねる
:07/06/20 01:13 :SH903i :YKRvc0uE
#594 [りく☆]
仲良いわけでもなく
ましてや嫌いでもない
…どうしよう
"プルルルルルル"
?『あっ!僕の携帯だ……ちょっとゴメンね』
そう言い残して男性は携帯を取り出した
:07/06/20 01:17 :SH903i :YKRvc0uE
#595 [りく☆]
…助かったぁ
オレはひとまず安堵のため息をつく。
優希を連れてくる……そんな事オレには無理な注文だ。
オレは今すぐここから逃げ去りたかった
:07/06/20 01:19 :SH903i :YKRvc0uE
#596 [りく☆]
?『待たせてゴメンね』
電話を終えた男性が戻ってきた。
何か急用ができたのだろうか……
男性は先程の落ち着きはなく、ひどく慌てている。
?『ゴメンね急用ができちゃって………また会えるかな?』
オレ『…多分』
?『その時またこの話の続きをしよう』
:07/06/20 01:25 :SH903i :YKRvc0uE
#597 [りく☆]
そう言って
男性は車に駆け込み去って行った。
オレ『何だあの人?』
オレは結局なにもわからないまま男性と別れてしまった
:07/06/20 01:27 :SH903i :YKRvc0uE
#598 [りく☆]
!!!
オレ『何だ?』
男性が走り去った道しるべに何か落ちている。
…カード入れ?
オレは手に取ってそれを見た。折りたたみの財布のような形をしたカード入れだった。
中には名刺や見たことないようなカードがぎっしり詰まっている
:07/06/20 01:32 :SH903i :YKRvc0uE
#599 [りく☆]
…名前くらい知りたいな
そんな好奇心から、オレは名刺を取り出した。
"ヒラッ"
名刺と一緒に何かが出てきて、地面に落ちていった。
オレ『何だ?』
オレは落ちていった物に視線を移す
!!!!!!!!!!
オレ『っえぇぇ!!!』
オレの叫び声が響く
:07/06/20 01:38 :SH903i :YKRvc0uE
#600 [りく☆]
それは
あの男性と
優希の
2ショット写真だった
その写真には、二人がまるでカップルのように写しだされている。
オレは慌てて写真を拾いあげた
:07/06/20 01:41 :SH903i :YKRvc0uE
#601 [りく☆]
…落ち着け…
オレは自分に言い聞かせた
たかが二人の写真があっただけでカップルと"勘違い"するなんて………
気にしすぎだ。
…誰でも写真は撮る
オレは早く冷静な自分を取り戻そうと言い聞かせていた
:07/06/20 01:44 :SH903i :YKRvc0uE
#602 [りく☆]
お互いが顔を寄せ合って写っている…
笑顔で…
偽りのない
笑顔で…
2人とも幸せそうな顔だ。写真を見ているだけでそれが伝わってくる。
:07/06/20 01:49 :SH903i :YKRvc0uE
#603 [りく☆]
!!ププーッ!!
車のクラクションが公園に鳴り響いた。
?『そこにカード入れおちてなかったかい?』
男性が慌てた顔でオレに叫んできた
:07/06/20 01:51 :SH903i :YKRvc0uE
#604 [りく☆]
オレは放心状態のまま車に駆け寄った。
右手にカード入れ
左手に写真をもって
:07/06/20 01:52 :SH903i :YKRvc0uE
#605 [りく☆]
?『拾っててくれたのかい……ありがとう。』
男性は微笑みながら窓から手を伸ばしてきた。
オレは、まずカード入れを手に乗せ、その上に写真を置いた。
わざと…
:07/06/20 01:55 :SH903i :YKRvc0uE
#606 [りく☆]
オレ『落ちてましたよ』
何事もなかったかのようにオレは言った……が、どこかしら言い方にトゲがあった。
?『ははっ……写真みたのか。勝手に中を見たらいけないよ♪』
笑いながらオレに言う
:07/06/20 01:57 :SH903i :YKRvc0uE
#607 [りく☆]
オレはしばらく黙って見つめていた…
何か答えを与えてくれる気がしたのだ
知りたくない事実かもしれないが
気になる
:07/06/20 01:59 :SH903i :YKRvc0uE
#608 [りく☆]
?『拾ってくれてありがとう』
男性はそう言うと窓を閉めようとした。
オレ『あのっ!』
閉まりかけの窓に手を置き叫んだ
?『何だい?』
…聞くしかない
オレ『2人はどんな関係で?』
笑った…
男性はオレを見て悪気のないように笑った。
それは幸せの微笑みなのか?
愛想笑いなのか?
男性はゆっくり口を開く
?『ただの"カップル"さ』
:07/06/20 02:04 :SH903i :YKRvc0uE
#609 [りく☆]
:07/06/20 02:18 :SH903i :YKRvc0uE
#610 [りく☆]
空は暗くなり、少しずつ星が顔をだそうとしていた。
あれから何時間たっただろうか……
オレはずっと公園のベンチに座り、考え込んでいた。
:07/06/21 00:48 :SH903i :R0KFk1Fc
#611 [りく☆]
…優希の彼氏?
…あの男性が?
信じたくないことだが……実際に彼の口から証明された事実だ
オレには、もぉ関係ないことかもしれないが
気になる
:07/06/21 00:51 :SH903i :R0KFk1Fc
#612 [りく☆]
優希に彼氏がいた…
その事実がオレに大きなショックをもたらした。
もぉオレには関係ないはずなのだが……
ただ
悲しみは涙となって流れていく
流しても
流しても…
悲しみはなくならない
:07/06/21 00:55 :SH903i :R0KFk1Fc
#613 [りく☆]
…オレだって結衣と付き合っていた。
そう思うと迂闊に優希を攻められずにいた
…攻める?
…結衣と付き合っていたことは間違っていたのか?
…そんな事はない!
