黒蝶・蜜乙女
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#501 [向日葵]
セツナは噛まれた場所に唇を当てながら服の至る所を擦って洗い流してくれた。

そして残るは……。

セツナ「大丈夫か……?」

気遣わし気に私の肩に手を置く。

大丈夫。だってセツナだもの……。

静かに頷くと、セツナは顔を徐々に近付けて露出されたままだった私の胸元に唇を触れた。

昨日とは違う感覚。
そこが浄化される様に心地いい。

⏰:07/07/25 11:14 📱:SO903i 🆔:0Mc92U2I


#502 [向日葵]
ビクッ!

思わず体を震わせてしまった。
肌にセツナの舌の温度を感じたからだ。

でも気持ち悪くはない。

セツナはゆっくりと首筋まで舌を這わせる。

蜜「……っ。」

背中に感じた事がない感覚が駆け上がる。

セツナ「これで終りか……?」

私はまた静かに頷いた。

蜜「ありがとう…ございます……。」

⏰:07/07/25 11:24 📱:SO903i 🆔:0Mc92U2I


#503 [向日葵]
そこでようやく薄く微笑む事が出来た。

セツナも微笑んだけど、まだ顔は堅かった。
セツナは私の乱れて濡れてしまった服を直してくれた。

セツナ「無事で……良かった……。」

セツナは片方の頬に手を添えた。
この大きな手が私は好き……。私は目を閉じて実感していた。

するとセツナの唇が優しく触れてきた。

予想外だったのでピクッと震えてしまった。
それに気付いたセツナは慌てて唇を離す。

⏰:07/07/25 11:31 📱:SO903i 🆔:0Mc92U2I


#504 [向日葵]
セツナは悲しそうな顔で私の顔を覗き込む。

セツナ「まだ……怖い……?」

蜜「違うんです……。いきなりだったから……。」

そう言うとセツナの顔がホッとしたのが見てとれた。でも再びはしてくれない。

私はセツナのセーターを掴んでぎこちなく唇を重ねた。

蜜「大丈夫です……だから…もっと触れて下さい。」

セツナはびっくりしていた。私だって自然と出てきた自分の言葉に驚いた。

⏰:07/07/25 11:36 📱:SO903i 🆔:0Mc92U2I


#505 [向日葵]
――――――――

キリます

⏰:07/07/25 11:36 📱:SO903i 🆔:0Mc92U2I


#506 [我輩は匿名である]
>>1-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400
>>401-500

⏰:07/07/25 11:46 📱:D902iS 🆔:iCOTgwXQ


#507 [我輩は匿名である]
>>1-30
>>31-60
>>61-90
>>91-120
>>121-150
>>151-180
>>181-210
>>211-240
>>241-270
>>271-300
>>301-330
>>331-360
>>361-390
>>391-420
>>420-450
>>451-480
>>481-510

⏰:07/07/25 16:27 📱:W43CA 🆔:MyaKRIKM


#508 [ゆら]
更新されてるッ
次の更新も
楽しみに待ってます(∀)

