クソガキジジイと少年」
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#451 [ザセツポンジュ]
きーさんご指名の
きららちゃんが登場した。
「きーさん久しぶりだね。失礼しまぁす。」
「やぁやぁ。先に好きなもの頼みなさい、きららちゃん」
きららちゃんはニッコリ笑い、きーさんのお酒を作る作業に取りかかった。
ふと、きーさんは
マドラーを回すきららちゃんの手を見つめた。
:06/09/07 01:37 :W41S :rKVp2pas
#452 [ザセツポンジュ]
「きららちゃん、最近コケたのかね。どっかて打ったのかね。」
きららちゃんのコブシの下あたりに赤い小さなあざがポツポツとできていた。
火傷でもないし、打ったにしては小さすぎる。
きーさんは疑問を持った。
:06/09/07 01:40 :W41S :rKVp2pas
#453 [ザセツポンジュ]
「あ、これ…は…そうなのちょっと打っちゃって。ヘヘへ。」
きららちゃんが気まずそうに笑った。
きーさんはそれ以上は聞かなかった。
「空ちゃんチュウは?」
「きゃー!すーさん恥ずかしいから二人きりのところで…ね?」
すーさんは目をつぶっているが
空ちゃんは完全に
引いていた。
顔のひきつりなんて尋常じゃない。
:06/09/07 01:45 :W41S :rKVp2pas
#454 [ザセツポンジュ]
今宵楽しい一時を過ごしたすーさんは
満足そうな笑みを浮かべ
「ペケ。」
ボーイにチェックを言い渡した。
帰りのタクシーの中ですーさんは恒例の過去の栄光について
語った
「ワシだって昔はすごかったんじゃよ。月曜日にゃ抱いてオーラを放つ女子が家を押し掛け、火曜日にゃこの街一番のかわいこちゃんと手を繋ぎハニカミデートで水曜日にゃ…」
(あの手のあざはどうやったらできるんだ…う〜ん…)
きーさんは聞き飽きたすーさんの自慢話をよそにきららちゃんの手のあざの事で頭がいっぱいだった。
:06/09/07 01:54 :W41S :rKVp2pas
#455 [ザセツポンジュ]
「あ、すいませんここでワシは降りますので。すーさん。お先に失礼おやすみよ。」
「はぁい、パイパーイ。」
きーさんは決してすーさんと家が隣ですと運転手に教えない。
すーさんは運転手に散々右だの左だの言いながら自慢話を繰り返し話し、運転手に完全に嫌われたところで気がすみ、きーさんをおろした同じところにまた止まる。
「はぁいおやすみよ〜。」
すーさんは死にたくないためか急な階段を登らず、リビングで夢の中に入った。
:06/09/07 01:59 :W41S :rKVp2pas
#456 [ザセツポンジュ]
いつもならすーさんが家路につく頃には
いい夢を見ているきーさんも今日ばかりは
部屋で考え事をしていた。
(手の甲を怪我する方法……きららちゃんはストーカーに狙われていました。裏拳をかわした相手の鼻がさきっちょがやたらとがっていたため、きららちゃんはちょっとしたアザができました……。うん。700%ありえないな。)
きーさんは思考回路をフル回転にさせたが
いつの間にか眠りについたのであった。
:06/09/07 02:05 :W41S :rKVp2pas
#457 [ザセツポンジュ]
翌日━。
きーさんはいつも通りに目が覚めた。
そしてカーテンを開け
窓を開けた。
「冷えるな朝は…。」
空気を吸い込み、すーさんの部屋を見た。
すーさんの部屋のカーテンが
もぞもぞしている。
ガラガラ━。
「わ!ゎゎゎゎゎ!」
:06/09/10 01:22 :W41S :sOXotDB6
#458 [ザセツポンジュ]
「すーさん。ワシは長年連れそった友人だよ。そんな化け物を見るような目で見つめるんじゃないよ。」
すーさんは汚い顔をくしゃくしゃにして
大きなあくびをした。
「やぁやぁきーさん。おはよう。目が覚めるのが同時なんて珍しい事だ。#7791カフェのみーちゃんにでも会いに行かないかね?」
:06/09/10 01:25 :W41S :sOXotDB6
#459 [ザセツポンジュ]
きーさんは、大きくうなずいて、顔を洗いに下へと降りて行った。
昨日の夜から考えているきららちゃんの手の甲のあざ━。
きーさんは顔を洗いながらも
難しそうな顔で
考えていた。
:06/09/10 01:27 :W41S :sOXotDB6
#460 [ザセツポンジュ]
「小夜子ストロベリーふたつ」
「みーちゃん、先に梅昆布茶をワシにひとつ。」
今日もかわいくて小さくて色の白いみーちゃんは
「了解生コン☆」
笑顔で言ってくれた。
:06/09/10 01:30 :W41S :sOXotDB6
#461 [ザセツポンジュ]
「なぁきーさん、ワシは悩むよ全く。空ちゃんとみーちゃん。…空ちゃん。みーちゃん…。空ちゃ…」
「すーさん。短刀直入に言うが、お前が選ぶ立場ではないと言う事を頭に入れて置くんだな。62にもなってみっともないぞ。」
きーさんは、窓の外をぼんやり見つめながら難しい顔ですーさんに忠告した。
:06/09/10 01:33 :W41S :sOXotDB6
#462 [ザセツポンジュ]
「きーさん。今日は何を考えているんだ。」
すーさんは少し心配気味にきーさんの眉間のシワの数を数えていた。
「…あのな、すーさ…」
「おまたせしました、梅昆布茶…」
「みーちゃん。みーちゃん。かわいいねぇ。今日も。ウフフフフ。」
すーさんは親友のきーさんの悩み事よりも
一瞬登場する小さくてかわいいみーちゃんの方が大事なのだ。
:06/09/10 01:37 :W41S :sOXotDB6
#463 [ザセツポンジュ]
きーさんは、この隣に生息している老人と、なぜ今日と言う今日まで一緒にいてしまう友達なのか、心底自分を疑った。
「気持ちが悪いぞ、すーさん。そろそろリハビリテーションの時間じゃないのかね?行かなくて大丈夫か。」
「このヴォケ!ワシはどっこも悪くないわ!」
そしてどこも悪くないすーさんは梅昆布茶をすする。
「ぅあちちちち。」
すーさんは猫舌なのだ。
:06/09/10 01:43 :W41S :sOXotDB6
#464 [ザセツポンジュ]
オシボリで口をちょちょいとふいたすーさんは梅昆布茶が冷めるまでの間、タバコを手に取り火をつけた。
「なぁ。すーさん。手の甲に小さいアザをつくるにはどうしたらいいのかね。」
すーさんはきーさんの顔を3秒ほど見つめ、自分の手に持っているタバコときーさんの顔を交互に見て
決心したかのように
きーさんの手の甲に
タバコの火を近づけた。
:06/09/10 01:48 :W41S :sOXotDB6
#465 [ザセツポンジュ]
「いやいやいやいやいや。君は間違っているよ。テストなら0点より下だ、すーさん。」
きーさんはさっと手を後ろにしまった。
「きーさん。あんた何がしたいんだね。」
「質問を変えよう。ここに小さなアザがポツポツと出来ている子がいたんだが、何をして出来たのだと思う?」
きーさんは昨日きららちゃんが手の甲に小さいアザを作っていたところを指差した。
:06/09/10 01:53 :W41S :sOXotDB6
#466 [ザセツポンジュ]
すーさんは自分の手の甲を見つめ
真剣な眼差しになり
あまり息をしなくなった。
