きみを送る
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#1 []
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⏰:07/03/28 02:29 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#2 []
はじめまして!
俺の名前は柏木志乃。
女みたい名前やけど
今時の男だ。

そう、今時の…

ただ、俺が他の奴と違うところは…

⏰:07/03/28 02:31 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#3 []
 
「志乃おはよ〜!もう朝だぞー!!」

……

「志乃くーん!遅刻しちゃうよー?」

「志乃!!起きやがれ!」

………

「……おはよ…」

⏰:07/03/28 02:32 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#4 []
「志乃〜!今日も寝起き、カッコイイよ。」

「…どーも」

「志乃くん、早く帰ってきてね?」

「はいはい」

「志乃てめー!いつになったらあたしの身体探してくれるんだよ!?」

「……俺も忙しいの」

⏰:07/03/28 02:35 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#5 []
まずは、こいつらを紹介しよう。

俺にべったりくっつく女。こいつは[まみ]

一年前に恋人に殺害、
以後成仏せずに俺の周りをうろうろさ迷ってやがる。

次に[さき]
こいつは事故で亡くなってから、未だに自分の死が受け入れられずにいるバカ女。俺と話す度、顔を赤らめやがる。

⏰:07/03/28 02:39 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#6 []
最後に…

「何ボケーとしてんだ!?いいかげんに行動しやがれ!!」

この口の悪い女は[りえ]

こいつは事故のショックから幽体離脱中。
身体の行方がわからないまま…

そう、俺が他の奴と違うのは

霊が見え、会話ができる。

今日も俺のめんどくせえ一日が始まる。

⏰:07/03/28 02:43 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#7 []
「いってきます…」

呟くように
玄関から、リビングにいるかあちゃんに放つ。

多分聞こえてない。
うちのかあちゃんは
耳が遠い。

「いってらっしゃーい!」

聞こえてたか…。

耳、よくなったみたいだ。

⏰:07/03/28 02:45 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#8 []
「いってらっしゃ〜い!浮気しちゃだめだぞ!」

「早く帰ってきて…。」

「学校よりも、身体探せよな!」

………

はあ……うざい……

なんで俺に憑くかなあ…

⏰:07/03/28 02:47 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#9 []
「志乃おはよ!」

………

「志乃ー?」

「あぁ、幸子。おはよ」

「どしたん?ボーっとしてるー!」

クスクス笑う女。

幸子は俺の彼女。

学校のマドンナと呼ばれるやつ。納得。美人の自慢な彼女だ。

「…別に。」

「一緒に学校いこ〜!」

無邪気に俺の手を握り、
笑いかけてくる。
俺の至福の一時だ。

⏰:07/03/28 02:50 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#10 []
「ね〜!今日こそ志乃の家行っていいやろ?」

……

「志乃と付き合ってもう三ヶ月やで?一回も家に連れてってくれへんやん。」

いやいや…
俺だって健全な17歳。
そりゃー幸子と
なんちゃらかんちゃら…
したいさ!
したいけど……

⏰:07/03/28 02:53 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#11 []
「あたしを差し置いて…」

そうそう…
こいつを差し置いて…

「まみ!!??」

「えっ?どしたん!?志乃??」

「あ…なんでもない…」

なんでいる…?
俺の横には
ムスッとしたまみが…

「志乃の浮気ものー」

ぶつぶつ言うまみを睨み、《チッ》と舌打ちをする。

浮気もなにも、
幸子は俺の彼女だし。

⏰:07/03/28 02:57 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#12 []
【第一章 まみ】


「まみ…何でついてきた」

学校に着くなり、
俺は人気のない裏庭のベンチに腰掛け、
まみに話し掛けた。

「家にいてもつまんないもーん」

……

じゃあ、とっとと成仏してくれ…。

⏰:07/03/28 03:07 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#13 []
「お前さ、何で成仏しないわけ?」

「ひどーい!あたし、志乃と一緒にいたいんだもん」

「いや、真面目に、真面目に。」

「………」

まみの顔が一瞬曇る。

「真面目に志乃といたいんだよっ!!」

そう言ってニッコリ笑った。

⏰:07/03/28 03:10 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#14 []
「ふーん。ま、しゃーないかー。でももう学校にはくんなよ?お前は俺にしか見えへんねんから…外で会話できひんし。」

「えー!なんでぇ?」

…こいつ……

俺がお前と話してたら
俺は明日から
《きちがい》と呼ばれるだろう。
周りから見たら独り言を話してると思われるから。

「とにかくくるな。」

⏰:07/03/28 03:13 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#15 []
「わかったよー。でも今日はもう来ちゃったから、志乃に着いてていいよね?」

「…今日だけな」

「やったー!!」

跳びはねてクルクル周りながら手を叩いて喜ぶまみを見て、俺も笑った。

「あほか…」

⏰:07/03/28 03:15 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#16 []
チャイムが鳴り、
俺はまみと一緒に教室に向かった。

「いいか?絶対話し掛けるなや。話し掛けても、俺は何も答えへんから。」

「がってんだい!!」

…お前はどこぞのおっさんや。

⏰:07/03/28 03:17 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#17 []
教室に入ると

「志乃おっす!」

かたまりになった男子グループの中の一人、
【恵司】が俺に声をかけた

「よぉ。」

「志乃お前どこおったん?朝、幸子と一緒やったやろー?仲がよろしいことで」

ニヤニヤしながら恵司が俺の脇腹をつつく。

⏰:07/03/28 03:20 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#18 []
「うるせーよ。万年女日照り野郎」

「それは禁句やで〜」

泣き真似をする恵司をよそに俺は席についた。

「あたし…」

「はーい!席つけー!」

…………?

まみが何か言ったが、
担任の声で遮られ聞き取れなかった。

⏰:07/03/28 03:23 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#19 []
まみ……?

俺はちらりとまみを見た。

……どうした?


まみは真っ青な顔で

とは言っても死人だから
顔色は元々悪いが

真っ青な顔で

「先に帰る」

と言ってふわふわと窓に向かった。

⏰:07/03/28 03:25 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#20 []
へんなやつ…


俺はたいして気にせず、
机に俯せた。

これから俺は夢の中にいき、妄想タイムが始まる。

第二の至福の時間。

見るべき夢は
もちろん幸子との…

おやすみ!

⏰:07/03/28 03:28 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#21 []
 

「志乃…愛してる…」

「俺も……」

「志乃……」

「……………」


俺の指が
彼女のサラサラした髪に絡まる。

「愛してる…」

彼女の顔は………

 

⏰:07/03/28 03:31 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#22 []
《バッコーン!!》

「いてぇ…」

いつもより早く夢から覚めた。

俺の前には
鬼の形相をした担任。

腕には丸められた教科書。

「…痛いです」

「俺の授業…そんなにつまらんか?」

「……すんません」

⏰:07/03/28 03:34 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#23 []
俺は担任に謝り、
教科書を開いた。

担任は満足そうにニヤリと笑い、教壇に歩いた。

俺は窓を眺めた。


「まみ!!!」

⏰:07/03/28 03:36 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#24 []
思わず叫んでしまった。

まみが

窓の外から何か
ある一点を見ている。

俺の叫びにも気付かないようだ。

さみしげな表情で…

「柏木?どしたんや?」

急に叫んだ俺を
担任とクラスのやつらが
怪訝な顔で見ている。

「いえ…寝ぼけました」

⏰:07/03/28 03:39 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#25 []
俺は再度まみを見る。

何を見ている…?

良雄か…?
いや、咲穂か…?
恵司か……?

誰を見ている?

