黒蝶・蜜乙女
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#400 [向日葵]
久しぶりの優しい甘い声。
いや、昨日ぶりだけど、長い事聞いてなかった気がする。

分かってる。私はもうセツナ依存症になってる。
あらがう事なんて一切出来ない。

黙ってセツナについて行き、庭へ出る窓のへりに座る。

セツナ「何が知りたい?」

蜜「とりあえず…私はやっぱり蜜乙女でしかないんですか?」

そこでセツナはフーッと息を吐いた。

⏰:07/07/22 13:46 📱:SO903i 🆔:YGtAsc/E


#401 [向日葵]
セツナ「ルキの話をどこから聞いていたか知らないが、全くの誤解だ。あれは……ルキを遠ざける為に言っただけだ。」

蜜「遠ざける……為?」

私が眉を寄せるとセツナは苦笑した。

セツナ「続きがある。「そうだな…。最初はそうだったかもしれない。が、今は違う。次こんな事言ったら……女のお前であろうと覚悟しておけ。」……とな。」

私は眉を一旦戻してまた寄せる。

蜜「そんなのして……本当に遠ざかるんですか?」

⏰:07/07/22 13:53 📱:SO903i 🆔:YGtAsc/E


#402 [向日葵]
セツナ「見れば分かるだろ。アイツは俺を好いてる。ならば嫌われることはしない。それぐらい分かってる。」

あー…久々俺様口調。
どうしたらそこまで自信満々に言えるんだ。

セツナは私の目をジッと見つめた。心臓が跳ねる……。

セツナ「運命じゃない訳ないだろ。言ったハズだ。お前は俺を求めるし、俺はお前を求める。決して蜜乙女だからじゃない。……ったく。何回説明すれば分かってくれるんだ。お前が可愛いといつも言ってるだろ。」

⏰:07/07/22 13:58 📱:SO903i 🆔:YGtAsc/E


#403 [向日葵]
蜜「ハァ……。分かってますよ。……でも不安がよぎらないのは嘘じゃありません。」

セツナは私を見つめると身を乗り出して軽く唇に触れた。

セツナ「……信じろよ。」

セツナが囁く。甘く甘く私の頭を犯す。

セツナ「お前にまた大っ嫌いと言われた時は死にそうだったぞ。」

その時を思い出してるのか美しい顔が歪む。

蜜「……。それくらいショックだったんです。分かってるんでしょ?どれくらい……貴方を好いてるか…。」

⏰:07/07/22 14:02 📱:SO903i 🆔:YGtAsc/E


#404 [向日葵]
私は溜め息をついた。
そしてセツナの骨ばった手を見つめて、左手の人差し指を掴んだ。

蜜「話を聞かなくてごめんなさい……。でも、ホントに蜜乙女でしか価値がないって言われたらと思うと……。」

握られていない方の手で、セツナはゆっくりと私を抱き寄せた。

セツナ「心配しなくても、蜜と言う1人の人間が好きだ。それをちゃんと分かっておけ。」

セツナの体温が心地いい……。指を掴む手を離して、キュッと抱きついた。

⏰:07/07/22 21:43 📱:SO903i 🆔:YGtAsc/E


#405 [☆チーター☆]
きゃあイイイ
更新されてるぅぅ~~
貴重なスペース使ってごめんなさいソソ

⏰:07/07/22 21:54 📱:auSA3A 🆔:feuVnaEw


#406 [向日葵]
セツナ「ったく。お前の頑固ぶりは疲れたぞ。一晩いるのは寒いし。」

蜜「……なんで…、すぐに撤回しに来てくれなかったんですか?」

セツナはその大きな両手で私の顔を包んでグイッと上を向かした。

セツナ「言葉に乗りきるのに頑張ってたんだ。また言われたらもう無理だと思った。」

なるほど……。
段々真相が見えて…きた?

蜜「……今度こそ…、もう言いません、から…。」

⏰:07/07/22 22:05 📱:SO903i 🆔:YGtAsc/E


#407 [向日葵]
セツナ「誓うか?」

蜜「誓う?」

セツナは人差し指を私ね唇に軽く押し付けた。

セツナ「わかるか?」

蜜「わかりますがわかりません。」

そこで私はいつもの自分を出せた。

蜜「知ってますよね?私がそれ系苦手って…。」

セツナ「だからだろ。…誓えるのか?……誓えないのか…?」

出た出たー…。
Let's俺様。断れないの知ってて言うんだから……。
でも……。

蜜「他がいいです……。」

セツナ「なら俺から誓おう。」

セツナは抱き締めてた手を私の腰辺りまで下ろして私とセツナの間に距離を作った。

⏰:07/07/22 22:33 📱:SO903i 🆔:YGtAsc/E


#408 [向日葵]
セツナ「絶対……お前を傷付けない。その口から、大嫌いなんて言葉を出させない。約束する……誓う。」

まっ……ぶしー……。
セツナが眩しい……。
それは反則だ。私は光を放つ術なんか持ってないのに。

セツナの胸元のセーターを引っ張って私の方へ引き寄せる。
そして、唇を押し付けた……。

蜜「……。誓いましたよ。いいですか?」

呆気にとられてたセツナは歯を見せて笑った。

⏰:07/07/22 22:45 📱:SO903i 🆔:YGtAsc/E


#409 [向日葵]
チーターさん

すいません気付きませんでした(゚□゚;)
ありがとうございます
――――――――

セツナ「やっぱりお前は俺の花嫁にふさわしい!手放すことなど不可能らしい……。」

蜜「じゃあ……手放さないで下さい……。」

セツナは何故かクククと笑って顎をクイッと上へ向かせた。

セツナ「お前は無意識の内に俺を誘ってると気づいてるのか?」

さ……!誘ってるってっ―――― !!!!

⏰:07/07/22 22:52 📱:SO903i 🆔:YGtAsc/E


#410 [向日葵]
蜜「苦手な奴が誘うわけないでしょぉっ!!!!」

セツナ「ハハハハ!蜜はやはり赤面しなきゃ始まらんなぁ!!」

ブスッとソッポを向くと、直ぐに片方の頬を包まれてセツナの方に向けられた。

セツナ「好きだ……。」

甘い言葉が私の脳へ、心臓へ……溶けていく。

蜜「はい……。」

セツナ「好きだ……。」

もう一度囁くと、唇を優しく押し付けてきた。

⏰:07/07/22 22:56 📱:SO903i 🆔:YGtAsc/E


#411 [向日葵]
――――――――

ちょっと休憩しますね

⏰:07/07/22 22:57 📱:SO903i 🆔:YGtAsc/E


#412 [向日葵]
蜜「んぅっ!…ちょ、ちょーっと待って下さい!」

私はセツナの胸を押し返してセツナと距離を置いた。
セツナは不満そうに眉を寄せる。

セツナ「何だ。気持ち高ぶらせておいてストップかけるのか?」

蜜「だって!おばあちゃん達がもうすぐ帰ってくるんです!セツナがいたら…っんっ!」

喋っている私を無視してセツナはまた唇を重ねる。

セツナ「じゃあ……お前の部屋ならいいのか?」

⏰:07/07/23 01:08 📱:SO903i 🆔:olJX1AdA


#413 [向日葵]
蜜「部屋っ?!へへへ部屋?!」

笑ってる訳じゃない。

セツナ「部屋なら問題ないだろ。さぁ行くぞ。」

ブワッ!

蜜「んのわぁぁぁ!」

荷物が如く肩に担がれて私は自室に運ばれて行く。

ちょっと待って!!部屋ってつまり…………。
えぇぇぇぇぇっっ!!!!!
無理無理無理無理!!!!

蜜「セツナ!降ろし」

ガチャ

遅かった……。

⏰:07/07/23 01:13 📱:SO903i 🆔:olJX1AdA


#414 [向日葵]
バフッ!

蜜「わぶっ!!」

ベッドに放り投げられた。そのまま私はベッドに仰向けになってしまった。

直ぐ様起き上がろうとしたら、セツナが覆い被さってきた。

蜜「セツナッ!タンマタンマ!!」

セツナ「待ったなし。」

……ギシッ

セツナが迫ってくる。

こーゆーのは心の準備ってものがあって!
こんな「いざっ!!」みたいなのわぁぁ…っ!

⏰:07/07/23 01:17 📱:SO903i 🆔:olJX1AdA


#415 [向日葵]
セツナ「蜜……。」

虚ろな目で私の名を呼びながら、セツナが迫ってくる。

蜜「ち、…っちょっと待ってセツナァァァ!!」

ポスッ

蜜「???…セツ……ナ?」

私を避けて顔の横に沈んでしまったセツナの顔に呼びかける。

セツナ「……スー…。スー…。」

もしかしなくても…………寝た?

⏰:07/07/23 01:20 📱:SO903i 🆔:olJX1AdA


#416 [向日葵]
も、も、……
もぉぉぉ!!!なんなのよぉっ!!焦ったぁぁ(泣)びっくりしたぁぁ!

セツナ[一晩……]

あ……。
そっか……。夕べ、寝てないんだ……。

例え短時間と言えど睡眠は大切だ。

セツナ「スー……。スー……。」

蜜「ハァー…。まったく…。」

あ。ってか私…。この状況どうしたらいい?
抜けれるかなぁ……。

⏰:07/07/23 01:24 📱:SO903i 🆔:olJX1AdA


#417 [向日葵]
ゴソゴソ

蜜「ぃよ……い……せの…こ、ら…せ……っとぉ!!」

なんとか抜けれて、今は膝枕の状態。

セツナの黒髪が、私の制服のスカートに綺麗に広がっている。

その髪の毛を指の間に通して手櫛の様に滑らせた。

サラサラだ……。うらやましい……。

髪の毛1本ですらこんなにも愛しい…。胸が……おかしなくらいキュウッと締まる。

⏰:07/07/23 01:30 📱:SO903i 🆔:olJX1AdA


#418 [向日葵]
――――――――

今日はこの辺で終わります

⏰:07/07/23 01:31 📱:SO903i 🆔:olJX1AdA


#419 [みい]
>>350-500

⏰:07/07/23 01:40 📱:P904i 🆔:LKBJh7AM


#420 [みい]
>>300-350

⏰:07/07/23 01:42 📱:P904i 🆔:LKBJh7AM


#421 [ゆーな]
頑張ってください☆

⏰:07/07/23 08:34 📱:W51S 🆔:e87NK1OM


#422 [向日葵]
パソコンですが正真正銘主です!!

みいさん☆
安価ありがとうございました(@’∀’@)

ゆーなさん☆
ありがとうございます♪
頑張ります!!

⏰:07/07/23 08:59 📱:PC 🆔:Fy6eODeM


#423 [向日葵]
蜜「セツナ…。」

セツナ「スー……。」

寝息の音がまた心地よくて、なんだか穏やかな気持ちになれた。

セツナのサラサラの髪の毛を何度も撫でる。
撫でる度に、胸がキュウキュウ鳴る。

ところで…………しばらくこのまま……?


