ピンクな気分。
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#840 [のの子]
聡美Side

「聡美ちゃ〜ん♪」

「? あぁ博也君っ。」

顔を上げると博也君が私の目の前にいた。

「何してるのぉ?」

博也君が鞄をツンツンと指差す。

「あっ‥‥お菓子‥食べようと思って‥」

鞄からポッキーを出す。

なんか食いしん坊みたいで恥ずかしい‥

「あぁっ♪ひとつ頂戴?♪」

博也君はニコニコ笑ってアーンと口をあける。

⏰:09/08/23 21:48 📱:SH903i 🆔:jrFkwXgE


#841 [のの子]
 
逆に私は困った顔をする。

竜二君に見られたら怒られるし‥

でも博也君はずっと口を開けて待っている。

「‥もう〜はいっどうぞぉ。」

パキッ

「美味しい〜♪聡美ちゃんは優しいねぇ。」

満足げにモグモグする博也君。

「あっHR遅刻しなかった?」
.

⏰:09/08/24 22:08 📱:SH903i 🆔:0dilxt0o


#842 [のの子]
 
ぎりぎり間に合ったHRも終わってもうほとんどの生徒が帰る支度を済ませ、帰っていた。

明日から夏休み。

そりゃ皆即効帰るよね‥

ちなみに私は竜二君待ち。

電話がかかってきたと思ったらそのままどこか行っちゃった。
.

⏰:09/08/24 22:12 📱:SH903i 🆔:0dilxt0o


#843 [のの子]
 
桃達とご飯の約束をしていたから先に行ってもらって本当私一人。

「あぁ俺は遅刻だったけど平気平気〜♪彰もアウトだったみたいよぉ?」

あははっと笑う博也君を見る限り怒られはしなかったのかな。

「そっかぁ。彰君は?」

「さぁ‥あっそうだ。それより聡美ちゃんに話があんだけど‥」

⏰:09/08/24 22:18 📱:SH903i 🆔:0dilxt0o


#844 [のの子]
 
「えっ私に?」

「そうそうっ♪真面目〜な話っ♪」

今の雰囲気から真面目な話をするなんて思えないんだけど‥

「後で皆でご飯食べてる時とかじゃ‥」
「ダメ。俺と聡美ちゃん二人だけで話したい。」


博也君はニコッと笑ったけど目が真剣なのがわかった。
.

⏰:09/08/24 22:23 📱:SH903i 🆔:0dilxt0o


#845 [のの子]
 
なっなに?

「‥でも竜二君戻ってくるよ?」

博也君のいつもと違う雰囲気を感じ取った私は、少し戸惑いながら答える。

「じゃ邪魔が入らない所‥美術室。いい?」

美術室か‥

確かに美術室なんてほとんどの生徒は行かないし、教室からそんな遠くない。

「‥‥‥‥わかった。」
.

⏰:09/08/24 22:29 📱:SH903i 🆔:0dilxt0o


#846 [のの子]
 
博也君は本気で変な事する人じゃないし、何より真面目な話っていうのが何なのか気になった。

「よしっ♪じゃ〜竜二には伝言をっと!」

黒板に向かうと博也君はチョーク持つと大きな字で

『竜二へ。そのまま待て!』

だけ書くと笑いながら教室を出ていく。

私も慌てて小さく

『すぐ戻ります。』

だけ書いて教室を出た。

⏰:09/08/24 22:34 📱:SH903i 🆔:0dilxt0o


#847 [のの子]
――――――

「油絵くさいね。」

「うん。」

美術室にはすぐ着いた。

博也君はうろちょろ美術室に飾られている絵や像を見てまわる。

私は近くにあった椅子に座って外を見る。

暑そう‥

セミの声が美術室にも聞こえる。

フワァッ

博也君が窓を開けて生温い風が私の髪を揺らした。
.

⏰:09/08/24 22:40 📱:SH903i 🆔:0dilxt0o


#848 [のの子]
 
セミの声もさっきよりはっきり聞こえる。

「油絵くさいし空気入れ換えなきゃかなって。暑い?」

「ううん、大丈夫。」

確かに油絵の匂いは頭が痛くなりそうだ。

博也君て気が利くなぁ‥

生温くも心地良く感じる風をあびながらふっと思う。



「じゃそろそろ話してもいい?」

⏰:09/08/24 22:44 📱:SH903i 🆔:0dilxt0o


#849 [のの子]
 
博也君はさっき開けた窓の近くにある椅子に座った。

「ぅっうん。」

私と博也君との距離は大きな机を2つも挟んでいて、なんだか落ち着かない。

それにいつもより真剣な博也君にまだ慣れないのも原因かも‥


「これから俺が話す事は、聞くだけでいいから。ただ聡美ちゃんには知っててほしいだけなんだ、俺が‥」
.

⏰:09/08/25 00:55 📱:SH903i 🆔:EF1nEb8M


#850 [のの子]
 
困った顔や笑うわけでもない。

博也君は真剣に、どこか悲しげな表情した。

あっもしかして‥‥

この時私はこれから話す事が何かわかった。

[あの事]について

頭に浮かんだのはその言葉と、竜二君と彰君の顔だった。

ドクン
.

⏰:09/08/25 00:59 📱:SH903i 🆔:EF1nEb8M


#851 [のの子]
 
今更聞いていいのか不安になる。

あの事について、竜二君は知られたくなさそうだった。

ドクン

ドクン

‥やっぱダメだ

「あの‥‥やっぱ私っ 」
「彰が人殺しって言ったら聡美ちゃんは信じる?」
.

⏰:09/08/25 16:03 📱:SH903i 🆔:EF1nEb8M


#852 [のの子]
 




‥‥‥‥‥えっ?


今 なんて 言ったの ?


『人殺し』

普段聞き慣れない言葉が頭の中をぐるぐる回る。
.