俺の視線にも気付かず、

泣きだしそうな表情で
微動だにせずに

何かを
誰かを見ている…

⏰:07/03/28 03:54 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#26 []
しばらく見ていると
まみはさみしげな表情から

フッと微笑み、
俺に気付いた。

俺と視線が合うと
まみは軽く手を振り、
ふわりと消えた。

不覚にも俺は
まみのその表情が
すごくキレイだと思ってしまった。

⏰:07/03/28 03:56 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#27 []
「志乃くん」

ボケーっと窓を見ている俺に、隣の席の男が話し掛けて来た。

「顔、しまりないですよ」

飄々と言い放ち、
教科書に目を戻す
こいつの名前は
【神谷コウ】

コウとか片仮名でおしゃれ(俺の勝手なイメージ)
な名前のくせに
こいつはダサい。
いわゆるがり勉。

「余計なお世話や」

⏰:07/03/28 09:28 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#28 []
「せっかくキレイな顔立ちなんですから、もう少ししまった顔されたらどうですか?」

目線だけ俺によこし、
横目で俺を見ながら
鼻先でフッと笑った。

…むかつく……。
敬語なのが
さらにむかつかせやがる。

俺はコウが嫌い。

「忠告どーも。」

「お礼はいいです」

⏰:07/03/28 09:32 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#29 []
おもいっきりイヤミに言ったのに
こいつは気付かないのか…

コウは教科書を片手に
もう片方の手でノートをとりだす。

「がり勉…」

俺がボソッと言ったのを
コウは聞こえたのか
聞こえなかったのか

ゴホンと咳ばらいをし、
ノートをとる手を動かした

⏰:07/03/28 09:35 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#30 []
は〜授業中ひまやな〜。
なーんもやる事ない。

俺は妄想タイムに
再度突入しようと考えた。
が…

「志乃くん志乃くん!」

後ろの席の女が俺の背中をつついてきた。

「…なに」

振り向くと女は一枚の紙切れを俺に渡してきた。

⏰:07/03/28 09:39 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#31 []
ご丁寧に
その紙切れはハート型に折られている。

ははーん。
ラブレターか。

いやいや…俺彼女いるしな〜
「わりーけど…」
「神谷くんに渡して?」

俺の言葉を遮り、
その女は顔を赤らめながら言った。

神谷くん…て……

「え?コウ!?」

⏰:07/03/28 09:42 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#32 []
思わずでけー声がでた。
名前を呼ばれたコウは
俺をチラリと見、
いつものポーカーフェイスで
「なんですか?」
と聞いてきた。

後ろの席の女は顔を真っ赤にして俯いた。

俺はコウに向かって
ぶっきらぼうに手紙を投げ付けた。

「お前に手紙らしいで」

⏰:07/03/28 09:45 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#33 []
「ありがとうございます」

驚いた様子もなく
受け取った手紙を手にとる


…驚けよ!!
ラブレターなんぞ
もらいなれてねーだろ!

俺はイライラしながら
くだらない数式を黒板に書いている担任を見ていた。

「…志乃くん」

⏰:07/03/28 09:48 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#34 []
またコウが話し掛けてくる

うぜー
うぜー

「志乃くん」

「なんやねん」

「この手紙、どうやって開いたらいいんですか?」

うぜー
うぜーよ

「志乃くん」

ええい!

「貸せよ」

俺はコウから手紙を奪い、ハート型に折られた紙を開いてやった。

⏰:07/03/28 09:50 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#35 []
「ありがとうございます」

コウは飄々とした口ぶりで礼を言うと
俺の手から手紙を奪い取った。

「…なるほど」

ボソッとコウが呟き、
斜め後ろ(俺の後ろの席)に顔を向けた。

「付き合って、と書いてありますが、そういう事は手紙ではなく直接言ってきてください。誠意が伝わりません」

⏰:07/03/28 09:55 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#36 []
こいつ……
何が誠意やねん!
がり勉のくせに…

後ろの女は泣き出してしまった。

コウは平然と教科書に目を向けている。

だんだんむかついてきた

「おい!コウ!」

「なんですか?」

「お前なー」
「あぁ、またまみさんが戻ってきたみたいですよ」

窓の外に目を向けながら
顔色ひとつ変えずに
コウが言った。

⏰:07/03/28 10:00 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#37 []
…今なんて?

「お前…見えるのか?」

「はい」

「え…なんで…」

「それは愚問です。志乃くんもなぜ見えるか、わからないでしょう?」

…確かにそうだけど…


「彼女、この世に未練がありますね。厄介な事にならなければいいのですが…」

⏰:07/03/28 10:03 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#38 [)A゚+)ま(%。A(]
楽しい(^△^)

てか志乃が
おもしろいわら

がんばて下さい

⏰:07/03/28 12:34 📱:SH700iS 🆔:xxmkxjmo


#39 []
まサン
読んでくれてる方がいて嬉しいですまた夜書きますね

⏰:07/03/28 15:43 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#40 []
「未練ねえ…」

俺はまみを見ながら
まみの視線の先を追う。

恵司を…見ている…?

「まみさん」

コウが急に窓の外のまみに向かって声をかけた。

こいつ…あほか?

「まみさん、話しましょうか」

おいおい…

クラスのやつらが
まぬけな顔をして
コウを見る。

⏰:07/03/29 00:26 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#41 []
「えー?あたしの事が見えんのー!?」

キョトンとした顔で
ふわふわとまみはコウのそばにきた。

「はい。見えてます」

「…神谷…?独り言か?」

担任が恐る恐るコウに近づく。

「気にしないで授業、続けてください」

気にするっちゅーねん!!

⏰:07/03/29 00:29 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#42 []
「なんであたしの事見えるの?てか、志乃以外にも見える人がいて嬉し〜い!」

無邪気に手を叩きながら笑い出すまみ。

「嬉しいなら、良かったです」

…………

明日からこいつは
間違いなく
《変人》と呼ばれると
俺は確信した。

⏰:07/03/29 00:33 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#43 []
「神谷…大丈夫か……?」

「きみ、お名前は〜?」

「コウ、と呼んで下さい」

「コウ!!」

「…なんですか先生」

コウ、と呼んだのは
まみではなく担任だった。

「独り言…するくらい俺の授業はつまらんか……」

先生落ち込んじゃった!

⏰:07/03/29 00:37 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#44 []
「いえ、先生の授業はとても為になっています。ですが、今の僕は先生の授業より興味深いものと遭遇しました。」

…なんだこいつは


「ですから、僕の事は気にせずに授業続けて下さい」

ですから気にするっちゅーねん!!

⏰:07/03/29 01:19 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#45 []
「…そうか…わかった」

…え!?わかった!?
気にせえや!!


「まみさん、あなたはなぜ下界をさ迷っているのですか?」

クラスのやつらがチラチラ見る中で、
コウは淡々と話す。

「志乃のそばにいたいからだよっ!」

……俺の名前は出さないでくれ…

⏰:07/03/29 01:22 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#46 []
「…なるほど。」

……頼む!コウ!

「志乃くんのそばにいたいから、下界にいる、と…」

コウの言葉で
クラスの注目は
いっせいに俺に注がれた。

こいつ……

女子共が俺をチラ見しながらヒソヒソ話している。

俺は変人2号にはなりたくない!!

⏰:07/03/29 01:25 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#47 []
「え?俺がどうかした?」

とぼけて見せる俺。

コウ…頭のいいお前なら
俺の心理を読みとれるだろう?

「何とぼけてるんですか?まみさんが、あなたのそばにいたい、と言ってるんですよ?」

…ハッピーバースデー俺!変人2号の誕生だ。

⏰:07/03/29 01:29 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#48 []
「コウってば!あたし学校で志乃に声かけちゃだめなんだよ!」

ナイスまみ。
だが遅い…

クラス中のやつが
俺を白い目で見ている。

「…そうなんですか。志乃くん失礼しました」

遅いっちゅーねん!

⏰:07/03/29 02:31 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#49 []
「すみません、先生。僕と志乃くん体調悪いので早退させてもらえませんか?」

なぜ俺まで…
体調はよろしくてよ。

「あ…ああ…わかった」

わかるんかい!!