――――――……

ザァ――――……

山で、不吉な風が吹き荒れる……。

⏰:07/07/23 16:41 📱:SO903i 🆔:olJX1AdA


#424 [向日葵]
緑「風達よ……。早く家へお帰りなさいっ……!」

じゃなければ……
あの人が……やってくる……。

緑「セツナ様……。大変です……。」

もうすぐ、貴方の元に……あの人が……。

⏰:07/07/23 16:44 📱:SO903i 🆔:olJX1AdA


#425 [向日葵]
チャプター9:例のアイツ




蜜「え……今なんて……。」

セツナと無事仲直りして早4日。
只今昼休み中。

セツナ「だから、俺はお前と同じ、来年2年になるんだ。喜べ。」

蜜「とうとう頭おかしくなりましたか……?」

セツナはもうすぐ卒業を向かえる。その事について話している所なのだ。

⏰:07/07/23 16:47 📱:SO903i 🆔:olJX1AdA


#426 [向日葵]
蜜「貴方が3年生だと言うことくらい先生方やファンの皆さん、私だって知ってるんですよ?!」

するとセツナはニヤッと笑った。

セツナ「心配しなくても、この俺がそんな事を考えてないとでも思ったか?」

蜜「あー…。微妙に思いました……。」

セツナはクククと笑う。

セツナ「正直で何よりだ。」

キーンコーンカーンコーン……

蜜「あ、予鈴。帰りましょうか。」

⏰:07/07/23 16:54 📱:SO903i 🆔:olJX1AdA


#427 [向日葵]
・・・・・・・・・・・・・

いつものことながら、セツナは教室まで送ってくれた。

蜜「では、また帰りに。」

と振り向くと、セツナは私の頬を指先で触れる。
スッと撫でられると思わず体がピクッとしてしまった。
そんな私をセツナは見逃さず、フッと穏やかな目をして笑った。

そしておでこに唇を当てる。

セツナ「…後でな……。」

そう言ってセツナは自分の教室まで歩いて行った。

⏰:07/07/23 16:58 📱:SO903i 🆔:olJX1AdA


#428 [向日葵]
なんだか……仲直りしてから、私達の空気が少し変わった気がする。

もっとこう……ピンクのオーラが濃くなったんだけど淡いピンク…みたいな。
……よくわからん。(オイ)

その時だった。

――ギン!

――――ゾクゾク!!

蜜「な…何?」

誰かに、睨まれた?
ううん。違う。あの悪寒はまるで…………


獲物を狙う気配……。

⏰:07/07/23 17:02 📱:SO903i 🆔:olJX1AdA


#429 [向日葵]
清「蜜?いつまでつっ立ってるの?授業始まるよ。」

清に呼ばれて私は我に帰った。

蜜「え?…あ、うん……。」

教室に入る時、また後ろを見て“何か”を確かめてから席へ着いた。

ガラガラガラ

先生「ハイ、Goodevening.Everyone.」

クラス「Goodevening.Teacher.」

挨拶がすんで着席する。

先生「えー。今日は、新しい先生がやって来ました。」

教室が一気にざわつく。
それもそうだ。

『この時期に新しい先生……?』

しかしざわつく中、先生が紹介した新任の先生が入ってくると、ざわめきが悲鳴に変わった。

⏰:07/07/23 17:10 📱:SO903i 🆔:olJX1AdA


#430 [向日葵]
いや、悲鳴じゃなく歓喜の叫び?

クラス(女子)「キャァァァァァァァァァ!!!!!!!!」

入って来た先生はセツナに負けないくらい端正な顔つきだった。

少し長めのストレートな髪は栗色。目は驚く事に緑だ。

先生「新任の、ターヤ・メイラ先生だ。」

ターヤ「ターヤです。どうぞよろしく。」

儚げな、それでいて綺麗な声は一発でクラス(私と清以外の女子)を虜にした。

⏰:07/07/23 17:14 📱:SO903i 🆔:olJX1AdA


#431 [向日葵]
『おぉう!!イリュージョン!』

女子全員の目にハートが埋め込まれた。

すると

―――――ゾクゾク!

『……っ。この…感じ……。』

ふと視線に気付いた私は、その元を辿った。
行き着いた先は……

『え…………っっ。』

無機質な目をしながら、微笑んで、ターヤ先生が私を見ていた。

私が見ているのに気付くと、にっこり笑って視線をクラスへと戻した。

⏰:07/07/23 17:25 📱:SO903i 🆔:olJX1AdA


#432 [向日葵]
『え…え…。まさか……ねぇ…。あんなの、偶然…。だよね?』

その後もなんなく授業はやられていった。
先生は二度と私に視線を向けなかった。

やっぱり、気のせいだよね!

・・・・・・・・・・・・・

今日も1日が終了。やっと帰れるー。

「本山さん。」

……この声は…。

振り向けば…やっぱり……。

蜜「何ですか…?ターヤ先生。」

⏰:07/07/23 17:31 📱:SO903i 🆔:olJX1AdA


#433 [向日葵]
ターヤ先生はにこにこしながら私に近寄って来る。

ターヤ「頭に何か着いてるよ。取ってあげる。」

……はい?

先生はスッと頭に手をやると私からゴミを取った。

ターヤ「はい。もういいよ。じゃあ気を付けて帰りなさい。」

蜜「は、はぁ……。」

警戒していた自分が馬鹿みたい……。なんだか相手はホヤホヤした空気を漂わせて帰って行った。

セツナ「蜜。」

蜜「あ、セツナ。」

⏰:07/07/23 17:35 📱:SO903i 🆔:olJX1AdA


#434 [向日葵]
セツナは私の元に来てからもう小さくなったターヤ先生の後ろ姿を見た。

セツナ「……アイツは?」

蜜「新しい英語の先生です。確か、タ……タ……タイヤだっけ。」

さっきまで出てきた名前をど忘れしてしまった。

セツナ「……。そうか。蜜。さっさと帰るぞ。」

蜜「え?ハイ……。」

いつも飛んで帰る為、私達は屋上へ向かった。

フワッ

セツナ「ん?蜜、何か着いてるぞ。」

蜜「え?また?」

⏰:07/07/23 17:41 📱:SO903i 🆔:olJX1AdA


#435 [向日葵]
セツナが取ってくれたのは

セツナ「……クモの糸…?」

不審気に顔を歪めるセツナ。

蜜「私ゴミに好かれてますねぇ。」

セツナ「蜜。もう一度教師の名前を思い出せ。確実にだ。」

セツナの真剣な声に、私は英語の時間まで記憶を巻き戻していた。

タ……タ……タ……

[ターヤです。]

⏰:07/07/23 17:45 📱:SO903i 🆔:olJX1AdA


#436 [向日葵]
頭に電球が浮かぶ。

蜜「ターヤ先生です!ターヤ・メイラ先生!」

その名前を聞いた途端、セツナの顔が怒りを帯びる。

セツナ「やっぱりか……。嫌な予感がした訳だ。」

蜜「ちょっとちょっとちょっと!」

ザタッチの真似じゃないけどさ。

蜜「一体なんなんですか?私に分かる様に説明して下さいよ!」

セツナ「あぁいいぞ。」

カチャ キィ……。

⏰:07/07/23 17:51 📱:SO903i 🆔:olJX1AdA


#437 [向日葵]
屋上への戸を開けると肌を刺す様な冷たい風が流れてきた。

セツナ「簡潔に説明すれば俺が殺そうとした張本人だ。」

息をするのを忘れそうになった。
あの人が……セツナの……。

じゃあ、私のあの悪寒は……気のせいじゃない……?
急に身震いした。

セツナ「俺が気付かなかったら後をつけられてたな……。」

セツナの黒い髪の毛が風で遊んでいる。
垣間見る表情は険しさを増していた。

⏰:07/07/23 18:06 📱:SO903i 🆔:olJX1AdA


#438 [向日葵]
蜜「ご、ごめんなさい……。私、知らなくて……。」

セツナ「そんなの当たり前だろ?お前は人間だ。」

セツナが私に歩み寄る。
さっきの言葉でもまだ怒ってる感じがした。

怒られる……っ!

でも私の予想は外れた。

セツナは両手で私の顔を包んだ。

セツナ「大丈夫か?何もされなかったか?」

その目は心配そうに私を覗き込んで、優しささえ見えた。

⏰:07/07/23 18:10 📱:SO903i 🆔:olJX1AdA


#439 [向日葵]
蜜「……。」

セツナ「…?蜜?」

蜜「怒って……ないんですか?」

セツナ「何故だ。」

セツナは全く分からないといった表情をしている。
どうやら怒ってるのは私に対してじゃないらしい。

蜜「不注意にもほどがある馬鹿!……っとか言われるかと…。」

セツナ「お前は初めて会う奴が分かる能力でも持っているのか?」

蜜「残念なことにこれっぽっちも。」

セツナ「なら怒るのは筋違いだろ。」

⏰:07/07/23 18:16 📱:SO903i 🆔:olJX1AdA


#440 [向日葵]
そこでようやくホッとして顔から緊張が抜けた。

それを見てセツナも微笑む。

セツナ「さて……、夕暮れ時の街を空中散歩するか。花嫁殿よ。」

蜜「お供いたしますよ。」

セツナは私の腰に手を回して空へ浮かび上がる。

ブワァァァ……

セツナ「物は相談だ蜜。」

蜜「はい何ですか?」

セツナ「お前の護衛をしたい。これから安心出来るまで部屋に通ってもいいか?」

⏰:07/07/23 18:22 📱:SO903i 🆔:olJX1AdA


#441 [向日葵]
目をパチクリさせる。

蜜「そこまで警戒しなくても…。クモの糸は取れたのでしょ?」

セツナ「不注意にもほどがある馬鹿と怒られたいのか?」

セツナはニヤリと笑う。
でも目は真剣で、本気で私の身が危険だと知らせている。

セツナ「それにお前の家はなんだか落ち着くんでなぁ。」

と付け足した。
これもホントっぽい。

⏰:07/07/23 18:28 📱:SO903i 🆔:olJX1AdA


#442 [向日葵]
蜜「なら……くれっぐれも!おばあちゃん達に見つからない様にしてくださいね!」

セツナ「了解した。」

と言ってセツナはおでこに唇を触れた。
ダメだ…。体温が上がっていく……。

ファサ…ファサ……

セツナの羽ばたき音がなんだか好きだ。

セツナ「ちょっとスピード上げるぞ。目でも瞑っておけ。」

蜜「はぁい……。」

気分悪くならないといいけど……。

⏰:07/07/23 18:54 📱:SO903i 🆔:olJX1AdA


#443 [向日葵]
・・・・・・・・・・・

家へ到着。

蜜「じゃあ、上に上がって窓開けますから、タイミング見計らって飛んでください。」

セツナ「あぁ。」

パタン。

ドアを閉めて、いつも通りにしなければ。

蜜「ただいまー。」

おばあちゃん「お帰りなさい。ご飯出来るから着替えてらっしゃい。」

蜜「はぁーい…。」

⏰:07/07/23 18:57 📱:SO903i 🆔:olJX1AdA


#444 [向日葵]
返事をしてからバレない様に急いで階段を駆け上がって自室へ。

カチャン……

窓へ近づく。そして鍵を開けた。

ガラガラガラ

蜜「……?あれ?セツナ…っドアアアアアア!!」

いきなりセツナが室内へ入ってきた。

セツナ「お前の近所は人通りが少なくて!」

蜜「セェ〜ツゥ〜ナァ〜。」

おばあちゃん「みっちゃぁーん?!」

階下からおばあちゃんが私の叫び声に心配した。
思わずドアを塞いだ。

蜜「な、何――?」

⏰:07/07/23 19:04 📱:SO903i 🆔:olJX1AdA


#445 [向日葵]
おばあちゃん「どうかしたのー?」

蜜「ち、ちょっとドでかい蛾が――!!」

セツナ「失敬な。この見目麗しい蝶々にあんな禍々しいものと一緒にするな。」

蜜「黙って!!!!」

小声で抗議するセツナを叱る。

蜜「もう!バレない様に!!って言ったでしょう?!」

セツナ「バレない為には急いで入るのがいいだろ。」

間違ってないけど間違ってるよそれ……。

蜜「セツナ、ちょっとあっち向いててくれません?」
私は窓の方向を差した。セツナも私の指の先を見て、私にまた視線を戻した。

⏰:07/07/23 19:10 📱:SO903i 🆔:olJX1AdA


#446 [向日葵]
――――――――

一旦キリますね

⏰:07/07/23 19:10 📱:SO903i 🆔:olJX1AdA


#447 [向日葵]
すいません訂正です

>>437のセツナの言葉

俺が殺そうとした×

俺を殺そうとした○

です

⏰:07/07/23 19:48 📱:SO903i 🆔:olJX1AdA


#448 [ゆら]
更新楽しみにしてます頑張ってください

⏰:07/07/23 21:54 📱:D903i 🆔:xy2.WdMI


#449 [向日葵]
ゆらさん

ありがとうございます更新頑張りますね

⏰:07/07/23 21:57 📱:SO903i 🆔:olJX1AdA


#450 [りん]
>>300->>400

⏰:07/07/23 22:23 📱:SH902i 🆔:☆☆☆


#451 [りん]
あらっ
>>300-400

⏰:07/07/23 22:24 📱:SH902i 🆔:☆☆☆


#452 [りん]
>>400-500

⏰:07/07/23 22:25 📱:SH902i 🆔:☆☆☆


#453 [向日葵]
りんさん

安価ありがとうございます

――――――――

セツナ「何故。」

蜜「着替えるんです。」

セツナ「見ててもいいじゃないか。一回見たし。」

馬――――鹿―――――!!!そんな問題じゃないんだよ!