⏰:09/08/25 18:07 📱:SH903i 🆔:EF1nEb8M


#853 [のの子]
 

「いっ意味が‥‥わから‥ない‥冗談ならかっ帰るよ?」

私が答えたのはそれだけ。

すると博也君はまた悲しげな表情をした。

ドクン

「聡美ちゃん、信じるかどうか答えて‥?」

博也君にまた同じ質問をされた私は、更に混乱する。

.

⏰:09/08/25 18:13 📱:SH903i 🆔:EF1nEb8M


#854 [のの子]
 
「‥彰君が‥人を‥殺したか?」

「そうだよ。」

ドクン

彰君が‥‥



私が思い出したのは

彰君の笑った顔と

泣き顔だった。
.

⏰:09/08/25 18:16 📱:SH903i 🆔:EF1nEb8M


#855 [我輩は匿名である]
>>755

⏰:09/08/26 02:22 📱:SH906iTV 🆔:e987yIDc


#856 [のの子]
 



「‥信じない。私は‥信じないよ。」

私が知ってる彰君は

すぐ怒って
むきになって..

不器用だけど

優しくて

笑顔がとっても似合う

男の子だもん。
.

⏰:09/08/26 09:09 📱:SH903i 🆔:wsE99W06


#857 [のの子]
 
博也君を真っ直ぐ見つめる。


「‥‥そっか。」

そんな私を見て博也君は優しく笑ってくれた。

「急に変な事聞いてごめんね。まずそれだけ聞きたかったんだ‥彰にはそういう噂があるから。」



「もちろん彰は人を殺してないよっ?周りが勝手にそういう噂を作ったんだ。でも‥彰自身はそう思ってる‥自分は人を殺したって。」

⏰:09/08/26 09:15 📱:SH903i 🆔:wsE99W06


#858 [のの子]
 
聞き慣れない言葉に
信じられない話‥

だからなんて言えばいいかわからなかった。

ただ思ったのは


「どうして‥そうなったの?」


たった一つの疑問。
.

⏰:09/08/26 19:46 📱:SH903i 🆔:wsE99W06


#859 [のの子]
 
博也君は私を見つめていた目をふせる。

「実はさ‥」

ドクン  ドクン 

いつも明るくて笑ってるからか博也君の悲しげな表情は、私の心をもっと不安にさせる‥


「実は‥二年前、あいつの彼女亡くなったんだ‥彰の目の前で車にひかれて‥」

   ドクンッ
.

⏰:09/08/26 19:56 📱:SH903i 🆔:wsE99W06


#860 [のの子]
 
ドクン ドクン ドクン


「事故だったんだよ。事故だったのに、あいつ‥自分のせいだって‥」


彼女の死

人殺し

『あの日から苦しいんだ』

いつかの彰君の言葉がよみがえる。
.

⏰:09/08/26 20:00 📱:SH903i 🆔:wsE99W06


#861 [のの子]
 

「‥わた‥し‥‥ッ‥」

私は思わず口を押さえる。

彰君に


あの言葉に あの涙に


こんなに重く


悲しい話があったなんて‥
.

⏰:09/08/26 20:06 📱:SH903i 🆔:wsE99W06


#862 [のの子]
 
「うそ‥っ‥そんな‥事‥」

微かに私の手が震えていた。

「‥彰、彼女が亡くなってから変わったんだよ。前はそんな喧嘩しなかったし、勉強もできる方で‥」

鈴ちゃんが言ってた。

再会した時、彰君は変わってたって‥


[あの事]は

信じられない

信じたくない話だった。

.

⏰:09/08/26 20:14 📱:SH903i 🆔:wsE99W06


#863 [我輩は匿名である]
すばらしい

⏰:09/08/27 01:31 📱:F905i 🆔:uLB4ha7s


#864 [我輩は匿名である]
>>1-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400
>>401-500
>>501-600
>>601-700
>>701-800
>>801-900
>>901-1000

⏰:09/08/27 03:26 📱:N904i 🆔:w/bS0aEM


#865 [ハナ]
文才ありですね
さすがののこさんッッッ
って感じです
これからも応援してるんで頑張って下さい

⏰:09/08/27 09:01 📱:SO903iTV 🆔:kHnuoHtM


#866 [のの子]
みなさん

ありがとうございますっ
やっとポイントであった[あの事]に触れる事ができましたこれからどんどん話が進んでいくのでお楽しみですっ

これからも応援よろしくです

⏰:09/08/27 11:12 📱:SH903i 🆔:roodV4Ts


#867 [のの子]
 

「あいつ今も彼女が死んだの自分のせいにしてあの日から動けてない‥ていうか動こうとしないんだ。一生死んだ彼女を想って償っていくって‥」

博也君が手に顎をのせて外を見つめる。

「それってさ、つまんなくない?彰は今、ちゃんと生きてんのに‥」


博也君の悲しげな瞳はこの話についてじゃなくて、彰君を想って悲しんでいた。
.

⏰:09/08/27 22:27 📱:SH903i 🆔:roodV4Ts


#868 [のの子]
 
「‥‥そう、だね。」

でも、あの日見た彰君は

『苦しい』って言ってた。

本当は辛いんだろう。

自分一人生きていかなきゃいけない事も

過去になっていく彼女も

‥辛いんだろう。
.

⏰:09/08/27 22:31 📱:SH903i 🆔:roodV4Ts


#869 [のの子]
 
私も自然と目を俯くと、手で目元を隠す。

今も手は微かに震え
唇を噛む。

 『大切な人の死』

私の心がざわつく。
彰君の気持ちがわかるからか..


    私も

    私も

   大切な人を
 失った事があるからか。
.

⏰:09/08/27 22:41 📱:SH903i 🆔:roodV4Ts


#870 [のの子]
 

「でも‥やっと変わりそうなんだ、あいつ。」

俯いたまま博也君の話を聞く。

「聡美ちゃんのおかげで。」



え‥‥?

