「好き」と言いたい。
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#801 [あんみつ]
 

私服の先輩。

いつもと違う。

学校以外の場所で、こうして会ってる。

先輩には気持ちがないと分かっていても、自然と顔がにやけてくる。

.

⏰:08/03/20 14:03 📱:D904i 🆔:TaVwQi/2


#802 [あんみつ]
 

(・・・っと)

私は、にやける口元をあわてて押さえた。

「・・・あの・・・ごめんなさい」

「・・・何が?」

ぶっきらぼうに答える先輩。

無理もない。

私は少し目を伏せた。

⏰:08/03/20 14:05 📱:D904i 🆔:TaVwQi/2


#803 [あんみつ]
 
「一方的にこんな約束・・・先輩の都合とか考えないで・・・」

口に出して言ってみると、よくあんな強引なことできたもんだと、恥ずかしくなった。

少しの沈黙が流れる。

「・・・いまさら」

先輩はそうつぶやいた後、小さくため息をついた。

⏰:08/03/20 14:07 📱:D904i 🆔:TaVwQi/2


#804 [あんみつ]
 
顔を上げられない。

目の奥が熱い。

(・・・泣いちゃダメだ)

私は、体の前で両手を握りしめた。

⏰:08/03/20 14:12 📱:D904i 🆔:TaVwQi/2


#805 [あんみつ]
 
「・・・で、どこ行きたいんだ?」

先輩の優しい声。

「・・・え?」

私は、ゆっくりと顔を上げた。

先輩は、私の答えを促すように、私の顔をじっと見る。

⏰:08/03/20 14:14 📱:D904i 🆔:TaVwQi/2


#806 [あんみつ]
 
「あ・・・えっと、映画見たいのあって・・・」

「じゃ、行きますか」

私が言うと、先輩は回れ右して言った。

そして、ゆっくりと歩き出す。

私は状況が飲み込めなくて、離れていく先輩の背中をただ立ち止まって見ていた。

その背中がぴたりと止まって、先輩が振り向く。

⏰:08/03/20 14:17 📱:D904i 🆔:TaVwQi/2


#807 [あんみつ]
 
「・・・今日暇だから」

それだけ言って、また前を向いてしまった。

けど今度は歩き出さない。

(・・・あ)

やっと状況を理解した。

再び顔がにやけてくる。

⏰:08/03/20 14:19 📱:D904i 🆔:TaVwQi/2


#808 [あんみつ]
 
(やばい・・・嬉しい!!)

「・・・はい!!」

私は先輩の隣まで走った。

私の姿を確認した先輩は、またゆっくりと歩き出す。

私はそんな先輩の横顔を、そんの少し盗み見した。

.

⏰:08/03/20 14:21 📱:D904i 🆔:TaVwQi/2


#809 [あんみつ]
 

・・・ほっとけなかったんでしょ?

やっぱり、思ってた通りの優しい人。

そんなの私、もっと好きになっちゃうよ。

.

⏰:08/03/20 14:23 📱:D904i 🆔:TaVwQi/2


#810 [あんみつ]
 

いつも、先輩の隣にはあの人がいる。

けど今は違う。

今、先輩の隣にいるのは私。

それだけですごく嬉しく思うのと同時に、私は、もっと先輩を独占したいと思ってしまったんだ。

.

⏰:08/03/20 14:25 📱:D904i 🆔:TaVwQi/2


#811 []
更新あざーす

⏰:08/03/20 21:46 📱:SH903iTV 🆔:ffOjpEqg


#812 []
あげ

⏰:08/03/25 07:00 📱:SH903iTV 🆔:mDSvPdXs


#813 [我輩は匿名である]
>>001-200
>>201-400
>>401-600
>>601-800
>>801-1000

⏰:08/04/16 00:44 📱:F705i 🆔:☆☆☆


#814 [あんみつ]
あげありがとうございます
長い間放置して、読んでくれていた人すみませんでした
少しですが更新します

⏰:08/06/14 14:46 📱:D904i 🆔:PXvLBvcE


#815 [あんみつ]
――――――――


先輩と2人で出掛けたあの日から、先輩の私への接し方が変わった。


「あ・・・竹本先輩!!」

私が先輩の名前を呼ぶ。

先輩が、それに振り向いて私を見る。

「よっ」

そう言って軽く笑う。

私を見て、笑う。

⏰:08/06/14 14:48 📱:D904i 🆔:PXvLBvcE


#816 [あんみつ]
 