集中しているすーさんは、あまり呼吸をしない。
きーさんはこのすーさんが大好きだ。
:06/09/10 01:54 :W41S :sOXotDB6
#467 [ザセツポンジュ]
「ウォ━━━━!!!!」
すーさんは立ち上がり
拳をそのままパックリ口の中に入れた。
「すーさん、すーさん。ワシが悪かったよ。質問が難し過ぎた。ごめんよ。パニックになるなすーさん。なんなら死んでくれ」
すーさんはスッポリ口の中に入ってしまった拳を、取り出して
そのままきーさんを殴った。
「どさくさにまぎれて死ねとは何だお前!」
きーさんの頭の上にはもはやヒヨコがピヨピヨ飛んでいる。
:06/09/10 01:58 :W41S :sOXotDB6
#468 [ザセツポンジュ]
「お待たせしました………小夜子ストロベリーで……」
みーちゃんは気まずそうに小夜子を静かに置き去りにしてカウンターへ逃げてしまった。
きーさんを殴って気が済んだすーさんは
もうぬるくなった梅昆布茶で喉を潤した。
「きーさんよ。何をしようとしているんだね次は。」
:06/09/10 02:03 :W41S :sOXotDB6
#469 [ザセツポンジュ]
ヒヨコがどこかへ去るのを見届けたきーさんがようやく戻ってきた。
「すーさん。もういい。アザの正体が分かってから話すよ。」
きーさんはパクリと一口小夜子を食べた。
:06/09/10 02:07 :W41S :sOXotDB6
#470 [ザセツポンジュ]
「甘いなぁ。ワシはこんなにも甘い恋心を一体何度抱いた事があるのだろうか…」
ヒヨコを飛ばしていたきーさんもこのセリフだけは欠かした事がない。
きーさんの考え事は続いた。
:06/09/10 02:11 :W41S :sOXotDB6
#471 [ザセツポンジュ]
━━
困った祖父を持ってしまった14歳の少年達も同じ日の夕方《エリアカフェ #7791》に来ていた。
「なぁかわいぃかわいぃちーちゃんよ。今月のクーポンもう来てる?」
ちーちゃんは手元にあったクーポン雑誌を
トミーに手渡した。
「これ今月の。お待たせしました小夜子ストロベリーです。」
トミーはクーポンと黄色いノートを小夜子ストロベリーのサイドに起き、めまぐるしく目の玉を動かしていた。
:06/09/11 19:41 :W41S :szQEfsT2
#472 [ザセツポンジュ]
「トミー…物色するか探すか食べるかどれかにしなよ。欲張りな男だな。それにしても今日は小夜子ストロベリーを食べるなんて珍しいね。」
そう言ってジョウはいつものお約束、小夜子ストロベリー食べた。
「だってこのクーポンで安くなるんだもん。」
トミーはクーポン雑誌からエリアカフェの欄を見つけ、
小夜子ストロベリー100円引きと書いているところの点線をやぶった。
「……なんで小夜子好きのボクに今までそれを教えてくれなかったの?」
:06/09/11 19:48 :W41S :szQEfsT2
#473 [ザセツポンジュ]
ジョウはクーポン雑誌にあまり興味がなかったためそんな事実がある事ですら把握できていなかった。
一方トミーは、いち早くトレンドのものを脳みその引き出しに入れておきたいがために、毎月必死に要チェックをしている。
安くなるなら一回くらい食べて見てやってもいいだろうと考えたのだろう。
:06/09/11 19:51 :W41S :szQEfsT2
#474 [ザセツポンジュ]
「お前な、自分が好きなものなら自分の力で手に入れろ。人の情報をあてにするんじゃないよ………ん?」
トミーはスプーンをくわえたまんまクーポン雑誌の一部分に眉をひそめ目を落とした。
そんなトミーの様子を見たジョウも
クーポン雑誌をのぞきこんだ。
:06/09/11 19:54 :W41S :szQEfsT2
#475 [ザセツポンジュ]
「エノシタさんじゃない!?」
ジョウはびっくりして少し声のボリュームをあげてしまった。
古着屋ミッシェルの上にある美容室の割引き券にエノシタさんが映っているのである。
トミーはジョウの顔とクーポン雑誌を交互に見た。
「お前やっぱエノシタさんが好きなんじゃん。俺はこっちを見ていたんだよ。」
トミーの指差した欄には美容室のコーナーではなく隣のページの
《新規OPEN★ホテルミラクル。休憩1000円割引き!宿泊半額★先着5名様》
新しく近所にできたラブホテルの欄だった。
:06/09/11 20:04 :W41S :szQEfsT2
#476 [ザセツポンジュ]
「違います。ボクはエノシタさんに気付いただけです。」
ジョウはやたらキョロキョロしながら弁解をした。
「ジョウジロウちゃん。君は、ウソをついたり怒ったりすると丁寧語になるクセがある。」
トミーは意地悪な笑みを浮かべた。
「……怒っている方です。」
ジョウは小夜子をほうばった。
「そうか、そうか。」
トミーも、今日はジョウと同じ甘い甘い小夜子を食べた。
:06/09/11 20:14 :W41S :szQEfsT2
#477 [ザセツポンジュ]
━木田家。
「トミオ。座りなさい。」
トミーは家に帰るなり、真剣な瞳で玄関にたたずむ我が祖父に素直に従った。
「なんだ、今日は。」
トミーは玄関に座った。
「立て。」
「え!?」
真剣な瞳が気色の悪い我が祖父を2度見した。
「じぃちゃんの部屋に来なさい。」
きーさんはそう言い残して自分の部屋へと移動した。
(なぜ一度座らせる必要があるんだ…あのクソジジイ。)
:06/09/11 20:23 :W41S :szQEfsT2
#478 [ザセツポンジュ]
きーさんは部屋で仁王立ちで偉そうにかまえていた。
「じぃちゃん…何がしたいんだ。」
「決闘だ。」
「……どうしてだ。」
「…すーさんが腹立つ行動ばっかりするからだ。」
「おい、すーさんを直接殴ればいいんじゃないのか、それ。」
:06/09/11 20:31 :W41S :szQEfsT2
#479 [ザセツポンジュ]
「いいかトミオ。じぃちゃんのココ。拳の下にちっちゃいアザを作るような攻撃をくわえる事だけを考えろ」
「じいちゃん。俺は110を押した方がいいのか?おかしいぞ。」
「つべこべ言わずファイ!!」
きーさんはトミーに飛びついた。
:06/09/11 20:37 :W41S :szQEfsT2
#480 [ザセツポンジュ]
「気持ちが悪いぞ!コノヤロウ!」
トミーはきーさんを殺さない程度に叩きまくった。
「トミオちゃ〜ん」
きーさんはトミーの顔をベタベタ触りチューを試みた。
「死ねジジイ!」
トミーは、きーさんの手を思いきり噛んだ。
「イッチチチチチチ!」
きーさんは目をつぶり手を押さえた。
:06/09/11 20:42 :W41S :szQEfsT2
#481 [ザセツポンジュ]
その時だった。
きーさんの脳内の小さい引き出しが全て開放されたのだ。
気が狂って、拳をまるまま口に入れたすーさん。
気持ち悪さに抵抗して思いきり噛みついた
我が孫、トミー。
共通点は歯形。
女の子がキレイな自分の手を口の中に入れる━━。
「ハッッッ!!分かったぞトミオ!!」
ゴツン━。
きーさんは嬉しさついでにトミーにゲンコツをくらわした。
「くぅ……ぅぅ。」
きーさんのゲンコツは痛いのだ。
:06/09/11 20:48 :W41S :szQEfsT2
#482 [ザセツポンジュ]