てゆーかコウさん?
俺を巻き添えにしないでいただきたい。

⏰:07/03/29 02:33 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#50 []
俺とコウは
クラス中の痛い視線の中
教室を出た。

「…志乃くん」

先に口を開いたのはコウ。

「志乃くんの家に行きたいのですが。」

………は?

おい、待て待て。
俺はまだマイハニー幸子すら家に上げてへんのに
むさ苦しいお前をなぜ家に?

「そーだね!家おいでよ」

まみ、お前の家じゃないだろ。

⏰:07/03/29 02:36 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#51 []
「では、お邪魔させていただきます」

「なぜ勝手に決まってるのだ」

セリフが棒読みになってしまうくらい俺は放心状態に近かった。

「僕が決めた事は、必然です」

ただのわがままか!!

「では、行きましょうか」

⏰:07/03/29 02:39 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#52 []
俺の家につくまで
まみとコウは
ずっと話していた。

俺はイライラしながら
無言を突き通した。

時々コウに

「人間の感情は、言葉にださないと伝わりません。言いたい事は言って下さい」

と言われようと
俺は口を開かなかった。

言ったところで
お前は引き下がらないだろ!!

⏰:07/03/29 02:43 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#53 []
「ついたよ〜!」

まみがニコニコしながら
玄関のドアを開けずに中にスゥっと入ってゆく。

「お邪魔します」

ほんまに邪魔や!!

「…どーぞ……」

俺はドアを開け、
不本意ながらコウを招き入れた。

⏰:07/03/29 02:45 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#54 []
「早かったね!おかえ…」
「早いな!今日こそ身体を…」

さきとりえは
コウを見て固まった。

「ほう…志乃くんは日頃、霊達にハーレム状態なんですね」

さきとりえをまじまじと見ながらコウは呟いた。

いちいちうざいやつだ…。

俺の怒りのパラメータは
また一歩マックスに近付いた。

⏰:07/03/29 02:48 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#55 []
「この人誰?あたし達の事が見えるの?」

さきがコウを見ながら俺に聞いてきた。

「…そうみたいやな」

「へ〜!お前、名前は?」

りえはニヤリと笑いコウを見た。

「コウ、と呼んで下さい」

⏰:07/03/29 02:50 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#56 []
「…コウ……?」

ニヤリと笑ったりえの顔が一瞬固まった。

「はい。…どうかされましたか?」

「…いや、別に」

りえは一言放ち、
ふらりとどこかに消えてしまった。

なんだ……?

「今の子の名前は?」

「…りえ」

「…………」

いつもポーカーフェイスのコウの顔が歪む。

「…なるほど」

⏰:07/03/29 02:54 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#57 []
「どうしたの?」

さきが不思議そうな顔で俺とコウを見た。

「別に何もありません。部屋に行きましょうか」

…ここはコウの家だっけ?

「部屋に案内して下さい」

お前どんだけ生意気やねん!!

パラメータはマックスになったことを告げた。

⏰:07/03/29 02:56 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#58 []
「…コウ……」

俺は怒りでわなわなと震えた。

「どうしました?志乃くん震えてますよ?」

お前のせいじゃ!

俺は思いっ切り、
コウに向かって拳を振り上げた。

《ガツッ》

⏰:07/03/29 02:59 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#59 []
「!?」

「…危ないです」

俺の拳は見事にコウの掌におさまった。

「志乃くん…僕は空手をしています。並のパンチは効きませんよ」

………
先に言えよ!
空回りした可哀相な俺の拳はコウの掌からヒラリと落ちた。

「部屋に案内して下さい」

⏰:07/03/29 03:01 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#60 []
俺はしぶしぶコウを部屋に入れた。

「…………」

「…………」

「…結構汚いですね」

普通言わなくね?
思っても普通言わなくね?

「悪かったな」

「いえ、構いませんけど」

ほなゆーな!!

⏰:07/03/29 03:03 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#61 []
「まぁ、志乃くん座って下さい。話しましょう」

俺んちやし!
俺の部屋やし!!

俺の気持ちを知ってか知らずか
コウは俺の部屋にある
俺のお気に入りの一人掛けのソファに腰掛けた。

俺のソファやし!!

もう怒りよりも呆れてきた

俺はコウと対面するベットに腰掛けた。

⏰:07/03/29 03:26 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#62 []
「まみさん…」


俺と話すんちゃうんかい!

「先程まみさんは、志乃くんといたいから下界にいる、そう言いましたね?」

「うん、そうだよ〜」

「それはおかしいです。矛盾してますよ」

「…なにがぁ?」

⏰:07/03/29 03:29 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#63 []
「では聞きますが、あなたは生前、志乃くんと知り合いでしたか?」

「………」

まみは困惑気味な表情をし、俯いた。

「志乃くん?志乃くんはまみさんの生前をご存知ですか?」

「知らない」

「…やはり」

⏰:07/03/29 03:32 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#64 []
「まみさん、あなたは死後、霊になってから志乃くんと知り合った。それで間違いありませんよね?」

「……だったらなに?」

「この世に未練のない者は、下界をうろうろさ迷う事など決してありません」

……言い切っちゃったよこの人……。

⏰:07/03/29 03:34 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#65 []
「まみさん、あなたはどんな未練があるんですか?」

「…………」

「答えてくれなければ、あなたはずっと成仏できませんよ」

「…成仏なんてしなくていいもん……」

「…わがままですね」

お前が言うか?
俺から見たら
お前のほうがよっぽどわがままだよ

⏰:07/03/29 03:37 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#66 []
「あなたはここに存在してはいけない者です。成仏しなさい」

うわー…
命令しちゃった…

「…………」

「できないのなら、わけを言いなさい」

また命令しやがった。

なんなんだこいつは…

⏰:07/03/29 03:39 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#67 []
「…コウには関係ないよ」

まみは俯きながら
震えた声で言った。

「関係あります。あなたがいては、生きている人間に迷惑がかかり得る事もありますので」

淡々と話し、
最後に

「ですからすべて話して下さい。力になります。あなたを成仏させてみせます」

と、優しい口調で言った。

⏰:07/03/29 03:43 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#68 []
読んでくれてる方いますかね?

⏰:07/03/29 14:59 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#69 [柚菜]
読んでる

⏰:07/03/29 16:53 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#70 [我輩は匿名である]
読んでるよ楽しい◎^∇^◎

⏰:07/03/29 17:17 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#71 [明]
ちょWWW
マジうけるってW
コウのキャラ好きだわW

⏰:07/03/29 17:29 📱:N900i 🆔:☆☆☆


#72 []
柚菜さん
匿名さん
明さん
ありがとうございます
更新は夜中が多くなりますがよろしくです

⏰:07/03/29 17:51 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#73 []
ん……?

成仏させる……?

「おい、コウさんよ」

「一緒に頑張りましょう」

俺もーーーー!?

まぁ、こいつ(ら)が
成仏してくれるに越したことはないけど

「頑張りましょうて、何するん?」

「わかりません」

ほなゆーな!!

⏰:07/03/29 17:54 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#74 []
「とりあえず、まみさんに生前の事を聞かせていただきたいのですが」

生前の事ね〜…

「志乃くんは何か聞いてますか?」

「男に殺された、としか知らんわ」

「なるほど。まみさんはその男を怨んで成仏できずにいる、間違いありません」

…そんなん誰もがわかるわ!!何得意げな顔でゆーとんねん!

⏰:07/03/29 17:57 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#75 []
「まみさん、その男の事を聞かせて下さい」

「…別に怨んでないよ?」

そう…
まみは別に殺害した犯人の男(付き合ってた男ね)を
怨んではいないのだ。

「なぜですか?」

「わかってたから」

「…なにをです?」

「自分が死ぬって事」

⏰:07/03/29 17:59 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#76 []
「殺害される、と、わかっていたんですか?」

「………」

「まみさん」

「だって…殺してって言ったのは、あたしだもん」

「なぜ」

こいつはよく顔色ひとつ変えずに淡々と話すなー

俺はこの話しを以前
(始めてまみにあった時)
聞いたときは驚きを隠せなかったぞ。

⏰:07/03/29 18:03 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#77 []
「お前…驚かへんのか?」

「驚いてます」

うそつけ!!