少し遅れて反応した私は顔を上げて博也君を見る。

⏰:09/08/28 17:08 📱:SH903i 🆔:6wIJ1KLI


#871 [キノコ]
気になるぅー
頑張ってくださいっ~

⏰:09/08/28 19:54 📱:W51SA 🆔:SnKn9zKk


#872 [のの子]
 
博也君は相変わらず外を見つめたままだった。

「‥わ‥私?」

「そうだよ。」

私はただ博也君を見つめる。

「聡美ちゃんと関わるようになってから色んな表情を見せてくれるようになった。」


確かに最初は無口で何か考えてるようにあまり笑わなかった。
.

⏰:09/08/28 20:50 📱:SH903i 🆔:6wIJ1KLI


#873 [のの子]
 
無口だな 恐いな

それが最初の印象。

でも最近はぶっきらぼうなトコもあるけど話してくれて、笑ってる。

確かに少しずつ変わってきてる、私もそう思えた。

けど

「‥‥私なんもしてない。」

.

⏰:09/08/29 00:12 📱:SH903i 🆔:YKFyJZ1o


#874 [のの子]
 
博也君が横目で私を見つめニコッと笑った。

「そんな事ない。聡美ちゃんがいたから変わったんだよ。」

「でも私っ普通に‥特別な事なんて‥してない。」

私はじんわり掌に汗をかく。

「その普通が彰にとって特別なんだよ‥ただ話して一緒に笑う事が彰を変えて助けになる。」

それまで外へ向いてた博也君が私の方へ体を向けた。
.

⏰:09/08/29 00:23 📱:SH903i 🆔:YKFyJZ1o


#875 [のの子]
「だからね、この話を知った上であいつを助けてあげて。これからも‥」

博也君は真っ直ぐ私を見つめたまま、

「お願い。」

頭をゆっくり下げた。

「えっちょっとっ博也君っ!」

私は慌て立ち上がる。

「そんな頭下げないでっわかったからっ。ってか私嫌なんて一言も言ってないしっ!ねっ?」

⏰:09/08/29 00:29 📱:SH903i 🆔:YKFyJZ1o


#876 [のの子]
 
「‥同情じゃダメなんだ。それじゃ助けてやれない。」

同情‥

なんとなくわかる。
同情を求めてるわけじゃないって。

私は頭を下げたままの博也君を見つめる。

「だからっ
「ありがと‥話してくれて。」

博也君が顔をあげる。

.

⏰:09/08/29 00:39 📱:SH903i 🆔:YKFyJZ1o


#877 [のの子]
 
「この話、他の人にしちゃダメなんでしょ?」

博也君の顔が一瞬曇る。

「まぁ‥するなとは言われてないんだけど、暗黙のルール的な感じ?」

「うん、なんとなく伝わってきてた。」

二人して苦笑いする。


「‥‥彰君に博也君みたいな良い友達がいて良かった。」
.

⏰:09/08/29 11:14 📱:SH903i 🆔:YKFyJZ1o


#878 [我輩は匿名である]
書いてくださーいK

⏰:09/09/02 19:08 📱:W51SA 🆔:zIp9rL4M


#879 [のの子]
 
「彰君が変わってきたのは私だけじゃなくて、みんなのおかげだよ。博也君のおかげっ。」

私はニコッと笑う。

「この世界に‥永遠なんてないもん。だから彰君も変われるよ、きっと。」

博也君は机に顔をのせるとじっと私を見つめてきた。

「なっ何?」

「うーん、なんか意外‥聡美ちゃんが永遠なんてないってはっきり言うなんて。」
.

⏰:09/09/02 23:01 📱:SH903i 🆔:7e/kI1Ag


#880 [のの子]
 
「そう、かな?」

「うん。[永遠の愛]とか信じてると思った。」

博也君がニヤっと笑う。

「信じてるよ?‥でも永遠なんてないからこそ信じられる。本当に永遠があったら誰も永遠の愛なんて誓ったりしないもん。」

「ぷっ確かに。永遠の愛なんて恐いわ〜‥」

確かにげって顔をする博也君にとっては永遠の愛は気が思いかもね。
.

⏰:09/09/03 22:11 📱:SH903i 🆔:r56Qqg/2


#881 [のの子]
 
「‥人の寿命は決まってて、その短い時間だからこそ人を深く愛せるって思う。」

博也君が顔を横に向けた。

「短い時間か‥初めて愛した彼女が死んで、彼女にとって自分が最期に愛した人なら‥進めなくなるもんなのかな?」

彰君‥

「どうなんだろ‥でも、今も悲しいんだと思うよ。」
.

⏰:09/09/03 22:22 📱:SH903i 🆔:r56Qqg/2


#882 [のの子]
 
ふっとした瞬間
込み上げてくるんだろう。

なんとも言えない悲しみと、孤独が‥


はっきり助けてあげるなんて言えない。

でも、彼の気持ちは少しわかるから‥

「彰君がもっと笑えるように私も力になるね。」
.

⏰:09/09/03 22:29 📱:SH903i 🆔:r56Qqg/2


#883 [のの子]
 
笑顔でそう言うと、博也君も笑って頷いてくれた。

「‥ありがと。」

博也君は小さくそう呟いて立ち上がると窓を閉めた。

カチャ

「よしっそろそろ戻ろっか♪結構長居しちゃったし竜二に俺が怒られる〜。」

窓を閉めたのが合図かのようにいつもの博也君に戻った。

クスッ

「うん、そうだね。」
.

⏰:09/09/03 22:34 📱:SH903i 🆔:r56Qqg/2


#884 [のの子]
 
「ってか腹減ったし〜。」

確かに‥桃達遅いって怒ってるかな?

―――――――


「竜二君っ!遅くなってごめんね‥?」

教室に戻ると竜二君が携帯をいじりながら待っていた。

「‥何してたんだよっ?」

「えっ俺っ?」
.