メールをしたら返事が来て、私の質問に答えてくれる。

いろいろな先輩が見えてくる。

私からの一方的なのじゃない。

ちゃんと会話になってる。

それがすごく嬉しかった。

それでも、いつも会話のきっかけを作るのは私で、先輩から話しかけてくれることはほとんどなかった。

⏰:08/06/14 14:50 📱:D904i 🆔:PXvLBvcE


#817 [あんみつ]
 
前よりは近づけたと思う。

けど、やっぱり好きなのは私だけなのかなって、少し自信なくしてた。

だから、先輩にお祭りに誘われた時、携帯握りしめて思わずやったー!!って叫んじゃった。

それだけ嬉しかったんだよ。

.

⏰:08/06/14 14:51 📱:D904i 🆔:PXvLBvcE


#818 [いち]
待ってました
これからも頑張ってください!

⏰:08/06/14 18:09 📱:N904i 🆔:UzS/Tk/U


#819 [我輩は匿名である]
頑張って下さい

⏰:08/06/18 06:23 📱:P905i 🆔:Gr9C5yzk


#820 [あむろP]
頑張ってください

⏰:08/06/27 16:24 📱:811T 🆔:kECbV1Ek


#821 [あんみつ]
いちさん匿名さんあむろさん
ありがとうございます
今から更新します

⏰:08/06/28 22:54 📱:D904i 🆔:h9i7e./U


#822 [あんみつ]
――――――――


『・・・付き合ってもいいよ』

祭りに誘われた次の日、先輩が言った。

.

⏰:08/06/28 22:56 📱:D904i 🆔:h9i7e./U


#823 [あんみつ]
 

その日の夕方、先輩から突然電話があった。

{今、暇?}

あまりにぶっきらぼうだったから、悪い予感がした。

「はい・・・暇ですけど」

{・・・ちょっと出てこん?}

.

⏰:08/06/28 22:58 📱:D904i 🆔:h9i7e./U


#824 [あんみつ]
 

何がなんだか分からないまま返事をして、うちの近所まで来てくれた先輩と会うことになった。

待ち合わせ場所のコンビニに着いて、少しして先輩も来た。

クーラーのよく効いた店内を出て、自転車を押す先輩と並んで歩く。

しばらくの沈黙の後、先輩が言った。

「・・・付き合ってもいいよ」

.

⏰:08/06/28 22:59 📱:D904i 🆔:h9i7e./U


#825 [あんみつ]
 

そう言った先輩はまっすぐ前を向いてて、けどその横顔はほんのり赤くなっていた。

一方私は、先輩の言ったことがすぐには理解できず、その場に立ち止まった。

(・・・つきあう?・・・つきあっても・・・)

立ち止まった私に気づいて、先輩も少し先で立ち止まってこっちを向く。
.

⏰:08/06/28 23:01 📱:D904i 🆔:h9i7e./U


#826 [あんみつ]
 

「・・・ほら」

先輩が照れたように、自転車を押す手とは反対の左手を、私に向かって差し出す。


『・・・付き合ってもいいよ』


その瞬間理解した。

先輩が・・・振り向いてくれた。

彼氏と彼女になれるんだ。
.