「ですが、興味深い」

…目が……

コウの目が輝いている!!
まぶしいっ!!

「なぜ殺してと、言ったのですか?」

⏰:07/03/29 18:06 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#78 []
「…………」

「まみさん?」

まみは少し顔を緩ませ
コウをチラリと見た。

「まみさん」

「あたし、好きなひとがいたの」

「………」

コウは目を丸くし、まみを見た。

それがどうした?とでも言いそうな表情だ。

「それがどうかしましたか?」

当たったーー!!

⏰:07/03/29 18:09 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#79 []
「コウは、付き合った事ないの?」

まみが微笑みながら言う。

ないない!
ねーよ
絶対ねーから!

俺はニヤリと笑いコウを見る。

「ありますけど?」

あるんかーー!!

⏰:07/03/29 18:12 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#80 []
俺はポカンと口をあけ、
目をまんまるにしてコウを見る。

「顔、しまりないですよ」

「だっ…だってお前…」

「なんですか?」

「絶対うそや!お前なんかと付き合えるやつおらんやろ!!」

「失礼ですね。僕も人並みに恋愛はしますから」

れ…恋愛……?
恋愛するのか…こいつが?

⏰:07/03/29 18:14 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#81 []
「僕の話しはいいでしょう?それよりまみさん、話しを戻しますが…」

コウはショックで放心状態の俺を横目で見、

「志乃くん、あなたは本当に失礼な人ですね」

と言った。

うそだ…うそだ…
ハッタリに決まっている。
俺はショックから逃れる為にこいつを
《嘘つきハッタリ君》と名付けた。

⏰:07/03/29 18:19 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#82 []
「まみさん、教えてください」

「…………」

「まみさん」

「…付き合った事があるなら、わかるでしょ?」

「?」

「恋人を独占したいって気持ち」

「いえ…理解しかねます」

絶対ハッタリ

「ハッタリくん。付き合ったことないやろ」

「…なんですかハッタリくんて」

「お前の名前」

⏰:07/03/29 19:48 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#83 []
「僕の名前はコウです」

「お前はこれから嘘つきハッタリ君や」

「…なんですかそのださいニックネームは。志乃くんセンスを疑います」

こいつ…殴っても許されん

まみはフッと笑い、

「彼氏がいるのに、他の人を好きになったあたしがだめなんだよ」

と言った。

⏰:07/03/29 19:51 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#84 []
「つまり…浮気したと…」

「違う」

「では何です?」

「浮気ちゃうやろ〜!まみは好きなやつができたから別れてほしいってゆーただけやん」

たまらず俺はコウに言った

「志乃くん…」

ギロリと睨んだように
俺を見るコウ

なんだよ…
びびらねーぞ俺は……

⏰:07/03/29 19:53 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#85 []
「先程あなた、男に殺害された、としか知らないと言いましたよね?」

「だから?」

「嘘つきハッタリ君はあなたです」


…むかつくー!!
俺の考えたネーミングを
いとも簡単に使いやがった

⏰:07/03/29 19:55 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#86 []
「そんなん言う必要…」
「あります。」

俺の言い分をあっさり遮り、コウはたばこを取り出した。

「たばこ吸うんか!?」

「…いけませんか?」

こいつがり勉のくせに…
悪びれもなくちゃっかり犯罪を犯している。

俺の思考をよそに
コウはたばこに火をつけた

⏰:07/03/29 19:58 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#87 []
「で…まみさん、好きな人とはどうなったんですか」

煙を吐き、コウが話す。

「何もないよ…」

コウの視線を反らし
まみは

「本当だよ」

と、付け加えた

⏰:07/03/29 20:00 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#88 []
「全く原状が掴めません」

コウは溜め息まじりに言い、俺をチラリと見た。

「志乃くん灰皿は」

「ありません」

「なぜ」

「吸わないから」

「…では灰は」

「知りません」

コウはゆらりと立ち上がり窓を開けて灰を落とした。

おい。ここ俺んちだよね?

⏰:07/03/29 20:03 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#89 []
「まみさんは…」

たばこを一口吸い

「好きな人の事が気になって下界をさ迷っているといったところですね」

涼しい顔でコウが言った。

「…………」

「おそらく相手の名は…」

コウはチラリと窓の外を見つめ言った。

「田中恵司。間違いありません」

⏰:07/03/29 20:06 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#90 []
な…
恵司……?

「まみさんは学校で田中君をずっと見ていました。気付きませんでしたか?」

確かに見てた…気がする…けど……

あの恵司が?

まみと知り合いなのか?

「恵司…が……?」

まみはバツが悪そうな顔をして黙っている。

⏰:07/03/29 20:09 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#91 []
「まみさん、違いますか」

コウはたばこを窓の外に投げ、まみに近付いた。

ポイ捨て禁止やから!!

まみは俯いたまま
口を開かない。

「まぁ、いいでしょう。今日はこの辺で失礼します」

コウはカバンを手に取り、ドアノブに手をかけた。

「またお邪魔します。では明日学校で」

…またくるのかー!!

⏰:07/03/29 20:12 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#92 []
コウが帰ったあと
俺とまみはだんまりだった

さきは心配そうにチラチラ見ていたが、
俺もまみも顔を上げなかった。

りえは一向に戻ってくる気配はなかった。

「まみ…」

空気がたえれず
俺は口を開いた

⏰:07/03/29 20:29 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#93 []
「さっきの話しやけど…」

一瞬まみは身体をビクッと動かした。

「恵司と…知り合いなのか?」

まみは俯いたまま、
顔を横にふった。

「知り合いじゃない…」

だよな。
大体まみは関西弁ではない

関西に住んでいる恵司と知り合いのわけがない。

⏰:07/03/29 20:31 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#94 []
「はぁ〜コウのデタラメか〜あいつ、明日しばいてやる!」

半分以上が本音である。

俺は空手をしていると言ったあいつをギャフンと言わせるべく、パンチの素振りをした。

その時俺の携帯が鳴った。

《着信 幸子

⏰:07/03/29 20:34 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#95 []
マイハニー幸子ですやんっ!!

俺のテンションはマックスにヒートアップした。

「あいよっ!」

「志乃〜?なんで早退してるん?意味わからへん」

あらら?
随分ご立腹なようで…

⏰:07/03/29 21:02 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#96 []
「いや〜俺も早退したくなかってんけどな…コウが」

「コウって?神谷くん?」

「そうそう」

「神谷くんがなに?」

「…帰ろ〜って…」

「なんで?志乃と神谷くん仲良かったっけ?」

「いや…」

「なんで?」

⏰:07/03/29 21:05 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#97 []
「…………」

「今日…あたし家行きたいってゆったやん……」

心なしか幸子は涙声で話した。

かーわーいーいー!!

「今からこいよ」

「えっ?ほんま??」

……言っちゃった……

今まで我慢してたセリフをついに言っちゃった。

「じゃ、今から行くね!」

⏰:07/03/29 21:08 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#98 []
涙声から一転、
幸子の声は明るくなり
電話が切れた。

やべー
やべーよ!!
どうすんだ俺!!

俺はチラリと
まみとさきを見た。

「まみちゃん…?さきちゃん…?」

ニッコリと笑い俺は言った

「彼女くるから、君達どこかに行っててくれへんかなーなんて」

「やだ!!」

⏰:07/03/29 21:11 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#99 []
「どっか行け!!」

「やーだー!!」

「お前らなぁー…」

「志乃くんは、さきのだもん!!」

さきが泣き出した。

う…うざすぎる……

だいたい
お前はもう死んでいる
(北〇の拳)
興味ねーっての!