⏰:07/07/25 20:15 📱:D903i 🆔:cYpLn/HI


#509 [向日葵]
我輩さん
ゆらさん

ありがとうございました

――――――――

セツナ「馬鹿言うな…。これでも理性で抑えてるんだ。」

湯船から出てセツナはシャワーを止めた。
そのセツナのセーターを掴んで引き留める。

蜜「先生の感触を完璧に取って欲しいんです!」

大・胆・発・言……してしまった。


蜜「や、あの……そーゆー意味ではなくって、あの……っ!」

⏰:07/07/25 23:19 📱:SO903i 🆔:0Mc92U2I


#510 [向日葵]
ジャバー! ピチャピチャ

セツナはずぶ濡れの私を抱え上げ、湯船の淵に座らせた。

セツナ「言い訳無用。止まらなくなっても知らないからな。」

蜜「え……っ!ん……。」

セツナの深いくちづけが始まった。
くらくらして倒れそうな私の体をしっかり支える。

唇は首筋へ。
私は目を瞑って、また這上がるあの感覚に堪えていた。

⏰:07/07/25 23:23 📱:SO903i 🆔:0Mc92U2I


#511 [向日葵]
セツナの手が直したばかりの制服にきた……。

蜜「…っ!!セツナ…っ!待って…」

セツナ「分かってるっつーの。」

セツナは私の鼻をブニッとつねる。
私は何がなんだかさっぱりになってた。

セツナ「ったく。お前が待ったかけなければ最後までいってたぞ。」

蜜「……え。でも、…どうして……。」

セツナ「最後までして欲しいか。」

⏰:07/07/25 23:30 📱:SO903i 🆔:0Mc92U2I


#512 [向日葵]
顔を赤くしながら首を横にゆっくり振った。
そんな私にセツナは「だろ」と言う。

セツナ「まだキスだけで精一杯の奴が生意気言うな。第一犯されそうになった直後に襲うほど俺は落ちぶれては無いぞ。」

少し怒った顔でセツナは私を見つめる。

自分から言ったくせに、セツナに嫌な思いをさせてしまった。

蜜「スイマ……セン。」

セツナ「まったくだ。」

そう言うとセツナはバスタオルを持ってきて私の体を包む。

⏰:07/07/25 23:34 📱:SO903i 🆔:0Mc92U2I


#513 [☆チーター☆]
上げ
今日も頑張って下さいトI

⏰:07/07/26 00:44 📱:auSA3A 🆔:meJCZDCA


#514 [向日葵]
チーターさん

ありがとうございます

――――――――

私は申し訳なくなってうつ向いた。
髪の毛から水滴がポタポタ落ちる。

セツナ「何しょげてる?」

蜜「怖かったけど……嫌ではありませんでしたからね?」

上目使いで言うと、セツナがニカァッと笑って頭をガシガシ拭いてきた。

蜜「わ、わ、わっ!」

セツナ「ホンットお前は可愛くて困る!!」

⏰:07/07/26 01:09 📱:SO903i 🆔:Khd7S3Xo


#515 [向日葵]
そんな笑顔のセツナを前にして心底ホッとした。

セツナはお姫様抱っこで抱き上げて、部屋まで運んでくれた。

セツナ「風邪引くといけない。早く着替えろ。」

蜜「セツナは……?」

セツナ「すまないが、一旦戻る。」


セツナは頭を撫でながら言った。

蜜「はい…。気を付けて……。」

自然と笑う事が出来るのはセツナがすぐに帰ってきてくれると分かっているからだ。

⏰:07/07/26 01:14 📱:SO903i 🆔:Khd7S3Xo


#516 [向日葵]
そんな私を見てセツナはギュッと抱き締めた。

蜜「?……どうしました?」

セツナ「そんな顔されたら帰りたくなくなる。」

蜜「すぐ戻るなら問題ないですよ。さ、早く行って。セツナも風邪ひいちゃいますから。」

無理矢理セツナを離して窓を開けた。

セツナ「……じゃあな。」

と言いながらセツナはおでこに唇を当てた。

そして大きな羽で飛び立った。

良かった。もう大丈夫。
もう二度と不用意に先生の近くには行かない……。

⏰:07/07/26 01:19 📱:SO903i 🆔:Khd7S3Xo


#517 [向日葵]
ふと胸元に手を当てた。

……あの時、先生の舌が肌を辿った時はあんなに気持ち悪かったのに…
セツナが触れたら、なんだかキスしてる時みたいに何も考えられなくなってた……。

蜜[もっと触れて下さい……。]

ボホァ!!
顔から湯気噴射。

私っ……どうしちゃったんだろあの時……っっ!!
なんだか……セツナの手で、指で、唇で……。体の隅々を触れて欲しくなったんだ……。

『私も変態の仲間入り……?』

⏰:07/07/26 01:23 📱:SO903i 🆔:Khd7S3Xo


#518 [向日葵]
「随分といい格好ですわね。」

いきなり声がしたから私は窓の方を見た。

蜜「ルキ。……さん。」

窓枠に美脚を組んでルキが座っていた。

ルキ「まったく残念ですわ。貴方の純潔が奪われればセツナは私の元へ帰ってくると思っていたのに。」

蜜「……。やっぱりセツナを盗られた腹いせに……?」

ルキは窓枠から降りて私の元へ歩いてくる。

黒く短いワンピースと網タイツが美脚をさらに際立たせる。

⏰:07/07/26 01:29 📱:SO903i 🆔:Khd7S3Xo


#519 [向日葵]
ルキ「これで勝ったおつもりかしら?」

蜜「こーゆーのって勝敗で決めるんですか…?」

ルキ「知りませんの?恋は戦争並に激しい者ですのよ?潰れるか…………潰されるか。」

そんな……。
間違ってる。この気持ちを、そんなゲームみたいにしてはいけない……!

蜜「私は超が付くほど恋愛初心者ですけど……ルキさんは間違ってますよ。」

ルキは顔を赤くして綺麗な顔を歪めた。

ルキ「黙れっ!たかが人間の小娘の分際でっ!!」

⏰:07/07/26 01:35 📱:SO903i 🆔:Khd7S3Xo


#520 [向日葵]
びっくりした。
いきなり小娘発言。
人(人か?)は怒ると口調が変わる。

……なんで私こんなに冷静なんだろう。

ルキ「貴方に……私の何かを分かってたまるもんですか!!私は……ずっと…。」

蜜「ルキ…さん……。」

ギンとルキが睨んできた。

ルキ「お前ごときが…私の名を呼ばないで。」

よっぽど嫌われている。
それもそのハズ。見るからにルキは、セツナが……。

⏰:07/07/26 01:40 📱:SO903i 🆔:Khd7S3Xo


#521 [向日葵]
ルキ「これで終わったなんて思わないで。次は……もっと酷い事を」

蜜「待って。」

おかしい…。
この人は黒蝶族のハズ。
ならば何故、蜘蛛族なんかに……。

蜜「貴方は……誰?」

ルキは冷たい目で私を見ると、フッと笑った。

ルキ「黒蝶族よ。何?蜘蛛族と手を組んでおかしいとでも思ってるの?」

私は肯定を無言で返した。それもルキは分かったらしい。

⏰:07/07/26 01:45 📱:SO903i 🆔:Khd7S3Xo


#522 [向日葵]
ルキ「私は許されるの。だって、ターヤは正真正銘、兄なんだもの。」

――――っ!!

蜜「え……。」

ルキ「ではごきげんよう……。」

バサァ……。

ルキは私に衝撃だけを置いて帰ってしまった。

兄?そんな事あり得るの?!だって自然界の法則では絶対あり得ないじゃない…っ!

よく考えれば似てなくもない……。じゃあホントに……?

