クソガキジジイと少年」
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#601 [ザセツポンジュ]
きららちゃんはうなずいて、我慢していた思いを吐き出すかのように
涙たくさん流した。そして、話し出したのだ。
:07/06/14 17:58 :W51CA :Kkj9ganA
#602 [あお]
前から読んでますッ!!こんなにもハマった小説は初めてですッ!!
お願いだから更新してくださいッ(;´*д*)
:07/07/31 23:02 :P902iS :mYnqxnBk
#603 [ザセツポンジュ]
『毎日毎日怖いの。誰かが私を見て批判してくるんじゃないかと思って。でもそんな顔をして仕事はできないわ。だからあとでどっと疲れるんだけど、食べてしまうの。いっぱい食べていっぱい吐くの。誰にも言えなかった。』
:07/09/14 01:51 :W51CA :jAXbnQdU
#604 [ザセツポンジュ]
きららちゃんは
悔しそうに泣いた。
きーさんはバクついていた料理をひとまず放置して
きららちゃんの話を聞いた。
:07/09/14 01:53 :W51CA :jAXbnQdU
#605 [ザセツポンジュ]
『夜の仕事はきららちゃんにとって楽しいコトかい?』
きーさんは訪ねた。毎日怯えて仕事をするきららちゃんへ。
『楽しい日もあるわ。だけど私は…今はとにかく怖い。』
:07/09/14 01:55 :W51CA :jAXbnQdU
#606 [ザセツポンジュ]
きららちゃんは
正直に真っ直ぐに
気持ちを伝えた。
『ワシは正直きららちゃんのコトを太っているとは思わんよ。けどなぁ。きららちゃん自身は気になるんだなぁ。チヤホヤされる日の方がたくさんあっても、1日批判されたら嫌になるんじゃろ。店にはいろんな人が来るからなぁ。』
:07/09/14 02:10 :W51CA :jAXbnQdU
#607 [なち]
更新がんばってください
(^∀^)
楽しみに待ってます☆
:07/09/15 09:45 :SH902iS :LNLpISP6
#608 [すのーまん]
凄い久しぶり
冨樫の影響か?
:07/09/15 14:09 :F902iS :5yW.b/io
#609 [か]
:07/09/15 16:17 :SH903i :KNYmVfvw
#610 [か]
:07/09/15 16:19 :SH903i :KNYmVfvw
#611 [ザセツポンジュ]
きららちゃんは
深く深くうなずいた。
そして毎日
六さんの料理を
食べる事を約束したのだった。
:07/10/12 13:12 :W51CA :QpirAHW.
#612 [ザセツポンジュ]
『いざこ-んや〜お前〜だけ-に〜ラ-ブパッションバリ ツナァ〜イ バラの花束抱えた俺が〜出会ったマイエンジェ〜ル♪空ちゃん大好き〜♪』
すーさんは酔っ払って空ちゃんへのラブソングを歌っていた。
『すーさん。お前、ここは上品な料理屋と言うことをわきまえて今を生きろ。なんだそのヘンテコリンな歌は。嫌われるのを覚悟したやつがやることだぞ。』
:07/10/12 13:18 :W51CA :QpirAHW.
#613 [ザセツポンジュ]
『ヘンテコリンだと!!?きさま時代に乗り遅れるな!!!きーさん。マキシマムザホルモンのだいすけはんが歌ったロコフランクのな…』
『すーさん。何県何市にお住まいのどちらさんが何会場で唄った歌か知らんが、さっさと出る支度をしろ!!』
すーさんのラブソングにどん引きして顔面神経痛になりかけの空ちゃんと
希望を手に入れた
きららちゃん。
ひとつ橋をつくってあげたきーさんと
逮捕寸前のすーさんは
六さんの店をあとにした。
:07/10/12 13:24 :W51CA :QpirAHW.
#614 [我輩は匿名である]
ageます
:08/01/22 20:07 :F902iS :Wr2OJt8o
#615 [我輩は匿名である]
あげ
:08/02/04 04:53 :SH904i :vtcksB6g
#616 [マーサル]
この小説書いてる主は男だとしたら
かなりモテル!!ww
:08/02/04 09:34 :PC :SHC.Q3kY
#617 [我輩は匿名である]
あげー
:08/02/04 16:25 :M-SKIN :xngdRWGA
#618 [スかなス]
あげますx
:08/02/22 21:21 :W51CA :tzFtNMRs
#619 [しょう]
:08/02/22 22:21 :P905i :9ar7dyg2
#620 [スかなス]
あげホホ
:08/03/13 00:15 :W51CA :kVt7tXy.
#621 [.]
:08/03/13 19:54 :SH903i :re1Uqg1c
#622 [.]
:08/03/13 20:20 :SH903i :re1Uqg1c
#623 [.]
:08/03/14 03:09 :SH903i :1C.z0jJE
#624 [ありとー]
アンカーとか無駄に多すぎて読みにくい(>A<)
:08/03/17 20:57 :PC :..4ycGp.
#625 [ザセツポンジュ]
一方
生徒会長となり
少なからず
調子に乗りながら
青春を送っている
木田トミオ14歳と
もどかし過ぎる
恋に悩む
鈴木ジョウジロウ14歳。
対象的な
2人は
いつものカフェで
向かい合わせに
座っていた。
:08/03/24 23:51 :W51CA :9b7EHO9g
#626 [ザセツポンジュ]
『ジョウジロウよ。オレさ、生徒会長と言う立場を大いに利用して、クリスマスからエノモトさんと付き合おうと思うんだけど。』
お決まりの梅昆布茶を
すする。
:08/03/24 23:54 :W51CA :9b7EHO9g
#627 [ザセツポンジュ]
『まったくもって嫌なヤツだなトミーは。好きなら付き合えばいいじゃない。』
恋に悩む少年は
甘い甘〜い
小夜子ストロベリーを
少しずつ口に入れる。
:08/03/24 23:57 :W51CA :9b7EHO9g
#628 [ザセツポンジュ]
『なにせエノモトさんは顔がいいからな。』
『へぇ……』
心ここにあらずと言う
返事を返したジョウは
何を隠そう
エノシタさんの事を
考えていた。
:08/03/24 23:59 :W51CA :9b7EHO9g
#629 [ザセツポンジュ]
(可愛く変身し、美容室を代表してクーポン雑誌に乗ったことでエノシタさんは、嫉妬に狂ったメス達からいじめを受けている…だけどボクはなんにもしていない。鈴木さんちのジョウジロウちゃんよ。このままでいいのか。)
:08/03/25 00:01 :W51CA :WlQRdQf6
#630 [ザセツポンジュ]
『おい。おーい。ジョウジロウ。帰ってこい。どこ見てんだ、死ぬのか?』
トミーは
ジョウジロウと
至近距離まで
近づいて
確かに
目を合わせているのに