「鈴木ヒト━━━━━━シ!!!!」
トミーは、たまらず隣の家のエロジジイに叫んだ。
「こんのクソガキやっかましぃわ!!!!62歳のジジイだと思ってなめるんじゃないよ!!!今大事なビデオを観賞中なんじゃ!!!!次叫んだら売り飛ばすぞこのボケタレ!!!」
ピシャン━。
すーさんは窓の鍵をしめてカーテンをきっちりとしめ電気を消したた。
「ムフフフ…」
「わぁ〜〜ん。」
トミーの両目から涙がちょちょぎれた。
やっぱりきーさんのゲンコツはとっても痛いのだ。
:06/09/12 00:18 :W41S :x4l6J1Kg
#483 [ザセツポンジュ]
━━季節は冬になった。
寒い寒い
冬になった。
ジョウはまだストラップを渡せずにいた。
生徒会役員が集まる生徒会室にエノシタさんはいつもいた。
用事以外何にも話せないジョウがいた。
それとは逆にかわいくなったエノシタさんとも、他の女子ともわけへだてなく楽しそうに話しているトミーがいた。
:06/09/12 00:30 :W41S :x4l6J1Kg
#484 [ザセツポンジュ]
ジョウは、いつもいつもエノシタさんだけを見ていたのだ。
だけれども、やっと気付いた。
自分の大好きな人の大好きな人は
イヤでも分かってしまうものなのだ。
(エノシタさん…いつもいつもトミーを見てる。ボクはエノシタさんをいつもいつも見てるから、よく分かってしまうよ。)
:06/09/12 00:34 :W41S :x4l6J1Kg
#485 [ザセツポンジュ]
「おーぃ。ジョウジロウちゃん。何考えてんだ帰るぞ。」
ボケーっと夕焼けを見つめ、心を切なくさせていたジョウジロウちゃん。
心をしめつけられるような、泣きたくなるような、もどかしい気持ちが全身をかけめぐっていた。
「ん?うん…そうだね。」
トミーは、遠い目をしたジョウを少し見ていた。
「…どの辺を見てるんだ。」
「ボクの心の中を見ているんだよ。トミー。」
:06/09/12 05:01 :W41S :x4l6J1Kg
#486 [ザセツポンジュ]
ジョウは白く淡いため息をついた。
そして少しくしゃくしゃになってしまって、渡せないまんまのストラップはポケットの中で冬眠している。
「……ジョウ。」
トミーは眉をひそめてジョウの顔を覗き込んだ。
「ん?」
「気持ち悪いぞ。詩人にでもなりたいのか。」
「……。それもいいね」
:06/09/12 05:09 :W41S :x4l6J1Kg
#487 [ザセツポンジュ]
ジョウは特に言い返す力もなく、カバンを背負った。
「トミー。おうちへ帰ろうか。ボクは早く帰りたいよ。」
「お前変だぞ。変態だ。早く帰りたいのにも関わらず、1時間も夕日を眺めたお前は異常だ。ワガママだな。俺は待ってたんだぞ。」
「ごめんごめん。」
:06/09/12 05:13 :W41S :x4l6J1Kg
#488 [ザセツポンジュ]
トミーは前を歩いた。
日が暮れて、薄暗い道を二人は1列になって歩いていた。
「なぁ。」
「うん。」
最初に口を開いたのはトミーだった。
「具合悪いのか?ジョウジロウちゃん」
体操服を蹴りながら、ぶっきらぼうに前を歩くトミー。
ジョウは少し小走りしてトミーの横に並んだ。
「健康だよボクは。」
「そっか。ならいいんだよ。」
:06/09/12 05:22 :W41S :x4l6J1Kg
#489 [ザセツポンジュ]
トミーはもう何にも言わず、体操服を蹴りながら、ぎこちない鼻歌を歌って歩いた。
ジョウは複雑な気持ちを重たいカバンの中に詰め込んで歩いた。
「ジョウ。また明日な。」
「うん。バイバイ、トミー。」
:06/09/12 05:28 :W41S :x4l6J1Kg
#490 [ザセツポンジュ]
コトッッ━━。
コトッッ━━。
コトッッ━━。
翌朝、ジョウはいつもより早く目が覚めた。
(じぃちゃん、こんな朝からどこ行くんだろう…。ぅぅ…寒い…。)
ジョウは布団にくるまった。
今日はいつもより冷えているらしい。
ジョウの部屋のテレビがそう言っている。
:06/09/12 05:35 :W41S :x4l6J1Kg
#491 [ザセツポンジュ]
ジョウはバサっと起き上がり支度を始めた。
こんな早くから支度をしたって、トミーが迎えに来るにはまだまだ時間がある。
ジョウは顔を洗い、制服を来てマフラーを巻き、重たいカバンを背負い、支度をすまして家を出た。
(トミー。今日は先に行くよ。)
ジョウは、隣のトミーの家を少し見つめて歩き出した。
白い息。
冷たい風。
赤い鼻先。
ジョウだけが知っている気持ち。
今日は一段と冷えているからだろうか。
歯をくいしばって
涙が込み上がってこないように
ジョウは歩いた。
:06/09/12 05:47 :W41S :x4l6J1Kg
#492 [ザセツポンジュ]
「あんた。おばちゃんに会いたいからってこんな早い時間に来て、一体何をしでかすつもりなのよ。スケベね。」
用務員のおばちゃんが教師用の玄関を掃き掃除しながら、一番のりしたジョウをお出迎えしてくれた。
「おはようおばちゃん。朝から言ってくれるじゃない。疲れるよボク。」
ジョウはおばちゃんに愛想笑いをして
生徒用の玄関の扉を引いた。
「ん!?」
:06/09/12 05:59 :W41S :x4l6J1Kg
#493 [ザセツポンジュ]
くしゃくしゃに丸まった紙くずが
3年のクツバコから
何個も転がっている。
ジョウはしゃがんで
至近距離で紙くずを見つめた。
(……あれ?これクーポン雑誌?)
トミーが毎月エリアカフェで見ているクーポン雑誌が散らばっている…。
首をかしげながらジョウはくしゃくしゃに丸まった紙を広げた。
「え……。」
そしてまだ転がっている丸まったクーポンをひとつひとつ広げていった。
(…なんだ。…なんでだ……。)
:06/09/12 06:10 :W41S :x4l6J1Kg
#494 [ザセツポンジュ]
その紙くず達をたどって行く━。
顔をあげたジョウは
愕然とし、地べたに座りこんだ。
━━━榎下━━
くしゃくしゃにまるまった紙くずが
ぎゅうぎゅうに押し込まれて、こぼれ落ちてしまうほどのこのクツバコは
紛れもなくエノシタさんのクツバコだった。
:06/09/12 06:14 :W41S :x4l6J1Kg
#495 [ザセツポンジュ]
カサッッ━━。
涙のようにひとつぶ
、エノシタさんのクツバコからこぼれ落ちた
紙くずを
ジョウは、拾って
ゆっくりと恐る恐る広げた。
《調子乗んな!ブサイク、死ね!》
エノシタさんが美容院のカットモデルをして、ニッコリ笑った顔と一緒にクーポン券になってから2ヶ月たっている。
今月のクーポン雑誌も、変わらずエノシタさんの笑顔と一緒にクーポン券は発行されているのだ。
鋭い言葉を殴り書きされ、顔には落書き━。
:06/09/12 06:38 :W41S :x4l6J1Kg
#496 [ザセツポンジュ]
ジョウは
心臓にコンパスをぶっ刺したかのような痛みを
押さえて
クーポン券の紙くずを全部ゴミ箱に入れて
焼却炉へと走った。
:06/09/12 06:41 :W41S :x4l6J1Kg
#497 [なちゅき]
:06/09/14 18:59 :N701i :eymO6fNw
#498 [きーさん]
なちゅきちゃん☆
ありがとぉ
(o`∀´o)
ワシゎ嬉しいよ!