⏰:09/09/03 22:40 📱:SH903i 🆔:r56Qqg/2


#885 [のの子]
 
竜二君は私をスルーして博也君を睨み付ける。

「ほら〜っやっぱ俺が怒られたぁ!」

博也君が私に抱き着いてきた。

さっきの真剣な顔の博也君はどこへやら‥

「お前はすぐ人にくっつくなよっ。離れろって。」

グイッと引き離すと竜二君は私の肩を掴む。
.

⏰:09/09/04 20:29 📱:SH903i 🆔:KVfEhuB2


#886 [のの子]
 
「‥で?俺ほったらかして何してたわけ?」

「えっ私っっ?!べべ別に何も‥歩きながら話してただけです。」

ちょっとだけ嘘をつくにも私の心臓はドキドキする。

「本当に?わざわざ歩きながら?」

じーっと私を見つめる竜二君に私もたじたじ‥
.

⏰:09/09/04 20:34 📱:SH903i 🆔:KVfEhuB2


#887 [のの子]
 
「えっとぉ〜‥」

「竜二が聡美ちゃんほったらかしてどっか行っちゃったから歩いてたんだよ〜?寂しくて‥」

博也君が竜二君の肩に手を回して抱き着く。

そういわれれば確かに先にほったらかしにされてたのは私かも。

「寂しかったぁ〜♪」

「博也、気持ち悪い‥」

竜二君に甘えるように抱き着く博也君と目が合う。
.

⏰:09/09/04 20:41 📱:SH903i 🆔:KVfEhuB2


#888 [のの子]
 
ニコッ
優しく笑った顔はさっき見た優しい笑顔と一緒だった。

「ったくわかったよ!そろそろ行かないとみんな待ってるし、行くよ?」

竜二君はグッと博也君を離すと鞄を持つ。

「「はぁい♪」」

二人で元気よく返事をして私達も鞄を持つと歩きだす。

「‥聡美、あんまこいつにヒョコヒョコついてくなよ?」

教室を出る時竜二君が私の耳元で小さくつぶやいた。
.

⏰:09/09/04 20:49 📱:SH903i 🆔:KVfEhuB2


#889 [のの子]
 
それに私はクスッと笑う。

「は〜い♪あっそれよりさっきの電話誰から?」

「あぁ、母さんから。」

「へぇ〜。何かあったの?」

「いや、大丈夫だよ。」

竜二君のお母さんかぁ‥
どんな人だろ?

――――――

「遅ぉいっ!」

待ち合わせのファミレスで桃がほっぺを膨らませながら待っていた。
.

⏰:09/09/04 20:56 📱:SH903i 🆔:KVfEhuB2


#890 [のの子]
 
旬君も腹減った〜とぐったりしていた。

「ごめんね。」

苦笑いしながら席につくと、彰君がいない事に気付く。

「‥彰君は?」

「彰なら帰ったよ〜。」

旬君がメニューを見ながら言った。

帰っちゃったんだ‥‥

なんだろ。あの話を聞いたからかな?

彰君が今、一人でいるんだと思うと落ち着かなかった。

賑やかなファミレスも静かになる。
.

⏰:09/09/04 21:02 📱:SH903i 🆔:KVfEhuB2


#891 [ミュウ]
続き気になる

⏰:09/09/06 09:07 📱:SO903iTV 🆔:V3rn4Kkg


#892 [のの子]
 
私の不安が伝わったのか、

「大丈夫っ大丈夫♪たぶん祐輔の迎えだよ。」

隣に座ってた博也君がメニューを見ながら話す。

「‥?祐輔って誰?」

私がキョトンとすると博也君はそっか、と言いながら携帯をいじりだす。

「こいつが祐輔っ♪彰の弟だよ。可愛いっしょ?」

携帯の画面に移ってたのはまだ幼稚園生ぐらいの男の子の満面の笑みだった。
.

⏰:09/09/08 21:58 📱:SH903i 🆔:GA9R7VbQ


#893 [のの子]
 
「可愛い〜っ♪彰君弟いたんだっ!」

私は博也君の携帯を見てつい笑う。

祐輔君の笑った顔は、お兄ちゃんの彰君にそっくりだった。

「えっ彰君の弟見せて〜♪」

桃も食いついてテーブルに前のめりになる。


メニューを頼んでから話題は自然と祐輔君の話になった。

⏰:09/09/08 22:03 📱:SH903i 🆔:GA9R7VbQ


#894 [のの子]
 
「時々彰が幼稚園迎え行ったりしてんだよ。祐輔は彰大好きだからさ。」

旬君がコーラを飲みながらクスクス笑う。

「竜二君も祐輔君と会った事あるの?」

「あるよ。彰ん家行ったら勝手に部屋とかくるし。」

「へぇ〜可愛いねっ♪」

弟かぁ‥いいなぁ♪

「ってかみんな兄弟いんの?」

旬君がストローをくわえたまま目線をみんなにむける。

⏰:09/09/08 22:16 📱:SH903i 🆔:GA9R7VbQ


#895 [のの子]
 
「ちなみに俺は兄貴と弟がいまーすっ。じゃ次は〜フクッ♪」

男三人兄弟‥っぽい!

ついクスッと笑う。

旬君が隣に座るフクを指差すと

「俺?俺は妹が一人いるよ。」

「桃は一人っ子ぉ♪」

自然と座っている順番で流れていく。

「俺はお姉様が一人〜。」

博也君の次は私。
.

⏰:09/09/08 22:24 📱:SH903i 🆔:GA9R7VbQ


#896 [のの子]
 

「私は‥ 」


 私には お姉ちゃんが


「お姉ちゃんがいるよ。」

ニコッと笑う。

「ぽいぽいっ♪じゃ次竜二ねぇ。」

「俺は兄貴。」

竜二君がぶっきらぼうに言う。
.

⏰:09/09/08 22:30 📱:SH903i 🆔:GA9R7VbQ


#897 [のの子]
 
「なんだっ桃ちゃん以外みんな兄弟いんのかぁ。」

旬君がそう言うと桃が頼んだドリアが運ばれて来た。


するといつの間にか兄弟の話は終わった。

「‥お兄ちゃん、いるんだね。知らなかったな。」

私が竜二君に話し掛けると竜二君はチラッと私を見て

「家族の話あんま好きじゃないんだ。ごめん‥」
.