ジョウジロウの視界に
入っていない
自分に
気づかされざるを得なかった。
:08/03/25 00:03 :W51CA :WlQRdQf6
#631 [ザセツポンジュ]
『どうしたんだ。童貞だからと言って悩むなよ。快感はすぐそこだ、元気だせファイト鈴木。』
『あぁ…うん。』
2度までも
同じような対応のジョウジロウに
腹の立てたトミーは
周りを見渡し
大きく息を吸い込んだ。
:08/03/25 00:06 :W51CA :WlQRdQf6
#632 [ザセツポンジュ]
『すいませーん。どちらさんかこの鈴木ジョウジロウ(14歳)の筆おろしを手伝ってく…』
『やめろ。やーめろ。うるさいよ、お前バカか。ただのカフェだぞここは。』
目の前にいる
幼なじみのとった
最終手段で
我に返った
ジョウジロウちゃん。
だけど決して
内に秘めた悩み事は
打ち明けなかった。
:08/03/25 00:09 :W51CA :WlQRdQf6
#633 [ザセツポンジュ]
--------------
翌朝
早く目が覚めてしまったジョウは
寒い中ベランダに
立ちすくんでいた。
ガラガラガラーー。
『おや。いつもの風景が違って見える。今日はかわいい少年が見える。おはよう、ジョウジロウちゃん。』
『おはよう、きーさん。』
:08/03/25 00:12 :W51CA :WlQRdQf6
#634 [ザセツポンジュ]
きーさんも
62年も生きていれば
分かる。
隣のおぼっちゃんが
悩ましげな
顔をしていることくらい。
『はっはーん。さては、カルピスだな。』
:08/03/25 00:13 :W51CA :WlQRdQf6
#635 [ザセツポンジュ]
『さすがするどいな、きーさん。そうだよ、カルピスさ。だけどベランダ越しには話せないよ。』
きーさんは何か
ひらめき
ちょっと待てと
合図をし、
最強アイテムを
取り出して来た。
『糸でんわ。使うか?』
得意気に
紙コップと糸でできた
ひらめきの結晶を
さも自分が
考え出した発明品のように
隣にお住まいの
鈴木さんちの
ジョウジロウちゃんに投げ渡した。
《で、だれに恋をしているんだ??》
:08/03/25 00:18 :W51CA :WlQRdQf6
#636 [ザセツポンジュ]
ジョウは紙コップに
口をあてて
返答しようとしたが
きーさんも
紙コップに口をあてたまま
目をぱちくり開けて
嬉しそうにこっちを
見ている。
:08/03/25 00:20 :W51CA :WlQRdQf6
#637 [ザセツポンジュ]
ジョウは
“耳にあてろ”と言う
ジェスチャーをして
伝えようと試みたが
きーさんは
耳かきで耳くそを
ほじっただけであった。
:08/03/25 00:21 :W51CA :WlQRdQf6
#638 [ザセツポンジュ]
ジョウは
あきらめた。
やっと
誰かに打ち明けられそうな
朝だったのに
目の前にいた
老人が
きーさんだった
自分は少し運が
悪かった。
『きーさん。また今度ゆっくり話そう。』
ジョウは軽く笑って
そっと糸でんわを
投げ返した。
:08/03/25 00:24 :W51CA :WlQRdQf6
#639 [ザセツポンジュ]
『ちょっと待てジョウジロウちゃん。お前の恋心はお前だけのものだ。でもお前の恋はお前だけのものじゃない。いいか?落ち着いてよく考え、素直に、真っ直ぐ立ち向かうんだぞ。』
その言葉を
飲み込むように
ジョウジロウは
うなずいた。
:08/03/25 00:27 :W51CA :WlQRdQf6
#640 [ザセツポンジュ]
学校と言う建物の中では
何が起こっても
何事も
なかったかのように
チャイムの音だけで
毎時間毎時間
区切られてしまう。
トミー達の通う
中学校は
冬休みが
始まる前に
新生徒会役員の
力だめしと称して
全校集会が開かれる。
:08/03/25 02:36 :W51CA :WlQRdQf6
#641 [ザセツポンジュ]
3学期から
気持ちを新たに
学校生活を送るために
みんなで話し合いの場を
もうける集会だ。
生徒会室では
その集会にむけた会議でもっぱら忙しそうだ。
サポート役の
前生徒会役員の3年生と
トミーを筆頭にした
新生徒会役員2年生達が
衝突を重ねる。
:08/03/25 02:41 :W51CA :WlQRdQf6
#642 [ザセツポンジュ]
生徒会長に
満を持して選ばれた
木田トミオ氏14歳ー。
なんとも不服そうな顔で
鈴木ジョウジロウを
見つめていた。
:08/03/25 02:42 :W51CA :WlQRdQf6
#643 [ザセツポンジュ]
『なんだよトミー。』
『ジョウジロウちゃん。耐えられるか?この会議。カブトムシを捕まえるために、全身をミツバチの蜜で塗りたくっていた方がまだマシだ。』
『カブトムシってミツバチの蜜で捕まえるの?へぇ〜。パンクだね。トミーは物知りだね。』
:08/03/25 02:46 :W51CA :WlQRdQf6
#644 [ザセツポンジュ]
『おい。お前、人を小馬鹿にするのは良くないぞ。すーさんによく似たモンだよ。まぁそんなエロジジイの事はどうでもいい。俺はこんなクソ会議は望んでないから、意見をすれば3年生がケツ毛みたいなしょうもない意見を返してきやがる。俺の発言はペシャンコだよ。くだらない。』
:08/03/25 02:50 :W51CA :WlQRdQf6
#645 [ザセツポンジュ]
もっぱら
くだらない会議だと
ハナから分かっていた
ジョウは、耳を
傾けてすらいなかったが
トミーの悲痛な叫びを
耳に入れ
黒板に目をやった。
●見出しなみのチェック
●ゴミを拾う習慣
●各部活動の強化
:08/03/25 02:52 :W51CA :WlQRdQf6
#646 [ザセツポンジュ]
ワイワイガヤガヤと
話し声だけは
いっちょ前に
聞こえるが
低レベルな議題だけに
さぞ会話も
薄っぺらいことだろう。
:08/03/25 02:55 :W51CA :WlQRdQf6
#647 [ザセツポンジュ]
ジョウは
大好きなエノシタさんが
この生徒会室に
いることだけが
せめてもの救いだが
こんな
しょうもない会話を
エノシタさんも
しているのかと思うと
嫌気が
さしてしまいそうで
あえて
聞き入らないように
していた。
:08/03/25 02:56 :W51CA :WlQRdQf6
#648 [ザセツポンジュ]
『トミーは何について取り上げたいの?』
待ってましたかのように
トミーは机の両端を持ち
いきおいよく
立ち上がった
『ズバリ。女の嫉妬についてだ。』
会議室はシーンと
静まり返った。
:08/03/25 17:49 :W51CA :WlQRdQf6
#649 [ザセツポンジュ]
『…どっかのバラエティー番組みたいな内容だけどボクは賛成しようと思う。みんなはやりたくなさそうだけど。』
意外にも
ジョウジロウは
トミーの意見に
心から賛成していた。
:08/03/25 17:50 :W51CA :WlQRdQf6