⏰:08/06/28 23:03 📱:D904i 🆔:h9i7e./U


#827 [あんみつ]
 
・・・涙が出そうなくらい嬉しかった。

私の頑張りは無駄じゃなかった。

好きでいてよかった。

「好き」と言ってよかった。

先輩の手を握って、心の底からそう思った。
.

⏰:08/06/28 23:05 📱:D904i 🆔:h9i7e./U


#828 [あんみつ]
 

・・・愛しい。

この手をずっと離したくない。

そう思って、本気で願った。

.

⏰:08/06/28 23:06 📱:D904i 🆔:h9i7e./U


#829 [あんみつ]
ほんの少しですみません
感想板貼っておきます

感想板
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2685/

⏰:08/06/28 23:10 📱:D904i 🆔:h9i7e./U


#830 [(・ε・`)]
>>001-150
>>150-300
>>300-450
>>450-600
>>600-750
>>750-900

⏰:08/06/28 23:29 📱:F904i 🆔:akSH56Rw


#831 [我輩は匿名である]
あげ

⏰:08/07/01 22:48 📱:P905i 🆔:Q2.s8SlQ


#832 [我輩は…ョではない]
あげ~タ

⏰:08/07/02 17:03 📱:W61S 🆔:x1yEn07g


#833 []
続き頑張って

⏰:08/07/03 00:42 📱:D902iS 🆔:CnlPqtC2


#834 [我輩は匿名である]
あげ〜

⏰:08/07/20 08:56 📱:P905i 🆔:xQ0yvsYU


#835 [み]
>>1-50
>>51-100
>>101-150
>>151-200
>>201-250
>>251-300
>>301-350
>>351-400
>>401-450
>>451-500
>>501-550
>>551-600
>>601-650
>>651-700
>>701-750
>>751-800
>>801-850
>>851-900
>>901-1000

安価すみませんコA
面白いですエイ
頑張って下さい(^ω^)

⏰:08/07/22 11:22 📱:W52SH 🆔:ZaRLz9ao


#836 [あや]
あんみつちゃん
覚えてるかな?
あのときの、あやだよ
全然来られなくてごめんね
更新少しずつでいいから、がんばってね
色んな人の想いがあるよね。でもやっぱり、健二とネコうまくいってほしい

あんみつちゃん
がんばってね

⏰:08/07/30 12:38 📱:SH903i 🆔:DdjHhEIs


#837 [あんみつ]
みなさん
あげありがとうございます
放置本当にすみません

あやさん
感想板の方に返事したよ

少しずつですが更新します

⏰:08/08/12 10:40 📱:D904i 🆔:A0ydUP3A


#838 [あんみつ]
――――――――


夏休みが終わって二学期が始まって、健二先輩はまたあの人と登校し始めた。

根宮奈子先輩。

健二先輩がねこって呼ぶその人は、先輩の大切な幼なじみ。

・・・大切な。
.

⏰:08/08/12 10:41 📱:D904i 🆔:A0ydUP3A


#839 [あんみつ]
 
健二先輩は、その気持ちを正直に話してくれた。

私もそれを理解しようとした。

受け入れようとした。

けど・・・。
.

⏰:08/08/12 10:43 📱:D904i 🆔:A0ydUP3A


#840 [あんみつ]
 
体育祭で一緒に走る二人の姿を見た時、私は心の底から根宮先輩に嫉妬した。

それと同時に、自分の中にこんな強い独占欲があることに驚いた。

嫌だ、嫌だ。

先輩の隣には私がいたい。

.

⏰:08/08/12 10:45 📱:D904i 🆔:A0ydUP3A


#841 [あんみつ]
 

体育祭のあとの帰り道、私はわざと根宮先輩のことには触れないようにした。

今その話をしてしまうと、気持ちが溢れてしまいそうだったから。

嫉妬、独占欲。

そんな気持ち、健二先輩には知られたくない。

めんどうな女だって思われたくない。

.