⏰:09/09/08 22:35 📱:SH903i 🆔:GA9R7VbQ


#898 [のの子]
 
そう言うと黙ってしまった。

‥?

「そっか。私もちょっと苦手かも‥同じだね。」

私が笑うと竜二君はまた私を見つめてきた。

なんで

なんでそんな悲しい目をしてるの?

そんな悲しい目で

なんで

私を見つめるの?
.

⏰:09/09/08 22:38 📱:SH903i 🆔:GA9R7VbQ


#899 [のの子]
 
「‥‥竜二君?」

つい私は竜二君の手を握る。

キュッ‥

竜二君は手を握り返して優しく、弱く笑う。

「ごめん‥」
「オムライスのお客様〜?」

ごめんの意味を考える事も聞き返す事もできないまま私の注文したオムライスがきた。


その後、さっきの事を竜二君に聞く事はできなかった。

⏰:09/09/08 22:46 📱:SH903i 🆔:GA9R7VbQ


#900 [のの子]
 
またあんな悲しそうな目を見るのは私も辛いから。

――――――
「‥‥じゃバーベキュー遅刻しないようにねぇ♪」

「うん。」

たわいもない話で盛り上がると時間はあっという間に過ぎて帰る時間になった。

旬君の一言に返事をして、駅方面に向かうみんなとは違う帰り道を歩きだす。

竜二君が送るって言ってくれたけど、今日は一人で帰る事にした。
.

⏰:09/09/10 09:00 📱:SH903i 🆔:oSwB/KrM


#901 [のの子]
 
今日はあの事について知ってしまったから

今は、今日はちょっと竜二君に罪悪感が‥ね。

それに彰君の話を聞いて
私も色々思い出した‥

色々。


「もう二年たつんだ‥」

空を見上げると青空で、綺麗な雲が浮かんでいた。

.

⏰:09/09/10 09:10 📱:SH903i 🆔:oSwB/KrM


#902 [我輩は匿名である]
あげます

⏰:09/09/12 22:27 📱:W51SA 🆔:Z3rmzbtc


#903 [我輩は匿名である]
あげ(>×<)//

⏰:09/09/13 09:09 📱:SO903iTV 🆔:b003yb9E


#904 [のの子]
かなり遅くなりました!すみません

あと携帯変えましたっ
新しい携帯に悪戦苦闘してます…

今日の夜更新するんで待っていてください
.

⏰:09/09/13 16:16 📱:SH06A3 🆔:u0YNaoUo


#905 [のの子]
竜二side

送るよっと言った俺に
「今日は大丈夫。」と笑った聡美。

なんかいつもと違った感じがした。

さっきの話気にしてるのかな‥?

「ねぇ竜二って聡美ちゃんのいつ好きになったの?」
「はっ?」

博也が小さな声で話し掛けてきた。
.

⏰:09/09/13 21:53 📱:SH06A3 🆔:u0YNaoUo


#906 [のの子]
急な質問に俺は博也を見つめる。

何言い出すんだよコイツ。

「いや〜なんか急に気になっちゃって♪で、いつから?」

博也はニヤニヤ笑いながら俺の肩に手を置いてきた。

いつって‥

「…お前には話したくない。」

「はっ?なんでっ!」
.

⏰:09/09/13 21:57 📱:SH06A3 🆔:u0YNaoUo


#907 [のの子]
ひどいって俺の肩を叩く博也に俺は

「だってお前…」

「何さっ!」

横目でため息をつきながら言う。

「彰の味方?じゃん。」

ピタッ

博也が一瞬固まったのがわかった。

「別に俺は…彰の味方とかじゃないよ?」

苦笑いする博也に俺も笑う。

⏰:09/09/13 22:04 📱:SH06A3 🆔:u0YNaoUo


#908 [のの子]
 
「ごめん。わかってんだけどさぁ…どっちの味方でもあんだろ?」

「まぁ味方っていうか‥親友だからねぇ。だから竜二だけじゃなくて彰の幸せも願ってるよ?」

博也が複雑そうに笑う。

「彰の幸せなら俺も願ってるよ。あんな事あったあいつには特別ね。」

でも

「お前は俺と聡美を別れさすかもしんない存在?」
.

⏰:09/09/13 22:12 📱:SH06A3 🆔:u0YNaoUo


#909 [のの子]
 
勘のいい博也ならもう確信を持って気付いてるはず。

彰は認めない隠された彰の気持ちを‥

やっと見えた小さな輝く光。

俺達にとって

聡美は

やっと見えた希望なんだ。

彰にとっても‥
.

⏰:09/09/14 09:09 📱:SH06A3 🆔:81GYgYHU


#910 [のの子]
 
今までの彰を知ってる俺らなら‥彰のためにもこの機会を逃したくない。

でも、聡美は俺の彼女で‥

「親友のお前はどうすんの?彰か俺か…」

意地が悪い。
自分でもそう思う質問だ。

博也はうーん、と考えてるふりなのか腕をくむ。

「んー…まっ選ぶのは聡美ちゃんだし、俺はどっちにもつかないよう努力します♪」
.

⏰:09/09/14 22:19 📱:SH06A3 🆔:81GYgYHU


#911 [のの子]
 
「ずるい奴‥」

「そういう質問するお前は意地が悪い。」

否定もしなきゃ認めもしない答えだったけど、博也の笑った顔に俺もつられて笑う。

「‥これからどうなるか楽しみだねぇ♪夏だし、一波乱あるかもよぉ〜?♪」

博也の言葉に俺はうるさいっと鞄で叩く。


この時の俺はもう彰の気持ちを消そうとか、どうこうしようとも思えなかった。

俺にそんな権利なんてないし、それに博也の言った通り最後に決めるのは
彼女だから。

⏰:09/09/15 22:53 📱:SH06A3 🆔:neunOQlg


#912 [のの子]
 
彼女を信じてるなんて言わない。

あいつを最低な奴とも言わない。

ただ、

俺は二人を守りたくて
二人の幸せを願っていて
俺は彼女が好きで‥

それだけ。
俺はもうそれで大丈夫。

ワガママを言えば

彼女が好きで
好きで
大好きで

離したくない。

それだけ。
.