「1時間でいいから…」

「絶対にいや!」

地獄に落ちろ!!

⏰:07/03/29 21:14 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#100 []
ああ…どうしよう
どうしよう……

俺は落ち着かないように
部屋中をぐるぐると徘徊した。
今の俺を警官が見たら
俺は間違いなく不審者で捕まるだろう。

「何でもしてやるから、今日だけはどっか行っててくれ!!」

そうや!

俺はピーンときた。

「コウんとこ行けや!あいつなら、お前らに興味あるしお前らの事も見えてるし!!」

⏰:07/03/29 21:18 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#101 []
まみは明らかに嫌そうな顔をしている。

当然だろう。

男の俺が見ても嫌な奴だ。

「わかった!コウくんとこ行く〜!でも1時間したら戻るからね!」

さきが口を尖らせながら言った。

「まみも行くやろ?」

「……わかったよー…」

よしっ!!
俺は今日こそ幸子と…
頑張れ俺!!

⏰:07/03/29 21:22 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#102 []
《ピンポーン》

家のチャイムが鳴った。

きた!!

俺はハイテンションで玄関を開けたが
すぐにテンションが下がる

「…何でおんねん…」

「偶然会っちゃって!」

「おっじゃましま〜す!」

幸子の隣には
まんべんの笑みをした恵司がいた。

⏰:07/03/29 21:25 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#103 []
「うっわ〜!ロコツに嫌な顔すんなや〜!!」

ケラケラ笑いながら
恵司は俺を小突く。

「邪魔や…。」

嫌な顔をする俺に
恵司はニヤニヤしながら小声で

「残念やな、脱童貞できへんくて」

と言った。

なぜ俺の貞操事情を知っている?

⏰:07/03/29 21:28 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#104 []
「悪いと思うなら帰れ」

「思いませ〜ん!!」

今日の俺は生理か?
イライラが止まらない。

「志乃、ごめん…ね?」

上目使いで俺を見上げる幸子。

かわいすぎる……

許すしかないやんけ

「かまわんよ」

心の広い男を演じた。

⏰:07/03/29 21:30 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#105 []
「でも…あたし残念やな」

舌をペロッと出して
へらっと笑う幸子を見て
俺は恵司の腕を掴んだ。

「やっぱ帰れ」

「えー!!そりゃないぜアニキ…」

誰がアニキや。

「帰れよ弟」

恵司はぶつぶつ言いながら玄関を開けた。

「あ、そうそう。今日お前が譫言で言ってたまみってもしかして草野まみ?」

⏰:07/03/29 21:33 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#106 []
「え…?」

草野…?
知らない。
まみの苗字は
俺は知らない。

「いや、なんもな〜い!じゃーな!」

そう言い残し、恵司は帰って行った。

草野…まみ……?
まみの名前か……?

ほんまに…知り合いなのか……?

⏰:07/03/29 21:36 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#107 []
「志乃?どしたん?」

幸子が呆然とする俺の顔をのぞきこむ。

「や…別に……」

俺には関係ない。
俺に関係あるのは
今からの幸子との…

《ピンポーン》

⏰:07/03/29 23:27 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#108 []
誰だ?

俺は玄関のドアを開けた。

なんてこったい…。

「相手を確認せずにドアを開けるのは危険ですよ志乃くん」

「…コウ…何しに来た」

「何言ってるんですか。まみさんとさきさんをお返ししにきました」

⏰:07/03/29 23:30 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#109 []
「志乃?誰…」

「こんにちわ」

「…神谷くん……?」

幸子は不思議そうな顔でコウを見る。

「やはり間近で見るとかわいらしいですね」

コウは幸子をジロジロといやらしい目で見ている。

「やめーーい!近付くな」

⏰:07/03/29 23:33 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#110 []
俺は幸子の前に仁王立ちになった。

「なんですか志乃くん」

「やらしい目で俺の彼女を見るな」

「そんな目で見てません」

このっ………
嘘つきハッタリ君め!!

「志乃くん、少し話しがあるのですが」

さっき話したじゃないの!

⏰:07/03/29 23:36 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#111 []
「俺はない」

「僕はあります。幸子さん志乃くんを少しかります」

いやだーーー!!

「えっ…じゃ…あたし帰ろうかな…」

幸子は困った表情で俺とコウを見た。

「いや、コウを帰らせる」

「僕は帰りません」

なんて傲慢なやつだ!

⏰:07/03/29 23:38 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#112 []
幸子は俺に微笑み、

「今度また来るから」

と言い、軽くコウに会釈して帰っていった。

玄関に残されたのは
俺とコウの
むさ苦しい男ふたり。
(まみとさきもいるが)

「話しってなんやねん」

俺はイライラした口調で話した。

⏰:07/03/29 23:41 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#113 []
「イライラしないで下さい。脱童貞をする日が少し延びただけじゃないですか」

…なぜ童貞だと知ってる?

てかお前に関係ねーし!

「まみさんとさきさんも、少し外してもらえますか」

コウの言葉に、まみとさきはお互い顔を見合わせて
再度コウを見た。

⏰:07/03/29 23:44 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#114 []
「外して下さいと言ってるんです。聞こえませんか」

コウはギロリと二人を見た

まみとさきは
脅えるような表情をし、
ふわりとどこかに消えた。

…こいつは何者だ!?

妖術使いか!?

「志乃くん、部屋に」

⏰:07/03/29 23:46 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#115 []
こいつのわがままも
慣れ始めてきたな。

俺はコウを上がらせ
階段を上ろうとした。

「のどが渇きました。志乃くん、飲み物下さい」

………

前言撤回する。
慣れる事はない。
こいつのわがままは
予測不可能レベルだ。

⏰:07/03/29 23:48 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#116 []
「…………」

「志乃くん」

「…はいはい」

俺はリビングへ向かおうとした。

「何がのみたいか、聞かないのですか?」

聞くかーー!!

出来れば何も飲ませたくねーよ!

⏰:07/03/29 23:49 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#117 []
「お茶しかない」

「……まぁ、いいです」

何その偉そうな口調!

ほんまはジュースがのみたいとか言いそうな口ぶりやな。

「ジュースが飲みたかったのですが」

言ったーー!!!

「まぁ、お茶でもいいですけどね」

……むかつく

⏰:07/03/29 23:52 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#118 []
俺はリビングに向かい、
お茶をとり、
部屋に向かった。

部屋のドアを開けると
涼しげな表情で窓を空け
たばこを吸っているコウがいた。

「ありがとうございます。そこに置いといて下さい」

何くつろいとんねん!!

俺はこめかみに青すじが立った事を予感した。

⏰:07/03/29 23:54 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#119 []
「…で?話しって?」

俺はベットにドスンと腰掛けて言った。

「ああ、先程田中くんをみました。やはり…」

窓の外を眺めながら
コウが眉間にしわを寄せた

「まみさんは田中くんと知り合いです。間違いありません」

⏰:07/03/29 23:57 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#120 []
「…なぜそう思う」

「田中くんを見た時の、まみさんの態度は異常です」

俺はさっきの恵司の言葉をコウに言うか迷った。

「彼女、もう一年近く下界にいるでしょう?」

「え…ああ」

「危険です」

「まみがか?」

コウは溜め息をつき言った

「いえ、田中くんが」

⏰:07/03/29 23:59 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#121 []
俺はわけがわからない、という表情をしていたのだろう。
コウは俺を一度見、
お茶を一口飲んで続けた。

「志乃くんは、下界に長期間さ迷い続ける霊がどうなるか、ご存知ですか?」

「…いや」

「まみさんは、今はまだ無邪気な霊です。が、これ以上下界にいると感情のコントロールが効かなくなります、つまり…」

⏰:07/03/30 00:03 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#122 []
コウは窓の外を眺めている

俺は窓に近づき、
外をのぞいた。

近くに見える公園のベンチに恵司が肩を落とし座っている。

「田中くんが、まみさんに取り殺される可能性があります」

⏰:07/03/30 00:06 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#123 []
「……な………」

「もちろん、まみさんの意志ではなく」

グラスに入っていた氷をガリッと噛みながらコウは続ける

「意志とは、生存する者しかもたない感情です。まみさんはやがて自分の意志がなくなる。おそらくそれは明日でしょう…」

⏰:07/03/30 00:09 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#124 []
「お前…何者や…」

「神谷コウです」

名前じゃねーつの!