:06/09/14 22:45 :W41S :n3DJ4syY
#499 [ザセツポンジュ]
ジョウが胸を痛めていた早朝、きーさんとすーさんは#7791カフェにいた。
「小夜子ストロベリーをふたつ。」
きーさんは、注文したあと、すーさんがみーちゃん話しかける暇もなく大量の資料をバシっと机の上に置いた。
:06/09/14 22:49 :W41S :n3DJ4syY
#500 [ザセツポンジュ]
「…うん。きーさん。文字のおけいこにドリルに学級新聞とはなかなか画期的な事業に取り組むみたいだがワシは遠慮するぞ。」
すーさんはしかめっ面できーさんを睨んだ。
「ワシは62だぞ。そんな宿題やってられるかこのクソジジイ。イカレポンチ。きもエロス。」
きーさんはいつになく真剣だった。
:06/09/14 22:56 :W41S :n3DJ4syY
#501 [ザセツポンジュ]
「きーさん。今回は何をするつもりだ。」
すーさんはため息をつきいやいや質問した。
きーさんは資料の一番上のプリントを取り、すーさんの目の前に差し出した。
「今回ワシらが取り組むのは…」
すーさんはハテナをいっぱい並べプリントを眺めた。
「THE、摂食障害?」
すーさんはそのタイトルを読み終えると席を立った。
:06/09/14 23:00 :W41S :n3DJ4syY
#502 [ザセツポンジュ]
「おい!すーさん!どこへ行く!」
きーさんはケンカして家を出ていく彼女を止めるかのようにすーさんの手をつかんだ。
「やってられないわよ!こんな事!横文字から始まり漢字が4つも並んであたいにできるわけないじゃないの!」
「朝からみっともないコントはやめてくれ。疲れるぞ。」
きーさんはすーさんの手を引き、七夕の席へ再び座らせた。
:06/09/14 23:05 :W41S :n3DJ4syY
#503 [ザセツポンジュ]
「お待たせしました。小夜子ストロベリーと、梅昆布茶…は、こちらのサービスです。」
状況を見ていたみーちゃんはいつになくかたい表情の真剣なきーさんに察して、すーさんの機嫌をとるために気を使ってくれた。
「みーちゃん!あぁ、みーちゃん!…みーちゃんがあと30歳、年をとっていたらワシは間違いなくプロポーズしていたよ…」
すーさんは目に涙を浮かべた。
自分がどれだけえらいのか分かねるが条件をはきちがえているのを今回は目をつぶってあげようではないか。
きーさんは真剣なのだ。
:06/09/14 23:11 :W41S :n3DJ4syY
#504 [ザセツポンジュ]
「お前きららちゃん分かるだろ?」
あんだけ溺愛している空ちゃんの店にいるきららちゃんを覚えないわけがない。
「あー。きららちゃんね。ちょっとポッチャリのね。」
すーさんは得意気だ。女の子の事ならこの鈴木ヒトシ(62)にまかしておけ。
きーさんはきららちゃんを思い浮かべ首をかしげた。
「きららちゃんポッチャリか?ワシはあれくらいが健康的でいいと思うけどもな。」
:06/09/14 23:16 :W41S :n3DJ4syY
#505 [ザセツポンジュ]
「きーさん。最近の子は痩せてないと気が済まないんじゃよ。」
きーさんはすーさんが最近の女の子に詳しい事にホッとした。
そうだ、すーさんは女の子の授業なら得意中の得意だ。
:06/09/14 23:19 :W41S :n3DJ4syY
#506 [ザセツポンジュ]
「じゃあ摂食障害も難しい話ではないよ、すーさん。」
きーさんは資料を手に取った。
「みーちゃん、みーちゃん。フーフーして、これ、フーフー。ウヒヒヒヒ。」
そのまま資料を丸めて思いきりすーさんを何度も殴った。
「すまん!すまんこすまん!悪かった、悪かった!」
きーさんはせきばらいをして説明を開始した。
:06/09/14 23:24 :W41S :n3DJ4syY
#507 [ザセツポンジュ]
「先月すーさんと空ちゃんとこに飲みに行ったが、お前は気持ち悪く酔っ払っていたな。」
「あぁ、そうだな…ズズ…ん〜やっぱ梅昆布茶だな時代は。……おい、気持ち悪いって何だ!」
「それでだ、すーさん。そのきららちゃんの手の甲に吐きダコがあるのを発見したのだ。」
「タコねぇ。」
すーさんは手の甲にタコが並んで宝塚ばりのダンスをする光景を想像していた。
:06/09/14 23:29 :W41S :n3DJ4syY
#508 [ザセツポンジュ]
「…いいか。摂食障害とは食って吐いたり、何にも食べなかったり、食べたものを飲み込まずに噛んだだけで口から出したり、まぁその他いろいろあるが得に女子に多いらしい。意味分かるか?」
「わかっとるわ!要するに、きららちゃんは一回食って吐くんだろ。そんで手にタコができたんだろう?その話題ワイドショーで見たんじゃよ。きーさん、助ける気か?無謀だぞ。同棲しているわけでもないのに見張ってられるか!バカタレ!」
すーさんは以外にも、ごもっともな意見をきーさんにプレゼントした。
:06/09/14 23:35 :W41S :n3DJ4syY
#509 [ザセツポンジュ]
「…ん〜……ん?すーさん、エノシタさんじゃ!」
きーさんはふと目を窓の外に向けてエノシタさんの姿をたまたま発見した。
すーさんも前のめりになってエノシタさんを見た。
「なんか悲しそうに歩いてるなぁ…。あぁ、もとからか。」
「……いや、なんかあったはずだよ。」
エノシタさんが通り過ぎた後、きーさんは本題に戻した。
:06/09/14 23:40 :W41S :n3DJ4syY
#510 [ザセツポンジュ]
「無謀だが…。すーさん。ワシはやってみたいのだよ。コミカルに。」
すーさんは、きーさんもまだ口につけていない小夜子ストロベリーをパクパク口に入れた。
「きーさん。ミュージカルでもないのにコミカルに進むわけないだろうよ。だいたい、お前が思いつくネタは、昔からくだらん事だったろう。ティッシュを丸めてくしゃみ選手権とか見知らぬ人にカンチョーして怒らせよう大作戦とか、チョークで勝手に道路に事故現場をかいてみたりだとか……最近意味のある事をしすぎだ。」
:06/09/14 23:49 :W41S :n3DJ4syY
#511 [ザセツポンジュ]
すーさんは小夜子ストロベリーを完食して
汚く甘いゲップをきーさんにお見舞いした。
「やりたくないならいいけどな。まぁきららちゃんと接触する手と言えば、空ちゃんも誘ってダブル同伴と言う手も…」
「やる!乗ったその話!やろうじゃないか!頑張ろうきーさん!」
きーさんはこの言葉を聞いてやっと小夜子を口に運ぶ事ができた。
「甘い。ワシはこんなにも甘い恋心を何度抱いた事があるのだろうか。」
きーさんとすーさんの作戦は徐々に進んで行く。
:06/09/14 23:53 :W41S :n3DJ4syY
#512 [ザセツポンジュ]
きーさんとすーさんが作戦会議中、ジョウは教室に向かわず生徒会室に一人たたずんでいた。
(ボクは何にもできないまんまなのだろうか…いくじなしだな。)
焼却炉から戻ったジョウはクツバコに戻って3年生のクツバコ全部見回した。
こんな早い時間に学校に来るヤツなんていない。
なのに、
―榎下
―石崎
―山田
この3人のクツだけウワバキと交換されていた。
それを見たジョウは