⏰:08/08/12 10:46 📱:D904i 🆔:A0ydUP3A


#842 [あんみつ]
 

その時の先輩の態度は、心なしかよそよそしく感じた。

まるで私の心の中が分かっているかのように。

そんな先輩に、私は何も言えなくなった。

それから駅までは、ずっと沈黙のままだった。

.

⏰:08/08/12 10:52 📱:D904i 🆔:A0ydUP3A


#843 [あんみつ]
 

先輩には、笑っていてほしい。

困らせたいわけじゃないんだよ。

好きなの。

大好きなの。

先輩のこと、分かりたいって本当に思う。
.

⏰:08/08/12 10:54 📱:D904i 🆔:A0ydUP3A


#844 [あんみつ]
 
なのに・・・。

・・・悔しい。

根宮先輩に対してじゃなく、健二先輩の根宮先輩に対する気持ちを受け入れられない自分が悔しかった。

.

⏰:08/08/12 10:56 📱:D904i 🆔:A0ydUP3A


#845 [姫香]
あーせつない…
でも続き楽しみです!

⏰:08/08/12 11:59 📱:PC 🆔:ppFvYUS6


#846 [我輩は匿名である]
あげ

⏰:08/08/17 23:44 📱:P905i 🆔:zf5Lb3MI


#847 [あんみつ]
姫香さん
ありがとうございます
よかったら感想板にも来てください

匿名さん
あげありがとうございます

⏰:08/08/19 11:28 📱:D904i 🆔:twgWb/zk


#848 [あんみつ]
――――――――


「・・・はぁー」

放課後の教室に一人。

私はため息をついて机に顔を伏せた。

野球部の威勢のいい声が聞こえる。

ブー・・・ブー

握りしめていた携帯が震えて、私は急いで開いた。
.

⏰:08/08/19 11:31 📱:D904i 🆔:twgWb/zk


#849 [あんみつ]
 
――――――――
9/15 16:38
From 村上光
Sub 無題

ため息つくと幸せ逃げるぞ
――――――――

(・・・は!?)

メールを見て、私は慌ててあたりを見渡す。

私の目は、教室の後ろ側のドアを見たところで止まった。

すりガラス越しに、人の影が映っている。
.

⏰:08/08/19 11:33 📱:D904i 🆔:twgWb/zk


#850 [あんみつ]
 
「・・・コウ!!」

私はメールを送ってきたそいつの名前を呼んだ。

若干怒鳴り気味で。

「あ、バレた??」

ドアが開いて、中学からの腐れ縁が顔を出す。

「ばればれ」

私の言葉に、コウは笑いながら私の前の席に座る。
.

⏰:08/08/19 11:34 📱:D904i 🆔:twgWb/zk


#851 [あんみつ]
 
部活の途中なのか、着ている体操服を掴んでパタパタとしている。

「あっちぃー」

「・・・てかコウ何しに来たの??」

そんなコウを見て私は言った。

「んー・・・ちょっと休憩」

言いながらコウは、大きく伸びをする。
.

⏰:08/08/19 11:36 📱:D904i 🆔:twgWb/zk


#852 [あんみつ]
 
「・・・ふーん」

いいのかよって思ったけど言うのもめんどくさく、私は一言で片付けた。

少しの沈黙が流れる。

風が吹いて、カーテンが大きく揺れた。

私の髪も合わせてなびく。
.

⏰:08/08/19 11:37 📱:D904i 🆔:twgWb/zk


#853 [あんみつ]
 
「・・・でさ」

コウが口を開いた。

私の顔をちらりと見る。

「さっきのため息の原因は??」

コウはいつもと変わらない調子で言った。

.

⏰:08/08/19 11:39 📱:D904i 🆔:twgWb/zk


#854 [あんみつ]
 

コウとは中一の時からずっと同じクラス。

明るくてお調子者でちょっと生意気で。

けど本当は、誰よりも友達思いで優しくて。

そんなコウを私は知ってる。

何度も何度も助けられた。

.