もはや自分が何を考えるべきかさえ、わからなくなっていた
:07/06/22 00:39 :SH903i :7vnzM6Yg
#614 [りく☆]
この現状をどうしたいのか…
過去をどう受け入れたらいいのか…
簡単そうで難しい問題だ。答えが容易にでてこないのだ…。
オレ『オレはどぉしたらぃぃんだ…』
誰もいない公園で独り呟いた……夜風は何も答えてはくれない
:07/06/22 00:43 :SH903i :7vnzM6Yg
#615 [りく☆]
美里『りく!!』
気がつけば目の前に美里が立っている。慌てた様子で、まるで何か大事な用に急かされているかのように思えた。
オレ『どうした?』
放心状態のオレが口を開く
今のオレは何も理解しようとさえしていなかった。ただ何事もなく時が進めばいい……そんな事を考えていた。
:07/06/22 00:54 :SH903i :7vnzM6Yg
#616 [にゃん]
あげっ
:07/06/26 18:46 :SH902i :bTNzHANU
#617 [にゃん]
:07/06/28 10:36 :SH902i :GbFBQPEk
#618 [拓モ]
:07/06/28 20:53 :SH703i :Ezj1D5Pw
#619 [りく☆]
:07/06/30 00:00 :SH903i :jTw8rarQ
#620 [りく☆]
美里『"どうした?"じゃぁないよ!
携帯に電話してもつながらないし…家にもいないから
捜してもいないし
心配したんだよ!』
息を切らしながら、オレにむかって叫んでいた。よほどオレを捜してくれたんだろう…
…なんで?
オレを捜す理由が何故あるのだ?
:07/06/30 00:08 :SH903i :jTw8rarQ
#621 [りく☆]
美里『卓也に頼まれたの…』
オレの頭の中の疑問を見破ったかのように美里が言った。
オレ『卓也が?』
美里『詳しい理由は知らないよ。……ただ大至急捜してくれって頼まれてさ。
何か心あたりある?』
オレ『あっ……!!!!』
…そうだ……
…滝沢を捜さなきゃ
:07/06/30 00:14 :SH903i :jTw8rarQ
#622 [りく☆]
忘れてたいた……
あまりにも急にショックな出来事があったもんで、肝心な事を忘れてた……
美里『何かあったの?』
心配そうに美里がオレの顔をのぞく。
いろいろありすぎて何から言ったらいいのか……滝沢の事は話してはいけない気がしてきた。
オレ『後で話す!』
そう言って慌てて携帯を手に取ろうとした
:07/06/30 00:19 :SH903i :jTw8rarQ
#623 [りく☆]
"ヒラリッ"
携帯をとるのと同時に、1枚の小さな紙切れが落ちてきた。
それを美里が渋々拾う。世話のやける子供をもった親のように…
美里『この名刺……だれ?』
………名刺?
!!!!!!!!!
あの男性のだ!!
:07/06/30 00:23 :SH903i :jTw8rarQ
#624 [りく☆]
また思い出したくない記憶が頭を駆け巡る。
あの時の男性の言葉が、一言一言鮮明に頭の中に聞こえてくるようだった。
オレ『それは…………』
思わす言葉が止まる
:07/06/30 00:26 :SH903i :jTw8rarQ
#625 [りく☆]
話したくない…
その一心だった。
話したら全て事実であったと認めなければならない気がした。
オレ『とりあえず卓也捜してくる』
オレは美里から名刺を取り上げ、独りで歩き始めた。
:07/06/30 00:29 :SH903i :jTw8rarQ
#626 [りく☆]
美里『……りく!』
歩き去ろうとしたオレを、美里が突然呼び止めた。
オレ『なんだ?』
美里『何かあったの?』
オレ『滝沢の事は後で話す……』
美里『違う!!
りくに何かあったの?』
美里はただオレを見つめていた
:07/06/30 08:11 :SH903i :jTw8rarQ
#627 [りく☆]
何か?
いろいろありすぎた…!
こんな事美里にいいたくなかった。
しかし、彼女は優希と男性の関係を知ってるのではないのか?優希と仲のいい彼女なら…………
??????
あれ?
:07/06/30 08:15 :SH903i :jTw8rarQ
#628 [りく☆]
おかしい……
オレが今こんなにもショックを受けているのには2つの理由が存在する
1つは当然優希と男性の関係……
もう1つは……"優希がまだオレの事を好きだ"という情報が嘘だった。ありえない事だとはわかっていたが、すくない希望をオレはもっていたのだ。その希望を絶望に変えられたこと。
そして……優希がオレの事をまだ好きだなんて情報を与えたのは…美里だ!
:07/06/30 08:26 :SH903i :jTw8rarQ
#629 [りく☆]
その情報と
今日あった出来事は
明らかに矛盾している。
そして
彼女を
優希をよく知る美里がこんな矛盾したことを言うなんてありえない。
:07/06/30 08:31 :SH903i :jTw8rarQ
#630 [りく☆]
だったら"あの日の夜"美里が話したことは何だったんだ?
嘘だったのか?
:07/06/30 08:33 :SH903i :jTw8rarQ
#631 [りく☆]
なんで……
なんのために……
何故あんな嘘をいったんだ…
何故
あの日
あの夜
あんな事までして
こんな嘘を言う必要があったんだ
:07/06/30 12:32 :SH903i :jTw8rarQ
#632 [りく☆]
美里『……りく?』
下を向くオレの顔を覗き込むように、美里がオレに言う
オレ『嘘だったのか…』
微かな声でオレは呟いた。
:07/06/30 12:38 :SH903i :jTw8rarQ
#633 [りく☆]
美里『……え?』
美里は何も理解できていない顔をオレに見せた。
…その顔も嘘だろ
そんな言葉が頭を過ぎる。もはやオレは美里を完全に信じられなくなってしまっていた。
むしろ彼女に対して怒りをおぼえてきた。
あんな嘘を言った彼女に…
:07/07/01 00:44 :SH903i :OeLeJb4s
#634 [りく☆]
!!!!!!