たまらなくなり階段を登り生徒会室の扉を開けたのだった。
:06/09/15 00:01 :W41S :UyYQsWkM
#513 [ザセツポンジュ]
そして、コの字に並べられた机のジョウがいつも座る席に静かに座って頬づえをついた。
(エノシタさんが載ったクーポンが発行されたのは2ヶ月前。いつからあんな事されていたんだろう…)
ジョウの記憶につめこまれたエノシタさんがゆっくりゆっくりかけめぐる。
:06/09/15 00:06 :W41S :UyYQsWkM
#514 [ザセツポンジュ]
―ボクはいつもここに座っていて
エノシタさんを眺めている。
エノシタさんは、みんなに同じように話しかける。
優しいエノシタさん。
そんなエノシタさんは、トミーをよく見てる。
ボクがエノシタさんを眺めているのと、同じ感じでトミーを見ているんだきっと。
ボクには分かってしまった。
エノシタさんは、最近いきなり大変身して可愛くなった。
でも、自惚れているわけでもなく、いつもと変わらないエノシタさんだった。
そんなエノシタさんがボクは好きなんだ。
そして何にもできないボクなんだ。
こんなちっちゃいストラップですらまだポケットの中で眠ったまんま…。
ウジウジしているボクはきっと今、世界で一番いくじなしなんだ。
:06/09/15 00:15 :W41S :UyYQsWkM
#515 [ザセツポンジュ]
ジョウは、頭を机に落として窓の外を見た。
(寒いなぁ、今日は。)
生徒会室で吐く息も白く冷たかった。
まだエノシタさんを好きになる前に、エリアカフェで見かけたエノシタさんのプリクラ―。
それは
《榎下コンビ》
と書かれていて
たいして仲良くもないのに、かわいいエノモトさんの横で、ちっちゃく申し訳なさそうにピースをしていたエノシタさん。
二人は皮肉にも
《榎下》
という読み方の違う二つの漢字に縛られる運命にあった。
:06/09/15 00:21 :W41S :UyYQsWkM
#516 [ザセツポンジュ]
――ガラガラ
ジョウはびっくりして顔を上げた。
「…おはようジョウくん。……どうしたの?」
悲しそうな顔を無理矢理くしゃくしゃにして笑う女の子。
ジョウはベタに目をこすった。
「…おはよう。エノシタさんこそどうしたの?」
エノシタさんはいつも座る席に座った。
「…忘れものしちゃって。」
机の中をウソっぽく探すエノシタさん。
ジョウはエノシタさんに近付いた。
:06/09/15 00:26 :W41S :UyYQsWkM
#517 [ザセツポンジュ]
そしてエノシタさんの隣に座った。
エノシタさんは手を止めた。
「あのねエノシタさんは榎下さんじゃなくてもエノシタさんなんだよ。」
「……ジョウくん。朝だからかもしれないけど全く意味が分からないわ。」
サムく寒い空気だけが二人を包んだ。
:06/09/15 00:29 :W41S :UyYQsWkM
#518 [ザセツポンジュ]
「……エノシタさんが卒業するくらいには意味が分かるよきっと。…ハハ。」
ジョウは苦笑いを浮かべた。
そしてこう続けた。
「エノシタさんは、悲しい時は泣くの?」
「…泣かないかな。我慢しちゃうかも。」
(きーさん。きーさんが昔言っていた言葉を借りるよ。)
「…あのね、泣かないのが強いんじゃないんだよ。泣けない弱さがきっとエノシタさんの中で酒でも飲んだくれて暴れているんだ。」
:06/09/15 00:38 :W41S :UyYQsWkM
#519 [ザセツポンジュ]
「ボクは、そんなことで泣いちゃいけないよなんて言わないよ。我慢して悲しい顔を無理矢理笑った顔に変えるくらいなら汚い顔で子供みたいに泣いてくれた方がいい。」
ジョウは、ポケットに手を突っ込んでストラップを握りしめた。
「ジョウくん優しいね。何を知ってるの?」
エノシタさんは泣かない。
「ボクさ、こないだ福岡に旅行に行ったんだけど、お土産!」
ジョウは眠っていたストラップを叩き起こした。
「わぁ!かわいい!ありがとうジョウくん」
満面の笑みでエノシタさんは笑ってくれた。
:06/09/15 00:43 :W41S :UyYQsWkM
#520 [ザセツポンジュ]
キーンコーンカーンコーン
「ジョウジロウちゃんめ!ちゃんと来てんじゃんかよ!」
トミーは一人ジョウのクツバコに突っ込んだ。
:06/09/15 00:45 :W41S :UyYQsWkM
#521 [ザセツポンジュ]
チャイムが鳴り、ジョウもエノシタさんも教室へ戻った。
「ジョ―ウジロ―ウ!!」
ジョウを見つけ廊下を走るトミー。
そのまんま飛び蹴りをかました。
「イタタタ…」
そして胸ぐらをつかんだ。
「お前何で一言もなしに先に行くんだよ!」
「…早く目が覚めたんだよ、ごめんトミー。」
ジョウは背中を押さえて申し訳なさそうにトミーに謝った。
「何にも言わずに俺を置いて行かないでくれよ。心配するだろ」
:06/09/15 00:53 :W41S :UyYQsWkM
#522 [ザセツポンジュ]
そしてトミーは教室へ入って行った。
ナニモイワズニ
オレヲオイテイカナイデ…
ジョウは我れに返り
トミーを追い掛けた。
「トミー!今日エリアカフェの梅昆布茶一緒に飲もうよ!」
「ん?あぁ。」
トミーはニッコリ笑った。
:06/09/15 00:56 :W41S :UyYQsWkM
#523 [ザセツポンジュ]
(ρ_―)o
……(-_-)zzz。
:06/09/15 01:05 :W41S :UyYQsWkM
#524 [なちゅき]
さっそく更新ぅれしすぎっ(>v<)
主サマ大好きです
:06/09/15 06:17 :N701i :/ejAqkes
#525 [ザセツポンジュ]
ブハッ(◎o◎)←鼻血
なちゅきちゃん嬉しすぎ!!!!!
:06/09/15 11:29 :W41S :UyYQsWkM
#526 [なちゅき]
鼻血て!ワラ
主さん男の人ですか??
って小説と関係なぃこと聞いてごめんなさぃm(__)m
でもほんとに小説もこんな小説がかける主さんも大好きです☆☆☆
:06/09/15 18:08 :N701i :/ejAqkes
#527 [我輩は匿名である]
いつも楽しく読ませていただいてます。
更新待ってるのでがんばってください。
:06/09/18 21:07 :P902iS :VMM1CblQ
#528 [なちゅき]
ぁげとくっ
<<1-200
<<201-400
<<401-600
<<601-800
<<801-1000
<<601-700
できたかなっ
:06/09/20 18:06 :N701i :o.ro.mLc
#529 [あんちあ]
更新待ってます
:06/09/22 04:22 :D902iS :z5uYLHjI
#530 [主]
:06/09/24 20:31 :F902iS :UnadDWuk
#531 [我輩は匿名である]
↑ハンネみすりました主じゃないです
ごめんなさい
面白いので、毎日更新楽しみにしています
頑張ってください
:06/09/24 20:33 :F902iS :UnadDWuk
#532 [ザセツポンジュ]
うぅ…
ううぅ……
嬉し過ぎるコメントみなさまありがとうございました
(;□;)!!