蜜「駄目です!早く!!」

セツナ「意味が分からん。別にいいだろ。いつかそーゆーのを体験」

蜜「だぁぁぁぁ!!禁止ぃぃっ!!!!これは普通の恋愛小説――――!!」

⏰:07/07/24 00:44 📱:SO903i 🆔:cPiJXw2A


#454 [向日葵]
とりあえずセツナを無理矢理窓の方へ向かした。

セツナ「蜜。窓でお前が見えるんだが……。」

蜜「カーテンを閉めて下さいカーテンをぉっ。」

それでなくても一緒の部屋で着替えるなんて恥ずかしいことしなきゃいけないんだから……。

蜜「……。ターヤ先生は、一体何者なんですか?」

ジャージを履きながら聞いてみた。

セツナ「頭にクモの糸が乗ってあったろ。つまり蜘蛛族さ。」

⏰:07/07/24 00:48 📱:SO903i 🆔:cPiJXw2A


#455 [向日葵]
蜘蛛族……。
だから、裏切り者扱い。

昔、テレビで聞いた事がある。
元々昆虫だった蜘蛛は、昆虫世界を裏切り、今の様な異形の形をとったと。

ホントにそんなのあるんだ……。

セツナ「あんなのでも仲間は仲間だ。下手に攻撃もしたくない。向こうだって不利なことはしないハズだ。」

蜜「自然界も色々アグレッシブなんですね。さて…と。もういいですよ。」

そういうとセツナは振り返った。そして私をジロジロ見る。

⏰:07/07/24 00:57 📱:SO903i 🆔:cPiJXw2A


#456 [向日葵]
蜜「?何か変ですか?」

セツナ「大変可愛らしいが……トレーナーだと体のラインがわかりにくく」

蜜「ご飯食べるんでここで大人しくしてて下さいね。」

バタン

ったくエロ蝶々…。

タンタンタン……。

おばあちゃん「あ、来たわね。ささ、食べましょう。」

おじいちゃん「おー…。今日はハンバーグかい…。」

蜜「いっただっきまーす!」

⏰:07/07/24 01:02 📱:SO903i 🆔:cPiJXw2A


#457 [向日葵]
おじいちゃん「蜜。食べる前にいいかな?」

ハンバーグを口に運ぼうとした手を止めて、おじいちゃん達に向き直る。

蜜「な、何?」

ハッ!!ままままさか……。セツナとの事バレたとかっ?!

おじいちゃん「私達の事なんだが……。」

あ、なぁんだ……。

おばあちゃん「しばらく…外国へ行こうかと思うの……。」

蜜「……え?」

⏰:07/07/24 01:06 📱:SO903i 🆔:cPiJXw2A


#458 [向日葵]
おばあちゃん「私達、もう人生短いでしょ?一度、外国行ってみたくって…。少し堪能してこようかと思ってるの……。」

蜜「だ、大丈夫なの?」

おばあちゃん「私達は何も心配はないわ。ただ貴方よ。この家に一人…。」

まぁ別に……一人じゃないけど。
こっそり天井を見上げる。

蜜「私なら大丈夫よ。だってもうすぐ17歳!家事だってちゃんと出来る!だから楽しんできて全然いいよ!!」

おじいちゃん「それを聞いて安心したよ。ありがとう……蜜。」

⏰:07/07/24 01:10 📱:SO903i 🆔:cPiJXw2A


#459 [向日葵]
もう細くなってしまったおじいちゃんの手が私の頭を撫でた。

それからはほのぼのと晩御飯を済ませ、自室にまた戻ることにした。

カチャン

セツナ「お前また一人らしいな。」

ベッドに寝転んで足を組ながらセツナが言った。

蜜「ぬ……盗み聞き?!」

セツナ「暇だったんでな。結構スリルあったぞ。見付かるか見付からんかの狭間で。」

私は溜め息をついた。
聞かれたのなら仕方ない。また同棲(?)の始まりだ。

⏰:07/07/24 01:15 📱:SO903i 🆔:cPiJXw2A


#460 [向日葵]
セツナが上体を起こして私の手を引く。

セツナ「また二人で生活出来るぞ。」

嬉しそうに笑うセツナにやられた。
そりゃ嬉しくなくはないけど……。

蜜「そうですね……。ところでー…。この手なんです?」

セツナの手が腰辺りにある。
セツナがニヤッと笑った。

セツナ「まぁ嫌がるかもしれんが…俺も一応動物なんでなぁ……。食事の時間だ。」

⏰:07/07/24 01:19 📱:SO903i 🆔:cPiJXw2A


#461 [向日葵]
グルッ バフッ!!

世界が一転したかと思うと既にベッドの上。
私は横たわり、セツナは覆い被さっている。

蜜「別にこんな格好しなくても……っ!」

セツナ「そーゆー慌てる可愛い蜜を見る為だ。」

―――ドキン…

ホントズルイ……。

蜜「ん……。」

セツナの唇が私の唇を支配し始めた。
こうなったらもう無理だ。

⏰:07/07/24 01:23 📱:SO903i 🆔:cPiJXw2A


#462 [向日葵]
セツナ「蜜…少し口開けろ……。」

蜜「……っ!」

普段そんなの言わないくせに……っ!

私はそっと口を開く、と同時にセツナの舌が侵入してきた。

私の体、神経、臓器。全てが支配され始める。

蜜「……セッ…ツ……。」

言葉を出そうとすれば塞がれる。“黙って支配されてろ”とでも言うように。

やがてセツナが離れたと思ってホッとしていると、今日はそれで終りではなかった。

⏰:07/07/24 01:29 📱:SO903i 🆔:cPiJXw2A


#463 [☆チーター☆]
あげますト
待ってますイイ

⏰:07/07/24 14:49 📱:auSA3A 🆔:JuO1OoU.


#464 [なな]
本当に!
向日葵さンの小説

大好きデス

これからも
応援してる冫で

がムばッて下さLl-

⏰:07/07/25 00:03 📱:SH903i 🆔:9HlWsAhI


#465 [向日葵]
チーターさん
ななさん

ホントにありがとうございます


――――――――

意識がフワフワするのを確認しながら、セツナの顔が私の首近くに来ているのには気が付かなかった。

チゥゥ

蜜「ひっ!ちょ、セツナ!!何を……っ!」

セツナが首筋に吸い付いた。
セツナは顔をあげると意地悪そうな顔で笑った。

⏰:07/07/25 00:17 📱:SO903i 🆔:0Mc92U2I


#466 [向日葵]
セツナ「証付けただけ。」

蜜「あかあか証?!」

セツナを押し退けて鏡を見た。
すると……

蜜「んぎょあぁ!!」

変な声が出た。

蜜「なんちゅうもんを付けてくれたんですか!!」

首にはくっきりと赤い跡。つまりキスマークが……。

セツナ「誰にも手が出せない様にだ。上出来だろ。」
と笑いながら自慢する。

⏰:07/07/25 00:22 📱:SO903i 🆔:0Mc92U2I


#467 [向日葵]
蜜「こんなもの……風呂に入って消してやるー!!」

と言って勢いたよく階段を降り、風呂に入って力の限りゴシゴシ擦ったが、自分の肌を痛めるだけに終わってしまった。

洗面所の鏡を見ながらどうしたものかと考える。

『バンソーコーしかないかぁ…。ベッタだなぁぁ……。』

水分を充分に取った後、バンソーコーをペタリ。

『清にバレないといいんだけど……。』

ガチャ

入るなりセツナに笑われた。

⏰:07/07/25 00:29 📱:SO903i 🆔:0Mc92U2I


#468 [向日葵]
セツナ「どうやら無理で終わったらしいな。」

首元を差しながら言う。

蜜「こんなわっかりやすいトコにつけないで下さいよ!!」

その時、セツナの目がキラリと光った。

一歩一歩歩み寄られて、私はお姫様抱っこをされた。

蜜「どわ!な、なん何ですかっ!!」

セツナはお姫様抱っこをしたままベッドに座る。
そして鼻先が触れるか触れないかのトコまで顔を近付けた。

⏰:07/07/25 00:34 📱:SO903i 🆔:0Mc92U2I


#469 [向日葵]
セツナ「じゃあ、どこがいい?」

その囁きは極上。甘すぎるくらい。
目は熱く、私を見つめる。
私は息をするので精一杯だった。

蜜「どこ……って……。」

セツナの人差し指が、私の胸元辺りにくる。

蜜「ちょ…っ!」

セツナ「こことか?」

蜜「やだ…っっ!!セツナ!やめて!!」

今のセツナだったらそんなことやって退けそうで恐い……。

⏰:07/07/25 00:39 📱:SO903i 🆔:0Mc92U2I


#470 [向日葵]
するとセツナはおもむろに息を吐いて手を胸元から外すと、長袖Tシャツの襟元まで移動させた。

セツナ「仕方ない……。ここで我慢する。」

すると襟を下へグイッ!と引っ張って、鎖骨に唇を当てた。

蜜「やっ…!セツナ!!やだぁっ!!」

セツナの吐息が、唇の温度、感触が、ダイレクトに体に伝わる。

セツナ「ここなら見えないだろ。」

舌をペロッと出してまた笑う。

⏰:07/07/25 00:44 📱:SO903i 🆔:0Mc92U2I


#471 [向日葵]
私は体温計がぶっ壊れそうなくらい体温が上昇していた。

蜜「こんな……こと……。」

セツナ「別に嫌ではないだろう?」

確かに……。
ハッ!!違う!!そうじゃなくて!!