誰かに呼ばれた気がして振り返ってみた。
卓也『…りくっ!!』
そこには、息を荒らし、額から流れる汗を拭いながら立っている卓也の姿があった。
卓也『ったく……何やってんだよ。連絡してもシカトだし』
オレ『悪ぃ…』
よほど心配してくれていたのだろう。卓也は疲れ果てていた。
:07/07/01 01:09 :SH903i :OeLeJb4s
#635 [りく☆]
卓也『何処捜してもいない……』
オレ『…ゴメン』
卓也『お前じゃなくて勇貴の事』
オレ『あっ………滝沢の事。
あいつ大丈夫かな?』
卓也『わからん。
……だいたい何であんな事やってんだあいつは』
理由はおそらく祥子との事が原因だろう
:07/07/01 01:18 :SH903i :OeLeJb4s
#636 [拓モ]
ぁげっ
これからも頑張って
:07/07/06 23:04 :SH703i :23VVu2Xk
#637 [あカ(*゚゚)]
ガむばッて下さいね姻シ
上げときます(*`-3.)Pメ
:07/07/07 01:27 :W43K :mhiAuPW2
#638 [りく☆]
しばらくの間更新できていなくてすいません
せっかく読んで頂いているのに本当に申し訳ありません
中断する気はありませんが、もぉしばらく更新が遅れると思います
自分勝手な都合で遅れてしまいすいません
感想・指摘がありましたらドン
書いてください
今後の参考にしたいと思います
:07/07/12 00:39 :SH903i :Pb236ewA
#639 [我輩は匿名である]
頑張ってくださいツ
:07/07/12 00:55 :W51K :.dC8XJRg
#640 [まな]
:07/07/12 02:14 :D902iS :hwbXd98I
#641 [りく☆]
卓也『てか、お前ここで何やってんだ?』
疲れ果てた体を公園のベンチに預けて、卓也は尋ねてきた。
美里『私も今その事を聞いていたの!』
卓也の疑問に美里ものってきた。
…何があったとか
…何をやっていたとか
…言えない
…言えるはずがない
:07/07/15 18:12 :SH903i :/rw449ZA
#642 [りく☆]
オレ『別に……何も…』
聞こえるかどうかもわからないような微かな声を出した。
未だにオレは何も考えられず、放心状態のままだった。
卓也『"その顔"が何もなかったようなヤツの顔か!』
完全にオレの心は見透かされていた…。
:07/07/15 18:14 :SH903i :/rw449ZA
#643 [りく☆]
美里『りく……どうしたの?何があったの?』
…どうした…だと?
少しずつ押さえていた感情が湧き出てくるのがわかる
…お前の嘘に
…オレはどれだけ苦しめられたか
美里に対する怒りの感情が
押さえきれなくなっていた。
:07/07/15 18:15 :SH903i :/rw449ZA
#644 [りく☆]
美里『ねぇ…り』
オレ『うるせぇ!!!!!!!!!』
美里の言葉を掻き消すように、オレは声を張り上げた。そんなオレに卓也は、ただ…驚いていた。
オレ『お前の……お前の嘘にオレがどれだけ苦しめられたかわかるか!?!?!?
あんな事までしてオレを信じさせて………有り得な事とはわかっていたけど
オレは少しだけ希望をもったのに……』
卓也『りく……!?!?』
辺りは何ともいえない空気に包まれていた。
美里は何も理解できていないような顔で、呆然と立ったまま
卓也はただ驚いていた。
:07/07/15 18:17 :SH903i :/rw449ZA
#645 [りく☆]
もはやオレは自分の感情をコントロールできずにいた。
何が善で
何が悪か
わからない……
何を信じていいのかも
誰を信じていいのかも
わからない……
:07/07/15 18:18 :SH903i :/rw449ZA
#646 [りく☆]
そんなもどかしさが今、怒りとなって表れているのだろうか…
しかし1番の理由は美里にある!!
美里『りく……何のこと??!』
恐る恐る美里が尋ねてきた。
…何のことだって?
…とぼけるなよ!!
:07/07/15 18:19 :SH903i :/rw449ZA
#647 [りく☆]
卓也『りくっ!!!!!!!』
オレの怒りが最高潮に達したのに気がついたのだろう。
卓也がなだめるように、オレを見つめている。
:07/07/15 18:20 :SH903i :/rw449ZA
#648 [りく☆]
卓也『そぉ…あつくなるな。
お前と美里の間に何があったかは知らないが………
そんなにキレたところで何にも解決にならねぇぞ!!
ましてや話しの内容を美里はつかめてねぇじゃないか。』
卓也は冷静にオレに語りかけた。
でもオレの気持ちは収まらない…
卓也『何があったのか……少し教えてくれないか?』
卓也がオレに言う
:07/07/15 18:22 :SH903i :/rw449ZA
#649 [りく☆]
…何があったか……
有りすぎて言葉に表せない。それに誰かに話す気にもなれない…。
ただ美里へ対する怒りや、今までの出来事の悲しみがつのるばかりだ。
卓也『なぁ……りく。オレはお前の力になれないのか?』
!!!!!!!!!!!!!!!!!!
そんな言葉
滝沢にも言われた気がする
:07/07/15 22:10 :SH903i :/rw449ZA
#650 [りく☆]
オレ『悪ぃ……帰る』
卓也を振り払い、オレは早々と歩き始めた。
本当はそんなつもりはなかったのだが…
卓也『……りくっ!!』
必死にオレを引き止めようとする…
けど
オレは構わず歩き始めた
:07/07/16 00:18 :SH903i :aULAP1gM
#651 [りく☆]
卓也『おぃっ……りく!!
まだ話しは終わってない』
…………
オレ『話す事なんか……ないさ。
話したところでお前になにがわかる。』
キツく
ツメたく
オレは卓也に言ってしまった
こんな事言うつもりなんてなかったのに……
つい強がってしまった
オレを心配してくれた
親友を
突き放してしまった
:07/07/16 00:23 :SH903i :aULAP1gM
#652 [りく☆]
それからしばらく
オレは一人でたださ迷うように歩いていた。何の目的もなく……ただ無心で
辺りは暗く外灯と、雲から見え隠れする月の光りにオレは照らされていた。
:07/07/16 00:40 :SH903i :aULAP1gM
#653 [りく☆]
…独りになった
愛する人も
親友も
全てを失った気がした
自分の手によって……
そんな思いがオレの心に残る…。
:07/07/16 00:42 :SH903i :aULAP1gM
#654 [りく☆]
もぉ……
自分が完全にわからなくなっていた。何をしたらいいのか……何を考えたらいいのか……
"ポツリ"
空から小さな水の雫が降ってきた……
それは少しずつ強さを増していき、オレを潤していく。
そんな雨が
オレの代わりに泣いているかのように思えた
:07/07/16 00:47 :SH903i :aULAP1gM
#655 [りく☆]
雨は激しく降り注ぐ
オレは構わず歩いていた………走ることもなく、雨宿りすることもなく…
ただ
濡れ始めた道を歩いている
:07/07/16 00:50 :SH903i :aULAP1gM
#656 [りく☆]
"ワンッ!!!!"