#650 [ザセツポンジュ]
『こんなの取り上げてどうするんだ。木田。お前生徒会長になったんだろ。しょうもない女子の人気だけで。もっと学校の事を考えろ。』
前生徒会長3年
西田トキムネ氏は
調子づく
生徒会長木田トミオに
キツいお灸をすえた。
:08/03/25 17:53 :W51CA :WlQRdQf6
#651 [ザセツポンジュ]
だがこの木田家の長男。
めげない負けない
くじけない
行け行けトミオくんで
あることを
忘れてはいけない。
今だに
ファミコンのワンコンを
奪うために
必死そうな顔をしている
西田トキムネ氏の
そばに歩み寄り
トミーは言った。
:08/03/25 17:57 :W51CA :WlQRdQf6
#652 [ザセツポンジュ]
『お前は生徒会長と言う名前が欲しかっただけの生徒会長だ。ここを卒業しても、「ボクは中学生の頃生徒会長と言う名前で学校へ通ってました」と威張っていたいだけだろう。考えてみろ。お前に慕ってくれている奴がどこにいるんだ。』
西田トキムネ氏は
トミーを睨みつけた。
:08/03/25 18:00 :W51CA :WlQRdQf6
#653 [ザセツポンジュ]
『お前が生徒会長になってからの1年間。一体何ができたと思う?先生のご機嫌とりに大きな声での挨拶に例年通りの議題。小学生でも頑張ればできることだろう。自分の事しか考えてないから何も変わらないんだ。お前は歯を磨いてオナニーのちゃんとしたやり方でも勉強してろ。ブ男。』
:08/03/25 18:04 :W51CA :WlQRdQf6
#654 [ザセツポンジュ]
静まり返った
教室に
トミーの必死な
抗議が響いた。
ジョウジロウは
静まり返ったついでに
エノシタさんを
見つめていた。
エノシタさんは
トミーを見て
また心がキュンキュン
鳴っている。
そんな
エノシタさんを見て
ジョウジロウは
胸を痛めた
:08/03/25 18:06 :W51CA :WlQRdQf6
#655 [ザセツポンジュ]
恋心は自分だけのもの
恋は自分のものだけには
ならない。
(そうだよ。きーさん。今まさにその通りだよ。うぅ。)
:08/03/25 18:08 :W51CA :WlQRdQf6
#656 [我輩は匿名である]
あげ
:08/03/26 00:23 :M-SKIN :lZmj49DM
#657 [ザセツポンジュ]
自分の抗議の
不充分なオチに
納得のいかない
トミーは
どんでん返しに
生徒会ノートで
ジョウを思いくそ
叩いた。
バシッッ
『ぃ痛っっ!!!』
エノシタさんを
見つめていた自分と
サヨナラをしたジョウ。
『お前も何か言うんだジョウ。』
:08/03/26 00:27 :W51CA :9iCCEi76
#658 [ザセツポンジュ]
ジョウは
仕方なく立ち上がり
ひとつため息をつき
話はじめた。
『女の嫉妬となれば、学校生活にはピンとこないと思います。この際“女”は外しましょう。男子でも女子でも、友達に嫉妬しますよね。それが延長したら何が起こるか分かりますか?』
:08/03/26 00:31 :W51CA :9iCCEi76
#659 [ザセツポンジュ]
生徒会室の
机、イス、
チョークに
黒板、黒板消しでさえも
ジョウに視線を集めていた。
『それは…いじめです。いじめを取り上げて見てはどうですか?』
不覚にも
こんな時に
エノシタさんと
目が合ってしまった。
:08/03/26 00:36 :W51CA :9iCCEi76
#660 [ザセツポンジュ]
『でもうちの学校にいじめなんてないだろ。』
西田トキムネと言う
童貞は
本当に
ファミコンの
ワンコンを奪うのに
必死そうな顔をしている。
そんな顔で発言する
西田トキムネ氏に
ジョウは腹が立った。
:08/03/26 00:38 :W51CA :9iCCEi76
#661 [ザセツポンジュ]
『自分が可愛過ぎる西田先輩には到底分かりもしないことだと思いますが、その程度の発言しかできいような生徒会長と、中学校生活を過ごしたかと思うととても恥ずかしく思います。』
これだけ的確に
文句を述べても
ジョウの
怒りはおさまらなかった。
:08/03/26 00:41 :W51CA :9iCCEi76
#662 [ザセツポンジュ]
『西田先輩。あなた、ファミコンのワンコンでストファイしたそうな顔をしてますけど、念願叶ってワンコンで対戦して、エドモンドホンダに負けたらどう言い訳するんですか?』
腹をかかえて
笑い出したのは
生徒会長
木田トミオだけであった。
:08/03/26 00:46 :W51CA :9iCCEi76
#663 [ザセツポンジュ]
『ちょ………ちょっと待って!アハハハハ。ジョウジロウちゃん、それは言ったらダメじゃん。だけど、そうだよ西田、お前なんて言い訳するんだ。“ワンコンは使えたけど肝心な右手はオナニーの研究してました”とかか!?ハハハハ。』
:08/03/26 00:50 :W51CA :9iCCEi76
#664 [ザセツポンジュ]
ツボにハマると
空気も読まず
なかなかしつこい男
木田トミオである。
西田トキムネ氏は
顔をこわばらせていた。
『お前らいい加減にしろ。どっちでゲームしたっていいだろう。』
:08/03/26 00:52 :W51CA :9iCCEi76
#665 [我輩は匿名である]
>>1-100>>101-200>>201-300>>301-400>>401-500>>501-600>>601-700
:08/03/26 00:55 :W51SA :saOEh9N6
#666 [ザセツポンジュ]
『ギャーハハハハ。そこじゃねぇよ。お前15歳にもなって空気くらい読めよ。』
トミーの
過度の冷やかしに
ストップをかけたのは
エノシタさんだった。
『き、木田くん。もういいわ。本題に戻らない?』
:08/03/26 00:55 :W51CA :9iCCEi76
#667 [我輩は匿名である]
:08/03/26 00:56 :W51SA :saOEh9N6
#668 [ザセツポンジュ]
『そうだよトミー。笑い過ぎだよ。』
どさくさにまぎれ
ジョウもトミーに
注意をした。
1000歩譲って
正気を取り戻した
トミーは
サポートして頂いている
麗しき3年生に
向かって
最後に捨てゼリフを
吐いてしまった。
:08/03/26 00:58 :W51CA :9iCCEi76
#669 [ザセツポンジュ]
『ワンコンに命をかけている元生徒会長も、最近可愛くなって何を思ったかクーポン雑誌に顔載せしている元副会長も、今後一切口出ししないでくれ。』
『バカヤロウ!!!!』
ジョウは
一心不乱に
トミーを叩きまくった。
:08/03/26 01:20 :W51CA :9iCCEi76
#670 [ザセツポンジュ]
『なんだっ、なんだよジョウ!!やめろ!何考えてるんだ!お前今、うちまただぞ!!』
とにもかくにも