「なんでわかる…?」

「人間は誰でも人に言えない秘密があるものです」

………

「僕はただの神谷コウです。しかしわかる。僕には生まれ持ってその才能があります」

⏰:07/03/30 00:12 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#125 []
「…………」

「志乃くん。どうします」

「…なにを」

「おそらく明日には、まみさんはまみさんではなくなる。僕はまみさんのまま、成仏していただきたいのですが。」

…俺だって……

「今から田中くんと話してみましょう。行きますよ」

俺の腕を掴み、
俺とコウは足早に玄関へ向かった。

⏰:07/03/30 00:15 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#126 []
しばらく歩き、
公園が見えたところで
コウは足をとめた。

「どうした?」

コウは眉間にしわを寄せ、ギリッと下唇を噛んだ。

「まずいですね」

俺はコウの視線の先を見た

「まみ……」

恵司の隣には
まみがふわりと浮いていた

⏰:07/03/30 00:17 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#127 []
「まみさんが近くにいたのでは、田中くんと話す事はできません…」

……確かに……

そういえば…

「さきは?」

俺はコウに向かい言った

コウはこの上なく不機嫌な表情で

「知るわけないでしょう」

と言った。

⏰:07/03/30 00:20 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#128 []
「おーい!志乃ー?何してんだお前?」

ナイスタイミングでりえが戻ってきた。

りえとコウはお互い顔を見合わせたがフイッと顔を背け、りえは俺に向き直った

「まみじゃん。あいつ何してんだ?つーか隣の男誰だあ?」

「りえ、まみをどっか連れてってくれ」

「はあ?」

⏰:07/03/30 00:33 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#129 []
「いいですね、りえさん僕からもお願いします」

コウはりえの顔を見ずに話した。

「りえ頼むわ〜!」

「…わかったよ」

りえはふわふわとまみの側にいき、何かを話して
まみと一緒にどこかへ行った。

「志乃くん行きますよ」

⏰:07/03/30 00:35 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#130 []
俺とコウは公園へ入り、
恵司の座るベンチへと向かった。

「恵司〜!」

恵司が顔を上げる。

「あれ?どしたん?幸子とは〜?ははーん、拒否られたか」

ニヤリと笑いながら恵司が言った。

「拒否られる以前に、そういう雰囲気にはなっていませんでしたよ」

お前のせいじゃ!!

⏰:07/03/30 00:38 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#131 []
「神谷?なんで??お前ら仲良かったっけ?」

「いや…」
「はい、親友です」

親友ーー!?
キモい事ゆーな!!

「へ〜意外な組合せやな」

ケラケラと恵司は笑う。

「僕もそう思います」

⏰:07/03/30 00:40 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#132 []
そんな話しどーでもいいやろ!!

「おい、コウ」

「はい、すみません。話しが逸れました」

逸れすぎ。

「田中くん、あなたまみさんをご存知ですか?」

「え…?」

「さっき言うてた…多分…草野まみ……」

「あ…あぁ」

⏰:07/03/30 00:42 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#133 []
「知って…」
「ちょっと志乃くん」

恵司の言葉を遮り
コウが俺を睨む。

今度は何だ

「なんですか、志乃くん、先程田中くんとまみさんの話しをされたんですか?僕聞いてませんけど?」

言ってねーもん

⏰:07/03/30 00:44 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#134 []
「全く…志乃くんは僕をイライラさせるのが趣味ですか」

はーーー!?
それはこっちのセリフやし!つか、今その話しどーでもいいやんけ!

「すみません田中くん、取り乱しました」

取り乱したんか!?今!?

⏰:07/03/30 00:46 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#135 []
「それで、まみさんとは知り合いなんですね?」

「……知り合い…てか…」

恵司は濁した口調で言った

「何です?」

「一年くらい前に告白された。でも…」

「でも?」

「顔を知らない。会った事ないねん」

⏰:07/03/30 00:48 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#136 []
「会ったことない…?」

「あぁ、手紙で告白された。」

「手紙…それはどうやって届いたんです?」

「まみの友達伝いに」

「……ほう」

「恵司は手紙貰うまで、まみの存在を知ってたんか?例えば…どっかで会ったとか…」

「…知らない。急に告白されたから」

⏰:07/03/30 00:52 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#137 []
…なんだそれ

会った事ねーのに
告白された…?

「意味がわかりませんね」

コウは腑に落ちないといった顔つきで恵司を見る。

「手紙を貰った次の日に、まみが死んだって聞いてんやん…」

「誰に」

「その友達に」

⏰:07/03/30 00:54 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#138 []
「話しが全くわかりません。僕、どうしていいかわからなくなりました」

お前なーー!!

「志乃〜!!わりー!まみに逃げられた〜!」

「りえ!!」

俺とコウはりえを見る。

恵司は俺達を不思議な顔つきで見ている。

⏰:07/03/30 01:01 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#139 []
「まみさんが逃げた…?」

コウは呟くように言った。

「まずいです。志乃くん、田中くんが危ないです」

「え!?」

恵司が困惑な顔でコウを見た。

⏰:07/03/30 01:03 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#140 []
「まずいって…?」

俺はコウを見る。

俺の額からは
なぜか冷や汗が流れた。

「多分、今日田中くんを発見したことで、まみさんは感情のコントロールができなくなったと思われます。このままではまずいです」

⏰:07/03/30 01:04 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#141 []
「まみって…神谷…?」

「説明は省きますが、僕と志乃くんにはまみさんの姿が見えています」

説明してるし!!

つか俺の名前まで出すな

「何…え……?」

恵司はパニック状態になっている。

「落ち着いてください」

お前が原因やろ!!

⏰:07/03/30 01:06 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#142 []
「志乃くんは、まみさんを探して下さい。僕は田中くんと一緒にいます」

「わかった!」

って…え?
なんか俺こき使われてるような……

「早く探しなさい!」

命令!?

こいつ…あとで絶対ぶん殴ってやる…

⏰:07/03/30 01:10 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#143 []
俺はりえと一緒にまみを探した。

しばらくすると

「志乃くん!!」

さきが困った表情で俺たちに近づいてきた。

「まみが……」

⏰:07/03/30 01:11 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#144 []
「どうした!?」

「まみが…急に……」

さきは泣きじゃくって
続きを話せないようすだ。

「まみはどこに!?」

「わか…ない…恵司…って呟きながら…」

恵司…!?

俺は急いでもときた道を走った。

⏰:07/03/30 01:13 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#145 []
公園に入ったところで

コウと恵司と

まみがいるのが見えた


「恵司!!まみ!!」

三人が俺を振り返る。

「…僕の名前は呼んでくれないんですか」

ムスッとしながらコウが言った。

どーでもいいし!!

⏰:07/03/30 01:15 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#146 []
「ま…み……」

がくがくと震えている恵司

まみの表情は……

「?」

優しい笑み

いつものまみと同じだ。

「何が起こってる?」

俺はコウに問い掛けた。

「見てればわかります」

⏰:07/03/30 01:17 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#147 []
「恵司くん…ごめんね…」

まみが恵司を見ながら言う

「あたし、あなたが大好きだったの…だから…あなたの近くにいたかった…でもだめみたい。やっぱり死んだ人間は、この世にさ迷ってちゃいけないみたい」

ニッコリ笑うまみ

⏰:07/03/30 01:19 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#148 []
「まみ…」

……恵司にはまみが見えてるのか?