⏰:09/09/15 23:00 📱:SH06A3 🆔:neunOQlg


#913 [のの子]
彰Side

「あっ!あっきーアイス食べたぁいっ♪」

「はっ?ダメ。帰ったらおやつあんだぞ?」

「えぇ〜‥アイス食べたい〜っ!今食べたいんだもんっ!」

「ダメだっつってんだろーがっ!ほらっ行くぞ!」

コンビニの前で座りこんだ祐輔を抱き抱え歩きだす。

バタバタ暴れながら叫ぶ祐輔を無視して俺は携帯を開く。

メールが一通。

「‥博也か。」
.

⏰:09/09/15 23:09 📱:SH06A3 🆔:neunOQlg


#914 [のの子]
 
「えっ何っ博也兄ちゃんっ?」

博也って名前を聞いた祐輔の動きが止まる。

「んー‥違う。」

博也達が祐輔をかまうもんだから祐輔は博也達の名前を聞くだけで遊んでもらえるもんだと思っていて正直厄介だ。

──────

聡美ちゃんが
心配してたよ♪

──────

「はっなんで?」

意味がわからんメールに俺はつい声にだす。
.

⏰:09/09/15 23:19 📱:SH06A3 🆔:neunOQlg


#915 [のの子]
 
先帰ったからか?

携帯を閉じてポケットに入れると祐輔を降ろす。

「もう自分で歩け。」

「うん。」

すっかり大人しくなった祐輔の手を握ってゆっくり歩きだす。

昔習った懐かしい歌を祐輔が歌いだす。

それを聞きながら上を見上げると青空で、何個かに分かれた雲が浮かんでいた。

「‥‥‥‥ったく。」

ポケットに入れた携帯を取り出す。
.

⏰:09/09/16 19:53 📱:SH06A3 🆔:1NAUyVrw


#916 [のの子]
 
あの後俺は結局HRに遅刻した。

担任が夏休みについて話してる間俺は机に頭をのっけてぼーっとしてた。

ぼーっとして

あいつと彼女を思い出す。

あぁそういや笑った顔
似てるな‥

そんな事を考える。

ブーッ ブーッ

マナーモードにしていた携帯が俺のポケットの中で唸る。

カチッ カチッカチッ

メールを開くと親からで祐輔の迎えに行ってほしいっていう内容だった。
.

⏰:09/09/17 19:57 📱:SH06A3 🆔:79f4fYac


#917 [のの子]
 
わかった。

それだけ送って携帯を閉じる。

あっ‥そういや飯食うとか言ってたっけ。

でも返事をした以上祐輔を迎えに行くしかない。

って事はあいつとはバーベキューまで会えないって事か。

その方がいい。

あいつとはあんまり関わりすぎない方がいいんだ。
.

⏰:09/09/17 20:04 📱:SH06A3 🆔:79f4fYac


#918 [のの子]
 
そうすれば今までの俺に戻れる。


‥大丈夫だ。


──────

そう思っばっかなのに

今俺の手の中にある携帯に写るのは[聡美]の番号。

ピッ

♪〜♪〜♪

「もしもし?」

「あぁ〜‥俺だけど。」

「うん、彰君でしょ?どうしたのぉ?」
.

⏰:09/09/17 20:09 📱:SH06A3 🆔:79f4fYac


#919 [のの子]
 
どうしたのって‥

「博也がさ、お前が俺いなくて心配してたとか言ってたから電話しただけ。じゃーな。」

「えっ?ちょちょっと!」

「‥んだよ?」

別に機嫌が悪いわけじゃない。

「ぇっと〜‥祐輔君っ!彰君弟いたんだね。写メみしてもらっちゃった♪」

チラッと祐輔に目をやると俺をじっと見つめていた。

「あぁ、いつか会わしてやるよ。」

⏰:09/09/17 20:18 📱:SH06A3 🆔:79f4fYac


#920 [のの子]
 
って何言ってんだ、俺。

「本当っ?うんうんっ会ってみたぁいっ♪」

電話の向こうで喜んでるあいつの顔を思い浮かべる。

‥クスッ

本当こいつと話してると胸の中の靄がきれいになっていく。

「あっでもバーベキューまで彰君とは会えないんだよね‥じゃ祐輔君と会えるの本当いつかだぁ。」

「‥会わしてやるよ。」
.

⏰:09/09/17 20:25 📱:SH06A3 🆔:79f4fYac


#921 [のの子]
 
「えっ?いつ〜?」

祐輔が誰?と制服を引っ張るから俺はその場に座る。

同じ目線になった祐輔にシーッと口の前に人差し指を立てる。

「彰君?」

「ん?あぁごめん。明日学校の近くの図書館に来いよ。俺の分の宿題やって。」

「えっ!なんでっ?嫌だよぉ!」

クスクス笑う俺に祐輔はムスッと唇をとんがらせた。

「言う事聞くんだろ?」
.

⏰:09/09/17 20:36 📱:SH06A3 🆔:79f4fYac


#922 [のの子]
 
「なっ!あれほんと
「もうあっきー誰から電話なのぉ?!教えてよ〜!」

我慢の限界がきたのか祐輔が大きな声をだして俺の腕を掴んでブンブン揺らす。

「うわっバカ静かにしろよ!」

「だってつまんない〜!」

「わかったわかった!もう切るから。なっ?」

祐輔がぐずってきたもんだから一瞬電話してる事を忘れる。

「あっ悪ぃ。」

切れていないか不安になりながらも携帯を耳に戻す。

「‥ぷっ‥あははっあっきーって呼ばれてるんだね。」

⏰:09/09/18 21:32 📱:SH06A3 🆔:J37xBq8o


#923 [のの子]
 
彰=あっきー

祐輔はなんでかそう呼ぶ。

笑うのを我慢してるみたいだけどクスクスと声がもれてくる。

「笑うなっバカ。ってか明日来いよ?」

ほんのり耳に熱さを感じながら俺は話を変えた。

「ふふっ‥えぇ〜それはちょっと困るな、あっきー♪」

そう言うとまた笑い声が聞こえてきた。

‥コノヤロ-

「あっきーって呼んでいいのは祐輔だけなんだよっバカ。明日絶対来い!」
.