⏰:07/07/26 01:49 📱:SO903i 🆔:Khd7S3Xo


#523 [向日葵]
――――――――

今日はここまでです

⏰:07/07/26 01:50 📱:SO903i 🆔:Khd7S3Xo


#524 [☆チーター☆]
あげます

⏰:07/07/26 13:28 📱:auSA3A 🆔:meJCZDCA


#525 [向日葵]
チーターさん
ありがとうございました

――――――――

・・・・・・・・・・・

セツナ「ルキとターヤ?」

私はクッションを抱いてベッドに座り、つい先程帰ってきたセツナにさっきの事を聞いた。

蜜「兄弟って…ホントですか?」

セツナ「あぁ…。らしいな。」

セツナは言葉を濁した。
何か触れてはいけない様な……。

⏰:07/07/27 01:18 📱:SO903i 🆔:JoVeGh86


#526 [向日葵]
蜜「聞いては……いけませんか?」

一応了承を得ることにした。
セツナは机に軽く腰かけて足と腕を組むと短く息を吐いた。

セツナ「確かにアイツらは兄弟だ。しかしこれはあまり触れないことになっている。何故だか分かるか?」

分かるハズもない私は首を横に振った。
セツナの目が険を帯びる。

セツナ「あっては駄目なんだ…。黒蝶族と蜘蛛族が恋に落ちるなんて。禁じられている。なのに2人は子供を生んだ。それがルキとターヤだ。」

⏰:07/07/27 01:25 📱:SO903i 🆔:JoVeGh86


#527 [向日葵]
蜜「禁忌を…犯してしまったんですね……。」

セツナは無言で頷く。

セツナ「だからルキは蜘蛛族と何かあっても咎められないし、ターヤを咎めるのも難しいんだ。」

蜜「だから私を……。」

セツナ「何だって?」

蜜「私を閉じ込めたのはルキなんでー…すーって……言いませんでした、っけ?」

見る見る内にセツナの顔が険しくなった。

セツナ「お前…何故それを早く言わなかった。」

⏰:07/07/27 01:30 📱:SO903i 🆔:JoVeGh86


#528 [向日葵]
私はあらぬ方へ視線を泳がせた。

蜜「主犯であるターヤ先生の事で頭が一杯、でし、た…。」

声が最後になるにつれ小さく、そして私自身も小さくなるのが分かる。

セツナ「こ…んの……大馬鹿者ぉっ!!たわけっ!!ド阿呆っ!!」

蜜「セツナ!シーッ!シーッ!」

もうおばあちゃん達が帰って来てるからセツナがいることがバレたら厄介だ。

セツナは机から降りるとツカツカやって来て私の肩を掴む。

⏰:07/07/27 01:35 📱:SO903i 🆔:JoVeGh86


#529 [向日葵]
セツナ「それならそうと早く言え!そうなれば共犯の罪で二人とも咎められやすくなるのに!」

ガクガク揺らされるがまま私は心の中で何度も謝った。
ってかターヤ先生で目一杯だっつったじゃん!!

セツナ「チッ。今から帰って裁判会議にかけてやる。」

蜜「え……。セツナ!」

窓へ向かうセツナの腕を掴んだ。

蜜「そんなのまた今度でいいですよ!」

セツナ「そんなのだと?!お前がそんな目にあって黙ってろと言うのか!!」

⏰:07/07/27 01:41 📱:SO903i 🆔:JoVeGh86


#530 [向日葵]
私はセツナの腕をギュッと抱き締める。

蜜「こんな目にあったから、今はいつもよりも側にいて欲しいんです……。」

セツナが軽く息を飲んだ。それが聞こえたから顔を上げる。

蜜「また襲われても、セツナは助けに来てくれるんですよね?なら、せめて今だけは一緒にいて下さい……。」

セツナは私の掴んでる手をゆっくりほどくと、私を抱き寄せた。

セツナ「そうだな…。今はそれが先決だな。」

⏰:07/07/27 01:45 📱:SO903i 🆔:JoVeGh86


#531 [向日葵]
良かった……。
ホントに今はこれ以上ないほどくっついてたい。
広いセツナの胸に顔を埋めながらそう思った。

セツナ「じゃあ、どれくらい側に寄ったらいいのかな?蜜よ。」

蜜「どれくらい……って……。どれくらい?」

セツナ「こちらが聞いてるんだが?……例えば。」

と言ってセツナはおでこに唇を当てた。
そしてニヤリと笑う。

セツナ「これくらいとか。」

蜜「あー…えー…おー…。」

⏰:07/07/27 01:49 📱:SO903i 🆔:JoVeGh86


#532 [向日葵]
って発生練習か。

蜜「も、ちょっとだけ…。近くがいいです。」

セツナは満足そうに笑うと瞼、頬に唇を触れていった。

さて、ここで少し意地悪を仕掛ける。

蜜「それくらいでいいです。」

と言うとセツナの満足そうな笑みは消え、不満そうに眉を寄せる。

セツナ「ホントに?」

蜜「ホントに。」

するとセツナは唇を指先でなぞった。思わず反応してしまう。

⏰:07/07/27 01:53 📱:SO903i 🆔:JoVeGh86


#533 [向日葵]
セツナ「こんな時……なんだぞ?」

セツナの顔が色っぽく変化する。
声もいつもの倍、魅惑的になる。
つまりこれは私を誘いだそうとしてるのだ。

思わず意地悪を撤回したくなった……。けど負けない!

蜜「今日はいっぱいしました。っと言うよりいつもいっぱいしすぎなんです。今日はこれくらいで充分ですよ。」

セツナは降参しない私に最終手段を使ってきた。

唇を耳元に当てる。

⏰:07/07/27 01:57 📱:SO903i 🆔:JoVeGh86


#534 [向日葵]
吐息が耳の中へ入っていく。
身震いしてしまう。

セツナ「…蜜…。」

ビクンッ!!