⏰:08/08/19 11:40 📱:D904i 🆔:twgWb/zk


#855 [あんみつ]
 

コウは変わらず、体操服をパタパタしている。

(・・・コウ)

「・・・なんかね」

私はゆっくりと話し始めた。

「自信ないの・・・」

コウが動きを止めて私を見る。

「健二先輩にとって一番は、私じゃなくて・・・根宮先輩なんじゃないかって」

.

⏰:08/08/19 11:42 📱:D904i 🆔:twgWb/zk


#856 [あんみつ]
 

・・・本当は、心のどこかでずっと思ってた。

体育祭以来、その考えはどんどん加速していった。

振り払っても振り払っても、頭に浮かぶのは健二先輩と根宮先輩の仲の良さそうな姿。

考えても考えても、同じところをぐるぐる回って抜けられない。

.

⏰:08/08/19 11:44 📱:D904i 🆔:twgWb/zk


#857 [あんみつ]
 

「健二先輩も・・・私の気持ちに気づいてると思う。最近、なんかぎこちない。けど、お互い何も言わないし・・・」

視界が滲む。

涙目になっているのがコウにばれないように、私は下を向いた。

「ぎこちなくってもね、初めのうちは私頑張って喋ってたの。けど・・・ここんとこ、私わざと沈黙作ってて」

先輩の気持ちが分からなくて、不安で、試すように。
.

⏰:08/08/19 11:46 📱:D904i 🆔:twgWb/zk


#858 [あんみつ]
 
「・・・今日ね、先輩に一緒に帰れないってメールしたの」

「うん」

コウが優しく相づちを打つ。

「先輩・・・分かったって、それだけ」

.

⏰:08/08/19 11:48 📱:D904i 🆔:twgWb/zk


#859 [あんみつ]
 

理由も何も聞かなかった。

ただ一言、分かったって。

一緒に帰れないなんて嘘。

それでも、今までずっとこうして教室にいたのは、もしかしたら健二先輩来てくれるかもって、バカみたいに思ってたから。

.

⏰:08/08/19 11:50 📱:D904i 🆔:twgWb/zk


#860 [あんみつ]
 

(・・・ほんとバカ)

涙がこぼれそうになって、私は机に顔を伏せた。

「・・・ねぇ、コウ」

私は伏せたまま言った。

「うん?」

「押してダメなら引いてみろって言うけどさ・・・引いてもダメなら、どうすればいいんだろ」
.

⏰:08/08/19 11:52 📱:D904i 🆔:twgWb/zk


#861 [あんみつ]
 
「・・・」

私の問いに、コウは何も言わない。

いや、言わないんじゃなくて言えないんだろう。

「・・・ごめん、変なこと聞いた」

先に私から言った。
.

⏰:08/08/19 11:54 📱:D904i 🆔:twgWb/zk


#862 [あんみつ]
 
「・・・佐古」

コウが私の名前を呼ぶ。

けど、私は返事ができなかった。

喉が熱くなってきて、今何か喋ると涙声になってしまいそうだったから。
.

⏰:08/08/19 11:55 📱:D904i 🆔:twgWb/zk


#863 [あんみつ]
 
(・・・!?)

その時、私の頭に何か温かいものが触れた。

コウの手だ。

「・・・ごめんな、何も言えなくて」

コウが申し訳なさそうに言う。

(そんなことない・・・)
.

⏰:08/08/19 11:57 📱:D904i 🆔:twgWb/zk


#864 [あんみつ]
 
自分の中だけに閉じ込めておくのと、誰かに聞いてもらうのとでは、気持ちの軽さがだいぶ違う。

それに・・・こんなに話せたのはコウだからだ。

そう思うのに、言葉が出ない。

頭から手が離れた。

カタッとイスをしまう音がする。
.