蜜「襲わないって言ったじゃないですか!!」

セツナ「可愛いすぎるお前が悪い。悔しかったらブスになれ。」

んな無茶な。
いや可愛いくもないけど……。

⏰:07/07/25 00:47 📱:SO903i 🆔:0Mc92U2I


#472 [向日葵]
白旗を上げて降参すると、ゆっくりベッドに横たわせてくれた。
ご丁寧に布団まで掛けてくれる。

セツナ「明日も早い。もう寝ろ。」

セツナは寝ている私の近くに座った。

蜜「セツナは家に帰らなくていいんですか?」

セツナ「お前が眠ったら風呂に入って服を着替えにくらいは戻る。」

あ……行っちゃうんだ…。

私の顔にそう書いてあったかは定かじゃないけど、セツナはニヤッと笑った。

セツナ「離れて欲しくないのか?」

⏰:07/07/25 00:53 📱:SO903i 🆔:0Mc92U2I


#473 [向日葵]
蜜「…別に。」

セツナは可笑しそうにそっぽを向いて肩を震わすとまた私に視線を向けた。
今度は意地悪そうな顔じゃなく、私が好きなあの優しい顔だった。

セツナ「俺が一秒たりともお前から離れたくないのと一緒だ。」

そう言うと、私の頬に唇を当てた。
そして手を大きな手で包まれた。

蜜「おやすみ…なさい。」

好きな人…。私は改めて実感してしまった。

⏰:07/07/25 01:01 📱:SO903i 🆔:0Mc92U2I


#474 [向日葵]
――――――――……

次の日

清「蜜ー。アンタ今日日直でしょう?英語のノート集めて持って行けだってー。」

蜜「えー…。面倒くさいなぁ……。」

しかも英語って……。
あのターヤ先生。

まぁ密室にならない限り何もされないと思うけど……。

小川「大変そうだな…。手伝おうか?」

心配そうに小川君が声をかけてくれた。

⏰:07/07/25 01:05 📱:SO903i 🆔:0Mc92U2I


#475 [向日葵]
それがまた嬉しい。

蜜「だぁいじょーぶ!ありがとう。」

と言って私は英語教材室へ行った。

・・・・・・・・・・・・・

コンコン

ターヤ「はい。どうぞ。」

警戒しながらドアを開ける。

蜜「失礼しまー…す。」
先生は机に向かって何かをカリカリ書いていた。
そして椅子を回してこちらを向く。

⏰:07/07/25 01:10 📱:SO903i 🆔:0Mc92U2I


#476 [向日葵]
にっこりと笑う顔が胡散臭く見えるのは正体が分かってるからだろうか……。

ターヤ「ありがとう。ここに置いてもらえるかな?」

躊躇った。もし何かされたら……。

ターヤ「…どうかした?」

そこでセツナの言葉を思い出した。

セツナ[不利な事はしないだろ。]

そうだよね。だってこの学校にはセツナがいる。
私に何かあったならば、この人は即刻罰を受けざるを得ない。

⏰:07/07/25 01:14 📱:SO903i 🆔:0Mc92U2I


#477 [向日葵]
蜜「失礼します。」

私は部屋に踏み入れた。

その時。

ガラガラガラ!

すごい勢いで戸が閉まった。
一瞬わからなかった。何故触れても無いのに戸が閉まるか。

しかし……見てしまった……。

蜜「ルキ……!!」

ターヤ「セツナの蜜乙女と聞いたからどんな者かと思えば……チョロイ。」

さっきまでの丁寧な喋り方が無くなった。

⏰:07/07/25 01:19 📱:SO903i 🆔:0Mc92U2I


#478 [向日葵]
ゆっくり振り向けば、数m先には思い通りに事が運び満足だと言わんばかりの笑みをターヤ先生は浮かべていた。

ターヤ「僕のこと、もう知ってるみたいだね。」

蜜 「ある…程度は……。」

ターヤ先生は机に寄りかかり腕を組んだ。

何も……して来ない?
私は逃げようと足を浮かした。……つもりだった。

蜜「!!な、んで……っ?!」

ターヤ「見えないのか?足に付いてるものが……。」

⏰:07/07/25 01:24 📱:SO903i 🆔:0Mc92U2I


#479 [向日葵]
恐る恐る足元を見た。
一見何も無いかに見える。けど。

蜜「……あっ。」

光の反射角度を変えれば分かる。キラリと何重にも巻き付いている細い糸。
それはターヤ先生の手に繋がってる。

ターヤ「だから馬鹿なんだよ。」

逃げるのは諦めるしかないらしい……。
でも

蜜「私は馬鹿ですが、馬鹿呼ばわりをしていいのはセツナだけです!!」

ターヤ先生は一瞬キョトンとしてから大声で笑った。

⏰:07/07/25 01:30 📱:SO903i 🆔:0Mc92U2I


#480 [向日葵]
ターヤ「ハッハッハッハッハ!!人間と黒蝶族の恋物語か!!そいつぁ可笑しい!!」
しばらくターヤ先生は笑っていた。
その笑い声が頭に響きながら、もしかすれば何かされてしまうと言う恐怖が私を襲う。

でもそれを悟られてはいけない。
私は出来るだけ強気で毅然とするよう努力した。

蜜「何故…私を狙うんですか……。」

ターヤ先生から笑いが収まる。だが口元はまだ笑みが溢れている。

不気味な笑い方…。見ていて吐き気がする。

⏰:07/07/25 01:35 📱:SO903i 🆔:0Mc92U2I


#481 [向日葵]
ターヤ「一つはアイツらが気に入らない。だから何かデカイ事をと思ってね。もう一つは……」

そこでターヤ先生の目が妖しく光った。

ターヤ「君に最高の食事を盗られたからさ。……ねぇ、本山蜜……?」

それは遠い昔。
セツナを助けた時だ。

ターヤ「せっかくあの天狗野郎を始末出来ると思ったのに……。つまらん。」

ターヤ先生が私に一歩ずつゆっくりと近づいてくる。

蜜「だからって何で……っ!」

ターヤ「僕達は余興を邪魔されるのが非常に嫌いでね。」

⏰:07/07/25 01:40 📱:SO903i 🆔:0Mc92U2I


#482 [向日葵]
蜜「私に何かするならば、セツナが黙ってはいませんよ。」

ターヤ「それが怖くて余興を楽しめはしない。ま、確かに厄介だがな……。要は……バレなければいいんだ。」

蜜「私を……どうする気……?」

ターヤ先生は、もうすぐそこ……。
ターヤ先生はニヤニヤ笑いながら私の首元に顔を近付ける。

ターヤ「なんだ……。バンソーコーなんか付けてるからてっきり手をつけたのかと思ったら……。」

ターヤ先生は“証”の上に貼ったバンソーコーを乱暴に剥がした。
そのせいで少し痛かった。

⏰:07/07/25 01:46 📱:SO903i 🆔:0Mc92U2I


#483 [☆チーター☆]
頑張って下さいト~~

⏰:07/07/25 01:49 📱:auSA3A 🆔:pIFQSZDc


#484 [向日葵]
蜜「……った…!」

ターヤ「君が……僕の初めての相手になれば……アイツどんなに怒るかなぁ……。」

耳元で囁かれて、セツナとはまた違う戦慄が背中を這上がる。

蜜「…っ!!やだ……。誰か……っぅむ!!」

叫ぼうとしたら、唇が重なった。

蜜「――――っ!!」

ガリッ!!

容赦なく、唇を噛んでやる。

⏰:07/07/25 01:49 📱:SO903i 🆔:0Mc92U2I


#485 [向日葵]
先生の口から血が流れた。

ターヤ「ククク。やっぱりそうでなくちゃな。だが……。」

髪の毛を掴まれて首筋が露になった。

蜜「いっ……!!」

首筋に微かな痛みが走る。……そして。

蜜「か……らだ……。」

動かない。
まるでセツナの痺れる鱗片みたいだ。

ターヤ「クククク……。さぁて……。始めようか?」

⏰:07/07/25 01:54 📱:SO903i 🆔:0Mc92U2I


#486 [向日葵]
チャプター10:油断







動かない私の体を、先生はいとも簡単に持ち上げ、机に横たわらせた。

蜜「やめ……て……。」

痺れて上手く声が出ない。
泣きそう…。でも泣いてやるもんか。

ターヤ「余興を邪魔したら……どうなるかわかってるよね?」

ニヤリと笑ってターヤ先生は近づいてきた。

ターヤ「次噛んだら……わかるよね?」

⏰:07/07/25 01:57 📱:SO903i 🆔:0Mc92U2I


#487 [向日葵]
チーターさんありがとうございます

――――――――

そして先生の唇が重なった。
気持ち悪い……。いますぐに噛んでやりたい……。でも、恐怖で出来ずにいる。ついには舌まで入り、口内を荒らされる。

蜜「……っ。――!」

気付けば先生が制服に手をかけていた。

このままだと……っホントに……っ!

セツナァッッ!!

・・・・・・・・・・・・・

清「あ、セツナ先輩。」

⏰:07/07/25 02:01 📱:SO903i 🆔:0Mc92U2I


#488 [向日葵]
清が教室前で待つセツナを発見した。

セツナ「あぁ。蜜を知らないか。」

清「あー、蜜なら日直の仕事で英語教材室に行ってます。」

セツナはそれを聞いて驚きを隠せなかった。

セツナ「なんだってっ?!」

その時だった。

――セツナァッッ!!――

!!

セツナ「蜜!!」

⏰:07/07/25 02:06 📱:SO903i 🆔:0Mc92U2I


#489 [向日葵]
セツナはある方向へと視線を向ける。

清「どうしました?」

セツナ「蜜が、危険な状況に侵されてる匂いがする……っ!」

さっきの蜜の声でその匂いが分かった。

ダッ!!

清「セツナ先輩?!」

セツナは急いで蜜の元へと向かう。

セツナ『蜜っ!!』

―――――……

制服のボタンを少し胸が見えるくらいまで開けられた。

⏰:07/07/25 02:10 📱:SO903i 🆔:0Mc92U2I


#490 [向日葵]
ターヤ「ふぅん。ガキと思ったのに体は綺麗だね。」

谷間近くから首を舐め上げられた。

蜜「……っひぃ!」

舌の感触が気持ち悪い。
触らないで。辞めて……。

だけどそんな言葉は通用しなかった。

ターヤ「そろそろ快楽へ導いてあげようか?」

聞いてるくせにこっちの意見なんか聞く気すらない。
またゆっくりとボタンが開けられる。

⏰:07/07/25 02:15 📱:SO903i 🆔:0Mc92U2I


#491 [向日葵]
蜜「や……め……。」


声にすらならなくなってきた。
痺はマシになるどころかどんどん強くなる。

ターヤ「いずれやめろなんて言えなくなるよ。苦しそうな声だって瑞ぎに変わるさ。」

心の中で首をブンブン振る。そんな訳ない。絶対にない。
私に触れていいのは……


セツナだけなんだから……っ!!

ダァァァン!!!!

ドアが壊され、床に大きな音を立てて倒れる。

⏰:07/07/25 02:20 📱:SO903i 🆔:0Mc92U2I


#492 [向日葵]
セツナ「ターヤ……。」

『セツナ……っ!』

ターヤ「ったく……ゲームオーバーか。」

セツナ「軽口たたくんじゃねぇよ!!」

ドゴォッッ!!

ガタガガターン!!

セツナは先生を顔が変形するくらい力一杯殴り、先生は本棚に当たった。

ターヤ「クッ、ククククク……。仕方ないなぁ…。君が来たなら、退くしか出来ないようだ。」

笑いながら、ターヤ先生は教室から出て行った。

⏰:07/07/25 02:24 📱:SO903i 🆔:0Mc92U2I


#493 [向日葵]
私は横たわったまま、動けない。

セツナ「蜜、動けないのか……?」

私は口パクで「ハイ」と答える。
セツナは首筋の噛まれた跡に唇を押し付けた。

最初何をしてるか分からなかったけど、毒素を抜いてくれてるのが分かったのは数秒して体が動いた時だった……。

セツナ「蜜……。」

セツナが抱き寄せようとするのを私は止めた。

蜜「ダメ……っ。先生が…いっぱい触った……っ。」

⏰:07/07/25 02:28 📱:SO903i 🆔:0Mc92U2I


#494 [向日葵]
そこで初めて涙がボロボロ出てきた。

蜜「ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ!!!!……っ私は……馬鹿ですっっ。ゴメンナサイ!!」