そんな魅惑の声をそこで出されては!!
しかも……耳を甘噛みされた。

セツナ「いいのか…?近くに寄らなくて。」

笑みを含む声は魅力を増すばかり。
私は逆らうなんて事が無理だった。

蜜「寄って…下さい…。」

耳元でセツナがクスッと笑って唇を離した。

⏰:07/07/27 02:02 📱:SO903i 🆔:JoVeGh86


#535 [向日葵]
――――――――

今日はここまでにします

⏰:07/07/27 02:02 📱:SO903i 🆔:JoVeGh86


#536 [あいこ]
>>252-300

⏰:07/07/27 02:21 📱:W51S 🆔:sMbp9.CY


#537 [めぃ]
この小説の
虜になりました!!!!
面白スギですっ♪

がんばってください

⏰:07/07/27 02:26 📱:PC 🆔:IhugH03w


#538 [向日葵]
あいこさん
安価ありがとうございました

めぃさん
虜になって頂いてとってもうれしいです

⏰:07/07/27 10:37 📱:SO903i 🆔:JoVeGh86


#539 [☆チーター☆]
あげます~~
書いて下さいト

⏰:07/07/27 12:57 📱:auSA3A 🆔:7ao3XxNI


#540 [向日葵]
チーターさん

ありがとうございます
今から書かせて頂きますね亀でスイマセン

⏰:07/07/27 13:04 📱:SO903i 🆔:JoVeGh86


#541 [向日葵]
セツナ「ククク。どうやら作戦は駄目だったらしいな。お前が俺に勝てるとでも思ったのか?」

蜜「希望は持ってましたよ。悪かったですね。」

セツナはまだおかしそうに笑ってる。
何が可笑しいんだか……。
一頻り笑った所で口に笑みを浮かべたまま、私の顎をクイッと上に上げた。

そしてとろけてしまう様なくちづけをする。

触れた所から私の体が溶けるんではないかとちょっと心配になる。

体が砕けない様に必死にセツナの服を掴む。

⏰:07/07/27 13:10 📱:SO903i 🆔:JoVeGh86


#542 [向日葵]
すると唇が少し動くのが分かった。
どうやら私の様子にまた笑いが込み上げてきたらしい。

意識をはっきり持って無理矢理セツナを離した。

蜜「笑うならもうしなくていいです…。」

セツナ「お前俺が笑ってる訳分かってないだろ。理由はお前が可愛いすぎるからだ。」

聞いてないし……。
ってか可愛いって言い過ぎだし……。

蜜「セツナは少々贔屓(ひいき)目が強いみたいですね。」

⏰:07/07/27 13:13 📱:SO903i 🆔:JoVeGh86


#543 [向日葵]
セツナは呆れて窓によりかかる。

セツナ「気に入ってる奴を贔屓して何が悪い。」

蜜「世間ではそれをよく思わないんですよ。だからルキが怒るんですよ。」

セツナ「知るか。贔屓して欲しいんなら気に入られる努力をするんだな。」

……。
この人の俺様節には無理があるのにどうして勝てないんだろうか……。

どっちか言えば私が正論のハズなんだけどなぁ……。

おばあちゃん「ただいまー。みっちゃぁーん。」

⏰:07/07/27 13:19 📱:SO903i 🆔:JoVeGh86


#544 [向日葵]
おばあちゃんとおじいちゃん帰宅。
私は部屋を出ようとドアへ近づく。

蜜「お帰りなさ…キャッ!!」

ボフッ!

視界が何故か天井。

おばあちゃん「みっちゃん?」

おばあちゃんが階段を上がって私の元へやって来る。起き上がらなきゃ。あとセツナをどこかに……

パチン。

蜜「へ?」

部屋が真っ暗…。

⏰:07/07/27 13:22 📱:SO903i 🆔:JoVeGh86


#545 [向日葵]
トタトタ

おばあちゃんの足音が段々近づく。

バサァッ!

蜜「え?!セツナ?!」

あくまでこれは小声。

いきなり布団の中に私とセツナがいた。
そう。ベッドに引っ張ったのはセツナ本人だ。

セツナ「シッ。バレたらヤバイんだろ?」

セツナは長い人差し指を口元に当てる。

そうじゃなくて!今この状態がヤバイんだって!!

⏰:07/07/27 13:26 📱:SO903i 🆔:JoVeGh86


#546 [向日葵]
トタトタ

私はなんとかしようとジタバタした。
しかし……

蜜「んっ……。」

セツナの唇が重なる。
それで私の体は力が抜けてしまった。

カチャ

『来た―――!』

おばあちゃん「みっちゃん?あれ、寝てるのかしらね。」

布団の中では荒い息が交差してるって言うのにおばあちゃんは全く気づくことなく部屋を後にした。

……パタン。

⏰:07/07/27 13:29 📱:SO903i 🆔:JoVeGh86


#547 [向日葵]
蜜「ん……んん……っ。プハァッ!!セ、セツナァァー!!」

あくまで小声。

セツナ「お前がじっとしてないから悪いんだろ。」

蜜「布団捲られてたら一発ですよ!!」

セツナ「その時は姿を消せるだろ。鱗片で。」

あー負けた……。
ハイハイそうですね。貴方にそーゆー手があったのをコロッと忘れてましたよ。

蜜「いくらなんでも今日はくちづけしすぎです!!」
セツナ「何回かはお前の為だろ。」

⏰:07/07/27 13:34 📱:SO903i 🆔:JoVeGh86


#548 [向日葵]
まったく……。油断したらこうなんだから……。

でも……少しの間は気を張らなきゃいけない。
また今日みたいなことがあっては絶対いけない。

セツナをまた悲しませたりしたくない。

考え事をしている私をどうしたのかとセツナが不安そうな顔で見つめてる。

その顔がなんだか愛しくて、セツナに身を寄せた。

それにセツナも微笑み、ギュッと抱き締めてくれる。

そしてその日、私達はいつも以上に唇を重ねた……。

⏰:07/07/27 13:40 📱:SO903i 🆔:JoVeGh86


#549 [向日葵]
チャプター11:仕掛け





時は飛んでセツナとの同棲(?)生活が始まった。

ここ数日、何かあったのかと聞かれても特に何も無かった。

もちろんターヤ先生やルキが私を見る目は変わらなかった。

って言うか……、今日は……。

蜜「セツナ!いい加減起きて用意して下さいよ!」

セツナ「やだね。」

⏰:07/07/27 13:44 📱:SO903i 🆔:JoVeGh86


#550 [向日葵]
セツナはベッドの上で寝転がり、頭の後ろで手を組んで、足も組み、組んだ足をプラプラさしてる。

子供かコラァァ!!!