⏰:08/08/19 11:59 📱:D904i 🆔:twgWb/zk


#865 [あんみつ]
 
「そろそろ行くな・・・頑張れよ」

コウの気配がだんだんと遠ざかっていく。

私は顔を上げられない。

ドアの閉まる音がした。

野球部も休憩中なのか急に静かになって、教室はやけに広く感じた。
.

⏰:08/08/19 12:00 📱:D904i 🆔:twgWb/zk


#866 [あんみつ]
 
「・・・う・・・ひっく」

涙が溢れた。

(・・・ありがとう、コウ)

本人に、言葉にして伝えられなかったことを悔やんだ。


けど・・・

コウ、もう私ダメだよ。
.

⏰:08/08/19 12:02 📱:D904i 🆔:twgWb/zk


#867 [あんみつ]
 
苦しいよ。

先輩が私の隣にいないのが寂しい。

先輩の隣にあの人がいるのを見るのがつらい。

なんかもう・・・限界だよ。


ねぇ・・・健二先輩。

私、わがままなのかな?

.

⏰:08/08/19 12:03 📱:D904i 🆔:twgWb/zk


#868 [あんみつ]
感想板貼っておきます
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2685/

⏰:08/08/19 12:06 📱:D904i 🆔:twgWb/zk


#869 [ましゅまろ.。]
>>1-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400
>>401-500
>>501-600
>>601-700
>>701-800
>>801-900

⏰:08/08/19 21:18 📱:SH903i 🆔:8tuCMI/o


#870 [あんみつ]
ましゅまろ.。さん
アンカーありがとうございます

⏰:08/08/21 22:37 📱:D904i 🆔:SrI3vkrY


#871 [あんみつ]
――――――――


「・・・健二先輩と、離れてください」


・・・まさか、自分がこんなセリフ言うことになるとは思わなかった。


自分勝手だって分かってる。

けど私は、つなぎ止めようと必死だった。

.

⏰:08/08/21 22:38 📱:D904i 🆔:SrI3vkrY


#872 [あんみつ]
 

「・・・分かった」

私の理不尽な要求に対して、根宮先輩は静かにそう言ってくれた。

「・・・その代わり・・・もう一度、健二と二人で出かけたい。ちゃんと話がしたいの。・・・明後日、それで最後にするから・・・」

私のわがままとは比べものにならない程の、小さな条件付きで。

私は、頷いて頭を下げることしかできなかった。

.

⏰:08/08/21 22:41 📱:D904i 🆔:SrI3vkrY


#873 [あんみつ]
 

健二先輩にとって、根宮先輩は大切な幼なじみ。

きっと、根宮先輩にとってもそう。

つらいだろう、苦しいだろう。

理不尽な私を許せないかもしれない。

それでも、分かったって言ってくれた。

私を責めもしなかった。

.

⏰:08/08/21 22:43 📱:D904i 🆔:SrI3vkrY


#874 [あんみつ]
 

根宮先輩に比べると、自分はなんて幼稚なんだろう。

思いやることを忘れて、健二先輩が好きという気持ちだけで動いてた。

ただ必死だった。

.

⏰:08/08/21 22:48 📱:D904i 🆔:SrI3vkrY


#875 [あんみつ]
 

・・・健二先輩。

私にも、根宮先輩みたいな強さがあれば、何か変わっていたのかな?

根宮先輩の小さな願いに頷きながら、それさえも不安に感じる私に・・・。

.

⏰:08/08/21 22:51 📱:D904i 🆔:SrI3vkrY


#876 [我輩は匿名である]
>>1-50
>>51-100
>>101-150
>>151-200
>>201-250
>>251-300

⏰:08/08/24 22:34 📱:W53H 🆔:JPgm9QQw


#877 [匿名]
>>1-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400
>>401-500
>>501-600
>>601-700
>>701-800
>>801-900
>>901-1000

⏰:08/08/25 00:06 📱:P903i 🆔:nC3CaaUg


#878 [匿名]
書かないのかな?