「生まれ変わったら…今度はちゃんと…恵司くんに話し掛けるね」

ニッコリ微笑み、
まみは俺の近くへきた。

「志乃にも…来世は生きている時に会いたい」

そう言って
まみは消えた。

⏰:07/03/30 01:24 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#149 []
……まみ…?

「まみ…?」

まみの気配が
なくなってしまった。

どういうことか
全く理解できないでいる俺の隣で

「僕には何のお礼もなかったですね…」

と、スネたようにコウが言った。

⏰:07/03/30 01:26 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#150 []
「コウ…どうなったんや?まみは…?」

「成仏しました」

コウは得意げに口の端を釣り上げ、

「僕のおかげです」

と言った。

こいつ何をしたんや!?

⏰:07/03/30 01:28 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#151 []
後々わかったのは
まみは生前、
東京から大阪に引っ越してきた時、
同じ電車に乗っている恵司に一目ぼれをし、
当初付き合っていた男に
別れを告げたが、
男は許さずに
恵司を殺す、と言ってきた。まみは
「恵司を殺すくらいなら、あたしを殺せ」と言い、
男は気が動転し、
まみを殺害。

⏰:07/03/30 01:32 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#152 []
死後まみは、
恵司についての記憶をなくしていたが、
今日俺に着いてきて
偶然にも恵司を見て
記憶が戻った。
まみを下界に留まらせた理由は、
まみを殺害した男が
恵司にも手を下すかが心配だったということだ。

理解していただけたでしょうか?

⏰:07/03/30 01:35 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#153 []
まみの気配がなくなり、

俺はまみが成仏してくれたと思い込んでいた。

あれから一週間


「おはよ〜!」

俺は元気よく教室に入る。

「おはようございます」

コウがチラリと俺を見、
すぐさま教科書に目を戻す

⏰:07/03/30 01:37 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#154 []
「あれ〜また恵司休み?」

「みたいですね。やはり普通の人間はまれに霊を見る事がありませんのでショックから立ち直れていないのかと…」

「ふ〜ん」

俺はかばんを机に置いた。

⏰:07/03/30 01:39 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#155 []
「志乃!今日恵司んちいかへん?見舞いしに行こや」

携帯をピコピコ触りながらクラスメートの【雄太】が言った。

「そやな、行くか」

「僕も行きます」

なぜ?

「だめですか?」

「いや…ほな、神谷も!放課後な〜!」

⏰:07/03/30 01:41 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#156 []
放課後になり、
俺たちは恵司の家に向かった。

《ピンポーン》

チャイムを鳴らし、
玄関が開いた。

「恵司…お前」
「顔色やべーなあ!大丈夫か?」

雄太やその他のやつらは
顔色の悪い恵司を心配げに見ていた。

⏰:07/03/30 01:44 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#157 []
俺は恵司を見た瞬間
冷や汗が出た。

隣にいるコウを見る。

「最悪のパターンです」

コウは目をまるくしながら恵司を見つめた。

「しかし、手遅れです…残念ながら」

恵司の隣には
あのころと違う
憎悪をむきだしにしたような形相のまみの姿があった

⏰:07/03/30 01:46 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#158 []
「コウ…どういう事や?まみは成仏したんちゃうん」

「はい…そのはずでした…が……まみさんの田中くんに対する感情があまりにも強かったと言えます。僕がついていながら…」

コウが落ち込んだように俯いた。

「志乃…助けてくれ…」

それが
俺が恵司を見た最後だった

⏰:07/03/30 01:49 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#159 []
【第ニ章 さくら】


「はあ………」

まみが悪霊になり、
恵司に取り憑いてから
二週間がたった。

恵司は引っ越したみたいで消息は不明。

「僕の顔を見て溜め息をつかないでくれますか?不愉快です」

⏰:07/03/30 01:53 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#160 []
「別に見てません」

「明らかに見ているでしょう?嘘つかないで下さい。だから志乃くんはハッタリ君なんです」

俺の考えたネーミング
こいつはださいと言ったが案外気に入ってるんじゃねーのか?

「志乃くん、ジロジロ見ないで下さい」

⏰:07/03/30 01:56 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#161 []
「見てません」

「見てます。不愉快です」

俺はバチバチと音が出そうなくらいにコウに向かって憎しみビームを出した。

「変なビーム出しても無意味ですから」

涼しい顔で
コウは飄々と言い放った。

⏰:07/03/30 01:59 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#162 []
「おや…?さくらですか」

窓の外を眺め、コウが呟いた。

桜…?
この時期に?

今は初夏。
桜の季節は過ぎている。

俺は続いて窓の外を見た。

「!?」

⏰:07/03/30 02:02 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#163 []
「久しぶりやーん!コウ!会いたかった〜!?」

ふわふわと外からコウに向かって一直線に飛んでくる女の子。

「久しぶりですね。どうしました?」

「会いたかったから〜!」

「そうですか」

⏰:07/03/30 02:04 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#164 []
誰だ!?
なんだこの女は!?

俺はボケーとしながら
コウとその女を見つめた。

「志乃くん、顔、しまりないです」

コウは普段通りに話す。

「…この子…誰や?」

「あぁ、さくらです」

いや、誰!?

⏰:07/03/30 02:07 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#165 []
「なになに〜!?きみ、うちの事見えるんー?」

さくらと呼ばれる女は
俺の周りをくるくるまわりながら人差し指をくわえなから言った。

「…………」

「さくら、だめですよ。志乃くんは学校内では霊とは話しませんから」

⏰:07/03/30 02:09 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#166 []
「ふ〜ん!固い人やなぁーま、いいや!コウ〜今日はうちの相手してな〜!」

「…嫌です」

「なんでぇ!?」

「さくらは、寝かしてくれませんから」

寝かして…!?
お前は霊とナニをしとんねん!!

⏰:07/03/30 02:11 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#167 []
「いいやん!コウだってやりたいやろ〜?」

ヤリたい!?

「そうですね…では一度だけですよ」

いつも何回やんねん!!

コウはいかがわしい想像をする俺をチラリと見た。

「志乃くん…あなたの頭の中はいやらしい事しか考えられないのですか」

⏰:07/03/30 02:14 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#168 []
「志乃くんも、よかったら一緒にやりますか?」

さ…サンピー!?

「きみも一緒にやろ〜!」

さくらはかわいい。
くりくりの金髪に
クリンとした大きな目。
肌は透き通るくらい
(霊だから透き通っているが)白い。

「やります!」

⏰:07/03/30 02:16 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#169 []
「ほな、夜またな〜!」

俺とコウに手をふり、
さくらは消えていった。

「さくらってお前の知り合いか?」

「まあ…そうですね」

「いつから?」

「いつでもいいじゃないですか別に」

「俺とお前の仲やん!」

「…気持ち悪いですよ志乃くん」

⏰:07/03/30 02:19 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#170 []
気持ち悪い…?
俺が……
気持ち悪いだと…?

「お前にゆわれたない!」

「そうですかすみません」

サラっと言い、コウは教科書に目を向けた。

⏰:07/03/30 02:21 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#171 [失礼します]
>>50-100
>>101-150
>>151-200
>>201-250
>>251-300

⏰:07/03/30 10:16 📱:W44T 🆔:f0NigLVQ


#172 [失礼します]
>>1-40
>>41-80
>>81-120
>>121-160
>>161-200
>>241-280
>>281-320
>>321-360
>>361-400
>>401-440
>>441-480
>>481-520
>>521-560
>>561-600

⏰:07/03/30 10:54 📱:W44T 🆔:f0NigLVQ


#173 []
失礼しますさん
アンカーありがとうございます

⏰:07/03/30 12:36 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#174 []
「やるって…ナニを?」

興味津々の俺を横目で見てコウは溜め息をついた。

「お前な〜!お前が人の顔見て溜め息ついてんやん!不愉快や!!」

「僕はいいんです」

…なぜ

「志乃くん、僕たちがやるのは…いわばゲームみたいなものです」

⏰:07/03/30 12:43 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#175 []
「ゲーム?」

「はい。さくらと僕でゲームをするんです」

「どんな」

「それは後ほど」

そう言ったコウの顔が
一瞬いじわるく笑ったのを俺は見逃さなかった。

…嫌な予感がする…。

「コウくん…やっぱり…」「だめです。約束したでしょう?」

⏰:07/03/30 12:45 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#176 []
俺は溜め息をつきながら
ふらふらと教室を出た。

「柏木く〜ん!」

名前を呼ばれ、俺は顔をあげた。

「やっぱり柏木くんや!」「やばいめっちゃかわいい〜!!」
「かーわーいーいー!」

俺を見て口々に言うのは
三年の先輩方…

て…照れるッス!