蜜「もう!今日は卒業式でしょ?!貴方(一応)卒業するんですよ?!」

セツナ「昨日の予行とやらも我慢したんだぞ。もういい。」

蜜「馬鹿ですか?!今日が本番なんですよ?!」

セツナはいきなり起き上がると私を壁に押し付けて片腕を壁に付いた。

セツナ「言っておくぞ。俺はお前と離れて前みたいになれのはゴメンなんだ。」

⏰:07/07/27 13:49 📱:SO903i 🆔:JoVeGh86


#551 [向日葵]
同棲云々の訳の一つは前の事件により護衛をしているのだ。

いやだからって……さ……。

蜜「昨日の予行でも何もされなかったんです。なら平気ですよ。」

実は昨日もこんな風に渋っていた。
私が行かなきゃいけないのはクラス委員だからだ。

昨日やっと説得して行かした頃には遅刻とチェックされた。

セツナ「お前も休めばいいだろ。」

蜜「小川君いるのに駄目ですよ。」

あ――……しまった……この名前を出すんじゃなかった……。

⏰:07/07/27 13:54 📱:SO903i 🆔:JoVeGh86


#552 [向日葵]
予想通りセツナの機嫌が悪くなった。
セツナはスッと目を細めて私を見下ろす。

セツナ「お前は俺に嫉妬で狂って欲しいのか。」

あぁもう私の馬鹿ぁぁ!!

セツナの顔に指先を触れて、機嫌を伺う。

蜜「心配しなくてもクラス委員として迷惑をかけたくないだけです。」

そこでセツナの顔が少し和らぐ。
でも完璧ではない。
原因は小川君の名前が出た事にあるっぽい。

嫉妬もここまで来ると束縛だ。
……まぁ、嫌じゃないって言うのはホントだけど。

⏰:07/07/27 13:59 📱:SO903i 🆔:JoVeGh86


#553 [向日葵]
蜜「ハァ……。じゃあどうしたら機嫌直してくれます?」

セツナの眉がまた寄る。

セツナ「俺は拗ねたガキ扱いか。」

ガキじゃん!!どう見たってガキじゃん!!

と反論出来ないのは分かりきってること。

蜜「なら言い直します。セツナはどうしたいんですか?」

セツナ「1日中家にいる。」

蜜「名案ではありませんね。今日は一つのケジメをつける日なのに……。」

⏰:07/07/27 14:02 📱:SO903i 🆔:JoVeGh86


#554 [向日葵]
――――――――

キリます

⏰:07/07/27 14:03 📱:SO903i 🆔:JoVeGh86


#555 [ゆら]
あげます
頑張ってください

⏰:07/07/27 14:48 📱:D903i 🆔:oyeHZ1zw


#556 [みぃ]
まぢ文章能力ありすぎ
作品全部だ-い好き
これからもがんばってくださ

⏰:07/07/27 16:36 📱:SH903i 🆔:r84BE6Vw


#557 [MILK]
一気読みしちゃいましたぁ(♥b'v`)
本当に、面白いですヾ(*'▽'*)ノ
これからも、頑張って下さいvv

本当に楽しみにしてますvv

⏰:07/07/27 17:16 📱:PC 🆔:XlLSOm0E


#558 [はな]
感想がいっぱいで読みにくいです。感想板もあるからそっちに書いてほしいです。一読者の意見ですが…

⏰:07/07/27 17:42 📱:P901i 🆔:☆☆☆


#559 [向日葵]
読んで頂いてる皆様へ

読んで頂いてホントにありがとうございます
感想なども頂いて感謝なのですが、読みにくいとのお声があったので次からは感想板までお越し願います

はなさん

意見ありがとうございました

⏰:07/07/27 18:26 📱:SO903i 🆔:JoVeGh86


#560 [我輩は匿名である]
失礼します

>>1-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400
>>401-500
>>601-700
>>701-800
>>801-900
>>901-1000

⏰:07/07/27 19:22 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#561 [我輩は匿名である]
>>230-500
>>501-771

⏰:07/07/27 19:22 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#562 [向日葵]
セツナは面倒くさそうな顔をしてため息を吐いた。

セツナ「人間界の行事なんざ興味皆無だ。」

どうやらテコでも家から出たくないらしい。
私があんな目に合わなかったらもっと素直に行ってくれたのに……。

私の顔が微かに曇ったのを感じ、セツナは少し心配そうに私を見つめた。

セツナ「どうした…?」

セツナの右手が頬に触れる。

蜜「いえ。……じゃあどうしたら行ってくれますか?」

⏰:07/07/28 00:58 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#563 [向日葵]
我輩さん
安価ありがとうございます

――――――――

セツナ「何をしようと行かん。」

頑固ぉぉ……。
もう……この手は使いたくなかったけど…仕方ない。

蜜「わ、私からのキスをしても駄目ですかっ?!」

シーン……
オイコラァァ!!!なんか反応しろぉぉ!!

セツナは思いがけない私の言葉にただただキョトンとしていた。

⏰:07/07/28 01:02 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#564 [向日葵]
しかしやがてあのいっじわるそうな顔で口の端を上げた。

セツナ「ふぅー…ん。蜜からの……なぁ。考えてやらんこともないが?」

あぁー!もう!!言うんじゃなかった!!やっぱりこんなの恥ずかしいよー!!