服が乱れたままなんて気にしないまま私は顔を覆って泣き崩れた。

そんな私にセツナは着ていたブレザーをかけて持ち上げた。

蜜「や!セツナ…っ。触っちゃダメ」

セツナ「黙ってろ。」

セツナの口調が厳しかった。……やっぱり怒ってる。

⏰:07/07/25 02:32 📱:SO903i 🆔:0Mc92U2I


#495 [向日葵]
私は顔をまた覆って泣いた。

なんて私は甘かったんだろう。
セツナがあれだけ注意してくれたのに……っ。

風が吹いたので屋上に着いた事が分かった。
そしてその風が強さを増したので空中に舞っているのも分かった。

私達はなにも喋らなかった。

・・・・・・・・・・・・・・

家に着く。
おばあちゃん達は外国への用意の為いないのは朝から知っている。

⏰:07/07/25 02:36 📱:SO903i 🆔:0Mc92U2I


#496 [向日葵]
――――――――

今日はここまでにします

⏰:07/07/25 02:36 📱:SO903i 🆔:0Mc92U2I


#497 [向日葵]
セツナはどこへ行くのかと思ったら、向かった先はお風呂場だった。

シャー……

シャワーを湯船にある程度溜めると、制服のまま私を湯船に入れた。

蜜「え……。」

そしてセツナも一緒に入ってくる。

するとセツナは、私を抱き寄せて背中を擦ってくれる。

蜜「駄目…セツナ。先生が……。」

セツナ「だから洗ってやってるんだろ。」

⏰:07/07/25 10:53 📱:SO903i 🆔:0Mc92U2I


#498 [向日葵]
抑揚のない口調。
まだ怒ってると私は感じとった。

蜜「ゴメンナサイ……。」

私は堪えきれなくなって謝った。
するとセツナは手を止めて私の肩をガシッと掴んで見つめた。

セツナ「なんでお前が謝るんだ!悪いのはアイツと…………守れなかった俺だろ…。」

私はまた泣き出してしまった。

蜜「だって、私が浅はかだったか、ら……。」

セツナ「そんな事ない…。素直なトコがお前のいい所だろ……。」

⏰:07/07/25 10:57 📱:SO903i 🆔:0Mc92U2I


#499 [向日葵]
セツナは私の顔を両手で包んだ。
今から何をするかは予測がつく。

蜜「駄目…先生が……。」

セツナ「まだ感触が残ってるか?」

私は静かに頷く。
もう服がびしょびしょになってしまった。

セツナ「なら、俺の事だけ考えていろ…。」

そう言うと、優しく唇を重ねた。

最初は拒絶した。
嫌だ、先生とした後セツナとしたくはないって。

⏰:07/07/25 11:04 📱:SO903i 🆔:0Mc92U2I


#500 [向日葵]
でもセツナは決して止めようとはしなかった。
それどころか更に深くなっていく。

蜜「セツ……っ」

口を開けばその上から唇が重なる。
まるで「セツナのくちづけ」を覚えさせるかの様に……。

……ようやく唇が離れた。

蜜「……ハァッ…。」

セツナ「他は?どこ触られた?」

私は喋らず指で噛まれた場所、服の至る所、そして……谷間近くから首筋を差した……。

⏰:07/07/25 11:09 📱:SO903i 🆔:0Mc92U2I


#501 [向日葵]
セツナは噛まれた場所に唇を当てながら服の至る所を擦って洗い流してくれた。

そして残るは……。

セツナ「大丈夫か……?」

気遣わし気に私の肩に手を置く。

大丈夫。だってセツナだもの……。

静かに頷くと、セツナは顔を徐々に近付けて露出されたままだった私の胸元に唇を触れた。

昨日とは違う感覚。
そこが浄化される様に心地いい。

⏰:07/07/25 11:14 📱:SO903i 🆔:0Mc92U2I


#502 [向日葵]
ビクッ!

思わず体を震わせてしまった。
肌にセツナの舌の温度を感じたからだ。

でも気持ち悪くはない。

セツナはゆっくりと首筋まで舌を這わせる。

蜜「……っ。」

背中に感じた事がない感覚が駆け上がる。

セツナ「これで終りか……?」

私はまた静かに頷いた。

蜜「ありがとう…ございます……。」

⏰:07/07/25 11:24 📱:SO903i 🆔:0Mc92U2I


#503 [向日葵]
そこでようやく薄く微笑む事が出来た。

セツナも微笑んだけど、まだ顔は堅かった。
セツナは私の乱れて濡れてしまった服を直してくれた。

セツナ「無事で……良かった……。」

セツナは片方の頬に手を添えた。
この大きな手が私は好き……。私は目を閉じて実感していた。

するとセツナの唇が優しく触れてきた。

予想外だったのでピクッと震えてしまった。
それに気付いたセツナは慌てて唇を離す。

⏰:07/07/25 11:31 📱:SO903i 🆔:0Mc92U2I


#504 [向日葵]
セツナは悲しそうな顔で私の顔を覗き込む。

セツナ「まだ……怖い……?」

蜜「違うんです……。いきなりだったから……。」

そう言うとセツナの顔がホッとしたのが見てとれた。でも再びはしてくれない。

私はセツナのセーターを掴んでぎこちなく唇を重ねた。

蜜「大丈夫です……だから…もっと触れて下さい。」

セツナはびっくりしていた。私だって自然と出てきた自分の言葉に驚いた。

⏰:07/07/25 11:36 📱:SO903i 🆔:0Mc92U2I


#505 [向日葵]
――――――――

キリます

⏰:07/07/25 11:36 📱:SO903i 🆔:0Mc92U2I


#506 [我輩は匿名である]
>>1-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400
>>401-500

⏰:07/07/25 11:46 📱:D902iS 🆔:iCOTgwXQ


#507 [我輩は匿名である]
>>1-30
>>31-60
>>61-90
>>91-120
>>121-150
>>151-180
>>181-210
>>211-240
>>241-270
>>271-300
>>301-330
>>331-360
>>361-390
>>391-420
>>420-450
>>451-480
>>481-510

⏰:07/07/25 16:27 📱:W43CA 🆔:MyaKRIKM


#508 [ゆら]
更新されてるッ
次の更新も
楽しみに待ってます(∀)

⏰:07/07/25 20:15 📱:D903i 🆔:cYpLn/HI


#509 [向日葵]
我輩さん
ゆらさん

ありがとうございました

――――――――

セツナ「馬鹿言うな…。これでも理性で抑えてるんだ。」

湯船から出てセツナはシャワーを止めた。
そのセツナのセーターを掴んで引き留める。

蜜「先生の感触を完璧に取って欲しいんです!」

大・胆・発・言……してしまった。


蜜「や、あの……そーゆー意味ではなくって、あの……っ!」

⏰:07/07/25 23:19 📱:SO903i 🆔:0Mc92U2I


#510 [向日葵]
ジャバー! ピチャピチャ

セツナはずぶ濡れの私を抱え上げ、湯船の淵に座らせた。

セツナ「言い訳無用。止まらなくなっても知らないからな。」

蜜「え……っ!ん……。」

セツナの深いくちづけが始まった。
くらくらして倒れそうな私の体をしっかり支える。

唇は首筋へ。
私は目を瞑って、また這上がるあの感覚に堪えていた。

⏰:07/07/25 23:23 📱:SO903i 🆔:0Mc92U2I


#511 [向日葵]
セツナの手が直したばかりの制服にきた……。

蜜「…っ!!セツナ…っ!待って…」

セツナ「分かってるっつーの。」

セツナは私の鼻をブニッとつねる。
私は何がなんだかさっぱりになってた。

セツナ「ったく。お前が待ったかけなければ最後までいってたぞ。」

蜜「……え。でも、…どうして……。」

セツナ「最後までして欲しいか。」

⏰:07/07/25 23:30 📱:SO903i 🆔:0Mc92U2I


#512 [向日葵]
顔を赤くしながら首を横にゆっくり振った。
そんな私にセツナは「だろ」と言う。

セツナ「まだキスだけで精一杯の奴が生意気言うな。第一犯されそうになった直後に襲うほど俺は落ちぶれては無いぞ。」

少し怒った顔でセツナは私を見つめる。

自分から言ったくせに、セツナに嫌な思いをさせてしまった。

蜜「スイマ……セン。」

セツナ「まったくだ。」

そう言うとセツナはバスタオルを持ってきて私の体を包む。

⏰:07/07/25 23:34 📱:SO903i 🆔:0Mc92U2I


#513 [☆チーター☆]
上げ
今日も頑張って下さいトI

⏰:07/07/26 00:44 📱:auSA3A 🆔:meJCZDCA


#514 [向日葵]
チーターさん

ありがとうございます

――――――――

私は申し訳なくなってうつ向いた。
髪の毛から水滴がポタポタ落ちる。

セツナ「何しょげてる?」

蜜「怖かったけど……嫌ではありませんでしたからね?」

上目使いで言うと、セツナがニカァッと笑って頭をガシガシ拭いてきた。

蜜「わ、わ、わっ!」

セツナ「ホンットお前は可愛くて困る!!」

⏰:07/07/26 01:09 📱:SO903i 🆔:Khd7S3Xo


#515 [向日葵]
そんな笑顔のセツナを前にして心底ホッとした。

セツナはお姫様抱っこで抱き上げて、部屋まで運んでくれた。

セツナ「風邪引くといけない。早く着替えろ。」

蜜「セツナは……?」

セツナ「すまないが、一旦戻る。」


セツナは頭を撫でながら言った。

蜜「はい…。気を付けて……。」

自然と笑う事が出来るのはセツナがすぐに帰ってきてくれると分かっているからだ。

⏰:07/07/26 01:14 📱:SO903i 🆔:Khd7S3Xo


#516 [向日葵]
そんな私を見てセツナはギュッと抱き締めた。

蜜「?……どうしました?」

セツナ「そんな顔されたら帰りたくなくなる。」

蜜「すぐ戻るなら問題ないですよ。さ、早く行って。セツナも風邪ひいちゃいますから。」

無理矢理セツナを離して窓を開けた。

セツナ「……じゃあな。」

と言いながらセツナはおでこに唇を当てた。

そして大きな羽で飛び立った。

良かった。もう大丈夫。
もう二度と不用意に先生の近くには行かない……。

⏰:07/07/26 01:19 📱:SO903i 🆔:Khd7S3Xo


#517 [向日葵]
ふと胸元に手を当てた。

……あの時、先生の舌が肌を辿った時はあんなに気持ち悪かったのに…
セツナが触れたら、なんだかキスしてる時みたいに何も考えられなくなってた……。

蜜[もっと触れて下さい……。]

ボホァ!!
顔から湯気噴射。

私っ……どうしちゃったんだろあの時……っっ!!
なんだか……セツナの手で、指で、唇で……。体の隅々を触れて欲しくなったんだ……。

『私も変態の仲間入り……?』

⏰:07/07/26 01:23 📱:SO903i 🆔:Khd7S3Xo


#518 [向日葵]
「随分といい格好ですわね。」

いきなり声がしたから私は窓の方を見た。

蜜「ルキ。……さん。」

窓枠に美脚を組んでルキが座っていた。

ルキ「まったく残念ですわ。貴方の純潔が奪われればセツナは私の元へ帰ってくると思っていたのに。」

蜜「……。やっぱりセツナを盗られた腹いせに……?」

ルキは窓枠から降りて私の元へ歩いてくる。

黒く短いワンピースと網タイツが美脚をさらに際立たせる。

⏰:07/07/26 01:29 📱:SO903i 🆔:Khd7S3Xo


#519 [向日葵]
ルキ「これで勝ったおつもりかしら?」

蜜「こーゆーのって勝敗で決めるんですか…?」

ルキ「知りませんの?恋は戦争並に激しい者ですのよ?潰れるか…………潰されるか。」

そんな……。
間違ってる。この気持ちを、そんなゲームみたいにしてはいけない……!

蜜「私は超が付くほど恋愛初心者ですけど……ルキさんは間違ってますよ。」

ルキは顔を赤くして綺麗な顔を歪めた。

ルキ「黙れっ!たかが人間の小娘の分際でっ!!」

⏰:07/07/26 01:35 📱:SO903i 🆔:Khd7S3Xo


#520 [向日葵]
びっくりした。
いきなり小娘発言。
人(人か?)は怒ると口調が変わる。

……なんで私こんなに冷静なんだろう。

ルキ「貴方に……私の何かを分かってたまるもんですか!!私は……ずっと…。」

蜜「ルキ…さん……。」

ギンとルキが睨んできた。

ルキ「お前ごときが…私の名を呼ばないで。」

よっぽど嫌われている。
それもそのハズ。見るからにルキは、セツナが……。

⏰:07/07/26 01:40 📱:SO903i 🆔:Khd7S3Xo


#521 [向日葵]
ルキ「これで終わったなんて思わないで。次は……もっと酷い事を」

蜜「待って。」

おかしい…。
この人は黒蝶族のハズ。
ならば何故、蜘蛛族なんかに……。

蜜「貴方は……誰?」

ルキは冷たい目で私を見ると、フッと笑った。

ルキ「黒蝶族よ。何?蜘蛛族と手を組んでおかしいとでも思ってるの?」

私は肯定を無言で返した。それもルキは分かったらしい。

⏰:07/07/26 01:45 📱:SO903i 🆔:Khd7S3Xo


#522 [向日葵]
ルキ「私は許されるの。だって、ターヤは正真正銘、兄なんだもの。」

――――っ!!