⏰:09/09/18 21:42 📱:SH06A3 🆔:J37xBq8o


#924 [のの子]
 
ブチッ!

携帯をポケットに入れながら立ち上がる。

「お待たせ。行くかっ。」

祐輔の頭を撫でると手を握って歩きだす。

「‥ねぇねぇ♪」

「ん〜?」

「あっきーって呼んでいいの僕だけなのぉ?♪」

祐輔がニコニコしながら俺を見上げる。

クスッ

「そうだよ。祐輔は特別だから許してあげてんの。」

「えへへ♪」

祐輔が嬉しそうに笑うもんだから俺も笑いながら祐輔の頭をガシガシ撫でる。
.

⏰:09/09/18 21:50 📱:SH06A3 🆔:J37xBq8o


#925 [のの子]
 
「アイスでも食うか♪でも俺と半分こな?」

「本当っ?やったぁー♪」

祐輔が跳びはねて俺に抱き着く。

「あっきー元気なかったけどさっきの電話のおかげでニコニコだねぇ♪」

「はぁ?そうだっけ?」

「うん。ツンツーンってしてた。なんで治ったのぉ?」

人差し指をツンツンさしてくる祐輔を見て笑う。

「‥なんでかねぇ。」

ふっとまた空を見上げると、さっきまであった雲はなくなって青空だけが広がっていた。

⏰:09/09/18 21:58 📱:SH06A3 🆔:J37xBq8o


#926 [にゃん]
彰絶対かっこいー

好きだわ好きだわ
がんばってー

⏰:09/09/18 23:37 📱:P701iD 🆔:BplcM6vM


#927 [ハナ]
久しぶりりカキコします(笑)
頑張ってねぇ

⏰:09/09/20 03:31 📱:SO903iTV 🆔:q2BLAU..


#928 [のの子]
にゃんさん

ありがとうございます
にゃんさんは彰が好きみたいですね実は私の中でも彰めちゃくちゃタイプな人なんです
でも竜二も好き‥笑
一番人気は誰ですかね?

ハナさん

お久しぶりですっ
カキありがとうございます見てくださってるみたいで嬉しいですまたカキしてくださいねっ

⏰:09/09/20 16:30 📱:SH06A3 🆔:ymxc7ywI


#929 [のの子]
聡美side

プーップーップーッ

「‥‥切れた。」

さっきまで繋がっていた携帯を見つめる。

「どうしよぉ‥明日とか急すぎだよ〜。」

って別に予定入ってなかったけど。

それより竜二君に言いづらい‥でも行かなきゃきっと彰君怒るだろうしなぁ。

博也君に協力?するって言ったもののどうすればいいか迷う。

さすがに二人っきりは‥

浮気?
.

⏰:09/09/20 19:54 📱:SH06A3 🆔:ymxc7ywI


#930 [ハナ]
毎回返事を書いてくれて嬉しいですッッッ(´ψψ`嬉)今年は受験で忙しいんですが唯一息抜きに見てるんですよ(笑)
テレビは見る暇がないのででも少しの間に見れてこんなにもぉもしろぃなんて私は贅沢してます(笑)
これからも最後まであきらめずに頑張って下さいね

⏰:09/09/23 13:31 📱:SO903iTV 🆔:nEYqvuEw


#931 [のの子]
ハナさん

私もカキしてくれるのすごい嬉しいですっカキしてくれる人がいるから頑張れるんですよねぇ
って受験生なんですねっ!テレビ見ないで読んでくださってるとか‥あっなんか涙が‥‥笑
そろそろ新スレたてるのでまた来て下さぁい
.

⏰:09/09/23 20:10 📱:SH06A3 🆔:Nak3IQGE


#932 [のの子]
 
はははっまさか。そんな気持ち全然ないもんっ。

「‥でも彰君はあったりして? なぁんちゃって♪あるわけないないっ。」

‥はぁ。
ふざけてる場合じゃない。

「ん〜‥やっぱ竜二君に聞くしかないよね。」


携帯をキュッと握った後、竜二君へ電話をかける。

きっと怒るんだろうなぁ〜‥ってか当たり前だよね。

そんな事を考えながら携帯を耳に当てる

⏰:09/09/23 20:21 📱:SH06A3 🆔:Nak3IQGE


#933 [のの子]
 
♪〜♪〜♪

「もしもし?」

「あっ‥竜二君?今大丈夫?」

「うん。どうしたの?」

「うん、実はね‥えっと‥あの‥」

やっぱりいざとなると言いにくい。

「‥何?なんかあったの?」

「うん‥あったにはあったんだけどぉ‥」
.

⏰:09/09/23 20:45 📱:SH06A3 🆔:Nak3IQGE


#934 [ハナ]
はぁい(^0^)/
喜んでいきまぁす(笑)

⏰:09/09/23 20:55 📱:SO903iTV 🆔:nEYqvuEw


#935 [のの子]
 
竜二君と彰君の顔が頭に思い浮かぶ。

二人の顔はどっちも陰のある笑顔で怒ってる顔‥

ゾッ

この話をしようとしまいと、どちらかにこの顔をされるのだろう‥

「‥‥彰君にね、明日図書館に来いって言われ‥ちゃった‥んだ。」

.