セツナは私の手を取って自分の顔に触れさした。

セツナ「で?するの?しないの?」

しないと言えばそれまで。いやしかし……するとしても……。
恥ずかしいんだってばぁぁ……(泣)

⏰:07/07/28 01:07 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#565 [向日葵]
蜜「仕方を教えてくれません?」

じゃないとぎこちなくなってセツナを満足させるキスが出来るか不安だ。
……いや、不安ってアンタ
自分の考えに裏手ツッコミをいれながらセツナをジトーッと見る。

セツナ「ほう。俺の教えはちと厳しいが、覚悟は出来てるかな?花嫁殿よ。」

厳しい……。
どうせ恥ずかし――い私が出来なさそうな事言っていやらし――いキスをさせるに違いない。
この頃やたら舌が入ってくるし……。

⏰:07/07/28 01:12 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#566 [向日葵]
蜜「独学が少々ですが……。それでもありですか?」

セツナ「俺が学校へ行こうと決心出来る様なキスであればな。」

どんなのだよそれ。

とりあえず……やるしかない事は確かだ。いや、他に方法あったかも……。
だけど浮かんだのがこれしか無かったんだよぉぉっ!

これもセツナに感化されてる?

私が黙っているのでセツナは私に目線を合わせた。

セツナ「最初はどうすればいいんだ?」

⏰:07/07/28 01:16 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#567 [向日葵]
ベッドに座って……セツナがヒートアップしたら押し倒される可能性大。

よって危険。

立ったまま……これまた激しさを増せば壁を利用してセツナの舌が口内の奥まで侵す。

よってこれも危険。

蜜「……キスは…ほっぺじゃいけません?」

セツナ「満足すると思うか?」

ごもっとも……。

セツナは両手を壁に付いた。

⏰:07/07/28 01:24 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#568 [向日葵]
――――――――

すいません……眠さ限界なんで今日はここまでにさせてください

おやすみなさい

⏰:07/07/28 01:25 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#569 [☆チーター☆]
頑張って下さいトソソ

⏰:07/07/28 11:18 📱:auSA3A 🆔:POuyhL7M


#570 [ゆら]
あげます

⏰:07/07/28 13:17 📱:D903i 🆔:4lLNDt56


#571 [向日葵]
セツナ「さぁ。どうする?」

セツナはニヤニヤ笑いながら完璧な顔を近付ける。
唇が触れるまであと2cm……。
喋れば吐息が顔にかかる。

私は腹をくくってセツナの襟元を掴んで唇を当てた。

蜜「……っ。ハイ!!」

セツナは私の懸命な姿を見て可笑しくなったのか吹き出して笑った。

蜜「んな!何で笑うんですか!!」

人が真っ剣に頑張ったって言うのに失礼な!

⏰:07/07/28 15:41 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#572 [向日葵]
チーターさん
ゆらさん
あげありがとうございました

――――――――

セツナ「分かってないな蜜。どうやら手本を見せなきゃいけないらしい。」

蜜「――!!いい!!いいです!!」

セツナの口元辺りを両手でガードして手本をするのを遮る。

セツナは壁に付いていた片手で私の手首を片方掴んだ。
そして掌に唇を押しつける。

⏰:07/07/28 15:46 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#573 [向日葵]
蜜「ちょ、セツナ……っ!」

セツナは私の言葉を無視して唇にキスする様に掌にキスする。

その姿がまた官能的で、目を離したいのに離せない。
『なんで朝からこんなことしてるんだ私……っ。』

するとセツナが目を開けて私と目を合わせた。
合わせた瞬間セツナがクスッと笑う。

―――ドキン…

胸が高鳴るとガードしていた手を思わず下ろしてしまった。
それを見計らってセツナは手から唇を離して顔を近付けてきた。

⏰:07/07/28 15:59 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#574 [ちゃむ]
>>470->>600

⏰:07/07/28 16:03 📱:SH902i 🆔:/3bSYpXc


#575 [向日葵]
蜜「駄目セツナ……!」

また手を上げて遮ろうとしたけど掴まれて壁にゆっくりと押し付けられた。

セツナ「そんな顔されて…、辞めれると思ってるのか?」

鏡を下さい!そしたら“そんな顔”を止めますから!!

セツナ「お前は俺を誘うのが上手いな。」

知らない!私誘ってない!そんな色気持ってない!!

セツナの唇が優しく押し付けられる……。

反則だ…。そんな優しくするだなんて……。

⏰:07/07/28 16:11 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#576 [向日葵]
ちゃむさん
安価どもです
――――――――

思わず唇をこわばらせてしまう。
それに気付いたセツナは唇を何度も重ねて私の唇をほぐす。

もう胸が張り裂けそうなくらい苦しい……。

蜜「セツ……。あいたー!!」

ガチッて音と共に2人して口を抑える。

セツナ「お前なぁ〜……。」

漫画のお約束みたいに歯が当たって口が切れてしまった。

⏰:07/07/28 16:16 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#577 [向日葵]
セツナ「キスしながら喋るなよ!見てみろ!俺の完璧な体の一部が傷ついたじゃないか!!」

蜜「ごめんなさぁぁ〜い!!」

ってか私もケガしたのにその心配は無しですか!!

セツナ「ったく。蜜。決めたぞ。学校には行かない。」

あぁぁぁ……せっかくの作戦すら失敗に終わってしまった……。

私だけ行くのも許されず、人生初のサボりになってしまった……。

⏰:07/07/28 16:19 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#578 [向日葵]
――――――――

キリます

⏰:07/07/28 16:20 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#579 [冬歌]
>>1-50
>>51-100
>>101-150
>>151-200
>>201-250
>>251-300
>>301-350
>>351-400
>>401-450
>>451-500
>>501-550
>>551-600
>>601-650
>>651-700

⏰:07/07/28 20:23 📱:W43H 🆔:1uiX0qj.