わたくし自身
今世紀最大にびっくりしている限りです。
これからボチボチですが更新していきますのでなにとぞどうかチラ見してやってください。
んぢゃ更新します★
:06/09/24 22:44 :W41S :kzwoA6xY
#533 [ザセツポンジュ]
「ちーちゃん。明日から俺と付き合ってよ。」
トミーはかわいいチワワのような目でちーちゃんに交際を申し込んだ。
「ご注文は。」
そして19歳のちーちゃんは満面の笑みで
シカトをかましてくれた。
「ちーちゃんとの男女交際。」
この男、めげない負けないくじけない。
行け行けトミオなのである。
「ボク今日は梅昆布茶。あ、二つね。」
ジョウは、エノシタさんと今朝3分ほど話せた興奮がまだ胸にごげついている。
「了解生コン。」
:06/09/24 22:50 :W41S :kzwoA6xY
#534 [ザセツポンジュ]
トミーとジョウは
顔を見合わせた。
「え?きーさんやっぱり流行語大賞とったの?」
「あるわけないだろう。お前バカか。」
「アベシ!!」
ジョウは自分で自分の顔を殴った。
きーさんのたわ言、了解生コンが流行するわけないのだ。
:06/09/24 22:53 :W41S :kzwoA6xY
#535 [ザセツポンジュ]
「ちーちゃん。その了解生コンどこで耳にしたの?」
自分で殴った頬をさすりながらジョウは聞いた。
「ん?うちのおねぇちゃんが家でよく言うの。」
「えぇ!ちーちゃんねぇちゃんがいるのか?かわいいのか!どこで何してるんだ?」
トミーは前のめりになって問いただした。
「トミー。刑事ドラマみたいだよ。落ち着かないか。」
ジョウはトミーのただならぬ興奮を止めてあげた。
「朝、ここで働いてるの。昼の2時からあたしと交代。」
:06/09/24 23:01 :W41S :kzwoA6xY
#536 [ザセツポンジュ]
ちーちゃんはそう言って梅昆布茶を二つ置き
カウンターへ戻った。
「ねぇトミー。前からうちのじぃちゃん朝の7時前にトコトコどっか行ってるんだよ。」
「トコトコ行ってるのか。」
「…うん。でさ、それ週に3回くらいあるんだけど」
「トコトコ出かけるのがか?」
「……そうだよ。トコトコ出かけてるんだよ。朝。」
「アハハハ、トコトコ62にもなったジジイが、どこ行くんだよ、トコトコと!」
トミーはどうやらツボに入っていたらしい。腹を抱えてしばし笑っていた。
「……なんだよ。」
「いやトコトコって言ったお前がかわいかったんだよ。ってゆうかウチのじぃちゃんも朝どっか行ってるよ。」
:06/09/24 23:13 :W41S :kzwoA6xY
#537 [ザセツポンジュ]
ジョウは、ちょっとぬるくなった梅昆布茶をすすった。
「どこ行ってるんだろうね。じぃちゃんと、きーさん。」
「トコトコとどこでかけてるんだろうね。じぃちゃんとすーさん。」
トミーも一口、大好きな梅昆布茶を飲んだ。
変なじぃさんをもった二人の少年は
わざとらしく
上を向いて考えた。
そして顔を見合わせて
笑った。
:06/09/26 04:39 :W41S :dPV7sVoQ
#538 [RiN]
LIつも楽しく見てます
この小説大ファンですう
続き楽しみに待ってます〜(*
∪3u)
+゚
:06/09/28 06:01 :N701i :ODyASExs
#539 [゚∀゚]
:06/09/28 15:17 :D902i :8dxhcM6Q
#540 [ザセツポンジュ]
―
「何やってんだ、すーさん。」
トミーは、部屋でくつろぐ隣の家の老人に
素朴な質問をした。
「トミオちゃん、香水かしてくれ。今ランキング1位のはどれだ。」
優しいトミーはしぶしぶ、去年のランキング1位の香水を手に取り、すーさんの手を持った。
「お前、ホモか!!気軽に手なんか触るんじゃないよ!変態!さっさと貸せ!!」
すーさんは
トミーから去年のランキング1位の香水を
取り上げ体中にしつこくふりまくった。
:06/09/29 08:07 :W41S :hfmCCq3I
#541 [ザセツポンジュ]
「あ〜もぉ〜やると思ったよ!そんなにふりまいたら臭いだろ!」
自分が毎朝、しつこいほどに体中にふりまいている行動は棚にあげて、トミーは鼻をつまんで、手ではらった。
「お?ワシもこれで19くらいになったろう。」
くんくんと全身の匂いをかぎまくり
すーさんは何やら満足そうだ。
:06/09/29 08:11 :W41S :hfmCCq3I
#542 [ザセツポンジュ]
「勘違いもはなはだしいぞ。すーさんそんな香水ふりまいて、どこへ行くつもりなんだい?それとうちのじーちゃんをどこへ隠したの??」
外はものすごく寒いが
この隣のじぃさんの
不釣り合いな香水の匂いと
そして同じ部屋にいる空気を吸わなければいけないくらいならと
歯を食いしばって
窓を開けたトミオちゃん。
:06/09/29 08:15 :W41S :hfmCCq3I
#543 [ザセツポンジュ]
「今日は、空ちゃんとデートなの〜」
トミーは、この、目をパチクリさせている62にもなった
隣のじぃさんに
吐き気をもよおした。
「すーさん…ぉぇ………すーさん。まず、会ってすぐ嫌われるんじゃないのか。」
「な〜ぜだ。お前、あまりバカ気たことを言うんじゃないぞ。死なされるぞ。」
――ガチャ。
「あ〜いい湯だったよ、待たせたねすーさ………ぅぅうっぷ……おぇ……」
ゴツン。
今世紀最大の
思いを込めてきーさんはすーさんに
おもいくそ ゲンコツをくらわした。
:06/09/29 08:22 :W41S :hfmCCq3I
#544 [ザセツポンジュ]
「おい!!お前、なんだその匂いは!!ドリアンか!!!ドリアンか!!!!」
すーさんは、泡をふいて倒れた。
きーさんのゲンコツは
痛いのだ。
:06/09/29 08:25 :W41S :hfmCCq3I
#545 [ザセツポンジュ]
「じぃちゃん、運ぼうよすーさん。」
「そうだな。トミオ。お前は足を持て。」
トミーときーさんの共同作業ですーさんを
ベランダへ放置した。
「今日は寒いな、トミオ。きっちり鍵も閉めとけ。……お〜っと忘れものをしいた。」
きーさんはティッシュを2枚ほど手に取り
再びベランダへ出た。
そして、顔に一枚と
寒さしのぎのために
体に一枚
ティッシュをかぶせた。
:06/09/29 08:30 :W41S :hfmCCq3I
#546 [ザセツポンジュ]
すーさんは
立派に
死人のようになったところを
ニンマリ笑ってきーさんは眺めている
実に満足そうだ。
:06/09/29 08:32 :W41S :hfmCCq3I
#547 [ザセツポンジュ]
「で、じぃちゃんどこ行くの。」
トミーは暖房をつけてコタツにくるまった。
「あ〜。キャバクラだよ。またこれがすーさんが好きでねぇ。どぉにもならんな。」
きーさんは髪の毛を
タオルでわしゃわしゃ拭きながら、口笛を吹いていた。きーさんも心の中ではきららちゃんとご飯を食べに行くのが楽しみなのだ。
「こんなはやい時間から?同伴でもするのか?」
「トミオ。お前14歳のわりには世の中の仕組みを把握しているんだなぁ。正解だ。刺身を食いに行ってくる。」
「え!!あの臭さで女と飯を食うのか!?じぃちゃん、友達だろ、あんなので大丈夫か!?」
:06/09/29 08:41 :W41S :hfmCCq3I
#548 [我輩は匿名である]
:06/09/29 10:54 :P902iS :K9VImiro
#549 [なちゅき]
ぉひさです☆
毎日更新されてるかチェックしてます(o^o^o)
主さんファイトっ
(/≧∀)/
:06/10/04 06:27 :N701i :TB85Eqeo
#550 [ザセツポンジュ]
なちゅきちゃん
ありがとう(^-^)
めっちゃ嬉しいです!