この片田舎の
中学校の未来は
クソガキジジイに
育てられた
2人の少年に
たくされているのである。
:08/03/26 01:24 :W51CA :9iCCEi76
#671 [すのーまん]
:08/03/31 14:11 :F902iS :hLYHrirY
#672 [あぃこ]
あげます~~
:08/04/03 11:30 :W51CA :2znD/fyg
#673 [ケイネス]
貴方のことを神と呼ばせて下さい。
:08/04/03 15:10 :W53H :dxZ4b5/A
#674 [ザセツポンジュ(仕事中のためPC)]
「うん、却下ね。」
校長はいじめをテーマにした
うすっぺらい資料を
バサっとほうり投げた。
「そうハゲか。わかったハゲよ。じゃあハゲ例年通りハゲで行くよ。失礼ハゲしました。」
:08/04/04 11:50 :PC :1Bn.IsqU
#675 [ザセツポンジュ(仕事中のためPC)]
生徒会長木田トミオは
却下された資料をまるめて
すんなりと校長室を出た。
「ジョウジロウちゃん聞け。やっぱり却下だったよ。」
トミーはジョウジロウの肩に手をかけ
耳打ちした。
「あんな資料じゃダメだよ、証拠も出してないのに。ちょっと近いんだけど。耳元で喋るのやめてくれないか。」
:08/04/04 11:54 :PC :1Bn.IsqU
#676 [ザセツポンジュ(仕事中のためPC)]
「校長もそれと同じことを言いたそうに頭をハゲ散らかしてたから何も聞かずに出てきました。」
「そうか。じゃあぶっつけ本番、当日が勝負だね。トミーの腕次第だね。」
:08/04/04 12:02 :PC :1Bn.IsqU
#677 [ザセツポンジュ(仕事中のためPC)]
「それは心配するな。根拠はないがうまく行く。しかしせめて一回くらいはイメージプレイさせてくれ。それくらいいいだろ?俺だって人間だ、心臓は高鳴る。」
ジョウジロウは
なおも耳元で喋りまくる
トミーを振り払った。
「おい。ジョウ。ところでお前なぜ言わないんだ。いじめを目撃したんだろ?お前が証拠を出さないと俺だってやりづらいんだ。そろそろ言わないか!」
:08/04/04 12:10 :PC :1Bn.IsqU
#678 [ザセツポンジュ]
ジョウは立ち止まり
くつばこの横のゴミ箱を指指した。
「あの中に資料が入っている。」
そう言い残し、向かう足は
必然的に屋上を目指していた。
:08/04/04 12:12 :PC :1Bn.IsqU
#679 [ザセツポンジュ]
(トミーは気づくよね。エノシタさんがいじめられていると知れば俄然やる気が沸いて、黄色い声援を浴びる集会を開催する事ができる。そしてトミーがエノシタさんを助けることになる。そしたらエノシタさんはなおさらトミーを好きになって・・・)
:08/04/04 12:16 :PC :1Bn.IsqU
#680 [ザセツポンジュ]
(どんどんみだらな女になっていって、エノモトさん狙いのトミーもそんなエノシタさんに惹かれていって、やがてどっぷりハマる。そしたらボクの入る隙なんてみじんもなくなって、過去を振り返る歴史の勉強に明け暮れて、ヤラずにハタチを迎えるんだ。みんなにヤラハタって呼ばれるようになるんだ。)
:08/04/04 12:19 :PC :1Bn.IsqU
#681 [ザセツポンジュ]
(ボクはハタチで、金を払って風俗で童貞を捨てるんだ。。。でもそれでも素人童貞なんだ・・・)
「はあ、、、。ダメだダメだ。ボクはこともあろうか、なんて事を考えてるんだ、、、ふう。」
:08/04/04 12:22 :PC :1Bn.IsqU
#682 [ザセツポンジュ]
鈴木ジョウジロウ。
落ち着きを取り戻し、
寒空の下、呪文を唱えた。
「縄文、弥生、古墳、飛鳥、平安、鎌倉、室町、安土桃山、えーどーめいじーたしょーしょうわーへいせー!」
「、、、鈴木。」
「っぎゃっっっ!何ですか一体!何考えてるんですか!」
苦笑いの担任を目の前に
ジョウは大声で怒鳴りつけた。
:08/04/04 12:27 :PC :1Bn.IsqU
#683 [ザセツポンジュ]
「何を考えているかは、お前に聞きたい。昼休み、終わってるぞ。とっくにチャイム鳴ったぞ。」
チャイムの音すら聞こえない。
恋わずらいとは重い病気だ。
:08/04/04 12:28 :PC :1Bn.IsqU
#684 [ザセツポンジュ]
「鈴木、さっきの、奈良が抜けてたぞ。」
ジョウジロウはスクっと立ち上がり
階段を下りて、教室に向かった。
(縄文、弥生、エノシタ、古墳、飛鳥、エノシタ、奈良、平安エノシタ、安土エノシタ、江戸エノシタ。。。)
「頭おかしーんじゃねーのか!」
ジョウジロウは自分の頭をポコポコ殴った。
担任はジョウジロウの肩を抱いた。
:08/04/04 12:34 :PC :1Bn.IsqU
#685 [ザセツポンジュ]
そんなジョウとは
打って変わって
片田舎の中学限定
スーパースターの
昼休みはなんとも
さわやかなものだった。
ジョウにゴミ箱を指差され
置いてきぼりを食らったトミー。
悩ましげな幼馴染の
後ろ姿を見て、確認しないわけには
いかない。
:08/04/04 13:56 :PC :1Bn.IsqU
#686 [ザセツポンジュ]
ーガサゴソ、、、。
トミーは手当たり次第、
ゴミをあさった。
「ん?うん、、、。うん。ふ〜ん。、、、了解生コン!」
:08/04/04 13:58 :PC :1Bn.IsqU
#687 [ザセツポンジュ]
「誰と話してるの〜?」
ゴミと話していたトミーに
かけてきた女の声で
顔を上げた。
「エ!エノモトさん!」
トミーは紙くずをグシャっと
ポケットにつめこみ、変態トミオの
スイッチを軽く押した。
:08/04/04 14:01 :PC :1Bn.IsqU
#688 [ザセツポンジュ]
この男、よっぽどついているのか
意中の相手から声がかかるという
強運の持ち主である。
「エノモトさん、冬休みはどうお過ごしで?」
:08/04/04 14:02 :PC :1Bn.IsqU
#689 [ザセツポンジュ]
トミーはエノモトさんの手を
優しくひっぱり、靴箱の隅っこに
しゃがみこんだ。
「う〜ん、、、。特に予定は。」
トミーの目がギラリと光った。
「じゃあ、よく聞いて。クリスマスに俺とチュウするのと、クリスマスに俺とチュウするの、どっちがいい?」
片田舎のスーパースターじゃなかったら
殺されるほどの勘違い発言だが
木田トミオ、ギリギリセーフで通過できた。
「どっちも同じじゃん。」
:08/04/04 14:06 :PC :1Bn.IsqU
#690 [ザセツポンジュ]
そんなエノモトさんも
トミオマジックにかかり
照れて下を向いた。
「わかった。じゃあ頑張って1か2で答えてみよう。」
トミーはうつむくエノモトさんの顔を
覗きこんだ。
:08/04/04 14:09 :PC :1Bn.IsqU
#691 [ザセツポンジュ]
「い、、、いちばん、、?」