#580 [向日葵]
冬歌さん
安価ありがとうございます

――――――――

・・・・・・・・・・・・・

ピピピピピピ

私は学校に休みの電話をする為に受話器を片手に私はリビングを行ったり来たりしていた。
そんな私にソファーに寝転んだセツナは話かける。

セツナ「蜜。何してんだ?」

蜜「シーッ。少し黙ってて下さい。」

私は一回咳払いをした。
すると受話器の向こうから声が聞こえる。

⏰:07/07/28 21:43 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#581 [向日葵]
ガチャ

{はい。}

―――ドクン

この声は……

{クスクス。君、蜜乙女だね。}

蜜「ターヤ先生……。」

その名前を呟いた瞬間、天井を仰いでいたセツナがこちらを素早く見た。

ターヤ{どうかしたの?君が休みだなんて。しかも卒業式に。}

優しい声だけど、私には恐ろしさだけしか感じられなかった。

⏰:07/07/28 21:46 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#582 [向日葵]
セツナはソファーから降りて私から受話器を奪おうとするけど、私はそれをなだめた。
今セツナが出てしまったら話がこじれてしまう。

ターヤ{何で来ないのかな?}

蜜「風邪をひきました…。卒業式に菌をばらまくのはいけないと思いまして……。」

あくまで冷静に。
ホントは吐き気がするほど怖い……。

ターヤ{ふぅん。風邪ねえ。……わかりました。}

それでわかってくれれば良かった。
続きを聞いた私は受話器を落としそうになった。

⏰:07/07/28 21:57 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#583 [向日葵]
ターヤ{じゃあお見舞いに行ってあげるよ。}

蜜「え……?」

ターヤ{クスクス。そうだなぁ…。いきなり行っても失礼だから……15分あげる。}

蜜「来なくて…結構です。」

ターヤ{セツナいるんでしょ?}

―――ドクン…

蜜「ど…して……。」

ターヤ{どうしてだろうね…。クスクス。なぁんてね。かまかけに決まってるでしょ。}

⏰:07/07/28 22:01 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#584 [向日葵]
―――――!!!!

しまった……。

ターヤ{じゃあ15分後にね。その間にドレスアップでもしてるといいよ。}

ガチャ
プー プー プー プー


一方的に切られた受話器を持ったまま、しばらく立ち尽くした。

セツナ「蜜?!」

セツナが肩を揺らす。
そこで私は半泣きになった。
セツナがいるなら大丈夫。でももしセツナに何かあったら……っ。

蜜「セツナ……っ!ターヤ、先生、ここに来るって……!!」

⏰:07/07/28 22:05 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#585 [向日葵]
セツナの顔に険が帯びる。

セツナ「落ち着け。俺がいる。ターヤは何もしてこない。」

なら何故あの時セツナがいる事を確認したんだろう……。
ただのからかい?
ううん。そんな事ない。絶対に何か企んでる。

蜜「セツナに何かあったら私……っ。」

ギュッ。

セツナは私を抱き寄せた。

セツナ「蜜。大丈夫…。大丈夫だから……。」

⏰:07/07/28 22:11 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#586 [向日葵]
私を落ち着かせる様に穏やかな声でそう告げる。

セツナ「俺が守るから。……な?」

私はセツナの背中に手を回してギュッと手に力を入れる。

大丈夫。私はそう思いたかった。
でも……胸騒ぎがして……。

―――――……

ピンポーン

あれから約15分後……。遂にターヤ先生が来た。

ターヤ「風邪の割にえらく元気そうだね。」

⏰:07/07/28 22:17 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#587 [向日葵]
身震いがしてならない。

私の後ろに音もなくセツナが姿を現す。

ターヤ「これはセツナ。いたのかい?」

セツナ「知ってて来たのだろ。用件を言ってさっさと帰れ。」

先生は動じる事なく笑う。

ターヤ「そうだね。その方がいいだろう。じゃあ用件を言おう。」

ターヤ先生の視線が私に向けられた。
その瞬間、ビクッとしてしまった。

⏰:07/07/28 22:26 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#588 [向日葵]
ターヤ先生は私に笑顔を見せたまま手を掲げ、パチンと指を鳴らした。

そして次の瞬間

ザザザザザ!!

何人もの黒い外套を被った人がどこからともなくやって来て、セツナを拘束した。

セツナ「!!お前らっ!!何をしてる!!」

蜜「いや!止めて下さい!!」

ターヤ「蜜乙女よ。」

先生が私を引き寄せて顎をクイッと上を向かせる。

⏰:07/07/28 22:32 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#589 [向日葵]
セツナと同じくらい綺麗な顔が、間近にある。

蜜「な……にを……。」

ターヤ「用件はこうだよ。君を花嫁に迎える。」

!!

セツナ「ふざけるなっ!そんな事して許されるとでも思ってるのか!!」

先生はセツナを無視して私だけに話す。

ターヤ「もしノーと言えば分かるね?」

外套を被った人達が口を開けた。
そな中には鋭くとがった牙があった。

⏰:07/07/28 22:37 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#590 [向日葵]
ターヤ「これだけの毒牙を食らえば、いくら黒蝶族の長の息子と言えど何も助けが無い今、悶え死ぬだけなんだよ……。」

蜜「っっ?!」

セツナ「お前……こんなことをしてどうする……。」

先生は実に愉快そうに声を上げて笑った。

ターヤ「僕達にとって君達の存在は邪魔すぎる。明日、夕刻に僕達が結婚すれば君達に大きな屈辱を味あわせる事になると思ってね?」

セツナ「そんなの簡単に……」

ターヤ「出来ると思うかいセツナ。君達黒蝶族は僕達から目を離しすぎた。」

⏰:07/07/28 22:44 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#591 [向日葵]
先生が私をより抱き寄せるからセツナは歯を食いしばって先生を睨みつける。
そんなのも先生は涼しい顔で受け流す。