⏰:08/08/25 07:54 📱:SH905i 🆔:pqIjoGgw


#879 [匿名]
もう更新しないの?

⏰:08/09/03 22:10 📱:SH905i 🆔:qfZs.cXs


#880 [ぴや]
さよなら〜

⏰:08/09/05 07:30 📱:SH905i 🆔:NAQdDTxQ


#881 [あんみつ]
二人の匿名さん
アンカーありがとうございます
匿名さん
なかなか更新できなくてすみません
時間はかかりますが必ず完結させるので、長い目で見てくれると嬉しいです
ぴくさん
残念ながらまださよならじゃないんです

⏰:08/09/05 23:31 📱:D904i 🆔:lfuFswyo


#882 [あんみつ]
ぴやさんだった
すみません

今から更新します

⏰:08/09/05 23:32 📱:D904i 🆔:lfuFswyo


#883 [あんみつ]
――――――――


根宮先輩と話をした日の夜、健二先輩からメールがきた。

――――――――
9/17 21:38
From 竹本健二
Sub 無題

明後日の午前中ちょっと会えん?
話があるんだけど。
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⏰:08/09/05 23:36 📱:D904i 🆔:lfuFswyo


#884 [あんみつ]
 
今の状態でこんなメールが来たら、悪い想像をするのが普通だと思う。

今日まであまり眠れなかった。


待ち合わせは十一時半。

私の家の近くの公園。

私が十分前に着いた時、すでに健二先輩は公園のベンチに座っていた。
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⏰:08/09/05 23:37 📱:D904i 🆔:lfuFswyo


#885 [あんみつ]
 
「よっ」

私に気がついて、先輩はぎこちなく微笑む。

私も笑顔を作る。


本当は、笑うような気分じゃない。

話の内容が気になって、怖くて怖くてたまらない。

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⏰:08/09/05 23:39 📱:D904i 🆔:lfuFswyo


#886 [あんみつ]
 

先輩は、自分の隣をポンポンと叩く。

「待ちました?」

言いながら私は、先輩の隣に座る。

「いや、来たばっか」

そう言うと先輩は前を向いた。

公園には誰もいない。

子供が忘れていったのか、砂場にはスコップが一本ささっている。

先輩の顔を見れない意気地なしの私は、そのスコップを意味もなくじっと見ていた。
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⏰:08/09/05 23:40 📱:D904i 🆔:lfuFswyo


#887 [あんみつ]
 
「・・・俺さ」

長い沈黙の後、先輩が口を開いた。

私は前を見たまま動けない。

膝の上に置いた両手に力が入る。

「ねこのこと・・・すげー大事なんだ」

健二先輩の口調は、とても真剣だった。

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⏰:08/09/05 23:42 📱:D904i 🆔:lfuFswyo


#888 [あんみつ]
 

付き合うことになった日、健二先輩は一番に根宮先輩のことを話してくれた。

あの時も、この公園で。


大切な幼なじみ。

絶対になくしたくない存在。

けど、ねこは幼なじみだから。

彼女は・・・佐古だから。

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⏰:08/09/05 23:44 📱:D904i 🆔:lfuFswyo


#889 [あんみつ]
 

あの時は私、付き合えることに浮かれてて、先輩の言葉を理解した気になってた。

根宮先輩への想いを、受け入れた気になってた。

・・・けど、違った。

嫉妬と不安が、今になって私に押し寄せる。

自分じゃもう、どうにもできない。

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⏰:08/09/05 23:46 📱:D904i 🆔:lfuFswyo


#890 [あんみつ]
 

「けど・・・ねこは幼なじみで、それだけだよ」

あの時と同じ言葉を、健二先輩は繰り返す。


分かってる。

けど頷けない。

受け入れられない。

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⏰:08/09/05 23:48 📱:D904i 🆔:lfuFswyo


#891 [あんみつ]
 

健二先輩のことを見ているだけだった頃、根宮先輩は健二先輩の彼女なんだと思ってた。

だって悔しいけど、一緒に並んで歩く二人は、本当にお似合いだったから。

認めたくないけど。

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⏰:08/09/06 07:17 📱:D904i 🆔:4GM.ZowQ


#892 [あんみつ]
 

今、健二先輩と付き合っているのは私。

なのに・・・お似合いな二人の姿は変わらない。

根宮先輩は、幼なじみでしょ?