蜜「え……。」

ルキ「ではごきげんよう……。」

バサァ……。

ルキは私に衝撃だけを置いて帰ってしまった。

兄?そんな事あり得るの?!だって自然界の法則では絶対あり得ないじゃない…っ!

よく考えれば似てなくもない……。じゃあホントに……?

⏰:07/07/26 01:49 📱:SO903i 🆔:Khd7S3Xo


#523 [向日葵]
――――――――

今日はここまでです

⏰:07/07/26 01:50 📱:SO903i 🆔:Khd7S3Xo


#524 [☆チーター☆]
あげます

⏰:07/07/26 13:28 📱:auSA3A 🆔:meJCZDCA


#525 [向日葵]
チーターさん
ありがとうございました

――――――――

・・・・・・・・・・・

セツナ「ルキとターヤ?」

私はクッションを抱いてベッドに座り、つい先程帰ってきたセツナにさっきの事を聞いた。

蜜「兄弟って…ホントですか?」

セツナ「あぁ…。らしいな。」

セツナは言葉を濁した。
何か触れてはいけない様な……。

⏰:07/07/27 01:18 📱:SO903i 🆔:JoVeGh86


#526 [向日葵]
蜜「聞いては……いけませんか?」

一応了承を得ることにした。
セツナは机に軽く腰かけて足と腕を組むと短く息を吐いた。

セツナ「確かにアイツらは兄弟だ。しかしこれはあまり触れないことになっている。何故だか分かるか?」

分かるハズもない私は首を横に振った。
セツナの目が険を帯びる。

セツナ「あっては駄目なんだ…。黒蝶族と蜘蛛族が恋に落ちるなんて。禁じられている。なのに2人は子供を生んだ。それがルキとターヤだ。」

⏰:07/07/27 01:25 📱:SO903i 🆔:JoVeGh86


#527 [向日葵]
蜜「禁忌を…犯してしまったんですね……。」

セツナは無言で頷く。

セツナ「だからルキは蜘蛛族と何かあっても咎められないし、ターヤを咎めるのも難しいんだ。」

蜜「だから私を……。」

セツナ「何だって?」

蜜「私を閉じ込めたのはルキなんでー…すーって……言いませんでした、っけ?」

見る見る内にセツナの顔が険しくなった。

セツナ「お前…何故それを早く言わなかった。」

⏰:07/07/27 01:30 📱:SO903i 🆔:JoVeGh86


#528 [向日葵]
私はあらぬ方へ視線を泳がせた。

蜜「主犯であるターヤ先生の事で頭が一杯、でし、た…。」

声が最後になるにつれ小さく、そして私自身も小さくなるのが分かる。

セツナ「こ…んの……大馬鹿者ぉっ!!たわけっ!!ド阿呆っ!!」

蜜「セツナ!シーッ!シーッ!」

もうおばあちゃん達が帰って来てるからセツナがいることがバレたら厄介だ。

セツナは机から降りるとツカツカやって来て私の肩を掴む。

⏰:07/07/27 01:35 📱:SO903i 🆔:JoVeGh86


#529 [向日葵]
セツナ「それならそうと早く言え!そうなれば共犯の罪で二人とも咎められやすくなるのに!」

ガクガク揺らされるがまま私は心の中で何度も謝った。
ってかターヤ先生で目一杯だっつったじゃん!!

セツナ「チッ。今から帰って裁判会議にかけてやる。」

蜜「え……。セツナ!」

窓へ向かうセツナの腕を掴んだ。

蜜「そんなのまた今度でいいですよ!」

セツナ「そんなのだと?!お前がそんな目にあって黙ってろと言うのか!!」

⏰:07/07/27 01:41 📱:SO903i 🆔:JoVeGh86


#530 [向日葵]
私はセツナの腕をギュッと抱き締める。

蜜「こんな目にあったから、今はいつもよりも側にいて欲しいんです……。」

セツナが軽く息を飲んだ。それが聞こえたから顔を上げる。

蜜「また襲われても、セツナは助けに来てくれるんですよね?なら、せめて今だけは一緒にいて下さい……。」

セツナは私の掴んでる手をゆっくりほどくと、私を抱き寄せた。

セツナ「そうだな…。今はそれが先決だな。」

⏰:07/07/27 01:45 📱:SO903i 🆔:JoVeGh86


#531 [向日葵]
良かった……。
ホントに今はこれ以上ないほどくっついてたい。
広いセツナの胸に顔を埋めながらそう思った。

セツナ「じゃあ、どれくらい側に寄ったらいいのかな?蜜よ。」

蜜「どれくらい……って……。どれくらい?」

セツナ「こちらが聞いてるんだが?……例えば。」

と言ってセツナはおでこに唇を当てた。
そしてニヤリと笑う。

セツナ「これくらいとか。」

蜜「あー…えー…おー…。」

⏰:07/07/27 01:49 📱:SO903i 🆔:JoVeGh86


#532 [向日葵]
って発生練習か。

蜜「も、ちょっとだけ…。近くがいいです。」

セツナは満足そうに笑うと瞼、頬に唇を触れていった。

さて、ここで少し意地悪を仕掛ける。

蜜「それくらいでいいです。」

と言うとセツナの満足そうな笑みは消え、不満そうに眉を寄せる。

セツナ「ホントに?」

蜜「ホントに。」

するとセツナは唇を指先でなぞった。思わず反応してしまう。

⏰:07/07/27 01:53 📱:SO903i 🆔:JoVeGh86


#533 [向日葵]
セツナ「こんな時……なんだぞ?」

セツナの顔が色っぽく変化する。
声もいつもの倍、魅惑的になる。
つまりこれは私を誘いだそうとしてるのだ。

思わず意地悪を撤回したくなった……。けど負けない!

蜜「今日はいっぱいしました。っと言うよりいつもいっぱいしすぎなんです。今日はこれくらいで充分ですよ。」

セツナは降参しない私に最終手段を使ってきた。

唇を耳元に当てる。

⏰:07/07/27 01:57 📱:SO903i 🆔:JoVeGh86


#534 [向日葵]
吐息が耳の中へ入っていく。
身震いしてしまう。

セツナ「…蜜…。」

ビクンッ!!

そんな魅惑の声をそこで出されては!!
しかも……耳を甘噛みされた。

セツナ「いいのか…?近くに寄らなくて。」

笑みを含む声は魅力を増すばかり。
私は逆らうなんて事が無理だった。

蜜「寄って…下さい…。」

耳元でセツナがクスッと笑って唇を離した。

⏰:07/07/27 02:02 📱:SO903i 🆔:JoVeGh86


#535 [向日葵]
――――――――

今日はここまでにします

⏰:07/07/27 02:02 📱:SO903i 🆔:JoVeGh86


#536 [あいこ]
>>252-300

⏰:07/07/27 02:21 📱:W51S 🆔:sMbp9.CY


#537 [めぃ]
この小説の
虜になりました!!!!
面白スギですっ♪

がんばってください

⏰:07/07/27 02:26 📱:PC 🆔:IhugH03w


#538 [向日葵]
あいこさん
安価ありがとうございました

めぃさん
虜になって頂いてとってもうれしいです

⏰:07/07/27 10:37 📱:SO903i 🆔:JoVeGh86


#539 [☆チーター☆]
あげます~~
書いて下さいト

⏰:07/07/27 12:57 📱:auSA3A 🆔:7ao3XxNI


#540 [向日葵]
チーターさん

ありがとうございます
今から書かせて頂きますね亀でスイマセン

⏰:07/07/27 13:04 📱:SO903i 🆔:JoVeGh86


#541 [向日葵]
セツナ「ククク。どうやら作戦は駄目だったらしいな。お前が俺に勝てるとでも思ったのか?」

蜜「希望は持ってましたよ。悪かったですね。」

セツナはまだおかしそうに笑ってる。
何が可笑しいんだか……。
一頻り笑った所で口に笑みを浮かべたまま、私の顎をクイッと上に上げた。

そしてとろけてしまう様なくちづけをする。

触れた所から私の体が溶けるんではないかとちょっと心配になる。

体が砕けない様に必死にセツナの服を掴む。

⏰:07/07/27 13:10 📱:SO903i 🆔:JoVeGh86


#542 [向日葵]
すると唇が少し動くのが分かった。
どうやら私の様子にまた笑いが込み上げてきたらしい。

意識をはっきり持って無理矢理セツナを離した。

蜜「笑うならもうしなくていいです…。」

セツナ「お前俺が笑ってる訳分かってないだろ。理由はお前が可愛いすぎるからだ。」

聞いてないし……。
ってか可愛いって言い過ぎだし……。

蜜「セツナは少々贔屓(ひいき)目が強いみたいですね。」

⏰:07/07/27 13:13 📱:SO903i 🆔:JoVeGh86


#543 [向日葵]
セツナは呆れて窓によりかかる。

セツナ「気に入ってる奴を贔屓して何が悪い。」

蜜「世間ではそれをよく思わないんですよ。だからルキが怒るんですよ。」

セツナ「知るか。贔屓して欲しいんなら気に入られる努力をするんだな。」

……。
この人の俺様節には無理があるのにどうして勝てないんだろうか……。

どっちか言えば私が正論のハズなんだけどなぁ……。

おばあちゃん「ただいまー。みっちゃぁーん。」

⏰:07/07/27 13:19 📱:SO903i 🆔:JoVeGh86


#544 [向日葵]
おばあちゃんとおじいちゃん帰宅。
私は部屋を出ようとドアへ近づく。

蜜「お帰りなさ…キャッ!!」

ボフッ!

視界が何故か天井。

おばあちゃん「みっちゃん?」

おばあちゃんが階段を上がって私の元へやって来る。起き上がらなきゃ。あとセツナをどこかに……

パチン。

蜜「へ?」

部屋が真っ暗…。

⏰:07/07/27 13:22 📱:SO903i 🆔:JoVeGh86


#545 [向日葵]
トタトタ

おばあちゃんの足音が段々近づく。

バサァッ!

蜜「え?!セツナ?!」

あくまでこれは小声。

いきなり布団の中に私とセツナがいた。
そう。ベッドに引っ張ったのはセツナ本人だ。

セツナ「シッ。バレたらヤバイんだろ?」

セツナは長い人差し指を口元に当てる。

そうじゃなくて!今この状態がヤバイんだって!!