⏰:09/09/25 16:25 📱:SH06A3 🆔:C4BAc/SY


#936 [のの子]
 
夏の日差しに隠れようと木の影に入ったのに、じんわりとした汗がにじむ。


「はぁ‥なるほどね。わかった。話はそれだけ?」

‥それだけ?
そうですけど逆にそれだけ?

「うん。そうだけど‥」

「そう。また連絡するから一回切るよ?じゃね。」

「あっうん。じゃぁね。」
.

⏰:09/09/25 16:36 📱:SH06A3 🆔:C4BAc/SY


#937 [のの子]
 
プーップーップーッ

「ははっばいばぁい‥」

携帯の画面に写る通話時間たったの3分。

「ってかわかったってどういう意味っ?!行ってくればって事?」

余計わかんなくなった‥

竜二君なら絶対行くなって言うと思ったのにな。

「‥自分で決めろって事なのかな。」

.

⏰:09/09/25 16:54 📱:SH06A3 🆔:C4BAc/SY


#938 [のの子]
 
ってか普通に考えたら彼氏いるのに行かないよね。
なんで私こんなに悩んでんだろう‥

ため息つきながら上を見上げると、深い緑の葉っぱの隙間から太陽の光がもれてキラキラ光っていた。

でも

なんでかほっとけない。

竜二君ごめん。

「行ってみよう‥かな。」
.

⏰:09/09/25 17:03 📱:SH06A3 🆔:C4BAc/SY


#939 [のの子]
竜二Side

プーップーップーッ

「はぁっ‥‥」

周りを気にせず大きなため息をつく。

「ふふっどうしたの?」

俺の隣でサングラスをかけた女が笑う。

「いや、なんでもないよ。」

「でも竜二のそんな顔なんて珍しいんじゃない?」

そんな顔ってどんなだよ。
.

⏰:09/09/25 17:23 📱:SH06A3 🆔:C4BAc/SY


#940 [のの子]
 
「ってかどこに連れてく気? 」

流れていく景色を眺めながら呟く。

「やぁね、さっき電話で言ったじゃない。ほらっあの話で良い人が見つかったのよ。」

「あぁ、そうだったっけ。ってか母さん、俺断ったはずだよね?」

サングラスをかけ車を運転しながらまたふふっと笑ったのは俺の母さん。

⏰:09/09/25 17:37 📱:SH06A3 🆔:C4BAc/SY


#941 [のの子]
 
「そうねぇ。そうだったわねぇ〜。」

悪気もなさそうにそれだけ言うと鼻歌を歌いだす。

はぁ‥

俺はまた外の景色を見つめる。


駅に向かって歩いていた俺達の横に黒い車がゆっくり止まった。

俺はまさかと思いながら黒い車を見つめていると、出てきたのは予想通り母さんだった。

『乗りなさい』

その一言で俺は旬達と別れた。
.

⏰:09/09/25 17:44 📱:SH06A3 🆔:C4BAc/SY


#942 [のの子]
 
母さんの強引なとこは昔からだし別に驚かなかった。

‥ってかそれよりさっきの電話だろ。

チッ

母さんに聞こえないように小さく舌打ちをする。

図書館ってなんだよっ。
勉強でもする気かよ、あいつ‥

結局遠回しにデートに誘ってんだろうがっ!


はぁ‥聡美もなんで悩んでるんだよ。
.

⏰:09/09/25 17:59 📱:SH06A3 🆔:C4BAc/SY


#943 [のの子]
 
聡美が決めていいんだ。

悩むなら行けばいい。

行きたくないなら行かなければいい。

それだけのこと‥

俺には決められない。

俺は確かに彼氏だけど、聡美の中には彰がいる。

彰がどんな存在か

どんな存在になっていくかは

これからわかってくるだろう。

その時も
君が決めていいんだよ。

.

⏰:09/09/25 18:46 📱:SH06A3 🆔:C4BAc/SY


#944 [のの子]
 
『いつも助けてくれてありがとう』そう言った彼女。

嬉しかった。

その言葉が俺を認めてくれた。

だから  だから

どういう結果でも大丈夫。

って言いながらたぶんこの世界でこんな弱気な彼氏は俺ぐらいだろうな‥

.

⏰:09/09/27 20:46 📱:SH06A3 🆔:ATrB2C/c


#945 [のの子]
 
――――――
「なんて顔してんの。」

「っ‥‥何?」

運転しながら俺の頭を押してきた母さん。

「まだまだ子供ねぇ〜。今にも泣きそうな顔して‥」

ふっと笑った母さんとは逆に俺はまた窓の外を見つめる。

「‥泣かないよ。子供じゃないんだし。」

それだけ言って俺は流れる景色を見るのをやめて、ゆっくり瞼を閉じた。
.

⏰:09/09/27 20:57 📱:SH06A3 🆔:ATrB2C/c


#946 [のの子]
 
読んでくださってるみなさん、いつもありがとうございます

キリがいいので新スレ
『ピンクな気分U』を立てようと思います!

どうぞ今後もよろしくお願いいたします
.

⏰:09/09/30 20:55 📱:SH06A3 🆔:aFVkM0kY


#947 [なぴ]
>>1-100
>>100-200
>>200-300
>>300-400
>>400-500
>>500-600
>>600-700
>>700-800
>>800-900
>>900-1000

⏰:09/10/24 03:06 📱:F905i 🆔:p6kbuOnw


#948 [R]
あげ
>>1-50
>>51-100
>>101-150
>>151-200
>>201-250
>>251-300
>>301-350
>>351-400
>>401-450
>>451-500
>>501-550
>>551-600
>>601-650
>>651-700
>>701-750
>>751-800
>>801-850
>>851-900
>>901-950
>>951-1000

⏰:10/07/24 20:49 📱:W65T 🆔:XZ6IslcU


#949 [我輩は匿名である]
あげ↑

⏰:11/05/18 12:49 📱:SH001 🆔:KSv4oJN6


#950 [匿名]
あげ!

⏰:11/07/17 22:59 📱:F02C 🆔:ankciRaw


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