よすが
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#830 [○&◆oe/DCsIuaw]
>>30-60

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#831 [○&◆oe/DCsIuaw]
>>60-90

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#832 [○&◆oe/DCsIuaw]
>>90-120

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#833 [○&◆oe/DCsIuaw]
>>120-150
>>150-180

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#834 [○&◆oe/DCsIuaw]
>>180-210
>>210-240

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#835 [○&◆oe/DCsIuaw]
>>240-270
>>270-300

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#836 [○&◆oe/DCsIuaw]
>>300-330
>>330-360

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#837 [○&◆oe/DCsIuaw]
>>360-390
>>390-420

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#838 [○&◆oe/DCsIuaw]
>>420-450
>>450-480

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#839 [○&◆oe/DCsIuaw]
>>480-510

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#840 [○&◆oe/DCsIuaw]
>>450-490

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#841 [○&◆oe/DCsIuaw]
>>840-870

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#842 [○&◆oe/DCsIuaw]
>>870-900

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#843 [○&◆oe/DCsIuaw]
 Dear my dear.
 and
 I love you.

 -------------------------

 夜景の綺麗なホテル。最上階とまでは行かないが、そこそこ高い位置の部屋のベランダに、男と女が一人ずつ。

「夜景、綺麗」
「そう言ってもらえたら、嬉しいな」

⏰:22/10/25 21:24 📱:Android 🆔:zH8LnywQ


#844 [○&◆oe/DCsIuaw]
「色々誤解しててごめんなさい、最高の誕生日プレゼント有難う」
「ふふ、誤解してたのはお互い様だよ。それより今日は、三日月だね」

「あ、本当だ。クス、真ん中で割れたように、綺麗な三日月」


「.......見て。ほら、これ」

そう言って男は、ポケットから指輪を一つ取り出した。指輪には三日月形の宝石。

⏰:22/10/25 21:25 📱:Android 🆔:zH8LnywQ


#845 [○&◆oe/DCsIuaw]
「取ってきちゃった、月のカケラ」
「あら、ロマンチック」

男が自分の指につける。


「どう、似合う?」
「.......似合わない、」
「え、なんで?」


「似合う、似合わないの前に、ありえない。だってみんなの月なのに、貴方がそれを付けてしまったら、ずっとずっと月は三日月のままじゃない。満月を楽しみにしてる人はたくさんいるのに」

⏰:22/10/25 21:25 📱:Android 🆔:zH8LnywQ


#846 [○&◆oe/DCsIuaw]
「なに拗ねてんの?」
「拗ねてなんかないわ」

「あれ、もしかしてこの指輪、自分が貰えると思った?」
「思ってない!!」
「ふふっ、でも、俺自己中だから。本当はあの月全部、俺のもの」

 風が吹く。男がポケットから小さな箱を取り出した。吹きやまない風は雲を流し、月が完全に闇に消える。


「.......残りの半分も、取ってきちゃった」

 箱の中には、男のそれより少し小さめな指輪。もちろん、三日月形の宝石付きの。風がまた雲を流し、月明かりに照らされた女の顔が火照る。

⏰:22/10/25 21:25 📱:Android 🆔:zH8LnywQ


#847 [○&◆oe/DCsIuaw]
『誕生日おめでとう、いつか本物の指輪あげるから。それまでずっと傍にいろよ、ハニー?』

- end -

⏰:22/10/25 21:26 📱:Android 🆔:zH8LnywQ


#848 [○&◆oe/DCsIuaw]
『ねぇ、わたしを殺してみて』


 その日。
 ぼくは、彼女を殺した。

------------------------

『すき』

 彼女のくちびるから零れ落ちる言葉は、いつだってぼくだけの鼓膜を揺らす。

『あなたが、すき。例えあなたの気持ちがわたしになくても』

『目も、耳も、鼻も指も、ひとつ残らず愛おしい、』

⏰:22/10/25 21:26 📱:Android 🆔:zH8LnywQ


#849 [○&◆oe/DCsIuaw]
『だけど、一番愛おしいのは、その、くちびる。わたしのそれと触れたとき、わたしはきっと死んでしまうでしょうね』

 何故だい?薄く微笑み、彼女に問うた。

『幸福死。信じられないけれど、本当にあるみたいよ。夢のような、現実では有り得ないような、けれど、こころのどこかでそれを待ち望んでいる.......』

 彼女の瞳が、熱を持ち始める。

⏰:22/10/25 21:26 📱:Android 🆔:zH8LnywQ


#850 [○&◆oe/DCsIuaw]
『そして。それが現実に起こったとき、わたしは死ぬの。そう例えば、あなたのくちびるの熱を、わたしのここで感じることができる、とかね』