:06/10/05 14:52 :W41S :r9QP06m6
#551 [ザセツポンジュ]
きーさんは
少し、ベランダをすかして
匂いをかいだ。
「……うむ。」
厳重にカギをかけ、
再びカーテンをしめた。
:06/10/05 14:53 :W41S :r9QP06m6
#552 [ザセツポンジュ]
「やっぱりな、飯を食うとなれば、花くさい匂いをプンプンプンプン漂わせていてはダメだよなぁ。」
「じぃちゃん…すーさん着替えさせた方がいいよ。」
トミーはカーテンを1ミリ程度ずらし、このくそ寒い中、ベランダで泡をふいて倒れたすーさんを心配した。
「いや、いいんだよ。このまま放っておけ。ワシの準備が済む頃には匂いも消えているだろう。」
こうして、きーさんの身支度は
着々と進むのであった。
:06/10/05 14:58 :W41S :r9QP06m6
#553 [ザセツポンジュ]
「う〜…きききききき〜さ……ワワワワワ…ワシを…」
ゴツン。
「やかましいわ。身体中の氷が溶けてからしゃべりなさい。」
きーさんとすーさんは
タクシーに乗って
空ちゃんときららちゃんの待つ場所へと向かった。
:06/10/05 15:00 :W41S :r9QP06m6
#554 [ザセツポンジュ]
すーさんの
花臭いドリアン級の香水の匂いは
きーさんの長い身支度の間に
なにぶんやわらいではいたが
きーさんは
鼻にパチンコの玉を
詰めて
すーさんと同じ空気を
吸わないように
つとめた。
:06/10/05 15:03 :W41S :r9QP06m6
#555 [ザセツポンジュ]
すーさんは
鼻水すら凍ってしまった中、ガタガタ震えたままタクシーに
乗り込んだのであった。
空ちゃんの笑顔を
思い出し
心の暖房を
フル活動させて
凍った身体を溶かそうと頑張ってはいるが
なかなか都合のいいようにはいかなかった。
:06/10/05 15:05 :W41S :r9QP06m6
#556 [ザセツポンジュ]
「着いたぞ、降りろ。」
すーさんは
空ちゃんとのいかがわしいイメトレもむなしく
凍ったまんま待ち合わせ場所に
到着してしまった。
「す〜さぁん。……どうしたの!?」
空ちゃんが心配そうに
すーさんを見つめる……
:06/10/05 15:07 :W41S :r9QP06m6
#557 [ザセツポンジュ]
ピキ━━━━━ン!!
パリパリパリ…
「空ちゃあ〜ん!いやぁ今日も可愛いね〜」
鈴木ひとし62歳。
空ちゃんの目から出てきたビームが
自分の瞳に貫通した事により
復活。
すーさんは復活祝いにきーさんに飛びかかった。
:06/10/05 15:10 :W41S :r9QP06m6
#558 [ザセツポンジュ]
「おい!!木田しげる!!お前、つい先ほどまで殺人未遂をしていたのを分かって刺身を食うんだろうな!!えぇ!?」
すーさんはきーさんの胸ぐらをつかみ
つばを飛ばしながら熱弁を続けた。
:06/10/05 15:16 :W41S :r9QP06m6
#559 [ザセツポンジュ]
きららちゃんは
困ったような顔で
すーさんを止めようとあわあわしていたが
空ちゃんは
腹をかかえてあわてていた。
どちらが正しい態度なのかはのかは……決めがたい。
:06/10/05 15:21 :W41S :r9QP06m6
#560 [ザセツポンジュ]
「プェッッウェ…汚いなぁも〜。お前がドリアンのままで刺身を食ったら空ちゃんなんてすぐ死ぬぞ。そうだな。タクシーをおりた時点で死ぬだろう。お前空ちゃんに刺身も食わせんまんま死なせるつもりか?ヒッドイ男だなぁ。おい!空ちゃん。コイツはなぁ、空ちゃ……」
「あわゎゎゎわわ!!んちゅ〜」
すーさんは口封じのために
いきおい余って
きーさんにキスをしてしまった。
ゴツン!
ゴツン
ゴツン!!
:06/10/05 15:24 :W41S :r9QP06m6
#561 [我輩は匿名である]
:06/10/05 21:33 :F902i :eg64K8I.
#562 [ザセツポンジュ]
「くぅ…。」
きーさんゎ泡をふくすーさんを抱きかかえて
空ちゃんときららちゃんを連れて
向かう先
懐石料理屋
《廣六》ひろむ
:06/10/08 16:22 :W41S :dNVPaOkI
#563 [なちゅき]
続きめっちゃ気になりますっ(>_<)
主さんがんばっ
ヾ(ο´▽`ο)ノ
:06/10/11 21:10 :N701i :xupfkEqk
#564 [まみぃ]
主サン
いつもコッソリ見てました
オモシロすぎですッ
待ってるんで、頑張って書いて下さぃねン
:06/10/14 21:07 :P902iS :mWvxHQG.
#565 [我輩は匿名である]
がんばれ
:06/10/20 05:21 :F901iS :mRWsBhI6
#566 [なちゅき]
ブックマークにぃれて毎日チェックしてますょ
頑張って(
≧∀≦
)
:06/10/23 18:15 :N701i :kpMJW.hE
#567 [りな]
書かないの〜??
:06/11/15 22:25 :D902i :7dph4yec
#568 [我輩は匿名である]
:06/11/29 21:40 :F902i :qgs51AKE
#569 [我輩は匿名である]
主って福島出身
:06/11/29 23:48 :F902i :qgs51AKE
#570 [我輩は匿名である]
コノ小説大好きなんだけど…主サンもぉ書かないのかな?
:06/12/28 18:34 :D901iS :dteWK0RA
#571 [すのーまん]
あげとこ
:06/12/29 02:00 :F902iS :XKeNsSsU
#572 [我輩は匿名である]
書いて
:07/02/09 01:22 :F901iS :TRr3q7bw
#573 [我輩は匿名である]
もう終わりですか?
:07/03/18 22:22 :auCA37 :UFktLyvg
#574 [みみ]
:07/03/19 07:36 :P700i :7TMyie7c
#575 [我輩は匿名である]
面白いからあげ
:07/03/26 14:57 :PC :YshYjuXc
#576 [ザセツポンジュ]
携帯変えました。ザセツポンジュです。
いざ復活します…
デュハ!