オレ『い……ぬ?!』
道の隅っこにある電柱の横に、古びた段ボール箱があった。
雨で濡れたその段ボールの中には…小さな子犬が吠えていた。
近づいたオレに、無邪気に吠えている……自分が捨てられた事なんか知らずに
:07/07/16 00:55 :SH903i :aULAP1gM
#657 [りく☆]
オレ『お前も……独りか??』
段ボールの前に座り込み、語りかけた……言葉なんてわかるはずもない子犬に
オレはそっと子犬を抱き抱えた。
子犬は何も抵抗することなく、ただオレの温もりに浸っていた。
:07/07/16 00:58 :SH903i :aULAP1gM
#658 [りく☆]
オレ『オレは最低な人間だぞ……
お前を捨てた人間より何倍も最低なんだぞ…
そんなに懐いていいのか?』
子犬は無邪気に雨で濡れたオレの頬をナメていた。
オレ『……バカだなぁ
本当にバカだ
何してんだよ……』
子犬に言ったのか
自分に言ったのかわからない。
ただ……涙だけが流れてきた
:07/07/16 01:03 :SH903i :aULAP1gM
#659 [りく☆]
"クゥゥン"
オレの異変に気がついたのか、子犬は心配そうに鳴きながらオレの涙をなめていた
何だろう……
よくわからないが
この時は
無性に泣けてきた
:07/07/16 01:07 :SH903i :aULAP1gM
#660 [りく☆]
強く降り注ぐ雨がオレの涙を浄化していく。
オレは子犬を抱き抱え、ただ泣いていた。
バカみたいだけど
笑えるほどに
泣けてきたのだ
:07/07/16 01:09 :SH903i :aULAP1gM
#661 [りく☆]
何もかもがわからない…
今まで崩れることのなかった親友との関係が……
崩れてしまった。
ぃゃ
オレが崩してしまったのだ。
…もぉみんなバラバラだ
オレはただ泣くことしかできない
:07/07/16 01:11 :SH903i :aULAP1gM
#662 [りく☆]
オレ達の絆という"糸"が複雑に絡みあった瞬間だった。一本一本が乱雑に絡み合って、もはや手の付けれないような状態に思えた。だからこそオレはそんな絡み合った"糸"を切るしかない……そんな想いがでてきた。
:07/07/16 01:18 :SH903i :aULAP1gM
#663 [りく☆]
しかし、そのような状態になる"運命"だったのかもしれない。
この後、絡み合った絆が、予期せぬ"運命"を俺達に与えることになる。
当然そんな事に気がつく事など、当時のオレには無理だった。
そして
絡まった"糸"は、時間をかけてゆっくり解いていけば、元通りになることに
この時のオレは
気がついていなく
ただ泣いていたのだった
:07/07/16 01:26 :SH903i :aULAP1gM
#664 [りく☆]
今日はここで終わりです
感想がありましたら
どうか書いてください
長い間更新遅れてすいませんでした
:07/07/16 01:28 :SH903i :aULAP1gM
#665 [ゅう]
:07/07/16 01:32 :SO903i :BnB9MNJA
#666 [よち]
:07/07/16 20:40 :P902i :AP5342vU
#667 [りく☆]
"ゅう"さん
"よち"さん
コメントありがとうございます
どうかこれからも読んでください
:07/07/16 23:55 :SH903i :aULAP1gM
#668 [りく☆]
《第5節、2001年春…糸(キズナ)》
…
……
………
優希『まだぁ!?』
待ちくたびれた様子で優希はオレに問い掛ける。
オレ『もぉすぐで書けるから……待ってよ。』
優希『それさっきも聞いた!!』
オレ『優希が書くのが早いんだよ……』
優希『だって前々から考えてたもん♪
ほらっ…りく早くA♪口動かさないで手を動かして♪』
上機嫌な優希は悩むオレをせかす
:07/07/17 00:06 :SH903i :d3H/r7aY
#669 [りく☆]
オレ『早くって言われても………何書けばぃぃかわかんないよ。』
優希『未来の私達に書くメッセージだょ♪タイムカプセルみたいな感じじゃん』
オレ『それがむずかしんだって………』
優希『思ったこと書いたらぃぃの♪』
オレ『ん〜………』
優希『書いた?』
オレ『もぉ少し……
よしっ!!書いたよ』
:07/07/17 00:13 :SH903i :d3H/r7aY
#670 [りく☆]
オレ『こらっ!!……読むなよ!!』
優希『だって〜気になるもん♪』
オレ『今読んだら意味ないだろぉ』
優希『わかってるよ……
ちゃんと"これ"に入れておくよ』
オレ『んで何処に埋めるの?』
優希『ん〜決めてない』
:07/07/17 00:22 :SH903i :d3H/r7aY
#671 [りく☆]
優希『いつか埋めるよ♪』
オレ『そんなこと言って……一人で見るなよ』
優希『そんなことしないよ!!
じゃぁ旅行から帰ってきたら、一緒に埋めよ』
オレ『うん!!約束だ♪』
:07/07/17 00:26 :SH903i :d3H/r7aY
#672 [りく☆]
………
……
…
!!!!!!!
オレ『夢……かぁ』
ぃゃ……夢というよりは昔の記憶だ。最近よくあの頃の記憶が、鮮明に夢の中にでてくる。
あの夢は……深山に行く前にオレと優希が交わした約束…。
オレ『そんなに簡単に……
…忘れられないか』
ため息混じりに呟いた
:07/07/17 00:33 :SH903i :d3H/r7aY
#673 [りく☆]
あの頃の記憶は、今のオレにはあまりにもツラい。
忘れたくても、決して消えることのない過去が、オレの心を蝕んでいく。
オレ『また今日も…眠れないのかな…』
暗闇に問いかけた…。
決して答えてくれない暗闇に
:07/07/17 00:37 :SH903i :d3H/r7aY
#674 [りく☆]
"クゥゥン"
突然起きたオレを心配したのか、鳴きながら"あの子犬"が近づいて来た。
オレ『"チロ"……ゴメンな。起こしちゃったか?』
"あの日"偶然見つけた子犬…。オレは気がつけば連れて帰ってきていた………ぃゃ勝手についてきたのか?!