チラっとトミーを見る
エノモトさん。
「、、、お前、ヤリマンか?」
「は?」
<キーンコーンカーンコーン。>
予鈴が鳴った。
:08/04/04 14:11 :PC :1Bn.IsqU
#692 [ザセツポンジュ]
「じゃないよな。とりわけ、この俺のメアドにとてつもない速さでメールちょうだいね。」
トミーは事前に用意しておいた
マイアドレスのメモを
エノモトさんに渡し、立ち上がった。
「え、トミーは今彼女いないの?」
しゃがみこんだまま、
メモ紙を手に持ち顔を上げたエノモトさん。
トミービジョンから見下ろした、
そのエノモトさんの上目使いが
トミーのツボと言うツボを付き
もう一度しゃがみこんで、エノモトさんの目を見た。
:08/04/04 14:16 :PC :1Bn.IsqU
#693 [ザセツポンジュ]
「いない。エノモトさんが、俺の彼女になると簡単に思ってたんだけど、まだわかんない。エノモト争奪戦に参加して、なおかつ優勝しないとダメなんだよ、俺。それで冬休み忙しいんだ。」
エノモトさんは携帯を取りだして
トミーにメールを送った。
:08/04/04 14:21 :PC :1Bn.IsqU
#694 [ザセツポンジュ]
<優勝するようにおまじないしてるね☆>
何ともむずがゆい鳥肌の立つような
二人だが、本鈴がなるまでの
わずがな時間、トミーはエノモトさんと
靴箱の隅っこにしゃがみこみ、
甘いひと時を過ごしていた。
:08/04/04 14:25 :PC :1Bn.IsqU
#695 [ザセツポンジュ]
_______________
「あの女、あと二日もすれば落ちるな。ほんっとどいつもこいつもヤリマンだ。日本の女はヤリマンだ。あいつもこいつもヤリマンだ。ヤリマンダーヤリマンダー」
バシッッ。
「木田。もうちょっとマシな独り言にしろ。チャイム過ぎてるぞ。」
担任は持っていた教科書で
トミーの頭を憎しみを込めて
殴った。
「ヤリマンダー。」
バシッッッ
担任はそのまま階段を上がっていった。
(先生こそチャイム鳴ったのにどこ行ってるんだろう。)
:08/04/04 14:29 :PC :1Bn.IsqU
#696 [ザセツポンジュ]
先生のいない教室に戻ったトミーは
席に座り、あたりをグルっと見渡した。
「ヤリマンダーヤリマンダー」
「な、何言ってんの?トミー、ジョウと一緒じゃないの?先生探しに行ったのに。」
隣の席の、割りとブサイクな渡辺さんは、
トミーを二度見しつつも、ジョウの行方を心配していた。
「ヤリマンダー、ヤリマンダー」
:08/04/04 14:33 :PC :1Bn.IsqU
#697 [ザセツポンジュ]
「ふざけないでよ!」
「、、、渡辺さん、怒ったときの顔、超可愛いんだけど。」
「え、、、。」
顔を赤くする割とブサイクな渡辺さん。
「ヤリマンダーヤリマンダー」
:08/04/04 14:36 :PC :1Bn.IsqU
#698 [ザセツポンジュ]
「もう!」
ガラガラー。
渡辺さんをからかった後
担任とジョウは戻ってきた。
「はーい、授業始めるぞ〜。鈴木は屋上で独り言をぶつぶつつぶやいていたので遅れましたー。鈴木ー。みんなにあやまれ。」
「すいませんでした。」
ジョウは深いお辞儀をして、
憂鬱にも席に戻った。
すぐさまトミーがジョウの
耳元で話かける。
「ジョウジロウちゃん。俺、エノモトさんとクリスマスにセックスする約束しちゃったんだけど。ヤリマンダーヤリマンダー」
いつもだったらこの耳元で囁くトミーにイラつきを
覚えるのだが、さっきまでの悩みごとが
バカみたいに思えてきたジョウジロウ。
:08/04/04 14:44 :PC :1Bn.IsqU
#699 [ザセツポンジュ]
「え?クリスマス、エノモトさんと過ごすの?エノモトさん?エノモトさん?」
エノモトさんのモトの部分を
どうしても強調してしまうジョウジロウ。
「エノモトさんと何時から何時何分まで遊ぶの?え、それ確実に遊ぶわけ?エノモトさんと?」
尋問する警官のように
必死なジョウジロウ。
:08/04/04 14:47 :PC :1Bn.IsqU
#700 [ザセツポンジュ]
「、、、え?ジョウジロウちゃん。どうしたの?なんでそんなことまで聞いてくんの?だってもう決めちゃったもん。そうか、、、。俺と遊びたかったんだよな。俺とサンタさんごっこしたかったんだよな。それならそうと早、、」
ジョウはトミーを耳元から
押しのけた。
「さっきから近いし。全然違うし。サンタごっことかしたこともないし。」
:08/04/04 14:51 :PC :1Bn.IsqU
#701 [ザセツポンジュ]
ジョウは、トミーの
極度の勘違いにあきれながらも
希望で満ち溢れていた。
(じゃあ、じゃあ、ボクはエノシタさんと、エノシタさんとクリスマスを過ごせるチャンスかもしれないじゃん!いけいけごーごーすーずーき!)
ジョウは、自分にエールを送り
気持ちを入れ替え
歴史の授業を受けた。
:08/04/04 15:00 :PC :1Bn.IsqU
#702 [ザセツポンジュ]
「ねえ、トミー。エノモトさんと、エノモトサンとうまく行けばいいね!」
「、、、。お前何でさっきからエノモトサンのとこだけカタコトになるんだ?」
おおっと危ない。
恋に集会に冬休みにクリスマス。
これから忙しくなる少年2人だった。
:08/04/04 15:40 :PC :1Bn.IsqU
#703 [スかなス]
あげ
:08/04/06 13:57 :W51CA :atC9RIq6
#704 [我輩は匿名である]
あげ〜
:08/04/12 20:21 :F705i :gVWd4Us.
#705 [べあ-]
定期あげ-
:08/04/28 23:15 :W51CA :8wFrJpcE
#706 [ケイネス]
書籍化しないんですかー?
:08/05/03 17:10 :W53H :JFmXJx66
#707 [ザセツポンジュ]
【談】
ザセツポンジュ。
持続性がないのであります。
もうきーさんだのすーさんだのをちまちま書きはじめて
あしかけ
2年ほどになりました。2008年7月7日に完結させます〜
(と、言わないとやらないので言ったからには個人的にやろうと思います。)
“あげ〜”してくれた方々。
たんまに開くと
嬉しくて鼻血が出そうです。
最後の最後には
しょうもないサプライズとともに
完結させますので
7月7日まで
ダラダラとよろしくです。
ありがとうです。
:08/05/03 17:41 :W51CA :NqM0mZf2
#708 [みずき]
主サン大好きです(ω)ノ
期待してます
:08/05/03 22:17 :W44K :z8giIPI2
#709 [ゆちよん]
全部読みました
頑張ってくださいね~
:08/05/05 21:59 :W51S :gldcouak
#710 [ケイネス]
書籍化してくれる人いないかな
でたら買うよ。主のクオリティとセンス良すぎですって!