彼女は私じゃないの?

健二先輩にとっての一番は、私じゃなくて・・・

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⏰:08/09/06 07:19 📱:D904i 🆔:4GM.ZowQ


#893 [あんみつ]
 

「・・・根宮先輩なの?」

私はハッとして口を押さえる。

声に出して言ってしまった。

「え?」

先輩が聞き返す。

その先輩の声があまりに優しくて、私は泣きそうになった。

もう、止められない。
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⏰:08/09/06 07:20 📱:D904i 🆔:4GM.ZowQ


#894 [あんみつ]
 
「健二先輩の気持ち・・・分かろうとした。大切な幼なじみだって」

先輩の顔を見ないまま、吐き出すように言った。

「けど・・・根宮先輩と一緒にいるとき見る度ほんとは・・・すごく不安だった」

心の中にためていた物が、何かが切れたように溢れ出す。

視界が滲んだ。
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⏰:08/09/06 07:21 📱:D904i 🆔:4GM.ZowQ


#895 [あんみつ]
 
「付き合ってるのは私でも・・・健二にとっての一番は、本当は・・・根宮先輩なんじゃないかって」

涙がこぼれた。

健二先輩は何も言わない。

(もう・・・やだ)

私は立ち上がった。

そのまま早足で公園の出口に向かう。
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⏰:08/09/06 07:31 📱:D904i 🆔:4GM.ZowQ


#896 [あんみつ]
 
「待てよ、佐古!!」

先輩が追ってきて、私の手首をつかんだ。

「っ・・・やだ!!」

私は手を引っ張ってふりほどこうとするが、びくともしない。

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⏰:08/09/06 07:33 📱:D904i 🆔:4GM.ZowQ


#897 [あんみつ]
 

隠してた気持ちを、言ってしまった。

独占欲の塊みたいな私。

このままだときっと、もっと自分勝手なことも言ってしまう。

先輩に嫌われたくない。

それだけは嫌だ。
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⏰:08/09/06 07:34 📱:D904i 🆔:4GM.ZowQ


#898 [あんみつ]
 
早くこの場を離れたい。

もっとひどいことを言ってしまう前に。

そう思ったのに・・・もう、遅かった。


「健二先輩が根宮先輩といるとこ・・・もう見たくない!!」

泣きながら言った瞬間、大きなめまいがした。

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⏰:08/09/06 07:35 📱:D904i 🆔:4GM.ZowQ


#899 [あんみつ]
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「・・・よかった、ただの貧血で」

ベッドで布団をかぶったままの私に向かって、先輩は言った。

「・・・ありがとうございます」

私は、布団をかぶったまま応えた。

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⏰:08/09/06 08:58 📱:D904i 🆔:4GM.ZowQ


#900 [あんみつ]
 

あの時、大きなめまいがして、私はしゃがみこんだまま立ち上がれなくなった。

昔からたまにある貧血。

ここんとこ平気だったのに・・・。

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⏰:08/09/06 08:59 📱:D904i 🆔:4GM.ZowQ


#901 [あんみつ]
 

先輩はそんな私を、おぶって私の家まで運んでくれた。

優しい先輩。

先輩の背中で、私は後悔でいっぱいになった。

健二先輩にとって根宮先輩は、絶対になくしたくない大切な存在。

きっと根宮先輩にとってもそう。

理解できなくても、受け入れられなくても、分かってたのに。
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⏰:08/09/06 09:02 📱:D904i 🆔:4GM.ZowQ


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