そんな子犬をまた捨てるわけにもいかず、飼っている
:07/07/17 00:45 :SH903i :d3H/r7aY
#675 [りく☆]
名前は"チロ"
白くて小さな子犬だ。
犬はよく吠える動物のはずなのだが……チロは全く吠えない。
そして、何となくオレの言葉をわかっているような気がする。
よくわからないが珍しい犬だ。
そんなチロにオレは最近癒されている。
:07/07/17 00:48 :SH903i :d3H/r7aY
#676 [りく☆]
チロは黙って近づき、オレの膝の上で、中断していた睡眠を始めた。
オレは優しくチロを撫でる
チロは気持ち良さそうに、深い睡眠へと落ちていくのだ。
そんなチロを見て
オレもやっと寝ることができる
正確に言うなら
チロがいないとオレは今寝ることができない
そんな状態だ
:07/07/17 00:53 :SH903i :d3H/r7aY
#677 [りく☆]
オレ『ま……眩しい』
窓から差し込む太陽の光りが、オレの顔を優しく撫でる。
気がつけば朝になっていた
昨日もチロのお陰で寝れたのだ。
そんなオレを助けてくれるチロは、オレの横で寝ている
:07/07/17 00:57 :SH903i :d3H/r7aY
#678 [りく☆]
こんなチロとの生活も今日で4日……
つまり、"あの日"からもぉ4日も経った……
誰からも連絡はない。
当然の結果だろう…
美里と卓也にはヒドイことを言ってしまった
祥子は自分の悲しみに浸っている
滝沢は、相変わらず何をしているかわからない
オレは完全に独りだ
:07/07/17 01:03 :SH903i :d3H/r7aY
#679 [りく☆]
オレはそんな孤独に埋もれていた…。
そして今、完全に家にこもり、空腹を感じたら外へ買い出しにいっている。こんな状態……"昔"もあった気がする
オレは人との接触を完全に避けていた……
…だから
…オレの友達はチロだけ
そんな考えをもっていた
:07/07/17 01:09 :SH903i :d3H/r7aY
#680 [りく☆]
オレはゆっくり起き上がり、普段着に着替え始めた。
今日は平日だが、学校なんて行く気はない。
オレには何が正しくて、何が間違いか区別ができなくなっていた。
:07/07/17 01:12 :SH903i :d3H/r7aY
#681 [りく☆]
オレが起きると、チロもゆっくりと起き始める。
寝起きは動きが遅く、甘えん坊なチロにオレは、皿にミルクを入れて、床に置く。
オレのいつもの朝の日課だ。
チロは相変わらずゆっくりとミルクをなめていた
:07/07/17 01:15 :SH903i :d3H/r7aY
#682 [りく☆]
オレ『いつ見てもカワィィな♪』
尻尾を振りながらミルクを飲むチロに、オレは思わず語りかけた。
そんな愛嬌たっぷりなチロが、オレに元気をくれる
:07/07/17 01:18 :SH903i :d3H/r7aY
#683 [りく☆]
突然……チロの動きが止まった…。
オレ『チロ?』
チロは何かに怯えるかのように部屋の隅に駆け寄った。
"ピンポーン"
!!!!!!!!!!!!!!!!!!
…誰だ?
:07/07/17 01:21 :SH903i :d3H/r7aY
#684 [りく☆]
こんな時間に
一体誰だ?
そもそもチロは訪問者が来るのをわかって、動き出したのか?
未だにチロへの謎は深まるばかりだ。
"ピンポーン"
インターフォンの音が鳴り響く…。
訪問者とは一体……
:07/07/17 01:25 :SH903i :d3H/r7aY
#685 [りく☆]
:07/07/17 01:28 :SH903i :d3H/r7aY
#686 [かあ]
:07/07/18 04:48 :D904i :L6B17gWg
#687 [我輩は匿名である]
:07/07/18 14:14 :SO903i :C4/YJ6KI
#688 [我輩は匿名である]
:07/07/18 14:45 :SO903i :C4/YJ6KI
#689 [りく☆]
…平日のこの時間に誰だよ?!
オレは恐る恐る玄関へと近づく…
…がしかし、なかなかドアを開けることができない。
人との接触を
体が避けている
:07/07/20 01:07 :SH903i :uGzYVeA6
#690 [りく☆]
"ピンポーン"
またインターフォンが鳴る…
余程オレに何かしら用事があるのだろ
…でるか
一呼吸おき
ドアを開けた
:07/07/20 01:12 :SH903i :uGzYVeA6
#691 [りく☆]
!!!!!!
オレ『えっ?!?!………』
何で?
祥子『おはよう……』
祥子がここに?
:07/07/20 01:15 :SH903i :uGzYVeA6
#692 [りく☆]
オレ『お……おはよう』
驚きを隠せないまま、オレはとりあえず言葉を返した。
……………
しばらく沈黙が続いた。祥子は何も語ろうとはしない
:07/07/20 01:21 :SH903i :uGzYVeA6
#693 [りく☆]
オレ『学校は?』
沈黙をやぶるために言った一言……
祥子『今日もいってないよ』
オレ『今日も?』
祥子『りくと同じで4日前から休んでる。』
オレ『そっか……』
未だに話の意図がつかめない……何故祥子がオレの目の前にいるんだ?
:07/07/20 01:24 :SH903i :uGzYVeA6
#694 [りく☆]
祥子『りくも行ってないんでしょ?……美里から聞いたよ』
オレ『あぁ……行ってない』
美里……その名前を聞くと、あの日の出来事が思い出されてくる
祥子『ちゃんと行かなきゃ』
オレ『お互いね』
:07/07/20 01:28 :SH903i :uGzYVeA6
#695 [りく☆]
くだらない話しも一段落つき、また沈黙がおとずれてきた。
祥子『ねぇ……りく』
オレ『何だ?』
畏まった様に祥子が話し掛けてきた。
祥子『……好きなの』
:07/07/20 01:32 :SH903i :uGzYVeA6
#696 [りく☆]
…………えっ?!?!?!?