:08/05/08 23:44 :W53H :GEKeQMHQ
#711 [ザセツポンジュ]
『ブフォ!格別に熱い!まるでみーちゃんのワシに対する想いがココに表れているみたいでならん!』
早朝の#7791カフェで、猫舌なのにも関わらず熱い梅昆布茶を嬉しそうにすするすーさん。
きーさんは
小夜子ストロベリーをほうばりながら
すーさんを軽蔑した。
:08/05/13 23:13 :W51CA :aYBz2q7U
#712 [ザセツポンジュ]
『すーさん。そこまで熱い梅昆布茶を出してこられたみーちゃんは、心底自分の事が嫌いなのではないかと疑うのが一般論だ。すなわちすーさんの脳内は腐っている。近くの病院に行きなさい。』
『フーァッ。フー、フーァッ。』
否定的な意見は聞き入れない主義。
鈴木ひとし、老人。
:08/05/13 23:16 :W51CA :aYBz2q7U
#713 [ザセツポンジュ]
『きーさん。吐きダコのきららちゃんはどうなったんじゃ。もうずっとキャバクラにも行ってないし、なにより空ちゃんがワシを呼んでおる。』
『営業と言う漢字2文字の意味がお分かりかね。まぁいい。きららちゃんの様子見がてら、まず六さんのところへ行ってみよう。すーさん。また夕方に。』
小夜子と甘い一時を過ごしたきーさんは
伝票をすーさんの顔に貼り付けカフェを出た。
『ワシのオゴリ系かよ〜。うぜぇ系?伝票も貼り付ける系?代金払え系?きーさん。ゴールデンエッグスて知ってるか系?あ、あれ?きーさん!みーちゃん!きーさんは!!?』
:08/05/13 23:25 :W51CA :aYBz2q7U
#714 [ザセツポンジュ]
日が暮れだした
茜色の寒空の下
老人2人は
懐石料理“廣六”へと
向かった。
ガラガラガラー。
『いらっしゃいま…』
出迎えた
着物を来た可愛らしい女性は
びっくりした様子で2人を見たまま口に手をやった。
:08/05/13 23:30 :W51CA :aYBz2q7U
#715 [ザセツポンジュ]
『きららちゃん…アンタまさか六さんと性行為に及んだのでは…きーさん、この女危ないぞ、気を付けろ…』
すーさんは難しい表情を浮かべきーさんの後ろに下がった。
きーさんは
きららちゃんを
上から下までじっくりと眺めこう言った。
『きららちゃん。少し、痩せたな。』
『うん!』
きららちゃんは
とても嬉しそうにニッコリ笑った。
:08/05/13 23:33 :W51CA :aYBz2q7U
#716 [ザセツポンジュ]
六さんの店に通ううちに
バランスの良い食事を
こころよくとらせてもらっていることに
気が引けて
週に2、3回程度
中居として働かせてもらうことになったと言うきららちゃん。
ちなみに
六さんと言う老人と
セックスをしてしまうほどアバズレではない。
うそつき空ちゃんと
働くキャバクラには
出勤を減らし
こちらも週3程度で働いている。
精神的なバランスも
徐々にとれだしていた。
『きーさん。私ホントに感謝してます。ありがとう。』
:08/05/13 23:38 :W51CA :aYBz2q7U
#717 [ザセツポンジュ]
きーさんの手を握った
きららちゃんの手の甲から見える
吐きダコの跡が
少し薄くなっていることに、きーさんは安心した。
『きららちゃん。空ちゃんはワシのこと寂しそうに待っているんじゃろ。ワシも会いたいよ。なのにきーさんときたら、何遍誘っても首を縦に振ってくれないんじゃ。きーさんはインポなんじゃ。』
『すーさん。いい加減、死のうとは思わないのかね。この町内のためにも。ちょっと黙っててくれ。』
くすくすと笑うきららちゃんは何かを少しとっぱらったような可愛い笑顔だった。
:08/05/13 23:43 :W51CA :aYBz2q7U
#718 [ザセツポンジュ]
『もう今日は暇だし、アンタもきーさん達とご飯食べなさい。仕事はもういいから。ね。』
六さんの登場に
すーさんはブーイングした。
『六さん!アンタ、きららちゃんをアンタ呼ばわりして何様のつもりかね!変態!ワシですら空ちゃんとチュウもしたことないのに若い娘をなめまわしやがって!』
ゴツン!
『…っつ…。』
きーさんのゲンコツは痛いのだ。
六さんの料理フルコースを食べあさるうちに
日本酒に酔っ払った
すーさんは
ウトウトしだし、大人しくなった。
:08/05/13 23:50 :W51CA :aYBz2q7U
#719 [ザセツポンジュ]
きーさんはタバコに火を付け
一息ついたところで
ゆっくり話だした。
『きららちゃん。本名は何と言うか知らないがそれはどーでもいい。だが…あの…その…手の…事だけども、…体が痩せてキレイになったからと言って解決する問題と言うワケではないのは分かるかい?』
きららちゃんは
手の甲の自分をいじめた赤色の痕跡にそっと手でおおいかぶせ
話し出した。
:08/05/13 23:55 :W51CA :aYBz2q7U
#720 [ザセツポンジュ]
『はい。私ちょっと、勘違いと言うか、過剰に思いすぎていたところがあった…。何かうまく行かない事があると、太っているせいだとか、容姿端麗ならこんな風にはならなかったはずだとか、胃の中に入れたら太ってしまう…出してしまわないと自分は醜いだとか…』
きーさんは
静かな空気の中
フゥっと煙を吐き出した。
『だけど、それよりももっともっと奥の方に、きららちゃんがそうなってしまった原因があるだろう?』
きーさんの
とても柔らかい口調に
きららちゃんは
ほだされていった。
:08/05/14 00:04 :W51CA :FHLTeiMw
#721 [ザセツポンジュ]
『そうね…。それがどうなれば解決とされるのかは分からないけれど、まずは自分を安定させて、それから少しずつ向き合って行けたらなと思うの。』
せめてきららちゃんは
このまま
今、描いているイメージ通りに
進んでいけることを
きーさんは切に願った。
『ピーピーピー。ピピッピピー。空ちゃ〜ん。ワシの空ちゃ〜ん。』
すーさんは顰蹙係。
酔っ払った時は
いつだってこうだ。
:08/05/14 00:08 :W51CA :FHLTeiMw
#722 [ザセツポンジュ]
口の中の
歯ぐきが
ガクガク踊り出して
次は
のどに
次は
心臓に
次は
胃に
次は
心臓に
次は
のどに。
顔を憎み
腕を憎み
胸を憎み
腹を憎み
足を憎み
怖くなって
怖くなって
眠る。
:08/05/14 00:14 :W51CA :FHLTeiMw
#723 [ザセツポンジュ]
チョコレートもポテチも牛丼も
お母さんもお父さんも近所の人も
サンドイッチもハンバーガーもラーメンも
学校も友達も先生も。
アイスもケーキもワッフルも。
妹も妹も妹も…
私の中から出て行って
いらないわ、何もかも
邪魔だわどれもこれも
ずっと比べていればいいわ。
:08/05/14 00:17 :W51CA :FHLTeiMw
#724 [ザセツポンジュ]
どうだっていいもの。
私にはどうだっていいもの。
無くなればいい。
死ねばいい。
私は醜い。
消えてしまえばいい。
どうだっていい。
どうだっていいもの。
全部
どうだっていいもの。
:08/05/14 00:19 :W51CA :FHLTeiMw
#725 [ザセツポンジュ]
ーーーーーーーーー
『おはようございます。木田です。生徒会長です。皆様、ご機嫌はいかが?』
恒例の、全校集会が幕を開けた。
《キャーーーー!!!!トミーーーーー!!!》
何を土地狂ったのか
片田舎の女子中学生の
黄色い声援と言うものは
トミーをつけあがらせる
最大の覚せい剤だ。
:08/05/14 00:23 :W51CA :FHLTeiMw