⏰:07/07/27 13:26 📱:SO903i 🆔:JoVeGh86


#546 [向日葵]
トタトタ

私はなんとかしようとジタバタした。
しかし……

蜜「んっ……。」

セツナの唇が重なる。
それで私の体は力が抜けてしまった。

カチャ

『来た―――!』

おばあちゃん「みっちゃん?あれ、寝てるのかしらね。」

布団の中では荒い息が交差してるって言うのにおばあちゃんは全く気づくことなく部屋を後にした。

……パタン。

⏰:07/07/27 13:29 📱:SO903i 🆔:JoVeGh86


#547 [向日葵]
蜜「ん……んん……っ。プハァッ!!セ、セツナァァー!!」

あくまで小声。

セツナ「お前がじっとしてないから悪いんだろ。」

蜜「布団捲られてたら一発ですよ!!」

セツナ「その時は姿を消せるだろ。鱗片で。」

あー負けた……。
ハイハイそうですね。貴方にそーゆー手があったのをコロッと忘れてましたよ。

蜜「いくらなんでも今日はくちづけしすぎです!!」
セツナ「何回かはお前の為だろ。」

⏰:07/07/27 13:34 📱:SO903i 🆔:JoVeGh86


#548 [向日葵]
まったく……。油断したらこうなんだから……。

でも……少しの間は気を張らなきゃいけない。
また今日みたいなことがあっては絶対いけない。

セツナをまた悲しませたりしたくない。

考え事をしている私をどうしたのかとセツナが不安そうな顔で見つめてる。

その顔がなんだか愛しくて、セツナに身を寄せた。

それにセツナも微笑み、ギュッと抱き締めてくれる。

そしてその日、私達はいつも以上に唇を重ねた……。

⏰:07/07/27 13:40 📱:SO903i 🆔:JoVeGh86


#549 [向日葵]
チャプター11:仕掛け





時は飛んでセツナとの同棲(?)生活が始まった。

ここ数日、何かあったのかと聞かれても特に何も無かった。

もちろんターヤ先生やルキが私を見る目は変わらなかった。

って言うか……、今日は……。

蜜「セツナ!いい加減起きて用意して下さいよ!」

セツナ「やだね。」

⏰:07/07/27 13:44 📱:SO903i 🆔:JoVeGh86


#550 [向日葵]
セツナはベッドの上で寝転がり、頭の後ろで手を組んで、足も組み、組んだ足をプラプラさしてる。

子供かコラァァ!!!

蜜「もう!今日は卒業式でしょ?!貴方(一応)卒業するんですよ?!」

セツナ「昨日の予行とやらも我慢したんだぞ。もういい。」

蜜「馬鹿ですか?!今日が本番なんですよ?!」

セツナはいきなり起き上がると私を壁に押し付けて片腕を壁に付いた。

セツナ「言っておくぞ。俺はお前と離れて前みたいになれのはゴメンなんだ。」

⏰:07/07/27 13:49 📱:SO903i 🆔:JoVeGh86


#551 [向日葵]
同棲云々の訳の一つは前の事件により護衛をしているのだ。

いやだからって……さ……。

蜜「昨日の予行でも何もされなかったんです。なら平気ですよ。」

実は昨日もこんな風に渋っていた。
私が行かなきゃいけないのはクラス委員だからだ。

昨日やっと説得して行かした頃には遅刻とチェックされた。

セツナ「お前も休めばいいだろ。」

蜜「小川君いるのに駄目ですよ。」

あ――……しまった……この名前を出すんじゃなかった……。

⏰:07/07/27 13:54 📱:SO903i 🆔:JoVeGh86


#552 [向日葵]
予想通りセツナの機嫌が悪くなった。
セツナはスッと目を細めて私を見下ろす。

セツナ「お前は俺に嫉妬で狂って欲しいのか。」

あぁもう私の馬鹿ぁぁ!!

セツナの顔に指先を触れて、機嫌を伺う。

蜜「心配しなくてもクラス委員として迷惑をかけたくないだけです。」

そこでセツナの顔が少し和らぐ。
でも完璧ではない。
原因は小川君の名前が出た事にあるっぽい。

嫉妬もここまで来ると束縛だ。
……まぁ、嫌じゃないって言うのはホントだけど。

⏰:07/07/27 13:59 📱:SO903i 🆔:JoVeGh86


#553 [向日葵]
蜜「ハァ……。じゃあどうしたら機嫌直してくれます?」

セツナの眉がまた寄る。

セツナ「俺は拗ねたガキ扱いか。」

ガキじゃん!!どう見たってガキじゃん!!

と反論出来ないのは分かりきってること。

蜜「なら言い直します。セツナはどうしたいんですか?」

セツナ「1日中家にいる。」

蜜「名案ではありませんね。今日は一つのケジメをつける日なのに……。」

⏰:07/07/27 14:02 📱:SO903i 🆔:JoVeGh86


#554 [向日葵]
――――――――

キリます

⏰:07/07/27 14:03 📱:SO903i 🆔:JoVeGh86


#555 [ゆら]
あげます
頑張ってください

⏰:07/07/27 14:48 📱:D903i 🆔:oyeHZ1zw


#556 [みぃ]
まぢ文章能力ありすぎ
作品全部だ-い好き
これからもがんばってくださ

⏰:07/07/27 16:36 📱:SH903i 🆔:r84BE6Vw


#557 [MILK]
一気読みしちゃいましたぁ(♥b'v`)
本当に、面白いですヾ(*'▽'*)ノ
これからも、頑張って下さいvv

本当に楽しみにしてますvv

⏰:07/07/27 17:16 📱:PC 🆔:XlLSOm0E


#558 [はな]
感想がいっぱいで読みにくいです。感想板もあるからそっちに書いてほしいです。一読者の意見ですが…

⏰:07/07/27 17:42 📱:P901i 🆔:☆☆☆


#559 [向日葵]
読んで頂いてる皆様へ

読んで頂いてホントにありがとうございます
感想なども頂いて感謝なのですが、読みにくいとのお声があったので次からは感想板までお越し願います

はなさん

意見ありがとうございました

⏰:07/07/27 18:26 📱:SO903i 🆔:JoVeGh86


#560 [我輩は匿名である]
失礼します

>>1-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400
>>401-500
>>601-700
>>701-800
>>801-900
>>901-1000

⏰:07/07/27 19:22 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#561 [我輩は匿名である]
>>230-500
>>501-771

⏰:07/07/27 19:22 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#562 [向日葵]
セツナは面倒くさそうな顔をしてため息を吐いた。

セツナ「人間界の行事なんざ興味皆無だ。」

どうやらテコでも家から出たくないらしい。
私があんな目に合わなかったらもっと素直に行ってくれたのに……。

私の顔が微かに曇ったのを感じ、セツナは少し心配そうに私を見つめた。

セツナ「どうした…?」

セツナの右手が頬に触れる。

蜜「いえ。……じゃあどうしたら行ってくれますか?」

⏰:07/07/28 00:58 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#563 [向日葵]
我輩さん
安価ありがとうございます

――――――――

セツナ「何をしようと行かん。」

頑固ぉぉ……。
もう……この手は使いたくなかったけど…仕方ない。

蜜「わ、私からのキスをしても駄目ですかっ?!」

シーン……
オイコラァァ!!!なんか反応しろぉぉ!!

セツナは思いがけない私の言葉にただただキョトンとしていた。

⏰:07/07/28 01:02 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#564 [向日葵]
しかしやがてあのいっじわるそうな顔で口の端を上げた。

セツナ「ふぅー…ん。蜜からの……なぁ。考えてやらんこともないが?」

あぁー!もう!!言うんじゃなかった!!やっぱりこんなの恥ずかしいよー!!

セツナは私の手を取って自分の顔に触れさした。

セツナ「で?するの?しないの?」

しないと言えばそれまで。いやしかし……するとしても……。
恥ずかしいんだってばぁぁ……(泣)

⏰:07/07/28 01:07 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#565 [向日葵]
蜜「仕方を教えてくれません?」

じゃないとぎこちなくなってセツナを満足させるキスが出来るか不安だ。
……いや、不安ってアンタ
自分の考えに裏手ツッコミをいれながらセツナをジトーッと見る。

セツナ「ほう。俺の教えはちと厳しいが、覚悟は出来てるかな?花嫁殿よ。」

厳しい……。
どうせ恥ずかし――い私が出来なさそうな事言っていやらし――いキスをさせるに違いない。
この頃やたら舌が入ってくるし……。

⏰:07/07/28 01:12 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#566 [向日葵]
蜜「独学が少々ですが……。それでもありですか?」

セツナ「俺が学校へ行こうと決心出来る様なキスであればな。」

どんなのだよそれ。

とりあえず……やるしかない事は確かだ。いや、他に方法あったかも……。
だけど浮かんだのがこれしか無かったんだよぉぉっ!

これもセツナに感化されてる?

私が黙っているのでセツナは私に目線を合わせた。

セツナ「最初はどうすればいいんだ?」

⏰:07/07/28 01:16 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#567 [向日葵]
ベッドに座って……セツナがヒートアップしたら押し倒される可能性大。

よって危険。

立ったまま……これまた激しさを増せば壁を利用してセツナの舌が口内の奥まで侵す。

よってこれも危険。

蜜「……キスは…ほっぺじゃいけません?」

セツナ「満足すると思うか?」

ごもっとも……。

セツナは両手を壁に付いた。

⏰:07/07/28 01:24 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#568 [向日葵]
――――――――

すいません……眠さ限界なんで今日はここまでにさせてください

おやすみなさい

⏰:07/07/28 01:25 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#569 [☆チーター☆]
頑張って下さいトソソ

⏰:07/07/28 11:18 📱:auSA3A 🆔:POuyhL7M


#570 [ゆら]
あげます

⏰:07/07/28 13:17 📱:D903i 🆔:4lLNDt56


#571 [向日葵]
セツナ「さぁ。どうする?」

セツナはニヤニヤ笑いながら完璧な顔を近付ける。
唇が触れるまであと2cm……。
喋れば吐息が顔にかかる。

私は腹をくくってセツナの襟元を掴んで唇を当てた。

蜜「……っ。ハイ!!」

セツナは私の懸命な姿を見て可笑しくなったのか吹き出して笑った。

蜜「んな!何で笑うんですか!!」

人が真っ剣に頑張ったって言うのに失礼な!

⏰:07/07/28 15:41 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#572 [向日葵]
チーターさん
ゆらさん
あげありがとうございました

――――――――

セツナ「分かってないな蜜。どうやら手本を見せなきゃいけないらしい。」

蜜「――!!いい!!いいです!!」

セツナの口元辺りを両手でガードして手本をするのを遮る。

セツナは壁に付いていた片手で私の手首を片方掴んだ。
そして掌に唇を押しつける。

⏰:07/07/28 15:46 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#573 [向日葵]
蜜「ちょ、セツナ……っ!」

セツナは私の言葉を無視して唇にキスする様に掌にキスする。

その姿がまた官能的で、目を離したいのに離せない。
『なんで朝からこんなことしてるんだ私……っ。』

するとセツナが目を開けて私と目を合わせた。
合わせた瞬間セツナがクスッと笑う。

―――ドキン…

胸が高鳴るとガードしていた手を思わず下ろしてしまった。
それを見計らってセツナは手から唇を離して顔を近付けてきた。

⏰:07/07/28 15:59 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#574 [ちゃむ]
>>470->>600

⏰:07/07/28 16:03 📱:SH902i 🆔:/3bSYpXc


#575 [向日葵]
蜜「駄目セツナ……!」

また手を上げて遮ろうとしたけど掴まれて壁にゆっくりと押し付けられた。

セツナ「そんな顔されて…、辞めれると思ってるのか?」

鏡を下さい!そしたら“そんな顔”を止めますから!!

セツナ「お前は俺を誘うのが上手いな。」

知らない!私誘ってない!そんな色気持ってない!!

セツナの唇が優しく押し付けられる……。

反則だ…。そんな優しくするだなんて……。

⏰:07/07/28 16:11 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#576 [向日葵]
ちゃむさん
安価どもです
――――――――

思わず唇をこわばらせてしまう。
それに気付いたセツナは唇を何度も重ねて私の唇をほぐす。

もう胸が張り裂けそうなくらい苦しい……。

蜜「セツ……。あいたー!!」

ガチッて音と共に2人して口を抑える。

セツナ「お前なぁ〜……。」

漫画のお約束みたいに歯が当たって口が切れてしまった。

⏰:07/07/28 16:16 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#577 [向日葵]
セツナ「キスしながら喋るなよ!見てみろ!俺の完璧な体の一部が傷ついたじゃないか!!」

蜜「ごめんなさぁぁ〜い!!」

ってか私もケガしたのにその心配は無しですか!!