祥子の突拍子のない発言にオレは…ただ驚いている。何と言葉を返したらいいかわからない。
…これ…告白…?
戸惑うオレをよそに、祥子は口を開き始めた。
:07/07/22 00:45 :SH903i :GQGoQFGA
#697 [りく☆]
祥子『最初はね……そんな気なかった
ぃゃ……もしかしたら自分の気持ちに気付いてなかったのかもしれないね。』
祥子は下を向き話し始める……その言葉一言一言に祥子の気持ちすべてが注ぎ込まれている……そんな感じがした。
しかしどことなく話の内容がわかりにくい…
:07/07/22 01:05 :SH903i :GQGoQFGA
#698 [りく☆]
祥子はこの前公園で、確かに滝沢にオレが好きだと相談していた……
…だったら前から気付いていたはずだろ?
小さな疑問が頭を過ぎる
祥子『いつからかな……こんな気持ちになったのは…。』
:07/07/22 01:09 :SH903i :GQGoQFGA
#699 [りく☆]
祥子『しばらく自分がわからなかった……
でもこの前確信したの。
やっぱり好きなんだって
"勇貴"が好きなんだって!!』
:07/07/22 01:11 :SH903i :GQGoQFGA
#700 [りく☆]
オレ『えっ!?!?』
思わず声がでた
滝沢が……好きだと?
祥子の気持ちが一気にわからなくなった瞬間だった。
そんなオレに一言一言丁寧に祥子が語りかけてくる
:07/07/22 01:14 :SH903i :GQGoQFGA
#701 [りく☆]
祥子『昔はね…りくが好きだった。それはりくにも話したよね??
だけど、りくには結衣がいたから……諦めようとした。
けど直ぐには無理だった。
だから、辛くなる度に勇貴に相談してたの……今思えば迷惑な相談だょね……
怒りたくもなるよね』
:07/07/22 01:19 :SH903i :GQGoQFGA
#702 [りく☆]
最後の一言は
公園の時の事を言っているような気がした。あの時の記憶が蘇ってくる……
そんなオレを無視したまま
祥子はまた話し始めた
:07/07/22 01:21 :SH903i :GQGoQFGA
#703 [りく☆]
祥子『でも勇貴は怒らなかった…
同じ相談にいつも親身になってのってくれた。
そして、いつも私を見てくれてた……そんな気がした。私が落ち込んだり、悩んだりした時、いつも優しく包み込んでくれた。
そんな勇貴に
いつしか想いをよせていたんだね………そんな自分の気持ちに気付かなかった』
:07/07/22 01:27 :SH903i :GQGoQFGA
#704 [りく☆]
祥子『やっと自分の気持ちに気がついたのに……
なかなか伝えられない
勇貴の前で素直になれないの。
それで、この前ケンカしちゃった………ケンカって言うより、飽きられちゃった。
勇貴と話したいあまりに、いつもりくの話題で呼び出したりしたから…勇貴も嫌気がさしたんだろうね』
:07/07/22 01:33 :SH903i :GQGoQFGA
#705 [りく☆]
公園で祥子が言った不思議な言葉…
"違う"
とずっと言っていた。あれは、滝沢に向けたメッセージだった。
"違う!!私が好きなのは勇貴"
というメッセージを伝えられないままだったのか。
だからあんなにも、祥子はないていたのか……
オレはあの時の祥子の行動を今理解できたきがした
:07/07/22 01:37 :SH903i :GQGoQFGA
#706 [りく☆]
…滝沢
…お前、今どこで何してる?
…お前の想い
…"無理だ!!届くはずがない"と言ったお前の想い
…ちゃんと祥子に届いてたぞ
…滝沢
:07/07/22 01:41 :SH903i :GQGoQFGA
#707 [りく☆]
晴れた空を見上げながら、オレは心の中で囁いた。
祥子の気持ちと
滝沢の想いが
一致していたなんて……
オレの孤独に埋もれた心から、はやく滝沢に伝えてやりたいという気持ちが抑えきれないでいた。
:07/07/22 01:47 :SH903i :GQGoQFGA
#708 [りく☆]
祥子『勇貴に…私の"本当の気持ち"を伝えたいの!!
だから、ここにきた……
りくなら勇貴の居場所をしってるって思ったから。』
祥子はオレを見つめていた……少し潤んだ瞳で
オレ『滝沢の居場所かぁ……』
!!!!!!!
…あいつあの日以来何してんだ?
:07/07/22 01:51 :SH903i :GQGoQFGA
#709 [りく☆]
祥子『知らないの?』
オレ『………あぁ。悪ぃ』
あの日以来、全く外部と接触していないオレは、何もわからなかった。
…卓也に聞けばわかるかもしれない
しかし、もぉ卓也とは話せない。あんなに冷たいことを言ってしまったオレの罪が、重くのしかかる
:07/07/22 01:56 :SH903i :GQGoQFGA
#710 [りく☆]
:07/07/24 01:38 :SH903i :9w/K2d36
#711 [失礼]
:07/07/24 04:02 :SH902iS :MoGdu.PI
#712 [失礼]
:07/07/24 14:23 :SH902iS :MoGdu.PI
#713 [コンキチ]
:07/07/24 23:40 :SH902iS :RTWDk4Xw
#714 [ななし]
たのしみ〜
:07/07/27 19:32 :PC :/zhayMMY
#715 [コンキチ]
更新まだかなぁ
楽しみに気長に
待ってます
:07/07/28 03:00 :SH902iS :DJUgEzgk
#716 [管理人]
:07/08/05 00:29 :SH903i :3EH4JpDs
#717 [りく☆]
:07/08/05 00:31 :SH903i :3EH4JpDs
#718 [りく☆]
滝沢の居場所を教えてあげたいが……オレには何も役に立つ情報がなかった。
…どうしたらぃぃんだ?
オレは黙り込んでいた………答えなんてみつからないのに
:07/08/05 00:35 :SH903i :3EH4JpDs
#719 [りく☆]
?『そぉいう事か……』
!!!!!!!!!!
…誰だ?