#726 [我輩は匿名である]
:08/05/14 07:04 :N902i :BcjqSwbk
#727 [我輩は匿名である]
:08/05/14 07:05 :N902i :BcjqSwbk
#728 [空の色]
こんな小説あったんだ…ほんと読めてよかったbb
温かい気持ちになるよ、これからも楽しみに読ませてもらいやす
:08/05/16 21:36 :W43H :mHnGFj8s
#729 [ザセツポンジュ]
『今から全校集会を始めます。きりつ、気をつけ、れい。』
ステージには
新生徒会役員、トミーやジョウを含めた6名。
裏方に、旧生徒会役員、トキムネ氏、エノシタさんを含めた6名。
体育館2階には
父兄にPTAが勢揃い。
そして、1階の窓際に一列、教師達が並ぶ。
ステージに一番近いところに我が校代表する校長が座った。
:08/05/19 01:22 :W51CA :UWzOEldU
#730 [ザセツポンジュ]
女子達の黄色い悲鳴は止まない。
調子に乗りたい気持ちを抑え
トミーはマイクを持ちステージのそでに立った。
『女子達。キャーキャーピーピーうるさいんですけど。シーよ。シー。俺は、今日来ている君達のママやパパにひとりずつ挨拶してまわらないといけない。そしたらどうなる。全員のパパにボコスコにされてしまうよ。…それで余計かっこよくなれるかもしれないけど。』
腹の立つ勘違い発言だが片田舎のため許された。
いつものことだ。
2階からドっとわかせたところでトミーは口に人差し指を立て、会場をしずめた。
:08/05/19 01:33 :W51CA :UWzOEldU
#731 [ザセツポンジュ]
『皆様今日はお集まり頂き有難うございます。今年も、例年通りの議題で行うように校長から言われました。が、しかし、そんなのなんにもおもしろくないので校長の命令は完全無視する。』
小さな話し声が広がりざわつきはじめた。
校長はキョロキョロしてなにやら教頭に耳打ちした。
『議題を発表します。』
トミーは裏方の前生徒会長、トキムネ氏に指示を出した。
『そこのファイルにある1枚目をスクリーンに映し出せ。』
トミーの鋭い目に圧倒され、言われるがままに従った。
何も聞かされることのなかった旧生徒会役員。
トミー率いる新生徒会役員との確執は深かった。
:08/05/19 01:45 :W51CA :UWzOEldU
#732 [ザセツポンジュ(仕事中のためPC)]
《い じ め》
スクリーンいっぱいに
映し出された、たった3文字の言葉。
みんなが議題を飲み込んだのを
確認したトミーは、進行をジョウと交代した。
『はい。ここに出ている文字を見てハッとした人もいると思いますが、この学校にいじめは存在しました。今日来ているお父さんお母さんは、ショックかもしれませんが、娘さん、息子さんが誰かをいじめているかもしれません。』
:08/05/19 16:55 :PC :inGAe7KI
#733 [ザセツポンジュ]
ザワつきのボリュームは
次第にあがって行き、
校長は教頭をステージの上に送り出した。
教頭は校長に言われた通りの
マニュアル的台本を、ジョウの耳元で告げた。
普段は物静かなジョウジロウちゃんも
好きな子を守る
盛大なパーティーの最中、
忠告を聞き入れるわけにはいかない。
ジョウは、教頭の背中を押し
ステージの真ん中へ立たせた。
『今ボクに言った内容を、目の前にいるみんなにも発表してください。』
:08/05/19 17:01 :PC :inGAe7KI
#734 [ザセツポンジュ]
教頭に、マイクを渡した。
『、、、いや、、、あの。』
マイクを持って
突っ立ったまんまの教頭に
生徒からヤジが飛ぶ。
『何言ったんだよ!言えよ!』
『なにやってんだよ、お前コケシか!』
混乱する体育館内と
それ以上に困り果てた、教頭、校長、、、。
教頭はマイクをジョウに渡し、肩に手を置いた。
『やりたいようにやれ。知らないぞ。』
そう言い残し、あまりの恥ずかしさからか
ステージの裏に逃げてしまった。
:08/05/19 17:06 :PC :inGAe7KI
#735 [ザセツポンジュ]
校長がギラリと睨んだ先、
教頭は見えないステージの裏側で
今までにない屈辱を味わい
身震いせざるを得なくなってしまった。
裏方にかまえていた
旧生徒会役員も
この時ばかりは、かける言葉すら無かった。
『教頭が逃げたところで本題に入ります。スクリーンに映し出す資料をみんなで見て行きましょう。あとでみんなにも意見を発表してもらいます。』
:08/05/19 17:16 :PC :inGAe7KI
#736 [ザセツポンジュ]
ジョウはエノシタさんに
資料を渡し、順番に映しすようにお願いした。
エノシタさんは、普段は見せないような
不安な顔でジョウを見つめていた。
何を話せるわけでもなく
ジョウはステージに戻った。
:08/05/23 12:13 :PC :2EGMUVP.
#737 [ザセツポンジュ]
年間、少年少女の自殺が
600件にも達していること、
それを大人達は隠してしまっていること。
いじめをすることによって、
優越感を得る同年代の子達の心理
ネットでの書き込み、中傷が
増え続けている事。
黙って見ている人の立場。
ジョウが説明していくたびに
忠実に資料を映し出して行ったエノシタさん。
ステージの裏でのエノシタさんの様子が
気になって仕方のなかったジョウ、、、。
『暇なんですけど〜。』
ステージで説明するジョウを押しのけ
暇を持て余していた、生徒会長木田トミオが現れた。
トミーの再びの登場に
いちいちザワつく田舎女子。
ジョウはトミーと進行を交代した。
『鈴木くんの資料を見て、だいたい分かったと思いますが、ここで突撃インタビューを開始します。何か意見のある人は手を挙げましょう、、、。もちろん挙がりませんね。では、適当に出席番号を言うので各学年、呼ばれた出席番号の人は立ちましょう。』
新生徒会役員、トミーとジョウをステージに置き
残りの4人がマイクを持ち、体育館に散らばった。
:08/05/23 12:29 :PC :2EGMUVP.
#738 [ザセツポンジュ]
『それでは、出席番号を発表します。男子5番、20番。女子2番18番。今呼ばれた出席番号の人、さっさと起立。』
トミーは、立たされた顔ぶれを眺めた。
そして、質問を開始した。
『1年生、1組の男子5番の子。名前をどうぞ。』
いたって健康そうで、1年生ならではの
ズボンの丈が少し短い男の子だった。
『片岡洋平です。』
名前もいたって当たりさわりなく普通だ。
:08/05/23 14:33 :PC :2EGMUVP.
#739 [ザセツポンジュ]
『片岡君、さっきの資料で、年間600件の自殺が報告されていると言うことだったけども、600件全部がいじめが理由なワケではないと思う。でも死ぬほど嫌になるくらいのことを、片岡君は経験したことがありますか?』
トミーの唐突な質問に
いたって健康そうな片岡君は戸惑っていた。
『、、、ありません。』
『では、塾でもなんでもいい。しんどいな、苦しいなと思ったことはありますか?』
『、、、それは、あります。』
『そこで、そのしんどさをどうまぎらわす事ができましたか?』
『、、、。』
ズボンの丈が少し短い片岡君は
緊張のせいもあり、ガチガチで上のほうを見て考えた。
『僕は、、、。数学が苦手で、よく怒られていて、、、。それが嫌だったけど、友達に打ち明けたら、数学教えてくれるようになって、、、。まだ苦手だけどちょっとは楽になりました。』
:08/05/23 14:59 :PC :2EGMUVP.