:07/03/26 22:06 :V703N :PU39XUfg
#577 [ザセツポンジュ]
『やぁ、六さんひさかたぶりだな。こっそりできる席に案内してくれ』
口から流れ出てやまない泡をふくこともせず
すーさんは六さんに挨拶をした。
六さんは、すーさん達のヒーローである。
お墓のお供えものの盗みかた、“遊ぶな危険”の旗がヒラヒラと忠告をする、スリル満点の河で遊ぶ方法…
全て六さんの影響なのだ。
六さんは変わった人で、その河にひそかに住んでいた魚達をこよなく愛し、
懐石料理を営むほどになった。
食の全てを極めた男なのだ。
:07/03/26 22:15 :V703N :PU39XUfg
#578 [ザセツポンジュ]
『床を汚さないでくれ、すーさん。どうしたんだ、その泡は。風呂上がりか?』
そんな心配をしながら
六さんは、きーさん達と美女二人、援助交際にしても不釣り合い過ぎる
以外なメンバーを席へ案内したのだ。
:07/03/26 22:18 :V703N :PU39XUfg
#579 [ザセツポンジュ]
きーさんは席へつくなりメニューを開いた。
『何か決まっているのかい?きーさん。』
六さんは、やさしくきーさんに尋ねた。
『んー。ピザが食べたい。』
『…出てってくれないか。』
六さんの顔はとても優しい。
『まぁ、まずは、魚だな。』
『むしろ魚しかいないがな、うちは。』
そう言って優しい顔でメニューを取り上げた六さんは、
厨房へと消えた。
:07/03/26 22:25 :V703N :PU39XUfg
#580 [みみ]
:07/03/27 00:19 :P700i :r8uKsQZU
#581 [あお]
久々に更新されてて嬉しいです
頑張ってください
:07/03/27 11:54 :P902iS :wS9JTGDU
#582 [ザセツポンジュ]
『うわ〜こんなとこ来たことなぁい!!嬉しい〜!!』
そらちゃんは、ホントに飢えた子供のような演技をかまし、喜んだ。
『ね〜そらちゃん、ね〜いっぱい食べてもいいからね〜。かわいいね〜そらちゃん。』
そんな演技に騙され続けるすーさんは、まだ泡をふいている。
実に不潔だ。
それを見たきーさんは、そらちゃんをかわいそうとも思わず
きららちゃんを連れて
別席へ移動した。
:07/03/27 12:23 :V703N :ZwiEpRVM
#583 [ザセツポンジュ]
『さぁ、きららちゃん。六さんが出す料理はうまいからな。たくさん食べなさい。』
きーさんは、きららちゃんの手の甲に出きた吐きダコをチラリと見た。
『私ホントにこんなちゃんとした懐石料理屋に来た事ないの。すごいんだねきーさん達は。』
きららちゃんは、以外と高そうなつくりの店内を見渡した。
:07/03/28 17:34 :V703N :iX8OBsJU
#584 [ザセツポンジュ]
『まぁ、ただ、とてつもなく暇そうだがな。』
きーさんは小さく呟き、そしてきららちゃんはクスリと笑い
料理ができるまでの時間、しゃべり続けた。
:07/03/28 17:37 :V703N :iX8OBsJU
#585 [ザセツポンジュ]
『ところできららちゃんは、兄弟はいるのかい?』
『妹がいます。』
『ほ〜。年はいくつだね?』
『今、14かな。』
『仲はいいのかい?』
『うん、今は私は一人暮らしで、離れてるけど妹は大好き。すごく可愛いし。』
:07/03/28 17:39 :V703N :iX8OBsJU
#586 [ザセツポンジュ]
妹の話をするきららちゃんの目は少し悲しそうだった。
でもきららちゃんはかわいく笑って話した。
きーさんの尋問は続く。
『妹さんは、きららちゃんと似ているのかい?かわいいだろうね、妹も。』
きららちゃんは困ったように笑う。
『私は、化粧して化粧してこれだもの。妹は生まれた時から目もパッチリして可愛いいのよ。まわりからは、似てない姉妹ねと言われたわ。』
:07/03/28 17:44 :V703N :iX8OBsJU
#587 [ザセツポンジュ]
(さては…きららちゃんのコンプレックスは家族とまわりの評価かな。)
きーさんは、62歳にしては脳細胞を使い、慎重に推理をしていると
新鮮な魚料理を持って六さんが現われた。
:07/03/28 17:47 :V703N :iX8OBsJU
#588 [観客A]
書いてくれ…
:07/04/18 16:42 :F902i :3iAMEUrU
#589 [のん]
まぢファンですっ
続き書いて〜
:07/06/03 07:21 :SH902iS :sOo1Gc4Q
#590 [すのーまん]
懐かしいのが上がってる
:07/06/03 14:47 :F902iS :7OrISBjQ
#591 [もんた]
あげ
:07/06/03 16:50 :SH903i :765.RM.Q
#592 [ザセツポンジュ]
携帯変えました。
何回もすいませんそして気まぐれでソーリー
デュハ!
:07/06/14 17:35 :W51CA :Kkj9ganA
#593 [ザセツポンジュ]
六さんの料理は
色鮮やかで
きーさんやすーさんには似合わず
とても上品で
そして体を壊しようのないバランスの整った料理が並べられた。
:07/06/14 17:36 :W51CA :Kkj9ganA
#594 [ザセツポンジュ]
きーさんは食べる前に
きららちゃんの顔をしっかりと見て口を開いた。
『今日から毎日、ここに来てご飯を食べなさい。』
きららちゃんは
あ然した。
:07/06/14 17:38 :W51CA :Kkj9ganA
#595 [ザセツポンジュ]
そして六さんもあ然とした。
(あぁ…いつもきーさんはムチャクチャ言うな。)
きーさんは六さんにウインクを投げかけた。
六さんはうなずいた。
が、しかし、何の合図かは全く分かっていない。
:07/06/14 17:40 :W51CA :Kkj9ganA
#596 [ザセツポンジュ]
『…きーさん。いきなりどうしたの?毎日食べに来て…どうして?どうなるの?』
きららちゃんは
変態オヤジに犯されるか犯されないか一歩手前かのような
不安そうな表情を見せた。
:07/06/14 17:42 :W51CA :Kkj9ganA
#597 [ザセツポンジュ]
きーさんは
ハシを持った。
そして、六さんの料理を一口食べた。
『うまい。んーうまいんだよ。この人の料理は。そして、いいところでおなかがいっぱいになる魔法もかけられている。要するに、きららちゃんは食べ物に関して何も心配することはないのだよ。たくさん食べ過ぎて泣くコトもなくなるだろう。』
:07/06/14 17:45 :W51CA :Kkj9ganA
#598 [ザセツポンジュ]
きららちゃんは
同じ行為を何度も繰り返して、傷つけてしまった手を下に隠した。
そして涙をためた。
『きららちゃん。六さんは信用してもいい人なんだよ。ワシが随分前から知っている。安心してたくさん食べなさい。お金のコトは何も心配しなくていい。だが、条件がある。ちゃんと毎日ココへ通ってくれるかい?』
言うコトは優しいがバクバクと口へほうばるきーさん。
きららちゃんは戸惑った。
(私がこんなことしてもらっていいのかしら…)
:07/06/14 17:50 :W51CA :Kkj9ganA
#599 [ザセツポンジュ]
きーさんは喉につまらせながら
お茶をすすり、一息ついて落ち着いた。
『ワシは心配なんじゃよ。なーんかな、死ぬコトもあるらしいぞ。摂食障害とかなんとかな。そんでな、家族や周りの徹底した協力が必要なんだよ。』
:07/06/14 17:53 :W51CA :Kkj9ganA
#600 [ザセツポンジュ]
きららちゃんの
いっぱいたまった涙はとうとうこぼれ落ちてしまった。
『世の中に何人おるかは知らん。しかし、見つけてしまってはほっておくわけにはいかん。きららちゃんは家を出たのに今さら家族に頼れるかい?それもちょっと気が引けるだろう。そこはどんと、六さんに頼りなさいよ。とりあえず、1ヶ月だけでも。』
:07/06/14 17:57 :W51CA :Kkj9ganA
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