ターヤ「君達が思ってる以上に僕達は力を付けたんだよ。」

途端に細く白い何かが何重にも私と先生の周りを包む。
それが少しして蜘蛛の糸だと分かった。

ターヤ「助けに来るといいよ。まぁ……来れたらの話だけどね……。」

セツナは必死に外套軍団を振りほどいて私に手を伸ばす。

⏰:07/07/28 22:54 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#592 [向日葵]
セツナ「蜜!!」

蜜「セツナァ!!」

私も手を伸ばしたけど、白い空間に閉じ込められてしまった……。

―――――――……

セツナは蜜がいなくなった後を唖然として見つめていたが、沸々と怒りが込み上げて来て、玄関の壁を殴りつける。

ガァンッ!!

壁紙がバラバラと床に落ち、壁は拳型にへこんだ。

『俺のせいだ…っ!油断していた……。既に仕掛けをしていたとは……っ!!』

⏰:07/07/28 22:58 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#593 [向日葵]
セツナ「ルキ。近くにいるんだろ……。」

落ち着きをはらった声は少し震えていた。
部屋の陰からルキが姿を現す。

セツナ「お前の知恵か。」

ルキ「知りませんわ。何を勘違いなさって?」

セツナの目が鋭くなり、手が伸びたかと思えばルキの首を絞めていた。

ルキ「うっ……。セ、ツナ……。」

セツナ「お前……いい加減にしろよ…。遂にこの俺の逆鱗に触れてくれたな……。」

⏰:07/07/28 23:04 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#594 [向日葵]
ルキは苦しそうにセツナの手を握る。
セツナは首を絞めながらルキを持ち上げると、ルキを床に叩きつけた。

ルキ「きゃぁあっ!!」

セツナはルキを冷たく見下ろす。

セツナ「蜜を助けに行く。弁解のチャンスをやろう。もちろんお前も手伝うなぁ?」

黒蝶族の中でもルキはそれなりの力があると共に、蜘蛛族はルキには手だし出来ない為有利だとセツナは考えた。

ルキ「何故……私があんな娘を……」

ゴスッ!!

⏰:07/07/28 23:09 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#595 [向日葵]
ルキの顔のすぐ横にセツナは拳を振り下ろした。
またしてもそこにはへこみが生じる。

セツナ「ここで殺されたいか…。それとも愛しい俺の役に立つか…。どうする……。」

どうすると聞いているが明らかに言外で後者を選べと言っている。
ルキは有無を言えずセツナに従うしかなかった。

ルキ「役に……立ちます……。」

セツナ「裏切ったら次は無いと思え…。いいな。」

ルキの目からは涙が落ちる。それに目もくれず、セツナは言葉を発する。

⏰:07/07/28 23:13 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#596 [向日葵]
セツナ「早急に帰り、作戦を企てるぞ。」

―――――
――――――……

着けば目の前には赤い絨毯が引かれた正にお城の中にいた。

ターヤ先生は乱暴にどこかの部屋へ連れて行く。

連れて行かれた先に何人ものメイド姿の人達がいた。

ターヤ「隅々まで綺麗にしてやってくれ。」

メイド「かしこまりました。」

蜜「え……。何……っ。」

ターヤ「只の湯殿だよ。心配しなくていい。」

⏰:07/07/28 23:18 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#597 [向日葵]
そう言って先生は部屋を出て行った。

メイド「ささ。お着物を脱いで下さいませ。」

蜜「え?!ちょ、ちょっといやぁぁぁ!!」

・・・・・・・・・・・・

コンコン

ドアをノックする音が聞こえた。

ターヤ「蜜乙女よ。入るよ。」

カチャ

私はお風呂が終ると真っ黒なドレスに身を包まれた。

ターヤ「ほぉ…。黒髪に黒いドレス。中々だよ。」

そう言いながら私の腕を引っ張る。

⏰:07/07/28 23:24 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#598 [向日葵]
蜜「や、やだ!もう何なんですかぁっ!!どうして……!」

先生は足を止め、私に向き直った。
口許は薄く笑みを浮かべている。

ターヤ「君を気に入ったからだよ。稀なる蜜乙女。」

……違う。
それは……。

蜜「……それは、蜜乙女としてじゃないですか。」

頭にセツナの姿がよぎる。

蜜「セツナは違う!セツナは私を一人の人間として好きになって、大切にしてくれてました!」

⏰:07/07/28 23:29 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#599 [向日葵]
そこで初めて先生の表情が消えた。

蜜「先生とは違う…。例え先生が私を好きになっても私は……キャアッ!!」

先生が私を肩に担いだ。
私は必死にもがく。

蜜「何をするんですか!!離して下さい!!」

ターヤ「お喋りな女の子は嫌いだよ。少し黙ったら?」

私はその時感じた。
笑みがあるその声の中に、冷たい感情が入ってる事を……。

先生は悠々と広い階段を上って行く。私の視界は赤いフカフカな絨毯のみだ。

⏰:07/07/28 23:33 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#600 [向日葵]
ガチャっと聞こえたと思うと視界にオフホワイトの大きなドアと、赤い絨毯に変わって灰色の絨毯になった。
どこかの部屋に入ったらしい。

ボフッ!

蜜「んむっ!!」

降ろされた先はドアと同じオフハワイトの柔らかく大きなベッド。
ベッドの周りにはワインレッドの天蓋が。

そんな事より早く起きなければ……っ!
……と思って横を向いて起き上がる体勢になったが遅かった。

⏰:07/07/28 23:41 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


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