#740 [ザセツポンジュ]
『ありがとうございます。座ってください。』
片岡くんはズボンの丈を気にする事もなく
ホっとした表情で着席した。
『同じく1年1組の男子20番。名前から。』
『福井祐樹です。』
ドラえもんで言うスネオポジションとおぼしき
男の子。
『いじめと言うのは、どこからがいじめと呼ぶのかは難しいかもしれませんが、誰かがいじめをしているのを見た事がありますか?』
『まだありません。』
『では、仲の良い友達に、簡単に言うといじめを誘われたらどうしますか?』
『、、、断ると思います。』
『断ると、思います?』
『、、、断ります。』
『今みんなの前で言ったその言葉を忘れないでください。座ってください。』
:08/05/23 15:13 :PC :2EGMUVP.
#741 [ザセツポンジュ]
ジャイアンポジションに
のび太ポジションをいじめようと誘われたら
きっとジャイアン側についてしまうだろう。
そんな自分の性格をなんとなく把握していた福井は
なかば強制的に宣言した言葉を重く受け止めた。
『では1組の2番女子。』
『安達さきです。』
安達さん、トミー軍団の一味である。
ニヤニヤしながらマイクを自らぶんどっていた。
『さきちゃん。無視したり、はみごにしたりと言う経験はありますか?』
『あ、ありません。でもしている人なら見た事があります。』
堂々とした発言に体育館がどよめいた。
:08/05/23 15:26 :PC :2EGMUVP.
#742 [ザセツポンジュ]
『どういう風な形で始まりますか?』
『目立つか暗いかでターゲットが決まるケースが多いです。』
1年1組女子から安達さんにブーイングが起きている。
『1組女子静かにして。まだ質問が残っている。』
1組女子達はふてくされながら口を閉じた。
『さきちゃんは、それに加わった事はないと言いましたが、ではそのされている人や、している人に、何か注意とかはできましたか?』
1組女子は全員安達さんを睨みつけた。
『注意はしたけど、、、聞いてくれませんでした。』
:08/05/23 15:32 :PC :2EGMUVP.
#743 [ザセツポンジュ]
1組女子はこの発言を聞いた途端
言いたいことをガヤガヤと言い始めた。
『トミー先輩の前だからっていい顔すんなし。』
『注意とか言う前にお前もやってんじゃん。』
『お前がむしろ先陣きってはじめてるし。』
安達さんは自分が掘った墓穴を恥じて
泣き出した。
マイクを持ったまま席に座りこんだ。
生徒会役員はマイクだけはと
奪い返した。
:08/05/23 15:38 :PC :2EGMUVP.
#744 [ザセツポンジュ]
『静かに。静かに!1年1組の女子、貴重な意見をどうもありがとう。でも別に褒めているわけではない。これで、先生達も、体育館2階の皆様も、なんとなく今回この議題にした意味が分かったと思います。ただ、1組女子も他のクラスも他の学年も、考えを改めてください。している人だけが悪いのではなく、黙って見ている人も関係しています。そしてこの俺も、えらそうに言える立場ではありません。』
:08/05/23 15:43 :PC :2EGMUVP.
#745 [ザセツポンジュ]
トミーは空気の変わりつつある
体育館の温度を感じ取り、
各学年、各クラスに質問を投げかけていった。
最後、3年3組ー。
『3組女子、2番。』
『石崎、、、みさです。』
石崎さんは、エノモトさんと人気を二分するくらいの
可愛さの目立つ女の子であるが、
どこかトゲトゲしい雰囲気を持っていた。
『石崎さん。クラス内で悪質ないじめが発覚した場合、石崎さんならどうしますか?』
『どう?って言われても、、、。』
『ほっときたいですか?』
『ほっときたいワケじゃないけど、この先もいじめは続いて行くと思います。』
『いじめている人が死ねば、そこでひとつのいじめは終わりますね。それでもまだ続きますか?』
『続きますね。全国全ての学校でのいじめをいちいち終わらすことは不可能だと思います。』
『全国区の話はしていません。身近なあなたのクラスでの話しをしているんです。』
石崎さんの尖った態度に
トミーも強気に出ていた。
この最終地点までやっとこぎつけたのに
今さらひるむワケにはいかなかったのだ。
:08/05/23 15:58 :PC :2EGMUVP.
#746 [ザセツポンジュ]
『石崎さんのクラスで、いじめがあったとします。でも、3年生はあと1学期過ごせば卒業して学校もバラバラですよね。そしたらそのいじめはなかったことになると思いますか?』
『わからないんじゃないんですか?』
『石崎さんは、いじめに対してとても安易な考えと言うことでよろしいでしょうか?』
『そう思いたいならかまいません。逆に、木田くんはどうにかできるんですか?』
:08/05/23 16:03 :PC :2EGMUVP.
#747 [ザセツポンジュ]
この白熱した言葉の交換に
目をいったりきたりさせる
生徒達の心臓は高鳴っていた。
そして石崎さんの投げかけた質問の答えを
トミーにたくし、ステージを真剣に見つめた。
『俺は、人をいじめると言う趣味はない。それは誓う。それにクラスにも恵まれています。俺のクラスには多分いじめはない。でもそれは多分としか言えません。この学校は田舎で、生徒も割りと少ないほうで、いじめなんかなさそうに見えるが、この学校であるまじき行動を目撃したヤツがいる。俺はそれを聞くまで、いじめには無頓着だったから、俺も悪い。』
:08/05/23 16:15 :PC :2EGMUVP.
#748 [ザセツポンジュ]
『だけど、いじめがあるんだったら、見逃すワケにはいかないだろう。俺は、全国のいじめをなくしたいとか、そんな偽善ぶったことは言えないし、できない。自信はない。でも俺はこないだの演説で約束したんだよ。みんなは覚えてないかもしれないけど、俺は自分が言った言葉に責任を持ちたい。この学校の中だけでも、どうにかしたいと思ったから、今日この集会を開いている。』
:08/05/23 16:23 :PC :2EGMUVP.
#749 [ザセツポンジュ]
『石崎さんは、どうにかできるんですか?と質問してきたけど、もちろん俺だけでどうにかすることはできない。それが答えです。他に言いたいことはありますか?石崎さん。』
いつもなら、ダルいだけの集会で
いつもなら、人の話もロクに聞いてなくて
いつもなら、話している人の顔すら見ない生徒達だったが
全員が、右後方にマイクを向けられて立ったままの
石崎さんの顔を、石崎さんの目を見ていた。
石崎さんは自分の目では入りきれないほどの数の
全校生徒の目を見たまま答えた。
『あ、、、、ありません。』
:08/05/23 16:30 :PC :2EGMUVP.
#750 [ザセツポンジュ]
石崎さんは、自分が今までしてきたことを
全て思い出し、そして全校生徒の目を自分が自分に突き刺さったように感じて、席に座った。
『それでは最後です。3組女子、18番』
『、、、。』
『、、、。名前、どうぞ。』
『、、、。』
トミーもジョウジロウも分かっていたのだ。
あまりの衝撃に言葉も出なくなった
この女子の名前を。
『山田さん。山田さんには、最後の質問に答えてもらいたいんですが、答えられますか?』
山田さんは、ただただ首を横に振って
座ってしまった。
山田さんは、石崎さんと毎日毎日
一緒にいる。
二人は仲良し。
どちらかがどちらかに
支配されている。
二人は仲良し。
どちらかが命令して
どちらかが従っている。
二人は仲良し。
:08/05/23 16:44 :PC :2EGMUVP.
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