セツナ「ったく。蜜。決めたぞ。学校には行かない。」

あぁぁぁ……せっかくの作戦すら失敗に終わってしまった……。

私だけ行くのも許されず、人生初のサボりになってしまった……。

⏰:07/07/28 16:19 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#578 [向日葵]
――――――――

キリます

⏰:07/07/28 16:20 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#579 [冬歌]
>>1-50
>>51-100
>>101-150
>>151-200
>>201-250
>>251-300
>>301-350
>>351-400
>>401-450
>>451-500
>>501-550
>>551-600
>>601-650
>>651-700

⏰:07/07/28 20:23 📱:W43H 🆔:1uiX0qj.


#580 [向日葵]
冬歌さん
安価ありがとうございます

――――――――

・・・・・・・・・・・・・

ピピピピピピ

私は学校に休みの電話をする為に受話器を片手に私はリビングを行ったり来たりしていた。
そんな私にソファーに寝転んだセツナは話かける。

セツナ「蜜。何してんだ?」

蜜「シーッ。少し黙ってて下さい。」

私は一回咳払いをした。
すると受話器の向こうから声が聞こえる。

⏰:07/07/28 21:43 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#581 [向日葵]
ガチャ

{はい。}

―――ドクン

この声は……

{クスクス。君、蜜乙女だね。}

蜜「ターヤ先生……。」

その名前を呟いた瞬間、天井を仰いでいたセツナがこちらを素早く見た。

ターヤ{どうかしたの?君が休みだなんて。しかも卒業式に。}

優しい声だけど、私には恐ろしさだけしか感じられなかった。

⏰:07/07/28 21:46 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#582 [向日葵]
セツナはソファーから降りて私から受話器を奪おうとするけど、私はそれをなだめた。
今セツナが出てしまったら話がこじれてしまう。

ターヤ{何で来ないのかな?}

蜜「風邪をひきました…。卒業式に菌をばらまくのはいけないと思いまして……。」

あくまで冷静に。
ホントは吐き気がするほど怖い……。

ターヤ{ふぅん。風邪ねえ。……わかりました。}

それでわかってくれれば良かった。
続きを聞いた私は受話器を落としそうになった。

⏰:07/07/28 21:57 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#583 [向日葵]
ターヤ{じゃあお見舞いに行ってあげるよ。}

蜜「え……?」

ターヤ{クスクス。そうだなぁ…。いきなり行っても失礼だから……15分あげる。}

蜜「来なくて…結構です。」

ターヤ{セツナいるんでしょ?}

―――ドクン…

蜜「ど…して……。」

ターヤ{どうしてだろうね…。クスクス。なぁんてね。かまかけに決まってるでしょ。}

⏰:07/07/28 22:01 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#584 [向日葵]
―――――!!!!

しまった……。

ターヤ{じゃあ15分後にね。その間にドレスアップでもしてるといいよ。}

ガチャ
プー プー プー プー


一方的に切られた受話器を持ったまま、しばらく立ち尽くした。

セツナ「蜜?!」

セツナが肩を揺らす。
そこで私は半泣きになった。
セツナがいるなら大丈夫。でももしセツナに何かあったら……っ。

蜜「セツナ……っ!ターヤ、先生、ここに来るって……!!」

⏰:07/07/28 22:05 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#585 [向日葵]
セツナの顔に険が帯びる。

セツナ「落ち着け。俺がいる。ターヤは何もしてこない。」

なら何故あの時セツナがいる事を確認したんだろう……。
ただのからかい?
ううん。そんな事ない。絶対に何か企んでる。

蜜「セツナに何かあったら私……っ。」

ギュッ。

セツナは私を抱き寄せた。

セツナ「蜜。大丈夫…。大丈夫だから……。」

⏰:07/07/28 22:11 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#586 [向日葵]
私を落ち着かせる様に穏やかな声でそう告げる。

セツナ「俺が守るから。……な?」

私はセツナの背中に手を回してギュッと手に力を入れる。

大丈夫。私はそう思いたかった。
でも……胸騒ぎがして……。

―――――……

ピンポーン

あれから約15分後……。遂にターヤ先生が来た。

ターヤ「風邪の割にえらく元気そうだね。」

⏰:07/07/28 22:17 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#587 [向日葵]
身震いがしてならない。

私の後ろに音もなくセツナが姿を現す。

ターヤ「これはセツナ。いたのかい?」

セツナ「知ってて来たのだろ。用件を言ってさっさと帰れ。」

先生は動じる事なく笑う。

ターヤ「そうだね。その方がいいだろう。じゃあ用件を言おう。」

ターヤ先生の視線が私に向けられた。
その瞬間、ビクッとしてしまった。

⏰:07/07/28 22:26 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#588 [向日葵]
ターヤ先生は私に笑顔を見せたまま手を掲げ、パチンと指を鳴らした。

そして次の瞬間

ザザザザザ!!

何人もの黒い外套を被った人がどこからともなくやって来て、セツナを拘束した。

セツナ「!!お前らっ!!何をしてる!!」

蜜「いや!止めて下さい!!」

ターヤ「蜜乙女よ。」

先生が私を引き寄せて顎をクイッと上を向かせる。

⏰:07/07/28 22:32 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#589 [向日葵]
セツナと同じくらい綺麗な顔が、間近にある。

蜜「な……にを……。」

ターヤ「用件はこうだよ。君を花嫁に迎える。」

!!

セツナ「ふざけるなっ!そんな事して許されるとでも思ってるのか!!」

先生はセツナを無視して私だけに話す。

ターヤ「もしノーと言えば分かるね?」

外套を被った人達が口を開けた。
そな中には鋭くとがった牙があった。

⏰:07/07/28 22:37 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#590 [向日葵]
ターヤ「これだけの毒牙を食らえば、いくら黒蝶族の長の息子と言えど何も助けが無い今、悶え死ぬだけなんだよ……。」

蜜「っっ?!」

セツナ「お前……こんなことをしてどうする……。」

先生は実に愉快そうに声を上げて笑った。

ターヤ「僕達にとって君達の存在は邪魔すぎる。明日、夕刻に僕達が結婚すれば君達に大きな屈辱を味あわせる事になると思ってね?」

セツナ「そんなの簡単に……」

ターヤ「出来ると思うかいセツナ。君達黒蝶族は僕達から目を離しすぎた。」

⏰:07/07/28 22:44 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#591 [向日葵]
先生が私をより抱き寄せるからセツナは歯を食いしばって先生を睨みつける。
そんなのも先生は涼しい顔で受け流す。

ターヤ「君達が思ってる以上に僕達は力を付けたんだよ。」

途端に細く白い何かが何重にも私と先生の周りを包む。
それが少しして蜘蛛の糸だと分かった。

ターヤ「助けに来るといいよ。まぁ……来れたらの話だけどね……。」

セツナは必死に外套軍団を振りほどいて私に手を伸ばす。

⏰:07/07/28 22:54 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#592 [向日葵]
セツナ「蜜!!」

蜜「セツナァ!!」

私も手を伸ばしたけど、白い空間に閉じ込められてしまった……。

―――――――……

セツナは蜜がいなくなった後を唖然として見つめていたが、沸々と怒りが込み上げて来て、玄関の壁を殴りつける。

ガァンッ!!

壁紙がバラバラと床に落ち、壁は拳型にへこんだ。

『俺のせいだ…っ!油断していた……。既に仕掛けをしていたとは……っ!!』

⏰:07/07/28 22:58 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#593 [向日葵]
セツナ「ルキ。近くにいるんだろ……。」

落ち着きをはらった声は少し震えていた。
部屋の陰からルキが姿を現す。

セツナ「お前の知恵か。」

ルキ「知りませんわ。何を勘違いなさって?」

セツナの目が鋭くなり、手が伸びたかと思えばルキの首を絞めていた。

ルキ「うっ……。セ、ツナ……。」

セツナ「お前……いい加減にしろよ…。遂にこの俺の逆鱗に触れてくれたな……。」

⏰:07/07/28 23:04 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#594 [向日葵]
ルキは苦しそうにセツナの手を握る。
セツナは首を絞めながらルキを持ち上げると、ルキを床に叩きつけた。

ルキ「きゃぁあっ!!」

セツナはルキを冷たく見下ろす。

セツナ「蜜を助けに行く。弁解のチャンスをやろう。もちろんお前も手伝うなぁ?」

黒蝶族の中でもルキはそれなりの力があると共に、蜘蛛族はルキには手だし出来ない為有利だとセツナは考えた。

ルキ「何故……私があんな娘を……」

ゴスッ!!

⏰:07/07/28 23:09 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#595 [向日葵]
ルキの顔のすぐ横にセツナは拳を振り下ろした。
またしてもそこにはへこみが生じる。

セツナ「ここで殺されたいか…。それとも愛しい俺の役に立つか…。どうする……。」

どうすると聞いているが明らかに言外で後者を選べと言っている。
ルキは有無を言えずセツナに従うしかなかった。

ルキ「役に……立ちます……。」

セツナ「裏切ったら次は無いと思え…。いいな。」

ルキの目からは涙が落ちる。それに目もくれず、セツナは言葉を発する。

⏰:07/07/28 23:13 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#596 [向日葵]
セツナ「早急に帰り、作戦を企てるぞ。」

―――――
――――――……

着けば目の前には赤い絨毯が引かれた正にお城の中にいた。

ターヤ先生は乱暴にどこかの部屋へ連れて行く。

連れて行かれた先に何人ものメイド姿の人達がいた。

ターヤ「隅々まで綺麗にしてやってくれ。」

メイド「かしこまりました。」

蜜「え……。何……っ。」

ターヤ「只の湯殿だよ。心配しなくていい。」

⏰:07/07/28 23:18 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#597 [向日葵]
そう言って先生は部屋を出て行った。

メイド「ささ。お着物を脱いで下さいませ。」

蜜「え?!ちょ、ちょっといやぁぁぁ!!」

・・・・・・・・・・・・

コンコン

ドアをノックする音が聞こえた。

ターヤ「蜜乙女よ。入るよ。」

カチャ

私はお風呂が終ると真っ黒なドレスに身を包まれた。

ターヤ「ほぉ…。黒髪に黒いドレス。中々だよ。」

そう言いながら私の腕を引っ張る。

⏰:07/07/28 23:24 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#598 [向日葵]
蜜「や、やだ!もう何なんですかぁっ!!どうして……!」

先生は足を止め、私に向き直った。
口許は薄く笑みを浮かべている。

ターヤ「君を気に入ったからだよ。稀なる蜜乙女。」

……違う。
それは……。

蜜「……それは、蜜乙女としてじゃないですか。」

頭にセツナの姿がよぎる。

蜜「セツナは違う!セツナは私を一人の人間として好きになって、大切にしてくれてました!」

⏰:07/07/28 23:29 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#599 [向日葵]
そこで初めて先生の表情が消えた。

蜜「先生とは違う…。例え先生が私を好きになっても私は……キャアッ!!」

先生が私を肩に担いだ。
私は必死にもがく。

蜜「何をするんですか!!離して下さい!!」

ターヤ「お喋りな女の子は嫌いだよ。少し黙ったら?」

私はその時感じた。
笑みがあるその声の中に、冷たい感情が入ってる事を……。

先生は悠々と広い階段を上って行く。私の視界は赤いフカフカな絨毯のみだ。

⏰:07/07/28 23:33 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


#600 [向日葵]
ガチャっと聞こえたと思うと視界にオフホワイトの大きなドアと、赤い絨毯に変わって灰色の絨毯になった。
どこかの部屋に入ったらしい。

ボフッ!

蜜「んむっ!!」

降ろされた先はドアと同じオフハワイトの柔らかく大きなベッド。
ベッドの周りにはワインレッドの天蓋が。

そんな事より早く起きなければ……っ!
……と思って横を向いて起き上がる体勢になったが遅かった。

⏰:07/07/28 23:41 📱:SO903i 🆔:EACVsMYQ


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