階段の陰から声が聞こえた…
オレと祥子はただ呆然と立ち尽くしたまま驚いている。
祥子『ダ…レ?』
恐る恐る祥子が口を開いた
:07/08/05 00:39 :SH903i :3EH4JpDs
#720 [りく☆]
階段の陰から、声と共に姿がでてきた。
卓也『盗み聞きする気はなかったべ。』
祥子『卓也!!!』
声の主は卓也だった
:07/08/05 00:42 :SH903i :3EH4JpDs
#721 [りく☆]
祥子『何で卓也がここに?』
オレが持っていたのと同じ疑問を祥子が卓也にぶつけた。
卓也『りくに……用があってな。ちょっと家まで来てたんだ。
そしたら2人の話し声が聞こえてきて……しばらく階段で話しが終わるのを待ってたんだよ』
…オレに用?
卓也が一体オレに何の用があったのだろうか
こんなオレに…
:07/08/05 00:49 :SH903i :3EH4JpDs
#722 [りく☆]
オレは卓也を見れずにいた。
やはりあの日言った事が今も頭に残って離れない…
あんなヒドいこと言ってしまったオレを、卓也は許してはくれてないだろう
:07/08/05 00:51 :SH903i :3EH4JpDs
#723 [りく☆]
祥子『りくに…?』
卓也『あぁ…。こいつが学校にこないもんでな』
…オレを心配してくれてるのか?
オレには卓也の心理が全くと言ってもいい程わからなかった
卓也『ところで………さっきの話しはホントなのか?』
:07/08/05 05:53 :SH903i :3EH4JpDs
#724 [りく☆]
卓也が少し顔の表情を真剣にしながら言う。
祥子『さっきの話って……やっぱり聞いてたんだ』
卓也『おっ……おぃおぃ!!変な勘違いするなよ。オレは別に盗み聞きする気なんてなかったんだからな』
あわてふためく卓也を見て、祥子から思わず笑みがこぼれる。
祥子『冗談だよ♪何れ卓也にも話す事だったし』
卓也『そっか…』
一呼吸して
卓也がゆっくり話しを始めた
:07/08/05 06:02 :SH903i :3EH4JpDs
#725 [りく☆]
卓也『勇貴に会いたいんだろ?
オレ達もずっと勇貴を捜してるんだよ…。けどなかなか見つからない』
祥子『そっかぁ……』
落ち込むように祥子の顔が下を向く
卓也『だけど……』
祥子『何?』
卓也『居場所の予想はついている……』
卓也は少し悩んでいるように思えた。
滝沢が猛志先輩と一緒にいるなんて祥子が聞いたら、驚くだけじゃすまないだろう
:07/08/05 06:10 :SH903i :3EH4JpDs
#726 [りく☆]
卓也『あいつは多分…今、猛志先輩と一緒にいる。
祥子『えっ…うそ?』
祥子はただ驚いている
卓也『ホントだ………この前一緒にいるのを見たんだ。4日前に2人でバイクに乗っているのを見たんだよ………それ以来勇貴を何処でも見てないから、恐らく一緒にいる』
卓也の発言に、まだ祥子は現実を受け止められてないようだった…
:07/08/05 12:51 :SH903i :3EH4JpDs
#727 [りく☆]
しばらく沈黙が続いた
祥子はただ立ち尽くしていた。そんな彼女をオレはただ見ておく事しか出来なかった
卓也『とりあえず……ここで話していても仕方ないし、一旦家の中で話そう。』
ゆっくりと卓也が言う。
祥子はそんな言葉に遅れて反応し、ゆっくりオレの家に入っていった
:07/08/05 12:56 :SH903i :3EH4JpDs
#728 [りく☆]
卓也『りく…』
祥子がいなくなった今……オレと卓也2人っきりだ。
何とも言えない緊張感が辺りを包む
卓也『お前に"あの日"何があったか知らないけど……何日も連絡なしに家に篭られたら心配するだろ。』
ため息混じりに言う
卓也『それと、"あんな言葉"二度と言うなよ』
卓也はオレをじっと見つめていた………しかしあんなことを言ったオレを彼は怒ろうとはしなかった
:07/08/05 13:04 :SH903i :3EH4JpDs
#729 [りく☆]
オレ『……ゴメン』
久々に口を開いた
本当はいろいろ言わなきゃいけないのに……言葉にできない
卓也『気にするな!!
さぁ……早く入ろうぜ』
そぉ言いながらオレの肩に手を置く
その手には、少し力が入っていた…
:07/08/05 13:08 :SH903i :3EH4JpDs
#730 [りく☆]
さらに卓也の手に力が入る……
そしてゆっくり口を開いた
卓也『"あの日"お前に何があったかは知らないし……お前が抱えている悩みもオレはわかることなんてできやしない。そして……オレ達の知らないお前の"過去"に何があったかもわからない……。
だからお前の力にはなってやれないのかもしれない
:07/08/05 13:29 :SH903i :3EH4JpDs
#731 [りく☆]
けど……それはお前が全て自分一人で悩みを抱え込んでるからだろ?
オレ達はお前の親友だ……お前がどぉ思ってるかは知らないが、少なくともオレ達はそう思っている。だからこそオレ達は心を開いているんだ。
全てではないかもしれないけど、いろんな悩みをうち明かしてきたつもりだ。これからもずっとそうだ………
だから
お前もオレ達に心を開いて欲しいんだ
少しずつでいいから
そしたらオレ達は……全力でお前の力になってやれる。
:07/08/05 13:31 :SH903i :3EH4JpDs
#732 [りく☆]
なぁ……りく
少しオレ達を頼ってくれよ
オレが言いたいのはそれだけだ』
:07/08/05 13:32 :SH903i :3EH4JpDs
#733 [りく☆]
卓也から言われた言葉……その一言一言が、胸に…心に…響いた。
こんなにも卓也が
オレを思ってくれているとは……
オレは心の底から嬉しかった
しかしその喜びと同時に、自分が心を開いてないという事実が、とても情けなかった
:07/08/05 19:05 :SH903i :3EH4JpDs
#734 [りく☆]
…オレは、果たしてこの先"誰にも語る事のなかった過去"をみんなに話せるのだろうか?