 そう言って彼女は微笑み、人差し指で自分のくちびるに触れた。

『ねぇ、わたしを殺してみて?』


 五秒後、ぼくはきみを殺した。

⏰:22/10/25 21:26 📱:Android 🆔:zH8LnywQ


#851 [○&◆oe/DCsIuaw]
まだ息をしているきみのくちびるが、柔らかく、柔らかく微笑んだ。

fin

⏰:22/10/25 21:27 📱:Android 🆔:zH8LnywQ


#852 [○&◆oe/DCsIuaw]
 愛しているんだ、
 例え誰が死んだって。

 -------------------------

 何日もかけて選んだ婚約指輪。君は気にいってくれるかな?君が琥珀色を好きだというのは知っていたけど、なかなかいい物が見つからなかった。

だけどこの水色も綺麗だろう?
君がよくしてる、ネックレスに似ている。どんな顔をするだろう。
笑って、笑って、笑うだろう。キスをして、抱きしめて。それからやっぱり、琥珀色が良かったわ、なんて言うのかな。

⏰:22/10/25 21:27 📱:Android 🆔:zH8LnywQ


#853 [○&◆oe/DCsIuaw]
想像の中の君は少しふてくされて、だけどとても満ち足りた笑顔で。そして僕は言うんだ。


『結婚指輪は、琥珀色にしよう。』

女性はロマンチックが好きだろう?夜景なんかどうだろう?今日のために洗車もしてきた。そんなことは、言わないけどね。さぁ乗って、未来の話をしよう。予想通り君は少しふてくされて、だけど幸せそうだった。

幸せにするからね。

⏰:22/10/25 21:27 📱:Android 🆔:zH8LnywQ


#854 [○&◆oe/DCsIuaw]
そういう僕の言葉に重なるように、白い光と車のブレーキ音が僕たちを包んだ。明るすぎるその光に、助手席に座る彼女の顔が白くなる。明るすぎるよ、彼女の顔が見えないじゃないか。


 気がつくと目の前には、見慣れた人の顔。白くはなかった、赤かった。彼女の目は閉じられていた。嘘だろう。

⏰:22/10/25 21:28 📱:Android 🆔:zH8LnywQ


#855 [○&◆oe/DCsIuaw]
この、赤は、なんだ。嘘だろう。ねぇ起きて。彼女の体を揺さぶろうにも、僕の体も動かない。いくら大声で名前を叫んでも、彼女はぴくりとも動かない。それはまるで、僕の声なんかこの世界に響いていないような、そんな気がして。


動かない、意識だけ。
動けよ僕の躯、動け。

⏰:22/10/25 21:28 📱:Android 🆔:zH8LnywQ


#856 [○&◆oe/DCsIuaw]
救急車を呼ぶんだ、彼女を助けて。まだ生きてるかもしれない。呼吸の音が聞こえない?僕の耳がおかしいんだ。名前を呼んでも届かない?僕の声が、枯れてるんだ。どうして僕が生きてるんだ。生きるべきは、彼女だろう。お願い神様、僕はどうなってもかまわないから。

ほら左手の薬指。僕が買った指輪はそんな色じゃない

抱きしめて、キスしたい。
指輪に関する話を聞いてほしい。結婚指輪は、きっと琥珀色にするから。

⏰:22/10/25 21:28 📱:Android 🆔:zH8LnywQ


#857 [○&◆oe/DCsIuaw]
彼女の目が、開いた。
生きて、いる。


ありがとう神様、ありがとう。本当にありがとう。これから何があっても僕が彼女を幸せにする。さぁ、元気になって、未来の話をしよう。僕たちこれから、幸せになるんだ。彼女の目が完全に開く。ただ僕だけを映してくれる瞳は、あの日からずっと、変わらないね。良かった、もう大丈夫。体は動くかい?

⏰:22/10/25 21:29 📱:Android 🆔:zH8LnywQ


#858 [○&◆oe/DCsIuaw]
悪いけど、救急車を呼んでもらえる?僕はさっきから、何故だか体が動かない。彼女の目に涙がたまる。嗚呼、心配しないで。意識ははっきりしてるから。君のことずっと、考えられるくらいには。彼女は何か叫びながら、僕の体を揺さぶった。揺れる視界に、君の泣き顔だけが映る。綺麗な瞳だ、泣かないで。覗きこんだその瞳に映るは、僕。真っ赤な色をした、僕。

⏰:22/10/25 21:29 📱:Android 🆔:zH8LnywQ


#859 [○&◆oe/DCsIuaw]
ああ、死んだのは僕か。
どうりでさっきから、呼吸をしていないと思った。良かった。死んだのが僕で良かった。さぁ降りて、僕という船から。未来の話をしよう。君が幸せになるための話だ。指輪は捨ててくれ。君はやっぱり、琥珀色が似合うと思う。いつか誰かに貰ってくれ。僕以外の、誰かに。神様、神様、ありがとう。


嗚呼、死んだのは僕か。


- end -

⏰:22/10/25 21:29 📱:Android 🆔:zH8LnywQ


#860 [○&◆oe/DCsIuaw]
わたしはテレビの電源を付ける父を見ながら、ちょっと前までは自分もこの輪の中にいたんだなあと頬を緩めた。ふとテレビの上にある電子時計が目に入れば、今日は日曜日だと認識する。休日にも仕事があったなんて、お父さんは大変だな。労いの言葉を考えていたら、突然携帯電話が鳴った。この曲は私の携帯だ。父は「何の音だ?」と立ち上がり音源を探し始めた。

⏰:22/10/25 21:29 📱:Android 🆔:zH8LnywQ


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