⏰:07/03/30 12:49 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#177 []
「ねぇ、柏木くん!今日ひま〜?あたしんちでパーティーあんねんけど〜!こーへん?」

そう言って上目使いで
俺を見るのは
【冴島瑠美】
三年で1番美人だ。
けど遊び人らしい…。

「今日ですか〜…」

どうすっかな〜。
コウとの約束…
やぶったら殺されちまう…

⏰:07/03/30 12:54 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#178 []
「だめ〜?」

うーん…

「今日は友達と…」

「友達って男〜?」

「はい」

「じゃぁ、友達も一緒においでや〜!」

……まじッスカ!?

友達て…
コウなんですけど。

先輩…コウ知ってます?
パーティーもりさがりますよ?

「でも…」
「行かせていただきます」

⏰:07/03/30 12:57 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#179 []
俺の背後からコウの声が聞こえ、俺はビクッとした。

「パーティー…ですか。興味ありますね」

「きみが柏木くんの友達なん〜?」

「はい。コウ、と呼んで下さい。今日はお邪魔させていただきます」

…ほんまに邪魔やわ!

こいつはなぜ俺の近くに
急に湧いてくる…?

「じゃ、柏木くん、コウくん、夜にね!」

⏰:07/03/30 13:00 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#180 []
先輩達は手を軽くふって、階段を上がっていった。

パンツ見えそ〜…って

「おい」

「なんです?」

「何露骨に覗いてんねん」

「ピンクのレースでした。ぼくの好みは黒のレースなのですが」

知るか!!!

⏰:07/03/30 13:03 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#181 []
「どーすんねん?さくらちゃんとの約束は」

「大丈夫です。さくらは聞き分けがいい子なので」

「つまり断るのか?」

「明日に延ばしていただきます。が…」

コウはニヤリと不敵な笑みを浮かべた。

ゾクッ…

「そうなると一度ではすまされません。明日は覚悟しといて下さいね」

⏰:07/03/30 13:07 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#182 []
「…何をする気やねん」

「ですからそれは明日になればわかります」

「今言えや」

「…志乃くん」

コウはまた溜め息をつく。

しあわせ逃げるぞ?

「あなたは聞き分けが悪い子ですね。何回も言わせないで下さい。明日になればわかりますから」

⏰:07/03/30 13:10 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#183 []
こ…こいつは…

「むかつく奴…」

「それはこちらのセリフです」

コウはポケットに手を入れ教室に戻っていった。

俺は廊下の壁を思い切り蹴った。

「…いて〜」

「…馬鹿ですね」

教室の扉にもたれながら
コウが呆れた顔で俺を見ていた。

⏰:07/03/30 13:14 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#184 []
放課後になり、
俺は一旦家に帰ろうと教室を出た。

「志乃〜!」

この声は…っ!!

振り返る俺

「幸子!」

マイハニー幸子ですやん!

「もう帰っちゃうん?」

⏰:07/03/30 13:15 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#185 []
「おう。幸子は?」

「あたしは部活〜!」

「そか。頑張ってな」

「志乃今日何するん?」

…えーと……
先輩んちでパーティー…
とか言ったらやばいかな…

「夜、会えへんかな?」

えーーー!?
なぜ今日はこんなに誘いが多いんや!?

⏰:07/03/30 13:18 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#186 []
「今日はちょっと…」

「じゃ、明日は?」

明日…ねえ……。

お願い、と言う幸子は
もはや俺のいかがわしい妄想をかきたてた。

「明日幸子んち行く」

「ほんま〜!?やった!」

ニッコリ笑う幸子。

許せよコウ…
俺はやっぱり
お前より幸子を選ぶ。
(当たり前だが)

⏰:07/03/30 13:21 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#187 []
「じゃ、明日!!」

スキップしながら部活に行く幸子を
俺はにこやかに見ていた。

なんてかわいいんや〜…

「志乃くん」

…………

嫌〜な予感……

⏰:07/03/30 13:23 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#188 []
「志乃くん」

やめろ…頼む…
俺の近くに沸かないでくれ

「志乃くん」

……………

「何回呼べば振り向くんですか?志乃くん耳遠いんですか」

「…耳はいいけど…」

お前やから振り向きたくない俺の心理を読み取れ!!

⏰:07/03/30 13:25 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#189 []
「あなたという人は…明日の約束を忘れたんですか」

「いや〜…」

いや、忘れたと言っておけば……

「忘れてた〜!わりー!」

「では今すぐ幸子さんに断って下さい」

幸子のほうを!?

「当然でしょう?先に約束したのはこちらですから」

⏰:07/03/30 13:28 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#190 []
「でも幸子は彼女やし…」

「だから何です」

「最近構ってやれへんかったから…頼む!明日は勘弁してく」
「だめです」

……こいつ

「約束はなんのためにあるのですか?守るためでしょう?」

確かに正論ですけどぉ!!

⏰:07/03/30 13:30 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#191 []
ん…?でも…

「お前今日の約束は破るんやろ?なんで…」

「今日はパーティーに行くと僕が判断しましたし、明日に延期したので別に問題はありません」

…要するにこいつはパーティーに行きたい、と…

なんてわがままな野郎や!

⏰:07/03/30 13:33 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#192 []
「志乃くん…」

コウは腕をバキバキと鳴らしながら俺に近付いてくる

「どちらと先に約束しましたか?」

…………

「わかった!わかりましたよ!幸子には断っとくよ」

「そうですか。志乃くんはやはり約束を守ると思っていましたよ僕は」

お前が強引にやろが!!

⏰:07/03/30 13:36 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#193 []
また夜中に更新します
コメントもらえたらうれしいです

⏰:07/03/30 13:39 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#194 [我輩は匿名である]
ちょおもしろい

⏰:07/03/30 14:04 📱:SH902i 🆔:a9l5CX4c


#195 [しゅん]
お…おもしろすぎる なんだこの小説w コウww

⏰:07/03/30 15:44 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#196 [我輩は匿名である]
これいいねっ(・∀・)タノシス(゚∀・ノ)ノ

⏰:07/03/30 20:48 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#197 []
わあ-お!!
ありがとうございますおもろいッスカ
めっちゃ下手くそで…
でも頑張って書きます

⏰:07/03/31 00:18 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#198 []
俺はしぶしぶ幸子の携帯に

【明日予定あったの忘れてたごめんな

とメールした。

幸子より優先しなきゃあかん予定が
コウだなんて…

俺は世界一不幸かもしれない

⏰:07/03/31 00:20 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#199 []
俺はどんよりとした表情で帰路につく。

途中、すれ違う人が

「何かに取り憑かれとんちゃう!?」

とか言っているくらい

俺の顔色は悪いのだろう。

…………ん?

⏰:07/03/31 00:23 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


#200 []
俺は足を止めた。

……何かいる。

……俺の後ろに

何かがいる。

ほんまに憑いてんのか!?

俺は恐る恐る振り返った。

…………

「……何で着いてきた」

⏰:07/03/31 00:25 📱:SH901iS 🆔:☆☆☆


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