そんな疑問が心に残る
その過去こそがオレの心の闇の元凶である。
そこから開放されない限り、オレはただ孤独の闇に埋もれていくだけだ…
:07/08/05 19:10 :SH903i :3EH4JpDs
#735 [りく☆]
卓也『りく…どうした?』
しばらく考え込んでしまっていたオレを心配しているようだった。
オレ『あぁ……何でもない。』
卓也『ならいいけど』
オレ『卓也!!』
卓也『なんだ?』
オレ『…ありがとな』
:07/08/05 19:12 :SH903i :3EH4JpDs
#736 [りく☆]
本当はもっと言う事があるはずなのに…
オレは自分の心を整理できずに
今のオレの気持ちを"ありがとう"の5文字でしか表すことができなかった
短い言葉だけど
オレにとってはその言葉が
1番最高の
感謝のこもった言葉だった
:07/08/05 19:16 :SH903i :3EH4JpDs
#737 [りく☆]
卓也『気にするな♪』
微笑みながら言う。
昔は自由人で頼りないように思えた卓也だが、今はそんな面影もなく、とても頼りがいのある大きな存在となっていた。
""キャァーーーー""
!!!!!!!!!!!
祥子の悲鳴だ
:07/08/05 19:19 :SH903i :3EH4JpDs
#738 [りく☆]
卓也『どうしたっ!!』
呼びかけながら慌ててオレと卓也が家に入る。
中にはいると、床に祥子が座り込んでいた。
オレ『大丈夫か??』
祥子『りく………あんたの家いつから"こいつ"がいるの?!』
祥子の視線の先には
太陽の日を浴びながら気持ち良さそうに寝ている"チロ"の姿があった。
:07/08/05 19:25 :SH903i :3EH4JpDs
#739 [りく☆]
オレと卓也は顔を見合わせ爆笑した。
卓也『相変わらずだな〜祥子の犬嫌いは♪』
笑いながら卓也がからかう様に言う。
オレ『子犬だから大丈夫だよ』
祥子『犬は犬だよ!!早く私から遠ざけてよ……』
:07/08/05 19:30 :SH903i :3EH4JpDs
#740 [りく☆]
強気で勝ち気な性格の祥子……怖いもの知らずで、オレ達でも敵わない
そんな彼女の唯一の弱点が"犬"である。
その嫌いかたは尋常ではなく、犬が近くにいるだけで怯えてしまうのだ。
どうやら昔、犬に噛まれたのが原因らしい
:07/08/05 19:34 :SH903i :3EH4JpDs
#741 [りく☆]
卓也『ってかりく!!お前いつ犬飼いだしたんだ?!』
唐突に卓也が聞いていた…。
オレ『4日前からかなぁ』
祥子『りく……助けて』
掠れた声で助けを求めていた。どぉやらあまりに驚いて腰を抜かしたらしい……
卓也『とりあえず犬を離してやりなよ』
呆れたように卓也が呟いた
:07/08/05 20:58 :SH903i :3EH4JpDs
#742 [りく☆]
卓也『喧嘩したのか?』
チロの事件も一段落ついて、オレ達は滝沢について話しはじめたのだ。
そして、祥子があの公園での出来事をオレと卓也にうち明かした。
祥子『私が悪いんだけどね………』
俯きながら言う祥子の顔は、悲しみと後悔が入り交じった感じであった。
卓也『じゃぁ……それが原因で勇貴は?』
オレ『さぁ……?いきなり猛志先輩に会うってのもおかしくないか?』
:07/08/05 21:05 :SH903i :3EH4JpDs
#743 [りく☆]
"確かに"というような顔で卓也が頷く。
今回の滝沢の一連の動きには謎が多く、オレ達の推理には限界がきていた。
祥子『やっぱり……私のせいだよね』
祥子はもはや自分を責める発言しかできなくなってしまい、卓也もそんな祥子をかばうのにも言葉ついてきていなかった。
オレ『紅茶でも飲むか…』
何となく流れを変えたく、オレは席をたつ。
そしてチロが寝ているキッチンへと向かった
:07/08/05 21:13 :SH903i :3EH4JpDs
#744 [りく☆]
視界に入らないキッチンでチロ寝かせてくれという祥子の要望で、チロはキッチンにいる。
オレは紅茶を飲むためお湯を沸かし始めた
…………………
沈黙がつづく
こんな緊張感、我が家にいままでなかっただろう
:07/08/05 21:17 :SH903i :3EH4JpDs
#745 [りく☆]
オレ『何か手掛かりでもないのかな?』
同じ様な質問をオレはまた繰り返した
卓也『直接会わないと…何もわからないだろ』
頭を抱え込むように言い放つ
オレ『けど……直接会う事ができないんだろ?』
紅茶を運びながらオレが言葉を返した。
:07/08/05 21:21 :SH903i :3EH4JpDs
#746 [りく☆]
突拍子もなく、卓也が深呼吸しはじめ口を開いた。
卓也『勇貴に会う方法は………1つあるんだ。』
祥子『本当に!?』
食らいつく様に祥子が身をのりだした。
卓也『猛志先輩の居場所がわかったんだ……』
静かに卓也が言い放った
オレ『じゃぁ……そこに滝沢もいるかもしれないな!!』
:07/08/05 21:25 :SH903i :3EH4JpDs
#747 [りく☆]
卓也『あぁ……』
祥子『なら早く行こうよ』
卓也『まてっ!!』
突然卓也の口調が強くなった……
卓也『お前ら……猛志先輩に会いに行くんだぞ!?
それに、あの人の仲間(ツレ)も沢山いるところだ。
だからあんまし言いたくなかったんだよ。オレ達だけで何とかして勇貴一人と接触したかったんだが……』
オレ『それしか方法がないんだろ?なら行こう!!』
祥子『うんっ!!』
卓也はまだ悩んでいた…
余程オレ達をそこに連れて行きたくないんだろう。
確かに危険だが………迷ってる暇はない
:07/08/05 21:32 :SH903i :3EH4JpDs
#748 [りく☆]
卓也『かなり危険だぞ?』
オレ『構わないさ。滝沢と祥子のためだろ?』
そのオレの言葉に卓也は微笑みをうかべる
そして深く呼吸をし
卓也『よしっ!!行こう!!』
:07/08/05 21:35 :SH903i :3EH4JpDs
#749 [連絡]
:07/08/05 21:37 :SH903i :3EH4JpDs
#750 [連絡]
:07/08/05 21:38 :SH903i :3EH4JpDs
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